JP2020015584A - 媒体集積装置及び媒体取扱装置 - Google Patents

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Fumiaki Ozaki
文昭 尾▲崎▼
雄太 岩尾
yuta Iwao
雄太 岩尾
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Abstract

【課題】繰出性能を低下させることなく集積性能を向上させる。【解決手段】誘導体60が、紙幣分離繰出時、ステージ42の移動にともなってステージ42に載置されている最上位の紙幣BLと接触して押し上げられることで、通常状態から、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部が最上位の紙幣BLと接触する繰出状態へと遷移するようにした。【選択図】図12

Description

本発明は媒体集積装置及び媒体取扱装置に関するものであり、媒体の分離繰出及び集積が可能な媒体集積装置及び媒体取扱装置に適用して好適なものである。
紙幣などの媒体を集積する媒体集積装置は、例えば、媒体を収容する内部空間と、この内部空間内に設けられ、載置面上に媒体を載置して集積するステージと、内部空間のうちステージの載置面側となる集積空間へ媒体を放出する駆動ローラ及び従動ローラと、集積空間に放出された紙幣を叩き落とす舌片ローラ(所謂羽根車)とを備えている。この媒体集積装置は、駆動ローラと従動ローラとを回転させてこれらの間から媒体を集積空間へ放出するとともに、舌片ローラを回転させて集積空間へ放出された媒体の一部を舌片ローラの舌片によりステージ側に叩き付けることで、集積空間に媒体を集積するようになっている。
従来、このような媒体集積装置として、集積空間へ放出された媒体の一部を舌片で確実に叩くことができるように、例えば、集積空間へ放出された媒体と接触して、この媒体の一部を舌片の叩付可能範囲内へと誘導する誘導体を備えるものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2014−154008号公報
しかしながら、誘導体は、媒体を集積する際にのみ有効なものであるため、媒体を分離して繰り出す際については何ら考慮されていない。よって、例えば、媒体を集積する集積機能と、集積した媒体を分離して繰り出す繰出機能とを有する媒体集積装置に、従来の誘導体を設けると、この誘導体が、媒体を分離して繰り出す際に媒体と接触し、抵抗となることがあった。
このように、従来の誘導体は、集積機能と繰出機能とを有する媒体集積装置に設けられると、媒体集積装置の集積性能を向上させる一方で、繰出性能を低下させてしまうという問題を有していた。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、繰出性能を低下させることなく集積性能を向上させた媒体集積装置及び媒体取扱装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、媒体を収容する内部空間を有するフレームと、前記内部空間内に設けられ、載置面上に前記媒体を載置して集積することにくわえて、前記内部空間内を前記媒体の集積方向に移動可能なステージと、前記内部空間のうち前記ステージの前記載置面側となる集積空間内へ前記媒体を放出するとともに、前記集積空間から外部へ前記媒体を繰り出す入出部と、前記入出部から前記集積空間内へ放出された前記媒体の一部が、所定の叩付可能範囲内に位置しているときに、当該媒体の一部を前記載置面側に叩き付ける叩付部と、前記入出部から前記集積空間内へ放出された前記媒体の一部を前記叩付可能範囲内へと誘導する誘導体とを備え、前記誘導体は、前記媒体と接触していない通常状態において、前記載置面と対向する対向部と、前記対向部から前記入出部に対して近づく方向に延び、前記対向部に対して傾斜する第1傾斜部と、前記対向部から前記載置面に対して離れる方向に延び、前記対向部に対して傾斜する第2傾斜部とを有し、前記対向部が前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部よりも前記載置面に近接した形状に形成され、前記媒体が前記集積空間から外部に繰り出される際には、前記ステージの移動にともなって前記ステージに集積されている最上位の媒体と当該誘導体とが接触して押し上げられることにより、前記通常状態から、前記第1傾斜部と前記対向部との角部が前記最上位の媒体と接触する繰出状態へと遷移するようにした。
こうすることで、誘導体は、前記入出部から前記集積空間内へ前記媒体が放出される際には、従来と同様、前記媒体の一部を前記叩付可能範囲内へ誘導することができ、前記集積空間から外部へ前記媒体が繰り出される際には、前記第1傾斜部と前記対向部との角部が前記載置面上に集積されている媒体と接触する繰出状態となり、媒体との接触部分を極力小さくして媒体の妨げとなることを回避できる。
本発明によれば、繰出性能を低下させることなく集積性能を向上させた媒体集積装置及び媒体取扱装置を実現できる。
第1の実施の形態によるレジ釣銭システムの外観構成を示す斜視図である。 第1の実施の形態による紙幣入出金機の内部構成を示す側面図である。 第1の実施の形態による分離集積機構とその近傍部分の構成を示す側面図である。 第1の実施の形態による分離集積機構とその近傍部分の構成を示す部分断面図である。 第1の実施の形態による集積空間の前端が開放されたときの分離集積機構とその近傍部分を示す側面図である。 第1の実施の形態による紙幣が舌片の叩付可能範囲から外れたときの分離集積機構とその近傍部分を示す側面図である。 第1の実施の形態による誘導体の固定部の構成を示す部分拡大図である。 第1の実施の形態による誘導体の規制部と天井ガイドに設けられた貫通孔の構成を示す部分拡大図である。 第1の実施の形態による紙幣が誘導体の第1傾斜部と接触したときの分離集積機構とその近傍部分を示す側面図である。 第1の実施の形態による誘導体が通常状態から放出退避状態へと遷移したときの分離集積機構とその近傍部分を示す側面図である。 第1の実施の形態による誘導体が紙幣を舌片の叩付可能範囲内へと誘導するときの分離集積機構とその近傍部分を示す側面図である。 第1の実施の形態による誘導体が通常状態から繰出状態へと遷移したときの分離集積機構とその近傍部分を示す側面図である。 第1の実施の形態による誘導体が通常状態から投入退避状態へと遷移するときの分離集積機構とその近傍部分を示す側面図である。 第1の実施の形態の誘導体の比較対象となる誘導体の構成を示す側面図である。 第2の実施の形態による誘導体の構成を示す図である。 第2の実施の形態による誘導体の固定部の構成を示す部分拡大図である。 第2の実施の形態による誘導体の規制部と天井ガイドに設けられたストッパ部の構成を示す部分拡大図である。 他の実施の形態による誘導体の固定部の構成を示す部分拡大図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.レジ釣銭システムの構成]
図1に外観を示すように、レジ釣銭システム1は、それぞれ独立した装置である上側のPOSレジ2と下側の釣銭機3とで構成されている。このレジ釣銭システム1は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアのような小売店舗の精算所(所謂レジ)に設置され、顧客が購入したい商品を精算する際に、レジ係員により操作される。尚、ここでは、レジ係員が対峙する側をPOSレジ2及び釣銭機3の前側、その反対側をPOSレジ2及び釣銭機3の後側とし、POSレジ2及び釣銭機3の前側に対峙したレジ係員から見た場合の上側、下側、左側、右側を、それぞれPOSレジ2及び釣銭機3の上側、下側、左側、右側と定義する。
POSレジ2は、内部に設けられたレジ制御部10が全体を統括制御する。またこのPOSレジ2は、図示しないバーコードリーダが接続されていて、商品に付されたバーコードをこのバーコードリーダで読み取ることにより商品を認識する。このPOSレジ2の上部には、タッチパネル等からなる操作部と、液晶ディスプレイ等からなる表示部とで構成される操作表示部11が設けられている。操作表示部11は、認識した商品の名称や金額、各種操作ボタン等を表示部に表示する。また操作表示部11は、操作部を介して、表示部に表示した各種操作ボタンに対する操作を受け付け、これをレジ制御部10へ通知する。レジ制御部10は、各種操作ボタンに対する操作に応じて、商品の数量の増減や金額の修正等の各処理を行う。またPOSレジ2の内部には、商品の名称や金額等をレシートに印字するレシート処理部12が設けられている。レシート処理部12により商品の名称や金額等が印字されたレシートは、POSレジ2の前面に設けられたレシート排出口12Aから排出される。
一方、釣銭機3は、大きく分けて、左側の紙幣入出金機13と、右側の硬貨入出金機14と、前側上部の操作表示部15とで構成されている。紙幣入出金機13は、紙幣の入出金を行う部分であり、その前面上側には、顧客から受け取った紙幣の取込口及び顧客に釣銭として支払う紙幣の排出口となる紙幣入出金口20が設けられ、この紙幣入出金口20の下方に、紙幣入出金機13から回収する紙幣を収納する回収カセット部21が設けられている。
硬貨入出金機14は、硬貨の入出金を行う部分であり、その前面上段には、顧客から受け取った硬貨の取込口となる硬貨入金口22が設けられ、この硬貨入金口22の下方に、受け入れ不能と判別された硬貨を収納するリジェクト部23、及び顧客に釣銭として支払う硬貨の排出口となる硬貨出金口24が設けられている。
操作表示部15は、例えば、操作ボタン等からなる操作部と、液晶ディスプレイ等からなる表示部とで構成されている。操作表示部15は、紙幣入出金機13や硬貨入出金機14の稼働状況等を表示部に表示する。また操作表示部15は、操作部を介して、レジ係員等による操作を受け付ける。
さらに釣銭機3の内部には、釣銭制御部25が設けられている。釣銭制御部25は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成され、フラッシュメモリ等でなる記憶部から釣銭出金プログラム等の各種プログラムを読み出して実行することにより釣銭機3を統括制御する。
[1−2.紙幣入出金機の構成]
次に、釣銭機3の一部である紙幣入出金機13の構成について、図2を用いて説明する。尚、図2は、紙幣入出金機13の側面図であり、紙幣入出金機13の内部構成を分かり易くするために一部を省略したり簡略化したりした模式図となっている。紙幣入出金機13は、入金された紙幣を出金にリサイクルする所謂還流型であり、紙幣入出金口20を有する紙幣入出金部30と、鑑別部31と、複数の紙幣収納庫32(32A〜32C)と、回収カセット部21と、リジェクト部33と、これらを繋ぐ搬送路34とを有している。
紙幣入出金部30は、紙幣入出金機13の前側上部に配置されている。この紙幣入出金部30は、紙幣を集積する集積空間30sと、集積空間30s内に集積された紙幣を1枚ずつ分離して搬送路34に繰り出すとともに搬送路34から受け取った紙幣を集積空間30s内に集積する分離集積機構30mとを有している。この紙幣入出金部30は、紙幣入出金口20から集積空間30s内に紙幣を投入したり、集積空間30s内に集積した紙幣を紙幣入出金口20から抜き取ったりすることができるようになっている。
鑑別部31は、搬送路34の途中に設けられていて、紙幣の金種、正損、真偽、重送等を判別する。紙幣入出金部30の下方には、回収カセット部21とリジェクト部33が配置されている。回収カセット部21は、紙幣入出金機13から回収する紙幣を収納する収納庫であり、回収する紙幣を搬送路34から受け取って収納する。リジェクト部33は、鑑別部31によって異常判別された紙幣やリサイクル対象外の紙幣を収納する収納庫であり、これらの紙幣を搬送路34から受け取って収納する。尚、回収カセット部21とリジェクト部33は、例えば1つの収納庫の内部空間を2つに区切ることで実現される一体型の収納庫であってもよいし、別々の収納庫であってもよい。
これら回収カセット部21とリジェクト部33の後方には、紙幣収納庫32Cが配置され、この紙幣収納庫32Cの後方には、紙幣収納庫32Bが配置され、さらにこの紙幣収納庫32Bの後方(すなわち紙幣入出金機13の後部)には、紙幣収納庫32Aが配置されている。これら紙幣収納庫32A〜32Cは、それぞれ紙幣を金種別に収納する収納庫である。紙幣収納庫32Aは、紙幣を集積する集積空間32Asと、集積空間32As内に集積された紙幣を1枚ずつ分離して搬送路34に繰り出すとともに搬送路34から受け取った紙幣を集積空間32As内に集積する分離集積機構32Amとを有している。紙幣収納庫32B、32Cも同様に、それぞれ、集積空間32Bs、32Csと、分離集積機構32Bm、32Cmとを有している。
搬送路34は、ローラやベルト、搬送ガイド等によって形成されている。この搬送路34の分岐箇所には、紙幣の搬送経路を切り替える切替器が設けられている。搬送路34は、釣銭制御部25(図1)の制御に応じて切替器を動作させて紙幣の搬送経路を切り替えることで、紙幣を各部へと搬送する。尚、搬送路34は、例えば、紙幣の短手方向を搬送方向として紙幣を搬送するようになっていて、またスイッチバック機構により紙幣の搬送方向を切り替えることができるようにもなっている。
[1−3.紙幣入出金機の動作]
次に、紙幣入出金機13の動作について簡単に説明する。まず、顧客から受け取った紙幣を紙幣入出金機13に入金するときの動作から説明する。紙幣入出金機13は、顧客から受け取った紙幣をレジ係員が紙幣入出金口20に投入すると、紙幣入出金部30が投入された紙幣を1枚ずつ搬送路34へと繰り出す。搬送路34へと繰り出された紙幣は、搬送路34によって鑑別部31へと搬送される。
ここで、鑑別部31による鑑別の結果、正常と判別された紙幣については、その金種に対応する紙幣収納庫32(32A〜32C)へと搬送されて収納される。一方、鑑別部31による鑑別の結果、入金に適していないと判別された紙幣については、搬送路34によって紙幣入出金部30へと戻され、紙幣入出金口20からレジ係員に返却される。以上が、顧客から受け取った紙幣を紙幣入出金機13に入金するときの動作である。
次に、紙幣入出金機13から釣銭(紙幣)を出金するときの動作について説明する。紙幣入出金機13は、POSレジ2から指示された釣銭の金額に応じて、出金する紙幣の金種及び枚数を決定する。そして、紙幣入出金機13は、決定した金種及び枚数に応じて、紙幣収納庫32(32A〜32C)から紙幣を1枚ずつ搬送路34へと繰り出す。搬送路34へと繰り出された紙幣は、搬送路34によって鑑別部31へと搬送される。
ここで、鑑別部31による鑑別の結果、正常と判別された紙幣については、紙幣入出金部30へと搬送され、紙幣入出金口20からレジ係員によって抜き取られる。一方、鑑別部31による鑑別の結果、出金に適していないと判別された紙幣については、搬送路34によってリジェクト部33へと搬送されて収納される。以上が、紙幣入出金機13から釣銭を出金するときの動作である。
次に、紙幣入出金機13から紙幣を回収するときの動作について説明する。紙幣入出金機13は、例えば操作表示部15を介して指示された回収する紙幣の金種と枚数に応じて、紙幣収納庫32(32A〜32C)から紙幣を1枚ずつ搬送路34へと繰り出す。搬送路34へと繰り出された紙幣は、搬送路34によって鑑別部31へと搬送される。
ここで、鑑別部31による鑑別の結果、正常と判別された紙幣については、回収カセット部21へと搬送されて収納される。一方、鑑別部31による鑑別の結果、回収に適していないと判別された紙幣については、搬送路34によって紙幣入出金部30へと搬送され、回収カセット部21に回収される紙幣とは分けて紙幣入出金口20からレジ係員等により抜き取られる。以上が、紙幣入出金機13から紙幣を回収するときの動作である。
[1−4.紙幣入出金部の構成]
次に、紙幣入出金部30の構成について図3及び図4を用いて説明する。尚、ここでは、紙幣入出金部30全体のうち、分離集積機構30mとその近傍部分の構成についてのみ説明する。図3(A)、(B)は、分離集積機構30mとその近傍部分の側面図であり、図3(B)は、図3(A)の一部(後述する羽根車48)を省略した図である。また、図4は、分離集積機構30mとその近傍部分を図3(A)に示すA−A切断線で切断した断面の一部分を示す部分断面図である。これら図3及び図4は、分離集積機構30mの構成を分かり易くするために一部を省略したり簡略化したりした模式図となっている。
紙幣入出金部30は、フレーム40により覆われていて、このフレーム40に分離集積機構30mが取り付けられている。このフレーム40の内部には、紙幣を収容する直方体状の内部空間41が形成されていて、この内部空間41内に、分離集積機構30mの一部であるステージ42が設けられている。
ステージ42は、上下方向に薄い板状であり、上側の載置面42p上に紙幣を上下方向に重ねて載置することで集積できるようになっている。また、このステージ42は、釣銭制御部25によって制御される図示しないステージ駆動部によって内部空間41内を上下方向に移動できるようになっている。
内部空間41は、このステージ42によって上下方向に仕切られていて、内部空間41全体のうち、ステージ42の載置面42p側となる部分(すなわちステージ42より上側の部分)が、紙幣を集積する集積空間30sとなっている。つまり、この集積空間30sは、内部空間41の上端を形成する壁部としての天井ガイド43と、ステージ42との間に挟まれた空間であり、ステージ42が上下方向に移動することにともなって、上下方向の長さが変わるようになっている。
さらに分離集積機構30mは、ステージ42にくわえて、搬送路34(図2)と集積空間30sとを繋ぐ内部搬送路44と、紙幣集積時に集積空間30sに紙幣を放出するフィードローラ45及びゲートローラ46と、放出された紙幣と衝突してその衝撃を吸収するビルストッパ47と、放出された紙幣の後端をステージ42側に叩き付ける羽根車48と、紙幣分離繰出時にステージ42に載置されている紙幣BLをフィードローラ45へと繰り出すピッカローラ49とを有している。
内部搬送路44は、集積空間30sの上端後部から後方へと延び、紙幣収納庫32Aの外部に位置する搬送路34と接続されている。この内部搬送路44は、フレーム40に取り付けられた上側搬送ガイド44uと下側搬送ガイド44dとによって形成されている。また、この内部搬送路44の途中には、内部搬送路44を間に挟んで対向配置された図示しない搬送ローラが設けられている。分離集積機構30mは、この搬送ローラと、上側搬送ガイド44u及び下側搬送ガイド44dとによって、内部搬送路44に沿って紙幣を搬送するようになっている。
フィードローラ45及びゲートローラ46は、内部搬送路44の前端(すなわち集積空間30sとの接続箇所近傍)に設けられている。具体的には、内部搬送路44を間に挟んで上側にフィードローラ45、下側にゲートローラ46が設けられている。つまり、フィードローラ45とゲートローラ46は、内部搬送路44を挟んで上下方向に対向配置されている。また、上側のフィードローラ45は、下側のゲートローラ46と接触するようにゲートローラ46側に付勢されている。ここで、フィードローラ45とゲートローラ46との接触箇所をニップ部P1と呼ぶ。これらフィードローラ45とゲートローラ46は、それぞれ左右方向に延びるシャフト50、51に取り付けられている。
尚、図3(B)及び図4に示すように、シャフト50(図4では省略)には、例えば2個のフィードローラ45がシャフト50の軸方向に間隔を空けて取り付けられ、シャフト51には、シャフト50に取り付けられた2個のフィードローラ45の下方に対向する位置に1個ずつ計2個のゲートローラ46が取り付けられている。
これらフィードローラ45とゲートローラ46は、紙幣集積時、シャフト50、51とともに図3(B)中矢印A、Bに示す方向に回転することにより、内部搬送路44に沿って搬送されてくる紙幣を間に挟んでニップ部P1から前方へ(つまり集積空間30s内へ)と放出するようになっている。尚、シャフト50、51は、図示しないアクチュエータからの駆動力がギヤなどを介して伝達されることで図3(B)中矢印A、Bで示す方向に回転する。
また、図4に示すように、2つのゲートローラ46は、回転軸方向の両端部のうち、互いに対向する側(これを回転軸方向の内側とする)とは反対側(これを回転軸方向の外側とする)の端部が、他の部分より大径となっている。一方、フィードローラ45は、ゲートローラ46よりも回転軸方向の長さが短く、ゲートローラ46の回転軸方向の中央部と接触するようになっている。これにより、紙幣は、フィードローラ45とゲートローラ46との間のニップ部P1を通過する際に、フィードローラ45とゲートローラ46の外周の形状に沿ったコシが付けられる。紙幣は、このようなコシが付けられることで、曲げ強度が高められ、自重によって先端側が垂れ下がるようなことなくほぼまっすぐに集積空間30s内へ放出される。
ビルストッパ47は、内部空間41の前端を形成する前壁部52の上部(つまりフィードローラ45及びゲートローラ46のニップ部P1の前方)に取り付けられていて、フィードローラ45とゲートローラ46のニップ部P1から前方に放出された紙幣の前端と衝突して、その衝撃を吸収するようになっている。
尚、紙幣入出金部30は、前壁部52を移動(例えば下方にスライド)させて集積空間30sの前端(つまりステージ42から見てフィードローラ45及びゲートローラ46とは反対側)を開放する図示しない機構を有している。紙幣入出金部30は、図5に示すように、前壁部52を移動させて集積空間30sの前端を開放すると、集積空間30sの前端が開口部としての紙幣入出金口20となり、この紙幣入出金口20から集積空間30s内に紙幣を投入したり、集積空間30s内に集積された紙幣を紙幣入出金口20から抜き取ることができるようになっている。つまり、前壁部52は、紙幣入出金口20を開放したり閉塞したりするシャッタとして機能する。
羽根車48は、図3(A)及び図4に示すように、ゲートローラ46とともにシャフト51に取り付けられている。この羽根車48は、シャフト51に取り付けられる円筒状の中心部48cと、この中心部48cの外周面から放射状に延びる複数枚の舌片48tとで構成されている。舌片48tは、薄板状の弾性部材となっている。尚、図4に示すように、シャフト51には、例えば2個のゲートローラ46の間に3個と、2個のゲートローラ46のそれぞれの外側に1個ずつの計5個の羽根車48が取り付けられている。
この羽根車48は、紙幣集積時、シャフト51及びゲートローラ46とともに図3(B)中矢印Bに示す方向に回転する。このとき、羽根車48の舌片48tは、集積空間30s内に放出された紙幣の後端部を、ステージ42側に叩き付けるようになっている。尚、図3(B)は、羽根車48を省略して舌片48tの叩付可能範囲(つまり舌片48tの回転範囲)Haのみを示している。
ピッカローラ49は、内部空間41の上端を形成する天井ガイド43(つまり集積空間30sの上方)に設けられている。このピッカローラ49は、左右方向に延びるシャフト53に取り付けられている。尚、図3(A)、(B)及び図4に示すように、シャフト53(図4では省略)には、例えば2個のフィードローラ45のそれぞれの前方に1個ずつの計2個のピッカローラ49が取り付けられている。
このピッカローラ49は、紙幣分離繰出時、ステージ42が上方に移動することで、ステージ42に載置されている最上位の紙幣と接触する。そして、ピッカローラ49は、シャフト53とともに図3(B)中矢印Cで示す方向に回転することにより、ステージ42に載置されている紙幣を上から順にフィードローラ45へと繰り出すようになっている。尚、シャフト53は、図示しないアクチュエータからの駆動力がギヤなどを介して伝達されることで図3(B)中矢印Cで示す方向に回転する。
このとき、上側のフィードローラ45はシャフト50とともに図3(B)中矢印Aに示す方向とは逆方向に回転する一方で、下側のゲートローラ46及び羽根車48は回転せずに停止している。これにより、フィードローラ45とゲートローラ46の間のニップ部P1へと繰り出された紙幣は、1枚ずつフィードローラ45とゲートローラ46の間を通過して内部搬送路44へと繰り出される。
ところで、上述したように紙幣集積時に羽根車48の舌片48tで紙幣の後端部を叩き付けるには、集積空間30s内に放出された紙幣の後端部が、図3(A)、(B)に示す舌片48tの叩付可能範囲Ha内に位置している必要がある。しかしながら、紙幣によっては、痛んでいるなどしてニップ部P1を通過する際に十分なコシを付けることができず、図6に示すように、紙幣BLの先端部が下方に垂れ下がるようにして放出され、紙幣BL全体が叩付可能範囲Haから外れてしまう場合がある。実際、紙幣BL全体が叩付可能範囲Haから外れてしまうと、紙幣BLの後端部を舌片48tで叩き付けることができなくなり、この結果、紙幣BLの後端部が、後続する紙幣の前端部と衝突する可能性が出てくる。
そこで、分離集積機構30mは、叩付可能範囲Haの外側に出てしまった紙幣BLの後端部を、叩付可能範囲Haの内側に誘導する誘導体60を有している。以下、この誘導体60の構成について詳しく説明する。
[1−5.誘導体の構成]
図3(B)に示すように、誘導体60は、薄く細長い金属板を所定形状に折り曲げた弾性部材であり、長手方向の一端側がフィードローラ45とゲートローラ46の間のニップ部P1の後方斜め上に位置する誘導体支持部61によって支持されている。誘導体支持部61は、例えばフレーム40に固定されている。尚、図3(B)に示す誘導体60は、紙幣と接触していない(つまり重力以外の外力を受けていない)状態であり、この状態を以下、通常状態と呼ぶ。
具体的に、通常状態の誘導体60は、上下方向に延び上部が誘導体支持部61に固定され下部がニップ部P1の後方斜め上に位置する固定部60xと、固定部60xの下端からステージ42の載置面42pに向かう方向である前方斜め下に延び載置面42pに対して傾斜する第1傾斜部60fと、第1傾斜部60fの前端(つまり下端)から前方に延び載置面42pに対してほぼ平行に対向する対向部60cと、対向部60cの前端から天井ガイド43に向かう方向(つまり載置面42pから離れる方向)である前方斜め上に延び載置面42pに対して傾斜する第2傾斜部60sと、第2傾斜部60sの前端(つまり上端)から天井ガイド43に沿って前方に延び、天井ガイド43と係合することで第1傾斜部60f、対向部60c及び第2傾斜部60sの下方への移動を規制する規制部60rとによって、図3(B)に示す所定形状を形成している。
ここで、対向部60c、第1傾斜部60f、第2傾斜部60sに着眼すると、通常状態の誘導体60は、対向部60cからフィードローラ45及びゲートローラ46に対して近づく方向に延びる第1傾斜部60f、及び対向部60cから載置面42pに対して離れる方向に延びる第2傾斜部60sよりも、対向部60cが載置面42pに近接した形状に形成されている。さらに別の見方をすると、通常状態の誘導体60は、第1傾斜部60fと対向部60cと第2傾斜部60sとによって対向部60cを底とする断面略すり鉢形状を形成している。
この誘導体60は、図4に示すように、例えば2個のピッカローラ49の間に、シャフト53(図3(A)、(B)参照)の軸方向である左右方向に間隔を空けて2個設けられている。
左右2個の誘導体60は、図7に前方から見た部分拡大図を示すように、固定部60xの上部(つまり誘導体支持部61に固定される部分)が一体化され、固定部60xの下部から先が別体となっている。固定部60xの上部は、左右方向に長い長方形の薄板状となっていて、左側と右側に、誘導体支持部61(図7では省略)の前面左右に突設された円柱状のピン70L、70Rが嵌入される位置決め孔71L、71Rが設けられ、さらにこれら2個の位置決め孔71L、71Rの間に誘導体支持部61の前面中央に設けられた図示しないネジ孔と連通するネジ用孔72が設けられている。
位置決め孔71L、71Rのうち、一方の位置決め孔71Lは、ピン70Lとほぼ同径の円柱状の丸孔であり、他方の位置決め孔71Rは、上下方向の長さがピン70Rの径とほぼ同じで左右方向の長さがピン70Rの径より大きい直方体状の角孔となっている。
固定部60xは、左右の位置決め孔71L、71Rにそれぞれ誘導体支持部61のピン70L、70Rが嵌入されることで位置決めされた後、ネジ用孔72にネジ73を挿入してネジ留めすることで、誘導体支持部61に固定されるようになっている。尚、固定部60xは、左右方向の長さがピン70Rの径より大きい位置決め孔71Rによって、固定部60x及び誘導体支持部61の左右方向の製造誤差を吸収できるようになっている。
図3(B)に戻り、第1傾斜部60fは、フィードローラ45とゲートローラ46の間のニップ部P1の前方近傍を通るようにして前方斜め下に延びている。つまり、第1傾斜部60fは、紙幣の放出経路を跨ぐようにして前方斜め下に延びている。因みに、第1傾斜部60fとステージ42の載置面42pとのなす角度Θ1は、45度以下であればよく、30度以下であればより好ましい。さらに、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部は、舌片48tの叩付可能範囲Haの内側に位置するようになっている。
対向部60cは、誘導体60全体のうち、ステージ42の載置面42pに最も近い部分であり、前後方向の長さがステージ42より十分短くなっている。尚、この対向部60cは、少なくともステージ42の載置面42pに載置された最上位の紙幣より上方に位置するようになっている。
第2傾斜部60sは、対向部60cの前端から天井ガイド43に向かって後方斜め上に延び、さらに天井ガイド43に設けられた貫通孔43hを通って天井ガイド43の裏側(集積空間30sとは反対側)まで延びている。尚、第1傾斜部60f、対向部60c、第2傾斜部60sは、左右方向の長さ(つまり幅)が等しくなっている。因みに、第2傾斜部60sとステージ42の載置面42pとのなす角度Θ2は、45度以下であればよく、30度以下であればより好ましい。
天井ガイド43に設けられた貫通孔43hは、第1傾斜部60fの後端から規制部60rの前端に架けて前後方向に延びる細長い孔であり、第1傾斜部60f、対向部60c、第2傾斜部60sより幅広となっている。つまり、第1傾斜部60f、対向部60c、第2傾斜部60sは、この貫通孔43hを通ることができるようになっている。また、貫通孔43hの前端部は、図8(A)に上方から見た部分拡大図を示すように、先細りのV字形状となっている。
規制部60rは、天井ガイド43の裏側に位置していて、図8(A)に示すように、後部の幅に比べて前部の幅が広いT字形状となっている。規制部60rの後部の幅は、第2傾斜部60sの幅と等しく貫通孔43hより狭くなっている。一方で、規制部60rの前部は、貫通孔43hより幅広であり、貫通孔43hの前端部の外側にはみ出すようになっている。つまり、規制部60rは、貫通孔43hの外側にはみ出した部分が、天井ガイド43の裏側に引っかかることで、第1傾斜部60f、対向部60c及び第2傾斜部60sの下方への移動を規制して通常状態を維持するようになっている。
また、図8(B)に示すように、貫通孔43hの前端部が先細りのV字形状となっていることにより、規制部60rは、第2傾斜部60sとともに貫通孔43hの左右両端に寄った場合でも、前部の左右両端が貫通孔43hの外側にはみ出すようになっている。このように、規制部60rは、通常状態にあるとき、前部の左右両端が貫通孔43hの外側に常にはみ出すようになっていることにより、貫通孔43hから抜け落ちるようなことなく、確実に第1傾斜部60f、対向部60c及び第2傾斜部60sの下方への移動を規制するようになっている。
[1−6.紙幣入出金部の動作]
次に、紙幣入出金部30の動作(つまり分離集積機構30mの動作)について説明する。尚、ここでは、特に誘導体60の動作について詳しく説明する。まず、紙幣集積時の動作について、図9〜図11を用いて説明する。図9に示すように、紙幣集積時、分離集積機構30mは、フィードローラ45を矢印Aで示す方向に回転させるとともに、ゲートローラ46と図中省略している羽根車48を矢印Bで示す方向に回転させ、内部搬送路44に沿って搬送されてくる紙幣BLを間に挟んでニップ部P1から前方へ(つまり集積空間30s内へ)と放出する。尚、このとき、ステージ42は、所定位置で待機した状態となっている。この所定位置とは、少なくとも、載置されている最上位の紙幣BLが誘導体60の対向部60cより下方となる位置である。
紙幣BLは、ニップ部P1から前方へ放出される途中で、その先端(つまり前端)が、誘導体60の第1傾斜部60fと接触する。ここからさらに、紙幣BLがフィードローラ45とゲートローラ46により前方に押し出されると、図10に示すように、誘導体60は、第1傾斜部60fと接触している紙幣BLによって上方に押し上げられる。具体的に、誘導体60は、固定部60xの下部が前方に折れ曲がるように撓みながら、第1傾斜部60f、対向部60c、第2傾斜部60s及び規制部60rが上方に押し上げられる。
この結果、誘導体60は、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部のみが紙幣BLの上面と接触して、この角部以外の部分が、天井ガイド43の貫通孔43hを通って天井ガイド43の裏側まで移動した状態へと遷移する。つまり、このときの誘導体60は、紙幣BLの放出経路(ニップ部P1から前方へと延びる経路)から退避した状態となる。このときの誘導体60の状態(つまり図10に示す状態)を放出退避状態と呼ぶ。
このように、誘導体60は、紙幣集積時、紙幣BLと最初に接触する第1傾斜部60fが、紙幣BLの放出方向(前方)に対して傾斜していることにより、紙幣BLの放出を妨げることなく、スムーズに通常状態から放出退避状態へと遷移できるようになっている。また、誘導体60は、放出退避状態へと遷移した以降、紙幣BLと接触する部分が、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部のみとなることにより、紙幣BLとの抵抗を極力小さくして紙幣をスムーズに放出できるようにもなっている。
このようにしてフィードローラ45とゲートローラ46により集積空間30s内へ放出された紙幣BLは、その前端がビルストッパ47に衝突することで衝撃が吸収される。ここで、この紙幣BLの後端部が舌片48tの叩付可能範囲Ha内に位置していれば、この紙幣BLは、後端部が舌片48tによりステージ42側に叩き付けられてステージ42の載置面42pに集積される。
一方で、図6に示したように、集積空間30s内へ放出された紙幣BLが舌片48tの叩付可能範囲Ha外に位置している場合、この紙幣BLは、その後端部が誘導体60によって舌片48tの叩付可能範囲Ha内に誘導される。
具体的に、誘導体60は、図11に示すように、紙幣BL全体が集積空間30s内へ放出されて紙幣BLによる押し上げがなくなると、弾性変形により放出退避状態から通常状態へ戻る。このとき、誘導体60は、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部が紙幣BLの後端部と接触したまま、第1傾斜部60f、対向部60c、第2傾斜部60s及び規制部60rが降下することにより、紙幣BLの後端部を下方に押し下げる。この結果、紙幣BLの後端部が、舌片48tの叩付可能範囲Ha内に入る。このように、誘導体60は、弾性変形により放出退避状態から通常状態へ戻る際に、紙幣BLの後端部を下方に押し下げることで舌片48tの叩付可能範囲Ha内に誘導するようになっている。
このようにして叩付可能範囲Ha内に誘導された紙幣BLは、その後端部が舌片48tによりステージ42側に叩き付けられてステージ42の載置面42pに集積される。紙幣集積時の動作は、以上のようになっている。
次に、紙幣分離繰出時の動作について、図12を用いて説明する。図12に示すように、紙幣分離繰出時、分離集積機構30mは、ステージ42を上方に移動させてステージ42に載置されている最上位の紙幣BLをピッカローラ49に押し付ける。このとき、誘導体60は、ステージ42の移動にともない、対向部60cが最上位の紙幣BLと接触して上方に押し上げられる。
この結果、誘導体60は、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部のみが最上位の紙幣BLの上面と接触して、この角部以外の部分が、天井ガイド43の貫通孔43hを通って天井ガイド43の裏側まで移動した状態へと遷移する。このときの誘導体60の状態(つまり図12に示す状態)を繰出状態と呼ぶ。尚、この繰出状態は、上述した放出退避状態と、ほぼ同一の状態となっている。
分離集積機構30mは、ステージ42に載置されている最上位の紙幣BLをピッカローラ49に押し付けた状態で、ピッカローラ49を図12中矢印Cで示す方向に回転させることで、ステージ42に載置されている紙幣BLを上から順にフィードローラ45へと繰り出す。
ここで、分離集積機構30mは、上側のフィードローラ45を図12中矢印Dに示す方向に回転させる一方で、下側のゲートローラ46及び羽根車48は回転せずに停止させている。これにより、フィードローラ45へと繰り出された紙幣は、1枚ずつフィードローラ45とゲートローラ46の間を通過して内部搬送路44へと繰り出され、さらに外部の搬送路34へと繰り出される。尚、分離集積機構30mに退避機構(図示せず)を設け、紙幣分離繰出時に、この退避機構によって、羽根車48の舌片48tを、集積空間30s内から集積空間30s外へ退避させるようにしてもよい。
この紙幣分離繰出時、誘導体60は、通常状態から繰出状態へと遷移して、紙幣BLと接触する部分を、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部のみとすることにより、紙幣BLとの抵抗を極力小さくして紙幣をスムーズに繰り出すことができるようになっている。
また、図12に示すように、分離集積機構30mは、誘導体60が通常状態から繰出状態へと遷移することにともない、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部が、ピッカローラ49と最上位の紙幣BLとが接触する箇所P2に近づく方向に移動していき、最終的にこの箇所P2の近傍に位置するようになっている。
より具体的には、分離集積機構30mは、紙幣分離繰出時に、左右2本の誘導体60のそれぞれの第1傾斜部60fと対向部60cとの角部(つまり紙幣BLを繰り出すときに紙幣BLと接触して抵抗となる箇所)と、左右2個のピッカローラ49のそれぞれと最上位の紙幣BLとが接触する箇所P2(つまり紙幣BLを繰り出すときに紙幣BLと接触して力が加わる箇所)とが、紙幣BLの繰出方向と直交する長手方向(つまり図12の奥行方向)に並ぶようになっている。
こうすることで、分離集積機構30mは、紙幣BLを繰り出す際に、紙幣BLを斜行させるようなモーメントが紙幣BLに加わることを防ぐことができ、紙幣BLをまっすぐフィードローラ45へと繰り出すことができるようになっている。紙幣分離繰出時の動作は、以上のようになっている。
次に、紙幣入出金口20から集積空間30s内に紙幣を投入するときの動作(つまり紙幣投入時の動作)について図13を用いて説明する。図13(A)に示すように、集積空間30sの前端を紙幣入出金口20として開放している状態で、例えば、レジ係員が、紙幣入出金口20から集積空間30s内に紙幣BLを投入したとする。尚、ここでは一例として、紙幣BLの束(これを紙幣束と呼ぶ)が投入されたとする。
このとき、紙幣束の最上位の紙幣BLの先端(つまり後端)が、誘導体60の第2傾斜部60sと接触する。ここからさらに、紙幣束が後方に押し込まれると、誘導体60は、図13(B)に示すように、第2傾斜部60sと接触している紙幣BLによって上方に押し上げられる。これにより、誘導体60は、紙幣BLの投入経路(紙幣入出金口20から後方へと延びる経路)から退避した状態へと遷移する。このときの誘導体60の状態(つまり図13(B)に示す状態)を投入退避状態と呼ぶ。
このように、誘導体60は、紙幣投入時、紙幣BLと最初に接触する第2傾斜部60sが、紙幣BLの投入方向(後方)に対して傾斜していることにより、紙幣BLの投入を妨げることなく、スムーズに通常状態から投入退避状態へと遷移できるようになっている。換言すると、誘導体60は、紙幣投入時、紙幣BLの投入を妨げることなく、スムーズに紙幣BLの投入経路から退避できるようになっている。
このようにして紙幣入出金口20から投入された紙幣束は、ステージ42の載置面42pに載置される。紙幣投入時の動作は、以上のようになっている。
尚、ここでは、紙幣入出金部30の分離集積機構30mについて説明したが、紙幣収納庫32A、32B、32Cに設けられた、分離集積機構32Am、32Bm、32Cmについても、分離集積機構30mと基本的な構成及び動作は同一となっている。
[1−7.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、誘導体60が、紙幣集積時、フィードローラ45とゲートローラ46により集積空間30s内へ放出される途中の紙幣BLと接触して押し上げられることで、通常状態から、紙幣BLの放出経路から退避した放出退避状態へと遷移する。その後、紙幣BLの全体が集積空間30s内へ放出されると、誘導体60は、放出退避状態から通常状態へと戻りながら、集積空間30s内へ放出された紙幣BLの後端部を押し下げることで舌片48tの叩付可能範囲Ha内に誘導するようにした。
また、この第1の実施の形態では、誘導体60が、紙幣分離繰出時、ステージ42の移動にともなってステージ42に載置されている最上位の紙幣BLと接触して押し上げられることで、通常状態から、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部のみが最上位の紙幣BLと接触する繰出状態へと遷移する。このように、誘導体60は、紙幣分離繰出時、紙幣BLと接触する部分が、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部のみとなる繰出状態へと遷移することにより、紙幣BLとの抵抗を極力小さくして紙幣BLの妨げとなることを回避することができる。
ここで、図14(A)、(B)を用いて、誘導体60の比較対象となる誘導体100について説明する。尚、図14(A)、(B)は、誘導体60の代わりに誘導体100を設けた分離集積機構30mの側面図であり、図14(A)と図14(B)は、それぞれ通常状態と繰出状態の誘導体100を示している。図14(A)に示すように、通常状態の誘導体100は、通常状態の誘導体60とは異なる形状であり、フィードローラ45とゲートローラ46の間のニップ部P1から前方斜め下に延び載置面42pに対して傾斜する第1傾斜部100fと、第1傾斜部100fの前端(すなわち下端)から前方斜め上に延び載置面42pに対して傾斜する第2傾斜部100sを有している。また、第1傾斜部100fと第2傾斜部100sの角部は、舌片48tの叩付可能範囲Haの外側に位置するようになっている。
この誘導体100は、紙幣集積時、第1傾斜部100fが放出途中の紙幣と接触して上方に押し上げられ、その後、紙幣全体が放出されて紙幣による押し上げがなくなると、第1傾斜部100fが紙幣の後端部と接触したまま、第1傾斜部100fが下降して紙幣の後端部を下方に押し下げることで、紙幣の後端部を舌片48tの叩付可能範囲Ha内に誘導するようになっている。このように、誘導体100は、誘導体60と同様、紙幣集積時に、紙幣の後端部を舌片48tの叩付可能範囲Ha内に誘導するようになっている。
一方で、この誘導体100は、紙幣を分離して繰り出す際については何ら考慮されていない。ゆえに、図14(B)に示すように、この誘導体100は、紙幣分離繰出時、ステージ42の移動にともない、第1傾斜部100fが最上位の紙幣BLと接触して上方に押し上げられると、第1傾斜部100f全体が最上位の紙幣BLの上面と接触する繰出状態となる。
このように、誘導体100は、通常状態から繰出状態へと遷移した際に、第1傾斜部100f全体と紙幣BLとが接触してしまうことから(つまり面接触となることから)、紙幣BLとの抵抗が無視できない程大きくなる。これに対して、誘導体60は、通常状態から繰出状態へと遷移した際に、第1傾斜部60fと対向部60cとの角部のみが紙幣BLと接触することから(つまり点接触となることから)、誘導体100と比較して紙幣BLとの抵抗を小さくすることができる。
このように、誘導体60は、紙幣集積時には、紙幣の後端部を舌片48tの叩付可能範囲Ha内に誘導することができ、紙幣分離繰出時には、紙幣BLとの接触部分を極力小さくして紙幣BLの妨げとなることを回避することができる。紙幣入出金部30は、このような誘導体60を有することで、繰出性能を低下させることなく集積性能を向上させることができる。
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、紙幣入出金部30に設けられた誘導体の構成が、第1の実施の形態とは異なる実施の形態である。ゆえに、ここでは、紙幣入出金部30に設けられた誘導体の構成についてのみ説明することにし、他の部分の説明については適宜省略する。
[2−1.誘導体の構成]
図15(A)〜(C)に、第2の実施の形態の誘導体200を示す。尚、図15(A)及び図15(B)は、それぞれ誘導体200の斜視図及び平面図であり、図15(C)は、誘導体支持部201によって支持されている通常状態の誘導体200の側面図である。尚、図15(C)は、誘導体200の構成を分かり易くするために一部を省略したり簡略化したりした模式図となっている。
図15(C)に示すように、通常状態の誘導体200は、通常状態の誘導体60と同様、固定部200xと、第1傾斜部200fと、対向部200cと、第2傾斜部200sと、規制部200rとによって所定形状を形成している。すなわち、誘導体200は、固定部200xが誘導体支持部201に固定され、規制部200rが天井ガイド43と係合することで、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sの下方への移動を規制して通常状態を維持するようになっている。
この誘導体200は、固定部200xと誘導体支持部201との固定方法と、規制部200rと天井ガイド43との係合方法が、誘導体60とは異なっている。さらにこの誘導体200は、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sのそれぞれの左右両端に曲げ部200bが設けられている点が、誘導体60とは異なっている。換言すれば、これら以外の部分及び動作については、誘導体200と誘導体60とで同一となっている。よって、ここでは、誘導体200全体のうち、誘導体60と異なる部分についてのみ説明する。
まず、誘導体200の固定部200xと誘導体支持部201との固定方法から説明する。図15(C)に示すように、固定部200xは、上下方向に延びる部分と、その上端から前方に延びる部分とを有する断面L字型であり、上下方向に延びる部分の上部が誘導体支持部201に固定されるようになっている。誘導体支持部201も、上下方向に延びる部分と、その上端から前方に延びる部分とを有する断面L字型であり、上下方向に延びる部分の前面と、誘導体支持部201とは別部品となる板状の固定板部202との間に、固定部200xの上部を前後方向に挟み込んだ状態で、ネジ203により固定板部202と締結されることで、固定部200xを固定するようになっている。
誘導体200は、このようにして固定部200xが誘導体支持部201と固定板部202との間に挟み込まれたときに、固定部200xにおける前方に延びる部分が、固定板部202の上端と、誘導体支持部201における前方に延びる部分との間に挟まれることで、上下方向の位置が規制されるようになっている。尚、図16に誘導体200の固定部200xと固定板部202を前方から見た部分拡大図を示すように、左右2個の誘導体200は、誘導体60とは異なり別体となっている。また、この第2の実施の形態では、固定部200xの左右方向の位置については規制されていないが、例えば、固定部200xと誘導体支持部201とに図示しない位置決め孔とピンを設け、位置決め孔にピンを嵌入することで固定部200xの左右方向の位置を規制するようにしてもよい。誘導体200の固定部200xと誘導体支持部201との固定方法は、以上のようになっている。
次に、誘導体200の規制部200rと天井ガイド43との係合方法について説明する。図15(C)に示すように、通常状態の誘導体200において、規制部200rは、第2傾斜部200sの前端(つまり上端)から天井ガイド43と直交する上方に延びている。また図15(B)に示すように、この規制部200rは、第2傾斜部200sと同一幅となっている。さらに、これら第2傾斜部200sと規制部200rの幅方向(左右方向)の中央部分には、第2傾斜部200sと規制部200rとの角部を跨ぐようにして、第2傾斜部200sの後端近傍から規制部200rの上下方向の中央近傍まで延びる貫通孔200hが設けられている。
一方、天井ガイド43には、図17(A)に上方から見た部分拡大図を示すように、貫通孔43hの前端の幅方向の中央から貫通孔43hに沿って後方に延びる、貫通孔43hより幅狭の棒状のストッパ部210が設けられている。尚、この第2の実施の形態では、貫通孔43hが、第1の実施の形態のように先細りではなく、細長い長方形状の孔となっている。
図15(C)及び図17(A)に示すように、誘導体200は、通常状態のとき、天井ガイド43に設けられたストッパ部210が、貫通孔200hに入り込み、規制部200rにおける貫通孔200hの上端を形成する部分と接触するようになっている。つまり、規制部200rは、貫通孔200hに入り込んだストッパ部210に引っかかることで、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sの下方への移動を規制して通常状態を維持するようになっている。
また、規制部200rは、図17(B)に示すように、第2傾斜部200sとともに貫通孔43hの左右両端に寄ろうとすると、ストッパ部210が、規制部200rにおける貫通孔200hの左右両端を形成する部分と接触することで、左右方向への移動が規制されるようにもなっている。このように、規制部200rは、通常状態にあるとき、ストッパ部210から外れて貫通孔43hから抜け落ちるようなことなく、確実に第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sの下方への移動を規制するようになっている。規制部200rと天井ガイド43との係合方法は、以上のようになっている。
次に、曲げ部200bの構成について説明する。図15(A)〜(C)に示すように、誘導体200は、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sのそれぞれの左右両端(つまり誘導体200の幅方向の両端)に、薄板状の曲げ部200bが設けられている。
具体的に、第1傾斜部200fは、左右両端全体のうち、固定部200xに近い部分を除く範囲に、ステージ42の載置面42pから離れる上方向に折り曲げられた(すなわち紙幣とは接触しない上面側に折り曲げられた)曲げ部200bが設けられている。第1傾斜部200fに設けられた曲げ部200bは、例えば、上部が第1傾斜部200fの幅方向の中心に向かって(つまり内側に向かって)折れ曲がった断面略くの字形状となっている。尚、第1傾斜部200fの上面と、曲げ部200bの下部とのなす角度は、90度以下であることが望ましく、さらに第1傾斜部200fと曲げ部200bとの角部はR形状であることが望ましい。
対向部200cは、左右両端のほぼ全体に、上面側に折り曲げられた曲げ部200bが設けられている。この対向部200cに設けられた曲げ部200bも、例えば、上部が対向部200cの内側に向かって折れ曲がった断面略くの字形状となっている。対向部200cの上面と、曲げ部200bの下部とのなす角度も、90度以下であることが望ましく、さらに対向部200cと曲げ部200bとの角部はR形状であることが望ましい。第2傾斜部200sは、左右両端全体のうち、前端近傍と後端近傍にのみ、上面側に折り曲げられた曲げ部200bが設けられている。この第2傾斜部200sに設けられた曲げ部200bも、例えば、上部が第2傾斜部200sの内側に向かって折れ曲がった断面略くの字形状となっている。第2傾斜部200sの上面と、曲げ部200bの下部とのなす角度も、90度以下であることが望ましく、さらに第2傾斜部200sと曲げ部200bとの角部はR形状であることが望ましい。
誘導体200は、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sに曲げ部200bが設けられていることにより、誘導体60と比べて、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sの強度及び剛性を向上させることができ、破損し難くなっている。尚、固定部200x全体、及び固定部200xと第1傾斜部200fとの角部近傍には、曲げ部200bを設けていないが、この理由は、固定部200x全体、及び固定部200xと第1傾斜部200fとの角部近傍は、誘導体200の状態が遷移するときに撓む部分であり、強度及び剛性より撓み易さが重要となるためである。
また、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sの左右両端に曲げ部200bを設けたことで、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sの左右両端に紙幣が引っかかるなどして、紙幣が破損したりする状況を防ぐことができるようにもなっている。曲げ部200bの構成は、以上のようになっている。
[2−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、誘導体200の幅方向の両端に曲げ部200bを設けるようにした。こうすることで、誘導体200は、第1の実施の形態の誘導体60と比べて、強度及び剛性を向上させることができ、破損し難くなるという効果を得ることができる。また、誘導体200の幅方向の両端に曲げ部200bを設けたことで、誘導体200の幅方向の両端に紙幣が引っかかるなどして、紙幣が破損したりすることを防ぐこともできる。
[3.他の実施の形態]
[3−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、誘導体60の固定部60xを、誘導体支持部61に対して位置決めしたうえで、固定部60xを誘導体支持部61にネジ留めすることにより、固定部60xを誘導体支持部61に固定するようにした。これに限らず、様々な固定方法で固定部60xを誘導体支持部61に固定するようにしてもよい。ここで、固定方法の一例を、図18(A)、(B)に示す。
図18(A)は、固定部60xに設けられた左右の位置決め孔71L、71Rにそれぞれ誘導体支持部61(図18(A)では省略)のピン70L、70Rを嵌入することで固定部60xを位置決めした後、例えば左右の位置決め孔71L、71Rの上方に位置する溶接個所220で、固定部60xと誘導体支持部61とを溶接することにより、固定部60xを誘導体支持部61に固定する例である。
また、図18(B)は、固定部60xに設けられた左右の位置決め孔71L、71Rにそれぞれ誘導体支持部61(図18(A)では省略)のピン70L、70Rを嵌入することで固定部60xを位置決めした後、ピン70L、70Rの頭を所定の工具で叩きつぶして位置決め孔71L、71Rからはみ出させることにより(つまりピン70L、70Rをカシメ加工することにより)、固定部60xを誘導体支持部61に固定する例である。
またこれに限らず、固定部60xと誘導体支持部61との固定方法として、第2の実施の形態で示した固定部200xと誘導体支持部201との固定方法を用いてもよい。
さらに、上述した第2の実施の形態についても、様々な固定方法で固定部200xを誘導体支持部201に固定するようにしてもよい。例えば、固定部200xと誘導体支持部201との固定方法として、上述した第1の実施の形態で示した固定部60xと誘導体支持部61との固定方法を用いたり、図18(A)、(B)に示した固定方法を用いたりしてもよい。
[3−2.他の実施の形態2]
また、上述した第1の実施の形態では、誘導体60の規制部60rが天井ガイド43の裏側に引っかかることで、規制部60rと天井ガイド43とが係合するようにした。これに限らず、様々な係合方法で規制部60rを天井ガイド43と係合させるようにしてもよい。例えば、規制部60rと天井ガイド43の係合方法として、上述した第2の実施の形態で示した規制部200rと天井ガイド43の係合方法を用いてもよい。第2の実施の形態についても同様に、規制部200rと天井ガイド43の係合方法として、上述した第2の実施の形態で示した規制部60rと天井ガイド43の係合方法などを用いてもよい。
[3−3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第1の実施の形態では、誘導体60が通常状態にあるとき、対向部60cが、ステージ42の載置面42pとほぼ平行に対向するようにした。これに限らず、対向部60cが、ステージ42の載置面42pに対して平行ではなく、わずかに傾斜するなどしていてもよい。また、上述した第1の実施の形態では、対向部60cの下面(紙幣と接触する側の面)が平面となっているが、これに限らず、対向部60cの下面が、例えばわずかに下方に膨らんだ曲面となっているなどしてもよい。第2の実施の形態の誘導体200についても同様である。
[3−4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第1の実施の形態では、固定部60xの上部が誘導体支持部61に固定されていて、固定部60xの下部が前方に撓みながら第1傾斜部60f、対向部60c、第2傾斜部60s及び規制部60rが上方に押し上げられることで、誘導体60が通常状態から放出退避状態などへ遷移するようにした。これに限らず、例えば、誘導体支持部61が、固定部60xの上部を固定するのではなく回転自在に支持するようにして、固定部60xの上部を回転の中心として誘導体60全体が上方に回転しながら押し上げられることで、誘導体60が通常状態から放出退避状態などへ遷移するようにしてもよい。尚、この場合、誘導体60は、紙幣BLからの押し上げがなくなると、自重により下方に降下することで、放出退避状態から通常状態に戻るようになる。第2の実施の形態の誘導体200についても同様である。
[3−5.他の実施の形態5]
さらに、上述した第2の実施の形態では、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sの全てに曲げ部200bを設けるようにしたが、これに限らず、第1傾斜部200f、対向部200c及び第2傾斜部200sのうちの1つもしくは2つに曲げ部200bを設けるようにしてもよい。また、上述した第2の実施の形態では、曲げ部200bの形状を断面略くの字形状としたが、他の形状としてもよい。
[3−6.他の実施の形態6]
さらに、上述した第1の実施の形態では、分離集積機構30mに誘導体60を左右2本設けたが、これに限らず、1本、もしくは左右3本以上設けるようにしてもよい。第2の実施の形態についても同様である。さらに、上述した第1の実施の形態では、左右2本の誘導体60を、固定部60xの上部で繋ぐことで一体化するようにしたが、これに限らず、第2の実施の形態のようにして、左右2本の誘導体60を別々に設けてもよい。一方、上述した第2の実施の形態では、左右2本の誘導体200を別体としたが、これに限らず、第1の実施の形態のようにして、左右2本の誘導体200を一体化してもよい。
[3−7.他の実施の形態7]
さらに、上述した各実施の形態では、本発明を、媒体集積装置及び媒体集積部の具体例である、釣銭機3の紙幣入出金機13に適用したが、本発明は、紙幣入出金機13に限らず、紙幣、紙、切符などの媒体を集積する集積機能と、集積した媒体を分離して繰り出す繰出機能とを有する様々な媒体集積装置に適用できる。さらに、上述した各実施の形態では、本発明を、媒体取扱装置の具体例であるレジ釣銭システム1に適用したが、本発明は、レジ釣銭システム1に限らず、紙幣、紙、切符などの媒体を集積する集積機能と、集積した媒体を分離して繰り出す繰出機能とを有する様々な媒体取扱装置に適用できる。例えば、紙幣を取り扱う現金自動預払機(ATM::Automatic Teller Machine)に適用してもよい。
[3−8.他の実施の形態8]
さらに、上述した各実施の形態では、紙幣入出金部30に、集積空間内へ媒体を放出するとともに、集積空間から外部へ媒体を繰り出す入出部の具体例として、フィードローラ45及びゲートローラ46を設けたが、フィードローラ45及びゲートローラ46と同様に機能するものであれば、フィードローラ45及びゲートローラ46とは異なる入出部を設けてもよい。さらに、上述した各実施の形態では、紙幣入出金部30に、媒体の一部をステージの載置面側に叩き付ける叩付部の具体例として、羽根車48を設けたが、媒体の一部をステージの載置面側に叩き付けることができるものであれば、羽根車48とは異なる叩付部を設けてもよい。さらに、上述した各実施の形態では、紙幣入出金部30に、ステージに集積されている最上位の媒体と接触して入出部へと繰り出す繰出部の具体例として、ピッカローラ49を設けたが、ステージに集積されている最上位の媒体と接触して入出部へと繰り出すことができるものであれば、ピッカローラ49とは異なる繰出部を設けてもよい。
[3−9.他の実施の形態9]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態と他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
本発明は、媒体の集積機能と繰出機能とを有する様々な媒体集積装置で利用できる。
1……レジ釣銭システム、2……POSレジ、3……釣銭機、13……紙幣入出金機、20……紙幣入出金口、30……紙幣入出金部、30s、32As、32Bs、32Cs……集積空間、30m、32Am、32Bm、32Cm……分離集積機構、32A、32B、32C……紙幣収納庫、34……搬送路、40……フレーム、41……内部空間、42……ステージ、42p……載置面、43……天井ガイド、43h、200h……貫通孔、44……内部搬送路、45……フィードローラ、46……ゲートローラ、48……羽根車、48t……舌片、49……ピッカローラ、60、100、200……誘導体、60x、200x……固定部、60f、100f、200f……第1傾斜部、60c、200c……対向部、60s、100s、200s……第2傾斜部、60r、200r……規制部、61、201……誘導体支持部、200b……曲げ部、210……ストッパ部。

Claims (10)

  1. 媒体を収容する内部空間を有するフレームと、
    前記内部空間内に設けられ、載置面上に前記媒体を載置して集積することにくわえて、前記内部空間内を前記媒体の集積方向に移動可能なステージと、
    前記内部空間のうち前記ステージの前記載置面側となる集積空間内へ前記媒体を放出するとともに、前記集積空間から外部へ前記媒体を繰り出す入出部と、
    前記入出部から前記集積空間内へ放出された前記媒体の一部が、所定の叩付可能範囲内に位置しているときに、当該媒体の一部を前記載置面側に叩き付ける叩付部と、
    前記入出部から前記集積空間内へ放出された前記媒体の一部を前記叩付可能範囲内へと誘導する誘導体と
    を備え、
    前記誘導体は、
    前記媒体と接触していない通常状態において、前記載置面と対向する対向部と、前記対向部から前記入出部に対して近づく方向に延び、前記対向部に対して傾斜する第1傾斜部と、前記対向部から前記載置面に対して離れる方向に延び、前記対向部に対して傾斜する第2傾斜部とを有し、前記対向部が前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部よりも前記載置面に近接した形状に形成され、
    前記媒体が前記集積空間から外部に繰り出される際には、前記ステージの移動にともなって前記ステージに集積されている最上位の媒体と当該誘導体とが接触して押し上げられることにより、前記通常状態から、前記第1傾斜部と前記対向部との角部が前記最上位の媒体と接触する繰出状態へと遷移する
    ことを特徴とする媒体集積装置。
  2. 前記誘導体は、
    前記入出部から前記集積空間内へ前記媒体が放出される際には、前記入出部から前記集積空間内へ放出される前記媒体と前記第1傾斜部とが接触して押し上げられることにより、前記媒体の放出経路から退避した放出退避状態へと遷移し、前記媒体の全体が前記入出部から前記集積空間内へ放出されると、前記通常状態へと戻ることにより、前記集積空間内へ放出された前記媒体を押し下げて前記媒体の一部を前記叩付可能範囲内へ誘導する
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体集積装置。
  3. 前記誘導体は、
    弾性部材であり、前記放出退避状態へと遷移した後、前記媒体の全体が前記入出部から前記集積空間内へ放出されると、前記通常状態へと弾性変形する
    ことを特徴とする請求項2に記載の媒体集積装置。
  4. 前記誘導体は、
    前記ステージに対して前記入出部とは反対側に設けられた開口部を介して前記集積空間内へ前記媒体が投入される際には、前記集積空間内へ投入される前記媒体と前記第2傾斜部とが接触して押し上げられることにより、前記媒体の投入経路から退避した投入退避状態へと遷移する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の媒体集積装置。
  5. 前記ステージに集積されている最上位の媒体と接触して前記入出部へと繰り出す繰出部をさらに備え、
    前記誘導体は、
    前記通常状態から前記繰出状態に遷移することにともない、前記第1傾斜部と前記対向部との角部が、前記繰出部と前記媒体とが接触する箇所に近づく方向へ移動する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の媒体集積装置。
  6. 前記対向部は、
    前記通常状態において、
    前記ステージの載置面とほぼ平行である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の媒体集積装置。
  7. 前記誘導体は、
    前記第1傾斜部、前記対向部、前記第2傾斜部のうちの少なくとも1つにおける、前記媒体の放出方向と直交する幅方向の両端に、前記ステージの載置面から離れる方向に折り曲げられた曲げ部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の媒体集積装置。
  8. 前記誘導体は、
    前記第1傾斜部に対して前記対向部とは反対側に設けられた、前記フレームに固定される固定部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の媒体集積装置。
  9. 前記誘導体は、
    前記第2傾斜部に対して前記対向部とは反対側に設けられた、前記第1傾斜部、前記対向部、及び前記第2傾斜部の移動を規制する規制部をさらに有し、
    前記規制部は、
    前記誘導体が通常状態にあるとき、前記集積空間を形成する壁部と係合することで、前記第1傾斜部、前記対向部、及び前記第2傾斜部が、前記通常状態から前記繰出状態への方向とは反対方向に移動することを規制する
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の媒体集積装置。
  10. 媒体を収容する内部空間を有するフレームと、
    前記内部空間内に設けられ、載置面上に前記媒体を載置して集積することにくわえて、前記内部空間内を前記媒体の集積方向に移動可能なステージと、
    前記内部空間のうち前記ステージの前記載置面側となる集積空間内へ前記媒体を放出するとともに、前記集積空間から外部へ前記媒体を繰り出す入出部と、
    前記入出部から前記集積空間内へ放出された前記媒体の一部が、所定の叩付可能範囲内に位置しているときに、当該媒体の一部を前記載置面側に叩き付ける叩付部と、
    前記入出部から前記集積空間内へ放出された前記媒体の一部を前記叩付可能範囲内へと誘導する誘導体と
    を有する媒体集積部を備え、
    前記誘導体は、
    前記媒体と接触していない通常状態において、前記載置面と対向する対向部と、前記対向部から前記入出部に対して近づく方向に延び、前記対向部に対して傾斜する第1傾斜部と、前記対向部から前記載置面に対して離れる方向に延び、前記対向部に対して傾斜する第2傾斜部とを有し、前記対向部が前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部よりも前記載置面に近接した形状に形成され、
    前記媒体が前記集積空間から外部に繰り出される際には、前記ステージの移動にともなって前記ステージに集積されている最上位の媒体と当該誘導体とが接触して押し上げられることにより、前記通常状態から、前記第1傾斜部と前記対向部との角部が前記最上位の媒体と接触する繰出状態へと遷移する
    ことを特徴とする媒体取扱装置。
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