JP2020006905A - 作業用車両の安全装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】4輪操舵型の作業用車両であっても、車両を傾斜下方に転がり走行させることなく、据え切り操作時の車輪の摩耗や段付き作動を防止することができる作業用車両の安全装置を提供する。【解決手段】車体の傾斜角度が設定傾斜角未満の車体姿勢において、走行操作レバーによる走行操作が行われていない状態で操舵ダイヤルによる舵取り操作(据え切り操作)が行われたときには、前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19による前輪12,12および後輪13,13のブレーキ作動を解除させるとともに、操舵ダイヤルにより当該舵取り操作に応じた前輪12,12および後輪13,13の転舵作動を行わせる制御を行うように構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、前輪および後輪を転舵作動させて進行方向を変化させて走行する作業用車両の安全装置に関する。
作業用車両の一例として、車体上にブーム式やシザースリンク式の昇降装置とその昇降装置に支持されて昇降移動される作業台とを備えたいわゆる自走式高所作業車や、車体上に掘削装置を備えた自走式掘削車両等が知られており、土木建設作業や造船作業等に広く用いられている。このような作業用車両は、車両が停止している時に車輪の回転を規制するブレーキが自動的にかかり、安全な状態で高所作業等を行うことができるように構成されている。そして、走行操作が行われたときには、ブレーキ作動を解除するとともに当該走行操作に基づいて車輪を回転駆動して車両を走行移動させることができるように構成されている。
上記のような作業用車両には、車体の前後左右に設けられた前輪および後輪のいずれか一方を転舵作動させて進行方向を変化させる2輪操舵型の作業用車両(例えば、特許文献1を参照)と、前輪および後輪の両方を転舵作動させて進行方向を変化させる4輪操舵型の作業用車両とがある。このような作業用車両では、走行操作が行われずに車両が停車している状態で舵取り操作のみが行われたとき(いわゆる「据え切り操作」時)に、回転が規制された車輪を強制的に転舵作動させると、硬質路面でタイヤ車輪の減りが早まったり、段付き作動を生じる虞がある。そのため、従来では、舵取り操作のみが単独で行われたときに、非操舵輪側のブレーキは保持しつつ、操舵輪側のブレーキを解除して当該舵取り操作に基づいた転舵作動を行うように構成されている。
特許第3976997号公報
ところで、操舵輪側のブレーキを解除することは、その分ブレーキ力が減少することを意味し、上記のような4輪操舵型の作業用車両においては、車両を停止保持させるブレーキ力が略ゼロに低下することになる。そのため、作業用車両が傾斜地に停止している状態で、舵取り操作のみを単独で行うようなことがあると、車両が傾斜下方に転がり走行する虞が生じるという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、4輪操舵型の作業用車両であっても、車両を傾斜下方に転がり走行させることなく、据え切り操作時の車輪の摩耗や段付き作動を防止することができる作業用車両の安全装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、車体の前後左右にそれぞれ回転自在に設けられた前輪および後輪と、前記前輪および前記後輪をそれぞれ転舵作動させて車両の進行方向を変化させるステアリング作動手段(例えば、実施形態におけるステアリング装置90)と、前記前輪および前記後輪の少なくともいずれか一方を回転駆動して車両を走行させる駆動手段(例えば、実施形態における前輪走行モータ16,16、後輪走行モータ17,17)と、前記前輪および前記後輪の回転をそれぞれ制動させるブレーキ手段(例えば、実
施形態における前輪ブレーキシリンダ18,18、後輪ブレーキシリンダ19,19)と、前記前輪および前記後輪の舵取り操作を行うステアリング操作手段(例えば、実施形態における操舵ダイヤル72)と、前記駆動手段による走行を行わせるための走行操作を行う走行操作手段(例えば、実施形態における走行操作レバー71)と、前記ステアリング操作手段の舵取り操作に基づいて前記ステアリング作動手段の作動を制御し、前記走行操作手段の走行操作に基づいて前記駆動手段および前記ブレーキ手段の作動を制御する走行制御手段とを備え、前記走行操作手段による走行操作が行われていないときには、前記走行制御手段により前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動が行われ、前記走行操作手段による走行操作が行われたときに、前記走行制御手段により前記ブレーキ手段による前記ブレーキ作動を解除させるとともに当該走行操作に基づいて前記駆動手段を作動させて車両を走行させる作業用車両の安全装置である。その上で、前記車体の傾斜角度を検出する車体傾斜角度検出器を備え、前記走行制御手段は、前記車体傾斜角度検出器により検出された前記車体の傾斜角度が設定傾斜角未満の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動を解除させるとともに、前記ステアリング作動手段により当該舵取り操作に応じた前記前輪および前記後輪の転舵作動を行わせる制御を行うように構成される。
上記構成の作業用車両の安全装置において、前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢の状態で、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動を保持し、前記ステアリング作動手段による前記前輪および前記後輪の転舵作動を行わせないように規制し、当該規制状態において、前記走行操作手段による走行操作が行われると、前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動を解除させるとともに、前記ステアリング作動手段により当該舵取り操作に応じた前記前輪および前記後輪の転舵作動を行わせ、当該走行操作に応じて前記駆動手段を作動させて車両を走行させる制御を行うように構成されることが好ましい。
上記構成の作業用車両の安全装置において、前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢の状態で、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記前輪および前記後輪のいずれか一方の車輪の前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせ、その後に前記前輪および前記後輪の他方の車輪の前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせる制御を行うように構成されることが好ましい。
上記構成の作業用車両の安全装置において、前記ステアリング作動手段は、前記前輪および前記後輪をそれぞれ転舵作動させる4輪転舵状態と、前記前輪および前記後輪のいずれか一方の車輪のみを転舵作動させる2輪転舵状態とに切り替え可能に構成され、前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記ステアリング作動手段を前記2輪転舵状態に切り替え、前記一方の車輪の前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせる制御を行うように構成されることが好ましい。
上記構成の作業用車両の安全装置において、前記前輪および前記後輪にそれぞれかかる荷重を検出する車輪荷重検出手段を備え、前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていな
い状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記前輪および前記後輪のうち前記車輪荷重検出手段により検出された荷重が小さい方の車輪のみの前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせる制御を行うように構成されることが好ましい。
本発明の安全装置によれば、車体の傾斜角度が設定傾斜角未満の車体姿勢において、走行操作が行われていない状態で舵取り操作(据え切り操作)が行われたときには、前輪および後輪のブレーキ作動を解除させるとともに、当該舵取り操作に応じた前輪および後輪の転舵作動を行わせる制御を行うように構成される。従って、設定傾斜角未満の平坦地においては、前輪および後輪の4輪のブレーキを解除した上で転舵作動を許容するため、タイヤ車輪の反撥弾性を蓄積することによるステアリングの段付き作動やブレーキ解放時の操舵角の急変等を生じることがなく、タイヤ摩耗も抑えることができる。また、設定傾斜角未満の平坦地であるため、4輪のブレーキを解除しても、車両が傾斜下方に転がり走行する等の逸走の虞もない。
上記構成の安全装置において、車体の傾斜角度が設定傾斜角以上の車体姿勢において、据え切り操作が行われたときには、前輪および後輪のブレーキ作動を保持し、前輪および後輪の転舵作動を行わせないように規制し、当該規制状態において、走行操作が行われると、前輪および後輪のブレーキ作動を解除させるとともに、当該舵取り操作に応じた前輪および後輪の転舵作動を行わせ、当該走行操作に応じて駆動手段を作動させて車両を走行させる制御を行うように構成されることが好ましい。このような構成とすれば、設定傾斜角以上の傾斜地では、前輪および後輪の4輪に作用する全ブレーキ力が保持されるため、車両が傾斜下方に転がり走行することを確実に防止することができる。
上記構成の安全装置において、車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、据え切り操作が行われたときには、前輪および後輪のいずれか一方の車輪のブレーキ作動を解除させるとともに転舵作動を行わせ、その後に前輪および後輪の他方の車輪のブレーキ作動を解除させるとともに転舵作動を行わせる制御を行うように構成されることが好ましい。このような構成とすれば、設定傾斜角以上の傾斜地では、前輪もしくは後輪の2輪に作用するブレーキ力が保持されるため、車両が傾斜下方に転がり走行することも防止することができるとともに、ステアリングの段付き作動やタイヤ摩耗も抑えることができる。
上記構成の安全装置において、車体の傾斜角度が設定傾斜角以上の車体姿勢において、据え切り操作が行われたときには、前輪および後輪のいずれか一方の車輪のみを転舵作動させる2輪転舵状態に切り替え、当該2輪のブレーキ作動を解除させるとともに転舵作動を行わせる制御を行うように構成されることが好ましい。このような構成とすれば、設定傾斜角以上の傾斜地では、転舵作動されない2輪(非操舵輪)に作用するブレーキ力が保持されるため、車両が傾斜下方に転がり走行することも防止することができるとともに、ステアリングの段付き作動やタイヤ摩耗も抑えることができる。
上記構成の安全装置において、車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、据え切り操作が行われたときには、前輪および後輪のうち車輪荷重検出手段により検出された荷重が小さい方の車輪のみのブレーキ作動を解除させるとともに転舵作動を行わせる制御を行うように構成されることが好ましい。このような構成とすれば、設定傾斜角以上の傾斜地では、荷重の大きい方の2輪に作用するブレーキ力が保持されるため、車両が傾斜下方に転がり走行することも防止することができるとともに、ステアリングの段付き作動やタイヤ摩耗も抑えることができる。
本発明に係る安全装置を備えた作業用作業の一例である自走式の高所作業車の側面図である。 上記高所作業車の平面図である。 上記高所作業車の作動制御構成を示すブロック図である。 上記高所作業車の走行制御構成の一部を示す油圧回路図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る安全装置を備えた作業用車両の一例として、図1および図2に自走式の高所作業車1を示している。高所作業車1は、走行可能に構成された走行体10と、走行体10の上部に水平旋回可能に設けられた旋回体20と、旋回体20の上部に起伏可能に設けられたブーム30と、ブーム30の先端部に設けられた作業台40とを備えて構成される。
走行体10は、走行体フレーム11に回転自在に設けられた左右一対の前輪12および後輪13を有している。前輪12および後輪13はそれぞれタイヤ車輪である。走行体10は、左右の前輪12をそれぞれ回転駆動する2つの前輪走行モータ16(図3を参照)と、左右の後輪13をそれぞれ回転駆動する2つの後輪走行モータ17(図3を参照)とを有している。走行体10は、前輪および後輪走行モータ16,17により左右の前輪12および後輪13をそれぞれ回転駆動するとともに、これら前輪12および後輪13をそれぞれ操舵することにより、所望の方向へと走行移動できるように構成されている。
走行体フレーム11の上部中央には旋回機構15が設けられている。旋回機構15は、走行体フレーム11に固定された外輪と、旋回体20に固定され、前記外輪に係合された内輪と、旋回体20に設けられた旋回モータ26(図3を参照)と、旋回体20に設けられた油圧ポンプP(図3を参照)から走行体10に設けられた前輪および後輪走行モータ16,17等に作動油を供給するためのロータリーセンタージョイントとを有している。旋回体20は、旋回機構15により走行体フレーム11に水平旋回自在に取り付けられ、旋回モータ26を正転もしくは逆転作動させることにより、走行体10に対して左右方向に旋回可能に構成されている。
旋回体20の上部には、枢結ピン34によりブーム30が上下方向に揺動自在(起伏自在)に設けられている。ブーム30は、旋回体20とブーム30の間に跨設されたブーム起伏シリンダ35(図3を参照)により旋回体20に対して起伏作動が可能になっている。ブーム30は、旋回体20に枢結された基端ブーム31、並びに、基端ブーム31に入れ子式に組み合わされた中間ブーム32および先端ブーム33を有して伸縮自在に構成される。ブーム30は、ブーム30内に設けられたブーム伸縮シリンダ36(図3を参照)により伸縮作動が可能になっている。
先端ブーム33の先端部には、枢結ピンにより垂直ポスト37が上下方向に揺動自在に設けられている。垂直ポスト37の上部に、作業台40が左右方向に旋回自在(首振り自在)に設けられている。先端ブーム33の先端部と垂直ポスト37との間には上側レベリングシリンダ(図示せず)が跨設されている。この上側レベリングシリンダは、基端ブーム31と旋回体20との間に跨設される下側レベリングシリンダ(図示せず)との間で油圧ホースによって閉回路が形成されており、下側レベリングシリンダの伸縮作動に応じて上側レベリングシリンダが伸縮作動されることにより、垂直ポスト37を先端ブーム33に対して上下揺動させてブーム30の起伏角度によらず常に作業台40の床面を水平な状態に保持するように構成されている。
作業台40は、作業台40に設けられた首振りモータ46(図3を参照)により垂直ポ
スト37に対して左右方向に旋回作動(首振り作動)が可能に構成されている。作業台40は、作業者が搭乗可能な略矩形状の作業床41と、その作業床41の周囲に立設された手摺り42とを有している。作業台40には、走行体10の走行操作やブーム30の作動操作等を行うための操作装置70が設けられている。
操作装置70は、図3に示すように、走行体10の発進停止および前進後退の切り替え等を行う走行操作レバー71と、走行体10の舵取り操作(前輪12および後輪13の操舵)を行う操舵ダイヤル72と、前輪12および後輪13の操舵モード(この操舵モードについては後段にて説明する)を切り替える操舵モード切替スイッチ73と、旋回体20の旋回操作を行う旋回操作レバー74と、ブーム30の起伏および伸縮操作を行うブーム操作レバー75と、作業台40の首振り操作(旋回操作)を行う首振り操作レバー76とを有している。操作装置70の各操作レバーは、非操作状態において垂直姿勢となる中立位置に位置し、この中立位置を基準に各方向へ傾倒操作可能に構成されている。高所作業車1では、作業者が作業台40に搭乗し、走行操作レバー71および操舵ダイヤル72等を操作することにより所望の作業位置に走行移動させるとともに、旋回操作レバー74およびブーム操作レバー75等を操作することにより作業台40を所望の高所位置に昇降移動させることができるように構成されている。
左右の前輪12および後輪13と操舵ダイヤル72とは、ステアリング装置90を介して連動連結されている。ステアリング装置90は、図2および図3に示すように、左右の前輪12に繋がる前輪転舵機構91と、前輪転舵機構91を駆動して左右の前輪12の舵角(走行体10の前後中心軸に対する前輪12の偏向角)を変化させる前輪操舵シリンダ92と、左右の後輪13に繋がる後輪転舵機構93と、後輪転舵機構93を駆動して左右の後輪13の舵角(走行体10の前後中心軸に対する後輪13の偏向角)を変化させる後輪操舵シリンダ94と、左右の前輪12の舵角を検出する前輪舵角検出器96と、左右の後輪13の舵角を検出する後輪舵角検出器97とを有している。
前輪転舵機構91は、左右の前輪12を前輪キングピン軸95の周りに揺動可能に支持する左右一対の前輪ナックルアーム91aと、左右の前輪ナックルアーム91aを連結ピンP1により連結する前輪タイロッド91bとを有している。前輪操舵シリンダ92は、一端が連結ピンP2により右側の前輪ナックルアーム91aに連結され、他端が連結ピンにより走行体フレーム11のシリンダ連結部(図示せず)に連結されている。ステアリング装置90では、前輪操舵シリンダ92を伸縮作動させることにより、右側の前輪12を前輪キングピン軸95の周りに揺動させ、前輪タイロッド91bを介して左側の前輪12を右側の前輪12と同時かつ同方向に揺動させ、左右の前輪12の舵角を変化させることができるように構成されている。
後輪転舵機構93は、上記前輪転舵機構91と同様に構成されている。後輪転舵機構93は、図示を省略しているが、左右の後輪13を後輪キングピン軸の周りに揺動可能に支持する左右一対の後輪ナックルアームと、左右の後輪ナックルアームを連結ピンにより連結する後輪タイロッドとを有している。後輪操舵シリンダ94は、一端が連結ピンにより右側の後輪ナックルアームに連結され、他端が連結ピンにより走行体フレーム11のシリンダ連結部に連結されている。ステアリング装置90では、後輪操舵シリンダ94を伸縮作動させることにより、右側の後輪13を後輪キングピン軸の周りに揺動させ、後輪タイロッドを介して左側の後輪13を右側の後輪13と同時かつ同方向に揺動させ、左右の後輪13の舵角を変化させることができるように構成されている。
走行体10には、左右の前輪12の回転をそれぞれ制動する2つの前輪ブレーキシリンダ18と、左右の後輪13の回転をそれぞれ制動する2つの後輪ブレーキシリンダ19とが設けられている。前輪ブレーキシリンダ18は、作動油の供給を受けていないときに、
内蔵されたスプリングの力により前輪走行モータ16のモータ軸の回転を制動ロックし、これにより前輪12の回転を制動するネガティブブレーキである(図4も参照)。後輪ブレーキシリンダ19は、前輪ブレーキシリンダ18と同様に、作動油の供給を受けていないときに、内蔵されたスプリングの力により後輪走行モータ17のモータ軸の回転を制動ロックし、これにより後輪13の回転を制動するネガティブブレーキである。
旋回体20には、左右の前輪走行モータ16、左右の後輪走行モータ17、左右の前輪ブレーキシリンダ18、左右の後輪ブレーキシリンダ19前輪操舵シリンダ92、後輪操舵シリンダ94、旋回モータ26、ブーム起伏シリンダ35、ブーム伸縮シリンダ36および首振りシリンダ46等の駆動源として、これらの油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ユニット80が設けられている。油圧ユニット80は、エンジンEと、エンジンEによって駆動される油圧ポンプPと、作動油タンクTと、油圧ポンプPから各油圧アクチュエータに供給する作動油の供給方向および供給量を制御する制御バルブユニット85とを有している。制御バルブユニット85は、各油圧アクチュエータに対応して設けられた複数の制御バルブV1〜V10を有している。
旋回体20には、作業台40に設けられた操作装置70から操作信号が入力されるコントローラ50が設けられている。コントローラ50は、操作装置70からの操作信号を受けると、当該操作信号に応じた指令信号を油圧ユニット80の制御バルブユニット85に出力する。例えば、操作装置70の旋回操作レバー74から操作信号が入力されると、旋回操作レバー74の傾倒操作方向および操作量に応じた指令信号を制御バルブユニット85の旋回制御バルブV7に出力して、旋回制御バルブV7のスプール移動方向およびバルブ開度を制御し、旋回モータ26を駆動させて走行体10に対して旋回体20を旋回作動させる。
コントローラ50は、ブーム操作レバー75から操作信号が入力されると、ブーム操作レバー75の傾倒操作方向および操作量に応じた指令信号を制御バルブユニット85の起伏および伸縮制御バルブV8,V9に出力して、起伏および伸縮制御バルブV8,V9のスプール移動方向およびバルブ開度を制御し、ブーム起伏シリンダ35およびブーム伸縮シリンダ36を駆動させてブーム30を起伏および伸縮作動させる。また、コントローラ50は、首振り操作レバー76から操作信号が入力されると、首振り操作レバー74の傾倒操作方向および操作量に応じた指令信号を制御バルブユニット85の首振り制御バルブV10に出力して、首振り制御バルブV10のスプール移動方向およびバルブ開度を制御し、首振りモータ46を駆動させて垂直ポスト37に対して作業台40を首振り作動させる。
このように旋回体20、ブーム30および作業台40の作動制御を行うため、高所作業車1は、走行体10に対する旋回体20の旋回角度を検出する旋回角度検出器61と、旋回体20に対するブーム30の起伏角度を検出するブーム起伏角度検出器62と、ブーム30の伸張量を検出するブーム伸張量検出器63と、ブーム30(垂直ポスト37)に対する作業台40の首振り角度(旋回角度)を検出する首振り角度検出器64とを有し、これら各検出器からの検出信号がコントローラ50に入力されるようになっている。コントローラ50は、これら各検出器からの検出信号に基づいて走行体10に対する作業台40の移動位置を常に求めて記憶するようになっている。
次に、高所作業車1(走行体10)の走行制御について、図3および図4を用いて説明する。走行操作レバー71は、垂直方向に延びた中立位置から前方および後方にそれぞれ傾倒操作可能に構成され、中立位置からの傾倒操作方向および操作量に応じて走行体10の進行方向および目標速度を設定する操作信号をコントローラ50に出力する。走行操作レバー71の前方への傾倒操作は走行体10の前進走行信号に相当し、後方への傾倒操作
は走行体10の後進走行信号に相当し、中立位置への復帰操作は走行体10の停止信号に相当する。コントローラ50は、走行操作レバー71から操作信号が入力されると、その操作信号に応じた指令信号を走行制御バルブユニット85の前輪走行制御バルブV1、後輪走行制御バルブV2、前輪ブレーキ制御バルブV5および後輪ブレーキ制御バルブV6に出力して、前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17の回転作動、すなわち前輪12,12および後輪13,13の駆動を制御する。
コントローラ50は、走行操作レバー71が中立位置にある、もしくは傾倒操作された状態から中立位置に復帰操作されて停止信号が入力されると、前輪走行制御バルブV1および後輪走行制御バルブV2への指令信号の出力を停止して、前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17への作動油の供給を停止させる。さらに、停止信号が入力されているときには、後述するステアリング規制時を除き原則として、前輪ブレーキ制御バルブV5および後輪ブレーキ制御バルブV6への指令信号の出力を停止する。前輪および後輪ブレーキ制御バルブV5,V6はそれぞれ、3ポート2位置の電磁切換バルブであり、コントローラ50からの指令信号の出力が停止されてソレノイドが非励磁状態になると、油圧ポンプPから前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19への作動油の供給を遮断する。左右の前輪および後輪ブレーキシリンダ18,19はそれぞれ、上述したようにネガティブブレーキであり、作動油の供給が停止されると、前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17のモータ軸の回転を制動ロックし、これにより前輪12,12および後輪13,13の回転を制動させる。
走行操作レバー71が中立位置から前方もしくは後方に傾倒操作され、前進もしくは後進走行信号が入力されると、コントローラ50は、前輪ブレーキ制御バルブV5および後輪ブレーキ制御バルブV6に指令信号を出力する。前輪および後輪ブレーキ制御バルブV5,V6はそれぞれ、コントローラ50からの指令信号によってソレノイドが励磁されると、油圧ポンプPからの作動油を前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19に供給させる。左右の前輪および後輪ブレーキシリンダ18,19はそれぞれ、作動油の供給を受けると、前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17のモータ軸の回転、すなわち前輪12,12および後輪13,13の回転を許容する。そして、前進もしくは後進走行信号に応じた指令信号を前輪走行制御バルブV1および後輪走行制御バルブV2に出力して前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17に作動油を供給させ、前進もしくは後進走行信号に対応した回転方向および回転速度で前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17を回転駆動させて走行体10を前進もしくは後進走行させる。
操舵ダイヤル72は、所定の中立位置を基準に右回り(時計回り)および左回り(反時計回り)にそれぞれ捻り操作可能に構成され、中立位置からの捻り操作方向および操作量に応じて前輪12,12および後輪13,13の目標舵角を設定する操作信号をコントローラ50に出力する。操舵ダイヤル72の右回りの捻り操作は走行体10の進行方向を右方向に変化させる操舵信号に相当し、左回りの捻り操作は走行体10の進行方向を左方向に変化させる操舵信号に相当し、中立位置への復帰操作は走行体10の進行方向を直進方向に変化させる(前輪12,12および後輪13,13の舵角を零の状態にする)操舵信号に相当する。
コントローラ50は、走行操作レバー71が傾倒操作されて前進もしくは後進走行信号が入力され、前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を解除させた状態において、操舵ダイヤル72から操舵信号が入力されると、ステアリング装置90の作動を許容し、操舵信号に応じた指令信号を前輪操舵制御バルブV3および後輪操舵制御バルブV4に出力して、前輪および後輪舵角検出96,97により検出される舵角が操舵信号に対応した目標舵角となるように前輪操舵シリンダ9
2および後輪操舵シリンダ94を作動させて前輪12,12および後輪13,13を転舵作動させる。
一方、走行操作レバー71が傾倒操作されずに停止信号が入力され、前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動が保持された状態において、操舵ダイヤル72から操舵信号が入力されたときは、いわゆる「据え切り操作」に該当し、上段の背景技術および課題の項で述べたように一律にブレーキ作動を解除させることや、一律にステアリング装置90の作動を許容することは好ましくない。そこで、コントローラ50は、走行路面の傾斜状態に応じて、適切なブレーキ制御およびステアリング制御を行うステアリング規制部55を有している。
操舵モード切替スイッチ73は、操舵ダイヤル72からの操舵信号に対応した方向に前輪12,12を転舵作動させるとともに後輪13,13を逆方向に転舵作動させて走行体10の進行方向を変化させる小旋回モードM1と、操舵信号に対応した方向に前輪12,12のみを転舵作動させて(後輪13,13の転舵作動は規制されて)走行体10の進行方向を変化させる旋回モードM2と、操舵信号に対応した方向に前輪12,12および後輪13,13の両輪を転舵作動させて走行体10の進行方向を変化させる横行モードM3とを選択設定する操作信号をコントローラ50に出力する。
走行体10には、水平面に対する走行体フレーム11の傾斜角度を検出する傾斜角度検出器65が設けられている。傾斜角度検出器65は、検出した走行体10の傾斜角度を傾斜角度信号としてコントローラ50のステアリング規制部55に出力する。
ステアリング規制部55は、傾斜角度検出器65により検出された走行体10の傾斜角度θと、コントローラ50内の記憶部56に予め設定記憶された設定傾斜角度θs(例えば0±0.5度程度の傾斜角度)とを比較し、走行体10の傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満であるときに平坦地であると判断し、傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上であるときに傾斜地であると判断し、以下に示すようにブレーキ制御およびステアリング制御を行うようになっている。
まず、傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満であり平坦地であると判断される状態において、据え切り操作が行われたとき(走行操作レバー71が傾倒操作されずに左右の前輪および後輪ブレーキシリンダ18,19によるブレーキ作動が保持された状態において操舵ダイヤル72から操舵信号が入力されたとき)には、ステアリング規制部55は、前輪ブレーキ制御バルブV5および後輪ブレーキ制御バルブV6に指令信号を出力して、前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19に作動油を供給させ、左右の前輪および後輪ブレーキシリンダ18,19によるブレーキ作動を解除させる。そして、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた指令信号を前輪操舵制御バルブV3および後輪操舵制御バルブV4に出力して、操舵信号に対応した目標舵角となるように前輪操舵シリンダ92および後輪操舵シリンダ94を作動させて前輪12,12および後輪13,13を転舵作動させる。なおこのとき、操舵モード切替スイッチ73により前輪12,12のみを転舵作動させる旋回モードM2が選択設定されている場合には、前輪12,12のみを転舵作動させる。
傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上であり傾斜地であると判断される状態において、据え切り操作が行われたときには、ステアリング規制部55は、前輪ブレーキ制御バルブV5および後輪ブレーキ制御バルブV6に指令信号を出力せずに非励磁状態のまま維持させ、前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を保持させる。また、前輪操舵制御バルブV3および後輪操舵制御バルブV4には、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた(据え切り
操作に係る)指令信号を出力せずに前輪操舵シリンダ92および後輪操舵シリンダ94によるステアリング作動を規制して、前輪12,12および後輪13,13の舵角を維持させる。
このステアリング作動の規制状態において、走行操作レバー71が傾倒操作されて走行信号が入力されると、前輪ブレーキ制御バルブV5および後輪ブレーキ制御バルブV6に指令信号を出力して、前輪ブレーキシリンダ18,18および後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を解除させる。そして、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた指令信号を前輪操舵制御バルブV3および後輪操舵制御バルブV4に出力して、操舵信号に対応した目標舵角となるように前輪操舵シリンダ92および後輪操舵シリンダ94を作動させて前輪12,12および後輪13,13を転舵作動させる。さらに、走行操作レバー71の走行信号に応じた指令信号を前輪走行制御バルブV1および後輪走行制御バルブV2に出力して、走行信号に対応した回転方向および回転速度で前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17を回転駆動させて走行体10を走行させる。
このように、設定傾斜角度θs未満の平坦地においては、前輪12,12および後輪13,13の4輪に対するブレーキ作動を解除した上で4輪の転舵作動を許容するため、タイヤ車輪の反撥弾性を蓄積することによるステアリングの段付き作動やブレーキ解放時の操舵角の急変等を生じることがなく、タイヤ摩耗も抑えることができる。また、設定傾斜角度θs未満の平坦地であるため、4輪に対するブレーキ作動を解除しても、高所作業車1が傾斜下方に転がり走行する等の逸走の虞もない。また、設定傾斜角度θs以上の傾斜地では、前輪12,12および後輪13,13の4輪に作用する全ブレーキ力が保持されるため、高所作業車1が傾斜下方に転がり走行することを確実に防止することができる。
次に、本発明に係る安全装置の他の実施形態について説明する。以下の実施形態は、上記実施形態において説明した高所作業車1と同様の構成を有して構築されており、コントローラ50におけるステアリング規制部55のブレーキ制御およびステアリング制御の制御形態が異なるものである。
第2実施形態に係るステアリング規制部155は、傾斜角度検出器65により検出された走行体10の傾斜角度θと、記憶部56に予め設定記憶された設定傾斜角度θs(例えば0±0.5度程度の傾斜角度)とを比較し、走行体10の傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満である平坦地と、傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上である傾斜地とにおいて、以下に示すようにブレーキ制御およびステアリング制御を行うようになっている。
まず、傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満である平坦地では、上記ステアリング規制部55と同様のブレーキ制御およびステアリング制御を行う。一方、傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上であり傾斜地であると判断される状態において、据え切り操作が行われたときには、ステアリング規制部155は、まず、前輪ブレーキ制御バルブV5に指令信号を出力して、前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を解除させる。そして、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた指令信号を前輪操舵制御バルブV3に出力して、操舵信号に対応した目標舵角となるように前輪操舵シリンダ92を作動させて前輪12,12を転舵作動させる。そして、前輪ブレーキ制御バルブV5への指令信号の出力を停止して、前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を復活させる。
ステアリング規制部155は、前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を復活させた後に、後輪ブレーキ制御バルブV6に指令信号を出力して、後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を解除させる。そして、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた指令信号を後輪操舵制御バルブV4に出力して、操舵信号に対応した目標舵角と
なるように後輪操舵シリンダ94を作動させて前輪12,12および後輪13,13を転舵作動させる。そして、後輪ブレーキ制御バルブV6への指令信号の出力を停止して、後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を復活させる。
このように、第2実施形態によれば、設定傾斜角度θs以上の傾斜地において、据え切り操作が行われたときには、前輪12,12および後輪13,13のブレーキ制御とステアリング制御を順番に(交互に)行うため、前輪12,12もしくは後輪13,13の2輪に作用するブレーキ力が保持される。そのため、高所作業車1が傾斜下方に転がり走行することも防止することができるとともに、ステアリングの段付き作動やタイヤ摩耗も抑えることができる。なお、上記では、前輪12,12のブレーキ制御およびステアリング制御を行い、その後に後輪13,13のブレーキ制御およびステアリング制御を行う構成について説明したが、後輪13,13のブレーキ制御およびステアリング制御を行い、その後に前輪12,12のブレーキ制御およびステアリング制御を行う構成としてもよい。
第3実施形態に係るステアリング規制部255は、傾斜角度検出器65により検出された走行体10の傾斜角度θと、記憶部56に予め設定記憶された設定傾斜角度θs(例えば0±0.5度程度の傾斜角度)とを比較し、走行体10の傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満である平坦地と、傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上である傾斜地とにおいて、以下に示すようにブレーキ制御およびステアリング制御を行うようになっている。
まず、傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満である平坦地では、上記ステアリング規制部55と同様のブレーキ制御およびステアリング制御を行う。一方、傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上であり傾斜地であると判断される状態において、据え切り操作が行われたときには、ステアリング規制部255は、前輪12,12のみを転舵作動させる旋回モードM2に切り替え、前輪ブレーキ制御バルブV5に指令信号を出力して、前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を解除させる。そして、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた指令信号を前輪操舵制御バルブV3に出力して、操舵信号に対応した目標舵角となるように前輪操舵シリンダ92を作動させて前輪12,12を転舵作動させる。そして、前輪ブレーキ制御バルブV5への指令信号の出力を停止して、前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を復活させる。なお、後輪ブレーキ制御バルブV6には指令信号を出力せずに後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を保持させ、後輪操舵制御バルブV4にも指令信号を出力せずに後輪操舵シリンダ94によるステアリング作動を規制する。
このように、第3実施形態によれば、設定傾斜角度θs以上の傾斜地において、据え切り操作が行われたときには、前輪12,12のみを転舵作動させる旋回モードM2に切り替えられるため、転舵作動されない後輪13,13に作用するブレーキ力が保持される。そのため、高所作業車1が傾斜下方に転がり走行することも防止することができるとともに、ステアリングの段付き作動やタイヤ摩耗も抑えることができる。
第4実施形態に係るステアリング規制部355は、傾斜角度検出器65により検出された走行体10の傾斜角度θと、記憶部56に予め設定記憶された設定傾斜角度θs(例えば0±0.5度程度の傾斜角度)とを比較し、走行体10の傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満である平坦地と、傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上である傾斜地とにおいて、以下に示すようにブレーキ制御およびステアリング制御を行うようになっている。
走行体10には、左右の前輪12にそれぞれかかる荷重を検出する前輪荷重検出器66,66と、左右の後輪13にそれぞれかかる荷重を検出する後輪荷重検出器67,67が設けられている。前輪荷重検出器66,66および後輪荷重検出器67,67は、検出し
た各車輪にかかる荷重を荷重検出信号としてステアリング規制部355に出力する。
まず、傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs未満である平坦地では、上記ステアリング規制部355と同様のブレーキ制御およびステアリング制御を行う。一方、傾斜角度検出器65により検出された傾斜角度θが設定傾斜角度θs以上であり傾斜地であると判断される状態において、据え切り操作が行われたときには、ステアリング規制部255は、前輪荷重検出器66,66により検出された前輪12,12にかかる荷重Lf,Lfと、後輪荷重検出器67,67により検出された後輪13,13にかかる荷重Lr,Lrとを比較する。そして、検出された荷重が最も小さい車輪を含む側のみブレーキ制御およびステアリング制御を行う。
例えば、右前輪12(もしくは左前輪12)にかかる荷重が最も小さい場合には、前輪ブレーキ制御バルブV5に指令信号を出力して、前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を解除させる。そして、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた指令信号を前輪操舵制御バルブV3に出力して、操舵信号に対応した目標舵角となるように前輪操舵シリンダ92を作動させて前輪12,12を転舵作動させる。そして、前輪ブレーキ制御バルブV5への指令信号の出力を停止して、前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を復活させる。なお、後輪ブレーキ制御バルブV6には指令信号を出力せずに後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を保持させ、後輪操舵制御バルブV4にも指令信号を出力せずに後輪操舵シリンダ94によるステアリング作動を規制する。
一方、右後輪13(もしくは左後輪13)にかかる荷重が最も小さい場合には、後輪ブレーキ制御バルブV6に指令信号を出力して、後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を解除させる。そして、操舵ダイヤル72の操舵信号に応じた指令信号を後輪操舵制御バルブV4に出力して、操舵信号に対応した目標舵角となるように後輪操舵シリンダ94を作動させて後輪13,13を転舵作動させる。そして、後輪ブレーキ制御バルブV6への指令信号の出力を停止して、後輪ブレーキシリンダ19,19によるブレーキ作動を復活させる。なお、前輪ブレーキ制御バルブV5には指令信号を出力せずに前輪ブレーキシリンダ18,18によるブレーキ作動を保持させ、前輪操舵制御バルブV3にも指令信号を出力せずに前輪操舵シリンダ92によるステアリング作動を規制する。
このように、第4実施形態によれば、設定傾斜角度θs以上の傾斜地において、据え切り操作が行われたときには、荷重の小さい方の2輪のみブレーキ制御およびステアリング制御が行われるため、荷重の大きい方の2輪に作用するブレーキ力が保持される。そのため、高所作業車1が傾斜下方に転がり走行することも防止することができるとともに、ステアリングの段付き作動やタイヤ摩耗も抑えることができる。
これまで本発明に係る実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、旋回モードM2として前輪12,12のみを転舵作動させる構成について説明したが、旋回モードM2は後輪13,13のみを転舵作動させる構成としてもよい。また、上述の実施形態では、前輪走行モータ16,16および後輪走行モータ17,17を有する4輪駆動の構成であるが、前輪12,12および後輪13,13のいずれか一方を駆動する2輪駆動の構成であってもよい。また、上述の実施形態では、ステアリング操作手段として操舵ダイヤル72を備える構成について説明したが、傾動角度により出力が変わる操舵操作レバーを備える構成であってもよい。
1 高所作業車
10 走行体
11 走行体フレーム(車体)
12 前輪
13 後輪
16 前輪走行モータ(駆動手段)
17 後輪走行モータ(駆動手段)
18 前輪ブレーキシリンダ(ブレーキ手段)
19 後輪ブレーキシリンダ(ブレーキ手段)
50 コントローラ(走行制御手段)
55 ステアリング規制部
65 傾斜角度検出器(車体傾斜角度検出器)
66 前輪荷重検出器(車輪荷重検出手段)
67 後輪荷重検出器(車輪荷重検出手段)
71 走行操作レバー(走行操作手段)
72 操舵ダイヤル(ステアリング操作手段)
90 ステアリング装置(ステアリング作動手段)

Claims (5)

  1. 車体の前後左右にそれぞれ回転自在に設けられた前輪および後輪と、
    前記前輪および前記後輪をそれぞれ転舵作動させて車両の進行方向を変化させるステアリング作動手段と、
    前記前輪および前記後輪の少なくともいずれか一方を回転駆動して車両を走行させる駆動手段と、
    前記前輪および前記後輪の回転をそれぞれ制動させるブレーキ手段と、
    前記前輪および前記後輪の舵取り操作を行うステアリング操作手段と、
    前記駆動手段による走行を行わせるための走行操作を行う走行操作手段と、
    前記ステアリング操作手段の舵取り操作に基づいて前記ステアリング作動手段の作動を制御し、前記走行操作手段の走行操作に基づいて前記駆動手段および前記ブレーキ手段の作動を制御する走行制御手段とを備え、
    前記走行操作手段による走行操作が行われていないときには、前記走行制御手段により前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動が行われ、
    前記走行操作手段による走行操作が行われたときに、前記走行制御手段により前記ブレーキ手段による前記ブレーキ作動を解除させるとともに当該走行操作に基づいて前記駆動手段を作動させて車両を走行させる作業用車両の安全装置であって、
    前記車体の傾斜角度を検出する車体傾斜角度検出器を備え、
    前記走行制御手段は、前記車体傾斜角度検出器により検出された前記車体の傾斜角度が設定傾斜角未満の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動を解除させるとともに、前記ステアリング作動手段により当該舵取り操作に応じた前記前輪および前記後輪の転舵作動を行わせる制御を行うことを特徴とする作業用車両の安全装置。
  2. 前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動を保持し、前記ステアリング作動手段による前記前輪および前記後輪の転舵作動を行わせないように規制し、
    当該規制状態において、前記走行操作手段による走行操作が行われると、前記ブレーキ手段による前記前輪および前記後輪のブレーキ作動を解除させるとともに、前記ステアリング作動手段により当該舵取り操作に応じた前記前輪および前記後輪の転舵作動を行わせ、当該走行操作に応じて前記駆動手段を作動させて車両を走行させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業用車両の安全装置。
  3. 前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記前輪および前記後輪のいずれか一方の車輪の前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせ、その後に前記前輪および前記後輪の他方の車輪の前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業用車両の安全装置。
  4. 前記ステアリング作動手段は、前記前輪および前記後輪をそれぞれ転舵作動させる4輪転舵状態と、前記前輪および前記後輪のいずれか一方の車輪のみを転舵作動させる2輪転舵状態とに切り替え可能に構成され、
    前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段によ
    る舵取り操作が行われたときには、前記ステアリング作動手段を前記2輪転舵状態に切り替え、前記一方の車輪の前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業用車両の安全装置。
  5. 前記前輪および前記後輪にそれぞれかかる荷重を検出する車輪荷重検出手段を備え、
    前記走行制御手段は、前記車体の傾斜角度が前記設定傾斜角以上の車体姿勢において、前記走行操作手段による走行操作が行われていない状態で前記ステアリング操作手段による舵取り操作が行われたときには、前記前輪および前記後輪のうち前記車輪荷重検出手段により検出された荷重が小さい方の車輪のみの前記ブレーキ手段によるブレーキ作動を解除させるとともに前記ステアリング作動手段による転舵作動を行わせる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の作業用車両の安全装置。
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