JP2023058281A - 紙送りローラ用ゴム組成物および紙送りローラ - Google Patents

紙送りローラ用ゴム組成物および紙送りローラ Download PDF

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良輔 藤井
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Abstract

【課題】シリカやタルクなどのシリケート成分を多く含む紙を繰り返し搬送しても、摩擦係数の低下を抑制できる紙送りローラを提供する。【解決手段】紙送りローラ用ゴム組成物は、(A)基材ゴムと、(B)加硫剤とを含有し、前記(A)基材ゴムが、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有し、前記(B)加硫剤が、チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本開示は、紙送りローラの形成に使用されるゴム組成物に関する。
静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機、インクジェットプリンタ等の画像形成装置、ならびに自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構には、各種の紙送りローラが組み込まれている。前記紙送りローラは、紙(プラスチックフィルム等を含む。以下同様。)と接触しながら回転して摩擦によって紙を搬送する。
前記紙送りローラは、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)からなるローラを使用することが多い。しかし、EPDMからなるローラでは、灰分の多い紙を繰り返し搬送すると、紙送りローラの摩擦係数が低下し、不送り等の不具合が発生する場合がある。そのため、特許文献1のようにEPDMにイソプレンゴム(IR)をブレンドし、ローラの摩擦係数低下を抑制する技術が提案されている。
また、紙送りローラの材料として、エピクロルヒドリン系のゴムを用いることが提案されており、例えば、特許文献2には、エピクロルヒドリンゴムと硫黄系加硫剤とを含有する給紙ベルトが記載されている。
特開2014-34428号公報 特開2018-100165号公報
紙送りローラについて、シリカやシリケート成分を含む紙を繰り返し搬送すると、紙送りローラの摩擦係数が低下し、搬送不良を生じるという問題があった。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、シリカやタルクなどのシリケート成分を多く含む紙を繰り返し搬送しても、摩擦係数の低下を抑制できる紙送りローラを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本開示の紙送りローラ用ゴム組成物は、(A)基材ゴムと、(B)加硫剤とを含有し、前記(A)基材ゴムが、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有し、前記(B)加硫剤が、チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物を含有することを特徴とする。
ゴム組成物が(A)基材ゴムとして特定のヒドリン系ゴムと、(B)加硫剤としてチオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物を含有することで、得られる紙送りローラは、シリケート成分を多く含む紙を繰り返し搬送しても、摩擦係数の低下が抑制される。なお、ヒドリン系ゴムは、硫黄架橋や過酸化物架橋が可能なものも存在するが、これらの架橋剤を使用すると、所望とするローラ特性が得られない。
本開示の紙送りローラ用ゴム組成物を用いれば、シリカやタルクなどのシリケート成分を多く含む紙を繰り返し搬送しても、摩擦係数の低下を抑制できる紙送りローラを作製できる。
本開示の導電性ゴムローラの一例を示す斜視図である。 摩擦係数測定方法を説明する模式図である。 繰り返し通紙模擬試験を説明する模式図である。
<紙送りローラ用ゴム組成物>
紙送りローラ用ゴム組成物は、(A)基材ゴムと、(B)加硫剤とを含有する。
(A)基材ゴム
前記(A)基材ゴムは、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有する。(A)基材ゴムは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体が含有するエチレンオキシドの含有率は、50mоl%以上が好ましく、より好ましくは55mоl%以上、さらに好ましくは60mоl%以上である。エチレンオキサイド成分の含有率が50mol%以上であれば、シリカやタルク成分を多く含む紙を搬送した際の摩擦係数の低下が一層抑制される。前記(A)基材ゴムが、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を2種以上含有する場合、これらの共重合体が含有するエチレンオキサイド成分の平均含有率を算出する。
前記(A)基材ゴムは、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体のみから構成されることが好ましい。前記(A)基材ゴムは、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体以外の他のゴム成分を含有してもよい。この場合、前記(A)基材ゴム中のエピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体の合計含有率は、50質量%以上、85質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
前記他のゴム成分としては、例えば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン-プロピレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、エチレンープロピレン共重合体(EPM)、エチレン-ブテン共重合体(EBR)、エチレン-オクテン共重合体(EOR)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体(EPBR)、エチレン-ブテン-ジエン共重合体(EBDM)、エチレン-プロピレン-ブテン-ジエン共重合体(EPBDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム等が挙げられる。これらの他のゴム成分は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)加硫剤
前記(B)加硫剤は、チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物を含有する。前記(B)加硫剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記紙送りローラ用ゴム組成物は、(B)加硫剤として、チオウレア化合物のみを含有する態様、または、トリアジン化合物のみを含有する態様が好ましい。
前記チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物の配合量が、前記(A)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、10質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。前記配合量が0.1質量部以上であれば基材ゴムが十分に架橋され、成形品の物性がより良好となり、10質量部以下であれば紙送りローラが硬くなりすぎず、使用による摩擦係数の低下がより抑制される。
前記チオウレア化合物としては、式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2023058281000001
[式(1)中、R1~R4は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~10のアリール基を表す。R2およびR3が互いに結合してもよい。]
前記R1~R4で表される炭素数1~12のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。前記アルキル基の炭素数は1~10が好ましく、より好ましくは1~8、さらに好ましくは1~4である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられる。
前記R1~R4で表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記チオウレア化合物としては、例えば、エチレンチオウレア、トリメチルチオウレア、N,N’-ジエチルチオウレア、トリブチルチオウレア、ジブチルチオウレア、ジラウリルチオウレア、N,N’-ジフェニルチオウレア等が挙げられる。これらの中でも、エチレンチオウレアが好ましい。
前記トリアジン化合物としては、トリアジン環構造と、このトリアジン環に直接結合したチオール基とを有するトリアジンチオール化合物が好ましい。
前記トリアジンチオール化合物としては、式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2023058281000002
[式(2)中、X1およびX2はそれぞれ独立して、チオール基、-NR1112基を表す。ここで、R11およびR12は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~10のアリール基を表す。]
前記R11およびR12で表される炭素数1~12のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。前記アルキル基の炭素数は1~10が好ましく、より好ましくは1~8、さらに好ましくは1~4である。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられる。
前記R11およびR12で表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
トリアジンチオール化合物としては、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-メチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-ジメチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-エチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-ジエチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-プロピルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-ジプロピルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-ブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-ジブチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-ヘキシルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-オクチルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-デシルアミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジンが好ましい。
受酸剤
前記紙送りローラ用ゴム組成物は、エピクロルヒドリン系ゴムが加硫の際に塩素を発生する場合があるため、受酸剤を配合することが好ましい。前記受酸剤としては、一般的に使用されるものを使うことができる。前記受酸剤としては、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記受酸剤の含有量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、10質量部以下が好ましく、より好ましくは7質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
その他の成分
前記紙送りローラ用ゴム組成物は、充填剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、加工助剤、老化防止剤、顔料など、本開示の趣旨を害さない範囲で、ゴムの配合剤として一般的に使用される配合剤を使用することができる。
充填剤
前記充填剤としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。充填剤を配合することにより、得られる紙送りローラの機械的強度等を向上できる。
前記充填剤の含有量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、100質量部以下が好ましく、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
前記充填剤としてカーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの含有量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、1.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.8質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
加硫促進剤
前記加硫促進剤としては、無機促進剤、有機促進剤のいずれも使用できる。前記無機促進剤としては、消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等が挙げられる。前記有機促進剤としては、たとえば、グアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等が挙げられる。加硫促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記グアニジン系促進剤としては、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-о-トリルグアニジン等が挙げられる。
前記チアゾール系促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(N,N-ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(4’-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。
前記チウラム系促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
前記スルフェンアミド系促進剤としては、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
前記加硫促進剤の含有量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、5質量部以下が好ましく、より好ましくは4質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下である。
前記(B)加硫剤として、トリアジン化合物を含有する場合、加硫促進剤として、前記グアニジン系促進剤を含有することが好ましい。この場合、トリアジン化合物の配合量とグアニジン系促進剤の配合量との質量比(トリアジン化合物/グアニジン系促進剤)は、0.5以上が好ましく、より好ましくは1以上であり、10以下が好ましく、より好ましくは5以下である。
前記加硫遅延剤は、使用する(B)加硫剤に応じて適宜選択すればよい。前記加硫遅延剤としては、N-シクロヘキシルチオフタルイミド、N-ニトロソジフェニルアミン、無水フタル酸、4,4’-ジチオジモルホリン等が挙げられる。
前記加硫遅延剤の含有量は、(A)基材ゴム100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.2質量部以上であり、5質量部以下が好ましく、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
前記(B)加硫剤として、チオウレア化合物を含有する場合、加硫遅延剤として、4,4’-ジチオジモルホリンを含有することが好ましい。この場合、チオウレア化合物の配合量と4,4’-ジチオジモルホリンの配合量との質量比(チオウレア化合物/4,4’-ジチオジモルホリン)は、0.5以上が好ましく、より好ましくは1以上であり、10以下が好ましく、より好ましくは5以下である。
前記(B)加硫剤として、トリアジン化合物を含有する場合、加硫遅延剤として、N-シクロヘキシルチオフタルイミドを含有することが好ましい。この場合、トリアジン化合物の配合量とN-シクロヘキシルチオフタルイミドの配合量との質量比(トリアジン化合物/N-シクロヘキシルチオフタルイミド)は、0.5以上が好ましく、より好ましくは1以上であり、10以下が好ましく、より好ましくは5以下である。
前記加工助剤としては、炭素数12~30の脂肪酸(ステアリン酸等)、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、炭化水素(パラフィン)等が挙げられる。
前記老化防止剤としては、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
前記紙送りローラ用ゴム組成物は、(A)基材ゴム、(B)加硫剤、および、必要に応じて他の原料を配合し、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、オープンロール等で混練することで調製できる。混練の方法および条件は生産スケールによって適宜選択される。
前記紙送りローラ用ゴム組成物の硬化物の硬度(デュロメータ法、タイプA硬さ)は、10以上が好ましく、より好ましくは15以上、さらに好ましくは20以上であり、90以下が好ましく、より好ましくは85以下、さらに好ましくは80以下である。硬化物の硬度が10以上であれば紙送りに適した硬度となり搬送力がより向上し、80以下であればローラ軸への圧入がより容易である。
前記紙送りローラ用ゴム組成物の硬化物は、摩擦係数が高く、かつ、シリカやタルクなどのシリケート成分を多く含む紙と繰り返し接触しても、摩擦係数の低下が小さい。よって、前記紙送りローラ用ゴム組成物は、紙送りローラ、紙送りベルトを形成する材料として好適に用いることができる。
<紙送りローラ>
本開示の紙送りローラは、前記紙送りローラ用ゴム組成物を硬化して得られたものである。
紙送りローラの形状としては、円筒状、円柱状、多角筒状、多角柱状が挙げられる。紙送りローラが円筒状、多角筒状の場合、紙送りローラはシャフトを有することが好ましい。前記シャフトの材質は特に限定されず、金属、セラミック、樹脂等が挙げられる。
図1に紙送りローラの一例を示す。図1に記載の紙送りローラ1は、円筒状のローラ本体2と、このローラ本体2の通孔3に挿通されたシャフト4とを有している。
前記ローラ本体2は、前記紙送りローラ用ゴム組成物を用いて、例えば、プレス成形法、押出成形法等によって形成することができる。プレス成形法では、ローラ本体2の立体形状に対応する型窩を備えた金型を用意し、前記金型の型窩内にゴム組成物を充填するとともに加圧下で加熱してゴム組成物を架橋させることによってローラ本体2が形成される。押出成形法では、ローラ本体2の断面形状に対応するダイを接続した押出成形機を用いて筒状に押出成形したのち、架橋させることでローラ本体2が形成される。
前記ローラ本体2とシャフト4とは、例えば、前記シャフト4の外径をローラ本体2の通孔3の内径よりも大きめに形成して前記通孔3内にシャフト4を圧入したり、前記両者を接着剤によって接着したり、ローラ本体2の架橋時に加硫接着剤によって加硫接着したりすることで一体化される。
また前記一体化の前後の任意の時点で、必要に応じてさらにローラ本体2の軸方向の長さ、すなわち紙送りローラ1の幅が所定値となるようにローラ本体2の両端をカットしたりしてもよい。なおローラ本体2は、外周側の外層とシャフト4側の内層の2層構造に形成してもよい。その場合、少なくとも外層を前記紙送りローラ用ゴム組成物によって形成すればよい。
本開示の紙送りローラ1は、例えば、静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機や、あるいはインクジェットプリンタ等の画像形成装置、さらには自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構に組み込まれる、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等の種々の紙送りローラとして用いることができる。
以下、本開示を実施例によって詳細に説明するが、本開示は、下記実施例によって限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本開示の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)硬度
ゴム組成物の硬化物の硬度は、JIS K6253-3(2012)に準拠して測定した。具体的には、ゴム組成物を用いて、170℃で20分間プレスして、厚み2mmのシートを作製した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように、3枚重ねた状態で、自動硬度計(高分子計器社製)を用いて硬度を測定した。検出器は、「デュロメータ タイプA」を用いた。
(2)引張強さ、破断伸び
ゴム組成物の硬化物の引張強さ、破断伸び(切断時伸び)は、JIS K6251(2017)に準拠して測定した。具体的には、ゴム組成物を用いて、170℃で20分間プレスして、厚み2mmのシートを作製し、これをダンベル形状(ダンベル状3号形、平行部分の厚さ2mm、初期の標線間距離20mm)に打ち抜いて試験片を作製した。引張試験測定装置を用いて物性を測定した(測定温度23℃、引張速度500mm/分)。そして、試験片が切断するまで引っ張ったときに記録される最大の引張力を試験片の試験前の断面積で除することで引張強さを算出した。
(3)ローラ評価
<試験紙>
炭酸カルシウム含有紙:70g/m2(TGA分析による灰分:約15質量%、灰分の元素分析:酸素以外の元素はCaがほとんどを占める。)
シリカ(シリケート)含有紙:80g/m2(TGA分析による灰分=約26質量%、灰分の元素分析:酸素以外の元素はSiが大部分を占める。ほかにMg、Caも検出。)
<摩擦係数測定>
図2に示すように、紙11(幅60mm×長さ210mm)を、水平に設置したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の板10の上に載置した。この紙11に、紙送りローラ1のローラ本体2を載置し、シャフト4に鉛直荷重W1(=300gf)を付加し板10に圧接させた。
次いで、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、ローラ本体2を一点鎖線の矢印R1で示す方向に200rpmで回転させた際に、紙11の一端に接続したロードセル12に加わる搬送力F(gf)を測定した。
測定した搬送力Fと鉛直荷重W1(=300gf)とから式(1)によって初期の摩擦係数μを求めた。
μ=F(gf)/W1(gf) (1)
<繰り返し通紙模擬試験>
図3に示すように、紙送りローラ1のローラ本体2と、この紙送りローラ1と平行に配置した金属製の従動ローラ13との間に、被験紙(幅50mm×長さ297mm)を輪状に繋ぎ合わせて作製したベルト14を巻き掛けた。ベルト14を巻いた状態のローラ本体2を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の板15の上に載置し、シャフト4に鉛直荷重W2(=500gf)を付加し板15に圧接させた。
次いで、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、ローラ本体2を、一点鎖線の矢印R2で示す方向に200rpmで回転させ、ベルト14を破線の矢印で示す方向に搬送する模擬的な通紙操作をした。ベルト14は、通紙操作が10分経過するごとに新たなものに交換した。
通紙操作の開始から通算して、30分後および60分後に、ローラの摩擦係数μを測定した。
[ゴム組成物の調製]
表1、2に示した配合となるように各原料をニーダーおよびオープンロールを用いて混合し、ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物について、硬化物の測定結果を表1、2に示した。
Figure 2023058281000003
Figure 2023058281000004
表1、2で使用した原料は下記のとおりである。
ヒドリン系ゴム1:大阪ソーダ社製、エピオン(登録商標)301L(エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体(エチレンオキシド量73mоl%)
ヒドリン系ゴム2:大阪ソーダ社製、エピクロマー(登録商標)D(エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド共重合体(エチレンオキシド量61mоl%)
ヒドリン系ゴム3:日本ゼオン社製、Hydrin(登録商標) T3106(エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体(エチレンオキシド量56mоl%)
ヒドリン系ゴム4:大阪ソーダ社製、エピクロマーCG104(エピクロルヒドリン-エチレンオキサイド-アリルグリシジルエーテル共重合体(エチレンオキシド量35.5mоl%)
ヒドリン系ゴム5:日本ゼオン社製、Hydrin T1100(エピクロルヒドリン-アリルグリシジルエーテル共重合体)
EPDM:住友化学社製、エスプレン(登録商標)505A(エチレン-プロピレン-エチリデンノルボルネン共重合体)
カーボンブラック:東海カーボン社製、シースト(登録商標)3
炭酸カルシウム:備北粉化工業社製、BF-300
ハイドロタルサイト:協和化学工業社製、DHT-4A-2
酸化マグネシウム:協和化学工業社製、キョウワマグ(登録商標)150
酸化カルシウム:近江化学工業社製、CLM#35
チオウレア化合物:川口化学工業 社製、アクセル(登録商標)22-S(エチレンチオウレア)
加硫遅延剤1:大内新興化学工業社製、バルノック(登録商標)R(4,4’-ジチオジモルホリン)
トリアジン化合物:三協化成社製、ジスネット(登録商標)F(2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン)
加硫促進剤1:大内新興化学工業社製、ノクセラー(登録商標)D(1,3-ジフェニルグアニジン)
加硫遅延剤2:東レ社製、リターダーCTP(N-シクロヘキシルチオフタルイミド)
硫黄:鶴見化学工業社製、5%オイル入り硫黄
加硫促進剤2:大内新興化学工業 社製、ノクセラーTOT-N
加硫促進剤3:大内新興化学工業 社製、ノクセラーDM
酸化亜鉛:三井金属鉱業社製、酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油社製、ステアリン酸つばき
[紙送りローラの製造]
上記で得たゴム組成物を用いて、トランスファー成形により、170℃、30分間の成形条件で円筒状に成形した。円筒状の成形体に、シャフト(外径12mm)を圧入し、円筒研削盤を用いてゴムローラの外径が22mmとなるように研磨し、ゴムローラ部分の幅を25mmにカットし、紙送りローラを作製した。得られた紙送りローラの評価結果を、表1、2に示した。
ゴム組成物No.1~5は、(A)基材ゴムとして、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有し、前記(B)架橋剤としてチオウレア化合物を含有する。
ゴム組成物No.6~8は、(A)基材ゴムとして、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有し、前記(B)架橋剤としてトリアジン化合物を含有する。
これらのゴム組成物No.1~8を用いて作製された紙送りローラは、いずれも炭酸カルシウム含有紙およびシリカ(シリケート)含有紙に対して、初期の摩擦係数が高く、かつ、繰り返し通紙後も摩擦係数の低下が抑制されている。よって、長時間使用しても、搬送不良が抑制されると考えられる。
特に、エチレンオキシド成分の平均含有率が50%以上であるゴム組成物No.1~3および6~7を用いて作製された紙送りローラは、シリカ(シリケート)含有紙に対して、繰り返し通紙後も摩擦係数の低下が一層抑制されている。
ゴム組成物No.9および10は、(A)基材ゴムとして、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有しない場合である。
ゴム組成物No.11および12は、前記(B)架橋剤としてチオウレア化合物および/またはトリアジン化合物を含有しない場合である。
これらのゴム組成物No.9~12を用いて作製された紙送りローラは、シリカ(シリケート)含有紙に対して、初期の摩擦係数は高いものの、繰り返し通紙後は摩擦係数が大きく低下している。よって、これらの紙送りローラを使用すると、比較的短時間で搬送不良を生じると考えられる。
本開示(1)は、(A)基材ゴムと、(B)加硫剤とを含有し、前記(A)基材ゴムが、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有し、前記(B)加硫剤が、チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物を含有する紙送りローラ用ゴム組成物である。
本開示(2)は、前記エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体が含有するエチレンオキシドの含有率が、50mоl%以上である本開示(1)に記載の紙送りローラ用ゴム組成物である。
本開示(3)は、前記(A)基材ゴム中のエピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体の合計含有率が85質量%以上である本開示(1)または(2)に記載の紙送りローラ用ゴム組成物である。
本開示(4)は、前記チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物の配合量が、前記(A)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部~10質量部である本開示(1)~(3)のいずれか一項に記載の紙送りローラ用ゴム組成物である。
本開示(5)は、本開示(1)~(4)のいずれか一項に記載の紙送りローラ用ゴム組成物を硬化して得られた紙送りローラである。
1:紙送りローラ、2:ローラ本体、3:通孔、4:シャフト、10:板、11:紙、12:ロードセル、13:従動ローラ、14:ベルト、15:板

Claims (5)

  1. (A)基材ゴムと、(B)加硫剤とを含有し、
    前記(A)基材ゴムが、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体を含有し、
    前記(B)加硫剤が、チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物を含有することを特徴とする紙送りローラ用ゴム組成物。
  2. 前記エピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体が含有するエチレンオキシドの含有率が、50mоl%以上である請求項1に記載の紙送りローラ用ゴム組成物。
  3. 前記(A)基材ゴム中のエピクロルヒドリン-エチレンオキシド共重合体、および/または、エピクロルヒドリン-エチレンオキシド-アリルグリシジルエーテル共重合体の合計含有率が85質量%以上である請求項1または2に記載の紙送りローラ用ゴム組成物。
  4. 前記チオウレア化合物、および/または、トリアジン化合物の配合量が、前記(A)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部~10質量部である請求項1~3のいずれか一項に記載の紙送りローラ用ゴム組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の紙送りローラ用ゴム組成物を硬化して得られたことを特徴とする紙送りローラ。
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