JP2019514483A - 手術台のためのアダプタ平板および手術台 - Google Patents

Abstract

手術台のためのアダプタ平板（１）は、患者の身体の腰部を少なくとも部分的に受けるよう構成される近接側部（１０）と患者の身体の仙骨部を少なくとも部分的に受けるよう構成される遠位側部（３０）とを有する中央本体（１００）を備える。少なくとも部分的に手術台の上部に中央本体（１００）を配置することにより、手術台にアダプタ平板を連結することができる。中央本体（１００）には、遠位側部（３０）に、一以上の外科用器具にアダプタ平板（１）を連結するためのクイックカップリングデバイス（３０３）が配置されている。【選択図】図１

Description

本発明は整形外科の分野に関し、特に手術台のためのアダプタ平板に関する。

前記アダプタ平板を、有用には、人工股関節置換手術（特に前方進入法（ａｎｔｅｒｉｏｒ ａｐｐｒｏａｃｈ）が用いられる場合における）に適用することができる。

また本発明は、前記アダプタ平板を備える手術台に関する。

毎年、多くの患者が、例えば変形性関節症などの事情によって損傷した関節の機能を回復するために、人工股関節置換手術を受けている。

このタイプの手術は、他の整形外科手術と同様に、最小侵襲外科技術などの整形外科技術の急速な進歩および放射線医学技術の改良の恩恵を受けている。このような放射線医学技術によって外科の手術前計画を的確にできるだけでなく、患者回復時間を大幅に短くした低侵襲外科的手順処置を開発することもできる。

新しい外科技術は、患者への手術を実行する外科医を支援するための新しい医療機器の市場への導入と連係している。このような新しい外科機器の一例には、本願と同じ出願人が出願したイタリア特許出願番号ＭＩ２０１２Ａ００１５４６の主題である、前方進入法を用いる特に人工股関節置換手術のために手術台のためのアダプタ平板がある。

前記出願には、従来の手術台に連結されるよう設計される、放射線透過材料で少なくとも部分的に形成される手術台のためのアダプタ平板が開示されている。

前記アダプタ平板は、手術を受ける患者の身体の一部を支持することができるとともに、一方を上述した通り従来の手術台に連結することができ、他方を下肢（ｌｉｍｂ）を位置決めするための装置に連結することができる。下肢を位置決めするための装置の一例は、本願と同じ出願人が出願した仏国特許出願公開第２８７１０５０明細書（ＦＲ２８７１０５０）に開示されている。

従来技術の公報に開示されたアダプタ平板の機能は、患者の下肢を位置決めするための装置に手術台を連結するだけではなく、患者の身体の一部を支持することにある。

患者は手術台の上に仰臥位で横たわり、身体の主要部（特に腰部から骨盤）がアダプタ平板によって支持され、同時に、手術が実行されることになる下肢は下肢位置決め装置によって支持される。

ＭＩ２０１２Ａ００１５４６に開示されたアダプタ平板は、前方進入法を用いる最小侵襲工股関節置換手術において使用されるよう構成される。

手術される股関節の側に、従来技術アダプタ平板には患者の腿の支持部（サポート）が配置されている。前記サポートは、手術台に対してアダプタ平板の主要部分から適切に遠位方向に間隔を空けて配置される。外科医が患者の下肢を動かす際に、特に脚の過伸展の際に、前記サポートは脚の近接側部分のサポートとして機能し、支点として機能し、これにより、外科医は大腿骨の近接側部分をさらに露出させることができる。

従来技術において知られている通り、腿支え（レスト）は、細長い形状を有し、アダプタ平板の中心軸に対して突き出ており、支持部から間隔を空けて配置され、アダプタ平板のフレームにヒンジ状に連結され、そして適切な調整手段を用いて高さを調整することができる。

この構成では明らかに、手術される脚とは無関係にはアダプタ平板を使用することが妨げられている。手術が実行されるのが右脚であるかまたは左脚であるかに基づいて、アダプタ平板には、人工股関節置換手術を必要とする脚に応じて、右側または左側に腿レストを配置しなければならない。

アダプタ平板が手術すべき側の腿レストを有していなければ、正しい側の腿レストを有するアダプタ平板に置き換えなければならないことになる。

アダプタ平板により汎用性を与えるために、アダプタ平板に取り外し可能に連結できる腿レストが開発されている。この構成により、違う側の腿レストを有するアダプタ平板を、正しい側の腿レストを有するアダプタ平板に置き換えるために、手術台から取り外す必要がなくなるという結果が得られる。しかしながら、このような作業の間はアダプタ平板を用いることができず、また、この解決法は、手術のために既に正しく構成された第二アダプタ平板の準備を必要とし、従来技術において認識されている問題を実際には克服していない。腿レストを分離し正しい側に再度連結する作業は、もちろん、第一外科手術と第二外科手術との間に手術室において直接実行する場合もある。しかしながら、この場合、分離しその後に再度連結するのに用いる無菌状態ではない機械的手段（例えばネジドライバ）によってサポートの汚染が必然的に生じることになり、その結果、少なくとも腿レストは以降の殺菌を必要とすることになり、殺菌には関連するコストと時間を要する。

したがって、この問題を克服するために、アダプタ平板の一方の側から他方の側に移動することができる腿サポートを有するアダプタ平板が記載されており、手術が実行されるのが左脚または右脚のどちらであっても機械的分離作業を必要とすることなくサポートとして用いることができる。

残念ながら、このようなアダプタ平板は、腿レストをアダプタ平板の一方の側から他方の側に移動させるためにどうしても必要な機械的構造の構造的寸法のために、取り扱いが難しい。さらに、手術のための適正位置に腿レストを配置するためには、アダプタ平板を下肢位置決め装置から分離しなければない上、腿レストを正しい位置に移動しなければならず、そして下肢位置決め装置を正しい位置に再度連結しなければならない。

以上から、機械的部品を分離するための機械的手段を用いなければならないという従来技術において認識されている技術的問題は解決されておらず、その問題は下肢位置決め装置とともに実際は残されたままであることは直ちに理解されよう。実際、腿レストが正しい側に移動される場合、下肢位置決め装置は分離され、次に、正しい側に再度連結される必要がある。

さらに、既知の技術的問題を既に克服できていないこの解決法は、左右両側の人工股関節置換手術の場合には適当ではない。このことは、第二の腿レストがないことだけが理由でなく、第二の下肢位置決め装置を連結することができないことも理由である。なぜなら、その第二連結手段をアダプタ平板に提供する方法がないからである。もし追加の下肢位置決め装置のための第二連結手段が備えられている場合には、腿レストを動かすとき、障害物となり、そのような作業が非常に困難となり、患者の安全を害する虞もありうる。

従来技術解決法によって克服されていないさらなる不都合なことは、外科医によって用いられる外科用器具の位置決めと関係している。これらが患者を覆うドレープの上方にアクセス可能でなければならないが前記ドレープの下方に支持され連結されるに過ぎないので、厄介な湾曲アームと面倒な連結部によって構成される複雑な支持構造が必要となる。

本発明の目的は、従来技術において知られている解決法に関連する技術的問題を克服することであり、外科用器具を容易に定位置に設定し取り換えることができる特に前方進入法を用いる人工股関節置換手術のための手術台のためのアダプタ平板を提供することにある。

さらに、本発明のさらなる目的は、腿レストを再度位置決めする必要なく片側または左右両側の人工股関節置換手術において用いることができる手術台のためのアダプタ平板を提供することにある。

特に、記載するアダプタ平板は、アダプタ平板の主要部分からの手術台からのおよび下肢位置決め装置からの外科用器具ホルダまたは腿レストの機械的分離を回避することによって、従来技術において知られている技術的問題を克服する。

このことは特に外科医によって容易にアクセスされるとともに直接接触せずとも簡単に連結でき外科用器具の位置決めおよび連結を可能にし、したがってドレープがあることによって生じる既知の問題を克服できるよう、好ましくは構成されるクイックカップリングデバイスを備える好適な構造によって、可能となる。

さらに、患者の脚を両方とも支持することができる支持部の存在により、手術をより簡単かつより安全とでき、従来技術においてこれまで知られていなかった使い易さを提供することができる。

最後に、本発明の有用な左右両側用の構成によって、外科的な必要性に応じてアダプタ平板の構成を調整するために機械的手段を用いなければならないという不都合を克服できる。

弛まぬイノヴェーションにもかかわらずこれまで解決されなかった従来技術において見受けられる技術的問題を本発明が克服でき、そして直ちに著しい利点を確実に得ることができることは、当業者には明らかであろう。

ここで、本発明を、限定するものではない単なる例示を提供する以下の添付図面を参照して説明する。

本発明にかかる手術台のためのアダプタ平板の斜視図である。 図１のアダプタ平板の部分断面図である。

図面において、参照符号１は、本発明にかかる手術台のためのアダプタ平板を示している。

手術台のためのアダプタ平板（アダプタ・プレイン）は、対称中心軸Ｘと腿支え（レスト）装置２０００と会陰支持部（サポート）３００とを有する本体１００を有する。

好ましくは、腿支え装置２０００は、前記中心軸Ｘに対して、それぞれの側に横方向に配置される二つの腿支え２００を備える。

本体１００は三つの部分を有する。三つの部分は、従来の手術台の上部に少なくとも部分的に配置されるよう構成される形状が略長方形の第一部分（近接側部分１０という）と、近接側部分１０と一体的に形成される形状が台形状（好ましくは二等辺台形）である第二部分（中央部分２０という）と、中央部分２０と一体的に形成される形状が先細り形状（特に上向き「Ｕ」字形状）である第三部分（遠位側部分３０という）と、である。前記三つの、近接側部分１０と中央部分２０と遠位側部分３０とは、均一な構造を有し、好ましくは同じ材料で形成される。このように、前記部分１０，２０，３０は、二つの積層を備える一体物を構成する。二つの積層は、患者を受ける上層１１と、アダプタ平板を支持する構造を備える下層１２と、である。上層１１は、特に選択材料の放射線透過性を考慮しながら患者が仰臥するのに快適な材料（例えばポリエチレン・フォーム、人造皮革等）で形成できる。下層は放射線透過材料（例えば炭素（カーボン））で形成される。

アダプタ平板を手術台にしっかり固定するための固定手段１５が、下層に対して横方向に一体的に取り付けられる。前記固定手段１５の実施可能な形態を図１に示す。図では、二つの側部レール１５．５（前記二つのレールのうちの一方だけが図１で見えている）を示す、手術台への迅速な連結を可能にするために、二つの側部レールのそれぞれには、保持手段１５．６（例えばベルト１５．１）を支持する一ペアの摺動スライド１５．６が連結される。ベルト１５．２の代わりに、手術台上に配置される特定の固定手段へ挿入されるために、アダプタ平板は硬質なバーを有することもができる。

好ましくは、会陰支持部３００は、中央本体の遠位側部分３０に配置され、接続端部３００ａから自由端部３００ｂへと天板から立設する。

特に、会陰支持部３００は、それぞれ接続端部３００ａと自由端部３００ｂとを構成する二つの平面部３０５間に延設される柱形状を有する。

より詳細には、前記支持部３００は、中心軸Ｘに対して直交する長手方向軸Ｙを有する円筒形状を有し、上層１１に対して軸方向に突き出て延設される。会陰支持部３００は、患者の身体と接触するよう構成される外周領域３０１と、管状コア３０２を有する内部領域と、を有する。

また、好ましくは上層１１に連結される中央本体１００の遠位側端部３０において、中央本体１００には、一以上の外科用器具にアダプタ平板１を連結するためのクイックカップリングデバイス３０３が配置される。

特に、クイック・カップリング・デバイス３０３は前記一以上の外科用器具に直接接触することなく連結できるよう構成される。

好ましい実施形態において、前記クイック・カップリング・デバイス３０３は会陰支持部３００の自由端部３００ｂに接続される。

こうして、外科用器具は、手術される股関節部に直ぐ隣接している領域において、患者の上方に、直接配置され、外科医を横方向において邪魔しない利点がある。

好ましくは、クイック・カップリング・デバイス３０３は、前記一以上の外科用器具に磁気的に連結できる磁石または電磁石３０４を備える。

より詳細には、磁石または電磁石３０４は、会陰支持部３００の自由端部３００ｂに好ましくは接続される。

容易にアクセス可能な連結点と、確実に安全に連結できるのに十分に大きい安定平面と、の両方を提供するよう、磁石または電磁石３０４は好ましくは、自由端部３００ｂを構成している平面部３０５の中心に一致するよう配置される。

このように、無菌ドレープの下方に配置されるクイック・カップリング・デバイス３０３（好ましくは非接触タイプの）を、無菌ドレープの上方に配置される追加の外科装置（例えばデジタル・デバイス、透視グリッドまたは他の同様の装置など）にこのような機器と接触することなく連結できる利点がある。

中心軸Ｘに対して横方向に配置される少なくとも一の支持部２１０が、中央本体１００の遠位側部分３０に一体的にしっかり固定される。

以下により十分に記載する通り、前記支持部２１０は腿支え（レスト）２００を連結可能に受けるよう構成される。

好ましくは、互いから離れるよう突出する遠位側部分３０のそれぞれの側部に一つずつの、二つの支持部２１０が備えられる。それぞれの支持部は、対応するそれぞれの腿レスト２００を連結可能に受けるよう構成されている。なお、図面には一ペアの支持部２１０が中心軸Ｘに対して対称的に配置される構成を示しているが、この構成は前述の支持部２１０の機能に影響しないことは当業者には明らかであろうことを記載しておく。

これは好ましい実施形態であるが、本発明の精神が単一の腿レストを有する実施形態と左右両側の腿レストを有する実施形態との両方を含むので、排他的であると考えられるべきでものではない。

以下では、簡単化のためではあるが一般性を失うことなく、具体的な説明を両方の支持体２１０が図示され備えられている実施形態に関して行うことを記載しておく。しかし、単一の支持部２１０と単一の腿レスト２００に適用可能なあらゆる特性を単一の腿レストを有する実施形態にもまた左右両側の腿レストを有する実施形態にも適用可能と考えるべきである事実が損なわれることはない。

一ペアの支持体２１０は、その側部が略「Ｌ」字状であり、長い側は中央本体１００の遠位側部分３０の下層１２に連結されており、短い側は対応するそれぞれの腿レスト２００を収容しその平行移動を案内するために摺動路２１３を形成するよう中心が中空である。上述の構成によって、支持体２１０の長い側は中心軸Ｘに略垂直となり、一方、前記支持体２１０の短い側は中心軸Ｘと平行となる。前記一ペアの支持体２１０は、放射線透過性材料（例えば炭素）で形成される。既に説明した通り、短い側は、摺動路２１３（例えば案内アイレット）を形成するために、その長さの相当な部分にわたって延設される中央空洞（キャビティ）を有する。

好ましくは、それぞれの側部支持部２１０は、腿レスト２００の位置を調整するための対応するそれぞれの調整アッセンブリ２１４を備える。

特に、調整アッセンブリ２１４は、対応するそれぞれの腿レスト２００の垂直方向平行移動および／または水平方向平行移動を制御するための垂直方向平行移動機構２１５および／または水平方向平行移動機構２１６を備える。

なお、ここで用いる語「水平」および「垂直」は、移動を概略的に特徴付けるものであり、そのような方向と必ずしも完全に並んでいる必要はなく、中心軸Ｘ（つまり、水平軸）とＹ軸（つまり、垂直軸）に関してそのような方向に少なくとも向かっているよう用いることを記載しておく。

調整アッセンブリ２１４の水平方向平行移動機構２１６は、対応するそれぞれの腿レスト２００に接続されるとともに中心軸Ｘと少なくとも部分的に並んでいる方向に移動するように前記摺動路２１３に摺動可能に接続されるシュー２１６ａを備える。

特に、シュー２１６ａは腿レスト２００を担持する。

水平方向平行移動機構２１６はさらに、シュー２１６ａが摺動路２１３において摺動自在となる解放位置と、摺動路２１３におけるシュー２１６ａの位置を係止する係止位置と、の間で選択的に切り換わることができる係止部材２１６ｂを備える。

好ましくは、係止部材２１６ｂはクランプ・タイプである。この点に関して、シュー２１６ａは、クランプナット２１７ｂが連結されるとともに前記摺動路２１３に対して当接できるネジ部２１７ａを備える。

一方、垂直方向平行移動機構２１５は、腿レスト２００を支持する上端２１８ａと好ましくはハンドル２１８ｂが配置されている下端との間に延設されるステム２１８を備える。

ステム２１８は、降下位置と上昇位置との間で移動するように支持部２１０に摺動可能に接続される。

ステム２１８の（つまり腿レスト２００の）位置を決めるために、垂直方向平行移動機構２１５は、ステム２１８が摺動自在となる解放位置とステム２１８の位置を係止する係止位置との間で選択的に切り換わることができる係止装置２１９を備える。

好ましくは、係止装置２１９はラチェット等である。

言い換えれば、係止装置２１９は、前記ステム２１８の側部に形成されるラック（歯竿）２１９ａと、前記ラック２１９ａに選択的に連結できる爪２１９ｂと、を備える。

このように、ステム２１８の周辺には、爪と連結するよう適切な形状および大きさの凹部が配置されている。

好ましい実施形態において、爪２１９ｂは、ラック２１９ａと係合する位置と係合解除位置との間で弾性的に移動可能なレバーである。

好ましくは、ステム２１８は、ステムを受ける特定の貫通開口部がこのために形成されるシュー２１６ａに摺動可能に挿入される。

こうしてラックの横に並んで係合するために、爪２１９ｂは、開口部に隣接するシュー２１６ａにヒンジ状に連結される。

前記腿レスト２００はさらに、手術の工程の際に患者の腿が載せられる支持部２２０と、既に説明した接続部と、を備える。

患者の下肢を位置決めするための一以上の装置のための連結装置４００が、中央本体１００の遠位側端部３０において、下層１に連結される。添付図面において、単なる例として、患者の下肢を位置決めするためのそれぞれの装置に対する二つの連結部４０１，４０２を示す。

本発明にかかるアダプタ平板１の機能は、上に記載した説明から明らかであろうが、本発明をより理解するために、以下に簡潔に説明する。

まず、アダプタ平板１は、従来の手術台の上部に中央本体１００の少なくとも一部（好ましくは近接側部分１０）を配置することにより、従来の手術台上に配置される。アダプタ平板１は、固定手段１５を用いて手術台に取り付けられる。その後、二つの下肢位置決め装置が、連結装置４００を用いてアダプタ平板１に連結される。

次に、患者は、会陰支持部３００が患者の生殖器と接触するよう、手術台に仰臥位で配置される。このように、患者の腰仙部が、アダプタ平板１の中央本体１００の近接側部分１０に載せられると同時に、患者の脚は会陰支持部３００の両側に配置される。特に、患者のそれぞれの腿の下側部分が対応するそれぞれの腿レスト２００と接触する。患者の大きさに応じて、例えば患者の身長に応じて、高さ（会陰支持部３００の軸Ｙと平行な垂直方向平行移動を用いて）と会陰支持部３００に対する位置（中心軸Ｘと平行な水平方向平行移動を用いて）とを調整することによって、腿レスト２００の位置が調整される。高さは、ステム２１８を用いて、腿レスト２００の支持部２２０を上昇させるようハンドル２１８ｂを押すことによって、または腿レスト２００の前記支持部２２０を下げるよう前記ハンドル２１８ｂを引っ張ることによって、ユーザによって（例えば外科医によって）調整される。

他の実施形態では、腿レスト２００の位置を調整するために、空気式でまたは電気的に動力が与えられるアクチュエータまたは他の同様のアクチュエータを使用することを想定することができる。

その後、患者の脚は下肢位置決め装置に固定される。

人工股関節置換手術手順の際に、患者の脚は、従来の外科技術の教示されるように、下肢位置決め装置を用いて移動される。特に、大腿骨に近接した領域において手術するために、患者の脚はいわゆる過伸展位置に配置される、すなわち、患者の脚は床に向かって引っ張られる。患者の脚のこの過伸展の際に、腿レスト２００の存在によって、大腿骨の近接側部分が、支点として作用し大腿骨の前記近接側部分が回転するレバー効果を生じるその自然な運動を行うことを防止することができる。腿レスト２００回りの大腿骨のこの回転によって、最小侵襲切開を通じて、大腿骨の近接側部分が露出し、外科医が観察することができる。これにより、可能な限り切開を小さくしながら、患者の大腿骨により手が届きやすくなるという利点が得られる。

したがって、患者の大腿骨の近接側部分の最善の露出を得るための腿レスト２００の精密な調整の重要性は明らかであろう。

当業者にはよく知られている通り、患者の左側下肢と右側下肢は大きさが異なる場合がある。好適には、本発明は、それぞれの下肢を正しい位置に配置するために腿レスト２００を別々に調整するための手段を有するアダプタ平板１を提供する。

伊国特許出願公開第ＭＩ２０１２Ａ００１５４６号明細書（ＭＩ２０１２Ａ００１５４６） 仏国特許出願公開第２８７１０５０号明細書（ＦＲ２８７１０５０）

Claims (17)

1. 手術台のためのアダプタ平板（１）であって、
   手術台に連結可能であり、患者の身体の腰部を少なくとも部分的に受けるよう構成される近接側部（１０）と患者の身体の仙骨部を少なくとも部分的に受けるよう構成される遠位側部（３０）とを有する中央本体（１００）を備えており、
   手術台に、少なくとも部分的に前記手術台の上部に前記中央本体（１００）を配置することにより、前記アダプタ平板を連結することができるアダプタ平板（１）において、
   前記中央本体（１００）には、前記遠位側部（３０）に、一以上の外科用器具に前記アダプタ平板（１）を連結するためのクイックカップリングデバイス（３０３）が配置されているアダプタ平板。
2. 前記クイックカップリングデバイス（３０３）は前記一以上の外科用器具に直接接触することなく連結できるよう構成されている、
   請求項１に記載のアダプタ平板。
3. 前記クイックカップリングデバイス（３０３）は、前記一以上の外科用器具に磁気的に連結できる磁石または電磁石（３０４）を備えている、
   請求項２に記載のアダプタ平板。
4. 前記遠位側部（３０）の中央領域に、接続端部（３００ａ）から自由端部（３００ｂ）へと天板から立設する会陰支持部（３００）を備えており、
   前記クイックカップリングデバイス（３０３）は前記会陰支持部（３００）の前記自由端部（３００ｂ）に接続される、
   請求項１から３のいずれか１項に記載のアダプタ平板。
5. 前記会陰支持部（３００）は、前記自由端部（３００ｂ）に接続されるとともに前記クイックカップリングデバイス（３０３）を少なくとも部分的に構成する磁石または電磁石（３０４）を備えている、
   請求項４に記載のアダプタ平板。
6. 前記会陰支持部（３００）は、それぞれ前記接続端部（３００ａ）と前記自由端部（３００ｂ）とを構成する二つの平面部（３０５）間に延設される柱状体を備えており、
   前記磁石または電磁石（３０４）は、前記自由端部（３００ｂ）を構成する平面部（３０５）の中心に一致するよう配置されている、
   請求項４に記載のアダプタ平板。
7. 前記中央本体（１０）には、前記遠位側部（３０）に、腿支え装置（２０００）が配置される、
   請求項１から６のいずれか１項に記載のアダプタ平板。
8. 前記腿支え装置（２０００）は、前記遠位側部（３０）の対応するそれぞれの側にそれぞれ配置されてそれぞれ少なくとも一つの自由度を有するように前記遠位側部（３０）に接続される二つの腿支え（２００）を備える、
   請求項７に記載のアダプタ平板。
9. 前記腿支え（２００）は、前記腿支え（２００）の平行移動を可能にするための摺動路（２１３）を備えている側部支持部（２１０）によって、前記中央本体（１００）に連結される、
   請求項８に記載の手術台のためのアダプタ平板（１）。
10. 前記側部支持部（２１０）は前記腿支え（２００）の位置を調整するための対応するそれぞれの調整アッセンブリ（２１４）を備えている、
    請求項８または９に記載の手術台のためのアダプタ平板（１）。
11. 前記調整アッセンブリ（２１４）は、対応するそれぞれの腿支え（２００）の垂直方向平行移動および／または水平方向平行移動を制御するための垂直方向平行移動機構（２１５）および／または水平方向平行移動機構（２１６）を備える、
    請求項１０に記載の手術台のためのアダプタ平板（１）。
12. 前記調整アッセンブリの前記水平方向平行移動機構（２１６）は、
    対応するそれぞれの腿支え（２００）に接続されるとともに前記摺動路（２１３）に摺動可能に接続されるシュー（２１６ａ）と、
    前記シュー（２１６ａ）が前記摺動路（２１３）において摺動自在となる解放位置と、前記摺動路（２１３）におけるシュー（２１６ａ）の位置を係止する係止位置と、の間で選択的に切り換わることができる係止部材（２１６ｂ）と、
    を備えている、
    請求項１１に記載の手術台のためのアダプタ平板（１）。
13. 前記シュー（２１６ａ）はネジ部（２１７ａ）を備えており、そして前記係止部材（２１６ｂ）は、前記ネジ部に連結されるとともに前記摺動路（２１３）と当接可能なクランプナット（２１７ｂ）を備えている、
    請求項１２に記載のアダプタ平板。
14. 前記垂直方向平行移動機構（２１５）が、
    前記腿支え（２００）を支持する上端部（２１８ａ）と、降下位置と上昇位置との間で移動するように前記支持部（２１０）に摺動可能に接続される下端部（２１８ｂ）と、の間で延設されるステム（２１８）と、
    前記ステム（２１８）が摺動自在となる解放位置と、ステム（２１８）の位置を係止する係止位置と、の間で選択的に切り換わることができる係止装置（２１９）と、
    を備えている、
    請求項１１から１３のいずれか１項に記載のアダプタ平板。
15. 前記係止装置（２１９）は、前記ステム（２１８）の側部に形成されるラック（２１９ａ）と、前記ラック（２１９ａ）に選択的に連結できる爪（２１９ｂ）と、を備える、
    請求項１４に記載のアダプタ平板。
16. 放射線透過性材料で少なくとも部分的に形成されている、
    請求項１から１５のいずれか１項に記載の手術台のためのアダプタ平板（１）。
17. 請求項１から１６のいずれか１項に記載の手術台のためのアダプタ平板（１）を備える手術台。

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