JP2020002272A - ゴム組成物とそれを用いた紙送りローラ - Google Patents

ゴム組成物とそれを用いた紙送りローラ Download PDF

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Abstract

【課題】たとえば、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有し、しかも現状よりも耐摩耗性に優れたローラ本体を有する紙送りローラの、上記ローラ本体のもとになるゴム組成物と、当該ゴム組成物を用いてローラ本体を形成した紙送りローラとを提供する。【解決手段】ゴム組成物は、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が38以上である非油展EPDM20〜80質量部と、油展EPDMとを含み、当該両EPDMの合計の割合が30質量部を超える範囲であるゴム、当該ゴム100質量部あたり20質量部以下のフィラー、および2.5質量部を超える過酸化物架橋剤を含む。紙送りローラ1は、上記ゴム組成物からなるローラ本体2を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物と、それを用いて形成したローラ本体を含む紙送りローラに関するものである。
たとえば、電子写真法を利用したレーザープリンタ等の画像形成装置、インクジェットプリンタ、イメージスキャナ、あるいは現金自動預け払い機(ATM)等の各種機器類においては、紙やプラスチックフィルムなどの用紙を搬送(通紙)するために、紙送りローラが用いられる。
紙送りローラとしては、用紙と接触しながら回転して、摩擦によって通紙をする、たとえば、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
紙送りローラは、一般にゴムや軟質樹脂などの弾性体からなり、シャフトが挿通される通孔を備えたローラ本体の当該通孔に、金属等からなるシャフトを挿通し、固定して構成される。
近年、上述した機器類には、現状よりも高耐久化することが要求され、紙送りローラについては、ローラ本体の耐摩耗性をより一層向上することが求められつつある。
弾性体としてウレタンゴムを用いると、耐摩耗性に優れたローラ本体を形成できることが知られている。
しかし、ウレタンゴムは用紙に対する摩擦係数が低いため、紙送りローラの良好な通紙性能を確保できない上、当該ウレタンゴムが比較的高価であるため、紙送りローラの製造コストが圧迫されるといった課題がある。
ローラ本体には、耐摩耗性の他に、たとえば、画像形成装置内で使用するため耐オゾン性、耐候性等に優れていたり、様々な場所に設置されるATMで安定した性能を示すため耐候性、耐熱老化性、耐寒性、低温特性等に優れていたりすることも求められる。
そのためローラ本体を、耐摩耗性の点ではウレタンゴムに及ばないものの、上記の特性に優れる上、ウレタンゴムよりも安価なエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を用いて形成した紙送りローラが普及している(特許文献1、2等参照)。
紙送りローラの中でも、とくに用紙トレイ内に積み重ねられた用紙を一枚ずつ分離して送出する給紙ローラには、用紙に対する摩擦係数が高く、通紙性能に優れている上、耐摩耗性にも優れていることが求められる。
紙送りローラの通紙性能を向上するためには、ローラ本体のゴム硬さを低くして柔軟性を高めるのが一般的であるが、とくにEPDMからなるローラ本体の場合は、ゴム硬さを低くするほど、耐摩耗性が低下するという課題がある。
また、通紙性能を向上するために、たとえば、イソプレンゴム(IR)等の他のゴムをEPDMにブレンドすることもあるが、その場合には、ローラ本体の耐候性や耐摩耗性がより一層低下する傾向がある。
特許文献1では、とくにローラ本体の耐摩耗性を向上するために、所定量のカーボンブラックと過酸化物架橋剤とを併用している。
しかし現在では、特許文献1に記載の発明の当時よりも、さらにローラ本体の耐摩耗性を向上することが求められるようになってきており、特許文献1の構成では、とくに給紙ローラ等として使用するには耐摩耗性が不足するため、さらなる改善が求められる。
特開2004−10322号公報 特開2015−107877号公報
本発明の目的は、たとえば、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有し、しかも現状よりも耐摩耗性に優れたローラ本体を有する紙送りローラの、上記ローラ本体のもとになるゴム組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記ゴム組成物を用いてローラ本体を形成した紙送りローラを提供することにある。
本発明は、紙送りローラのローラ本体を形成するためのゴム組成物であって、
少なくともEPDMを含むゴム、
前記ゴムの総量100質量部あたり20質量部以下のフィラー、および
前記ゴムの総量100質量部あたり2.5質量部を超える過酸化物架橋剤を含み、
前記EPDMは、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が38以上の非油展EPDMと、油展EPDMであり、
前記非油展EPDMの割合は、前記ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、80質量部以下、
前記非油展EPDMと前記油展EPDMの合計の割合は、前記ゴムの総量100質量部中の30質量部を超える範囲であるゴム組成物である。
また、本発明は、上記ゴム組成物からなるローラ本体を含む紙送りローラである。
本発明によれば、たとえば、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有し、しかも現状よりも耐摩耗性に優れたローラ本体を有する紙送りローラの、上記ローラ本体のもとになるゴム組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、上記ゴム組成物を用いてローラ本体を形成した紙送りローラを提供することができる。
本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施例、比較例のゴム組成物を用いて形成した紙送りローラの通紙性能を評価するため、当該紙送りローラの摩擦係数を測定する方法を説明する図である。
《ゴム組成物》
本発明のゴム組成物は、前述したように、
少なくともEPDMを含むゴム、
前記ゴムの総量100質量部あたり20質量部以下のフィラー、および
前記ゴムの総量100質量部あたり2.5質量部を超える過酸化物架橋剤を含み、
前記EPDMは、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が38以上の非油展EPDMと、油展EPDMであり、
前記非油展EPDMの割合は、前記ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、80質量部以下、
前記非油展EPDMと前記油展EPDMの合計の割合は、前記ゴムの総量100質量部中の30質量部を超える範囲であることを特徴とするものである。
本発明のゴム組成物によれば、上記の各成分を上記所定の割合で配合することにより、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有し、しかも現状よりも耐摩耗性に優れたローラ本体を有する紙送りローラを形成することができる。
このことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
なお本発明では、油展EPDM等の油展ゴムについては、当該油展ゴム中の固形分(ゴム分)の量をゴムの量と規定して、各成分の割合の基準となるゴムの総量、およびゴムその他、各成分の割合を求めることとする。
〈ゴム〉
ゴムとしては、上述したように、少なくともEPDMを含むゴムを用いる。
またEPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン)を加えることで二重結合を導入した種々のEPDMのうち、ムーニー粘度が上記の範囲である非油展EPDMと、油展EPDMとを併用する。
ジエンとしては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)等が挙げられる。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合が、ゴムの総量100質量部中の30質量部を超える範囲に限定されるのは、合計の割合がこの範囲未満では、ローラ本体の耐オゾン性や耐候性が低下するためである。
これに対し、非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合を上記の範囲とすることにより、ローラ本体の耐オゾン性や耐候性を向上することができる。
なお、非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は100質量部、つまり他のゴムを含まず、ゴムの全量が非油展EPDMと油展EPDMであってもよい。
ただし、その場合も非油展EPDMの割合は80質量部以下に限定される。
(非油展EPDM)
非油展EPDMのムーニー粘度ML1+4(125℃)が38以上に限定されるのは、ムーニー粘度がこの範囲未満である非油展EPDMを用いた場合には、ローラ本体の耐摩耗性が低下するためである。
これに対し、ムーニー粘度が上記の範囲にある非油展EPDMを選択して用いることにより、耐摩耗性に優れたローラ本体を形成することができる。
なおムーニー粘度は、上記の範囲でも120以下、とくに100以下であるのが好ましい。
ムーニー粘度がこの範囲を超える非油展EPDMを用いた場合には、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇して、当該ゴム組成物の加工性が低下する場合がある。
そして、前述した各成分を配合してゴム組成物を調製したり、調製したゴム組成物を、たとえば、筒状に成形してローラ本体を作製したりするのが容易でなくなる傾向がある。
これに対し、ムーニー粘度が上記の範囲にある非油展EPDMを選択して用いることにより、ゴム組成物に良好な加工性を付与することができる。
ムーニー粘度が上記の範囲にある非油展EPDMの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種の非油展EPDMの1種または2種以上を用いることができる。
住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)505〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):59〕、502〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):62〕、512F〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):66〕、532〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):81〕、552〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):85〕、586〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):60〕。
ダウ・ケミカル社製のNORDEL(ノーデル、登録商標)IP3640〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):40〕、IP3745P〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):45〕、IP4570〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):70〕、IP4640〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):40〕、IP4760P〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):60〕、IP4770R〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):70〕、IP4770P〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):70〕、IP4785HM〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):85〕、IP5565〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):65〕、IP3745P EL〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):45〕、IP4770P EL〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):70〕、IP4770R EL〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):70〕。
JSR(株)製のEP65〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):48〕、EP35〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):55.5〕、EP25〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):63〕、EP24〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):42〕、EP103AF〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):87〕、EP107F〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):75〕、EP57F/C〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):58〕、EP27〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):70〕。
三井化学(株)製の三井EPT 1070〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):48〕、2060M〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):40〕、3070〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):47〕、3091〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):57〕、3092M〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):61〕、3110M〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):78〕、4070〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):47〕、9090M〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):58〕、3092M〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):61〕。
非油展EPDMの割合が、ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、80質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、非油展EPDMの割合がこの範囲未満では、ローラ本体の耐摩耗性が低下する。
一方、非油展EPDMの割合が上記の範囲を超える場合には、ローラ本体のタイプAデュロメータ硬さが60以上となって、当該ローラ本体の柔軟性が低下する。
そのため、上記ローラ本体を備えた紙送りローラは、給紙ローラ等として使用するには通紙性能が不足する。
これに対し、非油展EPDMの割合を上記の範囲とすることにより、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有し、しかも現状よりも耐摩耗性に優れたローラ本体を有する紙送りローラを形成することができる。
(油展EPDM)
ローラ本体に柔軟性を付与するためには、ゴムにプロセスオイルを配合して、均一に相溶するまで混練するのが一般的である。
しかし、タイプAデュロメータ硬さが60未満といった高い柔軟性を有するローラ本体を形成するためには、ゴム組成物に多量のプロセスオイルを配合しなければならない。
そして本発明の場合、混練に寄与するフィラーが少ないこともあって、多量のプロセスオイルを均一に相溶させために長時間の混練が必要となり、混練の作業性が低下する場合がある。
また、多量のプロセスオイルは、ローラ本体の外周面にブリードして紙送りローラの通紙性能を低下させる原因ともなる。
これに対し、本発明では、すでに伸展油が均一に相溶された油展EPDMを配合することで混練の時間を短縮して、混練の作業性を向上することができる。
また、油展EPDM中に含まれる適量の伸展油は、ローラ本体の外周面にブリードすることもない。
したがって、本発明では、パラフィンオイル等のプロセスオイルは配合しない(除く)ことが好ましく、配合する場合でも、ゴム分の総量100質量部に対して2質量部以下程度とするのが好ましい。
油展EPDMとしては、原料EPDMを任意の伸展油によって任意の割合で伸展した、種々の油展EPDMを用いることができる。
伸展油としては、たとえば、パラフィンオイル等が挙げられる。
伸展油の油展量は、とくに限定されないが、EPDM100質量部あたり70質量部(70phr)以上であるのが好ましく、150質量部(150phr)以下であるのが好ましい。
これらの条件を満足する油展EPDMとしては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種の油展EPDMの1種または2種以上を用いることができる。
住友化学(株)製の6101〔油展量:70phr〕、601F〔油展量:70phr〕、600F〔油展量:100phr〕、670F〔油展量:100phr〕。
JSR(株)製のEP98〔油展量:75phr〕。
三井化学(株)製の三井EPT X−3042E〔油展量:120phr〕。
前述したように、油展EPDM中に含まれる固形分(ゴム分としてのEPDM)の量をゴムの量として規定した、当該油展EPDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の10質量部以上であるのが好ましく、80質量部以下であるのが好ましい。
油展EPDMの割合がこの範囲未満では、ローラ本体の柔軟性を高めて、紙送りローラに、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を付与する効果が得られない場合がある。
一方、油展EPDMの割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に非油展EPDMの割合が少なくなって、ローラ本体の耐摩耗性が低下する場合がある。
これに対し、油展EPDMの割合を上記の範囲とすることにより、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有し、しかも現状よりも耐摩耗性に優れたローラ本体を有する紙送りローラを形成することができる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、油展EPDMの割合は、上記の範囲でも14質量部以上であるのが好ましく、70質量部以下、とくに60質量部以下であるのが好ましい。
(他のゴム)
ゴムとしては、本発明の効果を阻害しない範囲で、他のゴムを併用してもよい。
他のゴムとしては、たとえば、天然ゴム、IR、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(VMQ)等の1種または2種以上を用いることができる。
他のゴムとしては、非油展ゴム、油展ゴムのいずれを用いてもよい。
とくに、EPDMからなるローラ本体の、用紙に対する摩擦係数を高めて、紙送りローラの通紙性能を向上する働きをするIRが好ましい。
IRとしては、ポリイソプレン構造を有する種々の重合体がいずれも使用可能である。
IRとしては、これに限定されないが、たとえば、日本ゼオン(株)製のニポール(登録商標)IR2200、IR2200R等の少なくとも1種が挙げられる。
他のゴムとしてIRを単独で用いる場合(2種以上のIRを併用する場合を含む)、当該IRの割合は、ゴムの総量100質量部中の10質量部以上、とくに20質量部以上であるのが好ましく、60質量部以下、とくに50質量部以下であるのが好ましい。
IRの割合がこの範囲より少ない場合には、当該IRを配合することによる、EPDMからなるローラ本体の、用紙に対する摩擦係数を高めて、紙送りローラの通紙性能を向上する効果が十分に得られない場合がある。
一方、IRの割合が上記の範囲を超える場合には、相対的にEPDMの割合が少なくなるため、ローラ本体の耐オゾン性や耐候性が低下する場合がある。
これに対し、IRの割合を上記の範囲とすることにより、ローラ本体の耐オゾン性や耐候性が低下するのを抑制しながら、当該ローラ本体の、用紙に対する摩擦係数を高めて、紙送りローラの通紙性能をさらに向上することができる。
ゴムの残量は、非油展EPDMと油展EPDMである。
すなわち、非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、前述したように、ゴムの総量100質量部中の30質量部を超える範囲でも40質量部以上、とくに50質量部以上であるのが好ましく、90質量部以下、とくに80質量部以下であるのが好ましい。
IR等の他のゴムの割合は、当該他のゴムが非油展ゴムの場合は、当該非油展ゴムの割合であり、油展ゴムの場合は、前述したように油展ゴム中に含まれる固形分としてのゴム分の割合である。
〈フィラー〉
フィラーとしては、たとえば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、クレー、タルク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の1種または2種以上を用いることができる。
フィラーの割合がゴムの総量100質量部あたり20質量部以下に限定されるのは、フィラーの割合がこの範囲を超える場合には、ローラ本体の柔軟性が低下して、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有する紙送りローラを形成できないためである。
これに対し、フィラーの割合を上記の範囲とすることにより、ローラ本体の柔軟性を向上して、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有する紙送りローラを形成することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、フィラーの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり16質量部以下であるのが好ましい。
また、フィラーの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上、とくに3質量部以上であるのが好ましい。
フィラーは、前述したようにゴム組成物の混練に寄与するが、フィラーの割合が上記の範囲未満ではかかる効果が十分に得られないため、混練時にゴムがまとまりにくく、混練の作業性が低下する場合がある。
またフィラーの、充填剤、補強剤としての機能が十分に得られず、ローラ本体の強度が低下して、紙送りローラの使用時に破断等を生じやすくなる場合もある。
これに対し、フィラーの割合を上記の範囲とすることにより、混練の時間を短縮して、混練の作業性を向上したり、ローラ本体の強度を向上して、紙送りローラの使用時に破断等を生じにくくしたりできる。
〈過酸化物架橋剤〉
過酸化物架橋剤としては、これに限定されないが、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビス[(tert−ブチル)パーオキシイソプロピル]ベンゼン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジtert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキセン等の1種または2種以上を用いることができる。
過酸化物架橋剤の割合が、ゴムの総量100質量部あたり2.5質量部を超える範囲に限定されるのは、過酸化物架橋剤の割合がこの範囲未満では、ローラ本体の耐摩耗性が低下するためである。
これに対し、過酸化物架橋剤の割合を上記の範囲とすることにより、ローラ本体の耐摩耗性を向上することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、過酸化物架橋剤の割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり2.6質量部以上、とくに2.8質量部以上であるのが好ましい。
また、過酸化物架橋剤の割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり5質量部以下、とくに4質量部以下であるのが好ましい。
過酸化物架橋剤の割合がこの範囲を超える場合には、成形時にゴム組成物がスコーチしたり、ローラ本体の柔軟性が低下して、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有する紙送りローラを形成できなかったりする場合がある。
これに対し、過酸化物架橋剤の割合を上記の範囲とすることにより、ゴム組成物がスコーチするのを抑制しながら、ローラ本体の柔軟性を向上して、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有する紙送りローラを形成することができる。
〈その他の成分〉
ゴム組成物には、さらに老化防止剤、共架橋剤、顔料、可塑剤、加工助剤などの、一般にゴム組成物に配合される成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で適量、添加してもよい。
《紙送りローラ》
図1は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の紙送りローラ1は、上述した本発明のゴム組成物を筒状に成形するとともに架橋させて形成されたローラ本体2を備えている。
ローラ本体2の中心には断面円形の通孔3が設けられており、当該通孔3には、図示しない駆動系に連結されるなどした円柱状のシャフト4が挿通されて、固定されている。
ローラ本体2の、用紙と接触する外周面5は、図の例の場合、通孔3およびシャフト4と同心の筒状に形成されている。
ローラ本体2とシャフト4とは、たとえば、ローラ本体2の通孔3に、当該通孔3の内径よりも外径の大きいシャフト4を圧入する等して、空転を生じないように互いに固定されている。
つまり、両者間の径差に基づく締め代により、当該両者間で一定の空転トルク(空転が生じない限界のトルク)が確保されている。
シャフト4は、たとえば、金属、セラミック、硬質樹脂等によって形成されている。
ローラ本体2は、必要に応じて複数個を、1本のシャフト4の複数箇所に固定してもよい。
ローラ本体2は、ゴム組成物を、たとえば、押出成形法等によって筒状に成形したのちプレス架橋法等によって架橋させたり、あるいはトランスファー成形法等によって筒状に成形するとともに架橋させたりして製造される。
ローラ本体2は、上記製造工程の任意の時点で、必要に応じて、外周面5を所定の表面粗さになるように研磨したり、ローレット加工、シボ加工等したりしてもよい。
また、外周面5が所定幅となるようにローラ本体2の両端をカットしてもよい。
ローラ本体2の外周面5は、任意のコート層で被覆してもよい。
またローラ本体2は、外周面5側の外層と通孔3側の内層の2層構造に形成してもよい。
その場合、少なくとも外層を上記本発明のゴム組成物によって形成するのが好ましい。
ただし、構造を簡略化し、生産性を向上するとともに製造コストを低下させること等を考慮すると、ローラ本体2は、図1に示すように単層構造とするのが好ましい。
また、ローラ本体2は多孔質構造としてもよい。
しかし、耐摩耗性を向上したり、圧縮永久ひずみを小さくして、1箇所で接触した状態が比較的長期間に亘って続いても変形による凹みを生じにくくしたりするために、ローラ本体2は、実質的に非多孔質構造であるのが好ましい。
紙送りローラ1を、前述したように給紙ローラ等として使用する場合、良好な給紙をさせるために、ローラ本体2は、タイプAデュロメータ硬さが60未満であるのが好ましい。
また、上述したように耐摩耗性を向上したり、圧縮永久ひずみを小さくしたりすることを考慮すると、ローラ本体2は、タイプAデュロメータ硬さが20以上、とくに40以上であるのが好ましい。
通孔3は、紙送りローラ1の用途によっては、ローラ本体2の中心から偏心した位置に設けてもよい。
また、ローラ本体2の外周面5は筒状ではなく異形形状、たとえば、筒状の外周面5の一部が平面状に切欠かれた形状等であってもよい。
これら異形形状のローラ本体2を備えた紙送りローラ1を製造するには、先に説明した製造方法によって直接に、異形形状のローラ本体2を成形したのち架橋させてもよいし、筒状に成形したローラ本体2を、後加工によって異形形状としてもよい。
また筒状に成形したローラ本体2の通孔3に、当該ローラ本体2の異形形状に対応する変形形状とされたシャフト4を圧入して、ローラ本体2を異形形状に変形させてもよい。
この場合、外周面5の研磨やローレット加工、シボ加工などは、変形前の筒状の外周面5に対して実施できるため加工性を向上できる。
《画像形成装置》
本発明の紙送りローラは、たとえば、レーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置に組み込むことができる。
また、本発明の紙送りローラは、たとえば、インクジェットプリンタやATM等に組み込むこともできる。
本発明の紙送りローラは、用紙と接触しながら回転して、摩擦によって用紙を搬送する、たとえば、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等として用いることができ、とくに、前述したように給紙ローラとして用いるのが好ましい。
本発明の紙送りローラは、ローラ本体の柔軟性に優れるため、上記給紙ローラとして用いた際に、良好な通紙性能を示すことができる。
しかも、本発明の紙送りローラは、ローラ本体の耐摩耗性にも優れるため、ローラ寿命を現状よりも延長して、交換頻度を少なくすることができ、画像形成装置等に求められる高耐久化を実現することができる。
以下に、本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、これらの例によって限定されるものではない。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴムとしては、非油展EPDM〔ダウ・ケミカル社製のNORDEL IP4640、ムーニー粘度ML1+4(125℃):40〕75質量部、および油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン670F、油展量:100phr〕50質量部(固形分:25質量部)を用いた。
両ゴムの総量125質量部(固形分としてのゴムの総量は100質量部)に、フィラーとしてのカーボンブラック〔HAF、東海カーボン(株)製の商品名シースト3〕5質量部、および過酸化物架橋剤としてのジクミルパーオキサイド〔日油(株)製のパークミル(登録商標)D〕3質量部を配合し、3Lニーダー、およびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の100質量部であった。
〈実施例2〉
非油展EPDMとして、ダウ・ケミカル社製のNORDEL IP4570〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):70〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の100質量部であった。
〈実施例3〉
非油展EPDMとして、住友化学(株)製のエスプレン586〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):60〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の100質量部であった。
〈実施例4〉
ゴムとして、非油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン586、ムーニー粘度ML1+4(125℃):60〕54質量部、油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン670F、油展量:100phr〕28質量部(固形分:14質量部)、およびIR〔日本ゼオン(株)製のニポールIR2200〕32質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の68質量部であった。
〈実施例5〉
非油展EPDMの量を20質量部、油展EPDMの量を116質量部(固形分:58質量部)、IRの量を22質量部とし、かつフィラーとして、カーボンブラック〔HAF、東海カーボン(株)製の商品名シースト3〕0.2質量部、酸化亜鉛〔白石カルシウム(株)製〕5質量部、および炭酸カルシウム〔重質炭酸カルシウム、白石カルシウム(株)製のソフトン3200〕10質量部、計15.2質量部を配合したこと以外は実施例4と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の78質量部であった。
〈実施例6〉
非油展EPDMの量を20質量部、油展EPDMの量を44質量部(固形分:22質量部)、IRの量を58質量部とし、かつ酸化亜鉛の量を10質量部、炭酸カルシウムの量を5質量部としたこと以外は実施例5と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の42質量部であった。
〈比較例1〉
非油展EPDMとして、住友化学(株)製のエスプレン505A〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):35〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の100質量部であった。
〈比較例2〉
非油展EPDMとして、ダウ・ケミカル社製のNORDEL IP4520〔ムーニー粘度ML1+4(125℃):20〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の100質量部であった。
〈比較例3〉
ゴムとして、油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン670F、エチレン含量:66%、ジエン含量:4.0%、油展量:100phr〕160質量部(固形分:80質量部)、およびIR〔日本ゼオン(株)製のニポールIR2200〕20質量部を配合して、非油展EPDMを配合しなかったこと以外は実施例5と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の80質量部であった。
〈比較例4〉
非油展EPDMの量を30質量部、油展EPDMの量を100質量部(固形分:50質量部)、IRの量を20質量部とし、かつ過酸化物架橋剤の量を2.1質量部としたこと以外は実施例5と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の80質量部であった。
〈比較例5〉
非油展EPDMの量を20質量部、油展EPDMの量を20質量部(固形分:10質量部)、IRの量を70質量部とし、かつ過酸化物架橋剤の量を2.1質量部としたこと以外は実施例5と同様にしてゴム組成物を調製した。
非油展EPDMと油展EPDMの合計の割合は、ゴムの総量100質量部中の30質量部であった。
〈硬さ試験〉
実施例1〜6、比較例1〜5で調製したゴム組成物を170℃×20分間の条件でプレス架橋させて厚み2mmのシート状にし、それを3枚重ねて試験片とした。
そしてこの試験片を用いて、温度23±2℃の環境下、日本工業規格JIS K6253−3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」所載の測定方法に則って3秒後の数値を読み取ってタイプAデュロメータ硬さとした。
〈耐オゾン性試験〉
実施例1〜6、比較例1〜5で調製したゴム組成物を170℃×20分間の条件でプレス架橋させて厚み2mmのシート状にし、打ち抜いて、日本工業規格JIS K6259−1:2015「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方−第1部:性的オゾン劣化試験及び動的オゾン劣化試験」に規定された幅10mm、長さ100mmの短冊状の試験片を作製した。
次いで、作製した試験片に引張ひずみ(20%伸長)を加えながら温度40℃、オゾン濃度50ppm、試験時間72時間の条件でオゾンに曝露した際に、試験片に亀裂(オゾンクラック)が発生したか否かを確認した。
そして、亀裂が発生しなかったものを良好「○」、亀裂が発生したものを不良「×」と評価した。
〈紙送りローラの作製〉
実施例1〜6、比較例1〜5で調製したゴム組成物を170℃×20分間の条件で筒状にトランスファー成形し、通孔3に外径17mmのシャフト4を圧入した状態で、円筒研削盤を用いて外径が23mmになるように研磨したのち、幅30mmにカットして、筒状のローラ本体2を備えた紙送りローラ1を作製した。
〈摩擦係数試験〉
作製した紙送りローラ1のローラ本体2を、図2に示すように、水平に設置したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の板6の上に載置した幅60mm×長さ210mmの紙7〔富士ゼロックス(株)製のP紙(普通紙)〕の上に、鉛直荷重W(=300gf)をかけながら圧接させた。
次いで、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、ローラ本体2を一点鎖線の矢印Rで示す方向に200rpmで回転させた際に、紙7の一端に接続したロードセル8に加わる搬送力F(gf)を測定した。
次いで、測定した搬送力Fと鉛直荷重W(=300gf)とから式(1):
μ=F(gf)/W(gf) (1)
によって摩擦係数μを求めた。
そして、摩擦係数μが1.5以上であったものを良好「○」、1.5未満であったものを不良「×」と評価した。
〈耐摩耗性試験〉
上記摩擦係数試験と同様に、紙送りローラ1のローラ本体2を、図2に示すように、水平に設置したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の板6の上に載置した幅60mm×長さ210mmの紙7〔富士ゼロックス(株)製のP紙(普通紙)〕の上に、鉛直荷重W(=500gf)をかけながら圧接させた。
次いで、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、ローラ本体2を一点鎖線の矢印Rで示す方向に200rpmで10分間、連続回転させた。
次いで、連続回転後にローラ本体の質量(摩耗後質量)を秤量し、当該摩耗後質量(g)と、連続回転前に秤量しておいたローラ本体の初期質量(g)とから式(2):
摩耗率(%)=(初期質量−摩耗後質量)/(初期質量)×100 (2)
によって摩耗率を求めた。
そして、摩耗率が0.1%以下であったものを良好「○」、0.1%を超えていたものを不良「×」と評価した。
以上の結果を表1、表2に示す。
Figure 2020002272
Figure 2020002272
表1、表2の実施例1〜6、比較例1〜5の結果より、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が38以上である非油展EPDM20〜80質量部と、油展EPDMとを含み、当該両EPDMの合計の割合が30質量部を超える範囲であるゴム、当該ゴム100質量部あたり20質量部以下のフィラー、および2.5質量部を超える過酸化物架橋剤を含むゴム組成物を用いてローラ本体を形成することによって、給紙ローラ等として使用可能な良好な通紙性能を有し、しかも現状よりも耐摩耗性に優れたローラ本体を有する紙送りローラを形成できることが判った。
1 紙送りローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 板
7 紙
8 ロードセル
F 搬送力
W 鉛直荷重

Claims (7)

  1. 紙送りローラのローラ本体を形成するためのゴム組成物であって、
    少なくともエチレンプロピレンジエンゴムを含むゴム、
    前記ゴムの総量100質量部あたり20質量部以下のフィラー、および
    前記ゴムの総量100質量部あたり2.5質量部を超える過酸化物架橋剤を含み、
    前記エチレンプロピレンジエンゴムは、ムーニー粘度ML1+4(125℃)が38以上の非油展エチレンプロピレンジエンゴムと、油展エチレンプロピレンジエンゴムであり、
    前記非油展エチレンプロピレンジエンゴムの割合は、前記ゴムの総量100質量部中の20質量部以上、80質量部以下、
    前記非油展エチレンプロピレンジエンゴムと前記油展エチレンプロピレンジエンゴムの合計の割合は、前記ゴムの総量100質量部中の30質量部を超える範囲であるゴム組成物。
  2. 前記フィラーの割合は、前記ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上、16質量部以下である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記過酸化物架橋剤の割合は、前記ゴムの総量100質量部あたり2.8質量部以上、5質量部以下である請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴムとして、さらにイソプレンゴムを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴム組成物からなるローラ本体を含む紙送りローラ。
  6. 積み重ねられた用紙を一枚ずつ分離して送出する給紙ローラである請求項5に記載の紙送りローラ。
  7. ローラ本体のタイプAデュロメータ硬さが60未満である請求項5または6に記載の紙送りローラ。
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