JP7119305B2 - 調光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電気的制御によって光の透過状態を制御する光学素子を備えた調光体に関し、特に、透明電極層付き透明基材へのリード線連結構造として好適な給電構造(電極構造)の改良された調光体に関する。
以降の説明においては、調光体,調光装置,調光シート,調光フィルムなど各種用語を混在して用いることもあるが、透明基材が、例えばガラス板,アクリル板などのリジッドな基材であったり、フレキシブルな樹脂フィルムであったり、フレキシブルな調光フィルムが厚さ,剛性確保のため、リジッドな基材に固定される(あるいは、挟持された合わせガラスの形態とされる)ことに起因する最終形態に伴う相違であり、本願発明ではそれらを同義語として取扱うものとする。
不透明状態(あるいは白濁状態)と透明状態とを切り替える調光シートは様々な用途で用いられている。例えば、調光シートは、電極間に保持された液晶層を備え、電極に印加する電圧により液晶層に含まれる液晶分子の配向状態を変化させて、入射した光を散乱する不透明状態と、入射した光を透過する透明状態とを切り替え可能に構成されている。(例えば、特許文献1参照)調光シートは、例えばガラス等の透明基材に固定することにより、窓ガラスや展示ウィンドウ、間仕切りなどに採用することが可能となり、例えばプライベート空間とパブリック空間とを分離するため等、空間を分離する設備の他、自動車のサンルーフやサンバイザー用途としての利用についても提案されている。
調光体30における電極構造は、図1に示すように、液晶層33、並びに透明導電膜35a及びPETフィルム34aが切り欠かれた調光体30の一端に設けられ、露出した透明導電膜35bの上に塗布された銀ペースト40と、銀ペースト40の上側に圧着されたピンコネクタ41とから成る。ピンコネクタ41は舌片状に延出する延出部41aを備え、ハンダ42によってリード線43が当該延出部41aに連結されている。(例えば、特許文献2参照)
図示されるように調光体30における電極構造は、PETフィルム34aで覆われないため、外部に露出する。この電極構造は、調光体30が合わせガラスに用いられて窓枠に填め込まれる際、サッシ等に飲み込まれるため、合わせガラスにおける板ガラス等で覆う必要性はないとされていたが、調光体30を用いた合わせガラスの窓枠への施工時におけるハンドリング改善の観点より、当該電極構造を板ガラス等で覆うことが必要とされる用途もある。
調光体30を用いた合わせガラスの作成の際、透明導電膜35a及びPETフィルム34aにおける切り欠かれた部位に板ガラスへの押圧力に起因する応力が集中し、集中応力によって透明導電膜35a及びPETフィルム34aが透明導電膜35b及びPETフィルム34bの方へ曲折されるため、透明導電膜35a及び透明導電膜35bが接触して電気的に短絡し、その結果、調光体30の動作不良が発生するという問題を解消するため、「電極構造の厚さが、液晶層、透明導電膜のうち他の透明導電膜及び他の透明導電膜が配設された基板の厚さの積算値以上である」様に設計した給電構造に係る提案も公知である。(特許文献3;図2参照)
図2では、銀ペースト111,銅テープ112,コネクタ113の厚さの積算値が、液晶層108,透明導電膜110a,PETフィルム109aの厚さの積算値以上となるように各部の厚みが調整される。
図2において、合わせガラス100は、対向する一対の板ガラス101a,bと、該板ガラス101a,bの各々における対向面に配設された、例えば、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)から成る透明な中間膜102a,bと、該中間膜102a,bの間に挟持された下記に示す調光体103とを備えている。
この調光体103は、複数の空孔104を有するラテックスから成る透明なポリマーフィルム105及び上記空孔104の各々に液晶分子106が封入されることによって形成された液晶カプセル107から成る液晶層108と、間に液晶層108を挟持する一対のPETフィルム(基板)109a,bと、該一対のPETフィルム109a,bの各々における対向面に配設された透明導電膜110a,bとを備え、さらに、調光体103の一端において液晶層108、並びに透明導電膜110a及びPETフィルム109aが切り欠かれることによって露出した透明導電膜110bの上に設けられた下記に示す電極構造を備えている。
この電極構造は、露出した透明導電膜110b上に塗布された銀ペースト111及び銀ペースト111の上側に貼着された銅テープ112から成る接続基部と、一端が銅テープ112に圧着され且つ他端が合わせガラス100の周縁部より舌片状に突出した、例えば、銅等の金属から成る板状のコネクタ113(メッシュ構造の接続部)とを有し、コネクタ113には、ハンダ114によって不図示の外部電源より電力を供給するリード線115(配線)が固着されている。
特開2014-146051号公報 実公平6-37395号公報 特許第4060249号
銅テープ112はその裏面の接着剤により銀ペースト層111に対面接着していて、両者の接着強度は前記接着剤の接着力に強く依存している。そのため、接着力が経時的に弱まると剥離するなどして電気的絶縁を招くこともある。また、調光体103をガラス板で挟んで合わせガラスとするときの加工熱によっても接着剤の劣化が生じやすい。そのため、銅テープ112の接着力が弱まりやすく、合わせガラスの製造工程における剥離といった問題も招きやすい。一方で、上記の通り複数層からなる電極構造では、電気抵抗が不安定となる惧れも指摘される。この点、調光体の高精度な制御には安定した電気抵抗の確保が不可欠とされている。
そこで本発明は、少なくとも透明導電膜と電極構造との接合強度を向上させた調光体を提供することを目的とする。さらには、接合強度を確保しつつも安定した電気抵抗を確保することが可能な調光体を提供することも目的とする。
本発明の調光体は、
印加電圧に応じてヘイズを2段階以上に切替可能な調光層が、当該調光層に電圧を印加する透明電極を有する透明基材に挟持されている調光体において、
前記調光体の端部に設けられ、前記透明電極上に形成された第1の導電層、および前記第1の導電層上に形成された第2の導電層を少なくとも有し、前記透明電極へ電気的接続を行う接続領域を有し、
前記第2の導電層から外部に電気的接続されていることを特徴とする。
あるいは、前記透明電極と前記第1の導電層間に、接着強度,機械的強度,導体間の電気抵抗調整などの目的で、第3の導電層を介在させた構成としても良い。
上記第1の導電層としては、導電性フィラーを含む材料、またはカーボンブラックの分散混合されてなるアクリル系粘着剤を含むカーボンテープ材の採用が好ましい。
上記第2の導電層としては、銅テープの採用が好ましい。
上記第3の導電層としては、銀ペーストの採用が好ましい。
上記電極保護層としては、紫外線硬化性樹脂の採用が好ましい。
透明基材としては樹脂フィルムの採用が好ましい。
上記第1の導電層の面積をA、上記第2の導電層の面積をB、上記第3の導電層の面積をCとする場合に、C>A>Bの関係を有することが好ましい。
以上のように、本発明によれば、少なくとも透明導電膜と電極構造との接合強度を向上させた調光体が提供される。
従来技術に係る給電構造(電極構造)の一例を示す説明図。 従来技術に係る給電構造(電極構造)の他例を示す説明図。 調光体の構成例を示す端面面図。 調光体の構成例を示す端面図。 調光体の接合領域を示す平面図。 図5における半田接合箇所を含む接続領域を拡大して示す平面図,端面図。
以下、本発明の実施形態について図示を用いて説明するが、本発明は以下の図示・説明によって限定されるものではない。
本発明では、調光層として、三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に液晶分子が配置されたタイプのPNLC(ポリマーネットワーク液晶)、またはポリマー中に分散配置される液晶分子を有するタイプのPDLC(高分子分散液晶)の何れかを採用することを想定しているが調光層としてはこれ以外の構成であってもよい。
<PNLCによる調光体>
PNLCからなる調光層を具備するスクリーンの製造にあたっては、液晶と光重合性化合物(モノマー)との混合物を一対の透明電極基板の間に挟み、一定の条件下で紫外線を照射し、光重合によって光重合性化合物が高分子に変化すると共に、光重合および架橋結合により、微細なドメイン(高分子の空隙)を無数に有するポリマーネットワークが液晶中に形成する。
PNLCの駆動電圧は、一般にポリマーネットワークの構造上の特性(ドメインの大きさや形状,ポリマーネットワークの膜厚など)に依存しており、ポリマーネットワークの構造と、得られる光透過/散乱度との関係において、駆動電圧が決定されている。
100V以下の電圧領域において、十分な光透過/散乱度が得られるようなPNLCを構成するには、各ドメインがいずれも適正な大きさで均一となるように、かつ、形状も均一となるようにポリマーネットワークを形成する必要がある。
本発明では、ポリマーネットワーク構造に依存するドメインサイズを3μm以下、好ましくは2μm以下、一層好ましくは約1μmとなる様に制御する。
製造方法の詳細については、九州ナノテック光学株式会社による特許第4387931号に説明されており、本発明の実施形態においても、調光体となる液晶素子の製造は前記特許に準拠したプロセスを採用する。
前記プロセスは、上述した「サイズや方向性の制御されたネットワーク構造」の設計~製造の上で非常に有効である。
図3に示すように、本実施形態による調光体1は、PNLCからなる調光層2と透明導電フィルム3とを備えている。
透明導電フィルム3は、調光層2(PNLC)を挟持しており、調光層2(PNLC)に電圧を印加して、高ヘイズ(散乱状態),低ヘイズ(透過状態)を変化させる。
調光層2は、5μm~50μm(好適には10μm~25μm程度)の厚さでの製造が好ましい。
透明導電フィルム3は、フィルム基材5上にITOやIZOや有機導電膜などの透明な導電材料からなる透明電極6を成膜してなる透明導電フィルム3a,3bを互いの透明電極6側を対向して調光層2を挟持する。
透明電極6の好適な厚さは略80nm以上150nm以下である。
尚、PNLCでは印加電圧に応じて、0/1以外の中間調のヘイズ状態を表現することも可能である。
リバースタイプの調光層2(PNLC)を具備する調光体1では、調光層2の上側の透明導電フィルム3aの間に配向膜7aを積層するとともに、調光層2の下側の透明導電フィルム3bの間にも配向膜7bが積層される。(図4参照)
ポリマーネットワーク及び液晶分子は、一対の配向膜7a,7bの間に配置されている。配向膜7a,7bは、いわゆる垂直配向膜であり、調光層2に電圧を印加していないときに、液晶分子の長手方向が配向膜7a,7bの法線方向に沿うように、当該液晶分子を配向する。このため、リバースタイプの調光層2(PNLC)は、電圧を印加していないときに低ヘイズ状態となり、透過性が高くなる。
透明導電フィルム3a,3bを構成する透明基材5には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム,ポリエチレン(PE)フィルム,ポリカーボネート(PC)フィルムなどを用いることができる。透明基材5の厚みは、約50~200μm程度が望ましい。
透明導電フィルム3a,3bを構成する透明導電層6には、一般的にITOなどの金属酸化物が用いられるが、ITOに替えて低抵抗の導電性ポリマーを採用することも可能である。導電性ポリマーとしては、PEDOT/PSSに例示されるπ共役系導電性高分子にドープされたポリアニオンを含む材料の採用が好適である。
ITO,IZO,有機導電膜からなる透明電極6は、ハンダに接着しないため、ハンダ付が可能となる様に、透明電極上に金属メッキ層(Niが代表的)を形成したり、導電性接着剤による厚膜層を形成するなどの中継的役割を担う端子処理が必要となる。
この点に着目し、本実施形態では、透明電極110上に、接着強度を一層高める上で第3の導電層111として銀ペーストが、第1の導電層120としてカーボンテープが、第2の導電層112として銅テープが、それぞれ用いられる。
第1の導電層は、透明電極6(または、後述する第3の導電層)と第2の導電層との接続強度を向上させ、かつ電気的接続を保つことが目的である。例えば、第1の導電層としては、導電性フィラーを含む材料、またはカーボンブラックの分散混合されてなるアクリル系粘着剤が挙げられる。導電性フィラーとしては、カーボンブラックが挙げられる。第1の導電層に含まれる接着剤や粘着剤の材料はアクリル系やウレタン系など公知のものでよい。この第1の導電層はベース基材を含んでもよい。ベース基材としては、例えば銅箔やアルミ箔や亜鉛箔などの金属箔、不織布、プラスチックフィルムなど公知のものでよい。ベース基材はエンボス加工がされていてもよい。ベース基材に銅やニッケルのめっきや蒸着をした構成にしてもよい。第1の導電層は両面に粘着性があってもよいし、一方の面だけに粘着性があってもよい。第1の導電層の一方の面だけに粘着性がある場合は、他方の面は金属表面になっているか導電性のコーティングがされているものが好ましい。第1の導電層の表面抵抗値は0.5Ω/平方センチメートル以下が好ましく、0.1Ω/平方センチメートル以下がより好ましい。
第2の導電層は、リード線との電気的接続がよいものが推奨される。例えば、銅箔と粘着剤からなる銅テープが挙げられる。
第3の導電層は、透明電極との密着性が良い材料として銀ペーストが採用されている。但しこれに限定されるものではなく、例えば他の導電ペーストを用いることができる。
本実施形態では、第1,第2,第3の導電層それぞれの面積をA,B,Cと設定すると、C>A>Bとなるように構成される。これにより、絶縁保護層である紫外線硬化性樹脂の硬化物が、第1~第3の各導電層とそれぞれ確実に接触面積を十分にして接合する。そのため、層間剥離のおそれが低減し、合わせガラス形態への加工など、調光体の後加工においての接着強度低下に伴う製造上のリスクが一層解消されることになる。さらに本実施形態では、第1の導電層が第3の導電層からはみ出ることなく、また第2の導電層が第1の導電層からはみ出ることなく形成されている。また、いずれの導電層も透明電極6内に収まる寸法に設計されている。これにより、外部電源から調光体に給電を行なう半田接合部を含む接続領域が舌片状に延出することのない電極構造が提供される。つまり、上記半田接合部が調光体の面内に収まることから保護され、調光体端部の機械的強度,耐候性の向上が図られた構成の電極構造が提供される。
ここで、第1の導電層としてカーボンテープを採用することにより、透明電極6(または、第3の導電層)と第2の導電層との電気的接続が良好となり、翻ってこれら接続領域を介してなる透明電極と半田114との電気的接続抵抗が改善されるという効果を奏する。
ここで、第1の導電層としてカーボンテープを採用することにより、透明電極6(または、第3の導電層)と第2の導電層との電気的接続が良好となり、翻ってこれら接続領域を介してなる透明電極と半田114との電気的接続抵抗が改善される。
従来、端子部での接触抵抗の低下にあたっては、接触する部分に高価な金メッキを使用したり、接触する部分にバネ性を持たせる構造を採用して圧力をかけるなど、接触抵抗の上昇に伴う発熱,消費電力の無駄,導通不良の発生を回避する手法が採用されていた。これに対して本実施形態では、導電ペースト111と銅テープ112の間にカーボンテープ120を介在させることにより、接触抵抗の低下の上で有効なことが確認された。本実施形態の調光体1は、樹脂製の透明基材を具備する構成であるためメッキや溶融ボンディングの様な高温加熱処理の採用が不可能である。つまり、本発明によれば、カーボンテープ120を使用することにより、従前に比べ簡素な工程で安定した電気抵抗を得ることが可能になった。
カーボンテープ120の介在の有無に応じた電気的接続抵抗(接触抵抗)の測定結果を下記表1に示す。
測定にあたっては、液晶層を挟持する上下の電極端子(銅テープ112)間の抵抗値を、第1,第2,第3の導電層を具備する構成のサンプル1,2(それぞれ処方の異なるカーボンテープあり)と、第1の導電層(カーボンテープ)を具備しない以外はサンプル1,2と等しい条件のサンプル3(カーボンテープなし)について、4285AプレシジョンLCRメータを用いた。
測定範囲の全ての周波数帯域で、カーボンテープを採用した本実施形態(サンプル1,2)の抵抗値が、カーボンテープをしないサンプル3の抵抗値に比して低下していることが確認される。
Figure 0007119305000001
なお、特許文献2,3に記載の給電構造では、ピンコネクタ41,コネクタ113は、下層に位置する銀ペースト40(111),銀ペースト111の上側に貼着された銅テープ112の断裁された端部から舌片状に延出しており、リード線(43,115)とのハンダ接合部は調光体から延出されたむき出しのままであり、機械的,耐環境性,電気的短絡に対する保護が不十分な形態が維持されていると言える。
特許文献2に記載の構成では、板ガラス等で覆った合わせガラスの形態にする前提で電極構造を構成する各部の厚さを設計し、板ガラスで挟み込んで電極構造を保護してはいる。しかし、延出されたリード線とのハンダ接合部に対する保護は何ら考慮されていない。そのため、本実施形態のように、接続領域の全体を覆うように電極保護層を形成してもよい。
図5は、本実施形態による調光体を示す平面図である。
一例として、縦横2.8m×1.2mの調光体における同図下端部に、2箇所(左:表側=紙面手前側116a,右:裏側=紙面奥側116b)に帯状の接続領域が形成される。
各帯状の接続領域は、調光体の横幅Wの約40%長さ(=48cm)であり、表裏で重なり合わない様に、左右端部との余白,接続領域同士の間隔を適度に保って配置されている。端部との額縁状の余白は、フレームに装着,合わせガラス形態とする際の封止部の加工をする上で必要となる。
接続領域サイズは図示に限らず、調光体内部でPNLCが挟持された領域サイズ(矩形の調光体シートの一辺)の100%近い長さに渡っても、リード線が半田接合されるポイントを僅かに超える程度(>0%)であっても良いが、調光体シートの一辺長さの50%以上のサイズの場合は、表裏の接続領域116a,116bを同一辺の端部近傍で重なり合うことなく配置する上では設計上の制約を受けることになる。
調光体の面積が大きくなると、給電部から離れた調光体の領域では、透明電極の抵抗により電圧降下が発生し、調光層に印加される実効電圧が低下する。給電部近傍と、給電部から離れた位置とにおいて実効電圧の差が大きくなると、例えば、給電部近傍では調光体が透明となり、給電部から離れた位置では調光体が不透明となってしまうという「ヘイズ差(ムラ)」が無視できない問題となるため、給電部では、実効電圧の差が問題視されない程度のサイズや配置関係(離間距離が過剰でないこと)が要求される。
図6は、図5の接続領域を拡大して示す平面図および図5におけるA-A’線での端面図((a)~(d)の4種類)である。
接続領域116a,116bの配置箇所では、PETフィルムに例示される透明基材109(および透明導電膜110)に切り欠け(ハーフカット)を形成し、露出させた他方の透明基材側の透明導電膜110面上に含まれるように面積Aの導電ペースト111を形成し、面積A内に含まれるように面積Bのカーボンテープ120を配置し、面積B内に含まれるように面積Cの銅テープ112を配置する。
本実施形態においては、接続領域116a,116bは、平面図の上下方向でそれぞれ15mm幅であり、上下方向で導電ペースト111幅(10mm),カーボンテープ120幅(8mm),銅テープ112幅(5mm)で、透明導電膜110上に順次形成される。
上記のように形成された接続領域において、外部電源から調光体に給電を行なうリード線43を銅テープ112上で半田接続した後、半田部分114と上記接続領域を覆う状態で電極保護層を形成する。
半田接続にあたっては、鉛フリー半田(加熱温度=約200℃),加熱温度の低い超音波半田など、半田114の種類は適宜選択される。
電極保護層の材料としては、紫外線硬化性エポキシ樹脂あるいは紫外線硬化性アクリル樹脂が短時間で硬化させることが可能であり好適である。
電極保護層に要求される特性として、絶縁性,耐水性(電蝕防止),機械的強度,保護対象との密着性が挙げられ、重視する目的に応じて適宜選択される。
同図(a)~(d)に、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる電極保護層(保護膜)117により接続領域を被覆する形態を示す。
図6(a)は、保護膜117(a,b)が、半田接続部,銅テープ112を完全に被覆し、カーボンテープ120,導電ペースト111は部分的に露出しており、保護膜117が透明導電膜110にまで至らない被覆形態を示す図示である。
図6(b)は、保護膜117(c,d)が、半田接続部,銅テープ112,カーボンテープ120,導電ペースト111を完全に被覆し、透明導電膜110が部分的に露出した被覆形態を示す図示である。
図6(c)は、保護膜117(e,f)が、半田接続部,銅テープ112,カーボンテープ120,導電ペースト111,透明導電膜110を完全に被覆した被覆形態を示す図示である。
図6(a)~(c)では、保護膜117は、ハーフカット除去した透明基材109を超えない高さで図示されている。ここで本発明に係る調光体は、導電ペースト111,カーボンテープ120,銅テープ112,半田接続部,保護膜117の厚さの積算値が、液晶層108,透明導電膜110,PETフィルム109の厚さの積算値以上となるように各部の厚みを調整してもよい。つまり、保護膜117が接続領域を覆ってしまう構成も許容される。これにより、特に保護膜117の塗布厚さによる制御が容易である。加えて上記のように保護膜を設けることにより、ハンダ接合部を保護する保護層の形成に応じて生じる接続領域での材質,厚さ,機械的強度の相違に伴う調光体の折れ,曲がりが生じやすくなるという問題が解消される。
図6(d)は、図6(c)の構成からさらに保護膜の塗布領域を広汎にした変形例である。図6(d)に示すように、保護膜117(e,f)が、透明導電フィルム3a,3bのハーフカット除去された接続領域の全体を覆うように形成され、自身が覆う接続領域が設けられている透明基材とは異なる透明基材の一部にまで延伸している被覆形態を示す図示である。
図6では、液晶層108を挟持する下側の透明電極基材(透明基材109+透明導電膜110)の透明導電膜110に給電するための電極構造(接続領域116a)に形成する上向きの半田接続部を被覆する保護膜117に添字a,c,eを付し、上側の透明電極基材の透明導電膜110に給電するための反転した電極構造(接続領域116b)に形成する保護膜117に添字b,d,fを付して表記している。
保護膜117が、導電ペースト111(面積C),カーボンテープ120(面積A),銅テープ112(面積B)の各部材とそれぞれ確実に接触して接合するため、各界面における層間剥離の惧れが低減すると共に、液晶層108を挟持する透明電極基材のうち、切り欠け(ハーフカット)を形成するため除去した側の透明電極基材との電気的短絡を回避する上では、保護面積の大きい図6(d)に示す被覆形態が4形態のうちで最も好適である。
また、図6(d)の被覆形態では、保護膜117の形成に応じて生じる接続領域での材質,厚さ,機械的強度の相違に伴い、調光体の接続領域近辺で段差や境界が発生し、折れ,曲がりが生じやすくなるという問題も起きていたが、当該問題の解消の上でも、図6(d)に示す被覆形態が有効であった。これらにより、透明導電膜上の導電ペーストと銅テープとの接合強度を向上すると共に、リード線など接続部材とのハンダ接合部が保護され、調光体端部の機械的強度,耐候性の向上が図られた構成の電極構造を得ることができた。
以上が本発明の実施形態である。本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、第1から第3の導電層の3層構成であると説明した。これにより、透明導電膜との接着強度の向上を図っている。これに対し、本発明は第3の導電層である銀ペーストを省いた2層構成を採用することも可能である。このような2層構成を採ることにより、コストを抑えて電気抵抗を安定させることができる。なお、接着強度という観点では、上記実施形態ほどではないものの必要十分な接着強度を確保することができる。つまり、本発明によれば、透明導電膜との接着性が良好であっても、コスト的に高価な導電ペーストの透明導電膜上への形成を割愛した構成でありながら、接合強度の十分な電極構造を持つ調光体が提供される。
1 調光体
2 調光層
3(a,b) 透明導電フィルム
5(a,b) フィルム基材
6(a,b) 透明電極
7(a,b) 配向膜
11 電源
12 スイッチ
30 調光体
33 液晶層
34(a,b) PETフィルム
35(a,b) 透明導電膜
40 銀ペースト
41 ピンコネクタ
41a 延出部
42 ハンダ
43 リード線
100 合わせガラス
101(a,b) 板ガラス
103,200 調光体
104 空孔
106 液晶分子
107 液晶カプセル
108 液晶層
109(a,b) PETフィルム
110(a,b) 透明導電膜
111 銀ペースト
112 銅テープ
113,201 コネクタ
114 ハンダ
115 リード線
117(a,b,c,d,e,f,g,h) 保護膜(紫外線硬化性樹脂=電極保護層)
120 カーボンテープ

Claims (7)

  1. 印加電圧に応じてヘイズを2段階以上に切替可能な調光層が、当該調光層に電圧を印加する透明電極を有する透明基材に挟持されている調光体において、
    前記調光体の端部に設けられ、前記透明電極上に形成された第1の導電層、および前記第1の導電層上に形成された第2の導電層を少なくとも有し、前記透明電極へ電気的接続を行う接続領域を有し、前記接続領域の前記透明電極と前記第1の導電層間に第3の導電層を有し、
    前記第2の導電層から外部に電気的接続され
    前記接続領域を構成する第1から第3の導電層及び第1の導電層が形成される透明電極は、調光体の幅方向に延び、表裏の接続領域で重複しない帯状パターンであることを特徴とする調光体。
  2. 前記第1の導電層は、導電性フィラーを含む材料、またはカーボンブラックの分散混合されてなるアクリル系粘着剤を含むカーボンテープ材であることを特徴とする請求項1に記載の調光体。
  3. 前記第2の導電層が銅テープであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調光体。
  4. 前記第3の導電層は、銀ペーストであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の調光体。
  5. 前記第1の導電層の面積をA、前記第2の導電層の面積をB、前記第3の導電層の面積をCとすると、C>A>Bの関係を有する請求項4に記載の調光体。
  6. 少なくとも前記接続領域の全体を覆うように電極保護層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の調光体。
  7. 前記電極保護層による被覆領域は、自身が覆う前記接続領域が設けられている前記透明基材とは異なる透明基材の一部にまで延伸していることを特徴とする請求項6に記載の調光体。
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