JP2019520433A - ポリマーブレンド、ポリマーブレンドを含むフィルム、およびパッケージ - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリマーブレンド、そのようなポリマーブレンドから形成された1つ以上の層を含むフィルム、およびパッケージに関する。1つの態様では、ポリマーブレンドは、ポリエチレンと、ブレンドの総重量に基づいてブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成するナノセルロースと、ブレンドの総重量に基づいてブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成する無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンとを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーブレンド、そのようなポリマーブレンドから形成された1つ以上の層を含むフィルム、およびパッケージに関する。
ポリエチレンは、長年にわたりいくつかの材料および包装用途に使用されている。ポリエチレンを組み込んだポリマーブレンドは、例えば、フィルムおよびそのようなフィルムから形成されたパッケージに使用され得る。ポリマー製造業者は、ポリエチレンと、そのような用途に使用されるポリエチレンを組み込んだブレンドを差別化する方法を探し続け、フィルム加工業者および他の製造業者は、改良されたフィルムおよび関連製品を引き続き探し求めている。例えば、防湿バリア性、剛性、耐熱性、レオロジー的挙動などのポリエチレン特性を改変または増強するために、添加剤がポリマーブレンドに組み込まれている。しかしながら、所望の特性を有するポリエチレンを組み込んだ新しいポリマーブレンドおよび所望の特性を有する新しいフィルムが依然として必要とされている。
本発明は、いくつかの態様において、1つ以上の改善された特性を提供するポリエチレンを含むポリマーブレンドを提供する。本明細書でより詳細に述べるように、そのようなポリマーブレンドは、ナノセルロースを組み込み、それは、ナノセルロースを有しないポリマーブレンドと比較して改善された特性をもたらす。例えば、いくつかの態様では、本発明のポリマーブレンドは、ナノセルロースを有しないポリマーブレンドと比較して改善された溶融強度を有し得る。さらに、いくつかの態様では、本発明は、例えばバリア特性(例えば、防湿バリア)および機械的特性(例えば、引張特性)などの改善された特性を呈し得るそのようなポリマーブレンドから形成されたフィルムを提供する。例えば、いくつかの態様では、ポリマーブレンド中にナノセルロースおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンを含めることにより、改善されたバリア特性および改善された機械的特性を有するフィルムが得られる。
一態様では、本発明は、ポリエチレンと、ブレンドの総重量に基づいてブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成するナノセルロースと、ブレンドの総重量に基づいてブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成する無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンとを含むポリマーブレンドを提供する。
別の態様において、本発明は、本明細書に開示される本発明のポリマーブレンドのいずれか1つを含む単層フィルムを提供する。別の態様では、本発明は、少なくとも1つの層が本明細書に開示される本発明のポリマーブレンドのいずれか1つを含む多層フィルムを提供する。別の態様では、本発明は、本明細書に開示される本発明のフィルムのいずれかから形成されたパッケージに関する。
これらおよび他の実施形態は、発明を実施するための形態でより詳細に説明される。
実施例に関連して測定された溶融強度データを示すグラフである。
そうでないと述べられるか、文脈から暗に示されるか、または当技術分野で慣習的でない限り、すべての部およびパーセントは、重量に基づき、すべての温度は、℃であり、すべての試験方法は本開示の出願日の時点で最新のものである。
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
「ポリマー」は、同じタイプかまたは異なるタイプにかかわらず、モノマーを重合させることによって調製されたポリマー化合物を意味する。したがって、ポリマーという一般的な用語は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下に、1種類のみのモノマーから調製されたポリマーを指すために用いられる)、および本明細書において以下に定義されるインターポリマーという用語を包含する。微量の不純物(例えば、触媒残渣)が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれていることがある。ポリマーは、単一ポリマー、ポリマーブレンド、またはポリマー混合物であってもよい。
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されたポリマーを指す。したがって、インターポリマーという一般的な用語は、コポリマー(2つの異なるタイプのモノマーから調製されたポリマーを指すために使用される)、および3つ以上の異なるタイプのモノマーから調製されたポリマーを含む。
本明細書で使用される場合、「オレフィン系ポリマー」または「ポリオレフィン」という用語は、過半量のオレフィンモノマー、例えば、エチレンまたはプロピレン(ポリマーの重量に基づいて)を重合された形態で含むポリマーを指し、任意に1つ以上のコモノマーを含んでもよい。
本明細書で使用される場合、「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態において、過半量のエチレンモノマー(インターポリマーの重量に基づいて)、およびα−オレフィンを含むインターポリマーを指す。
本明細書で使用される場合、「エチレン/α−オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態において、2つのみのモノマータイプとして、過半量のエチレンモノマー(コポリマーの重量に基づいて)、およびα−オレフィンを含むコポリマーを指す。
「付着接触している」という用語および同様の用語は、1つの層が両層の中間層(すなわち、接触している表面)に損傷を与えずに他の層から取り外すことができないように、1つの層の1つの表面および別の層の1つの表面が互いに触れ、結合接触していることを意味する。
「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(including)」、「〜を有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を除外することを意図するものではない。いかなる疑いも避けるために、「含む(comprising)」という用語の使用を介して請求されるすべての組成物は、そうでないと述べられない限り、ポリマー性か、または別のものであるかにかかわらず、いかなる追加の添加剤、アジュバント、または組成物をも含んでよい。対照的に、「本質的に〜からなる」という用語は、操作性に必須ではないものを除いて任意の後続する記載の範囲から、いかなる他の構成要素、ステップ、または手順をも除外する。「〜からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないいかなる構成要素、ステップ、または手順をも除外する。
「ポリエチレン」または「エチレン系ポリマー」は、エチレンモノマーに由来する単位を50重量%より多く含むポリマーを意味するものとする。これは、ポリエチレンホモポリマーまたはコポリマー(2つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。当技術分野で知られているポリエチレンの一般的な形態としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、非常に低い密度のポリエチレン(VLDPE)、線状および実質的に線状の低密度樹脂(m−LLDPE)の両方を含む単一部位触媒線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン(MDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。これらのポリエチレン材料は、当技術分野において一般的に知られているが、以下の説明は、これらの異なるポリエチレン樹脂のいくつかの違いを理解するのに役立つ場合がある。
「LDPE」という用語はまた、「高圧エチレンポリマー」または「高分岐ポリエチレン」とも称される場合があり、ポリマーが、遊離基開始剤、例えば、過酸化物(例えば、参照により本明細書に組み込まれるUS4,599,392を参照されたい)を使用して14,500psi(100Mpa)を超える圧力でオートクレーブまたは管状反応器中で部分的または完全にホモ重合または共重合されることを意味するように定義される。LDPE樹脂は、典型的には0.916〜0.935g/cmの範囲の密度を有する。
「LLDPE」という用語は、伝統的なチーグラー・ナッタ触媒系、ならびにビス−メタロセン触媒(時折「m−LLDPE」と称される)および束縛構造触媒を含むが、これらに限定されない単一部位触媒を用いて作製された両樹脂を含み、線状、実質的に線状、または不均一なポリエチレンコポリマーまたはホモポリマーを含む。LLDPEは、LDPEよりも少ない長鎖分岐を含有し、米国特許第5,272,236号、同第5,278,272号、同第5,582,923号、および同第5,733,155号にさらに定義されている、実質的に線状のエチレンポリマー、米国特許第3,645,992号に記載されるものなどの均質に分岐した線状エチレンポリマー組成物、米国特許第4,076,698号に開示されるプロセスに従って調製されるものなどの不均一に分岐したエチレンポリマー、ならびに/またはそれらのブレンド(例えば、US3,914,342、またはUS5,854,045に開示されているもの)を含む。LLDPEは、当技術分野で知られている任意の種類の反応器または反応器構成を使用して、気相、液相、もしくはスラリー重合、またはそれらの任意の組み合わせを介して作製され得る。
「MDPE」という用語は、0.926〜0.935g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。「MDPE」は、典型的には、クロムもしくはチーグラー・ナッタ触媒を用いて、またはビスメタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されない単一部位触媒を用いて作製され、典型的には、2.5より大きい分子量分布(「MWD」)を有する。
「HDPE」という用語は、一般に、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはビスメタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されない単一部位触媒で調製される、約0.935g/cmより大きい密度を有するポリエチレンを指す。
「ULDPE」という用語は、一般に、チーグラー・ナッタ触媒、クロム触媒、またはビスメタロセン触媒および拘束幾何触媒を含むが、これらに限定されない単一部位触媒で調製される、0.880〜0.912g/cmの密度を有するポリエチレンを指す。
「ブレンド」、「ポリマーブレンド」などの用語は、2つ以上のポリマーの組成物を意味する。そのようなブレンドは、混和性であっても、そうでなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していても、していなくてもよい。そのようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当技術分野で知られている任意の他の方法から決定される、1つ以上のドメイン構成を含んでも、そうでなくてもよい。ブレンドは、積層ではないが、積層の1つ以上の層がブレンドを含んでもよい。
「多層構造」という用語は、異なる組成を有する2つ以上の層を含む任意の構造を指し、多層フィルム、多層シート、積層フィルム、多層剛性容器、多層パイプ、および多層被覆基材を含むが、これらに限定されない。
本明細書中で他に示されない限り、以下の分析方法は、本発明の記載態様において使用される。
「密度」は、ASTM D792に従って決定される。
「溶融指数」:溶融指数I(またはI2)およびI10(またはI10)は、それぞれ、ASTM D−1238に従って190℃ならびに2.16kgおよび10kgの荷重で測定される。それらの値は、g/10分で報告される。
「ヤング弾性率」は、ASTM D−1708に従って決定される。
「透明度」は、ASTM D1746に従って決定される。
「ヘイズ」は、ASTM D1003に従って決定される。
「水蒸気透過率」または「WVTR」は、ASTM F−1249に従って、Mocon Permatran WVTR試験システムを用いて、90%の相対湿度および37.8℃の温度で決定される。
「酸素透過率」または「OTR」は、ASTM D3985に従って、Mocon Oxtran OTR試験システムを用いて100%の酸素含有率、90%の相対湿度、および23℃の温度で決定される。
「二酸化炭素透過率」または「COTR」は、ASTM D3985に従って、Mocon Oxtran OTR試験システムを用いて100%の酸素含有率、90%の相対湿度、および23℃の温度で決定される。
「溶融強度」は、以下の手順に従って測定される。溶融強度測定は、Gottfert Rheotester 2000キャピラリーレオメーターに取り付けられたGottfert Rheotens 71.97(Gottfert Inc.,Rock Hill,SC)で実施される。ポリマー溶融物は、平坦な入口角(180度)、2.0mmのキャピラリー直径、および15のアスペクト比(キャピラリー長さ/キャピラリー直径)を有するキャピラリーダイを通して押し出される。試料を190℃で10分間平衡化した後、ピストンを0.265mm/秒の一定のピストン速度で稼働させる。標準試験温度は、190℃である。試料は、2.4mm/秒2の加速度で、ダイの100mm下に位置する一連の加速ニップに対して一軸的に延伸させる。引張力は、ニップロールの巻取速度の関数として記録される。溶融強度は、ストランドが破断する前のプラトー力(cN)として報告される。溶融強度測定には以下の条件が使用される:プランジャー速度=0.265mm/秒、車輪加速度=2.4mm/秒2、キャピラリー直径=2.0mm、キャピラリー長さ=30mm、およびバレル直径=12mm。
さらなる特性および試験方法は、本明細書においてさらに記載される。
一態様では、本発明は、ポリエチレンと、ブレンドの総重量に基づいてブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成するナノセルロースと、ブレンドの総重量に基づいてブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成する無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンとを含むポリマーブレンドを提供する。
いくつかの実施形態では、ナノセルロースは、リグニンで少なくとも部分的に被覆される。
いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて0.5〜2.5重量パーセントのナノセルロースを含む。本発明のポリマーブレンドは、いくつかの実施形態において、ブレンドの総重量に基づいて0.5〜2.5重量パーセントの無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンを含む。本発明のいくつかの実施形態では、ブレンド中のナノセルロースの重量百分率対ブレンド中の無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンの重量百分率の比率は、0.8:1〜1.2:1である。
本発明のポリマーブレンドから形成されたフィルムは、1つ以上の望ましい特性を呈し得る。いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドから形成されたフィルムは、ASTM F−1249に従って測定される場合、ナノセルロースが存在しないという点でのみ該ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドから形成されたフィルムの水蒸気透過率より、少なくとも10%低い水蒸気透過率を呈する。ポリマーブレンドから形成されたフィルムは、いくつかの実施形態では、ASTM D−1708に従って測定される場合、ナノセルロースが存在しないという点でのみ該ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドから形成されたフィルムのヤング弾性率より、少なくとも10%高いヤング弾性率を呈する。いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドは、ナノセルロースが存在しないという点でのみ本発明のポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドの溶融強度より、少なくとも15%高い溶融強度を呈する。
いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、酸化剤、着色剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含む。
ポリマーブレンドは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
本発明の実施形態はまた、本発明のポリマーブレンドから形成された単層フィルムに関する。本発明の単層フィルムは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
本発明の実施形態はまた、本発明のポリマーブレンドから形成された層を含む多層フィルムに関する。本発明の多層フィルムは、本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
本発明の実施形態はまた、本明細書に開示される単層フィルムまたは多層フィルムのいずれかを含む物品に関する。いくつかの実施形態では、物品は、食品パッケージなどのパッケージである。
本発明のポリマーブレンドは、ナノセルロースを含む。ナノセルロースは、一般に、ナノ構造セルロースを指し、ナノ結晶セルロース(NCC)、セルロースナノ繊維(CNF)、およびミクロフィブリル化セルロース(MFC)が含まれると理解される。本発明の実施形態では、様々な種類のナノセルロースが使用され得る。いくつかの実施形態では、ナノセルロースは、ナノ結晶セルロースを含む。いくつかの実施形態では、ナノセルロースは、セルロースナノ繊維を含む。いくつかの実施形態では、ナノセルロースは、疎水性である。ナノセルロースは、一般に親水性であるが、いくつかの実施形態では、ナノセルロースは、化学的処理などの技術を用いてそれをより疎水性にするように改質され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ナノセルロースは、それをより疎水性にするためにリグニンで少なくとも部分的に被覆され得る。本発明の実施形態で使用され得るナノセルロースの例としては、American Process,Inc.から市販されているBioPlus−Lナノ結晶セルロース、ならびにFiberLean Technologiesから市販されているミクロフィブリル化セルロース、Borregaardから市販されているミクロフィブリル化セルロース、ならびにCellulose Labから市販されているナノ結晶セルロースおよびミクロフィブリル化セルロースが挙げられる。
ナノセルロースがナノ結晶セルロースを含む、本発明のいくつかの実施形態では、ナノ結晶セルロースの平均粒径は、幅4〜5ナノメートルおよび長さ50〜500ナノメートルである。
いくつかの実施形態では、ナノセルロースは、リグニンで少なくとも部分的に被覆される。そのような実施形態では、ナノセルロースは、3〜6%のリグニン含量を有し得る。
本発明のポリマーブレンドに使用され得るナノセルロースの量は、例えば、ポリマーブレンドの所望の特性、ポリマーブレンドから作製される任意のフィルムの所望の特性、そのようなフィルムもしくはポリマーブレンドから作製される物品の所望の特性、ポリエチレン中に分散するナノセルロースの能力、および/または他の要因を含むいくつかの要因に左右される。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて0.5〜5重量パーセントのナノセルロースを含む。ポリマーブレンドは、いくつかの実施形態において、ブレンドの総重量に基づいて0.5〜2.5重量パーセントのナノセルロースを含む。
ナノセルロースに加えて、本発明のポリマーブレンドは、ポリエチレンをさらに含む。例えば、ポリマーブレンドの所望の特性、ポリマーブレンドから作製されるフィルムの所望の特性、そのようなフィルムから作製される物品の所望の特性、ポリエチレン中に分散するナノセルロースの能力、および/または他の要因を含むいくつかの要因に応じて、多種多様のポリエチレンが使用され得る。いくつかの実施形態では、ポリエチレンのブレンドが使用され得る。
いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、0.870g/cm以上の密度を有する。0.870g/cm以上のすべての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、開示され、例えば、ポリエチレンの密度は、0.870g/cm、またはその代わりに0.900g/cm以上、またはその代わりに0.910g/cm以上、またはその代わりに0.915g/cm以上、またはその代わりに0.920g/cm以上であり得る。ポリエチレンは、0.970g/cm以下の密度を有する。0.970g/cm以下のすべての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、開示される。例えば、ポリエチレンの密度は、0.970g/cm以下、またはその代わりに0.960g/cm以下、またはその代わりに0.955g/cm以下、またはその代わりに0.950g/cm以下であり得る。
いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、20g/10分以下のメルトインデックス(I)を有する。最大20g/10分のすべての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、ポリエチレンは、0.2、0.25、0.5、0.75、1、2、4、5、10、または15g/10分の下限から1、2、4、5、10、または15g/10分の上限までのメルトインデックスを有し得る。いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、最大15g/10分のメルトインデックス(I)を有する。いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、最大10g/10分のメルトインデックス(I)を有する。いくつかの実施形態では、ポリエチレンは、5g/10分未満のメルトインデックス(I)を有する。
本発明のいくつかの実施形態に使用するために特に適切なポリエチレンとしては、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、強化ポリエチレン(EPE)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
様々な市販のポリエチレンが、本発明のポリマーブレンドで使用されることが企図される。本発明の実施形態で使用され得る市販のLDPEの例には、DOW LDPE(商標)およびAGILITY(商標)の名称でThe Dow Chemical Companyから入手可能なものが含まれる。本発明の実施形態で使用され得る市販のLLDPEの例には、The Dow Chemical Companyから市販されているDOWLEX(商標)直鎖低密度ポリエチレン、例えば、DOWLEX(商標)2038.68Gが含まれる。本発明の実施形態で使用され得る市販のHDPEの例には、DOW(商標)HDPE樹脂およびDOWLEX(商標)の名称でThe Dow Chemical Companyから入手可能なものが含まれる。HDPE樹脂に加えて、ポリマーブレンドに使用されるポリオレフィンは、強化ポリエチレンも含み得る。本発明の実施形態で使用され得る市販の強化ポリエチレン樹脂の例には、The Dow Chemical Companyから市販されているELITE(商標)、ELITE(商標)AT、およびAFFINITY(商標)強化ポリエチレン、例えば、ELITE(商標)5400Gが含まれる。本発明のいくつかの実施形態で使用され得る他のポリエチレン樹脂の例は、The Dow Chemical Companyから入手可能なINNATE(商標)ポリエチレン樹脂である。当業者は、本明細書の教示に基づいてポリマーブレンドに使用するための他の好適な市販のポリエチレンを選択することができる。
ポリマーブレンドは、いくつかの実施形態において、ブレンドの重量に基づいて最大99重量パーセントのポリエチレンを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、いくつかの実施形態では、ブレンドの重量に基づいて50重量パーセント以上のポリエチレンを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、ブレンドの重量に基づいて60重量パーセント以上のポリエチレンを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、ブレンドの重量に基づいて50〜99重量%のポリエチレンを含み得る。0〜99重量%のすべての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ、開示され、例えば、ポリマーブレンド中のポリエチレンの量は、50、55、60、65、70、75、80、または85重量%の下限から55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、または99重量%の上限までであり得る。例えば、ポリマーブレンド中のポリエチレンの量は、60〜99重量%、またはその代わりに70〜99重量%、またはその代わりに80〜99重量%、またはその代わりに85〜99重量%、またはその代わりに90〜99重量%であり得る。
本発明のポリマーブレンドは、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレン(MAH−g−PE)をさらに含む。MAH−g−PEは、ポリエチレンマトリックス内のナノセルロースの親和性をさらに高めると考えられている。グラフト化ポリエチレンは、例えば、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高溶融強度高密度ポリエチレン(HMS−HDPE)、超高密度ポリエチレン(UHDPE)、およびこれらの組み合わせを含む、任意の数のポリエチレンであってもよい。いくつかの実施形態では、グラフト化ポリエチレンは、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、または高密度ポリエチレンを含む。ポリエチレン鎖にグラフト化された無水マレイン酸成分の量は、滴定分析、FTIR分析、または任意の他の適切な方法によって決定したとき、0.05重量パーセント超〜3重量パーセント(オレフィンインターポリマーの重量に基づいて)である。より好ましくは、この量は、オレフィンインターポリマーの重量に基づいて0.6〜2.7重量パーセントである。いくつかの実施形態では、無水マレイン酸グラフト化成分の量は、オレフィンインターポリマーの重量に基づいて1.0〜2.0重量パーセントである。無水マレイン酸グラフト化成分の量は、いくつかの実施形態において、オレフィンインターポリマーの重量に基づいて1.0〜1.6重量パーセントである。
いくつかの実施形態では、MAH−g−PEは、0.2g/10分〜15g/10分のメルトインデックス(I)を有する。0.2〜15g/10分のすべての個々の値および部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される。例えば、MAH−g−PEは、0.2、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11g/10分の下限から5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15g/10分の上限のメルトインデックスを有し得る。いくつかの実施形態では、MAH−g−PEは、1〜10g/15分のメルトインデックス(I)を有する。いくつかの実施形態では、MAH−g−PEは、1〜10g/10分のメルトインデックス(I)を有する。いくつかの実施形態では、MAH−g−PEは、1〜5g/10分のメルトインデックス(I)を有する。
MAH−g−PEのグラフトプロセスは、開始剤を分解して、とりわけ、アゾ含有化合物、カルボン酸ペルオキシ酸およびペルオキシエステル、アルキルヒドロペルオキシド、ならびにジアルキルおよびジアシルペルオキシドを含むフリーラジカルを形成することによって開始され得る。これらの化合物およびそれらの特性の多くが記載されている(文献:J.Branderup,E.Immergut,E.Grulke,eds.“Polymer Handbook,”4th ed.,Wiley,New York,1999,Section II,pp.1−76)。開始剤の分解によって形成される種は、酸素系フリーラジカルであることが好ましい。開始剤は、カルボン酸ペルオキシエステル、ペルオキシケタール、ジアルキルペルオキシド、およびジアシルペルオキシドから選択されることがより好ましい。ポリマーの構造を改質するために一般的に使用されるより好ましい開始剤のいくつかは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,897,689号のコラム48、13行目〜コラム49、29行目にわたる表に列挙される。あるいは、MAH−g−PEのグラフトプロセスは、熱酸化プロセスによって生成されたフリーラジカルによって開始され得る。
任意に、MAH−g−PEは、ラジカルグラフト可能な種を含む様々なグラフト化ポリオレフィンと置換または組み合わされ得る。これらの種は、各々少なくとも1つのヘテロ原子を含む不飽和分子を含む。これらの種としては、無水マレイン酸、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジシクロヘキシル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジオクタデシル、N−フェニルマレイミド、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ブロモマレイン酸、無水クロロマレイン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水アルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、フマル酸ジエチル、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ならびにこれらの化合物のそれぞれのエステル、イミド、塩、およびディールス−アルダー付加物が挙げられる。
本発明のポリマーブレンドに使用され得るMAH−g−PEの例には、The Dow Chemical CompanyからAMPLIFY(商標)GR205のなどのAMPLIFY(商標)の商品名で市販されているものが含まれる。
本発明のポリマーブレンドに使用され得るMAH−g−PEの量は、例えば、ポリマーブレンドに使用されるナノセルロースの量、ポリマーブレンドの所望の特性、ポリマーブレンドから作製される任意のフィルムの所望の特性、そのようなフィルムまたはポリマーブレンドから作製される物品の所望の特性、ポリエチレン中に分散するナノセルロースの能力、および/または他の要因を含むいくつかの要因に依存する。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて0.5〜5重量パーセントのMAH−g−PEを含む。ポリマーブレンドは、いくつかの実施形態において、ブレンドの総重量に基づいて0.5〜2.5重量パーセントのMAH−g−PEセルロースを含む。
MAH−g−PEに対するナノセルロースの量は、いくつかの実施形態において重要であり得る。いくつかの実施形態では、ブレンド中のナノセルロースの重量百分率対ブレンド中のMAH−g−PEの重量百分率の比率は、ブレンドの総重量に基づいて0.8:1〜1.2:1である。ブレンド中のナノセルロースの重量百分率対ブレンド中のMAH−g−PEの重量百分率の比率は、いくつかの実施形態においてブレンドの総重量に基づいて0.9:1〜1.1:1である。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、ブレンドの総重量に基づいて、重量百分率ベースでほぼ同じ量のナノセルロースおよびMAH−g−PEを含む。
いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、例えば、酸化防止剤、着色剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、およびそれらの組み合わせを含む、当業者に知られている1つ以上の添加剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ポリマーブレンドは、そのような添加剤の最大5重量パーセントを含む。0〜5重量%のすべての個々の値および部分範囲が本明細書に含まれ開示され、例えば、ポリマーブレンド中の添加剤の総量は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、または4.5重量%の下限から1、2、3、4、または5重量%の上限までであり得る。
いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドは、ナノセルロースが存在しないという点でのみ該ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドの溶融強度より少なくとも15%高い溶融強度を呈する。いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドは、ナノセルロースが存在しないという点でのみ本発明のポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドの溶融強度より少なくとも25%高い溶融強度を呈する。本発明のポリマーブレンドは、いくつかの実施形態において、ナノセルロースが存在しないという点でのみ本発明のポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドの溶融強度より少なくとも30%高い溶融強度を呈する。いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドは、ナノセルロースが存在しないという点でのみ本発明のポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドの溶融強度より50%高い溶融強度を呈する。
以下に述べるように、本発明のポリマーブレンドは、フィルム(例えば、インフレーションフィルム、キャストフィルムなど)に組み込まれ/変換され得る。
本発明のポリマーブレンドは、押出機またはフィルム製造に使用される他の装置に供給する前に、所定の量の成分を二軸スクリュー押出機で溶融ブレンドすることによって調製され得る。そのようなポリマーブレンドはまた、押出機またはフィルム製造に使用される他の装置に供給する前に、所定量の成分をタンブルブレンドすることによって調製され得る。いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドは、ペレットの形態であり得る。例えば、個々の成分は、本明細書の教示に基づいて、二軸スクリュー押出機または当業者に知られている他の技術を用いて、溶融ブレンドされ、次いでペレットに成形され得る。
本発明のポリマーブレンドは、例えば、単層フィルムおよび多層フィルムを含むいくつかの製品を作製するために使用され得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、本発明のポリマーブレンドのいずれかを含む単層フィルムに関する。本発明のいくつかの実施形態は、本発明のポリマーブレンドのいずれかを含む多層フィルムに関する。そのような単層フィルムおよび多層フィルムは、概して、本明細書の教示に基づいて当業者に知られている技術を用いて製造されてもよい。
いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドから形成されたフィルムは、ASTM F−1249に従って測定される場合、ナノ結晶セルロースおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンが存在しないという点でのみ該ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドから形成されたフィルムの水蒸気透過率より少なくとも10%低い水蒸気透過率を呈する。本発明のポリマーブレンドから形成されたフィルムは、いくつかの実施形態において、ASTM F−1249に従って測定される場合、ナノ結晶セルロースおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンが存在しないという点でのみ該ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドから形成されたフィルムの水蒸気透過率より少なくとも25%低い水蒸気透過率を呈する。
いくつかの実施形態では、本発明のポリマーブレンドから形成されたフィルムは、ASTM D−1708に従って測定される場合、ナノ結晶セルロースおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンが存在しないという点でのみ該ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドから形成されたフィルムのヤング弾性率より少なくとも10%高いヤング弾性率を呈する。
本発明の単層または多層フィルムは、いくつかの実施形態において、1つ以上のそのような物理的特性、および他の物理的特性を呈してもよい。
本発明の実施形態はまた、本明細書に記載されるフィルムのいずれかから形成されたパッケージを提供する。そのようなパッケージの例には、可撓性パッケージ、パウチ、起立パウチ、および既成パッケージまたはパウチが含まれ得る。そのようなパッケージは、本明細書の教示を考慮して当業者に知られている技術を用いて形成され得る。
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳細に記載する。
以下の材料を、後述される実施例に使用する。
[表]
DOWLEX(商標)2038.68Gは、The Dow Chemical Companyから市販されているLLDPEである。AMPLIFY(商標)GR205は、The Dow Chemical Companyから市販されている無水マレイン酸グラフト化HDPEである。BIOPLUS−L Crystalsは、American Process Inc.から入手可能なリグニン被覆セルロースナノ結晶である。American Process Inc.からの技術データシートによると、BIOPLUS−L Crystalsは疎水性であり、4〜5nmの平均粒子幅、50〜500nmの平均粒子幅、93%のセルロース結晶化度(XRD)、1.05g/cm(水性ゲル)または1.50g/cm(乾燥粉末)の密度、および〜3から6重量パーセントのリグニン含有量を有する。
いくつかの試料が、表1に特定される通りに溶融配合される。
本発明の実施例1および2は、本発明のポリマーブレンドの実施形態を表す。上記ブレンドの各々を、表2に示される条件下でCollin共押出インフレーションフィルムライン(Dr.Collin GmbHからのModel BL180/400)上でフィルムに加工して、単層インフレーションフィルムを形成する(同じ材料を用いて、層A、B、およびC)。
ASTM D882に従ってフィルムの各々について平均割線係数(1%および2%)を測定し、結果を表3に示す。
上記のように、単層フィルムの剛性は、1%のナノセルロースの存在および1%のナノセルロースと1%の無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンの組み合わせで増加する。特に、このデータは、フィルム中に1%のナノセルロースを添加すると(本発明の実施例1および2)、剛性(CDおよびMDの両方の)が20%以上増加することを示す。より高いモジュラスを特徴とする、より高いフィルム剛性は、単層および多層フィルムの両方をダウンゲージする可能性を提供し、したがってコストを低減する。
フィルムの水蒸気透過率(WVTR)は、100%の相対湿度および37.8℃の温度でMocon Permatran WVTR試験システム(モデル3/33)を使用して、ASTM F−1249に従って測定される。酸素透過率(OTR)は、100%の酸素含有率、90%の相対湿度、および23℃の温度でMocon Oxtran OTR試験システム(モデル2/21)を使用して、ASTM D3985に従って測定される。これらの特性は、フィルムの6インチ×6インチの試料で測定される。各実施例のフィルムの少なくとも3回の測定を行い、平均値を表4に示す。
表4のデータは、1重量パーセントのナノセルロースおよび無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンをフィルム構造に使用する場合(本発明の実施例2)のWVTRの改善を示す。改善は、比較例Aに比べて約16%である。背景として、この測定方法の標準偏差は2%未満である。また、3%の改善が、比較例Aに対して本発明の実施例2で観察される。
ポリマーブレンドの溶融強度も、上述のように測定される。結果を図1に示す。図1は、1重量パーセントのナノセルロースおよび1重量パーセントの無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンをフィルム構造に使用する場合(本発明の実施例2)、40%以上の改善が、溶融強度レオロジーデータ上で得られ得ることを示す。溶融強度は、インフレーションフィルムプロセス中の気泡安定性にとって重要な特性である。溶融強度はまた、それがネックインを最小にするのに役立ち得る押出コーティングなどの他の用途にとって重要な特性である。
フィルムの光学特性も測定される。透明度は、ASTM D1746に従って決定される。45°での光沢度は、ASTM D2457に従って決定される。ヘイズは、ASTM D1003に従って決定される。表5のデータは、1重量%の無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンの存在が、ポリエチレンマトリックス内のナノセルロースの分散を助け(本発明の実施例2)、したがってほとんどの光学特性を対照試料(比較例A)と同様のレベルに改善することを示している。

Claims (12)

  1. ポリマーブレンドであって、
    ポリエチレンと、
    前記ブレンドの総重量に基づいて前記ブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成するナノセルロースと、
    前記ブレンドの総重量に基づいて前記ブレンドの0.5〜5重量パーセントを構成する無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンと、を含む、ポリマーブレンド。
  2. 前記ナノセルロースが、ナノ結晶セルロースを含む、請求項1に記載のポリマーブレンド。
  3. 前記ナノセルロースが、リグニンで少なくとも部分的に被覆される、請求項1または請求項2に記載のポリマーブレンド。
  4. 前記ポリマーブレンドが、前記ブレンドの総重量に基づいて0.5〜2.5重量パーセントのナノセルロースを含む、請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  5. 前記ポリマーブレンドが、前記ブレンドの総重量に基づいて0.5〜2.5重量パーセントの無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンを含む、請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  6. 前記ブレンド中のナノセルロースの重量百分率対前記ブレンド中の無水マレイン酸グラフト化ポリエチレンの重量百分率の比率が、0.8:1〜1.2:1である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  7. 前記ポリマーブレンドから形成されたフィルムは、ASTM F−1249に従って測定される場合、ナノセルロースが存在しないという点でのみ前記ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドから形成されたフィルムの水蒸気透過率より、少なくとも10%低い水蒸気透過率を呈する、請求項1〜6のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  8. 前記ポリマーブレンドから形成されたフィルムは、ASTM D−1708に従って測定される場合、ナノセルロースが存在しないという点でのみ前記ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドから形成されたフィルムのヤング弾性率より、少なくとも10%高いヤング弾性率を呈する、請求項1〜7のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  9. 前記ブレンドが、ナノセルロースが存在しないという点でのみ前記ポリマーブレンドと異なるポリマーブレンドの溶融強度より、少なくとも15%高い溶融強度を呈する、請求項1〜8のいずれかに記載のポリマーブレンド。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のポリマーブレンドを含む単層フィルム。
  11. 少なくとも1つの層が、請求項1〜8のいずれかに記載のポリマーブレンドを含む、多層フィルム。
  12. 請求項10に記載の多層フィルムを含むパッケージ。
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