JP2020006748A - 鉄道車両の壁パネル構造及び鉄道車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁パネルの設置時間を短縮できる鉄道車両の壁パネル構造及び鉄道車両を提供すること。【解決手段】出入口11の上部11aに対応する位置で、第1パネル20を第1上パネル部21と第1下パネル部22に分割すると共に、第2パネル30を第2上パネル部31と第2下パネル部32に分割して、下枠52を第1上パネル部21と第1下パネル部22との間から第2上パネル部31と第2下パネル部32との間に渡って架設し、当該下枠52に第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43とを取り付けることにより、内妻パネル12を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、出入口を備える内妻パネルと、前記出入口の上部に配置される鴨居とを備える鉄道車両の壁パネル構造及び鉄道車両に関する。
例えば図7に示すように、鉄道車両101は、内妻仕切110により、デッキ103と客室104が区画されている。図8に示すように、内妻仕切110の中央付近には、ドア105により開閉される出入口111が設けられている。内妻仕切110は、出入口111の左右に第1パネル120と第2パネル130が配置されている。第1パネル120と第2パネル130の上部には、鴨居部102が第1パネル120と第2パネル130の間を架け渡すように設けられている。鴨居部102の中央付近には、停車駅やニュースなどを表示する情報表示装置107が設けられている。情報表示装置107は、第3パネル140により覆われている。第3パネル140は、車幅方向に分割され、第1ダミーキセ部141と中央キセ部143と第2ダミーキセ部142を備える。中央キセ部143は、図示しない内妻仕切骨組に取り付けられている。第1ダミーキセ部141と第2ダミーキセ部142は、第1パネル120と第2パネル130に図示しない取付金を介してそれぞれ取り付けられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2001−171515号公報 特開2008−24130号公報
しかしながら、従来技術には、以下の問題があった。すなわち、鉄道車両101は、大型の構造物であるため、構体を組み立てる際に歪みが生じる。そのため、設計図面にて、図示しない取付金を第1パネル120と第2パネル130に取り付ける位置を決め、その位置に合わせて取付孔を形成すると、第1ダミーキセ部141と中央キセ部143と第2ダミーキセ部142を第1パネル120と図示しない内妻仕切骨組と第2パネル130にそれぞれ取り付けたときに、第1ダミーキセ部141と中央キセ部143と第2ダミーキセ部142の間に段差が生じ、見栄えが悪くなってしまっていた。
そのため、従来、作業者は、第1パネル120と第2パネル130と第3パネル140を現車に持ち込み、第1パネル120と第2パネル130を設置して、中央キセ部143を図示しない内妻仕切骨組に取り付けた後、中央キセ部143に対して第1ダミーキセ部141と第2ダミーキセ部142を位置合わせしていた。そして、作業者は、第1ダミーキセ部141と第2ダミーキセ部142の取付位置に合わせて、図示しない取付金の取付孔を第1パネル120と第2パネル130にドリルで形成していた。この孔加工時に発生する切り屑は、配線の接続不良等の原因になる。そのため、作業者は、第3パネル140の取付作業時に、切り屑をきれいに清掃しなければならなかった。よって、従来の鉄道車両の壁パネル構造は、壁パネルの設置時間が長くなってしまっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、壁パネルの設置時間を短縮できる鉄道車両の壁パネル構造及び鉄道車両を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、次のような構成を有している。
(1)開口部を設けられ、鉄道車両の骨組に取り付けられる壁パネルが、前記開口部の横幅方向の一方側に配置される第1パネルと、前記開口部の横幅方向の他方側に配置される第2パネルと、前記開口部の上部に配置される艤装品を覆うように、前記第1パネルと前記第2パネルとの間に架設される第3パネルとを備え、前記第3パネルが、前記第1パネルに重ねるように設けられた第1分割パネル部と、前記第2パネルに重ねるように設けられた第2分割パネル部と、前記第1分割パネルと前記第2分割パネルとの間に配置される第3分割パネル部に、分割されている鉄道車両の壁パネル構造において、前記第1パネルが、前記開口部の上部に対応する位置で、天井側に位置する第1上パネル部と、床側に位置する第1下パネル部とに分割されていること、前記第2パネルが、前記開口部の上部に対応する位置で、天井側に位置する第2上パネル部と、床側に位置する第2下パネル部とに分割されていること、前記第1上パネル部と前記第1下パネル部との間から、前記第2上パネル部と前記第2下パネル部との間に渡って架設され、前記開口部の上部に配置される横枠を有すること、前記第1分割パネル部と前記第2分割パネル部と前記第3分割パネル部が前記横枠に取り付けられていること、を特徴とする。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、第1パネルの第1上パネル部と第1下パネル部との間と、第2パネルの第2上パネル部と第2下パネル部との間に、横枠を架設し、当該横枠に第1分割パネル部と第2分割パネル部と第3分割パネル部とを取り付ける。このように、1つの横枠に対して第1分割パネル部と第2分割パネル部と第3分割パネル部を取り付けることが可能になったので、第1分割パネル部と第2分割パネル部を第3分割パネル部に対して位置を合わせて第1パネルと第2パネルに取付穴を加工しなくても、第1分割パネル部と第2分割パネル部と第3分割パネル部を段差を生じないように取り付けることができる。また、第3パネルの取付時に切り屑が生じないので、切り屑を清掃する手間や時間を省くことができる。よって、上記構成の鉄道車両の壁パネル構造によれば、壁パネルの設置時間を短縮できる。
尚、壁パネルは、例えば、鉄道車両の前後に配置される内妻仕切の骨組に固定される内妻パネルや、洗面所やトイレなどを仕切る仕切壁を構成する壁パネルである。
(2)(1)に記載する鉄道車両の壁パネル構造において、前記横枠は、前記第1分割パネル部と前記第2分割パネル部と前記第3分割パネル部に挿通されたボルトをそれぞれ締結されるフローティングナットを有することを特徴とする。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、ボルトをフローティングナットにそれぞれ締結するだけで、第1分割パネル部と第2分割パネル部と第3分割パネル部を横枠に簡単に結合できる。よって、上記鉄道車両の壁パネル取付構造によれば、取付穴を加工する手間や、穴加工時に発生した切り屑を清掃する時間を省いて、第3パネルの取付時間を短縮できる。
(3)(1)又は(2)に記載する鉄道車両の壁パネル構造において、前記第1下パネル部に設けられた第1パネル側結合部と、前記第2下パネル部に設けられた第2パネル側結合部と、前記横枠に設けられ、前記第1パネル側結合部と前記第2パネル側結合部に結合ボルトを用いて結合される枠側結合部と、を有すること、を特徴とする。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、第1パネル側結合部と第2パネル側結合部を枠側結合部に対して結合すれば、穴加工や切り屑の清掃などの手間をかけずに、第1上パネル部と第1下パネル部、及び、第2上パネル部と第2下パネル部を、それぞれ、横枠を介して接続できる。よって、上記鉄道車両の壁パネル構造によれば、分割した第1パネルと第2パネルを簡単に1枚のパネルのように構成でき、壁パネルの設置時間を短縮できる。
(4)(1)乃至(3)の何れか1つに記載する鉄道車両の壁パネル構造において、前記第1上パネル部と前記第1下パネル部との間の間隔と、前記第2上パネル部と前記第2下パネル部との間の間隔の少なくとも一方を調整可能な調整部材を有することを特徴とする。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、例えば、構体の歪み等が原因で、第1下パネル部と第2下パネル部を設計図面通りに配置することが困難な場合でも、第1上パネル部と第1下パネル部との間隔と第2上パネル部と第2下パネル部との間隔の少なくとも一方を、調整部材により調整することにより、横枠を水平に配置できる。よって、上記鉄道車両の壁パネル構造によれば、第1分割パネル部と第2分割パネル部と第3分割パネル部を見栄え良く水平に取り付けることができる。
(5)(1)乃至(4)の何れか1つに記載する鉄道車両の壁パネル構造において、前記壁パネルが、前記鉄道車両のデッキと客室とを仕切る内妻仕切の内妻パネルであること、前記艤装品が、内妻仕切骨組に取り付けられる情報表示装置であること、を特徴とする。
上記構成では、乗客が、情報表示装置の情報を見たときに、第1分割パネル部と第2分割パネル部と第3分割パネル部の継ぎ目に気付きにくい。
(6)(1)乃至(5)の何れか1つに記載する鉄道車両の壁パネル構造を適用していることを特徴とする鉄道車両である。
従って、本発明によれば、壁パネルの設置時間を短縮できる鉄道車両の壁パネル構造及び鉄道車両を実現することができる。
本発明の実施形態に係る鉄道車両の壁パネル構造を示す図である。 支持体付近の斜視図である。 第1ダミーキセ部と中央キセ部の取付構造を示す図である。 図3のA−A断面図である。 図3のB−B断面図である。 図5のC部拡大図である。 鉄道車両の内部の一例を示す平面図である。 内妻仕切の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る鉄道車両の壁パネル構造及び鉄道車両の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る鉄道車両の壁パネル構造を示す図である。図2は、支持体50付近の斜視図である。図3は、第1ダミーキセ部41と中央キセ部43の取付構造を示す図である。図4は、図3のA−A断面図である。図5は、図3のB−B断面図である。図6は、図5のC部拡大図である。
図1に示すように、鉄道車両1は、従来技術と同様、内妻仕切10によりデッキ103と客室104が区画されている。尚、図1では、内妻パネル12の構造を見やすくするために、第1パネル20と第2パネル30を実線で記載し、第1及び第2パネル20,30の表面側に配置される第3パネル40を二点鎖線で記載している。さらに、第1及び第2パネル20,30の裏面側に配置される内妻仕切骨組2D(以下「骨組2D」と略記する)と内柱2Aを、点線で記載している。
図1に示すように、内妻仕切10は、構体2の一部である骨組2Dと内柱2Aに、客室空間を形成する内妻パネル12と、デッキ空間を形成するデッキ側パネル13(図2参照)が取り付けられている。骨組2Dと内柱2Aは、「骨組」の一例である。内妻パネル12は、壁パネルの一例である。内妻パネル12は、ドア105により開閉される出入口11を備え、コの字形(門形)に設けられている。
図1及び図2に示すように、内妻パネル12は、出入口11の図中左側に第1パネル20が設定されている。また、内妻パネル12は、出入口11の図中右側に第2パネル30が設置されている。そして、内妻パネル12は、第1パネル20と第2パネル30の上部に架け渡すように、第3パネル40が設置されている。
図示しない情報表示装置は、出入口11の上部の位置において、内妻仕切骨組2Dに取り付けられている。図示しない情報表示装置は、内妻仕切骨組2Dと第3パネル40との間に配置される。図示しない情報表示装置の液晶表示部は、第3パネル40の窓430に配置され、乗客が表示内容を確認できるようになっている。
図1及び図2に示すように、第1パネル20は、出入口11の上部11a(ドア105の上端部)に対応する位置にて、天井側に位置する第1上パネル部21と、床側に位置する第1下パネル部22とに分割されている。第1上パネル部21の横幅は、骨組2Dや構体2の天井部に取り付けられる装置(戸締機等)の邪魔にならないように、第1下パネル部22の横幅より小さくされている。
また、第2パネル30は、出入口11の上部11a(ドア105の上端部)に対応する位置にて、天井側に位置する第2上パネル部31と、床側に位置する第2下パネル部32とに分割されている。第2上パネル部31の横幅は、骨組2Dや構体2の天井部に取り付けられる装置(戸締機等)の邪魔にならないように、第2下パネル部32の横幅より小さくされている。
図1に示すように、第3パネル40は、出入口11の横幅方向(鉄道車両1の車幅方向、図中左右方向)に3分割され、第1ダミーキセ部41と中央キセ部43と第2ダミーキセ部42により構成されている。中央キセ部43は、上述した窓430が形成されている。第1ダミーキセ部41は第1分割パネル部の一例である。第2ダミーキセ部42は第2分割パネル部の一例である。中央キセ部43は第3分割パネル部の一例である。
図2に示すように、内妻パネル12は、第1上パネル部21と第2上パネル部31とを上枠51と下枠52とで結合し、これらに第3パネル40を取り付けることにより、出入口11の上部に配置される鴨居を構成している。下枠52は、第1上パネル部21と第1下パネル部22との間から第2上パネル部31と第2下パネル部32との間に渡って、水平に配置され、出入口11の上部11a(ドア105の上端部)に対応する位置に配設されている。下枠52と第1上パネル部21と第2上パネル部31と上枠51は、一体的に結合され、支持体50を構成する。
図1及び図3に示すように、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43は、下枠52に対して取り付けられている。また、第1下パネル部22と第2下パネル部32は、図3及び図4に示すように、第1上パネル部21と第2上パネル部31の下側の位置でそれぞれ下枠52に取り付けられている。
尚、本形態では、第1上パネル部21と第2上パネル部31と上枠51と下枠52は、金属で形成され、第1下パネル部22と第2下パネル部32と第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43は、金属及び樹脂で形成されている。
次に、支持体50について詳細に説明する。
図2に示すように、下枠52は、鉄道車両1の車幅に近い長さ、つまり、第1下パネル部22の横幅と第2下パネル部32の横幅と出入口11の横幅を合わせたぐらいの長さを有する。上枠51は、下枠52より短い長さ、つまり、第1上パネル部21の横幅と第2上パネル部31の横幅と出入口11の横幅を合わせた長さを有する。第1上パネル部21は、図中左端を上枠51の図中左端部に位置合わせした状態で、スポット溶接やビスなどにより上枠51に固定されている。第2上パネル部31は、図中右端を上枠51の図中右端部に位置合わせした状態で、スポット溶接やビスなどにより上枠51に固定されている。
図4に示すように、下枠52は、一対の側壁52a,52bと底壁52cを備える断面コの字形をなす。第1上パネル部21は、下端部分に沿って下側嵌合部211が突設されている。第1上パネル部21は、下側嵌合部211を下枠52に嵌め込んだ状態で、下側嵌合部211を下枠52に対して溶接や接着剤やビスなどにより固定されている。第2上パネル部31も、これと同様に下枠52に固定されている。よって、第1上パネル部21と第2上パネル部31は、下枠52により下端位置を揃えられている。
尚、図5に示すように、上枠51も断面コの字形をなす。上枠51は、第1上パネル部21の上側嵌合部212を嵌合された状態で、第1上パネル部21にスポット溶接やビスなどにより固定されている。第2上パネル部31も、これと同様に上枠51に固定されている。よって、第1上パネル部21と第2上パネル部31は、上枠51により上端位置を揃えられている。
次に、第1下パネル部22と第2下パネル部32を下枠52に取り付ける構造について説明する。
図2、図3、図4に示すように、第1下パネル部22は、第1下パネル部22に設けられた取付片271,272,273と、下枠52に設けられた取付片521,522,523とをそれぞれ結合することにより、下枠52に固定されている。第2下パネル部32は、第2下パネル部32に設けられた取付片371,373,374,375と、下枠52に設けられた取付片524,526,527,528とをそれぞれ結合することにより、下枠52に固定されている。取付片271,272,273は、第1パネル側結合部の一例である。取付片371,373,374,375は、第2パネル側結合部の一例である。取付片521,522,523,524,526,527,528は、枠側結合部の一例である。これらの各取付構造は、同じなので、以下では、取付片523,273の結合を例に挙げて説明する。
図4に示すように、下枠52は、板状の取付片523が、底壁52cの図中下面と同一面になるように設けられている。取付片523は、客室104側(図中左側)に突出しており、第1上パネル部21に対して垂直に設けられている。
第1下パネル部22は、一対の側壁27a,27bと底壁27cからなる断面コの字形の第1パネル横枠27に、上端嵌合部221が嵌合されている。第1パネル横枠27は、金属など、剛性のある材料で形成されている。第1パネル横枠27は、接着剤等により上端嵌合部221に一体的に取り付けられている。取付片273は、客室104側(図中左側)に突出しており、第1下パネル部22に対して垂直に設けられている。取付片273は、底壁27cの図中上面と同一面になるように設けられている。
取付片273と取付片523は、結合ボルト28を挿通され、当該結合ボルト28を結合ナット29に締め込むことにより、連結されている。
ここで、鉄道車両1は大型の構造体であり、構体2の組立時に歪みが生じる。そのため、下枠52と第1パネル横枠27との間隔と、下枠52と第2パネル横枠37(図2参照)の間隔を一定にすることは難しい。そこで、第1上パネル部21と第1下パネル部22との間、及び、第2上パネル部31と第2下パネル部32との間には、それぞれ、間隔を調整するための調整部材60が着脱自在に配置されている。
調整部材60は、下枠52の底壁52cと第1パネル横枠27の底壁27c(第2パネル横枠37(図2参照)の図示しない底壁)との間に配置されるライナー61と、下枠52の取付片521,522,523(524,526,527,528)と第1下パネル部22側の取付片271,272,273(第2下パネル部32側の取付片371,373,374,375)の間に配置されるライナー62により構成される。ライナー61,62は、それぞれ、1又は2以上のプレートにより構成され、任意に厚さを調整できるようになっている。ライナー61を第1パネル20と第2パネル30の幅方向に分散して配置することで、構体2の歪みに伴う第1下パネル部22又は第2下パネル部32の車幅方向の傾きを適宜調整できる。また、ライナー61とライナー62に分割したことで、第1下パネル部22と第2下パネル部32の車長方向(前後方向)の傾きを適宜調整できる。
次に、第3パネル40の取付構造を説明する。
図2に示すように、第3パネル40の第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43を取り付けるパネル取付具24,24,23,33,34,34は、第1上パネル部21と第2上パネル部31に集約して設けられ、支持体50に取り付けられている。
すなわち、一対のパネル取付具24,24は、第1ダミーキセ部41の上部両端付近を支持するように、第1上パネル部21に固定されている。パネル取付具24は、それぞれ、客室104側に突出するように、第1上パネル部21に対して垂直に固定されている。パネル取付具24は、それぞれ、第1ダミーキセ部41側(図中右側)に位置する先端部に、板バネ25が取り付けられている。
図5に示すように、板バネ25は、金属プレートを断面略U字形状になるように、成形したものである。板バネ25は、開口部分を客室104と反対側(第1上パネル部21側)へ向けた姿勢で、一方の開口端部がパネル取付具24に固定されている。第1ダミーキセ部41は、客室104に面する正面部413の裏側(第1上パネル部21と対向する面側)に係止部材414が固定されている。係止部材414は、板バネ25の他方の開口端部を挿入するための挿入穴414aが形成されている。第1ダミーキセ部41は、係止部材414がパネル取付具24と板バネ25との間で挟まれて保持されることにより、支持体50(第1上パネル部21)に保持されている。
図6に示すように、下枠52の取付片521には、フローティングナット530が天井側(図中上側)から取り付けられている。第1ダミーキセ部41は、床側に位置する下面部411の内壁にボス412が突設されている。第1ダミーキセ部41は、ボス412に挿通したボルト531を、フローティングナット530に締め込むことにより、下枠52に連結されている。図3に示すように、第1ダミーキセ部41は、これと同様にして、取付片522に結合されている。尚、第2ダミーキセ部42の取付構造は、上記第1ダミーキセ部41の取付構造と同様なので、説明を省略する。
図2に示すように、パネル取付具23は、パネル取付具24と空隙55との間にて、第1上パネル部21に固定されている。また、パネル取付具33は、パネル取付具34と空隙55との間にて、第2上パネル部31に固定されている。図3に示すように、中央キセ部43は、両端上部をパネル取付具23,33に支持されている。
図2に示すように、下枠52の取付片522,525には、それぞれフローティングナット530が設けられている。また、下枠52は、空隙55の幅方向中央付近に、取付片541が取付片522等と同様に設けられている。図3に示すように、中央キセ部43は、床側に位置する下面部431にボス432が設けられている。ボス432は、取付片522,541,525のフローティングナット530に対応する位置に設けられている。中央キセ部43は、各ボス432に挿通したボルト531を、取付片522,525,541の各フローティングナット530にそれぞれ締結することにより、下枠52に連結されている。
続いて、内妻パネル12の設置手順を説明する。
車外にて、上枠51と下枠52に第1上パネル部21と第2上パネル部31を溶接やビス等で固定し、支持体50を組み立てる。また、車外にて、第1上パネル部21と第2上パネル部31に、パネル取付具24,24,23,33,34,34などを固定する。これらの作業は、記載の順番に行っても良いし、順番が前後しても良い。その後、支持体50と第1下パネル部22と第2下パネル部32などを車内に持ち込む。
それから、第1下パネル部22と第2下パネル部32を床パネル(図示しない)の位置に合わせて配置し、内柱2Aにそれぞれ取り付ける。
それから、第1下パネル部22と第2下パネル部32に支持体50を取り付ける。
具体的には、内妻仕切骨組2Dに取り付けられた図示しない情報表示装置を支持体50の空隙55に配置するように、第1下パネル部22と第2下パネル部32の上方に支持体50を配置する。このとき、下枠52が水平になるように、第1上パネル部21と第1下パネル部22との間隔、及び、第2上パネル部31と第2下パネル部32との間隔を、調整部材60を用いて調整する。
そして、第1下パネル部22側の取付片271,272,273から下枠52の取付片521,522,523へそれぞれ結合ボルト28を挿通し、結合ナット29に結合ボルト28を締め込むことにより、第1下パネル部22を下枠52に固定する。また、第2下パネル部32側の取付片371,373,374,375から下枠52の取付片524,526,527,528へそれぞれ結合ボルト38を挿通し、図示しない結合ナットに結合ボルト38を締め込むことにより、第2下パネル部32を下枠52に固定する。これにより、支持体50が、第1下パネル部22と第2下パネル部32を介して内柱2Aに取り付けられる。
その後、第3パネル40を下枠52に取り付ける。具体的には、中央キセ部43を図示しない情報表示装置に被せ、パネル取付具23,33に引っ掛ける。そして、中央キセ部43のボス432に挿通したボルト531を、下枠52の取付片522,541,525に設けられたフローティングナット530に、それぞれ締め込む。
それから、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42を取り付ける。
具体的には、パネル取付具24の板バネ25を弾性変形させながら、第1ダミーキセ部41に設けられた係止部材414の挿入穴414aに挿入させる。これにより、第1ダミーキセ部41が第1上パネル部21に仮取り付けされる。そして、第1ダミーキセ部41のボス412に挿通したボルト531を取付片521のフローティングナット530に締め込む。これと同様にして、取付片522のフローティングナット530にボルト531を締め込む。これにより、第1ダミーキセ部41が下枠52と第1上パネル部21に取り付けられる。
このとき、第1ダミーキセ部41は、取付片521,522の上方にて、係止部材414が板バネ25の弾性力によりパネル取付具24に保持されているだけである。そのため、第1ダミーキセ部41は、下枠52の取付片521,522に取り付けられる位置に応じて、係止部材414の係止位置を変更できる。つまり、第1ダミーキセ部41は、下枠52の位置に応じて、取付位置を調整される。
第2ダミーキセ部42は、第1ダミーキセ部41と同様にして下枠52に対して取り付けられる。これにより、内妻パネル12の設置が完了する。
以上説明したように、本形態の鉄道車両の壁パネル構造は、出入口11を設けられ、鉄道車両1の骨組(内柱2A、内妻仕切骨組2D)に取り付けられる内妻パネル12が、出入口11の横幅方向の一方側に配置される第1パネル20と、出入口11の横幅方向の他方側に配置される第2パネル30と、出入口11の上部に配置される図示しない情報表示装置を覆うように、第1パネル20と第2パネル30との間に架設される第3パネル40とを備え、第3パネル40が、第1パネル20に重ねるように設けられた第1ダミーキセ部41と、第2パネル30に重ねるように設けられた第2ダミーキセ部42と、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42との間に配置される中央キセ部43に、分割されている鉄道車両の壁パネル構造において、第1パネル20が、出入口11の上部11aに対応する位置で、天井側に位置する第1上パネル部21と、床側に位置する第1下パネル部22とに分割されていること、第2パネル30が、出入口11の上部11aに対応する位置で、天井側に位置する第2上パネル部31と、床側に位置する第2下パネル部32とに分割されていること、第1上パネル部21と第1下パネル部22との間から、第2上パネル部31と第2下パネル部32との間に渡って架設され、出入口11の上部11aに配置される下枠52を有すること、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43が下枠52に取り付けられていること、を特徴とする。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、第1パネル20の第1上パネル部21と第1下パネル部22との間と、第2パネル30の第2上パネル部31と第2下パネル部32との間に、下枠52を架設し、当該下枠52に第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43とを取り付ける。このように、1つの下枠52に対して第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43を取り付けることが可能になったので、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42を中央キセ部43に対して位置を合わせて第1パネル20と第2パネル30に取付穴を加工しなくても、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43を段差を生じないように取り付けることができる。また、第3パネル40の取付時に切り屑が生じないので、切り屑を清掃する手間や時間を省くことができる。よって、本形態の鉄道車両の壁パネル構造によれば、内妻パネル12の設置時間を短縮できる。
また、乗客が、図示しない情報表示装置の情報を見たときに、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43の継ぎ目に気付きにくい。
また、本形態の鉄道車両の壁パネル構造において、下枠52は、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43に挿通されたボルト531をそれぞれ締結されるフローティングナット530を有する。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、ボルト531をフローティングナット530にそれぞれ締結するだけで、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43を下枠52に簡単に結合できる。よって、本形態の鉄道車両の壁パネル取付構造によれば、取付穴を加工する手間や、穴加工時に発生した切り屑を清掃する時間を省いて、第3パネル40の取付時間を短縮できる。
また、本形態の鉄道車両の壁パネル構造において、第1下パネル部22に設けられた取付片271,272,273と、第2下パネル部32に設けられた取付片371,373,374,375と、下枠52に設けられ、取付片271,272,273,371,373,374,375に結合ボルト28,38を用いて結合される取付片521,522,523,524,526,527,528と、を有すること、を特徴とする。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、第1下パネル部22と第2下パネル部32を下枠52に対して結合ボルト28,38でそれぞれ結合できるので、穴加工や切り屑の清掃などの手間をかけずに、第1上パネル部21と第1下パネル部22、及び、第2上パネル部31と第2下パネル部32を、それぞれ、下枠52を介して接続できる。よって、上記鉄道車両の壁パネル構造によれば、分割した第1パネル20と第2パネル30を簡単に1枚のパネルのように構成でき、内妻パネル12の設置時間を短縮できる。
また、本形態の鉄道車両の壁パネル構造において、第1上パネル部21と第1下パネル部22との間の間隔と、第2上パネル部31と第2下パネル部32との間の間隔の少なくとも一方を調整可能な調整部材60を有することを特徴とする。
このような構成を備える鉄道車両の壁パネル構造は、例えば、構体2の歪み等が原因で、第1下パネル部22と第2下パネル部32を設計図面通りに配置することが困難な場合でも、第1上パネル部21と第1下パネル部22との間隔と第2上パネル部31と第2下パネル部32との間隔の少なくとも一方を、調整部材60により調整することにより、下枠52を水平に配置できる。よって、上記鉄道車両の壁パネル構造によれば、第1ダミーキセ部41と第2ダミーキセ部42と中央キセ部43を見栄え良く水平に取り付けることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記形態では、内妻パネル12を壁パネルの一例とした。これに対して、トイレや洗面所等の個室を仕切る仕切壁を構成する壁パネルに、上記形態の壁パネル構造を適用しても良い。
例えば、上記形態では、フローティングナット530を用いて第1下パネル部22と第2下パネル部32を下枠52に固定した。これに対して、フローティングナット530を用いずに、ボルトとナットを用いて第1下パネル部22と第2下パネル部32を下枠52に固定しても良い。
例えば、上記形態では、第1下パネル部22の取付片と第2下パネル部32の取付片を下枠52の取付片に結合ボルト28,38で固定した。これに対して、フローティングナットなどによりこれらを固定しても良い。
例えば、調整部材60は省いても良い。尚、調整部材60を備えれば、構体2の歪みなどに応じて、第1下パネル部22や第2下パネル部32の配置を調整しやすい。
例えば、上記形態では、複数の取付片271〜273により第1パネル側結合部を構成し、複数の取付片371〜375により第2パネル側結合部を構成し、複数の取付片521〜528により枠側結合部を構成した。これに対して、第1パネル側結合部と第2パネル側結合部と枠側結合部は、それぞれ、1つの取付片により構成しても良い。この場合、1つの取付片は、第1下パネル部22と第2下パネル部32と下枠52に長く設けられ、結合ボルト28,38を挿通する穴や、フローティングナット530を設けられると良い。
第1上パネル部21と第2上パネル部31は、樹脂で形成しても良い。また、上枠51と下枠52も、金属でなく、樹脂で形成しても良い。
1 鉄道車両
2A 内柱
2D 内妻仕切骨組
10 内妻仕切
11 出入口
11a 上部
12 内妻パネル
20 第1パネル
21 第1上パネル部
22 第1下パネル部
28 結合ボルト
30 第2パネル
31 第2上パネル部
32 第2下パネル部
38 結合ボルト
40 第3パネル
41 第1ダミーキセ部
42 第2ダミーキセ部
43 中央キセ部
52 下枠
60 調整部材
530 フローティングナット
531 ボルト
103 デッキ
104 客室
271,272,273 取付片
371,373,374,375 取付片
521,522,523,524,526,527,528 取付片

Claims (6)

  1. 開口部を設けられ、鉄道車両の骨組に取り付けられる壁パネルが、前記開口部の横幅方向の一方側に配置される第1パネルと、前記開口部の横幅方向の他方側に配置される第2パネルと、前記開口部の上部に配置される艤装品を覆うように、前記第1パネルと前記第2パネルとの間に架設される第3パネルとを備え、前記第3パネルが、前記第1パネルに重ねるように設けられた第1分割パネル部と、前記第2パネルに重ねるように設けられた第2分割パネル部と、前記第1分割パネルと前記第2分割パネルとの間に配置される第3分割パネル部に、分割されている鉄道車両の壁パネル構造において、
    前記第1パネルが、前記開口部の上部に対応する位置で、天井側に位置する第1上パネル部と、床側に位置する第1下パネル部とに分割されていること、
    前記第2パネルが、前記開口部の上部に対応する位置で、天井側に位置する第2上パネル部と、床側に位置する第2下パネル部とに分割されていること、
    前記第1上パネル部と前記第1下パネル部との間から、前記第2上パネル部と前記第2下パネル部との間に渡って架設され、前記開口部の上部に配置される横枠を有すること、
    前記第1分割パネル部と前記第2分割パネル部と前記第3分割パネル部が前記横枠に取り付けられていること、
    を特徴とする鉄道車両の壁パネル構造。
  2. 請求項1に記載する鉄道車両の壁パネル構造において、
    前記横枠は、前記第1分割パネル部と前記第2分割パネル部と前記第3分割パネル部に挿通されたボルトをそれぞれ締結されるフローティングナットを有すること
    を特徴とする鉄道車両の壁パネル構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する鉄道車両の壁パネル構造において、
    前記第1下パネル部に設けられた第1パネル側結合部と、
    前記第2下パネル部に設けられた第2パネル側結合部と、
    前記横枠に設けられ、前記第1パネル側結合部と前記第2パネル側結合部に結合ボルトを用いて結合される枠側結合部と、を有すること、
    を特徴とする鉄道車両の壁パネル構造。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載する鉄道車両の壁パネル構造において、
    前記第1上パネル部と前記第1下パネル部との間の間隔と、前記第2上パネル部と前記第2下パネル部との間の間隔の少なくとも一方を調整可能な調整部材を有すること
    を特徴とする鉄道車両の壁パネル構造。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載する鉄道車両の壁パネル構造において、
    前記壁パネルが、前記鉄道車両のデッキと客室とを仕切る内妻仕切の内妻パネルであること、
    前記艤装品が、内妻仕切骨組に取り付けられる情報表示装置であること、
    を特徴とする鉄道車両の壁パネル構造。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載する鉄道車両の壁パネル構造を適用していることを特徴とする鉄道車両。
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