JP2019535727A - ラジオフッ素化のための前駆体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、[18F]フッ素を第一の置換基として有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できる接続単位、並びに前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環を前記接続単位と結合するスペーサ基を含むラジオフッ素化化合物の製造方法であって、前記接続単位は、−OH、−CONH及び−COOHからなる群から選択される少なくとも一つの第二の置換基を有し、前記接続単位は結合手A1を介して前記スペーサ基と、前記スペーサ基は結合手A2を介して芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合している、前記方法。この際、該方法が、次のステップ:(a)置換基Yを有する前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できかつ少なくとも一つの第二の置換基を有する前記接続単位、並びに前記スペーサ基を含む前駆体を提供し、ただし前記置換基Yは、−N+(R1R2R3)、−NO2、−Cl、−Br、−Fまたは−Iからなる群から選択され、及びR1、R2及びR3は、同一かもしくは互いに異なり、それぞれ置換されていないかもしくは置換されたC1〜C6アルキルであるステップ; 及び(b)活性化塩の存在下に前記前駆体を[18F]フッ化物アニオンと反応させてラジオフッ素化化合物とし、この際、前記置換基Yは、[18F]フッ素に置き換えられ、及び前記活性化塩は、一般式N+(R4R5R6R7)を有するカチオンを含み、ここでR4、R5、R6及びR7は、同一かもしくは互いに異なり、そしてそれぞれ置換されていないかもしくは置換されたC1〜C6アルキルである、ステップ、を含むことが企図される。

Description

本発明は、ラジオフッ素化のための前駆体並びに該前駆体のラジオフッ素化方法に関する。
医療診断では、放射活性標識した短命の化合物、いわゆる放射性トレーサが使用され、それの生理学的及び生化学的特性は、ヒトの身体中での代謝過程の無侵襲性の断層映像的検出を可能にする。ポジトロン断層法(PET)の現代の断層映像的方法を用いることによって、これらの放射性トレーサを使用して代謝過程を定量化でき、そして放射線診断剤の生体内分布を外から検出することができる。放射性トレーサ、例えば2−デオキシ−2−[18F]フルオロ−D−グルコース([18F]−FDG)の断層映像的検出は、グルコース代謝に関して正常組織からはっきりと区別される腫瘍の初期段階の診断を可能とする。薬理学的に重要な化合物をベースとする新しい放射性トレーサを開発することによって、様々な病像の無侵襲性診断の新しい可能性が開かれてきた。
画像法を用いた診断のマーケット全体におけるポジトロン断層法(PET)の世界的なシェアは、近年、爆発的に大きくなっている。この際、その最大のシェアは、放射活性プローブとしての[18F]フッ化物が持つ、というのも、これは、F18標識化糖誘導体([18F]−FDG)の形で、PETを用いることによりミリメータ範囲まで腫瘍の正確な部位を可視化し、そして腫瘍の広がりの正確な位置特定を可能とするからである。しかし、しばしば核医学の「ワークホース」と称される[18F]−FDGは、原発性の器官限定前立腺癌の検出には使用が制限される(Bouvez et al.,EJNMMI Research 2016,6,40(非特許文献1))。この理由ため、PSMA(前立腺に特異的な膜抗原)を増強して発現する前立腺腫瘍及び転移の検出のために、前立腺特異的膜抗原(PSMA)の検出に使用できる[18F]−DCFPyL(式1)及び[18F]F−PSMA−1007(式2)などの新しい放射性トレーサが開発されている。
これらの式1及び2から、これらの放射性トレーサは、多数の遊離の官能基、例えば−OH、−CONH、−COOHを有し、そのため多官能性の分子であることが分かる。通常は、多くの遊離の官能基を有する分子は、18Fを用いた直接的な標識には適していない。これらの官能基は、しばしば[18F]フッ化物アニオンと反応するので、しばしばHFが生じる。それ故、反応性フッ化物を、成功裏の放射性標識のために利用できなくなる。更に、水不含溶剤中への高極性の化合物の可溶性が大きく低下する。加えて、水性溶剤中では、[18F]フッ化物アニオンは十分に強く活性化されず、そのため、放射線化学では、いわゆる「ネークドアニオン」が使用される。この場合、有機溶液中においては、対イオン、例えばテトラ−n−ブチル−アンモニウム塩の正の中心が、非極性炭化水素鎖によって保護されている。
それ故、これらの多官能性分子では、従来技術は、保護基を導入するかまたは事前に放射活性的に標識された補欠分子族を介して導入し(両方とも二段階の反応となる)、そうして合成的手法により導入された脱離基(この場合は、トリメチルアンモニウムトリフレート)のみが、テトラ−n−ブチル−アンモニウム炭酸水素塩で活性化された[18F]フッ化物アニオンと反応できるようになる。これらの放射性トレーサは、通常は放射線防護の理由から、自動合成モジュールを備えたいわゆる「ホットセル」中で、一回限りの材料、例えばカセット、特に殺菌したカセット、及び試薬を用いて製造される。多くの場合、手間のかかる多段階の合成経路は、このシステムを用いては費用効果よく実現することはできない。
しかし、保護基の導入は、これらを手間をかけて酸または塩基を用いて解保護する必要があるという欠点を常に持つ。それ故、ここで二段階反応についても言及する:第一段階:18Fを用いた標識。第二段階:酸または塩基を用いた解保護。保護基の使用も、酸及び塩基の使用も、多くの場合に、所望の18F標識化物質から分離する必要があるかなりの副生成物を招く。これは、大概は、高い費用コストをかけてHPLC(高性能液体クロマトグラフィ)を用いて達成され、それ故、時間及び費用集約的である。補欠分子族を介した合成も同様に少なくとも二つの段階を用いて行われる。先ず、補欠分子族を18Fで標識化し、次いでこれを目的分子とカップリングする。
ラジオファーマシーでは、時間因子が重要な役割を果たす。なぜならば、18フッ化物アニオンの半減期は僅か109分間であり、そのため、合成時間及び輸送経路における如何なるタイプの延長も、達成すべき患者線量に対して直接影響を及ぼす。
それにもかかわらず、18F−DCFPyLの製造のためには二つの方法が知られている:一つ目の方法は、保護された前駆体を用いた二段階合成法である(Ravert et al.,J.Label Compd.Radiopharm 2016,59,439〜50;スキーム1(非特許文献2)、またはBouvet et al.EJNMMI Research,2016,6:40(非特許文献3)。
前駆体中のカルボン酸官能基は、tert−ブチルエステルとして保護される。最終生成物は、第二段階において酸を用いて遊離させる。精製は、HPLCを用いて行われる。ELIXYSミクロ流体モジュールでの総収率は、87分間の合成時間の後に平均して19%である。
第二の方法は、三段階合成法であり、補欠分子族を介して進行するものである(Chen et al.,Clin.Cancer Res.2011,17,7645−53;スキーム2(非特許文献4))。
この場合、第一の段階では、補欠分子族6−[18F]フルオロニコチン酸−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルが製造される。第二の段階では、アンモニウム塩(1)を6−[18F]フルオロニコチン酸−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルエステルとカップリングし(a)、そして第三の段階では、PMB−保護基をTFA及びアニソールを用いて除去する(b)。この場合、[18F]F−DCFPyL(2)が僅か5〜10%の総収率で得られる。
前駆体をラジオフッ素化するためのWO2015/004029A1(特許文献1)に記載の方法は、カチオン性キレートまたは第四級アンモニウムカチオンとの塩を形成するための、カルボキシル基からカルボキシレートアニオンへの転化を必要とする。そのため、ラジオフッ素化の前流の化学合成のうちの一つにおいて、前駆体を、K/K222の塩に転化する必要がある。該方法は、特に遊離のアミノ酸のラジオフッ素化を目的とする。このラジオフッ素化は、塩基性範囲で行われる。放射化学的収率はいずれの場合も26%を超えない。
WO2015/004029A1 WO2015/062370A1
Bouvez et al.,EJNMMI Research 2016,6,40 Ravert et al.,J.Label Compd.Radiopharm 2016,59,439-50;スキーム1 Bouvet et al.EJNMMI Research,2016,6:40 Chen et al.,Clin.Cancer Res.2011,17,7645−53;スキーム2 Cardinale et al.,J.Nucl.Med.2016 Olberg et al.,J.Med.Chem.2010,53,1732−1740
本発明の課題は、従来技術の欠点を取り除くことである。特に、放射性トレーサを高収率で与える直接的なラジオフッ素化を可能にする前駆体の提供を目的とする。更に、前記前駆体のラジオフッ素化方法を提供することを目的とする。
これらの課題は、請求項1、9、13、14及び15に記載の特徴によって解消される。本発明の合目的的な形態は、下位の請求項の特徴から明らかである。
本発明に従い、[18F]フッ素を第一の置換基として有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドまたはペプチド模倣体に接続できる接続単位、並びに前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環を前記接続単位と結合するスペーサ基を含む、ラジオフッ素化化合物の製造方法が提供される。前記接続単位は、−OH、−CONH及び−COOHからなる群から選択される少なくとも一つの第二の置換基を有する。上記接続単位は、結合手Aを介してスペーサ基と結合している。スペーサ基は、結合手Aを介して芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合している。該方法は次のステップを含む:
(a)置換基Yを有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できかつ少なくとも一つの第二の置換基を有する接続単位、並びにスペーサ基を含む前駆体であって、ここでYは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fもしくは−Iであり、そしてR、R及びRは、同一かもしくは互いに異なり、それぞれ置換されていないもしくは置換されたC〜Cアルキルである、前駆体を用意するステップ; 及び
(b)前記前駆体を活性化塩の存在下に[18F]フッ化物アニオンと反応させて、ラジオフッ素化化合物とし、ここで置換基Yは、[18F]フッ化物によって置き換えられ、及び前記活性化塩は、一般式N(R) を持つカチオンを有し、ここでR、R、R及びRは、同一かもしくは互いに異なり、そしてそれぞれ置換されていないもしくは置換されたC〜Cアルキルである、ステップ。
本発明によれば、前記ラジオフッ素化化合物を与える活性化塩の存在下での前記前駆体と[18F]フッ化物アニオンとの反応の完全な自動化を、後段にカートリッジ精製を備えた慣用の合成モジュールで提供できる。この場合、上記ラジオフッ素化化合物は、40%超の放射化学的収率で得ることができる。
「C〜Cアルキル」という用語は、炭素原子数1〜6の、直鎖状もしくは分岐状の飽和脂肪族炭化水素基を指す。C〜Cアルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルである。
「置換されたC〜Cアルキル」という用語は、一つ以上の置換基を有する先に定義したC〜Cアルキルを指し、ここで前記置換基は、NH、NH(C〜Cアルキル)、N(C〜Cアルキル)、ハロゲン、C〜Cアルキル、OH、O(C〜Cアルキル)、NO、CN、COHまたはCO(C〜Cアルキル)からなる群から選択され、ここで先に述べたC〜Cアルキル基のいずれも置換されていないかまたは少なくとも一つのハロゲン原子で置換されている。「ハロゲン」という用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
本発明においては、前駆体という用語は、保護基を使用せずに、ラジオフッ素化によって、放射化学的化合物、すなわちラジオフッ素化化合物に転化することができる化合物を指す。前記前駆体は、カルボキシレート基、特にカルボキシレートアニオン−COOを含まない。それ故、前記前駆体は、カチオン、例えばカチオン性キレートまたは第四級アンモニウムカチオンを有する塩の形のカルボキシレート基も含まない。
しかし、前記前駆体は、一つ以上のカルボキシ基−COOHを含むことができる。本発明による方法を用いることで、一つ以上のカルボキシ基を含む前駆体を、保護基を使用しないでラジオフッ素化化合物に転化することができる。前記前駆体は、置換基Yが[18F]フッ素で置き換えられている点でのみ該ラジオフッ素化化合物と異なっている。該前駆体の置換基Y及び該ラジオフッ素化化合物の[18F]フッ素置換基は同じ位置に存在する。
置換基Yは好ましくは−N(R)であり、ここでR、R及びRは、同一かまたは互いに異なり、それぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。好ましくは、R、R及びRは、同一であり、メチルまたはブチルであり、ここでメチルが特に好ましい。この場合、該前駆体の芳香族またはヘテロ芳香族環を有する−N(R)基は、第四級トリメチルアンモニウム基である。該前駆体の−N(R)基に対するアニオンとしては、任意のアニオンを企図できる。例えば、このアニオンは、フッ素アニオン、ヨウ素アニオン、臭素アニオン、塩素アニオン、スルホネートアニオン、スルフェートアニオン、ホスフェートアニオン、アルキルスルフェートアニオン、アリールスルフェートアニオンまたはカルボキシレートアニオンを含む群から選択できる。好ましくは、アニオンとしては、カルボキシレートアニオン、例えばCFCOO、CHCOO、CCOOまたはHCOOが企図される。
−N(R)基中のR、R及びRがそれぞれメチルである場合には、−N(R)基のアニオンが、トリフルオロアセテート(CFCOO)、アセテート(CHCOO)、プロピオネート(CCOO)またはホルミエート(HCOO)からなる群から選択されることが好ましい。
該前駆体の、それ故、放射化学的化合物の芳香族またはヘテロ芳香族環は、好ましくは単環式環、または二つ以上の環を有する縮合環系であり、この際、単環式環が好ましい。ヘテロ芳香族環のヘテロ原子は、好ましくはN、O及びSを含む群から選択される。好ましくは、ヘテロ原子はNである。ヘテロ芳香族環は、一つ以上のヘテロ原子を含むことができる。好ましくは、ヘテロ芳香族環は、一つまたは二つのヘテロ原子、好ましくは一つまたは二つの窒素原子を含む。この場合、この環は、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、またはピラジン環であることができる。
置換基Yを有する好ましい芳香族またはヘテロ芳香族環は、一般式VIに示される:
式中、XはC−RまたはNであり、Yは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fまたは−Iであり、ここでR、R及びRは先に定義した通りであり、そしてRは、互いに独立して、それぞれスペーサへの結合手A、水素または置換されていないもしくは置換されたC〜Cアルキルであり、ただし、正確に一つの残基Rは、スペーサ基への結合手Aであり、そして残りのRは、同じかまたは互いに異なり、それぞれ水素または置換されていないもしくは置換されたC〜Cアルキルを表す。
特に好ましい芳香族またはヘテロ芳香族環は、一般式VIaに示されるように、置換基Yとして−N(R)基と、この−N(R)基に対してパラ位に結合手Aを含む。
式中、Xは、C−RまたはNであり、R、R及びRは先に定義した通りであり、そしてRは、互いに独立してそれぞれ水素または置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキルである。
−N(R)基を置換基Yとして有するより好ましい芳香族またはヘテロ芳香族環は、一般式VIbに示されるように、−N(R)基に対してパラ位に結合手Aを含む:
式中、XはC−RまたはNであり、R、R及びRは先に定義した通りであり、そしてRは水素または置換されていないかもしくは置換されたC−C−アルキルである。好ましくは、XはNであり、そしてR、R及びRは先に定義した通りである。
−N(R)基を置換基Yとして有する芳香族またはヘテロ芳香族環の特に好ましい実施形態の一つを式VIcに示す:
式中、Meはメチルを表す。式VIc中、一般式VIに基づくと、XはNであり; R、R及びRはメチルであり; −N(R)基に対してパラ位であるRはAであり、そして残りのRは水素である。
置換基Yを有する好ましい芳香族またはヘテロ芳香族環を一般式VIdに示す。
式中、
− Xは、それぞれC−RまたはNであり、ただし、単位Xのうちの最大二つはNであり、そして単位Xの残りはC−Rであり; そして
− Yは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fまたは−Iであり、ここで、R、R及びRは先に定義した通りであり、そしてRは、互いに独立して、それぞれスペーサへの結合手A、水素または置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキルであり、ただし正確に一つの残基Rは、スペーサ基への結合手Aであり、そして残りのRは、同じまたは互いに異なり、それぞれ水素または置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキルを表す。
接続単位は、ペプチドまたはペプチド模倣体に接続できる。該放射化学的化合物は、この接続単位を介して、例えばペプチドまたはペプチド模倣体の一つの官能単位に特異的にカップリングすることができる。該前駆体の、それ故、該放射化学的化合物の接続単位は、一般式Iの接続単位であることができる:
式中、Aは結合手であり、それを介して接続単位がスペーサ基と結合され、そしてm及びnは、同一かもしくは互いに異なり、それぞれ0〜10の整数である。それ故、m及びnは、互いに独立してそれぞれ0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であることができる。好ましくは、mは1であり、及びnは1である。式I中に示される接続単位は、タンパク質PSMA(前立腺特異的膜抗原)に結合することができる。PSMAは、哺乳類の前立腺に発現されるタンパク質である。これは、前立腺癌では、健康な前立腺と比べるとより高い程度で発現される。
該前駆体の、それ故、放射化学的化合物のスペーサ基は、好ましくは、一般式IIまたは一般式IIIのスペーサ基である:
式中、Aは結合手であり、これを介してスペーサ基が接続単位と結合し、Aも結合手であり、これを介してスペーサ基が、前駆体のまたは放射化学的化合物の芳香族またはヘテロ芳香族環と結合し、Rは、水素または置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキル基であり、そしてZは、置換されていないかまたは一つもしくは複数の置換基を持つ炭化水素である。好ましくは、Rは水素である。
本発明の一つの実施形態では、Zは、式VIIの基である:
Z基が式VIIに示した意味を有する式IIIのスペーサ基の一つを、式IIIaに示す:
式中、Rは先に定義した通りである。好ましくは、Rは水素である。
本発明によれば、該ラジオフッ素化化合物を与える活性化塩の存在下での該前駆体と[18F]フッ化物アニオンとの反応が企図される。この場合、置換基Yは[18F]フッ化物によって置き換えられる。前記活性化塩は、[18F]フッ化物アニオンの活性化に役立つ。前記活性化塩は、一般式N(R)を持つカチオンを含み、ここでR、R、R及びRは、同じかまたは互いに異なっており、それぞれ置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキルである。このような活性化塩は、ここに記載の前駆体からラジオフッ素化化合物への反応のためだけでなく、他の前駆体のラジオフッ素化のためにも適していることが判明した。好ましくは、R、R、R及びRは、それぞれ置換されていないC〜Cアルキルであり、より好ましくはプロピル、ブチルまたはペンチルであり、特に好ましくはそれぞれn−ブチルである。好ましくは、該活性化塩は、炭酸水素イオン(HCO )、硫酸水素イオン(HSO )、シュウ酸イオン、リン酸イオン及びトルエンスルホン酸イオンを含む群から選択されるアニオンを含む。炭酸水素イオン及びリン酸イオンがより好ましい。リン酸イオンが特に好ましい。該活性化塩においては、一般式N(R)を有するカチオンとアニオンは化学理論的比率で存在する。好ましい実施形態の一つでは、活性化塩は、テトラ−n−ブチル−アンモニウム−炭酸水素塩またはテトラ−n−ブチル−アンモニウム−リン酸塩であり、ここでテトラ−n−ブチル−アンモニウム−リン酸塩が特に好ましい。カチオンとしてテトラ−n−ブチル−アンモニウムを含む活性化塩は、以下ではTBAとも称する。
一般式N(R)を有するカチオンであって、式中、R、R、R及びRが同一かもしくは互いに異なりそしてそれぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルであるカチオン、及びアニオンとしての硫酸水素イオン、シュウ酸イオン、リン酸イオン及びトルエンスルホン酸イオンを含む活性化塩の、[18F]フッ化物アニオンの活性化のための使用は、これまで知られていない。これらの活性化塩は、ここに記載の前駆体からラジオフッ素化化合物への反応には限定されず、他の前駆体のラジオフッ素化のためにも使用できる。好ましくは、前記硫酸水素塩、シュウ酸塩、リン酸塩及びトルエンスルホン酸塩中のR、R、R及びRは、それぞれ置換されていないC〜Cアルキルであり、より好ましくはプロピル、ブチルまたはペンチルであり、特に好ましくはそれぞれn−ブチルである。炭酸水素塩及びリン酸塩がより好ましい。リン酸塩が特に好ましい。好ましい実施形態の一つでは、活性化塩は、テトラ−n−ブチル−アンモニウム−炭酸水素塩またはテトラ−n−ブチル−アンモニウム−リン酸塩であり、ここでテトラ−n−ブチル−アンモニウム−リン酸塩が特に好ましい。
該活性化塩は、好ましくは極性溶液として存在し、特に好ましくは水または含水溶剤混合物と溶液として存在する。前記溶剤混合物は、例えばエタノールなどのアルコールと混合した水であることができる。アルコールの添加は、溶液の安定化に役立つ。前記活性化塩は、例えば0.001〜0.1M溶液、特に0.075M溶液として調製することができる。
該ラジオフッ素化化合物は、例えば[18F]−DCFPyL(上記式1参照)または[18F]F−PSMA−1007(上記式2参照)である。[18F]−DCFPyLの製造のために好ましい前駆体の一つは、一般式IVの化合物である:
式中、置換基Yは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fまたは−Iからなる群から選択され、そしてR、R及びRは、同じまたは互いに異なり、そしてそれぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。式IVに示される前駆体の接続単位は、m及びnがそれぞれ1である式Iに示される接続単位に相当する。
18F]−DCFPyLの製造のためにより好ましい前駆体の一つは、一般式IVaの化合物である:
式中、R、R及びRは、同じまたは互いに異なり、それぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。特に好ましくは、R、R及びRはそれぞれメチルである。R、R及びRがそれぞれメチルである式IVaの前駆体の一つは、式IVbに具体的に説明される。
18F]F−PSMA−1007の製造のために好ましい前駆体の一つは、一般式Vの化合物である:
式中、置換基Yは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fまたは−Iからなる群から選択され、そしてR、R及びRは、同じまたは互いに異なり、そしてそれぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。式Vに示される前駆体の接続単位は、m及びnがそれぞれ1である式Iに示される接続単位に相当する。
18F]F−PSMA−1007の製造のためにより好ましい前駆体の一つは、一般式Vaの化合物である:
式中、R、R及びRは、同じまたは互いに異なり、それぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。特に好ましくは、R、R及びRはそれぞれメチルである。R、R及びRがそれぞれメチルである式Vaの前駆体の一つは、式Vbに具体的に説明される。
該前駆体は、好ましくは非プロトン性極性溶剤、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合物中に用意される。
ステップ(b)で使用される[18F]フッ化物アニオンは、既知の方法を用いて製造できる。例えば、該[18F]フッ化物アニオンは、サイクロトロン中で、9.6MeVのエネルギーのプロトンで少なくとも97%濃度に富化されたH 18Oを照射して製造される。こうして得られた水性[18F]フッ化物溶液は、アニオン交換カートリッジ(QMA)に固定し、そして相間移動触媒(PTC)、例えばクラウンエーテル、第四級アンモニウム塩またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩を用いて反応容器中に移行させる。PTCとしては、好ましくは、[2,2,2]クリプタンド(Kryptofix(登録商標)またはK222)、テトラ−n−ブチル−アンモニウムリン酸塩、−水酸化物、−シュウ酸塩、トルエンスルホン酸塩、または選択的に他のクラウンエーテル、例えば18−クラウン−6が利用される。共沸脱水の後に、前駆体を有機溶剤中に溶解し、そして乾燥した反応混合物に加える。この有機溶剤は、非プロトン性の極性溶剤、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合物であることができる。好ましくは、ジメチルスルホキシドが溶剤として使用される。
ステップ(b)は、好ましくは、熱反応方式下に閉鎖された反応容器中で高められた温度で行う。本発明による方法のステップ(b)は、好ましくは非プロトン性の極性溶剤、例えばアセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはこれらの混合物中で行われる。好ましくは、ジメチルスルホキシドが溶剤として使用される。好ましくは、該方法は1〜8のpH値で行われる。好ましくは、pH値は4〜8の範囲で、特に好ましくは5である。しかし、該方法は、8超のpH値で行うこともでき、しかし収率が低下する。本発明者らは、驚くべきことに、ちょうど4〜8の範囲のpH値において、生成する副成化合物がより少なく、かつ極めて高い標識収率を達成できることが見出した。
本発明の方法のステップ(b)は、好ましくは1〜60分間、より好ましくは3〜30分間、特に好ましくは8〜20分間行われる。
本発明による方法のステップ(b)は、好ましくは100℃未満の温度、より好ましくは室温と95℃との間の温度、更により好ましくは室温と90℃との間の温度、特に好ましくは70℃と90℃との間の温度で行われる。
本発明による方法のステップ(b)は、マイクロ波援助反応としても行うことができる。このためには、閉鎖された特殊な反応器に対し、50〜150W、好ましくは75〜85Wの出力のマイクロ波を照射する。
標識収率及び放射活性副生成物の測定のためには、薄層クロマトグラフィ(DC)及び高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用できる。
スキーム3は、本発明の方法の好ましい実施形態の一つを具体的に説明するものである。ここでは、式IVの前駆体が、[18F]フッ化物アニオン及び活性化塩の存在下に[18F]DCFPyLに転化される:
前記前駆体は、アニオンのCFCOOの代わりに他のアニオンを有してもよいことを指摘しておく。好ましくは、活性化塩は、TBA、特に好ましくはTBAリン酸塩である。
スキーム3aは、本発明の方法の好ましい実施形態の一つを具体的に説明するものである。ここでは、式IVaの前駆体が、[18F]フッ化物アニオン及び活性化塩の存在下に[18F]DCFPyLに転化される:
前記前駆体は、アニオンのCFCOOの代わりに他のアニオンを有してもよいことを指摘しておく。好ましくは、活性化塩は、TBA、特に好ましくはTBAリン酸塩である。
好ましい実施形態の一つでは、スキーム3bに示すように、式IVbの前駆体を、[18F]DCFPyLを製造するために、[18F]フッ素アニオン及び活性化塩としてのTBA、好ましくはTBAリン酸塩の存在下に反応させる。
前記前駆体は、アニオンのCFCOOの代わりに他のアニオンを有してもよいことを指摘しておく。
スキーム4は、本発明の方法の好ましい実施形態の一つを具体的に説明するものである。ここでは、式Vの前駆体を、[18F]フッ化物アニオン及び活性化塩の存在下に[18F]F−PSMA−1007に転化する:
前記前駆体は、アニオンのCFCOOの代わりに他のアニオンを有してもよいことを指摘しておく。好ましくは、活性化塩は、TBA、特に好ましくはTBAリン酸塩である。
スキーム4aは、本発明の方法の好ましい実施形態の一つを具体的に説明するものである。ここでは、式Vaの前駆体を、[18F]フッ化物アニオン及び活性化塩の存在下に[18F]F−PSMA−1007に転化する。
前記前駆体は、アニオンのCFCOOの代わりに他のアニオンを有してもよいことを指摘しておく。好ましくは、活性化塩は、TBA、特に好ましくはTBAリン酸塩である。
特に好ましい実施形態の一つでは、スキーム4bに示すように、式Vbの前駆体を、[18F]F−PSMA−1007の製造のために、[18F]フッ素−アニオン及び活性化塩としてのTBA、好ましくはTBAリン酸塩の存在下に反応させる。
前記前駆体は、アニオンのCFCOOの代わりに他のアニオンを有してもよいことを指摘しておく。
更に、本発明に従い、ラジオフッ素化化合物の製造のための前駆体が企図される。該前駆体は、置換基Yを有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できる接続単位、並びに前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環を前記接続単位と結合するスペーサ基を含む。前記接続単位は、少なくとも一つの第二の置換基を有し、これは、−OH、−CONH及び−COOHからなる群から選択され、ここで、前記接続単位は、結合手Aを介して前記スペーサ基と結合し、そして前記スペーサ基は結合手Aを介して芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合する。この際、置換基Yは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fまたは−Iからなる群から選択され、R、R及びRは、同一かもしくは互いに異なり、それぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。本発明による前駆体の更なる詳細は、本発明の方法に関連して上述した通りである。
更に、本発明によれば、[18F]フッ素を第一の置換基として有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できる接続単位、並びに前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環を前記接続単位と結合するスペーサ基を含むラジオフッ素化化合物を製造するための、本発明による前駆体の使用が企図される。前記接続単位は、−OH、−CONH及び−COOHからなる群から選択される少なくとも一つの第二の置換基を有することができ、ここで、前記接続単位は、結合手Aを介して前記スペーサ基と、そして前記スペーサ基は、結合手Aを介して前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合している。
本発明は、上記のラジオフッ素化化合物の単段階合成を可能にする。それ故、一方では、合成時間の短縮が達成される。他方で、達成される標識収率は、文献に既知の二段階プロセスと比べて、二倍超高くなり得る。加えて、単段階合成の反応生成物は、より簡単に精製でき、装置に費用がかかるHPLCを無しで済ませることができる。該ラジオフッ素化化合物は、非常に簡単にかつ低時間集約的に、カートリッジ、すなわちSPEカートリッジで精製できる。更に、GMP環境(GMP=Good Manufacturing Practice(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準))において濃縮された酸及び塩基を避けることが好ましい、というのは、GMP領域ではしばしば腐食し易いステンレススチールが使用されるからである。本発明による方法の簡単さは、(例えば通例の合成モジュールで一回限りのカセット及び試薬キットを用いた)本発明によるラジオフッ素化化合物の自動的合成を可能にする。精製は、合成中にSPEカセットを用いて行うことができ、そうして、合成の終了後には、本発明によるラジオフッ素化化合物の直ぐに使用できる状態の溶液を提供することができる。
本発明による前駆体は、少なくとも一つの第二の置換基を有し、すなわち目的の化合物、すなわちラジオフッ素化化合物も有する少なくとも一つの未保護のOH−、CONH−及び/またはCOOHー基を有する。未保護のOH−、CONH−及びCOOH−基を有する化合物への放射性標識が機能することは予期できなかった。本発明を用いることで、自動化された合成の、それ故、ラジオフッ素化化合物の製造の本質的な簡素化をプラクチスで達成できる、というのも、この合成は、これまでのように少なくとも二つの段階でではなく、今や一つの段階で明らかな時間の節約の下に可能であるからである。この時間の節約は、本質的に高められた収率、それ故及びラジオフッ素化化合物のより簡単でかつより高い入手可能性を可能にする。それ故、一つの標識合成から、より高い活性を得ることができ、それ故、該ラジオ合成で製造されるラジオフッ素化化合物を放射性トレーサとして使用する場合に、より多くの患者を検査することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳しく説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
例1
式IVbの前駆体の合成
出発化合物VIの合成は、文献記載の方法に類似して行った(Ravert et al.,J.Label Compd.Radiopharm 2016,59,439〜50(非特許文献2);Bouvet et al.,EJNMMMI Research,2016,6:40(非特許文献3)。23.5mlのトリフルオロ酢酸、0.62mlのトリイソプロピルシラン及び0.62mlの水からなる混合物中に、2.48gの出発化合物XXを溶解し、そして3時間、室温で攪拌した。次いで、この反応混合物を、氷浴冷却及び強攪拌下に241mlのMTBエーテル中に滴下した。析出した白色の固形物をフリットを介して吸引濾過し、そして100mlのMTBエーテルで二度洗浄した。1.82g(84%)の式IVbの前駆体(=5−((S)−5−カルボキシ−5−(3−((S)−1,3−ジカルボキシ−プロピル)ウレイド)ペンチル−カルバモイル)−N,N,N−トリメチルピリジン−2−アミニウム−2,2,2−トリフルオロアセテート)が白色の固形物として単離された。
例2
式Vbの前駆体の合成
出発化合物VIIIの合成は、文献記載の方法に類似して行った(Cardinale et al.,J.Nucl.Med.2016(非特許文献5)(発行に向けて受領済み);WO2015/062370A1(特許文献2))。0.2mmolの出発化合物VIIIを3.5mlのジメチルホルムアミド中で30分間震盪した。その後、109mgのN,N,N−トリメチル−5−((2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)カルボニル)ピリジン−2−アミニウムクロライド(Olberg et al.,J.Med.Chem.2010,53,1732−1740(非特許文献6))及び0.042mlのトリエチルアミンを添加した。この反応混合物を2時間震盪し、その後、樹脂を濾過し、DMFで三回、ジクロロメタンで三回洗浄した。開裂及び解保護のために、樹脂を、4mlのトリフルオロ酢酸、0.11mlのトリイソプロピルシラン及び0.11mlの水からなる混合物中で90分間震盪した。次いで、この混合物を濾過し、そして濾液を40mlのMTBエーテル中に滴下した。この混合物を遠心分離し、上澄み液をピペットで除き、そして残りをMTBエーテルで3回洗浄した。精製はHPLCで行った。172mg(72%)の式Vbの前駆体(=5−((S)−4−カルボキシ−1−((S)−4−カルボキシ−1−(4−((S)−1−((S)−5−カルボキシ−5−(3−((S)−1,3−ジカルボキシ−プロピル)−ウレイド)ペンチルアミノ)−3−(ナフタレン−2−イル)−1−オキソプロパン−2−イルカルバモイル)−ベンジルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルカルバモイル)−N,N,N−トリメチルピリジン−2−アミニウム−2,2,2−トリフルオロアセテート)が白色の固形物として単離された。
例3
テトラ−n−ブチル−アンモニウム−炭酸水素塩の存在下での式IVbの前駆体から[18F]DCFPyLへの転化
1mlのDMF中の7.5mgの式IVbの前駆体、1mlの0.075Mテトラ−n−ブチル−アンモニウム−炭酸水素塩(TBA−HCO)及び[18F]フッ化物アニオンからなる反応混合物を、約8.5のpH値で14分間、75℃で反応させた。47.9%の[18F]DCFPyLが得られた。更に、放射活性副生化合物が検出できた。[18F]フッ化物の割合は28.6%であった。
例4
テトラ−n−ブチル−アンモニウム−トルエンスルホン酸塩の存在下での式IVbの前駆体から[18F]DCFPyLへの転化
1mlのDMF中の7.5mgの式IVbの前駆体、750μlの0.075Mテトラ−n−ブチル−アンモニウム−トルエンスルホン酸塩(TBA−トルエンスルホン酸塩)及び[18F]フッ化物アニオンからなる反応混合物を約5.0のpH値で14分間、75℃で反応させた。37.4%の[18F]DCFPyL及び30.9%の[18F]フッ化物が検出された。その他、放射活性副生化合物が検出され、その割合は約30%であった。
例5
テトラ−n−ブチル−アンモニウムリン酸塩の存在下での式IVbの前駆体から[18F]DCFPyLへの転化
1.5mlのDMF中の2.5mgの式IVbの前駆体、750μlの0.075Mテトラ−n−ブチル−アンモニウムリン酸塩(TBAリン酸塩)及び[18F]フッ化物アニオンからなる反応混合物を、約4.7のpH値で10分間、85℃で反応させた。これらの条件下に、前駆体がほぼ定量的に[18F]DCFPyLに転化された(97.0%)。これらの副生化合物は2%未満まで減少でき、残りの[18F]フッ化物はなおも痕跡量のみで検出できた。
例6
テトラ−n−ブチル−アンモニウム硫酸水素塩の存在下での式IVbの前駆体から[18F」DCFPyLへの転化
1mlのDMF中の7.5mgの式IVbの前駆体、750μlの0.075Mテトラ−n−ブチル−アンモニウム硫酸水素塩(TBA硫酸水素塩)及び[18F]フッ化物アニオンからなる反応混合物を、約1.7のpH値で14分間、75℃で反応させた。15.6%の[18F]DCFPyLが得られ、これに対し[18F]フッ化物の割合は73.4%であった。それ故、[18F]フッ化物アニオンを用いた標識は比較的悪かった。
例3〜6は、単段階プロセスでの活性化塩としてのTBAの存在下での式IVbの前駆体と[18F]フッ化物アニオンとの反応が、ラジオ活性化化合物[18F]DCFPyLを比較的高い収率で与えることを示している。例5は、TBAリン酸塩を用いた場合、弱酸性のpH範囲では、痕跡量の副生化合物しか生じず、極めて高い標識収率を達成できることを示している。
例7
テトラ−n−ブチル−アンモニウム炭酸水素塩の存在下での式Vbの前駆体から[18F]−PSMA−1007への転化
1mlのアセトニトリル及び600μlのDMFからなる混合物中の10mgの式Vbの前駆体、750μlの0.075M TBA−炭酸水素塩及び[18F]フッ化物アニオンからなる反応混合物を、約7のpH値において10分間、120℃でインキュベートした。37.9%の遊離の[18F]フッ化物の他に、59.3%の[18F]F−PSMA−1007が検出された。放射活性の副生成物が痕跡量で検出され得た。
例8
テトラ−n−ブチル−アンモニウム炭酸水素塩の存在下での式Vbの前駆体から[18F]−PSMA−1007への転化
1.5mlのDMF中の2.5mgの式Vbの前駆体、750μlの0.075M TBA炭酸水素塩及び[18F]フッ化物アニオンからなる反応混合物を、約7のpH値で10分間、85℃でインキュベートした。8.2%の遊離の[18F]フッ化物の他に90.7%の[18F]PSMA−1007が検出された。放射活性の副生成物が痕跡量で検出できた。
例9
テトラ−n−ブチル−アンモニウムリン酸塩の存在下での式Vbの前駆体から[18F]PSMA−1007への転化
1.5mlのDMF中の2.5mgの式Vbの前駆体、750μlの0.075M TBA硫酸塩及び[18F]フッ化物アニオンからなる反応混合物を、約4.7のpH値で10分間、85℃でインキュベートした。所望の生成物である[18F]PSMA−1007が定量的に形成した(99.6%)。遊離の[18F]フッ化物は、痕跡量のみで検出できた。
例7〜9は、一段階プロセスでの活性化塩としてのTBAの存在下での式Vbの前駆体と[18F]フッ化物アニオンとの反応が、ラジオフッ素化化合物[18F]PSMA−1007を比較的高い収率で与えることを示している。例9は、TBAリン酸塩を用いた場合、弱酸性pH範囲において定量的な標識収率を達成できることを示している。
例10
合成モジュールGE TRACERlab(登録商標)MXFDGを用いた、テトラ−n−ブチル−アンモニウム炭酸水素塩の存在下での式Vbの前駆体から[18F]PSMA−1007への完全自動化転化
溶剤耐性の栓を用いて、[18F]PSMA−1007の合成のためのカセットを、FDF合成カセットに類似してGE TRACERlab(登録商標)MXFDGに設置し、そして合成シーケンスを開発した。詳しくは、合成は、以下のステップに従い進行する:QMAカセット上での[18F]フッ化物の濃縮、0.750mlのTBA炭酸水素塩を用いた溶離、及びその後の95℃で15分間の乾燥、2mlのDMF中の3mgの式Vbの前駆体を用いた85℃で14分間の放射性標識、SPE精製及び再調合。[18F]PSMAー1007を、>40%の放射化学的収率で得ることができた。放射化学的純度は>95%であった。

Claims (15)

  1. 18F]フッ素を第一の置換基として有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できる接続単位、並びに前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環を前記接続単位と結合するスペーサ基を含むラジオフッ素化化合物において、前記接続単位が、−OH、−CONH及び−COOHからなる群から選択される少なくとも一つの第二の置換基を有し、前記接続単位は結合手Aを介して前記スペーサ基と、前記スペーサ基は結合手Aを介して前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合しているラジオフッ素化化合物を製造する方法であって、
    (a)置換基Yを有する前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できかつ少なくとも一つの第二の置換基を有する前記接続単位、並びに前記スペーサ基を含む前駆体を提供し、ただし前記置換基Yは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fまたは−Iからなる群から選択され、及びR、R及びRは、同一かもしくは互いに異なり、それぞれ置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキルであるステップ; 及び
    (b)活性化塩の存在下に前記前駆体を[18F]フッ化物アニオンと反応させてラジオフッ素化化合物とし、この際、前記置換基Yは、[18F]フッ化物に置き換えられ、及び前記活性化塩は、一般式N(R)を有するカチオンを含み、ここでR、R、R及びRは、同一かもしくは互いに異なり、そしてそれぞれ置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキルである、ステップ、
    を含む前記方法。
  2. 、R及びRがそれぞれメチルであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 、R、R及びRがそれぞれn−ブチルであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記活性化塩が、炭酸水素イオン、硫酸水素イオン、シュウ酸イオン、リン酸イオン及びトルエンスルホン酸イオンを含む群から選択されるアニオンを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記活性化塩が、テトラ−n−ブチルアンモニウム炭酸水素塩であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 前記接続単位が、以下の一般式Iの接続単位であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
    式中、Aは、それを介して接続単位がスペーサ基と結合する結合手であり、m及びnは、同一かもしくは互いに異なりそしてそれぞれ0〜10の整数である。
  7. 前記スペーサ基が、以下の一般式IIまたは一般式IIIのスペーサ基であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
    式中、Aは、それを介してスペーサ基が接続単位と結合する結合手であり、Aは、それを介してスペーサ基が前駆体のもしくはラジオフッ素化化合物の芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合する結合手であり、Rは水素または置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキル基であり、そしてZは、置換されていないかまたは単置換もしくは多置換された炭化水素である。
  8. Zが次式VIIの基であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. ラジオフッ素化化合物の製造のための前駆体であって、前記前駆体は、置換基Yを有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体に接続できる接続単位、並びに前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環を前記接続単位と結合するスペーサ基を含み、前記接続単位は、−OH、−CONH及び−COOHからなる群から選択される少なくとも一つの第二の置換基を有し、前記接続単位は、結合手Aを介して前記スペーサ基と、前記スペーサ基は、結合手Aを介して前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合し、前記置換基Yは、−N(R)、−NO、−Cl、−Br、−Fもしくは−Iからなる群から選択され、そしてR、R及びRは、同一かもしくは互いに異なり、それぞれ置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキルである、前記前駆体。
  10. 前記接続単位が、以下の一般式Iの接続単位であることを特徴とする、請求項9に記載の前駆体。
    式中、Aは結合手であり、それを介して接続単位がスペーサ基と結合され、そしてm及びnは、同一かもしくは互いに異なり、それぞれ0〜10の整数である。
  11. 前記スペーサ基が、以下の一般式IIまたは一般式IIIのスペーサ基であることを特徴とする、請求項9または10に記載の前駆体。
    式中、Aは、それを介してスペーサ基が接続単位と結合する結合手であり、Aは、それを介してスペーサ基が前駆体のもしくはラジオフッ素化化合物の芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合する結合手であり、Rは水素または置換されていないかもしくは置換されたC〜Cアルキル基であり、そしてZは、置換されていないかまたは単置換もしくは多置換された炭化水素である。
  12. Zが次式VIIの基であることを特徴とする、請求項11に記載の前駆体。
  13. 次式IVaの化合物であることを特徴とする、ラジオフッ素化化合物の製造のための前駆体。
    式中、R、R及びRは、同じまたは互いに異なり、それぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。
  14. 次の式Vaの化合物であることを特徴とする、ラジオフッ素化化合物の製造のための前駆体。
    式中、R、R及びRは、同じまたは互いに異なり、それぞれ置換されていないかまたは置換されたC〜Cアルキルである。
  15. 18F]フッ素を第一の置換基として有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環、ペプチドもしくはペプチド模倣体と接続できる接続単位、並びに前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環を前記接続単位と結合するスペーサ基を含み、ここで前記接続単位は、−OH、−CONH及び−COOHからなる群から選択される少なくとも一つの第二の置換基を有し、前記接続単位は、結合手Aを介してスペーサ基と、前記スペーサ基は、結合手Aを介して前記芳香族もしくはヘテロ芳香族環と結合しているラジオフッ素化化合物の製造のための、請求項9〜14のいずれか一つに記載の前駆体の使用。
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