JP2020012091A - 硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物及びその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】基材との高い密着性を備えつつ、耐加水分解性及び耐薬品性が良好である硬化物を与える硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】水酸基価が150mgKOH/g以上のポリカーボネート系ウレタン樹脂(A)、ガラス転移温度Tg(℃)が0〜90℃のアクリル樹脂(B)、ポリイソシアネート(C)、及び水を含む硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。
従来、プラスチック素材の塗装には、有機溶剤が使用された塗料(有機溶剤系塗料)が用いられてきた。しかし、この様な塗料では塗装時や塗料乾燥時に大気中に有機溶剤が放出されるため、大きな環境問題になっている。また、家や輸送車両(例えば、自動車、電車、飛行機等)は密閉された空間となり易いため、家の内装材や家電製品、輸送車両の内装材の塗装に有機溶剤系塗料が使用された場合は、経時的に放出される有機溶剤により健康が害される恐れもある。この様な背景から、近年では、有機溶剤の含有量が非常に少ないか、又は全く含まない塗料(水系塗料)への転換が図られてきている。
家や輸送車両の内装材や、家電製品には主にプラスチック素材が用いられているが、水系塗料はプラスチック素材表面をエッチングする有機溶剤を含有しておらず、有機溶剤系塗料と比較してプラスチック素材表面への付着性が低いという傾向があった。この問題を解決する方法として、特許文献1では特定の水酸基価を有するアクリル樹脂を含む塗料が提案されている。また、特許文献2では特定のポリオール樹脂を含む塗料が提案されている。さらに、特許文献3では特定のウレタン樹脂を含む塗料が提案されている。
特開2008−081650号公報 特開2009−221437号公報 特開2013−018805号公報
しかしながら、特許文献1〜3の塗料は耐加水分解性及び耐薬品性(特に、耐日焼け止め、耐虫除け)のいずれか又は両方が不十分であった。この様に、塗料として使用される組成物において、耐加水分解性と耐薬品性とを両立させることは非常に困難であった。このため、基材との密着性を備えつつ、耐加水分解性及び耐薬品性が良好な硬化物を与える組成物が強く求められている。
したがって、本発明の課題は、基材(特に、プラスチック基材)との高い密着性を備えつつ、耐加水分解性及び耐薬品性が良好である硬化物を与える硬化性樹脂組成物を提供することにある。また、基材との高い密着性を備えつつ、耐加水分解性及び耐薬品性が良好である硬化物を提供することにある。
本発明者は、特定のウレタン樹脂、特定のアクリル樹脂、及びポリイソシアネートを含む硬化性樹脂組成物を基材に塗布して硬化させた場合、基材と硬化物との密着性(初期密着性)が良好であり、さらに硬化物の耐加水分解性及び耐薬品性が良好であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明では、水酸基価が150mgKOH/g以上のポリカーボネート系ウレタン樹脂(A)、ガラス転移温度Tg(℃)が0〜90℃のアクリル樹脂(B)、ポリイソシアネート(C)、及び水を含む硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の組成物は、さらに無機フィラー(D)を含むことが好ましい。
本発明の組成物は、アクリル樹脂(B)がカルボニル基含有アクリル系単量体を構成単位として含み、さらにヒドラジド基を有する架橋剤を含むことが好ましい。
アクリル樹脂(B)の水酸基価は、60mgKOH/g以下であることが好ましい。
ポリイソシアネート(C)は、疎水性ポリイソシアネートであることが好ましい。
また、本発明では、前記組成物の硬化物についても提供する。
本発明の組成物は、基材(特に、プラスチック基材)との高い密着性を備えつつ、耐加水分解性及び耐薬品性が良好である硬化物を与える。すなわち、本発明の硬化物は、基材との高い密着性を備えつつ、耐加水分解性及び耐薬品性が良好である。
[硬化性樹脂組成物]
本発明は、水酸基価が150mgKOH/g以上のポリカーボネート系ウレタン樹脂(A)、ガラス転移温度Tg(℃)が0〜90℃のアクリル樹脂(B)、ポリイソシアネート(C)、及び水を含む硬化性樹脂組成物に関するものである。また、本発明の組成物は、前記の成分以外にも無機フィラー(D)、レベリング剤、界面活性剤、水以外の溶剤等の成分を含んでいてもよい。
(ウレタン樹脂(A))
本発明のウレタン樹脂(A)は、水酸基価が150mgKOH/g以上のポリカーボネート系ウレタン樹脂である。
ウレタン樹脂(A)の水酸基価は、150mgKOH/g以上であれば特に制限されないが、例えば、150〜300mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは155〜250mgKOH/g、さらに好ましくは160〜200mgKOH/g、特に好ましくは165〜190mgKOH/gである。ウレタン樹脂(A)の水酸基価が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性や耐薬品性が向上する傾向がある。この様な効果を発揮する理由は定かではないが、得られる硬化物の架橋密度に関係があると考えられる。すなわち、水酸基価が上記範囲内にあることにより、硬化物の架橋密度が適切な値をとるため、優れた耐加水分解性や耐薬品性を発揮すると考えられる。
ウレタン樹脂(A)は、ポリカーボネートポリオール(X)と、ポリイソシアネート(Y)とを反応して得られる樹脂である。なお、ウレタン樹脂(A)は、ポリカーボネートポリオール(X)及びポリイソシアネート(Y)以外の成分を含んでいてもよい。この様な成分としては、例えばポリカーボネートポリオール以外のポリオールが挙げられる。すなわち、ウレタン樹脂(A)は、ポリカーボネートポリオール(X)と、ポリイソシアネート(Y)と、ポリカーボネートポリオール以外のポリオールとを反応して得られる樹脂であってもよい。
ポリカーボネートポリオール(X)は、分子中に2個以上の水酸基を有するポリカーボネートであり、例えば、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ホスゲン等の炭酸誘導体と、ポリオールとの反応により得られる化合物(反応物)が挙げられる。ポリカーボネートポリオール(X)を形成するために用いられるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等の脂環式骨格を有しない脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、トリシクロデカンジメタノールビスフェノールA、水添ビスフェノールA等の脂環式骨格を有する脂肪族ジオール;グリセリン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリトリトール等のトリ又はテトラオール等を挙げることができる。
ポリイソシアネート(Y)は特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;トリフェニルメタントリイソシアネート等のトリイソシアネート;カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化合物等のジイソシアネートの三量体(ヌレート)等が用いられる。
ポリカーボネートポリオール以外のポリオールは特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂環式骨格を有しない脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環式骨格を有する脂肪族ジオール;グリセリン、トリメチロールエタン等のトリ又はテトラオール等を挙げることができる。
ウレタン樹脂(A)の使用形態は特に制限されず、樹脂単独で使用してもよいが、例えば、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用してもよい。また、硬化性樹脂組成物中におけるウレタン樹脂(A)の分散安定性の観点からは、エマルジョン又はディスパージョンの形態で使用されることが好ましい。
ウレタン樹脂(A)のエマルジョン又はディスパージョンとしては、例えば、ウレタン樹脂(A)が粒径0.01〜5μm程度の液滴となって、水中に10〜60重量%の濃度で乳化又は分散しているものが挙げられる。
ウレタン樹脂(A)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンには中和剤が含まれていてもよい。中和剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及びN,N−ジメチルエタノールアミンが挙げられる。
ウレタン樹脂(A)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンに含まれる不揮発分は特に限定されないが、例えば、10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。また、前記不揮発分におけるウレタン樹脂(A)の含有量は特に限定されないが、60重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましく、95重量%以上であることが特に好ましく、また、実質的に100重量%であってもよい。
ウレタン樹脂(A)は市販品を使用することもでき、例えば、商品名「DAOTAN TW 7000/40WA」(脂肪族ポリカーボネート系ポリウレタンディスパージョン、オルネクス社製)等が挙げられる。
ウレタン樹脂(A)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンに含まれる不揮発分は特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の不揮発分全量に対して15〜35重量%であることが好ましく、より好ましくは17〜31重量%、さらに好ましくは19〜28重量%である。不揮発分の含有量が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。
ウレタン樹脂(A)の含有量は特に限定されないが、例えば、硬化性樹脂組成物の不揮発分全量に対して15〜35重量%であることが好ましく、より好ましくは17〜31重量%、さらに好ましくは19〜28重量%である。ウレタン樹脂(A)の含有量が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。
(アクリル樹脂(B))
本発明のアクリル樹脂(B)は、ガラス転移温度Tg(℃)が0〜90℃のアクリル樹脂である。アクリル樹脂(B)のガラス転移温度Tg(℃)は0〜90℃であれば特に限定されないが、例えば、10〜80℃であることが好ましく、より好ましくは20〜75℃、さらに好ましくは25〜70℃、特に好ましくは30〜65℃、最も好ましくは35〜60℃である。アクリル樹脂(B)のガラス転移温度が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。
アクリル樹脂(B)の水酸基価は特に制限されないが、例えば、60mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは40mgKOH/g以下、特に好ましくは20mgKOH/g以下である。アクリル樹脂(B)の水酸基価が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性や耐薬品性が向上する傾向がある。この様な効果を発揮する理由は定かではないが、得られる硬化物の架橋密度に関係があると考えられる。すなわち、水酸基価が上記範囲内にあることにより、硬化物の架橋密度が適切な値をとるため、優れた耐加水分解性や耐薬品性を発揮すると考えられる。
アクリル樹脂(B)は、単量体成分としてアクリル系単量体を含む重合体(共重合体)であるが、単量体成分としてアクリル系単量体以外の単量体を含んでいてもよい。アクリル系単量体以外の単量体としては、例えば、スチレン系単量体、不飽和ニトリル化合物、オレフィン、共役ジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、不飽和酸無水物、ビニルエステル等が挙げられる。この中でも、アクリル樹脂(B)はスチレン系単量体を単量体成分として含むことが好ましい。すなわち、アクリル樹脂(B)は、アクリル系単量体及びスチレン系単量体を単量体成分として含む重合体(共重合体)であることが好ましい。
アクリル系単量体としては、公知乃至慣用のアクリル系単量体を使用することができ、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキブチル、モノ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、モノ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、モノ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコール等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;ダイアセトンアクリルアミドなどのカルボニル基含有アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ含有アクリル系単量体;γ−トリメトキシシラン(メタ)アクリレート、γ−トリエトキシシラン(メタ)アクリレート等のシリル基含有アクリル系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有アクリル系単量体;アクロレイン、メタクロレイン等のアルデヒド基含有アクリル系単量体等が挙げられる。なお、アクリル樹脂(B)の単量体成分としてアクリル系単量体は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリル(アクリル及びメタクリルのいずれか一方又は両方)を意味するものとし、その他の同様の表現についても同義である。
スチレン系単量体としては、公知乃至慣用の芳香族ビニル単量体(スチレン骨格を有する単量体)を使用でき、特に限定されないが、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、エチルスチレン、トリメチルスチレン、ペンタメチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン(例えば、3−t−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン等)等のアルキルスチレン;クロロスチレン(例えば、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等)、ジクロロスチレン(例えば、2,4−ジクロロスチレン、2,5−ジクロロスチレン等)、トリクロロスチレン、ブロモスチレン(例えば、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン等)、フルオロスチレン(例えば、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン等)、p−ヨードスチレン等のハロゲン化スチレン;メトキシスチレン、メトキシメチルスチレン、ジメトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニルフェニルアリルエーテル等のアルコキシスチレン;ヒドロキシスチレン、メトキシヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、p−(N,N−ジエチルアミノエチル)スチレン、p−(N,N−ジエチルアミノメチル)スチレン、ビニルナフタレン、〔(4−エテニルフェニル)メチル〕オキシラン、4−(グリシジルオキシ)スチレン等が挙げられる。なお、アクリル樹脂(B)の単量体成分としてスチレン系単量体は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、スチレン系単量体としては、スチレンが好ましい。
不飽和ニトリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、イソブテン等が挙げられる。共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン等が挙げられる。不飽和酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸等が挙げられる。ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等が挙げられる。
アクリル樹脂(B)が、アクリル系単量体及びスチレン系単量体を単量体成分として含む重合体(共重合体)である場合、アクリル樹脂(B)を構成する単量体の全量(100重量%)に対するアクリル系単量体の割合は特に限定されないが、5〜98重量%が好ましく、より好ましくは20〜95重量%であり、アクリル樹脂(B)を構成する単量体の全量(100重量%)に対するスチレン系単量体の割合は特に限定されないが、2〜95重量%が好ましく、より好ましくは5〜80重量%である。
アクリル樹脂(B)の使用形態は特に制限されず、樹脂単独で使用してもよいが、例えば、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用してもよい。また、硬化性樹脂組成物中におけるアクリル樹脂(B)の分散安定性の観点からは、エマルジョン又はディスパージョンの形態で使用されることが好ましい。
アクリル樹脂(B)のエマルジョン又はディスパージョンとしては、アクリル樹脂(B)が粒径0.01〜5μm程度の液滴となって、水中に10〜60重量%の濃度で乳化又は分散しているものが例示される。
アクリル樹脂(B)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンには中和剤や架橋剤が含まれていてもよい。
中和剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及びN,N−ジメチルエタノールアミンが挙げられる。
架橋剤としては、アクリル樹脂の有する官能基と反応して架橋を形成するものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂の有するカルボニル基と反応するヒドラジド基を有する架橋剤が挙げられる。ヒドラジド基を有する架橋剤としては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、シクロヘキサンジカルボン酸ビスヒドラジド、アゼライン酸ビスヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド等のヒドラジド基を分子内に2以上有する化合物が例示される。
アクリル樹脂(B)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンに含まれる不揮発分は特に限定されないが、例えば、10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。また、前記不揮発分におけるアクリル樹脂(B)の含有量は特に限定されないが、50重量%以上であることが好ましく、75重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。
アクリル樹脂(B)は、カルボニル−ヒドラジン架橋系のアクリル樹脂ディスパージョンの形態で使用されることが、耐加水分解性の向上の観点から好ましい。すなわち、アクリル樹脂(B)がカルボニル基含有アクリル系単量体を構成単位として含み、さらにヒドラジド基を有する架橋剤を含むディスパージョンであることが好ましい。より具体的には、アクリル樹脂(B)がカルボニル基含有アクリル系単量体を構成単位として含むアクリル樹脂であって、硬化性樹脂組成物がウレタン樹脂(A)、上記のアクリル樹脂(B)、ポリイソシアネート(C)、及び水以外に、ヒドラジド基を有する架橋剤を含むことが、耐加水分解性の向上の観点から好ましい。
アクリル樹脂(B)は市販品を使用することもでき、例えば、商品名「VIACRYL VSC 6286w/45WA」、「VIACRYL SC 6827w/46WA」(以上、オルネクス社製)等が挙げられる。
アクリル樹脂(B)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンに含まれる不揮発分は特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の不揮発分全量に対して25〜46重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜44重量%であり、さらに好ましくは32〜42重量%である。アクリル樹脂(B)の含有量が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。
アクリル樹脂(B)の含有量は、硬化性樹脂組成物の不揮発分全量に対して25〜46重量%であるが、好ましくは30〜44重量%であり、さらに好ましくは32〜42重量%である。アクリル樹脂(B)の含有量が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。
本発明の組成物における前記ウレタン樹脂(A)と前記アクリル樹脂(B)の重量比(ウレタン樹脂(A)/アクリル樹脂(B))は特に限定されないが、例えば、10/90〜90/10が好ましく、より好ましくは15/85〜80/20、さらに好ましくは20/80〜70/30、特に好ましくは25/75〜55/45、最も好ましくは30/70〜40/60である。前記ウレタン樹脂(A)と前記アクリル樹脂(B)の重量比が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性及び耐薬品性に優れる傾向がある。
ウレタン樹脂(A)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合の、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンに含まれる不揮発分(「不揮発分(A)」と称する)と、アクリル樹脂(B)が、溶液、エマルジョン、又はディスパージョンの形態で使用される場合の、前記の溶液、エマルジョン、及びディスパージョンに含まれる不揮発分(「不揮発分(B)」と称する)との重量比(不揮発分(A)/不揮発分(B))は特に限定されないが、例えば、10/90〜90/10が好ましく、より好ましくは15/85〜80/20、さらに好ましくは20/80〜70/30、特に好ましくは25/75〜55/45、最も好ましくは30/70〜40/60である。不揮発分(A)及び(B)の重量比が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性及び耐薬品性に優れる傾向がある。
(ポリイソシアネート(C))
本発明のポリイソシアネート(C)は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネート(C)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ポリイソシアネート(C)としては特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、水添化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート;トリフェニルメタントリイソシアネート等のトリイソシアネート;カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化合物や2,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化合物等のジイソシアネートの三量体(ヌレート)等が用いられる。
ポリイソシアネート(C)は、疎水性ポリイソシアネートと親水性ポリイソシアネートとに分類することができる。疎水性ポリイソシアネートは親水性基を有しないポリイソシアネートである。ポリイソシアネート(C)として疎水性ポリイソシアネートを使用した場合、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。親水性ポリイソシアネートは、親水性基を有するポリイソシアネートであり、親水基が導入されているため、ウレタン樹脂(A)及びアクリル樹脂(B)との相溶性が、疎水性ポリイソシアネートよりも良好である。このため、親水性ポリイソシアネートを含むことで、高外観の塗膜を得ることができる。
親水性ポリイソシアネートは市販品を使用することもでき、例えば、アクアネート100、アクアネート110、アクアネート200、及びアクアネート210(以上、東ソー社製);バイヒジュールTPLS−2032、SUB−イソシアネートL801、バイヒジュールVPLS−2319、バイヒジュール3100、VPLS−2336、及びVPLS−2150/1(以上、住化コベストロウレタン社製);タケネートWD−720、タケネートWD−725、タケネートWD−220(以上、三井化学社製);レザミンD−56(大日精化工業社製)等が挙げられる。
疎水性ポリイソシアネートは市販品を使用することもでき、例えば、デスモジュールN3300、デスモジュールN3400、デスモジュールN3600、デスモジュールVPLS2294(以上、住化コベストロウレタン社製)、タケネートD−170HN(三井化学社製)である。
ポリイソシアネート(C)の含有量は、硬化性樹脂組成物の不揮発分全量に対して3〜30重量%であるが、好ましくは5〜25重量%であり、さらに好ましくは8〜20重量%である。ポリイソシアネート(C)の含有量が上記範囲内にあることにより、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。
本発明の組成物におけるポリオール成分の水酸基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は特に限定されないが、例えば、0.5〜4.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.5、さらに好ましくは1.8〜3.2である。なお、ポリオール成分とは、組成物に含まれるポリオール(例えば、ウレタン樹脂(A))を指し、ポリイソシアネート成分とは、組成物に含まれるポリイソシアネート(例えば、ポリイソシアネート(C))を指す。
(無機フィラー(D))
本発明の組成物が無機フィラー(D)を含む場合、より優れた耐加水分解性や耐薬品性を有する硬化物が得られる傾向がある。無機フィラー(D)としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ(結晶性シリカ、非結晶性シリカ)、硫酸バリウム、ワラストナイト、カオリン、焼成カオリン、クレー、ゼオライト、セピオライト等を挙げることができるが、耐加水分解性や耐薬品性の向上の観点からシリカが好ましい。なお、無機フィラー(D)は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
シリカとしては、公知乃至慣用のシリカを使用することができる。シリカの形状は、特に限定されないが、例えば、球状、破砕状、繊維状、針状、鱗片状、ウィスカー状などが挙げられる。
シリカの平均粒子径は、特に限定されないが、0.01〜100μmが好ましく、より好ましくは0.1〜30μmである。平均粒子径が上記範囲内であることにより、硬化物の硬度(塗膜硬度)が良好となる傾向がある。なお、上記平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法で測定した粒度分布における積算値50%での粒径(「メジアン径」ともいう)により測定することができる。
なお、シリカは、公知乃至慣用の表面処理が施されたものであってもよい。上記表面処理としては、例えば、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等のカップリング剤による表面処理等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノ基含有シランカップリング剤等が挙げられる。なお、表面処理の方法は、公知乃至慣用の方法より適宜選択できる。
無機フィラー(D)は市販品を使用することもでき、例えば、シリカを含む市販品として、商品名「ACEMATT TS 100」、「ACEMATT OK412」、「ACEMATT 3300」(以上、エボニック社製)、商品名「ニップシール E−150」、「ニップシール E−200」、「ニップシール E−220」(以上、東ソー社製)等が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる不揮発分に対する無機フィラー(D)の含有量は特に限定されないが、例えば、0.5〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。無機フィラー(D)の含有量が上記範囲内であることにより、硬化物の硬度(塗膜硬度)、耐加水分解性、耐薬品性に優れる傾向がある。
(レベリング剤)
本発明の組成物はレベリング剤を含むことにより、硬化物の鉛筆硬度が向上する傾向がある。レベリング剤としては、公知乃至慣用のレベリング剤を使用することができるが、中でも、シリコーン系レベリング剤が好ましい。レベリング剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
シリコーン系レベリング剤としては特に限定されないが、ポリオルガノシロキサン骨格を有するレベリング剤等が挙げられる。ポリオルガノシロキサン骨格としては、シロキサン単位の繰り返し数(重合度)は、特に限定されないが、2〜3000が好ましく、より好ましくは3〜2000、さらに好ましくは5〜1000である。
レベリング剤は、各種の機能性を付与する観点から、加水分解縮合性基、エポキシ基と反応性を有する基、ラジカル重合性基、ポリエーテル基、ポリエステル基、ポリウレタン基等の機能性官能基を有していてもよい。また、シリコーン系レベリング剤がフルオロ脂肪族炭化水素基を有していてもよい。
ポリエーテル基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基等のポリオキシC2-4アルキレン基等が挙げられる。中でも、ポリオキシC2-3アルキレン基が好ましく、より好ましくはポリオキシエチレン基である。ポリエーテル基におけるオキシアルキレン基の繰り返し数(付加モル数)は、特に限定されないが、2〜1000が好ましく、より好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50である。
機能性官能基は、ポリオルガノシロキサン骨格に直接結合されていてもよいし、連結基(例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、又はこれらの2以上を組み合わせた基等)を介して導入されていてもよい。
シリコーン系レベリング剤は市販品を使用することもでき、例えば、商品名「ADDITOL VXW 6503 N」(オルネクス社製)等が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる不揮発分に対するレベリング剤の含有量は特に限定されないが、例えば、0.01〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.3〜5重量%である。レベリング剤の含有量が上記範囲内であることにより、硬化物の表面の平滑性が優れる傾向がある。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、公知乃至慣用の界面活性剤を使用することができ、特に限定されないが、周知のアニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。界面活性剤は、主に、本発明の組成物において、無機フィラー(D)を安定的に分散させる働きを有する。
界面活性剤は市販品を使用することもでき、例えば、商品名「ADDITOL XL 250」(オルネクス社製)等が挙げられる。
(溶剤)
本発明の組成物は、溶剤として水を含んでいることを特徴とする。また、水以外の溶剤として、例えば、有機溶剤を含んでいてもよい。ただし、安定な水分散体を得る観点から、組成物全量に対する有機溶剤の含有量は、例えば、25重量%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、キシレン、トルエン等が挙げられる。中でも、沸点と経済性の観点から、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン等が好ましい。有機溶剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
安定な水分散体を得る観点から、組成物全量に対する不揮発分の含有量は、例えば、10〜70重量%が好ましく、より好ましくは15〜60重量%である。70重量%を超えると水分散体が凝集する等の安定性が低下し、塗布作業時の乾燥が速くなりレベリング不足による仕上がり外観が低下する。10重量%未満の場合、水分散体が沈降、分離する等の安定性が低下し、塗布作業時の乾燥が遅くなり作業性が低下する。
(その他の成分)
本発明の組成物は、上述の成分以外にも、中和剤、粘性付与剤、着色剤(例えば、顔料、染料等)等の成分(以下、その他の成分と称する)をさらに含んでいてもよい。本発明の組成物に含まれる不揮発分に対するその他の成分の含有量は、例えば、20重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。
[硬化物]
本発明の組成物は、基材に塗布した後に硬化することによって硬化物とすることができる。より具体的には、本発明の組成物を基材上に塗布し、必要に応じて乾燥させて塗膜を形成した後、加熱を行うことで基材の表面に硬化塗膜を形成することができる。
基材としては、例えば、プラスチック、金属、ガラス、発泡体、及びこれらの成型品が挙げられる。基材の具体例としては、インストルメントパネル、センターコンソール、ドアトリムなどの自動車内装部品、コンピュータ、テレビ、洗濯機などの弱電製品、壁面材、床材、天井材などの建築内装材などが挙げられる。本発明の組成物を塗布する前に、基材にプライマーを塗装してもよい。
塗布の方法は、特に限定されず、エアレススプレー、エアスプレー、ロールコート、バーコート、グラビアコート、ダイコート等の公知乃至慣用の手段を利用して実施できる。塗布量は、その目的や基材の種類により自由に設定でき、特に限定されないが、例えば、硬化時の塗膜(硬化塗膜)の厚みを15〜50μmとなる様に塗装する。乾燥は、室温で行ってもよく、加熱してもよい。加熱する場合、通常は、40〜150℃で3〜120分の条件で行われる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[硬化性樹脂組成物の調製]
(実施例1)
主剤として、100.0部のウレタンディスパージョン(商品名「DAOTAN TW 7000/40WA」)を攪拌しながら、133.3部のアクリルエマルジョン(商品名「VIACRYL VSC 6286w/45WA」)、72.5部の脱イオン水、1.4部のレベリング剤(商品名「ADDITOL VXW 6503N」)、0.2部の界面活性剤(商品名「ADDITOL XL 250」)を添加した。次に7.7部のシリカ(商品名「ACEMATT TS100」)を徐々に添加し、30分間攪拌を継続した後停止した。そのまま12時間静置した後攪拌を再開し、1.2部の粘性付与剤(商品名「ADDITOL VXW 6388」)を添加し主剤混合物を調整した。一方、硬化剤として、46.6部のポリイソシアネート(商品名「デスモジュールN3300」)を攪拌しながら23.3部の酢酸n−ブチルを添加し、硬化剤混合物を調整した。主剤混合物と硬化剤混合物とを攪拌混合することで硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例2〜7、比較例1〜8)
表1に記載された構成に変更したこと以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を調製した。
[評価方法の説明]
実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を用いて試験片を作製し、下記で示す評価方法に基づいて、光沢度、初期密着性、耐加水分解性、耐薬品性等の評価を行い、表1にその結果を記載した。
(試験片の作製)
実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、硬化後の塗膜の厚さが表1に示した通りになる様に、ポリカーボネートパネル(三菱エンジニアリング製 ユーピロン FPR3500)にエアスプレーを用いて塗布した後、80℃で30分間乾燥し、表面に硬化塗膜を有する試験片を作製した。なお、硬化性樹脂組成物は、主剤混合物と硬化剤混合物とを塗装の直前に10分間攪拌混合して得られたものであり、調製後に直ちに塗布を行った。
[光沢度]
JIS Z 8741に準じ、測定角度60°にて試験片の鏡面光沢度を計測した。
[初期付着(密着)性]
JIS K 5600−5−6に準じたクロスカット法にて測定した。具体的には、試験片の表面(硬化塗膜)に縦横1mm間隔で切れ込みを入れ、25枡の碁盤目状の切り傷を付けた後に、粘着テープを貼って剥がした。剥がした後の塗膜の付着状態を目視によって観察し、以下の様に判断した。
○:剥がれなし
△:3枡未満剥がれ
×:3枡以上剥がれ
[耐加水分解性]
試験片を85℃、95%RHの恒温恒湿下で72時間静置後、外観(目視)を以下の基準で評価した。また、JIS K 5600−5−6に準じたクロスカット法にて、上記試験片の付着性(密着性)を以下の基準で評価した。
(外観)
○:変化なし
△:僅かに変色又は膨れ
×:明らかに変色又は膨れ
(付着性)
○:剥がれなし
△:3枡未満剥がれ
×:3枡以上剥がれ
[耐薬品性1]
試験片の表面に10%乳酸水溶液を1滴垂らし、80℃で48時間静置後、水洗・風乾し、外観(目視)を以下の基準で評価した。また、JIS K 5600−5−6に準じたクロスカット法にて、上記試験片の付着性(密着性)を以下の基準で評価した。
(外観)
○:変化なし
△:僅かに薬品跡あり
×:シワ、膨れ等ダメージあり
(付着性)
○:剥がれなし
△:3枡未満剥がれ
×:3枡以上剥がれ
[耐薬品性2]
試験片の表面にオレイン酸を1滴垂らし、80℃で48時間静置後、水洗・風乾し、外観(目視)を以下の基準で評価した。また、JIS K 5600−5−6に準じたクロスカット法にて、上記試験片の付着性(密着性)を以下の基準で評価した。
(外観)
○:変化なし
△:僅かに薬品跡あり
×:シワ、膨れ等ダメージあり
(付着性)
○:剥がれなし
△:3枡未満剥がれ
×:3枡以上剥がれ
[耐薬品性3]
試験片の表面に日焼け止め剤(商品名:ウルトラシアードライタッチ・サンブロックSPF45,ニュートロジーナ社製,紫外線吸収剤:サリチル酸エステル誘導体10重量%及びベンゾフェノン誘導体5重量%)を2g/100m2の割合で塗布した後、60℃で5時間静置後、水洗・風乾し、外観(目視)を以下の基準で評価した。また、JIS K 5600−5−6に準じたクロスカット法にて、上記試験片の付着性(密着性)を以下の基準で評価した。
(外観)
○:変化なし
△:僅かに薬品跡あり
×:シワ、膨れ等ダメージあり
(付着性)
○:剥がれなし
△:3枡未満剥がれ
×:3枡以上剥がれ
[耐薬品性4]
試験片の表面にSCジョンソン社製の虫除けスプレー(商品名「OFF! ACTIVE INSECT REPELLENT IV」、N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)含有量25%)の液を1滴垂らし、80℃で1時間静置後、水洗・風乾し、外観(目視)を以下の基準で評価した。また、JIS K 5600−5−6に準じたクロスカット法にて、上記試験片の付着性(密着性)を以下の基準で評価した。
(外観)
○:変化なし
△:僅かに薬品跡あり
×:シワ、膨れ等ダメージあり
(付着性)
○:剥がれなし
△:3枡未満剥がれ
×:3枡以上剥がれ
Figure 2020012091
以下に、実施例及び比較例で用いられた成分の詳細について説明する。
「TW 7000」:DAOTAN TW 7000/40WA (脂肪族ポリカーボネート系ポリウレタンディスパージョン、オルネクス社製、水酸基価:170mgKOH/g、不揮発分:40重量%)
「TW 7010」DAOTAN TW 7010/36WA (ポリカーボネート系ウレタン樹脂、オルネクス社製、水酸基価:105mgKOH/g、不揮発分:36重量%)
「VSC 6286w」:VIACRYL VSC 6286w/45WA (アクリルエマルジョン(カルボニル−ヒドラジン架橋系を有するアクリル/スチレンディスパージョン)、オルネクス社製、ガラス転移温度:47℃、水酸基価:0mgKOH/g、不揮発分:45重量%)
「VSC 6276w」:VIACRYL VSC 6276w/44WA (アクリルエマルジョン、オルネクス社製、ガラス転移温度:97℃、水酸基価:85mgKOH/g、不揮発分:44重量%)
「S 6515」:SETAQUA 6515 (アクリルエマルジョン、オルネクス社製、ガラス転移温度:−8℃、水酸基価:85mgKOH/g、不揮発分:45重量%)
「N 3300」:デスモジュール N 3300(HDIベース疎水性ポリイソシアネート、コベストロ社製、NCO量 21.8%、不揮発分:100重量%)
「TS 100」:ACEMATT TS 100(シリカ、エボニック社製、粒子径:9.5μm)
「VXW 6503」:ADDITOL VXW 6503 N (レベリング剤、ポリエーテル変性ポリシロキサン、オルネクス社製)
「XL 250」:ADDITOL XL 250(界面活性剤、オルネクス社製)
「VXW 6388」:ADDITOL VXW 6388(粘性付与剤、オルネクス社製)

Claims (6)

  1. 水酸基価が150mgKOH/g以上のポリカーボネート系ウレタン樹脂(A)、ガラス転移温度Tg(℃)が0〜90℃のアクリル樹脂(B)、ポリイソシアネート(C)、及び水を含む硬化性樹脂組成物。
  2. さらに無機フィラー(D)を含む請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. アクリル樹脂(B)がカルボニル基含有アクリル系単量体を構成単位として含み、
    さらにヒドラジド基を有する架橋剤を含む請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. アクリル樹脂(B)の水酸基価が60mgKOH/g以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. ポリイソシアネート(C)が疎水性ポリイソシアネートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
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