JP2015106523A - 導電膜形成用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高導電性を有し、かつ耐マイグレーション性および耐酸化性に優れた導電膜を低温焼結で形成することができる導電膜形成用組成物を提供する。【解決手段】平均1次粒子径80nm以下の酸化銅粒子(A)と、平均1次粒子径80nm以下の銀粒子(B)と、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)と、アルコール化合物(D)とを含有する導電膜形成用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、導電膜形成用組成物に関する。
基材上に金属膜を形成する方法として、金属粒子または金属酸化物粒子の分散体を印刷法により基材に塗布し、加熱処理して焼結させることによって金属膜や回路基板における配線、電極等の電気的導通部位を形成する技術が知られている。
上記方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理、リソグラフィーによる配線・電極作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから、電子機器分野、電子デバイス分野において大きな期待を集めている。
一方、電子機器や電子デバイスの小型化、高機能化の要求に対応するため、配線や電極のより一層の微細化および高集積化が進んでいる。それに伴い、基材の上に低温焼結で、高い導電性を示し、かつ耐マイグレーション性および耐酸化性に優れた導電膜を形成できることが要求されている。
例えば、特許文献1には、酸化銅微粒子と、直鎖、分岐または環状の炭素数1から18のアルコール類と、VIII族の金属触媒とを含む導電膜形成用組成物が開示されている。また、特許文献2には、粒子径が200nm未満の酸化銅粒子と、銀粒子と、多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物を含有する分散媒とを含む導電膜形成用組成物が開示されている。また、特許文献3には、アミン類および炭素数1〜4の脂肪族カルボン酸で構成された第1の保護コロイドで被覆された銀微粒子と、第2の保護コロイドで被覆された、酸化処理された銅微粒子と、有機溶媒中とを含む導電膜形成用組成物が開示されている。
特開2010−121206号公報 国際公開第2003/051572号公報 特開2009−001883号公報
本発明者が特許文献1〜3に記載された導電膜形成用組成物を詳細に検討したところ、導電性、耐マイグレーション性および耐酸化性について、更なる改良の余地が残されていることを知見した。
そこで、本発明は、高い導電性を示し、かつ耐マイグレーション性および耐酸化性に優れた導電膜を低温焼結で形成することができる導電膜形成用組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、平均1次粒子径80nm以下の酸化銅粒子と、平均1次粒子径80nm以下の銀粒子と、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩と、アルコール化合物とを含む導電膜形成用組成物を用いると、高い導電性を示し、かつ耐マイグレーション性および耐酸化性に優れた導電膜を低温焼結で形成することができることを知得し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、以下の構成により、上記課題を解決することができることを見出した。
(1)平均1次粒子径80nm以下の酸化銅粒子(A)と、平均1次粒子径80nm以下の銀粒子(B)と、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)と、アルコール化合物(D)とを含む導電膜形成用組成物。
(2)第10族元素がパラジウム(Pd)または白金(Pt)である、(1)に記載の導電膜形成用組成物。
(3)酸化銅粒子(A)100質量部に対して銀粒子(B)を1〜200質量部含む、(1)または(2)に記載の導電膜形成用組成物。
(4)酸化銅粒子(A)100質量部に対して銀粒子(B)を10〜100質量部含む、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(5)アルコール化合物(D)が2価または3価のアルコールである、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(6)酸化銅粒子(A)の平均1次粒径が50nm以下である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(7)酸化銅粒子(A)100質量部に対して第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)を0.5〜10質量部含む、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(8)TFT(薄膜トランジスタ)電極用である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
本発明によれば、高導電性を有し、かつ耐マイグレーション性および耐酸化性に優れた導電膜を低温焼結で形成することができる導電膜形成用組成物を提供することができる。
本発明の導電膜形成用組成物を用いて電極を作製した有機薄膜トランジスタの一態様の断面模式図である。 本発明の導電膜形成用組成物を用いて電極を作製した有機薄膜トランジスタの別の一態様の断面模式図である。
以下に、本発明の導電膜形成用組成物の好適態様について詳細に説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。なお、本明細書において、「〜」で記載される数値範囲は上限値・下限値を含むものとする。
上述したように、本発明の一つの特徴は、導電膜形成用組成物中に、平均1次粒子径が80nm以下の酸化銅粒子(A)と、平均1次粒子径が80nm以下の銀粒子(B)と、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)と、アルコール化合物(D)とを含む点にある。
驚くべきことに、本発明の導電膜形成用組成物は、平均1次粒子径が80nm以下の酸化銅粒子(A)および平均1次粒子径が80nm以下の銀粒子(B)を含むことにより、耐マイグレーション性および耐酸化性(抵抗率の経時変化が小さい)を獲得し、さらに第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)およびアルコール化合物(D)を含むことにより高い導電性(体積抵抗率が低い)を獲得することができた。
[導電膜形成用組成物]
以下ではまず、本発明の導電膜形成用組成物の各種成分(平均1次粒子径80nm以下の酸化銅粒子(A)、平均1次粒子径が80nm以下の銀粒子(B)、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)、アルコール化合物(D)など)について説明し、その後、導電膜の製造方法について詳述する。
〈平均1次粒子径80nm以下の酸化銅粒子(A)〉
本発明の導電膜形成用組成物は、平均1次粒子径80nm以下の酸化銅粒子(A)(以下、単に「酸化銅粒子(A)」という場合がある。)を含む。酸化銅粒子(A)は、後述する焼結処理によって酸化銅が金属銅に還元され、後述する平均1次粒子径80nm以下の銀粒子(B)とともに導電膜中の金属導体を構成する。
酸化銅は、酸化銅(I)、酸化銅(II)またはこれらの混合物が好ましく、安価に入手可能であること、空気中でより安定であることから酸化銅(II)がより好ましい。
本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属銅由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、銅の含有量が酸化銅粒子に対して1質量%以下であることをいう。
酸化銅粒子(A)の平均1次粒子径は、80nm以下であれば特に限定されないが、1〜50nmが好ましい。より好ましくは、10〜50nmである。平均1次粒子径が小さいほど酸化銅の還元がされやすく、より低い焼結温度で焼結した場合でも、高い導電性を有する導電膜を作製することができる。10nm以上で、良好な分散安定性が得られる。
なお、酸化銅粒子(A)の平均1次粒子径は、走査型電子顕微鏡(以下「SEM」という場合がある。)像の中から無作為に選んだ100個の粒子の水平フェレ径および垂直フェレ径を測定し、それらのうちの大きい方の測定値をその粒子の1次粒子径として、算術平均して算出したものである。ただし、水平フェレ径のおよび垂直フェレ径が等しい場合には、どちらの測定値を使用してもよい。
〈平均1次粒子径80nm以下の銀粒子〉
本発明の導電膜形成用組成物は、平均1次粒子径80nm以下の銀粒子(B)(以下、単に「銀粒子(B)」という場合がある。)を含む。銀粒子(B)は、後述する焼結処理工程によって前述した酸化銅粒子(A)が還元されて生成する金属銅とともに導電膜中の金属導体を構成する。
銀粒子(B)の平均1次粒子径は、80nm以下であれば特に限定されないが、1〜50nmが好ましく、5〜20nmがより好ましい。平均1次粒子径が小さいほど焼結しやすく、より低い焼結温度で焼結した場合でも、高い導電性を有する導電膜を作製することができる。また、5nm以上にて、良好な分散安定性が得られる。
なお、銀粒子(B)の平均1次粒子径は、SEM像の中から無作為に選んだ100個の粒子の水平フェレ径および垂直フェレ径を測定し、それらのうちの大きい方の測定値をその粒子の1次粒子径として、算術平均して算出したものである。ただし、水平フェレ径のおよび垂直フェレ径が等しい場合には、どちらの測定値を使用してもよい。
〈第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)〉
本発明の導電膜形成用組成物は、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)(以下、単に「第10族元素の金属粒子または塩(C)」という場合がある。)を含む。
本発明において、第10族元素とは、IUPAC周期表の第10族のうち、安定同位体が存在する、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)および白金(Pt)をいう。第10族元素としては、パラジウム、白金またはこれらの混合物が好ましく、パラジウムがより好ましい。
本発明の導電膜形成用組成物を用いて導電膜を作製する際の焼結処理において、第10族元素を含む金属粒子、または第10族元素の塩に含まれる第10族元素が還元されて生成する第10族元素の単体は、酸化銅粒子(A)の還元を促進するとともに、酸化銅粒子(A)の酸化銅が還元されて生成した銅粒子と銀粒子(B)との焼結を促進し、より低い焼結温度で、高い導電性を有する導電膜を作製することを可能とする。
(第10族元素を含む金属粒子)
第10族元素を含む金属粒子(以下、単に「第10族金属粒子」という場合がある。)は、ニッケル、パラジウム、白金またはこれらのうち2種類以上を含む金属粒子である。
第10族金属粒子は第10族元素を、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上含む金属粒子である。
第10族金属粒子は、酸化、凝集等を防止するため、その表面がポリアクリル酸ナトリウム等のコーティング剤や保護コロイドなどで被覆されていてもよい。
第10族金属粒子の平均1次粒子径は、特に限定されないが、1〜50nmが好ましく、1〜10nmがより好ましく、1〜5nmがさらに好ましい。
なお、第10族金属粒子の平均1次粒子径は、SEM像の中から無作為に選んだ100個の粒子の水平フェレ径および垂直フェレ径を測定し、それらのうちの大きい方の測定値をその粒子の1次粒子径として、算術平均して算出したものである。ただし、水平フェレ径のおよび垂直フェレ径が等しい場合には、どちらの測定値を使用してもよい。
(第10族元素の塩)
第10族元素の塩は、ニッケル、パラジウム、白金またはこれらのうち2種類以上を含む塩(錯体を含む。以下、単に「第10族金属塩」という場合がある。)である。第10族金属塩としては、具体的には、塩化ニッケル(II)、塩化パラジウム(II)、カリウムテトラクロロパラデート、塩化白金(II)、カリウムテトラクロロプラチネート等のハロゲン化物塩;酢酸ニッケル(II)、酢酸パラジウム(II)等のカルボン酸塩;硝酸ニッケル等の硝酸塩;水酸化ニッケル等の水酸化物;炭酸ニッケル等の炭酸塩;ジ(アセチルアセトナト)ニッケル、ジ(アセチルアセトナト)パラジウム等のアセチルアセトナト塩;テトラアンミンパラジウム(II)硝酸塩、テトラアンミン白金(II)硝酸塩等のテトラアンミン錯体;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金、ジクロロ[ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル等のホスフィン錯体;ビス(1,5−シクロオクタジエン)白金、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル等のジエン錯体;クロロ(π−アリル)パラジウム ダイマー等のπ−アリル錯体;ペンタキス(トリクロロスタナト)パラデート、ペンタキス(トリクロロスタナト)プラチネート等のトリクロロスタナト錯体;ジエチル(2,2’−ビピリジル)パラジウム等のビピリジル錯体;ジ(ベンザルアセトン)パラジウム、トリ(ベンザルアセトン)ジパラジウム等のベンザルアセトン錯体などが挙げられる。
〈アルコール化合物(D)〉
アルコール化合物(D)は、焼結処理の際に酸化銅粒子(A)の酸化銅を還元するための還元剤として作用する。
アルコール化合物(D)は1分子中にアルコール性ヒドロキシ基を1個以上有する化合物であれば特に限定されない。
アルコール化合物(D)としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、アリルアルコール、ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、シクロヘプタノール、オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、シクロオクタノール、ノナノール、2−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3−メチル−3−オクタノール、3−エチル−2,2−ジメチル−3−ペンタノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、デカノール、2−デカノール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、ウンデカノール、ドデカノール、2−ドデカノール、2−ブチル−1−オクタノール、トリデカノール、テトラデカノール、2−テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、2−ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、1−フェネチルアルコール、2−フェネチルアルコール等の1価のアルコール;エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、2,7−ジメチル−3,6−オクタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ヒドロキシメチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1−ヒドロキシメチル−2−(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,2−ベンジルジメチロール、1,3−ベンジルジメチロール、1,2−シクロヘキサンジオール,1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の2価のアルコール;グリセリン(プロパン−1,2,3−トリオール)、ブタン−1,2,4−トリオール、ヘキサン−1,2,6−トリオール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、トリメチロールプロパン(2−(ヒドロキシメチル)−2−エチルプロパン−1,3−ジオール)等の3価のアルコール;シクロオクタン−1,3,5,7−テトラオール、ペンタエリスリトール(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)等の4価のアルコールなどが挙げられる。
アルコール化合物(D)は、2価または3価のアルコールを含むことが好ましく、3価のアルコールを含むことがより好ましく、トリメチロールプロパンを含むことが特に好ましい。
〈溶媒〉
本発明の導電膜形成用組成物には、さらに、溶媒が含まれてもよい。溶媒としては、酸化銅粒子(A)、銀粒子(B)、第10族元素の金属粒子または塩(C)およびアルコール化合物(D)を分散または溶解することができ、それらと反応しないものであれば、特に限定するものではないが、アルコールは含まれない。溶媒としては、例えば、水、エーテル類、エステル類、炭化水素類および芳香族炭化水素類から選ばれる一種、または相溶性のある二種以上の混合物が挙げられる。
溶媒としては、アルコール化合物(D)との相溶性に優れることから、水、水溶性アルコール由来のアルキルエーテル、水溶性アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
水としては、イオン交換水以上のレベルの純度を有するもの、例えば、逆浸透ろ過水(RO水)、ミリQ水、蒸留水等が好ましい。
エーテル類としては、後述する水溶性アルコール由来のアルキルエーテルが挙げられ、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエーテルが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
エステル類としては、後述する水溶性アルコール由来のアルキルエステルが挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエステルが好ましく、具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルがより好ましい。
上述したアルキルエーテルまたはアルキルエステルが由来する水溶性アルコールとしては、1〜3価のヒドロキシ基を有する脂肪族アルコールが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、グリシドール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、イソプロピルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n−ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
上記溶媒の中でも、沸点が高すぎないことから、特に水を主溶媒として用いることが好ましい。主溶媒とは、溶媒の中で含有率が最も多い溶媒である。
〈その他成分〉
導電膜形成用組成物には、酸化銅粒子(A)、銀粒子(B)、第10族元素の金属粒子または塩(C)、アルコール化合物(D)、および溶媒以外にも他の成分が含まれていてもよい。
例えば、導電膜形成用組成物には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤は、酸化銅粒子の分散性を向上させる役割を果たす。界面活性剤の種類は特に制限されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独、または2種以上を混合して用いることができる。
[導電膜形成用組成物の製造方法]
本発明の導電膜形成用組成物は、酸化銅粒子(A)と、銀粒子(B)と、第10族元素の金属粒子または塩(C)と、アルコール化合物(D)と、所望によりその他の成分とを混合して製造することができる。
本発明の導電膜形成用組成物中の銀粒子(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、酸化銅粒子(A)100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。酸化銅粒子(A)100質量部に対して銀粒子(B)を1質量部以上含有すると、耐酸化性がより優れたものとなり、銀粒子(B)を200質量部以下含有すると、耐マイグレーション性がより優れたものとなる。
本発明の導電膜形成用組成物中の第10族元素の金属粒子または塩(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、酸化銅粒子(A)100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましい。この範囲内であると、焼結処理の際に酸化銅の還元が十分に行われるため、導電性がより優れる。
本発明の導電膜形成用組成物中のアルコール化合物(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、酸化銅粒子(A)100質量部に対して、100〜1000質量部であることが好ましく、300〜600質量部であることがより好ましい。この範囲内であると、酸化銅の還元が十分に行われるため、導電性がより優れたものとなる。
本発明の導電膜形成用組成物中の溶媒の含有量は、特に限定されないが、導電膜形成用組成物の粘度の上昇が抑制され、取扱い性により優れる点から、導電膜形成用組成物の合計質量に対して、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
導電膜形成用組成物の粘度は、インクジェット、スクリーン印刷等の印刷用途に適するような粘度に調整させることが好ましい。インクジェット吐出を行う場合、1〜50cPが好ましく、1〜40cPがより好ましい。スクリーン印刷を行う場合は、1000〜100000cPが好ましく、10000〜80000cPがより好ましい。
導電膜形成用組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、酸化銅粒子(A)と、銀粒子(B)と、第10族元素の金属粒子または塩(C)と、アルコール化合物(D)と、所望により溶媒その他の成分とを添加した後、超音波法(例えば、超音波ホモジナイザーによる処理)、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法などの公知の手段により成分を分散させることによって、組成物を得ることができる。
[導電膜の製造方法]
本発明の導電膜形成用組成物を用いて基材上に導電膜を製造する方法は、少なくとも塗膜形成工程と焼結工程とを備える。さらに、所望により、乾燥工程を備えていてもよい。
〈塗膜形成工程〉
塗膜形成工程は、本発明の導電膜形成用組成物を基材上に付与して塗膜を形成する工程である。本工程により、焼結工程において焼結処理が施される前の塗膜が得られる。焼結処理を施す前に基材上に付与した塗膜を乾燥する乾燥工程を行ってもよい。
本工程で使用される基材としては、公知のものを用いることができる。基材に使用される材料としては、例えば、樹脂、紙、ガラス、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、木材、またはこれらの複合物が挙げられる。
より具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリブチレンナフタラート(PBN)等)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース誘導体等の樹脂基材;非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等の紙基材;ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基材;アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン系半導体基材;CdS、CdTe、GaAs等の化合物半導体基材;銅板、鉄板、アルミ板等の金属基材;アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、ネサ(酸化錫)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、酸化亜鉛、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、窒化アルミニウム基材、炭化ケイ素等のその他無機基材;紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、紙−ポリエステル樹脂等の紙−樹脂複合物、ガラス布−エポキシ樹脂(ガラスエポキシ樹脂)、ガラス布−ポリイミド系樹脂、ガラス布−フッ素樹脂等のガラス−樹脂複合物等の複合基材等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂基材、ポリエーテルイミド樹脂基材、紙基材、ガラス基材が好ましく使用される。
導電膜形成用組成物を基材上に付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。
塗布の形状は特に制限されず、基材全面を覆う面状であっても、パターン状(例えば、配線状、ドット状)であってもよい。
基材上への導電膜形成用組成物の塗布量としては、所望する導電膜の膜厚に応じて適宜調整すればよいが、通常、塗膜の膜厚(厚み)は0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、0.1〜50μmがさらに好ましく、1〜30μmがいっそう好ましい。
〈乾燥工程〉
本工程は、形成された塗膜に対して乾燥処理を行い、導電膜形成用組成物に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去する工程である。本工程は、所望により、前述した塗膜形成工程の後、かつ、後述する焼結工程の前に実施することができる。
乾燥工程において、残存する溶媒を除去することにより、後述する焼結工程において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、得られる導電膜の導電性および導電膜と基材との密着性の点で好ましい。
乾燥処理は、温風乾燥機などを用いて加熱することにより行うことができ、乾燥温度としては、50℃以上150℃未満が好ましく、70℃〜120℃がより好ましい。本発明においては、乾燥処理は、非酸化的雰囲気および酸化的雰囲気のいずれで行われてもよい。非酸化的雰囲気としては、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、水素等の還元性ガス雰囲気などが挙げられる。酸化的雰囲気としては、大気雰囲気、酸素雰囲気などが挙げられる。
〈焼結工程〉
本工程は、基材上に形成した塗膜(乾燥工程を行った場合には乾燥した塗膜)に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、導電膜を形成する工程である。
加熱処理および/または光照射処理を行うことにより、酸化銅粒子(A)の酸化銅が還元されて金属銅が生成するとともに、還元されて生成した金属銅粒子と金属銀粒子との焼結が促進され、金属導電膜中に金属導体が形成される。
加熱処理の条件は、短時間で、導電性により優れる導電膜を形成することができる点で、加熱温度は、特に限定されないが、150〜220℃が好ましく、160〜200℃がより好ましい。また、加熱時間は5〜120分が好ましく、5〜30分がより好ましい。
なお、加熱手段は特に制限されず、オーブン、ホットプレート等公知の加熱手段を用いることができる。
本発明では、比較的低温の加熱処理により導電膜の形成が可能であり、従って、プロセスコストが安いという利点を有する。
光照射処理は、上述した加熱処理とは異なり、室温にて塗膜が付与された部分に対して光を短時間照射することで金属銅への還元および焼結が可能となり、長時間の加熱による基材の劣化が起こらず、導電膜の基材との密着性がより良好となる。
光照射処理で使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
具体的な態様としては、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光、赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
光照射は、フラッシュランプによる光照射が好ましく、フラッシュランプによるパルス光照射であることがより好ましい。高エネルギーのパルス光の照射は、塗膜を付与した部分の表面を、極めて短い時間で集中して加熱することができるため、基材への熱の影響を極めて小さくすることができる。
パルス光の照射エネルギーとしては、1〜100J/cm2が好ましく、1〜30J/cm2がより好ましく、パルス幅としては1μ秒〜100m秒が好ましく、10μ秒〜10m秒がより好ましい。パルス光の照射時間は、1〜100m秒が好ましく、1〜50m秒がより好ましく、1〜20m秒が更に好ましい。
なお、光照射処理を実施した場合、酸化銅粒子が光を吸収し、熱に変換する光熱変換物質として働き、塗膜中に熱を伝達させる役割を果たしていると推測される。
上記加熱処理および光照射処理は、単独で実施してもよく、両者を同時に実施してもよい。また、一方の処理を施した後、さらに他方の処理を施してもよい。
本発明においては、加熱処理および光照射処理は、非酸化的雰囲気および酸化的雰囲気のいずれで行われてもよい。非酸化的雰囲気としては、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、水素等の還元性ガス雰囲気などが挙げられる。酸化的雰囲気としては、大気雰囲気、酸素雰囲気などが挙げられる。
[導電膜]
本発明の導電膜形成用組成物を用いて上述した導電膜の製造方法を実施することにより、実質的に金属銅および金属銀からなる金属導体を含む導電膜が製造される。
導電膜の膜厚(厚み)は特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適な膜厚が選択される。例えば、有機薄膜トランジスタ電極用途の点からは、10〜1000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましく、20〜200nmがさらに好ましく、50〜150nmがいっそう好ましい。また、例えば、プリント配線基板用途の点からは、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、0.1〜50μmがさらに好ましく、1〜30μmがいっそう好ましい。
なお、膜厚は、導電膜の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
導電膜は基材の全面、または、パターン状に設けられてもよい。パターン状の導電膜は、プリント配線基板などの導体配線(配線)として有用である。
パターン状の導電膜を得る方法としては、上記導電膜形成用組成物をパターン状に基材に付与して、上記加熱処理および/または光照射処理を行う方法や、基材全面に設けられた導電膜をパターン状にエッチングする方法などが挙げられる。
エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを採用できる。
パターン状の導電膜を多層配線基板として構成する場合、パターン状の導電膜の表面に、さらに絶縁層(絶縁樹脂層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト)を積層して、その表面にさらなる配線(金属パターン)を形成してもよい。
絶縁膜の材料は特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、アラミド樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、フッ素含有樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、全フッ素化ポリイミド、全フッ素化アモルファス樹脂など)、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂など挙げられる。
これらの中でも、密着性、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性等の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、または液晶樹脂を含有するものであることが好ましく、より好ましくはエポキシ樹脂である。具体的には、味の素ファインテクノ(株)製、ABF GX−13などが挙げられる。
また、配線保護のために用いられる絶縁層の材料の一種であるソルダーレジストについては、例えば、特開平10−204150号公報や、特開2003−222993号公報等に詳細に記載され、ここに記載の材料を所望により本発明にも適用することができる。ソルダーレジストは市販品を用いてもよく、具体的には、例えば、太陽インキ製造(株)製PFR800、PSR4000(商品名)、日立化成工業(株)製 SR7200G、などが挙げられる。
上記で得られた導電膜を有する基材(導電膜付き基材)は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT、FPC、RFIDなどが挙げられる。
[TFT電極]
本発明の導電膜形成用組成物は、薄膜トランジスタ(TFT)電極用、特に有機TFT電極用として好適である。なかでも、ボトムコンタクト型の有機TFT電極用として好適である。
本発明の導電膜形成用組成物を用いて電極を作製した有機TFTの一態様について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の導電膜形成用組成物を用いて電極を作製した有機薄膜トランジスタの一態様の断面模式図である。
図1において、有機薄膜トランジスタ100は、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、ソース電極40と、ドレイン電極42と、有機半導体層50と、封止層60を備える。有機薄膜トランジスタ100は、ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
本発明の導電膜形成用組成物を用いて、有機薄膜トランジスタ100の、ゲート電極20、ソース電極40、およびドレイン電極42のうち少なくとも1つを作製することができる。
また、図2は、本発明の導電膜形成用組成物を用いて電極を作製した有機薄膜トランジスタの別の一態様の断面模式図である。
図2において、有機薄膜トランジスタ200は、基板10と、ゲート電極20と、ゲート絶縁膜30と、ソース電極40と、ドレイン電極42と、有機半導体層50と、封止層60を備える。有機薄膜トランジスタ200は、トップコンタクト型の有機薄膜トランジスタである。
本発明の導電膜形成用組成物を用いて、有機薄膜トランジスタ200のゲート電極20を作製することができ、有機半導体の耐熱温度以下で本発明の導電膜形成用組成物の焼結を行える場合には、ソース電極40およびドレイン電極42もまた、本発明の導電膜形成用組成物を用いて作製することができる。
[実施例1]
(1)導電膜形成用組成物の調製
酸化銅粒子(NanoTek(R) CuO,シーアイ化成社製;平均1次粒子径48nm)(45質量部)と、水(20質量部)とを混合し、自転・公転ミキサー(あわとり練太郎ARE−310,シンキー社製)で5分間処理することで酸化銅水分散液を得た。これに、銀ナノ粒子水分散液(銀ナノコロイドH−1,三菱マテリアル電子化成社製;平均1次粒子径12nm,固形分(銀濃度)20質量%)(100質量部)と、トリメチロールプロパン(225質量部)と、酢酸パラジウム(2質量部)とを添加し、自転・公転ミキサー(前記)で5分間処理することで、導電膜形成用組成物を調製した。この導電膜形成用組成物を導電膜形成用組成物1とする。
(2)導電膜の作製
ポリエチレンナフタラート(PEN)基材(テオネックス(R)Q65F,帝人デュポン社製)上に、導電膜形成用組成物1をストライプ状(L/S=0.1mm/0.1mm、膜厚1μm)に塗布した。次いで、O濃度100ppm〜130ppmの雰囲気中に設置したホットプレートを用いて、180℃で60分間焼結してPEN基材上に導電膜を作製した。
(3)導電膜の性能評価
3.1)導電性
作製した導電膜について、四探針法抵抗率計を用いて体積抵抗率を測定し、以下の基準によってスコアリングした。結果を表1の導電性の欄に示す。「A」評価または「B」評価であれば導電膜が高い導電性を有する。
「A」:体積抵抗率が10μΩ・cm未満
「B」:体積抵抗率が10μΩ・cm以上、50μΩ・cm未満
「C」:体積抵抗率が50μΩ・cm以上、100μΩ・cm未満
「D」:体積抵抗率が100μΩ・cm以上、1000μΩ・cm未満
「E」:体積抵抗率が1000μΩ・cm以上
3.2)耐マイグレーション性
作製した導電膜の上面にPMMAポリマー(Aldrich社製;重量平均分子量32000)シクロヘキサン5wt%溶液を塗布することで、膜厚2μmのコート層を形成した。各配線に100V電圧を印加した状態で、温度/湿度=85℃/85%の条件下で保存し、絶縁抵抗値が10台以下に低下する時間(絶縁崩壊時間)を測定し、以下の基準によってスコアリングした。結果を表1の耐マイグレーション性の欄に示す。「A」評価、「B」評価または「C」評価であれば、耐マイグレーション性が優れる。
「A」:絶縁崩壊時間が1000時間以上
「B」:絶縁崩壊時間が500時間以上、1000時間未満
「C」:絶縁崩壊時間が100時間以上、500時間未満
「D」:絶縁崩壊時間が100時間未満
3.3)耐酸化性
導電膜を作製した直後の体積抵抗率(作製直後の体積抵抗率)と、2週間大気下で保存した後の体積抵抗率(2週間保存後の体積抵抗率)とを測定し、体積抵抗率の上昇率(%)を下記式により算出し、以下の基準によってスコアリングした。結果を表1の耐酸化性の欄に示す。「A」評価、「B」評価または「C」であれば、耐酸化性が優れる。
・計算式
上昇率(%)={(2週間保存後の体積抵抗率−作製直後の体積抵抗率)/作製直後の体積抵抗率}×100
・スコアリングの基準
「A」:上昇率が10%未満
「B」:上昇率が10%以上、20%未満
「C」:上昇率が20%以上、50%未満
「D」:上昇率が50%以上
[実施例2〜17、比較例1〜4]
実施例1と同様にして、酸化銅粒子、銀粒子、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩、および溶媒を表1に示す配合量(単位:質量部)で混合して導電膜形成用組成物を調製し、表1に示す焼結温度で焼結して導電膜を作製し、導電膜の性能評価を行った。結果を表1に示す。なお、導電性評価が「E」であるものについては、耐マイグレーションおよび耐酸化性の評価をいずれも行わなかった。
表1中、酸化銅粒子、銀粒子、第10族元素の塩および第10族元素を含む金属粒子の配合量は、固形分量で表す。
(1)実施例1〜6、8および16を対比する。酸化銅粒子(ナノテックCuO)100質量部に対して銀粒子(銀ナノコロイドH−1)を10質量部以上含有する実施例1〜6は、10質量部未満含有する実施例8および16に比べて、耐酸化性が優れていた。また、酸化銅粒子100質量部に対して銀粒子を100質量部以下含有する実施例1〜4は、100質量部超含有する実施例5および6に比べて、耐マイグレーション性が優れていた。
(2)実施例9〜11および17を対比する。酸化銅粒子100質量部に対して第10族元素の塩または第10族元素を含む金属粒子を1質量部以上含有する実施例10および11は、1質量部未満含有する実施例9、および10質量部超含有する実施例17に比べて、導電性が優れていた。
(3)実施例1、7、12および13を対比する。第10族元素のカルボン酸塩を含有する実施例1は、第10族元素のテトラアンミン錯体または第10族元素の単体粒子を含有する実施例7、12および13に比べて、導電性が優れていた。
(4)実施例1、14および15を対比する。酸化銅粒子の平均1次粒径が50nm以下の実施例1および14は、平均1次粒子径が50m超の実施例15に比べて導電性が優れていた。
(5)実施例1〜17と比較例1〜4とを対比する。本発明の実施例である実施例1〜17の導電膜形成用組成物は、いずれも、焼結温度180℃で、高い導電性を有し、耐マイグレーション性および耐酸化性に優れた導電膜を作製することができた。
10:基板
20:ゲート電極
30:ゲート絶縁膜
40:ソース電極
42:ドレイン電極
50:有機半導体層
60:封止層
100、200:有機薄膜トランジスタ

Claims (8)

  1. 平均1次粒子径80nm以下の酸化銅粒子(A)と、平均1次粒子径80nm以下の銀粒子(B)と、第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)と、アルコール化合物(D)とを含む導電膜形成用組成物。
  2. 前記第10族元素がパラジウムまたは白金である、請求項1に記載の導電膜形成用組成物。
  3. 前記酸化銅粒子(A)100質量部に対して前記銀粒子(B)を1〜200質量部含む、請求項1または2に記載の導電膜形成用組成物。
  4. 前記酸化銅粒子(A)100質量部に対して前記銀粒子(B)を10〜100質量部含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  5. 前記アルコール化合物(D)が2価または3価のアルコールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  6. 前記酸化銅粒子(A)の平均1次粒径が50nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  7. 前記酸化銅粒子(A)100質量部に対して前記第10族元素を含む金属粒子または第10族元素の塩(C)を0.5〜10質量部含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  8. TFT電極用である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
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