JP2020007587A - 蒸着装置、および、蒸着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸着対象に対して蒸着が行われている間において蒸着対象の温度における変動を抑えることを可能とした蒸着装置、および、蒸着方法を提供する。【解決手段】蒸着装置10は、蒸着材料Mを収容し、蒸着材料Mを加熱する蒸着源11と、蒸着対象Sを支持する支持部12と、蒸着源11と支持部12との間に位置し、開状態と閉状態とを有するシャッター13と、蒸着対象Sを加熱する加熱部14と、蒸着源11、シャッター13、および、加熱部14の駆動を制御する制御部10Cとを備える。制御部10Cは、シャッター13が閉状態である間に、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を開始させ、かつ、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を開始させ、シャッター13を閉状態から開状態に変更するまでの間に、加熱部14に加熱部14が蒸着対象Sを加熱する度合いを加熱部14が加熱を開始したときの度合いよりも低下させる。【選択図】図1
Description
本発明は、蒸着装置、および、蒸着方法に関する。
蒸着装置は、蒸着源、シャッター、マスク支持部、および、ステージを備えている。ステージは、蒸着装置での処理の対象である蒸着対象を支持する。マスク支持部は、蒸着対象に所定のパターンを形状するための蒸着マスクを支持する。蒸着源は、蒸着対象に付着する蒸着材料を加熱することによって、蒸着材料を昇華させる。シャッターは、蒸着源とマスク支持部の間に位置している。蒸着源が蒸着材料の加熱を開始するとき、シャッターは閉じている。蒸着源が加熱を開始してから所定の時間が経過した後に、シャッターが開く。これにより、昇華した蒸着材料が、蒸着マスクが有する貫通孔を通って蒸着対象に到達する。結果として、蒸着対象に蒸着材料による所定のパターンが形成される(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、蒸着源は、蒸着材料を加熱することに伴って、蒸着源の外部に熱を輻射する。シャッターが閉じている間は、蒸着源からの輻射熱における大部分はシャッターに入力される。これに対して、シャッターが開くことによって、蒸着源からの輻射熱はシャッターにはほぼ入力されない一方で、輻射熱の大部分は蒸着対象に入力される。これにより、蒸着対象が加熱される。蒸着対象は加熱によって膨張するため、蒸着対象の加熱によって、蒸着マスクに対する蒸着対象の位置にずれが生じる。結果として、蒸着対象に形成されたパターンにおいて、形状および位置の精度が低下する。
本発明は、蒸着対象に対して蒸着が行われている間において蒸着対象の温度における変動を抑えることを可能とした蒸着装置、および、蒸着方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための蒸着装置は、蒸着材料を収容し、前記蒸着材料を加熱する蒸着源と、蒸着対象を支持する支持部と、前記蒸着源と前記支持部との間に位置し、開状態と閉状態とを有するシャッターと、前記蒸着対象を加熱する加熱部と、前記蒸着源、前記シャッター、および、前記加熱部の駆動を制御する制御部と、を備える。前記閉状態は、前記蒸着材料が前記蒸着対象に向けて飛行することを妨げる状態であり、前記開状態は、前記蒸着材料を前記蒸着対象に到達させる状態である。前記制御部は、前記シャッターが前記閉状態である間に、前記蒸着源に前記蒸着材料の加熱を開始させ、かつ、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させ、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更するまでの間に、前記加熱部に前記加熱部が前記蒸着対象を加熱する度合いを前記加熱部が前記加熱を開始したときの前記度合いよりも低下させる。
上記課題を解決するための蒸着方法は、シャッターが、蒸着材料が蒸着対象に向けて飛行することを妨げる閉状態である間に、蒸着源が前記蒸着材料の加熱を開始することと、前記シャッターが前記閉状態である間に、加熱部が前記蒸着対象の加熱を開始することと、前記シャッターが、前記閉状態から、前記蒸着材料を前記蒸着対象に到達させる開状態に変わるまでの間に、前記加熱部が前記蒸着対象を加熱する度合いを低下させることと、を含む。
上記各構成によれば、シャッターが閉状態から開状態に変わることによって、蒸着源が蒸着対象に与える輻射熱が大きくなっても、シャッターが閉状態である間に加熱部が蒸着対象に与えていた熱量の分だけ、蒸着対象における温度の変動を抑えることができる。これにより、蒸着対象に対して蒸着が行われている間において、蒸着対象の温度における変動を抑えることができる。
上記蒸着装置において、前記制御部は、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更するまでの間に、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を終了させてもよい。上記構成によれば、加熱部に蒸着対象の加熱を終了させるため、シャッターが開状態に変更されて以降も加熱部が蒸着対象の加熱を続ける場合と比べて、加熱部の制御にかかる負荷を軽減することができる。
上記蒸着装置において、前記制御部は、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更する前に、前記加熱部に前記度合いを低下させてもよい。上記構成によれば、加熱に対する蒸着対象の応答遅れが、加熱部が与える熱と蒸着源が与える熱との加算を生じさせ、結果として、過剰な蒸着対象の加熱を生じさせることが抑えられる。
上記蒸着装置において、前記シャッターに付着した前記蒸着材料の付着量を監視する監視部をさらに備え、前記付着量は、第1付着量と、前記第1付着量よりも大きい第2付着量を含み、前記制御部は、前記監視部による前記付着量の監視結果を入力し、前記付着量が前記第2付着量であるときに、前記付着量が前記第1付着量であるときよりも、前記加熱部に前記度合いを低下させる時点から、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更する時点までの期間を短くしてもよい。
上記蒸着装置において、前記シャッターに付着した前記蒸着材料の付着量を監視する監視部をさらに備え、前記付着量は、第1付着量と、前記第1付着量よりも大きい第2付着量を含み、前記制御部は、前記監視部による前記付着量の監視結果を入力し、前記付着量が前記第2付着量であるときに、前記付着量が前記第1付着量であるときよりも、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させるときの前記度合いを大きくしてもよい。
上記各構成によれば、シャッターにおける蒸着材料の付着量が相対的に大きい場合に、蒸着材料の付着量が相対的に小さい場合と比べて、加熱部が蒸着対象に与える熱量を大きくしている。そのため、シャッターにおける蒸着材料の付着量が大きいことに起因して、シャッターが閉状態である間に蒸着対象に与えられる輻射熱と、シャッターが開状態に変更されて以降に蒸着対象に与えられる輻射熱との差分が大きくなった場合にも、蒸着対象における温度の変動を抑えることが可能である。
上記課題を解決するための蒸着装置は、蒸着材料を収容し、前記蒸着材料を加熱する蒸着源と、蒸着対象を搬送方向に沿って搬送する搬送部と、前記蒸着源と前記搬送部との間に位置し、前記蒸着源に対して前記蒸着対象を露出させる開口を含み、前記開口が開状態と閉状態とを有するシャッターと、前記蒸着対象を加熱する加熱部と、前記蒸着源、前記搬送部、前記シャッター、および、前記加熱部の駆動を制御する制御部と、を備える。前記搬送方向において、前記開口の幅が、前記蒸着対象の幅よりも小さい。前記閉状態は、前記蒸着材料が前記蒸着対象に向けて飛行することを妨げる状態であり、前記開状態は、前記蒸着材料を前記搬送方向における前記蒸着対象の一部である対象領域にのみ到達させる状態である。前記加熱部は、前記蒸着源と前記搬送部とが並ぶ方向から見て、前記対象領域と重なる対象要素と、前記対象要素よりも外側に位置する周辺要素とを含む。前記制御部は、前記開口が前記閉状態である間に、前記蒸着源に前記蒸着材料の加熱を開始させ、かつ、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させ、前記開口を前記閉状態から前記開状態に変更するまでの間に、前記加熱部に、前記対象要素が前記蒸着対象を加熱する度合いを前記周辺要素が前記蒸着対象を加熱する度合いよりも低下させる。
上記課題を解決するための蒸着装置は、蒸着材料を収容し、前記蒸着材料を加熱する蒸着源と、蒸着対象を支持する支持部と、前記蒸着源と前記支持部との間に位置し、開状態と閉状態とを有するシャッターと、前記蒸着対象を加熱する加熱部と、前記蒸着源、前記シャッター、および、前記加熱部の駆動を制御する制御部と、を備える。前記閉状態は、前記蒸着材料が前記蒸着対象に向けて飛行することを妨げる状態であり、前記開状態は、前記蒸着材料を前記蒸着対象に到達させる状態である。前記蒸着源は、移動方向に沿って移動し、前記移動方向における各位置において、前記移動方向における前記蒸着対象の一部である対象領域にのみ前記蒸着材料を飛行させる。前記加熱部は、前記移動方向に沿って並ぶ複数の加熱要素を含む。前記制御部は、前記シャッターが前記閉状態である間に、前記蒸着源に前記蒸着材料の加熱を開始させ、かつ、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させ、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更した後に、前記蒸着源を前記移動方向に沿って移動させ、かつ、前記蒸着源と前記シャッターとが並ぶ方向から見て、前記加熱要素のなかで、前記対象領域と重なる前記加熱要素が前記蒸着対象を加熱する度合いを、前記加熱要素のなかで、前記対象領域以外の領域と重なる前記加熱要素が前記蒸着対象を加熱する度合いよりも低下させる。
上記各構成によれば、蒸着対象に対する蒸着が行われているときに、蒸着対象のなかで蒸着源の輻射熱が入熱する対象領域を加熱する度合いを、他の領域を加熱する度合いよりも低下させる。そのため、蒸着対象の面内において、蒸着対象の温度にばらつきが生じることが抑えられる。
[第1実施形態]
図1から図4を参照して、蒸着装置および蒸着方法の第1実施形態を説明する。以下では、蒸着装置の構成、蒸着方法、蒸着装置および蒸着方法の作用、および、試験例を順に説明する。
図1から図4を参照して、蒸着装置および蒸着方法の第1実施形態を説明する。以下では、蒸着装置の構成、蒸着方法、蒸着装置および蒸着方法の作用、および、試験例を順に説明する。
[蒸着装置の構成]
図1を参照して蒸着装置の構成を説明する。
図1が示すように、蒸着装置10は、蒸着源11、支持部12、シャッター13、加熱部14、および、制御部10Cを備えている。蒸着源11は、蒸着材料Mを収容し、蒸着材料Mを加熱する。蒸着源11は、蒸着材料Mを加熱することによって、蒸着材料Mを蒸発または昇華させる。支持部12は、蒸着対象Sを支持する。シャッター13は、蒸着源11と支持部12との間に位置し、開状態と閉状態とを有する。加熱部14は、蒸着対象Sを加熱する。制御部10Cは、蒸着源11、シャッター13、および、加熱部14の駆動を制御する。
図1を参照して蒸着装置の構成を説明する。
図1が示すように、蒸着装置10は、蒸着源11、支持部12、シャッター13、加熱部14、および、制御部10Cを備えている。蒸着源11は、蒸着材料Mを収容し、蒸着材料Mを加熱する。蒸着源11は、蒸着材料Mを加熱することによって、蒸着材料Mを蒸発または昇華させる。支持部12は、蒸着対象Sを支持する。シャッター13は、蒸着源11と支持部12との間に位置し、開状態と閉状態とを有する。加熱部14は、蒸着対象Sを加熱する。制御部10Cは、蒸着源11、シャッター13、および、加熱部14の駆動を制御する。
シャッター13において、閉状態は、蒸着材料Mが蒸着対象Sに向けて飛行することを妨げる状態である。これに対して、開状態は、蒸着材料Mを蒸着対象Sに到達させる状態である。なお、シャッター13は、閉状態において、蒸着源11から昇華する蒸着材料Mの全てを蒸着対象Sに向けて飛行させない。一方で、シャッター13は、開状態において、蒸着源11から昇華または蒸発する蒸着材料Mの全てを蒸着対象Sに到達させてもよいし、昇華または蒸発する蒸着材料Mの一部のみを蒸着対象Sに到達させてもよい。
制御部10Cは、シャッター13が閉状態である間に、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を開始させ、かつ、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を開始させる。制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更するまでの間に、加熱部14に加熱部14が蒸着対象Sを加熱する度合いを加熱部14が加熱を開始したときの度合いよりも低下させる。
これにより、シャッター13が閉状態から開状態に変わることによって、蒸着源11が蒸着対象Sに与える輻射熱が大きくなっても、シャッター13が閉状態である間に加熱部14が蒸着対象Sに与えていた熱量の分だけ、蒸着対象Sにおける温度の変動を抑えることができる。結果として、蒸着対象Sに対して蒸着が行われている間において、蒸着対象Sの温度における変動を抑えることができる。
なお、シャッター13を閉状態から開状態に変更するまでの間には、シャッター13を閉状態から開状態に変更する時点よりも前の期間と、シャッター13を閉状態から開状態に変更する時点との両方が含まれる。また、加熱部14が蒸着対象Sを加熱する度合いを低下させることには、加熱する度合いを低下させる一方で加熱を終了しないことと、加熱を終了することとの両方が含まれる。加熱する度合いを低下させることは、例えば、加熱部14における設定温度を下げることであってよい。
すなわち、制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更する前に、加熱部14に加熱部14が蒸着対象Sを加熱する度合いを低下させてもよい。この場合には、加熱に対する蒸着対象Sの応答遅れが、加熱部14が与える熱と蒸着源11が与える熱との加算を生じさせ、結果として、過剰な蒸着対象Sの加熱を生じさせることが抑えられる。または、制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更すると同時に、加熱部14に加熱部14が蒸着対象Sを加熱する度合いを低下させてもよい。
また、制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更するまでの間に、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を終了させてもよい。すなわち、制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更する前に、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を終了させてもよい。または、制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更すると同時に、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を終了させてもよい。加熱部14に蒸着対象Sの加熱を終了させるため、シャッター13が開状態に変更されて以降も加熱部14が蒸着対象Sの加熱を続ける場合と比べて、加熱部14の制御にかかる負荷を軽減することができる。
蒸着装置10は、真空槽15、および、マスク支持部16をさらに備えている。真空槽15は、蒸着対象Sに対する蒸着が行われる蒸着空間を区画する。蒸着空間には、蒸着源11、支持部12、シャッター13、加熱部14、および、マスク支持部16が収容されている。真空槽15には、図示されない排気部が接続されている。真空槽15内が排気部によって排気されることで、真空槽15内が減圧される。
マスク支持部16は、蒸着材料Mが飛行する経路上において、シャッター13と支持部12との間に位置している。マスク支持部16は、蒸着対象Sに対する蒸着に用いられる蒸着マスクMSを支持する。蒸着マスクMSは、蒸着対象Sに形成すべきパターンに応じた形状を有する複数の貫通孔を含む。
蒸着材料Mは、有機材料であってよい。有機材料は、例えば有機EL素子が備える発光層、および、正孔輸送層などを形成するための材料であってよい。また、蒸着材料Mは、無機材料であってよい。無機材料は、例えば、金属、および、金属化合物などであってよい。
上述した蒸着源11、支持部12、シャッター13、および、加熱部14は、例えば以下のように具体化することができる。蒸着源11は、抵抗加熱によって蒸着材料Mを加熱してもよいし、電子ビームによって蒸着材料Mを加熱してもよい。抵抗加熱によって蒸着材料Mを加熱する蒸着源11は、例えば、発熱体とるつぼとを含んでよい。
支持部12は、蒸着対象Sを支持する。支持部12は、例えば蒸着対象Sを支持するステージであってよい。シャッター13は、例えば、枠状のフレーム部とパネル部とを備えることができる。シャッター13が閉状態である場合には、パネル部が、フレーム部が区画する空間を覆う。一方で、シャッター13が開状態である場合には、パネル部が、フレーム部が区画する空間を覆っていない。
加熱部14は、例えば加熱プレートであってよい。加熱プレートは、本体部と、本体部内に位置する発熱体とを備えてもよい。加熱プレートは、蒸着対象Sに接触することによって、蒸着対象Sを加熱する。加熱プレートは、蒸着対象Sと接することによって、蒸着対象Sの変形を抑えることが可能でもある。なお、加熱部14は、非接触で蒸着対象Sを加熱する加熱部でもよい。非接触で蒸着対象Sを加熱する加熱部は、例えばランプヒーターであってよい。
加熱部14が蒸着対象Sに与える熱量は、予め算出した熱量に設定することができる。言い換えれば、蒸着対象Sに与える熱量を実現するための加熱部14の温度は、予め算出した温度に設定することができる。蒸着対象Sに与える熱量は、例えば、蒸着源11が所定の温度に設定された場合の蒸着対象Sの温度に基づいて算出される。
蒸着装置10は、監視部17をさらに備えている。監視部17は、シャッター13に付着した蒸着材料Mの付着量を監視する。蒸着材料Mの付着量は、第1付着量と、第1付着量よりも大きい第2付着量を含む。制御部10Cは、監視部17による付着量の監視結果を入力し、その後に、以下に記載する処理の少なくとも一方を行ってよい。
(処理1)付着量が第2付着量であるときに、付着量が第1付着量であるときよりも、加熱部14に蒸着対象Sを加熱する度合いを低下させる時点から、シャッター13を閉状態から開状態に変更する時点までの期間を短くする。
(処理2)付着量が第2付着量であるときに、付着量が第1付着量であるときよりも、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を開始させるときの蒸着対象Sを加熱する度合いを大きくする。
上述したように、蒸着源11は、シャッター13が閉じている間に、言い換えれば、シャッター13が蒸着材料Mの飛行経路を塞いでいる間に、蒸着材料Mの加熱を開始する。そのため、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始するたびに、シャッター13において、蒸着源11と対向する面には、昇華または蒸発した蒸着材料Mが付着する。それゆえに、シャッター13における蒸着材料Mの付着量は、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始するごとに大きくなる。蒸着源11における蒸着材料Mの付着量が大きくなると、シャッター13の熱抵抗は大きくなり、結果として、蒸着対象Sが加熱されにくくなる。
シャッター13の熱抵抗が大きくなることによって、シャッター13が閉状態である間に蒸着対象Sに与えられている輻射熱と、シャッター13が開状態に変更されて以降に蒸着対象Sに与えられる輻射熱との差が大きくなる。そのため、シャッター13に蒸着材料Mが付着している場合には、シャッター13が蒸着していない場合に比べて、シャッター13が閉状態である間に、加熱部14が蒸着対象Sに与える熱量を大きくすることが好ましい。
この点、上述した処理1および処理2では、シャッター13における蒸着材料Mの付着量が相対的に大きい場合に、蒸着材料Mの付着量が相対的に小さい場合と比べて、加熱部14が蒸着対象Sに与える熱量を大きくしている。そのため、シャッター13における蒸着材料Mの付着量が大きいことに起因して、シャッター13が閉状態である間に蒸着対象Sに与えられる輻射熱と、シャッター13が開状態に変更されて以降に蒸着対象に与えられる輻射熱との差分が大きくなった場合にも、蒸着対象Sにおける温度の変動を抑えることが可能である。
本実施形態において、監視部17は、非接触で蒸着対象Sの温度を測定する温度センサーである。監視部17は、シャッター13が閉状態である期間であって、かつ、蒸着源11による蒸着材料Mの加熱が開始されてから所定の期間である待機期間が経過した時点で、シャッター13の温度を測定する。シャッター13が閉状態である期間であって、かつ、待機期間が経過した時点で、シャッター13に蒸着材料Mが付着していない場合の蒸着対象Sの温度である初期温度が予め測定される。制御部10Cは、初期温度を記憶している。制御部10Cは、蒸着対象Sの測定温度と初期温度との差分を、蒸着材料Mの付着量として把握する。
例えば、制御部10Cは、測定温度と初期温度との差分を蒸着材料Mの付着量に変換するためのマップを記憶している。マップにおいて、測定温度と初期温度との差分が大きいほど、蒸着材料Mの付着量として大きい値が対応付けられている。
制御部10Cは、蒸着源11、シャッター13、加熱部14、および、監視部17に電気的に接続されている。制御部10Cは、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を開始させる場合に、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を開始させるための信号を生成し、生成した信号を蒸着源11に向けて出力する。制御部10Cは、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を終了させる場合に、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を終了させるための信号を生成し、生成した信号を蒸着源11に向けて出力する。
制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更する場合に、シャッター13を閉状態から開状態に変更するための信号を生成し、生成した信号をシャッター13に向けて出力する。制御部10Cは、シャッター13を開状態から閉状態に変更する場合に、シャッター13を開状態から閉状態に変更するための信号を生成し、生成した信号をシャッター13に向けて出力する。
制御部10Cは、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を開始させる場合に、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を開始させるための信号を生成し、生成した信号を蒸着対象Sに向けて出力する。制御部10Cは、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を終了させる場合に、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を終了させるための信号を生成し、生成した信号を加熱部14に向けて出力する。制御部10Cは、監視部17が制御部10Cに向けて出力した監視結果を入力する。
制御部10Cが上述した処理1を行う場合には、制御部10Cは、測定温度と初期温度との差分が大きいほど、加熱部14に蒸着対象Sを加熱させる度合いを低下させる時点から、シャッター13を閉状態から開状態に変更する時点までの期間を短くする。なお、本実施形態において、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始してから、シャッター13を閉状態から開状態に変更する時点までの期間は、蒸着材料Mの種類、および、蒸着源11が蒸着材料Mを加熱する条件によって決まる。そのため、蒸着材料Mの種類と、加熱する条件とが同一であれば、蒸着源11が加熱を開始した時点からシャッター13を閉状態から開状態に変える時点までの期間は一定である。それゆえに、測定温度と初期温度との差分が大きいほど、制御部10Cは、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始した時点から、加熱部14に蒸着対象Sを加熱させる度合いを低下させる時点までの期間を長くする。
制御部10Cが上述した処理2を行う場合には、制御部10Cは、測定温度と初期温度との差分が大きいほど、加熱部14に蒸着対象Sの加熱を開始させるときの蒸着対象Sを加熱する度合いを大きくする。言い換えれば、制御部10Cは、測定温度と初期温度との差分が大きいほど、加熱部14が蒸着対象Sの加熱を開始するときの加熱部14の設定温度を高くする。
[蒸着方法]
図2を参照して蒸着方法を説明する。
蒸着方法は、シャッター13が、蒸着材料Mが蒸着対象Sに向けて飛行することを妨げる閉状態である間に、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始することと、シャッター13が閉状態である間に、加熱部14が蒸着対象Sの加熱を開始することとを含む。また、蒸着方法は、シャッター13が、閉状態から、蒸着材料Mを蒸着対象Sに到達させる開状態に変わるまでの間に、加熱部14が蒸着対象Sを加熱する度合いを加熱部14が加熱を開始したときの度合いよりも低下させることを含む。以下では、蒸着方法の一例として、シャッター13を閉状態から開状態に変えるタイミングと、加熱部14による蒸着対象Sの加熱を終了するタイミングとが等しい場合の方法を説明する。
図2を参照して蒸着方法を説明する。
蒸着方法は、シャッター13が、蒸着材料Mが蒸着対象Sに向けて飛行することを妨げる閉状態である間に、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始することと、シャッター13が閉状態である間に、加熱部14が蒸着対象Sの加熱を開始することとを含む。また、蒸着方法は、シャッター13が、閉状態から、蒸着材料Mを蒸着対象Sに到達させる開状態に変わるまでの間に、加熱部14が蒸着対象Sを加熱する度合いを加熱部14が加熱を開始したときの度合いよりも低下させることを含む。以下では、蒸着方法の一例として、シャッター13を閉状態から開状態に変えるタイミングと、加熱部14による蒸着対象Sの加熱を終了するタイミングとが等しい場合の方法を説明する。
図2が示すように、タイミングT0において、シャッター13は閉状態である。タイミングT1において、蒸着源11の状態が、オフの状態からオンの状態に変わる。これにより、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始する。また、タイミングT1では、加熱部14の状態が、オフの状態からオンの状態に変わる。これにより、加熱部14が、蒸着対象Sの加熱を開始する。なお、加熱部14が蒸着対象Sの加熱を開始するタイミングは、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始する前であってもよいし、蒸着材料Mの加熱を開始した後であってもよい。加熱部14が蒸着対象Sの加熱を開始するタイミングが、蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始する後である場合には、加熱部14は、シャッター13の状態が、閉状態から開状態に変わる前に、蒸着対象Sの加熱を開始すればよい。
タイミングT2において、シャッター13の状態が、閉状態から開状態に変わる。タイミングT2では、加熱部14の状態が、オンの状態からオフの状態に変わる。これにより、蒸着対象Sへの蒸着が開始され、かつ、加熱部14による蒸着対象Sの加熱が終了される。次いで、タイミングT3において、シャッター13が開状態から閉状態に変わる。これにより、蒸着対象Sへの蒸着が終了される。タイミングT2からタイミングT3までの期間は、蒸着対象Sに形成すべきパターンの厚さに応じて設定される。
[蒸着装置および蒸着方法の作用]
図3を参照して、蒸着装置10および蒸着方法の作用を説明する。
図3は、上述したタイミングT0からタイミングT3までにわたる蒸着対象Sの温度における変動の一例を示すグラフである。図3では、本実施形態の蒸着装置10によって蒸着が行われた場合の蒸着対象Sにおける温度の変動が、実線で示されている。一方で、蒸着対象を加熱する加熱部14を備えていない蒸着装置によって蒸着が行われた場合の蒸着対象Sにおける温度の変動が、破線で示されている。
図3を参照して、蒸着装置10および蒸着方法の作用を説明する。
図3は、上述したタイミングT0からタイミングT3までにわたる蒸着対象Sの温度における変動の一例を示すグラフである。図3では、本実施形態の蒸着装置10によって蒸着が行われた場合の蒸着対象Sにおける温度の変動が、実線で示されている。一方で、蒸着対象を加熱する加熱部14を備えていない蒸着装置によって蒸着が行われた場合の蒸着対象Sにおける温度の変動が、破線で示されている。
図3が示すように、本実施形態の蒸着装置10によれば、タイミングT0からタイミングT1までの間、すなわち、蒸着対象Sが真空槽15内に配置され、かつ、蒸着源11による蒸着材料Mの加熱が開始されるまでの間は、蒸着対象Sの温度が一定に保たれる。タイミングT1において蒸着源11が蒸着材料Mの加熱を開始する。これにより、蒸着源11の輻射熱によってシャッター13が加熱され、かつ、シャッター13の輻射熱によって蒸着対象Sが加熱される。さらに、タイミングT1では、加熱部14が蒸着対象Sの加熱を開始する。そのため、単位時間あたりにおける蒸着対象Sの温度の増加量は、シャッター13の輻射熱と、加熱部14の加熱とによって定まる。
蒸着対象Sの温度は、蒸着対象Sへの入熱と、蒸着対象Sからの廃熱とが釣り合うことによって、タイミングT2よりも前に飽和する。タイミングT2において、シャッター13が閉状態から開状態に変更される。このとき、加熱部14が蒸着対象Sの加熱を停止する。タイミングT2では、シャッター13が開状態になるため、タイミングT1からタイミングT2よりも前までと比べて、蒸着対象Sに入力される蒸着源11の輻射熱が大きくなる。この点、本実施形態では、シャッター13が閉状態である期間から、シャッター13が開状態になる時点まで、蒸着対象Sが加熱部14によって加熱されている。そのため、タイミングT2においてシャッター13が開状態に変更されて以降は、加熱部14が蒸着対象Sに与えていた熱量と、タイミングT2後に増加する輻射熱の熱量との差分しか、蒸着対象Sの温度は上昇しない。
図3に示す例では、加熱部14が蒸着対象Sに与える熱量と、タイミングT2後に増加する輻射熱の熱量とが等しい。そのため、タイミングT2においてシャッター13が閉状態から開状態に変わっても、蒸着対象Sの温度が一定である。これにより、蒸着対象Sに対する蒸着の開始から終了までの間にわたって、蒸着対象Sの温度における変動を抑えることができる。
これに対して、加熱部14による蒸着対象Sの加熱を行わない場合には、タイミングT1からタイミングT2までの間は、シャッター13からの輻射熱のみが蒸着対象Sに入熱する。そのため、単位時間あたりにおける蒸着対象Sの温度の増加量は、シャッター13の輻射熱のみによって定まる。蒸着対象Sの温度は、タイミングT2よりも前に飽和する。
タイミングT3において、シャッター13の状態が閉状態から開状態に変わると、蒸着源11の輻射熱が蒸着対象Sに入力される。これにより、蒸着対象Sに入力される熱量が急激に増加するため、蒸着対象Sの温度が急激に上昇する。しかも、蒸着対象Sの温度は、シャッター13が閉状態から開状態に変わる時点から遅れて上昇するため、蒸着対象Sに対する蒸着が開始された後に、蒸着対象Sの温度が変動する。
なお、加熱部14が蒸着対象Sに与える熱量と、タイミングT2後に増加する輻射量の熱量とは同一でなくてもよい。この場合であっても、蒸着対象Sを加熱しない場合と比べて、蒸着対象Sに対する蒸着が開始されて以降において、蒸着対象Sの温度における変動を抑えることはできる。
また、タイミングT3において、加熱部14は、蒸着対象Sの加熱を再び開始してもよい。この場合には、蒸着対象Sの熱による収縮が抑えられ、これによって、例えば、蒸着対象Sと支持部12との擦れや、蒸着対象Sと蒸着マスクMSとの擦れが抑えられる。これらの擦れが抑えられることによって、ダストが生じることが抑えられる。
[試験例]
[入熱および廃熱]
図4を参照して、蒸着対象Sに対する入熱、および、蒸着対象Sからの廃熱を説明する。以下では、真空槽15によって区画される蒸着空間が閉空間であると仮定した場合において、蒸着対象Sの入熱および廃熱を説明する。図4では、説明の便宜上、蒸着装置10の蒸着源11および真空槽15と、蒸着対象Sとのみが図示され、また、図1に比べて、蒸着対象Sの大きさが誇張されている。
[入熱および廃熱]
図4を参照して、蒸着対象Sに対する入熱、および、蒸着対象Sからの廃熱を説明する。以下では、真空槽15によって区画される蒸着空間が閉空間であると仮定した場合において、蒸着対象Sの入熱および廃熱を説明する。図4では、説明の便宜上、蒸着装置10の蒸着源11および真空槽15と、蒸着対象Sとのみが図示され、また、図1に比べて、蒸着対象Sの大きさが誇張されている。
図4において、真空槽15が、灰色面で構成された閉空間であると仮定する。また、蒸着対象Sにおける温度の上昇に寄与する熱流束Q/Aが、正味の輻射熱交換量Q(W)を蒸着対象Sの面積A(m2)によって除算した値であると仮定する。熱流束Q/A(W/m2)は、外来照射量G(W/m2)、斜度J(W/m2)、反射エネルギー量ρG、および、蒸着対象Sの表面における全放射能εEbを用いて、以下の式によって表すことができる。
J = ρG+εEb
Q/A = J−G
J = ρG+εEb
Q/A = J−G
蒸着対象Sへの外来照射量Gを算出するために、以下の条件で蒸着対象Sを加熱し、かつ、蒸着対象Sの加熱を開始する以前から蒸着対象Sの加熱を停止して以降まで蒸着対象Sの温度を測定した。蒸着対象Sの温度を測定した結果から、蒸着源11からの輻射熱を受けた瞬間、すなわち、シャッターを閉状態から開状態に変更した時点での温度変化率が、0.24K/5secであることが認められた。
[条件]
・蒸着源11の温度 300℃
・蒸着対象S ガラス基板(イーグルXG(登録商標)、コーニング社製)
・蒸着対象Sの体積V 1×10−4m3
・蒸着対象Sの密度D 2380kg/m3
・蒸着対象Sの比熱SG 710J/kg・K
以下の式を用いて外来照射量Gを算出したところ、外来照射量Gは、40.5W/m2であることが認められた。
G =(体積V)×(密度D)×(温度変化率)×(比熱SG)
・蒸着源11の温度 300℃
・蒸着対象S ガラス基板(イーグルXG(登録商標)、コーニング社製)
・蒸着対象Sの体積V 1×10−4m3
・蒸着対象Sの密度D 2380kg/m3
・蒸着対象Sの比熱SG 710J/kg・K
以下の式を用いて外来照射量Gを算出したところ、外来照射量Gは、40.5W/m2であることが認められた。
G =(体積V)×(密度D)×(温度変化率)×(比熱SG)
外来照射量Gが与えられている状態で蒸着対象Sの温度が飽和していれば、蒸着対象Sは、外来照射量Gと同量の熱を廃熱していると見なすことができる。すなわち、斜度Jが外来照射量Gと等しく、かつ、熱流束Q/Aがゼロであると見なすことができる。
ここで、蒸着マスクを形成するための基材であるインバー製基材を準備し、蒸着対象Sに対する外来照射量Gを算出したときと同様の方法で、インバー製基材の外来照射量Gを算出した。インバー製基材の外来照射量Gは、25W/m2であることが認められた。そのため、例えば、開口率が20%である蒸着マスクを蒸着源11と蒸着対象Sとの間に配置した場合には、蒸着対象Sの外来照射量Gは、26W/m2である。この場合にも、外来照射量Gが与えられている状態で蒸着対象Sの温度が飽和していれば、蒸着対象Sは、外来照射量Gと同量の熱を廃熱していると見なすことができる。すなわち、シャッター13を閉状態から開状態に変更するまでの間において、加熱部14が外来照射量Gに等しい熱量である26W/m2を蒸着対象Sに与えることによって、蒸着が開始された後において、蒸着対象Sにおける温度の変動を抑えることが可能である。
以上説明したように、蒸着装置および蒸着方法の一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)シャッター13が閉状態である間に加熱部14が蒸着対象Sに与えていた熱量の分だけ、蒸着対象Sにおける温度の変動を抑えることができる。これにより、蒸着対象Sに対して蒸着が行われている間において、蒸着対象Sの温度における変動を抑えることができる。
(1)シャッター13が閉状態である間に加熱部14が蒸着対象Sに与えていた熱量の分だけ、蒸着対象Sにおける温度の変動を抑えることができる。これにより、蒸着対象Sに対して蒸着が行われている間において、蒸着対象Sの温度における変動を抑えることができる。
(2)加熱部14に蒸着対象Sの加熱を終了させるため、シャッター13が開状態に変更されて以降も加熱部14が蒸着対象Sの加熱を続ける場合と比べて、投入される負荷を軽減することができる。
(3)加熱に対する蒸着対象Sの応答遅れが、加熱部14が与える熱と蒸着源11が与える熱との加算を生じさせ、結果として、過剰な蒸着対象Sの加熱を生じさせることが抑えられる。
(4)シャッター13における蒸着材料Mの付着量が大きいことに起因して、シャッター13が閉状態である間に蒸着対象Sに与えられる輻射熱と、シャッター13が開状態に変更されて以降に蒸着対象Sに与えられる輻射熱との差分が大きくなった場合にも、蒸着対象Sにおける温度の変動を抑えることが可能である。
[第1実施形態の変形例]
なお、上述した第1実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[監視部]
・監視部17は、上述した温度センサーに代えて、例えば、シャッター13における蒸着材料Mが付着する面を撮像するカメラでもよい。あるいは、監視部17は、蒸着源11において蒸着が開始された回数を計数するカウンターでもよい。あるいは、監視部17は、温度センサー、カメラ、および、カウンターのうちの少なくとも2つから構成されてもよい。
なお、上述した第1実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[監視部]
・監視部17は、上述した温度センサーに代えて、例えば、シャッター13における蒸着材料Mが付着する面を撮像するカメラでもよい。あるいは、監視部17は、蒸着源11において蒸着が開始された回数を計数するカウンターでもよい。あるいは、監視部17は、温度センサー、カメラ、および、カウンターのうちの少なくとも2つから構成されてもよい。
・監視部17は、省略されてもよい。この場合にも、上述した(1)から(3)に準じた効果を得ることはできる。
[真空槽]
・蒸着装置10は、真空槽15を加熱する加熱部を備えてもよい。加熱部は、真空槽15のなかで、少なくとも蒸着空間を区画する表面の温度をほぼ一定に保つことが可能であればよい。これにより、蒸着対象Sの廃熱量における変動が抑えられ、結果として、蒸着対象Sの温度が、蒸着が開始されてから終了されるまでの間に変動することがより抑えられる。
[真空槽]
・蒸着装置10は、真空槽15を加熱する加熱部を備えてもよい。加熱部は、真空槽15のなかで、少なくとも蒸着空間を区画する表面の温度をほぼ一定に保つことが可能であればよい。これにより、蒸着対象Sの廃熱量における変動が抑えられ、結果として、蒸着対象Sの温度が、蒸着が開始されてから終了されるまでの間に変動することがより抑えられる。
[第2実施形態]
図5から図8を参照して、蒸着装置および蒸着方法の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、蒸着対象Sに対する蒸着が行われている間に、蒸着対象Sが搬送される点が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成には第1実施形態と同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。以下では、蒸着装置の構成、および、蒸着装置の作用を順に説明する。
図5から図8を参照して、蒸着装置および蒸着方法の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比べて、蒸着対象Sに対する蒸着が行われている間に、蒸着対象Sが搬送される点が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成には第1実施形態と同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。以下では、蒸着装置の構成、および、蒸着装置の作用を順に説明する。
[蒸着装置の構成]
図5を参照して蒸着装置の構成を説明する。
図5が示すように、蒸着装置20は、蒸着源11、搬送部21、シャッター13、加熱部22、および、制御部20Cを備えている。搬送部21は、蒸着対象Sを搬送方向に沿って搬送する。
図5を参照して蒸着装置の構成を説明する。
図5が示すように、蒸着装置20は、蒸着源11、搬送部21、シャッター13、加熱部22、および、制御部20Cを備えている。搬送部21は、蒸着対象Sを搬送方向に沿って搬送する。
シャッター13は、蒸着源11に対して蒸着対象Sを露出させる開口13aを含んでいる。開口13aは、閉状態と開状態とを有している。搬送方向において、開口13aの幅は、蒸着対象Sの幅よりも小さい。開口13aにおいて、閉状態は、蒸着材料Mが蒸着対象Sに向けて飛行することを妨げる状態である。開口13aにおいて、開状態は、蒸着材料Mを搬送方向における蒸着対象の一部にのみ到達させる状態である。
蒸着対象Sにおいて、蒸着材料Mが到達する領域が対象領域である。加熱部22は、蒸着源11と搬送部21とが並ぶ方向から見て、対象領域と重なる対象要素22aと、対象要素22aよりも外側に位置する周辺要素22bとを含んでいる。
制御部20Cは、蒸着源11、搬送部21、シャッター13、および、加熱部22の駆動を制御する。制御部20Cは、開口13aが閉状態である間に、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を開始させ、かつ、加熱部22に蒸着対象Sの加熱を開始させる。制御部20Cは、開口13aを閉状態から開状態に変更するまでの間に、加熱部22に、対象要素22aが蒸着対象Sを加熱する度合いを周辺要素22bが蒸着対象Sを加熱する度合いよりも低下させる。
搬送方向において、加熱部22の幅は、蒸着対象Sの幅よりも大きい。加熱部22の幅は、蒸着対象Sが搬送部21によって搬送される範囲よりも大きい。これにより、加熱部22は、搬送方向における蒸着対象Sの位置にかかわらず、搬送方向において蒸着対象Sの全体を加熱することができる。
制御部20Cが、対象要素22aが蒸着対象Sを加熱する度合いを周辺要素22bが蒸着対象Sを加熱する度合いよりも低下させる場合に、制御部20Cは、対象要素22aによる蒸着対象Sの加熱を停止させてもよい。あるいは、制御部20Cは、対象要素22aにおける設定温度を周辺要素22bにおける設定温度よりも低くしてもよい。制御部20Cは、蒸着対象Sに対する蒸着の開始から終了までの間にわたって、周辺要素22bにおける設定温度を一定の温度に維持することができる。
[蒸着装置の作用]
図6から図8を参照して、蒸着装置20の作用を説明する。
制御部20Cは、シャッター13の開口13aが閉状態である間に、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を開始させ、かつ、加熱部22に蒸着対象Sの加熱を開始させる。このとき、制御部20Cは、対象要素22aと周辺要素22bとの両方が蒸着対象Sを加熱する度合いを同一に設定する。言い換えれば、制御部20Cは、対象要素22aにおける設定温度と、周辺要素22bにおける設定温度とを同一の温度に設定する。
図6から図8を参照して、蒸着装置20の作用を説明する。
制御部20Cは、シャッター13の開口13aが閉状態である間に、蒸着源11に蒸着材料Mの加熱を開始させ、かつ、加熱部22に蒸着対象Sの加熱を開始させる。このとき、制御部20Cは、対象要素22aと周辺要素22bとの両方が蒸着対象Sを加熱する度合いを同一に設定する。言い換えれば、制御部20Cは、対象要素22aにおける設定温度と、周辺要素22bにおける設定温度とを同一の温度に設定する。
図6が示すように、制御部20Cは、シャッター13の駆動を制御することによって、開口13aを閉状態から開状態に変える。このとき、搬送部21は初期位置に配置されている。搬送部21が初期位置に配置されている場合には、蒸着対象Sには、蒸着材料Mが到達しない。制御部20Cは、対象要素22aが蒸着対象Sを加熱する度合いを、周辺要素22bが蒸着対象Sを加熱する度合いよりも低下させる。
図7が示すように、搬送部21が搬送方向に沿って蒸着対象Sを搬送することにより、蒸着対象Sにおける対象領域に蒸着材料Mが到達する。このとき、蒸着対象Sのなかで、対象領域に対して、蒸着源11の輻射熱が入熱する。そのため、蒸着対象Sのなかで、対象領域が、対象領域以外の領域に比べて加熱される。上述したように、対象要素22aが蒸着対象S、すなわち対象領域を加熱する度合いは、周辺要素22bが蒸着対象S、すなわち対象領域以外の領域を加熱する度合いよりも低い。そのため、対象領域にのみ蒸着源11の輻射熱が入熱しても、蒸着対象Sの面内において、蒸着対象Sの温度にばらつきが生じることが抑えられる。
図8が示すように、搬送部21が搬送方向に沿って蒸着対象Sをさらに搬送する。これにより、搬送方向における蒸着対象Sの全体が、対象要素22aを通過する。言い換えれば、搬送方向における蒸着対象Sの全体に蒸着材料Mが付着する。結果として、蒸着対象Sの全体に、蒸着材料Mによる薄膜が形成される。
このように、第2実施形態では、蒸着対象Sに対する蒸着が行われているときに、蒸着対象Sのなかで蒸着源11の輻射熱が入熱する対象領域を加熱する度合いを、他の領域を加熱する度合いよりも低下させる。そのため、蒸着対象Sの面内において、蒸着対象Sの温度にばらつきが生じることが抑えられる。
なお、第2実施形態における蒸着装置および蒸着方法は、第1実施形態における構成と組み合わせて実施することが可能である。
[第3実施形態]
図9から図12を参照して、蒸着装置および蒸着方法の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第1実施形態と比べて、蒸着対象Sに対する蒸着が行われている間に、蒸着源が移動する点が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第3実施形態において、第1実施形態と共通する構成には第1実施形態と同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。以下では、蒸着装置の構成、および、蒸着装置の作用を順に説明する。
図9から図12を参照して、蒸着装置および蒸着方法の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、第1実施形態と比べて、蒸着対象Sに対する蒸着が行われている間に、蒸着源が移動する点が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第3実施形態において、第1実施形態と共通する構成には第1実施形態と同一の符号を付すことによって、その詳しい説明を省略する。以下では、蒸着装置の構成、および、蒸着装置の作用を順に説明する。
[蒸着装置の構成]
図9を参照して、蒸着装置の構成を説明する。
図9が示すように、蒸着装置30は、蒸着源31、支持部12、シャッター13、加熱部32、および、制御部30Cを備えている。蒸着源31は、移動方向に沿って移動し、かつ、移動方向における各位置において、移動方向における蒸着対象Sの一部にのみ蒸着材料を飛行させる。蒸着対象Sにおいて蒸着材料Mが到達する領域が対象領域である。加熱部32は、移動方向に沿って並ぶ複数の加熱要素32aを含んでいる。
図9を参照して、蒸着装置の構成を説明する。
図9が示すように、蒸着装置30は、蒸着源31、支持部12、シャッター13、加熱部32、および、制御部30Cを備えている。蒸着源31は、移動方向に沿って移動し、かつ、移動方向における各位置において、移動方向における蒸着対象Sの一部にのみ蒸着材料を飛行させる。蒸着対象Sにおいて蒸着材料Mが到達する領域が対象領域である。加熱部32は、移動方向に沿って並ぶ複数の加熱要素32aを含んでいる。
制御部30Cは、蒸着源31、シャッター13、および、加熱部32の駆動を制御する。制御部30Cは、シャッター13が閉状態である間に、蒸着源31に蒸着材料Mの加熱を開始させ、かつ、加熱部32に蒸着対象Sの加熱を開始させる。制御部10Cは、シャッター13を閉状態から開状態に変更した後に、蒸着源31を移動方向に沿って移動させる。かつ、制御部30Cは、蒸着源31とシャッター13とが並ぶ方向から見て、加熱要素32aのなかで、対象領域と重なる加熱要素32aが蒸着対象Sを加熱する度合いを、加熱要素32aのなかで、対象領域以外の領域と重なる加熱要素32aが蒸着対象Sを加熱する度合いよりも低下させる。
制御部30Cが、ある加熱要素32aが蒸着対象Sを加熱する度合いを他の加熱要素32aが蒸着対象Sを加熱する度合いよりも低下させる場合に、制御部30Cは、対象となる加熱要素32aによる蒸着対象Sの加熱を停止させてもよい。あるいは、制御部30Cは、対象となる加熱要素32aにおける設定温度を他の加熱要素32aにおける設定温度よりも低くしてもよい。
[蒸着装置の作用]
図10から図12を参照して、蒸着装置30の作用を説明する。なお、図10から図12では、複数の加熱要素32aのなかで、他の加熱要素32aよりも設定温度が低い加熱要素32aに対してドットが付されている。
図10から図12を参照して、蒸着装置30の作用を説明する。なお、図10から図12では、複数の加熱要素32aのなかで、他の加熱要素32aよりも設定温度が低い加熱要素32aに対してドットが付されている。
制御部30Cは、シャッター13が閉状態である間に、蒸着源31に蒸着材料Mの加熱を開始させ、かつ、加熱部32に蒸着対象Sの加熱を開始させる。このとき、制御部30Cは、加熱部32における全ての加熱要素32aにおいて、蒸着対象Sを加熱する度合いを同一に設定する。言い換えれば、制御部30Cは、全ての加熱要素32aにおける設定温度を同一の温度に設定する。
図10が示すように、制御部30Cは、シャッター13の駆動を制御することによって、シャッター13を閉状態から開状態に変える。これにより、シャッター13の開口13aを通じて蒸着材料Mが蒸着対象Sに到達する。このとき、蒸着源31は、初期位置に配置されている。蒸着源31が初期位置に配置されている場合には、移動方向における蒸着対象Sの端部が、蒸着材料Mが到達する対象領域である。対象領域は、蒸着源31の輻射熱が入熱する領域でもある。そのため、制御部30Cは、複数の加熱要素32aのなかで、蒸着源31とシャッター13とが並ぶ方向から見て、対象領域と重なる加熱要素32aが蒸着対象Sを加熱する度合いを、他の加熱要素32aが蒸着対象Sを加熱する度合いよりも低下させる。すなわち、制御部30Cは、対象領域と重なる加熱要素32aの設定温度を、他の加熱要素32aの設定温度よりも低い温度に設定する。
図11が示すように、蒸着源31が搬送方向に沿って移動することにより、蒸着対象Sのなかで、移動方向における中央部の近傍が対象領域になる。そのため、制御部30Cは、加熱部32のなかで、移動方向における中央部の近傍に位置する加熱要素32aの設定温度を、他の加熱要素32aの設定温度よりも低い温度に設定する。
図12が示すように、蒸着源31が搬送方向に沿ってさらに移動することにより、蒸着対象Sのなかで、移動方向における他方の端部が対象領域になる。そのため、制御部30Cは、加熱部32のなかで、移動方向における他方の端部に位置する加熱要素32aの設定温度を、他の加熱要素32aの設定温度よりも低い温度に設定する。
このように、第3実施形態では、蒸着対象Sに対する蒸着が行われているときに、蒸着対象Sのなかで蒸着源31の輻射熱が入熱する対象領域を加熱する度合いを、他の領域を加熱する度合いよりも低下させる。そのため、蒸着対象Sの面内において、蒸着対象Sの温度にばらつきが生じることが抑えられる。
なお、第3実施形態の蒸着装置および蒸着方法は、第1実施形態における構成と組み合わせて実施することが可能である。
10,20,30…蒸着装置、10C,20C,30C…制御部、11,31…蒸着源、12…支持部、13…シャッター、13a…開口、14,22,32…加熱部、15…真空槽、16…マスク支持部、17…監視部、21…搬送部、22a…対象要素、22b…周辺要素、32a…加熱要素、M…蒸着材料、MS…蒸着マスク、S…蒸着対象。
Claims (8)
- 蒸着材料を収容し、前記蒸着材料を加熱する蒸着源と、
蒸着対象を支持する支持部と、
前記蒸着源と前記支持部との間に位置し、開状態と閉状態とを有するシャッターと、
前記蒸着対象を加熱する加熱部と、
前記蒸着源、前記シャッター、および、前記加熱部の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記閉状態は、前記蒸着材料が前記蒸着対象に向けて飛行することを妨げる状態であり、
前記開状態は、前記蒸着材料を前記蒸着対象に到達させる状態であり、
前記制御部は、前記シャッターが前記閉状態である間に、前記蒸着源に前記蒸着材料の加熱を開始させ、かつ、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させ、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更するまでの間に、前記加熱部に前記加熱部が前記蒸着対象を加熱する度合いを前記加熱部が前記加熱を開始したときの前記度合いよりも低下させる
蒸着装置。 - 前記制御部は、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更するまでの間に、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を終了させる
請求項1に記載の蒸着装置。 - 前記制御部は、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更する前に、前記加熱部に前記度合いを低下させる
請求項1に記載の蒸着装置。 - 前記シャッターに付着した前記蒸着材料の付着量を監視する監視部をさらに備え、
前記付着量は、第1付着量と、前記第1付着量よりも大きい第2付着量を含み、
前記制御部は、前記監視部による前記付着量の監視結果を入力し、前記付着量が前記第2付着量であるときに、前記付着量が前記第1付着量であるときよりも、前記加熱部に前記度合いを低下させる時点から、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更する時点までの期間を短くする
請求項3に記載の蒸着装置。 - 前記シャッターに付着した前記蒸着材料の付着量を監視する監視部をさらに備え、
前記付着量は、第1付着量と、前記第1付着量よりも大きい第2付着量を含み、
前記制御部は、前記監視部による前記付着量の監視結果を入力し、前記付着量が前記第2付着量であるときに、前記付着量が前記第1付着量であるときよりも、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させるときの前記度合いを大きくする
請求項1に記載の蒸着装置。 - 蒸着材料を収容し、前記蒸着材料を加熱する蒸着源と、
蒸着対象を搬送方向に沿って搬送する搬送部と、
前記蒸着源と前記搬送部との間に位置し、前記蒸着源に対して前記蒸着対象を露出させる開口を含み、前記開口が開状態と閉状態とを有するシャッターと、
前記蒸着対象を加熱する加熱部と、
前記蒸着源、前記搬送部、前記シャッター、および、前記加熱部の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記搬送方向において、前記開口の幅が、前記蒸着対象の幅よりも小さく、
前記閉状態は、前記蒸着材料が前記蒸着対象に向けて飛行することを妨げる状態であり、
前記開状態は、前記蒸着材料を前記搬送方向における前記蒸着対象の一部である対象領域にのみ到達させる状態であり、
前記加熱部は、前記蒸着源と前記搬送部とが並ぶ方向から見て、前記対象領域と重なる対象要素と、前記対象要素よりも外側に位置する周辺要素とを含み、
前記制御部は、前記開口が前記閉状態である間に、前記蒸着源に前記蒸着材料の加熱を開始させ、かつ、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させ、前記開口を前記閉状態から前記開状態に変更するまでの間に、前記加熱部に、前記対象要素が前記蒸着対象を加熱する度合いを前記周辺要素が前記蒸着対象を加熱する度合いよりも低下させる
蒸着装置。 - 蒸着材料を収容し、前記蒸着材料を加熱する蒸着源と、
蒸着対象を支持する支持部と、
前記蒸着源と前記支持部との間に位置し、開状態と閉状態とを有するシャッターと、
前記蒸着対象を加熱する加熱部と、
前記蒸着源、前記シャッター、および、前記加熱部の駆動を制御する制御部と、を備え、
前記閉状態は、前記蒸着材料が前記蒸着対象に向けて飛行することを妨げる状態であり、
前記開状態は、前記蒸着材料を前記蒸着対象に到達させる状態であり、
前記蒸着源は、移動方向に沿って移動し、前記移動方向における各位置において、前記移動方向における前記蒸着対象の一部である対象領域にのみ前記蒸着材料を飛行させ、
前記加熱部は、前記移動方向に沿って並ぶ複数の加熱要素を含み、
前記制御部は、前記シャッターが前記閉状態である間に、前記蒸着源に前記蒸着材料の加熱を開始させ、かつ、前記加熱部に前記蒸着対象の加熱を開始させ、前記シャッターを前記閉状態から前記開状態に変更した後に、前記蒸着源を前記移動方向に沿って移動させ、かつ、前記蒸着源と前記シャッターとが並ぶ方向から見て、前記加熱要素のなかで、前記対象領域と重なる前記加熱要素が前記蒸着対象を加熱する度合いを、前記加熱要素のなかで、前記対象領域以外の領域と重なる前記加熱要素が前記蒸着対象を加熱する度合いよりも低下させる
蒸着装置。 - シャッターが、蒸着材料が蒸着対象に向けて飛行することを妨げる閉状態である間に、蒸着源が前記蒸着材料の加熱を開始することと、
前記シャッターが前記閉状態である間に、加熱部が前記蒸着対象の加熱を開始することと、
前記シャッターが、前記閉状態から、前記蒸着材料を前記蒸着対象に到達させる開状態に変わるまでの間に、前記加熱部が前記蒸着対象を加熱する度合いを前記加熱部が前記加熱を開始したときの前記度合いよりも低下させることと、を含む
蒸着方法。
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KR20220076310A (ko) | 2020-11-30 | 2022-06-08 | 캐논 톡키 가부시키가이샤 | 증착 장치, 성막 장치, 성막 방법 및 전자 디바이스의 제조 방법 |
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2018
- 2018-07-04 JP JP2018127477A patent/JP2020007587A/ja active Pending
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