JP2020000073A - 経口組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、アストラガリンは、柿の葉や桑の葉に含まれるケンフェロールモノグリコシドの一種であり、抗アレルギー作用を有することが知られている。このような生理作用に着目し、アストラガリンの飲食品への応用が検討されており、例えば、アストラガリンに、果糖、ガラクトース、乳糖及びブドウ糖からなる群から選ばれる糖の1種又は2種以上を配合することで、アストラガリンの吸収性が向上するとの報告がある(特許文献3)。
本発明の課題は、デキストリン及びバニリンを含有しながらも、後キレの良好な経口組成物を提供することにある。
(A)デキストリン
(B)バニリン、及び
(C)ケンフェロールモノグルコシド
を含有し、
固形分中の成分(A)の含有量が10質量%以上であり、
固形分中の成分(B)の含有量が0.00001〜0.003質量%であり、かつ
固形分中の成分(C)の含有量が0.01〜1.0質量%である、
経口組成物を提供するものである。
(1)定量法
試料、及び各濃度の標準溶液1.5mLに、1N−NaOH水溶液を250μLと0.5MのPMP(3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)−メタノール溶液を500μL加え、70℃で30分加熱する。得られた溶液に対し、1N−HCl水溶液を250μLにて中和し、5mLのクロロホルムを加え分配し、水層を測定試料とする。上記操作により得られた測定試料について、高速液体クロマトグラフ質量分析を用い、下記条件にて測定する。
・HPLC装置:型式ACQUITY UPLC、Waters製
・MS装置 :型式SYNAPT G2−S HDMS型、Waters製
・イオン化 :ESI
・質量範囲 :m/z 100−2500
・カラム :型式Unison UK−C18 UP(2.0×100mm,3μm),インタクト社製
・移動相 :E液:ギ酸0.05%水溶液、F液:アセトニトリル(%F=15→90)
・流量 :0.6mL/min
・注入量 :1μL
(I)分析は、デキストリンに含まれているぶどう糖、麦芽糖などの還元糖分をぶどう糖として定量する場合に適用し、次の手順にしたがって行う。
・水分の定量
・レイン・エイノン法による還元糖分の定量
・ぶどう糖として計算した還元糖の含有率(DE値、%)の計算
(II-A)試料の調製
(II-1)標準転化糖溶液
スクロース(試薬)4.75gを正確に量り取り、90mLの水を使用して500mL容メスフラスコに移し入れる。これに塩酸(比重1.18)5mLを加え、20〜30℃で3日間放置した後、水を加えて定容し、冷暗所に保存する。その50mLを200mL容メスフラスコにとり、フェノールフタレインを指示薬として1mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和した後、水を加えて定容する。これを転化糖溶液としてフェーリング溶液の力価の標定に用いる。
(II-2)メチレンブルー溶液
1%メチレンブルー1gを水に溶かして100mLとする。
(II-3)フェーリング溶液
A液:硫酸銅(CuSO4・5H2O)34.639gを水に溶かして500mLとし、2日間放置後ろ過する。
B液:酒石酸カリウムナトリウム(KNaC4H4O6・4H2O)173gと水酸化ナトリウム50gを水に溶かして500mLとし、これを2日間放置後ろ過する。
フェーリング溶液A液5.0mL及びB液5mLを200mL容三角フラスコにとり、50mL容ビュレットを用いて標準転化糖溶液19.5mLを加える。電熱器上で2分間沸騰させた後、メチレンブルー溶液4滴を加え、沸騰しながら標準転化糖溶液を滴下し、青色が消失したところを終点とする。滴定は沸騰し始めてから3分以内に終了する。この滴定を3回行い、平均値を求める。但し、3回の平均値を滴定値とするが、各滴定値の差は0.1mL以内とする。また、力価の小数点以下第4位を四捨五入し、1±0.02の範囲内に収める。
分析試料は、試料の性状に応じて、次により調製する。
(III-1)液体試料
液体中に結晶又は塊状物が析出している場合には、密閉容器に入れ、60〜70℃の水浴に浸漬して溶解し、よく振り混合した後、室温に冷却する。
(III-2)固体試料
粉末又は結晶状とし、塊がある場合には砕き、よく混合する。
水分の定量は、試料の性状により、次の方法で行う。
(IV-1)液体試料
乾燥助剤として、予め秤量瓶に海砂を約15g取り、ガラス棒とともに105℃の乾燥機中で乾燥して恒量を求める。次に、前記(III)で調製した均一試料を固形分として約2gに相当する量を正確に量り取り、必要があれば少量の水を全体が浸るまで加え、時々ガラス棒でかき混ぜながら水浴上で加熱して大部分の水を揮散させる。更に、105℃の乾燥機内で時々かき混ぜ、ほとんど乾燥するまで乾かした後、真空乾燥機に移し、70℃で4時間乾燥する。デシケータ中で室温まで放冷した後、重量を量る。1時間ずつ真空乾燥を繰り返して恒量を求める。減量が、2mg以下の変化になった時を恒量に達したとみなす。
(IV-2)固体試料
前記(III)で調製した均一試料約2gを予め恒量にした秤量瓶に正確に量り取り、真空乾燥機で70℃、4時間乾燥する。次に、デシケータ中で室温まで放冷した後、重量を量る。更に、1時間ずつ真空乾燥を繰り返して、減量が2mg以下の変化になった時を恒量に達したとみなす。
(IV-3)水分の計算
試料中の水分は、次式により算出する。数値は小数点以下第2位を四捨五入する。
(V-1)検液の調製
前記(III)で調製した均一試料約10gを正確に量り取り、水に溶かして500mL容メスフラスコに移し入れ、水を加えて容定し検液とする。
(V-2)滴定操作
フェーリング溶液A液5.0mL及びB液5mLを200mL容三角フラスコに採り、50mL容ビュレットを用いて、(V-1)で調製した検液15mLを加え、(II-B)の要領にしたがって滴定し、これを予備滴定とする。更に同様にして、予備滴定で得た滴定数より約1mL少ない量の検液を加え、(II-B)の要領にしたがって滴定する。ここで得た検液の消費量にフェーリング溶液の力価を乗じ、この数値から表1に示すレイン・エイノン糖量表(ぶどう糖)を用いて還元糖濃度(DE値,mg/100mL)をぶどう糖として求める。
(V-3)DE値の計算
試料の乾燥状態におけるぶどう糖として計算したDE値は、次式により算出する。数値は、小数点以下第2位を四捨五入する。
DSは、表1に示すレイン・エイノン糖量表(ぶどう糖)を用いて求めた検液100mL中のぶどう糖量(mg)を示し、
Mは、(IV)で秤量した試料の水分(%)を示し、
Sは、(V-1)で秤量した試料の採取量(g)を示す。〕
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式LC−20 Prominence,島津製作所製)を用い、カラム〔Cadenza CD−C18(3μm,4.6mmφ×150mm,Imtakt)〕を装着し、カラム温度40℃にてグラディエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.05質量%含有するアセトニトリル溶液、B液はアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は360nmの条件で行った。なお、グラディエントの条件は、以下のとおりである。
時間(分) A液濃度(体積%) B液濃度(体積%)
0 85% 15%
20 80% 20%
35 10% 90%
50 10% 90%
50.1 85% 15%
60 85% 15%
・アストラガリン :18.2分
上記リテンションタイムで一致したピークをアストラガリンとして試料溶液中の各成分の定量を行った。
試料10mLをGC用ヘッドスペースバイアル(20mL)に採取し、塩化ナトリウム4gを添加する。バイアルに攪拌子を入れて密栓し、スターラーで30分間撹拌しながら、SPMEファイバー(シグマアルドリッチ社製、50/30μm、DVB/CAR/PDMS)に含有成分を吸着させる。吸着後、SPMEファイバーを注入口で加熱脱着し、GC/MS測定を行う。分析機器は、Agilent 7890A/5975Cinert(アジレント・テクノロジー社製)を使用する。
・カラム :TC―WAX(30m(長さ),0.25mm(内径),0.25μm(膜厚))
・カラム温度 :40℃ (3min)→ 20℃/min→ 250℃
・カラム圧力 :定流量モード(31kPa)
・カラム流量 :lmL/min(He)
・注入口温度 :260℃
・注入方式 :スプリットレス
・検出器 :MS
・イオン源温度:230℃
・イオン化方法:EI(70eV)
・スキャン範囲:SCAN
表2に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表2に示す。なお、得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたインスタント粉末飲料1gを、それぞれ80℃の熱水100mLで溶解して還元飲料を調製し、各還元飲料を飲用したときの「後キレ」について、専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリストが「後キレ」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
後キレは、飲用後にデキストリン由来の不快味が後味として残るか否かを観点に、比較例1の還元飲料の後キレの評点を「1」とし、実施例3の還元飲料の後キレの評点を「5」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。なお、本明細書において「後キレがよい」とは、後味が消えることをいい、また「後キレが悪い」とは、苦味、渋味等の不快味が後味として口腔内に残ることをいう。
1:後キレが非常に悪い
2:後キレが悪い
3:後キレがややよい
4:後キレがよい
5:後キレが非常によい
表3に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて実施した。その結果を、参考例1の結果とともに表3に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表4に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて実施した。その結果を、参考例1の結果とともに表4に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表5に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて実施した。その結果を、参考例1の結果とともに表5に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表6に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、官能評価1と同一基準にて実施した。その結果を表6に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表7に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で調製された還元飲料について、比較例7で得られた還元飲料の後キレの評点を「1」とすることに合意したうえで実施した。また、評価基準は、官能評価1と同一の5段階で評価した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。その結果を表7に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表8に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末飲料を得た。得られたインスタント粉末飲料について分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例1と同様の方法で各還元飲料を調製した後、実施例13、比較例8及び参考例5の還元飲料については比較例8で得られた還元飲料の後キレの評点を「1」とし、実施例14、比較例9及び参考例6の還元飲料については比較例9で得られた還元飲料の後キレの評点を「1」とすることに合意したうえで実施した。また、評価基準は、官能評価1と同一の5段階で評価した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。その結果を、実施例2、比較例1及び参考例1の結果とともに表8に示す。得られたインスタント粉末飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
表9に示す各成分を均一に混合し、インスタント粉末緑茶飲料を得た。得られたインスタント粉末緑茶飲料について分析及び官能評価を行った。
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られたインスタント粉末緑茶飲料1gを、それぞれ80℃の熱水100mLで溶解させて還元飲料を調製した。還元飲料は途中インスタント粉末緑茶飲料がダマにならないよう熱水を30秒かけてゆっくり注ぎ、茶筅でよく攪拌しながら均一に溶解するよう調製した。官能評価は、各還元飲料を飲用したときの「後キレ」について、専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリストが比較例10で得られた還元飲料の後キレの評点を「1」とすることに合意したうえで実施した。また、評価基準は、官能評価1と同一の5段階で評価した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。その結果を表9に示す。得られたインスタント粉末緑茶飲料は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
80℃に加温した温水9mLにキサンタンガムを0.2g添加し完全に溶解させポーション原液を調製した。次いで表10に示す成分のうちキサンタンガム以外の成分を均一に混合した粉末組成物をポーション原液に添加し完全に溶解させた。得られたポーション原液を容器(ポリスチレン、容量:15mL、口径43×高さ26mm)に流し入れ、ヘッドスペースの空気を窒素ガスに置換した上でフタで密封し、容器入りポーションを製造した。得られた容器入りポーションについて分析及び官能評価を行った。なお、官能評価は、各実施例、比較例及び参考例で得られたポーション10gを、80℃の熱水90mLでそれぞれ希釈して調製し、各還元飲料を飲用したときの「後キレ」について、専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験は、各パネリストが比較例11で得られた還元飲料の後キレの評点を「1」とすることに合意したうえで実施した。また、評価基準は、官能評価1と同一の5段階で評価した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。その結果を表10に示す。
表11に示す各成分を均一に混合し、次いで単発式打錠機(RIKEN社製)を用いて、穴径14mmのリング状杵で、質量1g/1錠にて打錠し、円形の錠剤を得た。得られた錠剤について分析及び官能評価を行った。なお、得られた錠剤は、いずれも固形分量が97.0質量%であった。
上記の各実施例、比較例及び参考例で得られた錠剤1錠を水なしで口に含み、口腔内に含んだ後直ちに噛み砕き、唾液により錠剤が口内で完全に消滅したときの「後キレ」について、専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験では、各パネリストが「後キレ」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
後キレは、服用後にデキストリン由来の不快味が後味として残るか否かを観点に、実施例17、比較例12及び参考例9の錠剤については比較例12の錠剤の後キレの評点を「1」とし、実施例18、比較例13及び参考例10の錠剤については比較例13で得られた錠剤の後キレの評点を「1」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
1:後キレが非常に悪い
2:後キレが悪い
3:後キレがややよい
4:後キレがよい
5:後キレが非常によい
80℃に加温した温水100mLに寒天を0.3g添加し、10分間温度を維持しながら攪拌子で攪拌して完全に溶解させた。次いで、表12に示す残りの成分を全て加え、更に5分間攪拌して完全に溶解させてゼリー原液を調製した。次いで、得られたゼリー原液40gを容器(スチロール樹脂製プラスチックカップ、容量:70mL、取り出し口内径:5cm)に流し入れ、冷蔵庫で10℃以下に冷却してゼリー食品を得た。得られたゼリー食品について分析及び官能評価を行った。
上記の各実施例、比較例、及び参考例のゼリー食品を小さじのスプーンで3gすくい取った後、口腔内に含み、舌で唾液と混ぜて完全に消滅したときの「後キレ」について、専門パネル4名が官能試験を行った。官能試験では、各パネリストが「後キレ」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そして、専門パネルの評点の平均値を求めた。なお、評点の平均値は、小数第2位を四捨五入するものとする。
後キレは、摂取後にデキストリン由来の不快味が後味として残るか否かを観点に、比較例14のゼリー食品の後キレの評点を「1」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
1:後キレが非常に悪い
2:後キレが悪い
3:後キレがややよい
4:後キレがよい
5:後キレが非常によい
Claims (6)
- 次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)デキストリン
(B)バニリン、及び
(C)ケンフェロールモノグルコシド
を含有し、
固形分中の成分(A)の含有量が10質量%以上であり、
固形分中の成分(B)の含有量が0.00001〜0.003質量%であり、かつ
固形分中の成分(C)の含有量が0.01〜1.0質量%である、
経口組成物。 - 成分(B)と成分(C)との質量比[(C)/(B)]が50〜5000である、請求項1記載の経口組成物。
- 成分(A)のDE値が3〜30である、請求項1又は2記載の経口組成物。
- 成分(C)がアストラガリンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経口組成物。
- 固形分中の成分(C)の含有量が0.03〜0.4質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経口組成物。
- 錠剤、顆粒剤、ゼリー食品又は濃縮飲料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経口組成物。
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