〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置(画像読取装置)の構成を概略的に示す部分断面図であり、図2は、図1の原稿搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図である。
図1及び図2において、原稿搬送装置200は、シート取込装置101を備える。シート積載台(原稿載置台)1にはシートが複数枚積載されており、シート積載台1は昇降自在に構成されている。シート積載台駆動モータ2は、不図示のシート積載台駆動制御部(原稿台移動制御部)の指示によってシート積載台1を昇降させる。シート検知センサ3は、シート積載台1に積載されたシートがシート取込位置にあることを検知する。シート積載検知センサ12はシート積載台1のシート積載面1aにシートが積載されているのを検知する。
原稿給紙部101はピックアップローラ4、ピックアップモータ5、ピックアップ昇降モータ250、不図示のピックアップモータ制御部、不図示のピックアップローラ昇降制御部、不図示の原稿台昇降制御部などを含む。原稿給紙部の一例としてのピックアップローラ4は シート積載台1に載置されたシートを搬送方向下流側に向けて送出するような方向に回転する。ピックアップローラ4はピックアップモータ制御部からの指示を受けたピックアップモータ5で回転制御される。また、 シート積載台の最も上部にあるシートにピックアップローラ4が接するようにピックアップローラ昇降制御部の指示に従ってピックアップ昇降モータ250によりピックアップローラ4の上下動の制御がされている。これにより シート積載台1から原稿搬送部へ原稿を送り出す。
原稿給紙部101は様々な紙種に対応するため複数の制御方式が選択可能である。例えば通常の紙では搬送開始前にピックアップローラ4を シート積載台1の最上部にあるシートに当接するようにピックアップローラ4をピックアップ昇降モータ250によって下降させ、 シート積載台からシートが下流側に搬送されるようにピックアップモータによって回転し(図中、反時計周り)、後述する原稿搬送部に対して搬送しているシートが到達されるまで回転を継続する。シートが原稿搬送部に到達後は回転を停止させる。シートが原稿搬送部に到達したことは検知センサによって検知しても良い。続けて、原稿搬送部にシートがなくなったことを検知した後に再度ピックアップモータ5を回転開始する。
また別の例では、薄く搬送ジャムを起こしやすい紙の場合は、ピックアップローラ4は搬送開始時に一度、ピックアップ昇降モータ250によりシートに接しない位置に上昇させる。続いてピックアップローラ4をピックアップ昇降モータ250により下降させ、下降完了後に通常の紙を搬送する場合より低速でピックアップローラ4を回転させ原稿搬送部にシートを送出する。送出後はピックアップローラ4の回転を停止し、ピックアップ昇降モータでピックアップローラ4をシートに接しない位置に上昇させる。このように原稿給紙部は、あらかじめ決められた複数の給紙制御から選択された給紙制御によって給紙を行う。
原稿搬送部の一例としての原稿給送ローラ6は、給送モータ8によって、シートを搬送方向下流側に給送する方向に回転するよう駆動されている。分離ローラ7は、シートを搬送方向上流側に押し戻す方向に回転する回転力を不図示のトルクリミッタ(スリップクラッチ)を介して分離モータ9から常時受けている。給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが1枚存在するときは、上記トルクリミッタが伝達する分離ローラ7がシートを上流側に押し戻す方向の回転力の上限値より、給送ローラ6によって下流側に送られるシートと分離ローラ7との間の摩擦力によってシートが下流側に給送される方向への回転力が上回り、分離ローラ7は給送ローラ6に追従して回転する(連れ回りする)。
一方、給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが複数枚存在するときは、分離ローラ7のシートを上流側に押し戻す方向の回転力が、給送ローラ6に当接するシートとそれ以外のシートとの間の摩擦力を上回り、最も上位のシート以外が下流側に搬送されないようにする。
このように給送ローラ6がシートを下流側に給送する作用と、分離ローラ7のシートを下流側に搬送されないようにする作用とによって、シートが重なって給送ローラ6と分離ローラ7とのニップ部に送り込まれたとき、最も上位のシートのみが下流側に給送され、それ以外のシートは下流側に搬送されないようにされることで、重なったシートが分離給送される。よって、給送ローラ6と分離ローラ7とは、一対の分離ローラ対42(原稿分離部)を構成する。なお、本実施形態では、分離ローラ対42を使用しているが、分離ローラ対42の代わりに分離ローラと給送ローラのどちらか一方をベルトにした、分離ベルトローラ対を使用してもよい。また、分離ローラを分離パッドに置き換え、シートに当接することで下流側へ複数枚のシートが搬送されることを防ぐようにしてもよい。
また、分離された原稿が通過する位置に重送検知センサ30を備えることで、原稿分離部によって原稿が一枚ずつに分離できているかを検知することができる。本実施形態においては重送検知センサ30として超音波の送受信部を用いた検出装置を用いており、搬送路を跨いだ送受信部間における超音波の減衰量によって重送を検知することができる。
搬送モータ10は、原稿分離後のシートを、画像読取センサ14、15によって原稿の画像の読み取りが行われる画像読取位置まで搬送し、更に排出位置まで搬送するため、その他のローラ(原稿搬送部)を駆動制御する。また、搬送モータ10は、シートの読み取りに最適な速度や、シートの解像度等の設定に応じてシートの搬送速度を変更できるよう各ローラを駆動する。
ニップ隙間調整モータ11は、給送ローラ6と分離ローラ7との隙間、或いは分離ローラ7に対してシートを介して給送ローラ6が圧接する圧接力を調整する。これにより、シートの厚みに適合した隙間、或いは圧接力が調整され、シートを分離することができる。
レジストクラッチ19は、搬送モータ10の回転駆動力をレジストローラ18(原稿搬送部)に伝達、又は当該伝達を遮断する。レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の回転を停止することにより、給送されるシートの先端をレジストローラ対のニップ部に突き当てて、シートの斜行を補正する。
搬送ローラ20、21で構成される搬送ローラ対、搬送ローラ22、23で構成される搬送ローラ対、及び図1に示すさらに下流側のローラ対は、シートを排出積載部44に搬送する。上ガイド板40と下ガイド板41との2つのガイド板は、分離ローラ対、レジストローラ対、各搬送ローラ対及び下流側のローラ対により搬送されるシートを案内する。搬送路の上面を構成する上ガイド板40は、後述する上部開閉ユニット201の一部によって構成され、搬送路の下面を構成する下ガイド板41は、上部開閉ユニット201が搬送路を開放するように回動して開閉可能なように取り付けられる筐体(本体ユニット)の一部によって構成されている。
レジスト前センサ32は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラの上流側に配設され、搬送されるシートを検知する。レジスト後センサ33は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の下流側に配設され、搬送されるシートを検知する。
ここで、図3および図4で本発明の実施形態の要部の詳細について述べる。シート積載台1と対向する位置に搬送された原稿の挙動を検知可能な光学センサ111が実装されている基板100(撮像素子基板)が、シート積載台1と平行に取り付けられている。すなわち、光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面(対向面)と平行になるように取り付けられている。ここで、光学センサ111にはエリアイメージセンサを使用する。本実施形態の場合には、光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面と平行になるようにするとは、光学センサ111が実装されている基板100がシート積載台1の表面と平行になることと同義である。
またここで、原稿の異常搬送状態をより早く検出し、搬送異常による原稿の破損等を防ぐため、搬送方向におけるできるだけ上流側に光学センサ111が配置されることが望ましい。本実施形態においては、ピックアップローラ4の上流側に配置している。
本実施形態においては、光学センサ111を撮像素子として用いて搬送される原稿の画像を取得してその画像情報に基づいて移動量を検出することで、原稿の挙動を検知する。光学センサ111は、原稿が搬送される搬送路内における撮像基準面から所定距離離れるように配置されている。撮像基準面とは、撮像素子である光学センサ111と対向する、光学センサ111による撮像の基準となる面であり、本実施形態では、撮像対象物である原稿(シート)が搬送される搬送路(シート積載台1)の表面が撮像基準面として定められる。但し、原稿がシート積載台1に複数枚載置された状況においては、搬送される原稿の表面に相当する位置が撮像基準面となる。
すなわち、原稿を給送するときのシート積載台1の昇降範囲における最上位の位置でのシート積載台1の表面が概ね撮像基準面と一致する。光学センサ111を撮像基準面から所定距離D離すことによって、原稿の種類や光学センサ111が配置される位置に依らずに原稿の画像を適切な間隔で取得することができる。従って、光学センサ111としては、所定距離D離れた原稿に対し撮像焦点の合うものを用いることが好ましい。本実施形態においては、所定距離Dとして20mmから30mm程度、撮像基準面から光学センサ111を離して配置している。
本実施形態においては、光学センサ111で原稿の画像を取得し、光学センサ111が実装される基板100に設けられたICによって所定の時間間隔ごとの画像(もしくは所定の移動量間隔に基づいた画像)を比較することによって移動量を判定しており、基板100に実装されるICが移動量検出部として動作している。但し、光学センサ111によって取得した画像を外部装置に送信し、外部装置上で移動量の判定を行ってもよく、その場合、外部装置を含めて移動量検出部を構成していると言える。その場合、外部装置における移動量の判定を行っている部分を含めて本実施形態における原稿搬送装置を構成していることとなる。
なお、図1、2に示すように、シート積載台1には、搬送方向に対する幅方向の両端側にそれぞれ移動可能な規制部材51が設けられており、シートの幅方向を規制している。規制部材51を幅方向に移動して搬送する原稿の幅に合わせることによって、搬送中にシートが斜行することを防止できる。本実施形態においては、光学センサ111を規制部材51に対して取り付けてもよく、本体の外装に取り付けてもよい。
また、図4(a)の様に光学センサ111の前に不図示のプリズムやレンズなどの光学部材を配置し、対向する原稿に対して正対させた場合に、光学センサ111が受光する光量が最大となる様に配置する。動作上問題が無い場合には、小型化やコストを優先して、これらの光学部材を省略できる。
本発明の実施形態において、光学センサ111が原稿の移動量を検知可能なセンサである場合について説明をする。
この場合、光学センサ111が撮像対象物の移動量または移動方向を検知可能な不図示の移動量検知部を備えている。光学センサ111によりエリアイメージを取得して、不図示のA/D変換部でデジタル信号に変換して得られた画像を、移動量検知部にて順次比較しながら撮像対象物(本実施形態の場合、シート)の移動量または移動方向を検知する。
本実施形態における光学センサ111は、レーザで赤外線レーザ光を照射して、またはLEDによる発光を用いて、原稿などによる反射光を受光することで原稿の表面画像を取得するものが好ましい。特に、レーザ方式を用いれば、より詳細に原稿の移動量を検知可能となるため、好適である。なお、レーザ方式を用いる場合、レーザ光の波長を適切に選択することによって、搬送中の原稿のばたつきに起因した、移動量の検知精度の低下を軽減することが可能である。
例えば、高さ約2mm程の搬送路内を搬送される原稿に対し、原稿の搬送面から光学センサ111までの距離Dが20mm程度である場合、約850nmの波長を有する赤外線レーザ光を用いることで、搬送中の原稿にばたつきが発生しても移動量の検知精度を維持できることが実験的に明らかとなっている。
本実施形態では、光学センサ111内部でTG(Timing Generator)によりイメージセンサを駆動して画像信号を取得するとともに、A/D変換ならびに画像信号を解析し、撮像対象物の移動量または移動方向を検知する構成となっている。例えば、図4(b)に示すように、光学センサ111内部にはイメージセンサ、TG、AFE(Analog Front End)、DSP(Digital Signal Processor)を備えており、TGがイメージセンサで撮像対象のイメージ画像を取得し、AFEにて取得した画像信号に対してA/D変換を実行し、デジタル画像信号に基づいてDSPにて撮像対象物の移動量を検知する(いわゆるシステム・オン・チップ(SoC)になっている)。すなわち、DSPが移動量検出部として機能している。
別のケースとしては、光学センサ111は画像信号の取得のみ行い、不図示の画像信号処理デバイスが別デバイスとして存在し、この画像信号処理デバイスによってA/D変換ならびに画像信号の解析を行い、撮像対象物の移動量または移動方向を検知する構成にしてもよい。本実施形態では光学センサ111における画像信号の取得は、原稿に光を照射し、反射した光を受光部によって受光して光電変換することによって行う。
図5に光学センサ111から得られる画像に対して信号処理を実行した画像の概略図を示す。ある時刻(t=0とする)に撮像された画像に対して、特徴点として抽出した点を黒マスで表わす。ここでは例として1マス=1画素(つまり、光学センサ111の画素数は5×5=25マス)としているが、複数の画素の平均値または特定の演算を行った後に代表して1マスを形成してもよい。例として、特徴点として他のマスと比較して明るい、または暗い点を抽出する。特徴点としては、原稿表面の凹凸や傷を抽出することができる。
この状態から時刻がt'だけ経過した時点で、光学センサ111が再び画像を取得して、黒マスを抽出し、黒マス(特徴点)がどの様に移動しているかを比較して、時刻0からt'までの移動量を算出する。図5の例では、右に1マス、上に1マス移動したと判定する。なお、移動量の算出は、上述したように、光学センサ111内部のDSPによって行ってもよいし、光学センサ111とは別に設けた画像信号処理デバイス内で行ってもよい。
ここで、上述したように、光学センサ111の撮像面(受光面)と原稿の表面は、互いに平行になる様に配置している。図6を用いて光学センサの特性について説明すると、本実施形態で用いる光学センサは、一般的には図6(a)に示す通り、光学センサの受光面と原稿が互いに平行になっている配置A(図6(b)左側)のときに、受光面と原稿が傾いている配置B(図6(b)右側)のときに比べて撮像対象である原稿の移動速度がより速い領域まで追従できる特性になっている。
次に、再び図3を使用して光学センサ111の配置の詳細について説明する。光学センサ111とシート積載台1間の距離Dについては、光学センサ111の撮像領域のうち、搬送方向に対する撮像範囲をL、センサの画像取得間隔時間をT、原稿搬送部の搬送速度の最大値をVとしたときに、L≧T×Vを満たす距離になる様に、距離Dを調整する。なお、以下の説明において、Lを撮像領域と表現することもある。また、撮像領域とは、光学センサ111の撮像基準面における光学センサ111の視野角のことを示しており、撮像基準面に撮像対象(原稿)があれば、撮像領域内の画像を取得することができる。
ここで言う搬送方向とは、実際に原稿(シート)が搬送される方向ではなく、装置によって搬送しようとする方向、すなわち、給送ローラや搬送ローラの回転方向に沿う方向(各ローラの軸と垂直な方向)である。なお、センサの画像取得間隔時間をTとしたが、実際には、光学センサ111が取得した画像に基づいてシートの移動量を検出する移動量検出部を有し、その移動量検出部における移動量の取得間隔がTとなればよい。すなわち、センサの画像取得間隔時間としてはTよりも短い間隔で取得しつつ、移動量検出部における移動量の検出をT間隔で行い、それ以外の取得データは無視するか、移動量検出部に対して入力自体しないものであってもよい。以下では説明上センサの画像取得間隔時間Tとして説明するが、ここで説明したことと同義であり、移動量取得間隔時間Tと読み換えればよい。
ここで、光学センサ111と光学部材を合わせた画角(視野角)が大きくなると、1回で撮像できる領域が大きくなる為に、Lは大きい値を持つことになる。また、光学センサ111はある程度の視野角を持っているため、距離Dを大きくすることによってもLは大きい値を持つことができる。
画像取得間隔時間Tに関しては、光学センサ111が画像を取得するのに要する時間が短ければ小さい値を持つ。具体的には、光学センサ111の画像読出しクロックが早ければ、光学センサ111が画像信号を読み出す為の時間が短くなる。または光学センサ111の画素数が小さければそれだけ画像信号を読み出す為の時間が短くなる。ただし、画素数が小さくなる場合は、前述のLの値に対しても影響を与える(小さくなる)ことがある。
前述の通り説明した原稿の移動量検知について、移動量を検知する為に光学センサ111から得られる画像を複数平均する必要がある場合は、検知までの時間が必要になる。この場合は、画像取得間隔時間Tを移動量検知間隔時間T'に置き換えてL≧T'×Vを満たす様に光学センサ111とシート積載台1間の距離Dを調整する必要がある。
ただし、L≧T×V(またはL≧T'×V)は最低条件である為、本発明ではより最適な配置について言及する。例えば、図5に示した5×5画素の光学センサを用いた場合は、光学センサが1回画像を取り込むのに対して、原稿が1画素以下の変位量であれば極めて精度の良い検知が可能となる。すなわち、L≧T×V×5を満たせばよい。この関係式から、精度良く検知するための原稿搬送速度の上限値Vmaxとして、L/5Tを得る。
この上限値Vmaxでの運用が困難な場合を想定し、図7と図8を用いて別の形態について言及する。図7には、ある時刻t1と別の時刻t2(>t1)における原稿の撮像領域の重なり度合い(重複率)を模式的に表したものである。時刻t1と時刻t2とで、光学センサ111が撮像した領域のうち、両画像において重複する領域が大きければ大きいほど、前述した特徴点の数をより多く検出、追跡することができる為、移動量をより正確に検知できる。この場合、図7中のαL(αは撮像領域の重なり度合いを示し、α<1)を用いて、αL≧T×Vを満たすように光学センサ111を配置し、搬送速度Vを設定する。すなわち、この関係式から原稿搬送速度の上限値Vmaxとして、αL/Tを得る。
図8に示す通り、撮像領域の重なり度合いを上昇させていくと光学センサの検知精度は上昇する特性を示す。検知アルゴリズムとして所定の撮像領域の重なり度合いα1で検知精度が飽和するように構成した場合には、撮像領域の重なり度合いがα1となるようにVmaxを設定すればよい。
一例として、移動量の検知精度をある程度の高さとするために、撮像画素として重複エリアαLがN以上となることが好ましいとする。この場合、光学センサとして、搬送方向に対する画素数がLとすると、搬送方向の画素としてαL重複するようにすればよく、この場合、L−V×T≧N(=αL)となる。したがって、この場合には、V≦(L−N)/Tを満たすように搬送速度を設定することによって、精度良く移動量を検出することができる。具体的な例としては、図5に示す光学センサを用いた場合、重複エリアが4画素分以上(α=4/5=0.8)となればよいとすると、V≦(5−4)/T=1/Tとなるように搬送速度Vを設定すればよい。
本実施形態においては、図8に示すように、重なり度合いがα1=0.8となる辺りから検知精度が飽和気味に上昇してくるが、移動量の検知自体は画像取得間隔時間ごとに行っており、必ずしも連続して検知に成功する必要はない。概ね移動量を検知できている程度すなわち重なり度合いが第1閾値としてのα1となる程度の搬送速度に設定することで、搬送のスループットを向上できる。本実施形態においては、α=α1=0.6(重複率60%)に設定した場合に良好に検出が可能であるとともに処理部への負荷を抑えることができており、その場合、N=αL=0.6×5=3.0であるから、V≦2/Tとなる。
なお、上記は一例であり、使用する光学センサによって検知精度の特性は異なるが、検知精度が飽和し始める辺り、あるいは若干飽和するような撮像領域の重なり度合いα1を設定するのが好ましく、本実施形態においてはα=0.6となっているが、前後しても構わない。
搬送速度Vに関しては、原稿搬送装置が原稿を搬送する速度であるので、原稿搬送開始から所定の速度に到達するまで、段階的に(あるいは、モータの種類によっては無段階的に)速度が上昇することになる。逆に原稿の搬送停止時には、所定の速度から停止状態(V=0)に向けてやはり段階的に(または無段階的に)速度が低下する。
上述した搬送速度Vの設定値としては、原稿搬送開始後に、搬送速度が所定の速度に到達した時点での速度V1が上記の関係式を満たすようにしておくことで、立ち上がりや立下りにおいて速度がV1よりも遅い場合でも、光学センサの検知精度が低下することはなく、好適に移動量を検知することができる。
ここで、例えば、装置にスペースの余裕が無ければ、画角の大きな光学部材を光学センサ111の前に配置し、搬送方向に対する撮像領域Lを大きくすることが考えられる。この構成によって、より大きな搬送速度Vに対応できることになる。
または、搬送速度Vの変化に連動して、光学センサ111の画像取得間隔時間Tを変化させてもよい。ターゲットとなる撮像重なり領域(αL)を決め、搬送速度Vが変化しても、撮像重なり領域が常に一定となるように画像取得間隔時間Tを前述のTGが制御する。この制御を行うことで、搬送速度Vが変化しても、光学センサの検知精度が常に一定となる。
同様に、本実施形態において、上述したように搬送速度Vを設定する代わりに、画像取得間隔時間Tを調整することで、撮像領域の重なり度合いαが所定の値となるように調整してもよい。重なり度合いαがα1となるようにすれば効率よく光学センサの検知精度を向上することができるが、これに限られず、ある程度の重なり度合いαを保てるような画像取得間隔時間Tとなっていればよい。
光学センサの出力としては、所定の画像取得間隔時間Tで出力を処理するICなどに対して出力してもよいが、以下には別の例を示す。
例えば、光学センサにおける移動量の検知量が所定の値を上回ると移動量を出力する光学センサを使用した場合に、A4原稿の搬送として、150枚/分の搬送を行う場合について示す。原稿間隔距離を考慮しても搬送速度Vは1000mm/秒前後となる。この場合、画像取得間隔時間Tの一例として、光学センサの解像度が1500cpi、すなわち1インチ当たり1500カウントの出力を行う設定とすれば、1カウント当たり1/1500インチ、つまり0.017mm程の移動があると1カウントの出力を行うものである。搬送速度V=1000mm/秒に対しては、1秒当たり1000/0.017≒60000カウント、すなわち、1/60000秒で1カウント出力される。
光学センサとしては、図6(a)に示すように、所定の搬送速度以上になると、設定された解像度の性能を発揮できなくなる特性がある(検知精度が下がる)。これに対し、原稿搬送装置として設定可能な搬送速度に対して同等の検知精度を発揮できるように、解像度の設定値として1500cpi程度にすることによって、実際に使用される搬送速度V=1000mm/秒程の条件に対しては、解像度を下げずに、検知精度を一定に保ったまま使用することができる。特に、図6(b)で説明したように、原稿の表面と光学センサの撮像面が平行となるように配置すること(図6(b)左側)によって、設定された解像度の性能を発揮しやすくなる、すなわち、搬送速度を速くしても設定された解像度の性能を維持することができ、光学センサの検知精度を維持することができる。
また、光学センサとしては解像度として5000cpiやそれ以上となるものもあり、解像度を上げれば光学センサの検知精度は向上するが、その分光学センサを高速に動作させる必要があり、光学センサ内部の動作クロック周波数を上げることになるので、光学センサの出力を処理するIC等にかかる負荷や消費電力も増えることとなる。ここで示すような原稿の搬送状態を検知することを考えると、解像度を1500cpi程度とすることによって、搬送速度として要求される100枚/分程度の搬送速度Vに対しては十分な検知精度を確保することができ、処理にかかる負荷などを抑えることができる。
ここで、給紙ユニットについて説明する。給紙ユニットは、ピックアップローラ4、ピックアップモータ5、ピックアップ昇降モータ250、不図示のピックアップローラ昇降制御部、不図示のピックアップモータ制御部、不図示の原稿台昇降制御部の一部または全部がユニットとして構成された給紙ユニットとなっている。
原稿ピックアップ部の一例としてのピックアップローラ4(取り込み手段)は、シート積載台1のシートをシート積載台1から送り出す。ピックアップローラ駆動モータ5は、ピックアップモータ制御部の指示によりピックアップローラ4を回転させる。図1や図2ではシート上面がシート取込位置にあり、ピックアップローラ4を回転させればシートの取り込みが始まる状態である。このときのピックアップローラ4の状態を、給紙状態と呼ぶ。
また、ピックアップローラ4はシート取込位置とシート取込位置よりも上方の退避位置とにピックアップローラ昇降制御部の指示によりピックアップローラ昇降モータ250によって移動できる。ピックアップローラ昇降制御の指示によって、ピックアップローラ4はシートを取り込むときは取込位置に、取り込みが終わったら退避位置に移動する。退避位置にあるピックアップローラ4の状態を、退避状態と呼ぶ。
このようにピックアップローラ4は給紙の制御によって搬送中に上下動を繰り返す。このときピックアップローラ4の上下動の動きによって原稿自体に振動が加えられたり、装置に振動が加えられたりする。原稿自体に振動が加えられた場合、光学センサ111で読み取った原稿の移動量に搬送方向以外の変位量が加えられることがあるため正しく原稿の搬送状態を判定することができない。また、装置に振動が加えられた場合、光学センサ111に加わった振動によって、原稿の搬送方向への変位量に光学センサ111の振動分の変位量が加わり、こちらも正しく原稿の搬送状態を判定することができない。
次に図9を用いて光学センサ111の読取制御について説明する。給紙のシーケンスは前述の通りでありピックアップローラ4はシートを取り込むときに取込位置に、取込が終わったら退避位置に移動する。つまり、原稿の搬送中にピックアップローラ4の上下動が発生する。光学センサ111にはピックアップローラ4の上下動による振動によって本来の原稿の変位量以外の振動による変位量が加わる虞がある。
そこで図9の様に読取のタイミングを制御する。すなわち、ピックアップローラ4が下降する場合は光学センサ111の読取動作を一旦停止する(S101)。次に、読取センサの読取停止後にピックアップローラ4を下降し(S102)、下降完了後にT1時間の待ち時間を挿入し(S103)、待ち時間経過後に光学センサの読取を再開する(S104)。
ピックアップローラ4の上昇処理も同様であり、光学センサ111の読取動作を一旦停止する(S111)。次に、読取センサの読取停止後にピックアップローラを上昇し(S112)、上昇完了後にT2時間の待ち時間を挿入し(S113)、待ち時間経過後に光学センサの読取を再開する(S114)。
このように、ピックアップローラ4の上下動中には光学センサ111の読取を停止し、読取を再開する前には、ピックアップローラ4の上下動による振動が装置に加えられている可能性があるため、その振動が読取動作に影響しない程度に減衰する時間T1またはT2の待ち時間を入れてから読取動作を再開する。
本実施形態による構成によれば、1つの光学センサで原稿の搬送状態を給紙部の上下動による振動による影響なしに検知可能である為に、装置の大型化やコストアップをすることなく、光学センサによる原稿の変位量の高精度な検出が可能な装置を提供できる。
また、本実施形態においては、図4(a)の様に光学センサ111が受光する光量を増加させる目的で光源部102を設けている。なお、本実施形態においては、光学センサ111とは別のデバイスとして光源部102を設けたが、光学センサ111と光源部102が1つのデバイスになった構成でもよい。
また、本実施形態において、ピックアップローラ4の上下の動作に合わせて光学センサの読取の停止・再開を制御したが、光学センサ111の読取を継続したまま移動量検出部で移動量の検出を停止しても良いし、移動量検出部も動作したまま移動量の判定だけを行わない構成としても良い。つまり、ピックアップローラの上下の動作による影響が出る期間において原稿の移動量判定がなされなければ良い。光学センサ111の読取を停止させることは消費電力の低下にもつながる。
また、本実施形態においては、光学センサ111におけるピックアップローラ4の上下動の動作完了から光学センサ111の読取再開までの待ち時間T1とT2は、ピックアップローラ4の上下動による振動の影響が無くなるまでの時間であるが、光学センサ111に振動の影響が出なければT1とT2は0秒であっても構わない。また、T1、T2は原稿の搬送制御における搬送モードなどに代表される装置の動作状態に応じて装置内部で切り替えても良く、また、外部の制御機器からその値を設定可能な構成でもよい。
ここで、図9に示すピックアップローラ4の上昇または下降制御において、光学センサ111による読取を停止している間、もしくは上昇または下降制御を開始してから所定の時間に亘って給送ローラ6による原稿の搬送を停止しても良い。この構成によれば、光学センサ111による読取を停止した状態で原稿が搬送される時間を短くすることができ、より長い時間原稿の移動量に基づいた搬送異常の検出を行うことができる。
また、図9に示す制御フローにおいて、光学センサ111による移動量の検出を停止する代わりに、移動量の検出による搬送異常の判定条件を変更しても良い。例えば、搬送異常が発生したことを検出するのに必要な移動量の検出データの数を、図9のS101からS104の間に亘って増やすように制御するなどしても良い。
また、以上説明した本実施形態においては、ピックアップローラ4の昇降中は光学センサ111の読取を停止することを例に挙げて説明したが、原稿の搬送において光学センサ111による移動量の検出中もしくはその直前には、ピックアップローラ4を昇降しないように制御しても良い。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態に係る原稿搬送装置について説明する。基本的構成は第1の実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
図10及び図11を用いて、光学センサ111の配置方法の詳細について説明する。図10は、原稿搬送装置を給紙面に正対する形で見たときに、光学センサ111とピックアップローラ4と給送ローラ6を抽出した図である。本実施形態においては、図11に示すように、ピックアップローラ4を保持している部材が延出し、光学センサ111を保持する。図11は、図10の構成物に関するA−A断面図であり、光学センサ111がケース体112によって覆われている例を示している。光学センサ111の検知領域を最大限に拡大することを目的として、光学センサ111はピックアップローラ4を撮像しない向きに配置して、原稿のみ撮像する構成にするのが望ましい(撮像領域の一部にでも原稿以外の領域があると、移動量または移動方向を検知する為の情報量が少なくなり、検知精度を低下させる要因になる)。
但し、光学センサ111の周囲を覆っているケース体112の壁面のうち、給紙面との距離が短い方の壁面が上流側に配置される向きに光学センサ111を配置する図11の向きに対し、その反対、すなわち、ケース体112の壁面のうち、給紙面との距離が短い方の壁面が下流側に配置される向きに光学センサ111を配置するようにしたときにも、光学センサ111の検知領域に原稿のみが含まれるように構成できる場合には、ピックアップローラ4や分離ローラ7における紙粉の発生を考慮して、給紙面との距離が短い方の壁面が下流側に配置される向きに光学センサ111を配置するようにするのが好ましい。このように配置すれば、光学センサ111に対向する面(後述する図12の透光板112c)に対する紙粉の付着を低減することができる。
シート積載台1に載置された原稿束を搬送路の上流に設けられた原稿給紙口に連続搬送するときに、複数の原稿が同時に通過可能な位置に光学センサ111を設けることで、搬送する原稿の後端を撮像して後端検出が可能となる。なお、本実施形態においては、原稿の後端の検知としては、先行する原稿の後端が次の原稿に対して影を形成することによって、出力が変動することを利用することができる。
具体的な光学センサ111の配置としては、シート積載台1におけるシートが積載される位置の先端よりもわずかに上流である。つまり、シート積載台1先端側でシート積載台1と対向する位置である。また、光学センサ111を、ピックアップローラ4や給送ローラ6を有する給紙ユニットの高さよりも低く配置することで、装置本体の大型化を抑えることができる。
本実施形態の構成によれば、1つの光学センサで原稿の搬送状態を検知可能であり、かつ原稿が規制されてからの搬送状態を検知する構成になっている。その為、付加的な処理を実行することなく原稿の搬送状態を検知可能な為に、処理時間を増大させることがない。
よって、装置の大型化やコストアップすることなく、処理時間についても不要に増加しない装置を提供できる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態に係る原稿搬送装置について説明する。図12は、本実施形態に係る原稿搬送装置の構成を概略的に示す部分断面図である。
図12は、モールド部材及び透光板で周囲が覆われた光学センサ111の構成例を示す断面図である。図12の例では、光学センサ111は、基板100に対して実装されており、例えば赤外線レーザ光を出力する発光素子(レーザ光源)と、発光素子が出力した光の反射光を受光する受光素子とを含むセンサ素子で構成される。発光素子及び受光素子は、光学センサ111上で隣接した位置に配置されている。図12に示すモールド部材112a、112b及び透光板112cは、光学センサ111の周囲を覆っているケース体112の一部を構成している。モールド部材112a、112bは、基板100に対して垂直な壁を形成している。透光板112cは、モールド部材112a、112bの基板100側の端部とは反対側の端部に接続されている。図12の配置では、透光板112cが、基板100の表面又は上述の撮像基準面に対して傾斜を有するように、モールド部材112bが形成する壁はモールド部材112aが形成する壁よりも長くなっている。
透光板112cは、光学センサ111の発光素子から出力されて原稿へ向かう光を透過させる。透光板112cを透過して原稿で反射した光は、透光板112cを透過して、光学センサ111の受光素子によって受光される。このような光学センサ111の構成によって、紙粉が直に光学センサ111に付着することを防止できるとともに、紙粉が特徴点として誤って抽出されることを防止できる。なお、光学センサ111(発光素子)が照射する光の波長は850nm程の近赤外線領域の光を用いるのが好ましく、透光板112cとしては、その帯域の光を透過可能なフィルタを用いることが好ましい。
図12に示すように、搬送路1600の途中の、搬送ローラ1601と搬送ローラ1602との間の位置に、光学センサ111が配置されている。ここで、搬送ローラ1601は、給送ローラ6または分離ローラ7であっても良い。これらの場合、図12は位置関係を示すための概略図であり、実際には光学センサ111は、搬送ローラ1601に比べてもっと小さいことが想定される。
図12(a)では、ケース体112を構成する壁(モールド部材)112a、112bのうち、長い壁112bが、シートの搬送方向における上流側に配置され、短い壁112aが、シートの搬送方向における下流側に配置されている。この配置は、ケース体112の外部から内部に向かう外光の影響を抑えるために効果がある。なお、図12(b)に示すように、短い壁112aが、シートの搬送方向における上流側に配置され、長い壁112bが、シートの搬送方向における下流側に配置されてもよい。この配置は、例えば、搬送ローラ1601よりも、下流側に配置された搬送ローラ1602の回転数が早い場合に、搬送ローラ1602によって紙粉が飛びやすい場合に、そのような紙粉の影響を抑えるために効果がある。
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態を用いて、原稿台の上下動に関する光学センサ111の読取タイミング制御について説明する。なお、原稿搬送装置200の基本的構成は、第1の実施形態と同様である。
図1及び図2において、シート積載台1は昇降自在に構成されている。原稿の搬送開始タイミングで、シート検知センサ3がシート積載台1に積載された原稿がシート取込位置にあることを検知するまで、不図示のシート積載台昇降制御部の指示に基づき シート積載台モータ2によって、シート積載台1を上昇させる。このときのシート積載台1の状態を給紙状態と呼ぶ。一方、シート積載台1に積載されたシートがシート取込位置の下方に位置するようにシート積載台1を下降させた状態を退避状態と呼ぶ。
シート積載台1がシート取込位置にある状態でピックアップローラ4によって原稿を搬送部へ送り出す。搬送部へ原稿を送り出すと、シート積載台1に積載された原稿は搬出された原稿の厚さ分、シート読取位置から下がった状態になる。そのため次のシートを送り出すためにシート積載台駆動モータ2によって搬送された原稿の厚さ分持ち上げる必要がある。そのため常にシート検知センサ3がシート積載台1に積載された原稿がシート取込位置になるようにシート積載台モータ2を不図示のシート積載台昇降制御部によって位置制御されている。
光学センサ111はピックアップローラ4より上流側にあり、シート積載台1に載置された最も上に載置された原稿の移動量を検知することになる。そのため、シート積載台1の位置制御が行われると、シート積載台1は、光学センサ111の読取面とほぼ垂直に上下動するが、完全には垂直に上下動せず微振動しながら上下動する。この時、光学センサ111が原稿の移動量を検知すると、本来の原稿の搬送方向の移動量以外の シート積載台1の上下動による微振動の移動量を合わせて検出してしまい、正しい原稿の移動量を検知することが出来なくなる。
そこで、図13の制御フローによって説明する様に、シート(原稿)積載台1の上昇処理を行う場合は、光学センサ111の読取動作を停止(S121)し、シート(原稿)載置台1をシート取込位置まで上昇(S122)させ、シート(原稿)積載台1の上昇によるシート積載台1自体の振動が光学センサの読取結果に影響を与えないように待ち時間T3(S123)を挿入後、光学センサの読取を再開する(S124)。これによって、シート積載台1の上昇によってシート積載台1に載置されている原稿に加えられる搬送に起因しない変位を、原稿の搬送による移動量として誤判定することが防ぐことができる。
また、本実施形態において、シート積載台1の上昇動作に合わせて光学センサ111の読取の停止・再開を制御したが、光学センサ111の読取を継続したまま移動量検出部における移動量の検出を停止しても良いし、移動量検出部も動作したまま移動量の判定だけを行わない構成としても良い。つまり、シート積載台1の上昇動作による影響が出る時間的期間において原稿の移動量判定がなされなければ良い。光学センサ111の読取を停止させることは、消費電力の低下につながる。
また、本実施形態において光学センサ111の シート積載台1の上昇の動作完了から光学センサ111の読取再開までの待ち時間T3は、シート積載台1の上昇動作による振動の影響が無くなるまでの時間であるが、光学センサ111に振動の影響が出なければT3は0秒であっても構わない。また、T3は搬送のモードといった装置の動作状態に応じて装置内部で切り替えても良く、また、外部の制御機器からその値を設定可能な構成でもよい。また、本実施形態は前述の実施形態1に記載のピックアップローラ4の上下動作による光学センサ111の読取タイミングの制御を合わせて実施しても良い。
本実施形態では、シート積載台1の上昇動作中及び直後において光学センサ111の読取動作を停止させる例を示した。逆に、光学センサ111の読取動作中及びその直前にシート積載台1を昇降させないように制御しても構わない。図14にてその場合のシーケンスを説明する。シート積載台1に載置されたシートがシート取込位置にあるかをシート検知センサ3で判定(S131)し、シート取込位置に無い場合には光学センサ111が読取中かを判定する(S132)。光学センサが読取中の場合はT4時間の待ち時間を設ける(S134)。T4経過すると、再度S132において光学センサ111が読取中かどうかを判定する。光学センサ111が読取中でない場合はシート(原稿)積載台1を上昇させる(S133)。この構成によってシート積載台1の上昇によってシート積載台1に載置されている原稿に加えられる、搬送によらない原稿の変位を原稿の搬送による移動量と誤判定することが無くなる。
なお、本実施形態においては、光学センサ111によって、シートの後端を検出可能に構成することが好ましい。すなわち、光学センサ111をピックアップローラ4の上流側に配置した場合に、シートの後端を検出したタイミングにおいて、ピックアップローラ4によって搬送されるシートは、その時点で光学センサ111の撮像領域を外れることとなる。従って、この時点で光学センサ111による読取を停止することができ、ここで読取を停止した場合、S132における判定でNoとなり、S133で原稿載置台1を上昇させることができる。
また、光学センサ111によって後端を検出した時点では、ピックアップローラ4によってシートが取り込まれている状態であるが、この状態で原稿載置台1を上昇させてしまうとピックアップローラ4によるシートへの押圧力が変化することなどによって、ジャムが発生したり、シートが破損したりしてしまう虞がある。そのため、シートの後端を検出してS132において読取中でないと判定した場合には、光学センサ111からピックアップローラ4までシートが搬送される時間をピックアップローラ4の周速度から算出し、その時間だけ待機してから原稿載置台1を上昇させるように構成しても良い。こうすることで、シート搬送のスループットを向上しつつシートへの負荷を低減できる。
〔第5の実施形態〕
次に、第5の実施形態を用いて、光学センサ111が取り付けられているユニットの振動を防止する形態を図15及び図16を用いて説明する。なお、原稿搬送装置200の基本的構成は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と異なる点に絞って記述する。また光学センサ111の制御は実施形態1、実施形態3、実施形態4で説明したとおりである。
上部開閉ユニット201は排出積載部44と搬送路上部で囲まれる部分である。上部開閉ユニット201は排出積載部44、光学センサ111、ピックアップローラ4、原稿給送ローラ6、上ガイド板40、上部の画像読取センサ14などで構成される。上部開閉ユニット201は搬送路の下流端側で筐体(本体ユニット)にヒンジ202によって回転動作が可能なように固定されている。上部開閉ユニット201は原稿搬送中においては図15の様に閉状態となっている。
逆に原稿がジャム等で搬送路内に留まった場合、原稿を搬送路から取り出すために上部開閉ユニット201はヒンジ202を回転中心として図17の点線で示す位置に移動して開状態となる。同様に搬送路に堆積した紙粉や埃を取り除く清掃作業の為にも上部開閉ユニットは開状態となる。図18は上部開閉ユニット201の閉状態における模式図であり、原稿搬送装置200の上部側(排出積載部44側)から下向きに上部開閉ユニット201を見た模式図となっている。従って、原稿は図18の下側から上側に向かって搬送される。
上部開閉ユニット201に対して筐体左右側板210、211から樹脂部材である保持部材212、213が保持部材押圧用バネ214、215によって上部開閉ユニット201の側面を当接・押圧することで閉状態を維持するようになっている。なお、ここで上部開閉ユニット201の開閉の動作はユーザの手動動作であって、自動もしくは半自動で開閉動作をしても良く、開閉の方法については特に限定するものではない。また、本実施形態においては保持部材押圧用バネ214、215を介して保持部材212、213を設けているが、必ずしもこの限りではなく、樹脂などによって保持部材212、213を形成し、その保持部材212、213が筐体左右側板210、211との間で摺接して、上部開閉ユニット201が挟持されるように構成しても良い。
ここで光学センサ111の配置について考える。光学センサ111は原稿の異常搬送状態をいち早く検知することが目的であるため、搬送の上流側にあることが望ましく、理想的には給紙口付近にあるのが望ましい(図18における下側に配置するのが好ましい)。一方光学センサ111は上部開閉ユニット201に取り付けられている。上部開閉ユニットはヒンジ202を回転中心として開閉が可能となっている。ここでもう一度光学センサ111について考えると、光学センサ111は対向する位置にある原稿の移動量(変位量)を検知することで原稿の異常搬送状態を検出している。この検知タイミングにおいて光学センサ111を取り付けた部材が装置自体の振動により位置が変化してしまうと、原稿の変位量のみではなく、光学センサ111の位置変化量が加わった誤った検知データを取得してしまうことになる。
つまり、光学センサ111は搬送面に対して高さ方向、左右方向共に完全に固定されている状態が望ましい。その条件から光学センサ111は上部開閉ユニット201で振動が起こりにくい場所に配置するのが望ましい。上部開閉ユニット201において最も振動が起こりにくいのは回転中心であるヒンジ202付近であることが容易に考えられる。
しかし、先に述べたように、光学センサ111としては、搬送のより上流側で搬送する原稿の搬送状態を監視することが好ましく、搬送の下流側となるヒンジ202付近に配置するよりも、上流側に配置することが好ましい。図18に示したように、搬送路の上流(図18における下側)においては、上部開閉ユニット201の動きが制限されている左右の保持部材214と215とを結んだ直線(図18中の点線)上が振動しにくい場所となる。これらのことを踏まえ、光学センサ111は保持部材214と215を結んだ線分上に配置されている。
以上により開閉自由な上部開閉ユニット201に光学センサ111を配置した場合であっても、上部開閉ユニット201の振動による影響を小さく抑えつつ、搬送路の上流に配置可能で、光学センサ111で読取った原稿の変位量に対する振動の影響を抑えて原稿の搬送状態を好適に監視することが可能となる。
また、振動の影響が少なくなることから、振動の影響が想定される時間において光学センサ111の読取停止と再開までの制御待ち時間を短くすることが可能となり、光学センサ111の不検出時間を短くすることが可能となる。例えば、給紙ユニットを移動させながら光学センサ111による原稿の変位量の検出を行うことも可能となる。
ここで、保持部材214、215は樹脂部材とあるが、これは一例であり、樹脂でなくとも金属であっても良い。上部開閉ユニット201に対して押圧した時に変形しないような剛性を有する部材であれば良い。また、保持部材214、215は筐体左右側板210、211に取り付けられ上部開閉ユニット201を押圧し、規制する例を示した。逆に保持部材214、215が上部開閉ユニット201に取り付けられ、筐体左右側板210、211を押圧する形で上部開閉ユニットの動きを規制しても良い。
〔第6の実施形態〕
次に、第6の実施形態を用いて、光学センサ111が取り付けられているユニットの振動を防止する形態を図19及び図20で説明する。なお、原稿搬送装置200の基本的構成は、第1および第5の実施形態と同様である。また光学センサ111の制御は実施形態1、実施形態3、実施形態4で説明したとおりである。
筐体左右側板210、211(左右側面部材)にロック用の凸部材216、217(保持部材)が設けられている。一方、上部開閉ユニット201の側面には、上部開閉ユニット201が閉状態の時に、ロック用の凸部材216、217に嵌合するような位置にロック部材218、219が配置されている。ロック部材218、219は上部開閉ユニット201に設けられた開閉レバー220に連動するように構成されている。
開閉レバー220を引くと(図20(b)の状態)、開閉レバー220に連動してロック部材219をロック用の凸部材217に嵌合しない位置に退避する。一方、開閉レバー220を離すと(図20(a)の状態)、開閉レバー220に連動してロック部材219はロック用凸部材217に嵌合する位置に進出する。この嵌合した状態を保持するように不図示のバネでロック部材219は嵌合状態を解く方向とは逆向きの力が印加される。
上部開閉ユニット201の左右に設けたロック部材218,219を結んだ線上に光学センサ111を置くことで、上部開閉ユニット201の振動による影響をより抑えることが可能となる。なお、本実施形態においては、ロック部材218、219におけるロック位置としての左右のロック用凸部材217を結んだ線分上に光学センサ111を配置している。
以上により、光学センサ111を開閉型のユニットに取り付けた場合でも、搬送路の上流に配置可能で、かつユニット自体の振動が抑えられるため、光学センサ111で読み取った原稿の変位量に対する振動の影響を抑えることが可能となる。また、振動の影響が少なくなることから、振動の影響が想定される時間において光学センサ111の読取停止と再開までの制御待ち時間を短くすることが可能となり、光学センサ111の不検出時間を短くすることが可能となる。
〔第7の実施形態〕
次に、第7の実施形態を用いて、光学センサ111の取付方法について図21、図22、図23で説明する。なお、原稿搬送装置200の基本的構成は、第1の実施形態と同様である。また光学センサ111の制御は実施形態1、実施形態3、実施形態4で説明したとおりである。
光学センサ111は搬送する原稿の搬送異常を検知するために、より給紙口に近い場所に配置することが望ましく、一例として、ピックアップローラ4の近くに配置される。ここで、ピックアップローラ4、ピックアップモータ5、ピックアップ昇降モータ250は、ユニットとして構成された給紙ユニット180となっている。給紙ユニット180は給紙ユニット保持部材252を介して上部開閉ユニット201の下部側、つまり搬送路側にネジ等で固定される。
ここで固定方法の一例としては、ネジを用いずに上部開閉ユニットに嵌合させることで固定しても良い。つまり、給紙ユニット180が上部開閉ユニット201に対して位置固定されていれば固定の方法は問わない。また、給紙ユニット保持部材252を用いずに給紙ユニット180を上部開閉ユニット201に直接固定しても良い。つまり給紙ユニット180が給紙ユニット保持部材252を兼ねていても良い。
ここで、光学センサ111はピックアップローラ4の近くにあるため、給紙ユニット180に配置するのが装置構成上最も簡易な構成となる。ところがピックアップローラ4を含む給紙ユニット180はピックアップローラ4の上下動による振動の影響があるため、同じユニット内に光学センサ111を配置すると振動による誤検知の可能性がある。そこで光学センサ111を含む基板100は給紙ユニット180及び給紙ユニット保持部材252に直接取り付けずに、光学センサ保持部材251(撮像素子固定部材)を用いて上部開閉ユニット201の上部側、つまり排紙トレイ44側にネジ等で固定することにより、給紙ユニット180と不図示の給紙ユニット保持部材に接触しないように上部開閉ユニット201に対して取り付けられる。
以上により、ピックアップローラ4などで構成される給紙ユニット180及び保持部材からの振動の影響を直接受けることがなくなり、光学センサ111から原稿の変位量を検出できるため、より安定した判定が可能となる。また、振動の影響が少なくなることから、振動の影響が想定される時間において光学センサ111の読取停止と再開までの制御待ち時間を短くすることが可能となり、光学センサ111の不検出時間を短くすることが可能となる。
ここでは給紙ユニット180は給紙ユニット保持部材252を介して上部開閉ユニット201にネジで固定される例を示した。ここで、給紙ユニット180の上部開閉ユニット201への固定方法はネジである必要は無く、例えば給紙ユニット180および給紙ユニット保持部材252と上部開閉ユニット201を夫々嵌め合い嵌合で固定してよい。つまり給紙ユニット180が上部開閉ユニット201に対して固定されていれば固定方法は問わない。また、ここでは給紙ユニット保持部材252を介して給紙ユニット180を上部開閉ユニット201に固定したが、給紙ユニット180の一部が給紙ユニット保持部材252を兼ねる構成であっても良い。
光学センサ111と光学センサ保持部材251及び上部開閉ユニット201との固定に関しても同様である。光学センサ111と光学センサ保持部材251及び上部開閉ユニット201を夫々嵌め合い嵌合で固定しても良い。つまり光学センサ111が上部開閉ユニット201に対して位置が固定されていれば固定方法は問わない。また、ここでは光学センサ保持部材251を用いたが、光学センサ111の一部が光学センサ保持部材251を兼ねる構成であっても良い。
ここで、光学センサ111を含む基板100は光学センサ保持部材251を用いて上部開閉ユニット201に取り付けられているが、光学センサ保持部材251の一部は防振のゴムで構成されても良く、例えば図24に示したように樹脂でできた光学センサ保持部材251と上部開閉ユニット201に接する面に防振ゴム253などの緩衝部材を配置した光学センサ保持部材251であっても構わない。これにより上部開閉ユニット201から伝わる振動を防振ゴム等で抑えるもしくは減衰させることで、より安定的に光学センサ111から変位量を検出可能となる。なお、ここでは防振のゴムを配置しているが上部開閉ユニット201から光学センサ111に衝撃、振動が伝わりにくくできる緩衝部材であれば、特に制限は無くバンパーやスプリングといった部材であっても構わない。
〔第8の実施形態〕
次に、第8の実施形態を用いて、光学センサ111と上部開閉ユニット201の外装部との取付方法について説明する。なお、原稿搬送装置200の基本的構成は、第1の実施形態と同様である。
図25は光学センサ111の部分概略図である。光学センサ111が実装されている基板100に対してケース体112(撮像素子外装材)が設けられ、光学センサ111を取り囲むようになっている。ケース体112は光学センサに対する外乱となる外光を排除するために設けられる。
ケース体112を含む光学センサ111は、基板100と不図示の光学センサ保持部材を介して上部開閉ユニット201の内部に固定されている。ここで光学センサ保持部材は前述の緩衝部材を含んでいても良い。光学センサ111は上部開閉ユニット201の内側に設けられた部材に固定されているが、上部開閉ユニット201の外にある原稿の変位量を測定しなくてはならないため、上部開閉ユニット201の外装を構成する開閉ユニット外装部材151に光学センサ111と対向する開口部が設けられている。
ここで開閉ユニット外装部材151に設けられた開口部は光学センサ111、ケース体112、光学センサ保持部材を含む光学センサに干渉しないように開口されている。もし開口部が光学センサに干渉するような開口であった場合、上部開閉ユニット201の開閉ユニット外装部材151に加えられた衝撃・振動によって光学センサ111に振動が伝搬してしまう。本実施形態では開口部が干渉しないようになっているため、開閉ユニット外装部材151に加えられた衝撃・振動は光学センサ111に直接伝搬しないため、光学センサ111の検出した変位量に衝撃・振動の影響が出ない。
〔第9の実施形態〕
次に第9の実施形態を用いて、光学センサ111と重送検知センサ30の配置について説明する。なお、原稿搬送装置200の基本的構成は、第1の実施形態と同様である。
重送検知センサ30は給紙口における下流側、図1では給送ローラ6の後ろ側で、上部開閉ユニット201に固定されている。重送検知センサ30は超音波の送受信部を用いた検出装置であり、搬送路をまたいだ送受信間における超音波の減衰量によって重送を検知する。ここで、超音波の送信は超音波センサを用いており、電圧印可による圧電効果によって超音波を振動発振している。また、受信側は受信した超音波を圧電効果で電圧信号として出力する。このため送信側の重送検知センサ30は搬送中、常に振動している。
この振動が光学センサ111に伝搬すると光学センサ111は原稿の変位量以外の振動による変位を受けて、誤った変位量の測定をしてしまう。そこで、光学センサ111を実装した基板に重送検知センサ30を実装しないようにする。つまり、光学センサ111を実装した基板と重送検知センサ30を実装した基板を別の基板とする。これにより、重送検知センサ30の影響を受けずに、より正確に原稿の変位量の測定が可能となる。
また、光学センサ111を実装した基板と、重送検知センサ30を実装した基板は別々の保持部材によって上部開閉ユニット201に固定されても良い。これにより更に重送検知センサ30からの振動の影響を光学センサ111が受けにくくなる。また、重送検知センサ30からの振動の影響が少なくなることから、振動の影響が想定される時間において光学センサ111の読取停止と再開までの制御待ち時間を短くすることが可能となり、光学センサ111の不検出時間を短くすることが可能となる。
また、重送検知センサ30は搬送路を挟んで送信側の超音波センサが発振した超音波は搬送路中の原稿等によって減衰して受信側の超音波センサに入力される。従って相対的に送信側より受信側の超音波センサの方が、振動が小さくなる。例えば光学センサ111を上部開閉ユニット201に設置した場合、受信側の超音波センサを上部開閉ユニット201に設置し、その搬送路を挟んだ反対側の筐体に送信側の超音波センサを設置すると、光学センサ111は超音波の影響を受けにくくなる。つまり、光学センサ111を取り付けたユニットに対して搬送を挟んだ対向する筐体に発振側の超音波センサを設けることで、より光学センサ111は重送検知センサ30からの振動の影響を受けにくくなる。
以上、本発明の原稿搬送装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をすることができる。
以上説明した本発明をまとめると、一実施形態に係る原稿搬送装置をまとめると、
原稿を載置する原稿台と、
上記原稿を搬送路に沿って搬送するための搬送部と、
上記原稿で反射した光を受光して光電変換を行う撮像素子が取得した画像に基づいて上記原稿の移動量を検出する移動量検出部と、
上記原稿を上記原稿台から給紙する給紙ユニットと、
上記給紙ユニットを給紙状態と退避状態に移動させる給紙ユニット移動制御部と、
上記給紙ユニット移動制御部が上記給紙ユニットを移動させているとき及びその直後において上記原稿の移動量を検出しないように上記移動量検出部を制御することを特徴とする。
また、他の態様における原稿搬送装置は、
原稿を載置する原稿台と、
上記原稿を搬送路に沿って搬送するための搬送部と、
上記原稿で反射した光を受光して光電変換を行う撮像素子が取得した画像に基づいて上記原稿の移動量を検出する移動量検出部と、
上記原稿を上記原稿台から給紙する給紙ユニットと、
上記給紙ユニットを給紙状態と退避状態に移動させる給紙ユニット移動制御部と
を備え、
上記移動量検出部が検出する直前および検出中に、上記給紙ユニット移動制御部が上記給紙ユニットを移動させない制御をすることを特徴とする。
すなわち、給紙状態と退避状態とが切り替わるように移動される給紙ユニットに対し、給紙ユニットを給紙ユニット移動制御部によって移動させているとき及びその直後において、光学センサなどによって構成される移動量検出部による原稿の移動量の検出を行わないようにすることで、原稿の移動量検出を安定させることが可能となるものである。
なお、給紙ユニットとしては、シート積載台1やピックアップローラ4が含まれるが、本発明はこれに限られず、原稿の給紙の際に給紙状態と退避状態とを切り替えられる駆動部が含まれる。給紙ユニット移動制御部の一例としては、シート積載台1を移動制御するシート積載台駆動モータ2やその制御部、ピックアップローラ4を昇降制御するピックアップ昇降モータ250やピックアップローラ昇降制御部が挙げられる。