JP2020015690A - レボセチリジン含有錠剤 - Google Patents

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Yutaro Kondo
祐太朗 近藤
駿佑 道家
Shunsuke Doke
駿佑 道家
宗樹 古川
Muneki Furukawa
宗樹 古川
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Abstract

【課題】良好な溶出特性と良好な硬度を兼ね備えたレボセチリジンを含有する錠剤を提供すること。【解決手段】レボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有する錠剤であって、崩壊剤として、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、コーンスターチ、乳糖、クエン酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群より選択される少なくとも1種を含有する錠剤。【選択図】なし

Description

本発明は、レボセチリジンを含む錠剤に関する。より詳細には、良好な溶出特性と良好な錠剤硬度を有するレボセチリジンを含む錠剤に関する。
持続性選択ヒスタミンH1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療薬の1つであるレボセチリジン(化学名:2−(2−{4−[(R)−(4−クロロフェニル)フェニルメチル]ピペラジン−1−イル}エトキシ)酢酸)は、式(I):
Figure 2020015690
で表され、二塩酸塩の形態で白色粉末として用いられ、ヒスタミンH1受容体に選択的に結合することにより、ヒスタミンの作用を阻害する。ヒスタミンH1受容体に対する親和性は、ラセミ体であるセチリジンよりも約2倍高く、ヒスタミンH2、ヒスタミンH3、アドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、セロトニンの核受容体に対する親和性は低いことが知られている。また、インビトロにおいては、エオタキシン刺激による好酸球の血管内皮細胞間隙遊走を抑制し、花粉抗原刺激による皮膚血管内皮細胞からの血管内皮細胞接着分子(VCAM−1)産生を抑制することが知られており、アレルギー性鼻炎、じんましん、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症などに対する治療剤として、「ザイザル(登録商標)錠5mg」、「ザイザル(登録商標)シロップ0.05%」の名称で販売されている(非特許文献1および非特許文献2)。
特許文献1には、レボセチリジンを含む製剤として、ポリオール類とpH調節剤とを含み、5重量%水懸濁液または5重量%水溶液にしたときのpHが4〜7である口腔内崩壊錠が記載され、これにより安定で苦みを抑えられた製剤を提供できることが記載されている。
特開2016−94364号公報
「ザイザル(登録商標)錠5mg」添付文書 「ザイザル(登録商標)シロップ0.05%」添付文書
しかし、特許文献1の口腔内崩壊錠では、錠剤のような取り扱いの容易性を期待できず、また安定性にも改善の余地がある。また、従来の非特許文献1の製剤では、素錠(コーティング部分を除いた錠剤)の成分として、活性成分、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、乳糖水和物およびステアリン酸マグネシウム使用しているが、良好な溶出特性を確保するために錠剤の硬度を十分に向上させることができないという問題がある。
そこで、本発明は、良好な溶出特性と良好な硬度とを有し、取り扱いが容易で、頑健性に優れたレボセチリジンを含有する錠剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、レボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有する錠剤において、崩壊剤として、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、コーンスターチ、乳糖、クエン酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群より選択される少なくとも1種を含有させることにより、良好な溶出特性と良好な硬度とを有する錠剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]レボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有する錠剤であって、崩壊剤として、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、コーンスターチ、乳糖、クエン酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群より選択される少なくとも1種を含有する錠剤、
[2]崩壊剤がカルメロースである上記[1]記載の錠剤、
[3]硬度が40〜200N、好ましくは50〜100Nである上記[1]または[2]記載の錠剤、ならびに
[4]錠剤が、少なくともトリアセチンまたはクエン酸トリエチルを含むフィルムコーティング剤によりフィルムコーティングされている上記[1]〜[3]のいずれかに記載の錠剤、
に関する。
本発明によれば、崩壊剤として、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、コーンスターチ、乳糖、クエン酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群より選択される少なくとも1種を用いることにより、レボセチリジンを含有する錠剤の良好な溶出特性を維持したまま硬度を向上させることができ、錠剤の取り扱いが容易になり、錠剤の頑健性を得ることができる。
錠剤の溶出特性を示すグラフである。
本発明は、活性成分としてレボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有する錠剤において、崩壊剤として、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、コーンスターチ、乳糖、クエン酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群より選択される少なくとも1種を用いることを特徴とする。これにより、良好な溶出特性を保持したまま良好な硬度を有する錠剤を得ることができる。
本発明に用いるレボセチリジンは、上述の通り、2−(2−{4−[(R)−(4−クロロフェニル)フェニルメチル]ピペラジン−1−イル}エトキシ)酢酸であり、公知の方法により、ラセミ体であるセチリジンから光学分割して得てもよく、また不斉合成により得ることもできる。
レボセチリジンの薬学的に許容され得る塩としては、酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、アスコルビン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの薬剤として許容される非毒性の有機酸および無機酸の付加塩、さらにナトリウム塩やカリウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩およびアミノ酸塩などが挙げられる。なかでも、レボセチリジンの二塩酸塩が特に好ましい。
錠剤中のレボセチリジンの量は、通常、成人には1日5〜10mg経口投与されるが、その服用のしやすさを考慮して、レボセチリジン二塩酸塩として1錠剤中に5mg(1日1〜2錠投与)であることが好ましい。小児の場合には、1日5mgを2回に分けて投与するため、レボセチリジン二塩酸塩として1錠剤中に2.5mg含有するものも製造され得る。例えばレボセチリジン二塩酸塩として2.5mg含有する錠剤は、レボセチリジンの含有量が少ない分、レボセチリジンの含有量が多い錠剤より適切な溶出特性を調節するのが難しいため、適した溶出特性を得られる方法の開発が求められる。より適切な溶出特性を得るために、本発明の錠剤とすることがより効果的である。
崩壊剤としては、上述した通り、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、コーンスターチ、乳糖、クエン酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが必要である。なかでも特に所望の打錠圧に耐え、硬度の高い錠剤とした場合でも良好な溶出特性が得られる点からカルメロースなどが好ましい。崩壊剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
崩壊剤の錠剤における使用量は、目的とする錠剤の崩壊速度、および用いる崩壊剤の種類に応じて異なり、特に限定されるものではないが、通常、錠剤の全質量に対し、3〜10質量%が好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。
錠剤には、活性成分であるレボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩と、上記所定の崩壊剤以外に、例えば、賦形剤、流動化剤、滑沢剤、界面活性剤、結合剤、安定化剤、着色剤など、この分野で通常使用される添加剤を含めることができる。
賦形剤としては、特に限定されるものではないが、例えばセルロース類(結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)など)およびその誘導体、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチなど)およびその誘導体、糖(ブドウ糖、乳糖、白糖、精製白糖、粉糖、トレハロース、デキストラン、デキストリンやそれらの水和物など)、糖アルコール(D−マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなど)、グリセリン脂肪酸エステル、無機粉体(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト)、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩が挙げられる。なかでも結晶セルロースなどのセルロース類、乳糖や乳糖水和物などの糖が好ましい。賦形剤は、単独で使用してもよく、2種以上混合して用いてもよい。
賦形剤を使用する場合の錠剤における使用量は、錠剤におけるレボセチリジン二塩酸塩の含有量と、設計する錠剤の質量に応じて異なり、特に限定されるものではないが、通常、錠剤の全質量に対し、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。
滑沢剤としては、特に限定されるものではないが、例えばステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、軽質無水ケイ酸、硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、タルクなどが挙げられる。なかでも滑沢性が高い点からステアリン酸マグネシウムが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上混合して用いてもよい。
滑沢剤を使用する場合の錠剤における使用量は、上述の種々の添加剤が錠剤を製造する装置(杵や臼)に付着することが抑制できる程度の量であり、これは用いる滑沢剤の種類に応じて異なるため、特に限定されるものではないが、通常、錠剤の全質量に対し、0.5〜2.0質量%が好ましく、0.7〜1.5質量%がより好ましい。
流動化剤としては、特に限定されるものではないが、例えばケイ酸カルシウムなどの珪酸塩、軽質無水ケイ酸などの無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、タルク、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上混合して用いてもよい。
流動化剤を使用する場合の錠剤における使用量は、上記の粉体である添加剤が、錠剤の製造においてスムーズに流動できる程度の添加量であればよく、これは用いる流動化剤の種類に応じて異なるため、特に限定されるものではないが、通常、錠剤の全質量に対し、0.2〜1.0質量%以上が好ましく、0.3〜0.8質量%がより好ましい。
(錠剤の製造方法)
錠剤の製造方法としては、本技術分野において一般的な方法を用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、レボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩に、上述したような適切な賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤などを混合し、混合物を得る。得られた混合物を、例えば、打錠用臼、打錠用上杵および下杵を用いて、油圧式ハンドプレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機などにより打錠し、錠剤を得ることができる。打錠は、得られる錠剤が適度な硬度を有するような打錠圧で行えばよく、打錠圧は、打錠方法、打錠に用いる機器、錠剤の大きさ、医薬成分の種類などに応じて適宜調整される。
得られる錠剤は、適切な硬度を有することが好ましく、具体的には、錠剤の製造途中、製品の輸送中や保存中、病院や薬局での処方や患者さんが取扱う中での割れや欠けを防止する点から好ましくは40〜200N、より好ましくは50〜100Nの硬度を有する。特に、フィルムコーティング錠剤においては、フィルムコーティング中に素錠の摩損や破損(欠陥)が起きないように、素錠の「強度(硬度)」を担保することもフィルムコーティングの多くの効果のうちの1つである。なお、硬度は錠剤硬度計を用いて一般的な方法により測定した値である。
得られる錠剤の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円盤状、ドーナツ状、多角形板状、球状、楕円状、カプレット状などの形状とすることができる。大きさは、小型である方が好ましく、例えば楕円状の場合は、長径が8〜9mm程度が好ましく、短径が4〜5mmが好ましく、割線を入れることもできる。質量は、活性成分の含有量にもよるが、レボセチリジン二塩酸塩5mgの場合は、90〜110mg程度が好ましい。
(フィルムコーティング)
このようにして得られた錠剤は、本技術分野において一般的な方法により、フィルムコーティング剤を用いてフィルムコーティングをすることができる。これにより、保存安定性がより優れたものとなる傾向がある。なお、上述のレボセチリジン、崩壊剤、賦形剤、滑沢剤、流動化剤の使用量についての記載は、フィルムコーティングを施していない錠剤(素錠)を基準として記載したものであり、フィルムコーティングを行う場合には、フィルムコーティング層はその外割となる。
フィルムコーティング錠は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプメロース)などの合成高分子基剤を使用し、錠剤の表面に被膜を施した製剤である。フィルムコーティングを施すことで、苦みや悪臭のマスキング、水分、光または酸素などの外的条件からの主薬の安定性向上、外観の改善と商品価値の増加などの効果を期待することができる。フィルムコーティング剤としては、一般的に高分子基剤(ポリマー)、可塑剤、着色剤および溶媒(溶剤)等のおおむね4種類で構成される。
フィルムコーティング基剤としては、特に限定されるものではないが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどの高分子が挙げられる。さらに、徐放性や腸溶性の機能を有する基剤を選択することで、錠剤に徐放性能や腸溶性の機能を付加することもできる。
可塑剤は高分子基剤に適量添加することでコーティング被膜に弾力性、耐衝撃性と耐摩耗性を加えることができる。可塑剤としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。本発明では、保存安定性向上の観点からフィルムコーティング層には可塑剤として少なくともトリアセチンおよび/またはクエン酸トリエチルを使用することが好ましい。
その他、必要に応じて酸化チタン、三二酸化鉄、アルミニウムレーキなどの着色剤、カルナウバロウなどの光沢化剤などを適宜コーティング剤に添加することができる。
可塑剤としてトリアセチンおよび/またはクエン酸トリエチルを使用する場合、トリアセチンおよびクエン酸トリエチルの、フィルムコーティング層中の含有量は、フィルムコーティング基剤の可塑性を担保する点から0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.2〜10質量%がさらに好ましく、3〜10質量%が特に好ましく、5〜10質量%が最も好ましい。
(フィルムコーティング方法)
錠剤へのフィルムコーティング方法としては、本技術分野において使用されている通常のフィルムコーティング錠剤の製造方法を用いることができる。例えば、レボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含む錠剤をフィルムコーティング機に仕込み、上記フィルムコーティング剤や添加物を水やエタノールなどの有機溶媒、またはそれらの混合溶液(例えば、水/エタノール混液)などの適切な溶媒に溶解または分散したコーティング液を錠剤に噴霧し、乾燥することによりコーティングすることができる。
得られるフィルムコーティング錠剤において、フィルムコーティング層の質量は、錠剤全体を被覆できる程度の量であれば特に限定されるものではないが、通常、服用後に錠剤中のレボセチリジンを速やかに溶出させる点から、フィルムコーティング層を含まない素錠全体の質量を100%とした場合において、その0.1〜5%となるような質量とすることが好ましく、その1〜3%となるような質量とすることがより好ましい。
得られるフィルムコーティング錠剤は、適切な硬度を有することが好ましく、具体的には、製品の輸送中や保存中、病院や薬局での処方や患者さんが取扱う中での割れや欠けを防止する点から好ましくは40〜200N、より好ましくは50〜100Nの硬度を有する。なお、硬度は錠剤硬度計を用いて一般的な方法により測定した値である。
本発明の錠剤は、アレルギー性鼻炎、じんましん、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症などの治療に有用である。
以下、本発明を実施例にもとづき具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることを意図するものではない。
実施例において使用した試薬の詳細を以下に記載する。
レボセチリジン二塩酸塩
乳糖一水和物:日局XVI
結晶セルロース:日局XVI
カルメロース:日局XVI
軽質無水ケイ酸:日局XVI
ステアリン酸マグネシウム:日局XVI
ヒプロメロース:日局XVI
トリアセチン:薬添規
酸化チタン:日局XVI
上記において、日局XVIとは第十六改正日本薬局方を、薬添規とは医薬品添加物規格2003および同追補を表す。
実施例1
表1の処方に従い、レボセチリジン二塩酸塩、乳糖一水和物、結晶セルロース、カルメロース、軽質無水ケイ酸およびステアリン酸マグネシウムを秤量し、混合機(V型混合機(V−20)、(株)徳寿工作所製)で混合した。得られた混合物をロータリー打錠機(VIRG0512SS1AY、(株)菊水製作所製)に投入し、打錠圧5kNで打錠し、質量100mgの錠剤300gを得た。
実施例2
表1に示すように、打錠圧を7kNとした以外は実施例1と同様にして、総量300g(1錠あたり100mg)の錠剤を得た。
比較例1
表1に示すように、崩壊剤(カルメロース)を使用せず、打錠圧を3kNとした以外は実施例1と同様にして、総量300g(1錠あたり100mg)の錠剤を得た。
比較例2
表1に示すように、崩壊剤(カルメロース)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして、総量300g(1錠あたり100mg)の錠剤を得た。
比較例3
表1に示すように、崩壊剤(カルメロース)を使用しなかった以外は実施例2と同様にして、総量300g(1錠あたり100mg)の錠剤を得た。
実施例3
実施例2と同様にして、総量4000g(1錠あたり100mg)の錠剤を素錠として得た。得られた素錠4000gをフィルムコーティング機(DRC−500、(株)パウレック製)へ投入した。一方で、表2の処方に従い、ヒプロメロース、トリアセチンおよび酸化チタンを、精製水720gとエタノール10020gの混合溶媒に溶解させて、コーティング液(固形分濃度5.6%w/w)を調製した。その後、この素錠に、このコーティング液をフィルムコーティング機内で噴霧してコーティングを行い、その後乾燥させ、総量4080g(1錠あたり102mg)の錠剤を得た。
実施例4
実施例2と同様にして、総量4000g(1錠あたり100mg)の錠剤を素錠として得た。得られた素錠4000gを用い、表2に示すように、フィルムコーティングに使用するトリアセチンの量をコーティング剤中5質量%から10質量%に変化させた以外は実施例3と同様にして、総量4080g(1錠あたり102mg)の錠剤を得た。
実施例5
レボセチリジン二塩酸塩2.5mg、乳糖一水和物32.8mg、結晶セルロース10mg、カルメロース4mg、軽質無水ケイ酸0.25mgおよびステアリン酸マグネシウム0.5mgを用いた以外は実施例2と同様にして、総量4000g(1錠あたり50mg)の錠剤を素錠として得た。得られた素錠4000gを用い、表2の処方に従い実施例3と同様にして、総量4120g(1錠あたり51.5mg)の錠剤を得た。
Figure 2020015690
Figure 2020015690
試験例1:溶出特性試験
実施例1、2および比較例1〜3で製造した錠剤(各n=2)について溶出試験を行った。溶出試験は、日本薬局方溶出試験法にしたがい、溶出試験機(商品名:NTR−6000シリーズ、富山産業(株)製)において、溶出試験液として日本薬局方溶出試験第二液(pH6.8)を用いてパドル法により実施した。試験条件は、溶出溶媒の容積900ml、温度37±0.5℃、パドル速度50rpmとした。結果は、図1および表3に平均値で示す。
試験例2:硬度試験
実施例1〜3、5および比較例1〜3で製造した錠剤(各n=5)について錠剤硬度を、錠剤硬度計(Parmatron製のMultiTest50)を用いて測定した。結果を表3または4に平均値で示す。
Figure 2020015690
図1および表3より、崩壊剤を用いた実施例1および2では、崩壊剤を用いていない比較例1〜3と比較して、打錠圧を挙げて硬度を高いものにしても良好な溶出率を維持していることがわかる。
試験例3:安定性試験
実施例3および4で製造した直後の錠剤をそれぞれアルミニウムピロー(PTP用外装ピローフィルム合掌袋ガッセット仕様、昭北ラミネート工業(株)製)に入れて密封包装し、この包装物を温度60℃、湿度75%の環境下にて14日間保存した。
保存開始時、保存開始から3日目(実施例5については測定しなかった)、7日目および14日目の各錠剤(それぞれn=1)について、レボセチリジン二塩酸塩の分解産物であるレボセチリジン類縁物質の量を、HPLCにて測定した。結果を、レボセチリジン二塩酸塩の量に対する総類縁物質の含有率(%)として、表4に示す。なお、HPLCの分析条件は以下の通りであった。
(HPLC分析条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:232nm)
カラム:内径3.9mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクチルシリル化シリカゲルを充填した。
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相:20mM KH2PO4/CH3CN(1/1)
流量:1.0mL/分
面積測定範囲:試料注入後7分間
注入量:50μL
希釈液:0.05M 塩酸:アセトニトリル混液(1:1)
Figure 2020015690
表4より、特定のコーティング剤を用いた実施例3、4および5ではいずれも保存安定性が優れていることがわかる。また、良好な硬度も併せもつことがわかる。
試験例4:溶出特性試験
実施例3および5で製造したフィルムコーティング錠(各n=3)について溶出試験を行った。溶出試験は、日本薬局方溶出試験法にしたがい、溶出試験機(商品名:NTR−6000シリーズ、富山産業(株)製)において、溶出試験液として日本薬局方溶出試験第二液(pH6.8)を用いてパドル法により実施した。試験条件は、溶出溶媒の容積900ml、温度37±0.5℃、パドル速度50rpmとした。結果は、表5に平均値で表す。
Figure 2020015690
表5より、実施例3および5のフィルムコーティング錠剤においても、良好な溶出挙動が得られることが分かる。

Claims (4)

  1. レボセチリジンまたはその薬学的に許容され得る塩を含有する錠剤であって、崩壊剤として、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプン、部分アルファー化デンプン、コーンスターチ、乳糖、クエン酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロースおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群より選択される少なくとも1種を含有する錠剤。
  2. 崩壊剤がカルメロースである請求項1記載の錠剤。
  3. 硬度が40〜200Nである請求項1または2記載の錠剤。
  4. 錠剤が、少なくともトリアセチンまたはクエン酸トリエチルを含むフィルムコーティング剤によりフィルムコーティングされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤。
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