JP2020016710A - 液晶素子及びその製造方法、表示装置、並びに液晶組成物 - Google Patents

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Hideki Nagaiwa
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Abstract

【課題】光透過性及び光散乱性に優れ、コントラスト特性に優れるとともに、耐熱性及び耐候性に優れた液晶素子を提供する。【解決手段】液晶素子10は、一対の基材11,12と、一対の基材11,12において互いに対向する面にそれぞれ配置された電極16,17と、一対の基材間に配置され、液晶及び重合性化合物を含有する液晶組成物を硬化して形成された液晶層13と、液晶層13に隣接して配置され、液晶を垂直配向させる液晶配向膜14,15と、を備える。液晶組成物は、特定の式で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶素子及びその製造方法、表示装置、並びに液晶組成物に関する。
液晶素子としては、近年、透明電極が表面に形成された一対のフィルム基材の間に、液晶と高分子との複合材料からなる液晶層が配置された高分子分散型液晶素子が知られている。また近年、高分子分散型液晶素子を調光素子として用いることが提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。特許文献1及び特許文献2の調光素子は、透明電極の電圧印加/電圧無印加の切り替えによって透明性が変化して調光機能を発現する。また、高分子分散型液晶素子の調光機能を利用して、ショーウィンドウやスマートフォン、テレビ、モニタ、建築物、家具等において新たな機能を付与することが検討されている。高分子分散型液晶としては、例えばPDLC(Polymer Dispersed Liquid Cristal)やPNLC(Polymer Network Liquid Cristal)などが知られている。
特許文献3には、有機EL素子からなる透明ディスプレイの背面に液晶表示パネルを配置した表示装置が提案されている。この表示装置では、液晶表示パネルに印加する電圧を制御することによって光透過性を制御し、これにより透明ディスプレイの表示の視認性を高めることが提案されている。また、特許文献4には、一対の電極間に電圧を印加していないとき(電圧オフのとき)には光が透過して透明な状態になり、電圧印加時(電圧オン時)には光が散乱して非透明な状態になるリバース型液晶素子について開示されている。このリバース型液晶素子は、液晶を垂直に配向させる垂直配向膜を有し、垂直配向膜によって液晶層中の液晶分子の配向状態を制御している。
特開2013−3319号公報 特開2013−148744号公報 特開2008−083510号公報 国際公開第2015/022980号
リバース型液晶素子を用いて建築物の窓やパーティション、車両の窓等に調光機能を付与する場合、通常使用時には十分な視認性を確保しつつ、電圧オンによって外からの視界を完全に遮るようにすることが望ましい。これを実現するには、リバース型液晶素子が優れた光学特性、すなわち、電圧オフ時の光透過性及び電圧オン時の光散乱性に優れていること、コントラスト特性に優れていることが要求される。また、調光素子の用途では、屋外での使用に供されることが想定されるため、液晶素子は耐候性及び耐熱性に優れていることが求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、光透過性及び光散乱性に優れ、コントラスト特性に優れるとともに、耐熱性及び耐候性に優れた液晶素子を提供することを主たる目的とする。
本開示は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
[1] 対向配置された一対の基材と、前記一対の基材において互いに対向する面にそれぞれ配置された電極と、前記一対の基材間に配置され、液晶及び重合性化合物を含有する液晶組成物を硬化して形成された液晶層と、前記一対の基材のうち少なくとも一方の電極配置面に、前記液晶層に隣接して配置され、液晶を垂直配向させる液晶配向膜と、を備え、前記液晶組成物は、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、液晶素子。
Figure 2020016710
(式(1)〜式(4)中、R〜R、R、R及びY〜Yは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜10の1価の有機基であり、Rは、炭素数1〜10の1価の有機基である。a1〜a4、b1〜b3及びc1は、それぞれ独立して0〜4の整数である。)
[2] 上記[1]の液晶素子と、非表示状態で透明となる透明ディスプレイと、を備える表示装置。
[3] 液晶素子の製造方法であって、電極を備える一対の基材における前記電極の配置面に、重合体組成物を用いて、液晶を垂直配向させる液晶配向膜を形成する工程と、前記液晶配向膜を形成した前記一対の基材を、液晶及び重合性化合物を含有する液晶組成物を用いて形成された層を挟んで前記電極が対向するように配置する工程と、前記一対の基材の間に配置した前記液晶組成物を硬化させる工程と、を含み、前記液晶組成物は、上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び上記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、液晶素子の製造方法。
[4] 垂直配向方式の高分子分散型液晶素子用の液晶組成物であって、液晶と重合性化合物とを含有し、前記液晶は、上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び上記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、液晶組成物。
上記構成によれば、光透過性及び光散乱性に優れ、よってコントラスト特性に優れた液晶素子を得ることができる。また、耐熱性及び耐候性に優れた液晶素子を得ることができる。
液晶素子の概略構成を示す図。 液晶素子の機能を説明する図。 液晶素子と透明ディスプレイとを備える表示装置の概略構成を示す図。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<液晶素子>
本実施形態の液晶素子10は、高分子分散型液晶素子であり、図1に示すように、第1基材11及び第2基材12からなる一対の基材と、第1基材11と第2基材12との間に配置された液晶層13と、を備えている。液晶素子10は、液晶層13に形成されたポリマーネットワーク13a中に存在している液晶分子13bの配向を電界によって制御することにより、光を透過する透過状態と、光を散乱させる不透過状態とが切り替わる調光素子である。
第1基材11及び第2基材12は、高分子材料からなる透明基材である。基材を構成する高分子材料としては、例えば、シリコン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート等の材料が挙げられる。なお、第1基材11及び第2基材12をガラス基板としてもよいが、液晶素子10の薄型化及び軽量化を図ることができる点で、プラスチック基板であることが好ましい。
第1基材及び第2基材12において、互いに対向する面には、透明電極16,17がそれぞれ配置されており、これら透明電極16,17によって電極対が構築されている。本実施形態では、透明電極16,17は透明導電膜であり、例えば酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜、又は炭素材料からなる膜である。なお、透明電極16,17は、例えば櫛歯状等の所定のパターンを有していてもよい。
第1基材11及び第2基材12のそれぞれの電極配置面上には、液晶配向膜14,15が形成されている。液晶配向膜14,15は、液晶層13中の液晶分子13bの配向方位を規制する有機薄膜であり、重合体組成物(以下、「液晶配向剤」ともいう。)を用いて形成されている。液晶配向膜14,15は、液晶層13中の液晶分子13bを垂直配向させる垂直配向膜である。なお、液晶配向膜14,15は、一対の基板の少なくとも一方に設けられていればよいが、配向安定性の観点から、一対の基板のそれぞれに設けられていることが好ましい。液晶層13は、液晶と重合性化合物とを含有する液晶組成物を硬化することによって形成されている。液晶層13は、ポリマーと液晶分子13bとが混在する高分子/液晶複合材料層であり、液晶層13中に、重合性化合物を重合して形成されたポリマーネットワーク13aが構築されている。
なお、液晶素子10は、第1基材11及び第2基材12の外側表面に偏光板を備えていない。そのため、光の吸収損失が少なく、光の利用効率が高い点で優れている。
図2は、液晶素子10の機能を説明するための図であり、(a)は透明電極16,17間に電圧が印加されていない状態を示し、(b)は透明電極16,17間に電圧が印加されている状態を示す。液晶素子10はリバース型PDLCである。具体的には、液晶素子10は、透明電極16,17間に電圧が印加されていない状態では、入射光が一対の基材の一方から他方へ透過して透明な状態となる。一方、透明電極16,17間に電圧が印加されている状態では、液晶分子13bの配向状態が変化することにより、入射光は散乱して非透明な状態となる。
本実施形態では、図2に示すように、電圧無印加状態では、液晶分子13bの長軸方向が基板面に対して垂直な方向となることにより液晶素子10は透明な状態となる。また、電圧印加状態では、液晶分子13bが基板面に平行な方向に向かって回転することにより、液晶素子10は非透明な状態となる。こうした電圧の印加/無印加の切り替えにより、液晶素子10は調光機能を発現する。液晶素子10は、例えばフィルム状や板状である。なお、液晶素子10は、印加電圧に応じて光透過率を可変とするものであってもよい。
<液晶組成物>
次に、液晶層13の形成に用いる液晶組成物について説明する。
(液晶)
液晶組成物は、液晶として、上記式(1)で表される化合物、上記式(2)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物、及び上記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物(以下、「特定液晶」ともいう。)を含有する。
上記式(1)〜式(4)において、R〜Rの1価の有機基は、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、炭素数1〜12の炭化水素基と酸素原子とが結合した1価の基、又は炭素数1〜12の炭化水素基の少なくとも1個の水素原子がフッ素原子若しくはシアノ基で置換された基であることが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
〜Rとしては、屈折率異方性をより大きくする観点から、これらのうち、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルコキシ基、炭素数2〜11のシアノ基含有アルキル基、又は炭素数2〜11のシアノ基含有アルコキシ基であることが好ましい。
〜Yの1価の有機基は、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が好ましい。Y〜Yとしては、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基であることが好ましい。
より詳細には、上記式(1)で表される化合物は、ターフェニル骨格を有する化合物である。上記式(1)において、R及びRは、炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数2〜6のアルキル基又はアルコキシ基であることが特に好ましい。
〜Yは、ハロゲン原子又はメチル基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
a1及びc1は、0〜2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。b1は、0〜3が好ましく、1〜3がより好ましく、2又は3がさらに好ましい。上記式(1)で表される化合物は、負の誘電率異方性を有することが好ましい。
上記式(1)で表される化合物は、フッ素原子を有していることが好ましい。この場合、Y〜Yはフッ素原子であって、かつa1+b1+c1が1以上であることが好ましい。より好ましくは、a1+b1+c1は2以上であり、さらに好ましくは2〜4であり、特に好ましくは2又は3である。フッ素原子が導入されるベンゼン環は特に限定されないが、屈折率異方性をより大きくする観点から、a1及びc1が0又は1であって、b1が1〜3であることが好ましく、a1及びc1が0であって、b1が2又は3であることがより好ましい。
上記式(2)で表される化合物は、1,2−ジフェニルアセチレン骨格を有する化合物である。上記式(2)において、R及びRは、炭素数1〜10のアルキル基又はアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基又はアルコキシ基であることがさらに好ましい。これらのうち、Rは、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、Rは、炭素数2〜8のアルコキシ基であることが好ましい。
及びYは、ハロゲン原子又はメチル基が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
a2及びb2は、0〜2が好ましく、0又は1がより好ましい。上記式(2)で表される化合物は、誘電率異方性がほぼゼロのニュートラル液晶であるか、又は負の誘電率異方性を有していることが好ましい。
上記式(3)で表される化合物は、ビシクロヘキシルシアノ骨格を有する化合物である。上記式(3)において、R及びRは、炭素数2〜10のアルキル基又はアルコキシ基であることがより好ましい。R及びRの合計の炭素数は、好ましくは4〜15であり、より好ましくは6〜12である。
及びYは、ハロゲン原子又はメチル基であることが好ましく、フッ素原子又はメチル基がより好ましい。a3及びb3は、0〜2が好ましく、0又は1がより好ましい。上記式(3)で表される化合物は、負の誘電率異方性を有することが好ましい。
上記式(4)で表される化合物は、ジシアノフェニルエステル骨格を有する化合物である。上記式(4)において、R及びRは、炭素数2〜8のアルキル基又はアルコキシ基であることがより好ましい。これらのうち、Rは、炭素数2〜8のアルキル基であることが好ましく、Rは、炭素数2〜8のアルコキシ基であることが好ましい。R及びRの合計の炭素数は、好ましくは4〜15、より好ましくは6〜12である。
は、ハロゲン原子又はメチル基であることが好ましく、フッ素原子又はメチル基がより好ましい。a4は、0〜2が好ましく、0又は1がより好ましい。上記式(4)で表される化合物は、負の誘電率異方性を有することが好ましい。
特定液晶の具体例としては、上記式(1)で表される化合物として、例えば下記式(1−1)〜式(1−12)のそれぞれで表される化合物等を;上記式(2)で表される化合物として、例えば下記式(2−1)〜式(2−12)のそれぞれで表される化合物等を;上記式(3)で表される化合物として、例えば下記式(3−1)〜式(3−10)のそれぞれで表される化合物等を;上記式(4)で表される化合物として、例えば下記式(4−1)〜式(4−10)のそれぞれで表される化合物等を、それぞれ挙げることができる。なお、特定液晶は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2020016710
Figure 2020016710
Figure 2020016710
Figure 2020016710
液晶組成物は、特定液晶とは異なる液晶(以下、「他の液晶」ともいう。)を更に含有していることが好ましい。他の液晶としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶等が挙げられ、これらのなかでもネマチック液晶が好ましい。他の液晶としては、負の誘電率異方性を有するネガ型液晶を好ましく使用できる。
他の液晶としては、誘電率異方性や複屈折率等の各物性値に応じて、2種類以上の液晶を混合して使用することが好ましい。例えば、VA(Vertical Alignment)モード用液晶組成物として市販されている負の誘電率異方性を有する液晶組成物(例えば、メルク社製のMLC−6608、MLC−6609、MLC−6610、MLC−6882、MLC−6686、MLC−7026−000、MLC−7026−100、MLC−7029等)を他の液晶(ベース液晶)として用いることができる。特定液晶及び他の液晶の液晶混合物は、負の誘電率異方性を有することが好ましい。
特定液晶の含有割合は、液晶組成物中の特定液晶と他の液晶との合計量に対して、1〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。特定液晶の含有割合を上記範囲内とすることにより、良好な液晶配向性を保持したまま、得られる液晶素子の電圧無印加時のヘーズ値をより低く、かつ電圧印加時のヘーズ値をより高くでき、コントラスト特性を良好にできる点で好ましい。
特定液晶としては、上記のうち、電圧印加時のヘーズ値をより高くできる点で、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。また、低電圧駆動時のヘーズ値がより高く、コントラスト特性がより良好である点で、上記式(1)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物及び上記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、上記式(1)で表される化合物がより好ましい。
なお、特定液晶によれば、特定液晶が有する上記式(1)〜式(4)中の主骨格(ターフェニル骨格、1,2−ジフェニルアセチレン骨格、ビシクロヘキシルシアノ骨格、ジシアノフェニルエステル骨格)により液晶層中の液晶分子の屈折率異方性が大きくなり、これにより、電圧無印加時のヘーズ値をより低くでき、かつ電圧印加時のヘーズ値をより高くでき、得られる液晶素子10が優れた光学特性を示したものと考えられる。
(重合性化合物)
液晶組成物中に配合される重合性化合物としては、液晶に溶解可能であれば特に限定されないが、ラジカル重合性を示す化合物であることが好ましい。重合性化合物の具体例としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能チオール化合物、スチレン系化合物等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを含むことを意味する。
重合性化合物の具体例としては、単官能(メタ)アクリレート化合物として、例えば、(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル系(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコール系(メタ)アクリレート類;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボン酸系(メタ)アクリレート類;アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の窒素含有不飽和化合物;ペンタクロロフェニル(メタ)アクリレート等のハロゲン化(メタ)アクリレート類;3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを;
多官能(メタ)アクリレート化合物として、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(例えば、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー)などを;
多官能チオール化合物として、例えば、1,3−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジメルカプトベンゼン、1,2−ジ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ジ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、チオール基含有カルボン酸と2価アルコールとのエステル類等のジチオール化合物;イソシアヌル酸、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、チオール基を有する多官能性ポリマー(例えば、商品名で、チオコールLP(登録商標)、ポリチオール(登録商標)(以上、東レ・ファインケミカル(株)製))、チオール基含有カルボン酸と多価アルコールとのポリエステル類、等のポリチオール化合物等を;スチレン系化合物として、例えばスチレン、メチルスチレン等を、それぞれ挙げることができる。
重合性化合物は、1種を単独で用いてもよいが、光学特性を良好にする観点から、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。液晶組成物中における重合性化合物の含有割合(2種以上含む場合にはその合計量)は、液晶と重合性化合物との合計量に対して、5〜90質量%とすることが好ましく、10〜80質量%とすることがより好ましく、15〜75質量%とすることがさらに好ましい。
重合性化合物は、単官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能チオール化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有していることが好ましく、少なくとも単官能(メタ)アクリレート化合物を含有していることがより好ましい。この場合、良好な垂直配向性を保持するようにしつつ、液晶層13中に重合性化合物によるポリマーネットワーク13aを形成できる点で好ましい。単官能(メタ)アクリレート化合物の含有割合は、使用する重合性化合物の合計量に対して、5〜80質量%とすることが好ましく、10〜70質量%とすることがより好ましく、15〜65質量%とすることがさらに好ましい。
液晶組成物は、液晶及び重合性化合物以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の具体例としては、例えば以下に示す成分等が挙げられる。
(重合開始剤)
液晶層13の全体に亘ってポリマーネットワーク13aが形成されるのを促進させる観点から、液晶組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射によって重合性化合物の重合を開始可能な化合物(光開始剤)であることが好ましい。光開始剤は、光照射によってラジカルを発生可能なラジカル重合開始剤であることが好ましく、その具体例としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、4,4’−ジメトキシベンジル、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(モルホリノ)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
重合開始剤の含有割合は、硬化反応を速やかに行わせるとともに、過剰量の添加に起因する硬化性の低下を抑制する観点から、液晶組成物中に含まれる重合性化合物の合計質量に対して、0.1〜10質量%とすることが好ましく、0.5〜8質量%とすることがより好ましく、1〜7質量%とすることがさらに好ましい。なお、重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(化合物[E])
液晶組成物は、下記式(5)で表される化合物(以下、「化合物[E]」ともいう。)を含有することが好ましい。化合物[E]を含有する液晶組成物を用いて液晶層13を形成することにより、電圧無印加時の垂直配向性を改善でき、電圧無印加時の光透過性により優れた液晶素子を得ることができる点で好適である。
−B−B−B …(5)
(式(5)中、Aは重合性基であり、Bは、単結合又は炭素数1〜20のアルカンジイル基を有する2価の鎖状基であり、Bは、フェニレン基及びシクロへキシレン基のうち少なくともいずれかの環構造又はステロイド骨格を有する2価の基であり、Bは、炭素数1〜20のアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシ基又はフッ素含有アルコキシ基である。)
上記式(5)において、Aの重合性基としては、例えば、(メタ)アクロイル基、ビニルフェニル基、マレイミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、アリル基、エチレン基、エチニル基等が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリロイル基又はビニルフェニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。なお、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を含む意味である。Bは、直鎖状であることが好ましく、炭素数1〜12の直鎖状のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましい。
は、炭素数1〜20のアルカンジイル基を有する2価の鎖状基であることが好ましい。Bの好ましい具体例としては、下記式(b−1)で表される2価の基が挙げられる。
−X−R21−X− …(b−1)
(式(b−1)中、X及びXは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−NR22−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CONR22−又は−NR22CO−であり、R21は、炭素数1〜20のアルカンジイル基であり、R22は水素原子又はメチル基である。)
は、好ましくは、下記式(b−2)で表される2価の基である。
−X−R23−X−R24− …(b−2)
(式(b−2)中、X及びXは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CHO−又は−OCH−であり、R23はフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、R24は、単結合、フェニレン基又はシクロヘキシレン基である。)
化合物[E]の具体例としては、例えば下記式(5−1)〜式(5−4)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 2020016710
(式(5−1)〜式(5−4)中、R31は、水素原子又はメチル基であり、R32は、炭素数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基であり、Xは、−O−、−COO−又は−OCO−である。x1は1〜12の整数であり、x2は0〜2の整数である。)
化合物[E]の含有割合は、液晶及び重合性化合物(ただし、本明細書において化合物[E]は重合性化合物に含まれないものとする。)の合計100質量部に対して、0.1〜100質量部とすることが好ましく、0.3〜90質量部とすることがより好ましく、1〜80質量部とすることがさらに好ましい。化合物[E]が0.1質量部以上であると、電圧無印加時の垂直配向性の改善効果を十分に得ることができ、また、100質量部以下であることにより、ポリマーネットワーク13aの形成を阻害するのを好適に抑制し、液晶の垂直配向性を保持することができる点で好ましい。なお、化合物[E]は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(色素)
液晶組成物は、液晶層13が着色された液晶素子10を得るために、色素を含有していていてもよい。また、本開示の液晶素子10によれば、液晶層13中に色素を分散させた場合にも、電圧の印加/無印加の切り替えによる光遮光性/光透過性の変化が明瞭であり、また、繰り返し駆動した場合の耐久性も良好である点で好ましい。
色素としては、二色性色素を好ましく用いることができる。使用する二色性色素は特に限定されず、公知の化合物を適宜用いることができるが、例えば、ポリヨウ素、アゾ化合物、アントラキノン化合物、ジオキサジン化合物等が挙げられる。これらのうち、耐光性に優れ、しかも二色比が高い点で、アゾ化合物及びアントラキノン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、アゾ化合物が特に好ましい。なお、色素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
色素の配合割合(2種以上配合される場合には、その合計量)は、液晶組成物中の固形分の合計質量に対して、0.05〜5質量%とすることが好ましく、0.1〜3質量%とすることがより好ましい。
液晶組成物は、液晶及び重合性化合物、並びに必要に応じて添加されるその他の成分が混合されることによって調製される。これらの成分を混合する処理は、常温で行ってもよいし、昇温しながら行ってもよい。また、適当な有機溶媒に各成分を溶解し、その後、例えば蒸留操作により溶媒を除去することも可能である。
<液晶配向剤>
次に、液晶配向膜14,15を形成するために用いる液晶配向剤について説明する。液晶配向剤は、重合体成分、及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは溶剤中に溶解されてなる液状の組成物である。
(重合体成分)
重合体成分の主骨格は特に制限されないが、信頼性がより高い液晶素子を得ることができる点で、重合性不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体(以下、「重合体[A]」ともいう。)、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸、ポリイミド、及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらのうち、液晶層13と液晶配向膜14,15との密着性をより高くできる点、及び低沸点溶剤に対する重合体成分の溶解性をより高くできる点で、重合体[A]、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸、及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましく、重合体[A]及びポリオルガノシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。
重合体[A]の構成単位であるモノマーが有する重合性不飽和結合としては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エチレン基、スチリル基、マレイミド基等が挙げられる。重合性不飽和結合を有するモノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル安息香酸等の不飽和カルボン酸:(メタ)アクリル酸アルキル(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル=(メタ)アクリラート等の不飽和カルボン酸エステル:無水マレイン酸等の不飽和多価カルボン酸無水物:等の(メタ)アクリル系化合物;スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド基含有化合物;などが挙げられる。なお、重合体[A]は、単独重合体であってもよく、2種以上のモノマーを用いた共重合体であってもよい。
重合体[A]としては、得られる液晶素子の透明性や材料強度等の観点から、上記のうち、(メタ)アクリル系化合物に由来する構造単位を有する重合体であることが好ましい。重合体[A]中の(メタ)アクリル系化合物に由来する構造単位の含有割合は、重合体[A]を構成する全モノマー単位に対して、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、70モル以上であることがさらに好ましい。
(垂直配向性基を側鎖に有する重合体)
液晶配向剤は、重合体成分として、垂直配向性基を有する重合体(以下、「重合体[P]」ともいう。)を含有する。これにより、基材11,12上に、液晶配向膜14,15として垂直配向膜を形成できる。ここで、本明細書において「垂直配向性基」とは、液晶配向剤を用いて形成した有機薄膜に対し、液晶分子に所望のプレチルト角(例えば、85〜89度のプレチルト角)を誘起させる機能を付与する官能基である。この垂直配向性基は、光照射によらずに液晶を垂直配向させる性質を示す。
垂直配向性基の具体例としては、例えば、炭素数4〜20のアルキル構造を有する基、炭素数4〜20のフッ素置換アルキル構造を有する基、炭素数17〜51のステロイド骨格を有する基、複数個の環(好ましくは、1,4−フェニレン基及び1,4−シクロヘキシレン基の少なくともいずれかの環構造)が直接又は連結基を介して結合した基等が挙げられる。
垂直配向性基の好ましい具体例としては、下記(7)で表される基が挙げられる。
*−L−R41−R42−R43−R44 …(7)
(式(7)中、Lは、−O−、−CO−、−COO−*、−OCO−*、−NR45−、−NR45−CO−*、−CO−NR45−*、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−O−R46−*、又は−R46−O−*(ただし、R45は水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、R46は炭素数1〜3のアルカンジイル基である。「*」は、R41との結合手であることを示す。)である。R41及びR43は、それぞれ独立に、単結合、フェニレン基又はシクロアルキレン基であり、R42は、単結合、フェニレン基、シクロアルキレン基、ステロイド骨格を有する炭素数17〜51の炭化水素基、−R47−B11−*、又は−B11−R47−*(ただし、R47はフェニレン基又はシクロアルキレン基であり、B11は単結合、−COO−*、−OCO−*、又は炭素数1〜3のアルカンジイル基である。「*」は、R43との結合手であることを示し、「*」は、R47との結合手であることを示す。)である。R44は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、又は炭素数1〜18のフルオロアルコキシ基であり、少なくとも1個の水素原子が重合性基で置換されていていてもよい。ただし、R44が水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のフルオロアルコキシ基である場合、R41、R42及びR43の全部が単結合になることはない。「*」は結合手であることを示す。)
上記式(7)において、L、B11のアルカンジイル基、並びにR44のアルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基及びフルオロアルコキシ基は、直鎖状であることが好ましい。R43のステロイド骨格を有する基としては、例えばコレスタニル基、コレステリル基、ラノスタニル基等が挙げられる。R43がステロイド骨格を有する基である場合、R41及びR42及びR43は、単結合であることが好ましい。R43がステロイド骨格を有さない場合、R41、R42及びR43のうち1つは、フェニレン基又はシクロアルキレン基を有していることが好ましく、R41、R42及びR43のうち2つ以上がフェニレン基又はシクロアルキレン基を有していることがより好ましい。R41、R42及びR43が単結合である場合、R44のアルキル構造部分は、炭素数5以上であることが好ましく、炭素数7以上であることがより好ましい。
重合体中の上記式(7)で表される部分構造の含有割合は、重合体の主鎖に応じて適宜設定されるが、電圧無印加時の垂直配向性を十分に高くできる点で、重合体の全モノマー単位に対して、5〜95モル%とすることが好ましく、20〜85モル%とすることがより好ましい。
重合体[P]の主骨格は、液晶層13との密着性により優れた液晶配向膜14,15とすることができる点で、重合体[A]、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸、及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましく、重合体[A]及びポリオルガノシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。これらのうち、2種以上の重合体のブレンドとした場合に上層へ偏在させやすく、電圧無印加時の垂直配向性をより良好にできる点で、ポリオルガノシロキサンであることが特に好ましい。
重合体[P]の合成方法は特に限定されず、従来公知の方法に従って得ることができる。例えば、(1)垂直配向性基を有するモノマーを用いて重合する方法、(2)第1の官能基(好ましくはエポキシ基)を側鎖に有する重合体を合成し、次いで、第1の官能基と反応可能な第2の官能基(好ましくはカルボキシ基)及び垂直配向性基を有する反応性化合物と、第1の官能基を側鎖に有する重合体とを反応させる方法、等が挙げられる。いずれの方法を用いるかは、液晶配向剤中に配合する重合体[P]の主骨格の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、重合体[P]がポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル又は重合体[A]である場合、上記(1)の方法を好ましく用いることができる。重合体[P]がポリオルガノシロキサン又は重合体[A]である場合、上記(2)の方法を好ましく用いることができる。
重合体[P]の含有割合は、主骨格に応じて適宜設定されるが、例えば重合体[P]がポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド又は重合体[A]である場合、液晶配向剤に含有される重合体成分の合計量に対して、5質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。また、重合体[P]がポリオルガノシロキサンである場合、液晶配向剤に含有される重合体成分の合計量に対して、0.5〜50質量%とすることが好ましく、1〜40質量%とすることがより好ましい。なお、重合体[P]は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(重合性基を側鎖に有する重合体)
液晶配向剤は、重合性基を側鎖に有する重合体(以下、「重合体[Q]」ともいう。)を含むことが好ましい。重合体[Q]を含むことによって、液晶配向膜の液晶層に対する密着性をより高くでき、例えばロールツーロール法を用いて液晶素子を製造した場合に、液晶層と液晶配向膜との間での剥離を生じにくくすることができる点で好適である。
重合体[Q]が有する重合性基としては、例えば、(メタ)アクロイル基、ビニルフェニル基、マレイミド基、ビニル基、ビニルエーテル基、アリル基、エチレン基、エチニル基等が挙げられる。これらのうち、反応性が高い点で、(メタ)アクリロイル基、ビニルフェニル基又はマレイミド基であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基であることがより好ましい。
重合体[Q]は、重合体[A]、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸、ポリイミド、及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これらのうち、液晶層13との密着性により優れた液晶配向膜14,15が得られる点で、重合体[A]、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸、及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましく、重合体[A]及びポリオルガノシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。これらのうち、2種以上の重合体のブレンドとした場合に上層へ偏在させやすく、液晶層13と液晶配向膜14,15との密着性の改善効果をより高くできる点で、ポリオルガノシロキサンであることが特に好ましい。重合体[Q]は、重合体[P](すなわち、重合性基及び垂直配向性基を有する重合体)であってもよく、重合体[P]とは異なる重合体(すなわち、垂直配向性基を有さない重合体)であってもよい。
重合体[Q]は、従来公知の方法に従って得ることができる。例えば、(1)重合性基を有するモノマーを用いて重合する方法、(2)第1の官能基(例えばエポキシ基)を側鎖に有する重合体を合成し、次いで、第1の官能基と反応可能な第2の官能基(例えばカルボキシ基)及び重合性基を有する反応性化合物と、第1の官能基を側鎖に有する重合体とを反応させる方法、等が挙げられる。
重合体[Q]の含有割合は、主骨格に応じて適宜設定することができる。例えば、重合体[Q]がポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド又は重合体[A]である場合、液晶配向剤に含有される重合体成分の合計量に対して、5質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。また、重合体[Q]がポリオルガノシロキサンである場合、液晶配向剤に含有される重合体成分の合計量に対して、0.5〜50質量%とすることが好ましく、1〜40質量%とすることがより好ましい。なお、重合体[Q]は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
液晶配向剤の重合体成分は、下記の(a)又は(b)の態様であることが好ましい。
(a)重合体成分が、垂直配向性基及び重合性基を側鎖に有する重合体[P1]のみからなる態様。
(b)重合体成分が、垂直配向性基及び重合性基を側鎖に有する重合体[P1]と、垂直配向性基及び重合性基をいずれも有さない重合体[R]と、からなる態様。
上記(b)の場合、重合体[P1]及び重合体[R]の層分離を促進させることによって、電圧無印加時における垂直配向性をより良好にできるとともに、液晶層と液晶配向膜との密着性をより高くできる点で、重合体[P1]がポリオルガノシロキサンであって、重合体[R]が重合体[A]及びポリアミック酸よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、液晶層13と液晶配向膜14,15との密着性に優れている点で、重合体[R]が重合体[A]であることが特に好ましい。
重合体成分につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、重合体の主骨格に応じて適宜選択することができるが、液晶配向剤の基材に対する塗布性を良好にしつつ、液晶配向性及び信頼性に優れた液晶配向膜を得る観点から、1,000〜500,000であることが好ましく、1,500〜100,000であることがより好ましい。
(その他の成分)
[酸化防止剤・紫外線吸収剤]
液晶配向剤は、重合体成分以外のその他の成分として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、「成分[G]」ともいう。)を含有することが好ましい。成分[G]を配向膜中に含有させることにより、電圧無印加時のヘーズ値をより低くでき、光透過性により優れた液晶素子が得られる点で好ましい。なお、こうした効果は、配向膜中の成分[G]によって、ポリマーネットワーク形成のための硬化処理の際に、配向膜表面近傍に存在する液晶組成物中の重合性化合物の重合反応が抑制され、これにより、液晶の垂直配向性を十分に高く保持したまま液晶層13中にポリマーネットワーク13aが形成されたことによるものと推測される。
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、ラジカルや過酸化物をトラップする機能を有していれば特に限定されないが、例えば、アミン構造(好ましくは、ヒンダードアミン構造)を有する化合物、フェノール構造(好ましくは、ヒンダードフェノール構造)を有する化合物、アルキルホスフェート構造を有する化合物(リン系酸化防止剤)、チオエーテル構造を有する化合物(イオウ系酸化防止剤)、及びこれらの混合物(ブレンド系酸化防止剤)等が挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、アミン構造を有する化合物として、例えばアデカスタブLA−52、LA−57、LA−68、LA−72、LA−81、LA−87、LA−502(以上、ADEKA製)、CHIMASSORB2020、CHIMASSORB944、TINUVIN123、TINUVIN144、TINUVIN152、TINUVIN770、TINUVIN783、TINUVIN791(以上、BASFジャパン製)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウム等を;
フェノール構造を有する化合物として、例えばアデカスタブAO−30、AO−40、AO−60、AO−80、AO−330(以上、ADEKA製)、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1098、IRGANOX1135、IRGANOX1330、IRGANOX1726、IRGANOX3114、IRGANOX565、IRGAMOD295(以上、BASFジャパン製)、BisP−AP、TrisP−PA−MF(以上、本州化学社製)、p−メトキシフェノール等を;
リン系酸化防止剤として、例えばアデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−36、HP−10、2112(以上、ADEKA製)、IRGAFOS168、GSY−P101(以上、堺化学工業製)、IRGAFOS168、IRGAFOS126、IRGAFOS38、IRGAFOS P−EPQ(以上、BASFジャパン製)等を;
イオウ系酸化防止剤として、例えばアデカスタブAO−412、同AO−503(以上、ADEKA製)、IRGANOX PS 800、IRGANOX PS 802(以上、BASFジャパン製)等を;
ブレンド系酸化防止剤として、例えばアデカスタブA−611、A−612、AO−37、AO−15、AO−18、328(以上、ADEKA製)、TINUVIN111、TINUVIN791(以上、BASFジャパン製)等を、それぞれ挙げることができる。酸化防止剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、紫外線(好ましくは、290nm〜400nmの紫外線)を吸収可能な化合物であれば特に限定されないが、例えばベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの具体例としては、ベンゾトリアゾール系化合物として、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等を;
ベンゾフェノン系化合物として、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸三水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等を、それぞれ挙げることができる。紫外線吸収剤は、これらのうちの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸化防止剤及び紫外線吸収剤の使用割合(2種以上使用する場合にはその合計量)は、液晶配向剤中の重合体成分の合計100質量部に対して、0.01〜15質量部とすることが好ましく、0.1〜10質量部とすることがより好ましい。成分[G]の使用割合を0.01質量部以上とすることにより、電圧無印加時のヘーズ値が十分に低い液晶素子とすることができ、15質量部以下とすることにより、重合性化合物の重合反応が阻害され過ぎず、液晶層13中にポリマーネットワーク13aを十分に形成することができる点で好ましい。
液晶配向剤は、成分[G]として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤のうちいずれか一方のみを含有していてもよいし、酸化防止剤及び紫外線吸収剤の両方を含有していてもよい。得られる液晶素子において、電圧無印加時のヘーズ値をより低くでき、光透過性により優れた液晶素子を得ることができる点で、液晶配向剤は、酸化防止剤と紫外線吸収剤とを含有していることが好ましい。酸化防止剤と紫外線吸収剤との配合割合は、液晶配向剤に含有させる化合物に応じて適宜設定されればよいが、質量比で、1:10〜10:1の範囲とすることが好ましく、1:5〜5:1の範囲とすることがより好ましい。
成分[G]を含有する液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成することにより、得られる液晶素子の耐候性をより良好にできる点で好適である。これは、酸化防止剤を液晶配向剤に配合することにより、配向膜中の酸化防止剤が、紫外線や熱等のエネルギがきっかけとなって発生したラジカルや過酸化物をトラップし、これにより、熱や光のストレス下においても、液晶素子が電圧無印加時の光学特性(すなわち光透過性)を良好に維持できることによると推測される。また、紫外線吸収剤を液晶配向剤中に配合することにより、配向膜中の紫外線吸収剤によって太陽光や蛍光中の紫外線が吸収されて、液晶素子が紫外線から保護され、液晶素子の耐候性を向上できると推測される。
液晶配向剤に含有される添加剤成分としては、上記の他、例えば、架橋剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤などが挙げられる。これら添加剤成分の配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
(溶剤)
液晶配向剤に含有させる溶剤としては、例えば、非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等の有機溶媒が挙げられる。溶剤は、1種でもよく、2種以上の混合溶媒であってもよい。
液晶配向剤の溶剤成分としては、下記式(D−1)で表される化合物及び下記式(D−2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であって、かつ1気圧での沸点が160℃以下である溶剤(以下、「特定溶剤」ともいう。)を好ましく使用することができる。溶剤成分の少なくとも一部として特定溶剤を用いることにより、膜形成時の加熱を低温(例えば180℃以下)で行った場合にも、垂直配向性に優れた液晶素子10を得ることができ、また樹脂基材を適用可能であり好適である。
Figure 2020016710
(式(D−1)中、R11は、炭素数1〜4のアルキル基又はCHCO−であり、R12は、炭素数1〜4のアルカンジイル基又は−(CHCHO)n−CHCH−(ただし、nは1〜4の整数)であり、R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)
Figure 2020016710
(式(D−2)中、R14は、炭素数1〜3のアルカンジイル基である。)
特定溶剤の具体例としては、上記式(D−1)で表される化合物として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等を;
上記式(D−2)で表される化合物として、例えばシクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等を、それぞれ挙げることができる。なお、特定溶剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液晶配向剤の溶剤成分は、特定溶剤のみからなるものであってもよいが、特定溶剤以外のその他の溶剤と特定溶剤との混合溶媒であってもよい。その他の溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、1,2−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の高極性溶剤;のほか、
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、イソアミルプロピオネート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、シクロヘキサン、オクタノール、テトラヒドロフラン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、上記その他の溶剤のうち、高極性溶剤は、溶解性及びレベリング性の更なる向上を目的として使用でき、アミド構造を含まない炭化水素系の溶剤は、プラスチック基材への適用や低温焼成を可能にする目的で使用できる。
液晶配向剤中に含まれる溶剤成分につき、特定溶剤の含有割合は、液晶配向剤中に含まれる溶剤の全体量に対して、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。固形分濃度が1質量%未満である場合、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくく、固形分濃度が10質量%を超える場合、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくい。また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
<液晶素子の製造方法>
次に、液晶素子10の製造方法について説明する。液晶素子10は、第1基材11及び第2基材12のそれぞれに液晶配向剤を塗布して液晶配向膜14,15を形成する工程Aと、液晶配向膜14,15を有する一対の基材を、液晶組成物の層を挟んで配置して液晶セルを構築する工程Bと、液晶セルの構築後に液晶組成物を硬化させる工程Cと、を含む方法により製造することが好ましい。
(工程A)
液晶配向剤の塗布は、第1基材11及び第2基材12のそれぞれの電極配置面上に、例えばオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法、インクジェット印刷法、バーコーター法、フレキソ印刷法などの公知の塗布方法により行う。液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、基材の種類に応じて設定されるが、140℃以下とすることが好ましく、120℃以下とすることがより好ましく、100℃以下とすることがさらに好ましい。プレベーク温度の下限値は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上である。プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分である。
その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて架橋反応を促進させることを目的として焼成(ポストベーク)工程を行うことが好ましい。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、樹脂材料からなる基材を用いる場合、160℃以下とすることが好ましく、150℃以下とすることがより好ましく、130℃以下とすることがさらに好ましい。特に、重合体[A]は、低沸点溶剤に対する溶解性が良好であり、よって、重合体[A]を含有する液晶配向剤によれば、ポストベーク温度を低くした場合にも均質な配向膜を得ることができ、液晶素子10の液晶配向性を担保することができる点で好適である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましく10〜120分である。なお、垂直配向膜の場合、液晶配向剤を用いて形成した塗膜をそのまま液晶配向膜14,15として用いることができるが、当該塗膜に対し、ラビング処理や光配向処理等を行ってもよい。
(工程B)
工程Bでは、液晶配向膜14,15を有する基材を2枚準備し、液晶配向膜14,15が相対するように対向配置した2枚の基材間に、液晶及び重合性化合物を含有する液晶組成物の層を配置して、液晶セルを製造する。具体的には、第1基材11及び第2基材12の周辺部をシール剤によって貼り合わせ、基材表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶組成物を注入充填した後、注入孔を封止する方法;一方の基材の液晶配向膜側の周辺部にシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶組成物を滴下した後、液晶配向膜14,15が対向するように他方の基材を貼り合わせるとともに液晶組成物を基材11,12の全面に押し広げ、その後シール剤を硬化する方法(ODF方式)、などが挙げられる。シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
(工程C)
工程Cでは、加熱及び光照射から選択される1種以上の処理を施すことによって、液晶組成物を硬化させる処理を行う。この硬化反応により、内部にポリマーネットワークが形成された液晶層13が得られる。熱により硬化させる場合、加熱温度は、使用する重合性化合物及び液晶の種類によって適宜に選択されるが、例えば40〜80℃の範囲の温度とする。加熱時間は、好ましくは0.5〜5分である。光照射により硬化させる場合、照射光としては、200〜500nmの範囲の波長を有する非偏光の紫外線を好ましく使用することができる。光の照射量としては、50〜10,000mJ/cmとすることが好ましく、100〜5,000mJ/cmとすることがより好ましい。
上記の工程A〜工程Cの一連の処理は、連続的に行うこともできる。したがって、液晶素子10の基材11、12として、例えばTACフィルムや(メタ)アクリルフィルム、PETフィルム等の樹脂フィルム基材を適用した場合に、ロールツーロールによる生産方式により液晶素子10を製造できる点で好適である。一例としては、ロール状に巻いたフィルム基材を巻き戻す過程で、まず上記工程Aの如くしてフィルム基材上に液晶配向剤を塗布して液晶配向膜14,15を形成し、次いで、上記工程Bにより、ODF方式により液晶セルを作製し、その後、工程Cにより、一対の基材間に配置した液晶組成物を硬化させる処理を行い、これを巻回体とする。こうした生産方式によれば、工業的規模での生産性が高く低コスト化を図ることができ、プロセスメリットが大きい。
液晶素子10は種々の用途に適用可能であり、例えば、建物の窓や、室内外の仕切り(パーティション)、ショーウィンドウ、車両(自動車、航空機、船舶、鉄道など)の窓、室内外の各種広告、案内標識、家電機器、携帯電話、スマートフォン、各種モニタ、時計、携帯型ゲーム、パソコン、眼鏡、サングラス、医療機器、家具等の各種調光素子として有効に使用することができる。液晶素子10は、素子の厚みや硬さ、形状、用途等に応じて、そのまま使用してもよく、ガラスや透明樹脂等に貼り付けて使用してもよい。
<液晶装置>
本開示の表示装置は、上述した液晶素子と、非表示状態で透明となる透明ディスプレイと、を備える。具体的には、図3に示すように、表示装置20は、透明ディスプレイ30の背面に液晶素子10が配置された構造となっており、液晶素子10が調光素子として機能することにより、透明ディスプレイ30の表示の視認性が変化するものとなっている。
透明ディスプレイ30は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)であり、一対のガラス基板と、透明電極材料で形成された陽極電極及び陰極電極と、陽極電極と陰極電極との間に形成された正孔輸送層及び発光層と、を備えている。透明ディスプレイ30は、電圧無印加の非表示状態では全面が透明であり、電圧印加された画素が発光し、文字や画像等が表示される。
図3の表示装置20において、液晶素子10及び透明ディスプレイ30が電圧無印加の状態では、表示装置20の全面が透明となる。そのため、例えば表示装置20がショーウィンドウの前面ガラスや後面ガラスとして適用された場合、ショーケースに陳列された商品や、店内の様子を屋外から視認することが可能となる。また、液晶素子10を電圧無印加にした状態のまま、透明ディスプレイ30に電圧が印加されることによって、透明ディスプレイ30に表示された文字や画像等はガラスに浮き出た状態で表示される。
一方、液晶素子10に電圧が印加された状態では、透明ディスプレイ30の背面が遮光される。この場合、表示装置20に表示された文字や画像等と、表示装置20の背後の物体とが重ならないようにすることができ、透明ディスプレイ30の表示を見やすくすることができる。また、装飾性を高めることもできる。あるいは、表示装置20の前面や背面の明るさに応じて、液晶素子10の印加電圧を制御することによって、表示装置20の前面から背面への光の透過の度合いを可変にする構成としてもよい。
なお、図3の表示装置20において、透明ディスプレイ30の一部の領域のみに調光素子10を配置する構成としてもよい。あるいは、透明ディスプレイ30の表示領域を複数に分割し、表示領域ごとに調光素子を配置することにより、表示領域ごとに透過率を変更可能な構成としてもよい。
以下、本発明の内容を実施例により更に具体的に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではない。
以下の例において、重合体の重量平均分子量Mw及びエポキシ当量、並びにポリイミドのイミド化率は以下の方法により測定した。以下の実施例で用いた原料化合物及び重合体の必要量は、下記の合成例に示す合成スケールでの合成を必要に応じて繰り返すことにより確保した。
[重合体の重量平均分子量Mw]
Mwは、以下の条件におけるGPCにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン、又は、リチウムブロミド及びリン酸含有のN,N−ジメチルホルムアミド溶液
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
[エポキシ当量]
エポキシ当量は、JIS C 2105に記載の塩酸−メチルエチルケトン法により測定した。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(1)によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A/A×α)×100 …(1)
(数式(1)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
以下の例で使用した化合物の略称と構造式との関係は以下のとおりである。なお、以下では便宜上、「式(X)で表される化合物」を単に「化合物(X)」と示す。
(重合性化合物)
Figure 2020016710
(液晶)
Figure 2020016710
(光開始剤、架橋剤(他の添加剤)及び化合物[E])
Figure 2020016710
(二色性色素)
Figure 2020016710
(酸化防止剤)
Figure 2020016710
(紫外線吸収剤)
Figure 2020016710
1.重合体の合成
(1)ポリ(メタ)アクリレートの合成
[合成例1]
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル80質量部及びスチレン20質量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を95℃に上昇させ、この温度を5時間保持し、重合体(Pac−1)を含む重合体溶液を得た。なお、重合体溶液の固形分濃度の測定結果から算出された反応終了後のモノマー消費率は99%であった。
[合成例2]
冷却管と攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続き、メタクリル酸グリシジル50質量部、及びトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル=メタクリラート50質量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を95℃に上昇させ、この温度を5時間保持し、重合体(Pac−2)を含む重合体溶液を得た。なお、重合体溶液の固形分濃度の測定結果から算出された反応終了後のモノマー消費率は99%であった。
(2)ポリオルガノシロキサンの合成
[合成例3]
撹拌機、温度計、滴下漏斗及び還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)100.0g、8−(メタクリロイルオキシ)オクチルトリメトキシシラン46.9g、メチルイソブチルケトン500g及びトリエチルアミン14.7gを仕込み、室温で混合した。次いで、脱イオン水100gを滴下漏斗より30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃で6時間反応させた。反応終了後、有機層を取り出し、0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄したのち、減圧下で溶媒及び水を留去することにより、エポキシ基を有するポリシロキサン(SEp−1)を粘調な透明液体として得た。このエポキシ基を有するポリシロキサンについて、H−NMR分析を行ったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にエポキシ基に基づくピークが得られた。得られたポリシロキサン(SEp−1)の重量平均分子量(Mw)はMw=2,200であり、エポキシ当量は186g/モルであった。
[合成例4]
100mLの三口フラスコに、合成例3で得たエポキシ基を有するポリシロキサン(SEp−1)18.4g、メチルイソブチルケトン30.8g、4−(2−(4’−ペンチル−[1,1’−ビシクロヘキサン]−4−イル)エチル)安息香酸3.2g(ポリシロキサン(SEp−1)が有するエポキシ基100モル部に対して30モル部)、及びテトラブチルアンモニウムブロミド1.03gを仕込み、80℃で12時間撹拌した。反応終了後、ジエチレングリコールジエチルエーテル40g及びシクロヘキサン60gを追加し、この溶液を6回分液洗浄により水洗した後、ジエチレングリコールジエチルエーテルをさらに100g追加し、固形分濃度10質量%となるように溶媒を留去した。これにより、垂直配向性基を有するポリオルガノシロキサン(これを「重合体(S−1)」とする。)を含有する固形分濃度10質量%のジエチレングリコールジエチルエーテル溶液を得た。重合体(S−1)の重量平均分子量Mwは15,000であった。
(3)ポリアミック酸の合成
[合成例5]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物135.97g(合成に使用したジアミンの全体量100モル部に対して97モル部)、並びにジアミン化合物として3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニルを78.22g(同20モル部)及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル89.88g(同60モル部)、及び4−{4−[2−(4’−ペンチル−1,1’−ビシクロヘキシル)エチル]フェノキシ}ベンゼン−1,3−ジアミン69.23g(同20モル部)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)1600gに溶解し、30℃で6時間反応を行った。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下40℃において15時間乾燥することにより、ポリアミック酸(これを重合体(PAA−1)とする。)を210g得た。
(4)ポリイミドの合成
[合成例6]
テトラカルボン酸二無水物として2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物3.19g(12.8mmol)、並びにジアミン化合物として1,3−ジアミノ−4−[4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシメチル]ベンゼン4.59g(11.6mmol)及び3,5−ジアミノ安息香酸2.16g(14.2mmol)をNMP24.9gに溶解し、80℃で5時間反応を行った後、テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物2.50g(12.8mmol)、及びNMP12.4gを加え、40℃で8時間反応を行い、重合体濃度が25質量%のポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液30.0gにNMPを加えて6質量%に希釈した後、無水酢酸3.95g及びピリジン2.40gを加え、50℃で2時間反応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下100℃で乾燥することにより、ポリイミド(これを重合体(PI−1)とする。)を得た。得られたポリイミドのイミド化率は55%であり、重量平均分子量は48,000であった。
2.液晶組成物の調製
(1)液晶組成物Aの調製
液晶(MLC−6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−2)を0.12g及び化合物(R−3)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.012g、二色性色素(m−1)を0.07g、並びに、特定液晶として化合物(C−1)を0.36g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Aを得た。
(2)液晶組成物Bの調製
液晶(MLC−6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−2)を0.09g及び化合物(R−4)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.012g、並びに、特定液晶として化合物(C−2)を0.12g及び化合物(C−3)を0.12g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Bを得た。
(3)液晶組成物Cの調製
液晶(MLC−7026−100、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−3)を0.15g及び化合物(R−4)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.012g、並びに、特定液晶として化合物(C−4)を0.24g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Cを得た。
(4)液晶組成物Dの調製
液晶(MLC−6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−2)を0.12g及び化合物(R−3)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.01g、化合物(E−1)を0.12g、並びに、特定液晶として化合物(C−1)を0.30g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Dを得た。
(5)液晶組成物Eの調製
液晶(MLC−7026−100、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−2)を0.12g及び化合物(R−4)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.015g、二色性色素(m−2)を0.04g、化合物(E−1)を0.24g、並びに、特定液晶として化合物(C−2)を0.20g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Eを得た。
(6)液晶組成物Fの調製
液晶(MLC−6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−3)を0.12g及び化合物(R−4)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.012g、化合物(E−1)を0.48g、並びに、特定液晶として化合物(C−4)を0.40g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Fを得た。
(7)液晶組成物Gの調製
液晶(MLC−6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−2)を0.12g及び化合物(R−3)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.012g、並びに、化合物(E−1)を0.24g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Gを得た。
(8)液晶組成物Hの調製
液晶(MLC−6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R−1)を0.12g、化合物(R−2)を0.12g及び化合物(R−4)を0.12g、光開始剤として化合物(P−1)を0.012g、並びに、他の液晶として化合物(D−1)を0.36g混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物Hを得た。
液晶組成物A〜Hの組成を下記表1に示す。
Figure 2020016710
3.液晶配向剤の調製
[調製例1:液晶配向剤(A−1)の調製]
合成例4で得た重合体(S−1)を含有するジエチレングリコールジエチルエーテル溶液を、重合体(S−1)に換算して20質量部に相当する量、及び合成例1で得た重合体(Pac−1)を含有する溶液を、重合体(Pac−1)に換算して80質量部に相当する量を混合し、これに溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を加え、固形分濃度が4質量%、各溶媒の質量比がPGME:DEDG:PGMEA=30:20:50となるように調製した。次いで、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過することにより液晶配向剤(A−1)を調製した。
[調製例2〜6]
配合組成を下記表2に記載のとおりに変更した以外は、液晶配向剤(A−1)と同様にして液晶配向剤を調製し、それぞれ液晶配向剤(A−2)〜(A−3)、(B−1)〜(B−3)とした。
Figure 2020016710
表2中、配合量の数値は、液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計100質量部に対する各化合物の配合割合(質量部)を示す。化合物の略号は以下の通りである。
(溶剤)
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
GBL;γ−ブチロラクトン
(3)塗工性の評価
上記で調製した液晶配向剤(A−1)を、基材表面にITO電極を有するPETフィルム基材(PET−ITO基材)の電極配置面上にバーコーターを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した120℃のオーブンで2分間加熱(ポストベーク)することにより、平均膜厚0.1μmの液晶配向膜を形成した。得られた液晶配向膜を目視及び倍率100倍の顕微鏡で観察して、膜厚ムラ、塗工ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、目視及び100倍の顕微鏡で観察しても膜厚ムラ、塗工ムラ及びピンホールがいずれも観察されなかった場合を塗工性「良好」、100倍の顕微鏡ではピンホールが観察されたが、目視で塗膜表面の塗工ムラが観察されなかった場合を塗工性「可」、目視により膜厚ムラ、塗工ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが明確に観察された場合を塗工性「不良」として行った。液晶配向剤(A−1)を用いて形成した液晶配向膜は、目視及び100倍の顕微鏡でも、膜厚ムラ、塗工ムラ及びピンホールのいずれも観察されず、塗工性は「良好」であった。
また、液晶配向剤(A−2)、(A−3)及び(B−1)〜(B−3)のそれぞれについても同様に塗工性を評価したところ、いずれも塗工性は「良好」の評価であった。
4.液晶素子の製造及び評価[I]
[実施例1]
(1)液晶素子(PDLC素子)の製造
液晶配向剤(A−1)を用い、上記3.(3)の「塗工性の評価」と同様にして、PET−ITO基材の電極配置面に液晶配向膜を形成した。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基材を一対(2枚)作製した。次いで、一方の基材の液晶配向膜を有する面に18μmのスペーサを塗布し、その後、スペーサを塗布した液晶配向膜面に、上記で調製した液晶組成物Aを滴下した。次いで、他方の基材の液晶配向膜面が向き合うように、2枚の基材をシール剤により貼り合わせ、液晶セルを得た。この液晶セルに、紫外線発光ダイオードを光源とする紫外線照射装置を用いて、波長365nm、紫外線強度5mW/cm、照射時間15秒、基材表面温度20℃の条件で紫外線を照射して液晶組成物Aを硬化させ、図1に示す液晶素子10を得た。なお、液晶素子10については複数個準備し、以下の評価にそれぞれ供した。
(2)透明性の評価
上記(1)で製造した液晶素子10につき、電圧無印加状態でのヘーズ(HAZE)を測定することにより電圧無印加時の透明性を評価した。測定は、分光式ヘーズメータ(東京電色社製)を用いて行った。ヘーズ値が低いほど、その液晶素子は透明性が良好であることを意味する。その結果、実施例1ではヘーズ値=15%であった。
(3)光散乱性の評価
上記(1)で製造した液晶素子10につき、電圧印加状態でのヘーズ値を測定することにより電圧印加時の光散乱性を評価した。測定は、液晶素子10を交流駆動で40V印加し、上記(2)と同様に分光式ヘーズメータ(東京電色社製)を用いて行った。ヘーズ値が高いほど、その液晶素子は光散乱性が良好であることを意味する。その結果、実施例1ではヘーズ値=94%であった。
(4)低電圧駆動による評価
上記(1)で製造した液晶素子を交流駆動で30V印加したときの電圧印加状態でのヘーズ値を測定することにより、低電圧駆動特性を評価した。測定は、上記(2)と同様に分光式ヘーズメータ(東京電色社製)を用いて行った。ヘーズ値が高いほど、その液晶素子はより低い電圧印加によって光透過状態/光散乱状態を切り替えることができ省電力化に優れ、またコントラスト特性が良好であることを意味する。その結果、実施例1ではヘーズ値=83%であった。
(5)熱信頼性の評価
上記(1)で製造した液晶素子10を100℃のクリーンオーブン(PVHC-231ESPEC社製)で1時間加熱し、その加熱後に上記(2)と同様の方法により電圧無印加状態でのヘーズ値を測定した。また、加熱後の液晶素子10につき、上記(3)と同様の方法により電圧印加状態でのヘーズ値を測定した。加熱前後のヘーズ値の差が小さいほど、その液晶素子は熱信頼性に優れているといえる。その結果、実施例1の液晶素子は、電圧無印加状態では、加熱前後のヘーズ値の変化は4%であり、また電圧印加状態では、加熱前後でヘーズ値に変化は見られなかった。
(6)耐候性の評価
上記(1)で製造した液晶素子10に対し、耐光性試験機(SUNTEST CPS+:東洋精機社製)によりキセノンランプ光(照度250W/m(300−800nm))を200時間照射した。光照射後の液晶素子につき、上記(2)と同様の方法により電圧無印加状態でのヘーズ値を測定するとともに、上記(3)と同様の方法により電圧印加状態でのヘーズ値を測定した。光照射前後のヘーズ値の差が小さいほど、その液晶素子は耐候性に優れているといえる。その結果、実施例1の液晶素子は、電圧無印加状態では、光照射前後のヘーズ値の変化は7%であり、また電圧印加状態では、光照射前後のヘーズ値の変化は1%であった。
(7)液晶層と液晶配向膜との密着性の評価
上記(1)で製造した液晶素子10を用いて、液晶層13と液晶配向膜14,15との密着性を評価した。評価は、液晶素子10を温度80℃、湿度90%RHの高温高湿槽内に24時間保管し、保管後の液晶素子10内の気泡の有無、及び液晶素子10の剥離の有無を確認することにより行った。このとき、液晶素子10内に気泡が見られず、また液晶層13と液晶配向膜14,15との間に剥がれが生じなかった場合を「3」、液晶層13と液晶配向膜14,15との剥がれは生じていないものの、液晶素子10内に僅かに気泡が見られた場合を「2」、随所に気泡が見られ、液晶層13と液晶配向膜14,15との剥がれが生じた場合を「1」と評価した。なお、「3」が最も優れており、「1」が最も評価が低いことを示している。その結果、実施例1では「3」の評価であった。
[実施例2〜14及び比較例1、2]
液晶組成物及び液晶配向剤の種類を下記表3に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様にして液晶素子10を製造し、各種評価を行った。その結果を下記表3に示した。
Figure 2020016710
5.液晶素子の評価[II]
二色性色素を配合した液晶組成物を用いて製造した液晶素子(実施例1,5,7,11,13)について、さらに以下の評価(光透過性の評価、光遮断性の評価、及び繰り返し駆動耐久試験の評価)を行った。
(1)光透過性の評価
電圧無印加状態での液晶素子の透過率を測定することにより、電圧無印加時の光透過性を評価した。測定は、分光光度計(日立製作所(株)製の150−20型ダブルビーム)を用いて、波長400nmにおける光線透過率(%)により行った。透過率が高いほど、その液晶素子は光透過性が良好であることを意味する。その結果、実施例1では透過率=60%、実施例5では透過率=71%、実施例7では透過率=57%、実施例11では透過率=71、実施例13では透過率=59%であった。
(2)光遮断性の評価
電圧印加状態での液晶素子の透過率を測定することにより、電圧印加時の光遮断性について評価した。測定は、液晶素子に対し、交流駆動で40V印加し、上記5.(1)と同様、分光光度計(日立製作所(株)製の150−20型ダブルビーム)を用いて行った。透過率が低いほど、その液晶素子は光遮断性が良好であることを意味する。その結果、実施例1では透過率=8%、実施例5では透過率=10%、実施例7では透過率=8%、実施例11では透過率=11%、実施例13では透過率=8%であった。
(3)繰り返し駆動耐久試験の評価
実施例11の液晶素子に対し、40Vの電圧を1秒間印加し、その後1秒間、電圧無印加の状態にした。この操作を1800回繰り返した後に、上記5.(1)及び上記5.(2)と同様にして透過率を測定し、繰り返し駆動耐久性を評価した。繰り返し駆動の前後における透過率の変化が小さいほど、繰り返し駆動に対する耐久性に優れているといえる。その結果、この実施例では、駆動の前後において、電圧無印加時では透過率の変化が見られず、電圧印加時では透過率の増加は2%のみであった。
表3から分かるように、液晶層13中に特定液晶を含む実施例1〜14では、電圧無印加時のヘーズ値が低く、かつ電圧印加時のヘーズ値が高く、優れた光学特性を示した。また、印加電圧を40Vから30Vに下げて駆動した場合のヘーズ値も十分に高かった。これらの結果から、液晶層13中に特定液晶を含む実施例1〜14の液晶素子はコントラスト特性に優れているといえる。特に、重合体(S−1)含む液晶配向剤(A−1,A−2,B−1,B−2)を用いた実施例では、液晶層と液晶配向膜との密着性についても良好な結果が得られた。
また、実施例4〜6と実施例1〜3とを対比すると分かるように、液晶組成物中に化合物[E]を含有させることにより、電圧無印加時のヘーズ値をより低くできた。
実施例1〜14の液晶素子は、耐熱性及び耐候性にも優れていた。特に、液晶配向膜中に酸化防止剤及び紫外線吸収剤の少なくとも一方を含む実施例(実施例7〜14)では、耐熱性及び耐候性(特に、電圧無印加時のヘーズ安定性)が大きく改善された。
さらに、液晶層に色素(二色性色素)を分散させた実施例(実施例1,5,7,11,13)においても、得られた液晶素子の耐熱性及び耐候性が良好であり、電圧無印加状態での光透過性及び電圧印加状態での光散乱特性が良好であった。また、液晶素子を電圧印加/無印加を繰り返し行った後でも、光遮光性及び光透過性が良好であり、駆動耐久性に優れていた。
これに対し、液晶層13中に特定液晶を含まない比較例1,2は、液晶層13中に特定液晶を含む実施例1〜14に比べて、電圧印加時の光散乱性が劣り、比較例2では電圧無印加時の光透過性についても劣っていた。また、比較例1,2は、実施例1〜14に比べて、低電圧駆動したときのヘーズ値が低く、コントラスト特性に劣っていた。
10…液晶素子、11…第1基材、12…第2基材、13…液晶層、14,15…液晶配向膜、16,17…透明電極、20…表示装置、30…透明ディスプレイ

Claims (14)

  1. 対向配置された一対の基材と、
    前記一対の基材において互いに対向する面にそれぞれ配置された電極と、
    前記一対の基材間に配置され、液晶及び重合性化合物を含有する液晶組成物を硬化して形成された液晶層と、
    前記一対の基材のうち少なくとも一方の電極配置面に、前記液晶層に隣接して配置され、液晶を垂直配向させる液晶配向膜と、を備え、
    前記液晶組成物は、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、液晶素子。
    Figure 2020016710
    (式(1)〜式(4)中、R〜R、R、R及びY〜Yは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜10の1価の有機基であり、Rは、炭素数1〜10の1価の有機基である。a1〜a4、b1〜b3及びc1は、それぞれ独立して0〜4の整数である。)
  2. 上記式(1)〜式(4)中のR〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルコキシ基、炭素数2〜11のシアノ基含有アルキル基、又は炭素数2〜11のシアノ基含有アルコキシ基である、請求項1に記載の液晶素子。
  3. 前記重合性化合物は、単官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能チオール化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1又は2に記載の液晶素子。
  4. 前記液晶配向膜は、重合性基を側鎖に有する重合体を含有する重合体組成物を用いて形成されてなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶素子。
  5. 前記液晶配向膜は、重合性不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体、ポリオルガノシロキサン、ポリアミック酸、及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を用いて形成されてなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶素子。
  6. 前記液晶配向膜中に、酸化防止剤及び紫外線吸収剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶素子。
  7. 前記液晶組成物中に、下記式(5)で表される化合物を更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶素子。
    −B−B−B …(5)
    (式(5)中、Aは重合性基であり、Bは、単結合又は炭素数1〜20のアルカンジイル基を有する2価の鎖状基であり、Bは、フェニレン基及びシクロへキシレン基のうち少なくともいずれかの環構造又はステロイド骨格を有する2価の基であり、Bは、炭素数1〜20のアルキル基、フッ素含有アルキル基、アルコキシ基又はフッ素含有アルコキシ基である。)
  8. 前記液晶配向膜は、下記式(D−1)で表される化合物及び下記式(D−2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であって、かつ1気圧での沸点が160℃以下である化合物を含有する重合体組成物を用いて形成されてなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶素子。
    Figure 2020016710
    (式(D−1)中、R11は、炭素数1〜4のアルキル基又はCHCO−であり、R12は、炭素数1〜4のアルカンジイル基又は−(CHCHO)n−CHCH−(ただし、nは1〜4の整数)であり、R13は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)
    Figure 2020016710
    (式(D−2)中、R14は、炭素数1〜3のアルカンジイル基である。)
  9. 前記液晶組成物中に、色素を更に含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶素子と、非表示状態で透明となる透明ディスプレイと、を備える表示装置。
  11. 液晶素子の製造方法であって、
    電極を備える一対の基材における前記電極の配置面に、重合体組成物を用いて、液晶を垂直配向させる液晶配向膜を形成する工程と、
    前記液晶配向膜を形成した前記一対の基材を、液晶及び重合性化合物を含有する液晶組成物を用いて形成された層を挟んで前記電極が対向するように配置する工程と、
    前記一対の基材の間に配置した前記液晶組成物を硬化させる工程と、を含み、
    前記液晶組成物は、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、液晶素子の製造方法。
    Figure 2020016710
    (式(1)〜式(4)中、R〜R、R、R及びY〜Yは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜10の1価の有機基であり、Rは、炭素数1〜10の1価の有機基である。a1〜a4、b1〜b3及びc1は、それぞれ独立して0〜4の整数である。)
  12. 垂直配向方式の高分子分散型液晶素子用の液晶組成物であって、
    液晶と重合性化合物とを含有し、
    前記液晶は、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、下記式(3)で表される化合物、及び下記式(4)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、液晶組成物。
    Figure 2020016710
    (式(1)〜式(4)中、R〜R、R、R及びY〜Yは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜10の1価の有機基であり、Rは、炭素数1〜10の1価の有機基である。a1〜a4、b1〜b3及びc1は、それぞれ独立して0〜4の整数である。)
  13. 上記式(1)〜式(4)中のR〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のフルオロアルキル基、炭素数1〜10のフルオロアルコキシ基、炭素数2〜11のシアノ基含有アルキル基、又は炭素数2〜11のシアノ基含有アルコキシ基である、請求項12に記載の液晶組成物。
  14. 前記重合性化合物は、単官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能チオール化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有する、請求項12又は13に記載の液晶組成物。
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