JP2020012144A - 電解処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを保持し且つワークへの給電経路を構成するワーク保持部材における給電状態を容易に監視することの出来るワーク保持部材、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置の給電監視システム、及び、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置を提供することを目的とする。【解決手段】この目的を達成するため、電解処理溶液中にワークを浸漬した状態で保持し、且つ、当該ワークに給電するワーク保持部材であって、当該ワークへの給電量を監視する電流センサ装置を備えたことを特徴とするワーク保持部材を採用する。【選択図】図2

Description

本件発明は、ワーク保持部材、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置の給電監視システム、及び、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置に関する。
従来より、電子部品の表面に電解めっき等の電解処理を施す場合、バッチ式や連続式等の電解処理装置が用いられている。ここで、電解処理を施した電子部品等のワークを大量生産する場合には、一般的に連続式の電解処理装置が用いられる。この連続式の電解処理装置において、矩形板状のワークを処理する場合、当該ワークの上端部をクランプ等の把持部材が設けられたワーク保持部材によって保持し、電解処理槽内の電解処理溶液中に当該ワークを浸漬し、当該ワーク保持部材を搬送軌道に沿って移動させながら当該ワークに電流を流すことにより、連続的な電解処理が行なわれる。
例えば、この種の電解処理装置として、特許文献1に示す表面処理装置が挙げられる。当該特許文献1の表面処理装置は、搬送方向に延設されたガイドレールに支持された治具を介して当該治具に保持されたワークを搬送可能な搬送手段と、搬送中のワークに当該治具を介して給電する給電手段とを有し、表面処理槽内でワークを連続搬送且つ給電しつつワークに表面処理を施すものであって、当該治具を当該ガイドレールに転がり係合機構を介して支持させると共に、当該給電手段が搬送方向に延設された給電レールと当該治具側に装着され且つ給電レールと摺接して集電可能な集電子とを含んで形成されたものである。
特開2003−13296号公報
上述したように、特許文献1の表面処理装置では、ガイドレールに支持された治具(ワーク保持部材)にワークを取り付け、表面処理槽内でワークを連続搬送し、且つ、当該治具を介してワークに給電してワークの表面処理を行っている。ワークを保持する治具は、直接めっき浴に浸漬されていない部分であっても、めっき浴から発生した蒸気等により酸化され、腐食が発生してしまう。また、酸化により膨張した治具は、当該治具を構成するねじ等の固定手段の緩みの原因となる。ワークへの給電経路を構成する当該治具に固定手段の緩んだ箇所や腐食箇所が存在すると、当該箇所において導通不良を生じ、当該ワークの被処理面において形成されるめっき層が局所的に薄くなる等の不都合が生じてしまう。
しかし、特許文献1は、個々のワークに所定の電流が確実に流れたことを確認するものではない。抵抗値が他よりも高いワーク保持部材は、設定した電流値を確保することが出来なくなることから、当該ワーク保持部材により保持されたワークに形成されるめっき層の厚みが不均一となり、当該ワークの被処理面全体を均一にめっき処理することが出来ないという問題がある。
上述した従来の問題に鑑み、市場からは、安定した電解処理が可能となるよう、ワークを保持し且つワークへの給電経路を構成するワーク保持部材における給電状態を容易に監視することが望まれていた。
そこで、本件発明は、ワークを保持し且つワークへの給電経路を構成するワーク保持部材における給電状態を容易に監視することの出来るワーク保持部材、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置の給電監視システム、及び、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置を提供することを目的とする。
本件発明に係るワーク保持部材は、電解処理溶液中にワークを浸漬した状態で保持し、且つ、当該ワークに給電するものであって、当該ワークへの給電量を監視する電流センサ装置を備えたことを特徴とする。
本件発明に係る電解処理装置の給電監視システムは、上述したワーク保持部材を備えた電解処理装置の給電監視システムであって、上述した電流センサ装置を用いて当該ワーク保持部材への給電量を監視し、当該給電量が異常値であるとき、当該ワーク保持部材への給電不良を検出することを特徴とする。
本件発明に係る電解処理装置は、上述したワーク保持部材を備えた電解処理装置であって、当該ワーク保持部材をガイドレールに沿って垂直搬送駆動させると共に、上述した電流センサ装置に対する給電を外部から行う給電経路を有する駆動チェーンを備えたことを特徴とする。
本件発明に係るワーク保持部材、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置の給電監視システム、及び、そのワーク保持部材を備えた電解処理装置は、ワークを保持し且つワークへの給電経路を構成するワーク保持部材における給電状態を容易に監視することが出来る。従って、本件発明によれば、ワークに対する電解処理に不具合が生じた場合に、迅速に対応することができ、安定した電解処理を行うことが可能となる。
本件発明の一実施形態に係る電解処理装置の概略構成図である。 本件発明の一実施形態に係るワーク保持部材の正面図である。 本件発明の一実施形態に係るワーク保持部材の側面図である。 本件発明の一実施形態に係る電流センサ装置の構成を例示する制御ブロック図である。 本件発明の一実施形態に係る給電監視システムの動作を説明する概略図である。
以下、図を用いながら、本件発明に係るワーク保持部材を複数備えた電解処理装置の給電監視システムについて説明する。本実施の形態における複数のワーク保持部材は、それぞれ個別に電流センサ装置を備えている。本件発明の給電監視システムは、このような構成において、各電流センサ装置が当該給電監視システムを構成する主制御装置と通信することにより、各ワーク保持部材に保持されたワークの電解処理の良不良を監視することができ、当該ワークのトレーサビリティを確保することが出来る。以下、当該電解処理装置について説明した後、給電監視システムについて説明する。
<電解処理装置>
本件発明に係る電解処理装置10は、後述するワーク保持部材1を構成に備え、当該ワーク保持部材1をガイドレール13に沿って垂直搬送駆動させるものである。
本実施の形態の電解処理装置10は、電解処理溶液(めっき処理溶液)50を貯留した電解処理槽11内にワークWを浸漬した状態で、当該ワークW(カソード)と陽極電極12(アノード)との間に給電し、当該ワークWの被処理面WSを電解処理(めっき処理)する装置である。当該電解処理装置10は、電解処理溶液50中に複数のワーク保持部材1によって複数のワークWを浸漬させた状態で、これらワークWの搬送を行うと共に各ワークWに対して給電を行う、所謂連続式の電解処理装置10である。本実施の形態の電解処理装置10は、電解処理溶液50を貯留する電解処理槽11と、当該電解処理溶液50中に浸漬して陽極面を構成する一対の陽極電極12,12と、ワークWを保持して搬送を行うワーク保持部材1に対して給電を行うガイドレール13とを構成に備える。以下に、これら構成要素毎に説明する。
電解処理槽: 本実施の形態の電解処理槽11は、その上面に開口が設けられ、ワークWを連続的に電解処理可能なように、当該ワークWが搬送される方向に沿って構成されている。当該電解処理槽11内に貯留される電解処理溶液50は、ワークWの被処理面WSに所望の電解処理層を形成するために適した成分を適宜選択して用いることが出来る。
陽極電極: 本実施の形態の陽極電極12,12には、外部電源(不図示)の陽極が電気的に接続され、電解処理槽11の長手方向に沿って所定間隔をおいて対向配置される。このときに、当該陽極電極12,12の間には、ワーク搬送経路15が構成される。各陽極電極12は、通常、矩形板状を成したステンレス、白金、カーボン等の不溶性材料にて構成される。ただし、本実施の形態において、各陽極電極12を構成する材料は、不溶性電極として通常用いられているものであればよく、これらの材料に限定されない。
ガイドレール: 本実施の形態のガイドレール13は、上述したワーク搬送経路15に沿って配置される。ここで、当該ガイドレール13は、外部電源(不図示)の陰極が電気的に接続された給電レール(不図示)を付設することが出来る。この場合、ワーク保持部材1は、当該給電レールと接触可能な被給電部(不図示)を設けることで、搬送中の複数のワークWに対して印加する電流を常に一定とすることが出来る。
また、本実施の形態の電解処理装置10に備わるガイドレール13には、ワーク保持部材1を当該ガイドレール13に沿って一定の速度で移動させるための駆動チェーン14が付設される。本実施の形態の電解処理装置10は、当該ワーク保持部材1が当該駆動チェーン14に支持可能な構造(支持手段)を備えることで、当該駆動チェーン14の駆動に伴い、ワークWを搬送方向に沿って移動させることが出来る。
本実施の形態の電解処理装置10において、上述した駆動チェーン14には、後述する電流センサ装置2に対する給電を外部から行うための給電経路が設けられる。本実施の形態の電解処理装置10は、当該駆動チェーン14に設けられる給電経路に流れる電流を、例えば上述した支持手段を介して当該電流センサ装置2に給電させる構造とすることで、当該電流センサ装置2への給電を支障なく行うことが出来る。
以上に本実施の形態の電解処理装置10について説明したが、当該電解処理装置10は、後述する技術的特徴を備えたワーク保持部材1を複数備えることで、複数のワークWへの給電を確実に行うことができ、また、複数のワークWにおける電解処理不良の発生を早期に検出することが出来る。以下、本件発明に係る電解処理装置10が備えるワーク保持部材1について説明する。
<ワーク保持部材>
本件発明に係るワーク保持部材1は、電解処理溶液50中にワークWを浸漬した状態で保持し、且つ、当該ワークWに給電するものである。本実施の形態では、ワークWとして、矩形板状形状を呈したものを用いる。しかし、本件発明において用いられるワークWは、矩形板状形状を呈したものに限定されるものではない。当該ワークWは、ワーク保持部材1によって保持された状態で、当該ワーク保持部材1を介して給電がされるものであれば、如何なる形状であってもよい。
本件発明に係るワーク保持部材1は、当該ワークWへの給電量を監視する後述の電流センサ装置2を備えたものである。
本実施の形態のワーク保持部材1は、当該電流センサ装置2の他に、当該ワーク保持部材1を上述したガイドレール13に沿って垂直搬送駆動させるために上述した駆動チェーン14に支持するアーム4と、当該アーム4に固定されて当該ワークWの被処理面WS内を略均一に給電するための給電バー5と、当該給電バー5に固定されて当該ワークWを着脱自在に挟持する複数の把持部材(クランプ)6とを構成に備える。そして、ワークWの被処理面WSに電解処理層を形成するため、当該ワークWを電解処理溶液50内に浸漬した状態で保持する。以下に、これら構成要素について説明する。
アーム: 本実施の形態のアーム4は、上述したガイドレール13に沿ってワーク保持部材1を垂直搬送駆動させるために、当該ガイドレール13に付設されて当該ワーク保持部材1を搬送駆動する駆動チェーン14と噛み合い可能な支持手段が設けられる。当該支持手段としては、例えば当該駆動チェーン14と噛み合い可能なギア7等を設ける構造を採用することが出来る。当該支持手段としてギア7を用いる場合は、ワンウェイクラッチ方式のギア7を用いることにより、ワーク保持部材1の搬送を安定させることができ、好ましい。
給電バー: 本実施の形態の給電バー5は、断面形状が一定で且つ長手方向に直線状に延びて形成されたものである。当該給電バー5は、電解処理槽11の長手方向に沿って配置される。当該給電バー5は、例えば、ねじ等の固定手段を用いて上述したアーム4に固定される。
把持部材: 本実施の形態の把持部材6は、ワークWを着脱自在に挟持するために、上述した給電バー5の長手方向に沿って複数設けられる。当該把持部材6は、当該ワークWを着脱可能であればよく、構造に関して特に問わない。当該把持部材6は、例えば、ねじ等の固定手段を用いて当該給電バー5に固定される。
上述した、アーム4、給電バー5、及び把持部材6は、いずれも上述したガイドレール13からワークWへ至る給電経路を構成する。よって、これらアーム4、給電バー5、及び把持部材6は、通常、導電性材料にて構成される。
電流センサ装置: 本実施の形態の電流センサ装置2は、ワークWへの給電量を監視するために、ワーク保持部材1に備えられる。本実施の形態の電流センサ装置2は、複数あるワーク保持部材1の各々に備えられることで(図4に示す電流センサ装置2A、2B、2C〜2nを参照のこと)、各ワーク保持部材1に保持されるワークWへの給電量を逐次監視することが出来る。ここで、当該電流センサ装置2は、当該ワーク保持部材1により保持されるワークWへの給電量を把握可能なものであればよく、構造等に関しては特に限定されない。
本件発明に係るワーク保持部材1は、上述した電流センサ装置2が、上述した給電経路に流れる電流値を取得する電流値取得部20と、当該電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を無線送信する通信部22と、当該電流値取得部20及び当該通信部22の動作を制御する制御部21と、当該電流値取得部20と当該通信部22と当該制御部21との少なくともいずれかに給電する給電部23とを構成に備えたことが好ましい(図4を参照のこと。)。以下に、これら構成について説明する。
本件発明の電流値取得部20は、上述したワーク保持部材1に備わる給電経路に流れる電流値を取得するために備えられるものである。ここで、電流値取得部20は、当該電流値を取得するに際し、当該給電経路にシャント抵抗3を接続し当該シャント抵抗3から出力された電圧値を検出する電圧検出部(不図示)と、当該電圧検出部が検出した電圧値と当該シャント抵抗3の抵抗値に基づいて当該給電経路に流れる電流値を算出する算出部(不図示)を備えることが出来る。本件発明の電流値取得部20は、シャント抵抗3を備えることで、当該給電経路に大電流が流れたとしてもワークWへの給電量の良否を正確に判定することが出来る。なお、シャント抵抗3に関しては、周知のものであるため、ここでの詳細な説明は省く。以上に、本件発明の電流値取得部20にシャント抵抗3を用いたものを示したが、本件発明の電流値取得部20は、当該給電経路に流れる電流値を取得するために当該シャント抵抗3ではなく従来周知の電流センサを用いることも出来る。
本件発明の通信部22は、上述した電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を、例えばPCやスマートフォン等の給電監視システム側制御装置40に対して無線送信するものである。ここで、当該制御装置40に伝送された電流値に関する情報は、作業者が当該制御装置40に備わるディスプレイ(不図示)等で即時に確認することができ、電解処理に問題が生じた場合に迅速に対応することが出来る。例えば、通信部22は、無線通信方式として従来公知の近距離無線方式を適宜採用することが出来る。
本件発明の制御部21は、CPUやRAM等を有する汎用のマイクロコンピュータにより構成されている。当該制御部21は、その入力側に上述した電流値取得部20が接続され、その出力側に上述した通信部22が接続され、これら電流値取得部20及び通信部22の動作を制御する。当該制御部21は、当該電流値取得部20から取得した電流値に関わる情報を通信部22に伝送する。
また、制御部21は、電流値取得部20が上述したように電圧検出部と算出部からなる場合に、当該算出部を兼ねたものとすることが出来る。この場合、制御部21は、当該電圧検出部で検出された電圧値に基づき演算処理を行い、電流値を算出する。例えば、電流値取得部20がワーク保持部材1における給電経路にシャント抵抗3を接続した場合、制御部21は、電流値取得部20が取得した情報(シャント抵抗3両端の電圧値)と当該シャント抵抗3自体の抵抗値を用いて演算処理を行い、当該給電経路に流れる電流値を算出する。
更に、制御部21は、電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を予め記録された基準情報と比較して、各ワークWに施される電解処理に対して問題の有無を判定し、その結果を通信部22に伝達することも出来る。
本件発明の給電部23は、上述した電流値取得部20、通信部22、及び/又は制御部21に給電を行い、これらを動作可能にすることが出来る。当該給電部23は、これら電流値取得部20、通信部22、及び/又は制御部21に給電を行うことが可能であればよく、構造等に関しては特に限定されない。
ここで、本件発明の給電部23は、電池からなることが好ましい。当該給電部23が電池であることで、電流センサ装置2は、小型化が図られると共に汎用性に優れたものとなる。そのため、連続式の電解処理装置10において、従来では構造上困難とされていた、全てのワーク保持部材1について給電量の異常の有無の監視を行うことが可能となる。また、本件発明の給電部23は、電池であることで、電流センサ装置2をメンテナンス性に優れたものとすることが出来る。
以上に、本件発明の電流センサ装置2に関する基本構成について説明したが、当該電流センサ装置2は、上述したワーク保持部材1を電解処理する工程の前段に設けられる第1近接スイッチ30aにより上述した電流値取得部20への通電を開始し、当該ワーク保持部材1を電解処理する工程の後段に設けられる第2近接スイッチ30bにより当該電流値取得部20への通電を停止する開閉スイッチ24を更に備えることが好ましい。本件発明の電流センサ装置2は、ワークWを電解処理する工程の前段と後段とで近接スイッチ30を用いて電流値取得部20への導通状態を切り替える開閉スイッチ24を備えることで、消費電力を軽減させることが可能となる。なお、当該近接スイッチ30に関しては、以下で説明する。
<給電監視システム>
次に、本件発明に係る電解処理装置10の給電監視システムについて説明する。本件発明の給電監視システムは、上述したワーク保持部材1を構成に備える電解処理装置10の給電監視システムである。そして、本件発明の給電監視システムは、上述した電流センサ装置2を用いて当該ワーク保持部材1への給電量を監視し、取得した給電量が異常値であるときに、当該ワーク保持部材1への給電不良を検出するものである。
本件発明の給電監視システムは、上述したワーク保持部材1を構成に備えることで、電解処理を行うワークWへの給電量の異常を即時に検知することが出来る。具体的には、本件発明の給電監視システムは、上述した電流センサ装置2により取得された電流値が予め設定した閾値範囲外である場合にワークWへの給電不良を検知する。従って、本件発明の給電監視システムによれば、例え使用されるワーク保持部材1の数が多くなろうとも、全てのワーク保持部材1への給電量を監視することが出来る。また、この場合に、全てのワーク保持部材1への給電量をリアルタイムで監視することも可能である。
また、本件発明の給電監視システムは、上述したワーク保持部材1への給電不良を検知した場合、警報動作を実行することが好ましい。本件発明の給電監視システムは、ワーク保持部材1への給電量の異常を検知した場合に警報動作を実行する警報手段(不図示)を備えることで、作業者の監視負担を軽減させることが出来る。本件発明の給電監視システムは、例えば、上述した給電監視システム側制御装置の出力側に、異常発生を表示する警報手段としての要素を兼ね備えた表示装置を接続したり、警報手段としてのブザー等を接続することが出来る。
そして、本件発明の給電監視システムは、上述したように、電流センサ装置2が開閉スイッチ24を備えた場合に、当該開閉スイッチ24の導通状態を切り替える近接スイッチ30を備えることが出来る。ここでいう近接スイッチ30とは、可動部による機械的接触なしに動作する位置検出スイッチのことである。当該近接スイッチ30には、検出領域内発生する磁界の変化を検知して作動する誘導形近接スイッチや、磁気検出素子と磁石の組み合わせにより検出体が接近したときの磁束変化を検知して作動する磁気形近接スイッチ等が挙げられる。これら近接スイッチは、周知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
以上に本件発明の給電監視システムについて説明したが、上述した構成による本実施の形態の給電監視システムの動作について以下に説明する。以下では、一般的な連続式の電解処理装置を用いて行う電解めっき処理の流れを例に挙げ、本件発明の効果を過不足なく述べる。
本実施の形態のワークWは、矩形板状形状を呈したものである。まず、当該ワークWが、ワーク保持部材1の把持部材6に取り付けられ、当該ワーク保持部材1に吊下される。ここで、当該把持部材6は、給電バー5の両端部に少なくとも1つずつ備わることで、当該ワーク保持部材1が当該ワークWを安定的に保持することが出来る。本実施の形態の給電監視システムでは、連続式の電解処理装置10を用いる。そのため、複数のワーク保持部材1のそれぞれにめっき処理を行うワークWが保持される。
そして、ワークWを保持したワーク保持部材1は、アーム4を介してガイドレール13に支持される。本実施の形態の給電監視システムの動作では、当該ワーク保持部材1が、ガイドレール13に付設される駆動チェーン14に支持手段となるギア7を介して支持され、当該駆動チェーン14の駆動により当該ガイドレール13に沿って電解めっき処理槽11内を搬送される。このときに当該ギア7は、一方向にのみ回転するワンウェイクラッチ方式のもの等を採用することで、複数のワーク保持部材1を略等間隔で搬送させることができ、品質の安定化を図ることが出来る。なお、本実施の形態の電解処理装置10は、電解めっき処理槽11のワークW搬送方向上流側に、当該ワークWの表面を前処理する複数の工程(ワークWの表面の脱脂処理、湯洗処理、水洗処理、酸洗浄等)を行うための処理槽を備える。
本実施の形態の給電監視システムの動作では、図5に示す如く、ガイドレール13に沿って電解処理装置10内を搬送されるワーク保持部材1を、電解めっき処理槽11の真上に差し掛かった所で下降させて液中搬送用のガイドレール13aに移し替え、ワークWをめっき処理溶液50中に浸漬させた状態で再び搬送する。また、当該ワークWをめっき処理溶液50中から取り出す場合には、電解めっき処理槽11の端部付近に差し掛かった所で当該ワーク保持部材1を電解めっき処理槽11の真上に上昇させて再度ガイドレール13に移し替える
電解めっき処理槽11内に貯留されためっき処理溶液50中にワークWが浸漬されると、当該ワークWは、当該電解めっき処理槽11内に対向配置された陽極電極12,12との間のワーク搬送経路15を移動する。このときに、当該対向配置された陽極電極12,12と、陰極となるワークWとの間に給電が行われることによって、電解めっき処理槽11内のめっき処理溶液50が電気分解され、ワークWの被処理面WSにめっき処理層が形成される。ここで、当該ワークWを保持するワーク保持部材1のアーム4が、ガイドレール13に付設された給電レールと接触することにより、アーム4と、給電バー5と、把持部材6とを通る給電経路を介して陰極が電気的に接続され、ワークWに定電圧が印加される。そして、当該ワークWの各陽極電極12と対峙する面が被処理面WSとなる。
ここで、本実施の形態の給電監視システムでは、ワークWをめっき処理溶液50中に浸漬させている間にワークWへの給電量の良否判定を行う電流センサ装置2を構成に備える。当該電流センサ装置2は、ワーク保持部材1の給電経路に流れる電流値を取得する電流値取得部20と、当該電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を無線送信する通信部22と、当該電流値取得部20及び当該通信部22の動作を制御する制御部21と、当該電流値取得部20と当該通信部22と当該制御部21との少なくともいずれかに給電する給電部23とを構成に備える。当該電流センサ装置2によれば、膜厚計等を用いなくともワークWの被処理面WSにおける電解処理層の平均厚さについて確認することが可能となる。また、当該電流センサ装置2は、電流値取得部20がワーク保持部材1の給電経路にシャント抵抗3を接続し当該シャント抵抗3両端の電圧値を検出し、当該電圧値と当該シャント抵抗3の抵抗値に基づいて当該給電経路に流れる電流値を算出する算出部を備えることで、ワークWへの給電量の良否判定を正確且つ安定的に行うことが出来る。当該シャント抵抗3は、ワーク保持部材1の給電経路に流れる電流の大きさに適合した条件のものが選定される。
ところで、本実施の形態の給電監視システムでは、当該電流センサ装置2への給電は、当該電流センサ装置2に備わる給電部23を電池としたり、駆動チェーン14に給電経路を形成して外部からも給電が行えるようにすることが出来る。なお、当該電池を充電池とし、当該駆動チェーン14から当該充電池に対して充電を行うようにすることも可能である。本実施の形態の給電監視システムは、このような構成とすることで、当該電池の長寿命化を図ることができ、当該ワーク保持部材1のメンテナンス性を向上させることが可能となる。また、複数のワーク保持部材1のそれぞれに電流センサ装置2を設置して、これら複数のワーク保持部材1に保持される全てのワークWに対する処理不良の監視を長期間に亘り安定的に行うことが出来る。
また、本実施の形態の給電監視システムでは、当該通信部22からの情報を伝達するための制御装置40を外部に備えることができ、当該制御装置40の出力側に警報手段(不図示)を備える。従って、本実施の形態の給電監視システムでは、電流センサ装置2が、ワークWへの給電量の異常を検知した場合にブザーを鳴らす等の警報動作を行い、作業者の監視負担を軽減させることが出来る。なお、当該給電監視システムでは、警報動作を行う際に、ワークWの搬送を停止すると共に、外部電源(不図示)からの給電を停止する緊急停止動作を行うことも可能である。また、当該給電監視システムでは、例えば、給電量の異常が検知されたワーク保持部材1を、ロボットにより選り分けるようにすることも出来る。
そして、本実施の形態の給電監視システムでは、電流センサ装置2が、ワーク保持部材1を電解処理する前のワーク搬送経路15付近に第1近接スイッチ30aを配置して当該電流値取得部20への給電を開始させ、当該ワーク保持部材1を電解処理した後のワーク搬送経路15付近に第2近接スイッチ30bを配置して電流値取得部20への給電を終了するよう、開閉スイッチ24を備える。本実施の形態の電解処理装置10の給電監視システムは、このような構成を採用することで、消費電力の削減を図ることができ、製造コストを低下させることが出来る。また、このときに、制御部21が通信部22の動作を制御して、電流値に関する情報の無線通信を止めることで、当該電解処理装置10の給電監視システム全体の通信量を減らして混信を抑制することが出来る。
なお、図5には、当該第1近接スイッチ30aが当該ワーク保持部材1を液中搬送用のガイドレール13aに移し替える直前のワーク搬送経路15付近に配置され、当該第2近接スイッチ30bが当該ワーク保持部材1を再びガイドレール13に移し替えた直後のワーク搬送経路15付近に配置されているのが示されている。しかし、これら第1近接スイッチ30a及び第2近接スイッチ30bの配置位置は、図5に示す位置に限定されるものではない。例えば、当該第1近接スイッチ30aを当該ワーク保持部材1を液中搬送用のガイドレール13aに移し替えた直後のワーク搬送経路15付近に配置し、当該第2近接スイッチ30bを当該ワーク保持部材1を再びガイドレール13に移し替える直前のワーク搬送経路15付近に配置することが出来る。
以上に本実施の形態の給電監視システムの動作について説明したが、本件発明では、複数あるワーク保持部材1それぞれに電流センサ装置2が備えられることで、各ワーク保持部材1への給電量を一元管理し、当該給電量に異常が生じているワーク保持部材1を迅速に作業者に報知させることが出来る。
以上、本件発明に係るワーク保持部材1、そのワーク保持部材1を備えた電解処理装置10の給電監視システム、及び、そのワーク保持部材1を備えた電解処理装置10について説明したが、本件発明によれば電解処理不良が発生するワークWを即時に検知することが出来る。従って、本件発明によれば、ワーク保持部材1の導通不良により発生するワークWにおける局所的な電解処理層の厚み不足の発生を未然に回避し、ワークWの被処理面WS全体を均一に電解処理することが出来る。また、本件発明によれば、電解処理不良が発生したワークWを特定し迅速に対応することが出来るため、品質管理が容易となる。
なお、以上では、本件発明の電解処理装置10は、めっき装置として用いることのみ説明したが、これに限定されない。例えば、本件発明の電解処理装置10は、エッチング処理装置としても用いることが出来る。また、以上では、本実施の形態の電解処理装置10は、連続式のもののみ説明したが、本件発明に係る電解処理装置10は、これに限定されず、例えばバッチ式や水平搬送式のものを用いることも出来る。
本件発明は、ワーク保持部材1の導通不良により発生する局所的なめっき厚不足の発生を未然に回避する。従って、本件発明によれば、あらゆる電解処理製品の品質の安定化及び低価格化を図ることが可能となる。
W ワーク(カソード)
WS 被処理面
1 ワーク保持部材
2 電流センサ装置
3 シャント抵抗
4 アーム
5 給電バー
6 把持部材
7 ギア(支持手段)
10 電解処理装置
11 電解処理槽(電解めっき処理槽)
12 陽極電極(アノード)
13 ガイドレール
13a ガイドレール(電解処理溶液中搬送用)
14 駆動チェーン(給電経路)
15 ワーク搬送経路
20 電流値取得部
21 制御部
22 通信部
23 給電部
24 開閉スイッチ
30 近接スイッチ
30a 第1近接スイッチ
30b 第2近接スイッチ
40 制御装置(給電監視システム側)
50 電解処理溶液(めっき処理溶液)
本件発明は、ワーク保持部材を備えた電解処理装置に関する。
従来より、電子部品の表面に電解めっき等の電解処理を施す場合、バッチ式や連続式等の電解処理装置が用いられている。ここで、電解処理を施した電子部品等のワークを大量生産する場合には、一般的に連続式の電解処理装置が用いられる。この連続式の電解処理装置において、矩形板状のワークを処理する場合、当該ワークの上端部をクランプ等の把持部材が設けられたワーク保持部材によって保持し、電解処理槽内の電解処理溶液中に当該ワークを浸漬し、当該ワーク保持部材を搬送軌道に沿って移動させながら当該ワークに電流を流すことにより、連続的な電解処理が行なわれる。
例えば、この種の電解処理装置として、特許文献1に示す表面処理装置が挙げられる。当該特許文献1の表面処理装置は、搬送方向に延設されたガイドレールに支持された治具を介して当該治具に保持されたワークを搬送可能な搬送手段と、搬送中のワークに当該治具を介して給電する給電手段とを有し、表面処理槽内でワークを連続搬送且つ給電しつつワークに表面処理を施すものであって、当該治具を当該ガイドレールに転がり係合機構を介して支持させると共に、当該給電手段が搬送方向に延設された給電レールと当該治具側に装着され且つ給電レールと摺接して集電可能な集電子とを含んで形成されたものである。
特開2003−13296号公報
上述したように、特許文献1の表面処理装置では、ガイドレールに支持された治具(ワーク保持部材)にワークを取り付け、表面処理槽内でワークを連続搬送し、且つ、当該治具を介してワークに給電してワークの表面処理を行っている。ワークを保持する治具は、直接めっき浴に浸漬されていない部分であっても、めっき浴から発生した蒸気等により酸化され、腐食が発生してしまう。また、酸化により膨張した治具は、当該治具を構成するねじ等の固定手段の緩みの原因となる。ワークへの給電経路を構成する当該治具に固定手段の緩んだ箇所や腐食箇所が存在すると、当該箇所において導通不良を生じ、当該ワークの被処理面において形成されるめっき層が局所的に薄くなる等の不都合が生じてしまう。
しかし、特許文献1は、個々のワークに所定の電流が確実に流れたことを確認するものではない。抵抗値が他よりも高いワーク保持部材は、設定した電流値を確保することが出来なくなることから、当該ワーク保持部材により保持されたワークに形成されるめっき層の厚みが不均一となり、当該ワークの被処理面全体を均一にめっき処理することが出来ないという問題がある。
上述した従来の問題に鑑み、市場からは、安定した電解処理が可能となるよう、ワークを保持し且つワークへの給電経路を構成するワーク保持部材における給電状態を容易に監視することが望まれていた。
そこで、本件発明は、ワークを保持し且つワークへの給電経路を構成するワーク保持部材における給電状態を容易に監視することの出来るワーク保持部材を備えた電解処理装置を提供することを目的とする。
本件発明に係る電解処理装置は、電解処理溶液中にワークを浸漬した状態で保持し、且つ、当該ワークに給電し、当該ワークへの給電量を監視する電流センサ装置を備えるワーク保持部材を備えた電解処理装置であって、当該ワーク保持部材をガイドレールに沿って垂直搬送駆動させると共に、当該電流センサ装置に対する給電を外部から行う給電経路を有する駆動チェーンを備えたことを特徴とする。
本件発明に係る電解処理装置は、ワークを保持し且つワークへの給電経路を構成するワーク保持部材における給電状態を容易に監視することが出来る。従って、本件発明によれば、ワークに対する電解処理に不具合が生じた場合に、迅速に対応することができ、安定した電解処理を行うことが可能となる。
本件発明の一実施形態に係る電解処理装置の概略構成図である。 本件発明の一実施形態に係るワーク保持部材の正面図である。 本件発明の一実施形態に係るワーク保持部材の側面図である。 本件発明の一実施形態に係る電流センサ装置の構成を例示する制御ブロック図である。 本件発明の一実施形態に係る給電監視システムの動作を説明する概略図である。
以下、図を用いながら、本件発明に係るワーク保持部材を複数備えた電解処理装置の給電監視システムについて説明する。本実施の形態における複数のワーク保持部材は、それぞれ個別に電流センサ装置を備えている。本件発明の給電監視システムは、このような構成において、各電流センサ装置が当該給電監視システムを構成する主制御装置と通信することにより、各ワーク保持部材に保持されたワークの電解処理の良不良を監視することができ、当該ワークのトレーサビリティを確保することが出来る。以下、当該電解処理装置について説明した後、給電監視システムについて説明する。
<電解処理装置>
本件発明に係る電解処理装置10は、後述するワーク保持部材1を構成に備え、当該ワーク保持部材1をガイドレール13に沿って垂直搬送駆動させるものである。
本実施の形態の電解処理装置10は、電解処理溶液(めっき処理溶液)50を貯留した電解処理槽11内にワークWを浸漬した状態で、当該ワークW(カソード)と陽極電極12(アノード)との間に給電し、当該ワークWの被処理面WSを電解処理(めっき処理)する装置である。当該電解処理装置10は、電解処理溶液50中に複数のワーク保持部材1によって複数のワークWを浸漬させた状態で、これらワークWの搬送を行うと共に各ワークWに対して給電を行う、所謂連続式の電解処理装置10である。本実施の形態の電解処理装置10は、電解処理溶液50を貯留する電解処理槽11と、当該電解処理溶液50中に浸漬して陽極面を構成する一対の陽極電極12,12と、ワークWを保持して搬送を行うワーク保持部材1に対して給電を行うガイドレール13とを構成に備える。以下に、これら構成要素毎に説明する。
電解処理槽: 本実施の形態の電解処理槽11は、その上面に開口が設けられ、ワークWを連続的に電解処理可能なように、当該ワークWが搬送される方向に沿って構成されている。当該電解処理槽11内に貯留される電解処理溶液50は、ワークWの被処理面WSに所望の電解処理層を形成するために適した成分を適宜選択して用いることが出来る。
陽極電極: 本実施の形態の陽極電極12,12には、外部電源(不図示)の陽極が電気的に接続され、電解処理槽11の長手方向に沿って所定間隔をおいて対向配置される。このときに、当該陽極電極12,12の間には、ワーク搬送経路15が構成される。各陽極電極12は、通常、矩形板状を成したステンレス、白金、カーボン等の不溶性材料にて構成される。ただし、本実施の形態において、各陽極電極12を構成する材料は、不溶性電極として通常用いられているものであればよく、これらの材料に限定されない。
ガイドレール: 本実施の形態のガイドレール13は、上述したワーク搬送経路15に沿って配置される。ここで、当該ガイドレール13は、外部電源(不図示)の陰極が電気的に接続された給電レール(不図示)を付設することが出来る。この場合、ワーク保持部材1は、当該給電レールと接触可能な被給電部(不図示)を設けることで、搬送中の複数のワークWに対して印加する電流を常に一定とすることが出来る。
また、本実施の形態の電解処理装置10に備わるガイドレール13には、ワーク保持部材1を当該ガイドレール13に沿って一定の速度で移動させるための駆動チェーン14が付設される。本実施の形態の電解処理装置10は、当該ワーク保持部材1が当該駆動チェーン14に支持可能な構造(支持手段)を備えることで、当該駆動チェーン14の駆動に伴い、ワークWを搬送方向に沿って移動させることが出来る。
本実施の形態の電解処理装置10において、上述した駆動チェーン14には、後述する電流センサ装置2に対する給電を外部から行うための給電経路が設けられる。本実施の形態の電解処理装置10は、当該駆動チェーン14に設けられる給電経路に流れる電流を、例えば上述した支持手段を介して当該電流センサ装置2に給電させる構造とすることで、当該電流センサ装置2への給電を支障なく行うことが出来る。
以上に本実施の形態の電解処理装置10について説明したが、当該電解処理装置10は、後述する技術的特徴を備えたワーク保持部材1を複数備えることで、複数のワークWへの給電を確実に行うことができ、また、複数のワークWにおける電解処理不良の発生を早期に検出することが出来る。以下、本件発明に係る電解処理装置10が備えるワーク保持部材1について説明する。
<ワーク保持部材>
本件発明に係るワーク保持部材1は、電解処理溶液50中にワークWを浸漬した状態で保持し、且つ、当該ワークWに給電するものである。本実施の形態では、ワークWとして、矩形板状形状を呈したものを用いる。しかし、本件発明において用いられるワークWは、矩形板状形状を呈したものに限定されるものではない。当該ワークWは、ワーク保持部材1によって保持された状態で、当該ワーク保持部材1を介して給電がされるものであれば、如何なる形状であってもよい。
本件発明に係るワーク保持部材1は、当該ワークWへの給電量を監視する後述の電流センサ装置2を備えたものである。
本実施の形態のワーク保持部材1は、当該電流センサ装置2の他に、当該ワーク保持部材1を上述したガイドレール13に沿って垂直搬送駆動させるために上述した駆動チェーン14に支持するアーム4と、当該アーム4に固定されて当該ワークWの被処理面WS内を略均一に給電するための給電バー5と、当該給電バー5に固定されて当該ワークWを着脱自在に挟持する複数の把持部材(クランプ)6とを構成に備える。そして、ワークWの被処理面WSに電解処理層を形成するため、当該ワークWを電解処理溶液50内に浸漬した状態で保持する。以下に、これら構成要素について説明する。
アーム: 本実施の形態のアーム4は、上述したガイドレール13に沿ってワーク保持部材1を垂直搬送駆動させるために、当該ガイドレール13に付設されて当該ワーク保持部材1を搬送駆動する駆動チェーン14と噛み合い可能な支持手段が設けられる。当該支持手段としては、例えば当該駆動チェーン14と噛み合い可能なギア7等を設ける構造を採用することが出来る。当該支持手段としてギア7を用いる場合は、ワンウェイクラッチ方式のギア7を用いることにより、ワーク保持部材1の搬送を安定させることができ、好ましい。
給電バー: 本実施の形態の給電バー5は、断面形状が一定で且つ長手方向に直線状に延びて形成されたものである。当該給電バー5は、電解処理槽11の長手方向に沿って配置される。当該給電バー5は、例えば、ねじ等の固定手段を用いて上述したアーム4に固定される。
把持部材: 本実施の形態の把持部材6は、ワークWを着脱自在に挟持するために、上述した給電バー5の長手方向に沿って複数設けられる。当該把持部材6は、当該ワークWを着脱可能であればよく、構造に関して特に問わない。当該把持部材6は、例えば、ねじ等の固定手段を用いて当該給電バー5に固定される。
上述した、アーム4、給電バー5、及び把持部材6は、いずれも上述したガイドレール13からワークWへ至る給電経路を構成する。よって、これらアーム4、給電バー5、及び把持部材6は、通常、導電性材料にて構成される。
電流センサ装置: 本実施の形態の電流センサ装置2は、ワークWへの給電量を監視するために、ワーク保持部材1に備えられる。本実施の形態の電流センサ装置2は、複数あるワーク保持部材1の各々に備えられることで(図4に示す電流センサ装置2A、2B、2C〜2nを参照のこと)、各ワーク保持部材1に保持されるワークWへの給電量を逐次監視することが出来る。ここで、当該電流センサ装置2は、当該ワーク保持部材1により保持されるワークWへの給電量を把握可能なものであればよく、構造等に関しては特に限定されない。
本件発明に係るワーク保持部材1は、上述した電流センサ装置2が、上述した給電経路に流れる電流値を取得する電流値取得部20と、当該電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を無線送信する通信部22と、当該電流値取得部20及び当該通信部22の動作を制御する制御部21と、当該電流値取得部20と当該通信部22と当該制御部21との少なくともいずれかに給電する給電部23とを構成に備えたことが好ましい(図4を参照のこと。)。以下に、これら構成について説明する。
本件発明の電流値取得部20は、上述したワーク保持部材1に備わる給電経路に流れる電流値を取得するために備えられるものである。ここで、電流値取得部20は、当該電流値を取得するに際し、当該給電経路にシャント抵抗3を接続し当該シャント抵抗3から出力された電圧値を検出する電圧検出部(不図示)と、当該電圧検出部が検出した電圧値と当該シャント抵抗3の抵抗値に基づいて当該給電経路に流れる電流値を算出する算出部(不図示)を備えることが出来る。本件発明の電流値取得部20は、シャント抵抗3を備えることで、当該給電経路に大電流が流れたとしてもワークWへの給電量の良否を正確に判定することが出来る。なお、シャント抵抗3に関しては、周知のものであるため、ここでの詳細な説明は省く。以上に、本件発明の電流値取得部20にシャント抵抗3を用いたものを示したが、本件発明の電流値取得部20は、当該給電経路に流れる電流値を取得するために当該シャント抵抗3ではなく従来周知の電流センサを用いることも出来る。
本件発明の通信部22は、上述した電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を、例えばPCやスマートフォン等の給電監視システム側制御装置40に対して無線送信するものである。ここで、当該制御装置40に伝送された電流値に関する情報は、作業者が当該制御装置40に備わるディスプレイ(不図示)等で即時に確認することができ、電解処理に問題が生じた場合に迅速に対応することが出来る。例えば、通信部22は、無線通信方式として従来公知の近距離無線方式を適宜採用することが出来る。
本件発明の制御部21は、CPUやRAM等を有する汎用のマイクロコンピュータにより構成されている。当該制御部21は、その入力側に上述した電流値取得部20が接続され、その出力側に上述した通信部22が接続され、これら電流値取得部20及び通信部22の動作を制御する。当該制御部21は、当該電流値取得部20から取得した電流値に関わる情報を通信部22に伝送する。
また、制御部21は、電流値取得部20が上述したように電圧検出部と算出部からなる場合に、当該算出部を兼ねたものとすることが出来る。この場合、制御部21は、当該電圧検出部で検出された電圧値に基づき演算処理を行い、電流値を算出する。例えば、電流値取得部20がワーク保持部材1における給電経路にシャント抵抗3を接続した場合、制御部21は、電流値取得部20が取得した情報(シャント抵抗3両端の電圧値)と当該シャント抵抗3自体の抵抗値を用いて演算処理を行い、当該給電経路に流れる電流値を算出する。
更に、制御部21は、電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を予め記録された基準情報と比較して、各ワークWに施される電解処理に対して問題の有無を判定し、その結果を通信部22に伝達することも出来る。
本件発明の給電部23は、上述した電流値取得部20、通信部22、及び/又は制御部21に給電を行い、これらを動作可能にすることが出来る。当該給電部23は、これら電流値取得部20、通信部22、及び/又は制御部21に給電を行うことが可能であればよく、構造等に関しては特に限定されない。
ここで、本件発明の給電部23は、電池からなることが好ましい。当該給電部23が電池であることで、電流センサ装置2は、小型化が図られると共に汎用性に優れたものとなる。そのため、連続式の電解処理装置10において、従来では構造上困難とされていた、全てのワーク保持部材1について給電量の異常の有無の監視を行うことが可能となる。また、本件発明の給電部23は、電池であることで、電流センサ装置2をメンテナンス性に優れたものとすることが出来る。
以上に、本件発明の電流センサ装置2に関する基本構成について説明したが、当該電流センサ装置2は、上述したワーク保持部材1を電解処理する工程の前段に設けられる第1近接スイッチ30aにより上述した電流値取得部20への通電を開始し、当該ワーク保持部材1を電解処理する工程の後段に設けられる第2近接スイッチ30bにより当該電流値取得部20への通電を停止する開閉スイッチ24を更に備えることが好ましい。本件発明の電流センサ装置2は、ワークWを電解処理する工程の前段と後段とで近接スイッチ30を用いて電流値取得部20への導通状態を切り替える開閉スイッチ24を備えることで、消費電力を軽減させることが可能となる。なお、当該近接スイッチ30に関しては、以下で説明する。
<給電監視システム>
次に、本件発明に係る電解処理装置10の給電監視システムについて説明する。本件発明の給電監視システムは、上述したワーク保持部材1を構成に備える電解処理装置10の給電監視システムである。そして、本件発明の給電監視システムは、上述した電流センサ装置2を用いて当該ワーク保持部材1への給電量を監視し、取得した給電量が異常値であるときに、当該ワーク保持部材1への給電不良を検出するものである。
本件発明の給電監視システムは、上述したワーク保持部材1を構成に備えることで、電解処理を行うワークWへの給電量の異常を即時に検知することが出来る。具体的には、本件発明の給電監視システムは、上述した電流センサ装置2により取得された電流値が予め設定した閾値範囲外である場合にワークWへの給電不良を検知する。従って、本件発明の給電監視システムによれば、例え使用されるワーク保持部材1の数が多くなろうとも、全てのワーク保持部材1への給電量を監視することが出来る。また、この場合に、全てのワーク保持部材1への給電量をリアルタイムで監視することも可能である。
また、本件発明の給電監視システムは、上述したワーク保持部材1への給電不良を検知した場合、警報動作を実行することが好ましい。本件発明の給電監視システムは、ワーク保持部材1への給電量の異常を検知した場合に警報動作を実行する警報手段(不図示)を備えることで、作業者の監視負担を軽減させることが出来る。本件発明の給電監視システムは、例えば、上述した給電監視システム側制御装置の出力側に、異常発生を表示する警報手段としての要素を兼ね備えた表示装置を接続したり、警報手段としてのブザー等を接続することが出来る。
そして、本件発明の給電監視システムは、上述したように、電流センサ装置2が開閉スイッチ24を備えた場合に、当該開閉スイッチ24の導通状態を切り替える近接スイッチ30を備えることが出来る。ここでいう近接スイッチ30とは、可動部による機械的接触なしに動作する位置検出スイッチのことである。当該近接スイッチ30には、検出領域内発生する磁界の変化を検知して作動する誘導形近接スイッチや、磁気検出素子と磁石の組み合わせにより検出体が接近したときの磁束変化を検知して作動する磁気形近接スイッチ等が挙げられる。これら近接スイッチは、周知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
以上に本件発明の給電監視システムについて説明したが、上述した構成による本実施の形態の給電監視システムの動作について以下に説明する。以下では、一般的な連続式の電解処理装置を用いて行う電解めっき処理の流れを例に挙げ、本件発明の効果を過不足なく述べる。
本実施の形態のワークWは、矩形板状形状を呈したものである。まず、当該ワークWが、ワーク保持部材1の把持部材6に取り付けられ、当該ワーク保持部材1に吊下される。ここで、当該把持部材6は、給電バー5の両端部に少なくとも1つずつ備わることで、当該ワーク保持部材1が当該ワークWを安定的に保持することが出来る。本実施の形態の給電監視システムでは、連続式の電解処理装置10を用いる。そのため、複数のワーク保持部材1のそれぞれにめっき処理を行うワークWが保持される。
そして、ワークWを保持したワーク保持部材1は、アーム4を介してガイドレール13に支持される。本実施の形態の給電監視システムの動作では、当該ワーク保持部材1が、ガイドレール13に付設される駆動チェーン14に支持手段となるギア7を介して支持され、当該駆動チェーン14の駆動により当該ガイドレール13に沿って電解めっき処理槽11内を搬送される。このときに当該ギア7は、一方向にのみ回転するワンウェイクラッチ方式のもの等を採用することで、複数のワーク保持部材1を略等間隔で搬送させることができ、品質の安定化を図ることが出来る。なお、本実施の形態の電解処理装置10は、電解めっき処理槽11のワークW搬送方向上流側に、当該ワークWの表面を前処理する複数の工程(ワークWの表面の脱脂処理、湯洗処理、水洗処理、酸洗浄等)を行うための処理槽を備える。
本実施の形態の給電監視システムの動作では、図5に示す如く、ガイドレール13に沿って電解処理装置10内を搬送されるワーク保持部材1を、電解めっき処理槽11の真上に差し掛かった所で下降させて液中搬送用のガイドレール13aに移し替え、ワークWをめっき処理溶液50中に浸漬させた状態で再び搬送する。また、当該ワークWをめっき処理溶液50中から取り出す場合には、電解めっき処理槽11の端部付近に差し掛かった所で当該ワーク保持部材1を電解めっき処理槽11の真上に上昇させて再度ガイドレール13に移し替える
電解めっき処理槽11内に貯留されためっき処理溶液50中にワークWが浸漬されると、当該ワークWは、当該電解めっき処理槽11内に対向配置された陽極電極12,12との間のワーク搬送経路15を移動する。このときに、当該対向配置された陽極電極12,12と、陰極となるワークWとの間に給電が行われることによって、電解めっき処理槽11内のめっき処理溶液50が電気分解され、ワークWの被処理面WSにめっき処理層が形成される。ここで、当該ワークWを保持するワーク保持部材1のアーム4が、ガイドレール13に付設された給電レールと接触することにより、アーム4と、給電バー5と、把持部材6とを通る給電経路を介して陰極が電気的に接続され、ワークWに定電圧が印加される。そして、当該ワークWの各陽極電極12と対峙する面が被処理面WSとなる。
ここで、本実施の形態の給電監視システムでは、ワークWをめっき処理溶液50中に浸漬させている間にワークWへの給電量の良否判定を行う電流センサ装置2を構成に備える。当該電流センサ装置2は、ワーク保持部材1の給電経路に流れる電流値を取得する電流値取得部20と、当該電流値取得部20が取得した電流値に関する情報を無線送信する通信部22と、当該電流値取得部20及び当該通信部22の動作を制御する制御部21と、当該電流値取得部20と当該通信部22と当該制御部21との少なくともいずれかに給電する給電部23とを構成に備える。当該電流センサ装置2によれば、膜厚計等を用いなくともワークWの被処理面WSにおける電解処理層の平均厚さについて確認することが可能となる。また、当該電流センサ装置2は、電流値取得部20がワーク保持部材1の給電経路にシャント抵抗3を接続し当該シャント抵抗3両端の電圧値を検出し、当該電圧値と当該シャント抵抗3の抵抗値に基づいて当該給電経路に流れる電流値を算出する算出部を備えることで、ワークWへの給電量の良否判定を正確且つ安定的に行うことが出来る。当該シャント抵抗3は、ワーク保持部材1の給電経路に流れる電流の大きさに適合した条件のものが選定される。
ところで、本実施の形態の給電監視システムでは、当該電流センサ装置2への給電は、駆動チェーン14に給電経路を形成して外部からも給電が行えるようにすると共に、当該電流センサ装置2に備わる給電部23を電池とすることが出来る。なお、当該電池を充電池とし、当該駆動チェーン14から当該充電池に対して充電を行うようにすることも可能である。本実施の形態の給電監視システムは、このような構成とすることで、当該電池の長寿命化を図ることができ、当該ワーク保持部材1のメンテナンス性を向上させることが可能となる。また、複数のワーク保持部材1のそれぞれに電流センサ装置2を設置して、これら複数のワーク保持部材1に保持される全てのワークWに対する処理不良の監視を長期間に亘り安定的に行うことが出来る。
また、本実施の形態の給電監視システムでは、当該通信部22からの情報を伝達するための制御装置40を外部に備えることができ、当該制御装置40の出力側に警報手段(不図示)を備える。従って、本実施の形態の給電監視システムでは、電流センサ装置2が、ワークWへの給電量の異常を検知した場合にブザーを鳴らす等の警報動作を行い、作業者の監視負担を軽減させることが出来る。なお、当該給電監視システムでは、警報動作を行う際に、ワークWの搬送を停止すると共に、外部電源(不図示)からの給電を停止する緊急停止動作を行うことも可能である。また、当該給電監視システムでは、例えば、給電量の異常が検知されたワーク保持部材1を、ロボットにより選り分けるようにすることも出来る。
そして、本実施の形態の給電監視システムでは、電流センサ装置2が、ワーク保持部材1を電解処理する前のワーク搬送経路15付近に第1近接スイッチ30aを配置して当該電流値取得部20への給電を開始させ、当該ワーク保持部材1を電解処理した後のワーク搬送経路15付近に第2近接スイッチ30bを配置して電流値取得部20への給電を終了するよう、開閉スイッチ24を備える。本実施の形態の電解処理装置10の給電監視システムは、このような構成を採用することで、消費電力の削減を図ることができ、製造コストを低下させることが出来る。また、このときに、制御部21が通信部22の動作を制御して、電流値に関する情報の無線通信を止めることで、当該電解処理装置10の給電監視システム全体の通信量を減らして混信を抑制することが出来る。
なお、図5には、当該第1近接スイッチ30aが当該ワーク保持部材1を液中搬送用のガイドレール13aに移し替える直前のワーク搬送経路15付近に配置され、当該第2近接スイッチ30bが当該ワーク保持部材1を再びガイドレール13に移し替えた直後のワーク搬送経路15付近に配置されているのが示されている。しかし、これら第1近接スイッチ30a及び第2近接スイッチ30bの配置位置は、図5に示す位置に限定されるものではない。例えば、当該第1近接スイッチ30aを当該ワーク保持部材1を液中搬送用のガイドレール13aに移し替えた直後のワーク搬送経路15付近に配置し、当該第2近接スイッチ30bを当該ワーク保持部材1を再びガイドレール13に移し替える直前のワーク搬送経路15付近に配置することが出来る。
以上に本実施の形態の給電監視システムの動作について説明したが、本件発明では、複数あるワーク保持部材1それぞれに電流センサ装置2が備えられることで、各ワーク保持部材1への給電量を一元管理し、当該給電量に異常が生じているワーク保持部材1を迅速に作業者に報知させることが出来る。
以上、本件発明に係る電解処理装置10について説明したが、本件発明によれば電解処理不良が発生するワークWを即時に検知することが出来る。従って、本件発明によれば、ワーク保持部材1の導通不良により発生するワークWにおける局所的な電解処理層の厚み不足の発生を未然に回避し、ワークWの被処理面WS全体を均一に電解処理することが出来る。また、本件発明によれば、電解処理不良が発生したワークWを特定し迅速に対応することが出来るため、品質管理が容易となる。
なお、以上では、本件発明の電解処理装置10は、めっき装置として用いることのみ説明したが、これに限定されない。例えば、本件発明の電解処理装置10は、エッチング処理装置としても用いることが出来る。また、以上では、本実施の形態の電解処理装置10は、連続式のもののみ説明したが、本件発明に係る電解処理装置10は、これに限定されず、例えばバッチ式や水平搬送式のものを用いることも出来る。
本件発明は、ワーク保持部材1の導通不良により発生する局所的なめっき厚不足の発生を未然に回避する。従って、本件発明によれば、あらゆる電解処理製品の品質の安定化及び低価格化を図ることが可能となる。
W ワーク(カソード)
WS 被処理面
1 ワーク保持部材
2 電流センサ装置
3 シャント抵抗
4 アーム
5 給電バー
6 把持部材
7 ギア(支持手段)
10 電解処理装置
11 電解処理槽(電解めっき処理槽)
12 陽極電極(アノード)
13 ガイドレール
13a ガイドレール(電解処理溶液中搬送用)
14 駆動チェーン(給電経路)
15 ワーク搬送経路
20 電流値取得部
21 制御部
22 通信部
23 給電部
24 開閉スイッチ
30 近接スイッチ
30a 第1近接スイッチ
30b 第2近接スイッチ
40 制御装置(給電監視システム側)
50 電解処理溶液(めっき処理溶液)

Claims (10)

  1. 電解処理溶液中にワークを浸漬した状態で保持し、且つ、当該ワークに給電するワーク保持部材であって、
    当該ワークへの給電量を監視する電流センサ装置を備えたことを特徴とするワーク保持部材。
  2. 前記電流センサ装置は、前記ワークへの給電経路に流れる電流値を取得する電流値取得部を備えた請求項1に記載のワーク保持部材。
  3. 前記電流値取得部は、前記ワークへの給電経路にシャント抵抗を接続し当該シャント抵抗から出力された電圧値を検出する電圧検出部と、当該電圧検出部が検出した電圧値と当該シャント抵抗の抵抗値に基づいて当該給電経路に流れる電流値を算出する算出部とを備えた請求項2に記載のワーク保持部材。
  4. 前記電流センサ装置は、前記電流値取得部が取得した電流値に関する情報を無線送信する通信部と、当該電流値取得部及び当該通信部の動作を制御する制御部とを備えた請求項2又は請求項3に記載のワーク保持部材。
  5. 前記電流センサ装置は、前記電流値取得部、前記通信部、及び/又は前記制御部とに給電する給電部を備えた請求項2〜4のいずれかに記載のワーク保持部材。
  6. 前記電流センサ装置は、前記ワーク保持部材を電解処理する工程の前段に設けられる第1近接スイッチにより前記電流値取得部への通電を開始し、当該ワーク保持部材を電解処理する工程の後段に設けられる第2近接スイッチにより当該電流値取得部への通電を停止する開閉スイッチを更に備えた請求項2〜請求項5のいずれかに記載のワーク保持部材。
  7. 前記給電部は、電池からなる請求項5又は請求項6に記載のワーク保持部材。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のワーク保持部材を備えた電解処理装置の給電監視システムであって、
    前記電流センサ装置を用いて当該ワーク保持部材への給電量を監視し、検出した給電量が異常値であるとき、当該ワーク保持部材への給電不良を検出することを特徴とする電解処理装置の給電監視システム。
  9. 前記ワーク保持部材への給電不良を検出した場合、警報動作を実行する請求項8に記載の電解処理装置の給電監視システム。
  10. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のワーク保持部材を備えた電解処理装置であって、
    当該ワーク保持部材をガイドレールに沿って垂直搬送駆動させると共に、前記電流センサ装置に対する給電を外部から行う給電経路を有する駆動チェーンを備えたことを特徴とする電解処理装置。
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