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原子層堆積のための装置および方法
本発明は、全般的には原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)に関する。より具体的には、本発明は、原子層堆積(ALD)のためのシステムに関するが、これに限定されない。
発明の背景
本セクションは、現況技術を代表する本明細書に記載の任意の技術を含めない、有用な背景情報を示す。
原子層堆積(ALD)でコーティングされる基板バッチ処理は、使いやすさ、高品質のコーティングおよび最適化されたスループットを提供するシステムによって行われることが好ましい。
ハイスループットのために自動化基板ハンドリングを用いた処理を提供しようとした従来技術の原子層堆積システムが存在する。幾分関連したシステムが、例えば以下の刊行物に開示されている。
US2007/0295274は、ハイスループットおよび最小設置面積のために構成されたALDまたはCVD処理に使用されるバッチ処理プラットフォームを開示している。一実施形態では、処理プラットフォームは、大気移送領域と、バッファ室およびステージングプラットフォームを有する少なくとも1つのバッチ処理室と、搬送領域に配置された移送ロボットとを備え、移送ロボットは複数の基板ハンドリングブレードを備えた少なくとも1つの基板移送アームを有する。
EP2,249,379は、真空状態で維持されうる室と、室内に配置され、所定のピッチで互いに積層される複数の基板を支持する基板支持部材と、基板支持部材を上方または下方に移動させる基板移動デバイスと、基板支持部材内で積層された各基板が延びる方向に平行な方向にガスを連続的に噴霧するガス噴霧デバイスと、ガス噴霧デバイスの室の反対側に配置され、ガス噴霧デバイスから噴霧されたガスを吸引し排気するガス排出デバイスとを備えたバッチ式ALD装置を開示している。
US4,582,720は、隣り合っている室間にシャッタを備えて連続配置された基板導入室と、反応室と、基板除去室とを備えた、非単結晶層を形成するための装置を開示している。1つまたは複数の基板は、その表面が垂直平面内に横たわるホルダに設置され、次々に基板導入室、反応室および基板除去室に運ばれる。
US2001/0013312は、基板を、気相反応物質の交互に繰り返される表面反応に暴露することによって、基板表面上に薄膜を成長させる装置を開示している。この装置は、密閉可能構造を有する少なくとも1つの処理室と、前記処理室の内部に適合するのに適した構造を有し、少なくとも一部が可動である反応空間を含む少なくとも1つの反応室と、前記反応物質を前記反応空間に供給するために前記反応空間に接続可能な送り込み手段と、余分な反応物質および反応ガスを前記反応空間から排出するために前記反応空間に接続可能な送り出し手段と、前記反応空間内に適合する少なくとも1つの基板とを備える。
US2010/0028122は、複数のALD反応炉が互いに対してパターンで配置され、各ALD反応炉がALD処理のために基板バッチを受け取るように構成され、各ALD反応炉が上方からアクセス可能な反応室を備える装置を開示している。複数のロードシーケンスは、ロードロボットにより行われる。
WO2014/080067は、複数の基板を堆積反応炉のロード室内の基板ホルダにロードして、前記基板ホルダ内の水平に配向された基板の垂直スタックを形成し、基板ホルダを回転させて、垂直に配向された基板の水平スタックを形成し、堆積のために堆積反応炉の反応室内へと基板ホルダを下ろす装置を開示している。
本発明の目的は、ハイスループットバッチ処理を用いる改善された原子層堆積システムを提供することである。
摘要
本発明の第1の例示的な態様によれば、原子層堆積(ALD)のためのシステムが提供される。このシステムは、
・ 真空室、前記真空室内の反応室、および前記反応室内に水平なガス流を提供するように構成されたガス入口構成およびフォアラインを備えた反応室要素と、
・ 反応室蓋を含むアクチュエータ構成と、
・ 第1のロードロックを備えた少なくとも第1のロードロック要素と、
を備え、
前記アクチュエータ構成は、処理される基板または基板バッチを受け取り、前記第1のロードロックを通して前記真空室内に前記基板または前記基板バッチを水平に移送するように構成され、
前記アクチュエータ構成は、前記真空室内の前記基板または前記基板バッチを前記反応室内に下ろすことによって前記反応室を前記蓋で閉鎖するようにさらに構成される。
前記基板または基板バッチとしては、例えば、ウェハ、ガラス、シリコン、金属またはポリマー基板、プリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)、および3D基板が挙げられる。
特定の例示的実施形態では、前記反応室内のガスが、(実質的に)横断構造と衝突することなく、前記ガス入口構成から前記反応室を横切り、前記基板表面に沿って前記フォアラインまで移動する、貫流型反応室(またはクロスフロー反応炉)が提供される。
特定の例示的実施形態では、前記基板は前記反応室内のガス流の方向に配向される。特定の例示的実施形態では、前記反応室内の(原子層堆積に暴露される)前記基板の表面は、前記反応室内の前駆体ガス流の方向と平行である。
特定の例示的実施形態では、前記基板バッチ内の基板は、水平に配向され、水平に配向された基板の垂直スタックを形成する。特定の例示的実施形態では、前記基板バッチ内の基板は、垂直方向に配向され、垂直方向に配向された基板の水平スタックを形成する。
特定の例示的実施形態では、前記ガス入口構成および前記フォアラインは前記反応室の別々の側に配置されている。特定の例示的実施形態では、前記ガス入口構成および前記フォアラインは前記反応室の反対側に配置されている。
特定の例示的実施形態では、前記アクチュエータ構成は、前記ロードロック要素またはロードロック内で前記基板または基板バッチを受け取る。
特定の例示的実施形態では、システムは、前記基板または基板バッチを前記ロードロック要素またはロードロックに移送するように構成されたローダをさらに備える。
特定の例示的実施形態では、前記アクチュエータ構成は、前記第1のロードロック要素内の第1の水平アクチュエータと、前記反応室要素内の垂直アクチュエータとを備え、前記第1の水平アクチュエータは、前記基板または前記基板バッチを受け取り、前記第1のロードロックを通して前記真空室内に前記基板または前記基板バッチを水平に移送するように構成され、前記垂直アクチュエータは、前記第1の水平アクチュエータから前記基板または前記基板バッチを受け取り、前記反応室内に前記基板または前記基板バッチを下ろすように構成されている。特定の例示的実施形態では、前記垂直アクチュエータは、前記基板または前記基板バッチを保持する基板ホルダを持ち上げて、前記基板ホルダ上の前記水平アクチュエータのグリップを解放するように構成されている。
特定の例示的実施形態では、前記基板または基板バッチは、これらがロードされる際に通るものとは別の開口部を通してアンロードされる。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、第2のロードロックを含む第2のロードロック要素を備える。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記第1のロードロックと前記真空室のロード開口部との間の第1のロードバルブを備える。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記第1のロードロックと前記真空室のロード開口部との間の第1のロードバルブと、前記第2のロードロックと前記真空室のロード開口部との間の第2のロードバルブとを備える。
特定の例示的実施形態では、前記アクチュエータ構成は、前記第2のロードロック要素内に第2の水平アクチュエータを備える。特定の例示的実施形態では、前記第2の水平アクチュエータは、前記垂直アクチュエータから前記基板または基板バッチを受け取るように構成されている。
特定の例示的実施形態では、前記第1のロードロックは限られた閉鎖容積を形成し、前記アクチュエータ構成の一部を構成する。
前記アクチュエータ構成は、前記第1のロードロック要素および前記反応室要素の両方(ならびに、特定の実施形態では前記第2のロードロック要素)に部品を有するアクチュエータ構成であってもよい。特定の例示的実施形態では、前記システムは自動化基板ハンドリングを提供するように構成されている。特定の例示的実施形態では、前記自動化基板ハンドリングは、前記第1のロードロック要素または前記ロードロックから前記反応室要素の前記反応室内に、前記基板または基板バッチを自動的に(人手を介さずに)移送することを含む。特定の例示的実施形態では、前記自動化基板ハンドリングは、前記反応室から前記第1または第2のロードロック要素または前記ロードロックに、前記基板または基板バッチを自動的に(人手を介さずに)移送することをさらに含む。特定の例示的実施形態では、前記自動化基板ハンドリングは、ロードモジュールから前記第1のロードロック要素または前記ロードロック内に、前記基板または基板バッチを自動的に(人手を介さずに)移送することを含む。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、装置前面モジュールなどのロードモジュール、および/または前記第1のロードロック要素に接続されたロードロボットを備える。
特定の例示的実施形態では、前記真空室は、前記真空室の少なくとも1つのロード開口部の前に移動されるように構成された少なくとも1つのシールド要素を備える。
特定の例示的実施形態では、前記少なくとも1つのシールド要素は、複数のアクチュエータと共に、かつ/または前記複数のロードバルブの開閉と同期して、移動するように構成されている。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、残留ガス分析器(Residual Gas Analyzer:RGA)を備え、かつ前記第1および/もしくは前記第2のロードロック要素に、かつ/または前記フォアラインに接続された、少なくとも1つの残留ガス分析器要素を備える。特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記RGAから受信した情報に基づきプロセスタイミングを制御するように構成されている。このプロセスタイミングは、例えば、前記ロードロック内の基板または基板バッチの前処理時間、または前駆体パルスの開始時点を指してもよい。
特定の例示的実施形態では、前記RGAは、前記反応室内のクリーニングおよび/または反応物質の送り込みおよび/またはパルスシーケンスのタイミングを、ユーザに調整させるかまたは自動的に調整するために、前記反応室からの流出ガスを分析するように構成されている。特定の例示的実施形態では、前記RGAは前記システム内の漏れを検出するように構成されている。
特定の例示的実施形態では、前記反応室は、取り外し可能なまたは固定された流れガイド要素を備える。特定の例示的実施形態では、前記流れガイド要素は複数の開口部を備える。特定の例示的実施形態では、前記流れガイド要素は固定されたまたは取り外し可能なフレームに取り付けられる。特定の例示的要素では、前記流れガイド要素は、前記反応室のガス入口側に配置されている。特定の例示的実施形態では、前記反応室は、前記反応室の排気側に取り外し可能なまたは固定された流れガイド要素を備える。特定の例示的実施形態では、前記反応室は両方の流れガイド、すなわち、前記ガス入口側にある流れガイドと、フォアライン(排気)側にある流れガイドとを備える。特定の例示的実施形態では、前記反応室要素内の圧力および流れに作用する、制御されたフォアライン流が提供される。前記流れガイド要素は、前記反応室要素内のガス流および圧力に対して制御された作用をもたらし、それによってコーティングの均一性を最適化できる可能性が向上する。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記反応室要素に接続された少なくとも1つの加熱供給源要素を備える。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記真空室内を通る供給源入口を備える。特定の例示的実施形態では、前記システムは、入口ライン内の前駆体化学物質の温度を安定させるために前記真空室内の回り道を通る反応室供給源入口ラインを備えた温度安定化構成を備える。これは、前記真空室の外側から反応室まで実質的に最短の経路を通る反応室供給源入口ラインを有することとは対照的である。
特定の例示的実施形態では、前記フォアラインは前記真空室内を通る。特定の例示的実施形態における前記フォアラインは、自身への化学吸収を防止するために前記フォアラインを高温(真空室内に広がる温度付近)に保つために前記真空室の外側に向かう途中で回り道をとる。フォアラインが高温になると、より多くの化学反応が発生し、化学物質が拡散して前記反応室に戻る可能性が低下する。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、処理される前記基板または前記基板バッチを保持するためのカセットを備える。特定の例示的実施形態では、前記システムは、処理される前記基板または前記基板バッチを水平に保持するためのカセットを備える。特定の例示的実施形態では、基板はカセットなどなしで取り扱われる。
特定の例示的実施形態では、前記基板または基板バッチは、基板ホルダにより前記基板または基板バッチを保持することによって、前記ロードロックおよび前記反応室要素内で取り扱われる。前記基板ホルダは加工されていない基板を保持することができる。特定の例示的実施形態では、前記基板ホルダは、前記基板(複数可)を載せるための1つまたは複数の下敷きを備える。あるいは、前記基板ホルダは、別の基板ホルダ(例えばカセット)内に置かれた複数の基板を保持する。前記ホルダは、前記基板または基板バッチの配向を垂直方向から水平方向(または水平方向から垂直方向)に変えるために、前記真空室内で向きを変えることができる。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記反応室内で前記基板または前記基板バッチを回転させるように構成された回転機を備える。したがって、特定の例示的実施形態では、前記システムは、原子層処理中に前記反応室内で前記基板または前記基板バッチを回転させるように構成されている。特定の例示的実施形態では、前記基板または前記基板バッチを保持する前記基板ホルダは回転基板ホルダである。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記第1のロードロック要素内で前記基板または基板バッチを加熱するように構成されている。特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記第1または第2のロードロック要素内で(ALDにより処理された)前記基板または基板バッチを冷却するように構成されている。特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記第1のロードロック要素および第2のロードロック要素のうちの少なくとも一方において前記基板または前記基板バッチを加熱または冷却するように構成されている。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、ロードロック圧力を前記反応室内で使用される圧力未満に低下させるように構成されている。
特定の例示的実施形態では、前記システムは、前記ロードロック内の前記基板または前記基板バッチから流入するガスを測定するように構成されている。
本発明の第2の例示的態様によれば、原子層堆積(ALD)のためのシステムの動作方法が提供される。この動作方法は、
基板または基板バッチを第1のロードロックに移送することと、
前記基板または前記基板のバッチを前記第1のロードロックからさらに第1のロードバルブおよびロード開口部を介して真空室に水平に移送することと、
前記真空室内で前記基板または前記基板バッチを受け取り、前記真空室内の反応室内に前記基板または前記基板バッチを下ろし、この下ろす動作により、前記反応室を蓋で閉鎖することと、
前記反応室内で原子層堆積を実行することと、
前記基板または前記基板バッチを前記反応室から持ち上げることと、
前記反応室から前記基板または前記基板バッチを受け取り、前記真空室から前記第1のロードバルブまたは第2のロードバルブおよびロード開口部を介して前記第1のロードロックまたは第2のロードロック内へと、前記基板または前記基板バッチを移送することと、
を含む。
特定の例示的実施形態では、前記方法は、前記原子層堆積の前に、前記少なくとも1つのロード開口部の前に少なくとも1つのシールド要素をそれぞれ移動させることと、前記原子層堆積後に、前記少なくとも1つのロード開口部の前から前記少なくとも1つのシールド要素をそれぞれ除去することと、を含む。
特定の例示的実施形態では、前記方法は、前記システム内のカセット(または基板ホルダ)内で前記基板または基板バッチを保持することを含む。特定の例示的実施形態では、単一または複数の基板はカセットなどなしで取り扱われる。
特定の例示的実施形態では、前記方法は、前記基板または基板バッチのシステムをカセット内にロードしてから前記ロードロックに移送することを含む。特定の例示的実施形態では、前記方法は、前記基板または基板バッチのシステムを前記ロードロックからロードすることを含む。
特定の例示的実施形態では、前記方法は、水平方向に前記反応室内のガス送り込みを提供する。特定の例示的実施形態では、前記反応室内のガス送り込みは、前記基板(複数可)の水平移送方向を横切る。特定の例示的実施形態では、前記反応室内のガス送り込みは、前記基板(複数可)の水平移送方向と平行である。
特定の例示的実施形態では、前記反応室内の1種または複数種のガスの圧力または流速は、フォアライン内の流入ガス流および/または流出ガス流を制御することによって調整される。
特定の例示的実施形態では、化学的耐久性を改善し、かつ/または内側への熱反射を改善するように、前記反応室の一部を形成し、金属酸化物によって保護される1つまたは複数の表面が使用される。
第3の例示的態様によれば、原子層堆積(ALD)のためのシステムの動作方法が提供される。この動作方法は、
反応室の外側であるが真空室の内側にシールド要素を設けることと、
前記シールド要素を前記真空室内で、前記真空室のロード開口部の前に移動させることと、
前記真空室内の前記反応室内で原子層堆積を実行することと、
を含む。
第4の例示的態様によれば、原子層堆積(ALD)のための装置が提供される。この装置は、
真空室内の反応室と、
前記反応室の外側であるが前記真空室の内側にあるシールド要素と
を備え、前記装置は、
前記シールド要素を前記真空室内で、前記真空室のロード開口部の前に移動させ、
前記真空室内の前記反応室内で原子層堆積を実行する、
ように構成される。
第5の例示的態様によれば、原子層堆積(ALD)のためのシステムの動作方法が提供される。この動作方法は、
真空室内の反応室と、前記反応室から前記真空室の外側に通じるフォアラインを設けることを含み、前記方法は、
前記フォアラインが前記真空室の外側に向かう途中で前記真空室内において回り道をとることを可能にすることによって、前記フォアライン内の熱を維持することと、
を含む。
第6の例示的態様によれば、原子層堆積(ALD)のための装置が提供される。この装置は、
真空室内の反応室と、
前記反応室から前記真空室の外側に向かう途中で回り道をとるフォアラインと、
を備える。
第7の例示的態様によれば、原子層堆積(ALD)のためのシステムの動作方法が提供される。この動作方法は、
真空室内に反応室を設けることと、
前記反応室内で高感度基板または高感度基板バッチに原子層堆積を実行することと、
前記堆積後に、前記高感度基板または前記高感度基板バッチを、前記真空室を介して、前記真空室に接続されたロードロックに移送することと、
前記高感度基板または前記高感度基板バッチを、前記ロードロック内において真空中で冷却することと、
を含む。
前記高感度基板としては、例えば、ガラス、シリコン、PCBおよびポリマー基板が挙げられる。さらなる例示的実施形態では、金属基板または金属基板バッチが、前記ロードロック内において真空中で冷却される。
第8の例示的態様によれば、原子層堆積(ALD)のための装置が提供される。この装置は、
真空室内に反応室を備えた反応室要素と、
前記反応室に接続され、前記反応室からガスを導き出すように構成されたフォアラインと、
前記フォアラインに接続された残留ガス分析器と、
前記反応室要素および前記残留ガス分析器に接続された制御要素と、
を備え、
前記制御要素は、前記残留ガス分析器によって測定された受信情報によりプロセスタイミングを制御するように構成されている。
特定の例示的実施形態では、前記測定情報は、前記反応室から流出するガスの水分レベルを含む。特定の例示的実施形態では、前記測定情報は、前記反応室から出て来る反応生成物または副生成物の量に関する情報を含む。特定の例示的実施形態では、前記制御要素は、前記受信情報が所定の限度を超えた場合に前駆体パルスの開始を防ぐように構成されている。特定の例示的実施形態では、前記制御要素は、前記反応室内に化学物質が供給され、したがって反応炉の適切な機能を確認することを確実にするように構成されている。
真空中で冷却することにより、堆積される基板(複数可)を損傷する危険性が最小限に抑えられる。特定の例示的実施形態では、冷却時に前記ロードロックで使用される真空圧力は、前記真空室で使用される真空圧力と同じである。
ここまで、本発明を限定しないさまざまな例示的態様および実施形態を例示してきた。上記の実施形態は、本発明の実施に利用されうる選択された態様またはステップを説明するためにのみ使用される。いくつかの実施形態は、本発明の特定の例示的態様への言及によってのみ提示されている場合もある。対応する実施形態は他の例示的態様にも適用できることを理解されるべきである。これら実施形態は、任意かつ適切に組み合わされてもよい。
ここで添付の図面を参照して、単なる例として本発明を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの概略上面図を示す。 図2は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの概略側面図を示す。 図3は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素の概略図を示す。 図4は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素内の概略図を示す。 図5は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素内の概略図を示す。 図6は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素内の概略図を示す。 図7は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素内の概略図を示す。 図8は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室の概略側面図を示す。 図9は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素をロードする概略原理図を示す。 図10は、本発明のさらに別の実施形態による原子層堆積(ALD)システムの概略上面図を示す。 図11は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの動作方法のフローチャートを示す。 図12は、本発明の代替的実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素をロードする概略原理図を示す。 図13は、本発明のさらに別の実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素内の概略図を示す。
詳細説明
以下の説明においては、原子層堆積(ALD)技術を例として用いる。ALD成長メカニズムの基本は、当業者には公知である。ALDは、少なくとも1枚の基板に少なくとも2つの反応性前駆体種を順次導入することによる、特殊な化学的堆積法である。しかしながら、これらの反応性前駆体のうちの1つは、光エンハンストALDまたはPEALDを用いた場合にエネルギーで置き換えることができるため、単一前駆体ALDプロセスにつながることが理解されるべきである。ALDによって成長した薄膜は緻密でピンホールがなく、かつ均一の厚さを有する。
少なくとも1つの基板を通常、反応容器内で時間的に分断された前駆体パルスに暴露することで、順次自己飽和表面反応により、材料を上記基板の表面に堆積させる。本出願の文脈において、ALDという用語は、あらゆる適用可能なALDによる技術と、同等または密接に関連する技術とを含む。この例としてMLD(Molecular Layer Deposition)(分子層堆積)、PEALD(Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)(プラズマエンハンスト原子層堆積)および光エンハンスト原子層堆積(フラッシュエンハンストALDとしても知られる)などのALDのサブタイプが挙げられる。
基本的なALD堆積サイクルは、連続する4つのステップ、すなわち、パルスA、パージA、パルスB、およびパージBで構成される。パルスAは第1の前駆体蒸気で構成され、パルスBは別の前駆体蒸気で構成される。パージAおよびパージB期間中にガス状反応副生成物と残留反応物分子とを反応空間からパージするために、不活性ガスと真空ポンプとが一般に用いられる。1つの堆積シーケンスは、少なくとも1つの堆積サイクルを含む。堆積シーケンスによって所望の厚さの薄膜または被膜が生成されるまで、堆積サイクルが繰り返される。堆積サイクルはより簡単であっても、より複雑であってもよい。例えば、サイクルは、パージステップによって分かれた3つ以上の反応物質蒸気パルスを含んでもよく、または特定のパージステップを省いてもよい。これらの堆積サイクルはすべて、論理演算装置またはマイクロプロセッサによって制御される定期堆積シーケンスを形成する。
図1は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システム100の概略上面図を示す。ALDシステム100は、堆積のためにシステムにロードされる基板を受け取るように構成された第1のロードロック要素110を備える。一実施形態では、基板は、ロードのために基板ホルダまたはカセットに配置され、カセットは、ALDシステム100に含まれるカセット要素120によって取り扱われる。一実施形態では、カセット要素120は、手動でカセットをロードロック要素110にロードすることにより交換される。あるいは、基板はロードロック要素110内の基板ホルダまたはカセットにロードされる。一実施形態では、第1のロードロック要素はまた、堆積後にシステムからアンロードされる基板を受け取るように構成されている。
ALDシステム100は、単一部品の真空室を備えた反応室要素160をさらに備える。第1のロードロック要素110は、後述するように、第1のゲートバルブ要素230を介して反応室要素160に接続されている。システム100は、制御要素130と、液体およびガス供給源を備えた化学物質供給源要素140と、加熱化学物質供給源要素170とをさらに備える。さらなる実施形態では、ALDシステム100は、一実施形態ではさらなるゲートバルブ要素に接続された、列になっているいくつかの反応室要素を備える。化学物質供給源は図1の特定の側に描かれているが、一実施形態では、供給源要素140および加熱供給源要素170の位置は状況に応じて異なるように選択される。
ALDシステム100は、一実施形態では、堆積後にアンロードされる基板を受け取るように構成された第2のロードロック要素150をさらに備える。第2のロードロック要素は、後述するように、第2のゲートバルブ要素250を介して反応室要素160に接続されている。
ALDシステム100は、第1および/もしくは第2のロードロック要素に、かつ/または粒子トラップ190の前のフォアラインに接続された残留ガス分析器(RGA)180を含む残留ガス分析器要素をさらに備える。
前述および後述のALDシステム100の要素は、システムから個々に取り外し可能であるため、例えば定期的なメンテナンスの場合にアクセスしやすいことに留意されたい。
図2は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの概略側面図を示す。図2に示すシステムは、図1を参照して前述した要素を備える。
第1のロードロック要素110は、処理される基板をロードした基板ホルダ(またはカセット)を反応室要素160内に移送するように構成された第1の水平アクチュエータ210を備える。一実施形態では、第1の水平アクチュエータはリニアアクチュエータを含む。本明細書では、カセットおよび基板ホルダという用語は同じ意味で用いられる。基板がロードロック要素110にロードされるカセットは、必ずしもさらに同システム内で基板(複数可)を保持するのと同じ基板ホルダでなくてもよい。
第1のロードロック要素は第1のロードロック220をさらに含む。基板を保持するカセット/ホルダは、カセット要素120を使用して第1のロードロックにロードされる。第1のロードロック220は、基板のカセットが通って挿入されるドアを備える。代替的実施形態では、カセット(または別の基板ホルダ)からの平面基板または3D基板または基板バッチは、第1のロードロック220内で待機している基板ホルダにロードされる。したがって、基板または基板バッチは、基板(複数可)を既に保持しているカセットと一緒に、またはあるカセットから第2のカセットへとロードすることができる。一実施形態では、第1のロードロックは、大気圧での対流を用いてロードロックを所望の温度に保持するように構成された循環温度コントローラをさらに備える。
一実施形態では、ロードロックは、
・ 基板(複数可)を加熱すること、
・ 基板(複数可)を冷却すること、
・ 中間空間(すなわち、真空室壁と反応室壁との間の空間)の真空中でロードロックを排気すること、
・ 中間空間の圧力よりも低い圧力およびALD反応条件、例えば50μbarの真空中でロードロックを排気すること、
・ その温度を均一にするために、基板(複数可)を連続ガス流でパージすること、
・ 乾燥および/または清浄にするために、基板(複数可)を連続ガス流でパージすること、
・ 例えばロードロック内で動作するファンによって、ロードロック内を均一に加熱すること、
・ RGA180を使用して、流出ガスを分析すること、
のうちの1つまたは複数を実行するように構成されている。
一実施形態では、ロードロックは不活性ガス雰囲気を含む。さらなる実施形態では、ロードロックは加熱および脱気に作用するための可変真空状態を含む。一実施形態では、ロードロックは、マイクロ波などの熱放射線または電磁放射線によって加熱される。
第1のロードロック220は、一実施形態では、ロードロックを排気するように構成されたポンプ、例えばターボ分子ポンプを備える。第1のロードロック220は、例えば、ガス接続部、電気接続部およびさらなる構成部品を当該分野で公知のように備えることに留意されたい。
第1のロードロック要素110は、第1のロードロック220を反応室要素160に接続するように構成された第1のゲートバルブ要素230、すなわちロードバルブをさらに備える。第1のロードバルブ230は、第1の水平アクチュエータ210が処理される基板を保持したカセットを反応室要素160に移送できるように開くように構成され、かつ反応室要素160を閉鎖するために閉鎖するように構成されている。一実施形態では、第1のロードロックおよび第1のロードバルブはさらに、反応室要素160をアンロードするように構成されている。
反応室要素160は、処理される基板のカセットを第1の水平アクチュエータから受け取り、カセットを反応室要素160の下部の反応室に下ろし、そこからカセットを持ち上げるように構成された垂直アクチュエータ240を備える。
ALDシステム100の第2のロードロック要素150は、第1のロードロック要素110と同様の構成部品を備える。第2のロードロック要素150は、前述した第1のロードロック220と同様の特性および構造を有する第2のロードロック260を含む。第2のロードロック要素は、処理されたカセットを反応室要素160から第2のロードロック260に移送するように構成された第2の水平アクチュエータ270をさらに備える。
第2のロードロック要素150は、第2のロードロック260を反応室要素160に接続するように構成された第2のゲートバルブ要素250、すなわち第2のロードバルブをさらに備える。第2のロードバルブ250は、第2の水平アクチュエータ270が処理された基板を保持したカセットを反応室要素160から移送できるように開くように構成され、かつ反応室要素160を閉鎖するために閉鎖するように構成されている。
アクチュエータ210、240(またはアクチュエータ210、240および270)は、アクチュエータ構成を形成する。一実施形態では、アクチュエータ構成は、基板を反応室内のその位置に対して水平方向および垂直方向に移動させるように構成されている。
一実施形態によれば、通常動作において、カセット内の基板またはサンプルは、周囲気圧でロードロック220(または260)にロードされ、その後ロードロックのドアが閉鎖される。使用中のプログラムに応じて、ロードロックは、ロードされる基板のためにプログラムされているように、制御された温度および圧力まで排気され通気される。ロードの例は、1μbar(1×10−6bar)の真空まで周囲ガスを排気すること、不活性ガスでロードロックを予め選択した圧力まで通気すること、RGA180を用いて流出ガスを測定しながら基板を加熱すること、および反応室要素160の中間空間の真空レベルまで真空レベルを調整することを含む。基板の加熱は、例えば、ファン、熱放射線および/または循環圧力を用いた空気流により加速することができる。一実施形態では、基板を反応室要素160に移送する時点で、基板は反応室要素160と同じ温度である。
一実施形態によれば、反応室要素160(または図4の反応室420)からの流出ガスの水分レベルは、システムに含まれるRGA180によって測定される。一実施形態におけるこの受信情報(水分レベル)を使用して、制御要素130による原子層堆積の開始を制御する。
一実施形態では、RGA180に接続された制御要素130は、RGA180から受信した情報に基づいて前駆体パルスの開始時点を制御する。RGA180は、例えば、反応室の排気ガスの水分レベルおよび/または反応室420から出て来る反応生成物もしくは副生成物の量を測定する。RGA180は、反応室420の排気口および/またはフォアライン630(図6)に接続されている。
図3は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素160の概略図を示す。真空室310を備えた反応室要素160は、動作中、ロード中およびアンロード中に真空に保たれる中間空間として知られる内部を有する。一実施形態では、真空室310は一体成形の真空室を含み、すなわち、真空室および反応室のための別個の外部本体がない。別の実施形態では、複数の反応室がある。さらなる実施形態では、真空室310の内側の複数の室、またはさらなる反応室要素間での基板の持ち上げは、一実施形態では、アクチュエータ210、270を用いて行われる。
反応室要素160は、真空室310内で基板のカセットを垂直方向に移送するように構成された垂直アクチュエータ240を備える。同じまたは異なるアクチュエータを使用して、中間空間から反応室の蓋を閉じる。
一実施形態では、反応室要素は、第2のロードバルブ250に接続されたロード開口部350の前にシールド要素を持ち上げるためのアクチュエータ要素をさらに備える。真空室310の他端は、第1のロードバルブ230に接続する同様の開口部と、開口部の前にシールド要素を持ち上げるための同様のアクチュエータ要素とを備えることを理解されたい。
一実施形態では、真空室310は、真空室310内への視野または適合センサを提供するように構成された1つまたは複数ののぞき窓330と、加熱供給源要素170内の非加熱もしくは加熱供給源または供給源要素140の非加熱供給源に接続するためのフィードスルー340とをさらに備える。一実施形態では、フィードスルー340は、供給源要素170の供給源に接続しており、真空室310(図4には図示せず)の底壁部を通過する別個のフィードスルーは、供給源要素140の供給源に接続する。一実施形態では真空室310の側壁部を通過するフィードスルー340と、一実施形態では供給源要素140から真空室310の底壁部を通過するフィードスルー(図示せず)との両方は、反応室420(図4)の入口に通じている。
図4は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素160内の概略図を示す。真空室310は、一実施形態では真空室310の下部に反応室420を備え、真空室内の内部空間の残りは中間空間を形成する。真空室310は、垂直アクチュエータに接続され、反応室420を閉じるために反応室420上に下ろされるように構成されたカセットホルダ蓋410をさらに備える。それによって、カセットホルダ410の蓋は反応室の蓋も形成する。
カセットホルダ蓋410は、ロードされたカセットを受け取り、カセットを反応室420内に下ろすように構成されている。反応室にカセットホルダ蓋/反応室蓋410を下ろすことは、基板を上方に移動させることに勝る利点をもたらす。基板がその自重によって蓋を下方にプールしているので、追加の外力は必要としない。反応室の外側からの熱膨張によって引き起こされうる変位は無関係なものとなる。これにより、反応室420の縁部と蓋410との間の磨耗、ひいてはわずかな熱および圧力の変化に起因して起こりうる粒子形成が防止される。
真空室310は、真空室をロードするときに、ロード開口部の前から移動される、例えば下ろされ、アクチュエータ320を用いてロード開口部の前に移動される、例えば持ち上げられるように構成されたシールド要素440をさらに備える。一実施形態におけるシールド要素は、中間空間からの熱が金属板側のロードロックを加熱するのを防止するように構成された金属板を備え、すなわち、シールド要素は熱反射体として機能するように構成されている。一実施形態では、シールド要素440は金属板のスタックを含む。真空室の他端も同様のシールド要素440を備えることが理解されたい。
一実施形態では、シールド要素440の作動ならびにゲートバルブ230、250および/または蓋410の開閉は、両方のタスクを実行するために共通のアクチュエータと同期化および/または統合される。
真空室310は、真空室310および反応室420を所望の温度に維持するように構成された真空室310の内面の中間空間内に、ヒータ450、一実施形態では放射ヒータをさらに備える。一実施形態では、ヒータは真空室310の外側にあり、したがって真空室310の壁は熱を内部に伝導する。
図5は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素160内の概略図を示す。真空室310は、加熱供給源要素170または供給源要素140に接続された供給源入口ライン510を備える。供給源入口ライン510は、反応室420に入る前に、真空室の温度、したがって内部の前駆体化学物質の温度を安定させるように、真空室内を一定距離通るように構成されている。反応室420は、その入口側に、コーティングされる基板と供給源ライン510から流入するガスとの間に配置されるように構成された流れガイド要素520を備える。一実施形態では、流れガイド要素は取り外し可能な流れガイド要素である。一実施形態では、流れガイド要素は複数の孔を備える。一実施形態では、流れガイド要素は、メッシュまたは多孔板などである。
図6は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素160内の概略図を示す。一実施形態における反応室420は、固定されたまたは取り外し可能なフレーム620を備え、一実施形態では、第2の流れガイド要素520'を備える(入口側の流れガイド要素520も固定または取り外し可能なフレームに設置されてもよい)。一実施形態では、第2の流れガイド要素520'は、取り外し可能な流れガイド要素である。一実施形態では、流れガイド要素520'は複数の孔を備える。一実施形態では、流れガイド要素520'は、メッシュまたは多孔板などである。しかしながら、一実施形態では、第2の流れガイド要素520'の孔は、流れガイド要素520孔と比較して、数および/または形状および/またはサイズが異なる。
真空室310は、真空室310を排気するように構成されたポンプ(図示せず)、一実施形態では粒子トラップ190に接続された真空または排気ライン(以下フォアライン630と示す)を備える。一実施形態におけるフォアライン630は、それによる熱損失を少なくするために真空室310内を一定距離通り、すなわち、中間空間内のフォアライン630は真空室310と同じ温度で維持される。真空室310は、ヒータ要素用のフィードスルー640をさらに備える。中間空間は、640などの異なる1つまたは複数の経路を介して同じまたは異なるフォアライン630にさらに接続される。
一実施形態では、フォアライン630は、さらに圧力を下げ、かつ/または反応室内のガス流挙動を変えるために、粒子トラップ190またはポンプに直接接続されている。
図7は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素160内の概略図を示す。図7は、閉鎖構成の反応室420を示しており、すなわち、反応室420を中間空間から閉鎖するために、蓋410が反応室420へと下ろされる。一実施形態における同じ閉鎖動作により、コーティングされる基板が反応室内へと下ろされる。図7はさらに、閉鎖位置、すなわちロード開口部の前に持ち上げられたシールド要素440を示す。
図8は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室420の概略側面図を示す。図8は、反応室にロードされたカセット810をさらに示す。カセット810は、処理される基板801のバッチを含む。基板801はカセット内に水平に配置されるため、薄く、かつ/または可撓性の基板の処理を可能にする。一実施形態では、基板801は代わりに垂直に配置される。さらに別の実施形態では、カセットまたは基板ホルダなしで基板が反応室内にロードされる。そのような実施形態では、アクチュエータ構成は基板を掴みロードする。
図8は、ガス入口構成820、(第1の)流れガイド要素520を有する反応室の入口側と、第2の流れガイド要素520'およびフォアライン630を有する反応室の真空(または排気)側とを示す。ガス入口構成820およびフォアライン630は、水平方向の前駆体ガス流が提供されるように配置されている。
例示的なコーティングプロセスにおいて、中間空間は、流入ガス流および流出ガス流を制御することによって、20〜5hPaの一定圧力で維持される。一実施形態では、中間空間は、流出ガス流を制御することによって一定圧力で維持される。有利な実施形態では、通常、反応室420およびフォアライン630以外の経路を通って中間空間を出るガスがいくらかある。反応室420は、使用される化学的プロセスおよび処理される基板に必要な圧力および温度で動作する。圧力は通常10〜0.1hPaであるが、場合によっては0.001hPaまで下がる。有利な実施形態では、中間空間は、反応性化学物質が中間空間への圧力に逆らわないように反応室420よりも高い圧力を有する。
一実施形態では、処理される基板は、基板および必要とされるプロセスに応じて、ロードロック内で、反応室で使用される温度、例えば80〜160℃または30〜300℃まで加熱される。
ガス入口構成820を通る反応室420への流れは、流入ガスの体積または質量流量を制御することによって、また一実施形態では、代替的にまたは追加的にポンプパラメータを用いてフォアラインポンピングを制御することによって調整される。基板カセットを通る反応ガスの流速を変えることによって、必要に応じて、反応を起こすためにより長い時間が提供される。これにより、例えば、任意の形状の基板の位置決め、またはコーティングされる基板の極めて高いアスペクト比、例えば2000:1の深さと幅の比が可能になる。一実施形態における流れの制御は、反応室、中間空間、ガス入口ラインおよびフォアライン630に関連する圧力の測定を含む。
図9は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素に、カセットに入った基板をロードする概略原理図を示す。カセット810は、第1のロードロックから第1のロードバルブを通って真空室内へと水平に移送され、蓋および蓋に取り付けられたカセットホルダ(すなわちカセットホルダ蓋410)によってピックアップされ、次いで垂直アクチュエータ240によって反応室420内へと垂直方向に下ろされる。
図10は、異なるカセット要素を備えた、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの概略上面図を示す。本実施形態では、カセット要素120は、装置前面モジュール(Equipment Front End Module:EFEM)などのロードモジュール1010によって置き換えられる。ロードモジュール1010は、ロードロック要素110の片側または両側に配置されている。図10に示すロードモジュール1010は、一実施形態では、ウェハなどの平面基板をロードするように構成されている。基板は、前面開口均一ポッド(Front Opening Uniform Pod:FOUP)などの標準ユニット1020内に存在していてもよい。ロードモジュール1010は、基板を標準ユニット1020からロードロック要素110に移送する。ロードモジュール1010は、複数の基板を同時に水平または垂直な1つまたは複数のスタックに移送する。ロードモジュール1010は、基板を個別にまたはスタックとして移送することができる。回転が必要な場合、基板(複数可)の回転はロードロボットなどで実行することができる。基板(複数可)のロードロックへの移送は、人手を介さずに実行される自動化プロセスである。
さらに別の実施形態では、前駆体化学物質は、反応室蓋410内の流路を介して反応室420に供給される。本実施形態では、ガス入口構成820は、反応化学物質を蓋410に供給するように構成され、分配板(流れガイド要素)520は、基板に水平に配置される。本実施形態では、フォアライン630は反応室420の底部に配置されている。
図11は、本発明の一実施形態による原子層堆積(ALD)システムの動作方法のフローチャートを示す。ステップ1100では、処理される基板バッチは、カセット810に水平にロードされ、カセット810は、カセット要素120を用いてステップ1110で第1のロードロック110にロードされる。ステップ1120では、カセット810は、第1の水平アクチュエータ210を用いて真空室310に水平に移送され、垂直アクチュエータ240に接続された蓋420によってピックアップされる。ステップ1130では、カセットは、反応室420内に下ろされ、シールド要素440はロード開口部の前に移動され、一実施形態では持ち上げられる。ステップ1140では、原子層堆積が反応室420内で実行される。ステップ1150では、カセット810が反応室420から持ち上げられ、シールド要素440は、ロード開口部の前から移動され、一実施形態では下げられる。ステップ1160では、カセットは、第1の水平アクチュエータ210または第2の水平アクチュエータ270によってピックアップされ、第1のロードロック220または第2のロードロック260に移送される。複数の反応室を有する実施形態では、反応室はすべて、ロードロック210から同じようにロードされる。
図12は、本発明の代替的実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素をロードする概略原理図を示す。本実施形態では、基板は、ホルダ801内で垂直に配向され、垂直に配向された基板の水平スタックを形成する。その他の点では、本実施形態の動作は図9の動作に対応する。前駆体ガス流は、基板表面と平行であるため、流れ方向は図12の「後ろから前」である。
図13は、本発明のさらに別の実施形態による原子層堆積(ALD)システムの反応室要素内の概略図を示す。本実施形態では、カセット810を有する基板801は、蓋1310を介して回転カセットホルダによって保持される。基板801(またはカセット810)を保持するホルダ部1305は、垂直アクチュエータ240に一体化されたモータ1320によって回転可能である。回転機シャフト1315は、モータ1320から垂直アクチュエータ240の中に、真空室310の外側から反応室420の内側の回転可能なホルダ部1305まで延びている。代替的実施形態では、シャフトを介したモータ1320からの基板の回転は、持ち上げアクチュエータ240とは独立して、底部から、反応室420底部を通って構成されている。別の代替的実施形態では、シャフトを介したモータ1320からの基板の回転は、側部から、反応室420の側壁を通って構成されている。
さらに別の実施形態では、ガラス、シリコン、PCBもしくはポリマー基板などの高感度基板または高感度基板バッチが処理される。反応室420は、真空室310内に設けられ、原子層堆積は、反応室420内の高感度基板または高感度基板バッチに対して行われる。堆積(ALD)後に、高感度基板は移送されるか、または高感度基板バッチは真空室310を介して、真空室に接続されたロードロック220または260に移送される。高感度基板は冷却されるか、高感度基板バッチは、ロードロック内において真空中で冷却される。高感度基板(複数可)を真空中で冷却することによって、これらの基板を破損する危険性が著しく低くなる。
特許請求項の範囲および解釈を限定することなく、本明細書に開示された例示的実施形態のうちの1つまたは複数の特定の技術的効果が以下に列挙される。技術的効果は、同時脱気および/または加熱、ALD処理(中間空間と反応室との間の真空レベルを調整できることを含む)、反応室内の基板の温度安定化、および冷却(アンロード圧力の調整を含む)を可能にすることである。別の技術的効果は、最小の応力で水平に置かれた可撓性基板などの高感度基板の処理を可能にすることである。さらなる技術的効果は、向きを変えずに堆積のために基板をロードすることである。さらに別の技術的効果は、反応炉への水平移動を用いた、人の手の高さでの基板のロードおよび取り扱いを容易にする真空室構造によるシステムの高さの低減である。さらに別の技術的効果は、移動する、高温でありうる金属同士の界面が存在しないように、基板を有する蓋を反応室へと垂直に下ろすことを可能にすることである。前記金属同士の界面は、粒子を生成する可能性があり、中間圧力を反応室の圧力およびガスから分離する。さらに別の技術的効果は、シールド要素と真空室内を走る長い真空ラインとによる温度制御の改善である。さらに別の技術的効果は、モジュール構造によるメンテナンスの容易さであり、場合によっては別のゲートバルブ要素によって分離された、列になっているいくつかの反応室からなるアセンブリも可能にする。さらに別の技術的効果は、垂直方向の蓋の移動による粒子生成を最小限に抑えることである。さらに別の技術的効果は、ある室が他の室内での動作とは無関係にロードまたはアンロードされうるように、同じまたは異なる中間空間内の、真空室要素の内側にいくつかの反応室を有するアセンブリである。
前述の機能または方法ステップの一部は、異なる順序で、かつ/または互いと同時に実行されてもよいことに留意すべきである。さらに、前述の機能または方法ステップの1つまたは複数は任意選択であっても、または組み合わされてもよい。
前述の説明は、本発明の特定の実施態様および実施形態の非限定的実施例により、本発明を実行する発明者によって現在検討される最良の方法の完全かつ有益な説明を提供した。しかし、当業者には、本発明が上述の実施形態の詳細に限定されるものではなく、本発明の特徴から逸脱することなく同等の手段を用いて他の実施形態にて実施可能であることは明らかである。
さらに、上述に開示した本発明の実施形態の特徴のいくつかは、他の特徴を同様に使用することなく効果的に使用できる。したがって、上記説明は本発明の原理の単なる例に過ぎず、本発明を限定するものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制約される。
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