JP2019528067A - 血管拡張作用および/または利尿作用を有するペプチド - Google Patents

血管拡張作用および/または利尿作用を有するペプチド Download PDF

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ラマチャンドラ キニ,マンジュナサ
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Abstract

本発明は、血管拡張作用および/または利尿作用を有するペプチドに関する。具体的には、本発明は、異なる作用および特性を達成するための、ナトリウム利尿ペプチドにおける極めて重要なアミノ酸残基の修飾に関する。したがって、本発明はまた、修飾されたナトリウム利尿ペプチドを包含する。本発明はまた、血圧および血液量を調節し、心臓の病態を治療するための、上記ペプチドの使用に関する。

Description

本発明は、血管拡張作用および/または利尿作用を有するペプチドに関する。本発明はまた、血圧および血液量を調節するための上記ペプチドの使用に関する。
心不全(HF)は、世界の主たる死亡原因の1つ(死亡数4につき1)である[Roger, V. L.; et al., Circulation 123 (4): e18-e209 (2011)]。HFは、冠動脈疾患、心筋梗塞、長期にわたる高血圧症、心筋症などのいくつかの因子によって発症しうるが、その徴候の進行は、神経体液系、特に血液量を増加させ、血圧を上昇させるレニン−アンジオテンシンアルドステロン系(RAAS)および交感神経系(SNS)の活性化に関連している[MacMahon, K. M.; Lip, G. Y., Arch Intern Med 162 (5): 509-16 (2002)]。HFの際立った特徴としては、血管収縮に伴う心臓の機能的変化および構造的変化、程度の差はあるにせよ腎臓による水分およびナトリウムの貯留が挙げられる[McMurray, J. J.; Pfeffer, M. A., Lancet 365 (9474): 1877-89 (2005)]。HFの患者は、(a)血液量が正常またはやや過多である高血圧性HF、(b)血液量減少状態を伴う正常血圧性HF、および(c)血液量過多状態または血液量減少状態を伴う低血圧性HFに大きく分類されうる[Packer, M., Am J Cardiol 71 (9): 3C-11C (1993); Strobeck, J. E.; Silver, M. A., Congest Heart Fail 10 (2 Suppl 2): 1-6 (2004)]。
ナトリウム利尿ペプチド(NP)は、血管緊張および体内の体液量を調節することにより心臓血管を保護する、生命維持に必要なホルモン群である[Brenner, B. M.; et al., Physiol Rev 70 (3): 665-99 (1990)]。ナトリウム利尿ペプチドは、生理学的条件下および病理学的条件下において生物の血行動態に影響を与えるという重要な役割を有する。NPとしては、3種のアイソフォーム、すなわちANP、BNPおよびCNPが存在し、これらは哺乳動物において同定されている[Kangawa, K.; Matsuo, H., Biochem Biophys Res Commun 118 (1): 131-9 (1984); Sudoh, T.; et al., Nature 332 (6159): 78-81 (1988); Sudoh, T.; et al., Biochem Biophys Res Commun 168 (2): 863-70 (1990)]。これらのペプチドは、ジスルフィド結合により保持されている進化的に保存された17残基からなる環と、可変N末端テイルおよび可変C末端テイルとを有する。ANPおよびBNPは、心腔における充満圧の増大に応じて心臓壁により分泌され[de Bold, A. J., Science 230 (4727): 767-70 (1985)]、一方CNPは、血管内皮により産生される[Suga, S.; et al., Endocrinology 133 (6): 3038-41 (1993)]。これらのペプチドは、特定の膜結合ナトリウム利尿ペプチド受容体(NPR−A、NPR−BまたはNPR−C)に結合する。ANPおよびBNPは、NPR−Aを活性化し[Waldman, S. A.; et al., J Biol Chem 259 (23): 14332-4 (1984)]、CNPは、NPR−Bを通じて細胞内cGMPレベルを上昇させる機能を果たす[Suga, S.; et al., Endocrinology 130 (1): 229-39 (1992)]。ANP/NPR−Aシグナル伝達の下流活性には、血管拡張、腎臓による水分および電解質の排出増加、内皮透過性の増加ならびにレニン−アンジオテンシンアルドステロン系(RAAS)および交感神経系(SNS)の抑制が含まれる[Brenner, B. M.; et al., Physiol Rev 70 (3): 665-99 (1990); Maack, T.; et al., Fed Proc 45 (7): 2128-32 (1986); Sasaki, A.; et al., Eur J Pharmacol 109 (3): 405-7 (1985)]。血行動態および拮抗因子の分泌の阻害に対するこれらの直接的作用は、NPの抗高血圧・抗血液量過多作用に寄与する[Brenner, B. M.; et al., Physiol Rev 70 (3): 665-99 (1990)]。これに対し、CNP/NPR−Bシグナル伝達は、主として、血管拡張による緩やかな血圧低下作用に加えて、組織の再構成、再生および脳の機能に関与する[Chusho, H.; et al., Proc Natl Acad Sci U S A 98 (7): 4016-21 (2001)]。保存されたNP環内の残基は、受容体結合にとって必要であり、一方、特定NPRに対する分子認識は、C末端伸長のような、それらの配列のわずかな差異に因るものである[Brenner, B. M.; et al., Physiol Rev 70 (3): 665-99 (1990)]。
HFに対する現行の治療戦略には、血液量および血圧を減少させ、2次応答としてNP活性およびcGMP産生を増大させるアンジオテンシン変換酵素阻害剤、ネプリライシン阻害剤、アンジオテンシン受容体阻害剤および利尿剤を用いた、RAASおよびSNSの活性化に対する薬理学的介入が含まれる[Rogers, C.; Bush, N., Nurs Clin North Am 50 (4): 787-99 (2015)]。NPは、血管緊張の調節、ナトリウム利尿、利尿ならびにRAASおよびSNSの抑制を通じた血圧および血液量ホメオスタシスの回復において重大な役割を有する[Lee, C. Y.; Burnett, J. C., Jr., Heart Fail Rev 12 (2): 131-42 (2007)]。ANPレベルおよびBNPレベルはいずれも、HF患者では高くなっているが、(a)生物活性ペプチドの利用能が低いこと、また(b)NP受容体の発現レベルが低いことにより、それらの有益な役割を果たすことができない[Mukaddam-Daher, S., Expert Opin Ther Targets 10 (2): 239-52 (2006)]。ANPレベルおよびBNPレベルが高いHF患者に対してANPまたはBNPの体外から注入すると、患者の臨床状態の改善が示された[Lee, C. Y.; Burnett, J. C., Jr., Heart Fail Rev 12 (2): 131-42 (2007); Mukaddam-Daher, S., Expert Opin Ther Targets 10 (2): 239-52 (2006)]。ANPおよびBNPの体外からの注入は、有益な役割があるにもかかわらず、生理学的作用が多様であるために、苦痛をもたらすものとされてきた。したがって、NPの血管作用と腎作用とを区別するリガンドは、異なる平衡失調を伴う様々なHF患者の個別のニーズを満たす上で大きな価値を有するであろう[Strobeck, J. E.; Silver, M. A., Congest Heart Fail 10 (2 Suppl 2): 1-6 (2004); Volpe, M.; et al., Clin Sci (Lond) 130 (2): 57-77 (2016)]。
HFは、(a)血液量が正常またはやや過多である高血圧性HF、(b)血液量減少状態を伴う正常血圧性HF、および(c)血液量過多状態または血液量減少状態を伴う低血圧性HFに大きく分類されうる。ナトリウム利尿ペプチド(NP)は、血管、腎臓、心臓および交感神経系に対する多面的な作用を通じて血圧および血液量を低減させる極めて重要なホルモンである。この多面的作用ゆえに、HF患者に対してNPを注入することは、血圧および血液量の過負荷の低減において有益である。しかしながら、NPの注入はまた、重度の低血圧とも関連付けられている。
心不全における様々な緊張状態およびボルミック状態のための新規薬剤リードが所望される。
本発明は、血管拡張作用および/または利尿作用を有することにより血圧を調整するペプチドを提供する。
第1の態様によれば、本発明は、配列番号1(CFXDRIXSXGC)(式中、X1、およびXは各々独立して任意のアミノ酸を含み;XはRまたはKを含み;XはM、IまたはLを含み;XはG、SまたはNを含み;XはA、HまたはSを含み;XはQ、T、S、MまたはVを含み;XはIまたはLを含む)を含む単離されたペプチドを提供する。
第2の態様によれば、本発明は、医薬における使用、治療における使用および/または薬剤としての使用のための、本発明の任意の態様による単離されたペプチドを提供する。
第3の態様によれば、本発明は、血圧および血液量を調節するための、かつ/または心臓の病態を治療するための薬剤の調製における、本発明の任意の態様による少なくとも1つの単離されたペプチドの使用を提供する。
第4の態様によれば、本発明は、対象において血圧および血液量を調節するための、かつ/または心臓の病態を治療するための方法であって、本発明の任意の態様による単離されたペプチドの有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。
図1A〜図1Cは、K環が血管拡張剤であることを示す。図1A:哺乳動物NPおよび毒液NPの配列比較。NPは、ジスルフィド結合により保持された標準的な17員環を有する。ピンク色の残基は、全NPにおいて保存されており、影を付けて強調表示された残基はNP受容体結合にとって重要である。K環は、3位および14位において2つの主要な置換がなされ、保存されたG残基がDに置換されており、2残基のC末端テイルを有する。雄性SDラットにナトリウムペントバルビタールで麻酔をかけ、大腿動脈および大腿静脈ならびに膀胱にカテーテルを挿入した。ペプチド含有または不含有の生理食塩水を、実験の最初から最後まで連続的に注入した。影を付けた領域は、ペプチドの注入を表す。図1B:麻酔をかけたラットのMAPに対するANPおよびK環の用量依存的効果。図1C:麻酔をかけたラットの尿流速に対するANPおよびK環の用量依存的効果。これらのデータは、5つの独立した実験の平均値±SEとして表されている。 対照群、0.2nmol/kg/分のANPおよび2nmol/kg/分のK環のプロファイルは、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]から得た。
図2A〜図2Cは、環におけるアスパラギン酸残基とC末端テイルが、NPのインビボ活性を制御する分子スイッチであることを示す。図2A:K環バリアントの配列およびそれらのインビボ応答(置換された残基は緑色で示している)。ナトリウムペントバルビタールで麻酔をかけた雄性SDラットの大腿動脈および大腿静脈ならびに膀胱にカテーテルを挿入し、ペプチドの注入と併せて血行動態および尿量を測定した。ペプチド含有または不含有の生理食塩水を、実験の最初から最後まで連続的に注入した。影を付けた領域は、ペプチドの注入期間を表す。図2B:麻酔をかけたラットのMAPに対するK環およびそのバリアントの用量依存的(2nmol/kg/分)効果。図2C:麻酔をかけたラットにの尿流速に対するK環およびそのバリアントの用量依存的効果。これらのデータは、5つの独立した実験の平均値±SEとして表されている。 対照および2nmol/kg/分のK環のプロファイルは、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]から得た。
図3A〜図3Cは、ANPスカホールドにアスパラギン酸残基およびアルギニン残基を組み込むことにより血管作用および腎作用が変化することを示す。図3A:ANPバリアントの配列およびそれらのインビボ応答(置換された残基は緑色で示している)。ナトリウムペントバルビタールで麻酔をかけた雄性SDラットの大腿動脈および大腿静脈ならびに膀胱にカテーテルを挿入し、ペプチドの注入と併せて血行動態および尿量を測定した。ペプチド含有または不含有の生理食塩水を、実験の最初から最後まで連続的に注入した。影を付けた領域はペプチドの注入期間を表す。図3B:麻酔をかけたラットのMAPに対するANPおよびそのバリアントの用量依存的効果。図3C:麻酔をかけたラットの尿流速に対するANPおよびそのバリアントの用量依存的効果。これらのデータは、5つの独立した実験の平均値±SEとして表されている。 対照および0.2nmol/kg/分のANPのプロファイルは、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]から得た。
図4A〜図4Fは、ANPおよびK環のバリアントがNPR−Aの部分的アゴニストであることを示す。NP類似体による(NPR−Aを一時的に発現している)細胞の処理後に蓄積されたcGMPの量を求めた。図4A、図4B:ANP、K環およびそれらのバリアントで30分間処理した後のcGMP産生の用量応答。図4C、図4D:EC50濃度のペプチドを用いた時間追跡調査において測定されたNPR−Aの活性化動態。図4E、図4F:NP1ピコモル当たりのNPR−Aの活性化動態。これらのデータは、3つの独立した実験の平均値±SEとして表されている。
ANP、K環およびそれらのバリアントの分子質量および等質性を示す。Fmocに基づく固相ペプチド化学を用いて合成ANP、K環およびそれらのバリアントを合成し、逆相HPLCにより精製した。精製したペプチドを、アルカリ条件下10%DMSO溶液を用いて酸化し、HPLCで精製した。精製した酸化ペプチドの質量をESIイオントラップMSにより分析した。算出したペプチドの質量を示す。
図6A〜図6Dは、ANPおよびK環の用量依存的注入に応じた血管パラメータの変化を示す。 ナトリウムペントバルビタールを用いて麻酔をかけた雄性SDラットの大腿動脈および大腿静脈ならびに膀胱にカテーテルを挿入した。ペプチド含有または不含有の生理食塩水を、実験の最後まで連続的に注入した。影を付けた領域はペプチドの注入を表す。図6A:心拍数、図6B:脈圧、図6C:収縮期圧、図6D:拡張期圧は、2つの異なる用量のANPおよびK環の注入に伴って変化する。
図7A〜図7Dは、K環バリアントの用量依存的注入に応じた血管パラメータの変化を示す。ナトリウムペントバルビタールを用いて麻酔をかけた雄性SDラットの大腿動脈および大腿静脈ならびに膀胱にカテーテルを挿入した。ペプチド含有または不含有の生理食塩水を、実験の最後まで連続的に注入した。影を付けた領域はペプチドの注入を表す。図7A:心拍数、図7B:脈圧、図7C:収縮期圧、図7D:拡張期圧は、K環バリアントの注入に伴って変化する。示されたデータは、5つの独立した試験の平均であり、平均値±SEとして表されている。対照および2nmol/kg/分のK環のプロファイルは、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]から得た。
図8A〜図8Dは、ANPバリアントの用量依存的注入に応じた血管パラメータの変化を示す。 ナトリウムペントバルビタールを用いて麻酔をかけた雄性SDラットの大腿動脈および大腿静脈ならびに膀胱にカテーテルを挿入した。ペプチド含有または不含有の生理食塩水を、実験の最後まで連続的に注入した。影を付けた領域はペプチドの注入を表す。図8A:心拍数、図8B:脈圧、図8C:収縮期圧、図8D:拡張期圧は、ANPバリアントの注入に伴って変化する。 示されたデータは、5つの独立した試験の平均であり、平均値±SEとして表されている。対照群、0.2nmol/kg/分のANPおよび2nmol/kg/分のK環のプロファイルは、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]から得た。定義
本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲で使用されている特定の用語を、便宜のため、ここにまとめて記載する。
本明細書において、用語「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド配列、ペプチド配列、ポリペプチド配列もしくはタンパク質配列、またはこれらのいずれかのフラグメントを指し、天然に存する分子または合成分子を指す。
「同類アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似した側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられているものである。類似した側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で規定されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝状側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。ペプチド活性を変化させるためにナトリウム利尿ペプチドの17残基環の2位、3位および/または14位において置換されているアミノ酸残基は、類似したアミノ酸により置き換えることができ、この場合、ペプチド活性は実質的に変化しない。例えば、ペプチド活性を変化させるためにナトリウム利尿ペプチドの17残基環においてD(Asp)への置換がなされる場合、これを、同じ(酸性残基)側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基、例えばE(Glu)などと置き換えることができる。同様に、K(Lys)とR(Arg)とはいずれも塩基性残基であるため、K(Lys)をR(Arg)の代わりに使用することができる。さらに、C末端のNSFRYは、受容体と相互作用することが知られている。アミノ酸Q(Gln)はN(Asn)と同等(いずれも親水性中性残基)であり、T(Thr)はS(Ser)と同等(いずれもヒドロキシル側鎖を有する親水性中性残基)であり、Y(Tyr)およびW(Trp)はF(Phe)と同等(いずれも疎水性芳香族残基)である。また、これらの残基の置換は、C末端テイルの修飾にも役立ちうる。
「所定のポリヌクレオチド配列を含む組成物」または「所定のアミノ酸配列を含む組成物」は、本明細書において、本発明の当該所定のポリヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を含む広範な任意の組成物を指す。この組成物は、乾燥製剤または水溶液を含みうる。
本明細書において、用語「核酸」または「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはそれらの任意のフラグメント、1本鎖でも2本鎖でもよく、センス鎖もしくはアンチセンス鎖を表しうるゲノム由来もしくは合成起源のDNAもしくはRNA、ペプチド核酸(PNA)または任意のDNA様物質もしくはRNA様物質を指す。
本明細書において、用語「対象」は、脊椎動物、特に哺乳動物、より具体的にはヒトとして定義される。研究目的では、該対象は、具体的には少なくとも1つの動物モデル、例えばマウス、ラットなどでありうる。特に、血圧関連疾患の処置または予防に関して、該対象はヒトでありうる。
本発明の文脈において、用語「処置」は、改善処置、治療的処置または根治的処置を指す。
本明細書において、用語「含んでいる」または「包含している」は、言及されている特徴、整数、工程または構成要素の存在を規定するものと解釈されるが、1つもしくは複数の特徴、整数、工程もしくは構成要素、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。しかしながら、本開示に関して、用語「含んでいる」または「包含している」はまた、「からなる」を包含する。「含む」のような「含んでいる」の変化形、および「包含する」のような「包含している」の変化形は、相応じて変化した意味を有する。
本明細書で言及される参照文献は、便宜上、参照文献リストの形態で実施例の最後に付加して記載する。
本発明は、配列番号1(CFXDRIXSXGC)(式中、X1、およびXは各々独立して任意のアミノ酸を含み;XはRまたはKを含み;XはM、IまたはLを含み;XはG、SまたはNを含み;XはA、HまたはSを含み;XはQ、T、S、MまたはVを含み;XはIまたはLを含む)を含む単離されたペプチドを提供する。
好ましい一実施形態において、本発明の単離されたペプチドおよび/または核酸は、天然に存在するペプチドおよび/または核酸分子を除外するが、例えばインビボおよび/またはインビトロでの安定性を高めるなどの目的のために当業界で既知の標準的方法により何らかの形で修飾されているものについては、この限りではない。
また別の好ましい一実施形態において、天然に存在するペプチドをコードするエキソンの天然に存在する配列を複製する単離されたcDNA分子もまた、本発明から除外される。
天然に存在するペプチドの例としては、
SLRRSSCFGGRMDRIGAQSGLGCNSFRY(配列番号52)を有する心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、
GLLISCFDRRIDRISHTSDIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA(配列番号53)を有するアマガサヘビ毒液ナトリウム利尿ペプチド(KNP)、
SPKMVQGSGCFGRKMDRISSSSGLGCKVLRRH(配列番号54)を有するB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、
GLSKGCFGLKLDRIGSMSGLGC(配列番号55)を有するC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)、
EVKYDPCFGHKIDRINHVSNLGCPSLRDPRPNAPSTSA(配列番号56)を有するマンバ属ナトリウム利尿ペプチド(DNP)
が挙げられる。
cDNA分子、天然に存在するペプチドおよび/または天然に存在する核酸分子の使用はいずれも、本発明の一部とみなされる。
ナトリウム利尿ペプチドの17残基環の配列を含むかまたは該配列から構成される単離されたペプチドが本発明に包含されることは、理解されるであろう。
ナトリウム利尿ペプチドの17残基環の配列を含み、17残基環の2位、3位および/または14位に少なくとも1つの修飾されたアミノ酸を含むペプチドもまた本発明に包含されることは、理解されるであろう。「修飾された」という語は、ナトリウム利尿ペプチドの17残基環にある1つのアミノ酸が別のアミノ酸で置換されていることを包含する。例えば、2位のアミノ酸G(Gly)を、アミノ酸D(Asp)で置換してもよい。
ナトリウム利尿ペプチドの17残基環の2位、3位および/または14位に少なくとも1つの修飾アミノ酸を含む単離された完全長ナトリウム利尿ペプチドもまた本発明に包含されることは、理解されるであろう。さらに、2位、3位および/または14位でなされたアミノ酸置換を、同類アミノ酸により置換できることが理解されるであろう。例えば、3位をR(Arg)で置換する場合、K(Lys)のような別の類似(同類)アミノ酸を用いても、ペプチド活性に対するRの影響を再現できる。
本発明について、以下の発明の実施形態によってさらに説明する。
第1の態様によれば、本発明は、哺乳動物において血管拡張作用および/または利尿作用を有する単離されたペプチドであって、アミノ酸配列、配列番号1(CFXDRIXSXGC)(式中、X、XおよびXは各々独立して任意のアミノ酸を含み;XはRまたはKを含み;XはM、IまたはLを含み;XはG、SまたはNを含み;XはA、HまたはSを含み;XはQ、T、S、MまたはVを含み;XはIまたはLを含む)を含み、かつ配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55または配列番号56で示されるアミノ酸配列から構成されるものではないペプチドを提供する。
好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号2(CFXDRIXSXGC)(式中、XはDまたはGを含む)を含む。Xは、Dの代わりにEを含みうる。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号3(CFXDRIXSXGC)(式中、XはRまたはGを含む)を含む。Xは、Rの代わりにKを含みうる。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号4(CFXDRIXSXGC)(式中、XはDまたはGを含む)を含む。Xは、Dの代わりにEを含みうる。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様または第1の好ましい実施形態による単離されたペプチドは、配列番号5(CFDXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様または第1の好ましい実施形態による単離されたペプチドは、配列番号6(CFGXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様または第2の好ましい実施形態による単離されたペプチドは、配列番号7(CFXRXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様または第2の好ましい実施形態による単離されたペプチドは、配列番号8(CFXGXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様または第3の好ましい実施形態による単離されたペプチドは、配列番号9(CFXDRIXSDXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様または第3の好ましい実施形態による単離されたペプチドは、配列番号10(CFXDRIXSGXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号11(CFDRXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号12(CFGRXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号13(CFDGXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号14(CFGGXDRIXSXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号15(CFDXDRIXSDXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号16(CFGXDRIXSDXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号17(CFDXDRIXSGXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号18(CFGXDRIXSGXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号19(CFXRXDRIXSDXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号20(CFXRXDRIXSGXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号21(CFXGXDRIXSDXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号22(CFXGXDRIXSGXGC)を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは配列番号1を含み、XはGまたはDであり、XはGまたはRであり、XはGまたはDである。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは配列番号1を含み、X、XおよびXは、それぞれ、G、RおよびD;D、RおよびG;D、GおよびD;ならびにD、RおよびDから選択される。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、配列番号23(CFXDRIXSXGCNSFRY)を含む。NSFRYテイル内で、アミノ酸NがQと同等(いずれも親水性中性残基)であり、SがTと同等(いずれもヒドロキシル側鎖を有する親水性中性残基)であり、FがWおよびYと同等(いずれも疎水性芳香族残基)であることは理解されよう。これらの同類残基による置換は、C末端テイルの活性を著しく変化させるものではないはずである。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、
配列番号24(CFDRRIDRISHTSDIGC);
配列番号25(CFGRRIDRISHTSDIGC);
配列番号26(CFDGRIDRISHTSDIGC);
配列番号27(CFDRRIDRISHTSGIGC);
配列番号28(CFGGRIDRISHTSDIGC);
配列番号29(CFGRRIDRISHTSGIGC);
配列番号30(CFDGRIDRISHTSGIGC);および
配列番号31(CFGGRIDRISHTSGIGC)
からなる群から選択される配列を含む。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、
配列番号32(GLLISCFDRRIDRISHTSDIGCRH);
配列番号33(GLLISCFDRRIDRISHTSGIGCRH);
配列番号34(GLLISCFGRRIDRISHTSDIGCRH);
配列番号35(GLLISCFDGRIDRISHTSDIGCRH);
配列番号36(GLLISCFGRRIDRISHTSGIGCRH);
配列番号37(GLLISCFDRRIDRISHTSDIGCNSFRY);
配列番号38(GLLISCFGRRIDRISHTSDIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;
配列番号39(GLLISCFDGRIDRISHTSDIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA);
配列番号40(GLLISCFDRRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA);
配列番号41(GLLISCFGGRIDRISHTSDIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA);
配列番号42(GLLISCFGRRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;
配列番号43(GLLISCFDGRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA);および
配列番号44(GLLISCFGGRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA)
からなる群から選択される。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドは、
配列番号45(SLRRSSCFDGRMERIGAQSGLGCNSFRY);
配列番号46(SLRRSSCFGRRMDRIGAQSGLGCNSFRY);
配列番号47(SLRRSSCFGGRMDRIGAQSDLGCNSFRY);
配列番号48(SLRRSSCFDRRMDRIGAQSGLGCNSFRY);
配列番号49(SLRRSSCFDGRMDRIGAQSDLGCNSFRY);
配列番号50(SLRRSSCFGRRMDRIGAQSDLGCNSFRY);および
配列番号51(SLRRSSCFDRRMDRIGAQSDLGCNSFRY)
からなる群から選択される。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドであって、X1がGであり、かつX8がGである場合、またはNSFRYが前記ペプチドのC末端に存在する場合に、前記ペプチドの利尿作用が誘発される、単離されたペプチドが提供される。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドであって、
a)X1がGである場合に、X1がDである場合と比べて心拍数および脈圧を低下させ、
b)X2がGである場合に、低用量では利尿のみを誘発し、高用量では利尿とともに血圧低下を誘発し;
c)X2がRである場合に、低用量と高用量で誘発される薬理活性がb)の逆になり;
d)X8がGである場合に、X8がDである場合と比べて持続的な血管拡張作用を誘発し;かつ
e)X1がDであり、かつX8がDである場合に、有意な利尿を伴わずに血圧低下のみを誘発する、
単離されたペプチドが提供される。
本発明の好ましい一実施形態において、血管拡張作用および/または利尿作用を有する単離されたペプチドが提供される。好ましくは、該単離されたペプチドは、配列番号1〜配列番号51のうちいずれか1つのアミノ酸配列を有する。
別の好ましい一実施形態によれば、第1の態様による単離されたペプチドが提供され、ここで配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号33、配列番号34、配列番号35および配列番号51を含む群のペプチドは血管拡張作用を有し;配列番号29、配列番号36および配列番号37を含む群のペプチドは血管拡張作用および利尿作用を有し;かつ配列番号49を含む群のペプチドは腎作用を有する。
本発明は、医薬における使用、治療における使用および/または薬剤としての使用のための、本明細書で開示されている単離されたペプチドを包含する。例えば、本発明は、(例えば高血圧または低血圧における)血圧および血液量の調節ならびに/または利尿における使用のための、本明細書で開示されている単離されたペプチドを包含する。本発明はまた、心臓の病態(例えば心不全)の治療における使用のための、本明細書で開示されている単離されたペプチドを包含する。
第2の態様によれば、本発明は、医薬における使用、治療における使用および/または薬剤としての使用のための、本発明のいずれかの態様による単離されたペプチドを提供する。
本発明は、(例えば高血圧または低血圧において)血圧および血液量を調節するための、かつ/または利尿のための薬剤の調製における、本明細書で開示されている少なくとも1つの単離されたペプチドの使用を包含する。本発明はまた、心臓の病態(例えば心不全)を治療するための薬剤の調製における、本明細書で開示されている少なくとも1つの単離されたペプチドの使用を包含する。
第3の態様によれば、本発明は、血圧および血液量を調節するための、かつ/または心臓の病態を治療するための薬剤の調製における、本発明のいずれかの態様による少なくとも1つの単離されたペプチドの使用を提供する。
本発明は、対象において、(例えば高血圧または低血圧において)血圧および血液量を調節するための方法であって、本明細書で開示されている単離されたペプチドの有効量を対象に投与することを含む方法を包含する。本発明は、対象において心臓の病態(例えば心不全)を治療するための方法であって、本明細書で開示されている単離されたペプチドの有効量を対象に投与することを含む方法を包含する。
第4の態様によれば、本発明は、対象において血圧および血液量を調節するための、かつ/または心臓の病態を治療するための方法であって、本発明のいずれかの態様による単離されたペプチドの有効量を対象に投与することを含む方法を提供する。
本発明の純粋な血管拡張剤(DRG−K環、GRD−K環、DGD−K環など;配列番号33〜配列番号35)およびDRD−ANP(配列番号51)の使用は、血液量を心臓および胸郭から末梢系へ再配分しつつ液量の深刻な枯渇を回避する必要のある、「温かく」かつ「水分」が最小限である患者とって有用でありうる。このような患者のBPは良好に維持されており、極端な液量の増加は見られず、BPの低下に耐えることができる。
利尿のみを目的とする本発明の薬剤(DGD−ANP;配列番号49など)は、肺と末梢系のいずれにも過度の体液を有するが血圧の低い体積膨張(浮腫)患者に適用されうる。この「水分が多く、かつ冷えた」サブグループの治療は非常に困難であるが、これは、腎不全に併発するショックを悪化させかねないさらなるBP低下を回避しながら、過剰量(ナトリウムおよび水分)を排出させる必要があることによる。
本発明の化合物は、通常、薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と混合した医薬製剤として投与される。該アジュバント、希釈剤または担体は、意図する投与経路および標準的薬学実務を十分に考慮して選択することができる。薬学的に許容される担体は、活性化合物に対して化学的に不活性であってよく、使用条件下で有害な副作用や毒性を有さないものであってよい。好適な医薬製剤は、例えば、Remington The Science and Practice of Pharmacy, 19th ed., Mack Printing Company, Easton, Pennsylvania (1995) に見出されうる。非経口投与には、発熱物質不含であり、必要とされるpH、等張性および安定性を有する、非経口的に許容される水溶液が使用されうる。好適な溶液は当業者によく知られており、多様な方法が文献に記載されている。また、薬剤送達方法の簡単な説明は、例えばLanger,Science (1990) 249,1527に見出されうる。
また、好適な製剤の調製は、当業者が、常用の技術を用いて、かつ/または標準的なかつ/もしくは一般に認められた慣例に従って、常用の手法により達成してもよい。
本発明に従って使用される任意の医薬製剤における化合物の量は、治療される病態の重症度、治療される個々の患者および使用する化合物などの様々な因子に依存するが、いずれにせよ、製剤中の化合物の量は、当業者が常用の手法により決定してもよい。
例えば、錠剤またはカプセル剤などの固体経口組成物は、1〜99%(w/w)の有効成分、0〜99%(w/w)の希釈剤または充填剤、0〜20%(w/w)の崩壊剤、0〜5%(w/w)の滑沢剤、0〜5%(w/w)の流動助剤、0〜50%(w/w)の造粒剤または結合剤、0〜5%(w/w)の酸化防止剤、および0〜5%(w/w)の着色剤を含有してもよい。徐放性錠剤は、さらに0〜90%(w/w)の放出制御性ポリマーを含みうる。
非経口製剤(注射用の溶液もしくは懸濁液または注入用の溶液など)は、1〜50%(w/w)の有効成分、および50%(w/w)〜99%(w/w)の液体もしくは半固体の担体または基剤(例えば、水などの溶媒)、ならびに0〜20%(w/w)の1種以上のさらなる賦形剤、例えば緩衝剤、酸化防止剤、懸濁安定剤、等張化剤および保存剤などを含有してもよい。
治療される障害および患者ならびに投与経路に応じて、化合物は、様々な治療有効用量でそれを必要とする患者に投与されうる。
しかしながら、本発明において、哺乳動物、特にヒトに投与される用量は、妥当な時間枠にわたって該哺乳動物に治療効果をもたらすのに十分な量でなくてはならない。正確な用量および組成ならびに最適な送達方式の選択もまた、特に製剤の薬理特性、治療されている病態の性質および重症度、ならびに受容者の体調および精神的鋭敏さ、ならびに該特定の化合物の効力、治療される患者の年齢、状態、体重、性別および応答性、および疾患の段階/重症度による影響を受けることは、当業者であれば認識するであろう。
したがって、本発明の好ましい一実施形態おいて、本発明は、本発明の所定のポリヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を含む任意の組成物をすべて包含する。
本発明はまた、本明細書に開示されている単離されたペプチドをコードする単離された核酸分子を包含する。
第5の態様によれば、本発明は、本発明のいずれかの態様による単離されたペプチドをコードする単離された核酸分子またはポリヌクレオチドを提供する。好ましくは、該核酸分子またはポリヌクレオチドは、本発明のペプチドを製造するための発現コンストラクト内に含まれる。
本発明を概説してきたが、本発明の限定を意図したものではなく例示のために提供される以下の実施例を参照することにより、同じ内容がさらに容易に理解されるであろう。
本明細書に特に記載のない、当技術分野において既知である標準的な分子生物学的手法は、全般的にGreen and Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory, New York (2012)の記載に従った。
実施例1
材料および方法
ANP、K環およびバリアントの合成および精製
ペプチドの合成はいずれも、Fmoc法に基づく手作業によるペプチド合成を用いて実施した。Tyr前負荷Wang樹脂を用いてANPおよびバリアントを合成する一方で、NovasynTGR樹脂を用いてK環およびバリアントを合成した。合成、精製および折り畳みに採用した方法は、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]の記載のとおりである。
動物
雄性Sprague−Dawley(SD)ラット(220〜280g)を、シンガポールのInvivosから入手した。実験前の3日間、NUS(シンガポール国立大学)の動物保持ユニット内で動物を馴化させた。実験は、NUSの動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)の指導および承認(041/12)のもとで実施した。
インビボ活性アッセイ
実験は、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]の記載のとおりに実施した。簡単に述べると、動物にナトリウムペントバルビタール(60〜70mg/kg)で麻酔をかけ、カテーテルを大腿動脈および大腿静脈ならびに膀胱に挿入した。37℃のサーモスタット加熱パッドを用いて、動物の体温を維持した。0.2%BSA生理食塩水(ペプチド含有または不含有)を大腿静脈から連続注入(2ml/時)し、その間大腿動脈に取り付けた圧力変換器により平均動脈圧(MAP)、心拍数(HR)および脈圧(PP)の変化をオンラインで記録した。採尿し、10分ごとに量を測定した。実験は、対照期間(2×10分間)、実験期間(1×10分間)および回復期間(4×10分間)を含む。動物はいずれも、実験終了時に二酸化炭素チャンバ内で安楽死させた。
細胞培養およびトランスフェクション
実験は、Sridharan et al.,[Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]の記載のとおりに実施した。10%ウシ胎仔血清、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンおよび2mMのグルタミンを補ったダルベッコ改変イーグル培地を使用して、5%COを含む37℃の加湿インキュベータ内でCHO−K1細胞を増殖させた。3日ごとに0.5%トリプシンを用いて継代培養することにより細胞を維持した。24ウェルプレートの各ウェルに細胞(1×10)を播種し、16時間かけて増殖させた。各ウェルの細胞に対し、2μlのリポフェクタミン(Lipofectamine、登録商標)2000トランスフェクション試薬を用いて、ラットNPR−Aをコードするプラスミド0.8μgによるトランスフェクションを行った。トランスフェクションの24時間後に、細胞をペプチドで処理した。
全細胞cGMPアッセイ
NPR−AトランスフェクションCHO−K1細胞を、様々な濃度のペプチド(10nM〜10μM、0.5mMのIBMXを含有する基礎培地に溶解)を用いて30分間処理した。200μlの0.1N HClで細胞を溶解させた後、Enzo life sciences cGMP ELISAキット(製造業者のプロトコル)を用いてcGMPの終蓄積を測定した。
細胞をEC50濃度の前記ペプチドで処理することにより、時間追跡調査を実施した。示された時点(0分、2分、5分、10分、20分および30分)で、細胞を0.1NのHClで処理し、反応を終了させた。cGMP ELISAキット(Enzo life sciences)を用いて細胞溶解液中のcGMP濃度を測定した。
統計解析
データは、平均値±SEMとして表している。両側t検定を用いた一元配置分散分析を用いて、統計解析を実施した。p値<0.5を有意とみなした。
実施例2
血行動態作用に関与するK環における作用スイッチ
K環およびC末端テイル内における特異な置換の役割を理解するため、発明者らは、いくつかの変異体の薬理活性を評価した。第一世代の単一変異体は、K環内にD3、R4およびD14のGへの置換を含んでいた(図2A)。これらの単一点変異体、すなわち RDK環、K環およびDR K環(「変異」した残基に下線を引いている)を合成し(図5、表3)、麻酔したラットにおいてインビボ活性を評価した(図2B、図2C)。前記3つの単一変異体を2nmol/kg/分で注入したところ、いずれも、K環と同様に、尿量の有意な変化を伴うことなく、類似したMAPの低下(約12mmHg)を誘発した(図2B、図2C、表1)。 RDK環は、K環(−22.2±12.1BPM)と比べて心拍数(HR)の低下(−44.8±20.2BPM)が大きく、これは0.2nmol/kg/分でANPを注入した場合の低下(−47.0±13.5BPM)と類似していた(図6A、図6B、表1)。このペプチドはまた、K環(−4.5±1.7mmHg)およびANP(−7.7±3.9mmHg)のいずれと比べてもより大きな脈圧(PP)の低下(−11.5±2.3mmHg)を誘発した(図5A、図5B、図6A、図6B、表1)。K環を注入すると、HRおよびPPにK環の場合と同様の変化(−21.8±9.5BPM,−5.8±0.97mmHg)が見られた(表1)。この変異体は、該ペプチドを注入した際の、BPおよびHRの初期の減少は緩やかであった(図6A、図6B)。DR K環を注入すると、K環と同様の血管応答(HR:−18.1±3.1BPMおよびPP:−3.2±3.0mmHg)が見られたが(表1)、MAPおよびHRの変化は、実験期間内にベースラインまで回復することはなかった(図2B、図6A、図6B)。続いて、発明者らは、二重変異体、すなわち K環(D残基がいずれもGに置換されている)を合成した。このペプチドにより、MAP、HRおよび尿流速には類似した変化(MAP:−11.8±1.5mmHg,HR:−39.1±11.5BPM,11.4±3.8μl/分)が見られた。ANPと類似した応答ではあるものの、 K環は、 RDK環と同様、PPに対してより大きな影響(−12.9±0.7mmHg)を示した(図2、図6A、図6B)。この実験結果から、D3G置換は、MAPの変化が同様であっても、HRおよびPPのより大幅な低下をもたらし、またD14G置換は、MAPおよびHRの回復を遅らせることがわかった。興味深いことに、D3およびD14をいずれもGで置換することにより、K環ペプチドに腎作用が導入される。すなわち、D3およびD14残基はいずれも、(腎活性および血管活性をいずれも有する)古典的NPの機能を切り替えて血管拡張性のみを有するペプチドへと変換する制御スイッチとして作用する。
NPのインビボ作用におけるC末端テイルの役割を理解するために、K環のC末端テイル(RH)をANPのC末端テイル(NSFRY)と置き換えた。このバリアント、すなわちK環 NSFRY は、2nmol/kg/分の注入においてMAPを約15mmHg低下させた。このバリアントは、利尿作用(12.3±3.8μl/分)とともに、HRとPPにおいてANPと同様の変化(−37.5±15.1BPMおよび−7.3±0.7mmHg;図2、図6A、図6B)をもたらした。利尿のピークには、10分間の遅延が見られた(図2C)。すなわち、キメラK環 NSFRY は、腎応答の遅延を伴うANPの主要な特徴を示した。このため、NSFRYテイルの存在は、環内のD3残基、R4残基およびD14残基の存在に打ち勝つものと思われる。したがって、C末端テイルは、インビボ薬理作用を制御する、代替的ではあるが「強力」な分子スイッチとして機能すると考えられる。このように、発明者らは、系統的な変異調査を通じて、利尿に関する2種の作用スイッチ、すなわち環内の2つのGly残基およびNSFRYテイルを同定した。これらのスイッチを用いることで、K環の薬理作用を操作することができる。
実施例3
作用スイッチは移行可能である
前記スイッチの意義をさらに深く理解するため、ANPに対し、Asp残基(G3およびG14を置換)およびArg残基(G4を置換)を系統的に導入した。 ANPを2nmol/kg/分で注入すると、ANPの場合(8.8±1.3μl/分)と同様に、尿流速の顕著な増加(7.9±2.1μl/分)が見られたが、MAP、HRおよびPPにおける変化(それぞれ、−4.8±2.3mmHg,−7.8±9BPMおよび−4.3±1.4mmHg)は、0.2nmol/kg/分のANPを与えた動物の場合(それぞれ、−10.1±0.8mmHg,−47.1±13.5BPMおよび−7.7±1.8mmHg)と比べてかなり緩やかであった(図3B、図3C、図7A、図7B、表1)。 ANPを与えたことで、利尿のピークには、K環 NSFRY の場合と同様、10分間の遅延が見られた。すなわち、このバリアントは、ANPと類似した活性プロファイルを有し、利尿作用が血圧降下作用に先行するが、D3およびD14の導入により、利尿の誘導に必要な有効ペプチド濃度と血管拡張の誘導に必要な有効ペプチド濃度との差は大きくなった。対照的に、2nmol/kg/分の DRD ANPを注入すると、ANPよりも強い腎作用(尿流速18.7±0.7μl/分)が見られるとともに、強力な血管作用(MAPにおいて−18.3±2.3mmHg、HRにおいて−66.6±14.6BPM、PPにおいて−7.9±1.8mmHg)が見られた(図3B、図3C、図8A、図8B、表1)。低用量(0.2nmol/kg/分)の場合、 DRD ANPは、等モルのANPを注入した場合と同様のBP、HRおよびPPの低下(それぞれ−12.9±1.5mmHg,−37.5±9.5BPM,−5.8±2.8mmHg)を示したが、利尿作用は誘発されなかった(表1)。すなわち、 DRD ANPの注入は、腎作用よりも血管作用を優位に示した(図3D、図3E、図8A、図8B)。これらの観察結果は、作用スイッチとしてのD3残基およびD14残基の役割を裏付けるものである。D3およびD14のみならず、残基R4もまた、用量依存的にインビボ活性を逆転させるものと思われる。すなわち低用量では血圧低下作用を示し、その後ペプチド濃度の増加に伴って、血管作用と腎作用をいずれも示すようになる(図3B、図3C)。これらの結果から、K環において同定された作用スイッチはANPにも移行可能であることがわかる。
実施例4
NPR−Aのグアニリルシクラーゼ活性の刺激
生理学的に、ANPは、NPR−Aと相互作用し、そのグアニリルシクラーゼ活性に刺激を与えて細胞内cGMPレベルを上昇させる[Oliver, P. M.; et al., Proc Natl Acad Sci U S A 94 (26): 14730-5 (1997)]。以前、発明者らは、K環がNPR−Aアゴニストであり、その効力はANPの10分の1であることを示した[Sridharan, S.; Kini, R. M., Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]。K環およびANP変異体における様々な残基の役割を理解するため、発明者らは、ラットNPR−A受容体を一時的に発現するCHO−K1細胞においてcGMP応答を誘起する当該残基の能力を評価した(図4A、図4B、表2)。K環の単一点変異体のうち、 RDK環は、K環の5倍という高い効力を示し、DR K環およびK環は、3分の1〜4分の1という効力の低下を示した。二重変異体 K環もまた、K環の4倍という高い効力を示した(図4A、表2)。これらの結果は、D3G置換が効力の増加を招き、他の位置での置換が効力の低下を招くことを示している。二重変異体では、D3の置換は効力を増加させるが、D14における第2の置換により、効力の20%が失われた。K環 NSFRY にANPのC末端テイルを導入すると、活性が改善され5倍となった。したがって、3位に第1のGly残基が存在することまたはANPのC末端テイルが存在することにより受容体活性化の効力が改善されることは明白である。
ANPの変異体である DRD ANPおよび ANPの活性は、ANPと比べると3分の1および8分の1であった(図4B、表2)。K環 NSFRY および DRD ANPは、いずれも等効力の応答を示した。 ANPと DRD ANPとの効力の差が、K環とK環との効力の差と類似していることから、RからGへの変化およびGからRへの変化はいずれのNPにおいても等しく寄与していることが暗示される。
発明者らはまた、2次メッセンジャーの空間的時間的分布に影響を及ぼすことになるcGMP生成の動態変化を理解するため、前記変異体ANPおよび変異体K環の存在下におけるNPR−Aの活性化動態を評価した。ペプチドのEC50濃度におけるcGMP蓄積の時間追跡調査による評価を行った。ANPはcGMPレベルを即時に増加させたが、K環はより緩慢な活性化動態を呈した(同等レベルのcGMPの生成に要した時間は、2分間対30分間であった)(図4C〜図4F)。単一点変異体であるDR K環およびK環によるcGMPの生成速度は、K環よりも遅かったが、 RDK環は、cGMP生成速度をわずかに増加させた。この二重変異体 K環において、活性化動態はK環と比べて(3倍に)改善されており、10分以内でcGMPの最大蓄積に達した。 RDK環および K環も、EC50濃度は同等であったが、活性化動態は明らかに異なっていた(cGMP生成のピークは、それぞれ10分および20分であった)。K環 NSFRY では、 K環と類似した活性化動態の改善が見られ、cGMPの生成は10分でピーク応答を示した後、ゆっくりと減衰して飽和値に達した。ANPのバリアントは、野生型と比べて緩慢な活性化動態を示し、 DRD ANPおよび ANPはいずれも速度論的に緩慢(2.6倍および7.8倍遅く、最大cGMPは10分)であった。 ANPは、 DRD ANPと比べて細胞内cGMPの減衰が速い。これらの観察結果から、D残基が事実上、受容体結合および2次メッセンジャー生成に影響を及ぼすことが示唆される。活性化動態の速いバリアントは、ピーク応答後にcGMPの減衰を示すと考えられた。細胞をホスホジエステラーゼ阻害剤(0.5mM)で処理したため、cGMPの分解速度はほぼ無視できる。細胞をEC50濃度のペプチドで処理したため、細胞性GTPが限定的ではないことは確かである。このため、特定のバリアントでcGMP生成の減衰が観察されたことは、これらのペプチドがほぼ確実に受容体の脱感作を誘発したことを示唆している。
概して、NPR−Aの活性化動態は、様々なNP変異体を明確に区別するものである。血管活性および腎活性を有するNPが比較的速い動態を示すのに対し、血管活性NPは緩やかな動態を示す。

検討
ANPの抗高血圧特性および抗血液量過多特性は濃度依存的であり、低用量(0.02〜0.1nmol/kg/分)では腎作用のみが現れ、やや高い用量(>0.1nmol/kg/分)では両活性が示される[Morice, A.; et al., Clin Sci (Lond) 74 (4): 359-63 (1988)]。したがって、腎臓に対する活性と循環系に対する活性とを分ける閾値濃度の差は、5倍と開いておらず、調査が異なれば変動しうる[Soejima, H.; et al., Am J Physiol 255 (3 Pt 2): R449-55 (1988); Morice, A.; et al., Clin Sci (Lond) 74 (4): 359-63 (1988)]。この用量依存性は標的組織におけるNPR−A発現レベル(腎臓>血管系)に起因しうるが[Uhlen, M.; et al., Science 347 (6220): 1260419 (2015)]、正確な分子機構ははっきりしていない。ANPの構造と活性についての調査により、NPR−A結合[Olins, G. M.; et al., J Biol Chem 263 (22): 10989-93 (1988)]および生理学的活性の付与に必要不可欠な残基(環内のF8、M13、D14およびR15ならびにC末端NSFRY)が同定された。いくつかの調査では、NPR−Aに対するANPバリアントの特異性を高め、ナトリウム利尿/利尿応答を改善するためにファージディスプレイを使用した[Jin, H.; Li, B.; et al., J Clin Invest 98 (4): 969-76 (1996)]。しかしながら、NPにおける血管作用および腎作用の分子決定因子は依然として同定されていない。
最近、発明者らは、アマガサヘビ毒液由来の外因性NP(KNP)を同定し、特性を確認した[Sridharan, S.; Kini, R. M., Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]。このペプチドは、αヘリックス形成傾向を有する38残基長のC末端テイル(図1A)を伴う保存されたNP環を有する。発明者らによる構造と機能についての調査から、KNPが2つの薬理作用団、すなわちK環およびヘリックスを有することが明らとなった。これらの機能的セグメントは、直交経路による血管拡張作用を誘導した。K環は、古典的NPと同様に、効力がANPの10分の1であるNPR−Aの活性化を通じて細胞内cGMPレベルを上昇させ、一方でヘリックスは、NO依存的機構を使用する[Sridharan, S.; Kini, R. M., Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]。
さらに、発明者らの観察によれば、麻酔したラットに2nmol/kg/分のK環を注入すると、尿量の有意な変化を伴わずに平均動脈圧(MAP)が12mmHg低下した(これは、実験期間中にベースラインまで回復した)[Sridharan, S.; Kini, R. M., Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]。K環の用量を5倍にすると、MAPはさらに低下したが(−19.1±2.5mmHg、回復せず)、尿量への影響は見られなかった(図1B、図1C)。このように、K環は、利尿作用をほとんどまたは全く伴わずに血管拡張作用を誘導した。これは、利尿作用と血管拡張作用とを誘導するANPの能力とは対照的である。ANPは、低用量(0.08nmol/kg/分)ではMAPを変化させることなく尿量を増加させ、やや高用量(0.2nmol/kg/分)では、MAPの低下と利尿のいずれもが見られた(図1B、図1C)。これは、以前の観察結果[Soejima, H.; et al., Am J Physiol 255 (3 Pt 2): R449-55 (1988)]と同様である。これらのペプチドのインビボ活性にこのような差異が認められたことから、K環が、ANPとは異なる血行動態作用および利尿作用を有すること、ならびにNPにおける血圧低下作用および利尿作用の決定因子を説明する分子ロードマップとしての役割を果たしうることが示唆される。
ANPの構造と活性についての調査から、17員環内に保存されている特定の残基(F2、M6、D7、R8、I9およびL15)およびそのC末端テイル(NSFRY)が、NPR−Aの結合およびインビボ活性に非常に重要であることがわかる[Li, B.; et al., Science 270 (5242): 1657-60 (1995); Olins, G. M.; et al., J Biol Chem 263 (22): 10989-93 (1988); Ogawa, H.; et al., J Biol Chem 279 (27): 28625-31 (2004)]。前記17員環内の、受容体結合に必須の重要な残基はすべてK環に保存されているが、そのC末端テイルが有する残基は2つ(RH)のみである。ANPと比較すると、K環は、環内にいくつかの置換(G3D、G4R、G9S、A10T、Q11HおよびG14D)を有している。これらのうち、9位、10位および11位の残基は、いくつかのNPにおいて異なっている(図1A)。したがって、発明者らは、このような構造上の差異、すなわちG3D、G4RおよびG14D置換ならびに短縮されているC末端テイルは、ANPとK環との間で観察された血行動態作用および利尿作用の差異に関与するのではないかと仮定した。この調査において、発明者らは、NPへのインビボ作用の付与におけるANPおよびK環の役割を、系統的な置換を用いて解明することに取り組んだ。さらに、解明された詳細な構造を用いて、血管作用または腎作用のいずれかを有するANP類似体を設計した。このような、いずれかの作用のみを有するバリアントは、心不全患者の治療に用いる治療剤として大きな価値を有する。また、構造と機能との関連を調べるこの調査では、NPが誘導する血管拡張、心拍数および利尿作用に影響を及ぼす極めて重要な残基が同定される。
K環は、血管拡張作用および利尿作用の概要説明に役立つ
発明者らの以前の調査では、K環(ANPと70%同一である)が、NPR−Aアゴニストであるにもかかわらず、尿量を変化させず、血圧低下のみを誘導することが示された[Sridharan, S.; Kini, R. M., Biochem J 469 (2): 255-66 (2015)]。このペプチドは、利尿のみを誘導するANPの100倍の濃度であっても、腎応答を誘発することはなかった(図1B、図1C)。したがって、K環構造は、NPの組織特異的応答に影響を与える分子情報をコードするものと考えられ、したがって、血管作用および/または腎作用に対する選択性の決定において重大な役割を演じ、作用スイッチとして働く残基を同定するきっかけとなるものである。
G3の役割:G3はほとんどすべてのNPにおいて保存されている。しかしながら、この残基は、K環においてはAspに置換されている(図1A)。発明者らの得た結果は、G3が、強力な血管作用を与えるNPの環内における非常に重要な残基であることを示唆している。この残基が、負に荷電したAspに置換されると、NPR−Aを活性化する効力が約3分の1〜10分の1に減少し(図4A、図4B、表2)、活性化動態が(5分の1に)低下した(図4C、図4D、表2)。G3D置換はまた、類似したBP変化におけるHRおよびPPへの影響を低減させるように思われる(図2A、図6A、図6B)。BPの低下1mmHg当たりのHRおよびPPの変化を比較すると、D3バリアントによる変化(それぞれ、1.5倍および0.3倍)は、G3バリアントによる変化(それぞれ、3.0倍および0.8倍)よりも小さかった(表4)。このように、G3からD3への変化およびD3からG3の変化は、NPによるHRおよびPPの変化を制御する分子スイッチとして作用している。
G14の役割:K環スカホールド内におけるD14のGへの置換は、NPR−Aの効力を10分の1に低下させ(表2)、活性化動態を3分の1に低下させた(図4C)ように思われる。14位におけるこの変異によるBPおよびHRの変化は、実験期間を通じて持続し、回復はほとんど見られなかった。したがって、G14は、持続的な血管作用を誘発するために必要な、極めて重要な残基であることが示唆されうる。 K環、DR K環および RDK環の間で比較を行うと、G14がNPの腎作用を制御することは明白である。NPの腎作用を保証するには、G3およびG14のいずれもが存在しなくてはならない。
残基D3およびD14は、cGMP応答を誘発するNPの能力を低下させるものと思われる。ANP−NPR−A複合体の結晶構造から、G3およびG14は、負に荷電したポケット(受容体サブユニットのE169およびE169)の近傍に存在するように思われる[Ogawa, H.; et al., J Biol Chem 279 (27): 28625-31 (2004)]。Gの位置にDが存在していると、立体構造状の制約およびNPR−Aの負に荷電したポケットとの静電反発力が誘導される可能性があり、その結果、極めて重要な分子間相互作用が解消され、高親和性の天然リガンドとは異なる構造枠組みを通じて活性化が伝達されることになりうる。異なるリガンドにより細胞外ドメインに与えられた立体構造的な選択性の差異によって、細胞内グアニルシクラーゼドメインのアロステリック活性化リレーが改変されることもあり、それにより特有の活性化動態が誘導されうる。以前の研究によれば、G3AおよびG14Aの変異が結合有効性を大きく変えることはなく、Gly残基が存在せず立体配座の柔軟性が失われていても影響はないことが示唆されている[Li, B.; et al., Science 270 (5242): 1657-60 (1995); Watanabe, T. X.; et al., Eur J Pharmacol 147 (1): 49-57 (1988)]。発明者らの得た結果は、3位および14位にAsp残基を組み込み、かつ荷電したかさ高い側鎖を導入すると、NPR−Aを活性化してそのインビボ活性に影響を及ぼす該リガンドの能力は低下しうることを示している。
G4の役割:G4をArgへと置換することにより、NPR−A活性化効力は3倍に改善されるように思われた。K環とK環との間および ANPと DRD ANPとの間で活性の差異が観察されたことから、R4は、負に荷電した残基が両スカホールドに導入されたことに起因するNPR−Aとの相互作用の解消を埋め合わせるのに重要でありうることが示唆される。この残基は、ANP枠組みにおける作用選択性(血管作用の後に腎作用)の逆転に重要であると考えられる。K環は、K環と比べて誘導するBP低下が緩慢であることから、この系に対する影響も低いことが示唆される(図2B、図2C)。G3およびG14を有するNPバリアントは、これらの位置にAspを有するバリアントと比べて、NPR−A活性化効力は10倍に、また活性化動態は3倍に改善されていた。G3およびG14はいずれも、K環スカホールドにおいて腎作用を示すために必要であると考えられることから、「利尿スイッチ残基」として同定された。
C末端NSFRYの役割:C末端NSFRYは、血圧低下作用のみを示すペプチドに腎作用を導入する、代替的ではあるが「強力」な利尿作用スイッチとして作用する。K環にC末端テイルを付加すると、NPR−A活性化効力および動態が(それぞれ5倍および10倍に)改善される。ANP−NPR−Aの結晶構造から、C末端テイルの残基N、S、F、Rが水素結合を形成していること、および受容体のQ186、E187およびF188とのπ−π相互作用を示していることがわかる。以前の突然変異誘発調査によれば、C末端テイルが存在しない場合、血管弛緩作用およびナトリウム利尿作用を誘発するANPの能力が(それぞれ30分の1および3分の1に)低減することもまた明らかになった[Watanabe, T. X.; et al., Eur J Pharmacol 147 (1): 49-57 (1988)]。したがって、C末端テイルは、重要な分子スイッチであると考えられる。C末端テイルの存在は、HRおよびPPに対する影響を増大させる(図3A〜図3C、図7A〜図7D)。このように、C末端テイルを付加することで、血管活性が改善され、腎作用が付与された。 DRD ANPおよびK環 NSFRY はいずれも、NPR−Aの活性化効力および活性化動態を等効力で誘発したが、これらのペプチドを当モルで注入すると、 DRD ANPはK環 NSFRY と比べて、HRに対しても利尿に対しても(それぞれ2倍の)大きな影響を及ぼした(表1)。
K環スカホールドにC末端テイルとしてNSFRYを組み込むと、 DRD ANPと比べて利尿ピークの遅延が見られた(図3C)。このようなインビボ作用の差異は、2つのNPの9位、10位および11位における構造上の差異(ANPではG、A、Qであり、K環ではS、H、Tである)に起因している可能性がある。ファージディスプレイライブラリを用いた以前の調査によれば、G9R、A10EおよびQ11Aの変異により、ナトリウム利尿作用および利尿作用が改善されると考えられる[Cunningham, B. C.; et al., EMBO J 13 (11): 2508-15 (1994)]。したがって、NPの腎作用におけるこれらの残基の役割を評価するためには、さらなる調査が必要とされる。
NPR−A受容体活性化動態および活性化作用
NPバリアントの薬理作用の差異については、(a)異なる標的組織におけるNPR−Aの発現レベル、(b)クリアランス受容体(NPR−C)の発現パターン、(c)リガンドの結合および活性化動態、ならびに(d)シグナルの区画化を通じて説明されうる。遺伝子発現レベルおよび組織化学的染色実験から、腎臓におけるNPR−A発現レベルが、血管平滑筋におけるそれよりも高いことがわかる[Uhlen, M.; et al., Science 347 (6220): 1260419 (2015)]。NPR−Cの発現も同様の傾向(血管平滑筋と比べて腎臓での発現レベルが高い)を示すが、これらの組織におけるNPR−AとNPR−Cの比率(それによって活性化プロファイルが決まる)は異なっている[Uhlen, M.; et al., Science 347 (6220): 1260419 (2015)]。低用量のANPで腎作用が開始されることは、標的組織において受容体の発現パターンが異なることに起因する可能性がある。NPの類似体はいずれもNPR−Aを活性化したが、それらの活性化動態は顕著に異なっていた(表2)。データから、(i)血圧降下性のみを有するペプチドが、利尿性および血管拡張性をいずれも有するペプチドと比べて緩慢な活性化動態を示したこと、ならびに(ii)活性化の速いペプチドが、ピーク応答後にcGMPシグナルの減衰を示したことがわかる。このようにcGMPの合成速度が異なることによって拡散速度が変わる可能性があり、それによってシグナルの空間的時間的分布および区画化に特異性が導入され、特定の下流エフェクターのみを活性化して、選択的下流作用を誘導しうる[Piggott, L. A.; et al., J Gen Physiol 128 (1): 3-14 (2006)]。両細胞型における重要な下流エフェクターは、プロテインキナーゼG(細胞質性)、ホスホジエステラーゼ(細胞質性および膜関連性いずれも)および環状ヌクレオチドゲートイオンチャンネル(膜結合性)である[Potter, L. R.; et al., Handb Exp Pharmacol (191): 341-66 (2009)]。これらのタンパク質が特異的に局在していることから、シグナル伝達カスケードを開始させるためには2次メッセンジャーの拡散が必要となる。環状ヌクレオチドシグナルの区画化におけるホスホジエステラーゼの役割を明確に説明する実質的な証拠があり[Fischmeister, R.; et al., Circ Res 99 (8): 816-28 (2006)]、この2006年の調査からは、シグナルの輪郭の拡散によって空間的隔絶が促進され、寄与する特異的下流作用を特定する上で助けとなりうることが示唆される。したがって、天然リガンド(ANPおよびBNP)または本明細書記載のNP類似体により与えられた細胞内シグナルにおける差異をさらに特徴付けることは、これらのペプチドがどのようにして独特の生理学的プロファイルまたは薬理学的プロファイルを示すのかを理解する上で役立ちうる。
NPの血管拡張作用と利尿作用との切り離し
発明者らの調査は、NPの顕著な特徴について概説し、NPの血管拡張作用および/または利尿作用を決定する分子作用スイッチを同定するものであった。C末端テイルが存在しない場合の3位および14位のAsp残基は、血管活性のみを有するNPを開発するための、重要かつ顕著な特徴である。残基G3はHRおよびPPの大幅な低下を誘発すると考えられ、これをAspで置換すると、MAPの同様の変化に対するこれらのパラメータの低下は弱まる。G3およびG14の存在またはC末端テイルの存在は、利尿作用を誘導する。上述のように、HFシナリオは、血圧および血液量の過負荷の程度により異なる個別の医療を必要とする。上記の作用スイッチは、HF患者に対する個別の処置に合わせて調整することのできるNPの創薬において助けとなる。したがって、この調査は、極めて重要な治療用分子の開発において役立つ可能性のあるNP類似体の設計を提供するものである。本調査は、麻酔したラットにおけるこれらのペプチドの薬理学的役割を調べるものである。
結論を言えば、この調査により、平滑筋および腎臓に対するNPの活性を制御する分子スイッチを突き止めることができた。この調査は、特定の要望に応じたリガンドの設計の幅を広げ、NPR−Aの受容体−エフェクター系を探究するための基盤を提供する。設計されたNP類似体は、異なるコホートのHF患者において血圧または血液量のいずれかを調整するのに役立ちうる極めて重要な治療用リード化合物としての役割を果たしうる。
要旨
ナトリウム利尿ペプチドは、心不全において平衡を取り戻すための極めて重要な作用を有する。ANPは、濃度依存的な利尿作用および/または血圧低下作用を誘発する。低用量では腎作用のみを、やや高用量では血管作用および腎作用をいずれも誘発する。K環は、アマガサヘビ毒液NPにおける保存された環であり、ANPの100倍濃度で、尿量を変化させることなく血管拡張作用のみを示した。本明細書において、発明者らは、環内の3位、4位および14位ならびにC末端テイルに存在する残基の系統的置換を通じて、その血管拡張作用および利尿作用を制御する分子スイッチについて説明した。麻酔したラットに対する様々なNP類似体の注入により、
(a)G3類似体は、D3類似体と比べて、心拍数および脈圧を顕著に低下させること;
(b)G4類似体は、低用量では利尿作用のみを呈し、高用量では利尿作用とともに血圧低下作用を呈するが、R4類似体は、逆の薬理活性を誘発すること;
(c)G14類似体は、D14類似体と比べて持続的な血管拡張作用を示すこと;
(d)G3およびG14のいずれもの置換を伴う類似体は利尿作用を誘発するが、D3類似体およびD14類似体は有意な利尿を伴わずに血圧低下作用のみを呈するため、「血管拡張−利尿トグル」スイッチとして作用すること;ならびに
(e)C末端テイル(NSFRY)を有する類似体は、D3およびD14残基の影響を覆し、C末端テイルがなければ血管拡張のみを示すペプチドにおいて利尿を誘導することにより、「強力な利尿」スイッチとして作用すること
を示した。これらのペプチドのNPR−A活性化効力および活性化動態は、観察された薬理学的プロファイルを区別するものであった。活性化動態が緩慢である部分的アゴニストは血管拡張特性のみを呈し、活性化動態が迅速なものは血管拡張作用と利尿作用をいずれも誘発した。
参考文献
本明細書において、既公開とみなされる文書について列挙または検討したが、それらは必ずしも従来技術の一部であることや共通の一般常識であることを承認するものと捉えるべきではない。
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Claims (35)

  1. 哺乳動物において血管拡張作用および/または利尿作用を有する単離されたペプチドであって、アミノ酸配列CFXDRIXSXGC(配列番号1)(式中、X、XおよびXは各々独立して任意のアミノ酸を含み;XはRまたはKを含み;XはM、IまたはLを含み;XはG、SまたはNを含み;XはA、HまたはSを含み;XはQ、T、S、MまたはVを含み;XはIまたはLを含む)を含み、かつ配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55または配列番号56で示されるアミノ酸配列から構成されるものではない、ペプチド。
  2. CFXDRIXSXGC(配列番号2)を含み、XがDまたはGを含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  3. CFXDRIXSXGC(配列番号3)を含み、XがRまたはGを含む、請求項1または2に記載の単離されたペプチド。
  4. CFXDRIXSXGC(配列番号4)を含み、XがDまたはGを含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  5. CFDXDRIXSXGC(配列番号5)を含む、請求項1または2に記載の単離されたペプチド。
  6. CFGXDRIXSXGC(配列番号6)を含む、請求項1または2に記載の単離されたペプチド。
  7. CFXRXDRIXSXGC(配列番号7)を含む、請求項1または3に記載の単離されたペプチド。
  8. CFXGXDRIXSXGC(配列番号8)を含む、請求項1または3に記載の単離されたペプチド。
  9. CFXDRIXSDXGC(配列番号9)を含む、請求項1または4に記載の単離されたペプチド。
  10. CFXDRIXSGXGC(配列番号10)を含む、請求項1または4に記載の単離されたペプチド。
  11. CFDRXDRIXSXGC(配列番号11)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  12. CFGRXDRIXSXGC(配列番号12)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  13. CFDGXDRIXSXGC(配列番号13)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  14. CFGGXDRIXSXGC(配列番号14)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  15. CFDXDRIXSDXGC(配列番号15)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  16. CFGXDRIXSDXGC(配列番号16)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  17. CFDXDRIXSGXGC(配列番号17)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  18. CFGXDRIXSGXGC(配列番号18)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  19. CFXRXDRIXSDXGC(配列番号19)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  20. CFXRXDRIXSGXGC(配列番号20)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  21. CFXGXDRIXSDXGC(配列番号21)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  22. CFXGXDRIXSGXGC(配列番号22)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  23. CFXDRIXSXGC(配列番号1)のアミノ酸配列を含み、XがGまたはDであり、XがGまたはRであり、かつXがGまたはDである、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  24. CFXDRIXSXGCNSFRY(配列番号23)を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  25. (配列番号24)CFDRRIDRISHTSDIGC;
    (配列番号25)CFGRRIDRISHTSDIGC;
    (配列番号26)CFDGRIDRISHTSDIGC;
    (配列番号27)CFDRRIDRISHTSGIGC;
    (配列番号28)CFGGRIDRISHTSDIGC;
    (配列番号29)CFGRRIDRISHTSGIGC;
    (配列番号30)CFDGRIDRISHTSGIGC;および
    (配列番号31)CFGGRIDRISHTSGIGC
    からなる群から選択される配列を含む、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  26. (配列番号32)GLLISCFDRRIDRISHTSDIGCRH;
    (配列番号33)GLLISCFDRRIDRISHTSGIGCRH;
    (配列番号34)GLLISCFGRRIDRISHTSDIGCRH;
    (配列番号35)GLLISCFDGRIDRISHTSDIGCRH;
    (配列番号36)GLLISCFGRRIDRISHTSGIGCRH;
    (配列番号37)GLLISCFDRRIDRISHTSDIGCNSFRY;
    (配列番号38)GLLISCFGRRIDRISHTSDIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;
    (配列番号39)GLLISCFDGRIDRISHTSDIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;
    (配列番号40)GLLISCFDRRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;
    (配列番号41)GLLISCFGGRIDRISHTSDIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;
    (配列番号42)GLLISCFGRRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;
    (配列番号43)GLLISCFDGRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA;および
    (配列番号44)GLLISCFGGRIDRISHTSGIGCRHRKDPPRAPPAAPSAAPLAVTWLIRDLRADSKQSRAA
    からなる群から選択される、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  27. (配列番号45)SLRRSSCFDGRMERIGAQSGLGCNSFRY;
    (配列番号46)SLRRSSCFGRRMDRIGAQSGLGCNSFRY;
    (配列番号47)SLRRSSCFGGRMDRIGAQSDLGCNSFRY;
    (配列番号48)SLRRSSCFDRRMDRIGAQSGLGCNSFRY;
    (配列番号49)SLRRSSCFDGRMDRIGAQSDLGCNSFRY;
    (配列番号50)SLRRSSCFGRRMDRIGAQSDLGCNSFRY;および
    (配列番号51)SLRRSSCFDRRMDRIGAQSDLGCNSFRY
    からなる群から選択される、請求項1に記載の単離されたペプチド。
  28. がGであり、かつXがGである場合、またはNSFRYが前記ペプチドのC末端に存在する場合に、前記ペプチドの利尿作用が誘発される、先行する請求項のいずれか1項に記載の単離されたペプチド。
  29. a)XがGである場合に、XがDである場合と比べて心拍数および脈圧を低下させ、
    b)XがGである場合に、低用量では利尿のみを誘発し、高用量では利尿とともに血圧低下を誘発し;
    c)XがRである場合に、低用量と高用量で誘発される薬理活性がb)の逆になり;
    d)XがGである場合に、XがDである場合と比べて持続的な血管拡張作用を誘発し;かつ
    e)XがDであり、かつXがDである場合に、有意な利尿作用を伴わずに血圧低下のみを誘発する、
    先行する請求項のいずれか1項に記載の単離されたペプチド。
  30. 配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号33、配列番号34、配列番号35および配列番号51を含む群のペプチドが血管拡張作用を有し;
    配列番号29、配列番号36および配列番号37を含む群のペプチドが血管拡張作用および利尿作用を有し;かつ
    配列番号49を含む群のペプチドが腎作用を有する、
    先行する請求項のいずれか1項に記載の単離されたペプチド。
  31. 医薬における使用、治療における使用および/または薬剤としての使用のための、先行する請求項のいずれか1項に記載の単離されたペプチド。
  32. 血圧および血液量を調節するための、かつ/または心臓の病態を治療するための薬剤の調製における、請求項1〜30のいずれか1項に記載の少なくとも1つの単離されたペプチドの使用。
  33. 対象において血圧および血液量を調節するための、かつ/または心臓の病態を治療するための方法であって、請求項1〜30のいずれか1項に記載の単離されたペプチドの有効量を対象に投与することを含む方法。
  34. 請求項1〜30のいずれか1項に記載のペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
  35. 請求項1〜30のいずれか1項に記載のペプチドを含む組成物。
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