JP2020016493A - 電流測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流の測定精度を向上させること。【解決手段】電池パック11は、複数の二次電池12を備えるバッテリ13と、2つの内部電流センサ15,16と、電池ECU18と、を備える。電力変換部31は、インバータ32と、外部電流センサ33と、温度センサ34と、駆動ECU35と、を備える。電池ECU18は、内部電流センサ15,16の測定値と、外部電流センサ33の測定値とを取得する。電池ECU18は、電流センサ15,16,33の測定値同士を比較することで故障判定を行う。電流センサ15,16,33が故障していない場合、電池ECU18は、電流センサ15,16,33の測定値の平均値をバッテリ13の放電電流とする。電流センサ15,16,33が故障している場合、電池ECU18は、故障していると判定された電流センサの測定値を除外して、平均値を算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、電流測定装置に関する。
バッテリと、バッテリを電力源として駆動する負荷と、を備えた装置では、過電流が生じているか否かの判定や、バッテリの充電率を推定することを目的としてバッテリの電流が測定されている。特許文献1では、電流センサによってバッテリの電流を測定している。
ところで、電流センサの測定値には、ゲイン誤差や直線性誤差などの測定誤差が含まれている。測定誤差は、過電流の判定を行う際の誤判定の原因や、推定した充電率と実際の充電率との乖離が大きくなる原因となる。
本発明の目的は、電流の測定精度を向上させることができる電流測定装置を提供することにある。
上記課題を解決する電流測定装置は、バッテリの電流を測定する3つ以上の電流センサから測定値を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記測定値の平均値を算出し、算出された平均値を前記バッテリの電流とする平均値算出部と、前記3つ以上の電流センサの測定値同士を比較し、前記3つ以上の電流センサのうち他の電流センサの測定値との差が閾値以上である測定値を測定した電流センサは故障していると判定する故障判定部と、を備え、前記平均値算出部は、前記故障判定部により故障したと判定された電流センサがない場合、前記3つ以上の電流センサのうち2つ以上の電流センサの測定値から前記平均値を算出し、前記故障判定部により故障したと判定された電流センサがある場合、前記3つ以上の電流センサのうち故障したと判定された前記電流センサを除いた2つ以上の電流センサの測定値から前記平均値を算出する。
これによれば、複数の電流センサの測定値がバッテリの電流として測定されることになる。複数の電流センサの測定値をバッテリの電流とすることで、単一の電流センサの測定値をバッテリの電流とする場合に比べて、測定誤差の影響を低減することができる。更に、電流センサの故障を判定して、故障したと判定された電流センサの測定値を除いて測定値の平均値を算出する。故障している電流センサの測定値の影響によってバッテリの測定精度が低下することを抑制できる。従って、電流の測定精度を向上させることができる。
上記電流測定装置について、前記取得部は、前記3つ以上の電流センサのうちの少なくとも1つとして、前記バッテリとユニット化された内部電流センサよりも前記バッテリの充放電による発熱の影響を受けにくい外部電流センサから測定値を取得してもよい。
バッテリは、充放電により発熱するため、内部電流センサの周辺温度は上昇しやすい。すると、内部電流センサの測定値は周辺温度の影響によって真値との差が大きくなりやすい。外部電流センサは、バッテリの充放電による発熱の影響を受けにくい。外部電流センサの測定値は、内部電流センサの測定値よりも真値との差が小さくなりやすいといえる。外部電流センサが故障していない場合、外部電流センサの測定値を含んだ複数の測定値から平均値が算出されるため、温度の影響による電流の誤差を低減することができる。
上記課題を解決する電流測定装置は、バッテリの電流を測定する3つ以上の電流センサから測定値を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記測定値の平均値を算出し、算出された平均値を前記バッテリの電流とする平均値算出部と、前記3つ以上の電流センサの測定値同士を比較し、前記3つ以上の電流センサのうち他の電流センサの測定値との差が閾値以上である測定値を測定した電流センサは故障していると判定する故障判定部と、を備え、前記3つ以上の電流センサは、1つの第1電流センサと、第1電流センサとは異なる2以上の第2電流センサと、を含み、前記平均値算出部は、前記故障判定部により故障したと判定された電流センサがない場合、又は、前記故障判定部により故障したと判定された電流センサが前記第1電流センサの場合、前記第1電流センサを除いた前記2つ以上の第2電流センサの測定値から前記平均値を算出し、前記故障判定部により故障したと判定された前記電流センサが前記2つ以上の第2電流センサのうちのいずれかである場合、前記第1電流センサの測定値と、前記2つ以上の第2電流センサのうち故障したと判定されたもの以外の1つ以上の第2電流センサの測定値から前記平均値を算出する。
これによれば、第2電流センサが故障していない場合、複数の第2電流センサから取得した測定値の平均値がバッテリの電流として測定されることになる。第2電流センサが故障していると判定された場合、第1電流センサの測定値と故障していない第2電流センサの測定値から平均値が算出される。従って、第2電流センサのいずれかが故障した場合であっても、第1電流センサの測定値を用いて平均値を算出できる。複数の電流センサから取得した測定値の平均値をバッテリの電流とすることで、単一の電流センサの測定値をバッテリの電流とする場合に比べて、測定誤差の影響を低減することができる。更に、故障している電流センサの測定値の影響によってバッテリの測定精度が低下することを抑制できる。従って、電流の測定精度を向上させることができる。
上記電流測定装置について、前記第1電流センサは、前記バッテリとユニット化された2つ以上の内部電流センサのうちの1つである第1内部電流センサであり、前記2つ以上の第2電流センサは、前記2つ以上の内部電流センサのうち前記第1内部電流センサとは異なる第2内部電流センサと、前記内部電流センサよりも前記バッテリの充放電による発熱の影響を受けにくい外部電流センサと、を含んでもよい。
これによれば、外部電流センサが故障していない場合、外部電流センサの測定値を含んだ複数の測定値から平均値が算出されるため、温度の影響による電流の誤差を低減することができる。
上記電流測定装置について、前記3つ以上の電流センサのうち少なくとも1つの電流センサの周辺温度を測定する温度センサから測定値を取得する温度取得部を備え、前記故障判定部は、前記温度取得部から取得した測定値から前記閾値を導出してもよい。
電流センサの出力には、温度依存性があり、電流センサの温度に応じて各電流センサの測定値は変化する。電流センサの周辺温度を取得して、これに合わせて閾値を設定することで、電流センサの周辺温度に適した閾値を設定できる。
本発明によれば、電流の測定精度を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、電流測定装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、フォークリフト10は、電池パック11と、電力変換部31と、モータMと、フォークリフト10の外部に設けられた充電器51が接続される充電コネクタ41と、を備える。フォークリフト10は、モータMの駆動によって走行動作及び荷役動作を行う電動フォークリフトである。なお、モータMは、交流電力によって駆動するモータである。図示は省略しているが、モータMは、フォークリフト10の走行動作に用いられる走行用モータと、フォークリフト10の荷役動作に用いられる荷役用モータとを含む。
以下、電流測定装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、フォークリフト10は、電池パック11と、電力変換部31と、モータMと、フォークリフト10の外部に設けられた充電器51が接続される充電コネクタ41と、を備える。フォークリフト10は、モータMの駆動によって走行動作及び荷役動作を行う電動フォークリフトである。なお、モータMは、交流電力によって駆動するモータである。図示は省略しているが、モータMは、フォークリフト10の走行動作に用いられる走行用モータと、フォークリフト10の荷役動作に用いられる荷役用モータとを含む。
電池パック11は、複数の二次電池12を備えるバッテリ13と、二次電池12の電圧を測定する監視部14と、2つの内部電流センサ15,16と、温度センサ17と、電池ECU18と、リレー19と、ケース20と、を備える。電池パック11は、バッテリ13、内部電流センサ15,16、温度センサ17、電池ECU18、及び、リレー19をユニット化し、ケース20に収容したものである。ケース20は、電池パック11の外郭を構成するものである。ケース20は、少なくともバッテリ13、内部電流センサ15,16及び温度センサ17を収容しており、これらバッテリ13、内部電流センサ15,16及び温度センサ17はユニット化されている。なお、電池パック11の数は、単数でもよいし、複数でもよい。
バッテリ13は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池12を直列接続したものである。なお、バッテリ13としては、複数の二次電池12を並列接続したものや、複数の二次電池12を接続してモジュール化したものを直列接続、あるいは、並列接続したものでもよい。
監視部14としては、電圧検出用の集積回路を用いている。監視部14は、複数のポートを備え、各二次電池12の正極及び負極は、電圧検出線によりポートに接続されている。隣り合う二次電池12同士は、互いに接続される側の電極で電圧検出線及びポートを共用している。これにより監視部14のポート数及び電圧検出線の数を低減させている。監視部14は、二次電池12毎の電圧を測定する。
内部電流センサ15,16は、ホール素子やシャント抵抗などの検出部と、検出部の出力を増幅する増幅器とで構成されている。内部電流センサ15,16は、バッテリ13に直列接続されている。内部電流センサ15,16は、バッテリ13の電流を測定する。なお、バッテリ13の電流とは、バッテリ13の放電電流及び充電電流のうちの少なくとも一方である。内部電流センサ15,16は、バッテリ13の放電電流及び充電電流の双方(充放電電流)を測定する。以下の説明において、適宜、2つの内部電流センサ15,16の一方を第1内部電流センサ15、他方を第2内部電流センサ16と称する。
温度センサ17は、バッテリ13に1つ設けられていてもよいし、二次電池12毎に個別に設けられていてもよい。温度センサ17と内部電流センサ15,16とは、同一ケース20内に収容されてユニット化されているため、温度センサ17によって測定される温度は、内部電流センサ15,16の周辺温度ともいえる。なお、バッテリ13とユニット化された2つの内部電流センサ15,16の周辺温度は、同一とみなすことができる。
電池ECU18は、CPUと、RAM及びROM等からなる記憶部と、を備える電子制御ユニット:Electronic Control Unitである。記憶部には、電池パック11を制御するための種々のプログラムが記憶されている。電池ECU18は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路:ASICを備えていてもよい。電池ECU18は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるものを含む。
電池ECU18には、信号線L1,L2を介して内部電流センサ15,16が接続されている。電池ECU18には、信号線L3を介して温度センサ17が接続されている。電池ECU18には、信号線L4を介して監視部14が接続されている。電池ECU18は、信号線L1〜L4を介して内部電流センサ15,16の測定値、温度センサ17の測定値、及び、監視部14の測定値を取得可能である。なお、内部電流センサ15,16の測定値とは、オフセット補正が行われた後の値である。電池ECU18は、監視部14の測定値や内部電流センサ15,16の測定値からバッテリ13の状態の監視を行う。
電力変換部31は、インバータ32と、外部電流センサ33と、温度センサ34と、駆動ECU35と、を備える。インバータ32は、バッテリ13から供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに出力する。なお、図示は省略するが、インバータ32は、走行用モータと荷役用モータに対応して個別に設けられている。
外部電流センサ33としては、例えば、内部電流センサ15,16と同一種類のものが用いられる。外部電流センサ33は、インバータ32とバッテリ13との間に配置され、バッテリ13に直列接続される。外部電流センサ33は、バッテリ13から出力される放電電流を測定する。外部電流センサ33は、電池パック11のケース20の外部に設けられており、内部電流センサ15,16に比べてバッテリ13の充放電による発熱の影響を受けにくい。
温度センサ34は、外部電流センサ33の周辺温度を測定できるように配置され、外部電流センサ33の周辺温度を測定する。例えば、電力変換部31が、少なくとも外部電流センサ33と温度センサ34とを収容するケースを有している場合には、外部電流センサ33の周辺温度とは当該ケース内の雰囲気温度であってもよい。また、例えば外部電流センサ33及び温度センサ34が同一基板に搭載されている場合には、当該温度センサ34によって測定される温度を外部電流センサ33の周辺温度としてもよい。
駆動ECU35は、CPUと、RAM及びROM等からなる記憶部と、を備える電子制御ユニット:Electronic Control Unitである。駆動ECU35は、インバータ32を制御することでモータMを駆動させる。駆動ECU35には、信号線L5を介して外部電流センサ33が接続されている。駆動ECU35には、信号線L6を介して温度センサ34が接続されている。駆動ECU35は、信号線L5,L6を介して外部電流センサ33の測定値、及び、温度センサ34の測定値を取得可能である。なお、外部電流センサ33の測定値とは、オフセット補正が行われた後の値である。駆動ECU35と電池ECU18とは、通信線CL1によって接続されている。駆動ECU35と、電池ECU18とは、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)などの通信プロトコルで通信を行うことが可能である。
充電コネクタ41は、充電器51からの直流電力が入力される正負の入力端42,43と、通信端子44と、を備える。正極の入力端42は、バッテリ13の正極に接続されている。負極の入力端43は、バッテリ13の負極に接続されている。通信端子44は、通信線CL2によって電池ECU18に接続されている。
充電器51は、AC/DC変換部52と、DC/DC変換部53と、外部電流センサ54と、温度センサ55と、充電器ECU56と、充電コネクタ41に接続される給電コネクタ57と、を備える。AC/DC変換部52は、交流電源ACに接続されている。AC/DC変換部52は、交流電源ACから供給される交流電力を直流電力に変換してDC/DC変換部53に出力する。DC/DC変換部53は、AC/DC変換部52から供給される直流電力を変圧して出力する。
外部電流センサ54としては、例えば、内部電流センサ15,16と同一種類のものが用いられる。外部電流センサ54は、DC/DC変換部53と給電コネクタ57との間に設けられている。外部電流センサ54は、DC/DC変換部53から出力された充電電流を測定する。外部電流センサ54は、電池パック11のケース20の外部に設けられており、内部電流センサ15,16に比べてバッテリ13の充放電による発熱の影響を受けにくい。
温度センサ55は、外部電流センサ54の周辺温度を測定できるように配置され、外部電流センサ54の周辺温度を測定する。例えば、充電器51が、少なくとも外部電流センサ54と温度センサ55とを収容するケースを有している場合には、外部電流センサ33の周辺温度とは当該ケース内の雰囲気温度であってもよい。また、例えば外部電流センサ54と温度センサ55とが同一基板に搭載されている場合には、当該温度センサ55によって測定される温度を外部電流センサ54の周辺温度としてもよい。
充電器ECU56は、CPUと、RAM及びROM等からなる記憶部と、を備える電子制御ユニット:Electronic Control Unitである。充電器ECU56は、AC/DC変換部52、及び、DC/DC変換部53を制御することでバッテリ13の充電を行う。充電器ECU56には、信号線L7を介して外部電流センサ54が接続されている。充電器ECU56には、信号線L8を介して温度センサ55が接続されている。充電器ECU56は、信号線L7,L8を介して外部電流センサ54の測定値、及び、温度センサ55の測定値を取得可能である。なお、外部電流センサ54の測定値とは、オフセット補正が行われた後の値である。
給電コネクタ57は、DC/DC変換部53の出力側に接続される正負の出力端58,59と、通信端子60と、を備える。給電コネクタ57の出力端58,59は、充電コネクタ41の入力端42,43に接続可能である。給電コネクタ57の通信端子60は、充電コネクタ41の通信端子44に接続可能である。充電器ECU56は、通信線CL3を介して通信端子60に接続されている。
給電コネクタ57が充電コネクタ41に接続されると、出力端58,59及び入力端42,43を介してDC/DC変換部53とバッテリ13とが接続される。これにより、バッテリ13には充電電流が流れることになる。通信端子44,60同士が接続されると、充電器ECU56と電池ECU18とは、通信線CL2,CL3によって接続される。充電器ECU56と、電池ECU18とは、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)などの通信プロトコルで通信を行うことが可能になる。
次に、電池ECU18によるバッテリ13の電流測定シーケンスについて説明する。電池ECU18は、図2に示す処理を行うことでバッテリ13の電流を測定する。まず、バッテリ13の放電電流を測定する場合について説明を行う。
図2に示すように、ステップS1において、電池ECU18は、内部電流センサ15,16の測定値を取得する。電池ECU18は、駆動ECU35から外部電流センサ33の測定値を取得する。バッテリ13の放電電流を測定する場合、電流の測定に用いられる3つ以上の電流センサは、2つの内部電流センサ15,16及び1つの外部電流センサ33となる。電池ECU18は、3つ以上の電流センサから測定値を取得する取得部として機能しているといえる。
次に、ステップS2において、電池ECU18は、温度センサ17の測定値を取得する。電池ECU18は、駆動ECU35から温度センサ34の測定値を取得する。電池ECU18は、各電流センサ15,16,33の周辺温度を取得する温度取得部として機能しているといえる。
次に、ステップS3において、電池ECU18は各電流センサ15,16,33が故障しているか否かを判定する故障判定を行う。故障判定は、各電流センサ15,16,33の測定値同士を比較することで行われる。電池ECU18は、3つの電流センサ15,16,33の測定値のうち、他の2つの電流センサの測定値との差が閾値以上である測定値がある場合、当該測定値を測定した電流センサは故障していると判定する。例えば、第1内部電流センサ15の測定値と第2内部電流センサ16の測定値との差が閾値以上であり、かつ、第1内部電流センサ15の測定値と外部電流センサ33の測定値との差が閾値以上である場合、第1内部電流センサ15は故障していると判定される。即ち、3つ以上の電流センサのうち他の電流センサの測定値との差が閾値以上である測定値を測定した電流センサとは、当該電流センサによって測定された測定値が、その他全ての電流センサによって測定された各測定値に対して閾値以上ずれているものである。電池ECU18は、各電流センサ15,16,33の故障判定を行う故障判定部として機能しているといえる。
なお、内部電流センサ15,16同士の測定値を比較する場合と、内部電流センサ15,16の測定値と外部電流センサ33の測定値とを比較する場合とで故障判定を行うための閾値は異なっていてもよい。例えば、内部電流センサ15,16同士の測定値を比較する場合の閾値が、内部電流センサ15,16の測定値と外部電流センサ33の測定値とを比較する場合の閾値よりも小さくてもよい。
各電流センサ15,16,33の出力には、温度依存性があり、各電流センサ15,16,33の温度に応じて各電流センサ15,16,33の測定値が変化する。従って、各電流センサ15,16,33の周辺温度の温度差が大きい程、各電流センサ15,16,33の測定値の差が大きくなるおそれがある。内部電流センサ15,16の周辺温度は、バッテリ13の充放電に伴う発熱の影響を受けやすい。一方で、電池パック11外に設けられた外部電流センサ33の周辺温度は、内部電流センサ15,16の周辺温度に比べてバッテリ13の充放電に伴う発熱の影響を受けにくい。2つの内部電流センサ15,16の周辺温度は同一とみなせるため、周辺温度の影響による2つの内部電流センサ15,16の測定値の変化量は同一とみなすことができる。従って、2つの内部電流センサ15,16同士の測定値を比較する際に用いられる閾値としては、直線性誤差やゲイン誤差などの測定誤差などが生じることを加味した上で、測定誤差により生じると予想される測定値の差よりも大きな値に設定される。一方で、内部電流センサ15,16の周辺温度と外部電流センサ33の周辺温度には温度差が生じるため、周辺温度の影響により測定値に生じる変化量は、内部電流センサ15,16と外部電流センサ33とで異なることになる。即ち、内部電流センサ15,16及び外部電流センサ33の両方が故障していない場合であっても、内部電流センサ15,16の測定値が取り得る範囲と外部電流センサ33の測定値が取り得る範囲は異なることになる。このため、内部電流センサ15,16の周辺温度と外部電流センサ33の周辺温度に応じて、内部電流センサ15,16の測定値と外部電流センサ33の測定値とを比較する際に用いられる閾値を変動させている。
各電流センサ15,16,33の周辺温度に応じた閾値は、種々の態様で導出することができる。例えば、電池ECU18の記憶部に、各電流センサ15,16,33の測定値と温度との関係をマップや、導出式として記憶する。そして、電池ECU18は、温度センサ17,34により測定される各電流センサ15,16,33の周辺温度から、各電流センサ15,16,33の測定値に生じ得る変化量を導出する。電池ECU18は、内部電流センサ15,16の測定値に生じ得る変化量と外部電流センサ33の測定値に生じ得る変化量との差や、測定誤差などを加味して閾値を導出する。即ち、内部電流センサ15,16の測定値と外部電流センサ33の測定値とを比較する際に用いられる閾値と、内部電流センサ15,16の測定値同士を比較する際に用いられる閾値とは、周辺温度の差による測定値の差に基づき異ならせてもよい。
ステップS3の判定結果が否定の場合、電池ECU18は、ステップS4の処理を行う。一方で、ステップS3の判定結果が肯定の場合、電池ECU18は、ステップS5の処理を行う。
ステップS4において、電池ECU18は、3つの電流センサ15,16,33から取得した測定値の平均値を算出する。電池ECU18は、算出した平均値をバッテリ13の放電電流とし、処理を終了する。ステップS5において、電池ECU18は、3つの電流センサ15,16,33のうち故障していると判定された電流センサを除いた2つの電流センサから取得した測定値の平均値を算出する。例えば、ステップS3において、第1内部電流センサ15が故障していると判定された場合、第2内部電流センサ16の測定値と外部電流センサ33の測定値との平均値を算出する。電池ECU18は、算出した平均値をバッテリ13の放電電流とし、処理を終了する。電池ECU18は、各電流センサ15,16,33から取得した測定値の平均値を算出する平均値算出部として機能しているといえる。
次に、バッテリ13の充電電流を測定する場合について説明する。バッテリ13の充電電流の測定は、電力変換部31の外部電流センサ33の測定値に代えて、充電器51の外部電流センサ54の測定値を用いて行われる。また、電力変換部31の温度センサ34の測定値に代えて、充電器51の温度センサ55の測定値を用いて行われる。詳細にいえば、ステップS1において、電池ECU18は、2つの内部電流センサ15,16から測定値を取得し、充電器ECU56から1つの外部電流センサ54の測定値を取得する。バッテリ13の充電電流を測定する場合、電流の測定に用いられる3つ以上の電流センサは、2つの内部電流センサ15,16及び1つの外部電流センサ54となる。ステップS2において、電池ECU18は、温度センサ17の測定値を取得し、充電器ECU56から温度センサ55の測定値を取得する。以降の処理については、バッテリ13の放電電流を測定する場合と同様である。
上記したように、電池ECU18は、予め定められたプログラムを実行することによって、取得部、故障判定部、平均値算出部、及び、温度取得部として機能することになる。従って、本実施形態では、これらの機能を備える電池ECU18が電流測定装置となる。
上記した処理により測定したバッテリ13の電流から、電池ECU18は、バッテリ13の充電率の推定や、バッテリ13に過電流が流れているか否かの判定などを行う。
本実施形態において、バッテリ13の充電率:SOC(State Of Charge)は、電流積算法により推定される。電流積算法は、バッテリ13の充放電電流を積算することによりSOCを推定する方法である。電池ECU18は、バッテリ13の充放電が開始されると、バッテリ13の充放電電流と所定周期との積を所定周期毎に積算することでバッテリ13の充電容量の変化量[Ah]を算出する。電池ECU18は、バッテリ13の充電容量の変化量[Ah]をバッテリ13の満充電容量[Ah]で除算することでバッテリ13のSOCの変化量を算出する。電池ECU18は、バッテリ13の充放電前のSOCに算出したSOCの変化量を加算、あるいは、減算することでバッテリ13のSOCを推定する。
本実施形態において、バッテリ13の充電率:SOC(State Of Charge)は、電流積算法により推定される。電流積算法は、バッテリ13の充放電電流を積算することによりSOCを推定する方法である。電池ECU18は、バッテリ13の充放電が開始されると、バッテリ13の充放電電流と所定周期との積を所定周期毎に積算することでバッテリ13の充電容量の変化量[Ah]を算出する。電池ECU18は、バッテリ13の充電容量の変化量[Ah]をバッテリ13の満充電容量[Ah]で除算することでバッテリ13のSOCの変化量を算出する。電池ECU18は、バッテリ13の充放電前のSOCに算出したSOCの変化量を加算、あるいは、減算することでバッテリ13のSOCを推定する。
バッテリ13に過電流が流れているか否かは、バッテリ13の充放電電流が閾値を超えるか否かにより判定される。電池ECU18は、バッテリ13に過電流が流れている場合、リレー19を制御することでバッテリ13の充放電を遮断する。
第1実施形態の作用について説明する。
電池ECU18は、電流センサ15,16,33から取得した測定値の平均値をバッテリ13の放電電流とし、電流センサ15,16,54から取得した測定値の平均値をバッテリ13の充電電流としている。
電池ECU18は、電流センサ15,16,33から取得した測定値の平均値をバッテリ13の放電電流とし、電流センサ15,16,54から取得した測定値の平均値をバッテリ13の充電電流としている。
図3には、縦軸を電圧とし、横軸を電流とした場合の第1内部電流センサ15の測定値を線L11、第2内部電流センサ16の測定値を線L12、外部電流センサ33の測定値を線L13で示している。なお、周辺温度は一定としている。
電池ECU18は、各電流センサ15,16,33のオフセット補正を行っているため、各電流センサの0点は一致している。即ち、オフセット補正を行うことで、オフセット誤差は低減することができる。一方で、直線性誤差やゲイン誤差の影響によって、電流が大きくなるに従い、電流センサ15,15,33の測定値に差が生じることになる。本実施形態では、電流センサ15,15,33から取得した平均値を算出し、算出された平均値をバッテリ13の電流としているため、測定誤差の影響を低減することができる。なお、図3に示すように、電流センサ15,16,33毎に測定値の極性が異なる場合がある。これは、電流センサ15,16,33の増幅器により反転増幅を行うか、非反転増幅を行うかにより異なる。平均値の算出や、測定値同士の差の算出など、電流センサ15,16,33の測定値を用いて行う処理は、測定値の極性を考慮せずに行われる。
なお、電流センサ15,16,33,54のオフセット補正は、電流センサ15,16,33、54に電流が流れていない場合、あるいは、僅かな電流が流れている場合に電流センサ15,16,33,54の測定値を取得し、取得した値が0点となるように補正を行うことで行われる。電流センサ15,16,33であれば、例えば、フォークリフト10が停止状態(イグニッションオフ状態)のとき、又は、リレー19が遮断状態のときに電池ECU18が電流センサ15,16,33の測定値を取得すればよい。外部電流センサ54であれば、例えば、充電器51による充電を行っていないとき、又は、リレー19が遮断状態のときに充電器ECU56が外部電流センサ54の測定値を取得すればよい。
バッテリ13の電流を用いた処理を行う場合、バッテリ13の電流を精度良く測定することが求められる。特に、本実施形態のように、SOCの推定として電流積算法を用いる場合、測定されるバッテリ13の電流に誤差が生じると、推定したSOCにも誤差が生じることになる。この誤差が蓄積されると、推定したSOCと実際のSOCに大きな乖離が生じることになる。本実施形態のように、誤差が低減されたバッテリ13の電流からSOCを算出することで、推定されたSOCと実際のSOCとの差を小さくすることができる。
なお、バッテリ13の開回路電圧:OCV(Open Circuit Voltage)を求め、OCV−SOC曲線からSOCを推定することも考えられる。しかしながら、フォークリフト10の動作中にはバッテリ13が放電されているためOCVを測定することができず、SOCを推定することができない。更に、OCVは二次電池12の分極の影響を受ける。このため、分極が緩和されるまでは正確にSOCを推定することはできず、バッテリ13の充放電終了後、分極が解消するための待機時間を必要とする。二次電池12として合金負極を採用したリチウムイオン電池など、分極が大きく、かつ、分極の解消に長時間を要するものを採用した場合、待機時間が長くなりSOCの推定に要する時間が長くなる。
これに対して、本実施形態では、電流積算法によるSOCの推定を精度良く行うことができるため、SOCの推定に要する時間を短くできる。
第1実施形態の効果について説明する。
第1実施形態の効果について説明する。
(1−1)電池ECU18は、3つ以上の電流センサの測定値を取得し、取得した測定値の平均値をバッテリ13の電流としている。測定値の平均値をバッテリ13の電流とすることで、単一の電流センサの測定値をバッテリ13の電流とする場合に比べて、測定誤差の影響を低減できる。また、電流センサの故障を判定して、故障していると判定された電流センサの測定値は平均値の算出から除かれる。このため、故障している電流センサの測定値の影響によってバッテリ13の測定精度が低下することを抑制できる。従って、電流の測定精度を向上させることができる。
(1−2)3つ以上の電流センサから測定値を取得し、故障判定を行っているため、故障した電流センサを特定することができる。仮に、2つの電流センサの測定値を比較することで電流センサの故障判定を行う場合、2つの電流センサの測定値同士の差が閾値を超えた場合に電流センサは故障したと判定する。この場合、2つの電流センサのうちいずれの電流センサが故障したかを特定しにくい。結果として、2つの電流センサの測定値を比較することで故障判定を行う場合、電流センサが故障したと判定された場合には、バッテリ13の充放電を停止させることになる。
これに対して、3つ以上の電流センサの測定値から故障判定を行う場合、故障した電流センサの測定値は他の電流センサのいずれの測定値からも閾値以上離れることになる。このため、故障した電流センサを特定することができ、故障していない電流センサの測定値からバッテリ13の電流を測定することができる。従って、電流センサのいずれかが故障した場合であっても、バッテリ13の充放電を継続させることができる。
(1−3)電池パック11の外部に設けられた外部電流センサ33,54の測定値を故障判定及び平均値の算出に用いている。外部電流センサ33,54は、バッテリ13の発熱による影響を受けにくい。従って、外部電流センサ33,54の測定値は、内部電流センサ15,16の測定値に比べて温度の影響が小さく、真値との差が小さくなりやすい。外部電流センサ33,54が故障していない場合、外部電流センサ33,54の測定値が平均値の算出に用いられる。このため、バッテリ13の電流が真値に近付きやすく、バッテリ13の測定精度を更に向上させることができる。
(1−4)電池ECU18は、駆動ECU35及び充電器ECU56から外部電流センサ33,54の測定値を取得可能である。外部電流センサ33,54は、電力変換部31や充電器51の既存の構成である。外部電流センサ33,54の測定値を利用してバッテリ13の電流を測定することで、電流センサの数を増やすことなくバッテリ13の電流の測定が可能である。
(1−5)電池ECU18は、電流センサ15,16,33,54の周辺温度を取得し、電流センサ15,16,33,54の周辺温度から故障判定に用いる閾値を設定している。電流センサ15,16,33,54の出力には、温度依存性があり、電流センサ15,16,33,54の温度に応じて各電流センサ15,16,33,54の測定値は変化する。各電流センサ15,16,33,54の周辺温度に応じて閾値を設定することで、電流センサ15,16,33,54の周辺温度に適した閾値を設定できる。
(第2実施形態)
電流測定装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、電池ECU18の行う処理が第1実施形態とは異なり、他の構成は第1実施形態と同様である。
電流測定装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、電池ECU18の行う処理が第1実施形態とは異なり、他の構成は第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、3つ以上の電流センサのうち予め定められた1つの第1電流センサについては、第1電流センサとは異なる第2電流センサが故障した場合の予備用としている。本実施形態では、第1内部電流センサ15を第1電流センサとし、第2内部電流センサ16及び外部電流センサ33,54を第2電流センサとして説明を行う。まず、バッテリ13の電流としてバッテリ13の放電電流を測定する場合について説明を行う。
図4に示すように、電池ECU18の行う処理のうちステップS1〜ステップS3の処理は第1実施形態と同一である。即ち、3つの電流センサ15,16,33から測定値を取得し、取得した測定値を比較することで故障判定を行うことは第1実施形態と同様である。
電池ECU18は、ステップS3の判定結果が否定の場合、ステップS14の処理を行う。一方で、電池ECU18は、ステップS3の判定結果が肯定の場合、ステップS15の処理を行う。
ステップS14において、電池ECU18は、第2内部電流センサ16の測定値と外部電流センサ33の測定値との平均値を算出する。第1電流センサである第1内部電流センサ15を除いた2つの第2電流センサである第2内部電流センサ16及び外部電流センサ33の測定値から平均値が算出されるといえる。従って、電流センサ15,16,33に故障が生じていない場合、第1内部電流センサ15の測定値については故障判定に用いられ、第2内部電流センサ16の測定値及び外部電流センサ33については故障判定と平均値の算出の両方に用いられることになる。電池ECU18は、算出した平均値をバッテリ13の放電電流とし、処理を終了する。
ステップS15において、電池ECU18は、故障していると判定した電流センサが第1電流センサに該当するか、第2電流センサに該当するかを判定する。第1内部電流センサ15が故障している場合、電池ECU18は第1電流センサが故障していると判定する。第2内部電流センサ16及び外部電流センサ33のうちのいずれかが故障している場合、電池ECU18は第2電流センサが故障していると判定する。ステップS15において、第1電流センサが故障していると判定された場合、電池ECU18はステップS14の処理を行う。即ち、電流センサが故障していない場合、又は、故障している電流センサが第1電流センサである場合、第2電流センサである第2内部電流センサ16の測定値と外部電流センサ33の測定値との平均値がバッテリ13の放電電流とされる。一方で、故障している電流センサが第2電流センサである場合、電池ECU18はステップS16の処理を行う。
ステップS16において、電池ECU18は、故障していると判定された第2電流センサの測定値に代えて第1内部電流センサ15の測定値を用いて測定値の平均値を算出する。即ち、電池ECU18は、第1内部電流センサ15の測定値と、2つの第2電流センサのうち故障したと判定されたもの以外の第2電流センサの測定値から平均値を算出する。例えば、第2内部電流センサ16が故障していると判定された場合、電池ECU18は、第1内部電流センサ15の測定値と外部電流センサ33の測定値との平均値を算出する。電池ECU18は、算出された平均値をバッテリ13の放電電流とする。
バッテリ13の充電電流の測定は、電力変換部31の外部電流センサ33の測定値に代えて、充電器51の外部電流センサ54の測定値を用いて行われる。第1実施形態と同様に、電池ECU18が予め定められたプログラムを実行することによって、取得部、故障判定部、及び、平均値算出部として機能することになる。従って、本実施形態では、これらの機能を備える電池ECU18が電流測定装置となる。
第2実施形態の効果について説明する。なお、第2実施形態では、以下の効果に加えて、第1実施形態に記載した(1−2)〜(1−5)の効果を得ることもできる。
(2−1)第2電流センサが故障していない場合、第2電流センサの平均値をバッテリ13の電流としている。第2電流センサが故障した場合、故障した第2電流センサの測定値に代えて第1電流センサの測定値を用いて平均値を算出し、平均値をバッテリ13の電流としている。複数の電流センサから測定値を取得し、測定値の平均値をバッテリ13の電流とすることで、単一の電流センサの測定値をバッテリ13の電流とする場合に比べて、測定誤差を低減することができる。また、故障している電流センサの測定値の影響によってバッテリ13の測定精度が低下することを抑制できる。従って、電流の測定精度を向上させることができる。
(2−1)第2電流センサが故障していない場合、第2電流センサの平均値をバッテリ13の電流としている。第2電流センサが故障した場合、故障した第2電流センサの測定値に代えて第1電流センサの測定値を用いて平均値を算出し、平均値をバッテリ13の電流としている。複数の電流センサから測定値を取得し、測定値の平均値をバッテリ13の電流とすることで、単一の電流センサの測定値をバッテリ13の電流とする場合に比べて、測定誤差を低減することができる。また、故障している電流センサの測定値の影響によってバッテリ13の測定精度が低下することを抑制できる。従って、電流の測定精度を向上させることができる。
各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○各実施形態において、内部電流センサを3つ以上設けて、3つ以上の内部電流センサの測定値から故障判定、及び、平均値の算出を行ってもよい。この場合、3つ以上の内部電流センサの周辺温度は同一とみなすことができる。このため、3つ以上の内部電流センサの測定値を用いて故障判定を行う場合、温度に応じて故障判定を行う際の閾値を変更しなくてもよい。
○各実施形態において、内部電流センサを3つ以上設けて、3つ以上の内部電流センサの測定値から故障判定、及び、平均値の算出を行ってもよい。この場合、3つ以上の内部電流センサの周辺温度は同一とみなすことができる。このため、3つ以上の内部電流センサの測定値を用いて故障判定を行う場合、温度に応じて故障判定を行う際の閾値を変更しなくてもよい。
○各実施形態において、電力変換部31の外部電流センサが3つ以上設けられている場合、電池ECU18は、外部電流センサの測定値から故障判定、及び、バッテリ13の放電電流の測定を行ってもよい。同様に、充電器51の外部電流センサが3つ以上設けられている場合、電池ECU18は、外部電流センサの測定値から故障判定、及び、バッテリ13の充電電流の測定を行ってもよい。
○第1実施形態において、電力変換部31の外部電流センサが2つ以上設けられている場合、電池ECU18は、2つ以上の外部電流センサに2つの内部電流センサ15,16を加えた計4つ以上の電流センサをバッテリ13の放電電流の測定に用いてもよい。また、電池パック11と電力変換部31で計4つ以上の電流センサが設けられている場合、4つ以上の電流センサから3つ以上の電流センサを選択し、選択した電流センサをバッテリ13の放電電流の測定に用いてもよい。充電器51の外部電流センサが2つ以上設けられている場合についても同様に、4つ以上の電流センサを充電電流の測定に用いてもよいし、4つ以上の電流センサから選択した電流センサを充電電流の測定に用いてもよい。
○第2実施形態において、電力変換部31の外部電流センサが2つ以上設けられている場合、電池ECU18は、2つ以上の外部電流センサに2つの内部電流センサ15,16を加えた計4つ以上の電流センサをバッテリ13の放電電流の測定に用いてもよい。この場合、4つ以上の電流センサのうち1つが第1電流センサとなり、第1電流センサとは異なる電流センサが第2電流センサとなる。また、電池パック11と電力変換部31で計4つ以上の電流センサが設けられている場合、4つ以上の電流センサから3つ以上の電流センサを選択し、選択した3つ以上の電流センサをバッテリ13の放電電流の測定に用いてもよい。この場合、選択された3つ以上の電流センサのうちの1つが第1電流センサとなり、選択された3つ以上の電流センサのうち第1電流センサとは異なる電流センサが第2電流センサとなる。充電器51の外部電流センサ54が2つ以上設けられている場合についても同様に、4つ以上の電流センサを充電電流の測定に用いてもよいし、4つ以上の電流センサから選択した電流センサを充電電流の測定に用いてもよい。
○第1実施形態において、ステップS4で算出される平均値は3つの電流センサの測定値の平均値でなくてもよい。例えば、3つの電流センサの測定値のうち測定値同士の差が小さい2つの測定値の平均値をバッテリ13の電流としてもよい。即ち、電池ECU18は、3つ以上の電流センサの測定値から選択した2つの電流センサの測定値を用いて平均値を算出してもよい。
○第2実施形態において、第1電流センサを外部電流センサ33,54とし、第2電流センサを2つの内部電流センサ15,16としてもよい。
○各実施形態において、内部電流センサ15,16の周辺温度を個別に測定してもよい。この場合、第1内部電流センサ15の周辺温度と、第2内部電流センサ16の周辺温度との差に応じて、内部電流センサ15,16の測定値同士の差から故障判定を行う際の閾値を変動させてもよい。
○各実施形態において、内部電流センサ15,16の周辺温度を個別に測定してもよい。この場合、第1内部電流センサ15の周辺温度と、第2内部電流センサ16の周辺温度との差に応じて、内部電流センサ15,16の測定値同士の差から故障判定を行う際の閾値を変動させてもよい。
○各実施形態において、温度センサ17,34,55は、少なくともいずれかが設けられていればよい。即ち、少なくとも1つの電流センサ15,16,33,54の周辺温度を測定する温度センサが設けられていればよく、全ての電流センサ15,16,33,54に対応した温度センサを設けなくてもよい。
○各実施形態において、閾値は、固定値としてもよい。この場合、各電流センサ15,16,33,54の温度による影響を加味したマージンを含めて閾値の値を設定する。即ち、温度の影響によって電流センサの測定値同士の差が閾値以上にならず、かつ、電流センサが故障した場合には測定値同士の差が閾値を超えるように閾値を設定する。
○各実施形態において、充電器51は、車載充電器であってもよい。
○各実施形態において、各電流センサ15,16,33,54の種類は異なるものであってもよい。この場合、電流センサ15,16,33,54毎に測定値と温度との関係を記憶部に記憶する。
○各実施形態において、各電流センサ15,16,33,54の種類は異なるものであってもよい。この場合、電流センサ15,16,33,54毎に測定値と温度との関係を記憶部に記憶する。
○各実施形態において、電池ECU18は、バッテリ13の放電電流、及び、充電電流のうち一方を実施形態の処理によって測定するものであってもよい。
○各実施形態において、バッテリ13の充電電流には、回生による充電電流が含まれていてもよい。この場合、外部電流センサ33は、回生による充電電流を測定する。回生によるバッテリ13の充電電流を測定する場合、電池ECU18は、2つの内部電流センサ15,16の測定値及び1つの外部電流センサ33の測定値からバッテリ13の充電電流を測定する。回生によるバッテリ13の充電電流を測定する場合、バッテリ13の放電電流を測定する場合と同様の処理によってバッテリ13の電流を測定できる。
○各実施形態において、バッテリ13の充電電流には、回生による充電電流が含まれていてもよい。この場合、外部電流センサ33は、回生による充電電流を測定する。回生によるバッテリ13の充電電流を測定する場合、電池ECU18は、2つの内部電流センサ15,16の測定値及び1つの外部電流センサ33の測定値からバッテリ13の充電電流を測定する。回生によるバッテリ13の充電電流を測定する場合、バッテリ13の放電電流を測定する場合と同様の処理によってバッテリ13の電流を測定できる。
○各実施形態において、オフセット補正は必須ではない。即ち、電池ECU18は、オフセット補正が行われた状態の各測定値の平均値を算出する構成でもよいし、オフセット補正が行われていない状態の各測定値を算出する構成でもよい。
○各実施形態において、取得部、故障判定部、平均値算出部、及び、温度取得部は、別々のECUであってもよい。この場合、取得部、故障判定部、平均値算出部、及び、温度取得部として機能するECUによって電流測定装置が構成される。
○各実施形態において、電流測定装置は、電気自動車やハイブリッド自動車など、バッテリ13を電力源とする装置であれば、どのようなものに搭載されていてもよい。
○各実施形態において、SOCの推定は、OCV−SOC曲線から推定してもよいし、電流積算によるSOCの推定と、OCV−SOC曲線によるSOCの推定とを併用してもよい。
○各実施形態において、SOCの推定は、OCV−SOC曲線から推定してもよいし、電流積算によるSOCの推定と、OCV−SOC曲線によるSOCの推定とを併用してもよい。
13…バッテリ、15,16…内部電流センサ(電流センサ)、17,34,55…温度センサ、18…電池ECU(電流測定装置、取得部、故障判定部、平均値算出部、及び、温度取得部)、33,54…外部電流センサ(電流センサ)。
Claims (5)
- バッテリの電流を測定する3つ以上の電流センサから測定値を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記測定値の平均値を算出し、算出された平均値を前記バッテリの電流とする平均値算出部と、
前記3つ以上の電流センサの測定値同士を比較し、前記3つ以上の電流センサのうち他の電流センサの測定値との差が閾値以上である測定値を測定した電流センサは故障していると判定する故障判定部と、を備え、
前記平均値算出部は、
前記故障判定部により故障したと判定された電流センサがない場合、前記3つ以上の電流センサのうち2つ以上の電流センサの測定値から前記平均値を算出し、
前記故障判定部により故障したと判定された電流センサがある場合、前記3つ以上の電流センサのうち故障したと判定された前記電流センサを除いた2つ以上の電流センサの測定値から前記平均値を算出する電流測定装置。 - 前記取得部は、前記3つ以上の電流センサのうちの少なくとも1つとして、前記バッテリとユニット化された内部電流センサよりも前記バッテリの充放電による発熱の影響を受けにくい外部電流センサから測定値を取得する請求項1に記載の電流測定装置。
- バッテリの電流を測定する3つ以上の電流センサから測定値を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記測定値の平均値を算出し、算出された平均値を前記バッテリの電流とする平均値算出部と、
前記3つ以上の電流センサの測定値同士を比較し、前記3つ以上の電流センサのうち他の電流センサの測定値との差が閾値以上である測定値を測定した電流センサは故障していると判定する故障判定部と、を備え、
前記3つ以上の電流センサは、1つの第1電流センサと、第1電流センサとは異なる2以上の第2電流センサと、を含み、
前記平均値算出部は、
前記故障判定部により故障したと判定された電流センサがない場合、又は、前記故障判定部により故障したと判定された電流センサが前記第1電流センサの場合、前記第1電流センサを除いた前記2つ以上の第2電流センサの測定値から前記平均値を算出し、
前記故障判定部により故障したと判定された前記電流センサが前記2つ以上の第2電流センサのうちのいずれかである場合、前記第1電流センサの測定値と、前記2つ以上の第2電流センサのうち故障したと判定されたもの以外の1つ以上の第2電流センサの測定値から前記平均値を算出する電流測定装置。 - 前記第1電流センサは、前記バッテリとユニット化された2つ以上の内部電流センサのうちの1つである第1内部電流センサであり、
前記2つ以上の第2電流センサは、
前記2つ以上の内部電流センサのうち前記第1内部電流センサとは異なる第2内部電流センサと、
前記内部電流センサよりも前記バッテリの充放電による発熱の影響を受けにくい外部電流センサと、を含む請求項3に記載の電流測定装置。 - 前記3つ以上の電流センサのうち少なくとも1つの電流センサの周辺温度を測定する温度センサから測定値を取得する温度取得部を備え、
前記故障判定部は、前記温度取得部から取得した測定値から前記閾値を導出する請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電流測定装置。
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- 2018-07-24 JP JP2018138470A patent/JP2020016493A/ja active Pending
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