JP2019514999A - ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドへの、立体的に規定されたオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体のカップリングの増大法 - Google Patents
ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドへの、立体的に規定されたオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体のカップリングの増大法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、立体的に規定された(stereodefined)ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの分野に関し、かつ立体的に規定されたヌクレオシド単量体、および該単量体を使用する立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成方法に関する。本明細書において溶媒組成物が開示され、該溶媒組成物は、立体的に規定されたヌクレオシド単量体の溶解性および安定性の増大を提供し、かつ、オリゴヌクレオチド合成におけるそのような単量体のカップリング有効性を改善するために使用することができる。
最近になって、オリゴヌクレオチドにおける立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合の使用は、治療用オリゴヌクレオチドの薬理学的プロファイルの最適化を可能にすることが、明らかとなった。しかし、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの製造は、立体的に規定されていないホスホロチオエートオリゴヌクレオチドと比較した場合、現在、比較的非効率的である。従って、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成の効率を改善する必要性がある。
本発明は、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドとオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒を含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程を含む、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法を提供する。本発明のカップリングのための方法は、オリゴヌクレオチド合成のための方法に組み込まれ得る。
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒を含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)〜(c)を繰り返す工程、
(e) オリゴヌクレオチドの脱保護および固体支持体からのオリゴヌクレオチドの切断の工程。
本明細書において使用される場合、「アリール」という用語は、環を形成する原子の各々が炭素原子である芳香環を指す。アリール環は、5個、6個、7個、8個、9個、または9個を超える炭素原子によって形成される。アリール基は置換または非置換である。一局面において、アリールはフェニルまたはナフタレニルである。構造に依存して、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(即ち、アリーレン基)であり得る。一局面において、アリールはC6〜10アリールである。いくつかの態様において、アリールはフェニルである。置換される場合、アリールは、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、またはC6〜14アリールC1〜4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、もしくはC6〜14アリールC1〜4アルキル基;またはハライド、例えば、ヨージド、フルオリド、ブロミド、もしくはクロリドからなる群より選択される基;例えばハライド、例えば、ヨージド、フルオリド、ブロミド、もしくはクロリドで置換されたフェニルからなる群より選択され得る。
本発明は、アセトニトリルとヌクレオシド単量体と芳香族複素環溶媒とを含む、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト(本明細書においてヌクレオシド単量体、単量体またはアミダイトとも呼ばれる)、例えば、式1のヌクレオシド単量体のアセトニトリル溶液を提供する。
のヌクレオシド単量体であり、
式中、Zはヌクレオシドであり、
R5およびR6は独立して、水素、アルキル、シクロ-アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル、置換シクロ-アルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択されるか、またはR5およびR6が一緒になって、式1のN原子と一緒に、3〜16個の炭素原子を含む複素環を形成し;
R9は水素であり;
R1は、水素およびC1〜3アルキルからなる群より選択され;かつ、
Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオリンからなる群より選択され;
ここで、置換される場合、Rは、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、またはC6〜14アリールC1〜4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、またはC6〜14アリールC1〜4アルキル基からなる群より選択され得る。
であり、ここで、G31、G32、およびG33は独立して、C1〜4アルキル、C6〜14アリールC1〜4アルコキシ、C7〜14アラルキル、C1〜4アルキルC6〜14アリール、C1〜4アルコキシC6〜14アリール、およびC6〜14アリールC1〜4アルキルからなる群より選択される。
いくつかの態様において、単量体は二環式オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体であり、例えば、いくつかの態様において、R5およびR6は一緒になって複素環を形成する。いくつかの態様において、R5およびR6は一緒になって、(式1に示される環窒素と共に)複素環を形成し、これは4個の炭素原子を含み、複素環中において合計5個の原子を作る(4個の炭素および式1に示される窒素)。例えば、本発明の化合物は、式2aまたは2b:
の化合物であり得、
式中、R、R1、R9、およびZは、式1に記載される通りである。
の化合物として示され得、
式中、R、R1、R5、R6、およびR9は、本発明の化合物の通りであり;
Bは核酸塩基である。
R2は、ハロ、例えば-F、アミノ、アジド、-SH、-CN、-OCN、-CF3、-OCF3、-O(Rm)-アルキル、-S(Rm)-アルキル、-N(Rm)-アルキル、-O(Rm)-アルケニル、-S(Rm)-アルケニル、-N(Rm)-アルケニル;-O(Rm)-アルキニル、-S(Rm)-アルキニル、または-N(Rm)-アルキニル; O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)またはO-CH2C(=O)-N(Rm)(Rn)、-O-(CH2)2OCH3、および-O-CH3からなる群より選択され、ここで、各RmおよびRnは、独立して、H、アミノ保護基または置換もしくは非置換C1〜10アルキルであり;
R4は、アルキル、シクロ-アルキル、シクロ-ヘテロアルキル、O-アルキル、S-アルキル、NH-アルキル、および水素からなる群より選択され;いくつかの態様において、R4は水素である。いくつかの態様において、R4は水素であり、かつ、R2は、-O-CH3、および-O-(CH2)2OCH3からなる群より選択される。
ここで、Raおよび存在する場合にはRbは、各々が独立して、水素、置換されてもよいC1〜6-アルキル、置換されてもよいC2〜6-アルケニル、置換されてもよいC2〜6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されてもよいC1〜6-アルコキシ、C2〜6-アルコキシアルキル、C2〜6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜6-アルコキシカルボニル、C1〜6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリール-オキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロ-アリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C1〜6-アルキル)アミノおよびジ(C1〜6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ(C1〜6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C1〜6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ- C1〜6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C1〜6-アルキル)アミノ- C1〜6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C1〜6-アルキル)アミノ- C1〜6-アルキル-アミノカルボニル、C1〜6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6-アルカノイルオキシ、スルホノ(sulphono)、C1〜6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここで、アリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されてもよいメチレン(=CH2)を示してもよく、全てのキラル中心に関して、不斉基はRまたはS配向のどちらかであり得る。
実施例において説明されるように、DMF保護L-LNA-G単量体は、アセトニトリル溶媒に難溶性である。
の単量体ではなく、
式中、R、R1、R3、R5、R6、およびR9は、式1の単量体に記載される通りであり、かつここで、式11の単量体について、XおよびYは一緒になって、例えば、本明細書中のR2およびR4の通りに、ブリッジ -C(RaRb)-O-、-C(RaRb) C(RaRb)-O-、-CH2-O-、-CH2 CH2-O-、-CH(CH3)-O-からなる群より選択されるブリッジなどの二価ブリッジを示す。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH2-O- (オキシ-LNAとしても公知のメチレン-オキシ)または-CH(CH3)-O- (メチル-メチレン-オキシ)を示す。-CH(CH3)-O- ブリッジは、ブリッジ内の炭素原子にキラル中心を導入し、いくつかの態様において、これはS位である(例えば、当技術分野において(S)cETとして公知のヌクレオシド − EP1984381を参照のこと))。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH2-O-を示し、ここで、ブリッジはβ-D位にある(β-D-オキシLNA)。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH2-O-を示し、ここで、ブリッジはα-L位にある(α-L-D-オキシLNA)。いくつかの態様において、XおよびYは二価ブリッジ -CH2-S- (チオLNA)、または-CH2-NH2- (アミノLNA)を示す。XおよびYが一緒になって二価ブリッジを示す態様において、R3は、例えば、CH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrであり得る。
の単量体ではなく、
式中、X、Y、R、R1、R9、およびR3は、式11および12の通りである。グアニン塩基の環外酸素は、任意で、例えば、シアノ基で保護されてもよい。
の単量体ではなく、
式中、X、Y、R1、およびR3は、式11および12の通りである。グアニン塩基の環外酸素は、任意で、例えば、シアノ基で保護されてもよい。式15または16のいくつかの態様において、R1は水素である。式15または16のいくつかの態様において、R3はCH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrである。いくつかの態様において、本発明のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、アシル保護ヌクレオシド(Z)を含む。
実施例において説明されるように、DMF保護L-LNA-G単量体はアセトニトリル溶媒に難溶性である。しかし、本発明者らは、L-LNA-G単量体のグアニンヌクレオシド上でのアシル保護基の使用が、溶解性問題を克服することを確認した。いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、アシル保護グアニン核酸塩基、例えば、イソブチリル保護グアニンを含むL-LNA単量体である。
のL-LNA-G単量体であり、
式中、R、R1、R2、R3、R4、R5、R9、およびR6は、本発明の化合物の通りであり、かつ、-C(=O)-R7は、グアニン塩基の環外窒素上のアシル保護基であり、かつ、R8は、存在する場合に、グアニン環外酸素上の保護基である。いくつかの態様において、R8はシアノエチルである。いくつかの態様において、Rはフェニルであり、R1は水素またはメチルであり、かつ、R3は、任意で、CH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrである。いくつかの態様において、R7はイソブチリルである。式31および32において、YおよびXは式11の通りである。
本発明は、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とアセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液を提供する。
活性化物質は、ホスホルアミダイト単量体を活性化し、オリゴヌクレオチド鎖または固体支持体へ結合された5’末端基への単量体のカップリングを可能にする、オリゴヌクレオチド合成のカップリング工程前または中に使用される試薬である。
本発明は、本発明による固体支持体、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法を含む、オリゴヌクレオチドの合成のための方法を提供する。
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)〜(c)を繰り返す工程、
(e) オリゴヌクレオチドの脱保護および固体支持体からのオリゴヌクレオチドの切断の工程。
(a) 遊離5’-OH基を有する固体支持体を提供する工程、
(b) オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を活性化する工程、
(c) ホスホトリエステル中間体を形成させるために、本発明の方法に従って、遊離‘5-OHへ活性化オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程、
(d) ホスホトリエステル中間体をキサンタンヒドリドなどの硫化試薬で酸化する工程、
(e) 例えば無水酢酸を使用して、任意の遊離-OH基をキャッピングする工程、
(f) オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体上のR3基を脱保護する工程、
(g) 任意で工程(b)〜(f)を繰り返す工程、
(h) 例えば60℃にて水酸化アンモニウムでの処理によって、任意の残存する保護基を脱保護(包括的脱保護)して、固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断する工程
を含み得、固体支持体の遊離-OH基は任意で、該固体支持体へ結合されたヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチド鎖へ結合され得る。
典型的に、オリゴヌクレオチドホスホロチオエートは、RpおよびSpホスホロチオエート結合のランダム混合物(ジアステレオマー混合物とも呼ばれる)として合成される。本発明の方法において、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが提供され、ここで、オリゴヌクレオチドのホスホロチオエート結合のうちの少なくとも1つは、立体的に規定されている、即ち、オリゴヌクレオチドサンプル中に存在するオリゴヌクレオチド分子のうちの少なくとも75%、例えば、少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%または少なくとも95%、または少なくとも97%、例えば、少なくとも98%、例えば、少なくとも99%、または(本質的に)全てにおいてRpまたはSpのいずれかである。立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、立体的に規定されている少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含む。「立体的に規定された」という用語は、1つまたは複数のホスホロチオエートヌクレオシド間結合の規定されたキラリティーをRpまたはSpのいずれかと記載するために使用され得、またはそのような1つ(または複数)のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを記載するために使用され得る。立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、いずれか1つの位置にある代替の立体異性体を少量含み得ることが認識され、例えば、Wanらは、NAR, November 2014において報告されたギャップマーについて98%立体選択性を報告している。
LNAオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドである。LNAオリゴヌクレオチドはアンチセンスオリゴヌクレオチドであってもよい。「オリゴヌクレオチド」という用語は、本明細書において使用される場合、当業者に一般に理解されるように、2つまたはそれ以上の共有結合したヌクレオシドを含む分子として定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いるために、オリゴヌクレオチドは典型的に7〜30ヌクレオチドの長さで合成される。
グアニンの環外窒素基を以下に示す(囲んで示す)。この基は本発明において使用される単量体中においてアシル基によって保護される。酸素基もまた、任意で、例えば、シアノ基で保護されてもよい。
LNAヌクレオシドは、ヌクレオチドのリボース糖環のC2'とC4'との間にリンカー基(ビラジカルまたはブリッジと呼ばれる)を含む、修飾ヌクレオシドである(即ち、R2およびR4が一緒になって二価ブリッジを示す態様)。これらのヌクレオシドは、文献では架橋核酸または二環式核酸(BNA)とも呼ばれる。
の単量体であり得、
式中、Bは核酸塩基を示し;R、R1、R6、R3、R9、R5は、式1に記載される通りである。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体は、DNAヌクレオシドであるかまたはこれを含み、例えば、単量体は、式19または式20:
の単量体であり得、
式中、Bは核酸塩基を示し;R、R1、R6、R3、R9、R5は、式1に記載される通りである。式20のいくつかの態様において、Bは、アデニン、例えば、保護アデニン、例えば、Bz保護アデニンである。
に記載される通りであり、
式中、Bは核酸塩基を示し;R、R1、R3、R9は、式1に記載される通りである。式20または22のいくつかの態様において、Bは、アデニン、例えば、保護アデニン、例えば、Bz保護アデニンである。式19、20、21、または22の単量体のいくつかの態様において、Rはフェニルであり、かつ、R1は水素またはメチルのいずれかである。式19、20、21または22の単量体のいくつかの態様において、R3はCH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrである。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、DNAホスホロチオエートオリゴヌクレオチドである。DNAホスホロチオエートオリゴヌクレオチドはDNAヌクレオシドのみを含み、いくつかの態様において、立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間結合のみを含み得る。DNAホスホロチオエートは、例えば、18〜25ヌクレオチド長であり得る。
ギャップマーという用語は、本明細書において使用される場合、5'および3'側で1つまたは複数の親和性増大修飾ヌクレオシド(フランク)と隣接している、リボヌクレアーゼH動員オリゴヌクレオチド領域(ギャップ)を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチドを指す。様々なギャップマーの設計を本明細書に記載する。ヘッドマーおよびテイルマーは、リボヌクレアーゼHを動員することができるオリゴヌクレオチドであって、フランクの1つが欠けている、即ち、オリゴヌクレオチド末端の一方のみが親和性増大修飾ヌクレオシドを含む、オリゴヌクレオチドである。ヘッドマーに関しては3'フランクが欠けており(即ち、5'フランクが親和性増大修飾ヌクレオシドを含む)、テイルマーに関しては5'フランクが欠けている(即ち、3'フランクが親和性増大修飾ヌクレオシドを含む)。いくつかの態様において、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、ギャップマーオリゴヌクレオチド、例えば、LNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。
LNAギャップマーという用語は、親和性増大修飾ヌクレオシドの少なくとも1つがLNAヌクレオシドである、ギャップマーオリゴヌクレオチドのことである。
混合ウイングギャップマーという用語とは、フランク領域が少なくとも1つのLNAヌクレオシドならびに少なくとも1つの非LNA修飾ヌクレオシド、例えば少なくとも1つの2'置換修飾ヌクレオシド、例えば2'-O-アルキル-RNA、2'-O-メチル-RNA、2'-アルコキシ-RNA、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2'-アミノ-DNA、2'-フルオロ-DNA、アラビノ核酸(ANA)、2'-フルオロ-ANA、および2'-F-ANAヌクレオシドを含む、LNAギャップマーを指す。いくつかの態様において、混合ウイングギャップマーは、LNAヌクレオシドを含む一方のフランク(例えば5'または3')および2'置換修飾ヌクレオシドを含むもう一方のフランク(それぞれ3'または5')を有する。
本明細書において言及するヌクレオチド分子の長さについては、単量体単位がヌクレオチドであるかまたはヌクレオチド類似体であるかに関わらず、長さは単量体単位、即ち、ヌクレオチドの数に対応する。ヌクレオチドに関しては、単量体および単位という用語は、本明細書において交換可能に使用される。
本発明の方法を使用して合成されるオリゴヌクレオチドは、混合配列オリゴヌクレオチドであり得る。本発明は、混合配列オリゴヌクレオチドの製造合成のための方法を提供する。混合配列オリゴヌクレオチドは、少なくとも4つの異なる塩基部分のうちの少なくとも2つ、例えば少なくとも3つを含む(例えば、A、T、C、またはGからなる群より選択され、ここで、Cは任意で5-メチル-シトシンである)。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、典型的に、混合配列オリゴヌクレオチドである。
A態様:
1.ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、または固体支持体と、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒と任意で活性化物質とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程
を含む、該ヌクレオシドもしくは該オリゴヌクレオチドの5’-末端へ、または該固体支持体へ結合されたヒドロキシル基へ、該オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするためのプロセス。
2.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式I:
の化合物であり、
式中、Zはヌクレオシドであり、
R5およびR6は独立して、水素、アルキル、シクロ-アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル、置換シクロ-アルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択されるか、またはR5およびR6が一緒になって、式1のN原子と一緒に、3〜16個の炭素原子を含む複素環を形成し;
R9は水素であり;
R1は、水素およびC1〜3アルキルからなる群より選択され;かつ、
Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオリンからなる群より選択され;
ここで、置換される場合、Rは、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、またはC6〜14アリールC1〜4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、またはC6〜14アリールC1〜4アルキル基からなる群より選択され得る、A態様1のプロセス。
3.前記芳香族複素環溶媒が、20℃で水中において4〜7または7〜17のpKaを有する、A態様1または2のプロセス。
4.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環塩基である、A態様1〜3のいずれかのプロセス。
5.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環酸である、A態様1〜3のいずれかのプロセス。
6.前記芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される、A態様1〜3のいずれかのプロセス。
7.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.1%〜約50% (v/v)である、A態様1〜6のいずれかのプロセス。
8.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.5%〜約10%、例えば約1%〜約5%、例えば約2〜3%、例えば約2.5%である、A態様1〜6のいずれかのプロセス。
9.前記活性化物質がN-メチルイミダゾールを含む、A態様1〜8のいずれかのプロセス。
10.前記溶媒組成物が、0.01〜約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度でN-メチルイミダゾールを含む、A態様1〜9のいずれかのプロセス。
11.前記活性化物質が、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールを含む、A態様1〜10のいずれかのプロセス。
12.前記溶媒組成物が、約0.5〜約2M DCI(またはA態様11の他の活性化物質)、例えば約1M DCI(またはA態様11の他の活性化物質)を含む、A態様1〜11のいずれかのプロセス。
13.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、
の化合物であり、
式中、Z、R、R1、R6、R9、およびR5は全てA態様2の通りである、A態様1〜12のいずれかのプロセス。
14.Rが、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される、A態様1〜11、A態様1のいずれかのプロセス。
15.Rが、アリール、例えばフェニルである、A態様1〜11のいずれかのプロセス。
16.R1が水素である、A態様1〜13のいずれかのプロセス。
17.R1が、C1〜3アルキル、例えばメチルである、A態様1〜13のいずれかのプロセス。
18.R5およびR6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、3〜16個(例えば、4個)の炭素原子を含む複素環を形成する、A態様1〜15のいずれかのプロセス。
19.R5およびR6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、4個の炭素原子を含む複素環を形成する、A態様1〜15のいずれかのプロセス。
20.前記ホスホルアミダイト単量体化合物が式2aまたは2b:
のホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、Z、R、およびR1は、A態様2〜17のいずれかの通りである、A態様1〜19のいずれかのプロセス。
21.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物が式3aまたは3b:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、
R、R1、R5、R6、およびR9は、A態様2〜18のいずれかの通りであり;
Bは核酸塩基基であり;
R3は、CH2ODMTr、CH2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH2OMMTr、CH2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-Ra-O-DMTrRb、およびCH-Ra-O-MMTrR bからなる群より選択され;
R2は、ハロ、例えば-F、アミノ、アジド、-SH、-CN、-OCN、-CF3、-OCF3、-O(Rm)-アルキル、-S(Rm)-アルキル、-N(Rm)-アルキル、-O(Rm)-アルケニル、-S(Rm)-アルケニル、-N(Rm)-アルケニル;-O(Rm)-アルキニル、-S(Rm)-アルキニル、または-N(Rm)-アルキニル; O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)またはO-CH2C(=O)-N(Rm)(Rn)、-O-(CH2)2OCH3、および-O-CH3からなる群より選択され、ここで、各RmおよびRnは独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C1〜10アルキルであり;
R4は、アルキル、シクロ-アルキル、シクロ-ヘテロアルキル、O-アルキル、S-アルキル、NH-アルキル、および水素からなる群より選択され;
またはR2およびR4は一緒になって、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb) 、-C(Ra)=N、O、-Si(Ra)2-、S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される、1個、2個、3個の基/原子からなる二価ブリッジを示し;
ここで、Raおよび存在する場合にはRbは、各々が独立して、水素、置換されてもよいC1〜6-アルキル、置換されてもよいC2〜6-アルケニル、置換されてもよいC2〜6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されてもよいC1〜6-アルコキシ、C2〜6-アルコキシアルキル、C2〜6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜6-アルコキシカルボニル、C1〜6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリール-オキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロ-アリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C1〜6-アルキル)アミノおよびジ(C1〜6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ(C1〜6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C1〜6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1〜6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C1〜6-アルキル)アミノ-C1〜6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C1〜6-アルキル)アミノ- C1〜6-アルキル-アミノカルボニル、C1〜6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されてもよいメチレン(=CH2)を示してもよく、全てのキラル中心に関して、不斉基はRまたはS配向のどちらかであり得る、A態様1〜20のいずれかのプロセス。
22.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、および7b:
からなる群より選択される、A態様1〜21のいずれかのプロセス。
23.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が核酸塩基部分を含み、該核酸塩基部分が、プリンまたはピリミジン、例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、およびシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル 5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2’チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、ならびに2-クロロ-6-アミノプリンからなる群より選択される核酸塩基である、A態様1〜23のいずれかのプロセス。
24.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体中のBが、アデニンまたはチミンのいずれかである、A態様1〜23のいずれかのプロセス。
25.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式8aまたは式8b:
からなる群より選択され、
式中、Bはアデニンまたはチミンのいずれかであり、かつ、ここで、R、R1、R3、およびR9は、A態様1〜24のいずれかの通りであり、ここで、Bがアデニンである場合、それは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、A態様1〜24のいずれかのプロセス。
26.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式9c:
の通りであり、
式中、Bはアデニンであり、かつ、ここで、R、R1、R3、およびR9は、A態様1〜24のいずれかの通りであり、ここで、Bがアデニンである場合、それは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、A態様1〜24のいずれかのプロセス。
27.Rがフェニルであり、R1が水素またはメチルであり、R9が水素であり、かつ、R3が、CH2ODMTr、CH2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH2OMMTr、CH2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-Ra-O-DMTrRb、およびCH-Ra-O-MMTrR b、例えばCH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrからなる群より選択される、A態様1〜26のいずれかのプロセス。
28.A態様1〜27のいずれかのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体と、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液。
29.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の濃度が、約0.05 M〜約2 M、例えば約0.1 M〜約1 M、例えば約0.1 M〜約0.2 M、例えば約0.15 Mまたは約0.175 Mまたは約0.2 Mである、A態様28のアセトニトリル溶液。
30.前記芳香族複素環溶媒が、A態様1〜28のいずれかの通りである、A態様28または29のアセトニトリル溶液。
31.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、A態様1〜28のいずれかの通りである、A態様28〜30のいずれかのアセトニトリル溶液。
32.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.1%〜約50% (v/v)である、A態様28〜31のいずれかのアセトニトリル溶液。
33.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.5%〜約10%、例えば約1%〜約5% (v/v)、例えば約2〜3%、例えば約2.5%である、A態様28〜32のいずれかのアセトニトリル溶液。
34.活性化物質、例えば、A態様9〜12のいずれかの活性化物質をさらに含む、A態様28〜33のいずれかのアセトニトリル溶液。
35.約0.5〜約2M DCI、例えば約1M DCIを含む、A態様34のアセトニトリル溶液。
36.約0.01〜約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールを含む、A態様34および35のいずれかのアセトニトリル溶液。
37.A態様1〜27のいずれかのプロセスを含む、オリゴヌクレオチドの合成のための方法。
38.以下の工程を含む、A態様37のオリゴヌクレオチドの合成のための方法:
(a) 遊離5’-OH基を有する固体支持体を提供する工程、
(b) 例えばA態様1〜36のいずれかの溶液中において、A態様21〜27のいずれかのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を活性化する工程、
(c) ホスホトリエステル中間体を形成させるために、A態様1〜27のいずれかのプロセスの通りに、遊離‘5-OHへ活性化オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程、
(d) 該ホスホトリエステル中間体をキサンタンヒドリドなどの硫化試薬で酸化する工程、
(e) 例えば無水酢酸を使用して、任意の遊離-OH基をキャッピングする工程、
(f) 該オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体上のR3基を脱保護する工程、
(g) 任意で工程(b)〜(f)を繰り返す工程、
(h) 例えば60℃にて水酸化アンモニウムでの処理によって、任意の残存する保護基を脱保護(包括的脱保護)して、該固体支持体から該オリゴヌクレオチドを切断する工程
を含み、
ここで、該固体支持体の該遊離-OH基は任意で、該固体支持体へ結合されたヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチド鎖へ結合され得る、方法。
39.A態様1〜27のいずれかの単量体などのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体を溶解させるための方法であって、アセトニトリルおよび芳香族複素環溶媒と任意で活性化物質とを含む溶媒組成物へ該単量体を添加する工程を含む、方法。
40.アセトニトリル中における、A態様1〜27のいずれかの単量体などのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の安定性および/または溶解性および/または反応性を増大させるための芳香族複素環溶媒の使用。
41.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がL-LNA-グアニン単量体以外であり、グアニンがDMF保護されている、前述のA態様のいずれかのプロセス、方法、アセトニトリル溶液、または使用。
1.以下の工程を含む、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成のための方法:
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、該ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された該5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)〜(c)を繰り返す工程、
(e) 該オリゴヌクレオチドの脱保護および該固体支持体からの該オリゴヌクレオチドの切断の工程
を含む、方法。
2.複数回のさらなる伸長サイクル(d)を含む、B態様2の方法。
3.前記立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、B態様3の方法。
4.ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドとオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程
を含む、該ヌクレオシドまたは該オリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法。
5.前記芳香族複素環溶媒が、20℃で水中において4〜7または7〜17のpKaを有する、B態様1〜4のいずれかの方法。
6.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環塩基である、B態様1〜5のいずれかの方法。
7.前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環酸である、B態様1〜5のいずれかの方法。
8.前記芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される、B態様1〜5のいずれかの方法。
9.前記芳香族複素環溶媒がピリジンである、B態様1〜8のいずれかの方法。
10.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.1%〜約50% (v/v)、例えば約0.5%〜約25%である、B態様1〜9のいずれかの方法。
11.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.5%〜約10%、例えば約1%〜約5%、例えば約2〜4%、例えば約2.5%または約3.5%である、B態様1〜9のいずれかの方法。
12.前記アセトニトリル溶媒組成物が活性化物質をさらに含む、B態様1〜11のいずれかの方法。
13.前記活性化物質が、CMPT (N-(シアノメチル)ピロリジニウムトリフラート(CMPT)、N-(フェニル)イミダゾリウムトリフラート(PhIMT)、ベンゾイミダゾリウムトリフラート(BIT)、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、および5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールからなる群より選択される、B態様12の方法。
14.前記活性化物質が4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)である、B態様13の方法。
15.前記溶媒組成物が、約0.5〜約2M DCI(またはB態様13の他の活性化物質)、例えば、約1M DCI(またはB態様13の他の活性化物質)を含む、B態様1〜14のいずれかの方法。
16.前記溶媒組成物が、N-メチルイミダゾール、例えば0.01〜約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度でN-メチルイミダゾールをさらに含む、B態様12〜15のいずれかの方法。
17.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が式I:
の化合物であり、
式中、Zはヌクレオシドであり、
R5およびR6は独立して、水素、アルキル、シクロ-アルキル、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル、置換シクロ-アルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択されるか、またはR5およびR6が一緒になって、式1のN原子と一緒に、3〜16個の炭素原子を含む複素環を形成し;
R9は水素であり;
R1は、水素およびC1〜3アルキルからなる群より選択され;かつ、
Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオリンからなる群より選択され;
ここで、置換される場合、Rは、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、またはC6〜14アリールC1〜4アルキル基からなる群より選択される基で置換され得る。複数の置換基は依存的にまたは独立して、C1〜4アルキル基、C6〜14アリール基 C1〜4, アルコキシ基、C7〜14アラルキル基、C1〜4アルキル、C6〜14アリール基、C1〜4アルコキシ、C6〜14アリール基、またはC6〜14アリールC1〜4アルキル基からなる群より選択され得る、B態様1〜16のいずれかの方法。
18.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、
の化合物であり、
式中、Z、R、R1、R6、R9、およびR5は全てB態様17の通りである、B態様1〜17のいずれかの方法。
19.Rが、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される、B態様17または18の方法。
20.Rが、アリール、例えばフェニルである、B態様17〜19のいずれかの方法。
21.R1が水素である、B態様17〜20のいずれかの方法。
22.R1が、C1〜3アルキル、例えばメチルである、B態様17〜21のいずれかの方法。
23.R5およびR6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、3〜16個(例えば、4個)の炭素原子を含む複素環を形成する、B態様17〜22のいずれかの方法。
24.R5およびR6が一緒になって、式(I)、(Ia)、または(1b)のN原子と一緒に、4個の炭素原子を含む複素環を形成する、B態様17〜22のいずれかの方法。
25.前記ホスホルアミダイト単量体化合物が式2aまたは2b:
のホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、Z、R、およびR1は、B態様17〜24のいずれかの通りである、B態様1〜24のいずれかの方法。
26.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物が式3aまたは3b:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体化合物であり、
式中、
R、R1、R5、R6、およびR9は、B態様2〜18のいずれかの通りであり;
Bは核酸塩基基であり;
R3は、CH2ODMTr、CH2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH2OMMTr、CH2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-Ra-O-DMTrRb、およびCH-Ra-O-MMTrR bからなる群より選択され;
R2は、ハロ、例えば-F、アミノ、アジド、-SH、-CN、-OCN、-CF3、-OCF3、-O(Rm)-アルキル、-S(Rm)-アルキル、-N(Rm)-アルキル、-O(Rm)-アルケニル、-S(Rm)-アルケニル、-N(Rm)-アルケニル;-O(Rm)-アルキニル、-S(Rm)-アルキニル、または-N(Rm)-アルキニル; O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)、またはO-CH2C(=O)-N(Rm)(Rn)、-O-(CH2)2OCH3、および-O-CH3からなる群より選択され、ここで、各RmおよびRnは独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは非置換C1〜10アルキルであり;
R4は、アルキル、シクロ-アルキル、シクロ-ヘテロアルキル、O-アルキル、S-アルキル、NH-アルキル、および水素からなる群より選択され;
またはR2およびR4は一緒になって、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=N、O、-Si(Ra)2-、S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される、1個、2個、3個の基/原子からなる二価ブリッジを示し;
ここで、Raおよび存在する場合にはRbは、各々が独立して、水素、置換されてもよいC1〜6-アルキル、置換されてもよいC2〜6-アルケニル、置換されてもよいC2〜6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されてもよいC1〜6-アルコキシ、C2〜6-アルコキシアルキル、C2〜6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜6-アルコキシカルボニル、C1〜6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリール-オキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロ-アリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ(C1〜6-アルキル)アミノおよびジ(C1〜6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ(C1〜6-アルキル)-アミノ-カルボニルおよびジ(C1〜6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1〜6-アルキル-アミノカルボニル、モノ(C1〜6-アルキル)アミノ-C1〜6-アルキル-アミノカルボニルおよびジ(C1〜6-アルキル)アミノ-C1〜6-アルキル-アミノカルボニル、C1〜6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されてもよく、かつ2個のジェミナルな置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されてもよいメチレン(=CH2)を示してもよく、全てのキラル中心に関して、不斉基はRまたはS配向のどちらかであり得る、B態様1〜25のいずれかの方法。
27.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、および7b:
からなる群より選択され、
式中、R、R1、R3、R9、R5、R6、およびBは、B態様26の通りである、B態様1〜26のいずれかの方法。
28.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が核酸塩基部分を含み、該核酸塩基部分が、プリンまたはピリミジン、例えば、アデニン、グアニン、ウラシル、チミン、およびシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル 5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2’チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、ならびに2-クロロ-6-アミノプリンからなる群より選択される核酸塩基である、B態様1〜27のいずれかの方法。
29.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、M1〜M40からなる群より選択される、B態様1〜28のいずれかの方法。
30.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体中の塩基部分(B)が、アデニン塩基を含む、B態様1〜29のいずれかの方法。
31.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体中の塩基部分(B)が、チミン塩基を含む、B態様1〜30のいずれかの方法。
32.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の塩基部分(B)が、グアニン塩基を含む、B態様1〜30のいずれかの方法。
33.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の塩基部分(B)が、シトシン塩基を含む、B態様1〜30のいずれかの方法。
34.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がL単量体である、B態様1〜33のいずれかの方法。
35.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がD単量体である、B態様1〜33のいずれかの方法。
36.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、LNA単量体、例えばβ-D-オキシLNA単量体である、B態様1〜35のいずれかの方法。
37.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体がDNA単量体である、B態様1〜36のいずれかの方法。
38.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式8aまたは式8b:
からなる群より選択され、
式中、Bはチミンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様17〜24のいずれかの通りである、B態様1〜28のいずれかの方法。
39.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、式8aまたは式8b:
からなる群より選択され、
式中、Bはアデニンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様17〜24のいずれかの通りであり、ここで、アデニンは任意で、例えばベンゾイルで保護されてもよい、B態様1〜28のいずれかの方法。
40.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-AまたはL-DNA-A単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Aはアデニンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りであり、ここで、塩基アデニンは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、B態様1〜28のいずれかの方法。
41.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-TまたはL-DNA-T単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Tはチミンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りである、B態様1〜28のいずれかの方法。
42.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-CまたはL-DNA-C単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Cはシトシンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基シトシンは、例えばアセチルまたはベンゾイルで保護されてもよく、かつここで、任意でシトシンは5-メチルシトシンである、B態様1〜28のいずれかの方法。
43.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-DNA-GまたはL-DNA-G単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Gはグアニンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基グアニンは、例えばDMFまたはアシルで、例えばiBuで保護されてもよい、B態様1〜28のいずれかの方法。
44.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-AまたはL-LNA-A単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Aはアデニンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りであり、ここで、塩基アデニンは、例えばベンゾイルで保護されてもよい、B態様1〜28のいずれかの方法。
45.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-TまたはL-LNA-T単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Tはチミンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りである、B態様1〜28のいずれかの方法。
46.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-CまたはL-LNA-C単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Cはシトシンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基シトシンは、例えばベンゾイルまたはアセチルで保護されてもよく、かつここで、任意でシトシンは5-メチルシトシンである、B態様1〜28のいずれかの方法。
47.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、D-LNA-GまたはL-LNA-G単量体、例えば、式:
のオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体からなる群より選択され、
式中、Gはグアニンであり、かつここで、R、R1、R3、およびR9は、B態様1〜24のいずれかの通りであり、かつここで、塩基グアニンは、L-LNA-G単量体についてはiBuなどのアシルで、またはD-LNA-G単量体についてはアシル(例えばiBu)もしくはDMFのいずれかで保護される、B態様1〜28のいずれかの方法。
48.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、DNA単量体であるか、またはLNA-A単量体、LNA-C単量体、およびアシル保護L-LNA-G単量体からなる群より選択されるLNA単量体である、B態様1〜47のいずれかの方法。
49.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体が、LNA-T単量体以外、D-LNA-G単量体以外、またはDMF保護L-LNA-G単量体以外である、B態様1〜47のいずれかの方法。
50.Rがフェニルであり、R1が水素またはメチルであり、R9が水素であり、かつ、R3が、CH2ODMTr、CH2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH2OMMTr、CH2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-Ra-O-DMTrRb、およびCH-Ra-O-MMTrR b、例えばCH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrからなる群より選択される、B態様17〜49のいずれかの方法。
51.Rがフェニルであり、R1が水素またはメチルであり、R9が水素であり、かつ、R3が-CH2-O-DMTrである、B態様17〜49のいずれかの方法。
52.B態様17〜51のいずれかのオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体と、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液。
53.前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の濃度が、約0.05 M〜約2 M、例えば約0.1 M〜約1 M、例えば約0.1 M〜約0.2 M、例えば約0.15 Mまたは約0.175 Mまたは約0.2 Mである、B態様52のアセトニトリル溶液。
54.前記芳香族複素環溶媒が、B態様1〜16のいずれかの通りである、B態様52または53のアセトニトリル溶液。
55.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.1%〜約50% (v/v)、例えば約0.5%〜約25% (v/v)である、B態様52〜54のいずれかのアセトニトリル溶液。
56.アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.5%〜約10%、例えば約1%〜約5% (v/v)、例えば約2〜4%、例えば約2.5%、例えば約3.5%である、B態様52〜55のいずれかのアセトニトリル溶液。
トルエン(50 mL)中のN-メチルモルホリンの溶液へ、PCl3 (2.93 mL 33.4 mmol)を-70℃で10分間にわたって添加した。この後、トルエン(50 mL)中のプロリン(P5-DまたはP5-L)補助剤(6.24 g 35.2 mmol)を30分間にわたって添加した(P5-DおよびP5-Lの合成についてはJ. Am. Chem. Soc., 2008, 130, 16031-16037を参照のこと)。結果として生じた混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後、溶媒および揮発性物質を真空中で除去した(40℃かつ15 mbar)。次いで、残っている残渣をTHF (50 mL)中に溶解し、この後、-70℃へ冷却し、続いて、最初にNEt3 (17.8 mL 128 mmol)および、次いで、30分間にわたって、THF (50 mL)中の溶液として5’-ODMT-DNA-ヌクレオシド(16 mmol)を添加した。反応混合物を-77℃で30分間、次いで室温で2時間撹拌した。この後、冷EtOAc (200 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (150 mL)、鹹水(150 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をアルゴン下でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、シリカ上での分解を回避するために溶離剤中に7% NEt3が含まれた。
D-LNA-G-DMFの合成
5’-ODMT-LNA-G (3.51 g 5.00 mmol)をピリジンと共に次いでトルエンと共に共蒸発させ、いかなる残留水または他の溶媒も除去した。次いで、残渣をピリジン(10 mL)およびTHF (10 mL)中に溶解した。この溶液を、-77℃で、D-オキサザホスホリジン(3.51 g 5.00 mmol)、PCl3 (0.88 mL 10.0 mmol)、およびNEt3 (3.50 mL 25.0 mmol)の溶液へ添加した。結果として生じた反応混合物を、次いで、-77℃で15分間、次いで室温で1.5時間撹拌した。この後、EtOAc (150 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (100 mL)および鹹水(100 mL)で洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、最後にトルエンと一緒に蒸発させた。結果として生じた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤 10%から30%へのEtOAc中のTHF + 7% NEt3)によって精製し、D-LNA-G-DMF (3.91 g, 推定収率84%)が得られた。
L-LNA-G-DMFの合成
5’-ODMT-LNA-G (4.91 g 7.00 mmol)をピリジンと共に次いでトルエンと共に共蒸発させ、いかなる残留水または他の溶媒も除去した。次いで、残渣をピリジン(10 mL)およびTHF (15 mL)中に溶解した。この溶液を、-77℃で、L-オキサザホスホリジン(2.48 g 14.0 mmol)、PCl3 (1.22 mL 14.0 mmol)、およびNEt3 (4.90 mL 35.0 mmol)の溶液へ添加した。結果として生じた反応混合物を、次いで、-77℃で15分間、次いで室温で1.5時間撹拌した。この後、EtOAc (150 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (100 mL)および鹹水(100 mL)で洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、最後にトルエンと一緒に蒸発させた。結果として生じた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離剤 15%から25%への勾配を使用するEtOAc/DCM 1:1中のTHF + 7% NEt3)によって精製し、D-LNA-G-DMF (3.41 g, 推定収率84%)が得られた。生成物を、上述のように、カラムクロマトグラフィーによって精製した。
D-DNA G-DMFの合成
トルエン(50 mL)中のN-メチルモルホリンの溶液へ、PCl3 (2.93 mL 33.4 mmol)を-70℃で10分間にわたって添加した。この後、トルエン(50 mL)中のP5-D (6.24 g 35.2 mmol)を30分間にわたって添加した。結果として生じた反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後、溶媒および揮発性物質を真空中で除去した(40℃かつ15 mbar)。次いで、残っている残渣をTHF (50 mL)中に溶解し、この後、-70℃へ冷却し、続いて、最初にNEt3 (17.8 mL 128 mmol)および、次いで、30分間にわたって、THF (50 mL)中の溶液として5’-ODMT-DNA-G (9.99 g 16.0 mmol)を添加した。反応混合物を-77℃で30分間、次いで室温で2時間撹拌した。この後、冷EtOAc (200 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (150 mL)、鹹水(150 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発乾固させた。粗生成物をアルゴン下でフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(溶離剤 DCM/EtOAc=2/1 + 7% NEt3)。D-DNA-G-DMFが、微量の溶媒不純物(EtOAc、トルエン、およびNEt3)と共に白色フォーム(10.6 g, 72%)として単離された。
L-DNA G-DMFの合成
トルエン(25 mL)中のN-メチルモルホリンの溶液へ、-55℃で、5分間、PCl3 (1.33 mL 15.2 mmol)を添加し、続いて、15分間、トルエン(25 mL)中のP5-L (2.84 g 16.00 mmol)を添加した。結果として生じた反応混合物を-55-45℃で10分間、次いで室温1.5時間撹拌した。次いで、溶媒および他の揮発性物質を真空中で除去した(40℃かつ6 mbar)。残っている残渣を、次いで、THF (25 mL)中に溶解し、-77℃へ冷却した。この後、NEt3 (8.92 mL 64 mmol)を添加し、続いて、THF (25 mL)中の5’-ODMT-DNA-G-DMF (4.5 g, 7.2 mmol)の溶液を15分間添加した。反応混合物を-77℃で15分間、次いで室温で3時間撹拌した。この後、EtOAc (150 mL)を添加し、混合物を冷NaHCO3 (100 mL)、鹹水(50 mL)で抽出し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。
3 DMSO 148.8 ppm + 1% 中28.8 ppmでの1P-NMR。
生成物の安定性および溶解性の判定
L-LNA G-DMFおよびL-LNA G-i-Buの安定性および溶解性を調べるために、以下の実験手法に従った。
モデル系:
従来のLNAホスホロアミダイトのカップリング効率を妨害するために、LNA AをMeCN(5%ピリジン有りおよび無し)中0.025 Mへ希釈した。この後、アミダイトをモデル系
において使用した。ここで、問題の単量体、即ち、LNA A 0.025 MおよびLNA A 0.025 M + 5% ピリジンについての相対的カップリング効率を得るために、3’フランクを脱保護後に粗製混合物中において特定し、完全長生成物と比較した。
ここでは、Et3N (アミダイトと比較して5〜10 eq)の存在下でのL-LNA Aの安定性をモニタリングした。
カップリング工程において許容される好適な塩基を見つけるために、関係のある窒素含有塩基中におけるいくつかの異なる添加剤を、モデル系
において調べた。
単量体の溶媒に対する添加されたピリジンの効果を調べるために、一連の5個の追加の単量体を、モデル系
を使用して調べた。
以下の単量体の溶解性を実施例7の通りに判定した。
DNA AはBz保護され、DNA Cはアセチル(Ac)保護され、DNA Tは保護基を有さず、DNA GはDMFであり、LNA AはBz保護され、LNA CはBzであり、LNA Tは保護基を有さず、LNA GはDMF (D-LNA)およびIbu (L-LNA)である。Bz = ベンゾイル。
相対的カップリング変換を、X = L-LNA Aであるモデル系
において得た。系における相対的カップリング効率を得るために、未反応フラグメント
および完全長生成物(即ち、
を積分し、互いに対して比較した。最適濃度を測定するために、異なる濃度の活性化物質を使用した。ピリジンの添加は、ピリジンが存在しないカップリングと比べて、カップリング効率を明らかに増大させる。結果によって理解され得るように(図8)、活性化物質濃度に関係なく、ピリジンの添加は、一般に、変換比率の増加の点で利点を有する。当技術分野において慣例であるように、活性化物質の濃度は最適化されるべきことがまた明らかであり、DCIに関しては、それは、0.1M NMIを含む1M DCIの濃度で典型的に使用される。完全長生成物への得られた変換を使用して、多数の理論収率を計算した。ここで、ピリジンの添加は、創薬のために使用することができる有用な収率を得るために重要であることが、明白である。実験的に得られたカップリング有効性データを考慮して、13merオリゴヌクレオチドについての理論収率を図9に示すことが可能であり、16merオリゴヌクレオチドについては図10を参照のこと。データを下記の表に提供する。
本実施例において、下記に示されるLNAオリゴヌクレオチドの立体化学変種の合成を、標準(アセトニトリルカップリング溶媒)を使用しかつ本発明に従って行った。
XはLNAヌクレオチドを示し、
小文字はDNAヌクレオチドを示し、
下付き文字Sp = ステレオランダムホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
単量体の溶媒に対する添加されたピリジンの効果を調べるために、一連の7個の追加の単量体を、モデル系
を使用して調べた。
Claims (15)
- 以下の工程を含む、立体的に規定された(stereodefined)ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成のための方法:
(a) 固体支持体へ結合された、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの保護された5’-ヒドロキシ末端を脱保護する工程、
(b) 亜リン酸トリエステル中間体を形成させるために、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの脱保護された該5’-ヒドロキシ末端へ、オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングする工程であって、カップリング反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程、ならびに
(c) 該亜リン酸トリエステル中間体を硫化試薬で酸化する工程、
(d) 任意で、1回または複数回のさらなる伸長サイクルのために工程(a)〜(c)を繰り返す工程、
(e) 該オリゴヌクレオチドの脱保護および該固体支持体からの該オリゴヌクレオチドの切断の工程。 - 複数回のさらなる伸長サイクル(d)を含む、請求項2に記載の方法。
- 前記立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項3に記載の方法。
- ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドとオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とを反応させる工程であって、該反応が、アセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含むアセトニトリル溶媒組成物中において行われる、工程
を含む、該ヌクレオシドまたは該オリゴヌクレオチドの5’-末端へオキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体をカップリングするための方法。 - 前記芳香族複素環溶媒が、20℃で水中において4〜7または7〜17のpKaを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環塩基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記芳香族複素環溶媒が芳香族複素環酸である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記芳香族複素環溶媒が、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記芳香族複素環溶媒がピリジンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.1%〜約50% (v/v)、例えば約0.5%〜約25%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度(v/v)が、約0.5%〜約10%、例えば約1%〜約5%、例えば約2〜4%、例えば約2.5%または約3.5%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体とアセトニトリルと芳香族複素環溶媒とを含む、アセトニトリル溶液。
- 前記オキサザホスホリジンホスホルアミダイト単量体の濃度が、約0.05 M〜約2 M、例えば約0.1 M〜約1 M、例えば約0.1 M〜約0.2 M、例えば約0.15 Mまたは約0.175 Mまたは約0.2 Mである、請求項12に記載のアセトニトリル溶液。
- 前記芳香族複素環溶媒が、請求項1〜11のいずれか一項に記載される通りである、請求項12または13に記載のアセトニトリル溶液。
- アセトニトリル中の芳香族複素環溶媒の濃度が、約0.1%〜約50% (v/v)、例えば約0.5%〜約25% (v/v)である、請求項12または14に記載のアセトニトリル溶液。
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