JP2020033144A - 原稿搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化した原稿搬送装置に対しても、搬送時の原稿の異常を精度よく検出する。【解決手段】原稿を搬送路に沿って搬送する原稿搬送部と、上記原稿を撮像した原稿の画像に基づいて、上記原稿の移動量を検出し、上記原稿の移動速度を算出する速度算出部と、上記速度算出部の算出結果から、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定する異常搬送判定部と、上記速度算出部が算出した複数の速度データを格納する速度データ格納部と、上記速度データ格納部に格納された複数の速度データに対し、第1速度以上となる異常速度データの数をカウントする異常速度カウント部とを備え、上記異常搬送判定部は、上記速度データ格納部に格納された複数の速度データに対する上記異常速度データの数または比率に基づいて、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定することを特徴とする。【選択図】図20

Description

本発明は、原稿を搬送可能な原稿搬送装置における搬送状態の異常を検知する技術に関する。
従来、用紙を所定量搬送する原稿搬送装置において原稿が正常に搬送されているかどうかの異常検知を目的として、回転方向に等間隔でスリットが設けられた円板状のエンコーダを従動ローラに搭載し、原稿の移動により従動ローラが動き、それによりエンコーダが回転することで原稿の搬送方向の変位量を求める技術が提案されている。
特許第6218793号公報
特許文献1に記載の技術については、原稿搬送装置の小型化に伴い、エンコーダも小型化が求められるが、小型化を行う事で形状や組み立てバラつきの影響が大きくなり、それによりスリットの状態変化を正常に検知出来ない事態が増加する事が懸念されるため、小型で異常検知に関して精度の高い原稿移動量検知装置が求められている。
上記を鑑みて、本発明に係る原稿搬送装置は、
原稿を搬送路に沿って搬送する原稿搬送部と、
上記原稿を撮像した原稿の画像に基づいて、上記原稿の移動量を検出し、上記原稿の移動速度を算出する速度算出部と、
上記速度算出部の算出結果から、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定する異常搬送判定部と、
上記速度算出部が算出した複数の速度データを格納する速度データ格納部と、
上記速度データ格納部に格納された複数の速度データに対し、第1速度以上となる異常速度データの数をカウントする異常速度カウント部と
を備え、
上記異常搬送判定部は、上記速度データ格納部に格納された複数の速度データに対する上記異常速度データの数または比率に基づいて、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定することを特徴とする。
本発明によれば、原稿搬送装置の小型化に伴い原稿移動量検知装置が小型化しても原稿の異常を精度良く求める事が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置の構成を概略的に示す部分断面図。 図1の原稿搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図。 本発明の第1の実施形態に係る光学センサの配置を概略的に示す部分断面図。 光学センサの構成を概略的に示す模式図。 光学センサから得た画像に信号処理を実行した画像を概略的に示す模式図。 撮像対象の移動速度と光学センサの検知精度との特性を示す模式図。 移動した撮像対象の重なりを示す模式図。 撮像領域の重なり度合いに対する光学センサの検知精度の特性を示す模式図。 本発明の第4の実施形態に係る原稿搬送装置の構成を概略的に示す部分断面図。 図9の原稿搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図。 光学センサ、ピックアップローラ、分離ローラ及び画像読取センサの配置例を示す上面図。 光学センサ及びその周囲を覆うケース体の配置例を示す断面図。 シートの搬送路の途中への光学センサの配置例を示す断面図。 光学センサ付近を原稿が通過する様子を示す断面図。 原稿の異常検知処理のフローチャート。 理想の原稿搬送に対する原稿先端位置と光学センサから算出した原稿の搬送速度のグラフ。 原稿の異常状態判定処理のフローチャートの一例。 実際の原稿搬送に対する原稿先端位置と光学センサ111から算出した原稿の搬送速度のグラフ。 光学センサ111で算出した搬送速度が正常な値か異常な値かを判定する基準を示したグラフ。 図19に示した3つの状態を使用した原稿の異常状態判定処理のフローチャートの一例。 ノイズが発生し易い原稿が来た場合には異常搬送判定機能を自動的にOFFにする処理のフローチャート。
〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原稿搬送装置(画像読取装置)の構成を概略的に示す部分断面図であり、図2は、図1の原稿搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図である。
図1及び図2において、原稿搬送装置200は、シート取込装置101を備える。シート積載台(原稿載置台)1にはシートが複数枚積載されており、シート積載台1は昇降自在に構成されている。シート積載台駆動モータ2は、シート積載台1を昇降させる。シート検知センサ3は、シート積載台1に積載されたシートがシート取込位置にあることを検知する。シート積載検知センサ12はシート積載台1のシート積載面1aにシートが積載されているのを検知する。
原稿ピックアップ部の一例としての給送ローラ6は、給送モータ8によって、シートを搬送方向下流側に給送する方向に回転するよう駆動されている。分離ローラ7は、シートを搬送方向上流側に押し戻す方向に回転する回転力を不図示のトルクリミッタ(スリップクラッチ)を介して分離モータ9から常時受けている。給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが1枚存在するときは、上記トルクリミッタが伝達する分離ローラ7がシートを上流側に押し戻す方向の回転力の上限値より、給送ローラ6によって下流側に送られるシートと分離ローラ7との間の摩擦力によってシートが下流側に給送される方向への回転力が上回り、分離ローラ7は給送ローラ6に追従して回転する(連れ回りする)。
一方、給送ローラ6と分離ローラ7との間にシートが複数枚存在するときは、分離ローラ7はシートを上流側に押し戻す方向の回転をローラ軸から受け、最も上位のシート以外が下流側に搬送されないようにする。
このように給送ローラ6がシートを下流側に給送する作用と、分離ローラ7のシートを下流側に搬送されないようにする作用とによって、シートが重なって給送ローラ6と分離ローラ7とのニップ部に送り込まれたとき、最も上のシートのみ下流側に給送され、それ以外のシートは下流側に搬送されないようにされることで、重なったシートが分離給送される。よって、給送ローラ6と分離ローラ7とは、一対の分離ローラ対42(原稿分離部)を構成する。なお、本実施形態では、分離ローラ対42を使用しているが、分離ローラ対42の代わりに分離ローラと給送ローラのどちらか一方をベルトにした、分離ベルトローラ対を使用してもよい。また、分離ローラを分離パッドに置き換え、シートに当接することで下流側へ複数枚のシートが搬送されることを防ぐようにしてもよい。
また、分離された原稿が通過する位置に重送検知センサ30を備えることで、原稿分離部によって原稿が一枚ずつに分離できているかを検知することができる。本実施形態においては重送検知センサ30として超音波の送受信部を用いた検出装置を用いており、搬送路を跨いだ送受信部間における超音波の減衰量によって重送を検知することができる。
搬送モータ10は、原稿分離後のシートを、画像読取センサ14、15によって原稿の画像の読み取りが行われる画像読取位置まで搬送し、更に排出位置まで搬送するため、その他のローラ(原稿搬送部)を駆動する。また、搬送モータ10は、シートの読み取りに最適な速度や、シートの解像度等の設定に応じてシートの搬送速度を変更できるよう各ローラを駆動する。
ニップ隙間調整モータ11は、給送ローラ6と分離ローラ7との隙間、或いは分離ローラ7に対してシートを介して給送ローラ6が圧接する圧接力を調整する。これにより、シートの厚みに適合した隙間、或いは圧接力が調整され、シートを分離することができる。
レジストクラッチ19は、搬送モータ10の回転駆動力をレジストローラ18(原稿搬送部)に伝達、又は当該伝達を遮断する。レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の回転を停止することにより、給送されるシートの先端をレジストローラ対のニップ部に突き当てて、シートの斜行を補正する。
搬送ローラ20、21で構成される搬送ローラ対、搬送ローラ22、23で構成される搬送ローラ対、及び図1に示すさらに下流側のローラ対は、シートを排出積載部44に搬送する。上ガイド板40と下ガイド板41との2つのガイド板は、分離ローラ対、レジストローラ対、各搬送ローラ対及び下流側のローラ対により搬送されるシートを案内する。
レジスト前センサ32は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラの上流側に配設され、搬送されるシートを検知する。レジスト後センサ33は、レジストローラ17、18で構成されるレジストローラ対の下流側に配設され、搬送されるシートを検知する。
ここで、図3および図4で本発明の実施形態の要部の詳細について述べる。シート積載台1と対向する位置に、搬送された原稿の挙動を検知可能な光学センサ111が実装されている基板100が、シート積載台1と平行に取り付けられている。すなわち、光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面(対向面)と平行になるように取り付けられている。ここで、光学センサ111にはエリアイメージセンサを使用する。本実施形態の場合には、光学センサ111の撮像面がシート積載台1の表面と平行になるようにするとは、光学センサ111が実装されている基板100がシート積載台1の表面と平行になることと同義である。
本実施形態においては、光学センサ111を撮像素子として用いて、搬送される原稿の画像を取得してその画像情報に基づいて移動量を検出して移動速度を算出することで、原稿の挙動を検知する。すなわち、光学センサ111を速度算出部として機能させている。光学センサ111は、原稿が搬送される搬送路内における撮像基準面から所定距離離れるように配置されている。撮像基準面は、撮像素子である光学センサ111と対向する、光学センサ111による撮像の基準となる面であり、本実施形態では、撮像対象物である原稿(シート)が搬送される搬送路(シート積載台1)の表面が撮像基準面として定められる。但し、原稿がシート積載台1に複数枚載置された状況においては、搬送される原稿の表面に相当する位置が撮像基準面となる。すなわち、原稿を給送するときのシート積載台1の昇降範囲における最上位の位置でのシート積載台1の表面が概ね撮像基準面と一致する。光学センサ111を撮像基準面から所定距離D離すことによって、原稿の種類や光学センサ111が配置される位置に依らずに原稿の画像を適切な間隔で取得することができる。従って、光学センサ111としては、所定距離D離れた原稿に対し撮像焦点の合うものを用いることが好ましい。本実施形態においては、所定距離Dとして20mmから30mm程度、撮像基準面から光学センサ111を離して配置している。
本実施形態においては、光学センサ111で原稿の画像を取得し、光学センサ111が実装される基板100に設けられたICによって所定の時間間隔ごとの画像(もしくは所定の移動量間隔に基づいた画像)を比較することによって移動量を判定しており、基板100に実装されるICが移動量検出部として動作している。但し、光学センサ111によって取得した画像を外部装置に送信し、外部装置上で移動量の判定を行ってもよく、その場合、外部装置を含めて移動量検出部を構成していると言える。その場合、外部装置における移動量の判定を行っている部分を含めて本実施形態における原稿搬送装置を構成していることとなる。
なお、図1、2に示すように、シート積載台1には、搬送方向に対する幅方向の両端側にそれぞれ移動可能な規制部材51が設けられており、シートの幅方向を規制している。規制部材51を幅方向に移動して搬送する原稿の幅に合わせることによって、搬送中にシートが斜行することを防止できる。本実施形態においては、光学センサ111を規制部材51に対して取り付けてもよく、本体の外装に取り付けてもよい。
図4(a)の様に光学センサ111の前に不図示のプリズムやレンズなどの光学部材を配置し、対向する原稿に対して正対させた場合に、光学センサ111が受光する光量が最大となる様に配置する。動作上問題が無い場合には、小型化やコストを優先して、これらの光学部材を省略できる。
本発明の実施形態において、光学センサ111が原稿の移動量を検知可能なセンサである場合について説明をする。
この場合、光学センサ111が撮像対象物の移動量または移動方向を検知可能な不図示の移動量検知部を備えている。光学センサ111によりエリアイメージを取得して、不図示のA/D変換部でデジタル信号に変換して得られた画像を、移動量検知部にて順次比較しながら撮像対象物(本実施形態の場合、シート)の移動量または移動方向を検知する。
本実施形態における光学センサ111は、レーザで赤外線レーザ光を照射して、またはLEDによる発光を用いて、原稿などによる反射光を受光することで原稿の表面画像を取得するものが好ましい。特に、レーザ方式を用いれば、より詳細に原稿の移動量を検知可能となるため、好適である。なお、レーザ方式を用いる場合、レーザ光の波長を適切に選択することによって、搬送中の原稿のばたつきに起因した、移動量の検知精度の低下を軽減することが可能である。例えば、高さ約2mm程の搬送路内を搬送される原稿に対し、原稿の搬送面から光学センサ111までの距離Dが20mm程度である場合、約850nmの波長を有する赤外線レーザ光を用いることで、搬送中の原稿にばたつきが発生しても移動量の検知精度を維持できることが実験的に明らかとなっている。
本実施形態では、光学センサ111内部でTG(Timing Generator)によりイメージセンサを駆動して画像信号を取得するとともに、A/D変換ならびに画像信号を解析し、撮像対象物の移動量または移動方向を検知する構成となっている。例えば、図4(b)に示すように、光学センサ111内部にはイメージセンサ、TG、AFE(Analog Front End)、DSP(Digital Signal Processor)を備えており、TGがイメージセンサで撮像対象のイメージ画像を取得し、AFEにて取得した画像信号に対してA/D変換を実行し、デジタル画像信号に基づいてDSPにて撮像対象物の移動量を検知する(いわゆるシステム・オン・チップ(SoC)になっている)。すなわち、DSPが移動量検出部として機能している。別のケースとしては、光学センサ111は画像信号の取得のみ行い、不図示の画像信号処理デバイスが別デバイスとして存在し、この画像信号処理デバイスによってA/D変換ならびに画像信号の解析を行い、撮像対象物の移動量または移動方向を検知する構成にしてもよい。本実施形態では光学センサ111における画像信号の取得は、原稿に光を照射し、反射した光を受光部によって受光して光電変換することによって行う。
図5に光学センサ111から得られる画像に対して信号処理を実行した画像の概略図を示す。ある時刻(t=0とする)に撮像された画像に対して、特徴点として抽出した点を黒マスで表わす。ここでは例として1マス=1画素(つまり、光学センサ111の画素数は5×5=25マス)としているが、複数の画素の平均値または特定の演算を行った後に代表して1マスを形成してもよい。例として、特徴点として他のマスと比較して明るい、または暗い点を抽出する。特徴点としては、原稿表面の凹凸や傷を抽出することができる。この状態から時刻がt'だけ経過して時点で、光学センサ111が再び画像を取得して、黒マスを抽出し、黒マス(特徴点)がどの様に移動しているかを比較して、時刻0からt'までの移動量を算出する。図5の例では、右に1マス、上に1マス移動したと判定する。なお、移動量の算出は、上述したように、光学センサ111内部のDSPによって行ってもよいし、光学センサ111とは別に設けた画像信号処理デバイス内で行ってもよい。このようにして複数の画像の差分から特徴点の移動量を算出して原稿の移動量、移動速度を算出する。
ここで、上述したように、光学センサ111の撮像面(受光面)と原稿の表面は、互いに平行になる様に配置している。図6を用いて光学センサの特性について説明すると、本実施形態で用いる光学センサは、一般的には図6(a)に示す通り、光学センサの受光面と原稿が互いに平行になっているとき(図6(b)左側:配置A)に、受光面と原稿が傾いているとき(図6(b)右側:配置B)に比べて撮像対象である原稿の移動速度がより速い領域まで追従できる特性になっている。
次に、再び図3を使用して光学センサ111の配置の詳細について説明をする。
光学センサ111とシート積載台1間の距離Dについては、光学センサ111の撮像領域のうち、搬送方向に対する撮像範囲をL、センサの画像取得間隔時間をT、原稿搬送部の搬送速度の最大値をVとしたときに、L≧T×Vを満たす距離になる様に、距離Dを調整する。なお、以下の説明において、Lを撮像領域と表現することもある。なお、撮像領域とは、光学センサ111の撮像基準面における光学センサ111の視野角のことを示しており、撮像基準面に撮像対象(原稿)があれば、撮像領域内の画像を取得することができる。ここで言う搬送方向とは、実際に原稿(シート)が搬送される方向ではなく、装置によって搬送しようとする方向、すなわち、給送ローラや搬送ローラの回転方向に沿う方向(各ローラの軸と垂直な方向)である。なお、センサの画像取得間隔時間をTとしたが、実際には、光学センサ111が取得した画像に基づいてシートの移動量を検出する移動量検出部を有し、その移動量検出部における移動量の取得間隔がTとなればよい。すなわち、センサの画像取得間隔時間としてはTよりも短い間隔で取得しつつ、移動量検出部における移動量の検出をT間隔で行い、それ以外の取得データは無視するか、移動量検出部に対して入力自体しないものであってもよい。以下では説明上センサの画像取得間隔時間Tとして説明するが、ここで説明したことと同義であり、移動量取得間隔時間Tと読み換えればよい。
ここで、光学センサ111と光学部材を合わせた画角(視野角)が大きくなると、1回で撮像できる領域が大きくなる為に、Lは大きい値を持つことになる。また、光学センサ111はある程度の視野角を持っているため、距離Dを大きくすることによってもLは大きい値を持つことができる。
画像取得間隔時間Tに関しては、光学センサ111が画像を取得するのに要する時間が短ければ小さい値を持つ。具体的には、光学センサ111の画像読出しクロックが早ければ、光学センサ111が画像信号を読み出す為の時間が短くなる。または光学センサ111の画素数が小さければそれだけ画像信号を読み出す為の時間が短くなる。ただし、画素数が小さくなる場合は、前述のLの値に対しても影響を与える(小さくなる)ことがある。
前述の通り説明した原稿の移動量検知について、移動量を検知する為に光学センサ111から得られる画像を複数平均する必要がある場合は、検知までの時間が必要になる。この場合は、画像取得間隔時間Tを移動量検知間隔時間T'に置き換えてL≧T'×Vを満たす様に光学センサ111とシート積載台1間の距離Dを調整する必要がある。
ただし、L≧T×V(またはL≧T'×V)は最低条件である為、本発明ではより最適な配置について言及する。例えば、図5に示した5×5画素の光学センサを用いた場合は、光学センサが1回画像を取り込むのに対して、原稿が1画素以下の変位量であれば極めて精度の良い検知が可能となる。すなわち、L≧T×V×5を満たせばよい。この関係式から、精度良く検知するための原稿搬送速度の上限値Vmaxとして、L/5Tを得る。
この上限値Vmaxでの運用が困難な場合を想定し、図7と図8を用いて別の形態について言及する。図7には、ある時刻t1と別の時刻t2(>t1)における原稿の撮像領域の重なり度合い(重複率)を模式的に表したものである。時刻t1と時刻t2とで、光学センサ111が撮像した領域のうち、両画像において重複する領域が大きければ大きいほど、前述した特徴点の数をより多く検出、追跡することができる為、移動量をより正確に検知できる。この場合、図7中のαL(αは撮像領域の重なり度合いを示し、α<1)を用いて、αL≧T×Vを満たすように光学センサ111を配置し、搬送速度Vを設定する。すなわち、この関係式から原稿搬送速度の上限値Vmaxとして、αL/Tを得る。
図8に示す通り、撮像領域の重なり度合いを上昇させていくと光学センサの検知精度は上昇する特性を示す。検知アルゴリズムとして所定の撮像領域の重なり度合いα1で検知精度が飽和するように構成した場合には、撮像領域の重なり度合いがα1となるようにVmaxを設定すればよい。
一例として、移動量の検知精度をある程度の高さとするために、撮像画素として重複エリアαLがN以上となることが好ましいとする。この場合、光学センサとして、搬送方向に対する画素数がLとすると、搬送方向の画素としてαL重複するようにすればよく、この場合、L−V×T≧N(=αL)となる。したがって、この場合には、V≦(L−N)/Tを満たすように搬送速度を設定することによって、精度良く移動量を検出することができる。具体的な例としては、図5に示す光学センサを用いた場合、重複エリアが4画素分以上(α=4/5=0.8)となればよいとすると、V≦(5−4)/T=1/Tとなるように搬送速度Vを設定すればよい。
本実施形態においては、図8に示すように、重なり度合いがα1=0.8となる辺りから検知精度が飽和気味に上昇してくるが、移動量の検知自体は画像取得間隔時間ごとに行っており、必ずしも連続して検知に成功する必要はない。概ね移動量を検知できている程度、すなわち重なり度合いが第1閾値としてのα1となる程度の搬送速度に設定することで、搬送のスループットを向上できる。本実施形態においては、α=α1=0.6(重複率60%)に設定した場合に良好に検出が可能であるとともに処理部への負荷を抑えることができており、その場合、N=αL=0.6×5=3.0であるから、V≦2/Tとなる。
なお、上記は一例であり、使用する光学センサによって検知精度の特性は異なるが、検知精度が飽和し始める辺り、あるいは若干飽和するような撮像領域の重なり度合いα1を設定するのが好ましく、本実施形態においてはα=0.6となっているが、前後しても構わない。また、搬送速度によっては、重なり度合いαが完全に飽和した領域で用いても構わない。
搬送速度Vに関しては、原稿搬送装置が原稿を搬送する速度であるので、原稿搬送開始から所定の速度に到達するまで、段階的に(あるいは、モータの種類によっては無段階的に)速度が上昇することになる。逆に原稿の搬送停止時には、所定の速度から停止状態(V=0)に向けてやはり段階的に(または無段階的に)速度が低下する。
上述した搬送速度Vの設定値としては、原稿搬送開始後に、搬送速度が所定の速度に到達した時点での速度V1が上記の関係式を満たすようにしておくことで、立ち上がりや立下りにおいて速度がV1よりも遅い場合でも、光学センサの検知精度が低下することはなく、好適に移動量を検知することができる。
ここで、例えば、装置にスペースの余裕が無ければ、画角の大きな光学部材を光学センサ111の前に配置し、搬送方向に対する撮像領域Lを大きくすることが考えられる。この構成によって、より大きな搬送速度Vに対応できることになる。
または、搬送速度Vの変化に連動して、光学センサ111の画像取得間隔時間Tを変化させてもよい。ターゲットとなる撮像重なり領域(αL)を決め、搬送速度Vが変化しても、撮像重なり領域が常に一定となるように画像取得間隔時間Tを前述のTGが制御する。この制御を行うことで、搬送速度Vが変化しても、光学センサの検知精度が常に一定となる。
同様に、本実施形態において、上述したように搬送速度Vを設定する代わりに、画像取得間隔時間Tを調整することで、撮像領域の重なり度合いαが所定の値となるように調整してもよい。重なり度合いαがα1となるようにすれば効率よく光学センサの検知精度を向上することができるが、これに限られず、ある程度の重なり度合いαを保てるような画像取得間隔時間Tとなっていればよい。
光学センサの出力としては、所定の画像取得間隔時間Tで出力を処理するICなどに対して出力してもよいが、以下には別の例を示す。
例えば、光学センサにおける移動量の検知量が所定の値を上回ると移動量を出力する光学センサを使用した場合に、A4原稿の搬送として、150枚/分の搬送を行う場合について示す。原稿間隔距離を考慮しても搬送速度Vは1000mm/秒前後となる。この場合、画像取得間隔時間Tの一例として、光学センサの解像度が1500cpi、すなわち1インチ当たり1500カウントの出力を行う設定とすれば、1カウント当たり1/1500インチ、つまり0.017mm程の移動があると1カウントの出力を行うものである。搬送速度V=1000mm/秒に対しては、1秒当たり1000/0.017≒60000カウント、すなわち、1/60000秒で1カウント出力される。
光学センサとしては、図6(a)に示すように、所定の搬送速度以上になると、設定された解像度の性能を発揮できなくなる特性がある(検知精度が下がる)。これに対し、原稿搬送装置として設定可能な搬送速度に対して同等の検知精度を発揮できるように、解像度の設定値として1500cpi程度にすることによって、実際に使用される搬送速度V=1000mm/秒程の条件に対しては、解像度を下げずに、検知精度を一定に保ったまま使用することができる。特に、図6(b)で説明したように、原稿の表面と光学センサの撮像面が平行となるように配置すること(図6(b)左側:配置A)によって、設定された解像度の性能を発揮しやすくなる、すなわち、搬送速度を速くしても設定された解像度の性能を維持することができ、光学センサの検知精度を維持することができる。
また、光学センサとしては解像度として5000cpiやそれ以上となるものもあり、解像度を上げれば光学センサの検知精度は向上するが、その分光学センサを高速に動作させる必要があり、光学センサ内部の動作クロック周波数を上げることになるので、光学センサの出力を処理するIC等にかかる負荷や消費電力も増えることとなる。ここで示すような原稿の搬送状態を検知することを考えると、解像度を1500cpi程度とすることによって、搬送速度として要求される100枚/分程度の搬送速度Vに対しては十分な検知精度を確保することができ、処理にかかる負荷などを抑えることができる。
本実施形態による構成によれば、1つの光学センサで原稿の搬送状態を検知可能である為に、装置の大型化やコストアップをすることなく装置を提供できる。
また、本実施形態においては、図4(a)の様に光学センサ111が受光する光量を増加させる目的で光源部102を設けている。なお、本実施形態においては、光学センサ111とは別のデバイスとして光源部102を設けたが、光学センサ111と光源部102が1つのデバイスになった構成でもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態に係る原稿搬送装置について説明する。図9は、本実施形態に係る原稿搬送装置の構成を概略的に示す部分断面図であり、図10は、図9の原稿搬送装置の主要部の構成を概略的に示す模式図である。
基本的構成は第1の実施形態と同様であるため、異なる部分についてのみ説明する。
原稿ピックアップ部の一例としてのピックアップローラ4(取り込み手段)は、シート積載台1のシートをシート積載台1から送り出す。ピックアップローラ駆動モータ5は、ピックアップローラ4を回転させる。図10ではシート上面がシート取込位置にあり、ピックアップローラ4を回転させればシートの取り込みが始まる状態である。また、ピックアップローラ4はシート取込位置とシート取込位置よりも上方の退避位置とに不図示の駆動手段によって移動できる。ピックアップローラ4はシートを取り込むときは取込位置に、取り込みが終わったら退避位置に移動する。
ここで、図11及び図12を用いて、光学センサ111の配置方法の詳細について説明する。図11は、原稿搬送装置を給紙面に正対する形で見たときに、光学センサ111とピックアップローラ4と分離ローラ7を抽出した図である。本実施形態においては、ピックアップローラ4を保持している部材が延出し、光学センサ111を保持する。図12は、図11の構成物に関するA−A断面図であり、光学センサ111がケース体112によって覆われている例を示している。光学センサ111の検知領域を最大限に拡大することを目的として、光学センサ111はピックアップローラ4を撮像しない向きに配置して、原稿のみ撮像する構成にするのが望ましい(撮像領域の一部にでも原稿以外の領域があると、移動量または移動方向を検知する為の情報量が少なくなり、検知精度を低下させる要因になる)。
但し、光学センサ111の周囲を覆っているケース体112の壁面のうち、給紙面との距離が短い方の壁面が上流側に配置される向きに光学センサ111を配置する図12の向きに対し、その反対、すなわち、ケース体112の壁面のうち、給紙面との距離が短い方の壁面が下流側に配置される向きに光学センサ111を配置するようにしたときにも、光学センサ111の検知領域に原稿のみが含まれるように構成できる場合には、ピックアップローラ4や分離ローラ7における紙粉の発生を考慮して、給紙面との距離が短い方の壁面が下流側に配置される向きに光学センサ111を配置するようにするのが好ましい。このように配置すれば、光学センサ111に対向する面(後述する図13の透光板112c)に対する紙粉の付着を低減することができる。
シート積載台1に載置された原稿束を搬送路の上流に設けられた原稿給紙口に連続搬送するときに、複数の原稿が同時に通過可能な位置に光学センサ111を設けることで、搬送する原稿の後端を撮像して後端検出が可能となる。なお、本実施形態においては、原稿の後端の検知としては、先行する原稿の後端が次の原稿に対して影を形成することによって、出力が変動することを利用することができる。
具体的な光学センサ111の配置としては、シート積載台1におけるシートが積載される位置の先端よりもわずかに上流である。つまり、シート積載台1先端側でシート積載台1と対向する位置である。また、光学センサ111を、ピックアップローラ4や給送ローラ6を有する給紙ユニット部の高さよりも低く配置することで、装置本体の大型化を抑えることができる。
本実施形態の構成によれば、1つの光学センサで原稿の搬送状態を検知可能であり、かつ原稿が規制されてからの搬送状態を検知する構成になっている。その為、付加的な処理を実行することなく原稿の搬送状態を検知可能な為に、処理時間を増大させることがない。
よって、装置の大型化やコストアップすることなく、処理時間についても不要に増加しない装置を提供できる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態に係る原稿搬送装置について説明する。図13は、本実施形態に係る原稿搬送装置の構成を概略的に示す部分断面図である。
図13は、モールド部材及び透光板で周囲が覆われた光学センサ111の構成例を示す断面図である。図13の例では、光学センサ111は、基板100に対して実装されており、例えば赤外線レーザ光を出力する発光素子(レーザ光源)と、発光素子が出力した光の反射光を受光する受光素子とを含むセンサ素子で構成される。発光素子及び受光素子は、光学センサ111上で隣接した位置に配置されている。図13に示すモールド部材112a、112b及び透光板112cは、光学センサ111の周囲を覆っているケース体112の一部を構成している。モールド部材112a、112bは、基板100に対して垂直な壁を形成している。透光板112cは、モールド部材112a、112bの基板100側の端部とは反対側の端部に接続されている。図13の配置では、透光板112cが、基板100の表面又は上述の撮像基準面に対して傾斜を有するように、モールド部材112bが形成する壁はモールド部材112aが形成する壁よりも長くなっている。
透光板112cは、光学センサ111の発光素子から出力されて原稿へ向かう光を透過させる。透光板112cを透過して原稿で反射した光は、透光板112cを透過して、光学センサ111の受光素子によって受光される。このような光学センサ111の構成によって、紙粉が直に光学センサ111に付着することを防止できるとともに、紙粉が特徴点として誤って抽出されることを防止できる。なお、光学センサ111(発光素子)が照射する光の波長は850nm程の近赤外線領域の光を用いるのが好ましく、透光板112cとしては、その帯域の光を透過可能なフィルタを用いることが好ましい。
図13に示すように、搬送路1600の途中の、搬送ローラ1601と搬送ローラ1602との間の位置に、光学センサ111が配置されている。ここで、搬送ローラ1601は、給送ローラ6または分離ローラ7であっても良い。これらの場合、図13は位置関係を示すための概略図であり、実際には光学センサ111は、搬送ローラ1601に比べてもっと小さいことが想定される。
図13(a)では、ケース体112を構成する壁(モールド部材)112a、112bのうち、長い壁112bが、シートの搬送方向における上流側に配置され、短い壁112aが、シートの搬送方向における下流側に配置されている。この配置は、ケース体112の外部から内部に向かう外光の影響を抑えるために効果がある。なお、図13(b)に示すように、短い壁112aが、シートの搬送方向における上流側に配置され、長い壁112bが、シートの搬送方向における下流側に配置されてもよい。この配置は、例えば、搬送ローラ1601よりも、下流側に配置された搬送ローラ1602の回転数が早い場合に、搬送ローラ1602によって紙粉が飛びやすい場合に、そのような紙粉の影響を抑えるために効果がある。
〔第4の実施形態〕
次に、第4の実施形態を用いて、光学センサ111のより具体的な適用例について説明する。なお、原稿搬送装置200の基本的構成は、第3の実施形態と同様である。
上述の実施形態に係る光学センサ111は、搬送される原稿が正常に搬送されているか否かの検知に利用できる。ここでは、光学センサ111を速度算出部として機能させ、その算出結果を搬送の異常検知に利用する例について説明する。
図14は、光学センサ111付近を原稿が通過する様子を示した図である。図14の構成は図13と同じ配置で、光学センサ111は搬送ローラ1601と搬送ローラ1602の間に配置されている。各ローラは原稿を搬送する役割を持つため、各ローラに接続されたモータにより駆動される。一般に、上流側の搬送ローラ1601の速度V1と比較して下流側の搬送ローラ1602の速度V2は同等かそれ以上となる。また、光学センサ111は定期的に原稿の移動量を検出するため、サンプリング周期から原稿の搬送速度が算出可能である。光学センサ111で検出した原稿の速度を各ローラの速度と比較する事で搬送の異常を検知する。
図14(a)の状態では、原稿は搬送ローラ1601により搬送されるため、原稿は搬送ローラ1601の速度V1と同等になるはずである。そのため、原稿が速度V1程度の速度で搬送されているか否かで正常か異常かを判別する事が可能となる。図14(b)の状態では、原稿は搬送ローラ1602まで到達しており、原稿は搬送ローラ1601の速度V1より速い搬送ローラ1602の速度V2で搬送されることになる。そのため、原稿は速度V2程度の速度で搬送されているか否かで正常か異常かを判別する事が可能となる。今回の例は、搬送ローラの二つの速度について異常判定を行っているが、搬送ローラが一つでも三つ以上の構成の場合でも同様に判別する事が可能である。
図15には、原稿の搬送異常か否かを検知するフローチャートを示す。まず、S1401で光学センサ111内にある動き検知フラグがONになったかどうかを判定する。ここで動き検知フラグとは、原稿が光学センサの検知領域内に搬送されたかどうかを監視する物である。つまり、光学センサ111の検知領域に搬送された原稿が到達することで移動量が検出されるようになることによって判定する事ができる。S1401で『no』の場合、原稿の先端が光学センサ111に到達したことを検知するまで待機する。
S1401で『yes』の場合、S1402に進む。S1402では、光学センサ111から原稿の移動量を取得する。そして、S1403で光学センサ111から原稿の移動量を取得した時の時刻を記憶しておく。S1404では、原稿の移動量とその時の時刻情報から原稿の搬送速度を算出する。なお、時刻情報とは相対的な時刻であって良く、タイマのカウントなどでも良い。算出した移動速度は、原稿の速度データとして不図示の記憶部に格納される。そして、S1405で不図示の記憶部に格納された速度データを利用して搬送における異常の有無の判定処理を行う。
上記のフローでは、割込み処理を想定しているため原稿の搬送速度は移動量のサンプリング時の時刻を使用し算出しているが、ポーリング処理といった一定周期で移動量を取得する場合は原稿の移動量は原稿の速度の定数倍となるため、CPU負荷軽減のために原稿の移動量をそのまま用いてもよい。
図16は搬送路に対する原稿先端位置と光学センサ111から算出した原稿の搬送速度のグラフを示す。図16(a)は理想的な原稿の搬送状態での原稿の搬送速度を表したグラフで、光学センサ111が原稿の移動を検知した後は搬送ローラ1601の速度が検出されるため、速度V1の一定速度で推移する。そして、原稿の先端が搬送ローラ1602に達した時に原稿の速度は搬送ローラ1602の速度になるため、速度V2の一定速度になりそのまま推移する。図16(b)は実際の原稿の搬送状態での原稿の搬送速度を表したグラフである。実際の原稿の搬送では、原稿のバタつきなどにより光学センサ111から算出される搬送速度にノイズが乗る。そのため、正常な搬送でも一定速度にはならず、バタついたグラフとなる。その後、搬送ローラ1602に原稿の先端が達してある程度進むと光学センサ111を通過する辺りの原稿のバタつきが抑えられるため、ほぼ一定速度になる。
ここで、図17には原稿の異常状態判定処理のフローチャートの一例を示す。このフローチャートでは、原稿先端が搬送ローラ1602を通過後にバタつきが抑えられた後の原稿の搬送速度を使用して、搬送の異常検知判定を行う。
まず、S1701で原稿先端が搬送ローラ1602を通過後、バタつきが抑えられるまでの一定時間待つ。そして、S1702では光学センサ111で算出した搬送速度が速度V2±ΔVの範囲内かどうかを判定する。S1702で『yes』の場合は、S1703に遷移し原稿の搬送は正常に行われていると判定する。S1702で『no』の場合は、S1704に遷移し原稿の搬送に異常があると判定する。そして、S1705で光学センサ111内にある動き検知フラグがONからOFFになったかどうかを判定する。S1705で『no』の場合、S1702に戻り搬送の異常判定を継続する。S1705で『yes』の場合、原稿が正常に光学センサ111を通過したため、搬送の異常検知を終了する。上記の例では、原稿のバタつきが抑えられるタイミングを時間で判別したが、別のセンサもしくは光学センサ111を使用して原稿の進んだ距離で判別してもよい。また、原稿のバタつきが抑えられるタイミングは原稿の種類によって異なるため、原稿のモードによって切替えてもよい。また、原稿の異常検知判定のしきい値に関しても、原稿のモードによってしきい値ΔVの値を切替えてもよい。
一方、上記の方法では、原稿のバタつきが抑えられた後での異常検知となるため、異常搬送時に原稿にある程度ダメージが入ってしまう可能性が高いといった懸念がある。そこで、次に本実施形態における異常搬送検知の好適な制御の例について説明していく。
まず初めに、正常搬送時と異常搬送時の原稿の動きについて説明する。図18(a)には正常搬送時の搬送路に対する原稿先端位置と光学センサ111から算出した原稿の搬送速度のグラフを示す。原稿のバタつきによりノイズが乗るが、ある程度目標速度に沿った速度の推移を示している。一方、図18(b)には異常搬送時の原稿先端位置と光学センサ111から算出した原稿の搬送速度のグラフを示す。このグラフはステープル原稿を搬送した場合の一例となるグラフだが、原稿が詰まったり原稿に対し分離ローラ7による大きな力が加わったりするため、各搬送ローラからの力以外が働き、搬送速度がかなりバタついてしまう。
図18は一例であり、実際は正常の搬送時のグラフの一部が図18(b)のように極端にバタつく場合もあり、異常搬送時のグラフの一部が図18(a)のように余りバタつかない場合もある。そのため、図17の異常検知処理のように算出した搬送速度毎に判定を行う場合、ノイズによる誤検知が発生してしまう事が懸念される。
図19は光学センサ111で算出した搬送速度が正常搬送時の値か異常搬送時の値かを判定する基準を示したグラフである。図16や図18で説明したように、光学センサ111で算出した搬送速度はノイズ成分による搬送速度のバタつきがあるため、ある程度狙いの搬送速度から外れた値を示した場合でも正常な搬送である場合があり、一方で狙いの搬送速度にある程度近い値を示した場合でも異常な搬送である場合がある。そのため、搬送速度の値(搬送速度データ)に関して、正常な搬送状態を示す「正常値」、異常な搬送状態を示す「異常値」の2つの状態以外に異常な搬送の疑いがある状態を示す「異常予備値(中間速度データ)」を設け、正常な搬送状態か異常な搬送状態かの判断が難しいデータを別のデータとして扱えるようにする。これは、ある一定の時間内の3つ状態の傾向を見る事により正常な搬送か、異常な搬送かを判定する事で判定の誤検知を防ぐ事を目的としている。図19のように、「正常値」はVth_l2≦V<Vth_h2、「異常予備値」はVth_l1≦V<Vth_l2、もしくはVth_h2(第2速度)≦V<Vth_h1、「異常値」はV<Vth_l1、もしくはVth_h1(第1速度)≦Vのように、4つのしきい値を使用して考える。但し、以下の説明では、その対称性から、Vが狙いの速度Vxを上回る領域に関してのみ説明を行うが、狙いの速度Vxを下回る領域に関しても同様である。
図20は図19に示した3つの状態を使用した原稿の異常状態判定処理のフローチャートの一例を示す。まず、この異常状態判定処理へ遷移するために、光学センサ111内にある動き検知フラグがOFFからONに切り替わったかどうかを判定する。これは、原稿の先端が光学センサ111内に入ったかどうかを判定している。動き検知フラグがOFFからONに切り替わったと判定した場合、搬送速度データ格納部としての搬送速度データ格納バッファ内のデータをクリアし、この異常状態判定処理に遷移する。
S2001では、光学センサ111によって原稿の搬送速度データを取得してバッファに格納する。次いでS2002ではバッファ内のデータ数が必要な数だけ格納されたかを判定する。この判定フローは図19で説明したようにある一定時間内の搬送速度データ群から傾向を割り出し、正常な搬送か、異常な搬送かを判定する事で判定の誤検知を防ぐための物である。S2002で『no』の場合、必要なデータ数をまだ確保出来ていないため次の搬送速度データを取得するためS2001に遷移する。S2002で『yes』の場合、必要なデータ数が確保されたので異常搬送の判定フローに移行する。
S2003では、異常速度カウント部によって、バッファ内に格納された搬送速度データ群から「異常値(異常速度データ)」(V<Vth_l1、もしくはVth_h1≦V)に属するデータ数nを算出する。これは、「異常値」に属するデータと異常搬送と判定するしきい値Nthを使用し、格納されたデータ群でどの程度の影響度があるかを見るためである。
次にS2004では、バッファ内に格納された搬送速度データ群から「異常値」を除いた搬送速度データ(異常速度データ以外、つまり、「正常値」、もしくは「異常予備値)に属する搬送速度データ)について、平均速度算出部によって平均値Vaveを算出する。ここで平均値Vaveの算出に「異常値」データを除いた理由は、「異常値」データが著しく大きな値、もしくは著しく小さな値を含むと、その「異常値」データの影響が強く出た平均値データとなり、正常な搬送が異常な搬送であると誤検知されるケースを防ぐためである。
一方で、S2003で算出した「異常値」に属するデータ数nは使用せず、「異常値」データを除いた平均値Vaveのみを使用する場合、平均値Vaveのみでは「異常値」データを捨てる事になり一定時間内に存在する「異常値」データの影響度が反映されなくなる。それを防ぐために”異常値”データのデータ数nを算出している。
そしてS2005では、(1)「異常値」のデータ数nのカウント結果が異常搬送の判定閾値Nth以上か、もしくは(2)「異常値」を除いた搬送速度データの平均値Vaveが「異常予備値」であるか(Vth_l1≦Vave<Vth_l2、もしくはVth_h2≦Vave<Vth_h1)を判定する。これは条件(1)は「異常値」データの数が全体データと比較して支配的な割合となる第1閾値Nth以上であれば異常な搬送であるという事を意味し、条件(2)は「異常値」データが少ない場合でも平均値Vaveから「異常予備値」が支配的であれば異常な搬送であるという事を意味している。
S2005で『yes』の場合、S2006に遷移し異常な搬送であると判定する。S2005で『no』の場合、S2007に遷移し正常な搬送であると判定する。そして、正常、もしくは異常な搬送と判定後、S2008に遷移し、バッファをクリアして処理を終了する。
その後、S2009では、光学センサ111内にある動き検知フラグがOFFに切り替わったかどうかを判定する。『no』の場合、動き検知フラグがONのままであり、原稿が連続していると判定して、S2001に戻る。一方、『yes』の場合、動き検知フラグがOFFになった、すなわち原稿が光学センサ111の位置を抜けた、と判定してこの異常状態判定処理を終了する。
上記の異常搬送の判定フローで、S2004の処理を「異常予備値」に属するデータ数mの算出に変更し、S2005の判定条件(2)を平均値と「異常予備値」を比較するのではなく、「異常予備値」のデータ数mが異常搬送の判定値Mth以上かどうかを比較する判定条件に変更してもよい。また、S2004で「正常値」のデータ数も算出しておき、S2005の判定条件(2)を先ほど上げた「異常予備値」のデータ数ではなく、「正常値」または「正常値」と「異常予備値」の合算に対する「異常予備値」のデータ数の比率が第2閾値を上回ることにより異常搬送の判定を行ってもよい。
上記の処理に関して、搬送速度に関するしきい値(Vth_l1、Vth_l2、Vth_h1、Vht_h2)は速度の異なる搬送ローラ毎に異なる値を持つ事になる。また、搬送ローラ毎に異常搬送の判定値Nthの値を変更してもよい。また、搬送モードや原稿の種類によって、各しきい値(Vth_l1、Vth_l2、Vth_h1、Vht_h2、Nth)を変更してもよい。また、判定フローに入るために必要なデータ数Nに関して、搬送ローラ毎や搬送モードや原稿の種類によって変更してもよい。また、一度使用したデータをクリアせずに必要なデータ数がN個格納された後は、一定数のデータ増加毎に全データを使用し判定を行ってもよい(例えば、初めは10個格納されたら10個のデータを使用し異常搬送判定を行い、次にデータが5個追加されたら、前回までの分を含めた15個のデータを使用し異常搬送判定を行うといった物)。その場合、各しきい値(Vth_l1、Vth_l2、Vth_h1、Vht_h2、Nth)は動的に変化させてもよい。また、S2006で異常な搬送と判定された場合、搬送を停止させてもよい。
図19で説明したノイズは原稿の種類によってノイズの発生頻度とその大きさが異なる。そして、ノイズが発生し易い原稿(例えば、伝票のような薄紙)の場合、ノイズがかなり支配的になるため異常検知が正常に行えない場合がある。そこで誤検知を防ぐために、ノイズが発生し易い原稿が来た場合には異常搬送判定機能を自動的にOFFにする処理を図21に示す。
S2101でノイズが発生し易い原稿かどうかを判定する。判定方法は、原稿の給紙モードでユーザが選択する方法や、別の光学センサにより原稿の種類を判別する方法が考えられる。S2101で『yes』の場合、S2102に遷移し誤検知を防ぐために異常搬送判定機能をOFFにして、その後処理を終了する。S2101で『no』の場合、S2103に遷移し異常搬送判定機能をONにして、その後処理を終了する。
図21の処理は、バッチの始めにのみに判定処理を設けてもよい。また、原稿を給紙する毎に判定処理を設けてもよい。
以上説明した各実施形態において、原稿の搬送が異常状態であるかどうかを判定する異常搬送判定部は、光学センサ111が有するように構成しても良いし、光学センサ111の駆動を制御する不図示の制御部が有するように構成しても良い。また、制御部は原稿搬送装置の筐体に配置されるCPUなどによって構成されることが好ましいが、原稿搬送装置と接続される他の情報処理装置に搭載される他のICなどによって構成されていても良く、その場合、異常搬送判定部を有するICなどを含めて原稿搬送装置を構成していると言える。
以上、本発明の原稿搬送装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をすることができる。
1 シート積載台
1a シート積載面
2 シート積載台駆動モータ
3 シート検知センサ
4 ピックアップローラ
5 ピックアップローラ駆動モータ
6 給送ローラ
7 分離ローラ
8 給送モータ
9 分離モータ
10 搬送モータ
11 ニップ隙間調整モータ
12 シート積載検知センサ
14、15 画像読取センサ
17、18 レジストローラ
19 レジストクラッチ
20、21、22、23 搬送ローラ
30 重送検知センサ
32 レジスト前センサ
33 レジスト後センサ
40 上ガイド板
41 下ガイド板
42 分離ローラ対(原稿分離部)
44 排出積載部
100 基板
101 シート取込装置
102 光源
111 光学センサ
112 ケース体

Claims (11)

  1. 原稿を搬送路に沿って搬送する原稿搬送部と、
    上記原稿を撮像した原稿の画像に基づいて、上記原稿の移動量を検出し、上記原稿の移動速度を算出する速度算出部と、
    上記速度算出部の算出結果から、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定する異常搬送判定部と、
    上記速度算出部が算出した複数の速度データを格納する速度データ格納部と、
    上記速度データ格納部に格納された複数の速度データに対し、第1速度以上となる異常速度データの数をカウントする異常速度カウント部と
    を備え、
    上記異常搬送判定部は、上記速度データ格納部に格納された複数の速度データに対する上記異常速度データの数または比率に基づいて、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定することを特徴とする原稿搬送装置。
  2. 上記速度算出部は上記原稿を撮像した複数の画像の差分から画像にある特徴点の動きにより原稿の移動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
  3. 上記速度データ格納部に格納された複数の速度データのうち、上記異常速度データ以外の速度データの平均値を算出する平均速度算出部を備え、
    上記異常搬送判定部は、上記異常速度カウント部のカウント結果と、上記平均速度算出部による算出結果に基づいて上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
  4. 上記異常搬送判定部は、上記速度データ格納部に格納された複数の速度データのうち、上記異常速度データの数が全体のデータ数に対して支配的な割合となる第1閾値以上の数である場合、または、上記平均値が、上記第1速度よりも低速な第2速度以上となる場合に、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定することを特徴とする請求項3に記載の原稿搬送装置。
  5. 上記異常搬送判定部は、上記速度データ格納部に格納された複数の速度データのうち上記異常速度データ以外の速度データにおいて、上記第1速度よりも低速な第2速度以上となる中間速度データの数または比率が上記異常速度データ以外の速度データの数に対して支配的な割合となる第2閾値以上である場合に、上記原稿搬送部による搬送が異常状態であるかどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
  6. 上記異常搬送判定部が異常状態であると判定した時に、上記原稿の搬送を停止することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  7. 上記搬送ローラを複数有する場合、各々の搬送ローラに関して上記速度算出部を各々有し、上記異常搬送判定部によって、各々の搬送ローラによって搬送される原稿に対して異常状態であるかどうかを判定することを特徴とする請求項1から6いずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  8. 上記異常搬送判定部は、搬送ローラ毎に異常状態であると判定するしきい値を切替え、判定を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  9. 上記異常搬送判定部は、ユーザによる原稿の種類の選択に応じて異常状態であると判定するしきい値を切替え、判定を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  10. 上記異常搬送判定部は、原稿の搬送モードに応じて異常状態であると判定するしきい値を切替え、判定を行うことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。
  11. 上記原稿搬送装置において、ユーザによる原稿の種類の選択に基づいて、上記異常搬送判定部での判定をOFFにすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の原稿搬送装置。

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