JP2020011924A - 難燃性化合物、その難燃性化合物で化学修飾したリグノセルロース及び木粉、並びにそれらを含有する樹脂組成物 - Google Patents
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Description
以下の方法により、以下の[式1]に示したN,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)でリグノセルロースを化学的に修飾した。
計算値:C:20.61、H:1.03、N:5.34、
実測値:C:20.72、H:0.92、N:5.59であった。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)・二水和物の使用量を250mgに変更した以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)・二水和物の使用量を505mgに変更した以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)・二水和物の使用量を753mgに変更した以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)・二水和物の使用量を998mgに変更した以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)・二水和物の使用量を1.24gに変更した以外は、実施例1と同様にして反応生成物を得た。
比較のために、リグノセルロースの水分散液(モリマシナリー株式会社製、CellFiM L-45)そのものを加熱により乾燥し、乾燥させたものを型枠に詰めてさらに加熱により乾燥させて、長さが80〜150mm、幅が10±0.5mm、厚さが4±0.25mmのI型の試験片を作製して、これを比較例1とした。
上記の実施例1ないし実施例6及び比較例1の試験片について、JIS K 7201に規定される酸素指数による燃焼性の試験を行った。試験片は、上記の実施例1ないし実施例6の方法で化学的に修飾したリグノセルロースをそれぞれ用いて複数の試験片を作製した。試験片の作成は、実施例1ないし実施例6の方法で化学的に修飾したスラリー状のリグノセルロースを加熱により乾燥し、乾燥させたものを型枠に詰めてさらに乾燥させて、長さが80〜150mm、幅が10±0.5mm、厚さが4±0.25mmのI型の試験片を作製した。点火方法はA法を採用した。酸素指数は以下の式によって求めた。
酸素指数(OI)=Cf+Kd
なお、Cfは酸素濃度の最終値(%)(体積分率)を示し、d=0.5、kはJIS K 7201の表4から得られる係数を示す。
以下の方法により、以下の[式2]に示したN -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(4-ブロモフェニル)でリグノセルロースを化学的に修飾した。
計算値 C:32.63、H:3.10、N:15.22、
実測値 C:32.86、H:2.73、N:15.50であった。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(4-ブロモフェニル)・二水和物の使用量を274mgに変更した以外は、実施例7と同様にして反応生成物を得た。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(4-ブロモフェニル)・二水和物の使用量を460mgに変更した以外は、実施例7と同様にして反応生成物を得た。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(4-ブロモフェニル)・二水和物の使用量を634mgに変更した以外は、実施例7と同様にして反応生成物を得た。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(4-ブロモフェニル)・二水和物の使用量を829mgに変更した以外は、実施例7と同様にして反応生成物を得た。
上記の実施例7ないし実施例11の方法で化学的に修飾したリグノセルロースをそれぞれ用いて複数の試験片を作製した。この試験片を使用して、上記と同様の方法によって、難燃性の評価を行った。試験片の寸法も上記と同様にした。各試験片について求めた酸素指数、各試験片の臭素の含有率、リグノセルロースとN -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(4-ブロモフェニル)・二水和物との反応において、リグノセルロース1g(乾燥重量)当たりのビス(4-ブロモフェニル)(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホロアミダートの分子数(mmоl/g)を以下の表2に示す。なお、難燃性化合物の分子数(mmоl/g)は、小数点第3位を四捨五入して示した。
以下の方法により、以下の[式3]に示したN -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(2,4-ジブロモフェニル)でリグノセルロースを化学的に修飾した。
計算値:C:25.38、H:2.23、N:11.84、
実測値:C:25.38、H:2.21、N:12.01であった。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(2,4-ジブロモフェニル)・二水和物の使用量を645mgに変更した以外は、実施例12と同様にして反応生成物を得た。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(2,4-ジブロモフェニル)・二水和物の使用量を856mgに変更した以外は、実施例12と同様にして反応生成物を得た。
上記の実施例12ないし実施例14の方法で化学的に修飾したリグノセルロースをそれぞれ用いて複数の試験片を作製した。この試験片を使用して、上記と同様の方法によって、難燃性の評価を行った。試験片の寸法も上記と同様にした。各試験片について求めた酸素指数、N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(2,4-ジブロモフェニル)・二水和物との反応における、リグノセルロース1g(乾燥重量)当たりのN -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジ(2,4-ジブロモフェニル)・二水和物の分子数(mmоl/g)を以下の表3に示す。なお、難燃性化合物の分子数(mmоl/g)は、小数点第3位を四捨五入して示した。
以下の方法により、以下の[式4]に示したN,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラフェニルでリグノセルロースを化学的に修飾した。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラフェニル・二水和物の使用量を11.52gに変更した以外は、比較例2と同様にして反応生成物を得た。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラフェニル・二水和物の使用量を17.5gに変更した以外は、比較例2と同様にして反応生成物を得た。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラフェニル・二水和物の使用量を23.22gに変更した以外は、比較例2と同様にして反応生成物を得た。
上記の比較例2ないし比較例4の方法で化学的に修飾したリグノセルロースをそれぞれ用いて複数の試験片を作製した。この試験片を使用して、上記と同様の方法によって、難燃性の評価を行った。試験片の寸法も上記と同様にした。各試験片について求めた酸素指数、各試験片のリンの含有率(ICP-OES測定装置「VARIAN720-ES」)、N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラフェニル・二水和物との反応における、リグノセルロース1g(乾燥重量)当たりのN,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラフェニル・二水和物の分子数(mmоl/g)を以下の表4に示す。なお、難燃性化合物の分子数(mmоl/g)は、小数点第3位を四捨五入して示した。
以下の方法により、以下の[式5]に示したN -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジフェニルでリグノセルロースを化学的に修飾した。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジフェニル・二水和物の使用量を3.23gに変更した以外は、比較例6と同様にして反応生成物を得た。
N -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジフェニル・二水和物の使用量を4.31gに変更した以外は、比較例6と同様にして反応生成物を得た。
上記の比較例6ないし比較例8の方法で化学的に修飾したリグノセルロースをそれぞれ用いて複数の試験片を作製した。この試験片を使用して、上記と同様の方法によって、難燃性の評価を行った。試験片の寸法も上記と同様にした。各試験片について求めた酸素指数、各試験片のリンの含有率、リグノセルロースとN -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジフェニル・二水和物との反応において、リグノセルロース1g(乾燥重量)当たりのN -(4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ホスホルアミド酸ジフェニル・二水和物の分子数(mmоl/g)を以下の表5に示す。なお、難燃性化合物の分子数(mmоl/g)は、小数点第3位を四捨五入して示した。
以下の方法により、以下の[式6]に示したN,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラシクロヘキシルでリグノセルロースを化学的に修飾した。
N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラシクロヘキシル・二水和物の使用量を893mgに変更した以外は、比較例9と同様にして反応生成物を得た。
上記の比較例9及び比較例10の方法で化学的に修飾したリグノセルロースをそれぞれ用いて複数の試験片を作製した。この試験片を使用して、上記と同様の方法によって、難燃性の評価を行った。試験片の寸法も上記と同様にした。各試験片について求めた酸素指数、N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラシクロヘキシル・二水和物との反応にける、リグノセルロース1g(乾燥重量)当たりのN,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラシクロヘキシル・二水和物の分子数(mmоl/g)を以下の表6に示す。なお、難燃性化合物の分子数(mmоl/g)は、小数点第3位を四捨五入して示した。
以下の方法により、以下の[式7]に示したメラミン(2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン)でリグノセルロースを化学的に修飾した。
上記の比較例11の方法で化学的に修飾したリグノセルロースを用いて試験片を作製した。この試験片を使用して、上記と同様の方法によって、難燃性の評価を行った。試験片の寸法も上記と同様にした。比較例11の試験片について求めた酸素指数は21.0であり、リグノセルロースとメラミン(2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン)との反応における、リグノセルロース1g(乾燥重量)当たりのメラミン(2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン)の分子数(mmоl/g)は、1.2mmоl/gであった。
次に、難燃化剤で化学的に修飾したリグノセルロースをプラスチックに配合した場合における、プラスチックの物性の変化について検討した。
試験片の長さL1:59mm、試験片の長さL2:30mm、引張試験機のつかみ部の幅W2:8mm、試験片の幅W1:3.9mm、試験片の厚み:2mm、試験速度:5mm/分
試験片の長さL:80mm、試験片の幅h9.62mm、試験片の厚さb:3.91mm、下部の支点間の距離:50mm、試験速度5mm/分
試験片の長さL:80mm、幅b:4mm、厚さh:10mm、残り幅hN:8mm
次に、上記の難燃化リグノセルロースナノファイバーのプラスチックに対する分散性を評価した。
以下の方法により、N,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)・二水和物(分子量1573.2469)と木粉とを反応させて、難燃化木粉を作製した。すなわち、200mLの丸底フラスコに、木粉(岡山県真庭市産ヒノキ、粒径:300μmアンダー、2.01g)、上述の方法で合成したN,N'-(6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(ホスホルアミド酸)テトラ(2,4,6-トリブロモフェニル)・二水和物(1.02g、0.65mmol)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(48.2mg)を取り、これにH2O(80mL)を注入した。この混合物をゆすりながら数分間超音波処理し、次いでホルマリン(1mL)を加えた。混合物全体を50℃で16時間、70℃で一晩撹拌した。室温まで放冷後、混合物を吸引ろ過し、水、アセトン、再び水で洗浄した。得られた固体を乾燥させて、反応物を得た(収量2.73g)。
ビーカーに木粉1g(岡山県真庭市産ヒノキ、粒径:300μmアンダー)、実施例6の難燃化リグノセルロース(乾燥重量で約2g)、蒸留水20〜30mLを加え、十分に撹拌を行った。この混合物をPP製の容器に15g程度流し込んで40℃で乾燥を行って試験片を作製した。乾燥後の試験片のサイズは縦:約100mm、横:約15mm、厚さ:約5mmであった。この試験片を用いて酸素指数を測定したところ、39.0であった。試験例2〜4についても、木粉と難燃化リグノセルロースとの混合比を変更した点以外は、同様にして試験片を作製して酸素指数を測定した。試験例2〜4の酸素指数は、表7に記載した通り、それぞれ33.5、28.5、26.5であり、いずれも自己消火性を備えていることがわかった。
Claims (7)
- 以下の[化1]の構造を備える難燃性化合物。
R1ないしR3の全てが水素原子である場合を除き、R1ないしR3の全てが以下に示す[化2]に示す官能基である場合を除く。]
R4及びR5の両方が水素原子である場合を除く。] - アリール基は、水素原子が難燃性元素を含有する官能基で置換された構造であり、その置換数は、1〜5である請求項1に記載の難燃性化合物。
- 請求項1又は2に記載の難燃性化合物で化学的に修飾されたリグノセルロース。
- 請求項1又は2に記載の難燃性化合物で化学的に修飾された木粉。
- 請求項3又は4に記載のリグノセルロース又は木粉を含有する樹脂組成物。
- 請求項3に記載した難燃化合物で化学的に修飾したリグノセルロースを主成分とするバインダー。
- 請求項3に記載した難燃化合物で化学的に修飾したリグノセルロースを主成分とする樹脂組成物用補強材。
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