JP2020004533A - 導電膜の製造方法および導電膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化的雰囲気下で導電膜を形成することができ、かつ、形成された導電膜が優れた導電性を有する、導電膜の製造方法、および、導電膜を提供する。【解決手段】銅粒子を含む絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させる接触工程、および接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、180℃以上の温度で加熱することを含む加熱工程を備える導電膜の製造方法、および、導電膜。【選択図】なし

Description

本発明は、導電膜の製造方法および導電膜に関する。
配線基板は、プリント配線基板等とも称され、電子機器の分野において、電子部品を固定して配線するための主要な部品となっている。この配線基板は、パターニングされた金属膜が基板上に形成され、配線、電極および端子等を構成している。電子機器の分野において、プリント配線基板と同様に、パターニングされた金属膜を基板上に形成して有し、それらを配線等として用いるものとしては、タッチパネル、液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)素子等がある。
例えば、特許文献1には、アゾール化合物で被覆された平均粒径1〜100nmの銅微粒子と、平均粒径0.3〜20μmの銅粗粒子と、樹脂と、塩素化合物と、グリコール系溶剤とを含むことを特徴とする導電性ペーストを基板に塗布して予備焼成した後、光を照射して焼成することにより基板上に導電膜を形成することを特徴とする、導電膜の製造方法が記載されている(請求項9)。
特開2016−131078号公報
近年では、酸化的雰囲気下で導電膜を形成することができ、かつ、形成された導電膜が優れた導電性を有する、導電膜の製造方法が求められている。
そこで、本発明は、酸化的雰囲気下で導電膜を形成することができ、かつ、形成された導電膜が優れた導電性を有する、導電膜の製造方法、および、導電膜を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、銅粒子を含む絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させる接触工程、および接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、150℃超の温度で加熱することを含む加熱工程を備える導電膜の製造方法によれば、酸化的雰囲気下で導電膜を形成することができ、かつ、形成された導電膜が優れた導電性を有する、導電膜の製造方法、および、導電膜を提供できることを知得し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[20]である。
[1] 銅粒子を含む絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させる接触工程、および
上記接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、180℃以上の温度で加熱することを含む加熱工程
を備える導電膜の製造方法。
[2] 上記加熱工程が、上記接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、250℃以上の温度で加熱することを含む工程である、上記[1]に記載の製造方法。
[3] 上記加熱工程が、上記接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、300℃以上の温度で加熱することを含む工程である、上記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 上記温度が500℃以下である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の製造方法。
[5] 上記温度が350℃以下である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の製造方法。
[6] 上記加熱工程において、上記温度での加熱時間が5秒間〜10分間である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の製造方法。
[7] 上記加熱工程が、上記接触工程において得られた塗膜を、150℃以下の温度で加熱する第一加熱と、上記第一加熱をした塗膜を、酸化的雰囲気下、180℃以上の温度で加熱する第二加熱とを含む、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の製造方法。
[8] 上記第二加熱の温度が250℃以上である、上記[7]に記載の製造方法。
[9] 上記第二加熱の温度が300℃以上である、上記[7]または[8]に記載の製造方法。
[10] 上記第二加熱の温度が500℃以下である、上記[7]〜[9]のいずれか1つに記載の製造方法。
[11] 上記第二加熱の温度が350℃以下である、上記[7]〜[10]のいずれか1つに記載の製造方法。
[12] 上記第一加熱の温度が100℃〜150℃である、上記[7]〜[11]のいずれか1つに記載の製造方法。
[13] 上記第一加熱において、上記温度での加熱時間が5秒間〜10分間である、上記[7]〜[12]のいずれか1つに記載の製造方法。
[14] 上記第二加熱において、上記温度での加熱時間が5秒間〜10分間である、上記[7]〜[13]のいずれか1つに記載の製造方法。
[15] 上記酸化的雰囲気が大気である、上記[1]〜[14]のいずれか1つに記載の製造方法。
[16] 上記接触工程において、上記絶縁性塗膜と上記ハロゲン化合物とを接触させる際に、上記絶縁性塗膜と上記ハロゲン化合物を含む溶液とを接触させる、上記[1]〜[15]のいずれか1つに記載の製造方法。
[17] 上記ハロゲン化合物がハロゲン化水素である、上記[1]〜[16]のいずれか1つに記載の製造方法。
[18] 銅と酸化第一銅とを含む導電膜であって、
上記導電膜の厚さ方向の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法による元素分析により得られる銅の面積率が70%以上であり、かつ、
上記導電膜の表面のX線回折分析による定量分析をして得られる銅および酸化第一銅の含有量について、銅の含有量が酸化第一銅の含有量よりも多い、
導電膜。
[19] 上記銅の面積率が85%以上である、上記[18]に記載の導電膜。
[20] 上記導電膜がさらにハロゲン化第一銅を含み、
上記導電膜の表面のX線回折分析による定量分析をして得られる酸化第一銅およびハロゲン化第一銅の含有量について、酸化第一銅の含有量がハロゲン化第一銅の含有量よりも多い、上記[18]または[19]に記載の導電膜。
本発明によれば、酸化的雰囲気下で導電膜を形成することができ、かつ、形成された導電膜が優れた導電性を有する、導電膜の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、優れた導電性を有する導電膜を提供できる。
図1は、実施例1の導電膜の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法による元素分析結果を示す画像である。(SEM)走査型電子顕微鏡による画像、(Cu,O,Cl)銅、酸素、塩素の存在を示す画像である。
以下に、本発明の導電膜の製造方法および導電膜について詳細に説明する。
なお、本発明において、「〜」を用いて表される範囲は、その範囲に「〜」の前後に記載された両端を含む範囲を意味する。
[導電膜の製造方法]
本発明の導電膜の製造方法は、接触工程および加熱工程を備える。
〈接触工程〉
接触工程は、銅粒子を含む絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させる工程である。
接触工程において、銅とハロゲン化合物との反応により、一部の銅粒子の表面にハロゲン化第一銅が生成する。
《絶縁性塗膜》
絶縁性塗膜は、銅粒子を含む。さらに、絶縁性塗膜は、銅粒子に加えて、酸化防止剤および/または添加剤を含んでもよい。銅粒子、酸化防止剤および添加剤については後述する。
本発明において、「絶縁性」とは、電気的な絶縁性を意図し、JIS C 2525:1999「金属抵抗材料の導体抵抗及び体積抵抗値試験方法」に従って四端子法により体積抵抗値を測定したときの測定値が1.0×10Ω・cmを超えることをいう。
(銅粒子)
銅粒子は、特に限定されず、導電膜形成用途で用いられる従来公知の銅粒子を用いることができる。上記銅粒子は一次粒子であってもよいし、二次粒子であってもよい。また、上記銅粒子の形状は、特に限定されず、球状であってもよいし、板状であってもよい。
上記銅粒子の平均粒子径は、特に限定されず、一次粒子の場合には一次粒子の平均粒子径であり、二次粒子の場合には二次粒子の平均粒子径であるが、好ましくは25nm〜6000nmの範囲内であり、より好ましくは30nm〜1000nmの範囲内であり、さらに好ましくは50nm〜500nmの範囲内である。
なお、銅粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置によって測定した粒度分布の積算%の分布曲線が50%の軸と交差するポイントの粒子径であり、メジアン径、50%粒子径、またはD50と称されるものである。
上記銅粒子の上記絶縁性塗膜中の含有量は、特に限定されないが、上記絶縁性塗膜の全質量に対して、好ましくは80質量%〜100質量%であり、より好ましくは85質量%〜100質量%であり、さらに好ましくは90質量%〜100質量%であり、いっそう好ましくは95質量%〜100質量%であり、よりいっそう好ましくは98質量%〜100質量%である。
上記銅粒子の上記絶縁性塗膜中の含有量がこの範囲内であると、得られる導電膜中の導電体として機能する銅の含有量も多くなり、より優れた導電性を有する導電膜を得ることができる。
上記銅粒子の上記絶縁性塗膜中の含有量は、絶縁性塗膜中の銅の含有量として、蛍光X線分析装置(Axios,PANalytical社製)を用いて、以下の測定条件により測定することができる。
ライン:Kα線
結晶:LIF200
コリメーター:150μm
検出器:Duplex
管球フィルタ:なし
電圧:60kV
電流:60mA
測定時間:40秒
照射面積:20φ
(酸化防止剤)
((酸化防止剤の種類))
上記酸化防止剤の種類は、特に限定されないが、好ましくはレダクトンからなる群から選択される少なくとも1種である。
レダクトンとは、下記式(I)または下記式(II)で表される、エンジオール構造の隣にカルボニル基が結合した形態の構造(以下「レダクトン構造」という。)を有する有機化合物を意味する。レダクトンは還元性および高い酸性を有する有機酸である。
上記レダクトンの代表例は、下記式(Ia)で表されるグルシン酸、下記式(Ib)で表されるレダクチン酸、ならびに後述するアスコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体であるが、これらに限定されるものではない。
上記添加剤は、好ましくはアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体およびクエン酸からなる群から選択される少なくとも1種であり、より好ましくはアスコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であり、さらに好ましくはアスコルビン酸である。
上記アスコルビン酸は、(2R)-2-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3,4-ジヒドロキシ-2H-フラン-5-オン(下記式(A−1)で表される化合物;本化合物を「狭義のアスコルビン酸」または「L−アスコルビン酸」と称する場合がある。)、(2S)-2-[(1R)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3,4-ジヒドロキシ-2H-フラン-5-オン(下記式(A−2)で表される化合物;本化合物を「D−アスコルビン酸」と称する場合がある。)、(2S)-2-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3,4-ジヒドロキシ-2H-フラン-5-オン(下記式(A−3)で表される化合物;本化合物を「L−イソアスコルビン酸」と称する場合がある。)および(2R)-2-[(1R)-1,2-ジヒドロキシエチル]-2,3-ジヒドロキシ-2H-フラン-5-オン(下記式(A−4)で表される化合物;本化合物を「エリソルビン酸」または「D−イソアスコルビン酸」と称する場合がある。)からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物である。
上記アスコルビン酸誘導体は、好ましくは、下記一般式(B−1)で表される化合物(「アスコルビン酸誘導体(B−1)」という場合がある。)または下記一般式(B−2)で表される化合物(「アスコルビン酸誘導体(B−1)」という場合がある。)である。
銅酸化物に対する還元力は、アスコルビン酸誘導体中のエンジオール構造に起因する。したがって、その構造を残す形でアスコルビン酸の誘導体を合成し、溶解度および極性を適宜調整して用いることも可能である。
・一般式(B−1)で表されるアスコルビン酸誘導体
一般式(B−1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有してよいアシル基を表す。ただし、RおよびRは同時に水素原子を表さない。
上記一般式(B−1)中のRおよびRにおけるアシル基は、特に限定されないが、好ましくは、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状もしくは縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基または炭素数6から10の単環状もしくは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基である。
上記アシル基の具体例は、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基および2−ナフトイル基からなる群から選択されるいずれか1種類であるが、これらに限定されるものではない。
上記アシル基は、それぞれ、アシル基内の水素原子が置換基で置換されていてもよく、これにより、さらに溶解性および極性を調節することも可能である。
上記置換基の具体例は、ヒドロキシル基およびハロゲン原子からなる群から選択される1種類以上の置換基であるが、これらに限定されるものではない。
上記アスコルビン酸誘導体(B−1)の代表例は、下記式(B−1−X)で表されるものである。ただし、本発明におけるアスコルビン酸誘導体(B−1)は、これらの代表例に限定されるものではない。
ただし、上記式(B−1−X)中、Xは以下に示す化学構造からなる群から選択されるいずれか1つを表す。なお、各化学構造中の「*」は、Xがアスコルビン酸の五員環部位に結合する位置を示す。
・一般式(B−2)
一般式(B−2)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有してよいアルキル基を表す。
一般式(B−2)で表される化合物は、アスコルビン酸の側鎖に存在する2つの水酸基をアルデヒドまたはケトンと反応させることで、アセタール構造またはケタール構造が形成されたアスコルビン酸誘導体である。
上記一般式(B−2)中のRおよびRにおけるアルキル基は、特に限定されないが、好ましくは炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基である。
上記アルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基および4−デシルシクロヘキシル基からなる群から選択されるいずれか1種類であるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基は、それぞれ、アルキル基内の水素原子が置換基で置換されていてもよく、これにより、さらに溶解性や極性を調節することも可能である。
上記置換基の具体例は、ヒドロキシル基およびハロゲン原子からなる群から選択される1種類以上の置換基であるが、これらに限定されるものではない。
上記Rと上記Rとは、一体となって環構造を形成してもよい。
上記アスコルビン酸誘導体(B−2)の代表例は、下記式(B−2−Y)で表されるものである。ただし、本発明におけるアスコルビン酸誘導体(B−2)は、これらの代表例に限定されるものではない。
ただし、上記式(B−2−Y)中、Yは以下に示す化学構造からなる群から選択されるいずれか1つを表す。なお、各化学構造中の「*」は、Yがアスコルビン酸の五員環部位に結合する位置を示す。
((酸化防止剤の含有量))
上記絶縁性塗膜が酸化防止剤を含む場合の含有量は、特に限定されないが、絶縁性塗膜の全質量に対して、好ましくは0.10質量%〜5.0質量%であり、より好ましくは0.50質量%〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.50質量%〜3.0質量%であり、いっそう好ましくは0.50質量%〜2.0質量%である。
上記絶縁性塗膜が酸化防止剤を含むと、接触工程での銅粒子と酸素との反応が抑制され、酸素と未反応の銅粒子がより多く残存するため、加熱工程での銅粒子と酸素との反応に関与する銅粒子がより多くなり、より優れた導電性を有する導電膜を製造することができる。
(添加剤)
((添加剤の種類))
上記添加剤の種類は、特に限定されないが、好ましくは樹脂または沸点250℃以上のアルコール化合物である。
上記樹脂は、例えば、ポリビニルピロリドン(略称:PVP)、ポリビニルブチラール(略称:PVB)、ポリビニルアルコール(略称:PVA)およびセルロースエステルが例示される。
上記沸点250℃以上のアルコール化合物は、例えば、1−イコサノール(沸点372℃)、1−テトラコサノール(沸点395℃)等の1価のアルキルアルコール;1,6−ヘキサンジオール(沸点250℃)、1,7−ヘプタンジオール(沸点259℃)等の2価のアルキルアルコール;トリエチレングリコール(沸点287℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)等のトリアルキレングリコール;グリセリン(プロパン−1,2,3−トリオール)(沸点290℃)、トリメチロールプロパン(沸点250℃以上)、トリメチロールエタン(沸点250℃以上)等の3価のアルキルアルコール;エリトリトール(沸点329℃)等の4価のアルキルアルコール;ペンタエリトリトール(沸点250℃以上)等の5価アルコール;マンニトール(沸点290℃)等の6価のアルキルアルコールなどが挙げられる。なお、上記沸点は、常圧(100kPa)下の沸点である。
((添加剤の含有量))
上記絶縁性塗膜が添加剤を含む場合の含有量は、特に限定されないが、絶縁性塗膜の全質量に対して、好ましくは0.10質量%〜15質量%であり、より好ましくは0.10質量%〜10質量%であり、さらに好ましくは0.10質量%〜5.0質量%であり、いっそう好ましくは0.10質量%〜3.0質量%であり、よりいっそう好ましくは0.10質量%〜2.0質量%である。
上記絶縁性塗膜が添加剤を含むと、加熱工程において銅粒子のネッキングが促進され、より優れ得た導電性を有する導電膜を製造することができる。
《絶縁性塗膜の製造方法》
上記絶縁性塗膜は、例えば、後述する導電膜形成用組成物を基材の表面に付与することによって製造することができる。
(導電膜形成用組成物)
上記導電膜形成用組成物は、銅粒子および分散媒を含む。さらに、導電膜形成用組成物は、銅粒子および分散媒に加えて、酸化防止剤および/または添加剤を含んでもよい。銅粒子、酸化防止剤および添加剤は上述したものである。分散媒については後述する。
((銅粒子の含有量))
上記銅粒子の上記導電膜形成用組成物中の固形分の全質量に対する含有量は、特に限定されないが、好ましくは80質量%以上100質量%未満であり、より好ましくは85質量%以上100質量%未満であり、さらに好ましくは90質量%以上100質量%未満であり、いっそう好ましくは95質量%以上100質量%未満であり、よりいっそう好ましくは98質量%以上100質量%未満である。
上記銅粒子の上記導電膜形成用組成物中の固形分の全質量に対する含有量が上記範囲内であると、本発明の導電膜の製造方法によって製造される導電膜の導電性がより良好なものとなる。
また、上記銅粒子の上記導電膜形成用組成物の全質量に対する含有量は、特に限定されないが、好ましくは40質量%以上100質量%未満であり、より好ましくは40質量%〜90質量%であり、いっそう好ましくは40質量%〜50質量%である。
((分散媒))
(((分散媒の種類)))
上記分散媒は、上記銅粒子を分散することができるものであれば、特に限定されない。
上記分散媒の具体例は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからなる群から選択される少なくとも1種であり、好ましくはエチレングリコールである。
(基材)
上記基材は、従来公知のものを用いることができる。
また、上記基材に使用される材料の具体例は、樹脂、紙、ガラス、シリコン系半導体、化合物半導体、金属、金属酸化物、金属窒化物、木材、またはこれらの複合物であるが、これらに限定されるものではない。
上記樹脂の具体例は、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、およびセルロース誘導体であるが、これらに限定されるものではない。
上記紙の具体例は、塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、および段ボールであるが、これらに限定されるものではない。
上記ガラスの具体例は、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、および石英ガラスであるが、これらに限定されるものではない。
上記シリコン系半導体の具体例は、アモルファスシリコンおよびポリシリコンであるが、これらに限定されるものではない。
上記化合物半導体の具体例は、CdS、CdTeおよびGaAsであるが、これらに限定されるものではない。
上記金属の具体例は、銅、鉄、およびアルミであるが、これらに限定されるものではない。
上記金属酸化物の具体例は、アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、およびガリウムドープ酸化亜鉛であるが、これらに限定されるものではない。
上記金属窒化物の具体例は、窒化アルミニウムであるが、これに限定されるものではない。
また、上記複合物の具体例は、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、紙−ポリエステル樹脂等の紙−樹脂複合物、ガラス布−エポキシ樹脂(ガラスエポキシ樹脂)、ガラス布−ポリイミド系樹脂、およびガラス布−フッ素樹脂であるが、これらに限定されるものではない。
本発明の導電膜を形成する基材は、特に限定されないが、好ましくはガラス基材、ポリイミド基材、またはポリエチレンテレフタレート(PET)基材である。
((酸化防止剤の含有量))
上記導電膜形成用組成物が酸化防止剤を含む場合、上記酸化防止剤の含有量は、上記導電膜形成用組成物の固形分の全質量に対する特に限定されないが、好ましくは0.10質量%〜5.0質量%であり、より好ましくは0.50質量%〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.50質量%〜3.0質量%であり、いっそう好ましくは0.50質量%〜2.0質量%である。
((添加剤の含有量))
上記導電膜形成用組成物が添加剤を含む場合、上記添加剤の含有量は、上記導電膜形成用組成物の固形分の全質量に対して、特に限定されないが、好ましくは0.10質量%〜15質量%であり、より好ましくは0.10質量%〜10質量%であり、さらに好ましくは0.10質量%〜5.0質量%であり、いっそう好ましくは0.10質量%〜3.0質量%であり、よりいっそう好ましくは0.10質量%〜2.0質量%である。
((導電膜形成用組成物の調製方法))
上記導電膜形成用組成物の調製方法は、例えば、以下に記載するようにすることができる。
銅粒子および分散媒を混合する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用できる。
例えば、分散媒中に、銅粒子を添加した後、超音波法(例えば、超音波ホモジナイザーによる処理)、ミキサー法、3本ロール法、および、ボールミル法などの公知の手段により成分を分散させることによって、組成物を得ることができる。
上記導電膜形成用組成物が酸化防止剤および/または添加剤を含む場合は、上記分散媒に酸化防止剤および/または添加剤を混合すればよく、その方法は特に限定されない。
((導電膜形成用組成物を基材の表面に付与する方法))
上記導電膜形成用組成物を基材の表面に付与する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用できる。
例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、および、インクジェット法などの塗布方法が挙げられる。
塗布の形状は、特に限定されず、基材の表面の全面を覆う面状であっても、パターン状、例えば、配線状またはドット状、であってもよい。
基材の表面への導電膜形成用組成物の塗布量としては、所望する導電膜の膜厚に応じて適宜調整すればよいが、通常、塗膜の厚み(膜厚)は、好ましくは2μm〜600μmであり、より好ましくは10μm〜300μmであり、さらに好ましくは10μm〜200μmである。
基材の表面に導電膜形成用組成物を付与した後、塗膜を乾燥してもよい。塗膜を乾燥する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用できる。
例えば、温風乾燥機などを用いて、塗膜を乾燥することができる。
塗膜を乾燥する際の温度は、特に限定されないが、好ましくは0℃〜150℃であり、より好ましくは0℃〜120℃であり、さらに好ましくは0℃〜100℃であり、いっそう好ましくは15℃〜100℃である。
塗膜を乾燥する際の雰囲気は、特に限定されず、酸化的雰囲気および非酸化的雰囲気のいずれであってもよい。
酸化的雰囲気は、好ましくは酸素を0.5体積%以上含む、酸素と不活性ガスとの混合気体中である。ここで、不活性ガスとしては、窒素、アルゴンおよびキセノン等が例示される。特に好ましい酸化的雰囲気は、空気中または大気中である。
非酸化的雰囲気は、好ましくは水素ガス中、炭酸ガス中、窒素ガス中、またはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンもしくはキセノン等の貴ガス中である。
《絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させる方法》
絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させる方法は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化合物を含む液体に浸漬する方法(ディップコート)、ハロゲン化合物を含む液体を塗布する方法、ハロゲン化合物を含む気体を吹き付ける方法などが挙げられる。
絶縁性塗膜とハロゲン化合物との接触回数は、1回に限定されず、2回または3回以上の回数行ってもよい。絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを複数回接触させることにより、絶縁性塗膜中の銅粒子とハロゲン化合物との反応が促進され、最終的に得られる導電膜の導電性がより優れたものとなる。
(ハロゲン化合物)
ハロゲン化合物は、ハロゲンを含む化合物であれば特に限定されない。
例えば、ハロゲン化物イオンを含むイオン性化合物、ハロゲンを共有結合を介して含む無機化合物、およびハロゲンを共有結合を介して含む有機化合物が挙げられる。
なお、本発明において、ハロゲンとは、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)周期表の第17族元素のうち、フッ素(元素記号:F)、塩素(元素記号:Cl)、臭素(元素記号:Br)およびヨウ素(元素記号:I)をいい、好ましくは塩素および臭素をいう。また、本発明において、アスタチン(元素記号:At)およびテネシン(元素記号:Ts)は、ハロゲンに含めないものとする。
((ハロゲン化物イオンを含むイオン性化合物))
上記ハロゲン化物イオンを含むイオン性化合物は、例えば、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アミンのハロゲン化水素塩およびハロゲン化アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1つであり、好ましくはアルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも1つであり、より好ましくはアルカリ金属のハロゲン化物である。
上記アルカリ金属のハロゲン化物の具体例は、塩化リチウム、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム等の塩化物、臭化リチウム、臭化ナトリウムおよび臭化カリウム等の臭化物、ならびにヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウム等のヨウ化物等である。
上記アルカリ金属のハロゲン化物は、好ましくは、アルカリ金属の塩化物または臭化物であり、より好ましくはナトリウムまたはカリウムの塩化物または臭化物であり、さらに好ましくは塩化ナトリウムまたは臭化ナトリウムである。
なお、本発明において、アルカリ金属とは、IPAC周期表の第1族元素のうち、リチウム(元素記号:Li)、ナトリウム(元素記号:Na)、カリウム(元素記号:K)、ルビジウム(元素記号:Rb)およびセシウム(元素記号:Cs)をいい、好ましくはリチウム、ナトリウムおよびカリウムをいう。本発明において、フランシウム(元素記号:Fr)は、アルカリ金属に含めないものとする。
また、本発明において、アルカリ土類金属とは、IUPAC周期表の第2族元素のうち、ベリリウム(元素記号:Be)、マグネシウム(元素記号:Mg)、カルシウム(元素記号:Ca)、ストロンチウム(元素記号:Sr)およびバリウム(元素記号:Ba)をいい、好ましくはカルシウム、ストロンチウムおよびバリウムをいい、より好ましくはカルシウムをいうものとする。本発明において、ラジウム(元素記号:Ra)は、アルカリ土類金属に含めないものとする。
((ハロゲンを共有結合を介して含む無機化合物))
ハロゲンを共有結合を介して含む無機化合物としては、例えば、ハロゲン化水素が挙げられる。
ハロゲン化水素の例は、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素およびフッ化水素などである。
上記ハロゲン化水素は、好ましくは、塩化水素、臭化水素およびヨウ化水素からなる群から選択される少なくとも1つであり、より好ましくは、塩化水素および臭化水素からなる群から選択される少なくとも1つであり、さらに好ましくは塩化水素または臭化水素である。
((ハロゲンを共有結合を介して含む有機化合物))
上記ハロゲンを共有結合を介して含む有機化合物の例は、塩化アセチル(別名:酢酸クロリドまたはアセチルクロリド)、臭化アセチル(別名:酢酸ブロミドまたはアセチルクロリド)、ヨウ化アセチル(別名:酢酸ヨージドまたはアセチルヨージド)、塩化プロピオニル(別名:プロピオン酸クロリドまたはプロピオニルクロリド)、臭化プロピオニル(別名:プロピオン酸ブロミドまたはプロピオニルブロミド)、ヨウ化プロピオニル(別名:プロピオン酸ヨージドまたはプロピオニルヨージド)、塩化ベンゾイル(別名:安息香酸クロリドまたはベンゾイルクロリド)、臭化ベンゾイル(別名:安息香酸ブロミドまたはベンゾイルブロミド)およびヨウ化ベンゾイル(別名:安息香酸ヨージドまたはベンゾイルヨージド)である。
本発明の導電膜の製造方法において、絶縁性塗膜とこれらのカルボン酸ハロゲン化物との接触を大気中で行うと、カルボン酸ハロゲン化物の分解によりハロゲン化水素が発生し、ハロゲン化水素が絶縁性塗膜と接触することとなるものと考えられる。
〈加熱工程〉
加熱工程は、接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、180℃以上の温度で加熱することを含む工程である。
加熱工程において、銅と酸素との反応により、一部の銅粒子の表面に酸化第一銅が生成する。銅の酸化により銅粒子の体積が増大し、塗膜中に銅粒子どうしを接近させる力が働く。この力が表面にハロゲン化第一銅が生成した銅粒子どうしを接触させ、ハロゲン化銅が脱落して、銅粒子どうしをネッキングさせる。膜中で銅粒子どうしがのネッキングが進行することによって、導電体が形成され、優れた導電性を有する導電膜が得られると考えられる。
加熱工程における加熱温度は、好ましくは250℃以上であり、より好ましくは300℃以上である。また加熱温度の上限は、特に限定されないが、好ましくは500℃以下であり、より好ましくは350℃以下である。加熱温度がこの範囲内であると、銅粒子の表面での銅と酸素との反応が進行し、得られる導電膜の導電性がより優れたものとなる。
加熱工程における加熱の際の雰囲気は、酸化的雰囲気であれば特に限定されないが、好ましくは酸素を0.5体積%以上含む、酸素と不活性ガスとの混合気体中である。ここで、不活性ガスとしては、窒素、アルゴンおよびキセノン等が例示される。特に好ましい酸化的雰囲気は、空気中または大気中である。
また、加熱工程は、接触工程において得られた塗膜を、150℃以下の温度で加熱する第一加熱と、第一加熱をした塗膜を、酸化的雰囲気下、150℃超の温度で加熱する第二の加熱を含む工程であってもよい。
《第一加熱》
第一加熱(「第一加熱」と略称する場合がある。)の温度は、150℃以下であれば特に限定されないが、好ましくは0℃〜150℃であり、より好ましくは100℃〜150℃である。第一加熱の温度がこの範囲内であると、塗膜に接触させたハロゲン化合物と銅粒子との反応が起こりやすく、かつ、銅粒子の酸化が過度に進行しないので、銅粒子の表面におけるハロゲン化銅の形成が促進される。
第一加熱の際の雰囲気は、特に限定されず、酸化的雰囲気および非酸化的雰囲気のいずれであってもよい。
酸化的雰囲気は、好ましくは酸素を0.5体積%以上含む、酸素と不活性ガスとの混合気体中である。ここで、不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、ならびにヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンおよびキセノン等の貴ガスが例示される。特に好ましい酸化的雰囲気は、空気中または大気中である。
非酸化的雰囲気は、好ましくは水素ガス中、炭酸ガス中、窒素ガス中、またはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンもしくはキセノン等の貴ガス中である。
《第二の加熱》
第二加熱の温度は、好ましくは250℃以上であり、より好ましくは300℃である。また第二加熱の温度の上限は、特に限定されないが、好ましくは500℃以下であり、より好ましくは350℃以下である。第二加熱の温度がこの範囲内であると、銅粒子の表面での銅と酸素の反応が進行し、得られる導電膜の導電性がより優れたものとなる。
第二加熱の際の雰囲気は、酸化的雰囲気であれば特に限定されないが、好ましくは酸素を0.5体積%以上含む、酸素と不活性ガスとの混合気体中である。ここで、不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、ならびにヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンおよびキセノン等の貴ガスが例示される。特に好ましい酸化的雰囲気は、空気中または大気中である。
[導電膜]
本発明の導電膜は、銅と酸化第一銅とを含む。
また、本発明の導電膜は、導電膜の厚さ方向の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDS)による元素分析により得られる銅の面積率が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上である。導電膜の厚さ方向の断面の銅の面積率が70%よりも小さいと、導電膜の導電性が不十分なものとなる。上限は特に制限されないが、好ましくは90%以下である。
さらに、本発明の導電膜は、導電膜の表面のX線回折分析による定量分析をして得られる銅および酸化第一銅の含有量について、銅の含有量が酸化第一銅の含有量よりも多い。導電膜中の銅の含有量が酸化第一銅の含有量よりも少ないと、導電膜の導電性が不十分なものとなる。
より好ましくは、本発明の導電膜は、導電膜の表面のX線回折分析による定量分析をして得られる酸化第一銅およびハロゲン化第一銅の含有量について、酸化第一銅の含有量がハロゲン化第一銅の含有量よりも多い。導電膜中の酸化第一銅の含有量がハロゲン化第一銅の含有量よりも多いと、導電膜の導電性がより優れたものとなる。これは、本発明の導電膜の製造方法によって導電膜を製造した場合、加熱工程において、銅粒子の表面が酸素によって酸化されて体積が増大することにより、銅粒子どうしを圧着させる力が働き、銅粒子のネッキングが促進されるが、酸化第一銅の含有量がハロゲン化第一銅の含有量よりも多くなる場合、銅粒子どうしを圧着させる力がより大きくなることによるものと考えられる。
上記X線回折分析による定量分析は、リガク社製X−RAY DIFFRACTOMETER RINT−Ultima−IIIを用いて測定する。
ピーク強度比率は次のような方法で算出する。
(測定条件)
2Θ/ω:30−80度
サンプリングステップ:0.01度
速度:10度/分
ATT:開放
DS:1.00mm
SS:開放
RS:開放
光学系パラレルスリット:PB
入射縦制限ソーラースリット:V5
縦制限スリット:10×10
平行スリットアナライザー:PSA
(ピーク強度比率計算方法)
ベースライン 2Θ=10〜20度の範囲の平均値
臭化第一銅 2Θ=27.1度
塩化第一銅 2Θ=28.5度
酸化第一銅 2Θ=36.4度
0価銅 2Θ=43.3度
臭化第一銅ピーク強度比率=(2Θ=27.1度カウント強度―ベースライン値)÷(2Θ=27.1度カウント強度―ベースライン値+2Θ=28.5度カウント強度―ベースライン値+2Θ=36.4度カウント強度―ベースライン値+2Θ=43.3度カウント強度―ベースライン値)×100
塩化第一銅ピーク強度比率=(2Θ=28.5度カウント強度―ベースライン値)÷(2Θ=27.1度カウント強度―ベースライン値+2Θ=28.5度カウント強度―ベースライン値+2Θ=36.4度カウント強度―ベースライン値+2Θ=43.3度カウント強度―ベースライン値)×100
亜酸化銅ピーク強度比率=(2Θ=36.4度カウント強度―ベースライン値)÷(2Θ=27.1度カウント強度―ベースライン値+2Θ=28.5度カウント強度―ベースライン値+2Θ=36.4度カウント強度―ベースライン値+2Θ=43.3度カウント強度―ベースライン値)×100
0価銅ピーク強度比率=100−臭化第一銅ピーク強度比率―塩化第一銅ピーク強度比率―亜酸化銅ピーク強度比率
導電膜の厚さ方向の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法による元素分析は、FIB−SEM(集束イオンビーム−走査型電子顕微鏡)複合機を用いて、塗膜の断面加工を行い、SEM−EDS(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)により元素分析を行う。画像解析ソフトWIN−Roof(三谷商事社製)を用いて銅と銅以外の部分の面積比率を算出する。
[導電膜形成用組成物の調製]
〈導電膜形成用組成物1〉
銅粒子分散液(Promethean Particles社製;平均粒子径80nmの銅粒子 49.0質量%、酸化防止剤 1.0質量%、エチレングリコール 50.0質量%を含む;以下「銅粒子分散液1」という場合がある。)を導電膜形成用組成物(以下「導電膜形成用組成物1」という場合がある。)とした。
〈導電膜形成用組成物2〉
銅粒子分散液1とポリビニルピロリドン(和光純薬工業社製)とを、それぞれ、表1に示す配合量で混合して、導電膜形成用組成物(以下「導電膜形成用組成物2」という場合がある。)を調製した。
〈導電膜形成用組成物3〉
銅粒子分散液1とトリメチロールプロパン(和光純薬工業社製)とを、それぞれ、表1に示す配合量で混合して、導電膜形成用組成物(以下「導電膜形成用組成物3」という場合がある。)を調製した。
表1中、「銅粒子分散液1」は、銅粒子分散液(Promethean Particles社製;平均粒子径80nmの銅粒子 49.0質量%、酸化防止剤 1.0質量%、エチレングリコール 50.0質量%を含む)を意味する。
[ハロゲン化合物の溶液の調製]
塩酸(塩化水素濃度36.0質量%;和光純薬工業社製)とエタノール(和光純薬工業社製)、または臭化水素酸(臭化水素濃度48.0質量%;和光純薬工業社製)とエタノール(和光純薬工業社製)とを混合して、塩化水素、臭化水素、水およびエタノールの配合量が表2に示す量となる溶液A〜Hを調製した。
また、エタノールのみを含む溶液Iを準備した。
[実施例1]
〈絶縁性塗膜の製造〉
ガラス基板(縦76mm×横26mm×厚み0.9mm;松波硝子社製)を準備した。
このガラス基板上に、導電膜形成用組成物1をコイルバーにより、縦61mm×横26mm×ウェット厚み40μmに塗布して、ガラス基板の表面に塗膜を形成した。
ガラス基板上に形成した塗膜を、大気中において、25℃で7日間乾燥させて、ガラス基板上に絶縁性塗膜を形成した。表3に導電膜形成用組成物の種類、基材の種類、および絶縁性塗膜の銅粒子含有量〔質量%〕を示す。
〈ハロゲン化合物との接触〉
絶縁性塗膜を形成したガラス基板を、上述のとおり調製した溶液Aに、室温(25℃)で、5秒間浸漬して、ディップコートした。表3に接触の条件を示す。
〈ハロゲン化合物との接触後の加熱〉
ガラス基板にハロゲン化合物をディップコートした後、大気中において、150℃で1分間の加熱(第一加熱)を行い、次いで、大気中において、300℃で1分間の加熱(第二加熱)を行った。表3に加熱の条件を示す。
〈導電性の評価〉
得られた膜の体積抵抗値を四端子法により測定した。表3に体積抵抗値を示す。
〈導電膜の成分分析〉
上述した条件による導電膜の厚さ方向の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDS)による元素分析の結果、銅の面積率は89.6%であり、空隙の面積率は10.4%であった。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
銅(0) 92.5%、塩化第一銅 5.5%、酸化第一銅 2.0%
図1に、実施例1において製造した導電膜の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDS)による元素分析で得られた画像である。図1中、「SEM」は走査型電子顕微鏡による画像であり、「Cu」、「O」、および「Cl」は、それぞれ、銅(0)、酸素、および塩素の元素マッピング画像である。
[実施例2〜8]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成した。
絶縁性塗膜を形成した基板を、大気中で、溶液B(実施例2)、溶液C(実施例3)、溶液D(実施例4)、溶液E(実施例5)、溶液F(実施例6)、溶液G(実施例7)または溶液H(実施例8)に、5秒間浸漬して、ディップコートした。
その後、実施例1と同様にして、溶液B〜Hのいずれかをディップコートした塗膜を、大気中において、150℃で1分間加熱し、次いで、大気中において、300℃で1分間加熱して、導電膜を製造した。
製造した導電膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表3に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
実施例4・・・銅(0) 70.5%、塩化第一銅 23.0%、酸化第一銅 6.5%
実施例8・・・銅(0) 71.5%、臭化第一銅 22.1%、酸化第一銅 6.4%
[実施例9、10]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成し、形成した絶縁性塗膜に溶液Aをディップコートした。
その後、溶液Aをディップコートした塗膜を、大気中において、150℃で1分間加熱し、次いで、表3に示すとおり、大気中において、180℃(実施例9)または250℃(実施例10)で1分間加熱して、導電膜を製造した。
製造した導電膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表3に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
実施例9・・・銅(0) 92.3%、塩化第一銅 5.8%、酸化第一銅 1.9%
実施例10・・・銅(0) 85.8%、塩化第一銅 12.5%、酸化第一銅 1.8%
[実施例11]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成し、形成した絶縁性塗膜に溶液Aをディップコートした。
その後、溶液Aをディップコートした塗膜を、大気中において、150℃で1分間加熱し、次いで、表3に示すとおり、大気中において、300℃で5分間加熱して、導電膜を製造した。
製造した導電膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表3に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
実施例11・・・銅(0) 72.2%、塩化第一銅 22.5%、酸化第一銅 5.3%
[実施例12]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成し、形成した絶縁性塗膜に溶液Aをディップコートした。
その後、溶液Aをディップコートした塗膜を、表3に示すとおり、大気中において、300℃で1分間加熱して、導電膜を製造した。実施例1で行った大気中、150℃で1分間の加熱は、本実施例においては、行わなかった。
製造した導電膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表3に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
実施例12・・・銅(0) 78.4%、塩化第一銅 11.4%、酸化第一銅 10.2%
[実施例13、15]
導電膜形成用組成物1を導電膜形成用組成物2(実施例13)または導電膜形成用組成物3(実施例15)に変更した点を除いて、実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成し、形成した絶縁性塗膜に溶液Aをディップコートした。
その後、実施例1と同様にして、溶液Aをディップコートした塗膜を、大気中において、150℃で1分間加熱し、次いで、大気中において、300℃で1分間加熱して、導電膜を製造した。
製造した導電膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表3に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
実施例13・・・銅(0) 89.9%、塩化第一銅 10.0%、酸化第一銅 0.1%
実施例15・・・銅(0) 86.0%、塩化第一銅 9.1%、酸化第一銅 4.9%
[実施例14]
導電膜形成用組成物1を導電膜形成用組成物3に変更した点を除いて、実施例10と同様にして、導電膜を製造した。
製造した導電膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表3に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
実施例14・・・銅(0) 90.0%、塩化第一銅 8.9%、酸化第一銅 1.1%
[実施例16]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成した。
実施例1と同様にして、形成した絶縁性塗膜に溶液Aをディップコートした。溶液Aをディップコートした後、同様にして、2回目のディップコートを行った。
その後、溶液Aを2回ディップコートした塗膜を、実施例1と同様にして、大気中において、150℃で1分間加熱し、次いで、大気中において、300℃で1分間加熱して、導電膜を製造した。
製造した導電膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表3に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
実施例16・・・銅(0) 63.9%、塩化第一銅 5.2%、酸化第一銅 30.8%
[比較例1〜8]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成した。
絶縁性塗膜を形成した基板を、大気中で、溶液A(比較例1)、溶液B(比較例2)、溶液C(比較例3)、溶液D(比較例4)、溶液E(比較例5)、溶液F(比較例6)、溶液G(比較例7)または溶液H(比較例8)に、5秒間浸漬して、ディップコートした。
その後、溶液A〜Hのいずれかをディップコートした塗膜を、表4に示すとおり、大気中において、150℃で1分間加熱して膜を製造した。
製造した膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表4に、測定した体積抵抗値を示す。
上述した条件による導電膜の厚さ方向の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDS)による元素分析の結果は以下に示すとおりであった。
比較例1・・・銅の面積率 66.1%、空隙の面積率は33.9%
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
比較例4・・・銅(0) 67.4%、塩化第一銅 32.6%、酸化第一銅 0.0%
[比較例9]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成した。
絶縁性塗膜を形成した基板を、大気中で、溶液I(ハロゲン化合物を含まない)に、5秒間浸漬して、ディップコートした。
その後、比較例1と同様にして、溶液Iをディップコートした塗膜を、表4に示すとおり、大気中において、150℃で1分間加熱して膜を製造した。
製造した膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表4に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
比較例9・・・銅(0) 100.0%、酸化第一銅 0.0%
[比較例10〜12]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成し、形成した絶縁性塗膜に溶液I(ハロゲン化合物を含まない)をディップコートした。
その後、溶液Iをディップコートした塗膜を、大気中において、150℃で1分間加熱し、次いで、表4に示すとおり、大気中において、180℃(比較例10)、250℃(比較例11)または300℃(比較例12)で1分間加熱して、膜を製造した。
製造した膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表4に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
比較例10・・・銅(0) 100.0%、酸化第一銅 0.0%
比較例11・・・銅(0) 95.5%、酸化第一銅 4.5%
比較例12・・・銅(0) 56.4%、酸化第一銅 43.6%
[比較例13]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に形成し、形成した絶縁性塗膜に溶液I(ハロゲン化合物を含まない)をディップコートした。
その後、溶液Iをディップコートした塗膜を、大気中において、150℃で1分間加熱し、次いで、表4に示すとおり、大気中において、300℃で5分間加熱して、膜を製造した。
製造した膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表4に、測定した体積抵抗値を示す。
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
比較例13・・・銅(0) 65.1%、酸化第一銅 34.9%
[比較例14]
実施例1と同様にして、絶縁性塗膜をガラス基板上に製造した。
製造した絶縁性塗膜の体積抵抗値を、実施例1と同様にして測定した。表4に、測定した体積抵抗値を示す。
上述した条件による導電膜の厚さ方向の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法(SEM−EDS)による元素分析の結果は以下に示すとおりであった。
比較例14・・・銅の面積率 66.2%、空隙の面積率は33.8%
また、上述した条件によるX線回折分析による定量分析の結果は以下に示すとおりであった。
比較例14・・・銅(0) 100.0%、酸化第一銅 0.0%
なお、本明細書中の実施例および比較例において、体積抵抗値の測定限界は1.0×10Ω・cmであり、これを超えた場合は測定範囲外として、体積抵抗値を「O.L.」と表示した。
実施例1〜16により製造された導電膜は体積抵抗値が低く、優れた導電性を有していた。
実施例1〜4と実施例5〜8との対比から、ハロゲン化合物としては、塩化水素の方が臭化水素よりも優れた導電性を有する導電膜を製造できる傾向があることがわかった。
実施例1、9および10の対比から、加熱工程における加熱温度が高い方が、より優れた導電性を有する導電膜を製造できる傾向があることがわかった。ただし、加熱温度が250℃の実施例10と300℃の実施例1とでは、導電性に有意な差が認められなかった。
実施例1および実施例11の対比から、加熱工程における加熱時間が長い方が、より優れた導電性を有する導電膜を製造できる傾向があることがわかった。
実施例1と実施例12との対比から、加熱工程における加熱は、予備的な加熱を省略して、最終的な加熱をする方が、より優れた導電性を有する導電膜を製造できる傾向があることがわかった。
実施例1、13および15の対比から、添加剤を含む方が、より優れた導電性を有する導電膜を製造できる傾向があることがわかった。また、添加剤としては、p理ビニルピロリドンよりもトリメチロールプロパンの方が、より優れた導電性を有する導電膜を製造できる傾向があることがわかった。
実施例1と実施例16との対比から、接触工程を複数回行った方が、より優れた導電性を有する導電膜を製造できる傾向があることがわかった。
比較例1〜8は、加熱工程における180℃以上での加熱を省略した比較例であり、製造された膜の導電性は不良であった。
比較例9〜13は、接触工程において絶縁性塗膜とハロゲン化合物を含まない液体とを接触させた比較例、すなわち、接触工程において絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させなかった比較例である。
いずれも製造された膜の導電性は不良であった。
比較例14は、絶縁性塗膜そのものである。導電性は不良であった。

Claims (20)

  1. 銅粒子を含む絶縁性塗膜とハロゲン化合物とを接触させる接触工程、および
    前記接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、180℃以上の温度で加熱することを含む加熱工程
    を備える導電膜の製造方法。
  2. 前記加熱工程が、前記接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、250℃以上の温度で加熱することを含む工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加熱工程が、前記接触工程において得られた塗膜を、酸化的雰囲気下、300℃以上の温度で加熱することを含む工程である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記温度が500℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記温度が350℃以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記加熱工程において、前記温度での加熱時間が5秒間〜10分間である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記加熱工程が、前記接触工程において得られた塗膜を、150℃以下の温度で加熱する第一加熱と、前記第一加熱をした塗膜を、酸化的雰囲気下、180℃以上の温度で加熱する第二加熱とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記第二加熱の温度が250℃以上である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記第二加熱の温度が300℃以上である、請求項7または8に記載の製造方法。
  10. 前記第二加熱の温度が500℃以下である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記第二加熱の温度が350℃以下である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記第一加熱の温度が100℃〜150℃である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記第一加熱において、前記温度での加熱時間が5秒間〜10分間である、請求項7〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記第二加熱において、前記温度での加熱時間が5秒間〜10分間である、請求項7〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記酸化的雰囲気が大気である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記接触工程において、前記絶縁性塗膜と前記ハロゲン化合物とを接触させる際に、前記絶縁性塗膜と前記ハロゲン化合物を含む溶液とを接触させる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記ハロゲン化合物がハロゲン化水素である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 銅と酸化第一銅とを含む導電膜であって、
    前記導電膜の厚さ方向の断面の走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法による元素分析により得られる銅の面積率が70%以上であり、かつ、
    前記導電膜の表面のX線回折分析による定量分析をして得られる銅および酸化第一銅の含有量について、銅の含有量が酸化第一銅の含有量よりも多い、
    導電膜。
  19. 前記銅の面積率が85%以上である、請求項18に記載の導電膜。
  20. 前記導電膜がさらにハロゲン化第一銅を含み、
    前記導電膜の表面のX線回折分析による定量分析をして得られる酸化第一銅およびハロゲン化第一銅の含有量について、酸化第一銅の含有量がハロゲン化第一銅の含有量よりも多い、請求項18または19に記載の導電膜。
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