JP2020051863A - 電流センサの故障判定装置 - Google Patents

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博之 野村
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順一 波多野
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隆介 長谷
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Abstract

【課題】故障した電流センサの識別に要する時間を短縮できる電流センサの故障判定装置を提供すること。【解決手段】電池ECUは、第1の電流センサによる測定値を用いて推定された第1推定CCV、及び第2の電流センサによる測定値を用いて推定された第2推定CCVと、電圧センサから取得した実際のCCVとを比較する。電池ECUは、実際に測定されたCCVとの差分の大きい方の電流センサは故障していると識別する。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の二次電池が直列に接続された電池モジュールに流れる電流をそれぞれ測定する第1の電流センサ及び第2の電流センサの故障を判定する電流センサの故障判定装置に関する。
複数の二次電池を直列接続した電池モジュールと、電池モジュールから供給される電力によって駆動する負荷と、を備えた装置では、二次電池に過電流が生じているか否かの判定や、電池モジュールの充電率を推定することを目的として電池モジュールの電流が電流センサによって測定されている。
しかし、電流センサに故障が発生した場合、電流を正しく検出できないおそれがある。このため、電流センサに故障が発生した場合には、二次電池に過電流が生じているか否かの判定や、充電率の推定の精度が低下することとなる。そこで、各種の判定精度や推定精度の低下を抑制するため、電流センサを複数系統設ける構成が提案されている。
また、電流センサを複数系統設ける構成において、それら電流センサの中に異常が発生した場合に、いずれの電流センサに故障が発生しているかを判定している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の異常判定装置は、第1電流センサにより検出される電流を逐次積分することで、電池モジュールの残存容量の変化量として第1変化量を算出する。同様に、異常判定装置は、第2電流センサの検出結果から、電池モジュールの残存容量の変化量として第2変化量を算出する。
また、異常判定装置は、第1変化量及び第2変化量が算出される算出期間においてその期間始まり時と期間終わり時とにおける電池モジュールの電圧から、電池モジュールの残存容量の変化量を第3変化量として算出する。そして、異常判定装置においては、第1変化量と第3変化量を比較するとともに、第2変化量と第3変化量を比較し、比較結果のうち一方のみが不一致となる場合に、第1変化量と第3変化量が不一致であれば第1電流センサが、第2変化量と第3変化量が不一致であれば第2電流センサが故障していると判定する。
特開2013−250078号公報
しかし、特許文献1においては、いずれの電流センサに故障が発生しているかを判定するため、電池モジュールの残存容量の変化量を算出するための算出期間が一定時間以上必要であり、電流センサの故障判定までに時間を要するという問題がある。
本発明の目的は、故障した電流センサの識別に要する時間を短縮できる電流センサの故障判定装置を提供することにある。
上記問題点を解決するための電流センサの故障判定装置は、複数の二次電池を含む電池モジュールに流れる電流をそれぞれ測定する第1の電流センサ及び第2の電流センサから測定値を取得する電流取得部と、各二次電池の閉回路電圧をそれぞれ測定する電圧センサから測定値を取得する電圧取得部と、各二次電池の内部抵抗を取得する内部抵抗取得部と、各二次電池の開回路電圧を取得する開回路電圧取得部と、前記電流取得部によって取得された測定値と、前記内部抵抗取得部によって取得された内部抵抗と、前記開回路電圧取得部によって取得された開回路電圧と、を用いて前記二次電池の閉回路電圧を推定する閉回路電圧推定部と、前記第1の電流センサによる測定値を用いて前記閉回路電圧推定部によって推定された第1の閉回路電圧、及び前記第2の電流センサによる測定値を用いて前記閉回路電圧推定部によって推定された第2の閉回路電圧と、前記電圧取得部によって取得された測定値とを比較し、前記電圧取得部によって取得された測定値との差分の大きい方の電流センサは故障していると識別する識別部と、を備えることを要旨とする。
これによれば、二次電池の閉回路電圧は、開回路電圧と、電流と内部抵抗の積との和によって推定できる。第1の電流センサ及び第2の電流センサによって測定された電流値と、内部抵抗取得部によって取得された内部抵抗と、開回路電圧取得部によって取得された開回路電圧とを用いて、閉回路電圧推定部により、二次電池の閉回路電圧を推定する。そして、識別部は、閉回路電圧推定部によって推定された閉回路電圧と、電圧センサによって実際に測定された閉回路電圧とを比較し、実際の測定値との差分の大きさを見る。電流センサにゲイン故障が生じていると、推定された閉回路電圧は、実際に測定された閉回路電圧との差分が大きくなる一方で、ゲイン故障が生じていなければ、推定された閉回路電圧と、実際に測定された閉回路電圧との差分は小さい。よって、識別部は、差分に基づいて第1の電流センサ及び第2の電流センサのいずれが故障しているかを識別できる。
したがって、第1の電流センサ及び第2の電流センサのうちの何れが故障しているかの識別は、識別部が、電流値、電圧値、内部抵抗、開回路電圧、及び閉回路電圧を取得した時点で行うことができ、例えば、識別に用いる値として二次電池の残存容量の変化量を用いる場合のように、変化量を算出するために一定時間を必要とする場合と比べて、故障した電流センサの識別に要する時間を短縮できる。
また、電流センサの故障判定装置について、前記識別部は、前記電流取得部によって取得された前記第1の電流センサの測定値と前記第2の電流センサの測定値との差分が閾値以上の場合に、前記第1の電流センサ及び前記第2の電流センサの何れかに故障ありと判定し、故障ありと判定した後に、何れの電流センサの故障かの識別を行ってもよい。
これによれば、第1の電流センサ及び第2の電流センサの何れかにゲイン故障が生じていると、推定される閉回路電圧と、実際に測定される閉回路電圧との差分がゲイン故障が生じていない場合よりも大きくなる。このため、閉回路電圧の差分の大きさに基づいた識別の判定精度が上がる。
また、電流センサの故障判定装置について、前記識別部は、前記電流取得部によって取得された前記第1の電流センサの測定値及び前記第2の電流センサの測定値の少なくとも一つの測定値に応じて前記閾値を変化させてもよい。
これによれば、電流センサにゲイン故障が生じた場合、流れる電流が大きくなるほど、ゲイン誤差が大きくなる。よって、流れる電流が大きくなるほど、第1の電流センサの測定値と第2の電流センサの測定値の差は大きくなる。したがって、流れる電流の大きさに応じて閾値を変化させることにより、電流センサの故障判定の精度が上がる。
本発明によれば、故障した電流センサの識別に要する時間を短縮できる。
実施形態の電流センサの故障判定装置を含む構成図。 電池ECUが行う処理を示すフローチャート。 第1の電流センサ及び第2の電流センサの電流値を示すグラフ。 故障判定の閾値を示すグラフ。 第1及び第2の推定CCVと測定されたCCVとを示すグラフ。 測定されたCCVと推定CCVとの差分を示すグラフ。
以下、電流センサの故障判定装置を具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1に示すように、車両10は、電池パック11と、電力変換部31と、モータMと、を備える。車両10は、モータMの駆動によって走行動作を行う。なお、モータMは、交流電力によって駆動するモータである。
電池パック11は、複数の二次電池12を備える電池モジュール13と、各二次電池12の端子間電圧を測定する電圧センサ14と、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16と、温度センサ17と、電池ECU18と、リレー19と、図示しないケースと、を備える。電池パック11は、電池モジュール13、第1の電流センサ15、第2の電流センサ16、温度センサ17、電池ECU18、及び、リレー19をユニット化し、ケースに収容したものである。ケースは、電池パック11の外郭を構成するものである。ケースは、少なくとも電池モジュール13、第1の電流センサ15、第2の電流センサ16、温度センサ17、及び電池ECU18を収容しており、これら電池モジュール13、第1の電流センサ15、第2の電流センサ16、温度センサ17、及び電池ECU18はユニット化されている。なお、電池パック11の数は、単数でもよいし、複数でもよい。
電池モジュール13は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池12を直列接続したものである。なお、電池モジュール13としては、複数の二次電池12を並列接続したものや、複数の二次電池12を接続してモジュール化したものを直列接続、あるいは、並列接続したものでもよい。
各電圧センサ14は、二次電池12毎に端子間電圧を測定する。第1及び第2の電流センサ15,16は、電池モジュール13に直列接続されている。第1及び第2の電流センサ15,16は、電池モジュール13に流れる電流を測定する。なお、電池モジュール13の電流とは、電池モジュール13の放電電流及び充電電流のうちの少なくとも一方である。本実施形態では、第1及び第2の電流センサ15,16は、電池モジュール13の放電電流及び充電電流の双方(充放電電流)を測定する。
温度センサ17は、電池モジュール13に1つ設けられていてもよいし、二次電池12毎に個別に設けられていてもよい。温度センサ17と第1及び第2の電流センサ15,16とは、同一ケース内に収容されてユニット化されているため、温度センサ17によって測定される温度は、第1及び第2の電流センサ15,16の周辺温度ともいえる。
電池ECU18は、CPUと、RAM及びROM等からなる記憶部と、を備える電子制御ユニットである。記憶部には、電池パック11を制御するための種々のプログラムが記憶されている。電池ECU18は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路:ASICを備えていてもよい。電池ECU18は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるものを含む。
電池ECU18には、各電圧センサ14、第1の電流センサ15、第2の電流センサ16、及び温度センサ17が信号接続されている。電池ECU18は、第1の電流センサ15の測定値、第2の電流センサ16の測定値、温度センサ17の測定値、及び電圧センサ14の測定値を取得する。したがって、電池ECU18は、第1及び第2の電流センサ15,16の測定値を取得する電流取得部として機能しているといえ、電池ECU18は、電圧センサ14の測定値を取得する電圧取得部として機能しているといえる。
電池モジュール13は、車両10のモータMに対し充放電可能である。電池モジュール13の直流電圧は、電力変換部31によって交流電圧に変換されてモータMに印加される。モータMの回生によって生じた交流電圧は、電力変換部31によって直流電圧に変換されて二次電池12に充電される。車両10の駆動ECU35は、CPUと、RAM及びROM等からなる記憶部と、を備える電子制御ユニットである。駆動ECU35は、電力変換部31を制御することでモータMを駆動させる。駆動ECU35は、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16のいずれも故障している場合は、車両10のユーザに警告を行うとともに、退避走行を行う。
次に、電池ECU18による電流センサの故障判定処理について説明する。
図2に示すように、ステップS1において、電池ECU18は、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の測定値を取得する。
次に、ステップS2において、電池ECU18は、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかに故障が生じているか否かを判定する故障判定を行う。
図3に、第1の電流センサ15によって測定された測定値を第1電流値IB1として実線で示し、第2の電流センサ16によって測定された測定値を第2電流値IB2として2点鎖線で示す。なお、図3の横軸は時間に対応し、縦軸は電流値に対応する。
第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかにおいてゲイン故障が生じた場合、故障した電流センサによる測定値は、故障していない電流センサによる測定値よりもゲイン誤差だけ異なる。よって、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかにゲイン故障が発生した場合、測定された第1電流値IB1と第2電流値IB2には電流差ΔIが生じる。
よって、電池ECU18による故障判定は、第1電流値IB1と、第2電流値IB2との電流差ΔI(IB1−IB2)を算出し、電流差ΔIと閾値とを比較することで行われる。電池ECU18は、電流差ΔIが閾値以上の場合、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかにゲイン故障が生じていると判定する(ステップS2でYES)。
図4の横軸に、電流値を示し、縦軸に第1電流値IB1と第2電流値IB2の電流差ΔIを示す(IB1−IB2)。第1の電流センサ15と第2の電流センサ16には、予め製造誤差等によって測定値に誤差が生じている場合が多く、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16に故障が生じていない場合の電流差は、予め実験等によって把握できる。そして、ゲイン故障が生じた場合、電流差は、正常時から変動する。よって、正常時の電流差にゲイン故障が生じたときのゲイン誤差を加味した値を、故障判定時の閾値と設定する。
また、上記したように、ゲイン故障が生じた電流センサによるゲイン誤差は、流れる電流の絶対値が大きくなるほど大きくなる。したがって、流れる電流の絶対値が大きくなるのに応じて閾値も変動する。よって、電池ECU18は、第1電流値IB1及び第2電流値IB2の大きさに応じて閾値を変動させて故障判定を行う。
なお、ステップS2において、電池ECU18は、電流差ΔIが閾値未満の場合、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16にゲイン故障が生じていないと判定し(ステップS2でNO)、処理を終了する。
次に、ステップS3において、電池ECU18は、第1電流値IB1及び第2電流値IB2を用いて各二次電池12の閉回路電圧(Closed Circuit Voltage:以下、CCVと記載する)を推定する。以下の説明では、電池ECU18によって推定した閉回路電圧を推定CCVと記載する。なお、電池ECU18は、各二次電池12の閉回路電圧を以下の式から推定する。
CCV=OCV+IR…式
なお、OCVは開回路電圧(Open Circuit Voltage)であり、放電時に流れる電流をマイナス、充電時に流れる電流をプラスとする。上記の式において、充放電時以外であって、二次電池12に電流が流れていないときの端子間電圧がOCVである。よって、上記の式の電流Iにゼロを代入したときのCCVがOCVとなる。また、上記の式における電流Iは、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の測定値によって取得できる。
実施形態において、各二次電池12の上記式は、IVプロットによって推定できる。IVプロットは、二次電池12に電流が流れたときの、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の測定値、及び電圧センサ14による測定値を所定期間以上に亘って取得したものである。そして、電流の測定値と電圧の測定値との回帰直線である式を最小二乗法によって算出する。回帰直線において、電圧軸との交点である切片は電流がゼロのときのOCVであり、係数(傾き)が内部抵抗Rとなる。この切片をOCVとして推定して取得し、また、この回帰直線の係数を算出することにより、内部抵抗Rが推定される。したがって、電池ECU18は、二次電池12の開回路電圧を取得する開回路電圧取得部として機能するとともに、二次電池12の内部抵抗Rを取得する内部抵抗取得部として機能しているといえる。なお、各二次電池12の式及び内部抵抗Rは、IVプロットから算出せず、実験等によって予め算出し、電池ECU18の記憶部に記憶しておき、推定CCVの推定の時点で記憶部から取得してもよい。
ステップS3では、電池ECU18は、電池ECU18により推定された内部抵抗Rと、推定された推定OCVとを用い、各二次電池12のそれぞれについて、第1電流値IB1を用いて推定した第1推定CCVと、第2電流値IB2を用いて推定した第2推定CCVとを取得する。したがって、電池ECU18は閉回路電圧推定部として機能しているといえる。
ステップS3による各推定CCVの推定において、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかにゲイン故障が生じると、IVプロットによって算出される回帰直線の精度が低下しやすい。例えば、係数である内部抵抗Rの値や、切片である推定OCVの値の精度が低くなる。よって、ステップS3における推定CCVの推定は、ステップS2における故障判定時に、故障ありと判定されるよりも以前に行っていたIVプロットの値、すなわち、ゲイン故障が生じる前に行われたIVプロットの値を用いて行うのが好ましい。
ステップS4において、電池ECU18は、各二次電池12それぞれに対し、電圧センサ14によって実際に測定されたCCVと第1推定CCVとの差分の絶対値、及び実際に測定されたCCVと第2推定CCVとの差分の絶対値である電圧差ΔVを算出し、その電圧差ΔV同士を比較する。
図5に、時間とCCVとの関係を示す。横軸は時間に対応し、縦軸はCCVに対応する。また、第1電流値IB1を用いて推定された第1推定CCVを実線で示し、第2電流値IB2を用いて推定された第2推定CCVを2点鎖線で示す。また、電圧センサ14によって実際に測定されたCCVを太線で示す。
図5に示すように、第1の電流センサ15にはゲイン故障が生じていないため、第1推定CCVの値は、時間の経過とともに、実際に測定されたCCVの値に沿っている。一方、第2の電流センサ16にはゲイン故障が生じているため、第2推定CCVの値は、実際に測定されたCCVの値から乖離している。
図6に、時間と、電圧差ΔVとの関係を示す。横軸は時間に対応し、縦軸は電圧差ΔVに対応する。また、第1推定CCVとCCVとの差分の絶対値を電圧差ΔV1として実線で示し、第2推定CCVと実際に測定されたCCVとの差分の絶対値を電圧差ΔV2として2点鎖線で示す。
図6に示すように、第1の電流センサ15にはゲイン故障が生じていないため、電圧差ΔV1の値は小さいが、第2の電流センサ16にはゲイン故障が生じているため、電圧差ΔV2が電圧差ΔV1よりも大きくなっている。第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16にゲイン故障が生じていなければ、算出された電圧差ΔV1と電圧差ΔV2との差分は小さくなる。一方、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかにゲイン故障が生じていれば、算出された電圧差ΔV1と電圧差ΔV2との差分は大きくなる。
ステップS4において、電池ECU18は、電圧差ΔV1と電圧差ΔV2とを比較し、電圧差ΔV1が電圧差ΔV2よりも大きい場合(ステップS4でYES)、第1の電流センサ15が故障していると識別する(ステップS5)。一方、電池ECU18は、電圧差ΔV1が電圧差ΔV2よりも小さい場合(ステップS4でNO)、第2の電流センサ16が故障していると識別する(ステップS6)。
つまり、ステップS2において、電池ECU18は、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかに故障が生じていると判定しているため、電池ECU18は、電圧差ΔV1と電圧差ΔV2のうち、値の大きい方の電流センサにゲイン故障が生じていると識別する。本実施形態では、電池ECU18は、電圧差ΔV2の大きい第2の電流センサ16にゲイン故障が生じていると識別する。したがって、電池ECU18は、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかに故障が生じているか否かの判定を行い、故障ありと判定した後に、いずれの電流センサ15,16の故障かを識別する識別部として機能しているといえる。その後、電池ECU18は処理を終了する。
そして、本実施形態では、電流取得部、電圧取得部、内部抵抗取得部、開回路電圧取得部、閉回路電圧推定部、及び、識別部として機能する電池ECU18により、故障判定装置が構成されている。
なお、本実施形態では、各二次電池12から得られる内部抵抗R、推定CCV、及び推定OCVを用いて、各二次電池12毎に、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の故障識別を行う。このため、ゲイン故障の識別結果は、二次電池12の個数だけ得られる。ゲイン故障の識別結果の全てが同じ結果であればよいが、一部の識別結果が他の識別結果と異なる場合がある。この場合は、電池ECU18は、ゲイン故障と識別された数の多い電流センサを、ゲイン故障していると判定する。
第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16のうち、第2の電流センサ16にゲイン故障が生じていると電池ECU18が識別した場合、電池ECU18は、ゲイン故障の生じていない第1の電流センサ15によって測定された電流値を用いて各種処理を行う。例えば、電池ECU18は、第1の電流センサ15の測定値を用いて、二次電池12に過電流が生じているか否かの判定や、電池モジュール13の充電率を推定する制御を行い、車両10の走行、及び充放電が可能となる。例えば、電池ECU18は、二次電池12に過電流が流れている場合、リレー19を制御することで二次電池12の過電流を遮断する。
また、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の両方が故障した場合は、駆動ECU35は、車両10のユーザに警告を行うとともに、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の測定値を用いた走行及び充放電を停止させ、退避走行を行う。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)電池ECU18は、第1及び第2の電流センサ15,16によって測定された電流値と、推定した内部抵抗Rと、推定OCVとを用いて第1推定CCV及び第2推定CCVを推定し、それら推定CCVと、実際に測定されたCCVとを比較して、電圧差ΔVの大きい方の電流センサにゲイン故障ありと識別する。このため、何れの電流センサがゲイン故障しているかの識別は、電流値を取得し、内部抵抗R、OCV、及びCCVを推定した時点で行うことができる。よって、例えば、識別に用いる値として二次電池12の残存容量の変化量を用いる場合のように、変化量を算出するために一定時間を必要とする場合と比べて、ゲイン故障した電流センサの識別に要する時間を短縮できる。
(2)電池ECU18は、第1電流値IB1と第2電流値IB2との電流差ΔIが閾値以上の場合に、何れかの電流センサにゲイン故障ありと判定し、その故障判定後に、何れの電流センサにゲイン故障が生じているかの識別を行う。ゲイン故障が生じていると、推定CCVと、実際に測定されるCCVとの差分が大きくなるため、差分を用いた識別の際、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れが故障しているかの識別精度が上がる。
(3)ゲイン故障の生じた電流センサによる測定値は、流れる電流が大きくなるほどゲイン誤差が大きくなる。よって、流れる電流が大きくなるほど、第1電流値IB1と第2電流値IB2との電流差ΔIは大きくなる。したがって、流れる電流の大きさに応じて閾値を変化させることにより、電流センサの故障の有無の判定精度が上がる。例えば、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の測定値の少なくとも一つの測定値が大きくなるほど、閾値を大きくする。第1及び第2の電流センサ15,16の測定値の両方を使う場合は、二つの測定値の平均値が大きくなるほど閾値を大きくする。
(4)電池ECU18は、推定CCVを推定するとき、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかに故障が生じていると判定した時点よりも前に電池ECU18に記憶されている電流値、電圧値を用いる。このため、ゲイン故障が生じたときの電流値や電圧値を用いる場合と比べると、推定される推定CCVの値の精度を高めることができる。よって、何れの電流センサがゲイン故障しているかの識別精度を高めることができる。
(5)各二次電池12の値を用いて、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の故障識別を行う。このため、ゲイン故障の識別結果は、二次電池12の個数だけ得られる。そして、電池ECU18は、識別結果の数の多い方の識別結果を選択するため、識別精度を上げることができる。
各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ ステップS3において、OCVの取得は、IVプロットを用いた推定ではなく、例えば、車両10の停止状態といったように、リレー19が遮断状態のときの電圧センサ14の測定値を取得して行ってもよい。
○ ステップS3において、OCVの取得は、車両10の停止状態のように、二次電池12に一定時間、電流が流れず、二次電池12の分極が解消した直後に推定してもよく、特に、分極解消した後にはじめて電流が流れたときに推定してもよい。このようにすれば、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16によって測定される電流値は、分極による影響を軽減でき、推定されるOCVを精度の高い値にできる。
○ ステップS3において、OCVの取得は、OCV−SOC曲線から推定した値を取得してもよい。
○ ステップS3において推定CCVを推定するとき、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の何れかにゲイン故障が生じていると判定した時点、又は判定した時点よりも後に電池ECU18に記憶された電流値、電圧値を用いてもよい。
○ ステップS2において、ゲイン故障の有無を判定するための閾値は、固定値であってもよい。この場合、閾値は、正常時の第1電流値IB1と第2電流値IB2の電流差に対し、ゲイン故障が生じたときに生じる最低限のゲイン誤差を加味した値に設定するのが好ましい。
○ ゲイン故障した電流センサの識別は、第1の電流センサ15と第2の電流センサ16の何れかにゲイン故障が有るか否かの判定を行わずに行ってもよい。この場合、電池ECU18は、ステップS3から処理を開始する。この場合であっても、電池ECU18は、第1推定CCV及び第2推定CCVを推定し、それら推定CCVと、実際に測定されたCCVとを比較して、電圧差ΔVの大きい方の電流センサにゲイン故障ありと識別する。
○ 実施形態では、各二次電池12から得られる内部抵抗R、推定CCV、及び推定OCVを用いて、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の故障識別を行い、全ての二次電池12から、故障の識別結果を得た。しかし、ゲイン故障の識別は、一つの二次電池12から得られる内部抵抗R、推定CCV、及び推定OCVを用いて行ってもよいし、全ての二次電池12のうちの複数の二次電池12から得られる値を用いて行ってもよい。
○ 実施形態において、電流取得部、電圧取得部、内部抵抗取得部、開回路電圧取得部、閉回路電圧推定部、及び、識別部は、別々のECUであってもよい。この場合、電流取得部、電圧取得部、内部抵抗取得部、開回路電圧取得部、閉回路電圧推定部、及び、識別部として機能するECUの全てによって電流センサの故障判定装置が構成される。
○ 二次電池12の内部抵抗Rの値は、二次電池12の温度によって変動するし、SOCによっても変動する。このため、ステップS3における内部抵抗Rの取得は、回帰直線を用いず、推定を行う時点での温度と、SOCとを加味して算出してもよい。この場合、二次電池12の温度は、電池ECU18によって取得した温度センサ17による測定値を用いる。また、SOCは、第1の電流センサ15及び第2の電流センサ16の測定値から推定する。また、電池ECU18の記憶部には、二次電池12の温度と、SOCと、内部抵抗Rとを対応付けたテーブルが記憶されており、このテーブルから内部抵抗Rの推定を行ってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記識別部は、何れの電流センサが故障しているかの識別を全ての二次電池に対し行い、故障と識別された数の多い方の電流センサを故障していると判定する電流センサの故障判定装置。
R…内部抵抗、12…二次電池、13…電池モジュール、14…電圧センサ、15…第1の電流センサ、16…第2の電流センサ、18…電流取得部、電圧取得部、内部抵抗取得部、開回路電圧取得部、閉回路電圧推定部、及び識別部として機能する電池ECU。

Claims (3)

  1. 複数の二次電池を含む電池モジュールに流れる電流をそれぞれ測定する第1の電流センサ及び第2の電流センサから測定値を取得する電流取得部と、
    各二次電池の閉回路電圧をそれぞれ測定する電圧センサから測定値を取得する電圧取得部と、
    各二次電池の内部抵抗を取得する内部抵抗取得部と、
    各二次電池の開回路電圧を取得する開回路電圧取得部と、
    前記電流取得部によって取得された測定値と、前記内部抵抗取得部によって取得された内部抵抗と、前記開回路電圧取得部によって取得された開回路電圧と、を用いて前記二次電池の閉回路電圧を推定する閉回路電圧推定部と、
    前記第1の電流センサによる測定値を用いて前記閉回路電圧推定部によって推定された第1の閉回路電圧、及び前記第2の電流センサによる測定値を用いて前記閉回路電圧推定部によって推定された第2の閉回路電圧と、前記電圧取得部によって取得された測定値とを比較し、前記電圧取得部によって取得された測定値との差分の大きい方の電流センサは故障していると識別する識別部と、を備えることを特徴とする電流センサの故障判定装置。
  2. 前記識別部は、前記電流取得部によって取得された前記第1の電流センサの測定値と前記第2の電流センサの測定値との差分が閾値以上の場合に、前記第1の電流センサ及び前記第2の電流センサの何れかに故障ありと判定し、故障ありと判定した後に、何れの電流センサの故障かの識別を行う請求項1に記載の電流センサの故障判定装置。
  3. 前記識別部は、前記電流取得部によって取得された前記第1の電流センサの測定値及び前記第2の電流センサの測定値の少なくとも一つの測定値に応じて前記閾値を変化させる請求項2に記載の電流センサの故障判定装置。
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WO2022181603A1 (ja) * 2021-02-25 2022-09-01 三洋電機株式会社 電池パックの故障診断方法と電池パック

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