JP2001305568A - 液晶モジュール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレキシブル基板を液晶ディスプレイの裏側
に折り曲げる形態であっても、フレキシブル基板の配線
パターンの断線や無用な変形の発生を防止すること。 【解決手段】 液晶駆動用の電極に導通する配線群を一
端縁の表面に形成した液晶パネル３と、経時硬化後に弾
性を残す異方導電性接着剤４によって液晶パネル３と導
通接続するフレキシブル基板１とを備え、液晶パネル３
の一端縁の端部にフレキシブル基板１の下面との間に窪
み５ができるような面取り部３ｃを形成し、この窪みの
中に異方導電性接着剤４の塊状の膨出部４ａを充填し、
フレキシブル基板１を折り曲げるとき面取り部３ｃによ
って緩やかな曲がりを促すと同時に膨出部４ａを介在層
として弾性支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
とこれに導通接続されるフレキシブル基板との組合せに
よる液晶モジュールに係り、特にフレキシブル基板を折
り曲げてアセンブリするときの配線パターンの断線を防
止できるようにした液晶モジュールに関する。

【０００２】

【従来の技術】携帯電話等の小型機器の表示部には小型
で消費電力も小さい液晶ディスプレイが広く利用されて
いる。この液晶ディスプレイは、表示面側に臨ませて配
置した液晶パネルと、暗い場所でも画像が見えるように
バックライトとを組み合わせたものが従来から知られて
いる。

【０００３】このような液晶ディスプレイにおける液晶
パネルは、液晶パネル自身に導通接続したフレキシブル
基板とによる液晶モジュールとして製品化される。そし
て、この液晶モジュールを携帯電話等の本体側に組み込
んだ発光ダイオードに位置合わせしてアセンブリするた
めに、専用のホルダに装着される。図３に液晶モジュー
ルの典型的な例の概略斜視図を示す。

【０００４】図３に示すように、液晶モジュールは先に
述べたようにフレキシブル基板１と液晶ディスプレイ２
とを組み合わせたものである。フレキシブル基板１に
は、携帯電話等の本体側のプリント配線基板（図示せ
ず）に接続される入力端子１ａを備えるとともにこの入
力端子１ａに導通するＩＣ１ｂを搭載し、このＩＣ１ｂ
からの配線をセグメント出力端子１ｃ及びコモン出力端
子１ｄまで導出させている。これらの各端子１ａ，１
ｃ，１ｄ自身及びＩＣ１ｂとの間を導通させる配線パタ
ーンは銅箔によって形成されている。また、液晶ディス
プレイ２は、偏光板２ａと液晶パネル３と偏光板２ｂと
を順に積層したものである。液晶パネル３には液晶が封
入されるとともに、この液晶を駆動して画像表示させる
ための列制御電極としてのセグメント配線３ａ及び行制
御電極としてのコモン配線３ｂを備えている。そして、
これらのセグメント配線３ａ及びコモン配線３ｂが交差
する矩形のエリアが液晶表示の表示ドットとして構成さ
れる。

【０００５】液晶パネル３は偏光板２ａ，２ｂの縁部か
ら突き出る大きさを持ち、この突き出た部分にフレキシ
ブル基板１のセグメント出力端子１ｃ及びコモン出力端
子１ｄ部分を重ね合わせて接続している。このとき、セ
グメント出力端子１ｃは液晶パネル３のセグメント配線
３ａに重ね、コモン出力端子１ｄは液晶パネル３のコモ
ン配線３ｂに重ねることによって、フレキシブル基板１
側と液晶パネル３側とを導通させる。

【０００６】図４は液晶パネル３へのフレキシブル基板
１の接続構造の要部を示す拡大側面図である。

【０００７】先に説明したようにセグメント出力端子１
ｃとセグメント配線３ａ及びコモン出力端子１ｄとコモ
ン配線３ｂがそれぞれ重なるように位置合わせし、異方
導電性接着剤４によって液晶パネル３とフレキシブル基
板１とが接着されている。この異方導電性接着剤４は、
たとえばエポキシ樹脂の中に導電性の粒子を含ませたも
ので、端子１ｃ，１ｄと配線３ａ，３ｂどうしの間を接
着すると同時に、電気的に導通させる。これにより図３
に示したフレキシブル基板１と液晶ディスプレイ２との
組合せによる液晶モジュールが得られる。

【０００８】液晶モジュールは、たとえば携帯電話等の
表示部に組み込むとき、専用のホルダに一体化してアセ
ンブリされる。このホルダは、携帯電話の本体側に設け
た基板に搭載されたＬＥＤに位置合わせして組み込まれ
るもので、ＬＥＤをバックライト用の光源としてその光
を液晶パネル３の裏面側の全体に導く構成としたものが
一般的である。

【０００９】液晶モジュールを装着したホルダによって
携帯電話の本体に組み込むとき、液晶モジュールは図３
のようにフレキシブル基板１と液晶パネル３がほぼ同じ
平面上に展開したままとしてもよい。これに対し、図４
の矢印方向にフレキシブル基板１を折り曲げ、図５のよ
うにフレキシブル基板１と液晶ディスプレイ２とを重ね
合わせると占有面積が小さくなる。したがって、携帯電
話等のように小型化が最大の課題とされている機器の分
野では、このようにフレキシブル基板１を折り畳んで組
み込む設計仕様とすることが多い。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】このようにフレキシブ
ル基板１を折り曲げるとき、図５に示すように液晶パネ
ル３の先端部からフレキシブル基板１の曲がり部分が離
れていれば、この曲がり部分は緩やなＵ字状となる。し
たがって、図示のようなフレキシブル基板１の曲げ形態
であれば、その表面に形成されている微細な配線パター
ンが損傷したり破断したりする恐れは少ない。

【００１１】ところが、ホルダ等への組み込みの際に、
図４において一点鎖線で示すようにフレキシブル基板１
の下面が液晶パネル３の先端の角に当たったまま折り曲
げられてしまうこともある。この場合、フレキシブル基
板１は液晶パネル３の先端の角部に鋭く曲げられてしま
うので、フレキシブル基板１のフィルムにノッチが入っ
たり、配線パターンが破断してしまう可能性がかなり高
くなる。そして、図５のようにフレキシブル基板１を液
晶パネル３の真下まで折り曲げると、液晶パネル３の先
端の角部にフレキシブル基板１が強く当たり、配線パタ
ーンは更に破断しやすく断線してしまう。

【００１２】このように、フレキシブル基板１を液晶デ
ィスプレイ２の裏面側に折り曲げて携帯電話などの機器
に組み込むとき、フレキシブル基板１の配線パターンの
断線を招きやすく、製品の信頼度を低下させてしまう。

【００１３】本発明は、フレキシブル基板を液晶ディス
プレイの裏側に折り曲げる形態であっても、フレキシブ
ル基板の配線パターンの断線や無用な変形を生じること
なく信頼度の高い液晶モジュールを提供することを目的
とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、画像表示用の
液晶ディスプレイに含まれ一端縁の表面にパターン配列
された配線群を備える液晶パネルと、前記液晶パネルの
前記一端縁の表面に一端側を重ね合わせて配置され且つ
前記配線群に導通させる配線パターンを形成したフレキ
シブル基板とを備え、前記液晶パネルとフレキシブル基
板の重合面を異方導電性接着剤で接着する液晶モジュー
ルであって、前記液晶パネルの一端面であって前記フレ
キシブル基板が重なる部分に面取り部を形成し、前記液
晶パネルが前記フレキシブル基板を重合する部分に前記
異方導電性接着剤をほぼ一様に塗布するとともに、前記
液晶パネルに重合させた前記フレキシブル基板と前記面
取り部との間に創成される窪みの中に塊状断面として充
填したことを特徴とする。

【００１５】本発明によれば、フレキシブル基板を液晶
ディスプレイの裏側に折り曲げる形態であっても、フレ
キシブル基板の配線パターンの断線や無用な変形を生じ
ることなく信頼度の高い液晶モジュールを得ることがで
きる。

【００１６】

【発明の実施の形態】請求項１に記載の発明は、画像表
示用の液晶ディスプレイに含まれ一端縁の表面にパター
ン配列された配線群を備える液晶パネルと、前記液晶パ
ネルの前記一端縁の表面に一端側を重ね合わせて配置さ
れ且つ前記配線群に導通させる配線パターンを形成した
フレキシブル基板とを備え、前記液晶パネルとフレキシ
ブル基板の重合面を異方導電性接着剤で接着する液晶モ
ジュールであって、前記液晶パネルの一端面であって前
記フレキシブル基板が重なる部分に面取り部を形成し、
前記液晶パネルが前記フレキシブル基板を重合する部分
に前記異方導電性接着剤をほぼ一様に塗布するととも
に、前記液晶パネルに重合させた前記フレキシブル基板
と前記面取り部との間に創成される窪みの中に塊状断面
として充填したことを特徴とする液晶モジュールであ
り、フレキシブル基板を液晶パネルの先端を巡らせて折
り曲げるとき、面取り部によって緩やかに曲がり変形
し、同時にフレキシブル基板との間に充填されている異
方導電性接着剤が層となって介在するので、より一層緩
やかな曲率でフレキシブル基板を曲げることができると
いう作用を有する。

【００１７】請求項２に記載の発明は、前記異方導電性
接着剤は、熱硬化処理後にも弾性を残す特性を持つ接着
性の樹脂を生地として内部に導電性の粒子を含むことを
特徴とする請求項１記載の液晶モジュールであり、異方
導電性接着剤は、フレキシブル基板を曲げるときこれを
弾性支持して緩やかな曲げを促すとともに、フレキシブ
ル基板に作用する外力に対してもこれを緩衝するという
作用を有する。

【００１８】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。

【００１９】図１は本発明の液晶モジュールの斜視図で
あって液晶ディスプレイパネルの表示面側から観た概略
斜視図である。なお、図３から図５に示した従来例のも
のと同じ構成部材については、共通の符号で指示しその
詳細な説明は省略する。

【００２０】図１において、本発明の液晶モジュール
は、合成樹脂のフィルムを素材としたフレキシブル基板
１と液晶ディスプレイ２とを組み合わせたものである。
フレキシブル基板１の素材フィルムの表面には入力端子
１ａ，セグメント出力端子１ｃ，コモン出力端子１ｄが
配線パターン１ｅとともに銅箔によって形成され、配線
パターン１ｅの中途にはＩＣ１ｂが導通搭載されてい
る。また、液晶ディスプレイ２は、偏光板２ａと液晶パ
ネル３と偏光板２ｂを積層したもので、液晶パネル３に
はセグメント配線３ａとコモン配線３ｂがそれぞれ形成
されている。そして、フレキシブル基板１は従来例と同
様にそのセグメント出力端子１ｃとコモン出力端子１ｄ
を液晶パネル３のセグメント配線３ａとコモン配線３ｂ
に重ね合わせて導通接続される。

【００２１】図２はフレキシブル基板１の液晶パネル３
への導通接続構造を示す要部の拡大図であって、（ａ）
は図１のＡ−Ａ線矢視方向に観た側面図である。

【００２２】図１に示すように、液晶パネル３の先端部
には上面から先端面までをほぼ４５°の角度でカットし
た面取り部３ｃが形成されている。そして、図２に示す
ように、フレキシブル基板１を液晶パネル３の上に搭載
して接着するための異方導電性接着剤４が偏光板２ｂの
先端面部分から面取り部３ｃにかけて形成されている。
すなわち、異方導電性接着剤４は液晶パネル３の上面に
対してはほぼ一様な厚さで形成され、面取り部３ｃ部分
では塊状となるように構成されている。したがって、フ
レキシブル基板１を被せたときには、その下面と面取り
部３ｃの傾斜面とによって挟まれた部分のほぼ楔状の窪
み５に異方導電性接着剤４が塊状の断面の膨出部４ａを
持つようになる。なお、異方導電性接着剤４は、従来例
と同様に熱硬化性樹脂を生地として導電性の粒子を含ま
せたものであり、加熱硬化接着後においても弾性が残る
機械的特性を持ち、たとえばゴム変性エポキシ系のバイ
ンダーを用いたものが使用できる。

【００２３】異方導電性接着剤４によってフレキシブル
基板１を液晶パネル３に接着した後、図２の（ｂ）に示
すようにフレキシブル基板１を液晶パネル３の下側に折
り曲げる。このとき、熱硬化性樹脂を生地とする異方導
電性接着剤４は硬化した後もゴム弾性が残るので、フレ
キシブル基板１が折り曲げられていくにつれ、膨出部４
ａが圧縮変形すると同時に面取り部３ｃから擦り下がり
先端の端面３ｄ（図１参照）にかけて被さるようにな
る。

【００２４】このように、フレキシブル基板１を液晶パ
ネル３の先端を巡って下側に折り曲げるとき、まず面取
り部３ｃを形成したことによって、フレキシブル基板１
が鋭く曲げられてしまうことがなくなる。これに加え
て、フレキシブル基板１の曲がり変形とともに、面取り
部３ｃ部分にある塊状の膨出部４ａが面取り部３ｃから
端面３ｄ側に垂れるように変形する。したがって、フレ
キシブル基板１は液晶パネル３の先端部の表面に直に当
たることなく折り曲げられる。そして更に、異方導電性
接着剤４は面取り部３ｃ部分に十分な量で形成して塊状
としておくことで、フレキシブル基板１の曲がりに対し
て緩衝材として機能させることができる。

【００２５】以上のように、フレキシブル基板１を折り
曲げるとき、面取り部３ｃに塊状に塗布したことによっ
て得られる膨出部４ａが弾性変形する緩衝層として作用
する。このため、液晶パネル３の先端部を巡ってＵ字状
にフレキシブル基板１を折り曲げても、図２の（ｂ）の
ように緩やかに曲がるだけで、フレキシブル基板１のフ
ィルムの腰が折れたり配線パターン１ｅが破断したりす
ることはない。そして、液晶パネル３の先端部周りで曲
がっているフレキシブル基板１を外側から押すような外
力が作用しても、異方導電性接着剤４の弾性によってこ
の外力が緩衝されるので、同様に配線パターン１ｅの破
断を免れ得る。

【００２６】

【発明の効果】本発明では、液晶パネルの先端部にフレ
キシブル基板の曲げを緩やかにするための面取り部を設
けたことによって、フレキシブル基板の過度の屈曲がな
くなり、しかも面取り部に塊状に充填した異方導電性接
着剤の膨出部が層として介在するので、フレキシブル基
板を緩やかに曲げ変形させることができる。したがっ
て、フレキシブル基板自身の破断や形成された配線パタ
ーンの断線が防止され、製品の信頼度の向上が可能とな
る。

【００２７】また、異方導電性接着剤が熱硬化処理後に
も弾性を残すものとすれば、フレキシブル基板の折り曲
げ工程では弾性支持されるので破断や断線等が更に効果
的に防止でき、フレキシブル基板に作用する外力に対し
ても異方導電性接着剤が緩衝するのでダメージを回避で
き、製品の信頼度を更に一層向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態における液晶モジュール
の概略斜視図

【図２】（ａ）は図１のＡ−Ａ線矢視であって液晶パネ
ルへのフレキシブル基板の取付け構造を示す拡大側面図
（ｂ）は（ａ）の状態からフレキシブル基板を折り曲げ
たときの拡大側面図

【図３】従来の液晶モジュールの一例を示す概略斜視図

【図４】図３の液晶モジュールにおけるフレキシブル基
板の折り曲げの形態を示すための要部の拡大側面図

【図５】図３の液晶モジュールにおいてフレキシブル基
板を液晶パネルの裏面側に折り曲げた状態を示す側面図

【符号の説明】

１ フレキシブル基板 １ａ 入力端子 １ｂ ＩＣ １ｃ セグメント出力端子 １ｄ コモン出力端子 １ｅ 配線パターン ２ 液晶ディスプレイ ２ａ 偏光板 ２ｂ 偏光板 ３ 液晶パネル ３ａ セグメント配線 ３ｂ コモン配線 ３ｃ 面取り部 ３ｄ 端面 ４ 異方導電性接着剤 ４ａ 膨出部 ５ 窪み

フロントページの続き Ｆターム(参考） 2H090 JA11 JB02 JC01 LA01 LA04 2H092 GA48 GA50 GA51 HA25 MA31 MA32 NA15 PA01 5E344 AA02 AA12 AA22 BB02 BB04 BB07 BB12 CC05 CC17 CD04 CD06 DD06 EE17 5G435 AA17 BB12 EE47 HH12 HH20

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像表示用の液晶ディスプレイに含まれ
   一端縁の表面にパターン配列された配線群を備える液晶
   パネルと、前記液晶パネルの前記一端縁の表面に一端側
   を重ね合わせて配置され且つ前記配線群に導通させる配
   線パターンを形成したフレキシブル基板とを備え、前記
   液晶パネルとフレキシブル基板の重合面を異方導電性接
   着剤で接着する液晶モジュールであって、前記液晶パネ
   ルの一端面であって前記フレキシブル基板が重なる部分
   に面取り部を形成し、前記液晶パネルが前記フレキシブ
   ル基板を重合する部分に前記異方導電性接着剤をほぼ一
   様に塗布するとともに、前記液晶パネルに重合させた前
   記フレキシブル基板と前記面取り部との間に創成される
   窪みの中に塊状断面として充填したことを特徴とする液
   晶モジュール。
2. 【請求項２】 前記異方導電性接着剤は、熱硬化処理後
   にも弾性を残す特性を持つ接着性の樹脂を生地として内
   部に導電性の粒子を含むことを特徴とする請求項１記載
   の液晶モジュール。