JP2020003796A - 画像形成装置用チューブ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを両立できる画像形成装置用チューブを提供する。【解決手段】少なくとも、導電層と、外表面を構成している絶縁層と備える積層体からなる画像形成装置用チューブであって、前記導電層は、カーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されており、前記絶縁層は、フッ素系樹脂組成物により形成されており、前記絶縁層のマルテンス硬さが50N/mm2以下である、画像形成装置用チューブ。【選択図】なし
Description
本発明は、画像形成装置などに用いられる画像形成装置用チューブに関する。具体的には、デジタル印刷機、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される定着部材(例えば、定着ベルト、定着ロール、加圧ベルト、加圧ロールなど)の表面層を構成する画像形成装置用チューブ、及び当該チューブを表面層として備える定着部材に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、まず、像担持体上に形成された静電潜像をトナーで現像する。次に、現像されたトナー像を中間転写ベルト上に一次転写した後、これを用紙等の記録媒体上に二次転写する。さらに、当該記録媒体上の未定着のトナー像を、定着部材を用いて、加熱・加圧して画像を当該記録媒体に定着させる。
画像形成装置に使用される定着部材は、高温に加熱・加圧される。特に、画像形成装置が連続的に使用される場合には、定着部材は継続的に高温になるため、高い耐久性が求められる。
また、定着部材は、熱定着時の記録媒体との接触によって外表面が帯電して、静電オフセットが発生し易いという問題がある(特許文献1を参照)。
前述の通り、画像形成装置に使用される定着部材は、高温に加熱・加圧され、特に、画像形成装置が連続的に使用される場合には、定着部材は継続的に高温になるため、高い耐久性が求められる。また、定着部材は、熱定着時の記録媒体や対向する部材との接触によって外表面が帯電して、静電オフセットが発生し易いという問題がある。
これらの課題を解決する方法として、例えば特許文献1には、芯金と、芯金の周面に設けられた耐熱弾性体層と、前記耐熱弾性体層の周面に設けられた表面層としてのテトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂層とを具備した定着器用ロールにおいて、前記樹脂層の体積抵抗率が1011Ω・cm以下の内側層と、厚さが3〜50μmの外側層とからなり、かつ前記樹脂層は厚さが20〜500μmの2軸押出しチューブであることを特徴とする定着器用ロールが開示されている。
しかしながら、近年、画像形成装置には、さらなる高速かつ連続的な印刷機能が求められており、これに伴い、定着部材にも、さらなる耐久性の向上と、静電オフセットの発生の高いレベルでの抑制が求められている。
このような状況下、本発明は、耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを両立できる画像形成装置用チューブを提供することを目的とする。さらに、本発明は、当該画像形成装置用チューブを表面層として備える定着部材を提供することも目的とする。
本発明者は、上記の従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、少なくとも、導電層と、外表面を構成している絶縁層とを備える積層体からなる画像形成装置用チューブにおいて、導電層を、カーボンブラックを所定量含有するフッ素系樹脂組成物により形成し、絶縁層をフッ素系樹脂組成物により形成し、さらに、絶縁層のマルテンス硬さを所定値に設定することによって、耐久性と静電オフセットの発生の抑制とが高度に両立されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を重ねて完成した発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、導電層と、外表面を構成している絶縁層とを備える積層体からなる画像形成装置用チューブであって、
前記導電層は、カーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されており、
前記絶縁層は、フッ素系樹脂組成物により形成されており、
前記絶縁層のマルテンス硬さが50N/mm2以下である、画像形成装置用チューブ。
項2. 前記絶縁層に含まれるフッ素系樹脂の融点が、260〜330℃である、項1に記載の画像形成装置用チューブ。
項3. 前記導電層の厚みが、5μm以上である、項1又は2に記載の画像形成装置用チューブ。
項4. 前記絶縁層の厚みが、30μm以下である、項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブ。
項5. JIS L1094の規定に準拠し、印加電圧−10kVの条件で測定される表面電位が1.0〜2.5kVであり、その減衰半減時間が4分以下である、項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブ。
項6. 少なくとも、基材層と、表面層とを備える積層体からなる定着ベルトであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、定着ベルト。
項7. 少なくとも、芯金と、前記芯金を被覆する弾性層と、前記弾性層の上に形成された表面層とを備える定着ロールであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、定着ロール。
項8. 少なくとも、基材層と、表面層とを備える積層体からなる加圧ベルトであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、加圧ベルト。
項9. 少なくとも、芯金と、前記芯金を被覆する弾性層と、前記弾性層の上に形成された表面層とを備える加圧ロールであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、加圧ロール。
項1. 少なくとも、導電層と、外表面を構成している絶縁層とを備える積層体からなる画像形成装置用チューブであって、
前記導電層は、カーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されており、
前記絶縁層は、フッ素系樹脂組成物により形成されており、
前記絶縁層のマルテンス硬さが50N/mm2以下である、画像形成装置用チューブ。
項2. 前記絶縁層に含まれるフッ素系樹脂の融点が、260〜330℃である、項1に記載の画像形成装置用チューブ。
項3. 前記導電層の厚みが、5μm以上である、項1又は2に記載の画像形成装置用チューブ。
項4. 前記絶縁層の厚みが、30μm以下である、項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブ。
項5. JIS L1094の規定に準拠し、印加電圧−10kVの条件で測定される表面電位が1.0〜2.5kVであり、その減衰半減時間が4分以下である、項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブ。
項6. 少なくとも、基材層と、表面層とを備える積層体からなる定着ベルトであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、定着ベルト。
項7. 少なくとも、芯金と、前記芯金を被覆する弾性層と、前記弾性層の上に形成された表面層とを備える定着ロールであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、定着ロール。
項8. 少なくとも、基材層と、表面層とを備える積層体からなる加圧ベルトであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、加圧ベルト。
項9. 少なくとも、芯金と、前記芯金を被覆する弾性層と、前記弾性層の上に形成された表面層とを備える加圧ロールであって、
前記表面層が、項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、加圧ロール。
本発明によれば、高い耐久性と、静電オフセットの発生の抑制とを両立できる画像形成装置用チューブ、及び当該チューブを表面層として備える定着部材を提供することができる。
本発明の画像形成装置用チューブは、少なくとも、導電層と、外表面を構成している絶縁層とを備える積層体からなる画像形成装置用チューブであって、前記導電層は、カーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されており、前記絶縁層は、フッ素系樹脂組成物により形成されており、前記絶縁層のマルテンス硬さが50N/mm2以下であることを特徴とする。本発明の画像形成装置用チューブは、当該構成を備えることによって、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを両立することができる。
以下、本発明の画像形成装置用チューブ、及び当該チューブを表面層として備える定着部材(例えば、定着ベルト、定着ロール、加圧ベルト、加圧ロールなど)について、図1〜図4を参照しながら詳述する。
なお、本明細書において、「〜」で結ばれた数値は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に記載されている場合、任意の下限値と上限値を選択し、「〜」で結ぶことができるものとする。
1.画像形成装置用チューブ
本発明の画像形成装置用チューブ10において、図1に示されるように、少なくとも、内側から導電層1と絶縁層2とを備えており、絶縁層2が外表面2aを構成している。本発明の画像形成装置用チューブ1は、図1に示されるように、導電層1が内表面を構成し、絶縁層2が外表面2aを構成している2層構成であってもよい。また、図示を省略するが、導電層1のさらに内側や、導電層1と絶縁層2との間には、他の層が形成されていてもよい。
本発明の画像形成装置用チューブ10において、図1に示されるように、少なくとも、内側から導電層1と絶縁層2とを備えており、絶縁層2が外表面2aを構成している。本発明の画像形成装置用チューブ1は、図1に示されるように、導電層1が内表面を構成し、絶縁層2が外表面2aを構成している2層構成であってもよい。また、図示を省略するが、導電層1のさらに内側や、導電層1と絶縁層2との間には、他の層が形成されていてもよい。
本発明の画像形成装置用チューブ10は、好ましくは円筒形状を有している。本発明の画像形成装置用チューブ10の軸方向zの長さとしては、画像形成装置のサイズに応じて適宜設定すればよく、例えば、20〜120cm程度が挙げられる。また、円周方向Pの長さとしては、画像形成装置のサイズに応じて適宜設定すればよく、例えば、25〜1000mm程度が挙げられる。
本発明の画像形成装置用チューブ10の厚み(肉厚)としては、特に制限されないが、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは15〜50μm程度が挙げられる。
(導電層1)
本発明の画像形成装置用チューブ10において、導電層1は、絶縁層2の内側に存在しており、導電性を備える層である。また、本発明において、導電層1は、カーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されている。
本発明の画像形成装置用チューブ10において、導電層1は、絶縁層2の内側に存在しており、導電性を備える層である。また、本発明において、導電層1は、カーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されている。
導電層1において、フッ素系樹脂組成物に含まれるフッ素系樹脂としては、特に制限されないが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンビニリデンフルオライド(THV)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。これらの中でも、特にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好ましい。フッ素系樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
導電層1において、フッ素系樹脂の融点としては、特に制限されないが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、下限については、好ましくは260℃以上、より好ましくは270℃以上、さらに好ましくは280℃以上、特に好ましくは290℃以上が挙げられ、上限については、好ましくは330℃以下、より好ましくは320℃以下、さらに好ましくは310℃以下、特に好ましくは300℃以下が挙げられる。同様の観点から、フッ素系樹脂の372℃におけるメルトマスフローレート(MFR)としては、好ましくは1〜20g/10分程度、より好ましくは1.2〜6g/10分程度、さらに好ましくは1.5〜2.5g/10分程度が挙げられる。
導電層1のフッ素系樹脂組成物において、フッ素系樹脂の含有量は、カーボンブラックの含有量が10質量%以下となる量であればよいが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、上限については、好ましくは98.0質量%以下、より好ましくは97.5質量%以下、さらに好ましくは97.2質量%以下が挙げられ、下限については、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは92.0質量%以上、さらに好ましくは92.5質量%以上が挙げられる。
導電層1のフッ素系樹脂組成物に含まれるカーボンブラックとしては、特に制限されないが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、ガスブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。より少量の混合で所望の導電率を得るのに有効なものとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックとオイルファーネスブラックが挙げられる。なお、ケッチェンブラックとは、コンタクティブファーネス系のカーボンブラックである。カーボンブラックは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
導電層1のフッ素系樹脂組成物において、カーボンブラックの含有量は10質量%以下であればよいが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、上限については、好ましくは8.5質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは7.5質量%以下が挙げられ、下限については、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、さらに好ましくは2.8質量%以上が挙げられる。
導電層1のフッ素系樹脂組成物には、フッ素系樹脂とカーボンブラックに加えて、フィラー、熱伝導材などが含まれていてもよい。フィラーとしては、特に制限されないが、耐摩耗性を向上させる観点から、シリカ、マイカ、酸化亜鉛、酸化クロム、PTFE、高分子シリコンなどが挙げられる。熱伝導材としては、特に制限されないが、例えば、金属窒化物、シリコン、スズ等を挙げることができる。金属窒化物としては、具体的には、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。フィラー及び熱伝導材は、それぞれ、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
導電層1のフッ素系樹脂組成物にフィラーが含まれる場合、フィラーの含有量としては、特に制限されないが、耐摩耗性を効果的に向上させる観点からは、好ましくは0.1〜10質量%程度が挙げられる。また、導電層1のフッ素系樹脂組成物に熱伝導材が含まれる場合、熱伝導材の含有量としては、特に制限されないが、熱伝導性を効果的に向上させる観点からは、好ましくは0.1〜10質量%程度が挙げられる。
さらに、導電層1のフッ素系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、防曇剤、スリップ剤、難燃剤、表面調整剤等の公知の画像形成装置用チューブに使用される添加剤を少なくとも1種含んでいてもよい。これらの添加剤が含まれる場合、各添加剤の含有量としては、特に制限されないが、それぞれ、好ましくは0.1〜10質量%程度が挙げられる。
導電層1の厚みとしては、特に制限されないが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、下限については5μm以上、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは15μm以上が挙げられ、上限については、好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは35μm以下が挙げられる。
(絶縁層2)
本発明の画像形成装置用チューブ10において、絶縁層2は、導電層1の外側に位置しており、画像形成装置用チューブ10の外表面2aを構成する絶縁性の層である。また、本発明において、絶縁層2は、フッ素系樹脂組成物により形成されており、かつ、マルテンス硬さが50N/mm2以下である。
本発明の画像形成装置用チューブ10において、絶縁層2は、導電層1の外側に位置しており、画像形成装置用チューブ10の外表面2aを構成する絶縁性の層である。また、本発明において、絶縁層2は、フッ素系樹脂組成物により形成されており、かつ、マルテンス硬さが50N/mm2以下である。
本発明の画像形成装置用チューブ10においては、内側の導電層1がカーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されており、かつ、外側の絶縁層2のマルテンス硬さが50N/mm2以下に設定されているため、高い耐久性と静電オ
フセットの発生の抑制とを両立させることが可能となっている。
フセットの発生の抑制とを両立させることが可能となっている。
絶縁層2において、フッ素系樹脂組成物に含まれるフッ素系樹脂としては、特に制限されないが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレンビニリデンフルオライド(THV)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。これらの中でも、特にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好ましい。フッ素系樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
絶縁層2において、フッ素系樹脂の融点としては、特に制限されないが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、下限については、好ましくは260℃以上、より好ましくは270℃以上、さらに好ましくは280℃以上、特に好ましくは290℃以上が挙げられ、上限については、好ましくは330℃以下、より好ましくは320℃以下、さらに好ましくは310℃以下、特に好ましくは300℃以下が挙げられる。特に、耐久性を向上させる観点から、絶縁層2のフッ素系樹脂の融点は310℃以下であることが好ましい。高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点から、フッ素系樹脂の372℃におけるメルトマスフローレート(MFR)としては、好ましくは1〜20g/10分程度、より好ましくは1.2〜6g/10分程度、さらに好ましくは1.5〜2.5g/10分程度が挙げられる。
絶縁層2のマルテンス硬さは、50N/mm2以下であればよいが、高い耐久性と静電
オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、上限については、好ましくは45N/mm2以下、より好ましくは40N/mm2以下が挙げられ、下限については、好ましくは20N/mm2以上、より好ましくは23N/mm2以上が挙げられる。なお、絶縁層2のマルテンス硬さは、JIS Z2255「超微小負荷硬さ試験方法」の規定に準拠して測定される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定される。
オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、上限については、好ましくは45N/mm2以下、より好ましくは40N/mm2以下が挙げられ、下限については、好ましくは20N/mm2以上、より好ましくは23N/mm2以上が挙げられる。なお、絶縁層2のマルテンス硬さは、JIS Z2255「超微小負荷硬さ試験方法」の規定に準拠して測定される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定される。
絶縁層2のフッ素系樹脂組成物には、フッ素系樹脂に加えて、フィラー、熱伝導材などが含まれていてもよい。フィラー及び熱伝導材としては、それぞれ、導電層1で例示したものと同じものが例示される。フィラー及び熱伝導材は、それぞれ、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
絶縁層2のフッ素系樹脂組成物にフィラーが含まれる場合、フィラーの含有量としては、特に制限されないが、耐摩耗性を効果的に向上させる観点からは、好ましくは0.1〜10質量%程度が挙げられる。また、絶縁層2のフッ素系樹脂組成物に熱伝導材が含まれる場合、熱伝導材の含有量としては、特に制限されないが、熱伝導性を効果的に向上させる観点からは、好ましくは0.1〜10質量%程度が挙げられる。
さらに、絶縁層2のフッ素系樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、防曇剤、スリップ剤、難燃剤、表面調整剤等の公知の画像形成装置用チューブに使用される添加剤を少なくとも1種含んでいてもよい。これらの添加剤が含まれる場合、各添加剤の含有量としては、特に制限されないが、それぞれ、好ましくは0.1〜10質量%程度が挙げられる。
絶縁層2の厚みとしては、特に制限されないが、高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点からは、下限については2μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは4μm以上が挙げられ、上限については、好ましくは30μm以下、より好ましくは28μm以下、さらに好ましくは25μm以下が挙げられる。
高い耐久性と静電オフセットの発生の抑制とを高度に両立させる観点から、本発明の画像形成装置用チューブ10において、絶縁層2と導電層1とは隣接している(互いに接面している)ことが好ましい。
本発明の画像形成装置用チューブ10は、JIS L1094の規定に準拠し、印加電圧−10kの条件で測定される表面電位が1.0〜2.5kVであり、かつ、その減衰半減時間が4分以下であることが好ましい。
本発明の画像形成装置用チューブの製造方法としては、本発明の画像形成装置用チューブの構成となるようにして、公知のチューブの製造方法を適用することができる。例えば、導電層1を形成するフッ素系樹脂組成物と、絶縁層2を形成するフッ素系樹脂組成物とを、溶融押出成形により円筒形状に押し出した後、冷却しながら平坦状にローラに巻き取る方法が挙げられる。溶融押出成形は、例えば、二軸押出機を用いて行うことができる。また、導電層1と絶縁層2とが積層された状態でチューブを形成する方法としては、例えば、環状ダイスを備えた2種2層の二軸押出機を用い、各層を構成するフッ素系樹脂組成物を共押出しする方法が挙げられる。
2.定着部材
本発明の定着部材は、本発明の画像形成装置用チューブ10を表面層として備えている。例えば、本発明の画像形成装置用チューブ10を定着ベルト11または加圧ベルト12に用いる場合、定着ベルト11または加圧ベルト12は、図2の模式図に示されるように、少なくとも、基材層3と表面層(画像形成装置用チューブ10)とを備える積層体とすることができる。また、図示を省略するが、定着ベルト11または加圧ベルト12は、少なくとも、基材層3と、後述の弾性層4と、表面層(画像形成装置用チューブ10)とを備える積層体とすることもできる。
本発明の定着部材は、本発明の画像形成装置用チューブ10を表面層として備えている。例えば、本発明の画像形成装置用チューブ10を定着ベルト11または加圧ベルト12に用いる場合、定着ベルト11または加圧ベルト12は、図2の模式図に示されるように、少なくとも、基材層3と表面層(画像形成装置用チューブ10)とを備える積層体とすることができる。また、図示を省略するが、定着ベルト11または加圧ベルト12は、少なくとも、基材層3と、後述の弾性層4と、表面層(画像形成装置用チューブ10)とを備える積層体とすることもできる。
基材層3としては、特に制限されず、公知の定着部材の基材層に使用されている樹脂または金属により構成することができる。樹脂としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニルスルホン(PPSU)等が挙げられる。金属としては、例えば、ニッケルなどが挙げられる。
基材層3の厚みとしては、特に制限されないが、好ましくは50〜200μm程度、より好ましくは60〜160μm程度が挙げられる。
さらに、本発明の画像形成装置用チューブ10を定着ロール13または加圧ロール14に用いる場合、定着ロール13または加圧ロール14は、図3に示されるように、少なくとも、芯金5と、芯金5を被覆する弾性層4と、弾性層4の上に形成された表面層(画像形成装置用チューブ10)とを備える構成とすることができる。
芯金5を構成する金属としては、特に制限されず、公知の定着ロール13または加圧ロール14に使用される金属を使用することができる。金属としては、好ましくはニッケル、ステンレス鋼(SUS)などが挙げられる。
また、定着ベルト11、加圧ベルト12、定着ロール13または加圧ロール14において、弾性層4を構成する弾性体としては、特に制限されず、公知の定着部材に使用されるものが挙げられ、好ましくはシリコーンゴムが挙げられる。弾性層4の厚みとしては、特に制限されないが、例えば定着ロールであれば3000〜6000μm程度が好ましく、例えば定着ベルトであれば100〜400μm程度が好ましい。
本発明の画像形成装置用チューブ10を表面層として備える定着ベルト11または加圧ベルト12は、表面層(画像形成装置用チューブ10)の内面に基材層3の外面を重ね合わせる公知の方法により製造することができる。表面層(画像形成装置用チューブ10)は、前述の通り、例えば溶融押出成形により製造することができる。同様に、基材層3も、溶融押出成形により製造することができる。また、表面層(画像形成装置用チューブ10)の内面に基材層3の外面を重ね合わせる際に、表面層(画像形成装置用チューブ10)と基材層3との間に弾性層4を配置してもよい。
また、定着ロール13及び加圧ロール14は、それぞれ、円筒形状の芯金5の外表面上に弾性層及び表面層を順次形成する方法や、弾性層4と表面層の積層体に芯金5を挿入する方法などの公知の方法により製造することができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
<実施例1>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のフッ素系樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のフッ素系樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例2>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック3質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック3質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例3>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み10μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み15μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み10μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み15μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例4>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック3質量部を含む)が導電層(内層、厚み20μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック3質量部を含む)が導電層(内層、厚み20μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例5>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み30μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ20μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み50μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み30μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ20μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み50μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例6>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み20μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み20μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例7>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み20μm)、後述のPFA樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み20μm)、後述のPFA樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例8>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のフッ素系樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のフッ素系樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<実施例9>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み40μm)、後述のPFA樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み50μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック8質量部を含む)が導電層(内層、厚み40μm)、後述のPFA樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ10μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み50μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<比較例1>
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック20質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック20質量部を含む)が導電層(内層、厚み25μm)、後述のPFA樹脂Aが絶縁層(表層、厚さ5μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた2種2層の押出機を用い、共押出により、総厚み30μmの画像形成装置用チューブ(2層チューブ)を得た。
<比較例2>
PFA樹脂Aが絶縁層(厚さ30μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた押出機を用い、画像形成装置用チューブ(単層チューブ)を得た。
PFA樹脂Aが絶縁層(厚さ30μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた押出機を用い、画像形成装置用チューブ(単層チューブ)を得た。
<比較例3>
PFA樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ30μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた押出機を用い、画像形成装置用チューブ(単層チューブ)を得た。
PFA樹脂Bが絶縁層(表層、厚さ30μm)となるように(表1の構成)、環状ダイスを備えた押出機を用い、画像形成装置用チューブ(単層チューブ)を得た。
<比較例4>
導電フィラー含有PFA樹脂B(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック20質量部を含む)が導電層(厚み30μm)、環状ダイスを備えた押出機を用い、画像形成装置用チューブ(単層チューブ)を得た。
導電フィラー含有PFA樹脂B(PFA樹脂100質量部に対して、カーボンブラック20質量部を含む)が導電層(厚み30μm)、環状ダイスを備えた押出機を用い、画像形成装置用チューブ(単層チューブ)を得た。
<絶縁層のPFA樹脂>
・フッ素系樹脂A:PFA樹脂、融点290℃以上310℃以下
・フッ素系樹脂B:PFA樹脂、融点270以上290℃未満
・フッ素系樹脂A:PFA樹脂、融点290℃以上310℃以下
・フッ素系樹脂B:PFA樹脂、融点270以上290℃未満
<導電層のPFA樹脂>
・三井デュポンフロロケミカル社製の451−HP−J
・三井デュポンフロロケミカル社製の451−HP−J
<厚みの測定>
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS Z8724「色の測定方法−光源色」(装置の原理)の規定に準拠し、大塚電子製のマルチチャンネル分光器MCPD−9800を用いて各層の厚みを測定した。測定においては、投光用ファイバーと受光用ファイバーを1つにまとめたY型ファイバーを用いて、サンプル面に対し光を垂直入射し、垂直に反射した光を計測した。測定条件は、波長範囲900nm〜1900nm、露光時間250ms、積算回数1回とした。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS Z8724「色の測定方法−光源色」(装置の原理)の規定に準拠し、大塚電子製のマルチチャンネル分光器MCPD−9800を用いて各層の厚みを測定した。測定においては、投光用ファイバーと受光用ファイバーを1つにまとめたY型ファイバーを用いて、サンプル面に対し光を垂直入射し、垂直に反射した光を計測した。測定条件は、波長範囲900nm〜1900nm、露光時間250ms、積算回数1回とした。結果を表1に示す。
<マルテンス硬さの測定>
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS Z2255「超微小負荷硬さ試験方法」の規定に準拠し、島津製作所製のダイナミック超微小硬度計DUH−211を用いて、外表面を構成している絶縁層のマルテンス硬さを測定した。圧子はTriangular115、硬さ単位はN/mm2、試験条件は押し込み深さ設定負荷−除荷試験、最小試験力0.002mN、負荷速度0.0357mN/sec、設定押し込み深さ3μmとした。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS Z2255「超微小負荷硬さ試験方法」の規定に準拠し、島津製作所製のダイナミック超微小硬度計DUH−211を用いて、外表面を構成している絶縁層のマルテンス硬さを測定した。圧子はTriangular115、硬さ単位はN/mm2、試験条件は押し込み深さ設定負荷−除荷試験、最小試験力0.002mN、負荷速度0.0357mN/sec、設定押し込み深さ3μmとした。結果を表1に示す。
<表面電位及び減衰半減時間の測定>
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS L1094「織物及び編物の帯電性試験方法」の規定に準拠し、シシド静電気株式会社のSTATIC HONESTMETERを用いて、コロナ放電により帯電させた。印加電圧は−10KVとした。次に、表面電位が一定値になった時点で印加を遮断し、表面電位の減衰量および時間を測定した。最大表面電位を表面電位とし、最大表面電位からの半減期(半減減衰時間)を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS L1094「織物及び編物の帯電性試験方法」の規定に準拠し、シシド静電気株式会社のSTATIC HONESTMETERを用いて、コロナ放電により帯電させた。印加電圧は−10KVとした。次に、表面電位が一定値になった時点で印加を遮断し、表面電位の減衰量および時間を測定した。最大表面電位を表面電位とし、最大表面電位からの半減期(半減減衰時間)を表1に示す。
<誘電率の測定>
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS C2138「電気絶縁材料−比誘電率及び誘電正接の測定方法」の規定に準拠し、LCR測定器(HEWLETT PACKARD製 LCRメーター 4263B型)を用いて、静電容量を測定した。測定条件は、周波数1MHz、電圧1.0V、電極面積56φmmとした。得られた静電容量の値を用い、以下の式から、誘電率εrを算出した。結果を表1に示す。
誘電率εr=(ta×Cp)/(A×ε0)
ta:試料膜厚(m)
Cp:静電容量(F)
A:電極面積(φ56mmの円)
ε0:真空誘電率
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、それぞれ、JIS C2138「電気絶縁材料−比誘電率及び誘電正接の測定方法」の規定に準拠し、LCR測定器(HEWLETT PACKARD製 LCRメーター 4263B型)を用いて、静電容量を測定した。測定条件は、周波数1MHz、電圧1.0V、電極面積56φmmとした。得られた静電容量の値を用い、以下の式から、誘電率εrを算出した。結果を表1に示す。
誘電率εr=(ta×Cp)/(A×ε0)
ta:試料膜厚(m)
Cp:静電容量(F)
A:電極面積(φ56mmの円)
ε0:真空誘電率
<耐久性の評価>
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、一般に使用されているカラー複写機をテスト用に改造した複写機を用いて、実施例及び比較例で得られた各定着用ローラを装着し、次の条件でコピーを行い、画像品質を確認した。尚、シリコーンオイルの供給は一切行わなかった。
トナー(市販)色:黒
原稿:A4コート紙にA5サイズの黒ベタ画像
コピー用紙:A4中性紙
該用紙に対する定着圧力・該ローラのニップ幅を4mmに調整
定着温度:該ローラの表面温度を155℃に調整
コピー速度:25枚/分
以下の基準で評価し、結果を表1に示す。
◎:コピー枚数が40万枚以上でも終始定着ムラ等の画質に影響するような不良は一切見られず、原稿とほぼ同一濃度で黒ベタが再現された。
○:コピー枚数が30万枚以上でスジ状の定着ムラが見られ、そのムラも濃淡があり、一定でない状態で現れた。
△:コピー枚数が20万枚以上でスジ状の定着ムラが見られ、そのムラも濃淡があり、一定でない状態で現れた。
×:コピー枚数が10万枚以上でスジ状の定着ムラが見られ、そのムラも濃淡があり、一定でない状態で現れた。
実施例及び比較例で得られた画像形成装置用チューブについて、一般に使用されているカラー複写機をテスト用に改造した複写機を用いて、実施例及び比較例で得られた各定着用ローラを装着し、次の条件でコピーを行い、画像品質を確認した。尚、シリコーンオイルの供給は一切行わなかった。
トナー(市販)色:黒
原稿:A4コート紙にA5サイズの黒ベタ画像
コピー用紙:A4中性紙
該用紙に対する定着圧力・該ローラのニップ幅を4mmに調整
定着温度:該ローラの表面温度を155℃に調整
コピー速度:25枚/分
以下の基準で評価し、結果を表1に示す。
◎:コピー枚数が40万枚以上でも終始定着ムラ等の画質に影響するような不良は一切見られず、原稿とほぼ同一濃度で黒ベタが再現された。
○:コピー枚数が30万枚以上でスジ状の定着ムラが見られ、そのムラも濃淡があり、一定でない状態で現れた。
△:コピー枚数が20万枚以上でスジ状の定着ムラが見られ、そのムラも濃淡があり、一定でない状態で現れた。
×:コピー枚数が10万枚以上でスジ状の定着ムラが見られ、そのムラも濃淡があり、一定でない状態で現れた。
<静電オフセットの評価>
上記耐久性評価と同様の試験条件かつL/L環境(5℃/10%)で連続印刷した際に静電オフセットによる画像スジがどれだけの数が発生しているのかを確認した。比較例2及び3の画像形成装置用チューブにおけるの発生数を100%とし、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:1%未満
〇:1%以上10%未満
△:10%以上20%未満
×:20%以上
上記耐久性評価と同様の試験条件かつL/L環境(5℃/10%)で連続印刷した際に静電オフセットによる画像スジがどれだけの数が発生しているのかを確認した。比較例2及び3の画像形成装置用チューブにおけるの発生数を100%とし、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:1%未満
〇:1%以上10%未満
△:10%以上20%未満
×:20%以上
1…導電層
2…絶縁層
2a…外表面
3…基材層
4…弾性層
5…芯金
10…画像形成装置用チューブ
11…定着ベルト
12…加圧ベルト
13…定着ロール
14…加圧ロール
2…絶縁層
2a…外表面
3…基材層
4…弾性層
5…芯金
10…画像形成装置用チューブ
11…定着ベルト
12…加圧ベルト
13…定着ロール
14…加圧ロール
Claims (9)
- 少なくとも、導電層と、外表面を構成している絶縁層とを備える積層体からなる画像形成装置用チューブであって、
前記導電層は、カーボンブラックを10質量%以下含有するフッ素系樹脂組成物により形成されており、
前記絶縁層は、フッ素系樹脂組成物により形成されており、
前記絶縁層のマルテンス硬さが50N/mm2以下である、画像形成装置用チューブ。 - 前記絶縁層に含まれるフッ素系樹脂の融点が、260〜330℃である、請求項1に記載の画像形成装置用チューブ。
- 前記導電層の厚みが、5μm以上である、請求項1又は2に記載の画像形成装置用チューブ。
- 前記絶縁層の厚みが、30μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブ。
- JIS L1094の規定に準拠し、印加電圧−10kVの条件で測定される表面電位が1.0〜2.5kVであり、その減衰半減時間が4分以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブ。
- 少なくとも、基材層と、表面層とを備える積層体からなる定着ベルトであって、
前記表面層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、定着ベルト。 - 少なくとも、芯金と、前記芯金を被覆する弾性層と、前記弾性層の上に形成された表面層とを備える定着ロールであって、
前記表面層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、定着ロール。 - 少なくとも、基材層と、表面層とを備える積層体からなる加圧ベルトであって、
前記表面層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、加圧ベルト。 - 少なくとも、芯金と、前記芯金を被覆する弾性層と、前記弾性層の上に形成された表面層とを備える加圧ロールであって、
前記表面層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置用チューブにより構成されている、加圧ロール。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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