JP7467457B2 - 立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成における活性化物質としてのピリジニウム塩 - Google Patents

立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成における活性化物質としてのピリジニウム塩 Download PDF

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Description

本発明は、立体的に規定された(stereodefined)オリゴヌクレオチドを調製するための新規プロセスに関する。
治療用物質としての合成オリゴヌクレオチドの使用は、この数十年の間に顕著な進歩を示し、RNase H活性化ギャップマー、スプライススイッチングオリゴヌクレオチド、マイクロRNA阻害剤、siRNAまたはアプタマーを含む、多様なメカニズムによって作用する分子の開発につながっている(S. T. Crooke, Antisense drug technology : principles, strategies, and applications, 2nd ed. ed., Boca Raton, FL : CRC Press, 2008(非特許文献1))。
LNA(ロックド核酸)モノマーの合成は、Wengelらによって最初に報告された(Singh, S. K.; Nielsen, P., Koshkin, A. A. and Wengel, J. Chem. Commun., 1998, 455(非特許文献2))。
Nathsuhisa Okaらは、Org. Lett., Vol. 11, No. 4, 2009(非特許文献3)においてホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成を記載している。Okaらによって記載された合成は、固体支持体上で行われ、様々なカップリング活性化物質を試験している。Okaらは、N-フェニルイミダゾリウムトリフレートが最良の活性化物質であることを示している。残念ながら、Okaらは、ロックド核酸(LNA)などの立体的に規定されたホスホロチオエート修飾オリゴヌクレオチドの合成を探求しなかった。
MaoJun Guoらは、Bioorg. Med. Chem. Lett. 8 (1998) 2539-2544(非特許文献4)において活性化物質として1H-テトラゾールを用いた2'-O-メチル-ホスホロチオテートオリゴヌクレオチドの合成を記載している。残念ながら、Guoらは、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの合成に対する指針を提供していない。
文献を再調査すると、立体的に規定された修飾オリゴヌクレオチドの合成については乏しいままであることが明らかである。しかし、本発明者らは、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドがより良い薬理学的特性を有するオリゴヌクレオチドにつながると考えている。それらの化学構造により、オリゴヌクレオチドは本質的に、多くの立体中心を、特にそれらのヌクレオシド間連結のリン酸原子上に有する。これらの立体中心は、所与のオリゴヌクレオチドが実際にはオリゴヌクレオチド立体異性体の混合物であることを意味する。本発明者らは、オリゴヌクレオチド立体異性体の所与の混合物の薬理学的特性を、混合物中の他のものよりも優れた薬理学的特性を有する立体異性体を選択することによって改善し得ることに気が付いた。したがって、本発明者らは、他のものよりも好ましい薬理学的特性を有する立体異性体を合成および/または選択することに興味を持っている。
しかし、オリゴヌクレオチドの合成を促進するための様々な試みにもかかわらず、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド、特にLNA(ロックド核酸)などの立体的に規定されたロックドホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの高収率での合成が依然として必要とされている。
本発明者らは、ピリジニウム酸性塩をカップリング活性化物質として用いる、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド、特にロックドホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを高収率で調製するためのプロセスを見出したことに驚いた。当技術分野における本発明によるプロセスのさらなる重要な改善を以下に概説する。
S. T. Crooke, Antisense drug technology : principles, strategies, and applications, 2nd ed. ed., Boca Raton, FL : CRC Press, 2008 Singh, S. K.; Nielsen, P., Koshkin, A. A. and Wengel, J. Chem. Commun., 1998, 455 Nathsuhisa Oka et al., Org. Lett., Vol. 11, No. 4, 2009 MaoJun Guo et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 8 (1998) 2539-2544
1つの局面において、本発明は、ピリジニウム酸性塩をカップリング活性化物質として用いて、立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチド、特に立体的に規定されたロックドホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを相対的高収率で調製するための方法に関する。
別の局面において、本発明は、ピリジニウム酸性塩活性化物質を用いる立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの調製のための、ピリジニウム酸性塩活性化物質、溶媒、およびモノマーを含む組成物に関する。
さらに別の局面において、本発明は、立体的に規定された修飾ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドの調製における、カップリング活性化物質としてのピリジニウム酸性塩の使用に関する。
定義
「アルキル」なる用語は、単独または組み合わせで、1~8つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、特に1~6つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基、特に1~4つの炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を意味する。直鎖および分枝鎖C1~C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、異性ペンチル、異性ヘキシル、異性ヘプチルおよび異性オクチル、特にメチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチルである。アルキルの特定の例は、メチル、エチルおよびプロピルである。
「シクロアルキル」なる用語は、単独または組み合わせで、3~8つの炭素原子を有するシクロアルキル環、特に3~6つの炭素原子を有するシクロアルキル環を意味する。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、特にシクロプロピルおよびシクロブチルである。「シクロアルキル」の特定の例は、シクロプロピルである。
「アルコキシ」なる用語は、単独または組み合わせで、「アルキル」なる用語が前に与えられた意味を有する式 アルキル-O-の基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびtert-ブトキシを意味する。特定の「アルコキシ」はメトキシおよびエトキシである。メトキシエトキシは「アルコキシアルコキシ」の特定の例である。
「オキシ」なる用語は、単独または組み合わせで、-O-基を意味する。
「アルケニル」なる用語は、単独または組み合わせで、オレフィン結合および8つまで、好ましくは6つまで、特に好ましくは4つまでの炭素原子を含む直鎖または分枝炭化水素残基を意味する。アルケニル基の例は、1-プロペニル、2-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニルおよびイソブテニルである。
「アルキニル」なる用語は、単独または組み合わせで、三重結合および8つまで、特に2つの炭素原子を含む直鎖または分枝炭化水素残基を意味する。
「ハロゲン」または「ハロ」なる用語は、単独または組み合わせで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、特にフッ素、塩素または臭素、特にフッ素を意味する。「ハロ」なる用語は、別の基との組み合わせで、この基の少なくとも1つのハロゲンによる置換、特に1~5つのハロゲン、特に1~4つのハロゲン、すなわち1、2、3、または4つのハロゲンによる置換を示す。
「ハロアルキル」なる用語は、単独または組み合わせで、少なくとも1つのハロゲンで置換された、特に1~5つのハロゲン、特に1~3つのハロゲンで置換されたアルキル基を示す。ハロアルキルの例には、モノフルオロ-、ジフルオロ-またはトリフルオロ-メチル、-エチルまたは-プロピル、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、フルオロメチルまたはトリフルオロメチルが含まれる。フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルは特定の「ハロアルキル」である。
「ハロシクロアルキル」なる用語は、単独または組み合わせで、少なくとも1つのハロゲンで置換された、特に1~5つのハロゲン、特に1~3つのハロゲンで置換された、前述で定義されたとおりのシクロアルキル基を示す。「ハロシクロアルキル」の特定の例は、ハロシクロプロピル、特にフルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピルおよびトリフルオロシクロプロピルである。
「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」なる用語は、単独または組み合わせで、-OH基を意味する。
「チオヒドロキシル」および「チオヒドロキシ」なる用語は、単独または組み合わせで、-SH基を意味する。
「カルボニル」なる用語は、単独または組み合わせで、-C(O)-基を意味する。
「カルボキシ」または「カルボキシル」なる用語は、単独または組み合わせで、-COOH基を意味する。
「アミノ」なる用語は、単独または組み合わせで、一級アミノ基(-NH2)、二級アミノ基(-NH-)、または三級アミノ基(-N-)を意味する。
「アルキルアミノ」なる用語は、単独または組み合わせで、1つまたは2つの前述で定義されたとおりのアルキル基で置換された前述で定義されたとおりのアミノ基を意味する。
「スルホニル」なる用語は、単独または組み合わせで、-SO2基を意味する。
「スルフィニル」なる用語は、単独または組み合わせで、-SO-基を意味する。
「スルファニル」なる用語は、単独または組み合わせで、-S-基を意味する。
「シアノ」なる用語は、単独または組み合わせで、-CN基を意味する。
「アジド」なる用語は、単独または組み合わせで、-N3基を意味する。
「ニトロ」なる用語は、単独または組み合わせで、NO2基を意味する。
「ホルミル」なる用語は、単独または組み合わせで、-C(O)H基を意味する。
「カルバモイル」なる用語は、単独または組み合わせで、-C(O)NH2基を意味する。
「カルバミド」なる用語は、単独または組み合わせで、-NH-C(O)-NH2基を意味する。
「アリール」なる用語は単独または組み合わせで、6~10個の炭素環原子を含む一価芳香族炭素環式単環式または二環式環系であって、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、およびホルミルより独立して選択される1~3つの置換基で置換されていてもよい、一価芳香族炭素環式単環式または二環式環系を示す。アリールの例には、フェニルおよびナフチル、特にフェニルが含まれる。
「ヘテロアリール」なる用語は単独または組み合わせで、1、2、3、または4個のヘテロ原子を含み残りの環原子が炭素である、5~12個の環原子の一価芳香族複素環式単環式または二環式環系であって、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、およびホルミルより独立して選択される1~3つの置換基で置換されていてもよい、N、O、およびSより選択される、一価芳香族複素環式単環式または二環式環系を示す。ヘテロアリールの例には、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、イソキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、またはアクリジニルが含まれる。
「ヘテロシクリル」なる用語は単独または組み合わせで、N、O、およびSより選択される1、2、3、または4個の環ヘテロ原子を含み残りの環原子が炭素である、4~12個、特に4~9個の環原子の一価飽和または部分不飽和単環式または二環式環系であって、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、およびホルミルより独立して選択される1~3つの置換基で置換されていてもよい、一価飽和または部分不飽和単環式または二環式環系を示す。単環式飽和ヘテロシクリルの例は、アゼチジル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、またはオキサゼパニルである。二環式飽和ヘテロシクロアルキルの例は、8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、3-オキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノニル、または3-チア-9-アザビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分不飽和ヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピリジニル、またはジヒドロピラニルである。
「シリル」なる用語は、水素原子の1つまたは複数が有機基によって置き換えられている、-SiH3基または任意の類似の基を意味する。そのような類似の基の例は-SiMe(Ph)2である。「C1~4-アルキルおよびC6~14アリールより選択される1つまたは複数の置換基によって置換されたシリル」なる表現は、水素原子の1つまたは複数が、C1~4-アルキルおよびC6~14アリールより選択される有機基で置き換えられている、シリル基を意味する。
「薬学的に許容される塩」なる用語は、生物学的にもそれ以外にも有害ではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および特性を保持している塩を意味する。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、特に塩酸などの無機酸、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸と形成される。加えて、これらの塩は、遊離酸に無機塩基または有機塩基を添加することにより調製してもよい。無機塩基由来の塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩が含まれるが、それらに限定されない。有機塩基由来の塩には、一級、二級、および三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂の塩が含まれるが、それらに限定されない。本発明のオリゴヌクレオチドは、双性イオンの形態で存在することもできる。本発明の特に好ましい薬学的に許容される塩は、ナトリウム、リチウム、カリウムおよびトリアルキルアンモニウム塩である。
「保護基」なる用語は、単独または組み合わせで、化学反応を別の無保護の反応性部位で選択的に実施し得るように、多官能性化合物の反応性部位を選択的にブロックする基を意味する。保護基は除去することができる。例示的保護基はアミノ保護基、カルボキシ保護基またはヒドロキシ保護基である。
「リン酸保護基」は、リン酸基の保護基である。リン酸保護基の例は2-シアノエチルおよびメチルである。リン酸保護基の特定の例は2-シアノエチルである。
「ヒドロキシル保護基」はヒドロキシル基の保護基であり、チオール基を保護するためにも用いる。ヒドロキシル保護基の例はアセチル(Ac)、ベンゾイル(Bz)、ベンジル(Bn)、β-メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、ジメトキシトリチル(またはビス-(4-メトキシフェニル)フェニルメチル)(DMT)、トリメトキシトリチル(またはトリス-(4-メトキシフェニル)フェニルメチル)(TMT)、メトキシメチルエーテル(MOM)、メトキシトリチル[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル(MMT)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラン(THF)、トリチルまたはトリフェニルメチル(Tr)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリ-イソ-プロピルシリルオキシメチル(TOM)およびトリイソプロピルシリル(TIPS)エーテル)、メチルエーテルおよびエトキシエチルエーテル(EE)である。ヒドロキシル保護基の特定の例はDMTおよびTMT、特にDMTである。
「チオヒドロキシル保護基」はチオヒドロキシル基の保護基である。チオヒドロキシル保護基の例は「ヒドロキシル保護基」のものである。
出発材料または本発明の化合物のうちの1つが、1つまたは複数の反応段階の反応条件下で安定でないか、または反応性である、1つまたは複数の官能基を含む場合、適切な保護基(例えば、''Protective Groups in Organic Chemistry'' by T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Ed., 1999, Wiley, New Yorkに記載のとおり)を、当技術分野において周知の方法を適用して、重大な段階の前に導入することができる。そのような保護基は、文献に記載の標準の方法を用いて、合成の後のステージで除去することができる。保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、およびp-メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
本明細書に記載の化合物は、いくつかの不斉中心を含み得、光学的に純粋な鏡像異性体、例えばラセミ体などの鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性ラセミ体またはジアステレオ異性ラセミ体の混合物の形態で存在し得る。
オリゴヌクレオチド
本明細書において用いられる「オリゴヌクレオチド」なる用語は、一般に当業者によって理解されるとおり、2つまたはそれ以上の共有結合ヌクレオシドを含む分子と定義される。このような共有結合ヌクレオシドは、核酸分子またはオリゴマーと呼んでもよい。オリゴヌクレオチドは一般に、固相化学合成と、続く精製によって実験室で作製する。オリゴヌクレオチドの配列に言及する場合、言及は共有結合ヌクレオチドまたはヌクレオシドの、核酸塩基部分の配列もしくは順序、またはその改変に対してなされる。本発明のオリゴヌクレオチドは、人工的であり、化学合成し、かつ典型的には精製または単離する。本発明のオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含んでもよい。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本明細書において用いられる「アンチセンスオリゴヌクレオチド」なる用語は、標的核酸に、特に標的核酸上の連続配列にハイブリダイズすることによって、標的遺伝子の発現を調節することができるオリゴヌクレオチドと定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは本質的に二本鎖ではなく、したがってsiRNAでもshRNAでもない。好ましくは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは一本鎖である。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドは、自己内または自己間相補性の程度がオリゴヌクレオチドの全長にわたって50%未満であるかぎり、ヘアピンまたは分子間二本鎖構造(同じオリゴヌクレオチドの2つの分子間の二本鎖)を形成し得ることが理解される。
連続ヌクレオチド配列
「連続ヌクレオチド配列」なる用語は、標的核酸と相補的であるオリゴヌクレオチドの領域を指す。この用語は、本明細書において用語「連続核酸塩基配列」および用語「オリゴヌクレオチドモチーフ配列」と交換可能に使用される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチドは連続ヌクレオチド配列を構成する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、F-G-F'ギャップマー領域などの連続ヌクレオチド配列を含み、かつ、さらなるヌクレオチド、例えば、連続ヌクレオチド配列に官能基を結合するために使用し得るヌクレオチドリンカー領域を、任意に含んでもよい。ヌクレオチドリンカー領域は、標的核酸と相補的であってもよいか、または相補的でなくてもよい。
ヌクレオチド
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの構成要素であり、本発明の目的のために、天然および非天然ヌクレオチドの両方を含む。本質的に、DNAおよびRNAヌクレオチドなどのヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分、および1つまたは複数のリン酸基(ヌクレオシドには存在しない)を含む。ヌクレオシドおよびヌクレオチドは交換可能に「単位」または「モノマー」と呼ぶこともある。
修飾ヌクレオシド
本明細書において用いられる「修飾ヌクレオシド」または「ヌクレオシド修飾」なる用語は、同等のDNAまたはRNAヌクレオシドに比べて、糖部分または(核酸)塩基部分の1つまたは複数の修飾の導入によって修飾されたヌクレオシドを指す。好ましい態様において、修飾ヌクレオシドは修飾された糖部分を含む。修飾ヌクレオシドなる用語は、本明細書において「ヌクレオシド類縁体」または修飾「単位」もしくは修飾「モノマー」なる用語と交換可能に用いてもよい。非修飾DNAまたはRNA糖部分を有するヌクレオシドは、本明細書においてDNAまたはRNAヌクレオシドと呼ぶ。DNAまたはRNAヌクレオシドの塩基領域に修飾を伴うヌクレオシドは、ワトソン-クリック塩基対形成を可能にするならば、なお一般にDNAまたはRNAと呼ぶ。
核酸塩基
核酸塩基なる用語は、核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成する、ヌクレオシドおよびヌクレオチドに存在するプリン(例えば、アデニンおよびグアニン)およびピリミジン(例えば、ウラシル、チミン、およびシトシン)部分を含む。本発明の文脈において、核酸塩基なる用語は、天然の核酸塩基とは異なり得るが、核酸ハイブリダイゼーション中に機能する、修飾核酸塩基も含む。この文脈において、「核酸塩基」は、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、およびヒポキサンチンなどの天然核酸塩基、ならびに非天然変種の両方を指す。そのような変種は、例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1.に記載されている。
いくつかの態様において、核酸塩基部分を、プリンまたはピリミジンを修飾プリンまたはピリミジン、例えば置換プリンまたは置換ピリミジン、例えばイソシトシン、プソイドイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル 5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2'チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、および2-クロロ-6-アミノプリンより選択される核酸塩基に変えることによって修飾する。
核酸塩基部分は、それぞれ対応する核酸塩基の文字コード、例えばA、T、G、C、またはUによって示してもよく、ここで各文字は等価の機能の修飾核酸塩基を任意に含み得る。例えば、例示するオリゴヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分はA、T、G、C、および5-メチルシトシンより選択される。任意に、LNAギャップマーに対して、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドを用いてもよい。
5'-ヒドロキシル保護ヌクレオシド
ヌクレオシドの通常の化学命名法は、以下に示すとおりである。「5'-ヒドロキシル保護ヌクレオシド」なる表現において、言及する5'位は以下に示すとおりであり、ここでPGOはヒドロキシル保護基であり、かつBは核酸塩基である。
Figure 0007467457000001
前述の表現は5'位の例示のために提供するにすぎないことが理解されるべきである。多くの異なるヌクレオシドは、本明細書に記載の糖修飾ヌクレオシドなどの修飾ヌクレオシドを含む「5'-ヒドロキシル保護ヌクレオシド」なる表現の範囲内である。
修飾オリゴヌクレオチド
修飾オリゴヌクレオチドなる用語は、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドおよび/または修飾ヌクレオシド間連結を含むオリゴヌクレオチドを記載する。「キメラ」オリゴヌクレオチドなる用語は、修飾ヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを記載するために文献で使用されている用語である。
立体的に規定されたオリゴヌクレオチド
立体的に規定されたオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオシド間連結が立体的に規定されたヌクレオシド間連結であるオリゴヌクレオチドである。
立体的に規定されたホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのヌクレオシド間連結が立体的に規定されたホスホロチオエートヌクレオシド間連結であるオリゴヌクレオチドである。
相補性
「相補性」なる用語は、ヌクレオシド/ヌクレオチドのワトソン-クリック塩基対形成の能力を記載する。ワトソン-クリック塩基対はグアニン(G)-シトシン(C)およびアデニン(A)-チミン(T)/ウラシル(U)である。オリゴヌクレオチドは修飾された核酸塩基を有するヌクレオシドを含み得ることが理解され、例えば5-メチルシトシンはシトシンの代わりによく使用され、したがって相補性なる用語は非修飾核酸塩基と修飾核酸塩基との間のワトソン-クリック塩基対形成を包含する(例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol. 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1参照)。
本明細書において用いられる「相補性%」なる用語は、核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)中の連続ヌクレオチド配列における、所与の位置で、別の核酸分子(例えば標的核酸)の所与の位置の連続ヌクレオチド配列に相補的である(すなわち、ワトソン-クリック塩基対を形成する)ヌクレオチドの割合を指す。パーセンテージは、2つの配列の間で対を形成する整列化させた塩基の数を計数し(標的配列5'-3'およびオリゴヌクレオチド配列3'-5'で整列化させた場合)、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数で割り、100を掛けて算出する。このような比較において、整列化(塩基対を形成)しない核酸塩基/ヌクレオチドはミスマッチと呼ぶ。好ましくは、連続ヌクレオチド配列の相補性のパーセンテージの計算において、挿入および欠失は許容されない。
「完全に相補的」なる用語は、100%の相補性を指す。
同一性
本明細書において用いられる「同一性」なる用語は、核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)中の連続ヌクレオチド配列のパーセントにおける、所与の位置で、別の核酸分子(例えば標的核酸)の所与の位置の連続ヌクレオチド配列と同一である(すなわち、相補的ヌクレオシドとワトソン-クリック塩基対を形成する能力において)ヌクレオチドの数を指す。パーセンテージは、2つの配列の間で同一である整列化させた塩基の数を計数し、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数で割り、100を掛けて算出する。同一性パーセント = (マッチ数×100)/整列化させた領域の長さ。好ましくは、連続ヌクレオチド配列の相補性%の計算において、挿入および欠失は許容されない。
ハイブリダイゼーション
本明細書において用いられる「ハイブリダイズすること」または「ハイブリダイズする」なる用語は、2つの核酸鎖(例えば、オリゴヌクレオチドと標的核酸)が反対の鎖上の塩基対間で水素結合を形成し、それにより二本鎖を形成すると理解されるべきである。2つの核酸鎖間の結合の親和性は、ハイブリダイゼーションの強さである。オリゴヌクレオチドの半分が標的核酸と二本鎖形成する温度として定義される融解温度(Tm)によって記載されることが多い。生理的条件で、Tmは親和性に厳密には比例しない(Mergny and Lacroix, 2003,Oligonucleotides 13:515-537)。標準状態ギブス自由エネルギーΔG°は、結合親和性のより正確な表現であり、かつ、Rがガス定数でありかつTが絶対温度であるΔG° = -RTln(Kd)による反応の解離定数(Kd)に関連している。したがって、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の反応の非常に低いΔG°は、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の強いハイブリダイゼーションを反映している。ΔG°は、水性濃度が1M、pHが7、かつ温度が37℃である反応に関連するエネルギーである。標的核酸に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは自発反応であり、自発反応の場合ΔG°はゼロ未満である。ΔG°は、例えば、Hansen et al., 1965, Chem. Comm. 36-38およびHoldgate et al., 2005, Drug Discov Todayに記載の等温滴定熱量測定(ITC)法を用いて、実験的に測定することができる。当業者には、ΔG°測定のために市販の機器が利用可能であることが公知である。ΔG°は、Sugimoto et al., 1995, Biochemistry 34:11211-11216およびMcTigue et al., 2004, Biochemistry 43:5388-5405によって記載された適切に誘導された熱力学的パラメータを用い、SantaLucia, 1998, Proc Natl Acad Sci USA. 95: 1460-1465によって記載された最近接モデルを用いて、数値的に推定することもできる。ハイブリダイゼーションによってその所期の核酸標的を調節する可能性を有するために、本発明のオリゴヌクレオチドは標的核酸に、長さ10~30ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドの場合、-10kcal未満の推定ΔG°値でハイブリダイズする。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションの程度または強度は、標準状態ギブス自由エネルギーΔG°によって測定する。オリゴヌクレオチドは標的核酸に、長さ8~30ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドの場合、-10kcal未満の範囲、例えば-15kcal未満、例えば-20kcal未満および例えば-25kcal未満の推定ΔG°値でハイブリダイズしてもよい。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは標的核酸に、-10~-60kcal、例えば-12~-40、例えば-15~-30kcalまたは-16~-27kcal、例えば-18~-25kcalの推定ΔG°値でハイブリダイズする。
糖修飾
本発明のオリゴマーは、1つまたは複数のヌクレオシドを含んでもよく、これは修飾された糖部分、すなわちDNAおよびRNAに見出されるリボース糖部分と比べた場合の糖部分の修飾を有する。
リボース糖部分の修飾を有する多くのヌクレオシドは、主に親和性および/またはヌクレアーゼ耐性などのオリゴヌクレオチドのある特定の特性を改善することを目的として作製された。このようなオリゴヌクレオチドは糖修飾ヌクレオチドと呼ぶ。
このような修飾には、リボース環構造が、例えばヘキソース環(HNA)、または典型的にリボース環上のC2とC4炭素との間のビラジカル架橋を有する二環式環(LNA)、または典型的にC2とC3炭素との間の結合を欠く非連結リボース環(例えばUNA)での置き換えによって修飾されているものが含まれる。他の糖修飾ヌクレオシドには、例えば、ビシクロヘキソース核酸(WO 2011/017521)または三環式核酸(WO 2013/154798)が含まれる。修飾ヌクレオシドには、例えばペプチド核酸(PNA)またはモルホリノ核酸の場合、糖部分が非糖部分で置き換えられているヌクレオシドも含まれる。
糖修飾には、リボース環上の置換基を水素以外の基、またはDNAおよびRNAヌクレオシドに天然に見出される2'-OH基に変えて行われた修飾も含まれる。置換基は、例えば2'、3'、4'、または5'位で導入してもよい。
2'糖修飾ヌクレオシド
2'糖修飾ヌクレオシドは、2'位にHまたは-OH以外の置換基を有するヌクレオシド(2'置換ヌクレオシド)、またはLNA(2'-4'ビラジカル架橋)ヌクレオシドなどの、リボース環内の2'炭素と第2の炭素との間に架橋を形成することができる2'連結ビラジカルを含むヌクレオシドである。
事実、2'修飾ヌクレオシドの開発に多くの焦点が費やされており、多くの2'修飾ヌクレオシドがオリゴヌクレオチドに組み込まれると有益な特性を有することが判明している。例えば、2'修飾糖は、オリゴヌクレオチドに対する結合親和性の増強および/またはヌクレアーゼ耐性の増大を提供し得る。2'置換修飾ヌクレオシドの例は、2'-O-アルキル-RNA、2'-O-メチル-RNA、2'-アルコキシ-RNA、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)、2'-アミノ-DNA、2'-フルオロ-RNA、および2'-F-ANAヌクレオシドである。さらなる例は、例えば、Freier & Altmann; Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443およびUhlmann; Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213およびDeleavey and Damha, Chemistry and Biology 2012, 19, 937に見出すことができる。下記はいくつかの2'置換修飾ヌクレオシドの例示である。
Figure 0007467457000002
本発明に関連して、2'修飾はLNAのような2'架橋分子を含まない。
ロックド核酸ヌクレオシド(LNAヌクレオシド)
「LNAヌクレオシド」は、ヌクレオシドのリボース糖環のC2'とC4'とを連結するビラジカル(「2'-4'架橋」とも呼ぶ)を含みリボース環の立体構造を制限またはロックする、2'修飾ヌクレオシドである。これらのヌクレオシドは、文献中では架橋核酸または二環式核酸(BNA)とも呼ばれる。リボースの立体構造のロックは、LNAが相補的なRNAまたはDNA分子のオリゴヌクレオチドに組み込まれると、ハイブリダイゼーションの親和性増強(二本鎖の安定化)に関連する。これは、オリゴヌクレオチド/相補的二本鎖の融解温度を測定することによって、日常的に判定することができる。
非限定的で例示的なLNAヌクレオシドは、WO 99/014226、WO 00/66604、WO 98/039352、WO 2004/046160、WO 00/047599、WO 2007/134181、WO 2010/077578、WO 2010/036698、WO 2007/090071、WO 2009/006478、WO 2011/156202、WO 2008/154401、WO 2009/067647、WO 2008/150729、Morita et al., Bioorganic & Med.Chem. Lett. 12, 73-76、Seth et al. J. Org. Chem. 2010, Vol 75(5) pp. 1569-81、およびMitsuoka et al., Nucleic Acids Research 2009, 37(4), 1225-1238に開示されている。
2'-4'架橋は、2~4つの架橋原子を含み、かつ特に式-X-Y-のものであり、YはC4'に連結され、かつXはC2'に連結されており、
式中、
Xは、酸素、硫黄、-CRaRb-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(=CRaRb)-、-C(Ra)=N-、-Si(Ra)2-、-SO2-、-NRa-;-O-NRa-、-NRa-O-、-C(=J)-、Se、-O-NRa-、-NRa-CRaRb-、-N(Ra)-O-または-O-CRaRb-であり;
Yは、酸素、硫黄、-(CRaRb)n-、-CRaRb-O-CRaRb-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-Si(Ra)2-、-SO2-、-NRa-、-C(=J)-、Se、-O-NRa-、-NRa-CRaRb-、-N(Ra)-O-、または-O-CRaRb-であり;
ただし-X-Y-は-O-O-、Si(Ra)2-Si(Ra)2-、-SO2-SO2-、-C(Ra)=C(Rb)-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=N-C(Ra)=N-、-C(Ra)=N-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=C(Rb)-C(Ra)=N-、および-Se-Se-ではなく;
Jは酸素、硫黄、=CH2、または=N(Ra)であり;
RaおよびRbは独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、チオヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、アミノアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、カルバミド、アルカノイルオキシ、スルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、チオヒドロキシルスルフィドアルキルスルファニル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、-OC(=Xa)Rc、-OC(=Xa)NRcRd、および-NReC(=Xa)NRcRdより選択されるか;
または、2つのジェミナルなRaおよびRbは一緒になって、置換されていてもよいメチレンを形成するか;
または、2つのジェミナルなRaおよびRbは、-X-Y-の炭素原子1つだけで、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロアルキルもしくはハロシクロアルキルを形成し;
ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、置換アルコキシ、および置換メチレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、ヘテロシリル(heterocylyl)、アリール、およびヘテロアリールより独立して選択された1~3つの置換基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニ、ルおよびメチレンであり;
Xaは酸素、硫黄、または-NRcであり;
Rc、Rd、およびReは独立して水素およびアルキルより選択され;かつ
nは1、2、または3である。
本発明のさらなる特定の態様において、Xは酸素、硫黄、-NRa-、-CRaRb-、または-C(=CRaRb)-、特に酸素、硫黄、-NH-、-CH2-、または-C(=CH2)-、特に酸素である。
本発明の別の特定の態様において、Yは-CRaRb-、-CRaRb-CRaRb-、または-CRaRb-CRaRb-CRaRb-、特に-CH2-CHCH3-、-CHCH3-CH2-、-CH2-CH2-、または-CH2-CH2-CH2-である。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-(CRaRb)n-、-S-CRaRb-、-N(Ra)CRaRb-、-CRaRb-CRaRb-、-O-CRaRb-O-CRaRb-、-CRaRb-O-CRaRb-、-C(=CRaRb)-CRaRb-、-N(Ra)CRaRb-、-O-N(Ra)-CRaRb-、または-N(Ra)-O-CRaRb-である。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbは独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキルからなる群より選択される。
本発明の別の態様において、RaおよびRbは独立して、水素、フルオロ、ヒドロキシル、メチル、および-CH2-O-CH3、特に水素、フルオロ、メチル、および-CH2-O-CH3からなる群より選択される。
有利には、-X-Y-のRaおよびRbのうちの一方は前述で定義されたとおりであり、同時に他のものはすべて水素である。
本発明のさらなる特定の態様において、Raは水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。
本発明の別の特定の態様において、Rbは水素またはまたはアルキル、特に水素またはメチルである。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbのうちの一方または両方は水素である。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbのうちの一方だけは水素である。
本発明の1つの特定の態様において、RaおよびRbのうちの一方はメチルであり、他方のものは水素である。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbは同時に両方ともメチルである。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-、-S-CH2-、-S-CH(CH3)-、-NH-CH2-、-O-CH2CH2-、-O-CH(CH2-O-CH3)-、-O-CH(CH2CH3)-、-O-CH(CH3)-、-O-CH2-O-CH2-、-O-CH2-O-CH2-、-CH2-O-CH2-、-C(=CH2)CH2-、-C(=CH2)CH(CH3)-、-N(OCH3)CH2-、または-N(CH3)CH2-である。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-CRaRb-であり、ここでRaおよびRbは独立して、水素、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に水素、メチル、および-CH2-O-CH3からなる群より選択される。
特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-または-O-CH(CH3)-、特に-O-CH2-である。
2'-4'架橋は、それぞれ式(A)および式(B)に例示するとおり、リボース環の平面の下(β-D-配置)または環の平面の上(α-L-配置)のいずれかに位置してもよい。
本発明によるLNAヌクレオシドは、特に式(B1)または(B2):
Figure 0007467457000003
のものであり;
式中、
Wは酸素、硫黄、-N(Ra)-、または-CRaRb-、特に酸素であり;
Bは核酸塩基または修飾核酸塩基であり;
Zは、隣接するヌクレオシドまたは5'-末端基へのヌクレオシド間連結であり;
Z*は、隣接するヌクレオシドまたは3'-末端基へのヌクレオシド間連結であり;
R1、R2、R3、R5、およびR5*は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アジド、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、およびアリールより選択され;かつ
X、Y、Ra、およびRbは前述で定義されたとおりである。
特定の態様において、-X-Y-の定義では、Raは水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。別の特定の態様において、-X-Y-の定義では、Rbは水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。さらなる特定の態様において、-X-Y-の定義では、RaおよびRbの一方または両方は水素である。特定の態様において、-X-Y-の定義では、RaおよびRbのうちの一方だけは水素である。1つの特定の態様において、-X-Y-の定義では、RaおよびRbのうちの一方はメチルであり、かつ他方のものは水素である。特定の態様において、-X-Y-の定義では、RaおよびRbは同時に両方ともメチルである。
さらなる特定の態様において、Xの定義では、Raは水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。別の特定の態様において、Xの定義では、Rbは水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。特定の態様において、Xの定義では、RaおよびRbの一方または両方は水素である。特定の態様において、Xの定義では、RaおよびRbの一方だけは水素である。1つの特定の態様において、Xの定義では、RaおよびRbのうちの一方はメチルであり、かつ他方のものは水素である。特定の態様において、Xの定義では、RaおよびRbは同時に両方ともメチルである。
さらなる特定の態様において、Yの定義では、Raは水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。別の特定の態様において、Yの定義では、Rbは水素またはアルキル、特に水素またはメチルである。特定の態様において、Yの定義では、RaおよびRbの一方または両方は水素である。特定の態様において、Yの定義では、RaおよびRbの一方だけは水素である。1つの特定の態様において、Yの定義では、RaおよびRbのうちの一方はメチルであり、かつ他方のものは水素である。特定の態様において、Yの定義では、RaおよびRbは同時に両方ともメチルである。
本発明の特定の態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は独立して水素およびアルキル、特に水素およびメチルより選択される。
本発明のさらなる特定の有利な態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。
本発明の別の特定の態様において、R1、R2、R3は同時にすべて水素であり、R5およびR5*のうちの一方は水素であり、かつ他方のものは前述で定義されたとおり、特にアルキル、特にメチルである。
本発明の特定の態様において、R5およびR5*は独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシアルキル、およびアジドより、特に水素、フルオロ、メチル、メトキシエチル、およびアジドより選択される。本発明の特に有利な態様において、R5およびR5*のうちの一方は水素であり、かつ他方のものはアルキル、特にメチル、ハロゲン、特にフルオロ、アルコキシアルキル、特にメトキシエチルまたはアジドであるか;またはR5およびR5*は同時に両方とも水素またはハロゲン、特に同時に両方ともフルオロの水素である。そのような特定の態様において、Wは有利には酸素であり得、かつ-X-Y-は有利には-O-CH2-であり得る。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。そのようなLNAヌクレオシドは、WO 99/014226、WO 00/66604、WO 98/039352、およびWO 2004/046160に開示されており、これらはすべて参照により本明細書に組み入れられ、かつ当技術分野においてβ-D-オキシLNAおよびα-L-オキシLNAヌクレオシドとして一般に公知のものが含まれる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-S-CH2-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。そのようなチオLNAヌクレオシドは、WO 99/014226およびWO 2004/046160に開示されており、これらは参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-NH-CH2-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。そのようなアミノLNAヌクレオシドは、WO 99/014226およびWO 2004/046160に開示されており、これらは参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2CH2-または-OCH2CH2CH2-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5およびR5*は同時にすべて水素である。そのようなLNAヌクレオシドは、WO 00/047599およびMorita et al., Bioorganic & Med.Chem. Lett. 12, 73-76に開示されており、これらは参照により本明細書に組み入れられ、かつ当技術分野において2'-O-4'C-エチレン架橋核酸(ENA)として一般に公知のものが含まれる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3は同時にすべて水素であり、R5およびR5*のうちの一方は水素であり、かつ他方のものはアルキルなどの水素以外、例えばメチルである。そのような5'置換LNAヌクレオシドは、WO 2007/134181に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CRaRb-であり、ここでRaおよびRbの一方または両方は水素以外、特にメチルなどのアルキルであり、Wは酸素であり、R1、R2、R3は同時にすべて水素であり、R5およびR5*のうちの一方は水素であり、他方のものは水素以外、特にアルキル、例えばメチルである。そのような2修飾LNAヌクレオシドは、WO 2010/077578に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CHRa-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素できる。そのような6'-置換LNAヌクレオシドは、WO 2010/036698およびWO 2007/090071に開示されており、これらはいずれも参照により本明細書に組み入れられる。そのような6'-置換LNAヌクレオシドにおいて、Raは特にメチルなどのC1~C6アルキルである。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH(CH2-O-CH3)-である(''2'O-methoxyethyl bicyclic nucleic acid'', Seth et al. J. Org. Chem. 2010, Vol 75(5) pp. 1569-81)。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH(CH2CH3)-である。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH(CH2-O-CH3)-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5およびR5*は同時にすべて水素である。そのようなLNAヌクレオシドは、当技術分野において環式MOE(cMOE)としても公知で、WO 2007/090071に開示されている。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH(CH3)-である(''2'O-ethyl bicyclic nucleic acid'', Seth at al., J. Org. Chem. 2010, Vol 75(5) pp. 1569-81)。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-O-CH2-である(Seth et al., J. Org. Chem 2010 前掲書)。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH(CH3)-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。そのような6'-メチルLNAヌクレオシドは、当技術分野においてcETヌクレオシドとしても公知で、いずれも参照により本明細書に組み入れられるWO 2007/090071(β-D)およびWO 2010/036698(α-L)に開示されているとおり、(S)-cETまたは(R)-cETジアステレオ異性体のいずれであってもよい。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CRaRb-であり、ここでRaまたはRbのいずれも水素以外であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5およびR5*は同時にすべて水素である。特定の態様において、RaおよびRbは同時に両方ともアルキル、特に同時に両方ともメチルである。そのような6'-ジ-置換LNAヌクレオシドはWO 2009/006478に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-S-CHRa-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5およびR5*は同時にすべて水素である。そのような6'-置換チオLNAヌクレオシドは、WO 2011/156202に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。そのような6'-置換チオLNAの特定の態様において、Raはアルキル、特にメチルである。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-C(=CH2)C(RaRb)-、-C(=CHF)C(RaRb)-、または-C(=CF2)C(RaRb)-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5およびR5*は同時にすべて水素である。RaおよびRbは有利には独立して、水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に水素、メチル、フルオロ、およびメトキシメチルより選択される。RaおよびRbは特に同時に両方とも水素もしくはメチルであるか、またはRaおよびRbのうちの一方は水素であり、かつ他方のものはメチルである。そのようなビニルカルボLNAヌクレオシドは、WO 2008/154401およびWO 2009/067647に開示されており、これらはいずれも参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-N(ORa)-CH2-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。特定の態様において、Raはメチルなどのアルキルである。そのようなLNAヌクレオシドはN置換LNAとしても公知で、WO 2008/150729に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-N(Ra)-、-N(Ra)-O-、-NRa-CRaRb-CRaRb-、または-NRa-CRaRb-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。RaおよびRbは有利には独立して、水素、ハロゲン、アルキルおよびアルコキシアルキル、特に水素、メチル、フルオロ、およびメトキシメチルより選択される。特定の態様において、Raはメチルなどのアルキルであり、Rbは水素またはメチル、特に水素である。(Seth et al., J. Org. Chem 2010 前掲書)。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-N(CH3)-である(Seth et al., J. Org. Chem 2010 前掲書)。
本発明の特定の態様において、R5およびR5*は同時に両方とも水素である。本発明の別の特定の態様において、R5およびR5*のうちの一方は水素であり、他方のものはメチルなどのアルキルである。そのような態様において、R1、R2およびR3は特に水素であり得、かつ-X-Y-は特に-O-CH(CH3)-などの-O-CH2-または-O-CHC(Ra)3-であり得る。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-CH2-O-CH2-などの-CRaRb-O-CRaRb-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。そのような特定の態様において、Raは特にメチルなどのアルキルであり得、Rbは水素またはメチル、特に水素であり得る。そのようなLNAヌクレオシドは立体配座が制限されたヌクレオチド(CRN)としても公知で、WO 2013/036868に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-O-CH2-などの-O-CRaRb-O-CRaRb-であり、Wは酸素であり、かつR1、R2、R3、R5、およびR5*は同時にすべて水素である。RaおよびRbは有利には独立して水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に水素、メチル、フルオロ、およびメトキシメチルより選択される。そのような特定の態様において、Raは特にメチルなどのアルキルであり得、Rbは水素またはメチル、特に水素であり得る。そのようなLNAヌクレオシドはCOCヌクレオチドとしても公知で、Mitsuoka et al., Nucleic Acids Research 2009, 37(4), 1225-1238に開示されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
特に記載がないかぎり、LNAヌクレオシドはβ-Dまたはα-L立体異性体であってもよいことが理解されよう。
本発明のLNAヌクレオシドの特定の例をスキーム1に提示する(ここでBは前述で定義されたとおりである)。
Figure 0007467457000004
Figure 0007467457000005
Figure 0007467457000006
特定のLNAヌクレオシドは、β-D-オキシ-LNA、(S)-6'-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)-cET)などの6'-メチル-β-D-オキシLNA、およびENAである。
RNase H活性および動員
アンチセンスオリゴヌクレオチドのRNase H活性とは、相補的RNA分子との二本鎖である場合、RNase Hを動員する能力を指す。WO01/23613は、RNaseH活性を判定するためのインビトロ法を提供し、これはRNaseHを動員する能力を判定するために用いてもよい。典型的には、オリゴヌクレオチドは、相補的な標的核酸配列と共に提供された場合に、試験中の修飾オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するが、オリゴヌクレオチド中のすべてのモノマーの間にホスホロチオエート連結を有するDNAモノマーだけを含むオリゴヌクレオチドを用い、かつWO01/23613(参照により本明細書に組み入れられる)の実施例91~95によって提供される方法を用いて判定した初期速度の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、または20%を超える、pmol/l/分で評価しての初期速度を有するならば、RNase Hを動員することができるとみなされる。RNase H活性を判定する際に用いるために、組換えヒトRNase H1がLubio Science GmbH, Lucerne, Switzerlandから入手可能である。
固体支持体上に固定されたヌクレオシド
ヌクレオシドの通常の化学命名法は以下に示すとおりである。「固体支持体上に固定されたヌクレオシド」なる表現において、ヌクレオシドは一般には固体支持体にその3'位を介して連結されている。
Figure 0007467457000007
前述の表現は、どの位置でヌクレオシドが固体支持体に結合し得るかを例示するのに役立つにすぎないことが理解されるべきである。本明細書に記載の糖修飾ヌクレオシドなどの修飾ヌクレオシドおよびヒドロキシル補語部分を有するヌクレオシドを含む、多くの異なるヌクレオシドがこの表現の範囲内である。
オリゴヌクレオチド合成に適した固体支持体は当技術分野において公知である。そのような固体支持体の例は、Solid-Phase Supports for Oligonucleotide Synthesis Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry (2000) 3.1.1-3.1.28などの多くの論文中で見出される。
式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合している
ヌクレオシドの通常の化学命名法は以下に示すとおりである。「式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合している」なる表現において、言及される3'位を以下に示す。
Figure 0007467457000008
式1aまたは1bへの結合がどのようになされるかの非限定例を、例えば式4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、7b、8a、8b、8c、8d、9a、9b、9c、9dなどにより、本明細書に示す。
前述の表現は、どの位置でヌクレオシドが式1aまたは1bのモノマーに結合し得るかを例示するのに役立つにすぎないことが理解されるべきである。本明細書に記載の糖修飾ヌクレオシドなどの修飾ヌクレオシドおよびヒドロキシル補語部分を有するヌクレオシドを含む、多くの異なるヌクレオシドがこの表現の範囲内である。
オキサザホスホリジン
本発明の方法は、オキサザホスホリジンをヌクレオシドまたはヌクレオチドにカップリングする段階を含む。立体中心は、式1aに例示するとおり、L配置である。いくつかの態様において、立体中心は、式1bに例示するとおり、D配置である。
Figure 0007467457000009
式1aに示すRおよびR1基によって作られる立体中心を含むモノマーは、本明細書においてLモノマーと呼び、これはSp立体中心を形成することになる。式1bに示すRおよびR1基によって作られる立体中心を含むモノマーは、本明細書においてDモノマーと呼び、これはRp立体中心を形成することになる。
置換される場合、RはC1~4アルキル、C6~14アリール基、C1~4アルコキシ、C6~14アリール基、またはC6~14アリールC1~4アルキル基からなる群より選択される基で置換されていてもよい。複数の置換は依存的または独立して、C1~4アルキル基、C6~14アリール基 C1~4、アルコキシ基、C7~14アラルキル基、C1~4アルキル、C6~14アリール基、C1~4アルコキシ、C6~14アリール基、またはC6~14アリールC1~4アルキル基からなる群より選択されてもよい。
置換される場合、Rは、1つまたは複数のC1~4-アルキルおよび/またはC6~14アリールによって置換されたシリル、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4、アルコキシからなる群より選択される基で置換されていてもよい。
いくつかの態様において、Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、置換ヘテロアリール、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、置換シリル、スルホン、置換スルホン(アリール置換スルホン)、フルオレン、および置換フルオレンからなる群より選択される。
いくつかの態様において、Rは、1つまたは複数のC1~4-アルキルおよび/またはC6~14アリールによって置換されたシリル、特に-Si(Ph)2Meである。
いくつかの態様において、Rは、アリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択される。
いくつかの態様において、Rはフェニルなどのアリールである。
いくつかの態様において、Rが置換アリールである場合、Rは、ヨウ化物、フッ化物、臭化物または塩化物などのハロゲン化物で置換されていてもよく、例えばヨウ化物、フッ化物、臭化物または塩化物などのハロゲン化物で置換されたフェニルであってもよい。
いくつかの態様において、R1は水素である。いくつかの態様において、R1は、メチル、エチル、またはプロピルなどのC1~3アルキルである。いくつかの態様において、R1はメチルである。
いくつかの態様において、Rはフェニルなどのアリールであり、かつR1は水素である。
いくつかの態様において、Rは、-Si(Ph)2Meなどの、1つまたは複数のC1~4-アルキルおよび/またはC6~14アリールによって置換されたシリルであり、かつR1は水素である。
いくつかの態様において、Rはフェニルなどのアリールであり、かつR1は、メチル、エチル、またはプロピルなどのC1~3アルキルである。
いくつかの態様において、Rは
Figure 0007467457000010
であり、ここで、G31、G32、およびG33は独立して、C1~4アルキル、C6~14アリールC1~4アルコキシ、C7~14アラルキル、C1~4アルキルC6~14アリール、C1~4アルコキシC6~14アリール、およびC6~14アリールC1~4アルキルからなる群より選択される。
いくつかの態様において、Rは
Figure 0007467457000011
であり、ここで、G21、G22、およびG23は独立して水素、ニトロ、ハロゲン、シアノ、またはC1~3アルキルである。
いくつかの態様において、Rは
Figure 0007467457000012
であり、ここで、G51、G52、およびG53は独立して水素、ニトロ、ハロゲン、シアノ、またはC1~3アルキルもしくはC1~3アルキルオキシ基である。
いくつかの態様において、R5およびR6は一緒になって、複素環(式1に示す環式窒素と共に)-二環式オキサザホスホリジンと呼ばれるヌクレオシドモノマーを形成する。複素環は、例えば、3~16個の炭素原子、例えば4個の炭素原子を含んでもよい。
直交保護されたオキサザホスホリジンモノマー
参照により本明細書に組み入れられるEP17163506.3は、オキサザホスホリジンキラル補助剤上に直交保護されたアミン基を含むオキサザホスホリジンモノマーを提供する。いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは直交保護されたオキサザホスホリジンモノマーである。
二環式オキサザホスホリジンモノマー
いくつかの態様において、モノマーは二環式オキサザホスホリジンモノマーであり、例えば、いくつかの態様において、R5およびR6は一緒になって複素環を形成する。いくつかの態様において、R5およびR6は一緒になって複素環(式1に示す環式窒素と共に)を形成し、これは4つの炭素原子を含んで、複素環中の原子の合計を5つとする(式1に示す4つの炭素および窒素)。例えば、本発明によって用いられるオキサザホスホリジンは式2aまたは2b:
Figure 0007467457000013
のものであってもよく、式中、R、R1、R9、およびZは式1のとおりである。
いくつかの態様において、R5およびR6はなって、複素環(式Iに示す環式窒素と共に)を形成し、これは4つの炭素原子を含んで、複素環中の原子の合計を5つとし(式1に示す4つの炭素および窒素)、かつRはフェニルなどのアリールであり、R1は水素またはメチルである。R9は水素である。
前記Z基はヌクレオシドであり、ここでヌクレオシドの3'酸素は式1、1a、1b、2a、または2bに示す環外酸素である。いくつかの態様において、Z基はLNAヌクレオシド部分である。いくつかの態様において、Z基はDNAヌクレオシド部分である。いくつかの態様において、本発明によって用いられるオキサザホスホリジンモノマーは、したがって、式3aまたは3b:
Figure 0007467457000014
の化合物として表されてもよく、式中、R、R1、R5、R6、およびR9は本明細書に記載のとおりであり、かつBは核酸塩基である。
[本発明1001]
式(1a)または(1b):
Figure 0007467457000015
のオキサザホスホリジンモノマーを、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、
式中、Nucは、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており;
Rは、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、スルホン、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホン、C 6~14 アリールスルホン、C 6~14 アリール、C 5~14 ヘテロアリールからなる群より選択され、該C 5~14 ヘテロアリールが、O、N、またはSより独立して選択される1、2、または3つのヘテロ原子を含み、シリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール部分のそれぞれは、無置換であり得るか、あるいは、C 1~4 アルキル、C 6~14 アリール、およびC 1~4 、アルコキシ、または、C 1~4 アルキルおよびC 6~14 アリールより選択される1つもしくは複数の置換基によって置換されたシリルからなる群より選択される1つまたは複数の基によって置換され得;
R 1 は水素またはC 1~4 アルキルより選択され;かつ
R 5 、R 6 、およびR 9 は独立して、水素、C 1~4 アルキル、C 5~6 シクロアルキル、C 6~14 アリール、C 5~14 ヘテロアリールからなる群より選択され、該C 5~14 ヘテロアリールが、O、N、もしくはSより独立して選択される1、2、もしくは3つのヘテロ原子を含み、これらのアルキル、シクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールのそれぞれは、C 1~4 アルキル、C 6~14 アリール、およびC 1~4 、アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得るか;
または、R 5 、R 6 、もしくはR 9 のうちの2つは一緒になって、R 5 が結合しているN原子と共に、3~7つの炭素原子を含む複素環を形成し、ここで該複素環は、C 1~4 アルキル、C 6~14 アリール、およびC 1~4 、アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得、
該カップリングがピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質の存在下で実施される、
該段階
を含む、立体的に規定された(stereodefined)糖修飾オリゴヌクレオチドの合成のための方法。
[本発明1002]
Nucが、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており;
Rが、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、スルホン、C 1~4 アルキル、C 1~4 アルキルスルホン、C 6~14 アリールスルホン、C 6~14 アリール、C 5~14 ヘテロアリールからなる群より選択され、該C 5~14 ヘテロアリールが、O、N、またはSより独立して選択される1、2、または3つのヘテロ原子を含み、シリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール部分のそれぞれは、無置換であり得るか、または、C 1~4 アルキル、C 6~14 アリール、およびC 1~4 、アルコキシからなる群より選択される1つもしくは複数の基によって置換され得;
R 1 が水素またはC 1~4 アルキルより選択され;かつ
R 5 、R 6 、およびR 9 が独立して、水素、C 1~4 アルキル、C 5~6 シクロアルキル、C 6~14 アリール、C 5~14 ヘテロアリールからなる群より選択され、該C 5~14 ヘテロアリールが、O、N、もしくはSより独立して選択される1、2、もしくは3つのヘテロ原子を含み、これらのアルキル、シクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールのそれぞれは、C 1~4 アルキル、C 6~14 アリール、およびC 1~4 、アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得るか;
または、R 5 、R 6 、もしくはR 9 のうちの2つは一緒になって、R 5 が結合しているN原子と共に、3~7つの炭素原子を含む複素環を形成し、ここで該複素環は、C 1~4 アルキル、C 6~14 アリール、およびC 1~4 、アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得、
固体支持体上に固定されたヌクレオシドとの前記カップリングがピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質の存在下で実施される、
本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が、ピリジニウムヨウ化水素酸塩、ピリジニウムカンファースルホン酸、ピリジニウム塩酸塩、ピリジニウム臭化水素酸塩、ピリジニウムトリフルオロ酢酸塩、ピリジニウムトリフレート、およびピリジニウムメシレートからなる群より選択される、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.05~約0.50Mの範囲内のピリジニウム臭化水素酸塩である、本発明1003の方法。
[本発明1005]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩である、本発明1004の方法。
[本発明1006]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.3Mのピリジニウムトリフレートである、本発明1004の方法。
[本発明1007]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約1Mのピリジニウムトリフレートである、本発明1004の方法。
[本発明1008]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.25~約1Mの範囲内のピリジニウム塩酸塩である、本発明1004の方法。
[本発明1009]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.50Mのピリジニウム塩酸塩である、本発明1008の方法。
[本発明1010]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が、アセトニトリル、アセトニトリル中のピリジン、メチルイミダゾール、ならびにそれらの混合物より選択される溶媒中に存在する、本発明1001~1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質がアセトニトリル中に存在する、本発明1010の方法。
[本発明1012]
式(1a)および(1b)の立体的に規定されたモノマーが式(2a)または(2b):
Figure 0007467457000016
のオキサザホスホリジンであり、式中、R、R 1 、R 9 、およびNucは式(1a)または(1b)のとおりである、本発明1001~1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記糖修飾が、以下のLNA糖修飾:
Figure 0007467457000017
Figure 0007467457000018
Figure 0007467457000019
Figure 0007467457000020
からなる群より選択され、ここで、Bが核酸塩基であり、かつZおよびZ*が独立してヌクレオチドである、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記糖修飾が、β-D-オキシ-LNA、(R)-6'-メチル-β-D-オキシLNA、(S)-6'-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)-cET)、およびENAからなる群より選択される、本発明1013の方法。
[本発明1015]
前記糖修飾がMOE:
Figure 0007467457000021
であり、ここで、Bが核酸塩基であり、かつZおよびZ*が独立してヌクレオチドである、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1016]
前記オキサザホスホリジンモノマーが式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000022
のものであり、式中、Nucは本明細書において定義されたとおりであり、R 1 はHまたはメチルである、本発明1001~1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記オキサザホスホリジンモノマーが式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000023
のものであり、式中、Nucは本明細書において定義されたとおりであり、R 1 はHまたはメチルである、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1018]
前記オキサザホスホリジンモノマーが式(10a)または(10b):
Figure 0007467457000024
のものであり、式中、Nucは本明細書において定義されたとおりであり、R 1 はHまたはメチルである、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1019]
ピリジニウム酸性塩活性化物質、溶媒、および本発明1001~1018のいずれかにおいて定義されたとおりの式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンモノマーを含む、組成物。
[本発明1020]
本発明1001~1018のいずれかにおいて定義されたとおりの式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンモノマーと、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとのカップリングのための、ピリジニウム酸性塩活性化物質の使用。
[本発明1021]
本発明1001~1018のいずれかの方法に従って製造されたオリゴヌクレオチド。
[本発明1022]
本明細書に記載された発明。
超高速液体クロマトグラフィ-質量分析タンデム分析に基づく、一連のグラフ、図1A、1B、1C、1D、および1Eを示す。グラフは、本発明による方法において、9量体完全ホスホロチオエートDNA TオリゴヌクレオチドをL-DNA Tモノマーと、様々なカップリング活性化物質および溶媒を用いてカップリングさせて、10量体オリゴヌクレオチドを得た後の粗製材料の分析を示す。 超高速液体クロマトグラフィ-質量分析タンデム分析に基づく、一連のグラフ、図2A、2B、および2Cを示す。グラフは、本発明による方法において、15量体完全ホスホロチオエートDNA TオリゴヌクレオチドをL-DNA Tモノマーと、様々なカップリング活性化物質および溶媒を用いてカップリングさせて、16量体オリゴヌクレオチドを得た後の粗製材料の分析を示す。 超高速液体クロマトグラフィ-質量分析タンデム分析に基づく、一連のグラフ、図3A、3B、3C、および3Dを示す。グラフは、本発明による方法において、15量体完全ホスホロチオエートDNA TオリゴヌクレオチドをL-DNA Tモノマーと、様々なカップリング活性化物質および溶媒を用いてカップリングさせて、16量体オリゴヌクレオチドを得た後の粗製材料の分析を示す。 超高速液体クロマトグラフィ-質量分析タンデム分析に基づく、一連のグラフ、図4A、4B、および4Cを示す。グラフは、本発明による方法において、15量体完全ホスホロチオエートDNA TオリゴヌクレオチドをLNAmCモノマーと、様々なカップリング活性化物質および溶媒を用いてカップリングさせて、16量体オリゴヌクレオチドを得た後の粗製材料の分析を示す。 超高速液体クロマトグラフィ-質量分析タンデム分析に基づく、一連のグラフ、図5Aおよび5Bを示す。グラフは、本発明による方法において、15量体完全ホスホロチオエートDNA TオリゴヌクレオチドをLNAmCモノマーと、様々なカップリング活性化物質および溶媒を用いてカップリングさせて、16量体オリゴヌクレオチドを得た後の粗製材料の分析を示す。 超高速液体クロマトグラフィ-質量分析タンデム分析に基づく、一連のグラフ、図6A、6B、6C、6D、および6Eを示す。グラフは、本発明による方法において、15量体完全ホスホロチオエートDNA TオリゴヌクレオチドをLNAmCモノマーと、様々なカップリング活性化物質および溶媒を用いてカップリングさせて、16量体オリゴヌクレオチドを得た後の粗製材料の分析を示す。 実施例および図1により、様々な活性化物質を用いる理論カップリング収率のグラフを示す。 本発明によるカップリング段階によるオリゴヌクレオチドの合成を示す。
発明の詳細な説明
第1の局面において、本発明は、立体的に規定された糖修飾オリゴヌクレオチドの合成のための方法に関し、該方法は、式(1a)または(1b):
Figure 0007467457000025
のオキサザホスホリジンモノマーを、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、
式中、Nucは、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており;
Rは、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、スルホン、C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホン、C6~14アリールスルホン、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、C5~14ヘテロアリールが、C6~14アリール、O、N、またはSより独立して選択される1、2、または3つのヘテロ原子を含み、シリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール部分のそれぞれは、無置換であり得るか、または、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4、アルコキシからなる群より選択される1つもしくは複数の基によって置換され得;
R1は水素およびC1~4アルキルからなる群より選択され;かつ
R5、R6、およびR9は独立して、水素、C1~4アルキル、C5~6シクロアルキル、C6~14アリール、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、C5~14ヘテロアリールが、O、N、またはSより独立して選択される1、2、または3つのヘテロ原子を含み、これらのアルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールのそれぞれは、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4、アルコキシからなる群より選択される1、2、または3つの置換基によって置換され得;
代替的に、R5、R6、もしくはR9のうちの2つは一緒になって、R5が結合しているN原子と共に、3~7つの炭素原子を含む複素環を形成し、ここで該複素環は、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4アルコキシからなる群より選択される1、2、または3つの置換基によって置換され得、
カップリングがピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質の存在下で実施される、
段階を含む。
別の局面において、本発明は、立体的に規定された糖修飾オリゴヌクレオチドの合成のための方法に関し、該方法は、式(1a)または(1b):
Figure 0007467457000026
のオキサザホスホリジンモノマーを、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、
式中、Nucは、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており;
Rは、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、スルホン、C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホン、C6~14アリールスルホン、C6~14アリール、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、C5~14ヘテロアリールが、O、N、またはSより独立して選択される1、2、または3つのヘテロ原子を含み、シリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール部分のそれぞれは、無置換であり得るか、または、1つもしくは複数のC1~4-アルキルおよび/もしくはC6~14アリールによって置換されたシリル、C1~4アルキル、C6~14アリール、ならびに、C1~4アルコキシからなる群より選択される1つもしくは複数の基によって置換され得;
R1は水素およびC1~4アルキルからなる群より選択され;かつ
R5、R6、およびR9は独立して、水素、C1~4アルキル、C5~6シクロアルキル、C6~14アリール、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、C5~14ヘテロアリールが、O、N、もしくはSより独立して選択される1、2、もしくは3つのヘテロ原子を含み、これらのアルキル、シクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールのそれぞれは、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4、アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得るか;
または、R5、R6、もしくはR9のうちの2つは一緒になって、R5が結合しているN原子と共に、3~7つの炭素原子を含む複素環を形成し、ここで該複素環は、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4、アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得、
カップリングがピリジニウム酸性塩カップリング活性化剤の存在下で実施される、
段階を含む。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、ピリジニウム塩酸塩、ピリジニウム臭化水素酸塩、ピリジニウムトリフルオロ酢酸塩、ピリジニウムトリフレート、およびピリジニウムメシレートからなる群より選択される。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、約0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1Mのピリジニウムトリフレートである。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、約0.3Mのピリジニウムトリフレートである。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、約1Mのピリジニウムトリフレートである。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、約0.05~約0.50Mの範囲内、例えば約0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、045、または0.50Mのピリジニウム臭化水素酸塩である。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、約0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩である。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、約0.25~約1Mの範囲内、例えば、0.25、0.30、0.35、0.40、045、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、または1Mのピリジニウム塩酸塩である。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、約0.50Mのピリジニウム塩酸塩である。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、アセトニトリル、アセトニトリル中のピリジニウム、メチルイミダゾール、ならびにそれらの混合物より選択される溶媒中に存在する。
本発明による方法の1つの態様において、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質は、アセトニトリル中に存在する。
本発明による方法による方法の1つの態様において、式(1a)および(1b)のオキサザホスホリジンモノマーは
Figure 0007467457000027
であり、式中、R、R1、R9、およびNucは、式(1a)または(1b)について本明細書において定義されている。
本発明による方法の1つの態様において、糖修飾は、以下のLNA糖修飾:
Figure 0007467457000028
Figure 0007467457000029
Figure 0007467457000030
からなる群より選択され、ここで、Bは核酸塩基であり、かつZおよびZ*は独立してヌクレオチドである。
本発明による方法の1つの態様において、糖修飾はβ-D-オキシ-LNA、6'-メチル-β-D-オキシLNA、(S)-6'-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)-cET)、およびENAからなる群より選択される。
本発明による方法の1つの態様において、糖修飾はMOE:
Figure 0007467457000031
であり、ここで、Bは核酸塩基であり、かつZおよびZ*は独立してヌクレオチドである。
本明細書に記載の本発明による方法のそれぞれの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000032
のものであり得、式中、Nucは本明細書において定義されたとおりであり、R1はHまたはメチルである。
1つの態様において、本発明は、β-D-オキシ-LNA、6'-メチル-β-D-オキシLNA、(S)-6'-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)-cET)、およびMOEからなる群より選択されるリボース修飾を含む立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成のための方法であり、該方法は、式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000033
のオキサザホスホリジンモノマーを、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、式中、Nucは、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており、かつR1は水素およびC1~4アルキルからなる群より選択され、カップリングが、アセトニトリル中、活性化物質としての0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩または0.50Mのピリジニウム塩酸塩の存在下で実施される、段階を含む。
1つの態様において、本発明は、β-D-オキシ-LNA、(S)-6'-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)-cET)、およびMOEからなる群より選択されるリボース修飾を含む立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成ための方法であり、式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000034
のオキサザホスホリジンモノマーを、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、式中、Nucは、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており、かつR1は水素およびC1~4アルキルからなる群より選択され、カップリングがアセトニトリル中、活性化物質としての0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩または0.50Mのピリジニウム塩酸塩の存在下で実施される、段階を含む。
1つの態様において、本発明は、β-D-オキシ-LNA、(S)-6'-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)-cET)、およびMOEからなる群より選択されるリボース修飾を含む立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成のための方法であり、該方法は、式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000035
のオキサザホスホリジンモノマーを、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、式中、Nucは、保護5'-ヒロイル(hyroyl)を含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており、かつR1は水素およびC1~4アルキルからなる群より選択され、カップリングがアセトニトリル中、活性化物質としての0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩の存在下で実施される、段階を含む。
本明細書に記載のそれぞれの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは式(4a)または(4b):
Figure 0007467457000036
のものであり得、式中、Bは核酸塩基であり、PGはヒドロキシル保護基であり、かつR1は水素およびC1~4アルキルからなる群より選択される。
いくつかまたはすべての態様において、固体支持体上に固定されたヌクレオシドは式(5):
Figure 0007467457000037
のものであり得、式中、B'は核酸塩基である。
1つの態様において、本発明は、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成のための方法であり、該方法は、R1が水素およびC1~4アルキルからなる群より選択されかつBが核酸塩基である式(4a)または(4b):
Figure 0007467457000038
のオキサザホスホリジンモノマーを、式:
Figure 0007467457000039
の固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、式(5)中B'が核酸塩基であり、かつカップリングがアセトニトリル中、活性化物質としての0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩の存在下で実施される、段階を含む。
本発明の別の局面は、ピリジニウム酸性塩活性化物質、溶媒、および式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンを含む組成物であり、ここで、ピリジニウム酸性塩活性化物質、溶媒、および式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンは、本明細書に記載のとおりである。
1つの態様において、本発明の組成物はアセトニトリル中0.50Mのピリジニウム塩酸塩活性化物質および式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000040
のオキサザホスホリジンを含み、式中、R1は水素またはC1~4アルキルより選択される。
1つの態様において、本発明の組成物はアセトニトリル中約0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩活性化物質および式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000041
の化合物を含み、式中、R1は水素またはC1~4アルキルより選択される。
本発明の別の局面は、本明細書において定義されたとおりの式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンモノマーと固体支持体上に固定されたヌクレオシドとのカップリングのための、ピリジニウム酸性塩活性化物質の使用である。
1つの態様において、固体支持体上に固定されたヌクレオシドと、式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000042
のオキサザホスホリジンモノマーとのカップリングのために、ピリジニウム塩酸塩活性化物質をアセトニトリル中0.50Mで用い、式中、R1は水素またはC1~4アルキルより選択される。
1つの態様において、固体支持体上に固定されたヌクレオシドと、式(3a)または(3b):
Figure 0007467457000043
のオキサザホスホリジンモノマーとのカップリングのために、ピリジニウム臭化水素酸塩活性化物質をアセトニトリル中約0.25Mで用い、式中、R1は水素またはC1~4アルキルより選択される。
本発明の別の局面は、本発明の方法に従って製造されたオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、BまたはB'は、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、ヒポキサンチン、5-メチルシトシン、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-ブロモウラシル、5-プロピニルウラシル、6-アミノプリン、2-アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および2-クロロ-6-アミノプリンからなる群より選択される核酸塩基である。
いくつかの態様において、BまたはB'はプリン核酸塩基である。いくつかの態様において、BまたはB'はピリミジン核酸塩基である。いくつかの態様において、BまたはB'はアデニンである。いくつかの態様において、BまたはB'はチミジンである。いくつかの態様において、BまたはB'はグアニンである。いくつかの態様において、BまたはB'はシトシンである。いくつかの態様において、BまたはB'がシトシンである場合、Bは5-メチル-シトシンである。
いくつかの態様において、例えば、モノマーが、例えば式20または22のD-DNAモノマーである場合、BまたはB'はシトシン以外である。いくつかの態様において、例えばモノマーがD-DNA-Cである場合、Bはアセチル(Ac)保護シトシン以外である。
オリゴヌクレオチド合成において用いるために、アミダイトモノマーにおいて、核酸塩基基BまたはB'を保護してもよい(チミジンは保護基なしで用いることが多い)ことが理解されるべきである。適切な保護基には、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメトキシトリチル(DMT)またはイソブチリル(iBu)、もしくはアセチル保護基(Ac)もしくはベンゾイル保護基(Bz)などのアシル保護基が含まれる。
いくつかの態様において、例えばモノマーがL-LNA-Gである場合、BはDMF保護グアニン(G)以外である。R3はCH2ODMTr、CH2-アルキル-O-DMTr、CH-Me-O-DMTr、CH2OMMTr、CH2-アルキル-O-MMTr、CH(Me)-O-MMTr、CH-Ra-O-DMTrRb、およびCH-Ra-O-MMTrR bからなる群より選択され;
R2はハロ、例えば-F、アミノ、アジド、-SH、-CN、-OCN、-CF3、-OCF3、-O(Rm)-アルキル、-S(Rm)-アルキル、-N(Rm)-アルキル、-O(Rm)-アルケニル、-S(Rm)-アルケニル、-N(Rm)-アルケニル;-O(Rm)-アルキニル、-S(Rm)-アルキニルまたは-N(Rm)-アルキニル;O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、O(CH2)2SCH3、O-(CH2)2-O-N(Rm)(Rn)またはO-CH2C(=O)-N(Rm)(Rn)、-O-(CH2)2OCH3、および-O-CH3からなる群より選択され、ここで各RmおよびRnは独立してH、アミノ保護基または置換もしくは無置換C1~10アルキルであり;
R4はアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、O-アルキル、S-アルキル、NH-アルキル、および水素からなる群より選択され;いくつかの態様において、R4は水素である。いくつかの態様において、R4は水素であり、かつR2は-O-CH3、および-O-(CH3)2OCH3からなる群より選択される。
または、いくつかの態様において、R2およびR4は一緒になって、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=N、O、-Si(Ra)2-、S-、-SO2-、-N(Ra)-、および>C=Zからなる群より選択される、1、2、3つの基/原子からなるなどの、二価の架橋を示し;
ここで、Raおよび存在する場合Rbはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいC1~6-アルキル、置換されていてもよいC2~6-アルケニル、置換されていてもよいC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、置換されていてもよいC1~6-アルコキシ、C2~6-アルコキシアルキル、C2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1~6-アルコキシカルボニル、C1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1~6-アルキルチオ、ハロゲンより選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは置換されていてもよく、かつここで2つのジェミナルの置換基RaおよびRbは一緒になって、置換されていてもよいメチレン(=CH2)を示してもよく、ここですべてのキラル中心について、不斉基はRまたはS配向のいずれかで見い出されてもよい。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド中に組み込まれている場合、ヌクレオシド(Z)は、等価のDNAヌクレオシドよりも、相補的RNA標的に対する高い結合親和性を付与する。そのようなヌクレオシドは高親和性ヌクレオシドと呼ばれる。高親和性ヌクレオシドの例には、2'-O-MOE、2'-フルオロ、2'-O-メチル、およびLNAヌクレオシドが含まれる。ヌクレオシドが高親和性ヌクレオシドである態様において、R3は、例えば、CH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrであってもよい。
いくつかの態様において、R2はフルオロ(-F)、-O-(CH2)2OCH3、および-O-CH3などの-O-C1~3アルキルからなる群より選択される。そのような態様において、任意にR4は水素である。
いくつかの態様において、ヌクレオシドは2'-4'架橋(ビラジカル)を含むLNAヌクレオシド(二環式ヌクレオシドとしても公知)である。
いくつかの態様において、R2およびR4は一緒になって、架橋-C(RaRb)-O-、-C(RaRb)C(RaRb)-O-、-CH2-O-、-CH2CH2-O-、-CH(CH3)-O-からなる群より選択される二価の架橋を示す。いくつかの態様において、R2およびR4は二価の架橋-CH2-O-(メチレン-オキシ、オキシ-LNAとしても公知)または-CH(CH3)-O-(メチル-メチレン-オキシ)を示す。-CH(CH3)-O-架橋は架橋内の炭素原子でキラル中心を導入し、いくつかの態様において、これはS位である(例えば、当技術分野において(S)cETとして公知のヌクレオシド-EP1984381参照))。いくつかの態様において、R2およびR4は二価の架橋-CH2-O-を示し、ここで架橋はβ-D位(β-D-オキシLNA)である。いくつかの態様において、R2およびR4は二価の架橋-CH2-O-を示し、ここで架橋はα-L位(α-L-D-オキシLNA)である。いくつかの態様において、R2およびR4は二価の架橋-CH2-S-(チオLNA)、または-CH2-NH2-(アミノLNA)を示す。R2およびR4が一緒になって二価の架橋を示す態様において、R3は、例えば、CH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrであってもよい。
ヌクレオシド(Nuc)が二環式ヌクレオチド(LNA)、例えばβ-D-オキシLNAであるいくつかの態様において、Rはフェニルなどのアリールであり、かつR1は水素またはC1~3アルキルである。そのような態様において、R5およびR6は一緒になって、本明細書に記載の5員複素環などの、複素環を形成してもよい(例えば、式2aおよび2b参照)。
いくつかの態様において、式(1a)または(1b)の化合物は、式4a、4b、5a、5b、6a、6b、7a、および7b:
Figure 0007467457000044
Figure 0007467457000045
からなる群より選択される。
いくつかの態様において、式(1a)または(1b)の化合物は、式8a、8b、8c、もしくは8d;または9a、9b、9c、もしくは9d:
Figure 0007467457000046
からなる群より選択される。
いくつかの態様において、式(1a)または(1b)の化合物は、式(10a)または(10b):
Figure 0007467457000047
の式からなる群より選択される。
いくつかの態様において、核酸塩基Bは、Bz保護アデニンなどのアデニンである。いくつかの態様において、核酸塩基Bはチミンである。いくつかの態様において、モノマーはD-DNA-Aモノマーである(例えば、モノマーは式9cのものであり、核酸塩基Bは、Bz保護アデニンなどのアデニンである)。実施例は、D-DNA-Aモノマー(例えば、式9cのもの)、L-LNA-AモノマーおよびL-LNA-Tモノマー(例えば、式8aまたは8bのもの)を、本発明によって、アセトニトリル/芳香族複素環式溶媒中で用いると、カップリングの改善を示すことを例示する。
DMF保護L-LNA-G
PCT/EP2017/060985に示すとおり、DMF保護L-LNA-Gモノマーはアセトニトリル溶媒に難溶性である。L-LNAモノマーは、モノマーのキラル補助基の立体化学、またはモノマーがオリゴヌクレオチド中に組み込まれるときに形成するヌクレオシド間連結の立体化学のいずれかによって定義することができる(2つの特徴は構造的に関連し、LモノマーはSpホスホロチオエート連結を作成することになる)。L-LNAモノマーは式3aで表され、ここでR4およびR2の形態において、R2およびR4は一緒になって二価の架橋を示す。例えば、式4a、5a、8a、および8bのモノマー参照。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは、DMF保護グアニン核酸塩基を含むL-LNAモノマーではない。
いくつかの態様において、DMF保護グアニン基(B)は、以下の構造:
Figure 0007467457000048
を有する。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは、式11および12:
Figure 0007467457000049
のモノマーではなく、式中、R、R1、R3、R5、R6、およびR9は式1のモノマーのとおりであり、かつ式11のモノマーについて、XおよびYは一緒になって、二価の架橋(例えば、本明細書のR2およびR4のとおり、例えば架橋-C(RaRb)-O-、-C(RaRb)C(RaRb)-O-、-CH2-O-、-CH2CH2-O-、-CH(CH3)-O-からなる群より選択される架橋を示す。いくつかの態様において、XおよびYは二価の架橋-CH2-O-(メチレン-オキシ、オキシ-LNAとしても公知)または-CH(CH3)-O-(メチル-メチレン-オキシ)を示す。-CH(CH3)-O-架橋は架橋内の炭素原子でキラル中心を導入し、いくつかの態様において、これはS位である(例えば、当技術分野において(S)cETとして公知のヌクレオシド-EP1984381参照))。いくつかの態様において、XおよびYは二価の架橋-CH2-O-を示し、ここで架橋はβ-D位(β-D-オキシLNA)である。いくつかの態様において、XおよびYは二価の架橋-CH2-O-を示し、ここで架橋はα-L位(α-L-D-オキシLNA)である。いくつかの態様において、XおよびYは二価の架橋-CH2-S-(チオLNA)、または-CH2-NH2-(アミノLNA)を示す。XおよびYが一緒になって二価の架橋を示す態様において、R3は、例えば、CH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrであってもよい。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは、式13または14:
Figure 0007467457000050
のモノマーであり、式中、X、Y、R、R1、R9、およびR3は式11および12のとおりである。グアニン塩基の環外酸素は、例えば、シアノ基で任意に保護してもよい。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは、式15または16:
Figure 0007467457000051
のモノマーであり、式中、X、Y、R1、およびR3は式11および12のとおりである。グアニン塩基の環外酸素は、例えば、シアノ基で任意に保護してもよい。式15または16のいくつかの態様において、R1は水素である。式15または16のいくつかの態様において、R3はCH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrである。いくつかの態様において、本発明のオキサザホスホリジンモノマーはアシル保護ヌクレシド(Z)を含む。
アシル保護L-LNA-G
実施例に示すとおり、DMF保護L-LNA-Gモノマーはアセトニトリル溶媒に難溶性である。しかし、本発明者らは、L-LNA-Gモノマーのグアニンヌクレオシド上のアシル保護基の使用は、溶解性の問題を克服することを確認した。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは、イソブチリル保護グアニンなどの、アシル保護グアニン核酸塩基を含むL-LNAモノマーである。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは、式23、24、25、26、27、28、29、または30:
Figure 0007467457000052
Figure 0007467457000053
のL-LNA-Gモノマーであり、式中、R、R1、R2、R3、R4、R5、R9、およびR6は本発明の化合物のとおりであり、かつ-C(=O)-R7はグアニン塩基の環外窒素上のアシル保護基であり、かつR8は、存在する場合、グアニン環外酸素上の保護基である。いくつかの態様において、R8はシアノエチルである。いくつかの態様において、Rはフェニルであり、R1は水素またはメチルであり、かつR3は任意にCH2-O-DMTrまたはCH2-O-MMTrである。いくつかの態様において、R7はイソブチリルである。式31および32において、YおよびXは式11のとおりである。
いくつかの態様において、オキサザホスホリジンモノマーは、L-LNA-T、D-DNA-A、D-DNA-C、L-LNA-C、およびL-LNA-G(DMF保護L-LNA-G以外)またはL-DNA-CおよびL-DNA-Tオキサザホスホリジンモノマーからなる群より選択される。実施例に示すとおり、これらのモノマーは、本発明のカップリング溶媒組成物中で用いると、一般にオキサザホスホリジンモノマーで見られる溶解性および安定性の利点に加えて、カップリングの有効性の改善を示す。
溶媒組成物(溶液)
いくつかの態様において、本発明の方法のカップリング段階(b)は、オキサザホスホリジンモノマー、アセトニトリルおよび芳香族複素環式溶媒を含むアセトニトリル溶液を使用する。
いくつかの態様において、アセトニトリル溶液は、活性化物質をさらに含む。ホスホラミダイトオリゴヌクレオチド合成において使用するために多くの活性化物質が公知である-それらは典型的には1H-テトラゾール、5-エチルチオ-1H-テトラゾール、2-ベンジルチオテトラゾール、および4,5-ジシアノイミダゾールなどの酸性アゾール触媒を含む。これらの活性化物質はオキサザホスホリジン合成において必ずしも有用ではない。
いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒は、約4~約7のpKaを有する。いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒は、20℃の水中で約7~約17のpKaを有する。
いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒は芳香族複素環式塩基である。
いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒は芳香族複素環式酸である。
いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒は、ピリジン、2-ピコリン、4-ピコリン、3-ピコリン、ルチジン、およびピロールからなる群より選択される。
いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒はピリジンである。
いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒はピロールである。
いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒は3-ピコリンである。
いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.1%(v/v)~約50%(v/v)の間である。いくつかの態様において、芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%(v/v)~約40%(v/v)の間である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%(v/v)~約30%(v/v)の間である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%(v/v)~約25%(v/v)の間である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%(v/v)~約10%(v/v)の間である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%(v/v)~約5%(v/v)の間である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約1%(v/v)~約5%(v/v)の間である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約1%(v/v)~約4%(v/v)の間である。いくつかの態様において、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%(v/v)~約10%(v/v)の間、例えば約1%(v/v)~約5%(v/v)の間、例えば約2~3%(v/v)の間、例えば約2.5%(v/v)である。これらの態様において、任意に芳香族複素環式塩基溶媒はピリジンである。
いくつかの態様において、ここで芳香族複素環式溶媒はピリジンであり、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%~約10%の間、例えば約1%~約5%の間、例えば約2~3%の間、例えば約2.5%もしくは約3.5%、または約2~4%の間である。
いくつかの態様において、ここで芳香族複素環式溶媒はピロールであり、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%~約10%の間、例えば約1%~約5%の間、例えば2~4%、または約2~3%の間、例えば約2.5%である。
いくつかの態様において、ここで芳香族複素環式溶媒は3-ピコリンであり、アセトニトリル中の芳香族複素環式溶媒の濃度(v/v)は約0.5%~約10%の間、例えば約1%~約5%の間、例えば2~4%、または約2~3%の間、例えば約2.5%である。
ピリジニウム酸性塩活性化物質
活性化物質は、オリゴヌクレオチド合成のカップリング段階の前、またはその間に用いる試薬で、オキサザホスホリジンモノマーを活性化して、固体支持体またはオリゴヌクレオチド鎖に連結した5'末端基へのモノマーのカップリングを可能にする。
本発明の方法において、活性化物質はピリジニウム酸性塩である。ピリジニウム酸性塩は、ピリジニウムヨウ化水素酸塩、ピリジニウムカンファースルホン酸、ピリジニウム塩酸塩、ピリジニウム臭化水素酸塩、ピリジニウムトリフルオロ酢酸塩、ピリジニウムトリフレート、およびピリジニウムメシレートからなる群より選択され得る。他のピリジニウム酸性塩を用いることもできる。
追加の活性化物質
他の活性化物質を追加で加えることができ、例えば、いくつかの態様において、追加の活性化物質はCMPT(N-(シアノメチル)ピロリジニウムトリフレート(CMPT)、N-(フェニル)イミダゾリウムトリフレート(PhIMT)、ベンズイミダゾリウムトリフレート(BIT)、4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、および5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールからなる群より選択される。
いくつかの態様において、追加の活性化物質は4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)である。
いくつかの態様において、溶媒組成物は約0.5~約2M DCI(または請求項13に記載の他の活性化物質)、例えば約1M DCI(または請求項13に記載の他の活性化物質)を含む。
いくつかの態様において、溶媒組成物はN-メチルイミダゾール、例えば0.01~約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度のN-メチルイミダゾールをさらに含む。
いくつかの態様において、活性化物質はN-メチルイミダゾールを含む。いくつかの態様において、活性化物質は4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールを含む。いくつかの態様において、活性化物質は4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)、テトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールおよびN-メチルイミダゾールを含む。
いくつかの態様において、用いるN-メチルイミダゾールの濃度は0.01M~約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールである。いくつかの態様において、アセトニトリル溶液はN-メチルイミダゾールを0.01M~約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度で含む。
いくつかの態様において、活性化物質はDCIもしくはテトラゾール、または5-(ベンジルチオ)-1H-テトラゾールであり、これらは約0.5~約2M、例えば約1Mの濃度(例えば、本発明のアセトニトリル溶液中)で用いてもよい。
本発明によって合成した、立体的に規定された糖修飾オリゴヌクレオチドは、2'-糖修飾オリゴヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドであり得る。すなわち、それらは2'-糖修飾オリゴヌクレオチドであり得る。
本発明によって合成した、立体的に規定された糖修飾オリゴヌクレオチドは、ロックド核酸ヌクレオシド(LNAヌクレオシド)を含むオリゴヌクレオチドであり得る。すなわち、それらはロックド核酸ヌクレオチド(LNAヌクレオチド)であり得る。
いくつかの態様において、活性化物質は4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)である。いくつかの態様において、溶媒組成物は約0.5~約2M DCI、例えば約1M DCIを含む。カップリングの有効性を最適化するために、実施例に示すとおり、用いる活性化物質の量を最適化する必要があり得ることが理解されよう。いくつかの態様において、用いるDCI活性化物質の濃度は0.5M~1M DCIの間である。いくつかの態様において、活性化物質がDCIである場合、溶媒組成物はN-メチルイミダゾール(NMI)、例えば0.01~約1M N-メチルイミダゾール、例えば約0.1M N-メチルイミダゾールの濃度のN-メチルイミダゾールをさらに含む。NMIは、DCIなどの他の活性化物質の溶解性を増強し得る作用物質である。
本発明の方法は、本発明者らが行った実験により証明された、先行技術よりも高いカップリング効率を有する、立体的に規定されたオリゴヌクレオチドの合成への経路を提供する。立体的に規定されたオリゴヌクレオチドを調製するための一般的プロセスの非限定例を図8に示す。本発明者らが行った実験を概説する実施例1および図1を参照して、10量体を得るための9量体のモノマーとのカップリングは、DCI+NMI、フェニルイミダゾリウムトリフレート、ベンズイミダゾリウムトリフレート+NMIまたはベンズイミダゾリウムトリフレートなどの他の非ピリジニウム酸性塩活性化物質よりも、ピリジニウム塩酸塩(94,7%)で良好な収率を示すことが明らかである。図1Bを参照して、得られた10量体および残りの9量体ならびに副生成物であるダイマー(18量体)のピークは、他のカップリング活性化物質を用いる場合よりも好ましい。
同じことが実施例2および図2、特に図1Bで示れる。
実施例3、4および図3、4も、様々な濃度でピリジニウム酸性塩活性化物質がDCI+NMIよりもすぐれていることを証明している。
実施例5、6および図5、6は、ピリジニウム臭化水素酸塩が他のピリジニウム酸性塩活性化物質の中でも特に効率的であることを示す。
図7は、図6による異なる活性化物質およびオリゴヌクレオチドの長さの関数としての、オリゴマーの理論全反応収率を示す。この図は、カップリング収率の小さい変化が全オリゴマー収率に対して劇的な効果を有することを示す。
以下の非限定例は本発明をさらに例示する。
実施例1
カップリング効率および全カップリング純度に対する活性化物質の効果を調べるために、その上に9量体全ホスホロチオエートDNA Tを立体不規則(stereorandom)2-シアノエチルホスホラミダイトを用いて前もって合成した固体支持体上で、L-DNA Tの1回のカップリング反応を実施した。合成はAKTA OligoPilot 100上、0.2μmolスケールで行った。2回のカップリング反応(10分のカップリング時間)を、2回のカップリング反応の間にチオール化および洗浄段階を行って実施し、続いてチオール化、キャッピングおよび脱トリチルを行った。その後、固体支持体をアセトニトリル中20%ジエチルアミンで処理した。
活性化物質は、図に示すとおり、下記のうちの1つから選択した。
(A)1Mの4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)+0.1 N-メチルイミダゾール(NMI)
(B)MeCN中0.5Mのピリジニウム塩酸塩
(C)MeCN中0.2MのN-フェニルイミダゾリウムトリフレート
(D)MeCN中0.2Mのベンズイミダゾリウムトリフレート+0.1M NMI
(E)MeCN中0.2Mのベンズイミダゾリウムトリフレート
L-DNA TをMeCN中3.5%ピリジンの溶液に0.15M濃度で溶解した。硫化をピリジン:MeCN(1:1)中0.1Mキサンタンヒドリドを用いて実施し、キャッピングをキャップAではMeCN中20%NMIと、キャップBとしてピリジン/Ac2O/MeCN(3:5:2)を用いて実施した。脱トリチルをジクロロメタン中3%v/vジクロロ酢酸を用いて実施した。
オリゴヌクレオチドを、濃水酸化アンモニウム水溶液を用い、55℃で24時間包括的に脱保護した。粗製材料をUPLC-MS分析により分析した。260nmでのUV吸光度により検出したクロマトグラムは主に3つのピーク、すなわち全長T10オリゴマー、カップリング反応の失敗により生じたT9オリゴマー、およびカップリング反応から不純物として生じたT18オリゴマーからなっていた。これらの3つのピークを、260nmのピークの吸光度を積分することにより定量し、カップリング反応のために用いた活性化物質の関数として以下に示す。
Figure 0007467457000054
活性化物質B(MeCN中0.5Mピリジニウム塩酸塩)の場合に、所望のT10オリゴマーの最も高い%UVが得られ、T9カップリング失敗種およびT18不純物が最低レベルであることがわかる。
実施例2
カップリング効率および全カップリング純度に対する活性化物質の効果を調べるために、その上に15量体全ホスホロチオエートDNA Tを立体不規則2-シアノエチルホスホラミダイトを用いて前もって合成した固体支持体上で、L-DNA Tの1回のカップリング反応を実施した。合成はAKTA OligoPilot 100上、0.2μmolスケールで行った。2回のカップリング反応(10分のカップリング時間)を、2回のカップリング反応の間にチオール化および洗浄段階を行って実施し、続いてチオール化、キャッピングおよび脱トリチルを行った。その後、固体支持体をアセトニトリル中20%ジエチルアミンで処理した。
活性化物質は、図に示すとおり、下記のうちの1つから選択した。
(A)1Mの4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)+0.1 N-メチルイミダゾール(NMI)
(B)MeCN中0.5Mのピリジニウム塩酸塩
(C)MeCN中0.2MのN-フェニルイミダゾリウムトリフレート
(D)MeCN中0.2Mのベンズイミダゾリウムトリフレート+0.1M NMI
(E)MeCN中0.2Mのベンズイミダゾリウムトリフレート
L-DNA TをMeCN中3.5%ピリジンの溶液に0.15M濃度で溶解した。硫化をピリジン:MeCN(1:1)中0.1Mキサンタンヒドリドを用いて実施し、キャッピングをキャップAではMeCN中20%NMIと、キャップBとしてピリジン/Ac2O/MeCN(3:5:2)を用いて実施した。脱トリチルをジクロロメタン中3%v/vジクロロ酢酸を用いて実施した。
オリゴヌクレオチドを、濃水酸化アンモニウム水溶液を用い、55℃で24時間包括的に脱保護した。粗製材料をUPLC-MS分析により分析した。260nmでのUV吸光度により検出したクロマトグラムは主に3つのピーク、すなわち全長T16オリゴマー、カップリング反応の失敗により生じたT15オリゴマー、およびカップリング反応から不純物として生じたT30オリゴマーからなっていた。これらの3つのピークを、260nmのピークの吸光度を積分することにより定量し、カップリング反応のために用いた活性化物質の関数として以下に示す。
Figure 0007467457000055
活性化物質B(MeCN中0.5Mピリジニウム塩酸塩)の場合に、所望のT16オリゴマーの最も高い%UVが得られ、T15カップリング失敗種およびT30不純物が最低レベルであることがわかる。
実施例3
カップリング効率に対する活性化物質の効果を調べるために、その上に15量体全ホスホロチオエートDNA Tを立体不規則2-シアノエチルホスホラミダイトを用いて前もって合成した固体支持体上で、L-LNA Tの1回のカップリング反応を実施した。合成はAKTA OligoPilot 100上、0.2μmolスケールで行った。2回のカップリング反応(10分のカップリング時間)を、2回のカップリング反応の間にチオール化および洗浄段階を行って実施し、続いてチオール化、キャッピングおよび脱トリチルを行った。その後、固体支持体をアセトニトリル中20%ジエチルアミンで処理した。
活性化物質は、図に示すとおり、下記のうちの1つから選択した。
(A)1Mの4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)+0.1 N-メチルイミダゾール(NMI)
(B)MeCN中の0.5Mピリジニウム塩酸塩
(C)MeCN中0.25Mのピリジニウム塩酸塩
(D)MeCN中0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩
L-LNA TをMeCN中3.5%ピリジンの溶液に0.15M濃度で溶解した。硫化をピリジン:MeCN(1:1)中0.1Mキサンタンヒドリドを用いて実施し、キャッピングをキャップAではMeCN中20%NMIと、キャップBとしてピリジン/Ac2O/MeCN(3:5:2)を用いて実施した。脱トリチルをジクロロメタン中3%v/vジクロロ酢酸を用いて実施した。
オリゴヌクレオチドを、濃水酸化アンモニウム水溶液を用い、55℃で24時間包括的に脱保護した。粗製材料をUPLC-MS分析により分析した。全長生成物ピークのUV吸光度をT15ピークのUV吸光度と比較して、カップリング効率の相対尺度を得た。
Figure 0007467457000056
最も高いカップリング効率は活性化物質D(MeCN中0.25Mピリジニウム臭化水素酸塩)により達成されるが、活性化物質の濃度はピリジニウム塩酸塩に比べて0.25Mまで低下したことがわかる。
実施例4
カップリング効率に対する活性化物質の効果を調べるために、その上に15量体全ホスホロチオエートDNA Tを立体不規則2-シアノエチルホスホラミダイトを用いて前もって合成した固体支持体上で、L-LNA mCの1回のカップリング反応を実施した。合成はAKTA OligoPilot 100上、0.2μmolスケールで行った。2回のカップリング反応(10分のカップリング時間)を、2回のカップリング反応の間にチオール化および洗浄段階を行って実施し、続いてチオール化、キャッピングおよび脱トリチルを行った。その後、固体支持体をアセトニトリル中20%ジエチルアミンで処理した。
活性化物質は、図に示すとおり、下記のうちの1つから選択した。
(A)1Mの4,5-ジシアノイミダゾール(DCI)+0.1 N-メチルイミダゾール(NMI)
(B)MeCN中0.5Mのピリジニウム塩酸塩
(C)MeCN中0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩
L-LNA mCをMeCN中3.5%ピリジンの溶液に0.15M濃度で溶解した。硫化をピリジン:MeCN(1:1)中0.1Mキサンタンヒドリドを用いて実施し、キャッピングをキャップAではMeCN中20%NMIと、キャップBとしてピリジン/Ac2O/MeCN(3:5:2)を用いて実施した。脱トリチルをジクロロメタン中3%v/vジクロロ酢酸を用いて実施した。
オリゴヌクレオチドを、濃水酸化アンモニウム水溶液を用い、55℃で24時間包括的に脱保護した。粗製材料をUPLC-MS分析により分析した。全長生成物ピークのUV吸光度をT15ピークのUV吸光度と比較して、カップリング効率の相対尺度を得た。
Figure 0007467457000057
最も高いカップリング効率は活性化物質C(MeCN中0.25Mピリジニウム臭化水素酸塩)により達成されることがわかる。
実施例5
カップリング効率に対する活性化物質の効果を調べるために、その上に15量体全ホスホロチオエートDNA Tを立体不規則2-シアノエチルホスホラミダイトを用いて前もって合成した固体支持体上で、L-LNA mCの1回のカップリング反応を実施した。合成はAKTA OligoPilot 100上、0.2μmolスケールで行った。2回のカップリング反応(20分のカップリング時間)を、2回のカップリング反応の間にチオール化および洗浄段階を行って実施し、続いてチオール化、キャッピングおよび脱トリチルを行った。その後、固体支持体をアセトニトリル中20%ジエチルアミンで処理した。
活性化物質は、図に示すとおり、下記のうちの1つから選択した。
(A)MeCN中0.5Mのピリジニウム塩酸塩
(B)MeCN中0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩
L-LNA mCをMeCN中3.5%ピリジンの溶液に0.15M濃度で溶解した。硫化をピリジン:MeCN(1:1)中0.1Mキサンタンヒドリドを用いて実施し、キャッピングをキャップAではMeCN中20%NMIと、キャップBとしてピリジン/Ac2O/MeCN(3:5:2)を用いて実施した。脱トリチルをジクロロメタン中3%v/vジクロロ酢酸を用いて実施した。
オリゴヌクレオチドを、濃水酸化アンモニウム水溶液を用い、55℃で24時間包括的に脱保護した。粗製材料をUPLC-MS分析により分析した。全長生成物ピークのUV吸光度をT15ピークのUV吸光度と比較して、カップリング効率の相対尺度を得た。
Figure 0007467457000058
最も高いカップリング効率は活性化物質B(MeCN中0.25Mピリジニウム臭化水素酸塩)により達成されることがわかり、同様に実施例4に比べてカップリング時間を長くするとカップリング効率の上昇をもたらすこともわかる。
実施例6
カップリング効率に対する活性化物質の効果を調べるために、その上に15量体全ホスホロチオエートDNA Tを立体不規則2-シアノエチルホスホラミダイトを用いて前もって合成した固体支持体上で、L-LNA mCの1回のカップリング反応を実施した。合成はAKTA OligoPilot 100上、0.2μmolスケールで行った。2回のカップリング反応(20分のカップリング時間)を、2回のカップリング反応の間にチオール化および洗浄段階を行って実施し、続いてチオール化、キャッピングおよび脱トリチルを行った。その後、固体支持体をアセトニトリル中20%ジエチルアミンで処理した。
活性化物質は、図に示すとおり、下記のうちの1つから選択した。
(A)MeCN中0.5Mのピリジニウム塩酸塩
(B)MeCN中0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩
(C)0.25Mのピリジニウムトリフルオロ酢酸塩
(D)0.25Mのピリジニウムパラトルエンスルホナート
(E)0.25Mのピリジニウムトリフレート
L-LNA mCをMeCN中3.5%ピリジンの溶液に0.15M濃度で溶解した。硫化をピリジン:MeCN(1:1)中0.1Mキサンタンヒドリドを用いて実施し、キャッピングをキャップAではMeCN中20%NMIと、キャップBとしてピリジン/Ac2O/MeCN(3:5:2)を用いて実施した。脱トリチルをジクロロメタン中3%v/vジクロロ酢酸を用いて実施した。
オリゴヌクレオチドを、濃水酸化アンモニウム水溶液を用い、55℃で24時間包括的に脱保護した。粗製材料をUPLC-MS分析により分析した。全長生成物ピークのUV吸光度をT15ピークのUV吸光度と比較して、カップリング効率の相対尺度を得た。
Figure 0007467457000059
実施例7
50μmolスケールの合成を、Akta OligoPilot 10上、393μmol/g Kinnovate樹脂を用いて実施した。以下に示す、通常の5'-ジメトキシトリチル-3'-β-シアノエチルホスホラミダイトを用い、12回の立体不規則カップリング5'-CGATCGATCGAT-3'と、続いて4回の立体不規則カップリング(C*A*G*T*)を実施した。すべての立体的に規定されたモノマーをアセトニトリル中3.5%ピリジンに溶解した。
Figure 0007467457000060
全ての合成段階を、標準のオリゴヌクレオチド合成に従って実施した。
- 脱トリチル
- カップリング
- 酸化/硫化
- キャッピング
合成サイクルにおいて用いた試薬:
- 脱ブロック: トルエン中3%ジクロロ酢酸(v/v)
- 活性化物質: 以下の表参照
- 立体不規則ホスホラミダイト: アセトニトリル中0.2M溶液
- 立体的に規定されたホスホラミダイト: 以下の表参照
- キャップA: N-メチルイミダゾール/アセトニトリル2/8(v/v)
- キャップB1: 無水酢酸/アセトニトリル4/6(v/v)
- キャップB2: ピリジン/アセトニトリル6/4(v/v)
- 硫化試薬: アセトニトリル/ピリジン1/1(v/v)中0.1Mキサンタンヒドリド
- 酸化剤: ヨウ素/水/ピリジン12.7/1/9(w/v/v)
オリゴヌクレオチド合成の完了後、脱保護/切断段階を32%アンモニア水溶液中、65℃で6時間実施する。最適化の結果を以下の表に示す。
以下の表において、複数回のカップリングを行う場合は、カップリング、酸化、洗浄(COW)の順序を用いた。
Figure 0007467457000061
CMPT: N-(シアノメチル)-ピロリジニウムトリフレート
Pyr: ピリジニウム
OTf: トリフルオロメタンスルホナート

Claims (15)

  1. 式(1a)または(1b):
    Figure 0007467457000062
    のオキサザホスホリジンモノマーを、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとカップリングさせる段階であって、
    式中、Nucは、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており;
    Rは、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、スルホン、C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホン、C6~14アリールスルホン、C6~14アリール、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、該C5~14ヘテロアリールが、O、N、またはSより独立して選択される1、2、または3つのヘテロ原子を含み、シリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール部分のそれぞれは、無置換であり得るか、あるいは、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4アルコキシ、または、C1~4アルキルおよびC6~14アリールより選択される1つもしくは複数の置換基によって置換されたシリルからなる群より選択される1つまたは複数の基によって置換され得;
    R1は水素またはC1~4アルキルより選択され;かつ
    R5、R6、およびR9は独立して、水素、C1~4アルキル、C5~6シクロアルキル、C6~14アリール、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、該C5~14ヘテロアリールが、O、N、もしくはSより独立して選択される1、2、もしくは3つのヘテロ原子を含み、これらのアルキル、シクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールのそれぞれは、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得るか;
    または、R5、R6、もしくはR9のうちの2つは一緒になって、R5が結合しているN原子と共に、3~7つの炭素原子を含む複素環を形成し、ここで該複素環は、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得、
    該カップリングがピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質の存在下で実施される、
    該段階
    を含
    該ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.05~約0.50Mの範囲内のピリジニウム臭化水素酸塩であるか、または該ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.25~約1Mの範囲内のピリジニウム塩酸塩である、
    立体的に規定された(stereodefined)糖修飾オリゴヌクレオチドの合成のための方法。
  2. Nucが、保護5'-ヒドロキシルを含むヌクレオシドであり、かつ式1aまたは1bの酸素原子にその3'位を介して結合しており;
    Rが、ニトロ、ハロゲン、シアノ、シリル、スルホン、C1~4アルキル、C1~4アルキルスルホン、C6~14アリールスルホン、C6~14アリール、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、該C5~14ヘテロアリールが、O、N、またはSより独立して選択される1、2、または3つのヘテロ原子を含み、シリル、アルキル、アリール、ヘテロアリール部分のそれぞれは、無置換であり得るか、または、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4アルコキシからなる群より選択される1つもしくは複数の基によって置換され得;
    R1が水素またはC1~4アルキルより選択され;かつ
    R5、R6、およびR9が独立して、水素、C1~4アルキル、C5~6シクロアルキル、C6~14アリール、C5~14ヘテロアリールからなる群より選択され、該C5~14ヘテロアリールが、O、N、もしくはSより独立して選択される1、2、もしくは3つのヘテロ原子を含み、これらのアルキル、シクロアルキル、アリール、もしくはヘテロアリールのそれぞれは、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得るか;
    または、R5、R6、もしくはR9のうちの2つは一緒になって、R5が結合しているN原子と共に、3~7つの炭素原子を含む複素環を形成し、ここで該複素環は、C1~4アルキル、C6~14アリール、およびC1~4アルコキシからなる群より選択される1、2、もしくは3つの置換基によって置換され得、
    固体支持体上に固定されたヌクレオシドとの前記カップリングが前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質の存在下で実施される、
    請求項1記載の方法。
  3. 前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.25Mのピリジニウム臭化水素酸塩である、請求項1記載の方法。
  4. 前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.50Mのピリジニウム塩酸塩である、請求項1記載の方法。
  5. 前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が、アセトニトリル、アセトニトリル中のピリジン、メチルイミダゾール、ならびにそれらの混合物より選択される溶媒中に存在する、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質がアセトニトリル中に存在する、請求項5記載の方法。
  7. 式(1a)および(1b)の立体的に規定されたモノマーが式(2a)または(2b):
    Figure 0007467457000063
    のオキサザホスホリジンであり、式中、R、R1、R9、およびNucは式(1a)または(1b)のとおりである、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
  8. 前記糖修飾が、以下のLNA糖修飾:
    Figure 0007467457000064
    Figure 0007467457000065
    Figure 0007467457000066
    Figure 0007467457000067
    からなる群より選択され、ここで、Bが核酸塩基であり、かつZおよびZ*が独立してヌクレオチドである、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
  9. 前記糖修飾が、β-D-オキシ-LNA、(R)-6'-メチル-β-D-オキシLNA、(S)-6'-メチル-β-D-オキシ-LNA((S)-cET)、およびENAからなる群より選択される、請求項8記載の方法。
  10. 前記糖修飾がMOE:
    Figure 0007467457000068
    であり、ここで、Bが核酸塩基であり、かつZおよびZ*が独立してヌクレオチドである、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記オキサザホスホリジンモノマーが式(3a)または(3b):
    Figure 0007467457000069
    のものであり、式中、Nucは式(1a)または(1b)のとおりであり、R1はHまたはメチルである、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記オキサザホスホリジンモノマーが式(3a)または(3b):
    Figure 0007467457000070
    のものであり、式中、Nucは式(1a)または(1b)のとおりであり、R1はHまたはメチルである、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
  13. 前記オキサザホスホリジンモノマーが式(10a)または(10b):
    Figure 0007467457000071
    のものであり、式中、Nucは式(1a)または(1b)のとおりであり、R1はHまたはメチルである、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
  14. ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質、溶媒、および請求項1~13のいずれか一項において定義されたとおりの式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンモノマーを含む、組成物であって、
    該ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.05~約0.50Mの範囲内のピリジニウム臭化水素酸塩であるか、または該ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.25~約1Mの範囲内のピリジニウム塩酸塩であり、
    該式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンモノマーと、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとのカップリングに用いるためのものである、組成物
  15. 請求項1~13のいずれか一項において定義されたとおりの式(1a)または(1b)のオキサザホスホリジンモノマーと、固体支持体上に固定されたヌクレオシドとのカップリングのための、ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質の使用であって、
    該ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.05~約0.50Mの範囲内のピリジニウム臭化水素酸塩であるか、または該ピリジニウム酸性塩カップリング活性化物質が約0.25~約1Mの範囲内のピリジニウム塩酸塩である、使用
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