JP2020007280A - 育毛剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】育毛効果感および低温での保存安定性に優れる育毛剤を提供する。【解決手段】原液および二酸化炭素を含有する育毛剤であって、原液が、成分(A):原液に対して0.7%(質量/体積)以上10%(質量/体積)以下のミノキシジル、成分(B):原液に対して40%(質量/体積)以上のエタノール、および成分(C):水を含み、原液に対して二酸化炭素を0.5%(質量/体積)以上5%(質量/体積)以下含有する、育毛剤。【選択図】なし

Description

本発明は、育毛剤に関する。
ミノキシジルには優れた発毛効果があることから、これを育毛剤等に配合する技術が検討されている(特許文献1、2)。
特許文献1(特開2007−45712号公報)には、多価アルコール、有機酸、メントールおよび特定の成分を含有する頭皮毛髪化粧料について記載されており、上記特定の成分としてミノキシジルを用いうることが記載されている。また、同文献には、かかる頭皮毛髪化粧料は、外用することにより優れた清涼感を示し、特に、清涼感の持続性に優れ、使用感が良好でかつ高い育毛効果を有すると記載されている。
また、特許文献2(特開2006−143640号公報)には、優れた養毛・育毛作用を有し、かつ良好な使用感を呈する養毛・育毛料に関し、フラバノノール類、ユーカリエキスおよびメントールを含有する養毛・育毛料が記載されており、また、養毛・育毛料にミノキシジルをさらに配合しうることが記載されている。
特開2007−45712号公報 特開2006−143640号公報
ここで、ミノキシジルは、水に対し難溶解性の成分である。そして、ミノキシジルを含む育毛剤について本発明者らが検討したところ、低温での保存安定性について改善の余地があることが明らかになった。
そこで、本発明は、育毛効果感および低温での保存安定性に優れる育毛剤を提供する。
本発明は、
原液および二酸化炭素を含有する育毛剤であって、
前記原液が、次の成分(A)〜(C):
(A)前記原液に対して0.7%(質量/体積)以上10%(質量/体積)以下のミノキシジル、
(B)前記原液に対して40%(質量/体積)以上のエタノール、および
(C)水
を含み、
前記原液に対して前記二酸化炭素を0.5%(質量/体積)以上5%(質量/体積)以下含有する、育毛剤を提供するものである。
本発明によれば、育毛効果感および低温での保存安定性に優れる育毛剤を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、各成分の具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態における育毛剤は、成分(A):ミノキシジル、成分(B):エタノールおよび成分(C):水を含む原液と、二酸化炭素とを含有する。そして、原液100mL中の成分(A)および(B)ならびに二酸化炭素の含有量(g)が、それぞれ特定の範囲にある。
ここで、本明細書において、20℃における原液100mLに対する成分の質量(g)の割合について、「(成分の質量(g))/(原液100mL)×100(%)」すなわち「(質量/体積)%」を単に「%」とも記載する。
(原液)
(成分(A))
成分(A)は、ミノキシジルである。
育毛剤中の成分(A)の含有量は、育毛効果感を向上させる観点から、原液に対して0.7%以上であり、好ましくは0.8%以上であり、より好ましくは0.9%以上、さらに好ましくは2%以上、さらにより好ましくは3%以上、殊更好ましくは4%以上、殊更好ましくは4.5%以上、殊更好ましくは4.8%以上である。
また、べたつき感を抑制する観点から、育毛剤中の成分(A)の含有量は、原液に対して10%以下であり、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下、さらに好ましくは4%以下、さらにより好ましくは3%以下、殊更好ましくは2%以下、殊更好ましくは1.8%以下、殊更好ましくは1.5%以下、殊更好ましくは1.3%以下、殊更好ましくは1.2%以下である。
(成分(B))
成分(B)は、エタノールである。
育毛剤中の成分(B)の含有量は、成分(A)の溶解性を向上させる観点から、原液に対して40%以上であり、好ましくは50%以上であり、より好ましくは53%以上、さらに好ましくは55%以上である。
また、育毛剤中の成分(B)の含有量は、剤の乾燥性を好ましく調整する観点から、原液に対して99.3%未満であり、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下、さらにより好ましくは68%以下、殊更好ましくは64%以下である。
(成分(C))
成分(C)は、水である。水としては、イオン交換水や蒸留水等を用いることができる。
育毛剤が水を含むとき、水の含有量は、たとえば、原液中の成分(A)および(B)ならびにその他成分の残量となる。
また、育毛剤中の成分(C)の含有量は、剤の乾燥性を好ましく調整する観点から、原液に対して好ましくは5%以上であり、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上、さらにより好ましくは20%以上である。
また、成分(A)の溶解性を高める観点から、育毛剤中の成分(C)の含有量は、原液に対して59.3%以下であり、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下である。
(二酸化炭素)
本実施形態の育毛剤は、特定量の二酸化炭素を上述した原液とともに含むため、低温における成分(A)の析出を抑制し、低温保存安定性に優れるとともに、優れた育毛効果を使用者に実感させることができる。二酸化炭素は、具体的には、噴射剤として育毛剤に配合される。
育毛剤中の二酸化炭素の含有量は、育毛剤の低温保存安定性を向上させる観点から、原液に対して0.5%以上であり、好ましくは0.8%以上、より好ましくは1.2%以上、さらに好ましくは1.5%以上、さらにより好ましくは1.8%以上である。
また、経済性および溶解性の向上の観点から、育毛剤中の二酸化炭素の含有量は、原液に対して5%以下であり、好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下、さらにより好ましくは2.5%以下である。
育毛剤中の成分(A)の含有量に対する二酸化炭素の含有量の質量比((二酸化炭素)/(A))は、育毛剤の低温保存安定性を向上させる観点、および、育毛効果感を向上させる観点から、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.3以上である。
また、溶解性向上の観点から、上記質量比((二酸化炭素)/(A))は、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは2.5以下である。
本実施形態においては、育毛剤が成分(A)〜(C)および二酸化炭素を含み、原液に対する成分(A)、(B)および二酸化炭素の含有量が特定の範囲にある。このため、本実施形態においては、優れた育毛効果感が得られるとともに、低温保存安定性に優れる育毛剤を得ることができる。
また、本実施形態により、たとえば、育毛剤の適用時の毛髪の束感が抑制され、毛髪が適度にばらけることで頭皮(地肌)を見えにくくすることができ、べたつき感の少ない育毛剤を得ることも可能となる。
本実施形態の育毛剤において、育毛剤は、成分(A)〜(C)および二酸化炭素以外の成分を含んでもよい。たとえば、育毛剤は、好ましくは原液中に、以下の成分(D)〜(H)からなる群から選択される1種または2種以上の成分を含んでもよい。
(成分(D))
成分(D)は、分子量60以上300以下の多価アルコールである。
成分(D)の分子量は、低温において、成分(A)の析出を抑制し育毛剤の保存安定性を向上する観点から、60以上であり、好ましくは70以上、より好ましくは80以上である。
同様の観点から、成分(D)の分子量は300以下であり、好ましくは250以下、さらに好ましくは150以下、さらにより好ましくは100以下である。
成分(D)の具体例として、1,3−ブチレングリコール(分子量90.12)、プロピレングリコール(分子量76.09)、ジプロピレングリコール(分子量134.17)、ポリプロピレングリコール、グリセリン(分子量106.12)、エチレングリコール(分子量62.07)、ジエチレングリコール(分子量90.12)、トリエチレングリコール(分子量150.17)およびポリエチレングリコールからなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
ここで、成分(D)であるポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールの分子量は、ポリエチレングリコールの場合、「第十七改正 日本薬局方」、医薬品各条中、マクロゴール400の平均分子量試験に記載された方法、ポリプロピレングリコールの場合、「医薬品添加物規格2003」、医薬品添加物各条中、ポリプロピレングリコール2000の平均分子量試験に記載された方法により測定される数平均分子量である。
成分(A)の溶解性を向上する観点および頭皮を見えにくくする観点から、成分(D)は、好ましくは1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびグリセリンからなる群から選択される1種以上であり、好ましくは1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびグリセリンからなる群から選択される1種以上であり、さらに好ましくは1,3−ブチレングリコールである。
育毛剤中の成分(D)の含有量は、成分(A)の溶解性を向上させる観点及び経皮吸収性向上の観点から、原液に対して好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは7%以上、さらにより好ましくは8%以上、殊更好ましくは9%以上である。
また、頭皮および毛髪のべたつき感を低減し、頭皮を見えにくくする観点から、育毛剤中の成分(D)の含有量は、原液に対して好ましくは20%以下であり、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは12%以下である。
また、育毛剤中の成分(A)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比((D)/(A))は、経皮吸収性向上の観点、および、育毛剤の低温保存安定性を向上させる観点から、好ましくは1以上であり、より好ましくは3以上である。
また、頭皮および毛髪のべたつき感を低減し、頭皮を見えにくくする観点から、上記質量比((D)/(A))は、好ましくは10以下であり、より好ましくは8以下、さらに好ましくは5以下である。
(成分(E))
成分(E)は、平均分子量8000以上50000以下のポリエチレングリコールである。ここで、成分(E)の平均分子量は、「第十七改正 日本薬局方」、医薬品各条中、マクロゴール20000の平均分子量試験に記載された方法により測定される数平均分子量である。
成分(E)の平均分子量は、毛髪および頭皮のべたつき感を低減し、塗布時、束になりがちな毛髪をばらけやすくさせ、頭皮を見えにくくする観点から、8000以上であり、好ましくは15000以上である。また、同様の観点から、成分(E)の平均分子量は、50000以下であり、好ましくは40000以下、より好ましくは30000以下、さらに好ましくは25000以下である。
育毛剤中の成分(E)の含有量は、頭皮を見えにくくする観点から、原液に対して好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上である。
また、べたつき抑制の観点から、育毛剤中の成分(E)の含有量は、原液に対して好ましくは2%以下であり、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.7%以下、さらにより好ましくは0.5%以下である。
また、育毛剤中の成分(A)の含有量に対する成分(E)の含有量の質量比((E)/(A))は、頭皮を見えにくくし、毛髪および頭皮のべたつき感を低減する観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.06以上である。
また、べたつき抑制の観点から、上記質量比((E)/(A))は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である。
(成分(F))
成分(F)は、炭素数16以上22以下のアルキルグリセリルエーテルである。
炭素数16〜22のアルキルグリセリルエーテルの炭素数は16以上18以下が好ましい。アルキル基は直鎖でも分岐でもよいが、分岐が好ましい。
炭素数16以上22以下のアルキルグリセリルエーテルは、好ましくはイソステアリルグリセリルエーテルである。
育毛剤中の成分(F)の含有量は、経皮吸収性の観点から、原液に対して好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは0.15%以上、さらに好ましくは0.18%以上である。
また、同様の観点から、育毛剤中の成分(F)の含有量は、原液に対して好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.5%以下、さらにより好ましくは0.3%以下である。
また、育毛剤中の成分(A)の含有量に対する成分(F)の含有量の質量比((F)/(A))は、経皮吸収性の観点から、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.04以上である。
また、同様の観点から、上記質量比((F)/(A))は、好ましくは0.3以下であり、より好ましくは0.2以下であり、さらに好ましくは0.1以上である。
(成分(G))
成分(G)は、炭素数2以上6以下の有機酸または無機酸である。
成分(G)の具体例として、乳酸、グリコール酸、酒石酸、クエン酸等の炭素数2以上6以下の有機酸;および、リン酸、塩酸等の無機酸が挙げられる。
育毛剤の低温保存安定性をさらに向上させる観点から、成分(G)は、好ましくは乳酸、クエン酸およびリン酸からなる群から選択される1種または2種以上を含み、より好ましくは乳酸を含む。
育毛剤中の成分(G)の含有量は、育毛剤の低温保存安定性をさらに向上させる観点から、原液に対して好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.1%以上である。
また、育毛剤の着色を防止する観点から、育毛剤中の成分(G)の含有量は、原液に対して好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下である。
また、育毛剤中の成分(A)の含有量に対する成分(G)の含有量の質量比((G)/(A))は、育毛剤の低温保存安定性をさらに向上させる観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.02以上である。
また、育毛剤の着色を防止する観点から、上記質量比((G)/(A))は、好ましくは0.6以下であり、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.4以下である。
(成分(H))
成分(H)は、トコフェロールおよびトコフェロールエステルからなる群から選択される1種以上である。トコフェロールエステルの具体例として、トコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールコハク酸エステルが挙げられる。
育毛効果感をさらに高める観点から、成分(H)は、好ましくはトコフェロール酢酸エステルである。
育毛剤中の成分(H)の含有量は、育毛剤の育毛効果感をさらに向上させる観点から、原液に対して好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは0.03%以上、さらに好ましくは0.05%以上である。
また、同様の観点から、育毛剤中の成分(H)の含有量は、原液に対して好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
また、育毛剤中の成分(A)の含有量に対する成分(H)の含有量の質量比((H)/(A))は、育毛剤の育毛効果感をさらに向上させる観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.02以上である。
また、溶解性向上の観点から、上記質量比((H)/(A))は、好ましくは0.1以下であり、より好ましくは0.08以下である。
また、育毛剤の原液は、上述した成分のほか、通常の育毛剤に用いられる成分を所望の効果に応じて適宜含むことができる。
このような任意成分として、たとえば、成分(F)以外の界面活性剤;
ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール、これらの塩酸塩、これらの5'−リン酸エステル等のビタミンB6およびその誘導体、ローヤルゼリー抽出液、テストステロン5α−レダクターゼ阻害活性を有する植物抽出液(たとえば、チョウジエキス、アロエエキス、バーチエキストラクト)等の皮脂分泌抑制剤;
ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸等の成分(H)以外の抗酸化剤;
l−メントール、カンファー、ボルネオール、ゲラニオール、リナロール、シネオール等の清涼化剤;
浸透促進剤;
安定化剤が挙げられる。これらの各剤は、各剤としての用途に限られず使用することができる。
(pH)
本実施形態の育毛剤のpHは、育毛剤中での成分(A)の安定性を高める観点から、好ましくは5.0以上であり、より好ましくは5.5以上であり、さらに好ましくは6.0以上であり、また、好ましくは9.0以下であり、より好ましくは8.5以下、さらに好ましくは8.0以下である。
なお、本明細書において、育毛剤のpHは、25℃において、育毛剤を直接測定した値(ガラス電極測定法)をいい、具体的な測定方法は実施例の項で後述する。
次に、本実施形態における育毛剤の製造方法を説明する。
本実施形態の育毛剤の製造方法は、たとえば、成分(A)〜(C)を含む原液を調製する工程と、原液に二酸化炭素を配合して育毛剤を得る工程と、を含む。
また、本実施形態において、成分(A)を含む育毛剤の低温保存安定性を向上する方法は、たとえば、成分(A)〜(C)を含む原液を調製する工程と、原液に二酸化炭素を配合して育毛剤を得る工程と、を含む。
原液を調製する工程は、たとえば、成分(B)のエタノールを所定量入れた容器に、成分(A)および適宜その他成分を撹拌しながら順次加え、最後に成分(C)の水で100mLとする工程を含む。
また、二酸化炭素を配合する工程は、たとえば、上述した工程で得られた原液を耐圧容器に入れ、これに炭酸ガスを封入する工程を含む。
また、別の方法として、二酸化炭素を配合する工程は、耐圧容器に炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩を含ませた炭酸ガスを発生する成分を入れ、これに適当なpH調整剤を加えて炭酸ガスを発生させ、直ちに密封する工程、または、ドライアイスペレットを容器内に入れて密封する工程を含んでもよい。
以上により、本実施形態における育毛剤が得られる。本実施形態において得られる育毛剤は、成分(A)〜(C)を含む原液および二酸化炭素を含み、原液に対する成分(A)、(B)および二酸化炭素の含有量がそれぞれ特定の範囲にあるため、優れた育毛効果感が得られるとともに、低温保存安定性に優れるものである。また、本実施形態において得られる育毛剤は、たとえば、育毛剤の適用時の毛髪の束感が抑制され、毛髪が適度にばらけることで頭皮(地肌)を見えにくくすることができ、べたつき感の少ないものである。
また、本実施形態によれば、たとえば15℃以下、好ましくは5℃以下、より好ましくは−5℃以下の低温における、育毛剤中の成分(A)の析出を抑制し、保存安定性に優れる育毛剤を得ることもできる。
本実施形態において得られる育毛剤は、たとえばエアゾール型育毛剤である。また、本実施形態において得られる育毛剤は、皮膚外用剤であってもよい。
本実施形態において、育毛剤を使用する方法は、たとえば、育毛剤を頭皮に適用することを含み、好ましくは育毛剤を頭皮に塗布し、全体になじませることを含む。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1〜15および比較例1〜4)
表1および表2に示す組成の育毛剤を調製し、以下の方法および基準に従って、その評価をおこなった。評価結果を表1および表2にあわせて示す。
(育毛剤の調製方法)
表1に記載の成分を攪拌し、均一に混合し、各例の育毛剤の原液を調製した。20℃にて、比較例1以外については、得られた原液を耐圧容器であるエアゾール用ガラス試験瓶100mL(東京高分子社製)に60mL入れ、パッキン付瓶バルブで密封後、二酸化炭素の含有量が表1に記載の量となるように炭酸ガスを封入し、各例の育毛剤を得た。比較例1については、得られた原液を液剤容器に入れて育毛剤を得た。
各例において得られた育毛剤のpHは以下の方法で測定した。
(pHの測定方法)
原液のpHは、25℃にて、堀場製作所社製pHメーター(pHメーター:卓上型pH・水質分析計F74、電極:ロング ToupH 電極 9680S−10D)を用いてガラス電極測定法により測定した。
また、炭酸ガスを封入した各例の育毛剤のpHは、25℃にて、容器に10mL噴射し、2分後に測定した。測定装置は、原液のpHを測定した場合と同様である。
各例で得られた育毛剤について、以下の方法および基準に従って、経皮吸収性、育毛効果、低温保存安定性、べたつき感のなさおよび頭皮の透けにくさを評価した。
ここで、経皮吸収性および育毛効果については、表1に示す各例では経皮吸収性を評価し、表2に示す各例では育毛効果を評価した。実施例12については経皮吸収性および育毛効果を評価し、評価結果を表1および表2に示す。
(評価方法)
(1)経皮吸収性
ディフュージョンセルアレイシステム INT420(皮膚透過試験用、イントロテック社製)のドナーセルの各ウェル(穴)にレセプター液として生理食塩水を充填し、ラボスキン(Hos:HR−1(ヘアレスマウス)の背中の皮膚)を設置し、32℃で30分間馴化処理を行った。その後、該ラボスキン上(0.8cm2)に、表1の実施例及び比較例に記載の各サンプル20μLを塗布し、32℃150r/mで10時間振とうした。
振とう後、レセプター液全量を回収し、レセプター液中に拡散したミノキシジル濃度を高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography:HPLC)により測定し、ミノキシジルの透過量を算出した。実験は6回行い、各実験における比較例1の透過量を1.0としたときの各サンプルの透過量の比を取り、そのうち、各サンプルの最大値と最小値を除いた4回分の比を平均したものを経皮吸収性とした。
ここで、HPLCによる測定は、米国薬局方(USP Monograph USP40、2017年版、5183〜5184ページ)に記載の方法に準拠して行った。
(2)育毛効果
C3H系マウス(雄、8週齢、平均体重35g)の背部中央の皮膚を電気バリカンで刈った後、除毛剤により完全に除毛した。翌日より各例の育毛剤を被験部皮膚に毎日1回、一匹当り0.03mL塗布した。一試料に対して動物は一群10匹を使用した。実験開始後14日目に被験部皮膚の写真撮影を行なった。
つぎに、写真を画像解析装置(ソフトウエア(Adobe Photoshop Elements 9;アドビシステムズ株式会社製))に取り込み、画像を2値化した。このとき、閾値色を白黒とし、256階調の128を閾値として、それ以下を黒とした。そして、最初に毛刈りした面積(A)と、発毛面積(B)から、
発毛率(%)=〔(B)/(A)〕×100
を算出し、10匹の平均をとり、次の基準により育毛効果を判定した。A〜Dを合格とした。
A:発毛率30%以上
B:発毛率25%以上30%未満
C:発毛率20%以上25%未満
D:発毛率15%以上20%未満
E:発毛率15%未満
(3)低温保存安定性(i):15℃1ヶ月後の析出有無
ガラス製耐圧容器に、原液、噴射剤の順に入れて、各育毛剤を調整し、15℃の恒温室に保管した。1ヶ月後、15℃にて育毛剤の外観を目視評価し、粒子状の沈殿物の有無を下記の基準で評価した。
○:粒子状の沈殿物が見られない
×:粒子状の沈殿物が見られる
(4)低温保存安定性(ii):−5℃、析出までの時間
ガラス製耐圧容器に、原液、噴射剤の順に入れて、各育毛剤を調整し、−5℃の恒温室に保管した。最初の24時間は3時間毎、その後は1日毎、14日後まで−5℃にて育毛剤の外観を目視評価し、粒子状の沈殿物が見られた時点を記録した。
(5)べたつき感のなさ
10名の専門パネラーが、各育毛剤を塗布したときの毛髪及び頭皮のべたつきについて、指の触感による官能評価を行い、次の基準により判定した。A〜Cを合格とした。なお、育毛剤の塗布は「(1)育毛効果感」に記載した方法と同様の方法で行った。
A:9名または10名が良好(べたつき感がない)と評価
B:7名または8名が良好(べたつき感がない)と評価
C:5名または6名が良好(べたつき感がない)と評価
D:3名または4名が良好(べたつき感がない)と評価
E:1名または2名が良好(べたつき感がない)と評価
F:良好(べたつき感がない)と評価したパネラーなし
(6)頭皮の透けにくさ
ヘアピース(頭皮相当部分にゴム板を用い、縦6cm横6cmのエリアに、毛髪長さ10cm、毛密度200本/cm2で植毛したもの)の毛髪を、ヘアブラシで軽くブラッシングし、毛髪を整えた。つぎに各育毛剤1mLをスポイトに取り、スポイトを用いて上記ヘアピースの植毛部分(頭皮と毛髪の根本部位)になるべく均一になるように塗布した。その後、自然乾燥で30分間十分乾燥させた。更に、ヘアピースを逆さまにした状態でドライヤー(ライト社製、LCD−1203Nの冷風)で3分間乾燥させた。
乾燥後、ヘアピースを水平面に静置し、真上から写真撮影を行なった。
つぎに、写真を画像解析装置ソフトウエア(Adobe Photoshop Elements 9;アドビシステムズ株式会社製)に取り込み、画像を2値化した。このとき、閾値色を白黒とし、256階調の128を閾値として、それ以下を黒とした。
その後、地肌部分の面積(A)と、全体の面積(B)から、
地肌露出率(%)=〔(A)/(B)〕×100
を算出し、次の基準により判定した。A〜Dを合格とした。
A:地肌露出率20%未満
B:地肌露出率20%以上23%未満
C:地肌露出率23%以上26%未満
D:地肌露出率26%以上29%未満
E:地肌露出率29%以上32%未満
F:地肌露出率32%以上
Figure 2020007280
Figure 2020007280
表1および表2中、成分として以下のものを用いた。
*1 PEG20000:マクロゴール20000、三洋化成工業社製(平均分子量20000)
表1および表2より、各実施例の育毛剤は、各比較例のものに比べて、経皮吸収性または育毛効果、低温(15℃および−5℃)における保存安定性、べたつき感のなさ、および、頭皮の透けの抑制の効果のバランスに優れていた。

Claims (7)

  1. 原液および二酸化炭素を含有する育毛剤であって、
    前記原液が、次の成分(A)〜(C):
    (A)前記原液に対して0.7%(質量/体積)以上10%(質量/体積)以下のミノキシジル、
    (B)前記原液に対して40%(質量/体積)以上のエタノール、および
    (C)水
    を含み、
    前記原液に対して前記二酸化炭素を0.5%(質量/体積)以上5%(質量/体積)以下含有する、育毛剤。
  2. さらに、(D)分子量60以上300以下の多価アルコールを前記原液に対して0.5%(質量/体積)以上20%(質量/体積)以下含有する、請求項1に記載の育毛剤。
  3. さらに、(E)平均分子量8000以上50000以下のポリエチレングリコールを前記原液に対して0.05%(質量/体積)以上2%(質量/体積)以下含有する、請求項1または2に記載の育毛剤。
  4. さらに、(F)炭素数16以上22以下のアルキルグリセリルエーテルを前記原液に対して0.1%(質量/体積)以上1%(質量/体積)以下含有する、請求項1乃至3いずれか1項に記載の育毛剤。
  5. さらに、(G)炭素数2以上6以下の有機酸または無機酸を前記原液に対して0.01%(質量/体積)以上1%(質量/体積)以下含有する、請求項1乃至4いずれか1項に記載の育毛剤。
  6. さらに、(H)トコフェロールおよびトコフェロールエステルからなる群から選択される1種以上を前記原液に対して0.01%(質量/体積)以上0.5%(質量/体積)以下含有する、請求項1乃至5いずれか1項に記載の育毛剤。
  7. 25℃におけるpHが5.0〜9.0である、請求項1乃至6いずれか1項に記載の育毛剤。
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