JP2021116333A - ゴム組成物とそれを用いた紙送りローラ - Google Patents

ゴム組成物とそれを用いた紙送りローラ Download PDF

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Yudai Okuno
雄大 奥野
寛文 小西
Hirobumi Konishi
寛文 小西
眞司 ▲濱▼窪
眞司 ▲濱▼窪
Shinji Hamakubo
勇輝 河西
Yuki Kasai
勇輝 河西
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Abstract

【課題】通紙性能に優れる上、耐摩耗性にも優れた紙送りローラのローラ本体を形成できるゴム組成物と、それを用いたローラ本体を含む紙送りローラを提供する。【解決手段】ゴム組成物は、架橋性のゴム、当該ゴムを架橋させるための架橋成分、およびゴムの総量100質量部あたり5質量部以上、30質量部以下の卵殻粉を含む。紙送りローラ1は、上記ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体2を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム組成物と、それを用いた紙送りローラに関するものである。
プリンタ等において用紙の搬送(通紙)に用いる紙送りローラは、たとえば、ゴム組成物の架橋物などの弾性体によって形成したローラ本体を含むのが一般的である(特許文献1等参照)。
特開2018−203530号公報
本発明の目的は、通紙性能に優れる上、耐摩耗性にも優れたローラ本体を形成できるゴム組成物と、それを用いたローラ本体を含む紙送りローラを提供することにある。
本発明は、紙送りローラのローラ本体を形成するためのゴム組成物であって、
架橋性のゴム、
前記ゴムを架橋させるための架橋成分、および
前記ゴムの総量100質量部あたり5質量部以上、30質量部以下の卵殻粉
を含むゴム組成物である。
また本発明は、かかる本発明のゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を含む紙送りローラである。
本発明によれば、通紙性能に優れる上、耐摩耗性にも優れたローラ本体を形成できるゴム組成物と、それを用いたローラ本体を含む紙送りローラを提供することができる。
本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例の一部を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施例、比較例の紙送りローラの摩擦係数を測定する方法を説明する図である。
上述したように本発明のゴム組成物は、
架橋性のゴム、
当該ゴムを架橋させるための架橋成分、および
ゴムの総量100質量部あたり5質量部以上、30質量部以下の卵殻粉
を含むことを特徴とするものである。
また本発明の紙送りローラは、上記ゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を含むことを特徴とするものである。
紙送りローラの摩擦係数を高めて通紙性能を向上するためには、ローラ本体のゴム硬さを小さくして柔軟性を高めるのが一般的である。
しかし発明者の検討によると、ゴム硬さを小さくするほど、ローラ本体の耐摩耗性が低下するという課題がある。
これに対し本発明によれば、ゴム組成物中に、卵殻の粉砕物である卵殻粉を、上記所定の割合で配合することによって、ローラ本体のゴム硬さの上昇を抑えながら、当該ローラ本体の耐摩耗性を向上することができる。
すなわち、卵殻の主成分は炭酸カルシウムであり、卵殻粉は、炭酸カルシウムとしての硬さを有するため、ローラ本体の摩耗を抑制することができる。
しかも卵殻粉は、鉱物由来の炭酸カルシウム等とは違って多孔質で比較的柔らかいため、ゴム硬さの上昇を抑制することもできる。
したがって本発明によれば、ゴム硬さが小さく良好な柔軟性を有するため、摩擦係数が高く通紙性能に優れる上、耐摩耗性にも優れたローラ本体を形成できるゴム組成物と、それを用いたローラ本体を含む紙送りローラを提供することができる。
このことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
《ゴム組成物》
〈卵殻粉〉
卵殻粉としては、たとえば、食品工場等で液卵を採取した際に生じる卵殻から卵殻膜を除去して乾燥させたのち、粉末化して製造される種々の卵殻粉を用いることができる。
本発明において、卵殻粉の割合が、ゴムの総量100質量部あたり5質量部以上、30質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、卵殻粉の割合が上記の範囲未満では、当該卵殻粉を配合することによる、ローラ本体の耐摩耗性を向上する効果が得られない場合がある。
一方、卵殻粉の割合が上記の範囲を超える場合には、ローラ本体のゴム硬さが上昇し、柔軟性が低下して、通紙不良を生じる場合がある。
また、相対的にゴムの割合が少なくなるため、却って、ローラ本体の耐摩耗性が低下する場合もある。
これに対し、卵殻粉の割合を上記の範囲とすることにより、ローラ本体のゴム硬さの上昇を抑えて良好な柔軟性を維持しながら、当該ローラ本体の耐摩耗性を、さらに向上することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、卵殻粉の割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり10質量部以上であるのが好ましく、20質量部以下であるのが好ましい。
また、卵殻粉の平均粒子径は、これに限定されないものの30μm以上、とくに50μm以上であるのが好ましく、150μm以下、とくに130μm以下であるのが好ましい。
卵殻粉の平均粒子径がこの範囲未満では、卵殻粉が、ゴム組成物中で凝集しやすくなって、当該ゴム組成物中に均一に分散させることができず、卵殻粉を配合することによる効果が不均一になって、ローラ本体の全体での耐摩耗性が低下する場合がある。
また、ローラ本体の全体でのゴム硬さが上昇し、柔軟性が低下して通紙不良を生じる場合もある。
一方、卵殻粉の平均粒子径が上記の範囲を超える場合には、当該卵殻粉とゴム組成物との一体性が低下して、やはりローラ本体の全体での耐摩耗性が低下したり、ゴム硬さが上昇し、柔軟性が低下して通紙不良を生じたりする場合がある。
これに対し、卵殻粉の平均粒子径を上記の範囲とすることにより、当該卵殻粉を、ゴム組成物中に均一に、しかもゴム組成物とできるだけ一体化させて分散させることができる。
そのため、ローラ本体のゴム硬さの上昇を抑えて良好な通紙性能を維持しながら、当該ローラ本体の耐摩耗性を、さらに向上することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、卵殻粉の平均粒子径は、上記の範囲でも大きいほど好ましい。
〈ゴム〉
ゴムとしては、架橋性を有する種々のゴムを用いることができる。
ゴムとしては、これに限定されないが、たとえば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(VMQ)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレン系ゴム等の1種または2種以上が挙げられる。
中でも、ローラ本体の耐オゾン性や耐候性等を向上することを考慮すると、ローラ本体を形成するゴムとしては、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のエチレンプロピレン系ゴム、とくにEPDMが好ましい。
(EPDM)
EPDMとしては、エチレンとプロピレンに少量の第3成分(ジエン)を加えることで二重結合を導入した種々のEPDMを用いることができる。
代表的な第3成分としては、たとえば、エチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等が挙げられる。
またEPDMとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのもの(油展EPDM)と、加えない非油展タイプのもの(非油展EPDM)とがあるが、本発明では、このいずれも使用可能である。
このうち非油展EPDMの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種製品が挙げられる。
住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)シリーズのうち301、301A、501A、502、505、505A、512F、532、552、586、5206F、5527F等。
ダウ・ケミカル社製のNORDEL(ノーデル、登録商標)シリーズのうちIP3430、IP3640、IP3720P、IP3722P、IP3772P EL、IP3745P、IP3745P EL、IP3760P、IP4520、IP4570、IP4640、IP4725P、IP4760P、IP4770R、IP4770P、IP4770P EL、IP4770R EL、IP4785HM、IP4820P、IP5565等。
JSR(株)製のEP21、EP51、EP25、EP123、EP103AF、EP107F、EP57F/C、EP93等。
三井化学(株)製の三井EPTシリーズのうち1045、1070、2060M、3045、3070、3091、3092M、3110M、4070、X−3012P、3092PM等。
また、油展EPDMの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種製品が挙げられる。
住友化学(株)製のエスプレンシリーズのうち600F、601F、603、670F、6101、7456等。
JSR(株)製のEP98等。
三井化学(株)製の三井EPTシリーズのうちX−3042E等。
これらのEPDMの、1種または2種以上を用いることができる。
なおEPDM等のゴムとして、油展タイプのゴムを用いる場合、前述した卵殻粉の割合や、以下に説明する架橋成分等の各種成分の割合は、油展タイプのゴム中に含まれる固形分としてのゴム分の量を、そのゴムの量と規定して設定すればよい。
〈架橋成分〉
架橋成分としては、ゴムを架橋させることができる任意の架橋剤を用いることができ、さらに必要に応じて、当該架橋剤によるゴムの架橋を調整する機能を有する、いわゆる架橋促進剤を併用してもよい。
このうち架橋剤としては、たとえば、硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物架橋剤、各種モノマー等が挙げられる。
とくにゴムがEPDMやEPM等のエチレンプロピレン系ゴムである場合、架橋成分としては、過酸化物架橋剤を用いるのが好ましい。
過酸化物架橋剤としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビス[(tert−ブチル)パーオキシイソプロピル]ベンゼン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジtert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキセン等の1種または2種以上が挙げられ、とくにジクミルパーオキサイドが好ましい。
過酸化物架橋剤の割合は、ゴムを良好に架橋させること等を考慮すると、当該ゴムの総量100質量部あたり2質量部以上、とくに2.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、とくに4質量部以下であるのが好ましい。
〈フィラー〉
ゴム組成物には、さらにフィラーを配合してもよい。
フィラーとしては、たとえば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、クレー、タルク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。
とくに、フィラーとしてはカーボンブラックを用いるか、またはカーボンブラックと酸化チタンとを併用するのが好ましい。
フィラーとして、カーボンブラックと酸化チタンとを併用する場合、カーボンブラックの割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
また上記併用系において、酸化チタンの割合は、ゴムの総量100質量部あたり8質量部以上であるのが好ましく、12質量部以下であるのが好ましい。
〈その他の成分〉
ゴム組成物には、さらに架橋助剤、老化防止剤、共架橋剤、顔料、可塑剤、加工助剤などの、一般にゴム組成物に添加剤として配合される成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で適量、添加してもよい。
《紙送りローラ》
図1は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例の一部を拡大して示す斜視図である。
図1を参照して、この例の紙送りローラ1は、上述したゴム組成物を筒状に成形するとともに架橋させて形成されたローラ本体2を備えている。
ローラ本体2の中心には断面円形の通孔3が設けられており、当該通孔3には、図示しない駆動系に連結されるなどした円柱状のシャフト4が挿通されて、固定されている。
ローラ本体2の、用紙と接触する外周面5は、図の例の場合、通孔3およびシャフト4と同心の筒状に形成されている。
ローラ本体2とシャフト4とは、たとえば、ローラ本体2の通孔3に、当該通孔3の内径よりも外径の大きいシャフト4を圧入する等して、空転を生じないように互いに固定されている。
つまり、両者間の径差に基づく締め代により、当該両者間で一定の空転トルク(空転が生じない限界のトルク)が確保されている。
シャフト4は、たとえば、金属、セラミック、硬質樹脂等によって形成されている。
ローラ本体2は、必要に応じて複数個を、1本のシャフト4の複数箇所に固定してもよい。
ローラ本体2は、ゴム組成物を、たとえば、押出成形法等によって筒状に成形したのちプレス架橋法等によって架橋させたり、あるいはトランスファー成形法等によって筒状に成形するとともに架橋させたりして製造される。
ローラ本体2は、上記製造工程の任意の時点で、必要に応じて、外周面5を所定の表面粗さになるように研磨したり、ローレット加工、シボ加工等したりしてもよい。
また、外周面5が所定幅となるようにローラ本体2の両端をカットしてもよい。
またローラ本体2は、外周面5側の外層と通孔3側の内層の2層構造に形成してもよい。
その場合、少なくとも外層を、前述した本発明のゴム組成物の架橋物によって形成するのが好ましい。
ただし構造を簡略化し、生産性を向上するとともに製造コストを低下させること等を考慮すると、ローラ本体2は、図1に示すように、本発明のゴム組成物の架橋物からなる単層構造とするのが好ましい。
また、ローラ本体2は多孔質構造としてもよい。
しかし、引張強さを高めたり、耐摩耗性を向上したり、圧縮永久ひずみを小さくして、1箇所で接触した状態が比較的長期間に亘って続いても変形による凹みを生じにくくしたりするために、ローラ本体2は、実質的に非多孔質構造であるのが好ましい。
紙送りローラ1を用いて良好な紙送りをさせるために、ローラ本体2は、タイプAデュロメータ硬さが40以下であるのが好ましい。
また耐摩耗性を向上したり、圧縮永久ひずみを小さくしたりすることを考慮すると、ローラ本体2は、タイプAデュロメータ硬さが20以上、とくに30以上であるのが好ましい。
通孔3は、紙送りローラ1の用途によっては、ローラ本体2の中心から偏心した位置に設けてもよい。
また、ローラ本体2の外周面5は筒状ではなく異形形状、たとえば、筒状の外周面5の一部が平面状に切欠かれた形状等であってもよい。
これら異形形状のローラ本体2を備えた紙送りローラ1を製造するには、先に説明した製造方法によって直接に、異形形状のローラ本体2を成形したのち架橋させてもよいし、筒状に成形したローラ本体2を、後加工によって異形形状としてもよい。
また筒状に成形したローラ本体2の通孔3に、当該ローラ本体2の異形形状に対応する変形形状とされたシャフト4を圧入して、ローラ本体2を異形形状に変形させてもよい。
この場合、外周面5の研磨やローレット加工、シボ加工などは、変形前の筒状の外周面5に対して実施できるため加工性を向上できる。
本発明の紙送りローラは、たとえば、レーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置に組み込むことができる。
また本発明の紙送りローラは、たとえばインクジェットプリンタや、あるいは現金自動預け払い機(ATM)等に組み込むこともできる。
本発明の紙送りローラは、紙やプラスチックフィルムなどの用紙と接触しながら回転して、摩擦によって用紙を搬送する、たとえば、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等として用いることができる。
以下に、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、これらの例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴムとしては油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン670F、油展量:100phr〕200質量部(固形分:100質量部)を用いた。
かかる油展EPDM200質量部(固形分としてのゴムの総量は100質量部)に、卵殻粉〔平均粒子径:50μm〕5質量部と、下記の各成分とを配合し、3Lニーダー、およびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 2021116333
表1中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、油展EPDM200質量部(固形分としてのゴムの総量100質量部)あたりの質量部である。
フィラーI:カーボンブラック〔HAF、東海カーボン(株)製の商品名シースト3〕
フィラーII:酸化チタン〔堺化学工業(株)製のSA-1〕
過酸化物架橋剤:ジクミルパーオキサイド〔日油(株)製のパークミル(登録商標)D〕
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を、170℃×30分間の条件で筒状にトランスファー成形し、通孔3に外径12mmのシャフト4を圧入した状態で、円筒研削盤を用いて外径が21mmになるように研磨したのち、幅25mmにカットして、筒状のローラ本体2を備えた紙送りローラ1を製造した(図1参照)。
〈実施例2、3〉
卵殻粉の量を、油展EPDM200質量部(固形分としてのゴムの総量100質量部)あたり15質量部(実施例2)、30質量部(実施例3)としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、紙送りローラ1を製造した。
〈実施例4〉
卵殻粉として、平均粒子径が130μmの卵殻粉を、油展EPDM200質量部(固形分としてのゴムの総量100質量部)あたり15質量部配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、紙送りローラ1を製造した。
〈比較例1〉
卵殻粉を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、紙送りローラ1を製造した。
〈硬さ試験〉
実施例、比較例で調製したゴム組成物を170℃×20分間の条件でプレス架橋させて厚み2mmのシート状にし、それを3枚重ねて試験片とした。
そしてこの試験片を用いて、温度23±2℃の環境下、日本工業規格JIS K6253−3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」所載の測定方法に則って3秒後の数値を読み取ってタイプAデュロメータ硬さとした。
そしてタイプAデュロメータ硬さが40以下であったものを良好「○」、40を超えたものを不良「×」と評価した。
〈摩擦係数試験〉
図2に示すように、作製した紙送りローラ1のローラ本体2を、水平に設置したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の板6の上に載置した幅60mm×長さ210mmの紙7〔富士ゼロックス(株)製のP紙(普通紙)〕の上に、鉛直荷重W(=300gf)をかけながら圧接させた。
次いで、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、ローラ本体2を一点鎖線の矢印Rで示す方向に200rpmで回転させた際に、紙7の一端に接続したロードセル8に加わる搬送力F(gf)を測定した。
次いで、測定した搬送力Fと鉛直荷重W(=300gf)とから式(1):
摩擦係数μ=F(gf)/W(gf) (1)
によって摩擦係数μを求めた。
そして摩擦係数μが1.5以上であったものを良好「○」、1.5未満であったものを不良「×」と評価した。
〈耐摩耗試験〉
摩擦係数試験と同様に、図2に示すように、紙送りローラ1のローラ本体2を、水平に設置したPTFE製の板6の上に載置した幅60mm×長さ210mmの紙7〔富士ゼロックス(株)製のP紙(普通紙)〕の上に、鉛直荷重W(=500gf)をかけながら圧接させた。
次いで、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、ローラ本体2を一点鎖線の矢印Rで示す方向に200rpmで10分間に亘って連続回転させた。
次いで、連続回転後にローラ本体の質量(摩耗後質量)M(g)を秤量し、当該摩耗後質量M(g)と、連続回転前に秤量しておいたローラ本体の初期質量M(g)とから式(2):
質量減率ΔM(%)=(M−M)/M×100 (2)
によって質量減率ΔMを求めた。
そして質量減率ΔMが0.9%以下であったものを極めて良好「◎」、0.9%を超え、かつ1%以下であったものを良好「○」、1%を超えたものを不良「×」と評価した。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2021116333
表2の実施例1〜4、比較例1の結果より、ゴム組成物に卵殻粉を配合することにより、柔軟で摩擦係数が高く通紙性能に優れる上、耐摩耗性にも優れた、紙送りローラのローラ本体を形成できることが判った。
ただし実施例1〜4の結果より、上記の効果を得るためには、卵殻粉の割合を、ゴムの総量100質量部あたり5質量部以上、30質量部以下とする必要があること、卵殻粉の平均粒子径は、30μm以上、150μm以下であるのが好ましいことが判った。
また、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、卵殻粉の割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり10質量部以上、20質量部以下であるのが好ましいこと、卵殻粉の平均粒子径は、上記の範囲でも大きいほど好ましいことが判った。
1 ローラ
2 ローラ本体
3 通孔
4 シャフト
5 外周面
6 板
7 紙
8 ロードセル
F 搬送力
W 鉛直荷重

Claims (8)

  1. 紙送りローラのローラ本体を形成するためのゴム組成物であって、
    架橋性のゴム、
    前記ゴムを架橋させるための架橋成分、および
    前記ゴムの総量100質量部あたり5質量部以上、30質量部以下の卵殻粉
    を含むゴム組成物。
  2. 前記卵殻粉は、平均粒子径が30μm以上、150μm以下である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ゴムは、エチレンプロピレンジエンゴムを含む請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記架橋成分は、過酸化物架橋剤を含む請求項3に記載のゴム組成物。
  5. さらにカーボンブラックを含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. さらに酸化チタンを含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれか1項に記載のゴム組成物の架橋物からなるローラ本体を含む紙送りローラ。
  8. 前記ローラ本体のタイプAデュロメータ硬さは40以下である請求項7に記載の紙送りローラ。
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