JP2020002187A - エポキシ樹脂組成物並びにそれを含む液晶シール剤、接着剤、アンダーフィル及びダイボンドペースト - Google Patents

エポキシ樹脂組成物並びにそれを含む液晶シール剤、接着剤、アンダーフィル及びダイボンドペースト Download PDF

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Abstract

【課題】低粘性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)エポキシ樹脂及び(B)粒径(D50)が0.5μm〜10μmであり、平均円形度0.95以上である球状潜在性硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物並びにそれを含む液晶シール剤、接着剤、アンダーフィル及びダイボンドペースト。【選択図】図1

Description

本発明はエポキシ樹脂組成物に関し、詳しくは、エポキシ樹脂及び特定の球状潜在性樹脂を含有してなり、一液硬化型で、低粘性を示すことから、機能付与することのできる添加剤を多く入れられたり、印刷性やディスペンス性等の向上が見られたり、チクソ性が低下することによって浸透性の向上が見られたり、作業性が向上したりするなどの利点があり、その特性を生かして、液晶シール、カメラモジュール用接着剤、アンダーフィル、ダイボンドペーストなどの用途に好適に使用することができるエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は各種基材への密着性に優れており、硬化剤を用いて硬化してなる硬化物は、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性などが優れているため、塗料、接着剤、各種成形材料等の幅広い用途において賞用されている。
従来は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は、使用直前に硬化剤や硬化促進剤などを添加する二液硬化型が主流であったが、この二液硬化型においては、常温でも硬化させることができるといった利点もあった反面、使用直前に計量、混合をしなければならない点、容易にゲル化してしまうおそれがあるため可使時間が短く、自動機械への適用が困難であるといった問題点を有していた。このような問題点を解決することがから一液硬化型のエポキシ樹脂組成物が求められていた。
このような一成分系熱硬化性樹脂組成物を得るためには、室温では反応せず、加熱により反応を開始して硬化するという性質を有する硬化剤である、いわゆる潜在性硬化剤が必要である。
上記のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、グアナミン類、メラミン、イミダゾール類、変性アミン等が提案されている。
また、アミン化合物とエポキシ樹脂のアダクト物として、アミン化合物とエポキシ化合物との有機溶媒中における付加反応に際して、アミン化合物とエポキシ化合物は溶解するが、反応後の付加体は溶解しないような有機溶媒を選択すると共に適当な分散安定剤を共存させてなる、球状の潜在性硬化剤が知られている(特許文献1)。しかしながら、このような方法によって得られた球状アミン系潜在性硬化剤の場合には、比較的粒径が揃っており粒度分布が小さいために、包装や輸送時に嵩高となって不経済であるだけでなく、2官能以上のエポキシ樹脂を使用する場合には活性水素を1個しか持たないアミン化合物に使用が制限されるなどの欠点があった。
特許文献2には、包装や輸送時のコスト低減を図れる等の優位点を有する球状潜在性硬化剤が提案されているものの、ここには、粒径や円形度の記載は無く、それらの要素を限定することによって低粘性の一液硬化型であるエポキシ樹脂組成物が得られることに関しては全く示唆すらされていない。
特許文献3には、マイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤であって、コアの円形度が0.93以上の球状であるマイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤が提案されているものの、硬化剤としての有効成分が少なくなることにより添加量を増量する必要があるため粘度上昇を起こすおそれがあり、また、特許文献4〜6には、粒径及び比表面積が規定されているエポキシ樹脂用硬化剤が提案されているものの、いずれもマイクロカプセル化することが好ましい旨記載されており、特許文献2と同様の欠点を有していた。
特許第3098760号公報 特開2010−265392号公報 特開2011−26539号公報 特開2015−221859号公報 特開2017−95570号公報 特開2017−95571号公報
したがって本発明の目的は、一液硬化することが可能でありながら、低粘性である、エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記の諸目的を達成するために鋭意検討した結果、エポキシ樹脂及び特定の球状潜在性硬化剤を組み合わせて用いることによって、一液硬化が可能で、低粘性であるエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、(A)エポキシ樹脂及び(B)粒径(D50)が0.5〜10μmであり、平均円形度0.95以上である球状潜在性硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物である。
(B)成分である球状潜在性硬化剤が、非球状アミン系潜在性硬化剤をその融点以上の温度に加熱処理して得られるものであることが好ましい。
前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物及び(b−2)エポキシ化合物を反応させてなる変性アミンを含有することが好ましい。
前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物及び(b−3)イソシアネート化合物を反応させてなる変性アミンを含有することが好ましい。
前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物、(b−2)エポキシ化合物及び(b−3)イソシアネート化合物を反応させてなる変性アミンを含有することが好ましい。
前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−4)フェノール樹脂を含有してなる潜在性硬化剤であることが好ましい。
一液硬化であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂組成物を含むことを特徴とする、液晶シール剤、カメラモジュール用接着剤、アンダーフィル、ダイボンドペーストの何れかを提供するものである。
本発明に使用される球状潜在性硬化剤は粒度分布が広く、密に包装することができるので輸送コストを下げることができるという特徴を有するものであり、エポキシ樹脂と組み合わせて得られるエポキシ樹脂組成物は、流動性及び安定性に優れるので、例えば、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料あるいは接着剤等の広範な用途に使用することができ、特に、液晶シール、カメラモジュール用接着剤、アンダーフィル、ダイボンドペーストの何れかに好適に使用される。
この発明に係る球形化処理装置の実施の形態を示す縦断正面図 図1の熱風噴射ノズルの部分を拡大して示す断面図 (I)乃至(III)は熱風中に対する熱可塑性粒子の供給の各例を示す断面図
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明に使用される(A)成分であるエポキシ樹脂としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−アルキレンオキシド付加物などの多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類、及び、グリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物があげられる。また、これらのエポキシ樹脂は末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたもの、あるいは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)を用いて高分子量化したものでもよい。
本発明に使用される(B)成分である球状潜在性硬化剤の粒径(D50)が0.5〜10μmであり、好ましくは1.0〜3.0μmであり、0.5μm未満では、粒子同士の凝集が起こり易く、10μmを超えると組成物の流動性が悪化するため好ましくない。また、平均円形度0.95以上であり、好ましくは0.97以上であり、0.95未満では、組成物の粘度低減効果を得られない。
また、浸透性が必要な用途、例えば、アンダーフィル等においては、最大粒径が20μmを超えないことが好ましい。
ここで、平均粒径(D50)とは、メジアン径とも呼ばれ、紛体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径のことであり、例えば、LA−950V2(堀場製作所製;粒子測定装置)を用いて測定しうるものである。同様に、最大粒径も測定することができる。
円形度とは、円の形状を示す値であり、1.0に近いものほどより真円に近い状態を表し、例えば、FPIA−3000(シスメックス(株)製;形状分析装置)により測定しうるものである。円形度の中でも、本願発明においては、平均円形度が低粘化効果に影響を与えると考えられる。
本発明に使用される(B)成分である粒径(D50)が0.5〜10μmであり、平均円形度0.95以上である球状潜在性硬化剤は、非球状系潜在性硬化剤をその融点以上の温度に加熱処理してなることによって製造することができるものであるが、特に、非球状潜在性硬化剤を融点未満5℃以内に予備加熱し、次いで融点以上の熱風と混合して得られるものが好ましい。さらにその具体的な製造方法について以下に説明するが、本発明に使用される(B)成分である球状潜在性硬化剤は、これによって限定されるものではない。
本発明の球状潜在性硬化剤を製造するに際する、非球状のアミン系潜在性硬化剤を瞬間加熱する手段は特に限定されるものではないが、処理槽と、該処理槽の上部から処理槽内部に向けて配された、非球状アミン系潜在性硬化剤の融点以上の熱風を噴射する熱風噴射ノズルと、該熱風噴射ノズルの出口部の内部に配置された、原料の非球状アミン系潜在性硬化剤を噴射する、温度センサを内壁表面のいずれかの箇所に有する原料噴射ノズルと、前記熱風噴射ノズル内の熱風によって、前記原料噴射ノズルの内壁が非球状アミン系潜在性硬化剤の融点以上に上昇することを防止する断熱機構、及び、前記原料噴射ノズルの内壁の温度を前記融点より1〜5℃下がった温度となるように、原料の噴射量によって該温度を制御する制御装置とからなる製造装置を用いることが好ましい。
図1は、本発明の装置における、処理槽付近の概略図の1例である。符号1は下部に至るに従って小径となるテーパ状をなした処理槽である。この槽の中で非球状潜在性硬化剤の角を溶融して球状にするために、非球状の原料が一定の時間滞留することができれば良く、特にテーパ状でなければならないというものではないが、製造容易性の観点から、通常はテーパ状とする。符号2は該処理槽の上部から熱風が逃げないように設けられた天板、符号3は熱風及び原料を導入するための第一エア取入口、符号4は、処理槽下部から熱風が吹き出されるように、処理槽上部に設けられた第二エア取入口であり、符号5は熱風噴射ノズル、5aは熱風出口、符号6は原料噴射ノズル、6aは原料を供給するホッパーである。前記第二エア取入口は、取り入れられる外気が乱流とならないように一定の幅を有する円環状に設けられることが好ましい。
処理槽1の上部中央に設けられた噴射ノズルの内部には、外壁部に断熱機構を有し、内壁のいずれかの箇所に温度センサを有する原料噴射ノズル6が配されている。原料の非球状アミン系潜在性硬化剤は、空気と共に、該ノズルから噴射される。原料は、熱風噴射ノズル5内を通過する際に予備加熱されるが、噴射される前にその融点以上に加熱されないように、前記断熱機構によって温度上昇が抑制される。
本発明においては、噴射前の原料温度を、非球状アミン系潜在性硬化剤の融点未満5℃以内に調整することが、処理槽の大きさを小型にすることができるので好ましく、この温度の調整を、原料の流量を調整することによって行うことが好ましい。この調整は、原料ノズル内壁に設けた温度センサによって検知された温度と原料搬送空気の圧力を、図示しない自動制御装置の入力信号及び出力信号として使用することによって容易に実施することができる。
本発明においては、原料噴射ノズル6の下方に、その原料噴射ノズル6から噴射される非球状アミン系潜在性硬化剤を衝突によって分散させる衝突部材9を設けても良い。衝突部材9の形状は特に限定されず、例えば、円盤状であっても、上端が尖る円錐形のものや円錐台形のもの、或いは、上下が円錐形となったものであっても良い。本発明の装置は、例えば特許第3964547号或いは特開2004−276016に示されるような装置に、前記原料噴射ノズルの内壁を非球状アミン系潜在性硬化剤の融点未満の1〜5℃に維持する温度制御を、原料の噴射量を調節することによって実行するための制御装置を付加することによって得ることができるが、本発明の球状アミン系潜在硬化剤は、ニューマチック工業(株)製のメテオレインボー等の、公知の装置を用いて製造することもできる。
本発明に使用される非球状のアミン系潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン;シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド;メラミン;アミンとカルボン酸との脱水縮合物、アミンとエポキシアダクト物、アミンとイソシアネートとの付加物、アミンとエポキシとイソシアネートとの混合付加物、アミンのマイケル付加物、アミンのマンニッヒ反応物、アミンと尿素との縮合物、アミンとケトンとの縮合物等の変性アミンなどが挙げられる。
前記非球状アミン系潜在性硬化剤の中でも、変性アミンが好ましく、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物及び(b−2)エポキシ化合物を反応させてなる変性アミンを含有するもの、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物及び(b−3)イソシアネート化合物を反応させてなる変性アミンを含有するもの、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物、(b−2)エポキシ化合物及び(b−3)イソシアネート化合物を反応させてなる変性アミンを含有するもの、あるいは、さらにこれらに加えて(b−4)フェノール樹脂を含有してなる潜在性硬化剤が、安定性に優れた組成物を提供するため、好適なものとしてあげることができる。
前記(b−1)成分である活性水素を1個以上有するポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノメチルシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4‘−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミンベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’、5’−テトラメチル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン類;ベンゾグアナミン、アセトグアナミンなどのグアナミン類;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−アミノプロピルイミダゾール等のイミダゾール類;シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類;N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノエチルアミン、N,N−ジアリルアミノエチルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジベンジルアミノエチルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノエチルアミン、N−(2−アミノエチル)ピロリジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、N−(2−アミノエチル)モルホリン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)−N’−メチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノプロピルアミン、N,N−ジアリルアミノプロピルアミン、N,N−ベンジルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジベンジルアミノプロピルアミン、N,N−シクロヘキシルメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミノプロピルアミン、N−(3−アミノプロピル)ピロリジン、N−(3−アミノプロピル)ピペリジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−(3−アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)−N’−メチルピペリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルアミン、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンジルアミン、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)ベンジルアミン、N,N,−ジメチルイソホロンジアミン、N,N−ジメチルビスアミノシクロヘキサン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N’−エチル−N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N’−エチル−N,N−ジメチルプロパンジアミン、N’−エチル−N,N−ジベンジルアミノプロピルアミン;N,N−(ビスアミノプロピル)−N−メチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルエチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルプロピルアミン、N,N−ビスアミノプロピルブチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルペンチルアミン、N,N−ビスアミノプロピルヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピル−2−エチルヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピルシクロヘキシルアミン、N,N−ビスアミノプロピルベンジルアミン、N,N−ビスアミノプロピルアリルアミン、ビス〔3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジイソプロピルアミノプロピル)〕アミン、ビス〔3−(N,N−ジブチルアミノプロピル)〕アミン等が挙げられる。
これらポリアミン化合物(b−1)の中でも、活性水素を2個以上持つポリアミン化合物が低温硬化性に優れるので特に好ましい。
前記(b−2)成分であるエポキシ化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−アルキレンオキシド付加物などの多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類、及び、グリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物があげられる。
前記(b−3)成分であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4‘−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4及び/又は(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;前記例示のジイソシアネートのイソシアヌレート三量化物、ビューレット三量化物、トリメチロールプロパンアダクト化物等;トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等があげられる。
さらにこれらのイソシアネート化合物はカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。
前記潜在性硬化剤として、市販品である、アデカハードナー EH−3636S(株式会社ADEKA製;ジシアンジアミド型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−4351S(株式会社ADEKA製;ジシアンジアミド型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5011S(株式会社ADEKA製;イミダゾール型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5046S(株式会社ADEKA製;イミダゾール型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−4357S(株式会社ADEKA製;ポリアミン型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5057P(株式会社ADEKA製;ポリアミン型潜在性硬化剤)、アデカハードナー EH−5057PK(株式会社ADEKA製;ポリアミン型潜在性硬化剤)、アミキュアPN−23(味の素ファインテクノ株式会社製;アミンアダクト系潜在性硬化剤)、アミキュアPN−40(味の素ファインテクノ株式会社製;アミンアダクト系潜在性硬化剤)、アミキュアVDH(味の素ファインテクノ株式会社製;ヒドラジド系潜在性硬化剤)、フジキュアFXR−1020(株式会社T&K TOKA製;潜在性硬化剤)等を使用することもできる。これらは単独で使用することもできるし、適宜組み合わせて使用することもできる。
ここで、(b−1)であるポリアミン化合物と(b−2)であるエポキシ化合物との付加物の場合においては、(b−1)ポリアミン化合物1モルに対し、(b−2)エポキシ化合物のエポキシ基が0.1〜2.0当量となる量、特に0.2〜1.5当量となる量反応させることが好ましい。
また、(b−1)であるポリアミン化合物と(b−3)であるイソシアネート化合物との付加物の場合においては、(b−1)ポリアミン化合物の1モルに対し、(b−3)エポキシ化合物のエポキシ基が0.1〜2.0当量となる量、特に0.2〜1.5当量となる量反応させることが好ましい。
さらに、(b−1)であるポリアミン化合物、(b−2)であるエポキシ化合物及び(b−3)であるイソシアネート化合物との付加物の場合においては、(b−2)成分であるエポキシ化合物は、(b−1)ポリアミン化合物の1モルに対し、(b−2)エポキシ化合物のエポキシ基が0.1〜2.0当量となる量、特に0.2〜1.5当量となる量反応させることが好ましく、(b−3)であるイソシアネート化合物は、(b−1)ポリアミン化合物の1モルに対し、(b−2)イソシアネート化合物のイソシアネート基が0.1〜2.0当量となる量、特に0.2〜1.5当量となる量反応させることが好ましい。
ここで、(b−1)成分であるアミン化合物に対する、(b−2)成分であるエポキシ化合物及び/又は(b−3)成分であるイソシアネート化合物の量が下限値未満の場合には、保存安定性が低下する恐れがあり好ましくなく、その上限値を超えて使用した場合には硬化性に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくない。
本発明で使用される(b−4)成分であるフェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリスフェニロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮合ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮合ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(フェノール骨格、トリアジン環及び1級アミノ基を分子構造中に有する化合物)、及び、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物があげられる。
本発明においては、貯蔵安定性と硬化性とのバランスの優れたものを得る観点から、(b−4)フェノール樹脂として、数平均分子量が750〜1200であるものを使用することが好ましい。
上記のフェノール樹脂(b−4)の使用量は、変性アミン100質量部に対して10〜100質量部であることが好ましく、特に、20〜60質量部であることが好ましい。10質量部未満では十分な硬化性が得られず、100質量部を超えた場合には、硬化物の物性が低下するため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(B)成分である球状潜在性硬化剤の使用量は、特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂100質量部に対し、好ましくは、5〜70質量部、特に好ましくは、10〜60質量部使用される。ここで、5質量部よりも少ない場合あるいは70質量部を超える場合の何れにおいても、硬化不良により性能を損なうおそれがあるため好ましくない。
本発明でエポキシ樹脂組成物には、上記に詳述した球状潜在性硬化剤を使用することが特徴とするものであるが、その他のエポキシ硬化剤を使用することを完全に制限するものではない。その使用量は特に制限されるものではないが、本願に使用される球状潜在性硬化剤100質量部に対して、100質量部を超えない範囲で使用することが好ましい。
前記の他のエポキシ樹脂用硬化剤としては、公知のエポキシ樹脂用硬化剤であれば特に制限されるものではなく、例えば、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、酸無水物類、ポリチオール化合物などがあげられる。特に、本願組成物を一液で使用する場合においては、潜在性硬化剤以外の硬化剤を使用することが好ましくない。
前記脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)スルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエーテル、2,2’−ジメチル−4,4‘−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、及びメタキシレンジアミン等があげられる。また、これらアミン類の変性物であっても良い。アミンの変性方法としては、カルボン酸との脱水縮合、エポキシ樹脂との付加反応、イソシアネートとの付加反応、マイケル付加反応、マンニッヒ反応、尿素との縮合反応、ケトンとの縮合反応などが挙げられる。これらは、単独で使用することもできるし、任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
前記芳香族アミン類としては、ジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミンベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、及び3,5,3’、5’−テトラメチル−4,4‘−ジアミノジフェニルメタンなどがあげられる。また、これらアミン類の変性物であっても良い。アミンの変性方法としては、カルボン酸との脱水縮合、エポキシ樹脂との付加反応、イソシアネートとの付加反応、マイケル付加反応、マンニッヒ反応、尿素との縮合反応、ケトンとの縮合反応などが挙げられる。これらは、単独で使用してすることもできるし、任意の割合で組み合わせて使用することもできる。
前記酸無水物類としては、無水ハイミック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水メチルハイミック酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸−無水マレイン酸付加物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、及び水素化メチルナジック酸無水物等があげられる。
前記ポリチオール化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−1,3,4,6−テトラアザオクヒドロペンタレン−2,5−ジオン、1,3,5−トリス(3−メルカブトプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−、4,7−若しくは5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリルを使用することが、貯蔵安定性と硬化性のバランスに優れるので好ましい。これら好ましいチオール化合物の市販品としては、例えば、四国化成工業(株)製TS−G、SC有機化学(株)製DPMP、PEMP、淀化学(株)PETGなどがあげられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、硬化触媒を使用することができ、該硬化触媒としては、例えば、これらの硬化促進剤の具体例としては、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、イミダゾールシラン(例えば、四国化成工業(株)製;2MUSIZ)等のイミダゾール類;前記イミダゾール類と、トリメリット酸、イソシアヌル酸、ホウ素等との塩であるイミダゾール塩類;ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類;トリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;3−(p−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア、イソホロンジイソシアネート−ジメチルウレア、トリレンジイソシアネート−ジメチルウレア等のウレア類;及び、三フッ化ホウ素と、アミン類やエーテル化合物等との錯化合物等を例示することができる。これらの硬化促進剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂硬化促進剤の含有量は特に制限なく、難燃性エポキシ樹脂組成物の用途に応じて適宜設定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、例えば、(メタ)アクリル樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、オキセタン樹脂等、アミン化合物と重合反応したりアミン化合物によって重合が活性化されたりするような樹脂を用いることが出来る。
本発明においては更に、カルボキシル基含有ポリエステル、環状エステル化合物、カルボジイミド樹脂等、上記した重合性化合物と反応し得る化合物を併用することも出来る。
本発明においては、必要に応じて、熱又は光開始剤;シランカップリング剤;モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の反応性又は非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質、金属粒子、金属で被覆された樹脂粒子等の充填剤又は顔料;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の公知の添加物を含有してもよく、更に、キシレン樹脂や石油樹脂等の、粘着性の樹脂類を併用することもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料或いは接着剤;粘着剤、コーティング剤、繊維集束剤、建築材料、電子部品等の広範な用途に使用できるものである。
これらの種々な用途の中でも、本発明のエポキシ樹脂組成物は、低粘性に優れることから、比較的フィラー成分を多く使用する用途、例えば、液晶シール剤、カメラモジュール用接着剤、ダイボンドペーストなどの用途に使用される。また、低チクソ性であるため、低チクソ性が要求される用途、例えば、アンダーフィルなどの用途に好適に使用することができ、とりわけ、液晶シール剤用途に好適に使用される。
本発明のエポキシ樹脂組成物を液晶シール剤として用いる場合には、(メタ)アクリル化合物と光開始剤と組み合わせることで段階的に硬化させることができる。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られる(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。また、上記(メタ)アクリル化合物は、反応性の観点から、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち(メタ)アクリル基を1つもつ化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち(メタ)アクリル基を2つもつ化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち(メタ)アクリル基を3つ以上有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、前述したエポキシ樹脂あるいはエポキシ化合物の中でも2つ以上のエポキシ基を有するエポキシエポキシ化合物を用いることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182(いずれもダイセル・オルネクス社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記イソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物1モルに対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネート化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネート化合物との反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートや、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL1290、EBECRYL2220、EBECRYL4827、EBECRYL4842、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL6700、EBECRYL8402、EBECRYL8803、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260(いずれもダイセル・オルネクス社製)、アートレジンUN−330、アートレジンSH−500B、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−9000H(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6HA、U−6LPA、U−10H、U−15HA、U−108、U−108A、U−122A、U−122P、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4000、UA−4100、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AI−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF社製)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)、KR−02(ライトケミカル社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物等からなるものが挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤が好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
液晶シール剤は、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル化合物とがおよそ半々となるように、エポキシ樹脂、本願発明の球状潜在性硬化剤、(メタ)アクリル化合物、ラジカル重合開始剤、充てん剤、カップリング剤等を配合して得られるものである。
特に、ラジカル重合開始剤として、光ラジカル重合開始剤を使用することによって、光照射による硬化が可能となり、先に光による仮硬化を行い、加熱による本硬化を行う二段階での硬化が可能となる。
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
製造例1(非球状アミン系潜在性硬化剤の製造)
アミンとしてイソホロンジアミン352gを使用し、アデカレジンEP−4100E((株)ADEKAの商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)580g[イソホロンジアミン1モルに対するアデカレジンEP−4100Eのエポキシ当量;1.47]と反応させて、変性ポリアミンを得た。得られた変性ポリアミン100gに対してフェノール樹脂30gを仕込み、180〜190℃、30〜40トールで1時間かけて脱溶媒した後、ジェットミルを用いて粉砕し、淡黄色固体の非球状アミン系潜在性硬化剤(HEH−1)を得た。
製造例2(非球状アミン系潜在性硬化剤の合成)
製造例1で得られたHEH−1に対し、さらにジェットミルを用いて粉砕することで、淡黄色固体の非球状アミン系潜在性硬化剤(HEH−2)を得た。
製造例3(非球状アミン系潜在性硬化剤の合成)
アミンとして2−エチル−4−メチルイミダゾール190gを使用し、アデカレジンEP−4100E((株)ADEKAの商品名;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキ当量190)409g[2−エチル−4−メチルイミダゾールの活性水素当量:前記アデカレジンEP−4100Eのエポキシ当量;1:1.24]と反応させて、変性イミダゾールを得た。得られた変性イミダゾールのIR吸収スペクトルを測定したところ、原料で確認される、N−H基に基づく3200〜3075cm−1の吸収の消失が確認された。次に、上記変性イミダゾール100gに対してフェノール樹脂30gを仕込み、180〜190℃、30〜40トールで1時間かけて脱溶媒した後、ジェットミルを用いて粉砕し、淡黄色固体の非球状アミン系潜在性硬化剤(HEH−3)を得た。
製造例4(非球状アミン系潜在性硬化剤の合成)
製造例3で得られたHEH−3に対し、さらにジェットミルを用いて粉砕し、淡黄色固体の非球状アミン系潜在性硬化剤(HEH−4)を得た。
製造例5〜10(球状アミン系潜在性硬化剤の製造)
原料供給機、振動フィーダー、サイクロン式捕集機、集塵機、ブロア、エチレングリコール50%水溶液の冷却ジャケットへの循環装置を付帯した、熱風式表面処理装置(商品名:メテオレインボーMR−10、日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、製造例1〜4で得られた非球状アミン系潜在性硬化剤(HEH−1〜4)を瞬間加熱処理し、球状アミン系潜在性硬化剤(REH−1〜6)を得た処理条件は表1に示した通りである。
Figure 2020002187
得られた球状アミン系潜在性硬化剤の粒子径(D50)及び円形度を下記の方法によって測定して、その値を〔表2〕に示した。
<粒子径(D50)>
球状又は非球状潜在性硬化剤10mgを0.5重量%ソルビタンオレートのヘプタン溶液20mLに入れ、超音波洗浄機で3分超音波照射して分散した。得られた分散液を一部取り、HORIBA LA−950V2(堀場製作所製)で粒度分布測定を行い、これに基づき平均粒径(D50)(μm)を求めた。
<円形度>
球状又は非球状潜在性硬化剤10mgを2重量%オクチルフェノールエトキシレートのパーティクルシース溶液50mLに入れ、超音波洗浄機で3分超音波照射して分散した。得られた分散液を一部取り、湿式フロー式粒子径・形状分析装置FPIA−3000(シスメックス(株)製)で円形度測定を行い、これに基づき円形度を求めた。
Figure 2020002187
上記製造例で得られた非球状又は球状アミン系潜在性硬化剤及びビスフェノール型エポキシ樹脂((株)ADEKA社製;EP−4100E、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190:EP)を、表3に示した如く配合し、撹拌・混合・分散して、実施例及び比較例の樹脂組成物を得た。得られた各樹脂組成物に対して以下の試験を実施した。その結果を下記の〔表3〕に示した。
<粘度>
ブルックフィールドE型回転粘度計を用いて、0.5rpm及び5.0rpmで、25
℃における粘度を測定した。また、[0.5rpm粘度]/[5.0rpm粘度]をTI
値として揺変性の評価を行った。
<硬化性>
SIIナノテクノロジーズ社製示差走査熱量計DSC6220を用いて、昇温速度10℃/分、走査温度範囲25〜300℃としてDSCチャートを測定した。
Figure 2020002187
また、エポキシ樹脂EP−4100Eと球状潜在性硬化剤REH−1〜REH−6を用いてエポキシ樹脂組成物を製造し、浸透性についても評価した。その結果を〔表4〕に示した。
<浸透性>
5μm以下のギャップを設けた2枚のガラス板の端面に、エポキシ樹脂組成物を塗布し、毛細管現象によりギャップ内に浸透させた後、エポキシ樹脂組成物が浸透した部分を150℃で2時間加熱し、効果の有無を確認した。○:硬化、×:未硬化
Figure 2020002187
実施例から明らかなように、エポキシ樹脂及び非球状潜在性硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物では、粘性が高くチクソ性が高いのに対し、本願発明のエポキシ樹脂及び特定の球状潜在性硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物は、低粘性でありかつ低チクソ性を示すものである。
特に、平均円形度が0.97以上、最大粒径20μm以下であるものはチクソ性が低いものが得られる。
さらに、粒径(D50)が5μm以下である本願発明の球状潜在性硬化剤を含有することにより、優れた浸透性を示すものが得られる。
本発明のエポキシ樹脂及び球状アミン系潜在性硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物は、粒度分布が広く、密に包装することができるので輸送コストを下げることができるだけでなく、本発明の球状アミン系潜在性硬化剤を用いた熱硬化性樹脂組成物は、流動性及び安定性に優れるので、例えば、液晶シール剤、カメラモジュール用接着剤、ダイボンドペーストなどの用途に好適に使用することができ、産業上極めて有意義である。
1 処理槽
2 天板
3 第1エア取入口
4 第2エア取入口
5 熱風噴射ノズル
5a 熱風出口
6 原料噴射ノズル
6a ホッパー
9 衝突部材
10 断熱機構
11 冷却ジャケット
30 エア噴射通路

Claims (11)

  1. (A)エポキシ樹脂及び(B)平均粒径(D50)が0.5μm〜10μmであり、平均円形度0.95以上である球状潜在性硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  2. (B)成分である球状潜在性硬化剤が、非球状アミン系潜在性硬化剤をその融点以上の温度に加熱処理してなることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物及び(b−2)エポキシ化合物を反応させてなる変性アミンを含有することを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物及び(b−3)イソシアネート化合物を反応させてなる変性アミンを含有することを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−1)活性水素を1個以上有するポリアミン化合物、(b−2)エポキシ化合物及び(b−3)イソシアネート化合物を反応させてなる変性アミンを含有することを特徴とする請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記非球状アミン系潜在性硬化剤が、(b−4)フェノール樹脂を含有することを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 一液硬化であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1〜6の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含む液晶シール剤。
  9. 請求項1〜6の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含む接着剤。
  10. 請求項1〜6の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含むアンダーフィル。
  11. 請求項1〜6の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を含むダイボンドペースト。
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