JP4044328B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルと、表面に半導体チップ等の部品が実装されたフレキシブルプリント基板と、バックライトとを具備して構成された透過型又は半透過型液晶表示装置の薄型化の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置は、図４又は図５に示す如く、液晶表示パネル１、バックライト３及びフレキシブルプリント基板４とを具備して構成されている。
【０００３】
液晶表示パネル１は液晶表示素子１ａ、上偏光板１ｂ、下偏光板１ｃ及び光半透過板１ｄを図4の如き順序に配置し、接着剤等で接合して構成されている。液晶表示素子１ａは、ガラスや樹脂フィルム等からなる２枚の透明基板の間に液晶が封入されてなるものである。上偏光板１ｂと下偏光板１ｃは、特定方向の直線偏光のみを選択的に透過又は吸収させる部材である。
【０００４】
液晶表示パネル１は、電界や電流或いは温度によって液晶分子の配列状態や相変化が起こり、液晶状態での光の干渉、散乱、回折、旋光、選択散乱、吸収などの光学的性質が変化することを動作原理とするものである。通常は、対向する電極間に電圧を印加して液晶層を制御することにより、液晶表示パネル上に表示を行う。液晶表示パネル１は非発光性であるため、表示を可視化するには外光やバックライトの発光を利用する必要がある。
【０００５】
バックライト３である前記ＥＬシートは、例えばＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）等からなる可撓性フィルムと、前記可撓性フィルムの裏面にＩＴＯ（酸化インジウム・スズ）を蒸着して形成された透明電極と、前記透明電極の裏面に設けられたＥＬ層と、前記ＥＬ層の裏面に設けられたカーボン等からなる背面電極と、前記背面電極をカバーするエポキシ樹脂やポリエステル樹脂等の被覆層とから構成されたものである。そして、前記ＥＬ層はフッ素ゴムやシアノ系樹脂等の高誘電性樹脂に発光の母材となる硫化亜鉛等の発光体粉末を分散させたもので、前記絶縁層の上に塗布法により製膜されたものである。
【０００６】
前記ＥＬシートには、インバータを介して駆動電圧が印加される。前記インバータは直流電力を２００Ｖ程度の交流電力に変換する直流交流変換器であって、ＥＬ駆動用半導体チップとインダクタとコンデンサを含んで構成されている。
【０００７】
ところで、従来の透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置において、バックライト３であるＥＬシート及びその駆動回路であるインバータは液晶表示パネルとは別部品として製品（液晶表示装置が組み込まれた製品）に組み込まれていた。具体的には、前記インバータは前記製品のマザーボード（メイン回路基板）に組み込まれていた。
【０００８】
このような構成のために、従来の透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置は、次の２つの問題を有していた。１つは、ＥＬシートが液晶表示パネルの下に敷き込まれる構造のために、液晶表示装置がその分厚くなり、その結果、液晶表示装置が組み込まれる製品の薄型化が阻害されるという問題である。他の１つは、インバータが製品のマザーボードに設置されているために、液晶表示装置単体での発光確認が出来ないという問題である。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする第１の課題は、透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置が組み込まれる製品の薄型化を阻害しないバックライト構造を提供することである。
【００１０】
本発明が解決しようとする第２の課題は、透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置自体で発光確認ができるようにすることである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上記第１の課題を解決するために、液晶表示パネルと、表面に半導体チップ等の部品が実装されたフレキシブルプリント基板と、バックライトとを具備して構成された液晶表示装置において、前記フレキシブルプリント基板のベースフィルムの裏側に発光層を形成し、この発光層をバックライトとする構造とした。
【００１２】
上記第２の課題を解決するために、液晶表示パネルと、表面に半導体チップ等の部品が実装されたフレキシブルプリント基板と、バックライトとを具備して構成された液晶表示装置において、前記フレキシブルプリント基板のベースフィルムの裏側に発光層を形成し、この発光層をバックライトとする構造とすると共に前記発光層の駆動回路であるインバータを前記フレキシブルプリント基板に配置した。
【００１３】
【発明の実施の形態】
図１又は図２に示す半透過型液晶表示装置は、液晶表示パネル１と、液晶表示パネルを駆動する半導体チップ等の部品が表面にＣＯＦ（Chip On Film）等の実装方法で搭載されたフレキシブルプリント基板２とを具備して構成されたものである。なお、半導体チップ等の部品の搭載状態は本発明と直接関係しないので、図示を省略してある。
【００１４】
液晶表示パネル１は液晶表示素子１ａ、上偏光板１ｂ、下偏光板１ｃ及び光半透過板１ｄを図１の如き順序に配置し、接着剤等で接合して構成されている。液晶表示素子１ａは、ガラスや樹脂フィルム等からなる２枚の透明基板の間に液晶が封入されてなるものである。上偏光板１ｂと下偏光板１ｃは、特定方向の直線偏光のみを選択的に透過又は吸収させる部材である。
【００１５】
図１及び図２に示すように、フレキシブルプリント基板２はチップ等搭載部２ａ、発光部２ｂ及び端子部２ｃから構成されている。フレキシブルプリント基板２は液晶表示パネル１の裏側に配置されるが、その発光部２ｂが液晶表示パネル１の真下にくるように折り曲げられている。発光部２ｂが液晶表示パネル１の真下にくるように折り曲げられたことにより、フレキシブルプリント基板２のチップ等搭載部２ａは発光部２ｂの下側に配置される。
【００１６】
液晶表示パネルを駆動するＩＣチップ等がＣＯＦ（Chip On Film）等の実装方法で搭載されたフレキシブルプリント基板２は液晶表示パネル１とＵＶ接着剤で接合されている。
【００１７】
フレキシブルプリント基板２の発光部２ｂはベースフィルムの裏面に形成された発光層を含む。前記発光層は、例えば図３に示す如く、ベースフィルム２１の上に背面電極２２、絶縁層２３、ＥＬ層２４、ＩＴＯ２５及びカバー層２６がスパッタ蒸着により順に積層されて形成されている。
【００１８】
なお、本発明はフレキシブルプリント基板２を折り曲げて液晶表示パネル１の下側に配置する図示の実施形態に限定されるものではない。フレキシブルプリント基板２は折り曲げないで、そのまま液晶表示パネル１の下側に配置することも可能である。この場合も、フレキシブルプリント基板２は、その表面にチップ搭載部２ａが形成され、裏面に発光部２ｂが形成されたものが用いられる。
【００１９】
ＥＬ駆動用インバータは、直流電力を２００Ｖ程度の交流電力に変換する直流交流変換器であって、ＥＬ駆動用半導体チップとインダクタとコンデンサを含んで構成されている。このインバータはフレキシブルプリント基板２のチップ等搭載部２ａにＣＯＦ（Chip On Film）等の実装方法で搭載されている。
【００２０】
このように、本発明に係る液晶表示装置においてはＥＬ駆動用インバータはフレキシブルプリント基板２のチップ搭載部２ａに搭載されているので、液晶表示装置自体で発光確認ができる。また、インバータが装置のマザーボードに搭載されていた従来装置に比べて、ＥＬシートとフレキシブルプリント基板とを接続する基板とコネクタを用いる必要がなくなったので、部品点数が削減された。
【００２１】
【発明の効果】
本発明により、透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置が組み込まれる製品の小型化や薄型化を阻害しないバックライト構成を提供することができた。
【００２２】
また、本発明に係る透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置は、バックライトを駆動するインバータがフレキシブルプリント基板に設置されているものであるから、液晶表示装置単体での発光確認が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る参考例の液晶表示装置の主要部構成を模式的に示した断面図である。
【図２】 本発明に係る参考例の液晶表示装置の主要部の分解斜視図である。
【図３】 発光層の構成の一実施例を模式的に示した断面図である。
【図４】 従来の透過型液晶表示装置の主要部構成を模式的に示した断面図である。
【図５】 従来の半透過型液晶表示装置の主要部の分解斜視図である。
Claims (1)
- 液晶表示パネルと、背面電極、絶縁層、ＥＬ層、ＩＴＯ、カバー層が順次ベースフィルム上に積層された構成の発光層を有するフレキシブルプリント基板と、を備え、前記発光層の駆動回路であるインバータが前記フレキシブルプリント基板の表面に実装され、前記発光層が前記液晶表示パネルの背後に配置され、前記インバータが前記発光層の背面側に配置されるように前記フレキシブル基板が折り曲げられることにより、前記発光層が前記液晶表示パネルを照明するバックライトとして機能することを特徴とする液晶表示装置。
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