JP2023087938A - シート搬送ローラ用ゴム組成物およびシート搬送ローラ - Google Patents

シート搬送ローラ用ゴム組成物およびシート搬送ローラ Download PDF

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Abstract

【課題】シート搬送ローラとして使用し得る摩擦係数を有し、かつ、耐オゾン性および引張強度に優れたシート搬送ローラを作製できるゴム組成物を提供する。【解決手段】シート搬送ローラ1用ゴム組成物は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率が、50質量%以上、65質量%未満であり、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率が、20質量%~60質量%であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、シート搬送ローラの形成に使用されるゴム組成物に関する。
静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機、インクジェットプリンタ等の画像形成装置、ならびに自動現金預払機(ATM)等の機器類におけるシート搬送機構には、各種のシート搬送ローラが組み込まれている。前記シート搬送ローラは、紙、プラスチックフィルム等のシートと接触しながら回転して摩擦によってシートを搬送する。
シート搬送ローラの材料としては、価格、耐オゾン性の性能の観点からエチレンプロピレンジエンモノマー共重合体(EPDM)が使用されることが多い。しかし、EPDMを用いて作製されたローラは、紙に含まれる充填剤などの成分(紙粉とも呼ばれる)の影響で摩擦係数が低下し、搬送不良が発生しやすかった。そこで、例えば、特許文献1には、EPDMとイソプレンゴム(IR)とを含有するゴム組成物からローラを作製することが提案されている(特許文献1参照)。
特開平11-5638号公報
シート搬送ローラは、一般的に、筒状に成形されたゴムローラ本体の通孔に、ローラ軸を挿通することで組み立てられる。ゴムローラ本体の内径はローラ軸の外形より小さく設計されており、ゴムの締め付け力によってゴムローラ本体がローラ軸に固定されている。
ここで、EPDMとIRとを含有するゴム組成物から形成されたローラは、摩擦係数は高いが、引張強度が非常に小さい。そのため、ゴムローラ本体にローラ軸に圧入すると、ローラ軸を圧入した後、数日でゴムローラが破断するという問題があった。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、シート搬送ローラとして使用し得る摩擦係数を有し、かつ、耐オゾン性および引張強度に優れたシート搬送ローラを作製できるゴム組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本開示のシート搬送ローラ用ゴム組成物は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率が、50質量%以上、65質量%未満であり、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率が、20質量%~60質量%であることを特徴とする。
ゴム組成物が、所定量のイソプレン系ゴムと、特定のエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有することで、硬化物の摩擦係数を維持しつつ、耐オゾン性および引張強度を高めることができる。
本開示のシート搬送ローラ用ゴム組成物を用いれば、シート搬送ローラとして使用し得る摩擦係数を有し、かつ、耐オゾン性および引張強度に優れたシート搬送ローラを作製できる。
本開示のシート搬送ローラの一例を示す斜視図である。 摩擦係数測定方法を説明する模式図である。
<シート搬送ローラ用ゴム組成物>
シート搬送ローラ用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」と称する場合がある。)は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有する。
(イソプレン系ゴム)
前記イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、改質NR、変性NR、イソプレンゴム(IR)、および、変性IRよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。前記イソプレン系ゴムは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記天然ゴムとしては、CV-50、CV-60、RSS♯3、TSR20等が挙げられる。
前記改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム等が挙げられる。
前記変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。
前記イソプレンゴムとしては、IR2200等が挙げられる。
前記変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等が挙げられる。
前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率は、50質量%以上、好ましくは52質量%以上、より好ましくは55質量%以上であり、65質量%未満、好ましくは64質量%以下、より好ましくは63質量%以下である。イソプレン系ゴムの含有率が50質量%以上であれば形成されるローラの硬度が高くなりすぎず、摩擦係数が良好となり、65質量%未満であればローラの耐オゾン性がより向上する。
(エチレン-酢酸ビニル共重合体)
前記ゴム組成物は、酢酸ビニル含有率が20質量%~60質量%であるエチレン-酢酸ビニル共重合体を含有する。特定のエチレン-酢酸ビニル共重合体を含有することで、得られるローラの引張強さを高めることができ、ローラが破断することを抑制できる。
前記エチレン-酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体である。前記エチレン-酢酸ビニル共重合体は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率は、20質量%以上、好ましくは22質量%以上、より好ましくは25質量%以上であり、60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。前記酢酸ビニル含有率が20質量%以上であれば形成されるローラの硬度が高くなりすぎず、摩擦係数が良好となり、60質量%以下であればローラの耐オゾン性がより向上する。
前記エチレン-酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイト(190℃、荷重2.16kgf)は、特に制限はないが、1000g/10分以下が好ましく、より好ましくは700g/10分以下、さらに好ましくは400g/10分以下であり、0.1g/10分以上が好ましく、より好ましくは0.2g/10分以上、さらに好ましくは、0.5g/10分以上である。前記エチレン-ビニル酢酸共重合体のメルトフローレイトが1000g/10分以下であれば、引張強さがより向上し、0.1g/10分以下であれば混練や成型加工性がより良好となる。
前記基材ゴム中のエチレン-酢酸ビニル共重合体の含有率は、35質量%以上が好ましく、より好ましくは36質量%以上、さらに好ましくは37質量%以上であり、50質量%以下が好ましく、より好ましくは48質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。エチレン-酢酸ビニル共重合体の含有率が35質量%以上であれば耐オゾン性が向上し、50質量%以下であれば摩擦係数の向上が期待できる。
前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体との質量比(イソプレン系ゴム/エチレン-酢酸ビニル共重合体)は1.00以上が好ましく、より好ましくは1.08以上、さらに好ましくは1.22以上であり、1.86以下が好ましく、より好ましくは1.78以下、さらに好ましくは1.71以下である。前記質量比が1.00以上であれば摩擦係数の向上が期待でき、1.86以下であれば耐オゾン性が向上する。
前記基材ゴムは、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体のみを含有することが好ましい。前記基材ゴムは、本開示の効果を損なわない程度に他のゴム成分を含有してもよい。この場合、基材ゴム中のイソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体との合計含有率は、85質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
前記他のゴム成分としては、例えば、エピクロルヒドリン系ゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、エチレンープロピレン共重合体(EPM)、エチレン-ブテン共重合体(EBR)、エチレン-オクテン共重合体(EOR)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体(EPBR)、エチレン-ブテン-ジエン共重合体(EBDM)、エチレン-プロピレン-ブテン-ジエン共重合体(EPBDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム等が挙げられる。これらの他のゴム成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(架橋剤)
前記ゴム組成物は、架橋剤として、硫黄系架橋剤、有機過酸化物を使用できる。前記硫黄系架橋剤としては単体硫黄、硫黄ドナー型化合物が挙げられる。前記単体硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド状硫黄、不溶性硫黄が挙げられる。前記硫黄ドナー型化合物としては、4,4’-ジチオビスモルホリンなどが挙げられる。
前記有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-ジイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。前記架橋剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記架橋剤としては、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物を用いることで、エチレン-ビニル酢酸共重合体を架橋することができる。
前記架橋剤の含有量は、前記基材ゴム100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは0.8質量部以上、さらに好ましくは1.0質量部以上であり、3.0質量部以下が好ましく、より好ましくは2.7質量部以下、さらに好ましくは2.5質量部以下である。前記架橋剤の含有量が0.5質量部以上であれば形成されるローラの耐摩耗性がより向上し、3.0質量部以下であれば形成されるローラの硬度が高くなりすぎず、摩擦係数が良好となる。
(その他の成分)
前記ゴム組成物は、充填剤、加工助剤、老化防止剤、しゃっかい剤、顔料など、本開示の趣旨を害さない範囲で、ゴムの配合剤として一般的に使用される配合剤を使用することができる。
前記充填剤としては、ゴムの配合剤として一般的に使用されるものが使用することができ、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。充填剤を配合することにより、得られるローラの機械的強度等を向上できる。
前記充填剤の含有量は、基材ゴム100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、100質量部以下が好ましく、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
前記充填剤としてカーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、基材ゴム100質量部に対して、3質量部以下が好ましく、より好ましくは1質量部以下である。カーボンブラックの配合量を抑えることで、搬送されるシートの汚れを抑制できる。
前記加工助剤としては、炭素数12~30の脂肪酸(ステアリン酸等)、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、炭化水素(パラフィン)等が挙げられる。
前記老化防止剤としては、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
前記シート搬送ローラ用ゴム組成物は、基材ゴム、および、必要に応じて他の原料を配合し、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、オープンロール等で混練することで調製できる。混練の方法および条件は生産スケールによって適宜選択される。
前記ゴム組成物の硬化物の硬度(デュロメータ法、タイプA硬さ)は、10以上が好ましく、より好ましくは15以上、さらに好ましくは20以上であり、90以下が好ましく、より好ましくは85以下、さらに好ましくは80以下である。硬化物の硬度が10以上であればシート搬送に適した硬度となり搬送力がより向上し、90以下であればローラ軸の圧入がより容易である。
前記ゴム組成物の硬化物の引張強さは、2MPa以上が好ましく、より好ましくは2.5MPa以上、さらに好ましくは3MPa以上である。硬化物の引張強さが2MPa以上であればシャフトを圧入した際にローラが破断することがより抑制される。さらに引張強さが3MPa以上であれば、ローラの破断が一層抑制される。なお、硬化物の引張強さの上限は特に限定されないが、通常30MPa程度である。
前記ゴム組成物の硬化物の破断伸びは、100%以上が好ましく、より好ましくは200%以上、さらに好ましくは300%以上である。硬化物の破断伸びが100%以上であればシャフトを圧入した際に、ローラが破断することがより抑制される。なお、硬化物の破断伸びの上限は特に限定されないが、通常1000%程度である。
<シート搬送ローラ>
本開示のシート搬送ローラは、前記シート搬送ローラ用ゴム組成物を硬化して得られたものである。
シート搬送ローラの形状としては、円筒状、円柱状、多角筒状、多角柱状が挙げられる。シート搬送ローラが円筒状、多角筒状の場合、紙送りローラはシャフトを有することが好ましい。前記シャフトの材質は特に限定されず、金属、セラミック、樹脂等が挙げられる。
図1にシート搬送ローラの一例を示す。図1に記載のシート搬送ローラ1は、上述した本開示のゴム組成物を筒状に成形するとともに架橋させて形成されたローラ本体2を備えている。前記ローラ本体2の中心には断面円形の通孔3が設けられており、当該通孔3には、図示しない駆動系に連結されるなどした円柱状のシャフト4が挿通されて、固定されている。ローラ本体2の外周面は、通孔3およびシャフト4と同心の筒状に形成されている。
ローラ本体2とシャフト4とは、たとえば、ローラ本体2の通孔3に、当該通孔3の内径よりも外径の大きいシャフト4を圧入する等して、空転を生じないように互いに固定されている。つまり、両者間の径差に基づく締め代により、当該両者間で一定の空転トルク(空転が生じない限界のトルク)が確保されている。
シャフト4は、たとえば、金属、セラミック、硬質樹脂等によって形成されている。ローラ本体2は、必要に応じて複数個を、1本のシャフト4の複数箇所に固定してもよい。
ローラ本体2を製造する方法は、ゴム組成物を押出成形法等によって筒状に成形した後、プレス架橋法等によって架橋する方法;トランスファー成形法等によって筒状に成形するとともに架橋する方法等が挙げられる。
ローラ本体2は、上記製造の工程の任意の時点で、必要に応じて、外周面を所定の表面粗さになるように研磨したり、ローレット加工、シボ加工等したりしてもよい。また、外周面が所定幅となるようにローラ本体2の両端をカットしてもよい。ローラ本体2の外周面は、任意のコート層で被覆してもよい。
またローラ本体2は、外周面側の外層と通孔3側の内層の2層構造に形成してもよい。その場合、少なくとも外層を上記本開示のゴム組成物によって形成するのが好ましい。ただし、構造を簡略化し、生産性を向上するとともに製造コストを低下させること等を考慮すると、ローラ本体2は、図1に示すように単層構造とするのが好ましい。
また、ローラ本体2は多孔質構造としてもよい。しかし、耐摩耗性を向上したり、圧縮永久ひずみを小さくして、1箇所で接触した状態が比較的長期間に亘って続いても変形による凹みを生じにくくしたりするために、ローラ本体2は、実質的に非多孔質構造であるのが好ましい。
前記通孔3は、シート搬送ローラ1の用途によっては、ローラ本体2の中心から偏心した位置に設けてもよい。また、ローラ本体2の外周面は筒状ではなく異形形状、たとえば、筒状の外周面の一部が平面状に切欠かれた形状等であってもよい。これら異形形状のローラ本体2を備えたシート搬送ローラ1を製造するには、先に説明した製造方法によって直接に、異形形状のローラ本体2を成形したのち架橋させてもよいし、筒状に成形したローラ本体2を、後加工によって異形形状としてもよい。
また筒状に成形したローラ本体2の通孔3に、当該ローラ本体2の異形形状に対応する
変形形状とされたシャフト4を圧入して、ローラ本体2を異形形状に変形させてもよい。
この場合、外周面5の研磨やローレット加工、シボ加工などは、変形前の筒状の外周面
5に対して実施できるため加工性を向上できる。
<画像形成装置>
本開示のシート搬送ローラは、例えば、レーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置に組み込むことができる。また、本開示のシート搬送ローラは、例えば、インクジェットプリンタやATM等に組み込むこともできる。
本開示のシート搬送ローラは、シートと接触しながら回転して、摩擦によってシートを搬送する。前記シートとしては、枚葉紙等の枚葉シート、連続紙等の連続シートが挙げられる。前記シート搬送ローラは、例えば、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等として用いることができる。
本開示のシート搬送ローラは、ローラ本体の摩擦係数が良好であるため、良好な通紙性能を示すことができる。また、本開示のシート搬送ローラは、ローラ本体の耐オゾン性および引張強さにも優れるため、使用時にローラ本体にクラックが発生したり、ローラ本体が破断することが抑制される。
以下、本開示を実施例によって詳細に説明するが、本開示は、下記実施例によって限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本開示の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)硬度
ゴム組成物の硬化物の硬度は、JIS K6253-3(2012)に準拠して測定した。具体的には、ゴム組成物を用いて、170℃で20分間プレスして、厚み2mmのシートを作製した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚重ねた状態で、タイプAデュロメータの加圧板を接触させ、接触させてから3秒後に数値を読み取った。
(2)引張強さ、破断伸び
ゴム組成物の硬化物の引張強さ、破断伸び(切断時伸び)は、JIS K6251(2017)に準拠して測定した。具体的には、ゴム組成物を用いて、170℃で20分間プレスして、厚み2mmのシートを作製し、これをダンベル形状(ダンベル状3号形、平行部分の厚さ2mm、初期の標線間距離20mm)に打ち抜いて試験片を作製した。引張試験測定装置を用いて物性を測定した(測定温度23℃、引張速度500mm/分)。そして、試験片が切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を試験片の試験前の断面積で除することで引張強さを算出した。
(3)オゾン試験
ゴム組成物の硬化物について、JIS K6259-1(2015)A法に準拠し、オゾン劣化試験を行った。具体的には、ゴム組成物を用いて、170℃で20分間プレスして、厚み2mmのシートを作製し、これを幅10mm、長さ100mmの短冊状に切り出し、試験片を作製した。この試験片を伸長ジグに取り付け、長手方向に伸長させて引張ひずみを20%に調整した。この引張ひずみのある試験片を、40℃、オゾン濃度50pphmの環境で72時間暴露し、暴露後のオゾンクラックを観察した。
オゾンクラックが観察されないものを良好「○」、クラックが観察されたものを不良「×」と評価した。
(4)ローラ評価
図2に示すように、普通紙11(富士フイルムビジネスイノベーション製、P紙)を、水平に設置したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の板10の上に載置した。この紙11に、シート搬送ローラ1のローラ本体2を載置し、シャフト4に鉛直荷重W1(=300gf)を付加し板10に圧接させた。
次いで、温度23℃、相対湿度55%の環境下、ローラ本体2を一点鎖線の矢印R1で示す方向に200rpmで回転させた際に、紙11の一端に接続したロードセル12に加わる搬送力F(gf)を測定した。
測定した搬送力Fと鉛直荷重W1(=300gf)とから式(1)によって初期の摩擦係数μを求めた。
μ=F(gf)/W1(gf) (1)
[ゴム組成物の調製]
表1に示した配合となるように各原料をニーダーおよびオープンロールを用いて混合し、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物について、硬化物の測定結果を表1に示した。
Figure 2023087938000002
表1で使用した原料は下記のとおりである。
IR:日本ゼオン製、「Nipol(登録商標) IR2200」(イソプレンゴム)
NR:ベトナム製、天然ゴム(CV-60)
EVA1:東ソー製、「ウルトラセン(登録商標)680」(エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率20質量%、メルトフローレイト(190℃、荷重2.16kgf)160g/10min))
EVA2:東ソー製、「ウルトラセン750」(エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率32質量%、メルトフローレイト(190℃、荷重2.16kgf)30g/10min)))
EVA3:ARLANXEO製、「Levapren(登録商標)400」(エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率40質量%))
EVA4:ARLANXEO製、「Levapren600」(エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率60質量%))
EVA5:ARLANXEO製、「Levapren800」(エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有率80質量%))
EPDM:住友化学製、「エスプレン(登録商標)505A」(エチレンプロピレンジエンモノマー共重合体)
カーボンブラック:東海カーボン製、「シースト(登録商標)3」
炭酸カルシウム:備北粉化工業製、「BF-300」
有機過酸化物:日油製、「パークミル(登録商標)D」(ジクミルパーオキサイド)
[シート搬送ローラの製造]
上記で得たゴム組成物を用いて、トランスファー成形により、170℃、30分間の成形条件で円筒状に成形した。円筒状の成形体に、シャフト(外径12mm)を圧入し、円筒研削盤を用いてゴムローラの外径が20mmとなるように研磨し、ゴムローラ部分の幅を23mmにカットし、シート搬送ローラを作製した。得られたシート搬送ローラの評価結果を、表1に示した。
ゴム組成物No.1~4は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率が50質量%以上、65質量%未満であり、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率が20質量%~60質量%である。
これらのゴム組成物No.1~4から得られる硬化物は、引張強度が高く、かつ、耐オゾン性にも優れていた。よって、これらのゴム組成物No.1~4を用いて作製されたシート搬送ローラは、ローラ軸を圧入した後に破断することが抑制でき、また、使用時のオゾンクラックも抑制できる。また、これらのゴム組成物No.1~4を用いて作製されたシート搬送ローラは、いずれも摩擦係数が高く、シート搬送性能も備えていた。
ゴム組成物No.5は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレンプロピレンジエンモノマー共重合体を含有し、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含有しない場合である。このゴム組成物No.5は、引張強さが2.9MPaと低い値であった。そのため、このゴム組成物No.5を用いて作製されたシート搬送ローラは、ローラ軸を圧入した後、短期間で破断する恐れがある。
ゴム組成物No.6は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率が50質量%未満の場合である。このゴム組成物No.6は、イソプレン系ゴムの配合量が少なすぎるため、得られるシート搬送ローラの摩擦係数が1.38と低く、シート搬送性能が不十分であった。
ゴム組成物No.7は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率が65質量%以上の場合である。このゴム組成物No.7は、イソプレン系ゴムの配合量が多すぎるため、硬化物の耐オゾン性が劣っていた。
ゴム組成物No.8は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率が60質量%超の場合である。このゴム組成物No.8は、エチレン-酢酸ビニル共重合体を含有しているが、このエチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率が60質量%超であるため、硬化物の耐オゾン性が劣っていた。
本開示(1)は、基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率が、50質量%以上、65質量%未満であり、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率が、20質量%~60質量%であることを特徴とするシート搬送ローラ用ゴム組成物である。
本開示(2)は、有機過酸化物を含有する本開示(1)に記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物である。
本開示(3)は、前記基材ゴム中のエチレン-酢酸ビニル共重合体の含有率が、35質量%以上、50質量%以下である本開示(1)または(2)に記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物である。
本開示(4)は、前記ゴム組成物中の有機過酸化物の含有量が、前記基材ゴム100質量部に対して0.5質量部~3質量部である本開示(2)または(3)に記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物である。
本開示(5)は、本開示(1)~(4)のいずれかに記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物を硬化して得られたことを特徴とするシート搬送ローラである。
1:シート搬送ローラ、2:ローラ本体、3:通孔、4:シャフト、10:板、11:紙、12:ロードセル

Claims (5)

  1. 基材ゴムとして、イソプレン系ゴムとエチレン-酢酸ビニル共重合体とを含有し、
    前記基材ゴム中のイソプレン系ゴムの含有率が、50質量%以上、65質量%未満であり、
    前記エチレン-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有率が、20質量%~60質量%であることを特徴とするシート搬送ローラ用ゴム組成物。
  2. 有機過酸化物を含有する請求項1に記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物。
  3. 前記基材ゴム中のエチレン-酢酸ビニル共重合体の含有率が、35質量%以上、50質量%以下である請求項1または2に記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物。
  4. 前記ゴム組成物中の有機過酸化物の含有量が、前記基材ゴム100質量部に対して0.5質量部~3質量部である請求項2または3に記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のシート搬送ローラ用ゴム組成物を硬化して得られたことを特徴とするシート搬送ローラ。
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