JP2019515915A - 甲状腺ベータアゴニストの使用 - Google Patents

甲状腺ベータアゴニストの使用 Download PDF

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Abstract

X連鎖副腎白質ジストロフィーを処置するのに有用な方法を提供する。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2016年4月22日に出願された米国仮特許出願第62/326,431号の優先権の利益を主張する。この出願は、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
副腎白質ジストロフィー(X連鎖副腎白質ジストロフィー、X-ALDとしても公知)は、全身にわたる組織における極長鎖脂肪酸の蓄積という結果をもたらすペルオキシソームの脂肪酸ベータ酸化の障害である。最も重度に影響を受ける組織は、中枢神経系中のミエリン、副腎皮質、及び精巣中のライディッヒ細胞である。X連鎖障害として、X-ALDは、主に男性において顕性であるが、しかしながら、およそ50%のヘテロ接合体の女性が高齢期にいくつかの症状を示す。X-ALDの最も重度の形態は、大脳型ALDとして公知であり、脳組織における急速進行性の炎症性脱髄プロセスを特徴とする。この形態は、幼児期においてより一般的であり、典型的には12歳より下の小児に現れる。大脳型ALD患者は、典型的には、急速な変性を経験し、3〜5年内に植物状態に至る。X-ALDのより一般的な形態は、副腎脊髄末梢神経障害(AMN)として公知である。該疾患のこの形態は、高齢期に、典型的には25〜45歳の間に顕性である。AMNは、脊髄及び運動ニューロンに影響を及ぼすが、炎症性要素又は脳の合併症はない。AMN患者は、最初に歩行困難を示し、下肢麻痺を伴う進行性の運動機能障害に至る。
ALDは、X染色体上に位置するATP結合カセット輸送体d1(ABCD1)に関する遺伝子における変異に起因する。ABCD1は、極長鎖脂肪酸(VLCFA)を、分解のためにペルオキシソーム内へと輸送する働きをする。X-ALDでは、欠陥があるABCD1により、VLCFAの蓄積に至る。X-ALDを有する個体は、非常に高レベルの、非分岐の飽和した極長鎖脂肪酸、詳細にはセロチン酸(26:0)を示す。治癒させる治療も是認された治療もないため、X-ALDに関する処置の選択肢は限られたものである。
したがって、X-ALDを処置する方法の改善への必要がある。
式I
[式中、R1〜R5、G、T及びXは、本明細書に定義された通りである]
の甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストを含む医薬組成物を、対象に投与することを含む、X連鎖副腎白質ジストロフィーを処置する方法を本明細書に提供する。
特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、5mg/日、10mg/日、1日おきに10mg、又は1日おきに15mgの用量で投与される。
特定の実施形態では、医薬組成物は、毎日、1日おきに、又は間欠的に3か月間投与され、続いて1か月の期間、医薬組成物が投与されない。
アッセイした化合物の、ABCD2発現に対する効果を示す棒グラフである。括弧内の数字は、それぞれの化合物のμMにおける濃度を表す。 アッセイした化合物の、インキュベーションの3日及び10日におけるqPCR解析を示すプロット図である。 化合物2及び4を用いて、X-ALD細胞株をインキュベートすることによる、VLCFAベータ酸化(パネルA)、D3C26:0合成(パネルB)、及びABCD2誘導(パネルC)に対する効果を示す3つのパネルを含む(パネルA〜C)。 化合物1、2、3、及び4並びに4-PBA及びソベチロムを用いて10日間、X-ALD細胞株をインキュベートすることによる、VLCFAベータ酸化(パネルA)及び新規のVLCFA合成(パネルB)に対する効果を示す2つのパネルを含む(パネルA及びB)。 化合物1、2、3、及び4並びに4-PBA及びソベチロムを用いて3日間、X-ALD細胞株をインキュベートすることによる、ABCD2誘導(パネルA)、VLCFAベータ酸化(パネルB)、及び新規のVLCFA合成(パネルC)に対する効果を示す3つのパネルを含む(パネルA〜C)。 初期コホートからの、全血中のC26:0-LPCレベルの時間経過を示すデータを表す線グラフである。 第2コホートからの、全血中のC26:0-LPCレベルの時間経過を示すデータを表す線グラフである。 全血中の化合物3のベースラインC26:0からの変化を示すデータを表す棒グラフである。 初期コホートからの、血漿中のC26:0-LPCレベルの時間経過を示すデータを表す棒グラフである。
特定の態様では、x連鎖副腎白質ジストロフィー(X-ALD)の処置に関する方法を本明細書に提供する。特定の態様では、本発明は、X-ALDを処置する方法を提供し、例えば、治療有効量の甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストを、対象に投与することを含む。
特定の実施形態では、甲状腺受容体ベータアゴニストは、米国特許第7,829,552号及び米国特許出願公開第2009-0232879号に開示されるものなどの化合物又はその塩、エステル、若しくはプロドラッグを含有するホスホン酸であり、その全容は、特にそれらに開示される化合物及びプロドラッグに関して参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、甲状腺受容体ベータアゴニストは、式I:
[式中、
Gは、-O-、-S(O)a-、-CH2-、-CF2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-NH-、及び-N(C1〜C4アルキル)-からなる群から選択され;
aは、0〜2の整数であり;
Tは、-(CRa 2)m-、-CH=CH-、-O(CRb 2)(CRa 2)p-、-S(CRb 2)(CRa 2)p-、-N(Rb)(CRb 2)(CRa 2)p-、-N(Rb)C(O)(CRa 2)p-、-(CRa 2)pCH(NRc 2)-、-C(O)(CRa 2)n-、-(CRa 2)nC(O)-、-(CRa 2)C(O)(CRa 2)-、及び-C(O)NH(CRb 2)-からなる群から選択され;
m=0〜3;
n=0〜2;
p=0〜1;
各Raは、独立して、水素、場合により置換された-C1〜C4アルキル、ハロゲン、-OH、場合により置換された-O-C1〜C4アルキル、-OCF3、場合により置換された-S-C1〜C4アルキル、-NRc 2、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、及び場合により置換された-C2〜C4アルキニルからなる群から選択され;
各Rbは、独立して、水素、場合により置換された-C1〜C4アルキル、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、及び場合により置換された-C2〜C4アルキニルからなる群から選択され;
各Rcは、独立して、水素、場合により置換された-C1〜C4アルキル、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、場合により置換された-C2〜C4アルキニル、及び場合により置換された-C(O)-C1〜C4アルキルからなる群から選択され;
R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン、場合により置換された-C1〜C4アルキル、場合により置換された-S-C1〜C3アルキル、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、場合により置換された-C2〜C4アルキニル、-CF3、-OCF3、場合により置換された-O-C1〜C3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRa 2)mアリール、場合により置換された(CRa 2)mシクロアルキル、場合により置換された(CRa 2)mヘテロシクロアルキル、-ORd、-SRd、-S(O)1〜2Re、-S(O)2NRfRg、-C(O)NRfRg、-C(O)ORh、-C(O)Re、-N(Rb)C(O)Re、-N(Rb)C(O)NRfRg、-N(Rb)S(O)2Re、-N(Rb)S(O)2NRfRg、及び-NRfRgからなる群から選択され;
各Rdは、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRb 2)nアリール、場合により置換された-(CRb 2)nシクロアルキル、場合により置換された-(CRb 2)nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
各Reは、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRa 2)nアリール、場合により置換された-(CRa 2)nシクロアルキル、及び場合により置換された-(CRa 2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
Rf及びRgは、それぞれ独立して、水素、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRb 2)nアリール、場合により置換された-(CRb 2)nシクロアルキル、及び場合により置換された-(CRb 2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRf及びRgは一緒になって、場合により置換された複素環を形成し得て、これはO、NRb、及びSの群から選択される第2のヘテロ基を含有し得て、4個までの任意の置換基は、場合により置換された-C1〜C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、場合により置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択され;
各Rhは、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRb 2)nアリール、場合により置換された-(CRb 2)nシクロアルキル、及び場合により置換された-(CRb 2)nヘテロシクロアルキルであり;
R5は、-OH、場合により置換された-OC1〜C6アルキル、-OC(O)Re、-F、-NHC(O)Re、-NHS(O)1〜2Re、-NHC(S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され;
Xは、P(O)YR11Y'R11であり;
Y及びY'は、それぞれ独立して、-O-、及び-NRv-からなる群から選択され;
Y及びY'が-NRv--であるとき、-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロシクロアルキル、場合により置換されたCH2-ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、その環式部分は、カーボネート若しくはチオカーボネート、場合により置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz 2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシを含有するか;又は
R11及びR11は一緒になって、-アルキル-S-S-アルキル-であり環式基を形成するか、若しくはR11及びR11は、一緒になって:
基であり、
V、W、及びW'は、独立して、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、場合により置換された1-アルケニル、及び場合により置換された1-アルキニルからなる群から選択されるか;
又はV及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して、5〜7個の原子を含有する環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、リンに結合した両方のY基から3原子離れた炭素原子に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはアリールオキシカルボニルオキシで置換されているか;又は
V及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、これはリンに結合したYに対してベータ及びガンマ位においてアリール基に縮合しており;
V及びWは一緒になって、付加された3個の炭素原子を介して結合して、6個の炭素原子を含有する場合により置換された環式基を形成し、上記環式基は、リンに結合したYから3原子離れた前記炭素原子の1個に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基で置換されており;
Z及びWは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
W及びW'は一緒になって、付加された2〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜2個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry,-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz,-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz 2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz 2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
qは、2又は3の整数であり;
但し、場合により:
a)V、Z、W、W'は、全てが-Hとなることはなく;且つ
b)Zが-Rzであるときは、V、W、及びW'のうちの少なくとも1個は、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではない
ことを条件とし;
各Rzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
各Ryは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
各Rxは、独立して、-H、及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxは一緒になって、環式アルキル基を形成しており;
各Rvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される]
の化合物;
並びにその薬学的に許容される塩及びプロドラッグ並びにプロドラッグの薬学的に許容される塩[Gが-O-であるとき、Tは-CH2-であり、R1及びR2はブロモであり、R3はイソ-プロピルであり、R4は水素であり、且つR5は-OHであり、そしてXはP(O)(OH)2又はP(O)(OCH2CH3)2ではない];又はその塩、エステル、若しくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択される。
特定の実施形態では、R5は、-OH、場合により置換された-OC1〜C6アルキル、及び-OC(O)Reから選択される。
特定の実施形態では、R4は、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、及び場合により置換された-C2〜C12アルキニルから選択される。
特定の実施形態では、Tは-O(CRb 2)(CRa 2)p-であり、pは0又は1である。
特定の実施形態では、Y及びY'は-O-であり、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロシクロアルキル、及び-C(Rz)2-OC(O)Ryからなる群から選択される。
特定の実施形態では、Y及びY'が-O-であるとき、R11及びR11は一緒になって、
[式中:
V、W、及びW'は、独立して、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、場合により置換された1-アルケニル、及び場合により置換された1-アルキニルからなる群から選択されるか;
又はV及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して、5〜7個の原子を含有する環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、リンに結合した両方のY基から3原子離れた炭素原子に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはアリールオキシカルボニルオキシで置換されているか;又は
V及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、これはリンに結合したYに対してベータ及びガンマ位においてアリール基に縮合しており;
V及びWは一緒になって、付加された3個の炭素原子を介して結合して、6個の炭素原子を含有する場合により置換された環式基を形成し、上記環式基は、リンに結合したYから3原子離れた前記炭素原子の1個に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基で置換されており;
Z及びWは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
W及びW'は一緒になって、付加された2〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜2個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry,-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz,-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz 2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz 2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
qは、2又は3の整数であり;
但し、場合により:
a)V、Z、W、W'は、全てが-Hとなることはなく;且つ
b)Zが-Rzであるときは、V、W、及びW'のうちの少なくとも1個は、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではない
ことを条件とし;
各Rzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
各Ryは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
各Rxは、独立して、-H、及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxは一緒になって、環式アルキル基を形成しており;
各Rvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される]
基を形成している。
特定の実施形態では、Vは置換されたアリールであり、且つW及びW'は水素である。
特定の好ましい実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、表Iに示される化合物又はその塩、エステル、若しくはプロドラッグである。
特定の実施形態では、本発明は、X-ALDの処置においてヒト患者に使用される、有効量の式Iの化合物及び1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬調製物を提供する。
特定の実施形態では、対象は、哺乳類、例えばヒトである。
例示的な医薬組成物
特定の実施形態では、本発明は、先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明の組成物および方法は、それを必要とする個体を処置するために用いられ得る。特定の実施形態では、該個体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物などの哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与される場合、該組成物または該化合物は、好ましくは、例えば本発明の化合物および製薬上許容される担体を含む、医薬組成物として投与される。製薬上許容される担体、例えば水もしくは生理学的に緩衝された生理食塩水などの水溶液、またはグリコール、グリセロールなどの他の溶媒もしくはビヒクル、オリーブ油もしくは注射可能な有機エステルなどの油は、当該技術分野で周知である。好ましい実施形態では、そのような医薬組成物がヒトへの投与用のもの、特に侵襲性投与経路(即ち、上皮バリアを通した輸送または拡散を回避した、注射または埋込みなどの経路)用のものであれば、該水溶液は、パイロジェンフリーまたは実質的にパイロジェンフリーである。例えば薬剤の遅延放出を実行するため、または1種もしくは複数の細胞、組織もしくは臓器を選択的に標的にするように、賦形剤を選択することができる。該医薬組成物は、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルなど)、顆粒、再構成される凍結乾燥物、粉末、溶液、シロップ、坐剤、注射などの単位投与剤型であり得る。該組成物はまた、経皮送達システム、例えば皮膚パッチ中に存在し得る。該組成物はまた、点眼薬などの外用投与に適した溶液中に存在し得る。
製薬上許容される担体は、例えば安定化させるように、溶解度を上昇させるように、または本発明の化合物などの化合物の吸収を増加させるように働く生理学的に許容される薬剤を含有し得る。そのような生理学的に許容される薬剤としては、例えばグルコース、スクロースもしくはデキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸もしくはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質、または他の安定化剤もしくは賦形剤が挙げられる。生理学的に許容される薬剤をはじめとする製薬上許容される担体の選択は、例えば該組成物の投与経路に依存する。医薬組成物の調製物は、自己乳化薬物送達システムまたは自己微小乳化薬物送達システムであり得る。該医薬組成物(調製物)はまた、例えば本発明の化合物を内部に取り込み得るリポソームまたは他のポリマーマトリックスであり得る。例えばリン脂質または他の脂質を含む、リポソームは、作製および投与することが比較的簡単である、非毒性で生理学的に許容し得て代謝可能な担体である。
語句「製薬上許容される」は、サウンドメディカルジャッジメントの範囲内で、人類および動物の組織と接触する使用に適し、過剰な毒性、過敏症、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を生じず、合理的な利益/リスク比にふさわしい、それらの化合物、材料、組成物および/または投与剤型を指すために本明細書で用いられる。
本明細書で用いられる語句「製薬上許容される担体」は、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル封入材料などの製薬上許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、患者に有害でないという意味で「許容され」なければならない。製薬上許容される担体として働き得る材料の幾つかの例としては、(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;(2)コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびセルロース誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナッツオイル、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンガー液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;ならびに(21)医薬製剤中で用いられる他の非毒性の適合性物質が挙げられる。
医薬組成物(調製物)は、例えば経口(例えば、水性または非水性溶液または懸濁液、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルなど)、ボーラス、粉末、顆粒、舌へ塗布されるペーストなどの飲薬);口腔粘膜を通した吸収(例えば、舌下);経肛門、経直腸または経腟(例えば、ペッサリー、クリームまたはフォームとして);非経口(筋肉内、静脈内、皮下または髄腔内など、例えば滅菌溶液または懸濁液として);鼻内;腹腔内;皮下;経皮(例えば、皮膚へ塗布されるパッチとして);および外用(例えば、皮膚へ塗布されるクリーム、軟膏もしくはスプレーとして、または点眼薬として)などの複数の投与経路のいずれかによって対象に投与され得る。該化合物はまた、吸入用に配合され得る。特定の実施形態では、化合物は、単に滅菌水中に溶解または懸濁され得る。適切な投与経路およびそれに適した組成物の詳細は、例えば米国特許第6,110,973号、同第5,731,000号、同第5,541,231号、同第5,427,798号、同第5,358,970号および同第4,172,896号、ならびに本明細書に引用された特許に見出され得る。
該製剤は、簡便には単位投与剤型中に存在し得、薬剤の技術分野で周知の任意方法によって調製され得る。単一投与剤型を製造するために担体材料と混和され得る有効成分の量は、処置される宿主、個々の投与様式に応じて変動するであろう。単一投与剤型を製造するために担体材料と混和され得る有効成分の量は、一般には治療効果を生じる化合物の量であろう。一般に、100%のうち、この量は、有効成分約1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲内であろう。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物などの活性化合物を担体、および場合により1種または複数の補助成分と会合させるステップを含む。一般に該製剤は、本発明の化合物を液状担体もしくは微細固体担体またはそれらの両方と均一かつ密接に会合させ、その後、必要に応じて生成物を成形すること、によって調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれが本発明の化合物の所定量を有効成分として含有する、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルなど)、カシェ、丸薬、錠剤、トローチ錠(香味ベース、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントを用いる)、凍結乾燥物、粉末、顆粒の形態、あるいは水性もしくは非水性液中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油もしくは油中水液体エマルジョンとして、またはエリキシルもしくはシロップとして、またはパステル剤(ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの不活性ベースを用いる)および/もしくは洗口液としてなどであり得る。組成物または化合物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与され得る。
経口投与のための固体投与剤型(カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルなど)、錠剤、丸薬、糖剤、粉末、顆粒など)を調製するために、有効成分が、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムおよび/または以下のもののいずれかなどの1種または複数の製薬上許容される担体と混和される:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;(8)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物などの滑沢剤;(10)修飾および非修飾シクロデキストリンなどの錯化剤;ならびに(11)着色剤。カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルなど)、錠剤および丸薬の場合、該医薬組成物はまた、緩衝剤を含み得る。類似のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤および高分子量ポリエチレングリコールなどを用いた軟および硬充填ゼラチンカプセルへの充填剤として用いられ得る。
錠剤は、場合により1種または複数の補助成分と共に、圧縮または成形することによって作製され得る。圧縮錠は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、または架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を用いて調製され得る。成形錠は、不活性液体希釈剤で加湿された該粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって作製され得る。
医薬組成物の錠剤および他の固体投与剤型、例えば糖剤、カプセル(スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルなど)、丸薬および顆粒は、場合により刻み目が付けられているか、またはコーティングおよびシェル、例えば腸溶性コーティングおよび医薬配合の技術分野で周知の他のコーティングと共に調製され得る。それらはまた、所望の放出プロファイル、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを提供するために、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で用いて、有効成分の徐放または制御放出を提供するように配合され得る。それらは、例えば細菌保持フィルターを通すろ過により、または使用直前に滅菌水もしくは一部の他の滅菌注射可能媒体に溶解され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより、滅菌され得る。これらの組成物はまた、場合により乳白剤を含有することができ、そして場合により遅延される手法で、胃腸管の特定部位のみで、またはそこに優先的に、有効成分(複数可)を放出する組成物であり得る。用いられ得る埋入組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。有効成分はまた、適宜、上記賦形剤の1種または複数との、マイクロカプセル化形態であり得る。
経口投与に有用な液体投与剤型としては、製薬上許容されるエマルジョン、再構成される凍結乾燥物、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。液体投与剤型は、有効成分に加えて当該技術分野で一般に用いられる不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、シクロデキストリンおよびそれらの誘導体、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含有し得る。
該経口組成物はまた、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤および防腐剤などのアジュバントを含み得る。
懸濁物は、活性化合物に加えて、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、ならびにそれらの混合物を含有し得る。
経直腸、経腟または尿道投与のための医薬組成物の製剤は、坐剤として存在することができ、該坐剤は、1種または複数の活性化合物を、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスまたはサリチル酸塩を含む1種または複数の適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製され得、室温では固体であるが体温では液体となり、それにより直腸または腟腔で融解して活性化合物を放出する。
口への投与のための医薬組成物の製剤は、洗口液または経口スプレーまたは経口軟膏として存在し得る。
代わりまたは追加として、組成物は、カテーテル、ステント、ワイヤーまたは他の腔内デバイスを介した送達のために配合され得る。そのようなデバイスを介した送達は、膀胱、尿道、尿管、直腸または腸への送達に特に有用であり得る。
経腟投与に適した製剤としては、当該技術分野において適切であることが知られた担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤も挙げられる。
外用または経皮投与用の投与剤型としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物は、滅菌条件下で製薬上許容される担体および必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤または噴射剤と混合され得る。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、サリチル酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有し得る。
粉末およびスプレーは、活性化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有し得る。加えてスプレーは、慣用される噴射剤、例えばクロロフルオロヒドロカーボンおよび揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパンを含有し得る。
経皮パッチは、身体への本発明の化合物の制御送達を提供するという追加の利点を有する。そのような投与剤型は、活性化合物を適当な媒体に溶解または分散させることにより作製され得る。吸収促進剤を用いて、皮膚を通した該化合物の透過を増加させることもできる。そのような透過の速度は、速度制御膜を提供すること、または該化合物をポリマーマトリックスまたはゲルに分散させること、のいずれかによって制御され得る。
眼科製剤、眼軟膏、粉末、溶液などもまた、本発明の範囲内として企図される。模範的眼科製剤は、内容が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2005/0080056号、同第2005/0059744号、同第2005/0031697号、および同第2005/004074号、ならびに米国特許第6,583,124号に記載される。所望なら、液体眼科製剤が、涙液、眼房水、もしくは硝子体液と類似の特性を有するか、またはそのような流体と適合性がある。好ましい投与経路は、局所投与である(例えば、点眼薬などの外用投与またはインプラントを介した投与)。
本明細書で用いられる語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、通常は注射による、腸内および外用投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、クモ膜下、脊髄内および胸骨内の注射および輸液を包含するが、これらに限定されない。
非経口投与に適した医薬組成物は、1種または複数の活性化合物を、1種または複数の製薬上許容される滅菌等張水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または滅菌粉末と併せて含み、該滅菌粉末は、使用直前に滅菌注射可能溶液もしくは分散液に再構成され得、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、該製剤を予定のレシピエントの血液と等張性にする溶質、または懸濁もしくは増粘剤を含有し得る。
本発明の医薬組成物中で用いられ得る適切な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適度な流動性が、例えばレシチンなどのコーティング材料の使用により、分散物の場合には必要となる粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により、維持され得る。
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含有し得る。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの含有によって確実になり得る。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物中に含ませることが望ましい場合もある。加えて、注射可能な医薬形態の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤の含有によってもたらされ得る。
幾つかの例において、薬物の効果を延長するためには、皮下または筋肉注射からの薬物の吸収を緩徐にすることが望ましい。これは、難水溶性を有する結晶または非晶質材料の液体懸濁物の使用によって完遂され得る。その場合、薬物の吸収速度は、溶解速度に依存し、そして溶解速度もまた、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは非経口投与された薬物形態の吸収遅延が、油性ビヒクルに薬物を溶解または懸濁させることによって完遂される。
注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生体分解性ポリマー中で対象の化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成させることによって作製される。ポリマーに対する薬物の比率、および用いられる個々のポリマーの性質に応じて、薬物放出の速度が制御され得る。他の生体分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポー注射可能製剤は、身体組織と適合性があるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を封入することによっても調製される。
本発明の方法で使用される場合、活性化合物は、そのままで、または例えば0.1〜99.5%(より好ましくは0.5〜90%)の有効成分を製薬上許容される担体と併せて含有する医薬組成物として、与えられ得る。
導入方法は、再充填性または生体分解性デバイスによっても提供され得る。タンパク質性生物製剤をはじめとする様々な遅延放出性ポリマーデバイスが、近年になり薬物の制御送達用に開発され、インビボでテストされた。生分解性および非分解性ポリマーの両方を含む様々な生体適合性ポリマー(ヒドロゲルなど)を用いて、個々の標的部位での化合物の持続放出のためのインプラントを形成させることができる。
医薬組成物中の有効成分の実際の投与レベルは、患者への毒性を生じずに、個々の患者、投与組成および様式に関する所望の治療応答を実現するのに効果的な有効成分量を得るように変動され得る。
選択される投与レベルは、個々の化合物の活性、用いられる化合物またはそのエステル、塩もしくはアミドの組み合わせ、投与経路、投与時間、用いられる個々の化合物(複数可)の排泄速度、処置期間、用いられる個々の化合物(複数可)と併用される他の薬物、化合物および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、病気、一般的健康状態、過去の医療歴、ならびに医療の技術分野で周知の類似因子など種々の因子に依存するであろう。
医師の当業者は、必要となる医薬組成物の治療有効量を即座に決定および処方することができる。例えば医師は、該医薬組成物または化合物の用量を所望の治療効果を実現するのに必要となるレベルよりも低レベルで開始し、所望の効果が実現されるまで投薬量を徐々に増加させることができる。「治療有効量」は、所望の治療効果を誘発するのに十分な化合物濃度を意味する。化合物の有効量が対象の体重、性別、年齢、および医療歴に応じて変動することは、概ね理解されよう。有効量に影響を及ぼす他の因子としては、患者の病気の重症度、処置される障害、化合物の安定性、そして所望なら本発明の化合物と共に投与される別のタイプの治療剤を挙げることができるが、これらに限定されない。より大きな総用量であれば、該薬剤の反復投与によって送達され得る。有効性および投薬量を決定する方法は、当業者に知られている(参照により本明細書に組み入れられるIsselbacher et al. (1996) Harrison's Principles of Internal Medicine 13 ed., 1814-1882)。
一般に、本発明の組成物および方法で用いられる活性化合物の適切な用量は、治療効果を生じるのに効果的な最小用量であるその化合物量であろう。そのような有効用量は、先に記載された因子に概ね依存する。
特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、毎日投与されてもよい。所望ならば、活性化合物の有効1日用量は、1日を通して適切な間隔で分けて投与される1回、2回、3回、4回、5回、6回又はより多くの回のサブ投薬で、場合により単位剤形において投与されてもよい。本発明の特定の実施形態では、活性化合物は、1日に2回又は3回投与されてもよい。特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、1日おきに投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、複数の1日投薬スケジュールに基づいて、対象に間欠的に投与される。そのような実施形態では、該化合物は、少なくとも2日及び5日もの異なる日に投与される。複数の1日投薬スケジュールの一態様では、該化合物は、2日から5日までの連続した日などの連続日に対象に投与される。特定の実施形態では、該化合物は、投薬サイクルを繰り返す前に投薬しない1日を設けて、3連続日の間対象に投与される。
特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、毎日、1日おき、又は間欠的に2か月、3か月、若しくは4か月間投与され、続いて甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストが投与されない期間(例えば、休薬期間)があってもよい。いくつかの実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストが投与されない期間は、約56日〜約5日、約49日など、約42日など、約35日など、約28日など、約21日など、約14日など、又は約7日など、好ましくは28日であってもよい。いくつかの実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストが投与されない期間は、約2か月〜約1週間、例えば1か月間などであってもよい。
特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、約1mg〜約100mg/日、約1mg〜約50mg/日など、約1mg〜約25mg/日など、約1mg〜約20mg/日など、約5mg〜25mg/日など、約5mg〜約20mg/日など、又は約5mg〜約15mg/日の用量で投与されてもよい。特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、100mg/日、50mg/日、25mg/日、20mg/日、15mg/日、10mg/日、5mg/日、又は1mg/日の用量で投与されてもよい。
特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、1日おきに約1mg〜約100mg、1日おきに約1mg〜約50mgなど、1日おきに約1mg〜約25mgなど、1日おきに約1mg〜約20mgなど、1日おきに約5mg〜25mgなど、1日おきに約5mg〜約20mgなど、又は1日おきに約5mg〜約15mgの用量で投与されてもよい。特定の実施形態では、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストは、1日おきに100mg、1日おきに50mg、1日おきに25mg、1日おきに20mg、1日おきに15mg、1日おきに10mg、1日おきに5mg、又は1日おきに1mgの用量で投与されてもよい。
本発明は、組成物における本発明の化合物の薬学的に許容される塩の使用及び本発明の方法を含む。用語「薬学的に許容される塩」として、本明細書で使用するとき、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、サリチル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ナフタレン-2-スルホン酸、及び他の酸を含む無機酸又は有機酸に由来する塩が挙げられる。薬学的に許容される塩形態は、塩を構成する分子の比が1:1ではない形態を含み得る。例えば、塩は、式Iの化合物の分子当たり2個の塩酸分子などのように、塩基分子当たり2個以上の無機酸又は有機酸の分子を含み得る。別の例として、塩は、酒石酸分子当たり2個の式Iの化合物分子などのように、塩基分子当たり1個未満の無機酸又は有機酸分子を含み得る。
さらなる実施形態では、本発明の想定される塩としては、限定するものではないが、アルキル、ジアルキル、トリアルキルまたはテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。特定の実施形態では、本発明の想定される塩としては、限定するものではないが、L-アルギニン、ベネンタミン(benenthamine)、ベンザチン、ベタイン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール(deanol)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リチウム、L-リシン、マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、ピペラジン、カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン、ナトリウム、トリエタノールアミン、トロメタミン、および亜鉛塩が挙げられる。特定の実施形態では、本発明の想定される塩としては、限定するものではないが、Na、Ca、K、Mg、Znまたは他の金属塩が挙げられる。
製薬上許容される酸付加塩はまた、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド等との種々の溶媒和物として存在することができる。そのような溶媒和物の混合物もまた調製することができる。このような溶媒和物の供給源は、調製または結晶化の溶媒中に内在するか、またはそのような溶媒に付随的な、結晶化の溶媒からのものであり得る。
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、防腐剤および抗酸化剤もまた、該組成物中に存在し得る。
製薬上許容される抗酸化剤の例としては、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなどの脂溶性抗酸化剤;および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
定義
用語「アシル」は、当技術分野で認識され、一般式:ヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-により表わされる基を意味する。
用語「アシルアミノ」は、当技術分野で認識され、アシル基で置換されたアミノ基を意味し、例えば、式:ヒドロカルビルC(O)NH-により表わすことができる。
用語「アシルオキシ」は、当技術分野で認識され、一般式:ヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-により表わされる基を意味する。
用語「アルコキシ」とは、それに結合した酸素を有するアルキル基、好ましくは低級アルキル基を意味する。代表的なアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。
用語「アルコキシアルキル」とは、アルコキシ基で置換されたアルキル基を意味し、一般式:アルキル-O-アルキルにより表わすことができる。
用語「アルケニル」とは、本明細書中で用いる場合、少なくとも1個の二重結合を含む脂肪族基を意味し、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」の両方を含むことが意図され、そのうちの後者は、アルケニル基の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルケニル部分を意味する。そのような置換基は、1個以上の二重結合中に含まれるかまたは含まれない1個以上の炭素上に存在することができる。さらに、そのような置換基としては、安定性が妨害的(prohibitive)である場合を除いて、下記で議論される通りの、アルキル基に対して考慮されるものすべてが挙げられる。例えば、1個以上のアルキル基、カルボシクリル基、アリール基、ヘテロシクリル基、またはヘテロアリール基によるアルケニル基の置換が考慮される。
「アルキル」基または「アルカン」は、完全に飽和している、直鎖または分岐鎖非芳香族炭化水素である。典型的には、直鎖または分岐鎖アルキル基は、別途規定されない限り、1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜約10個の炭素原子を有する。直鎖および分岐鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチルおよびオクチルが挙げられる。C1-C6直鎖または分岐鎖アルキル基はまた、「低級アルキル」基とも称される。
さらに、用語「アルキル」(または「低級アルキル」)は、本明細書、実施例および特許請求の範囲の全体にわたって用いられる場合、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含むことが意図され、そのうちの後者は、炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキル部分を意味する。そのような置換基とは、別途指定されない場合には、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が挙げられる。適切な場合、炭化水素鎖上で置換された部分はそれ自体が置換され得ることは、当業者には理解されるであろう。例えば、置換アルキルの置換基としては、置換型および非置換型の、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィネートを含む)、スルホニル(スルフェート、スルホンアミド、スルファモイルおよびスルホネートを含む)、およびシリル基、ならびにエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレート、およびエステルを含む)、-CF3、-CNなどが挙げられる。例示的な置換アルキルは、下記に記載される。シクロアルキルは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、-CF3、-CNなどでさらに置換され得る。
アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学的部分との関連で用いられる場合、用語「Cx-y」は、鎖中にx〜y個の炭素を含む基を含むことを意味する。例えば、用語「Cx-yアルキル」とは、鎖中にx〜y個の炭素を含む直鎖アルキル基および分岐鎖アルキル基を含む、置換または非置換飽和炭化水素基を意味し、トリフルオロメチルおよび2,2,2-トリフルオロエチル等のハロアルキル基が含まれる。C0アルキルとは、基が末端位置にある場合には水素を示し、内部にある場合には結合を示す。用語「C2-yアルケニル」および「C2-yアルキニル」とは、上記のアルキルと長さおよび可能な置換では類似するが、それぞれ少なくとも1個の二重結合または三重結合を含む、置換または非置換不飽和脂肪族基を意味する。
用語「アルキルアミノ」とは、本明細書中で用いる場合、少なくとも1個のアルキル基で置換されたアミノ基を意味する。
用語「アルキルチオ」とは、本明細書中で用いる場合、アルキル基で置換されたチオール基を意味し、一般式:アルキルS-により表わすことができる。
用語「アルキニル」とは、本明細書中で用いる場合、少なくとも1個の三重結合を含む脂肪族基を意味し、「非置換アルキニル」および「置換アルキニル」の両方を含むことが意図され、そのうちの後者は、アルキニル基の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキニル部分を意味する。そのような置換基は、1個以上の三重結合中に含まれるかまたは含まれない1個以上の炭素上に存在することができる。さらに、そのような置換基としては、安定性が妨害的である場合を除いて、上記で議論される通りの、アルキル基に対して考慮されるものすべてが挙げられる。例えば、1個以上のアルキル基、カルボシクリル基、アリール基、ヘテロシクリル基、またはヘテロアリール基によるアルキニル基の置換が考慮される。
用語「アミド」とは、本明細書中で用いる場合、基:
[式中、各R10は独立に、水素もしくはヒドロカルビル基を表わすか、または2個のR10が、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる]
を意味する。
用語「アミン」および「アミノ」は、当技術分野で認識され、非置換および置換アミンの両方ならびにその塩、例えば:
[式中、各R10は独立に、水素もしくはヒドロカルビル基を表わすか、または2個のR10が、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる]
により表わすことができる部分を意味する。
用語「アミノアルキル」とは、本明細書中で用いる場合、アミノ基で置換されたアルキル基を意味する。
用語「アラルキル」とは、本明細書中で用いる場合、アリール基で置換されたアルキル基を意味する。
用語「アリール」には、本明細書中で用いる場合、環の各原子が炭素である、置換または非置換単環芳香族基が含まれる。好ましくは、環は、5〜7員環、より好ましくは6員環である。用語「アリール」にはまた、2個以上の炭素が2個の連結された環に共通である、2個以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、このとき、環のうちの少なくとも一方が芳香族であり、例えば、他方の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどが挙げられる。
用語「カルバメート」は、当技術分野で認識され、基:
[式中、R9およびR10が独立に、水素もしくはアルキル基などのヒドロカルビル基を表わすか、またはR9およびR10が、介在する原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる]
を意味する。
用語「炭素環」(carbocycle)、および「炭素環式」(carbocyclic)とは、本明細書中で用いる場合、環の各原子が炭素である、飽和または不飽和環を意味する。炭素環との用語には、芳香族炭素環および非芳香族炭素環の両方が含まれる。非芳香族炭素環としては、すべての炭素原子が飽和しているシクロアルカン環、および少なくとも1個の二重結合を含むシクロアルケン環の両方が挙げられる。「炭素環」としては、5〜7員単環式環および8〜12員二環式環が挙げられる。二環式炭素環の各環は、飽和環、不飽和環および芳香族環から選択することができる。炭素環には、1個、2個もしくは3個またはそれ以上の原子が2個の環の間で共有されている、二環式分子が含まれる。用語「縮合炭素環」とは、環のうちのそれぞれが、2個の隣接原子を他方の環と共有する、二環式炭素環を意味する。縮合炭素環の各環は、飽和環、不飽和環および芳香族環から選択することができる。例示的な実施形態では、芳香族環(例えば、フェニル)が、飽和または不飽和環(例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、またはシクロヘキセン)に縮合していることができる。価数が許容する場合には、飽和環、不飽和環および芳香族二環式環のいずれの組み合わせでも、炭素環の定義に含められる。例示的「炭素環」としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5-シクロオクタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタ-3-エン、ナフタレンおよびアダマンタンが挙げられる。例示的な縮合炭素環としては、デカリン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インデンおよびビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エンが挙げられる。「炭素環」は、水素原子を担持することが可能であるいずれか1個以上の位置で置換されていてもよい。
「シクロアルキル」基は、完全に飽和している環状炭化水素である。「シクロアルキル」には、単環式環および二環式環が含まれる。典型的には、単環式シクロアルキル基は、別途規定されない限り、3〜約10個の炭素原子、より典型的には3〜8個の炭素原子を有する。二環式シクロアルキルの第2の環は、飽和環、不飽和環および芳香族環から選択することができる。シクロアルキルとしては、1個、2個もしくは3個またはそれ以上の原子が2個の環の間で共有されている、二環式分子が挙げられる。用語「縮合シクロアルキル」とは、環のうちのそれぞれが、2個の隣接原子を他方の環と共有する、二環式シクロアルキルを意味する。縮合二環式シクロアルキルの第2の環は、飽和環、不飽和環および芳香族環から選択することができる。「シクロアルケニル」基は、1個以上の二重結合を含む環状炭化水素である。
用語「カルボシクリルアルキル」とは、本明細書中で用いる場合、炭素環基で置換されたアルキル基を意味する。
用語「カーボネート」とは、当技術分野で認識され、基-OCO2-R10(式中、R10はヒドロカルビル基を表わす)を意味する。
用語「カルボキシ」とは、本明細書中で用いる場合、式-CO2Hにより表わされる基を意味する。
用語「エステル」とは、本明細書中で用いる場合、基-C(O)OR10(式中、R10はヒドロカルビル基を表わす)を意味する。
用語「エーテル」とは、本明細書中で用いる場合、酸素を介して別のヒドロカルビル基に連結されたヒドロカルビル基を意味する。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル-O-であり得る。エーテルは、対称性または非対称性のいずれかであり得る。エーテルの例としては、限定するものではないが、複素環-O-複素環およびアリール-O-複素環が挙げられる。エーテルは、一般式:アルキル-O-アルキルにより表わすことができる「アルコキシアルキル」基を含む。
用語「ハロ」および「ハロゲン」とは、本明細書中で用いる場合、ハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモ、およびヨードが挙げられる。
用語「ヘタラルキル」(hetaralkyl)および「ヘテロアラルキル」とは、本明細書中で用いる場合、ヘタリール基で置換されたアルキル基を意味する。
用語「ヘテロアルキル」とは、本明細書中で用いる場合、炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子の飽和または不飽和鎖を意味し、このとき、2個のヘテロ原子は隣接していない。
用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」には、その環構造が少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子、より好ましくは1個または2個のヘテロ原子を含む、置換または非置換芳香族単環構造、好ましくは5〜7員環、より好ましくは5〜6員環が含まれる。用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」にはまた、2個以上の炭素が2個の連結された環に共通である、2個以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、このとき、環のうちの少なくとも一方がヘテロ芳香族であり、例えば、他方の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなどが挙げられる。
用語「ヘテロ原子」とは、本明細書中で用いる場合、炭素または水素以外のいずれかの元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄である。
用語「ヘテロシクリル」、「複素環」、および「複素環式」とは、その環構造が少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子、より好ましくは1個または2個のヘテロ原子を含む、置換または非置換非芳香族環構造、好ましくは3〜10員環、より好ましくは3〜7員環を意味する。用語「ヘテロシクリル」および「複素環式」にはまた、2個以上の炭素が2個の連結された環に共通である、2個以上の環式環を有する多環式環系も含まれ、このとき、環のうちの少なくとも一方が複素環式であり、例えば、他方の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどが挙げられる。ヘテロシクリル基はまた、オキソ基により置換されていてもよい。例えば、「ヘテロシクリル」は、ピロリジン及びピロリジノンの両方を包含する。
用語「ヘテロシクリルアルキル」とは、本明細書で使用するとき、複素環基で置換されたアルキル基を指す。
用語「ヒドロカルビル」とは、本明細書中で用いる場合、=Oまたは=S置換基を有さず、かつ典型的には少なくとも1個の炭素-水素結合および主に炭素の骨格を有するが、任意によりヘテロ原子を含むことができる、炭素原子を介して結合している基を意味する。つまり、メチル、エトキシエチル、2-ピリジル、およびトリフルオロメチルのような基が、本出願の目的のためにヒドロカルビルであると見なされるが、アセチル(結合性炭素上に=O置換基を有する)およびエトキシ(炭素ではなく酸素を介して連結される)などの置換基はヒドロカルビルとは見なされない。ヒドロカルビル基としては、限定するものではないが、アリール、ヘテロアリール、炭素環、ヘテロシクリル、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
用語「ヒドロキシアルキル」とは、本明細書中で用いる場合、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を意味する。
アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシなどの化学的部分との関連で用いられる場合、用語「低級」とは、置換基中に10個以下の非水素原子、好ましくは6個以下の非水素原子がある基を含むことを意味する。「低級アルキル」とは、例えば、10個以下の炭素原子、好ましくは6個以下の炭素原子を含むアルキル基を意味する。特定の実施形態では、本明細書中で定義されるアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコキシ置換基は、それらが単独で存在するかまたは他の置換基との組み合わせで存在する(ヒドロキシアルキルおよびアラルキルの記述中など(この場合、例えば、アルキル置換基中の炭素原子をカウントする際にアリール基内の原子はカウントされない))かにかかわらず、それぞれ、低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、または低級アルコキシである。
本明細書で使用するとき、用語「オキソ」とは、カルボニル基を指す。オキソ置換基が、オキソ置換されたシクロアルキル基(例えば、3-オキソ-シクロブチル)などの別の飽和基上に出現する時、置換された基は依然として飽和基であることを意図する。ある基が「オキソ」基により置換されていると表される時、これは、カルボニル部分(すなわち、-C(=O)-)がメチレン単位(すなわち、-CH2-)に置き換わっていることを意味し得る。
用語「ポリシクリル」、「多環」(polycycle)、および「多環式」(polycyclic)とは、2個以上の原子が2個の連結された環に共通である(例えば、環同士が「縮合環」である)、2個以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリル)を意味する。多環の環のそれぞれが、置換されているかまたは非置換であり得る。特定の実施形態では、多環の各環は、環中に3〜10個の原子、好ましくは5〜7個の原子を含む。
用語「シリル」とは、3個のヒドロカルビル部分が結合したケイ素部分を意味する。
用語「置換された」とは、骨格の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を意味する。「置換」または「〜で置換された」とは、そのような置換が、置換される原子および置換基の許容される価数に従うこと、ならびに置換が、安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離等によるものなどの変換を自然発生的に受けないもの)を生じることという黙示的な条件を含むことが理解されるであろう。本明細書中で用いる場合、用語「置換された」とは、有機化合物のすべての許容可能な置換基を含むことが考慮される。広範な態様では、許容可能な置換基には、有機化合物の、非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基が含まれる。許容可能な置換基は、適切な有機化合物に対して、1個以上かつ同じかまたは異なることができる。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす本明細書中に記載される有機化合物のいずれかの許容可能な置換基を有することができる。置換基としては、本明細書中に記載されるいずれかの置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が挙げられる。適切であれば、置換基はそれ自体が置換され得ることは、当業者には理解されるであろう。「非置換」として特に記載されない限り、本明細書中の化学的部分に対する言及は、置換された変化形を含むことが理解される。例えば、「アリール」基または部分に対する言及は、黙示的に、置換変化形および非置換変化形の両方を含む。
用語「スルフェート」は当技術分野で認識され、基-OSO3H、または製薬上許容されるその塩を意味する。
用語「スルホンアミド」は当技術分野で認識され、一般式:
[式中、R9およびR10は独立に、水素もしくはアルキルなどのヒドロカルビルを表わすか、またはR9およびR10が、介在する原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる]
により表わされる基を意味する。
用語「スルホキシド」は、当技術分野で認識され、基-S(O)-R10(式中、R10はヒドロカルビルを表わす)を意味する。
用語「スルホネート」は当技術分野で認識され、基SO3H、または製薬上許容されるその塩を意味する。
用語「スルホン」は、当技術分野で認識され、基-S(O)2-R10(式中、R10はヒドロカルビルを表わす)を意味する。
用語「チオアルキル」とは、本明細書中で用いる場合、チオール基で置換されたアルキル基を意味する。
用語「チオエステル」とは、本明細書中で用いる場合、基-C(O)SR10または-SC(O)R10(式中、R10はヒドロカルビルを表わす)を意味する。
用語「チオエーテル」とは、本明細書中で用いる場合、酸素が硫黄と置き換えられているエーテルに等しい。
用語「尿素」は、当技術分野で認識され、一般式:
[式中、R9およびR10は独立に、水素もしくはアルキルなどのヒドロカルビルを表わすか、またはR9のいずれかの出現箇所がR10および介在原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる]
により表わすことができる。
「保護基」とは、分子中の反応性官能基に結合する場合に、該官能基の反応性をマスクするか、低減させるかまたは妨げる、原子の群を意味する。典型的には、保護基は、合成過程の途中で、所望であれば、選択的に除去することができる。保護基の例は、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Chemistry, 3rd Ed., 1999, John Wiley & Sons, NYおよびHarrison et al., Compendium of Synthetic Organic Methods, Vols. 1-8, 1971-1996, John Wiley & Sons, NYに見出すことができる。代表的な窒素保護基としては、限定するものではないが、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert-ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(「TES」)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが挙げられる。代表的なヒドロキシル保護基としては、限定するものではないが、ヒドロキシル基がアシル化(エステル化)もしくはアルキル化されているもの(ベンジルおよびトリチルエーテルなど)、ならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMS基またはTIPS基)、グリコールエーテル(エチレングリコールおよびプロピレングリコール誘導体など)およびアリルエーテルが挙げられる。
用語「治療(処置)すること」とは、予防的および/または治療的処置を含む。用語「予防的または治療的」処置は当技術分野で認識され、1種以上の対象組成物の、宿主への投与を含む。望ましくない状態(例えば、疾患または宿主動物の他の望ましくない状態)の臨床的発現に先立って投与される場合には、処置は予防的であり(すなわち、望ましくない状態を発症することから宿主を保護する)、一方で、望ましくない状態の発現後に投与される場合には、処置は治療的である(すなわち、存在する望ましくない状態またはその副作用をなくすか、改善するか、または安定化することが意図される)。
用語「プロドラッグ」は、生理的条件下で、本発明の治療的に有効な薬剤(例えば、式Iの化合物)へと変換される化合物を包含することが意図される。プロドラッグを作製するための一般的な方法は、生理的条件下で加水分解されることにより所望の分子が現われる、1種以上の選択された部分を含めることである。他の実施形態では、プロドラッグは、宿主動物の酵素活性により変換される。例えば、エステルまたはカーボネート(例えば、アルコール又はカルボン酸のエステルまたはカーボネート)は、本発明の好ましいプロドラッグである。特定の実施形態では、上記で提示された製剤中の式Iの化合物のうちの一部またはすべてが、対応する好適なプロドラッグと置き換えられることが可能であり、例えば、親化合物中のヒドロキシルがエステルもしくはカーボネートとして提示されるか、または親化合物中に存在するカルボン酸がエステルとして提示される。
標準的なプロドラッグは、例えば、HO-、HS-、HOOC-、R2N-のような官能基に結合しており、甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストに関連し、インビボで開裂する基を使用して形成される。標準的なプロドラッグには、それだけには限らないが、該基がアルキル、アリール、アラルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキルであるカルボン酸エステル、同様に、結合した基がアシル基、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ホスフェート又はスルフェートである、ヒドロキシル、チオール及びアミンのエステルが含まれる。ホスホン酸の標準的なプロドラッグもまた含まれ、式IにおけるR1により表され得る。説明された基は例示的なものであり、包含するものではなく、当業者は、他の公知の多様なプロドラッグを調製することができるであろう。式Iの化合物のそのようなプロドラッグは、本発明の範囲内にある。プロドラッグは、生物活性であるか又は生物活性化合物の前駆物質である化合物を生成するために、いくつかの形態の化学的変換を経なければならない。場合によっては、プロドラッグは、通常はその薬物自体より生物活性が低く、経口の生物学的利用能、薬力学的半減期などの改善を通して、有効性又は安全性を改善するのに役立つ。
本明細書で使用されるとき、用語「プロドラッグエステル」には、それだけには限らないが、以下の群及びこれらの群の組み合わせが含まれる:
[1]アシルオキシアルキルエステル、これは、文献(Farquharら、J.Pharm.Sci.72、324〜325頁(1983年))によく記載され、式Aにより表され、
式中、R、R'、及びR"は、独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、及び脂環式である;(WO90/08155;WO90/10636を参照されたい)。
[2]他のアシルオキシアルキルエステルが可能であり、その中には式Bに示されるなどの脂環式環が形成されている。これらのエステルは、脱エステル化で始まり続いて一連の脱離反応が起きる、仮定された一連の反応を通して、細胞内にリン含有のヌクレオチドを生み出すことが示されている(例えば、Freedら、Biochem.Pharm.38:3193〜3198頁(1989年))。
式中、Rは、-H、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シクロアルキル、又は脂環式である。
[3]アルキルオキシカルボニルオキシメチルエステルとして公知の、式A[式中、Rは、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ、及びアリールアミノであり;R'、及びR"は、独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、及び脂環式である]で示されるようなこれらのダブルエステルの別のクラスは、β-ラクタム抗生物質の分野において研究されてきた(Tatsuo Nishimuraら、J.Antibiotics、1987年、40(1)、81〜90頁;概説として、Ferres、H.、Drugs of Today、1983年,19、499.を参照されたい)。更に最近では、Cathy,M.S.、ら(Abstract from AAPS Western Regional Meeting、1997年4月)は、(9-[(R)-2-ホスホノメトキシ)プロピル]アデニン(PMPA)に関するこれらのアルキルオキシカルボニルオキシメチルエステルのプロドラッグが、イヌにおいて30%まで生物学的に利用可能であることを示した。
[4]アリールエステルもまた、ホスホネートプロドラッグとして使用されている(例えば、Erion、DeLambertら、J.Med.Chem.37:498、1994年;Serafinowskaら、J.Med.Chem.38:1372、1995年)。フェニルと同様にモノ置換及び多置換のフェニルプロエステルは、動物及びヒトにおいて実行された研究で親ホスホン酸を生み出した(式C)。別の手法では、Yがホスフェートに対してオルソ位のカルボン酸エステルであることが記載されている。Khamnei及びTorrence、J.Med.Chem.;39:4109〜4115頁(1996年)。
式中、Yは、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、アミノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、シアノ、及び脂環式である。
[5]ベンジルエステルもまた、親ホスホン酸を生み出すことが報告されている。場合によっては、パラ位にある置換基を使用することにより、加水分解を促進することができる。4-アシルオキシ又は4-アルキルオキシ基を有するベンジル類似体[式D、X=H、OR又はO(CO)R又はO(CO)OR]は、例えば、オキシダーゼ、エステラーゼなどの酵素の作用を通して、より容易に4-ヒドロキシ化合物を生み出すことができる。このクラスのプロドラッグの例は、Mitchellら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I 2345(1992年);Brookら、WO91/19721に記載されている。
式中、X及びYは、独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルコキシ、アシルオキシ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、パーハロアルキル、ハロ、又はアルキルオキシカルボニルであり;且つ
R'及びR"は、独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、及び脂環式である。
[6]チオ含有のホスホネートプロエステルは、FBPase阻害剤の肝細胞への送達に有用であることが記載されている。これらのプロエステルは、式Eに示されるように、保護されたチオエチル部分を含有する。ホスホネートの1個以上の酸素は、エステル化され得る。脱エステル化をもたらす機構は遊離チオレートの生成を必要とするため、多様なチオール保護基が可能である。例えば、ジスルフィドは、レダクターゼを介したプロセスにより還元される(Puechら、Antiviral Res.、22:155〜174頁(1993年))。チオエステルもまた、エステラーゼを介した加水分解後に遊離チオレートを生み出す。Benzaria、ら、J.Med.Chem.、39:4958(1996年)。環式類似体もまた可能であり、単離されたラットの肝細胞においてホスホネートを遊離することが示された。
式中、Zは、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、又はアルキルチオである。
好適なプロドラッグの他の例には、Biller及びMagnin(米国特許第5,157,027号);Serafinowskaら(J.Med.Chem.38、1372(1995年));Starrettら(J.Med.Chem.37、1857(1994年));Martinら、J.Pharm.Sci.76、180(1987年);Alexanderら、Collect.Czech.Chem.Commun、59、1853(1994年));及びEPO特許出願0 632 048 A1号により例示されたプロエステルのクラスが含まれる。記載された構造的クラスの一部は、オメガ位に結合した縮合ラクトン(式E-1及びE-2)並びにメチレンを通してリン酸素に結合した、場合により置換された2-オキソ-1,3-ジオキソレン(式E-3):例えば、
[式中、Rは、-H、アルキル、シクロアルキル、又は脂環式であり;且つ
Yは、-H、アルキル、アリール、アルキルアリール、シアノ、アルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、アミノ、脂環式、及びアルコキシカルボニルである]
などを含めて、場合により置換されている。
式E-3のプロドラッグは、「環式部分がカーボネート又はチオカーボネートを含有する、場合により置換された脂環式」の一例である。
[7]プロピルホスホネートプロエステルもまた、FBPase阻害剤を肝細胞内に送達するために使用され得る。これらのプロエステルは、式Fに示されるように、プロピル基の3位にヒドロキシル及びヒドロキシル基誘導体を含有し得る。R及びX基は、式Fに示されるように、環式環系を形成し得る。ホスホネートの1個以上の酸素は、エステル化され得る。
式中、Rは、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり;
Xは、水素、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニルオキシであり;且つ
Yは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、ハロゲン、水素、ヒドロキシ、アシルオキシ、アミノである。
[8]ホスホルアミデート誘導体は、式G及びHに示されるように、ホスフェートプロドラッグとして探求されてきた(例えば、McGuiganら、J.Med.Chem.、1999年、42:393及びそれに引用された文献)。
環式ホスホルアミデートもまた、非環式ホスホルアミデートと比較して、それらの推測された、より高い安定性のために、ホスホネートプロドラッグとして研究されてきた(例えば、Starrettら、J.Med.Chem.、1994年、37:1857頁)。
別のタイプのヌクレオチドプロドラッグが、式Kに示されるように、S-アシル-2-チオエチルエステルとホスホルアミデートの組み合わせとして報告された(Egronら、Nucleosides & Nucleotides、1999年、18、981)。
他のプロドラッグは、置換エチルなどの、例えば、McGuiganら、Bioorg Med.Chem.Lett.、3:1207〜1210頁(1993年)に開示されたビス(トリクロロエチル)エステル、並びにMeier、C.ら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、7:99〜104頁(1997年)により報告されたフェニル及びベンジルと化合したヌクレオチドエステルのような文献報告に基づいて可能である。
構造
は、R6=R6、V=W、W'=H、且つV及びWが、両方とも上向き又は両方とも下向きのいずれかであるとき、リン-酸素の二重結合を通る対称面を有する。各-NR6が-O-で置き換えられている場合の構造についても、同じことが当てはまる。
[実施例]
ここで一般的に記載されている本発明は、以下の実施例を参照することにより更に容易に理解され、この実施例は、本発明の特定の態様及び実施形態の単なる説明的な目的のために含まれるものであり、決して本発明を限定することを意図するものではない。
実験手順
ヒト初代線維芽細胞。ヒト皮膚線維芽細胞を、大学医療センターの神経内科外来患者向け診療所(Neurology Outpatient Clinic)を通して、X−ALD患者から得た。書面によるインフォームドコンセントを各患者から取得した。X-ALD診断を、VLCFA及びABCD1変異解析により確認した。対照線維芽細胞を、男性の匿名ボランティアから、書面によるインフォームドコンセントと共に得た。線維芽細胞を、L-グルタミン及び4.5g/Lのグルコースと共に、10%のウシ胎仔血清、2.5mMのHEPES、100U/mlのペニシリン及び100U/mlのストレプトマイシンを補い、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で培養した。細胞を、37℃において、加湿した5%のCO2雰囲気で培養した。使用した全ての線維芽細胞株を、マイコプラズマに関してルーチン的に試験を行った。全ての試験は陰性であった。
保存液の調製。DMSO中の10mMの保存液を、表2に示すように化合物量(1及び3並びにそれぞれの活性代謝物、2及び4)を秤量することにより調製した。保存液を室温で暗所において保管した。各インキュベーションに関して、必要とされる組織培養培地の量を算出し、被験化合物の最終濃度で組織培養培地の保存液を調製した。組織培養培地を細胞から除去し、細胞をPBSで1回洗浄し、化合物を含む組織培養培地を添加した。実験が3日より長く継続する場合は、組織培養培地及び化合物を、実験の最後まで3日後にリフレッシュした(新たな調製物を使用)。
定量的PCR(qPCR)解析。全RNAを、TRI試薬(Sigma-Aldrich)を用いて製造業者のガイドラインに基づいて、追加のDNase(Promega)処理を加えることで単離した。Nanodrop 2000(Thermo Fisher Scientific)を、RNA試料の定量用及びクォリフィケーションに使用した。cDNAを、第1鎖cDNA合成キット(Roche)を使用して合成した。LightCycler 480 SYBR Green I Master(Roche)を、qPCR解析用に使用した。データ解析用に、Light Cycler 480ソフトウェアのリリース1.5.0及びLinRegPCRバージョン2014.5(Ramakersら、Neuroscience Letters 339:62〜66頁(2003年))を使用した。2種の確認済みハウスキーピング遺伝子RPS14及びH3F3A(これらの発現レベルは処理により影響されない)の発現レベルの幾何平均を、qPCRデータの正規化用に使用した。
インタクトな細胞におけるD3-C22:0ベータ酸化に対する処置効果。ペルオキシソームのベータ酸化活性を、30μMの重水素標識したC22:0(D3-C22:0)を用いて細胞をインキュベートすることにより、本質的に記載されたように測定した(Kempら、Clinical Chemistry 50:1824〜1826頁(2004年))。細胞を、DMEM中、T75フラスコ中でおよそ40%培養密度で播種した。翌日、培地を、30μMのD3-C22:0を含有する培地で置換し、化合物をその最終濃度においてアッセイした。組織培養培地中の最終DMSO濃度は、1%を超えなかった。72時間ごとに、組織培養培地及び化合物をリフレッシュした。実験の最後に、細胞を回収し、記載されたようにVLCFA解析を行った(Valianpourら、Molecular Genetics and Metabolism、79:189〜196頁(2003年))。
インタクトな細胞におけるD3-C26:0合成に対する処置効果。D3-C22:0からのD3-C26:0合成に対する本発明の特定の化合物の効果を、対照及びX-ALD患者からの培養された皮膚線維芽細胞において測定した。細胞を、DMEM中、T75フラスコ中でおよそ40%培養密度で播種した。翌日、培地を、30μMのD3-C22:0を含有する培地で置換し、化合物をその最終濃度においてアッセイした。組織培養培地中の最終DMSO濃度は、1%を超えなかった。72時間ごとに、組織培養培地及び化合物をリフレッシュした。実験の最後に、細胞を回収し、記載されたようにVLCFA解析を行った(Valianpourら、Molecular Genetics and Metabolism、79:189〜196頁(2003年))。
VLCFA測定。VLCFAを、電子イオン化質量分析(ESI-MS)により記載されたように分析した(Valianpourら、Molecular Genetics and Metabolism、79:189〜196頁(2003年))。
[実施例1]
処置投薬量変化の評定
2種の異なるX-ALD線維芽細胞株を、表3において見せるように、3投薬において4種の化合物を用いて繰り返してインキュベートした。
100μMの1及び3を用いてインキュベートしたX-ALD細胞株は両方とも24時間内に死滅した。これは、1及び3は、100μMにおいて毒性であることを強く示している。72時間後、0.1、1若しくは10μMの2若しくは4、又は0.1若しくは10μMの1若しくは3を受けた細胞は、その増殖及び形態を判断することにより、健常に見えた。
72時間後、細胞を回収し、mRNAをQPCR解析用に単離した。図1に示すように、ABCD2発現に対する化合物の効果を、未処置の(DMSO)細胞株におけるABCD2発現レベルと比較した。全ての4種の被験化合物に関して、10μMが最も有効であった。この濃度において、増殖及び細胞形態の悪影響は観察されなかった。
[実施例2]
インキュベーション延長後の評定
4つのX-ALD細胞株を、10μMの4種の化合物1、2、3、及び4を用いてインキュベートした。ABCD2発現に対する処置効果を、3日目及び10日目に解析した。10日間のインキュベーションの間、組織培養培地及び化合物を、3日目及び6日目にリフレッシュした。
3、6及び10日目:全ての細胞は健常に見え、増殖は正常であり、形態は正常である。注目される異常は何もなかった。3日後、細胞を回収し、mRNAをQPCR解析用に単離した。10日後、細胞を回収し、mRNAをQPCR解析用に単離した。全試料に関して、cDNA合成及びQPCRを同じ日に行った。
図2に示すように、ABCD2発現に対する化合物処置の効果を、3日目と10日目に、未処置の(DMSO)細胞株におけるABCD2発現レベルと比較した。長期曝露により、ABCD2誘導に対して同等の効果がもたらされた。
[実施例3]
新規のVLCFA合成に対する10日間処置
5種の異なるX-ALD細胞株を、化合物1、2、3、及び4を10μMで、5mMの4PBA(4-フェニル酪酸ナトリウム)、又は0.1μMのソベチロムを用いて、6日間インキュベートした。6日目に、30μMのD3C22:0を添加し、ベータ酸化及び新規のD3C26:0合成に対する処置効果を評定した。6種の未処置の対照細胞と同様に5種の異なる未処置のX-ALD細胞を含めて、処置効果の評定を可能にした。全セットは、41実験で構成された。
未処置のX-ALD細胞では、図4に示されるように、ベータ酸化能力は約80%減少し、且つ新規のC26:0合成は約4倍増加した。陽性対照、4PBAは、ベータ酸化が対照の約50%まで、且つ正規化VLCFA合成が正常レベルの近くまで回復した。陽性対照、ソベチロムは、VLCFAベータ酸化又は新規合成に対して、有益な効果を何も示さなかった。
化合物1は、実験3の中で最も活性でもあり、D3C26:0の新規合成において約40%の減少をもたらした。
[実施例4]
新規のVLCFA合成に対する3日間処置
3種の異なるX-ALD細胞株を、化合物1、2、3及び4を10μMで、5mMのPBA、又は0.1μMのソベチロムを用いて、終夜16時間インキュベートした。16時間後、組織培養培地を、上述の化合物を含有する培地で置換し、30μMのD3C22:0を添加し、ベータ酸化及び新規のD3C26:0合成に対する処置効果を評定した。6種の未処置の対照細胞と同様に3種の異なる未処置のX-ALD細胞を含めて、処置効果の評定を可能にした。全セットは、27実験で構成された。同時に、QPCR解析用に、同一の処置を受けた細胞を培養した。図5を参照されたい。
[実施例5]
げっ歯類における複数回投薬の評定(仮想例)
2〜4群の、少なくとも6週齢である12匹の雄のABCD1ノックアウトマウスに、化合物1か化合物3のいずれかを、0.5%のカルボキシメチルセルロース及び水を含む配合で、3〜5mg/kg及び10mg/kgの用量で投与する。浴型超音波処理機中で、約20分間室温で超音波処理することにより、均質懸濁液を得る。マウスに、該均質懸濁液を毎日、腹腔内注入により6週間投与する。
6週間後、ABCD2発現レベル及びVLCFAレベルにおける変化を、血漿及び組織レベルと共に評定する。
[実施例6]
X-ALDのインビボモデルにおける化合物3の評価
材料及び方法
動物。雄のABCD1-/-マウスを、Taconic 129SvEvバックグラウンド系統を使用して開発した。動物を、げっ歯類設備において、12時間の点灯サイクル(午前7時〜午後7時点灯)及び制御温度(22℃)の下で、3〜4匹/ケージで収容した。これらの動物には標準のマウス固形飼料を与え、且つ自由に飲料水を利用できた。マウスは、各研究の開始時に月齢2〜3か月の間であった。
研究プロトコル。マウスに、薬物又はビヒクルのいずれかを用いて、腹腔内に1日1回注入した。血液採取のために、無菌ランセットを使用して、顔面静脈穿刺により約50μLの血液を得た。血液を、乾燥二カリウムEDTAが入れてある1.5mlの微小遠心分離管に採取し、-20℃で保管する前に、少なくとも10回穏やかな反転で混合した。2、4、及び6週間の処置後に、血液をこの手法で得た。6週間の血液採取後に、動物を頚椎脱臼により屠殺した。心臓穿刺により、血漿調製用の追加の血液を得て、血液をミクロテイナー(Microtainer)管に入れた。脳、脊髄、副腎、精巣、及び肝臓を摘出し、今後の解析用に液体窒素中で急速凍結した。
結果
16匹のマウスの初回コホートを、化合物3又はプラセボを1日1回6週間受けるように、3:1に無作為化した。この初回コホートの結果を、図6に示し表4に要約する。化合物3を受けたマウスは、投薬開始後に、わずかに2週間で全血C26:0-LPCレベルにおいて急速な減少を実証した。処置された動物は、6週間を通して、C26:0-LPCの漸進的な低下を経験し続けた。対照動物は、比較すると、いかなる時点においても、平均C26:0-LPCの減少を実証しなかった。6週間の処置期間後に、化合物3を受けた動物は、ビヒクル対照と比較して、全血C26:0-LPCレベルにおいて40%の減少を実証した(p<0.0001)。
他のVLCFA-LPC測定を用いて、同様の結果を得た;C20:0-、C22:0-、及びC24:0-LPCの平均レベルにおける極めて統計学的に有意な減少が観察された。
初回コホートの有望な結果に基づいて、第2の、より大きいコホートを評価した。合計20匹のマウスを、化合物3又はビヒクルをIP投与により6週間毎日受けるように、1:1に無作為化した。
第2コホートからの結果は、初回のデータを確認するものであり、処置されたマウスは、対照と比較して、全血VLCFAレベルにおいて有意な且つ漸進的な減少を実証した。図7は、処置過程を通して、C26:0-LPCレベルにおける変化の時間経過を示す。化合物3を受けた動物は、6週におけるビヒクルに対する比較に関して、且つベースラインからの変化に関する両方で、VLCFAにおける統計学的に有意な急降下を実証した(図8及び表5を参照されたい)。同様の変化が、他のVLCFA解析に関して注目された(C20:0、C22:0、C24:0)。興味深いことに、このコホートでは、前の実験では観察されなかったビヒクル効果が観察された。これは、ロレンツォ油などの薬剤について観察されたものと同様の機構を介した、ビヒクルが本質として脂質ベースである結果であろう。
化合物3を受けた動物は、6週間の処置後に、全血C26:0-LPCレベルにおいておよそ0.11μMの減少を実証した(図8)。ベースラインからの変化は、4週及び6週で有意であった。ビヒクル処置の動物と比較して、化合物3を用いた処置は、6週でC26:0-LPCにおいて52%の減少に至った(p<0.005、表5)。
第2コホート研究の間に、方法部門に記載されるように、血液を得た。6週時点において、十分な血液を採取し、2、4及び6週において血漿VLCFA解析が可能となった。血漿解析の結果を、図7及び表6に示す。血漿は、他の分析種からの分析妨害の低減と、同様に測定の変動性の低減のため、VLCFAレベルのより信頼のおける測定法であると、多数の人に考えられている。
図9及び表6に示されるように、化合物3への曝露により、C26:0、C24:0、C22:0、及びC20:0を含めた広範囲にわたるVLCFAの減少に至る。これらの効果は、ビヒクル処置のマウスと比較して極めて統計学的に有意であり、全血からの観察と同様に最初の処置コホートで得られた初回データを確認するのに役立つ。興味深いことに、長鎖分析種に対する影響の減少化傾向により、短鎖VLCFAに対する化合物3の効果が、エロンガーゼ酵素に関する基質プールの減少をもたらすことが示唆され得る。
考察
化合物3を用いた6週間のABCD1ノックアウトマウスの処置により、本実験で測定された全てのVLCFA-リゾ-PC分析種において減少がもたらされた。化合物3処置された動物とビヒクル処置された動物との間の、重大なC26:0-LPC分析種に関する差は、4及び6週時点の両方で有意であり、全血及び血漿の両方において効果が観察された。化合物3に対する応答は、漸進的であると考えられ、C26:0-LPCに対する処置とビヒクルとの効果の差は、研究過程にわたり一般に増加した。
有意な減少はまた、ベースラインからの変化の解析においても観察された。ビヒクルと比較して、化合物3を用いた処置は、4及び6週時点で全血VLCFAにおいて、ベースラインからの有意な減少に至った。漸進的な処置効果に加えて、ビヒクルと比較した差は、経時的に、より統計学的に有意となった。
化合物3への曝露により、VLCFAレベルに対する広範な効果がもたらされた。6週間の処置後、C20:0-、C22:0-、及びC24:0-LPCにおいて有意な減少が観察された。VLCFA鎖長の短縮に対する効果の拡大化傾向により、経時的に、C26:0などのより長鎖のVLCFAの減少亢進に潜在的に至る、エロンガーゼ基質プールの枯渇が示唆され得る。
参照による組み込み
本明細書で述べられる全ての刊行物及び特許文献は、それぞれ個々の刊行物又は特許文献が参照により組み込まれていると、詳細に且つ個別的に明記されているかの如く、その全容が参照により本明細書に組み込まれている。矛盾がある場合は、本明細書のいかなる定義も含めて、本出願が統制するものとする。
均等物
主題発明の特定の実施形態が論じられる限りは、上述の明細書は、例証的なものであり限定的なものではない。本明細書及び以下の特許請求の範囲を概観する際に、本発明の多くの変形が当業者には明白となるであろう。本発明の全範囲は、均等物及び本明細書の全範囲と共に、そのような変形と共に、特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。

Claims (10)

  1. X連鎖副腎白質ジストロフィーを処置する方法であって、式I
    [式中:
    Gは、-O-、-S(O)a-、-CH2-、-CF2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-NH-、及び-N(C1〜C4アルキル)-からなる群から選択され;
    aは、0〜2の整数であり;
    Tは、-(CRa 2)m-、-CH=CH-、-O(CRb 2)(CRa 2)p-、-S(CRb 2)(CRa 2)p-、-N(Rb)(CRb 2)(CRa 2)p-、-N(Rb)C(O)(CRa 2)p-、-(CRa 2)pCH(NRc 2)-、-C(O)(CRa 2)n-、-(CRa 2)nC(O)-、-(CRa 2)C(O)(CRa 2)-、及び-C(O)NH(CRb 2)-からなる群から選択され;
    m=0〜3;
    n=0〜2;
    p=0〜1;
    各Raは、独立して、水素、場合により置換された-C1〜C4アルキル、ハロゲン、-OH、場合により置換された-O-C1〜C4アルキル、-OCF3、場合により置換された-S-C1〜C4アルキル、-NRc 2、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、及び場合により置換された-C2〜C4アルキニルからなる群から選択され;
    各Rbは、独立して、水素、場合により置換された-C1〜C4アルキル、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、及び場合により置換された-C2〜C4アルキニルからなる群から選択され;
    各Rcは、独立して、水素、場合により置換された-C1〜C4アルキル、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、場合により置換された-C2〜C4アルキニル、及び場合により置換された-C(O)-C1〜C4アルキルからなる群から選択され;
    R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン、場合により置換された-C1〜C4アルキル、場合により置換された-S-C1〜C3アルキル、場合により置換された-C2〜C4アルケニル、場合により置換された-C2〜C4アルキニル、-CF3、-OCF3、場合により置換された-O-C1〜C3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
    R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRa 2)mアリール、場合により置換された(CRa 2)mシクロアルキル、場合により置換された(CRa 2)mヘテロシクロアルキル、-ORd、-SRd、-S(O)1〜2Re、-S(O)2NRfRg、-C(O)NRfRg、-C(O)ORh、-C(O)Re、-N(Rb)C(O)Re、-N(Rb)C(O)NRfRg、-N(Rb)S(O)2Re、-N(Rb)S(O)2NRfRg、及び-NRfRgからなる群から選択され;
    各Rdは、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRb 2)nアリール、場合により置換された-(CRb 2)nシクロアルキル、場合により置換された-(CRb 2)nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
    各Reは、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRa 2)nアリール、場合により置換された-(CRa 2)nシクロアルキル、及び場合により置換された-(CRa 2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
    Rf及びRgは、それぞれ独立して、水素、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRb 2)nアリール、場合により置換された-(CRb 2)nシクロアルキル、及び場合により置換された-(CRb 2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRf及びRgは一緒になって、場合により置換された複素環を形成し得て、複素環はO、NRb、及びSの群から選択される第2のヘテロ基を含有し得て、4個までの任意の置換基は、場合により置換された-C1〜C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、場合により置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択され;
    各Rhは、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、場合により置換された-C2〜C12アルキニル、場合により置換された-(CRb 2)nアリール、場合により置換された-(CRb 2)nシクロアルキル、及び場合により置換された-(CRb 2)nヘテロシクロアルキルであり;
    R5は、-OH、場合により置換された-OC1〜C6アルキル、-OC(O)Re、-F、-NHC(O)Re、-NHS(O)1〜2Re、-NHC(S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され;
    Xは、P(O)YR11Y'R11であり;
    Y及びY'は、それぞれ独立して、-O-、及び-NRv-からなる群から選択され;
    Y及びY'が-NRv--であるとき、-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
    Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロシクロアルキル、場合により置換されたCH2-ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、その環式部分は、カーボネート若しくはチオカーボネート、場合により置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz 2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシを含有するか;又は
    R11及びR11は一緒になって、-アルキル-S-S-アルキル-であり環式基を形成するか、若しくはR11及びR11は一緒になって:
    基であり、
    V、W、及びW'は、独立して、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、場合により置換された1-アルケニル、及び場合により置換された1-アルキニルからなる群から選択されるか;
    又はV及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して、5〜7個の原子を含有する環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、リンに結合した両方のY基から3原子離れた炭素原子に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはアリールオキシカルボニルオキシで置換されているか;又は
    V及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、環式基はリンに結合したYに対してベータ及びガンマ位においてアリール基に縮合しており;
    V及びWは一緒になって、付加された3個の炭素原子を介して結合して、6個の炭素原子を含有する場合により置換された環式基を形成し、前記環式基は、リンに結合したYから3原子離れた前記炭素原子の1個に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基で置換されており;
    Z及びWは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
    W及びW'は一緒になって、付加された2〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜2個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
    Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry,-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz,-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz 2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz 2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
    qは、2又は3の整数であり;
    但し:
    a)V、Z、W、W'は、全てが-Hとなることはなく;且つ
    b)Zが-Rzであるときは、V、W、及びW'のうちの少なくとも1個は、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではない
    ことを条件とし;
    各Rzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
    各Ryは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
    各Rxは、独立して、-H、及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxは一緒になって、環式アルキル基を形成しており;
    各Rvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される]
    の甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニスト、並びにその薬学的に許容される塩及びプロドラッグ並びに前記プロドラッグの薬学的に許容される塩[Gが-O-であるとき、Tは-CH2-であり、R1及びR2はブロモであり、R3はイソ-プロピルであり、R4は水素であり、且つR5は-OHであり、そしてXはP(O)(OH)2又はP(O)(OCH2CH3)2ではない];又はその塩、エステル、若しくはプロドラッグを、対象に投与することを含む方法。
  2. Gが、-O-及び-CH2-からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. R5が、-OH、場合により置換された-OC1〜C6アルキル、及び-OC(O)Reから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. R4が、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、場合により置換された-C1〜C12アルキル、場合により置換された-C2〜C12アルケニル、及び場合により置換された-C2〜C12アルキニルから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. Tが、-O(CRb 2)(CRa 2)p-であり、pが、0又は1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. Y及びY'が、-O-であり、-O-に結合したR11が、独立して、-H、アルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロシクロアルキル、及び-C(Rz)2-OC(O)Ryからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. Y及びY'が-O-であるとき、R11及びR11が、一緒になって、
    基を形成している:
    [式中:
    V、W、及びW'は、独立して、水素、場合により置換されたアルキル、場合により置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、場合により置換された1-アルケニル、及び場合により置換された1-アルキニルからなる群から選択されるか;
    又はV及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して、5〜7個の原子を含有する環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、リンに結合した両方のY基から3原子離れた炭素原子に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはアリールオキシカルボニルオキシで置換されているか;又は
    V及びZは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、環式基はリンに結合したYに対してベータ及びガンマ位においてアリール基に縮合しており;
    V及びWは一緒になって、付加された3個の炭素原子を介して結合して、6個の炭素原子を含有する場合により置換された環式基を形成し、前記環式基は、リンに結合したYから3原子離れた前記炭素原子の1個に結合したヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基で置換されており;
    Z及びWは一緒になって、付加された3〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜1個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
    W及びW'は一緒になって、付加された2〜5個の原子を介して結合して環式基を形成し、ここで0〜2個の原子はヘテロ原子であり、且つ残りの原子は炭素であり、Vは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールでなければならず;
    Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry,-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz,-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz 2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz 2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
    qは、2又は3の整数であり;
    但し:
    a)V、Z、W、W'は、全てが-Hとなることはなく;且つ
    b)Zが-Rzであるときは、V、W、及びW'のうちの少なくとも1個は、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではない
    ことを条件とし;
    各Rzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
    各Ryは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
    各Rxは、独立して、-H、及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxは一緒になって、環式アルキル基を形成しており;
    各Rvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される]
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. Vが、置換されたアリールであり、且つW及びW'が、水素である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストが、5mg/日、10mg/日、1日おきに10mg、又は1日おきに15mgの用量で投与される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストが、毎日、1日おきに、又は間欠的に3か月間投与され、続いて1か月の期間、前記甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニストが投与されない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
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