JP2020002214A - マーキングペン用水性インキ組成物、およびそれを用いたマーキングペン - Google Patents

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尚嗣 中村
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Abstract

【課題】 経時安定性に優れ、紙面上のインキ塗布部に筆記した場合であってもインキ塗布部から着色剤が遊離して紙面が汚染されず、乾燥性に優れる筆跡を形成可能なマーキングペン用水性インキ組成物を提供すること。【解決手段】 水と、着色剤と、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルと、多価陽イオンの水溶性塩とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、前記水性インキ組成物の総質量を基準とした場合に前記多価陽イオンの水溶性塩の含有量がインキ組成物全量中、0.01質量%以上、0.3質量%未満であることを特徴とする、マーキングペン用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、水性インキ組成物に関するものである。さらに詳しくは、紙面を汚染することなく、良好な乾燥性を奏する筆跡を形成可能なマーキングペン用水性インキ組成物を提供することを目的とするものである。また、本発明は、そのインキ組成物を用いたマーキングペンに関するものである。
従来より、水を主溶媒としたインキは低臭気で安全性が高いことから盛んに利用されているが、揮発性有機溶剤を用いた油性インキと比較して筆跡の乾燥性に劣り、筆記直後の筆跡に触れた際に指や筆跡周辺などを汚してしまうことがあるため、筆跡の乾燥性に優れる水性インキが検討されている。このようなインキには、紙面に対するインキの浸透性を高めることが可能な添加剤が用いられ、筆跡の乾燥性を向上させることが図られている。(例えば、特許文献1)
特許文献1には、α−モノオレイルグリセリルエーテルを用いたインキが記載されている。このインキは、α−モノオレイルグリセリルエーテルによってインキの紙面浸透性が向上し、筆跡乾燥性が良化されたインキである。
しかしながら、前記インキは水を主溶媒としているが故に水性インキ成分(例えば、着色剤、樹脂、および界面活性剤)を溶解しやすく、前記インキを用いて、先に水性インキで形成された、紙面上のインキ塗布部(印字または筆跡)に筆記した際に、インキ塗布部に含まれる染料や、顔料分散剤が吸着した顔料が、インキ塗布部上に形成された筆跡に遊離して紙面が汚染され、筆跡が不鮮明になることがあった。
一方で、インキの紙面浸透性を向上させる添加剤と、先に形成されたインキ塗布部から着色剤が遊離することを抑制する添加剤とを併用することで、筆跡の乾燥性を良好としつつ、先に水性インキで形成されたインキ塗布部に筆記した際にインキ塗布部から着色剤が遊離することを抑制可能としたインキが知られている。(例えば、特許文献2)
前記特許文献2には、着色樹脂粒子とグリコール系有機溶剤と多価陽イオンからなる塩とを含む水性インキが例示されている。前記インキには、紙面浸透性に優れるグリコール系有機溶剤と、染料や顔料分散剤と結合することで染料や顔料が水に溶解、分散することを抑制する多価陽イオンからなる塩とが含まれるため、このインキは、良好な筆跡乾燥性を奏しつつ、先に水性インキで形成されたインキ塗布部に筆記した際に、インキ塗布部に含まれる着色剤がインキ塗布部上に形成された筆跡に遊離して紙面を汚染することを抑制可能とされている。
しかしながら、前記インキは経時的に不安定であって、インキ中の着色樹脂粒子が多価陽イオンからなる塩によって経時的に凝集を起こすことがある。そのため、着色樹脂粒子が凝集を起こさない程度に多価陽イオンからなる塩の含有量を低くした場合には、水性インキを塗布した箇所から着色剤が遊離することが抑制できなくなるため、インキの経時安定性と着色剤の遊離抑制とを両立させることが困難であるといった問題があった。
特開平09−208872号公報 特許4179499号公報
本発明は、経時安定性に優れ、他の水性インキで形成された、紙面上のインキ塗布部に筆記した場合であっても、インキ塗布部から着色剤が遊離して、インキ塗布部上に形成された筆跡が汚染されることを抑制しつつ、乾燥性に優れる筆跡を形成可能なマーキングペン用水性インキ組成物を提供することを目的とするものである。
「1.水と、着色剤と、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルと、多価陽イオンの水溶性塩とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、前記水性インキ組成物の総質量を基準とした場合に、前記多価陽イオンの水溶性塩の含有量が、インキ組成物全量中、0.01質量%以上、0.3質量%未満であることを特徴とするマーキングペン用水性インキ組成物。
2.前記着色剤が、蛍光顔料であることを特徴とする第1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
3.前記脂肪族アルコールが、8〜15の炭素数を有する、第1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
4.前記ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルが、10〜16のHLB値を有する、第1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
5.前記多価陽イオンの水溶性塩が、2価または3価の陽イオンと陰イオンとからなる水溶性塩である、第1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
6. 前記陰イオンが塩化物イオンである、第5項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
7.前記水性インキ組成物の総質量を基準として、前記ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルの含有量をXとし、前記多価陽イオンの水溶性塩の含有量をYとした場合に、0.5≦X/Y≦15の関係式を満たす、第4項〜第6項のいずれか1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
8.第1項〜第7項のいずれか1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物を収容してなるマーキングペン。
9.前記マーキングペンが、繊維集束体からなるインキ吸蔵体と、該インキ吸蔵体に吸蔵されたインキを供給可能に接続された、繊維チップまたは多孔質チップとを備えた中詰め式マーキングペンである第8項に記載のマーキングペン。
10.20℃においてJISP3201に準拠する筆記用紙に20m直線筆記した際のインキ吐出量が3.5g/m〜7g/mである、第9項に記載のマーキングペン」とする。
本発明によれば、経時安定性に優れ、インキ中で着色剤が経時的に凝集、析出を起こすことなく安定したインキ流動性を奏し、さらに他の水性インキで形成された、紙面上のインキ塗布部に筆記した場合であっても、インキ塗布部に含まれる着色剤が筆跡に遊離して紙面が汚染されることを抑制しつつ、乾燥性に優れる筆跡を形成可能とするマーキングペン用水性インキ組成物とそれを収容したマーキングペンが提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。
本発明によるマーキングペン用水性インキ組成物(以下、場合により、「水性インキ組成物」または「インキ組成物」と表すことがある。)は、水と、着色剤と、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルと、多価陽イオンの水溶性塩とを少なくとも含んでなる。以下、本発明による水性インキ組成物を構成する各成分について説明する。
(着色剤)
本発明のマーキングペン用水性インキ組成物は、従来から水性インキ組成物に適用される着色剤を用いることができる。
顔料としては、金属酸化物または金属塩などの無機顔料、有機色素顔料またはレーキ顔料などの有機顔料、ならびにアルミニウム顔料などの光沢のある光輝性顔料、および蛍光顔料が挙げられ、染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、反応染料、バット染料、硫化染料、含金染料、カチオン染料、分散染料が挙げられる。
上記の中でも、本発明のインキ組成物に好ましく用いられる着色剤は顔料であり、より好ましくは蛍光顔料である。
顔料は染料と比較して本発明のインキ組成物中での安定性が高く、経時的に析出することや凝集することが起こりにくいため、発色性に優れる筆跡が安定して形成されやすい。
特に蛍光顔料は、下地を隠蔽することのない非常に鮮やかな筆跡を安定して形成できることから特に好ましく、本発明のマーキングペン用インキの着色剤として好ましく用いることが可能である。
蛍光顔料としては、基材である高分子化合物を染料で染色したものが挙げられ、高分子化合物粒子の表面に染料を吸着させたものや、高分子化合物と染料との混合物を細粒化したものなど、従来公知のものが適宜使用できる。このような蛍光顔料は、染料を色素として使用しているので色が鮮やかであり、特に、高分子化合物粒子の表面に染料を吸着させた蛍光顔料はより鮮明な色調を呈しやすいため、本発明のインキ組成物に好ましく用いられる。
蛍光顔料に用いられる高分子化合物としては、従来公知のものが利用可能であり、具体的には、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリアミド樹脂などを挙げることができる。
蛍光顔料に用いられる染料としては、上記高分子化合物に応じて従来公知の染料を適宜選択可能であり、塩基性染料、酸性染料、分散染料、およびソルベント染料などを用いることが可能である。
本発明のインキ組成物には、前記蛍光顔料を溶媒に分散させ、顔料分散体としたものを用いることも可能である。具体的には、シンロイヒカラーSWシリーズ、同SFシリーズ(以上シンロイヒ株式会社製)、ルミコールシリーズ(日本蛍光化学株式会社製)、LMシリーズ(冨士色素株式会社製)などが挙げられる。
蛍光顔料の平均粒子径は、0.05μm〜10μmであることが好ましく、0.1μm〜5μmであることがより好ましい。顔料の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、鮮明な発色性が得られやすく、また、顔料の分散安定性を良好としやすいためである。
なお、顔料の平均粒子径は、一例としては、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定機(商品名「LA−300」、株式会社堀場製作所)を用いてレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。本明細書では、顔料の「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。
水性インキ組成物における着色剤の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、インキ組成物全量中、1質量%〜50質量%とすることが好ましく、5質量%〜20質量%とすることがより好ましい。顔料の含有量が上記数値範囲内であれば、インキ吐出性が低下することなく、水性インキ組成物、およびそれを用いて形成した筆跡の鮮明性を維持することができる。
(ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル)
本発明の水性インキ組成物は、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルを含む。
前記エーテルは紙面浸透性に優れ、紙面に形成された筆跡の乾燥性を良好とするだけでなく、インキ組成物に含まれる着色剤に吸着して、着色剤同士が凝集することや、インキ組成物中において着色剤が多価陽イオンの水溶性塩からインキ中に電離した多価陽イオンと結合し、着色剤の溶解、分散安定性が悪化することを抑制できるため、本発明のインキ組成物は良好な経時安定性を有し、安定した流動性を奏する。
本発明のインキ組成物に用いられるポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルは、筆跡乾燥性や着色剤の安定性を良好とするものである。例えば、ポリアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、またはブチレンオキサイド等から形成される物質が挙げられ、単一種のアルキレンオキサイド基から形成されていても良く、また複数種のアルキレンオキサイド基から形成されていても良く、重合度に限りはない。さらに、ポリアルキレンオキサイドが複数種のアルキレンオキサイド基から形成されている場合には、ポリアルキレンオキサイドはランダム重合体、交互重合体、またはブロック重合体であって良い。
また、脂肪族アルコールとしては多様な構造を有する物質を挙げることが可能であり、例えば、直鎖構造または分岐構造を有するアルコールや、飽和アルコールまたは不飽和アルコールなどでも良く、単価アルコール、多価アルコールでも良い。
前記脂肪族アルコールとしては、特に、8〜15の炭素数を有する脂肪族アルコールが好ましい。
また、前記エーテルとして、より好ましくは10〜16のHLB値を有する、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルである。
特に好ましくは、ポリアルキレンオキサイドと前記炭素数を有する脂肪族アルコールとのエーテルであって、さらに前記HLB値を有する物質の中でも、下記式(1)または式(2)で示される構造を有する物質である。
Figure 2020002214
ここで、Rはアルキレン基を示し、Rは炭化水素基を示す。nは2以上の整数である。
の炭化水素基が有する炭素数は8〜15である。
Figure 2020002214
ここで、R〜Rは炭化水素基を示し、R〜Rはアルキレン基を示す。m、pは0以上の整数を示し、m、pの双方が0の場合を含まない。R〜Rの炭化水素基に含まれる炭素数の総和は4〜11である。
脂肪族アルコールの炭素数を上記範囲とすることで、インキ組成物の紙面浸透性を良好とするだけでなく、筆記時のインキ滲みを抑制することが容易となり、さらに前記エーテルのHLB値を10〜16の範囲とすることで、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルの溶解安定性を良好とすることが容易となる。
そのような物質の中でも、前記式(1)、式(2)の構造を有する物質は、インキ組成物の紙面浸透性、インキ滲み抑制性、および溶解安定性の並立性に優れ、特に式(1)の構造を有する物質は溶解安定性が特に良好であるため、本発明の組成物に最適である。
なお、前記HLB値はグリフィン法に基づく数値であり、下記の式(3)によって算出される値をいう。グリフィン法によるHLB値は、0〜20の範囲内の値を示し、数値が大きい程、化合物が親水性であることを示す。
HLB値=20×(親水基の質量%)=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量)・・・(3)
式(1)に示される、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルの具体例としては、ポリエチレンオキサイドと炭素数9〜11の脂肪族単価アルコールとのエーテルとして、商品名:サンノニックDE−70(HLB値:13.2)、同ID−60(HLB値:12.5)、同ID−70(HLB値13.2)、以上、三洋化成株式会社製を挙げることができる。
また、式(2)に示される、脂肪族アルコールとして脂肪族多価アルコールを含む、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルとしては、例えば、ポリエチレンオキサイドとアセチレングリコールとから成る、商品名:オルフィンE1010(アセチレングリコールの炭素数14、HLB値:13〜14、日信化学工業株式会社製)や、商品名:アセチレノールE−100(アセチレングリコールの炭素数14、HLB値13〜14、川研ファインケミカル株式会社製)を挙げることができる。
本発明に用いられるポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルはこれらに限られるものではない。
本発明におけるポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルの含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、インキ組成物全量中0.1質量%〜10質量%とすることが好ましく、0.2質量%〜5質量%とすることがより好ましい。特に好ましくは、0.25質量%〜2質量%である。
ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルの含有量を上記数値範囲内とすると、筆跡の乾燥性を良好とし、インキ塗布部上に筆記した際には、インキ塗布部の着色剤が筆跡へ遊離することを抑制しやすくなる。
(多価陽イオンの水溶性塩)
本発明のインキ組成物には多価陽イオンの水溶性塩が含まれ、前記多価陽イオンの水溶性塩の全てまたは一部が、前記多価陽イオンと陰イオンに電離している。
一般的に、水性インキには水性染料や顔料分散剤が吸着した顔料等の親水性を奏する着色剤が含まれるため、水性インキが塗布された紙面が水で濡れた場合には、インキ塗布部から着色剤が水に遊離する。しかしながら、前記多価陽イオンは、前記染料や顔料分散剤と結合することでこれらを水不溶性とするため、本発明のインキ組成物は水性であるにもかかわらず、先に他の水性インキで形成された、紙面のインキ塗布部上に本発明のインキ組成物で筆記した場合であっても、前記インキ塗布部に含まれる着色剤が筆跡に遊離せず、紙面が汚染されて、筆跡が不鮮明になることが抑制される。
本発明に用いられる多価陽イオンの水溶性塩は、インキ組成物中において多価陽イオンを電離し得る物質であり、例えば、2価の陽イオンとなるマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、2価または3価の陽イオンとなる鉄、銅、ニッケル、亜鉛、またはアルミニウム等の多価金属陽イオンと、水酸化物イオン、塩化物イオン、硫酸イオン、または硝酸イオンとからなる水溶性の塩などを挙げることができる。
特に好ましい多価陽イオンの水溶性塩は、2価または3価の陽イオンと、塩化物イオンとから成る水溶性の塩であり、より好ましくは2価の陽イオンと塩化物イオンとからなる水溶性の塩であり、更に好ましくは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムである。
2価の陽イオンと上記陰イオンとから成る水溶性の塩は、水性インキに含まれる染料や顔料分散剤と結合してこれらを水に不溶化することを容易とする。
多価陽イオンの水溶性塩の含有量は、インキ組成物の総質量を基準として、インキ組成物全量中0.01質量%以上、0.3質量%未満であることが重要である。多価陽イオンの水溶性塩の含有量が、0.01質量%未満であると、水性インキ塗布部の着色剤が筆跡に遊離することを抑制する効果が奏されず、0.3質量%以上であると経時的にインキ組成物中の着色剤が凝集する傾向にある。
本発明のインキ組成物において、上記多価陽イオンの水溶性塩の含有量は、0.05質量%以上、0.3質量%未満とすることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、0.25質量%以下である。
多価陽イオンの水溶性塩の含有量を上記範囲とすると、水性インキが塗布された紙面上に筆記した際に、水性インキ塗布部の着色剤が筆跡に遊離することを抑制しやすくなり、インキ組成物に含まれる着色剤の溶解、分散安定性を良好とすることが容易となる。
本発明のインキ組成物は、経時安定性、筆跡乾燥性、および他の水性インキで形成された、紙面上のインキ塗布部に含まれる着色剤の耐遊離性を良好とすることを容易とするために、前記ポリオキシアルキレン脂肪族アルコールエーテルの含有量をXとし、前記多価陽イオンの水溶性塩の含有量をYとした場合に、X/Yを、0.5≦X/Y≦15とすることが好ましく、1≦X/Y≦10とすることがより好ましい。X/Yを上記範囲とすると良好な、経時安定性、筆跡乾燥性、および着色剤の耐遊離性を並立することが容易となる。
(その他)
また、インキ組成物は、必要に応じて以下の添加剤を用いることができる。
具体的には、カオリン、タルク、マイカ、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、セリサイト、およびチタン酸カリウムなどの体質材、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、およびポリグリセリンなどのアルコールまたはグリコール、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、およびフッ素樹脂などからなる樹脂粒子、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アルキッド樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢ビ樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレン−アクリロニトリル樹脂、シアネート変性ポリアルキレングリコール、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、尿素アルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ロジンフェノール樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、シクロヘキサノン系樹脂などの定着剤、pH調整剤、剪断減粘性付与剤、粘度調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、およびサポニンなどの防錆剤、尿素、アニオン、カチオン系、ノニオン系、両性等の各種界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、およびピロリン酸ナトリウムなどの湿潤剤、防腐剤、気泡抑制剤、気泡吸収剤などの添加剤を用いることができる。
(インキ組成物の物性)
本発明によるインキ組成物の粘度は、30rpmにおける測定粘度(20℃)が、1〜20mPa・sであることが好ましく、2〜10mPa・sであることがより好ましい。粘度測定はB型回転粘度計(東京計器株式会社製、Lアダプタ使用)を用いて行うことができる。インキ組成物の粘度が上記数値範囲内であれば、マーキングペンに使用した場合のインキ吐出性を適度に良好とすることができるので、筆跡の乾燥性を良好とすることが容易となるだけでなく、紙面の裏抜けを抑制することも容易となる。
インキ組成物の表面張力は、20℃環境下において、25〜45mN/mが好ましい。表面張力が上記数値範囲内であれば、インキ組成物の紙面浸透性を良好としつつ、筆記線の滲みや紙面への裏抜けを抑制することが容易となると共に、インキ組成物のぬれ性を改善し、筆跡カスレ・中抜けなどを良好として、筆記性を向上させることができる。筆記性をより考慮すれば、インキ組成物の表面張力は、30〜40mN/mが好ましい。
なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
インキ組成物のpHは、3〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。インキ組成物のpHを上記数値範囲内とすると、インキ組成物の過度な高粘度化や変質を抑制することが容易となる。
本発明において、pHの値は、例えばD−51型pHメーター(株式会社堀場製作所製)により20℃にて測定することができる。
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
(マーキングペン)
本発明のインキ組成物は、ペン先、インキ充填機構、インキ供給機構を備えた、マーキングペンに収容される。
ペン先としては、繊維チップ、フェルトチップ、多孔質チップ、プラスチックチップなどのペン芯を好ましく用いることができる。特には、繊維束を樹脂で結着させてなる繊維チップまたはポリプロピレン等の樹脂粒子を融着させてなる多孔質チップ、のペン芯が一層好ましい。ペン芯の形状は、砲弾型、チゼル型または筆ペン型などであってよい。
前記ペン芯は細孔からなる空隙を含んでいるが、その細孔径は、着色剤が通過できる程度の気孔径であれば任意に設定することが可能で有り、空隙率は、繊維チップの場合は55〜75%とすることが好ましく、多孔質チップの場合は30〜50%とすることが好ましい。インキ組成物の吐出性をより考慮すれば、ペン芯の空隙率は、繊維チップの場合は60〜70%とすることがより好ましく、多孔質チップの場合は40〜50%とすることがより好ましい。前記ペン芯の空隙率が上記数値範囲内であれば、前記顔料の目詰まりがなく、適切なインキ吐出量を維持することができる。
マーキングペンのインキ充填機構は、インキ組成物を直に充填する構成のものであってもよく、インキ組成物を充填することのできるインキ収容体またはインキ吸蔵体を備えるものであってもよい。
マーキングペンがインキ組成物を直に充填する構成のものであり、インキ組成物の着色剤に顔料を用いる場合には、顔料を再分散させるためにインキ収容体にインキを攪拌する攪拌ボールなどの攪拌体を内蔵することが好ましい。前記攪拌体の形状としては、球状体、棒状体などが挙げられる。攪拌体の材質は特に限定されるものではないが、具体例として、金属、セラミック、樹脂、および硝子などを挙げることができる。
また、マーキングペンがインキ組成物を充填することのできるインキ吸蔵体を備えるものである場合は、インキ吸蔵体は、撚り合わせた繊維を用いてなる繊維集束体が好ましい。
前記繊維集束体は、前記ペン芯と同様に細孔からなる空隙を含んでおり、その細孔径は、着色剤が通過できる程度の細孔径であれば任意に設定することが可能である。一方、繊維集束体の空隙率はペン先へのインキ供給性を考慮すると、85〜95%であることが好ましく、87〜92%であることがより好ましい。
また、インキ供給機構についても特に限定されるものではなく、例えば、(1)繊維束などからなるインキ誘導芯をインキ流量調節部材として備え、インキ組成物をペン先に供給する機構、(2)櫛溝状のインキ流量調節部材を備え、これを介在させ、インキ組成物をペン先に供給する機構、(3)弁機構によるインキ流量調節部材を備え、インキ組成物をペン先に供給する機構、(4)ペン先を具備したインキ収容体または軸筒より、インキ組成物を直接、ペン先に供給する機構などを挙げることができる。
さらに、マーキングペンはペン先出没機構を具備していても良い。ペン先出没機構は、特に限定されず、ノック式、回転式およびスライド式などが挙げられる。
本発明の組成物を収容するマーキングペンは、前記したペン先、インキ充填機構、およびインキ供給機構の中から各部材を適宜選択して構成することが可能であるが、安定したインキ吐出量を維持できることを考慮すると、前記繊維チップまたは多孔質チップを用いたペン先と前記繊維集束体をインキ吸蔵体に用いたインキ充填機構とを備え、該ペン先と該インキ吸蔵体とが該インキ吸蔵体に吸蔵されたインキ組成物を該ペン先に供給可能に接続された中詰式マーキングペンであることが好ましい。
さらに、紙面に形成された筆跡を鮮明としつつ、速乾性を良好とすることを考慮すれば、筆記時のインキ吐出量が3.5g/m〜7g/mを奏することが好ましく、4g/m〜6g/mを奏することがより好ましい。
上記インキ吐出量を奏するマーキングペンは、発色性と乾燥性に優れる筆跡を形成することが容易となる。
なお、上記インキ吐出量は、本発明のインキ組成物を収容してなるマーキングペンにて試験紙に20m筆記した際のインキ吐出量を筆跡面積で除することによって得られる数値である。
前記インキ吐出量は、以下に記載する測定条件で行う。
1.環境温度 20℃
2.試験紙 JIS P3201に準拠した筆記用紙A
3.荷重 100g
4.筆記速度 4m/分
5.筆記角度 70°・・・筆記の際にチップ先端と試験紙との間に隙間ができない角度
6.筆記線 直線
本発明の実施例を説明すると以下の通りである。
(実施例1)
下記原材料を各配合量にて、室温で1時間攪拌混合することにより、マーキングペン用水性インキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度をB型回転粘度計(BLアダプター使用、東京計器株式会社製)により測定したところ、20℃、回転速度30rpmにおける粘度は2.8mPa・sであった。
さらに、pHメーター(商品名:D−51、株式会社堀場製作所製)を用いて、20℃にてインキ組成物のpHを測定した結果、pHは5.8であった。
また、得られたインキ組成物の表面張力を、表面張力計測器(20℃環境下、垂直平板法、協和界面科学株式会社製)により測定したところ、33.8mN/mであった。
上記インキ組成物を繊維チップからなるペン先と繊維集束体からなるインキ吸蔵体とを備え、該インキ吸蔵体に吸蔵されたインキ組成物を該ペン先に供給可能に接続されたマーキングペンに収容し、前記筆記用紙に筆記したところ、5.4g/mのインキ吐出量を奏した。
・着色剤(1) 50質量%
(イエロー色蛍光顔料、30質量%水分散体、平均粒子径0.1μm、商品名:シンロイヒカラーSF−5015、シンロイヒ株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(1) 1質量%
(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとイソデシルアルコールとのエーテル、HLB値:13.9、商品名:ノイゲンLF−80X、第一工業製薬株式会社製)
・グリセリン 10質量%
・多価陽イオンの水溶性塩(1) 0.25質量%
(塩化カルシウム)
・防腐剤 0.1質量%
(4−クロロ−3−メチルフェノール、商品名:ホクサイドPCMC、北興産業株式会社製)
・水 38.65質量%
(実施例2〜25、比較例1〜5)
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1〜3に示したとおりに変更して、実施例2〜25、比較例1〜5のインキ組成物を得た。
上記実施例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
・着色剤(1)イエロー色蛍光顔料(30質量%水分散体、平均粒子径:0.1μm、商品名:シンロイヒカラーSF−5015、シンロイヒ株式会社製)
・着色剤(2)ピンク色蛍光顔料(37質量%水分散体、平均粒子径:0.1μm、商品名:ルミコールNKW−3207E、日本蛍光株式会社製、)
・着色剤(3)有機顔料(C.I.ピグメントレッド22、30質量%水分散体、平均粒子径:0.3μm、商品名:SANDYE SUPER RED 1321−E、山陽色素株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(1)
ポリエチレンオキサイドポリプロピレンオキサイド共重合体とイソデシルアルコールとのエーテル(HLB値:13.9、商品名:ノイゲンLF−80X、第一工業製薬株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(2)
ポリエチレンオキサイドとアセチレングリコールとのエーテル(アセチレングリコールの炭素数:14、HLB値:13〜14、商品名:オルフィンE1010、日信化学工業株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(3)
ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル(HLB値:13.2、商品名:ブラウノンEH−6、青木油脂工業株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(4)
ポリエチレンオキサイドとブチルアルコールとのエーテル(HLB値:11、商品名:リオコールB.C.、アークロマジャパン株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(5)
ポリエチレンオキサイドとイソステアリルアルコールとのエーテル(HLB値:12、商品名:エマレックス1815、日本エマルジョン株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(6)
ポリエチレンオキサイドと2−エチルヘキシルアルコールとのエーテル(HLB値:8.9、商品名:キョーワノールOX20、KHネオケム株式会社製)
・ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテル(7)
ポリエチレンオキサイドとアセチレングリコールとのエーテル(アセチレングリコールの炭素数:14、HLB値:17、商品名:サーフィノール 485、日信化学工業株式会社製)
・リン酸エステル系界面活性剤
トリ(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)リン酸エステル(商品名:ニッコール TDP−8、日光ケミカルズ株式会社製)
・ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
ポリオキシエチレンラウリン酸エステル(商品名:ニッコール MYL−10、日光ケミカルズ株式会社製)
・多価陽イオンの水溶性塩(1) 塩化カルシウム
・多価陽イオンの水溶性塩(2) 塩化ニッケル
・1価陽イオンの水溶性塩 塩化ナトリウム
・グリセリン
・防腐剤 4−クロロ−3−メチルフェノール(商品名:ホクサイドPCMC、北興産業株式会社製)
調製したインキ組成物について、下記の通り、評価を行った。得られた結果は表1〜3に記載したとおりであった。
なお、表中に記載の粘度値は、B型回転粘度計(東京計器株式会社製、Lアダプタ使用)を用いて、20℃下、30rpmで測定した数値である。
また、評価試験で用いるマーキングペンは、以下のようなマーキングペンを作成し用いた。
マーキングペン:ペン先を具備したマーキングペンのインキ吸蔵体に、2gのインキ組成物を内蔵し、実施例1〜25および、比較例1〜5で得られたインキ組成物を充填し、ペン先にインキ組成物を染み込ませた。
なお、実施例1〜21、24〜25および比較例1〜5のインキ組成物を内蔵したマーキングペンは、ペン先にチゼル型ポリエステル繊維チップ[(外寸:長さ32mm、直径4mm)、空隙率60%]のペン芯を用い、インキ吸蔵体には撚糸からなる繊維集束体[(外寸:長さ77mm、直径7.3mm)、空隙率88%]を用いており、ペン先とインキ吸蔵体とを、インキ吸蔵体に吸蔵されたインキ組成物が供給可能になるよう接続した。
また、実施例22のインキ組成物を内蔵したマーキングペンは、空隙率70%を有し、前記チップ外寸を有するポリエステル製繊維チップのペン芯と、空隙率92%を有し、前記繊維集束体外寸を有する繊維集束体からなるインキ吸蔵体とを具備したマーキングペンとした。
実施例23のインキ組成物を内蔵したマーキングペンは、空隙率45%を有し、前記チップ外寸を有する、ポリプロピレンの樹脂粒子を融着させてなる多孔質チップのペン芯と、空隙率88%を有し、前記繊維集束体外寸を有する繊維集束体からなるインキ吸蔵体とを具備したマーキングペンとした。
(筆跡発色性の評価)
上記マーキングペンにより、試験紙に筆記を行った。その際の筆跡の発色性を目視により観察した。なお、試験紙はJISP3201に準拠した筆記用紙を用いた。
○:発色が明瞭である。
△:発色が若干不明瞭であるが、十分視認できる。
×:発色が不明瞭であり、視認が困難である。実用上問題がある。
(経時安定性の評価)
上記マーキングペンを50℃の環境下、72時間静置後、試験紙に20cm直線筆記を行い、筆記性および筆跡の発色性を目視で確認し、前記環境下に未投入のマーキングペンで筆記した場合と比較した。
○:筆跡掠れの発生や、筆跡発色性に差はない。
△:筆跡掠れの発生や、筆跡発色性の低下が確認されるが、軽微である。
×:筆跡掠れの発生や、筆跡発色性の低下が著しい。
(筆跡乾燥性の評価)
上記マーキングペンにより試験紙に直線筆記を行い、筆記から3秒後に筆跡を指で擦過した際にインキ組成物の周辺への広がりを目視により観察した。なお、試験紙は筆跡発色性の評価で使用した試験紙と同種の紙を用いた。
◎:筆跡周辺にインキが広がった形跡は確認されない。
○:筆跡周辺に僅かにインキが広がった形跡が確認されるが、広がりの程度は軽微である。
△:筆跡周辺にインキが広がった形跡が確認されるが、実用上問題ない程度である。
×:筆跡周辺におけるインキの広がりが顕著である。
(紙面汚染性の評価)
試験紙に黒色水性染料(C.I.ダイレクトブラック19)を着色剤として含む水性インキを塗布して、塗布部を乾燥させた後、前記塗布部に上記マーキングペンを用いて筆記した際の筆跡の着色状態を目視で確認した。
なお、試験紙には上記評価で使用した試験紙と同種の紙を用いた。
◎:筆跡に黒色の着色が確認されない。
○:筆跡に黒色のわずかな着色が確認される。
△:筆跡が若干黒味を帯びているが、実用上問題ない程度である。
×:筆跡が黒ずんでおり、実用上懸念がある。
試験結果を以下の表1〜3に記す。
Figure 2020002214
Figure 2020002214
Figure 2020002214

Claims (10)

  1. 水と、着色剤と、ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルと、多価陽イオンの水溶性塩とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、前記水性インキ組成物の総質量を基準とした場合に、前記多価陽イオンの水溶性塩の含有量がインキ組成物全量中、0.01質量%以上、0.3質量%未満であることを特徴とするマーキングペン用水性インキ組成物。
  2. 前記着色剤が蛍光顔料である、請求項1に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
  3. 前記脂肪族アルコールが、8〜15の炭素数を有する、請求項1に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
  4. 前記ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルが、10〜16のHLB値を有する、請求項1に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
  5. 前記多価陽イオンの水溶性塩が、2価または3価の陽イオンと陰イオンとからなる水溶性塩である、請求項1に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
  6. 前記陰イオンが塩化物イオンである、請求項5に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
  7. 前記水性インキ組成物の総質量を基準として、前記ポリアルキレンオキサイドと脂肪族アルコールとのエーテルの含有量をXとし、前記前記多価陽イオンの水溶性塩の含有量をYとした場合に、0.5≦X/Y≦15の関係式を満たす、請求項4〜6のいずれか1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のマーキングペン用水性インキ組成物を収容してなるマーキングペン。
  9. 前記マーキングペンが、繊維集束体からなるインキ吸蔵体と、該インキ吸蔵体に吸蔵されたインキを供給可能に接続された、繊維チップまたは多孔質チップとを備えた中詰め式マーキングペンである請求項8に記載のマーキングペン。
  10. 20℃においてJISP3201に準拠する筆記用紙に20m直線筆記した際のインキ吐出量が3.5g/m〜7g/mである、請求項9に記載のマーキングペン。
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