JP2020003463A - 自車位置推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の自車位置の推定精度の向上を図ることができる自車位置推定装置を提供する。【解決手段】車両の走行する走行車線のカーブ区画線を検出したか否かを判定するカーブ区画線判定部と、カーブ判定部によりカーブ区画線を検出したと判定された場合に、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置を演算する地図区画線演算部と、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と、車両に対するカーブ区画線の相対位置と、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と車両に対するカーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算する横位置誤差演算部と、カーブ区画線の地図上の曲率又はカーブ区画線の検出曲率と横位置誤差とに基づいて、縦位置誤差を演算する縦位置誤差演算部と、車両の測定位置と横位置誤差と縦位置誤差とに基づいて、車両の自車位置を推定する自車位置推定部と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、自車位置推定装置に関する。
従来、自車位置推定装置に関する技術文献として、特開2015―194397号公報が知られている。この公報には、車両周囲の撮像画像と地図情報とに基づいて現時刻における車両の位置を検出する車両位置検出装置であって、地図情報に含まれる複数の地図線分(区画線等)の位置情報と車両周囲の撮像画像から検出して鳥瞰変換等を行なった複数の線分の位置とに基づいて、地図線分と撮像された線分との対応する組を求め、対応する地図線分及び線分が一致するように車両の位置の推定を行う装置が示されている。
上述した従来技術では、画一的に地図に対応する区画線と車両の撮像した区画線とを一致させることで車両の位置を推定している。しかしながら、カーブにおいて無理に区画線の一致を図ろうとすると僅かな横位置誤差の影響で区画線の対応付けを誤り、大きな縦位置誤差が発生する場合がある。このため、縦位置誤差の発生を抑制して自車位置推定の精度を向上させることが求められている。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、車線の区画線を用いて車両の自車位置を推定する自車位置推定装置であって、車両の測定部の測定結果に基づいて、車両の地図上の測定位置を認識する測定位置認識部と、カーブ区画線の地図上の位置及びカーブ区画線の地図上の曲率を含む地図情報を有する地図データベースと、車両の車載センサの検出結果に基づいて、車両の走行する走行車線のカーブ区画線を検出したか否かを判定するカーブ区画線判定部と、車両の車載センサの検出結果に基づいて、車両に対するカーブ区画線の相対位置とカーブ区画線の検出曲率とを認識するカーブ区画線認識部と、カーブ判定部によりカーブ区画線を検出したと判定された場合に、カーブ区画線の地図上の位置と測定位置とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置を演算する地図区画線演算部と、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と、車両に対するカーブ区画線の相対位置と、カーブ区画線の地図上の曲率と、カーブ区画線の検出曲率とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と車両に対するカーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算する横位置誤差演算部と、カーブ区画線の地図上の曲率又はカーブ区画線の検出曲率と横位置誤差とに基づいて、縦位置誤差を演算する縦位置誤差演算部と、車両の測定位置と横位置誤差と縦位置誤差とに基づいて、車両の自車位置を推定する自車位置推定部と、を備える。
本発明の一態様の自車位置推定装置によれば、車両の自車位置の推定精度の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示す自車位置推定装置100は、車線の区画線を用いて乗用車等の車両の地図上の位置である自車位置の推定を行う装置である。車線の区画線には、車道通行帯境界線、車線境界線、中央線等のうち少なくとも一つが含まれる。
[自車位置推定装置の構成]
図1に示すように、自車位置推定装置100は、システムを統括的に管理するECU[Electronic Control Unit]10を備えている。ECU10は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller AreaNetwork]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU10は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
図1に示すように、自車位置推定装置100は、システムを統括的に管理するECU[Electronic Control Unit]10を備えている。ECU10は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller AreaNetwork]通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECU10では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU10は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
ECU10は、GPS受信部(測定部)1、外部センサ(車載センサ)2、内部センサ3、及び地図データベース4と接続されている。
GPS受信部1は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両の地図上の位置(例えば車両の緯度及び経度)を測定する測定部である。GPS受信部1は、測定した車両の位置情報(測定結果)をECU10へ送信する。
外部センサ2は、車両に搭載され、車両の周辺の状況を検出する検出機器(車載センサ)である。外部センサ2は、カメラ及びレーダセンサのうち少なくとも一つを含む。
カメラは、車両の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、車両のフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、車両の外部状況に関する撮像情報をECU10へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、奥行き方向の情報も含まれている。カメラは、車両の側方を撮像するように設けられていてもよい。
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して車両の周辺の物体を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection And Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を車両の周辺に送信し、物体で反射された電波又は光を受信することで物体を検出する。レーダセンサは、検出した物体情報をECU10へ送信する。レーダセンサには、ミリ波レーダ及びライダーの両方を含む複数のセンサから構成されていてもよい。レーダセンサは、車両の側方の物体を検出するように設けられていてもよい。
内部センサ3は、車両の走行状態を検出する検出機器である。内部センサ3は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含む。車速センサは、車両の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、車両の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)をECU10に送信する。
加速度センサは、車両の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両の横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、例えば、車両の加速度情報をECU10に送信する。ヨーレートセンサは、車両の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両のヨーレート情報をECU10へ送信する。
内部センサ3の検出結果(車速情報、ヨーレート情報等)は、車両の地図上の位置の測定に利用されてもよい。この場合、内部センサ3は、車両の地図上の位置の測定部として機能する。なお、ECU10は、必ずしも内部センサ3と接続されている必要はない。
地図データベース4は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース4は、例えば、車両に搭載されたHDD[Hard Disk Drive]内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報(車線の位置情報)、交差点及び分岐点の位置情報等が含まれる。また、地図情報には、区画線の地図上の位置及び区画線の地図上の曲率が含まれる。曲率は、例えば右カーブの場合に正の値、左カーブの場合には負の値などカーブの方向が分かる値となっている。或いは、曲率にはカーブの向きの情報が付与されている。なお、地図データベース4は、車両と通信可能なサーバに形成されていてもよい。
次に、ECU10の機能的構成について説明する。ECU10は、測定位置認識部11、カーブ区画線判定部12、カーブ区画線認識部13、地図区画線演算部14、横位置誤差演算部15、縦位置誤差演算部16、及び自車位置推定部17を有する。
測定位置認識部11は、GPS受信部1の測定した車両の位置情報に基づいて、車両の地図上の位置である測定位置を取得する。測定位置認識部11は、内部センサ3の検出結果に基づいて、車両の車速の履歴(或いは車輪の回転数の履歴)及び車両のヨーレートの履歴等から車両の測定位置を取得してもよい。言い換えれば、測定位置認識部11は、周知の手法を用いて、いわゆるオドメトリにより車両の測定位置を取得してもよい。この場合、内部センサ3は測定部として機能する。
また、測定位置認識部11は、車両の自車位置の推定の実行後である場合、前回の自車位置を基準としてオドメトリにより車両の位置変化を推定することで現在の車両の地図上の位置として測定位置を取得してもよい。
カーブ区画線判定部12は、外部センサ2の検出結果に基づいて、車両の走行する走行車線のカーブ区画線を検出したか否かを判定する。カーブ区画線とは、予め設定された長さ閾値以上の長さの区画線であって、予め設定されたカーブ閾値以上の曲率を有する区画線である。長さ閾値は、カーブ区画線を検出するために適切に設定された閾値である。なお、カーブ区画線が破線である場合は破線を連続線とみなして長さを認識してもよい。カーブ閾値は、カーブと直線路とを区別するために適切に設定された閾値である。
カーブ区画線判定部12は、例えばカメラの撮像情報から区画線認識(白線認識)を行うことでカーブ区画線を検出する。カーブ区画線判定部12は、レーダセンサの物体情報からカーブ区画線を検出してもよい。
なお、カーブ区画線判定部12は、車両の走行する走行車線のカーブ区画線を検出したと判定した場合、カーブ区画線が定常カーブであるかクロソイドカーブであるかを判定してもよい。定常カーブとは曲率が一定のカーブである。クロソイドカーブとは、曲率を一定割合で変化させたカーブ(クロソイド曲線に沿ったカーブ)である。カーブ区画線判定部12は、カーブ区画線の曲率の変化から定常カーブであるかクロソイドカーブであるかを判定することができる。カーブ区画線判定部12は、測定位置などを用いて地図情報を参照することで、定常カーブであるかクロソイドカーブであるかを判定してもよい。
カーブ区画線認識部13は、外部センサ2の検出結果に基づいて、車両に対するカーブ区画線の相対位置とカーブ区画線の検出曲率とを認識する。カーブ区画線認識部13は、例えばカメラの撮像情報から車両に対するカーブ区画線の相対位置を認識する。
カーブ区画線認識部13は、車両に対するカーブ区画線の検出曲率を認識する。カーブ区画線認識部13は、レーダセンサの物体情報から車両に対するカーブ区画線の相対位置とカーブ区画線の検出曲率とを認識してもよい。また、カーブ区画線認識部13は、外部センサ2の検出結果に基づいて区画線の曲率がカーブ閾値以上となった位置であるカーブ開始位置を認識している。
地図区画線演算部14は、カーブ区画線判定部12によりカーブ区画線を検出したと判定された場合に、地図情報に含まれるカーブ区画線の地図上の位置と測定位置認識部11の取得した測定位置とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置を演算する。車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置とは、地図上における車両に対するカーブ区画線の相対位置を意味する。
横位置誤差演算部15は、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と、車両に対するカーブ区画線の相対位置(検出位置)と、カーブ区画線の地図上の曲率と、カーブ区画線の検出曲率とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と車両に対するカーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算する。
横位置誤差とは、カーブ開始位置(車線の曲率がカーブ閾値以上となった位置)で車線の幅方向(横方向)における位置誤差である。GPS受信部1などから得た測定位置を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と実際に外部センサ2の検出結果から得られた車両に対するカーブ区画線の相対位置とは位置誤差があることが想定される。横位置誤差演算部15は、横方向における位置誤差に着目して、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と車両に対するカーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算する。横位置誤差演算部15は、マップマッチング等に利用される周知の技術を用いて横位置誤差を演算してもよい。
縦位置誤差演算部16は、横位置誤差演算部15の演算した横位置誤差と、カーブ区画線の地図上の曲率又はカーブ区画線の検出曲率と横位置誤差とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と車両に対するカーブ区画線の相対位置との縦位置誤差を演算(推定)する。縦位置誤差とは、カーブ開始位置で車線の延在方向(縦方向)における位置誤差である。
ここで、図2は、縦位置誤差と横位置誤差の両方が生じている場合の例を示す図である。図2に、車両を基準として検出された左カーブ区画線Ld1、車両を基準として検出された右カーブ区画線Ld2、車両を基準とした地図上の左カーブ区画線Lm1、車両を基準とした地図上の右カーブ区画線Lm2を示す。
また、図2に、地図上の左カーブ区画線Lm1における点Pm、検出された左カーブ区画線Ld1における点Pd及び点Peを示す。点Pdは、地図上の左カーブ区画線Lm1と検出された左カーブ区画線Ld1とを一致させた場合(正確にマッチングできた場合)に点Pmと一致する点である。点Peは、地図上の左カーブ区画線Lm1と検出された左カーブ区画線Ld1と縦方向で無理に対応付けさせた場合に、点Pmと対応付けられる点である。このとき、点Pmと点Peを結ぶ矢印ΔZ’は、横位置誤差ΔXの影響により実際の縦位置誤差より大きい誤差を示している。
図2に示す縦位置誤差と横位置誤差の両方が生じている場合において、従来は、最初に縦方向を無理に対応付けしようとしていた。その結果、矢印ΔZ’を誤って縦位置誤差と認識する場合があった。また、縦方向と横方向とを一度に対応付けしようとすると、車両を基準とした対応付けには車両の方位も影響するところ、方位がずれた状態で無理な対応付けがなされることがあった。
縦位置誤差演算部16では、地図上のカーブ区画線と検出されたカーブ区画線との縦方向の対応付けを行わず、カーブ区画線の形状の特性を利用して、カーブ区画線の曲率と横位置誤差から縦位置誤差を演算(推定)する。縦位置誤差演算部16は、車両から見た地図上のカーブ区画線と検出されたカーブ区画線との位置誤差において横位置誤差と縦位置誤差に一定の関係性が存在すると考えられることから、横位置誤差とカーブ区画線の曲率とを用いて縦方向誤差を演算する。カーブ区画線の曲率としては、地図上の曲率を用いてもよく、検出曲率を用いてもよい。
縦位置誤差演算部16は、例えば予め決められた演算式により、カーブ区画線の曲率と横位置誤差から縦位置誤差を演算する。演算式は、例えば多数の実験データ及びシュミレーションデータから導き出すことができる。縦位置誤差演算部16は、演算式に代えて、カーブ区画線の曲率及び横位置誤差と縦位置誤差とを予め関連付けたテーブルデータを利用してもよい。縦位置誤差演算部16は、機械学習モデルにより、カーブ区画線の曲率及び横位置誤差を入力として、縦位置誤差を出力させてもよい。機械学習モデルは、例えば、多数のカーブ区画線の曲率及び横位置誤差のデータと、これらのデータに対応する縦位置誤差のデータ(教師データ)を用いて学習させることができる。
縦位置誤差演算部16は、カーブ区画線判定部12によりカーブ区画線が定常カーブであるかクロソイドカーブであるかが判定されている場合、定常カーブの場合とクロソイドカーブの場合とで異なる方法で縦位置誤差を演算してもよい。縦位置誤差演算部16は、例えば、定常カーブと判定された場合、定常カーブ用に予め決められた定常カーブ演算式によりカーブ区画線の曲率と横位置誤差から縦位置誤差を演算する。定常カーブ演算式とは、曲率が一定の定常カーブの特性を利用して、カーブ区画線の曲率と横位置誤差から縦位置誤差を演算する式である。
定常カーブ演算式の一例について図3を用いて説明する。図3は、定常カーブにおける横位置誤差と縦位置誤差との関係を示す図である。図3に、地図上のカーブ区画線Lm1におけるカーブ開始位置Gn、検出されたカーブ区画線Ld1におけるカーブ開始位置Gd、任意の位置における横位置誤差ΔX、及びカーブ開始位置Gnとカーブ開始位置Gdの差である縦位置誤差ΔZを示す。また、図3において、定常カーブのカーブ区画線におけるカーブ開始位置を原点としてXZ直交座標系を示す。X軸はカーブ開始位置における車線の幅方向(横方向)、Z軸はカーブ開始位置における車線の延在方向(縦方向)に対応している。
図3に示す場合において、縦位置誤差ΔZは、下記の式(1)を用いて求めてもよい。
z(小文字)は、原点から注目点までの距離、Δx(小文字)はzにおける横位置誤差(絶対値)、Rは曲率半径(曲率の逆数)である。注目点は、カーブ開始位置を基準として予め設定された点(例えばカーブ開始位置から一定距離の点)である。
z(小文字)は、原点から注目点までの距離、Δx(小文字)はzにおける横位置誤差(絶対値)、Rは曲率半径(曲率の逆数)である。注目点は、カーブ開始位置を基準として予め設定された点(例えばカーブ開始位置から一定距離の点)である。
ΔZの符号は、RとΔxの符号の組み合わせで決定する。カーブ入口では、巻き込みの場合、測定位置の車両が後退する方向に縦位置誤差が発生し、膨らみの場合、測定位置の車両が後退する方向に縦位置誤差が発生している。巻き込みの場合とは、横方向において、検出されたカーブ区画線を地図上のカーブ区画線に対してカーブ曲がり方向に移動させることで対応付けされる場合である。膨らみの場合とは、横方向において、検出されたカーブ区画線を地図上のカーブ区画線に対してカーブ曲がり方向と逆方向に移動させることで対応付けされる場合である。
縦位置誤差演算部16は、クロソイドカーブと判定された場合、クロソイドカーブ用に予め決められたクロソイドカーブ演算式によりカーブ区画線の曲率と横位置誤差から縦位置誤差を演算してもよい。クロソイドカーブ演算式とは、曲率変化が一定のクロソイドカーブの特性を利用して、カーブ区画線の曲率と横位置誤差から縦位置誤差を演算する式である。
クロソイドカーブ演算式の一例について図4を用いて説明する。図4は、クロソイドカーブを示す図である。図4に、横位置の変化dxに対応する縦位置の変化dzを示す。αは接線の傾きである。この場合、曲率変化による横位置の変化dxは下記の式(2)で示すことができる。
以上の式(2)、(3)とクロソイドカーブの特性から下記の式(4)を導くことができる。
ΔXRは、定常カーブの演算式を用いて演算した場合の横位置誤差である。縦位置誤差演算部16は、上記の式(4)を用いて横位置誤差から縦位置誤差を求めることができる。
ΔXRは、定常カーブの演算式を用いて演算した場合の横位置誤差である。縦位置誤差演算部16は、上記の式(4)を用いて横位置誤差から縦位置誤差を求めることができる。
自車位置推定部17は、測定位置認識部11の取得した車両の測定位置と横位置誤差演算部15の演算した横位置誤差と縦位置誤差演算部16の演算した縦位置誤差とに基づいて、車両の自車位置を推定する。
自車位置推定部17は、測定位置に対して横位置誤差及び縦位置誤差に応じた位置補正を行うことで、車両の地図上の位置である自車位置を推定する。自車位置推定部17は、横位置誤差を横位置補正量、縦位置誤差を縦位置補正量として用いることで自車位置の推定を行う。なお、自車位置推定部17は、一度でも自車位置を推定した後は、前回の自車位置と横位置誤差及び縦位置誤差と用いて、次の自車位置の推定を行ってもよい。
[自車位置推定装置の処理]
次に、本実施形態の自車位置推定装置100による自車位置推定処理及び演算式の切り換え処理について図面を参照して説明する。
次に、本実施形態の自車位置推定装置100による自車位置推定処理及び演算式の切り換え処理について図面を参照して説明する。
図5は、自車位置推定処理の一例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、例えば車両の走行中に実行される。
図5に示すように、自車位置推定装置100のECU10は、S10として、カーブ区画線判定部12により車両の走行する走行車線のカーブ区画線を検出したか否かの判定を行う。カーブ区画線判定部12は、外部センサ2の検出結果に基づいて上記判定を行う。ECU10は、カーブ区画線を検出したと判定されなかった場合(S10:NO)、今回の処理を終了する。その後、ECU10は一定時間の経過後に再びS10から処理を繰り返す。ECU10は、カーブ区画線を検出したと判定された場合(S10:YES)、S12に移行する。
S12において、ECU10は、カーブ区画線認識部13により車両に対するカーブ区画線の相対位置とカーブ区画線の検出曲率とを認識する。カーブ区画線認識部13は、例えばカメラの撮像情報から車両に対するカーブ区画線の相対位置を認識する。
S14において、ECU10は、地図区画線演算部14により車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置を演算する。地図区画線演算部14は、地図情報に含まれるカーブ区画線の地図上の位置と測定位置認識部11の取得した測定位置とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置を演算する。
S16において、ECU10は、横位置誤差演算部15により横位置誤差を演算する。横位置誤差演算部15は、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と、車両に対するカーブ区画線の相対位置(検出位置)と、カーブ区画線の地図上の曲率と、カーブ区画線の検出曲率とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と車両に対するカーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算する。
S18において、ECU10は、縦位置誤差演算部16により縦位置誤差を演算する。縦位置誤差演算部16は、横位置誤差演算部15の演算した横位置誤差と、カーブ区画線の地図上の曲率又はカーブ区画線の検出曲率と横位置誤差とに基づいて、車両を基準としたカーブ区画線の地図上の位置と車両に対するカーブ区画線の相対位置との縦位置誤差を演算(推定)する。
S20において、ECU10は、自車位置推定部17により自車位置の推定を行う。自車位置推定部17は、測定位置認識部11の取得した車両の測定位置と横位置誤差演算部15の演算した横位置誤差と縦位置誤差演算部16の演算した縦位置誤差とに基づいて、車両の自車位置を推定する。
図6は、演算式の切り換え処理を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、例えば図5のS10においてカーブ区画線が検出された場合に実行される。ここでは、カーブ区画線が定常カーブではない場合にはクロソイドカーブであると仮定している。なお、ECU10は、必ずしも図6に示すフローチャートの処理を行う必要はない。
図6に示すように、ECU10は、カーブ区画線判定部12によりカーブ区画線が定常カーブであるか否かを判定する。カーブ区画線判定部12は、例えば外部センサ2の検出結果に基づいて上記判定を行う。ECU10は、カーブ区画線が定常カーブであると判定された場合(S30:YES)、S32に移行する。ECU10は、カーブ区画線が定常カーブではないと判定された場合(S30:NO)、S34に移行する。
S32において、ECU10は、縦位置誤差演算部16により定常カーブ演算式を用いて縦位置誤差を演算するように設定を行う。この設定により、図5のS18において、縦位置誤差演算部16は、定常カーブ演算式を用いた縦位置誤差の演算を行う。
S34において、ECU10は、縦位置誤差演算部16によりクロソイドカーブ演算式を用いて縦位置誤差を演算するように設定を行う。この設定により、図5のS18において、縦位置誤差演算部16は、クロソイドカーブ演算式を用いた縦位置誤差の演算を行う。
[自車位置推定装置の作用効果]
以上説明した本実施形態の自車位置推定装置100では、走行車線のカーブ区画線を検出した場合に、カーブ区画線の地図上の曲率及びカーブ区画線の検出曲率を用いて、カーブ区画線の地図上の位置とカーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算し、カーブ区画線の曲率と横位置誤差とを用いて縦位置誤差を演算する。これにより、自車位置推定装置100では、カーブ区画線の地図上の位置とカーブ区画線の相対位置とを縦方向で無理に対応付けすることなく、横位置誤差を用いて縦位置誤差を演算することで、対応付けミスの発生を抑制して車両の自車位置の推定精度の向上を図ることができる。また、自車位置推定装置100では、車両の方位による縦位置誤差の誤認識を避けることができるので、車両の自車位置の推定精度の向上に有利である。
以上説明した本実施形態の自車位置推定装置100では、走行車線のカーブ区画線を検出した場合に、カーブ区画線の地図上の曲率及びカーブ区画線の検出曲率を用いて、カーブ区画線の地図上の位置とカーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算し、カーブ区画線の曲率と横位置誤差とを用いて縦位置誤差を演算する。これにより、自車位置推定装置100では、カーブ区画線の地図上の位置とカーブ区画線の相対位置とを縦方向で無理に対応付けすることなく、横位置誤差を用いて縦位置誤差を演算することで、対応付けミスの発生を抑制して車両の自車位置の推定精度の向上を図ることができる。また、自車位置推定装置100では、車両の方位による縦位置誤差の誤認識を避けることができるので、車両の自車位置の推定精度の向上に有利である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
例えば、横位置誤差における横方向は、カーブ開始位置における車線の幅方向に限らず、カーブ開始位置における車両の車幅方向としてもよい。この場合、縦位置誤差における縦方向は、カーブ開始位置における車線の延在方向ではなく、カーブ開始位置における車両の進行方向とすることができる。また、横位置誤差における横方向は、厳密に区画線の曲率がカーブ閾値未満からカーブ閾値以上になったカーブ開始位置である必要はなく、カーブの手前の直進区間における車線の幅方向を採用してもよい。縦位置誤差の縦方向についても同様である。
1…GPS受信部、2…外部センサ、3…内部センサ、4…地図データベース、10…ECU、11…測定位置認識部、12…カーブ区画線判定部、13…カーブ区画線認識部、14…地図区画線演算部、15…横位置誤差演算部、16…縦位置誤差演算部、17…自車位置推定部、100…自車位置推定装置。
Claims (1)
- 車線の区画線を用いて車両の自車位置を推定する自車位置推定装置であって、
前記車両の測定部の測定結果に基づいて、前記車両の地図上の測定位置を認識する測定位置認識部と、
カーブ区画線の地図上の位置及びカーブ区画線の地図上の曲率を含む地図情報を有する地図データベースと、
前記車両の車載センサの検出結果に基づいて、前記車両の走行する走行車線のカーブ区画線を検出したか否かを判定するカーブ区画線判定部と、
前記車両の車載センサの検出結果に基づいて、前記車両に対する前記カーブ区画線の相対位置と前記カーブ区画線の検出曲率とを認識するカーブ区画線認識部と、
前記カーブ区画線判定部により前記カーブ区画線を検出したと判定された場合に、前記カーブ区画線の地図上の位置と前記測定位置とに基づいて、前記車両を基準とした前記カーブ区画線の地図上の位置を演算する地図区画線演算部と、
前記車両を基準とした前記カーブ区画線の地図上の位置と、前記車両に対する前記カーブ区画線の相対位置と、前記カーブ区画線の地図上の曲率と、前記カーブ区画線の検出曲率とに基づいて、前記車両を基準とした前記カーブ区画線の地図上の位置と前記車両に対する前記カーブ区画線の相対位置との横位置誤差を演算する横位置誤差演算部と、
前記カーブ区画線の地図上の曲率又は前記カーブ区画線の検出曲率と前記横位置誤差とに基づいて、縦位置誤差を演算する縦位置誤差演算部と、
前記車両の測定位置と前記横位置誤差と前記縦位置誤差とに基づいて、前記車両の自車位置を推定する自車位置推定部と、
を備える、自車位置推定装置。
Priority Applications (1)
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JP2018126157A JP2020003463A (ja) | 2018-07-02 | 2018-07-02 | 自車位置推定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022071741A (ja) * | 2020-10-28 | 2022-05-16 | 株式会社豊田中央研究所 | 自己位置推定装置 |
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2018
- 2018-07-02 JP JP2018126157A patent/JP2020003463A/ja active Pending
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