JP2019020560A - 調光体 - Google Patents

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潤一 馬場
裕介 ▲高▼橋
裕介 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】薄いフィルム状の調光体(合わせガラスへの適用も可能である)であっても、新たな部材,プロセスの適用を要さず、簡便に上下の透明導電膜の接触(ショートの危惧)が回避され、絶縁性の確保された給電電極部構造を有する調光体を提供する。
【解決手段】印加電圧に応じてヘイズを2種類以上に切替可能な調光層が、前記調光層に電圧を印加する透明電極が形成された透明基材に挟持されてなる構成であり、前記調光層は、三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に液晶分子が配置されるか、またはポリマー中に分散配置される液晶分子を有している構造の液晶材料からなる調光体において、調光体の端部に、一方の透明基材が切り欠かれて露出した透明電極上への電気的接続のための領域では、透明基材間に挟持されていた調光層の液晶材料がはみ出して残っていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気的制御によって光の透過状態を制御する光学素子を備えた調光体に関し、特に、透明電極層付き透明基材へのリード線連結構造として好適な給電構造(電極構造)の改良された調光体に関する。
以降の説明においては、調光体,調光装置,調光シート,調光フィルムなど各種用語を混在して用いることもあるが、透明基材が、例えばガラス板,アクリル板などのリジッドな基材であったり、フレキシブルな樹脂フィルムであったり、フレキシブルな調光フィルムが厚さ,剛性確保のため、リジッドな基材に固定される(あるいは、挟持された合わせガラスの形態とされる)ことに起因する最終形態に伴う相違であり、本願発明ではそれらを同義語として取扱うものとする。
不透明状態(あるいは白濁状態)と透明状態とを切り替える調光シートは様々な用途で用いられている。
例えば、調光シートは、電極間に保持された液晶層を備え、電極に印加する電圧により液晶層に含まれる液晶分子の配向状態を変化させて、入射した光を散乱する不透明状態と、入射した光を透過する透明状態とを切り替え可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
調光シートは、例えばガラス等の透明基材に固定することにより、窓ガラスや展示ウィンドウ、間仕切りなどに採用することが可能となり、例えばプライベート空間とパブリック空間とを分離するため等、空間を分離する設備の他、自動車のサンルーフやサンバイザー用途としての利用についても提案されている。
調光体30における電極(給電部)構造は、図2に示すように、液晶層33、並びに透明導電膜35a及びPETフィルム34aが切り欠かれた調光体30の一端に設けられ、露出した透明導電膜35bの上に塗布された銀ペースト40と、銀ペースト40の上側に圧着されたピンコネクタ41とから成る。ピンコネクタ41は舌片状に延出する延出部41aを備え、ハンダ42によってリード線43が当該延出部41aに連結されている。(例えば、特許文献2参照)
舌片状の延出部41aを備えハンダ42が自由端上にある不安定な構造に換えて、図3に示すように、上側の電極フィルム(イ)が切り欠かれて下側の電極フィルム(ロ)の透明導電膜が露出した表面に導電ペースト,導電テープを積層し(同図では、導電テープ等として単層で図示している)、ハンダ等を形成し、配線(リード線)に連結した構造の給電部(導電テープは舌片状に延出させない)も採用されている。
上側の電極フィルム(イ)側に形成される給電部は、上記の様に電極フィルム(ロ)側に形成された給電部とは重なり合わず離間した箇所に、同図を上下反転した状態で同様に形成される。
こうして電極フィルム(イ)(ロ)に付与された給電部から電圧が印加され、調光体の液晶駆動が行なわれる。
以下、図3において破線で囲まれる箇所(α)を「給電電極部」と称して、調光体の電極フィルムに形成された透明導電膜による電極と差別することとする。
近年、コンパクト化,重量軽減,低コスト化,可撓性の向上による曲面追従性などを目的とする調光フィルムの薄肉化の要求もあり、主に液晶層の薄型化(液晶材料の使用量の低減),透明基材の材料変更・薄型化による設計変更が講じられているが、図4において破線で囲まれる箇所(β)の部分で上下の透明導電膜が接触しやすくなり、電気的短絡(ショート)の発生を招きやすくなり、調光体の機器故障(発火や火災につながる可能性も否定できない)のリスクが上昇している。
同図に示す様に、調光体がハーフカット(上側の透明基材を切り欠き)されて上側の透明導電膜が露出した箇所に給電部を形成するため、液晶層を拭き取ることにより、対となる上下の透明導電膜が露出〜対向した構造となり、外部からの応力により接触を招きやすい。
上下の透明導電膜のショートへの対策が講じられた先行技術として、特許文献3の提案が公知である。
特許文献3は、調光体30を用いた合わせガラスの作成の際、透明導電膜35a及びPETフィルム34aにおける切り欠かれた部位に板ガラスへの押圧力に起因する応力が集中し、集中応力によって透明導電膜35a及びPETフィルム34aが透明導電膜35b及びPETフィルム34bの方へ曲折されるため、透明導電膜35a及び透明導電膜35bが接触して電気的に短絡し、その結果、調光体30の動作不良が発生するという問題を解消するため、「電極構造(給電部)の厚さが、液晶層、透明導電膜のうち他の透明導電膜及び他の透明導電膜が配設された基板の厚さの積算値以上である」様に設計した給電構造に係る提案である。(図5参照)
図5では、銀ペースト111,銅テープ112,コネクタ113の厚さの積算値が、液晶層108,透明導電膜110a,PETフィルム109aの厚さの積算値以上となるように各部の厚みが調整される。
図5において、合わせガラス100は、対向する一対の板ガラス101a,bと、該板ガラス101a,bの各々における対向面に配設された、例えば、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)から成る透明な中間膜102a,bと、該中間膜102a,bの間に挟持された下記に示す調光体103とを備えている。
調光体103は、複数の空孔104を有するラテックスから成る透明なポリマーフィルム105及び上記空孔104の各々に液晶分子106が封入されることによって形成された液晶カプセル107から成る液晶層108と、間に液晶層108を挟持する一対のPETフィルム(基板)109a,bと、該一対のPETフィルム109a,bの各々における対向面に配設された透明導電膜110a,bとを備え、さらに、調光体103の一端において液晶層108、並びに透明導電膜110a及びPETフィルム109aが切り欠かれることによって露出した透明導電膜110bの上に設けられた下記に示す電極構造(給電部)を備えている。
特許文献3の提案による電極構造(給電部)は、露出した透明導電膜110b上に塗布された銀ペースト111及び銀ペースト111の上側に貼着された銅テープ112から成る接続基部と、一端が銅テープ112に圧着され且つ他端が合わせガラス100の周縁部より突出した、例えば、銅等の金属から成る板状のコネクタ113(メッシュ構造の接続部)とを有し、コネクタ113には、ハンダ114によって不図示の外部電源より電力を供給するリード線115(配線)が固着されている。
特開2014−146051号公報 実公平6−37395号公報 特開2005−49380号公報
特許文献3の手法では、銀ペースト111,銅テープ112,コネクタ113の厚さの積算値を制御する必要があり、各種寸法の厚さで前記積算値を制御する場合、サイズ・寸法の固定化された銅テープやコネクタの厚みでの制御による自由度は低く、銀ペーストの厚み制御での困難が伴うことになる。
また、特許文献3は「合わせガラス」の形態での調光体の使用が前提であり、フィルム状の調光体として使用にあたってのショート対策については、教示を受けるものではない。
本発明では、薄いフィルム状の調光体(合わせガラスへの適用も可能である)であっても、新たな部材,プロセスの適用を要さず、簡便に上下の透明導電膜の接触(ショートの危惧)が回避され、絶縁性の確保された給電電極部構造を有する調光体を提供することを目的とする。
本発明の調光体は、
印加電圧に応じてヘイズを2種類以上に切替可能な調光層が、前記調光層に電圧を印加する透明電極が形成された透明基材に挟持されてなる調光体において、
前記調光体の端部には、一方の透明基材が切り欠かれて露出した透明電極上への電気的接続のための給電部を形成する領域が設けられており、
前記領域では、透明基材間に挟持されていた調光層の液晶材料がはみ出して残っていることを特徴とする。
切り欠き部の端部からの液晶材料がはみ出した長さは、透明基材に挟持されてなる調光層の厚み以上であることが好ましい。
絶縁性の液晶材料が切り欠き部の端部からはみ出して残っていることにより、切り欠きによって露出する上下の透明電極間での接触によるショートが回避され、調光体の安全性が確保される。
本発明による調光体における電極(給電部)構造例を示す説明図。 従来技術による調光体における電極(給電部)構造例を示す説明図。 従来技術による調光体における電極(給電部)構造例を示す説明図。 従来技術による調光体における電極(給電部)構造例を示す説明図。 従来技術による調光体における電極(給電部)構造例を示す説明図。
以下、本発明の実施形態について図示を用いて説明するが、本発明は以下の図示・説明によって限定されるものではない。
図1は本発明による調光体における電極(給電部)構造例を示す説明図であり、(a)は平面図,(b)は断面図である。
本発明では、調光層(同図では液晶層と記す)として、三次元の網目状に形成された樹脂からなるポリマーネットワークの内部に形成された空隙内に液晶分子が配置されたタイプのPNLC(ポリマーネットワーク液晶)、またはポリマー中に分散配置される液晶分子を有するタイプのPDLC(高分子分散液晶)の何れかを採用する。
<PNLCによる調光体>
PNLCからなる調光層を具備する調光体(フィルム)の製造にあたっては、液晶と光重合性化合物(モノマー)との混合物を一対の透明電極基板(透明導電膜の形成された透明基板)の間に挟み、一定の条件下で紫外線を照射し、光重合によって光重合性化合物が高分子に変化すると共に、光重合および架橋結合により、微細なドメイン(高分子の空隙)を無数に有するポリマーネットワークが液晶中に形成する。
PNLCの駆動電圧は、一般にポリマーネットワークの構造上の特性(ドメインの大きさや形状,ポリマーネットワークの膜厚など)に依存しており、ポリマーネットワークの構造と、得られる光透過/散乱度との関係において、駆動電圧が決定されている。
100V以下の電圧領域において、十分な光透過/散乱度が得られるようなPNLCを構成するには、各ドメインがいずれも適正な大きさで均一となるように、かつ、形状も均一となるようにポリマーネットワークを形成する必要がある。
本発明では、ポリマーネットワーク構造に依存するドメインサイズを3μm以下、好ましくは2μm以下、一層好ましくは0.3〜1.7μmのサイズとなる様に制御する。
製造方法の詳細については、九州ナノテック光学株式会社による特許第4387931号に説明されており、本発明の実施形態においても、調光体となる液晶素子の製造は前記特許に準拠したプロセスを採用する。前記プロセスは、上述した「サイズや方向性の制御されたネットワーク構造」の設計〜製造の上で非常に有効である。
本実施形態による調光体では、PNLCからなる調光層と透明導電フィルム(透明導電膜の形成された透明基板)とを備えている。
透明導電フィルムは、調光層(PNLC)を挟持しており、調光層(PNLC)に電圧を印加して、高ヘイズ(散乱状態),低ヘイズ(透過状態)を変化させる。
調光層は、1.0E+4(=10)[Ω/□]以上の表面抵抗値であり、5μm〜50μm(好適には10μm〜25μm程度)の厚さでの製造が好ましい。
透明導電フィルムは、フィルム基材上に透明な導電材料からなる透明電極を成膜してなる透明導電フィルムを互いの透明電極側を対向して調光層を挟持する。
透明導電フィルムを構成する透明基材には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム,ポリエチレン(PE)フィルム,ポリカーボネート(PC)フィルムなどを用いることができる。透明基材の厚みは、約50〜200μm程度が望ましい。
透明電極(透明導電膜)には、一般的にITOなどの金属酸化物が用いられるが、ITOに替えて低抵抗の導電性ポリマーを採用することも可能である。導電性ポリマーとしては、PEDOT/PSSに例示されるπ共役系導電性高分子にドープされたポリアニオンを含む材料の採用が好適である。
透明電極の好適な厚さは略80nm以上150nm以下である。
尚、PNLCでは印加電圧に応じて、0/1以外の中間調のヘイズ状態を表現することも可能である。
本発明は、光散乱(白濁)系から電圧を印加(ON)にすることで透明状態へ変化するノーマルモード方式に加えて、電圧の印加で透明から白濁系へと状態が変化するリバースモード方式にも適用可能である。
リバースタイプの調光層(PNLC)を具備する調光体では、調光層の上側の透明導電フィルムの間に配向膜を積層するとともに、調光層の下側の透明導電フィルムの間にも配向膜が積層される。(図示せず)
ポリマーネットワーク及び液晶分子は、一対の配向膜の間に配置されている。
配向膜は、いわゆる垂直配向膜であり、調光層2に電圧を印加していないときに、液晶分子の長手方向が配向膜の法線方向に沿うように、当該液晶分子を配向する。このため、リバースタイプの調光層(PNLC)は、電圧を印加していないときに低ヘイズ状態となり、透過性が高くなる。
図1(a)の平面図では、調光体における同図下端部に帯状の接続領域(導電テープ等と図示)が形成される。
同図上端部には、対向透明電極(紙面の手前側)に接続される帯状の接続領域が点線で図示される。
各帯状の接続領域は、図示の様に、調光体の対辺同士に形成しても良く、同一辺であっても表裏で重なり合わない様に、左右端部との余白,接続領域同士の間隔を適度に保って配置しても良い。端部との額縁状の余白は、フレームに装着,合わせガラス形態とする際の封止部の加工をする上で必要となる。
接続領域サイズは図示の様に、調光体内部でPNLCが挟持された領域サイズ(矩形の調光体シートの一辺)の100%近くに渡る長さであっても、リード線が半田接合されるポイントを僅かに超える程度(>0%)であっても良い。
接続領域サイズが小さい場合には、図1(a)の様に紙面手前側の透明導電フィルム(イ)の下端部を幅方向(左右)の全てに渡って断裁〜剥離して、液晶層,透明電極を露出させる必要はなく、給電電極部の形成に必要なサイズで透明導電フィルムを断裁〜除去すれば良い。対向透明電極に接続領域を形成する際の透明導電フィルム(ロ)の断裁〜剥離の取扱いの上でも同様である。
本発明では、透明導電フィルムの断裁〜剥離の過程で、剥離除去する透明導電フィルムに液晶材料が付着した状態で剥離されない様に、剥離除去する側の透明導電フィルムの透明導電膜と液晶材料との界面で剥離(図1(b)で下側の透明導電膜上に液晶材料が残る様に)する必要がある。
図1に示す様に、上側透明導電フィルム(イ)を切り欠いた端部から液晶材料がはみ出して下側透明導電膜上に残された構成が本発明の主要な特徴である。
液晶材料の切り欠き部の端部からのはみ出し長さ(同図では、aで示す)は、透明導電フィルムに挟持されてなる調光層の厚み(同図では、bで示す)以上であることが好ましい。
液晶材料の残った下側透明導電膜上に給電電極部を形成するに先駆けて、導電ペースト,導電テープ,はんだを順次形成する部分の下側透明導電膜を露出するにあたり、従来は残った液晶材料を溶剤による洗い流し,拭き取りなどにより完全に除去していたが、本発明においては図示の様に部分的に除去する。液晶材料の選択的な除去にあたっては、溶剤による洗い流し,拭き取りを選択的に行なう。
上記の通り、調光層(液晶材料)は、5μm〜50μm(好適には10μm〜25μm程度)の厚さでの製造が好ましく、電極フィルム(ロ)上に露出させる液晶層の長さaとしては、上下透明導電膜の接触回避,液晶材料の選択的な除去での長さ制御の容易性から100μm以上が好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
調光体
透明導電フィルム:厚さ=125μm(PET基材)
調光体(調光層=PNLC):総厚さ=280μm,サイズ=A4
給電電極機構の作製
1)片側の透明導電フィルムの剥離
一方の透明導電フィルムのみに切り込みを入れ、A4サイズの短辺側の端部の25mm長さ分を全幅に渡り金属板を用いて剥離した。
本実施形態では、薄手の金属板をPNLC層に滑り込ませた後、PNLC層を凝集破壊させることにより、上下の透明導電フィルムを剥離させる。
透明導電フィルムに狭持されていたPNLC層が、残った透明導電フィルム側の剥離箇所全面に渡って露出した。
2)マスキングテープによりPNLC層露出部の一部を保護
露出したPNLC層上に、剥離した側の透明導電フィルムの端部(切り込み箇所)から500μmの長さでマスキングテープ(日東電工製No.7235)を貼合せて、露出したPNLC層の一部を被覆した。
3)露出PNLC層の除去
露出したPNLC層をイソプロピルアルコール,酢酸エチル,トルエン等の適宜な溶媒に含浸した後、金属針で磨耗することでマスキングテープにより被覆された箇所以外のPNLC層の除去を行い、電極層を24.5mm分、露出させた。光学顕微鏡で断面を観察の結果、図1のaにあたる長さは500μmとなった。
4)露出した透明導電フィルムの透明導電膜上への給電機構の付与
露出させた透明導電膜上に30μm厚の両面導電テープ(寺岡製作所製No.7742)を貼合し、その上に銅フィルム(三井金属製 3EC−HTE)を接続する事で給電機構とした。
ガラスへの貼合および通電試験
以上のように作製した給電電極機構付調光体(フィルム)を真空貼合装置にて、A4サイズ,厚み3mmのガラスに25μm厚の粘着フィルムを用いて貼合した。
これをオートクレーブで60℃5気圧×5分処理した。この結果、前面に気泡等発生することなく貼合する事に成功した。
また、配線に交流電圧40Vを印加した結果、問題なく遮光と透明を切り替える事が確認された。
<実施例2>
調光体
実施例1と同一構成である。
給電電極機構の作製
1)片側の透明導電フィルムの剥離
実施例1と同じ手法を採用した。
2)保護膜の塗布によりPNLC層露出部の一部を保護
露出したPNLC層上に、剥離した側の透明導電フィルムの端部(切り込み箇所)から200μmの長さで変性シリコーン製の保護膜をスクリーン印刷した。
3)露出PNLC層の除去
露出したPNLC層をイソプロピルアルコール,酢酸エチル,トルエン等の適宜な溶媒に含浸した後、金属針で磨耗することで前記保護膜により被覆された箇所以外のPNLC層の除去を行い、電極層を24.5mm分、露出させた。光学顕微鏡で断面を観察の結果、図1のaにあたる長さは100μmであった。
4)露出した透明導電フィルムの透明導電膜上への給電機構の付与
実施例1と同じ手法を採用した。
ガラスへの貼合および通電試験
以上のように作製した給電電極機構付調光体(フィルム)を真空貼合装置にて、A4サイズ,厚み3mmのガラスに55μm厚の粘着フィルムを用いて貼合した。
これをオートクレーブで60℃5気圧×5分処理した。この結果、前面に気泡等発生することなく貼合する事に成功した。
また、配線に交流電圧40Vを印加した結果、問題なく遮光と透明を切り替える事が確認された。
<比較例1>
調光体
実施例1と同一構成である。
給電電極機構の作製
1)片側の透明導電フィルムの剥離
実施例1と同じ手法を採用した。
2)保護膜の塗布によりPNLC層露出部の一部を保護
比較例1においては、2)に掲げる処理自体を省いている。
3)露出PNLC層の除去
露出したPNLC層をイソプロピルアルコール,酢酸エチル,トルエン等の適宜な溶媒に含浸した後、金属針で磨耗することでPNLC層を、剥離した側の透明導電フィルムの端部(切り込み箇所)まで剥離した。
光学顕微鏡で断面を観察の結果、図1のaに当たる箇所は−200μm(PNLC層が電極フィルム(イ)側に200μm消失した状態)であった。
の除去を行い、電極層を24.5mm分、露出させた。光学顕微鏡で断面を観察の結果、図1のaにあたる長さは100μmであった。
4)露出した透明導電フィルムの透明導電膜上への給電機構の付与
実施例1と同じ手法を採用した。
ガラスへの貼合および通電試験
以上のように作製した給電電極機構付調光体(フィルム)を真空貼合装置にて、A4サイズ,厚み3mmのガラスに55μm厚の粘着フィルムを用いて貼合した。
これをオートクレーブで60℃5気圧×5分処理した。この結果、前面に気泡等発生することなく貼合する事に成功した。
しかし、配線に交流電圧40Vを印加した結果、A4の周囲約20mmが遮光−透過を切り替える事が出来なかった。
比較例1の調光体(フィルム)について破壊検査を実施した結果、端部の電極同士が接触することでショートが発生している事が確認された。
<比較例2>
調光体
実施例1と同一構成である。
給電電極機構の作製
1)片側の透明導電フィルムの剥離
実施例1と同じ手法を採用した。
2)保護膜の塗布によりPNLC層露出部の一部を保護
比較例2においては、2)に掲げる処理自体を省いている。
3)露出PNLC層の除去
露出したPNLC層をイソプロピルアルコール,酢酸エチル,トルエン等の適宜な溶媒に含浸した後、金属針で磨耗することでPNLC層を、剥離した側の透明導電フィルムの端部(切り込み箇所)まで剥離した。
4)露出した透明導電フィルムの透明導電膜上への給電機構の付与
露出させた透明導電膜上に、50μm厚を意図して塗布したAgペースト上に、90μm厚の導電テープ(寺岡製作所製No.792)を積層して貼合し、その上に300μm厚みの銅ワイヤーメッシュ布をハンダにて接続する事で給電機構とした。この結果、給電電極機構部は450μmの厚みとなり、「透明導電フィルム+PNLC層+透明導電フィルム」の積層体の厚み155μmを上回った。
ガラスへの貼合および通電試験
以上のように作製した給電電極機構付調光体(フィルム)を真空貼合装置にて、A4サイズ,厚み3mmのガラスに25μm厚の粘着フィルムを用いて貼合した。
これをオートクレーブで60℃5気圧×5分処理したところ、粘着フィルムと接触した給電電極部には気泡が発生した。
比較例2は、背景技術の説明で挙げた特許文献3に開示される電極構造(給電部)を採用した場合の説明である。
比較例2の工程1)〜3)を経たサンプルは、透明導電フィルムに狭持されていたPNLC層が一切残らない状態で、露出した透明導電フィルムの透明導電膜上に、給電電極機構部の厚みが最も大きい形態となって接続されている構成の調光体(フィルム)である。
上記構成の調光体(フィルム)を合わせガラスの形態に加工する場合、調光体(フィルム)の上下最外面にあたる透明導電フィルム表面よりも上下に給電電極機構部が位置するため、一対の板ガラス間に挟みこむ際、特許文献3の実施形態で説明される様に、厚い中間膜を介して板ガラスと貼り合わせないと、板ガラスと調光体(フィルム)の接触面での平滑性が確保されにくい。
厚い中間膜を介在させると、当然に合わせガラス全体の薄型化には不向きである。
比較例2では、比較例1(55μm厚)よりも薄い(25μm厚)の粘着フィルムを用いて貼合しているが、調光体(フィルム)厚さ(155μm)>給電電極機構部厚さ(450μm)であるので、147.5μm厚の粘着フィルム(中間膜)を用いない限りは、ガラス面と接触するのは給電電極機構部であり、ガラス面⇔調光体(フィルム)の段差の発生は必然である。
薄い粘着フィルムでは段差を追従して埋め合わせるには一層不利であり、合わせガラスの形態に加工後の気泡発生は避けられない。
スマートフォン,タブレット端末,タッチパネルなどのベゼル(額縁)の印刷に伴って生じる印刷段差への追従(埋め合わせ)も本件分野での課題となっている。
段差追従性,気泡再発防止性に優れ、カバーガラスとタッチパネル(センサーフィルム),光学フィルムなどとの貼合に最適な光学粘着シート(OCA)としては、粘着剤厚さが50μm以上(好ましくは100μm以上。さらに好ましくは150μm以上)が好適とされている。
また、実施例1,2に係るサンプルでは、比較例1,2に対して、以下のメリットも期待できる。
調光(ヘイズ切替)には寄与しない液晶材料がはみ出して残ることにより、切り欠かれた透明基材の端部が開放されず、元々挟持されていた調光層の厚さが維持され、端部近傍での調光層の光学特性を維持する上でも好適である。
工程1)において、片側の透明導電フィルムをカット〜剥離した箇所(ハーフカット箇所)では、液晶材料を完全に拭き取ると、ハーフカット箇所との段差が明確になり、折り曲げのきっかけとなりやすい現象が生じるが、液晶材料を残す実施例1,2では、液晶材料の厚さ分の段差が緩和されることになり、不要な折り曲げ発生の現象が軽減される。
調光体(フィルム)を、粘着層を介して支持体(ガラスなど)に接合したり、曲面形状の支持体への追従を要する成形加工など、外部からの圧力がかかる後加工に供する場合においても、透明電極間の接触リスクは低減し、施工上の取扱い性も向上する。
30 調光体
33 液晶層
34(a,b) PETフィルム
35(a,b) 透明導電膜
40 銀ペースト
41 ピンコネクタ
41a 延出部
42 ハンダ
43 リード線
100 合わせガラス
101(a,b) 板ガラス
102(a,b) 中間膜
103 調光体
104 空孔
105 ポリマーフィルム
106 液晶分子
108 液晶層
109(a,b) PETフィルム
110(a,b) 透明導電膜
111 銀ペースト
112 銅テープ
113,201 コネクタ
114 ハンダ
115 リード線

Claims (2)

  1. 印加電圧に応じてヘイズを2種類以上に切替可能な調光層が、前記調光層に電圧を印加する透明電極が形成された透明基材に挟持されてなる調光体において、
    前記調光体の端部には、一方の透明基材が切り欠かれて露出した透明電極上への電気的接続のための給電部を形成する領域が設けられており、
    前記領域では、透明基材間に挟持されていた調光層の液晶材料がはみ出して残っていることを特徴とする調光体。
  2. 切り欠き部の端部からの液晶材料がはみ出した長さは、透明基材に挟持されてなる調光層の厚み以上である請求項1記載の調光体。
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