JP2020003644A - 調光シート、調光装置、および、調光シートの製造方法 - Google Patents

調光シート、調光装置、および、調光シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明電極層における電気的な信頼性を向上可能にした調光シート、調光装置、および、調光シートの製造方法を提供する。【解決手段】第1透明電極層を覆う積層シートに被剥離部25Aを区切る区画線51を備え、区画線51は、第2透明シート24Bに開口して第1透明電極層よりも第2透明シート24B側に位置する第1窪み51Aと、第1窪み51Aの底部に位置する第2窪み51Bと、を備え、第2窪み51Bは、区画線51の延在方向に並び、かつ、調光シートの厚み方向に沿う断面にて第1窪み51Aよりも小さい幅を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、一対の透明シートの間に調光層が位置する調光シート、調光シートを備える調光装置、および、調光シートの製造方法に関する。
調光シートは、エレクトロクロミック型や液晶型等に区分けされる。エレクトロクロミック型は、調光層に印加された電場の大きさに応じて可逆的に酸化還元反応を進めると共に、酸化還元反応の進行に伴って光の吸収率を変える(例えば、特許文献1を参照)。液晶型は、液晶分子に印加された電場の大きさに応じて、液晶分子の配向を可逆的に変える。液晶型の調光層は、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)層、カプセル型ネマティック液晶(NCAP:Nematic Curvilinear Aligned Phase)層、高分子ネットワーク型液晶(PNLC: Polymer Network Liquid Crystal)層に区分けされる。高分子分散型液晶層は、孤立した多数の空隙を高分子層のなかに備え、また、高分子層に分散した各空隙のなかに液晶組成物を保持する(例えば、特許文献2を参照)。カプセル型ネマティック液晶層は、カプセル状を有した液晶組成物を高分子層のなかに保持する(例えば、特許文献3を参照)。高分子ネットワーク型液晶層は、3次元の網目状を有した高分子ネットワークを備え、また、高分子ネットワークのなかの相互に連なる空隙のなかに、液晶組成物を保持する(例えば、特許文献4を参照)。
調光シートの駆動は、ノーマル型とリバース型とに区分けされる。ノーマル型では、非通電時の調光層が不透明であり、これに対して、通電時の調光層が透明である。ノーマル型の駆動は、光の遮蔽性を頻繁に必要とするスクリーン等への適用に好適である。リバース型では、非通電時の調光層が透明であり、これに対して、通電時の調光層が不透明である。リバース型の駆動は、透明による安全性を非常時に必要とする建材等への適用に好適である(例えば、特許文献5を参照)。
特開2016−157021号公報 米国特許第4688900号公報 米国特許第4435047号公報 特開2006−162823号公報 特開2000−321562号公報
上述した調光層は、第1透明シートに支持された第1透明電極層と、第2透明シートに支持された第2透明電極層との間に位置する。透明電極層間に駆動電圧を印加するための第1配線は、第1透明電極層が備えた第1被接続部に接続される。また、透明電極層間に駆動電圧を印加するための第2配線は、第2透明電極層が備えた第2被接続部に接続される。
調光シートが貼り付けられる対象は、自動車のウインドシールドや窓ガラスなどの透明体である。調光シートが透明体に貼り付けられる施工前、すなわち、第1配線が第1被接続部に接続される前では、第1被接続部は第1被接続部と対向する第2被剥離部によって覆われている。第2被剥離部は、調光層の一部や第2透明シートの一部を含む。また、第2配線が第2被接続部に接続される前では、第2被接続部は第2被接続部と対向する第1被剥離部によって覆われている。第1被剥離部は、調光層の一部や第1透明シートの一部を含む。
第1被剥離部や第2被剥離部は、調光シートが備える区画線で区切られている。そして、調光シートが透明体に貼り付けられる施工時、すなわち、各配線が被接続部に接続されるとき、各透明シートが区画線で切断されて、各被接続部が露出するように、各被剥離部が調光シートから剥がされる。
ここで、上記各区画線は、一方の透明電極層を電気的に切断する一方で、他方の透明電極層を電気的に切断しないことも求められる。しかし、透明シート、透明電極層、および、調光層の各々の厚さは1mmにも満たないため、上記区画線が両方の透明電極層を電気的に切断するおそれがある。
本発明は、透明電極層における電気的な信頼性を向上可能にした調光シート、調光装置、および、調光シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための調光シートは、第1透明シートと、外部に接続される被接続部を備えて前記第1透明シートに支持される第1透明電極層と、前記被接続部を覆う被剥離部を備えて前記第1透明電極層を覆う積層シートであって、第2透明シート、前記第2透明シートに支持される第2透明電極層、および、透明電極層間に位置して透明と不透明とに切り替わる調光層を備えた前記積層シートと、を備えた調光シートである。この調光シートは、前記被剥離部を区切る区画線を前記積層シートに備え、前記区画線は、前記第2透明シートに開口して前記第1透明電極層よりも前記第2透明シート側に位置する第1窪みと、前記第1窪みの底部に位置する第2窪みと、を備える。そして、前記第2窪みは、前記区画線の延在方向に並び、かつ、前記調光シートの厚み方向に沿う断面にて前記第1窪みよりも小さい幅を有する。
上記課題を解決するための調光シートの製造方法は、第1透明シートと、外部に接続される被接続部を備えて前記第1透明シートに支持される第1透明電極層と、前記被接続部を覆う被剥離部を備えて前記第1透明電極層を覆う積層シートであって、第2透明シート、前記第2透明シートに支持される第2透明電極層、および、透明電極層間に位置して透明と不透明とに切り替わる調光層を備えた前記積層シートと、を備えたシートを形成することと、前記被剥離部を区切る区画線を前記積層シートに形成することと、を含む調光シートの製造方法である。調光シートの製造方法において、前記被剥離部を形成することは、前記第2透明シートに開口して前記第1透明電極層よりも前記第2透明シート側に位置する第1窪みと、前記第1窪みの底部に位置する第2窪みと、を備える前記区画線を形成することを含む。そして、前記第2窪みが、前記区画線の延在方向に並び、かつ、前記調光シートの厚み方向に沿う断面にて前記第1窪みよりも小さい幅を有する。
上記構成によれば、第2窪みは、第2透明シートに開口した第1窪みの底部に位置して第1窪みよりも小さい幅を有し、かつ、区画線の延在方向に並ぶ。結果として、被剥離部を区画線に沿って除く際に、第1透明シートよりも第2透明シートが切断されやすく、それに伴い、第1透明電極層よりも第2透明電極層が電気的に切断されやすい。そのうえ、第1透明電極層が区画線で電気的に切断されてしまうことを、相互に隣り合う第2窪み間の構造で、さらに抑制できる。それゆえに、第2透明電極層を区画線で電気的に切断し、かつ、第1透明電極層を区画線で電気的に切断しないこと、ひいては、透明電極層における電気的な信頼性が向上可能である。
上記調光シートにおいて、前記第2窪みの底部は、前記第1透明シートに位置してもよい。第1透明シートは、第1透明電極層を支持する構造体であって、透明電極層や調光層よりも厚く構成することが容易である。上記調光シートによれば、厚く構成することが容易である第1透明シートに第2窪みの底部が位置するため、第2窪みの底部に関わる厚み方向での寸法の精度に裕度が得られる。
上記調光シートにおいて、前記第2窪みの底部は、前記第1透明電極層よりも前記第2透明シート側に位置してもよい。上記調光シートによれば、第1窪み、あるいは、第2窪みが第2透明電極層に位置する一方で、第1透明電極層には区画線が位置しない。それゆえに、第2透明電極層を区画線で電気的に切断することと、第1透明電極層の電気的な切断の抑制との両立が容易となる。
上記調光シートにおいて、前記第1窪みの底部は、前記第2透明シートから前記調光層までの範囲内に位置してもよい。上記調光シートによれば、第1窪みの底部に関わる厚み方向での寸法の精度に、より大きな裕度が得られる。
上記調光シートにおいて、前記第1窪みは、前記区画線の延在方向に連続する溝であり、単一の前記第1窪みの底部に複数の前記第2窪みが開口してもよい。上記調光シートによれば、区画線の延在方向に第1窪みが連続するため、第1窪みが位置する、あるいは、第1窪みの近傍に位置する第2透明電極層を区画線で電気的に切断することが容易となる。
上記課題を解決するための調光装置は、調光シートと、前記調光シートを駆動する駆動回路と、を備え、前記調光シートは、第1透明シートと、前記駆動回路に接続される被接続部を備えて前記第1透明シートに支持される第1透明電極層と、前記被接続部以外の前記第1透明電極層を覆う積層シートであって、第2透明シート、前記第2透明シートに支持される第2透明電極層、および、透明電極層間に位置して透明と不透明とに切り替わる調光層を備えた前記積層シートと、を備える。調光装置は、前記第2透明シートと対向する方向から見て前記被接続部を囲う線状に延在した端面を前記積層シートに備え、前記端面は、レーザによる加工痕を備える。
上記構成によれば、被接続部を囲う端面がレーザ加工によって形成可能となる。それゆえに、切断刃などを用いた機械的な加工によって端面を形成する構成と比べて、第2透明電極層の電気的な切断と、第1透明電極層の電気的な接続とを、被接続部の周囲で実現しやすい。結果として、透明電極層における電気的な信頼性が向上可能である。
本発明によれば、透明電極層における電気的な信頼性が向上可能である。
調光ユニットの一実施形態における構成を示す平面図。 図1のII−II線に沿った断面図。 図1のIII−III線に沿った断面図。 一実施形態における区画線を拡大して示す部分平面図。 一実施形態における区画線を拡大して示す部分断面図。 一実施形態における調光シートの製造方法を示す工程図。 一実施形態における調光シートの製造方法を示す工程図。 第1変更例の調光シートにおける区画線の形状を示す断面図。 第2変更例の調光シートにおける区画線の形状を示す断面図。 第3変更例の調光シートにおける区画線の形状を示す断面図。 第2,第3変更例の調光シートにおける第1窪みの形状を示す断面図。 第4変更例の調光シートにおける区画線の形状を示す断面図。 第5変更例の調光シートにおける区画線の形状を示す断面図。 第4,第5変更例の調光シートにおける第1窪みの形状を示す断面図。 第6変更例の調光シートにおける区画線の形状を示す平面図。 第6変更例の調光シートにおける第1窪みの形状を示す平面図。
図1〜図7を参照して、調光シート、調光装置、および、調光シートの製造方法の一実施形態を説明する。なお、調光装置が備える調光シートでは、被接続部を覆う被剥離部が取り除かれて、被接続部と駆動回路とが相互に接続されている。
図1が示すように、調光装置10は、調光シート20、第1接続部30A、第2接続部30B、および、駆動回路40を備える。調光シート20は、透明板200に貼着されている。調光シート20は、空間を、第1空間SA(図2参照)と第2空間SB(図2参照)とに区切る。
第1空間SAは、調光シート20よりも紙面奥側の空間である。第2接続部30Bは、第1空間SAと対向する。透明板200は、第1空間SAに位置する。第2空間SBは、調光シート20よりも紙面手前側の空間である。第1接続部30Aは、第2空間SBと対向する。
透明板200は、窓ガラス板、パーテーション、および、ガラス壁などの建材である。あるいは、透明板200は、自動車のウインドシールド、前照灯のケース、車幅灯のケース、および、尾灯のケースである。透明板200の形状は、平面板状、あるいは、曲面板状である。
調光シート20は、第2空間SBから見て、矩形状を有する。調光シート20は、第2空間SBから見て、調光領域ZM、第1被接続領域ZA、および、第2被接続領域ZBに区分される。図1が示す例において、各被接続領域ZA,ZBは、調光シート20が備える別々の角部である。各被接続領域ZA,ZBは、調光シート20の下辺に延在する矩形状を有して、調光シート20の下辺に沿って並ぶ。調光領域ZMは、被接続領域ZA,ZB間に、被接続間領域ZCを備える。
なお、調光領域ZMの位置、および、各被接続領域ZA,ZBの位置は、透明板200が有する形状、駆動回路40の位置、および、調光が求められる領域のサイズや形状に応じて、適宜設定される。
第1接続部30Aは、調光シート20の第1被接続領域ZAに接続されている。第2接続部30Bは、調光シート20の第2被接続領域ZBに接続されている。各接続部30A,30Bは、駆動回路40に接続されている。駆動回路40は、第1被接続領域ZAと第2被接続領域ZBとの間に駆動電圧を印加する。
図2が示すように、調光シート20は、調光層21、第1電極シート22A、および、第2電極シート22Bを備える。第1電極シート22Aは、第1透明電極層23Aと、第1透明電極層23Aを支持する第1透明シート24Aとを備える。第1透明シート24Aのなかで第1透明電極層23Aと接する面とは反対側の面は、接着層50を介して、透明板200に貼着されている。第2電極シート22Bは、第2透明電極層23Bと、第2透明電極層23Bを支持する第2透明シート24Bとを備える。
調光シート20の裏面は、透明板200に貼着されている。調光シート20の裏面は、第1空間SAに露出して、第1空間SAに位置する透明板200で覆われる。調光シート20の表面は、裏面とは反対側の面である。調光シート20の表面は、第2空間SBに露出している。
調光層21は、調光領域ZMにおいて、第1電極シート22Aと第2電極シート22Bとに挟まれている。積層シート25は、調光層21、および、第2電極シート22Bを備えて、調光領域ZMに位置する。調光領域ZMは、被接続間領域ZC、および、被接続間領域ZC以外の領域を備える。調光領域ZMのなかで、被接続間領域ZCが有する層構成と、被接続間領域ZC以外が有する層構成とは、相互に一致している。
調光層21は、液晶組成物を含む。調光層21は、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、あるいは、カプセル型ネマティック液晶(NCAP:Nematic Curvilinear Aligned Phase)を備える。調光層21の厚みは、例えば、5μm以上、20μm以下である。調光層21の厚みが5μm以上であれば、調光シートでの不透明性を確保しやすい。調光層21の厚みが20μm以下であれば、調光層21における厚みの均一性が得られやすい。
各透明電極層23A,23Bは、導電性を有した透明な層である。各透明電極層23A,23Bを構成する材料は、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、あるいは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含むポリマーである。各透明電極層23A,23Bの厚さは、例えば、0.1μm以上、10μm以下である。各透明電極層23A,23Bの厚さが0.1μm以上であれば、各透明電極層23A,23Bに起因した内部抵抗の増大が抑制される。各透明電極層23A,23Bの厚さが10μm以下であれば、調光シートでの透明性が確保されやすい。
各透明シート24A,24Bは、無色の透明なシート、あるいは、有色の透明なシートである。各透明シート24A,24Bを構成する材料は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリサルホン、シクロオレフィンポリマー、あるいは、トリアセチルセルロースである。各透明シート24A,24Bの厚さは、例えば、50μm以上200μm以下である。各透明シート24A,24Bの厚さが50μm以上であれば、調光シートをロールツーロールで製造する際に、各透明シート24A,24Bにシワなどが発生することが抑制される。各透明シート24A,24Bの厚さが200μm以下であれば、調光シートでの透明性が確保されやすい。
接着層50は、無色の透明な層、あるいは、有色の透明な層である。接着層50は、対象の接着に際して固化を要する接着剤から構成される。あるいは、接着層50は、対象の接着に際して固化を要しない粘着剤から構成される。
調光シート20において、各透明電極層23A,23Bに駆動電圧が印加されていない状態は、調光層21の非駆動状態である。調光シート20において、第1透明電極層23Aと第2透明電極層23Bとの間に駆動電圧が印加されている状態は、調光層21の駆動状態である。
ノーマル型の調光シート20は、非駆動状態において、各液晶分子の長軸方向を不規則的に並べて、調光シート20に入射した光を散乱する。ノーマル型の調光シート20は、駆動状態において、各液晶分子の長軸方向を規則的に並べて、調光シート20に入射した光を透過する。ノーマル型の調光シート20における調光領域ZMは、非駆動状態で不透明である一方で、駆動状態で透明である。
リバース型の調光シート20は、非駆動状態において、調光シート20に入射した光を透過するように、各液晶分子の長軸方向を並べる。リバース型の調光シート20における調光領域ZMは、駆動状態において、調光シート20に入射した光を遮断するように、各液晶分子の長軸方向を並べる。リバース型の調光シート20における調光領域ZMは、非駆動状態で透明である一方で、駆動状態で不透明である。
第1電極シート22Aは、調光領域ZMから第1被接続領域ZAまで連続している。第1電極シート22Aは、第1被接続領域ZAにおいて、調光層21と第2電極シート22Bとからはみ出して、第2空間SBに露出している。第1透明電極層23Aは、第1被接続領域ZAに、表面23S1を備える。表面23S1は、被接続部の一例であり、第2空間SBに露出している。第1被接続領域ZAは、調光シート20のなかで、調光層21と第2電極シート22Bとを取り除かれた領域、すなわち、被剥離部が取り除かれて露出した領域である。
調光領域ZMの端面は、調光シート20の面方向に窪む一つの段差面MAを備える。段差面MAは、第1被接続領域ZAと調光領域ZMとの境界であって、調光シート20の角部において第1被接続領域ZAを囲う。段差面MAは、調光層21、第2透明電極層23B、および、第2透明シート24Bの各端面から構成される。段差面MAは、レーザによる加工痕を備える。レーザによる加工痕は、調光層21、第2透明電極層23B、および、第2透明シート24Bを構成する材料が溶融されて相互に混ざり合った部分である。レーザによる加工痕は、調光シート20のなかで、加工痕以外の他の部分と比べて低い透過率を有する。
第1接続部30Aは、第2空間SBに位置して、第1透明電極層23Aの表面23S1に接続されている。第1接続部30Aは、第2空間SBに露出した表面23S1の一部、あるいは、全部を覆う。第1接続部30Aは、第1導電性接着層31Aと、第1導電テープ32Aと、第1はんだ部33Aと、第1リード線34Aとを備える。
第1導電性接着層31Aは、第1透明電極層23Aの表面23S1に接着されている。第1導電テープ32Aは、第1導電性接着層31Aにおいて表面23S1に接着された面とは反対側の面に接着されている。第1はんだ部33Aは、第1導電テープ32Aにおいて第1導電性接着層31Aに接着された面とは反対側の面に位置する。第1はんだ部33Aは、第1導電テープ32A、および、第1リード線34Aと接合している。第1導電テープ32Aと第1リード線34Aとは、第1はんだ部33Aによって電気的に接続されている。
第1導電性接着層31Aを形成する材料は、銀ペーストなどの導電ペーストである。第1導電性接着層31Aは、導電ペーストが硬化された層である。第1導電テープ32Aは、金属などの導電材料を含むテープであって、例えば、銅テープである。第1はんだ部33Aは、はんだとして用いられる公知の合金材料から構成される。第1リード線34Aは、被覆された銅線である。
第1リード線34Aは、駆動回路40に接続されている。第1リード線34A、第1はんだ部33A、第1導電テープ32A、および、第1導電性接着層31Aは、第1透明電極層23Aと駆動回路40とを電気的に接続する。駆動回路40は、外部電源から受ける電圧を駆動電圧に変換して、第1接続部30Aを通じて第1透明電極層23Aに駆動電圧を印加する。
図3が示すように、第2電極シート22Bは、調光領域ZMから第2被接続領域ZBまで連続している。第2電極シート22Bは、第2被接続領域ZBにおいて、調光層21と第1電極シート22Aとからはみ出して、第1空間SAに露出している。第2透明電極層23Bは、第2被接続領域ZBに、表面23S2を備える。表面23S2は、被接続部の一例であり、第1空間SAに露出している。第2被接続領域ZBは、調光シート20のなかで、調光層21と第1電極シート22Aを取り除かれた領域、すなわち、被剥離部が取り除かれて露出した領域である。
調光領域ZMの端面は、調光シート20の面方向に窪む一つの段差面MBを備える。段差面MBは、第2被接続領域ZBと調光領域ZMとの境界であって、調光シート20の角部において第2被接続領域ZBを囲う。段差面MBは、調光層21、第1透明電極層23A、および、第1透明シート24Aの各端面から構成される。段差面MBは、レーザによる加工痕を備える。レーザによる加工痕は、調光層21、第1透明電極層23A、および、第1透明シート24Aを構成する材料が溶融されて相互に混じりあった部分である。レーザによる加工痕は、上述したように、調光シート20のなかで、加工痕以外の他の部分と比べて低い透過率を有する。
第2接続部30Bは、第1空間SAに位置して、第2透明電極層23Bの表面23S2に接続されている。第2接続部30Bは、第2空間SBに露出した表面23S2の一部、あるいは、全部を覆う。第2接続部30Bは、第2導電性接着層31Bと、第2導電テープ32Bと、第2はんだ部33Bと、第2リード線34Bとを備える。
第2導電性接着層31Bは、第2透明電極層23Bの表面23S2に接着されている。第2導電テープ32Bは、第2導電性接着層31Bにおいて表面23S2に接着された面とは反対側の面に接着されている。第2はんだ部33Bは、第2導電テープ32Bにおいて第2導電性接着層31Bに接着された面とは反対側の面に位置する。第2はんだ部33Bは、第2導電テープ32B、および、第2リード線34Bと接合している。第2導電テープ32Bと第2リード線34Bとは、第2はんだ部33Bによって電気的に接続されている。
第2導電性接着層31Bを形成する材料は、第1導電性接着層31Aを形成する材料と同じである。第2導電テープ32Bは、第1導電テープ32Aと同じく、銅テープである。第2はんだ部33Bは、第1はんだ部33Aと同じく、はんだとして用いられる公知の合金材料から構成される。第2リード線34Bは、第1リード線34Aと同じく、被覆された銅線である。
第2リード線34Bは、駆動回路40に接続されている。第2リード線34B、第2はんだ部33B、第2導電テープ32B、および、第2導電性接着層31Bは、第2透明電極層23Bと駆動回路40とを電気的に接続する。駆動回路40は、第2接続部30Bを通じて第2透明電極層23Bに駆動電圧を印加する。
[被接続領域]
次に、被剥離部が取り除かれる前の調光シート20について以下に説明する。なお、第2被接続領域ZBを覆う被剥離部は、第1被接続領域ZAを覆う被剥離部と同様の構成を備えて、同様の方法によって取り除かれる。そのため、以下では、第1被接続領域ZAが露出する前の調光シート20の構成について説明し、第2被接続領域ZBが露出する前の構成に関しては、重複した説明を割愛する。
図4が示すように、調光シート20は、第1被接続領域ZAと調光領域ZMとを区切る区画線51を備える。区画線51は、第1被接続領域ZAを縁取る折れ線状を有する。区画線51は、第2透明シート24Bに開口した第1窪み51Aと、第1窪み51Aの底部に位置する複数の第2窪み51Bとを備える。
第1窪み51Aは、区画線51の延在方向に連続した溝である。各第2窪み51Bは、単一の第1窪み51Aの底部に位置して、区画線51の延在方向に並ぶ。第2窪み51Bは、第2透明シート24Bと対向する方向から見て、区画線51の延在方向に延びる破線状を有する。
第1被接続領域ZAは、区画線51で区切られている。第1被接続領域ZAに位置する第1透明電極層23Aは、被剥離部25Aによって覆われている。被剥離部25Aは、積層シート25のなかで第1被接続領域ZAに位置する部分である。
図5が示すように、調光シート20の厚み方向に沿う断面にて、第1窪み51Aの底部は第2透明電極層23Bに位置する。第2窪み51Bの底部は、調光層21に位置する。調光シート20の厚み方向に沿う断面にて、第2窪み51Bは、第1窪み51Aよりも小さい幅を有する。そして、区画線51に沿って積層シート25が切断されると共に、調光層21の拭き取りなどを含めて調光シート20から被剥離部25Aが取り除かれると、第1被接続領域ZAにおいて、第1透明電極層23Aが露出する。
この際、各第2窪み51Bは、第1窪み51Aの底部に位置して、かつ、第1窪み51Aよりも小さい幅を有し、そして、区画線51の延在方向に並ぶ。結果として、被剥離部25Aを区画線51に沿って除く際に、第1透明シート24Aよりも第2透明シート24Bが切断されやすく、それに伴い、第1透明電極層23Aよりも第2透明電極層23Bが電気的に切断されやすい。
そのうえ、被剥離部25Aを区画線51に沿って除く際に、第1透明電極層23Aが区画線51で電気的に切断されてしまうことを、相互に隣り合う第2窪み51B間の構造で、さらに抑制できる。なお、相互に隣り合う第2窪み51B間の構造は、第2透明電極層23Bの一部、調光層21、および、第1電極シート22Aとから構成される。それゆえに、第2透明電極層23Bを区画線51で電気的に切断し、かつ、第1透明電極層23Aを区画線51で電気的に切断しないことが可能である。すなわち、一方の透明電極層を区画線で電気的に切断し、かつ、他方の透明電極層を区画線で電気的に切断しないこと、ひいては、各透明電極層23A,23Bにおける電気的な信頼性が向上可能である。
[調光シートの製造方法]
図6および図7を参照して、被剥離部を備えた調光シート20の製造方法を説明する。調光シートの製造方法は、第1透明シート24Aと、第1透明シート24Aに支持される第1透明電極層23Aと、第1透明電極層23Aを覆う積層シート25と、を備えた前駆シートを形成する工程を含む。また、調光シートの製造方法は、被剥離部25Aを区切る区画線51を前駆シートが備える積層シート25に形成する工程を含む。
前駆シートを形成する工程では、調光層21を形成するための材料が、第1透明電極層23Aと第2透明電極層23Bとに挟まれて、調光層21を形成するための光照射などが行われる。例えば、高分子ネットワークを形成するためのモノマーと液晶組成物とが、第1透明電極層23Aと第2透明電極層23Bとに挟まれて、透明シートに向けた紫外線の照射によって、第1透明電極層23Aと第2透明電極層23Bとの間に、高分子ネットワークが形成される。
図6が示すように、区画線51を形成する工程では、まず、第2透明シート24Bに開口する第1窪み51Aが形成される。第1窪み51Aの形成は、前駆シートの左角部で第1被接続領域ZAを区切るように、第2透明シート24Bに向けて、レーザが照射される。レーザの発振形式は、パルス発振形式、あるいは、連続発振形式である。レーザの発振周波数は、第2透明シート24Bと第2透明電極層23Bとが吸収する周波数帯に位置する。第1窪み51Aがパルス発振形式のレーザで形成されるとき、第1窪み51Aは、区画線51の延在方向に多数の円形孔が並び、かつ、隣り合う円形孔が相互に連通した形状を有する。第1窪み51Aが連続発振形式のレーザで形成されるとき、第1窪み51Aは、区画線51の延在方向に連続する溝状を有する。
図7が示すように、第1窪み51Aの底部は、第2透明電極層23Bに位置する。第1窪み51Aの内面は、レーザによる加工痕である。レーザによる加工痕は、第2透明シート24Bを溶融した痕であり、また、第2透明シート24Bを構成する材料と、第2透明電極層23Bを構成する材料とが相互に混ざり合った部分を含む。
区画線51を形成する工程では、次いで、第1窪み51Aの底部に開口する複数の第2窪み51Bが形成される。第2窪み51Bの形成は、第1窪み51Aの底部に向けてレーザが照射される。レーザの発振形式は、パルス発振形式、あるいは、連続発振形式である。レーザの発振周波数は、第2透明電極層23Bと調光層21とが吸収する周波数帯に位置する。
第2窪み51Bを形成するためのレーザは、第1窪み51Aを形成するためのレーザよりも、スポットサイズを絞られており、それによって、第2窪み51Bの幅は、第1窪み51Aの幅よりも小さく加工される。第2窪み51Bがパルス発振形式のレーザで形成されるとき、第2窪み51Bは、第1窪み51Aの延在方向に多数の円形孔が並び、かつ、隣り合う円形孔が相互に連通した形状、あるいは、第1窪み51Aお延在方向に間隔を空けて並ぶ複数の円形孔状を有する。第2窪み51Bが連続発振形式のレーザで形成されるとき、第2窪み51Bは、第1窪み51Aの延在方向に連続する溝状を有する。
各第2窪み51Bの内面は、レーザによる加工痕である。レーザによる加工痕は、第2透明電極層23Bや調光層21を溶融した痕であり、また、第2透明電極層23Bを構成ずる材料と、調光層21を構成する材料とが相互に混ざり合った部分を含む。そして、第1窪み51Aと第2窪み51Bとの加工によって、第2被接続領域ZBを覆う被剥離部25Aが形成される。
以上、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)第2窪み51Bは、第2透明シート24Bに開口した第1窪み51Aの底部に位置して第1窪み51Aよりも小さい幅を有する。結果として、被剥離部25Aを区画線51に沿って除く際に、第1透明シート24Aよりも第2透明シート24Bが切断されやすく、それに伴い、第1透明電極層23Aよりも第2透明電極層23Bが電気的に切断されやすい。
それゆえに、第1被接続領域ZAの形成に際して、第2透明電極層23Bを区画線51で電気的に切断し、かつ、第1透明電極層23Aを区画線51で電気的に切断しないことが可能である。すなわち、各被接続領域ZA,ZBの形成に際して、一方の透明電極層を区画線で電気的に切断し、かつ、他方の透明電極層を区画線で電気的に切断しないこと、ひいては、各透明電極層における電気的な信頼性が向上可能である。
(2)第2窪み51Bは、第2透明シート24Bに開口した第1窪み51Aの底部に位置して区画線51の延在方向に並ぶ。結果として、第1透明電極層23Aが区画線51で電気的に切断されてしまうことを、相互に隣り合う第2窪み51B間の構造、すなわち、調光層21や第1透明電極層23Aで、さらに抑制できる。それゆえに、上記(1)に準じた効果と相まって、他方の透明電極層における電気的な接続の信頼性がさらに向上可能である。
(3)第2窪み51Bの底部が、第1透明電極層23Aよりも第2透明シート24B側に位置するため、第2窪み51Bが第2透明電極層23Bに位置する一方で、第1透明電極層23Aには区画線51が位置しない。それゆえに、第2透明電極層23Bを区画線51で電気的に切断することと、第1透明電極層23Aの電気的な切断の抑制との両立が容易となる。
(4)各被接続領域ZA,ZBを囲う段差面MAが、レーザを照射する加工によって形成可能となる。レーザを照射する加工によって端面を形成する方法は、切断刃などを用いた機械的な加工によって端面を形成する方法と比べて、調光シートにおける厚み方向での寸法の精度を向上可能である。それゆえに、第2透明電極層23Bの電気的な切断と、第1透明電極層23Aの電気的な接続とを、各被接続領域ZA,ZBの周囲で実現しやすい。結果として、各透明電極層23A,23Bにおける電気的な信頼性が向上可能である。
(5)第1窪み51Aが区画線51の延在方向に連続する溝であるため、上記(1),(2)に準じた効果がさらに顕著なものとなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。
[第1変更例]
・第1透明シート24Aを所定量だけ厚くする構成では、第1透明電極層23Aを所定量だけ厚くするよりも、また、調光層21を所定量だけ厚くするよりも、調光シートの透過率が低下することを抑えやすい。また、第1透明シート24Aを所定量だけ厚くすることは、第1透明電極層23Aを支持するという本来の機能を第1透明シート24Aで高めることが可能である。そこで、図8が示すように、第2窪み51Bの底部は、調光層21に限らず、第1透明シート24Aに配置可能である。
上述したように、第1透明シート24Aは、第1透明電極層23Aや調光層21よりも厚くすることが容易であるから、第2窪み51Bの底部が第1透明シート24Aに位置する構成であれば、各層のなかで相対的に厚い層に第2窪み51Bの底部を配置可能である。結果として、第2窪み51Bの底部に関わる厚み方向での寸法の精度に裕度が得られる。なお、上記構成においても、第2窪み51Bは、第1窪み51Aよりも小さい幅を有し、かつ、区画線51の延在方向に間欠的に並ぶ。そのため、上記(1)に準じた効果は得られる。
・第2窪み51Bの底部は、調光層21に限らず、第1透明電極層23Aに配置可能である。第2窪み51Bが第1透明電極層23Aに位置する構成であっても、第2窪み51Bは、第1窪み51Aよりも小さい幅を有し、かつ、区画線51の延在方向に間欠的に並ぶため、上記(1)に準じた効果は得られる。
[第2変更例]
・図9が示すように、第1窪み51Aの底部は、第2透明電極層23Bに限らず、第2透明シート24Bに配置可能である。第2透明シート24Bを所定量だけ厚くする構成では、第2透明電極層23Bを所定量だけ厚くするよりも、調光シートの透過率が低下することを抑えやすい。また、第2透明シート24Bを所定量だけ厚くすることは、第2透明電極層23Bを支持するという本来の機能を第2透明シート24Bで高めることが可能である。そのため、第2透明シート24Bは、第2透明電極層23Bよりも厚くすることが容易である。
そこで、第1窪み51Aの底部が第2透明シート24Bに位置する構成であれば、各層のなかで相対的に厚い層に第1窪み51Aの底部が配置可能であるから、第1窪み51Aの底部に関わる厚み方向での寸法の精度に裕度が得られる。
[第3変更例]
・図10が示すように、区画線51では、第1窪み51Aの底部が第2透明シート24Bに位置し、かつ、第2窪み51Bの底部が第1透明シート24Aに位置することも可能である。この区画線51によれば、第1窪み51Aの底部、および、第2窪み51Bの底部の両方に関して、厚み方向での寸法の精度に裕度が得られる。
なお、上記第1窪み51Aを備えた各区画線51の形成では、図11が示すように、まず、第2透明シート24Bに開口して第2透明シート24Bに底部を有した第1窪み51Aが形成される。次いで、第2窪み51Bを形成するためのレーザが、第1窪み51Aの底部に照射されて、第1窪み51Aの底部である第2透明シート24Bから、第2窪み51Bが形成される。
[第4変更例]
・図12が示すように、第1窪み51Aの底部は、第2透明電極層23Bに限らず、調光層21に配置可能である。第1窪み51Aの底部が調光層21に位置する構成であれば、連続する溝によって第2透明電極層23Bが切断されるため、第2透明電極層23Bを区画線51で電気的に切断することが、さらに容易となる。ひいては、各被接続領域ZA,ZBの形成に際して、一方の透明電極層における電気的な切断の信頼性を向上可能である。
[第5変更例]
・図13が示すように、区画線51では、第1窪み51Aの底部が調光層21に位置し、かつ、第2窪み51Bの底部が第1透明シート24Aに位置することも可能である。第4変更例、および、第5変更例のように、第1窪み51Aの底部が調光層21に位置する構成であっても、第2窪み51Bは、第1窪み51Aよりも小さい幅を有し、かつ、区画線51の延在方向に間欠的に並ぶため、上記(1)に準じた効果は得られる。
なお、上記第1窪み51Aを備えた各区画線51の形成では、図14が示すように、まず、第2透明シート24Bに開口して調光層21に底部を有した第1窪み51Aが形成される。すなわち、第1窪み51Aによって第2透明電極層23Bが切断される。次いで、第2窪み51Bを形成するためのレーザが、第1窪み51Aの底部に照射されて、第1窪み51Aの底部である調光層21から、第2窪み51Bが形成される。
・上記実施形態、および、第1変更例から第5変更例までが適宜組み合わされて、第1窪み51Aの底部は、1枚の調光シートのなかで、第2透明シート24Bから調光層21までの範囲内に位置してもよい。こうした調光シートによれば、第1窪み51Aの底部に関わる厚み方向での寸法の精度に、より大きな裕度が得られる。
[第6変更例]
図15が示すように、区画線51は、第2透明シート24Bと対向する方向から見て、破線状に変更可能である。すなわち、区画線51を構成する第1窪み51Aは、区画線51の延在方向に並ぶ複数の溝から構成されて、第1窪み51Aを構成する各溝に、単一の第2窪み51Bが配置可能である。破線状の区画線51を備えた調光シートにおいても、上記(1)から(4)に準じた効果を得ることは可能である。
なお、上記破線状の第1窪み51Aを備えた区画線51の形成では、図16が示すように、まず、第2透明シート24Bに開口した破線状の第1窪み51Aが形成される。次いで、第2窪み51Bを形成するためのレーザが、第1窪み51Aを構成する各溝の底部に照射されて、各溝の底部から第2窪み51Bが形成される。
[区画線51]
・区画線51が有する平面形状は、第2透明シート24Bと対向する方向から見て、波線状、矩形波、あるいは、曲線状に変更可能である。区画線51が有する平面形状は、区画線51が区切る領域の形状や大きさに合わせて適宜変更可能である。
・区画線51を形成する方法は、レーザの照射に限らず、機械的な穴あけ加工に変更可能である。なお、レーザの照射による加工であれば、上記(4)に記載のように、調光シートの厚み方向での加工の位置精度が向上可能であるから、各透明電極層23A,23Bにおける電気的な信頼性がさらに向上可能である。また、レーザが照射される位置が変更されることによって、第1窪み51Aが有する底部の位置、第2窪み51Bが有する底部の位置、および、区画線51が有する平面形状などを細かに変更することが可能である。それゆえに、区画線51が有する位置や区画線51が有する形状の範囲を、機械的な穴あけ加工と比べて、拡張することが容易である。
なお、区画線51をレーザによって加工する方法、すなわち、被接続領域ZA,ZBを区分けする端面がレーザによる加工痕を備えた構成であれば、区画線51が第1窪み51Aのみを備えて、区画線51から第2窪み51Bが省略された構成であっても、機械的な穴あけ加工と比べて、厚み方向での加工の精度は向上される。言い換えれば、被接続領域ZA,ZBを区分けする端面がレーザによる加工痕を備えた構成であれば、区画線51は、区画線51の延在方向に連続する溝に具体化することも可能である。これによれば、一方の透明電極層を区画線で電気的に切断し、かつ、他方の透明電極層を区画線で電気的に切断しないこと、ひいては、透明電極層における電気的な信頼性は向上可能である。
[機能層]
・調光シートは、調光層、透明電極層、および、透明シート以外に、下記第1機能層、第2機能層、第3機能層、第4機能層、および、第5機能層の少なくとも一つを備えることが可能である。
第1機能層は、調光層を保護する機能を備える。第2機能層は、ハードコート層、紫外線吸収層、および、バリア層である。ハードコート層は、機械的な作用力から調光層を保護する。紫外線吸収層は、紫外線の照射による化学的な変性から調光層を保護する。バリア層は、調光層以外の他の層から拡散する成分や大気中の水分と、調光層との接触による化学的な変性から調光層を保護する。第1機能層は、調光層と透明シートとの間、または、透明シートよりも透明電極層とは反対側に位置する。
第2機能層は、透明電極層を保護する機能を備える。第2機能層は、ハードコート層、および、バリア層である。ハードコート層は、機械的な作用力から透明電極層を保護する。バリア層は、調光層以外の他の層から拡散する成分や大気中の水分と、透明電極層との接触による化学的な変性から透明電極層を保護する。第2機能層は、透明電極層よりも調光層側、または、透明電極層よりも透明シート側に位置する。
第3機能層は、駆動方式の変更に要する機能を備える。第3機能層は、一対の配向層である。一対の配向層は、駆動信号の非印加時における調光層が透明であり、かつ、駆動信号の印加時における調光層が不透明であるように、液晶分子を配向させる。各配向層は、調光層と透明電極層との間に位置する。
第4機能層は、層間の密着性を高める機能を備える。第4機能層は、接着層である。接着層は、接着層を挟む2層を接着する。接着層は、接着層以外の他の機能層と透明シートとの間、接着層以外の他の機能層と透明電極層との間、あるいは、接着層以外の他の機能層と調光層との間に位置する。
第5機能層は、視認性を高める機能を備える。第5機能層は、反射防止層である。反射防止層は、調光シートに入射する光が調光シートで反射することを抑制する。反射防止層は、透明シートよりも透明電極層側、あるいは、透明シートよりも透明電極層とは反対側に位置する。
10…調光装置、20…調光シート、21…調光層、23A…第1透明電極層、23B…第2透明電極層、24A…第1透明シート、24B…第2透明シート、25…積層シート、25A…被剥離部、33A,33B…はんだ部、40…駆動回路、51…区画線、51A…第1窪み、51B…第2窪み。

Claims (9)

  1. 第1透明シートと、
    外部に接続される被接続部を備えて前記第1透明シートに支持される第1透明電極層と、
    前記被接続部を覆う被剥離部を備えて前記第1透明電極層を覆う積層シートであって、第2透明シート、前記第2透明シートに支持される第2透明電極層、および、透明電極層間に位置して透明と不透明とに切り替わる調光層を備えた前記積層シートと、
    を備えた調光シートであって、
    前記被剥離部を区切る区画線を前記積層シートに備え、
    前記区画線は、前記第2透明シートに開口して前記第1透明電極層よりも前記第2透明シート側に位置する第1窪みと、前記第1窪みの底部に位置する第2窪みと、を備え、
    前記第2窪みは、前記区画線の延在方向に並び、かつ、前記調光シートの厚み方向に沿う断面にて前記第1窪みよりも小さい幅を有する
    調光シート。
  2. 前記第2窪みの底部は、前記第1透明シートに位置する
    請求項1に記載の調光シート。
  3. 前記第2窪みの底部は、前記第1透明電極層よりも前記第2透明シート側に位置する
    請求項1に記載の調光シート。
  4. 前記第1窪みの底部は、前記第2透明シートから前記調光層までの範囲内に位置する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の調光シート。
  5. 前記第1窪みは、前記区画線の延在方向に連続する溝であり、単一の前記第1窪みの底部に複数の前記第2窪みが開口する
    請求項1から4のいずれか一項に記載の調光シート。
  6. 調光シートと、
    前記調光シートを駆動する駆動回路と、を備え、
    前記調光シートは、
    第1透明シートと、
    前記駆動回路に接続される被接続部を備えて前記第1透明シートに支持される第1透明電極層と、
    前記被接続部以外の前記第1透明電極層を覆う積層シートであって、第2透明シート、前記第2透明シートに支持される第2透明電極層、および、透明電極層間に位置して透明と不透明とに切り替わる調光層を備えた前記積層シートと、を備え、
    前記第2透明シートと対向する方向から見て前記被接続部を囲う線状に延在した端面を前記積層シートに備え、
    前記端面は、レーザによる加工痕を備える
    調光装置。
  7. 第1透明シートと、外部に接続される被接続部を備えて前記第1透明シートに支持される第1透明電極層と、前記被接続部を覆う被剥離部を備えて前記第1透明電極層を覆う積層シートであって、第2透明シート、前記第2透明シートに支持される第2透明電極層、および、透明電極層間に位置して透明と不透明とに切り替わる調光層を備えた前記積層シートと、を備えたシートを形成することと、
    前記被剥離部を区切る区画線を前記積層シートに形成することと、を含む、
    調光シートの製造方法であって、
    前記被剥離部を形成することは、前記第2透明シートに開口して前記第1透明電極層よりも前記第2透明シート側に位置する第1窪みと、前記第1窪みの底部に位置する第2窪みと、を備える前記区画線を形成することを含み、前記第2窪みが、前記区画線の延在方向に並び、かつ、前記調光シートの厚み方向に沿う断面にて前記第1窪みよりも小さい幅を有する
    調光シートの製造方法。
  8. 前記区画線を形成することは、前記第1透明シートにレーザを照射して前記第1窪みを形成し、前記第1窪みの底部にレーザを照射して前記第2窪みを形成することを含む
    請求項7に記載の調光シートの製造方法。
  9. 前記区画線を形成することは、前記区画線の延在方向に連続する溝として前記第1窪みを形成して、単一の前記第1窪みの底部に複数の前記第2窪みを形成することを含む
    請求項8に記載の調光シートの製造方法。
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