JP7206633B2 - 調光ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、調光シートと、調光シートを駆動回路に接続するための接続部とを備える調光ユニットに関する。
調光シートは、液晶組成物を含む調光層と、調光層を挟む一対の透明電極層とを備える。一対の透明電極層に印加される駆動電圧は、液晶分子の配向を変えて、調光シートの光透過率を変える(例えば、特許文献1参照)。調光ユニットは、調光シートと、透明電極層を駆動回路に接続するための接続部とを備える。調光シートは、空間を、第1空間と第2空間とに区切る。
例えば、図19が示すように、調光ユニット100は、窓ガラスなどの透明板200に取り付けられる。調光シート110は、空間を、第1空間S1(図20参照)と第2空間S2(図20参照)とに区切る。第1空間S1は、透明板200が位置する空間であって、調光シート110に対する紙面奥側の空間である。第2空間S2は、第1接続部160A、および、第2接続部160Bが位置する空間であって、調光シート110に対する紙面手前側の空間である。調光シート110は、第1電極シート130Aと、第2電極シート130Bとを備える。第1接続部160Aは、第1電極シート130Aに接続される。第2接続部160Bは、第2電極シート130Bに接続される。
図20、および、図21は、調光ユニット100の断面構造を示す。なお、図20、および、図21では、各空間S1,S2に位置する部材を説明する便宜上から、第1空間S1に位置する透明板200、および、第2空間S2に位置する接続部について、ハッチングを割愛して示す。
図20が示すように、第1電極シート130Aは、第1透明電極層140Aと、第1透明電極層140Aを支持する第1支持層150Aとを備える。第1透明電極層140Aは、調光層120の第1面と対向する。第1支持層150Aは、接着層210を介して透明板200に貼り付けられている。第1透明電極層140Aは、第2空間S2に向けて露出した被接続領域140SAを備える。第1接続部160Aは、第2空間S2に位置して、被接続領域140SAに接続されている。
図21が示すように、第2電極シート130Bは、第2透明電極層140Bと、第2透明電極層140Bを支持する第2支持層150Bとを備える。第2透明電極層140Bは、調光層120の第2面と対向する。第2透明電極層140Bは、第1空間S1に向けて露出した被接続領域140SBを備える。第2接続部160Bは、第1空間S1に位置して、被接続領域140SBに接続されている。
第1接続部160Aは、第1透明電極層140Aに接着された導電性接着層161と、導電性接着層161に接着された導電テープ162とを備える。第2接続部160Bもまた、第2透明電極層140Bに接着された導電性接着層161と、導電性接着層161に接着された導電テープ162とを備える。導電性接着層161は、例えば、銀ペーストなどの導電ペーストから形成される。導電テープ162は、例えば、銅テープである。各接続部160A,160Bは、はんだ部163と、はんだ部163によって導電テープ162に接続されたリード線164とを備える。リード線164は、駆動回路に接続される。
特開2006-162823号公報
一方で、上述した各接続部160A,160Bは、別々の空間S1,S2に位置して、別々のリード線に接続されている。そして、単一の調光シート110に接続された各リード線は、調光シート110で区分けされた各空間S1,S2から別々に引き出されている。結果として、上述した調光ユニット100は、調光ユニット100における配線ルートの複雑化を招いている。
本発明は、配線ルートを簡素化可能にした調光ユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための調光ユニットは、空間を、第1空間と第2空間とに区切る調光シートであって、前記第1空間に近い順に、第1透明電極層を有した第1電極シートと、液晶組成物を含む調光層と、第2透明電極層を有した第2電極シートとを備え、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に前記調光層が位置する前記調光シートと、前記第2空間に位置して前記第1透明電極層と配線とを接続するための第1接続部と、前記第2空間に位置して前記第2透明電極層と配線とを接続するための第2接続部と、を備える。
上記構成によれば、第2空間に位置する第1接続部を通じて第1透明電極層と配線とが接続される。そして、第2空間に位置する第2接続部を通じて第2透明電極層と配線とが接続される。結果として、単一の調光シートに接続された各配線は、単一の第2空間から引き出される。そのため、上述した調光ユニットによれば、調光ユニットにおける配線ルートが簡素化可能である。
上記調光ユニットにおいて、前記調光シートは、前記第2空間から見て、第1被接続領域、調光領域、および、第2被接続領域が区分される。前記第1透明電極層は、前記第1被接続領域で前記第2空間に露出して前記第1接続部に接続される。前記第2電極シートは、第2支持層と、前記第2支持層に対する前記第1空間側に位置する前記第2透明電極層と、前記第2支持層に対する前記第1空間側で前記第2透明電極層と電気的に接続された導電層を含む折返し部と、を備える。そして、前記導電層は、前記第2支持層に対する前記第1空間側から前記第2支持層に対する前記第2空間側まで折り返されて、前記第2被接続領域で前記第2空間に露出して前記第2接続部に接続されてもよい。
上記構成によれば、第1透明電極層の一部は、第1被接続領域で第2空間に露出して、第1接続部を通じて配線に接続される。第2透明電極層と電気的に接続された導電層は、第2被接続領域で第2空間に露出して、第2接続部を通じて配線に接続される。結果として、単一の調光シートに接続された各配線は、単一の第2空間から引き出される。そのため、上述した調光ユニットによれば、調光ユニットにおける配線ルートが簡素化可能である。
上記調光ユニットにおいて、前記導電層は、前記第2透明電極層と別体の導電テープを含み、前記第2支持層の端面を覆って、前記第2支持層に対する前記第1空間側から前記第2支持層に対する前記第2空間側に折り返されてもよい。この構成によれば、第2透明電極層とは別体である導電テープが折返し部の導電層として機能するため、折返しに特化した形状や材料を導電層に採用することが可能ともなる。
上記調光ユニットにおいて、前記折返し部は、前記第2支持層の端面と前記導電テープとの間を埋めて、前記第2支持層の端面よりも前記導電テープでの曲率を小さくする端面封止部を備えてもよい。導電テープにおける過度な屈曲が抑制可能であるから、折返し部における電気的特性の安定性が向上可能でもある。
上記調光ユニットにおいて、前記折返し部は、前記第2電極シートの先端部分であって、前記第2支持層と一体の延設支持層と、前記第2透明電極層と一体の延設電極層とを備え、前記導電層は、前記延設電極層であってもよい。この構成によれば、第2電極シートの先端部分の折り返しによって折返し部が構成されるため、調光ユニットにおける部材の点数の増加が抑制可能ともなる。
上記調光ユニットにおいて、前記延設支持層は、二重に折り返されて絶縁性接着層によって貼り合わされてもよい。この構成によれば、二重に折り返された延設支持層が絶縁性接着層で貼り合わされるため、延設支持層が折り返し前の形状に戻ることが抑えられて、折り返し部の形状安定性が向上可能ともなる。
本発明によれば、調光ユニットにおける配線ルートが簡素化可能である。
調光ユニットの第1実施形態における構成を示す平面図。 図1のII-II線に沿った断面図。 調光ユニットの第1実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第1実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第1実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第1実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第1実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第1実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの従来例を示す側断面図。 調光ユニットの変更例を示す平面図。 調光ユニットの第2実施形態における構成を示す平面図。 図11のXII-XII線に沿った断面図。 調光ユニットの第2実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第2実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第2実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第2実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの第2実施形態における製造工程を示す工程図。 調光ユニットの変更例を示す平面図。 調光ユニットの従来例を示す平面図。 調光ユニットの従来例を示す側断面図。 調光ユニットの従来例を示す側断面図。
(第1実施形態)
図1~図10を参照して、調光ユニットの第1実施形態を説明する。
[調光ユニットの構成]
図1が示すように、調光ユニット10は、調光シート20と、第1接続部30Aと、第2接続部30Bとを備える。調光ユニット10は、透明板200に取り付けられる。調光シート20は、空間を、第1空間S1(図2参照)と第2空間S2(図2参照)とに区切る。第1空間S1は、調光シート20よりも紙面奥側の空間であって、透明板200が位置する。第2空間S2は、調光シート20よりも紙面手前側の空間であって、各接続部30A,30Bが位置する。
透明板200は、透明部材の一例である。透明板200は、例えば、窓ガラス、パーテーション、および、ガラス壁などの建材である。また、透明板200は、例えば、自動車の窓ガラス、前照灯のケース、車幅灯のケース、および、尾灯のケースなどの車両用部材である。透明板200の形状は、平面板状であってもよいし、曲面板状であってもよい。
調光シート20は、第2空間S2から見て、矩形平面状を有する。調光シート20には、第2空間S2から見て、調光領域Si、第1被接続領域SA、および、第2被接続領域SBが区分されている。
第1接続部30Aは、第1被接続領域SAに接続されている。第2接続部30Bは、第2被接続領域SBに接続されている。各被接続領域SA,SBの位置は、透明板200の形状や、駆動回路の位置などに応じて適宜設定される。
各被接続領域SA,SBは、例えば、調光シート20における別々の角部に位置する。各被接続領域SA,SBは、例えば、調光シート20の下辺に沿った矩形領域であり、調光シート20の下辺に沿って並ぶ。調光領域Siは、第1被接続領域SAと第2被接続領域SBとの間に被接続間領域Seを備える。
図2は、図1におけるII-II線に沿った断面図である。
図2が示すように、調光シート20は、調光層21と、第1電極シート22Aと、第2電極シート22Bとを備える。第1電極シート22Aは、第1透明電極層23Aと、第1透明電極層23Aを支持する第1支持層24Aとを備える。第1支持層24Aにおいて第1透明電極層23Aと接する面とは反対側の面は、接着層50を介して透明板200に貼り付けられている。第2電極シート22Bは、第2透明電極層23Bと、第2透明電極層23Bを支持する第2支持層24Bとを備える。
調光シート20の裏面は、透明板200に貼り付けられる面として機能する。調光シート20の裏面は、第1空間S1に露出する面であって、第1空間S1に位置する透明板200に覆われている。調光シート20の表面は、裏面とは反対側の面である。調光シート20の表面は、第2空間S2に露出している。
調光層21は、調光領域Siにおいて、第1電極シート22Aと第2電極シート22Bとに挟まれている。積層体26は、第1電極シート22Aと第2電極シート22Bとの間に調光層21を備えて、調光領域Siに位置する。調光領域Siは、被接続間領域Seと、被接続間領域Se以外の領域とを備える。被接続間領域Seの層構成と、被接続間領域Se以外の領域の層構成とは、相互に一致している。
調光層21は、液晶組成物を含む。調光層21は、例えば、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、カプセル型ネマティック液晶(NCAP:Nematic Curvilinear Aligned Phase)などから構成される。例えば、高分子ネットワーク型液晶は、3次元の網目状を有した高分子ネットワークを備えて、高分子ネットワークが有する空隙に液晶分子を保持する。調光層21が含む液晶分子は、例えば、誘電率異方性が正である。液晶分子の長軸方向の誘電率は、液晶分子の短軸方向の誘電率よりも大きい。液晶分子は、例えば、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系の液晶分子である。
各透明電極層23A,23Bは、導電性を有した透明な層である。各透明電極層23A,23Bを構成する材料は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含むポリマーである。
各支持層24A,24Bは、無色の透明な基材、あるいは、有色の透明な基材である。各支持層24A,24Bは、例えば、ガラス基板や高分子フィルムである。高分子フィルムを構成する材料は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリサルホン、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロースである。
接着層50は、無色の透明な層、あるいは、有色の透明な層である。接着層50は、対象の接着に際して固化を要する接着剤から構成されてもよいし、対象の接着に際して固化を要しない粘着剤から構成されてもよい。例えば、接着層50は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤から構成される。
調光シート20において、各透明電極層23A,23Bに駆動電圧が印加されていない状態は、調光層21の非駆動状態である。調光シート20において、第1透明電極層23Aと第2透明電極層23Bとの間に駆動電圧が印加されている状態は、調光層21の駆動状態である。
例えば、ノーマル型の調光シート20は、非駆動状態において、各液晶分子の長軸方向を不規則的に並べて、調光シート20に入射した光を散乱する。ノーマル型の調光シート20は、駆動状態において、各液晶分子の長軸方向を規則的に並べて、調光シート20に入射した光を透過する。ノーマル型の調光シート20における調光領域Siは、非駆動状態で不透明である一方で、駆動状態で透明である。
例えば、リバース型の調光シート20は、非駆動状態において、調光シート20に入射した光を透過するように、各液晶分子の長軸方向を並べる。リバース型の調光シート20は、駆動状態において、調光シート20に入射した光を遮断するように、各液晶分子の長軸方向を並べる。リバース型の調光シート20における調光領域Siは、非駆動状態で透明である一方で、駆動状態で不透明である。
第1電極シート22Aは、調光領域Siから第1被接続領域SAまで連続している。第1電極シート22Aは、第1被接続領域SAにおいて、調光層21、および、第2電極シート22Bからはみ出して、第2空間S2に露出している。第1透明電極層23Aは、第1被接続領域SAに、調光シート20の他の層から第2空間S2に露出した表面25aを有している。表面25aは、第2空間S2に向いた面であって、調光シート20の表面を構成する。第1被接続領域SAは、調光シート20のなかで、調光層21、および、第2電極シート22Bを取り除かれた領域である。
第1被接続領域SAに隣接する調光領域Siの端部において、第1被接続領域SAと調光領域Siとの境界は、調光層21、第2透明電極層23B、および、第2支持層24Bの各端面から構成される。調光層21、第2透明電極層23B、および、第2支持層24Bの各端面は、例えば、調光シート20の厚さ方向に沿って連続している。
第1接続部30Aは、第2空間S2に位置して、第1透明電極層23Aの表面25aに接続されている。第1接続部30Aは、第2空間S2に露出した表面25aの一部、あるいは、全部を覆う。第1接続部30Aは、第1導電性接着層31Aと、第1導電テープ32Aと、第1はんだ部33Aと、第1リード線34Aとを備える。
第1導電性接着層31Aは、第1透明電極層23Aの表面25aに接着されている。第1導電テープ32Aは、第1導電性接着層31Aにおいて表面25aに接着された面とは反対側の面に接着されている。第1導電性接着層31A、および、第1導電テープ32Aは、表面25aのみに位置し、第2空間S2から見て、調光シート20の端部よりも外側にはみ出ていない。
第1はんだ部33Aは、第1導電テープ32Aにおいて第1導電性接着層31Aに接着された面とは反対側の面に位置する。第1はんだ部33Aは、第1導電テープ32A、および、第1リード線34Aと接合している。第1導電テープ32Aと第1リード線34Aとは、第1はんだ部33Aによって電気的に接続されている。
第1導電性接着層31Aを形成する材料は、例えば、銀ペーストなどの導電ペーストである。例えば、第1導電性接着層31Aは、導電ペーストが硬化された層である。第1導電テープ32Aは、金属などの導電材料を含むテープであって、例えば、銅テープである。第1はんだ部33Aは、はんだとして用いられる公知の合金材料から構成される。第1リード線34Aは、例えば、被覆された銅線である。
第1リード線34Aは、駆動回路に接続されている。第1リード線34A、第1はんだ部33A、第1導電テープ32A、および、第1導電性接着層31Aは、第1透明電極層23Aと駆動回路とを電気的に接続する。駆動回路は、外部電源から受ける電圧を駆動電圧に変換して、第1接続部30Aを通じて第1透明電極層23Aに駆動電圧を印加する。
第2電極シート22Bは、調光領域Siから第2被接続領域SBまで連続している。第2電極シート22Bは、第2被接続領域SBで、調光層21、および、第1電極シート22Aからはみ出して、第1空間S1、および、第2空間S2に露出している。第2透明電極層23Bは、第2被接続領域SBに、調光シート20の他の層から第1空間S1に露出した表面25bを有している。表面25bは、第1空間S1に向いた面であって、調光シート20の裏面を構成する。すなわち、第2被接続領域SBは、調光シート20のなかで、調光層21、および、第1電極シート22Aを取り除かれた領域である。
第2被接続領域SBに隣接する調光領域Siの端部において、第2被接続領域SBと調光領域Siとの境界は、調光層21、第1透明電極層23A、および、第1支持層24Aの各端面から構成される。調光層21、第1透明電極層23A、および、第1支持層24Aの各端面は、例えば、調光シート20の厚さ方向に沿って連続している。
第2電極シート22Bは、第2導電性接着層31B、第2導電テープ32B、絶縁性接着層35B、および、端面封止部36Bを備える。第2導電性接着層31B、および、第2導電テープ32Bは、導電層の一例である。第2導電性接着層31B、第2導電テープ32B、絶縁性接着層35B、および、端面封止部36Bは、折返し部の一例である。
第2導電性接着層31Bは、第2透明電極層23Bの表面25bに接着されている。絶縁性接着層35Bは、絶縁性接着層35Bと第2導電性接着層31Bとが、第2支持層24B、および、第2透明電極層23Bを挟むように、第2支持層24Bに対する第2空間S2側に位置する。
第2導電テープ32Bは、第2導電性接着層31Bにおいて表面25bに接着された面とは反対側の面に接着されている。また、第2導電テープ32Bは、絶縁性接着層35Bにおいて第2支持層24Bに接着された面とは反対側の面に接着されている。
第2導電テープ32Bは、第2導電性接着層31Bと絶縁性接着層35Bとに接着されている。第2導電テープ32Bは、第2導電性接着層31Bから、第2電極シート22Bの端面の外側を通って、絶縁性接着層35Bまで延びている。第2導電テープ32Bは、第2電極シート22Bの端面で折り返されている。すなわち、第2導電テープ32Bは、第2支持層24Bに対する第1空間S1側から、第2支持層24Bに対する第2空間S2側まで位置し、第2被接続領域SBで第2空間S2に露出している。
第2導電テープ32Bは、屈曲部37wを備える。屈曲部37wは、第2導電テープ32Bの中で屈曲した部分である。屈曲部37wは、第2空間S2から見て、第2支持層24Bの端面を覆い、かつ、第2支持層24Bの端面の外側に位置する。
第2導電テープ32Bは、露出部37tを備える。露出部37tは、第2導電テープ32Bの中で絶縁性接着層35Bに接着された部分である。露出部37tは、絶縁性接着層35Bを介して、第2支持層24Bに貼り付けられている。露出部37tは、表面37sを有している。露出部37tの表面37sは、第1透明電極層23Aの表面25aと同じく、第2空間S2に向いた面であって、第2空間S2に露出して調光シート20の表面を構成する。
端面封止部36Bは、第2支持層24Bの端面と屈曲部37wとの隙間を埋めている。端面封止部36Bは、第2支持層24Bの端面よりも屈曲部37wでの曲率を小さくし、屈曲部37wにおける曲率半径を拡大させて、屈曲部37wに対して過度な曲げ応力が作用することを抑える。
第2接続部30Bは、第2空間S2に位置して、露出部37tの表面37sに接続されている。第2接続部30Bは、第2はんだ部33B、および、第2リード線34Bを備える。
第2はんだ部33Bは、露出部37tの表面37sに位置する。第2はんだ部33Bは、第2導電テープ32B、および、第2リード線34Bと接合されている。第2導電テープ32Bと第2リード線34Bとは、第2はんだ部33Bによって電気的に接続されている。
第2導電性接着層31Bを形成する材料は、第1導電性接着層31Aと同じく、例えば、銀ペーストなどの導電ペーストである。第2導電テープ32Bは、第1導電テープ32Aと同じく、例えば、銅テープなどが用いられる。第2はんだ部33Bは、はんだとして用いられる公知の合金材料から構成される。第2リード線34Bは、第1リード線34Aと同じく、例えば、被覆された銅線である。絶縁性接着層35Bは、接着剤あるいは粘着剤から構成される。絶縁性接着層35Bは、例えば、アクリル樹脂から構成される。端面封止部36Bは、例えば、エポキシ樹脂から構成される。なお、絶縁性接着層35Bと端面封止部36Bとは、連続した1つの部材であって、同一の材料から構成することも可能である。
第2リード線34Bは、駆動回路に接続されている。第2リード線34B、第2はんだ部33B、第2導電テープ32B、および、第2導電性接着層31Bは、第2透明電極層23Bと駆動回路とを電気的に接続する。駆動回路は、外部電源から受ける電圧を駆動電圧に変換して、第2接続部30Bを通じて第2透明電極層23Bに駆動電圧を印加する。
調光ユニット10は、シール部51を備える。シール部51は、第2導電テープ32Bの中で第2導電性接着層31Bに接着されている部分と、透明板200との間の隙間を埋める。シール部51は、第2導電性接着層31Bと調光層21との間の隙間、および、第2導電性接着層31Bと第1電極シート22Aとの間の隙間も埋める。シール部51は、第2導電テープ32Bと第1電極シート22Aとの間の隙間も埋める。シール部51は、例えば、エポキシ樹脂から構成される。
なお、接着層50は、透明板200と第2被接続領域SBとの間に介在することも可能である。接着層50とシール部51とは、連続した1つの部材として構成することも可能である。
[調光ユニットの製造方法]
図3~図8を参照して、調光ユニット10の製造方法を説明する。
図3が示すように、まず、第1電極シート22Aと第2電極シート22Bとの間で調光層21が形成される。次いで、第1電極シート22A、調光層21、および、第2電極シート22Bから構成される多層シート27が、例えば、透明板200の形状に合わせて、切断される。
図4が示すように、切断された多層シート27に各被接続領域SA,SBが形成される。すなわち、多層シート27の一部において、第2電極シート22Bの一部、および、調光層21の一部が除去されて、第1被接続領域SAが形成される。また、多層シート27の一部において、第1電極シート22Aの一部、および、調光層21の一部が除去されて、第2被接続領域SBが形成される。この際、各電極シート22A,22Bの一部は、例えば、切断によって除去される。調光層21の一部は、例えば、拭き取りによって除去される。
なお、多層シート27を形成した後に、第1電極シート22Aの切断、第2電極シート22Bの切断、および、調光層21の拭き取りを行う製法では、作業の簡便化が図られる観点から、第1被接続領域SAが多層シート27の角部に位置することが好ましい。第2被接続領域SBもまた、多層シート27の角部に位置することが好ましい。
図5が示すように、露出された第1透明電極層23Aの表面25aに、第1導電性接着層31Aが接着される。次いで、第1導電テープ32Aが第1導電性接着層31Aに接着される。第1導電性接着層31A、および、第1導電テープ32Aは、第1透明電極層23Aの表面25aのみに位置し、第1導電テープ32Aは、調光シート20の端部よりも外側にはみ出さない。
また、露出された第2透明電極層23Bの表面25bに、第2導電性接着層31Bが接着される。次いで、第2導電テープ32Bが第2導電性接着層31Bに接着される。第2導電性接着層31Bは、第2透明電極層23Bの表面25bのみに位置し、第2導電テープ32Bは、第2透明電極層23Bの表面25bから第2支持層24Bの外側に延びている。
図6が示すように、第2導電テープ32Bのなかで第2支持層24Bの外側に延びている部分が、第2支持層24Bの上に折り返される。第2導電テープ32Bのなかで折り返された部分である露出部37tと、調光シート20の表面を構成する第2支持層24Bとは、絶縁性接着層35Bによって固定される。また、第2電極シート22Bの端面と第2導電テープ32Bの屈曲部37wとの間の隙間は、端面封止部36Bによって埋められる。
図7が示すように、各導電テープ32A,32Bを接着された調光シート20は、透明板200に貼り付けられる。すなわち、第1支持層24Aが接着層50を介して透明板200に貼り付けられる。また、第2導電テープ32Bと透明板200との間はシール部51で埋められる。
図8が示すように、第1はんだ部33Aによって、第1リード線34Aと第1導電テープ32Aとが、第1透明電極層23Aの表面25a上で接続される。また、第2はんだ部33Bによって、第2リード線34Bと第2導電テープ32Bとが、調光シート20の表面上で接続される。これによって、調光ユニット10が形成される。なお、透明板200上における調光シート20の外周は、さらに封止部によって封止されることも可能である。
なお、図9が示す従来例のように、はんだとリード線とを含む接続部の厚さを薄くすることには限界がある。そして、第2電極シート22Bと透明板200との間に、第2接続部30Bが位置する構成では、第2接続部30Bが透明板200に当接して第2電極シート22Bを押し上げてしまう。結果として、第2電極シート22Bの可撓性が低い場合には、第2電極シート22Bが局所的に折れ曲がり、調光シート20に歪みが生じてしまう。
この点、上述した調光ユニット10であれば、各はんだ部33A,33Bは、いずれも調光シート20と透明板200との間に位置しない。そのため、第2電極シート22Bに局所的な折れ曲がりが発生すること、ひいては、調光シート110に歪みが生じることを抑制可能ともなる。
以上、第1実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1-1)第2はんだ部33Bは、透明板200に向けられた第2透明電極層23Bと電気的に接続しつつも、第1はんだ部33Aと同じく、透明板200とは対向しない。そのため、第1接続部30Aと第2接続部30Bとのいずれにおいても、リード線を第2空間S2に引き回すことが可能であるから、調光ユニット10における配線ルートの簡素化が可能となる。
(1-2)また、第1接続部30Aと第2接続部30Bとのいずれにおいても、各リード線との接合部が透明板200に接触することを抑制可能である。そして、透明板200と各接続部30A,30Bとの接触が避けられるため、接触に起因した接合強度の低下を抑制可能となる。
(1-3)第1はんだ部33Aを形成するための作業と、第2はんだ部33Bを形成するための作業とを、第2空間S2で実施可能となる。そのため、第1接続部30Aの形成に要する手間、および、第2接続部30Bの形成に要する手間が軽減可能となる。
(1-4)第1はんだ部33Aを形成するための作業と、第2はんだ部33Bを形成するための作業とが、透明板200に貼り付けられた調光シート20にて実施可能となる。すなわち、調光ユニット10を透明板200に貼り付ける作業を、各接続部30A,30Bの形成に先駆けて実施可能となる。そのため、調光ユニット10の配置の変更などに起因して第1接続部30Aでの接合強度が弱まること、また、第2接続部30Bでの接合強度が弱まることが抑制可能となる。
(1-5)多層シート27から切出された調光シート20に対する加工によって、各被接続領域SA,SBを提供可能となる。そのため、大判の多層シート27を先行して形成するという生産性に優れた製法で、調光ユニット10を製造可能となる。
(1-6)調光層21の一部、第1電極シート22Aの一部、および、第2電極シート22Bの一部の除去によって、各被接続領域SA,SBが形成される。そのため、調光層21、および、各電極シート22A,22Bの成形が容易である。また、各被接続領域SA,SBの大きさの調整や、各被接続領域SA,SBの位置の調整も容易である。
(1-7)第2透明電極層23Bとは別体である第2導電テープ32Bが導電層として機能するため、折返しに特化した形状や材料を導電層に採用することが可能ともなる。
(1-8)端面封止部36Bが第2導電テープ32B(屈曲部37w)での曲率を小さくするため、第2導電テープ32Bにおける過度な屈曲が抑制可能であるから、折返し部における電気的特性の安定性が向上可能でもある。
[第1実施形態の変更例]
第1実施形態は、以下のように変更して実施できる。なお、以下の各変更例は、適宜相互に組み合わせて実施することもできる。
[折返し部]
・第2導電テープ32Bの形状は、以下のように変更することが可能である。
図10が示すように、第2導電テープ32Bは、第1被接続領域SAと第2被接続領域SBとが並ぶ左右方向で、第2支持層24Bの端部よりも内側に位置し、左右方向と直交する方向で、第2支持層24Bの外側まで延び、第2支持層24Bの下端辺で折り返し可能である。すなわち、第2導電テープ32Bが折り返される方向は、第2被接続領域SBの短軸方向であってもよいし、また、第2導電テープ32Bの短軸方向であってもよい。
・露出部37tは、第2支持層24Bの上面において、第2被接続領域SBに加えて、調光領域Siにも配置可能である。なお、露出部37tが調光領域Siに位置しない構成であれば、調光領域Siにおける光の透過や散乱は、露出部37tで妨げられ難い。
・第2電極シート22Bは、端面封止部36Bを省略可能である。なお、第2電極シート22Bが端面封止部36Bを備える構成であれば、第2導電テープ32Bでの過度な折れ曲がりを抑制できるため、屈曲部37wでの機械的な耐性が向上可能である。
[被接続領域]
・第1被接続領域SAと第2被接続領域SBとは、調光シート20において別々の辺に沿って配置可能である。すなわち、第1接続部30Aと第2接続部30Bとは、調光シート20において別々の辺に配置可能である。例えば、第1被接続領域SAは、調光シート20の下辺に沿って配置される一方で、第2被接続領域SBは、調光シート20の右辺に沿って配置される。そして、第1接続部30Aは、調光シート20の下辺に沿って配置される一方で、第2接続部40Bは、調光シート20の右辺に沿って配置される。
第1被接続領域SAと第2被接続領域SBとが別々の辺に沿って配置される構成では、第1接続部30Aと第2接続部30Bとの配置の自由度が高まる。そのため、第1接続部30Aと第2接続部30Bとが、調光シート20の大きさに応じて配置可能となり、また、調光シート20の設置環境などに応じて配置可能となる。
・第1被接続領域SA、および、第2被接続領域SBの少なくとも一方は、調光シート20の角部以外に配置可能である。例えば、第1被接続領域SAは、調光シート20の下辺中央に配置され、第2被接続領域SBは、調光シート20の右辺中央に配置される。
・第1被接続領域SA、および、第2被接続領域SBの少なくとも一方は、複数の接続部に接合されることも可能である。この際、単一の被接続領域に接合された複数の接続部は、相互に共通した電圧を単一の被接続領域に印加する。
[領域間の構成]
・調光シート20は、第1導電性接着層31Aと、調光領域Siの調光層21との間の隙間を埋める封止部をさらに備えることも可能である。調光シート20は、第1導電テープ32Aと、調光領域Siの調光層21との間の隙間を埋める封止部をさらに備えることも可能である。各封止部は、第1導電性接着層31Aと第1透明電極層23Aとの接着、および、第1導電性接着層31Aと第1導電テープ32Aとの接着を補強する。また、各封止部は、調光領域Siの端部で調光シート20が潰れて第1透明電極層23Aと第2透明電極層23Bとが短絡することを抑える。
・調光シート20は、調光領域Siと第1被接続領域SAとの境界に、調光領域Siから第1被接続領域SAに向かって、調光層21が第2電極シート22Bの端部よりもはみ出す領域を備えることも可能である。
・調光シート20は、調光領域Siと第2被接続領域SBとの境界に、調光領域Siから第2被接続領域SBに向かって、調光層21が第1電極シート22Aの端部よりもはみ出す領域を備えることも可能である。
[製造方法]
・第2導電テープ32Bの折り返しは、調光シート20が透明板200に貼り付けられた後に行われてもよい。また、第1はんだ部33Aによる第1リード線34Aと第1導電テープ32Aとの接続、および、第2はんだ部33Bによる第2リード線34Bと第2導電テープ32Bとの接続の各々は、調光シート20が透明板200に貼り付けられる前に行われてもよい。
(第2実施形態)
図11~図18を参照して、調光ユニットの第2実施形態を説明する。以下では、第2実施形態と第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
[調光ユニットの構成]
図11が示すように、調光ユニット10は、調光シート20と、第1接続部40Aと、第2接続部40Bとを備える。調光ユニット10は、透明板200に取り付けられる。
調光シート20は、第2空間S2から見て、矩形平面状を有する。調光シート20には、第2空間S2から見て、調光領域Si、第1被接続領域SC、第2被接続領域SD、および、中間領域Srが区分されている。
第1接続部40Aは、第1被接続領域SCに接続されている。第2接続部40Bは、第2被接続領域SDに接続されている。第1被接続領域SCは、調光シート20の下辺の全体にわたる矩形領域である。第2被接続領域SDは、第1被接続領域SCよりも調光シート20の上方に位置する矩形領域である。中間領域Srは、第1被接続領域SCと第2被接続領域SDとの間に位置する。調光シート20の下辺に近い順に、第1被接続領域SC、中間領域Sr、第2被接続領域SD、および、調光領域Siが並ぶ。
なお、第1被接続領域SCは、例えば、右辺の全体にわたる矩形領域であってもよく、調光シート20の右辺に近い順に、第1被接続領域SC、中間領域Sr、第2被接続領域SD、および、調光領域Siが並んでもよい。すなわち、第1被接続領域SCは、調光シート20のいずれの辺に沿った矩形領域であってもよく、当該辺に近い順に、第1被接続領域SC、中間領域Sr、第2被接続領域SD、および、調光領域Siが並ぶ。
図12が示すように、第1電極シート22Aは、調光領域Siから、第2被接続領域SD、および、中間領域Srを通り、第1被接続領域SCまで延びる。第1支持層24Aにおいて第1透明電極層23Aに接する面とは反対側の面は、接着層50を介して透明板200に貼り付けられている。
調光シート20の裏面は、透明板200に貼り付けられる面として機能する。調光シート20の裏面は、第1空間S1に露出する面であって、第1空間S1に位置する透明板200に覆われている。調光シート20の表面は、裏面とは反対側の面である。調光シート20の表面は、第2空間S2に露出している。
調光層21は、調光領域Siから、第2被接続領域SDを通り、中間領域Srまで延びる。第2電極シート22Bは、調光領域Siから第2被接続領域SDまで延びる。第2電極シート22Bの先端部分(折返し部28t)は、第2被接続領域SDと中間領域Srとの境界部分で、第2空間S2に向けて折り返されて、厚み方向で重ねられている。
調光層21は、調光領域Siにおいて、第1電極シート22Aと第2電極シート22Bとに挟まれている。積層体26は、第1電極シート22Aと第2電極シート22Bとの間に調光層21を備える。第2支持層24Bは、調光領域Siにおいて、調光シート20の中で最も第2空間S2に近い最外層である。第2支持層24Bにおいて第2透明電極層23Bに接する面とは反対側の面は、調光領域Siにおいて、調光シート20の表面を構成する。
折返し部28tは、第2支持層24Bに対する第1空間S1側から第2支持層24Bに対する第2空間S2側へ折り返されている。折返し部28tは、第2被接続領域SDにおいて、二重に重なる第2支持層24Bと、二重に重なる第2透明電極層23Bとを備える。折返し部28tにおける第2支持層24Bは、延設支持層の一例である。折返し部28tにおける第2透明電極層23Bは、延設電極層の一例である。
折返し部28tの第2支持層24Bは、絶縁性接着層29を介して貼り合わされている。絶縁性接着層29は、折返し部28tの第2支持層24Bが折り返し前の形状に戻ることを抑制可能とする。絶縁性接着層29は、調光シート20を構成する。折返し部28tにおける第2透明電極層23Bは、第2支持層24Bに対する第1空間S1側で、調光領域Siの第2透明電極層23Bと一体であり電気的に接続されている。
折返し部28tは、第2透明電極層23Bの表面25bを第2空間S2に露出している。第2透明電極層23Bの表面25bは、第2被接続領域SDにおいて、第2空間S2に向いた面であって、調光シート20の表面を構成する。すなわち、第2被接続領域SDは、調光シート20のなかで、調光層21、および、第1電極シート22Aを取り除かれた部分を含み、折返し部28tの第2透明電極層23Bを第2空間S2に露出させる。
第2接続部40Bは、第2空間S2に位置して、第2透明電極層23Bの表面25bに接続されている。第2接続部40Bは、第2空間S2に露出した表面25bの一部を覆う。第2接続部40Bは、第2導電性接着層41Bと、第2導電テープ42Bと、第2はんだ部43Bと、第2リード線44Bとを備える。
第2導電性接着層41Bは、第2透明電極層23Bの表面25bに接着されている。第2導電テープ42Bは、第2導電性接着層41Bにおいて表面25bに接着された面とは反対側の面に接着されている。
第2はんだ部43Bは、第2導電テープ42Bにおいて第2導電性接着層41Bに接着された面とは反対側の面に位置する。第2はんだ部43Bは、第2導電テープ42B、および、第2リード線44Bと接合されている。第2導電テープ42Bと第2リード線44Bとは、第2はんだ部43Bによって電気的に接続されている。
調光層21は、第2被接続領域SDから中間領域Srまではみ出している。調光層21は、中間領域Srにおいて、封止部45で覆われている。封止部45は、第2被接続領域SDの端部に位置する第2電極シート22Bと接する。封止部45は、中間領域Srに位置する調光層21の全体を覆い、調光層21に対する第1被接続領域SC側で第1電極シート22Aと接する。封止部45は、調光シート20を構成する。
中間領域Srに位置する調光層21は、第2被接続領域SDの端部において、第1透明電極層23Aと第2透明電極層23Bとが短絡することを抑える。封止部45は、中間領域Srに位置する調光層21を覆って、調光層21の劣化を抑制する。また、封止部45は、第2被接続領域SDの端部に位置する第2電極シート22Bを固定して、折返し部28tの姿勢を維持させる。
第1透明電極層23Aは、第1被接続領域SCにおいて、調光層21、および、第2電極シート22Bからはみ出して、第2空間S2に露出している。第1透明電極層23Aは、第1被接続領域SCに、調光シート20の他の層から第2空間S2に露出した表面25aを有している。表面25aは、第2空間S2に向いた面であって、調光シート20の表面を構成する。第1透明電極層23Aの表面25aは、折返し部28tの表面25bと同じ方向に向いている。
第1接続部40Aは、第2空間S2に位置して、第1透明電極層23Aの表面25aに接続されている。第1接続部40Aは、第2空間S2に露出した表面25aの一部を覆う。第1接続部40Aは、第1導電性接着層41Aと、第1導電テープ42Aと、第1はんだ部43Aと、第1リード線44Aとを備える。
第1導電性接着層41Aは、第1透明電極層23Aの表面25aに接着されている。第1導電性接着層41Aは、第1透明電極層23Aに接着された面とは反対側の面に、第1導電テープ42Aが接着されている。
第1はんだ部43Aは、第1導電テープ42Aにおける第1導電性接着層41Aに接する面とは反対側の面に位置し、第1導電テープ42A、および、第1リード線44Aの各々と接着されている。すなわち、第1はんだ部43Aによって第1導電テープ42Aと第1リード線44Aとが接続されている。
封止部45は、調光層21と第1接続部40Aとの間の隙間を埋めていることが好ましい。この構成によれば、第2透明電極層23Bが、第1透明電極層23A、および、第1接続部40Aと接触して短絡が生じることが抑えられる。
第1導電性接着層41A、および、第2導電性接着層41Bを形成する材料は、例えば、銀ペーストなどの導電ペーストである。第1導電テープ42A、および、第2導電テープ42Bは、例えば、銅テープなどの導電性材料を含むテープである。第1はんだ部43A、および、第2はんだ部43Bは、はんだとして用いられる公知の合金材料から構成される。第1リード線44A、および、第2リード線44Bは、例えば、被覆された銅線である。絶縁性接着層29は、接着剤、あるいは、粘着剤から構成される。絶縁性接着層29は、例えば、アクリル樹脂から構成される。また、封止部45は、例えば、エポキシ樹脂から構成される。
[調光ユニットの製造方法]
図13~図16を参照して、調光ユニット10の製造方法を説明する。
図13が示すように、まず、第1電極シート22Aと第2電極シート22Bとの間で調光層21が形成される。次いで、第1電極シート22A、調光層21、および、第2電極シート22Bから構成される多層シート27が、例えば、透明板200の形状に合わせて、切断される。
多層シート27は、接着層50を介して透明板200に貼り付けられる。次いで、第2支持層24Bにおいて第2透明電極層23Bに接する面とは反対側の面の端部に、絶縁性接着層29が接着される。
図14が示すように、絶縁性接着層29が接着されている第2電極シート22Bの端部が折り返されて、絶縁性接着層29によって、第2支持層24B同士が貼り合わされる。これにより、折返し部28tが形成されて、第2透明電極層23Bの表面25bが露出される。
図15が示すように、調光層21のなかで、第2電極シート22Bから露出している部分が、一部を残して除去される。詳細には、多層シート27の表面と対向する方向から見て、調光層21のなかで折返し部28tに隣接する部分を除いて、第2電極シート22Bから露出している部分が除去される。言い換えれば、多層シート27の表面と対向する方向から見て、折返し部28tからはみ出すように、調光層21の一部が残される。例えば、調光層21のなかで残される部分がマスキングされ、マスキングされていない部分が、アルコールなどを用いて拭き取られることによって取り除かれる。
これにより、積層体26のみが位置する調光領域Si、積層体26に折返し部28tが貼り付けられている第2被接続領域SD、調光層21が露出している中間領域Sr、第1透明電極層23Aが露出している第1被接続領域SCが形成される。これによって、上記各領域を有する調光シート20が形成される。
図16が示すように、露出された第1透明電極層23Aの表面25aに、第1導電性接着層41Aが接着され、第1導電性接着層41Aに第1導電テープ42Aが接着される。また、露出された第2透明電極層23Bの表面25bに、第2導電性接着層41Bが接着され、第2導電性接着層31Bに第2導電テープ32Bが接着される。そして、はんだ付けが行われて、第1はんだ部43Aによって第1リード線44Aと第1導電テープ42Aとが、第1透明電極層23Aの表面25a上の領域で接続される。また、第2はんだ部43Bによって第2リード線44Bと第2導電テープ42Bとが、第2透明電極層23Bの表面25b上の領域で接続される。さらに、中間領域Srにて露出している調光層21を覆うように封止部45が形成される。これにより、調光ユニット10が形成される。なお、透明板200上における調光シート20の外周には、必要に応じて封止部が形成されてもよい。
以上、第2実施形態によれば、上記(1-1)~(1-8)に準じた効果に加えて、以下に列挙する効果が得られる。
(2-1)第2電極シート22Bが折り返されて、折返し部28tの表面25b、および、第1透明電極層23Aの表面25aが、第2空間S2に向く。そのため、第1接続部30Aと第2接続部30Bとのいずれにおいても、リード線を第2空間S2に引き回すことが可能であるから、調光ユニット10における配線ルートの簡素化が可能となる。
(2-2)透明板200と各接続部30A,30Bとの接触が避けられるため、接触に起因して配線の接合強度が弱まることを抑えることができる。
(2-3)第2電極シート22Bを折り返す作業、および、調光層21の一部を除去する作業は、第2空間S2から実施可能である。そのため、各接続部40A,40Bの接続に要する作業が、一括して、第2空間S2から実施可能である。調光ユニット10の形成が容易であり、調光ユニット10の製造の効率も高められる。
(2-4)各電極シート22A,22Bを切断することなく各被接続領域SC,SDを形成できるため、各電極シート22A,22Bの部分的な除去に要する負荷が削減可能である。
[第2実施形態の変更例]
第2実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。なお、以下の各変更例は、適宜組み合わせて実施することもできる。
[被接続領域]
・第1被接続領域SCと第2被接続領域SDとは、調光シート20において別々の辺に沿って配置可能である。例えば、図11において、第1被接続領域SC(第1接続部40A)は、調光シート20における右辺に配置され、第2被接続領域SD(第2接続部40B)は、調光シート20における左辺に配置可能である。図17が示すように、第1接続部40Aが、第1被接続領域SCのなかの左右方向の中央よりも左側に位置する一方で、第2接続部40Bは、第2被接続領域SDのなかの左右方向の中央よりも右側に位置することも可能である。さらに、図18が示すように、第1接続部40A、および、第2接続部40Bは、左右方向の中央よりも右側に偏って位置することも可能である。
・各被接続領域SC,SDは、調光シート20の一辺の中の一部のみに配置可能である。例えば、各被接続領域SC,SDは、調光シート20の下辺中央から右側のみに配置可能である。
・調光シート20は、中間領域Srを省略し、第1被接続領域SCと第2被接続領域SDとを相互に隣り合わせることも可能である。すなわち、調光層21は、第2被接続領域SDから第1被接続領域SCに向けてはみ出していなくてもよい。この場合、調光シート20は、第2被接続領域SDの端部に位置する第2電極シート22B、および、調光層21の端面を覆う封止部を備えることも可能である。
・第1被接続領域SC、および、第2被接続領域SDの少なくとも一方は、複数の接続部に接合されることも可能である。この際、単一の被接続領域に接合された複数の接続部は、相互に共通した電圧を単一の被接続領域に印加する。
[製造方法]
・各被接続領域SC,SDの形成、すなわち、第2電極シート22Bの折り返し、および、調光層21の除去は、多層シート27が透明板200に貼り付けられる前に行われてもよい。また、第1はんだ部43Aによる第1リード線44Aと第1導電テープ42Aとの接続、および、第2はんだ部43Bによる第2リード線44Bと第2導電テープ32Bとの接続の各々も、調光シート20が透明板200に貼り付けられる前に行われてもよい。
[各実施形態の変更例]
第1実施形態、第2実施形態、および、各実施形態の変更例は、以下のように変更して実施することが可能である。
・調光シート20は、調光層21、および、各電極シート22A,22Bに加えて、他の機能層を備えることも可能である。
他の機能層は、例えば、バリア層などのように、調光層21を保護する機能、各透明電極層23A,23Bを保護する機能、調光シート20の耐熱性を高める機能、調光シート20の耐候性を高める機能などを備える。また、他の機能層は、例えば、配向膜などのように、調光シート20における光の透過性の制御に寄与する機能を備える。
なお、調光シート20が、調光層21、および、各電極シート22A,22B以外の層を備える場合、第1被接続領域SA,SCでは、第1透明電極層23Aの表面が他の層から露出されて、第1接続部30A,40Aが接続されていればよい。また、第1実施形態における第2被接続領域SBでは、第2透明電極層23Bの表面が他の層から露出されて、第2接続部30Bの導電性接着層31Bが接着されていればよい。
・調光層21は、所定の色を有する色素であって、駆動電圧による液晶分子の配向制御を妨げない色素を含有可能である。
・透明板200は、第1空間S1、および、第2空間S2の少なくとも一方に配置可能である。そして、調光シート20の表面、および、裏面の少なくとも一方は、透明板200に貼り付け可能である。これらの構成においても、上記(1-1),(1-5)~(1-8),(2-1),(2-3),(2-4)に準じた効果は得られる。
・第1透明電極層23Aと第1接続部30Aとの接続は、調光層21と第2電極シート22Bとの除去に限らず、例えば、調光層21と第2電極シート22Bとを貫通する孔を通じた接続に変更可能である。また、例えば、第1透明電極層23Aと第1接続部30Aとの接続は、第1透明電極層23Aと調光層21との間に入れられた導電テープが第2電極シート上まで引き回れた形態に変更可能である。
・第2透明電極層23Bと第2接続部30Bとの接続は、折返し部の形成に限らず、例えば、第2支持層24Bを貫通する孔を通じた接続に変更可能である。また、例えば、第2透明電極層23Bと第2接続部30Bとの接続は、第2透明電極層23Bと調光層21との間に入れられた導電テープが第2電極シート上まで引き回れた形態に変更可能である。
要は、第1接続部30Aと第2接続部30Bとが第2空間S2に位置し、かつ、第1接続部30Aと第1電極シート22Aとが接続され、第2接続部30Bと第2電極シート22Bとが接続される構成であればよい。
S1…第1空間、S2…第2空間、SA,SC…第1被接続領域、SB,SD…第2被接続領域、Si…調光領域、10…調光ユニット、20,110…調光シート、21…調光層、22A…第1電極シート、22B…第2電極シート、23A…第1透明電極層、23B…第2透明電極層、24B…第2支持層、28t…折返し部、29,35B…絶縁性接着層、30A,40A…第1接続部、30B,40B…第2接続部、32A、32B…導電テープ。

Claims (2)

  1. 空間を、第1空間と第2空間とに区切る調光シートであって、前記第1空間に近い順に、第1透明電極層を有した第1電極シートと、液晶組成物を含む調光層と、第2透明電極層を有した第2電極シートとを備える前記調光シートと、
    前記第2空間に位置して前記第1透明電極層と配線とを接続するための第1接続部と、
    前記第2空間に位置して前記第2透明電極層と配線とを接続するための第2接続部と、を備える調光ユニットであって、
    前記調光シートは、前記第2空間から見て、第1被接続領域、第2被接続領域、調光領域、および、中間領域を含み、前記中間領域は、前記第1被接続領域と前記第2被接続領域との間に位置し、
    前記第1透明電極層は、前記第1被接続領域で前記第2空間に露出して前記第1接続部に接続され、
    前記第2電極シートは、第2支持層と、前記第2支持層に対する前記第1空間側に位置する前記第2透明電極層とを備えるとともに、その先端部分に、前記第2支持層と一体の延設支持層と、前記第2透明電極層と一体の延設電極層とを有する折返し部を含み、
    前記延設電極層は、前記第2支持層に対する前記第1空間側から前記第2支持層に対する前記第2空間側へ折り返されて、前記第2被接続領域で前記第2空間に露出して前記第2接続部に接続されており、
    前記調光層は、前記調光領域にて前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置し、前記調光領域から前記第2被接続領域を通って前記中間領域まで延びている
    調光ユニット。
  2. 前記延設支持層は、二重に折り返されて絶縁性接着層によって貼り合わされている
    請求項に記載の調光ユニット。
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