JP7377412B2 - 調光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気的制御によって光の透過状態を制御する光学素子を備えた調光装置に関し、特に、透明電極層付き透明電極シートにより挟持された液晶素子を駆動するタイプの調光装置における透明電極層の改良された調光装置に関する。
不透明状態(あるいは白濁状態)と透明状態とを切り替える調光シートは様々な用途で用いられている。調光シートの1タイプとして、透明電極間に保持された液晶層を備え、透明電極に印加する電圧により液晶層に含まれる液晶分子の配向状態を変化させて、入射した光を散乱する不透明状態と、入射した光を透過する透明状態とを切り替え可能に構成されるタイプが例示される。(例えば、特許文献1参照)このような調光シートは、例えばガラス等の透明基材に固定することにより、建築物のみならず車両(鉄道,バス,船舶,航空機)向けの窓ガラスや展示ウィンドウ,間仕切りなどに採用することが可能となり、プライベート空間とパブリック空間とを分離するため等、空間を分離する設備の他、自動車のサンルーフやサンバイザー用途としての利用についても提案されている。
こうした調光シートと、透明電極層を電源に接続するための接続部とから、調光装置が構成される。調光装置の構造の一例について、図面を参照して説明する。図2が示すように、調光装置100は、窓ガラス等の透明板200に取り付けられる。調光シート110は、一対の透明電極シート130A,130Bを備え、透明電極シート130Aには外部電源から給電するための接続部160Aが接続され、透明電極シート130Bには外部電源から給電するための接続部160Bが接続されている。詳細には、図3が示すように、一方の透明電極シート130Aは、透明電極層140Aと透明支持層150Aとの積層体である。透明電極層140Aは、調光層120の一方の面に接し、透明支持層150Aは、接着層210を介して透明板200に貼り付けられている。接続部160Aは、透明電極層140Aのなかで調光層120および他方の透明電極シート130Bから露出する領域に接続されている。図4が示すように、他方の透明電極シート130Bは、透明電極層140Bと透明支持層150Bとの積層体であり、透明電極層140Bは、調光層120の他方の面に接している。接続部160Bは、透明電極層140Bのなかで調光層120および一方の透明電極シート130Aから露出する領域に接続されており、透明板200と対向する。
接続部160A,160Bは、透明電極層140A,140Bに接合された導電性接着層161と、導電性接着層161に接合された導電テープ162とを備える。導電性接着層161は、例えば銀ペースト等の導電ペーストから構成される。導電テープ162は、例えば銅テープである。接続部160A,160Bは、さらに、導電テープ162の表面上に位置するはんだ163と、はんだ163によって導電テープ162に接続されたリード線164とを備える。リード線164は、電源から供給される電圧を駆動電圧に変換する駆動回路に接続され、接続部160A,160Bを通じて、透明電極層140A,140Bに駆動電圧が印加される。
透明電極シート130A,130Bへの接続部160A,160Bの形成にあたっては、図示されるように、矩形の調光シート110の一辺の端部にあたる透明電極シート130B,130A(それぞれ他方の透明電極シート)に切り欠け部を形成した上で除去して、調光層120を拭き取り、露出させた透明電極層140A,140B上にそれぞれ導電性接着層161,導電テープ162を接合させる手順が採られる。
外部電源から給電するための接続部として、昨今では、低コストで簡便な構造として、FPC(フレキシブルプリント基板)とACF(異方性導電フィルム)を用いて電気的に接続しつつ、機械的に接着することで配線を引き出す構造も採用されている(特許文献2参照)。FPCとACFを用いた接続では、導電テープ上のはんだによる点状の接合構造から、面状の接合構造となり、調光ユニットの運搬時や取り付け作業時の揺れや衝撃に対して、接合の耐久性が向上している。
特開2017-187775号公報 特許第6439029号公報
透明電極層として、ITO(Indium Tin Oxide),IZO(Indium Zinc Oxide),有機導電膜などの材料を用いると配線抵抗が高くなり、接続部160A,160Bからの離間距離に応じて、不透明状態と透明状態の表示状態が切り替わる調光シートの透明電極層上で電圧勾配が発生する。電圧勾配に基づく表示状態のムラは調光シートが大面積であるほど顕著であり、そのため、駆動する調光シートが大面積の場合、駆動電圧を高くする必要がある。
ITO:1.5~22.0×10-4 [Ωcm]
銅:1.68 ×10-7 [Ωcm]
上記の測定例に示される通り、透明電極層の電気抵抗率(体積抵抗率)は導電性の良い金属に比べて格段に高く、表面抵抗率においても、ITOでは一般的に80~500Ω/□であり、駆動電圧においては、内部実効電圧20(V)を維持するために外部入力電圧70(V)が必要となる事例も確認されている。(ITOでは、成膜条件や測定時の温度条件などに応じて数値が変動する。)表面抵抗率を下げる目的で、透明電極層(ITO)を厚く形成することはスパッタリング装置の負荷(成膜時間)や材料のコストアップを招くだけでなく、調光シートの透過率の減少や、ITO起因の着色(黄色味)が増すなどの外観的な弊害を招き、調光シートの品質が劣化(透明時の透明性が低下)してしまうことになり、得策ではない。
本発明は、透明電極層の配線抵抗が高いことに起因して、印加電圧の相違に基づき調光シート領域毎の光散乱度(透過率)が均一にならない問題を解消して、面積の大きい調光シートであっても、駆動電圧に応じたシート内の光散乱度(透過率)の均一化の実現に供することを目的とする。また、透明電極層をパターニングしてなる導体パターンを有する場合、パターン形状に依存して表面抵抗率が高くなってしまう箇所において、駆動電圧を上げることが必要となる。本発明では、調光シートが要する駆動電圧(消費電力)の低下に寄与する上で有効な調光装置を提供することを目的とする。
本発明による調光装置は、
印加電圧に応じてヘイズを2種類以上に切替可能な調光層が、前記調光層に電圧を印加する透明電極層が形成された透明基材に挟持されてなる構成であり、前記調光層は、三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に液晶分子が配置されるか、またはポリマー中に分散配置される液晶分子を有している構造の液晶材料からなる調光シートを具備する調光装置において、
ITOからなる透明電極層上に、金属ペーストによる配線パターンおよび銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターンが積層された箇所を有することを特徴とする。
金属ペーストによる配線パターンおよび銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターンが積層された箇所は、ITOからなる透明電極層上の少なくとも以下の(1)または(2)の部分に備えることを特徴とする。
(1)調光シートに外部電源から給電するための接続部から離間した部分。
(2)透明電極層がパターニングされた導体パターン内で配線幅が0.5mm以下となっている部分。
透明導電層の配線抵抗(表面抵抗率)を低下させるために、透明電極層の厚さを増加する成膜処理を要さずに、調光シートに給電するための接続部から離間した箇所やパターン形状に依存して表面抵抗率が高くなってしまう箇所における電圧勾配の問題を解消して、シート内の光散乱度(透過率)の均一化を実現すると共に、調光シートが要する駆動電圧(消費電力)の低下に寄与する上で有効な調光装置が提供される。
本発明の一実施形態による調光装置100を示す説明図。 調光シートの第1実施形態について、リバースタイプの調光シートの断面構造を示す説明図。 第1実施形態の調光シートの平面構造を示す説明図。 (a)は、図3におけるIVa-IVa線に沿った断面構造を示す図、(b)は、図3におけるIVb-IVb線に沿った断面構造を示す図。 調光シートの直進透過率の値を給電位置(接続部)からの距離毎に例示するグラフ。 一方の透明電極層が領域分割され、他方は全面ベタ状の透明導電層を有する透明電極シートの構成例を示す説明図。 図1(a)におけるC-C線に沿った断面図。 調光シートの作製手順の一例を示す説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここで、図面は模式的なものであり、説明の便宜上、平面寸法との関係や各層の厚みの比率等は実際の縮尺とは異なるサイズで誇張して図示する場合もある。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質,形状,構造等が下記のものに特定されるものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の一実施形態による調光装置100を示す説明図である。図2で示した調光装置100における調光シートでは、透明電極層140A,140Bはそれぞれ領域分割されておらず、調光素子が駆動される領域(表示画面に相当)となるビューエリア全域に渡って「全面ベタ」な単独層であるが、図1では、領域分割されたビューエリアに対応して、透明電極層が分割して配置された構成(111~116で示す)となっている点が異なる。また、図1においては、調光シート110に外部電源から給電するための接続部20a,20bでは、FPC(フレキシブルプリント基板)25a,25bとACF(異方性導電フィルム)を用いて電気的に接続しつつ、機械的に接着することで配線を引き出す構造が採用されている。
[調光装置100の構成]
図1(a)に示すように、調光装置100を構成する調光シート110には、外部電源から給電するための接続部20a,20bを備えている。調光シート110はフレキシブルで薄い材料が主体であり、可撓性に富む。例えば、大面積での使用形態にあたって、調
光装置100は、2枚のガラスなどの透明板に挟み込まれるか、透明板に装着されるなどして利用される。支持基材となる透明板は、ガラスや樹脂等からなる透明な板状の部材であって平面状であってもよいし曲面状でもよい。透明板は、例えば、窓ガラスやパーテーションやガラス壁等の建材であってもよいし、自動車の窓ガラス等の車両用部材であってもよい。尚、図1においては、接続部20,透明電極シート15については、互いに区別して説明が必要な場合には、便宜的に一方を第1,他方を第2と定義し、それぞれに符号a,bを添えて表示する。
調光シート110の表面と対向する方向から見て、調光シート110は略矩形形状を有しており、調光シート110の大半を占める調光領域と調光シート110の端部の給電領域とを含む。給電領域には接続部20a,20bが形成され、接続部20a,20b上にそれぞれ設けられた接合部21a,21bには、ACF22a,22bを介してFPC25a,25bが接続している。給電領域は、調光シートの一辺に沿って、調光シート110の端部に位置する。給電領域が配置される上記一辺は矩形のいずれの辺であってもよく、透明板や駆動回路の配置等に応じて設定されればよい。また、接続部20a,20bは、上記一辺の中央部を含む位置に配置されてもよいし、図1(a)に示す様に、上記一辺の端部を含む位置に配置されてもよい。FPC25a,25bは、給電領域から調光シート110の外側に延び、駆動回路(不図示)に接続されている。
FPC25bは、第2透明電極シート15b側に全面ベタで形成された第2透明電極層12bに給電する役割を持つ。他方の第1透明電極シート15a側に形成された第1透明電極層12aは、111~116と図示される様に、調光シート全面で6領域に分割配置されてなる。6本に枝分かれしたFPC25aは、給電領域でそれら分割領域毎の第1透明電極層12aの端部と個別に接続され、枝分かれした分割領域毎に独立して給電する役割を持つ。
[配線パターン30]
本発明における主要な特徴部は、ITOからなる第1透明電極層12a上に、金属ペーストによる配線パターンおよび銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターンが積層された箇所の配線パターン30を有することにある。図1(a)では、111~116の6領域に分割配置された透明電極層のうち、領域113~116の接続部20aに向かって調光シート110の端部(同図では、右辺)を延びる引き回し配線に相当する4箇所に配線パターン30が形成されている。配線パターン30の形成箇所,幅,長さは一例であり、図示に限られるものではない。
図1(a)では、サイズ,縮尺を誇張して図示されているが、それぞれ「L」字形状の領域112~116のうち、同図で上下方向に延びる部分は、調光領域となるビューエリア外のベゼル(額縁)にあたる。ベゼルでは、第2透明電極シート15bと重なり合うことがない。また、ベゼル部分はカバーにより隠蔽されるため、配線パターン30はユーザーに視認されることがない。
ベゼルのサイズは抑えて、ビューエリアを広くすることがデザイン的に好ましいため、ベゼル部分を走る配線幅は狭く設計される。表面抵抗率=抵抗値×(配線幅/配線長さ)で表され、ITOのパターン幅が狭くなるほどそのパターンにおける抵抗値は高くなり、回路には高い電圧印加が要求されることになる。
図7は、図1(a)におけるC-C線に沿った断面図である。図7(a)では、第1透明電極シート15aの引き回し配線に相当する第1透明電極層12a(ITO)が露出した表面に、金属ペーストによる配線パターン31を形成する。ITOとの密着性が良い配線パターン31の材料として銀ペーストが好適である。
図7(b)では、金属ペーストによる配線パターン31上に銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターン32を形成する。一般的に、ITOからなる透明電極上に金属メッキ層(Niが代表的)を形成する、導電性接着剤による厚膜層を形成するなどの中継的役割を担う端子処理が行なわれている。第1透明電極層12a(ITO)上に直接配線パターン32を形成せずに、配線パターン31を介して配線パターン32を形成する理由は以下の通りである。
金属ナノ粒子を含むペースト状の分散液を利用して、緻密な金属微粒子焼結体層をITOの表面に直接形成すると、下地のITO膜と、金属微粒子焼結体層との密着性が十分でなく、この界面において、金属微粒子焼結体層の剥離が生じることも少なくない。
ITO膜など、下地の酸化物と、その表面に形成される金属メッキ層との間で高い密着性を達成する手段としては、メッキ下地層として、酸化物膜に対する密着性に優れる金属材料の薄膜を酸化物膜表面に予め形成しておく手法が利用されている。メッキ下地層用の金属薄膜は、スパッタリング,蒸着法などの気相堆積法により、形成対象面全体を被覆するように形成した後、目的とするパターン領域を除き、エッチングにより除去する手法が利用されているが、設備,コスト,パターニングの容易さの点では、金属ペーストの塗布形成が有利である。
同様に、銀ナノ粒子を含むインクを利用して、緻密な金属微粒子焼結体層を有する配線パターン32をITOの表面に形成する場合にも、高い密着性を達成する上では、下地層として、ITO膜に対する密着性に優れる金属ペーストによる配線パターン31を介して形成することが有効である。
図7(b)の状態で、金属ペーストによる配線パターン31および銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターン32が積層されてなる配線パターン30としても良いが、銀ナノ粒子を保護する目的、あるいは、配線パターン30をFPCとACFが適用される接続部まで延ばして形成し、配線パターン30上でFPC,ACFと接合する形態(図8(d)参照)とする場合、ACFと接触する界面としての適性を考慮して、銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターン32上にさらに金属ペーストによる配線パターン31を形成することも有効である。(図7(c))
図7(d)では、引き回し配線部となる第1透明電極層12aおよび配線パターン30の露出した表面を保護層35により封止する。保護層35に要求される特性として、絶縁性,耐水性(電蝕防止),機械的強度,保護対象との密着性,形成箇所のパターニング適性が挙げられ、重視する目的に応じて適宜選択される。保護層35の材料としては、紫外線硬化性エポキシ樹脂あるいは紫外線硬化性アクリル樹脂が短時間で硬化させることが可能であり、ソルダーレジストが代表的である。
図8は、配線パターン30の形成箇所,長さを変更した場合の第1透明電極シート15a,第2透明電極シート15bを用いた調光シート110の作製手順の一例を示す説明図である。
図8(a)では、6領域に分割して配置された構成の第1透明電極層12aが形成された第1透明電極シート15aと、全面ベタの第2透明電極層12bが形成された第2透明電極シート15bを用意する。
図8(b)では、第1透明電極シート15aでの引き回し配線となる、第1透明電極層12aの配線幅が狭く表面抵抗率が上昇しやすい箇所に、第1透明電極層12a(ITO)の低抵抗化をサポートするための配線パターン30を形成する。同図では、配線パターン30を、追ってFPC,ACFと接合する予定の点線で示す箇所まで延ばしてある。
全面ベタの第2透明電極層12bでも、追ってFPC,ACFと接合する予定の点線で示す箇所(給電のための接続部)から離間した領域では、電圧勾配に基づく表示状態のムラが懸念される。そのため、接続部から離れた箇所に第2透明電極層12b(ITO)の低抵抗化をサポートするための配線パターン30を形成する。第1透明電極シート15aでは、第2透明電極層12bとFPC,ACFを接合する接続部にあたる箇所に切り欠けを設けてある。
図8(c)では、第1透明電極シート15aと第2透明電極シート15bとを、第1透明電極層12a形成面と第2透明電極層12b形成面を対向させて調光層(液晶材料)を挟持した上で積層一体化する。同図では、紙面手前側が第2透明電極シート15bとなり、紙面奥側に第1透明電極シート15aが位置する。第1透明電極層12aに形成された配線パターン30は、ビューエリア外の引き回し配線部となるベゼルにあたる箇所であるため、第2透明電極シート15bが積層される範囲外となる。第1透明電極シート15aの接続部20aおよび第2透明電極シート15bの接続部20bでは、他方の透明電極シートおよび調光層には覆われておらず、各透明電極層が露出した状態である。
図8(d)では、接続部20a,20bにACFを介してFPC25a,25bを接合する。FPC25aは紙面手前側から接合し、FPC25bは紙面奥側から接合する。同図に一点鎖線で示す矩形VAが調光領域となるビューエリアである。
[調光装置100の構成]
図1(b)(c)は、それぞれ図1(a)におけるB-B線,A-A線に沿った断面図である。図1(b)(c)に示すように、調光シート110は、調光層13と、第1透明電極シート15aと、第2透明電極シート15bとを備えている。第1透明電極シート15aは、第1透明電極層12aと、第1透明電極層12aを支持する第1透明支持層11aとから構成される。第2透明電極シート15bは、第2透明電極層12bと、第2透明電極層12bを支持する第2透明支持層11bとから構成される。
調光領域(ビューエリア)においては、第1透明電極層12aを有する第1透明電極シート15aと第2透明電極層12bを有する第2透明電極シート15bとの間に、調光層13が挟まれている。詳細には、向かい合う第1透明電極層12aと第2透明電極層12bとの間に調光層13が位置する。このように、調光領域(ビューエリア)は、調光層13が位置する領域である。
調光層13は、液晶組成物を含む。調光層13は、例えば、高分子ネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、カプセル型ネマティック液晶(NCAP:Nematic Curvilinear Aligned Phase)等から構成される。例えば、高分子ネットワーク型液晶は、3次元の網目状を有した高分子ネットワークを備え、高分子ネットワークが有する空隙に液晶分子を保持する。調光層13が含む液晶分子は、例えば、誘電率異方性が正であって、液晶分子の長軸方向の誘電率が液晶分子の短軸方向の誘電率よりも大きい。液晶分子は、例えば、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系の液晶分子である。
第1透明電極層12aおよび第2透明電極層12bの各々は、導電性を有する透明な層である。透明電極層12を構成する材料としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO),フッ素ドープ酸化スズ(FTO),酸化スズ,酸化亜鉛,カーボンナノチューブ(CNT),ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含むポリマー等が挙げられる。透明電極層12a,12bの好適な厚さは略80nm以上150nm以下である。
第1透明支持層11aおよび第2透明支持層11bの各々は、透明な基材である。透明支持層11a,11bの材料としては、ポリエチレン,ポリスチレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリビニルアルコール,ポリカーボネート,ポリ塩化ビニル,ポリイミド,ポリサルホン,シクロオレフィンポリマー,トリアセチルセルロース等からなる高分子フィルムが用いられる。透明支持層11a,11bの厚みは、それぞれ約50~200μm程度が望ましい。
液晶素子を調光層として用いる調光シートには、その使用態様により、ノーマルモードとリバースモードの二種が知られている。ノーマルモードとは、電圧印加(ON)により透過状態となり、電圧除去(OFF)により散乱状態となるモードを言う。また、リバースモードとは、電圧除去(OFF)により透過状態となり、電圧印加(ON)により散乱状態となるモードを言う。
ノーマルモードの調光シートでは、透明電極層12a,12bに駆動電圧が印加されていないとき、液晶分子の長軸方向の向きは不規則である。そのため、調光層13に入射した光は散乱し、調光領域は白濁して見える。すなわち、調光層13に駆動電圧が印加されていないとき、調光領域は不透明である。一方、FPC25a,25bを通じて第1透明電極層12aと第2透明電極層12bとの間に駆動電圧が印加されると、液晶分子が配向され、液晶分子の長軸方向が透明電極層12a,12b間の電界方向に沿った向きとなる。その結果、調光層13を光が透過しやすくなり、調光領域は透明となる。
[接続部20a,20b]
接続部20aは、調光シート110の第1透明電極シート15aに給電するために形成される箇所であり、本実施形態による調光シート110の構成では、該当する箇所にあたる第2透明電極シート15b(他方のシート)および調光層13は存在しない。給電領域において、露出した第1透明電極層12aの表面に、電気的接続端子となる接合部21aを形成し、その表面にFPC25aの端部が接合されて、外部電源からの駆動電力が供給される。FPC25aの接合箇所にはACF22aが配置され、第1透明電極層12aの表面と接合している。(図1(c)参照)
接続部20bは、調光シート110の第2透明電極シート15bに給電するために形成される箇所であり、該当する箇所にあたる第1透明電極シート15a(他方のシート)がカットされて除去されて、調光層13が拭き取りにより取り除かれた領域である。給電領域において、調光層13の除去により露出する第2透明電極層12bの表面に、電気的接続端子となる接合部21bを形成し、その表面にFPC25bの端部が接合されて、外部電源からの駆動電力が供給される。FPC25bの接合箇所にはACF22bが配置され、第2透明電極層12bの表面と接合している。(図1(b)参照)
FPC25a,25bは、ポリイミド等の絶縁性樹脂から構成された柔軟性を有する基材である絶縁性樹脂層の表面に、銅等の金属薄膜をパターニングして構成された配線層を備えており、外部電源からの調光シートへの給電を受け持つ。
ACF22a,22bは、金やニッケルコーティングした微小樹脂や無機材料の表面導電ビーズを含有した熱硬化性又は熱可塑性の樹脂シート材料である。自身が接着性を持つ場合もあるこの樹脂シート材料をFPC25a,25bの端子部と給電領域の透明電極層12a,12b表面との間に設置して、加熱圧着しながら樹脂を硬化又は成形する。これにより加熱圧着箇所となるパターン状の厚さ方向では表面導電ビーズが接触して配置されることで導通をとることができる。一方、加熱圧着のないACF22a,22bの面内方向(前記の厚さ方向とは垂直な方向)では表面導電ビーズの接触に伴う導通は発生せず、ACF22a,22bは厚さ方向と面内方向とで導電性に異方性を有することになる。
図2は、調光シート全面の表示(透過/散乱)が切り替わる用途・形態での、透明電極層が透明フィルム基材全面にベタ状に成膜されてなる構成に係る説明図である。調光シートの全面を一括的に切り替える用途・形態では、調光層(液晶素子)を挟持する2枚の透明電極シートには、透明支持層全面にベタ状に成膜されてなる透明電極層を具備する構成となり、調光層(液晶素子)を駆動する透明電極層のサイズが大きいため、透明電極層上での電圧勾配の問題が顕著となる。
図5は、ノーマルモードの調光シートの給電部の一端から印加する電圧に対する、調光シートの直進透過率の値を給電位置(接続部)からの距離毎に例示するグラフである。この例では、調光シートの直進透過率は中間階調を含めた3段階(透明⇔中間階調⇔白濁)で変化する。同図では、給電位置に最も近い調光シートの領域における、印加電圧に対する直進透過率の変化の一例を実線で示している。給電位置から近い順に、破線a,破線b,破線cにより、調光シートの領域における印加電圧に対する直進透過率の変化の一例を示している。
同図に示す例によれば、調光シートの給電位置から離れた領域ほど、給電電圧に対する直進透過率は低くなっている。これは、透明電極層の配線抵抗により電圧降下が発生し、給電位置から離れた領域ほど調光層に印加される実効電圧が低下するためである。
上記のように、ノーマルモードの場合、面積の大きい調光シートの全ての領域が透明となるように駆動するには駆動電圧を高くする必要があり、駆動電力を低く抑えることは困難であった。そのため、面積の大きな調光シートについて、全面の透過率(透明性)の均一性を確保することが困難であり、調光モジュールの品質を低下させる可能性があった。
尚、大面積の調光シートにおいて、透明電極層の配線抵抗が高いことに伴い、給電位置からの距離に応じた駆動電圧の相違に基づき領域毎の光散乱度(透過率)が均一にならず差異が生じる現象は、調光シートがリバースモードの場合も同様である。
調光シートの全面一括でなく領域毎に選択的に表示(透過/散乱)を切り替える用途・形態では、少なくとも一方の透明電極層を領域分割してなる構成となり、分割された領域毎に給電するための接続部(電極端子)を要することになる。一方の透明電極層が領域分割され、他方は全面ベタ状の透明導電層を有する透明電極シートの構成例を図6に示す。図6(a)の透明電極シートと図6(b)の透明電極シートとの組み合わせからなる調光シートでは、駆動による表示は、双方の透明電極層に電圧が印加された領域の調光層の液晶分子の配向状態が変化するため、分割領域毎に選択的に切り替わる。調光シート110の透明電極層を領域分割する構成では、分割領域毎に給電のための接続部を設けることで、離間距離に応じた電圧降下の問題は解消され、分割領域間での表示ムラは低減し、大面積の調光シートであってもシート内で均一な表示状態が維持される。
ITOからなる透明電極層上に、金属ペーストによる配線パターンおよび銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターンが積層された箇所を具備することにより、配線抵抗の高いITOに電気的接続してサポートする本発明の構成は、ITO配線幅が狭い(表面抵抗が高い)引き回し配線だけでなく、給電のための接続部から離間したビューエリアにおける電圧降下を解消する上で非常に有効である。これにより、調光シートの駆動電圧の上昇を抑制して、消費電力の低下に寄与する調光装置が提供される。
100 調光装置
110 調光シート
130A,130B 透明電極シート
140A,140B 透明電極層
150A,150B 透明支持層
160A,160B 接続部
15a 第1透明電極シート
11a 第1透明支持層
12a 第1透明電極層
15b 第2透明電極シート
11b 第2透明支持層
12b 第2透明電極層
30 配線パターン
31 金属ペーストによる配線パターン
32 銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターン
111~116 透明電極層の分割配置された領域
VA ビューエリア

Claims (2)

  1. 印加電圧に応じてヘイズを2種類以上に切替可能な調光層が、前記調光層に電圧を印加する第1透明電極層が形成された第1透明基材と、前記調光層に電圧を印加する第2透明電極層が形成された第2透明基材とに挟持されてなる構成であり、前記調光層は、三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に液晶分子が配置されるか、またはポリマー中に分散配置される液晶分子を有している構造の液晶材料からなる調光シートを具備する調光装置において、
    ITOからなる前記第1透明電極層上に、金属ペーストによる配線パターンおよび銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターンが積層された箇所である複数の引き回し配線を有し、
    前記第1透明電極層は、複数の領域に分割され、
    前記各領域は、
    当該領域のなかで前記第2透明電極層と前記調光層を挟持する部分である第1部分と、
    当該領域のなかで外部電源から給電される部分に前記第1部分を接続する第2部分と、を備え、
    前記第2部分の少なくとも一部は、前記引き回し配線を構成し、
    前記引き回し配線の長さは、前記複数の領域のなかで前記第2部分が長い前記領域ほど長い
    ことを特徴とする調光装置。
  2. 金属ペーストによる配線パターンおよび銀ナノ粒子を含むインクによる配線パターンが積層された箇所は、ITOからなる前記第1透明電極層上の少なくとも以下の(1)または(2)の部分に備えることを特徴とする請求項1記載の調光装置。
    (1)調光シートに外部電源から給電するための接続部から離間した部分。
    (2)透明電極層がパターニングされた導体パターン内で配線幅が0.5mm以下となっている部分。
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