JP2019514386A - 改良されたベーカリー製品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ベーカリー製品を改良するための、特にケーキのテクスチャーおよびベーカリーパン生地の許容度を改良するための組成物および方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、ベーカリー製品を改良するための、特にケーキのテクスチャーおよびベーカリーパン生地の許容度を改良するための新規組成物および方法に関する。
発明の背景
ベーキングでは、粉の脂質はパン生地またはバッター(batter)中のタンパク質およびデンプンと相互作用し、パン生地またはバッターの流体力学的特性、ならびにベーキング製品の品質に影響を及ぼすので、粉の質量の2%しか占めないにもかかわらず、重要な技術的役割を演ずる。脂質は、遊離脂質と結合脂質に分割可能であり、両画分は極性脂質または非極性脂質のいずれかを含有する。およそ、脂質の半分が極性であり、また非極性脂質に対する極性脂質の比はパンの容積と強い相関関係を有するので、製パンにおいて極めて重要である。極性脂質画分は、リゾホスホリピド、リン脂質、およびガラクトリピドから主に構成される。
指摘すべき重要事項として、脂質はパン生地またはバッター中の異なる場所に位置することが挙げられる。ほとんどの極性脂質はデンプン顆粒内部にある。遊離脂質の一部は、自発的に気水界面に移動し、一部はデンプン顆粒表面または内部にとどまる、またはグルテン分子に連結し、そして一部はデンプン糊化後にのみ利用可能である。
一般的に、脂質の主要な機能として、そのガスセル安定性およびグルテン強度増加に対する効果が挙げられる。また、特に、極性脂質は、デンプンのレトログラデーションを低下させる能力を有する。酵母菌発酵に起因する気泡を安定化させれば、より大容積のベーキング製品が実現する。グルテンネットワークを強度増加させれば、より良好なパン生地安定性が実現し、またパンの身の柔軟性およびテクスチャーが増強し、したがって保管寿命が延びる。しかし、脂質は粉中で微量であることに起因して、粉の天然リン脂質画分が、パン生地またはバッターの特性およびベーキング製品の品質に対して、有意な効果をそれ自体が与えるには十分でない。さらに、リン脂質分子の一部には、パン生地特性に対してプラスの効果を有さず、マイナスの効果さえも有するものが存在する。したがって、外因性リン脂質および/または乳化剤が、ベーキング製品の均一な品質および保管寿命安定性を保証するのに使用される。この問題に対処するための別の方法として、脂肪分解酵素(たとえば、ホスホリパーゼおよびリパーゼ等)の使用、ならびに対応するリゾ脂質を放出するトリグリセリド、リン脂質、およびガラクトリピドのインサイチュー改変の実施が挙げられる。リゾ脂質は、オリジナルの分子と比較して、それよりも良好な乳化特性を有し、またパンおよびケーキ製造プロセスにおける湿潤剤としてより機能的である。
さらに、優れた乳化特性を有するリゾ脂質がより多く放出されれば、パン生地またはバッターの流体力学的特性が改良されることとなる。特に、ケーキ製造では、そのような放出の改良は、フォームまたはスポンジケーキの水相内への空気取り込みが強化され、またレイヤーケーキバッター内のベーカリー脂肪の分散が改良される。
脂質はパン生地およびバッターの系内で均等に分布していないという事実から、脂質は必ずしもリパーゼおよびホスホリパーゼによる加水分解を受けることができない。異なる温度において、pH条件、イオン強度、および/または糖濃度を変化させることにより、このような脂質の利用能が改変される。そのような場合、このような異なる温度および条件において活性であり、また所望の特異性を有する酵素が必要となる。一方、基質が過剰に加水分解されると、ベーキング製品の品質特性に対してマイナスの効果を有する分子が生ずる。
いくつかのリパーゼおよび/またはホスホリパーゼが、ベーキング製品の調製におけるそのプラスの特性についてすでに記載されているが、その異なる特異性、その異なる加水分解生成物、その潜在的相乗作用、またはプロセス条件、または基質に起因して、その使用結果は極めて予測不能である。したがって、今日、ベーキング製品の特性、たとえばパン生地またはバッターの許容度、容積、および/または新鮮度等をさらに改良する組成物および方法に対する必要性がなおも存在する。
本発明者らは、ベーカリー用途、特に製パンにおいて、特定のホスホリパーゼを使用すると、ケーキのテクスチャーおよびベーカリーパン生地の許容度を改良することを見出した。
したがって、第1の側面では、本発明は、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを含む改良剤組成物に関する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、ホスホリパーゼA1活性の場合、1ミリ単位(PA1mU)が、40℃およびpH7.4において、1分間に、N−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのsn−1位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmol)を加水分解する酵素の量として定義され、ならびにホスホリパーゼA2活性の場合、1ミリ単位(PA2mU)が、40℃およびpH8.9において、1分間に、1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンのsn−2位において置換された蛍光脂肪酸の1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、前記ホスホリパーゼが、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、好ましくはメイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、より好ましくはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、前記ホスホリパーゼが、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%、好ましくは配列番号2および/または配列番号3と少なくとも85%、より好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有することを提供する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、前記ホスホリパーゼが、50℃で60分間インキュベートした後、そのホスホリパーゼ活性の40%超、好ましくは50℃で60分間インキュベートした後、その活性の50%超を保持することを提供する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、パン改良剤組成物、またはパティセリー混合物もしくは事前混合物である。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ホスホリパーゼのベーカリー用途での使用であって、前記ホスホリパーゼが、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有する前記使用に関する。
特別な態様では、ここに開示する組成物の使用であって、前記ホスホリパーゼが、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%、好ましくは配列番号2および/または配列番号3と少なくとも85%、より好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する前記使用が提供される。
特別な態様では、パンまたはパティセリー製品でのここに開示する組成物の使用が提供される。
特別な態様では、ケーキ調製でのここに開示する組成物の使用が提供される。
さらに、さらなる側面では、本発明は、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法に関する。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜70000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜60000PmU/粉100kgの間の前記ホスホリパーゼを含むことを提供する。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示すことを提供する。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記ベーキング製品が、改良された新鮮度を示すことを提供する。
さらに、さらなる側面では、本発明は、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品に関する。
詳細な説明
本発明の製品、組成物、使用、および方法について記載する前に、記載された特定の製品、組成物、使用、および方法、および組み合わせは、もちろん変化しても良いので、本発明は、そのような製品、組成物、使用、および方法、または組み合わせに限定されないものと理解される。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、ここで使用される用語は限定の意味合いを有さないものとやはり理解される。
ここで使用する場合、単数形の「a」、「an」、および「the」には、文脈が別途明示しない限り、単数形および複数形の指示物の両方が含まれる。
用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」、および「から構成される(comprised of)」は、ここで使用する場合、「含むこと(including)」、「含む(includes)」、または「含有すること(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、また包括的または非制限的であり、そして列挙されていない追加のメンバー、要素、または方法の工程を除外しない。用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」、および「から構成される(comprised of)」は、ここで使用する場合、用語「から構成される(consisting of)」、「構成される(consists)」、および「から構成される(consists of)」を含むものと認識される。
終点による数値範囲の列挙には、各範囲内に包含されるすべての数字および端数、ならびに列挙した終点が含まれる。
用語「約(about)」または「約(approximately)」は、ここで使用する場合、測定可能な数値、たとえばパラメーター、量、時間的な期間等に言及するとき、所定の数値のおよびそれから±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下、およびなおもより好ましくは±0.1%以下の変動を、そのような変動が開示される発明の実施に適する限り含むように意図されている。修飾語「約(about)」または「約(approximately)」によって言及される値も、それ自体、具体的および好適に開示されるものと理解される。
用語「1つ以上の」または「少なくとも1つの」、たとえばメンバーの群の1つ以上のまたは少なくとも1つのメンバー(複数可)等が、さらなる事例によってそれ自体明白であるとき、該用語は、任意の1つの前記メンバー、または任意の2つもしくはそれ超の前記メンバー、たとえば任意の≧3、≧4、≧5、≧6、または≧7等の前記メンバー等、および最大すべての前記メンバーの参照を特に含む。
本明細書で引用されたすべての参考資料は、本明細書により参考としてそのまま組み込まれる。特に、ここで具体的に参照するすべての参考資料の教示は、参考として組み込まれる。
別途規定されなければ、本発明を開示する際に使用されるすべての用語は、技術的および科学的用語を含め、本発明が属する当業者により一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本発明の教示をより深く理解されるように、さらなるガイダンスとして、用語の定義が含まれる。
下記の節において、本発明の異なる側面が、より詳細に定義される。そのように定義された各側面は、明確に反対の記載のない限り、任意のその他の1つの側面または複数の側面と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有利と示唆される任意の特性は、好ましいまたは有利と示唆される任意のその他の1つの特性または複数の特性と組み合わせてもよい。本明細書全体を通じて、「1つの態様」または「一態様」という場合、それは該態様と関連して記載される特定の特性、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて、慣用句「1つの態様では」または「一態様では」が様々な場所で現れても、それは必ずしも同一の態様をすべて指すものではないが、そうであってもよい。さらに、当業者にとって本開示から明白であるように、1つ以上の態様において、特定の特性、構造、または特徴を、任意の適する方式で組み合わせてもよい。さらに、ここに記載するいくつかの態様は、その他の態様に含まれるその他の特性ではないいくつかの特性を含むが、当業者により理解されるように、異なる態様の特性の組み合わせも、本発明の範囲内であるように意図されており、また異なる態様を形成する。たとえば、添付の特許請求の範囲では、任意の主張された態様は、任意の組み合わせで利用可能である。
ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さく、および45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有する酵素を含む組成物がここに開示され、同酵素は、ベーカリー用途における使用、特に改良剤組成物としての使用またはその中での使用に特に適する。
本発明者らは、ここに開示するような特定の特性を有する特定のホスホリパーゼをベーカリー用途で使用すると、改良された特徴を有するベーキング製品を得ることができることを驚くべきことに見出した。特に、バッターおよび/またはパン生地の特性(たとえば、許容度)が顕著に改良される。また、ベーキング製品は、改良された容積および/または新鮮度を示すことも判明した。
ここに開示する組成物は、特にベーカリー製品およびパティセリー製品、好ましくはパティセリー製品(の品質)を改良する。とりわけ、ここに開示する組成物は、ベーカリーパン生地の許容度、およびパティセリー製品、たとえばケーキ等の新鮮度、好ましくはケーキの新鮮度を改良する。
本文脈において、パン生地の許容度とは、ストレス状態に置かれた際、たとえばプルーフィング時間が延長された、またはプルーフィング期間中もしくはその後に機械的ショックを受けたなどの際に、その形状を維持し、およびベーキング後に、ストレス無負荷のパン生地またはバッターから得られるベーキング製品に匹敵する特性(たとえば、容積)を備えたベーキング製品を提供するパン生地またはバッター、好ましくはベーカリーパン生地の能力を指す。
本文脈において、新鮮度とは、テクスチャーパラメーター、たとえば柔軟性、湿り気、粘着性、粘り気、および弾力性等の組み合わせを指す。新鮮度の喪失は、老化と通常関連する。とりわけ、改良されたベーキング製品の新鮮度は、参照品と比較したとき、改良された柔軟性、および/または改良された湿り気、および/または改良されたショートバイト(short bite)に対応する。このようなパラメーターは、テクスチュロメーター等による物理的方法により、または専門的判定パネルを用いて実施される官能分析(sensorial analysis)により有利に測定されてもよい。
ケーキの柔軟性とは、ケーキクラムを圧縮したり、噛んだりするのに必要とされる力と関連する感じを指す。ケーキの湿り気は、ケーキに触れたり食したりしたときに感じられる湿気(乾燥の反対)である。口唇および/または手で湿ったケーキに触れると、乾燥したケーキと比較して、それよりも口唇および/または手に冷たい感触をもたらす。口内では、湿ったケーキは、湿っぽく、またジューシーに感じられる。湿ったケーキを食すと、ケーキが口の内側から水を吸収する感じがない。ケーキの柔軟性と湿り気は異なるパラメーターである。たとえば、従来型のスポンジケーキは、湿っぽく感じられなくても(非常に乾燥していても)、非常に柔軟である。一方、ブラウニーの一部は、非常に湿っぽく感じられても、なおも硬く高密であり得る。クラムからクラストへの湿気の移動およびアミロペクチンのレトログラデーションが、保管期間中に生ずるケーキの硬質化およびケーキの乾燥の主原因として識別されている。
ここで使用する場合、用語「リパーゼ」とは、酵素エントリーEC3.1.1.3により定義されるトリアシルグリセロールリパーゼまたはトリアシルグリセロールアシルヒドロラーゼを一般的に指す。リパーゼは、トリアシルグリセロールの加水分解を触媒して、遊離した脂肪酸、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、およびグリセロールをもたらす酵素として、ここでは定義される。ここで定義する組成物で使用されるリパーゼは、副次的酵素活性、たとえばホスホリパーゼ活性等を含んでもよい。本発明の文脈において、リパーゼ活性は、p−ニトロフェニルパルミテート(pNPP)を基質として使用し、およびここに記載する方法に基づき測定される。また、酵素活性は、当業者により公知のその他のリパーゼ活性アッセイ法を用いても測定可能である(レビュー用として、たとえばStoytcheva M.& al、2012,Current Analytical Chemistry, vol8,p.400を参照)。
特に、リパーゼ活性は、p−ニトロフェニルパルミテート(pNPP)を基質として使用して測定される。リパーゼによりp−ニトロフェニルパルミテートが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定される。リパーゼ、1ミリ単位(LmU)は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。リパーゼ活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
ここで使用する場合、用語「ホスホリパーゼ」とは、リン脂質を、脂肪酸とその他の親油性物質に、たとえば加水分解の部位に応じて、リゾホスホリピド、ジアシルグリセロール、コリンリン酸およびホスファチジン酸等に加水分解する酵素を一般的に指す。リン脂質分子内の標的とされる特定の結合に応じて、ホスホリパーゼは、異なるタイプ、たとえばA、B、C、およびD等に分類される。
本発明の文脈において、ホスホリパーゼ活性は、p−ニトロフェニルホスホリルコリンを基質として使用して測定され、該ホスホリパーゼ活性は、50℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルホスホリルコリンからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を、放出するのに必要とされる酵素の量として定義されるミリ単位(PmU)で表される。また、ホスホリパーゼ活性は、当業者により公知のその他のホスホリパーゼ活性アッセイ法、たとえばホスファチジルコリンの加水分解等によっても測定可能である。
特に、ホスホリパーゼ活性は、p−ニトロフェニルホスホリルコリン(pNPPC)を基質として使用して測定される。ホスホリパーゼによりp−ニトロフェニルホスホリルコリンが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定される。ホスホリパーゼ、1ミリ単位(PmU)は、50℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェノール、1nmolを放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。ホスホリパーゼ活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
ここで使用する場合、用語「ホスホリパーゼA」とは、リン脂質において1つ以上の結合の加水分解を触媒する脂肪分解酵素を指す。脂肪のアシル部分をグリセロール骨格と結びつけるエステル結合(複数可)を加水分解する、異なる2種類のホスホリパーゼA活性が区別され得る。酵素エントリーEC3.1.1.32により定義されるホスホリパーゼA1、および酵素エントリーEC3.1.1.4により定義されるホスホリパーゼA2は、1つの脂肪アシル基のジアシルグリセロホスホリピドからの脱アシル化を、sn−1およびsn−2位においてそれぞれ触媒して、リゾホスホリピドを生成する。
本発明の文脈において、ホスホリパーゼ活性は、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識されたN−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ホスホリパーゼA1の場合)からなる脂質混合物、またはジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識された1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ホスホリパーゼA2の場合)からなる脂質混合物をそれぞれ基質として使用し、そしてここに記載する方法に基づき測定される。また、ホスホリパーゼ活性は、当業者により公知のその他のリパーゼ活性アッセイ法を用いて、たとえばホスホリパーゼA1活性をアッセイする場合、rac−1,2−S,O−ジデカノイル−3−ホスホコリン−1−メルカプト−2,3−プロパンジオール基質、およびホスホリパーゼA2活性をアッセイする場合、2−ヘキサデカノイルチオ−1−エチル−ホスホコリン基質を使用するなどして測定することも可能である。
特に、ホスホリパーゼA1(PLA1)活性は、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識されたN−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(PED−A1)からなる脂質混合物(たとえば、EnzChekホスホリパーゼA1アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において見出され得る)を基質として使用して測定される。PED−A1は、PLA1に対して特異的であり、またsn−1位において、BODIPY(登録商標)FL色素標識されたアシル鎖とジニトロフェニルクエンチャー修飾頭部基を有する色素標識されたグリセロホスホエタノールアミンである。ホスホリパーゼA1、1ミリ単位(PA1mU)は、40℃およびpH7.4において、1分間に、PED−A1のsn−1位において置換された蛍光脂肪酸の1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。ホスホリパーゼA1活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
特に、ホスホリパーゼA2(PLA2)活性は、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識された1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン(Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2)からなる脂質混合物(たとえば、EnzChekホスホリパーゼA2アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において見出され得る)を基質として使用して測定される。Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2基質は、PLA2に対して選択的であり、またPLA2酵素活性の高感度で迅速なリアルタイム連続監視を提供する。ホスホリパーゼA2、1ミリ単位(PA2mU)は、40℃およびpH8.9において、1分間に、Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2のsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。ホスホリパーゼA2活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
したがって、第1の側面では、本発明は、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを含む改良剤組成物に関する。
特に、ホスホリパーゼは、45℃に等しい、またはそれより高い至適温度を有し、また50℃で60分後に、その活性の40%超、好ましくは50%超を保持する。
活性は、ここに示すように(p−ニトロフェニルホスホリルコリンを基質として使用して)、ホスホリパーゼ活性を決定することにより測定される。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、ホスホリパーゼA1活性の場合、1ミリ単位(PA1mU)が、40℃およびpH7.4において、1分間に、N−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのsn−1位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmol)を加水分解する酵素の量として定義され、ならびにホスホリパーゼA2活性の場合、1ミリ単位(PA2mU)が、40℃およびpH8.9において、1分間に、1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンのsn−2位において置換された蛍光脂肪酸の1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、前記ホスホリパーゼが、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、好ましくはメイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、より好ましくはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、前記ホスホリパーゼが、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%、好ましくは配列番号2および/または配列番号3と少なくとも85%、より好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有することを提供する(表Aを参照)。
とりわけ、前記ホスホリパーゼは、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、好ましくは配列番号2および/または配列番号3に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは配列番号3に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する(表Aを参照)。
とりわけ、前記ホスホリパーゼは、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3に対して100%、好ましくは配列番号2および/または3に対して100%、より好ましくは配列番号3に対して100%の配列同一性を有する。
特別な態様では、ここに開示する改良剤は、前記酵素が、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、好ましくは配列番号1を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。特別な態様では、ここに開示する改良剤は、前記酵素が、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、好ましくは配列番号2を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。特別な態様では、ここに開示する改良剤は、前記酵素が、メイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、好ましくは配列番号3を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。
本発明の文脈において、ここで引用する「近縁バリアント」は、上記のようにベーキング製品(の品質)を改良し、および配列番号1〜3と有意な同一性を共有する酵素である。「有意な同一性」とは、本発明の文脈において、配列番号1〜3との、少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%の同一性、または少なくとも99%の同一性さえも指す。
2つのアミノ酸配列の間、または2つのヌクレオチド配列の間の関連性は、パラメーター「同一性」により記載される。本目的において、2つのアミノ酸配列の間の同一性の程度は、好ましくはバージョン3.0.0またはそれ以降のEMBOSSパッケージのNeedleプログラムにおいて実施されるNeedleman−Wunschアルゴリズムを使用して、国際公開第2010/0142 697号の記載に従い決定される。使用される任意のパラメーターとして、ギャップ開始ペナルティ10、ギャップ伸長ペナルティ0.5、およびEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスが挙げられる。Needle標識された「最長同一性」(nobrief optionを使用して取得される)のアウトプットは、同一性の割合(%)として用いられ、また以下のように計算される:(同一残基×100)/(アライメントの長さ−アライメント内のギャップの合計数)。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、前記ホスホリパーゼが、50℃で60分間インキュベートした後、そのホスホリパーゼ活性の40%超、好ましくは50℃で60分間インキュベートした後、その活性の50%超を保持することを提供する。
活性は、ここに示すように(p−ニトロフェニルホスホリルコリンを基質として使用して)ホスホリパーゼ活性を決定することにより測定される。
なおも好ましい態様では、ここに提示する改良剤組成物は、配列番号1の、配列番号2の、配列番号3の、好ましくは配列番号2もしくは3の、より好ましくは配列番号3の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有するホスホリパーゼを含み、前記ホスホリパーゼが、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、および45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有することにより特徴づけられる。
なおも好ましい態様では、ここに提示する改良剤組成物は、配列番号1またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有するホスホリパーゼを含み、前記ホスホリパーゼが、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有することにより特徴づけられる。
なおも好ましい態様では、ここに提示する改良剤組成物は、配列番号2またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有するホスホリパーゼを含み、前記ホスホリパーゼが、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有することにより特徴づけられる。
なおも好ましい態様では、ここに提示する改良剤組成物は、配列番号3またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有するホスホリパーゼを含み、前記ホスホリパーゼが、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有することにより特徴づけられる。
特別な態様では、ここに開示する改良剤組成物は、パン改良剤組成物、またはパティセリー混合物もしくは事前混合物である。
本発明の組成物は、有利には、パン改良剤またはパティセリー混合物もしくは事前混合物の一部であってもよい。「パン改良剤」(「パン生地改良剤」または「改良剤」または「粉処理剤」とも呼ばれる)は、ベーキング製品のテクスチャー、容積、香り、および新鮮度を改良し、ならびにパン生地の機械加工性および安定性を改良するために、ベーキング期間中にパン生地に一般的に添加される。一般的に、パン改良剤は、1つ以上の酵素(たとえばアミラーゼ(α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、生デンプン分解アミラーゼ(raw starch degrading amylase))、キシラナーゼ(ヘミセルラーゼ)、セルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リアーゼ、オキシダーゼ(ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、炭水化物オキシダーゼ、スルフルヒドリルオキシダーゼ)、リポオキシゲナーゼ、デヒドロゲナーゼ、ラッカーゼ、トランスグルタミナーゼ、アシルトランスフェラーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ等)、1つ以上の酸化剤または還元剤(たとえばアスコルビン酸、グルタチオン、システイン等)、1つ以上の乳化剤(たとえばジアセチル酒石酸モノグリセリドエステル(DATEM)、ステアロイル乳酸ナトリウム(SSL)、ステアロイル乳酸カルシウム(CSL)、グリセロールモノステアレート(GMS)、ラムノリピド、レシチン、スクロエステル、胆汁酸塩等)、1つ以上の脂肪性物質(たとえばマーガリン、バター、油、ショートニング等)、1つ以上のビタミン(たとえばパントテン酸およびビタミンE等)、1つ以上のガム、および/または1つ以上のファイバー原料(たとえばエンバクファイバー等)を含む、またはそれから構成される。ケーキ(パティセリー)混合物は、水、脂肪(油、バター、マーガリン)および卵を除き、ケーキレシピーのすべての成分を一般的に含む。ケーキ事前混合物は、一般的に粉および糖の全部または一部が除去されたケーキ混合物である。
特別な態様では、組成物は、上記のようなホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さい1つ以上のホスホリパーゼ、および酵素(複数可)、酸化剤(複数可)、還元剤(複数可)、乳化剤(複数可)、脂質(複数可)、ビタミン(複数可)、ファイバー(複数可)のリストから選択される少なくとも1つ、好ましくは2つの追加成分を含む。本発明者らは、組成物内に、アミラーゼ(α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、生デンプン分解アミラーゼ)、キシラナーゼ(へミセルラーゼ)、セルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リアーゼ、オキシダーゼ(ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、炭水化物オキシダーゼ、スルフルヒドリルオキシダーゼ)、リポオキシゲナーゼ、デヒドロゲナーゼ、ラッカーゼ、トランスグルタミナーゼ、アシルトランスフェラーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼの群から選択される1つ以上の酵素(複数可)を含むことが特に好都合であることを見出した。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ホスホリパーゼのベーカリー用途での使用であって、前記ホスホリパーゼが、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有する前記使用に関する。
特別な態様では、ここに開示する組成物の使用であって、前記ホスホリパーゼが、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%、好ましくは配列番号2および/または3と少なくとも85%、より好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する前記使用が提供される。
特別な態様では、パンまたはパティセリー製品でのここに開示する組成物の使用が提供される。
好ましくは、ここに開示する組成物の使用がパンの調製であるとき、前記ホスホリパーゼは、配列番号1および/または配列番号2と少なくとも85%、より好ましくは配列番号1と少なくとも85%の配列同一性を有する。
特別な態様では、ここに開示する組成物のケーキ調製での使用が提供される。
好ましくは、ここに開示する組成物の使用が、ケーキ調製であるとき、前記ホスホリパーゼは、配列番号1および/または配列番号3と少なくとも85%、より好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する。
ベーキング製品を調製する方法もここに開示され、その場合、ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さい酵素が該調製法において使用される。
さらに、さらなる側面では、本発明は、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法に関する。
特別な態様では、ホスホリパーゼは、50℃で60分後に、そのホスホリパーゼ活性の40%超、好ましくは50%超を保持する。
前記方法では、リパーゼ活性は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義されるミリ単位(LmU)で表され、ホスホリパーゼA1活性は、40℃およびpH7.4において、1分間に、N−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのsn−1位において置換された蛍光脂肪酸の1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されるミリ単位(PA1mU)で表され、ならびにホスホリパーゼA2活性は、40℃およびpH8.9において、1分間に、1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンのsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されるミリ単位(PA2mU)で表され、ならびにホスホリパーゼ活性は、50℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルホスホリルコリンからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmol)/分放出するのに必要とされる酵素の量として定義されるミリ単位(PmU)で表される。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜70000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜60000PmU/粉100kgの間の前記ホスホリパーゼを含むことを提供する。
ここに開示する方法は、バッターまたはパン生地の許容度の改良、および/またはベーキング製品特性、たとえば容積または新鮮度等の改良を有利に可能にする。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示すことを提供する。
本発明者らは、ここに開示する特定の酵素をベーカリー用途で使用すれば、パン生地またはバッターの許容度に対する効果が改良されることを見出した。
本文脈において、パン生地またはバッターの許容度とは、ストレス状態に置かれた際、たとえばプルーフィング時間が延長された、またはプルーフィング期間中もしくはその後に機械的ショックを受けたなどの際に、その形状を維持し、およびベーキング後に、ストレス無負荷のパン生地またはバッターから得られるベーキング製品に匹敵する特性(たとえば、容積)を備えたベーキング製品を提供するパン生地またはバッターの能力を指す。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記ベーキング製品が改良された新鮮度を示すことを提供する。
本文脈において、新鮮度とは、テクスチャーパラメーター、たとえば、柔軟性、湿り気、粘着性、粘り気、および弾力性等の組み合わせを指す。新鮮度の喪失は、老化と通常関連する。とりわけ、ベーキング製品の改良された新鮮度は、参照品と比較したとき、改良された柔軟性、および/または改良された湿り気、および/または改良されたショートバイト(short bite)に対応する。このようなパラメーターは、テクスチュロメーター等による物理的方法により、または専門的判定パネルを用いて実施される官能分析(sensorial analysis)により有利に測定されてもよい。
ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さい酵素を含むベーキング製品もここに開示される。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ここに開示する組成物を含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品に関する。
本発明の文脈において、ベーキング製品は、当技術分野において公知のベーカリーまたはパティセリー製品、たとえばパン、ソフトロール、ベーグル、ドーナッツ、デニッシュペストリー、ハンバーガーロール、ピザ、ピタパン、チャバタ、スポンジケーキ、クリームケーキ、パウンドケーキ、マフィン、カップケーキ、蒸し菓子、ワッフル、ブラウニー、ケーキドーナッツ、酵母菌で膨らませたドーナッツ、バゲット、ロール、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイの皮、ラスク、およびその他のベーキング製品を含む群から選択される製品等である。より好ましくは、本発明は、パン、バゲット、およびロールを指す。
本発明のさらなる目的は、ベーキング製品を調製するための組成物、パン改良剤、パティセリー混合物、および/またはパティセリー事前混合物の使用に関する。
さらに、さらなる側面では、本発明は、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、ならびに45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品に関する。
[実施例]
例1
酵素活性測定
リパーゼ
リパーゼ活性は、p−ニトロフェニルパルミテート(pNPP)を基質として使用して測定する。リパーゼによりp−ニトロフェニルパルミテートが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定する。リパーゼ、1ミリ単位(LmU)は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験を実施するために、1mMのpNPP溶液(0.69Mのアセトンおよび0.0049MのトリトンX−100を含有する、0.05MのNa−リン酸バッファー、pH7.5に溶解)、120μlを、酵素サンプル、60μlと混合し、そして40℃で30分間インキュベートする。吸収は、96ウェルマイクロプレート内で、基質ブランクに対して414nmにおいて測定する。活性は、LmU/ml=(((酵素の吸収−ブランクの吸収)/30)×0.18)/(13380×0.06)×サンプル希釈率×1000000として表される。
[30=分表示の反応時間;0.18=ml表示の反応容積;13380=414nmにおけるモル吸光係数(M−1cm−1);0.06=ml表示の酵素サンプル容積;1000000はLmU/mlに変換する]
ホスホリパーゼ
ホスホリパーゼ活性は、p−ニトロフェニルホスホリルコリン(pNPPC)を基質として使用して測定する。ホスホリパーゼによりp−ニトロフェニルホスホリルコリンが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定する。ホスホリパーゼ、1ミリ単位(PmU)は、50℃およびpH7.5において、1分間に、1nmolのp−ニトロフェノールを放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験を実施するために、0.02MのpNPPC溶液(0.69Mのアセトンおよび0.0049MのトリトンX−100を含有する、0.05MのNa−リン酸バッファー、pH7.5に溶解)、120μlを、酵素サンプル、60μlと混合し、そして50℃で30分間インキュベートする。その後、1MのNaCO、720μlを添加して反応を停止する。吸収は、96ウェルマイクロプレート内で、基質ブランクに対して414nmにおいて測定する。
活性は、PmU/ml=(((酵素の吸収−ブランクの吸収)/30)×0.9)/(13380×0.06)×サンプル希釈率×1000000として表される。
[30=分表示の反応時間;0.9=ml表示の反応容積;13380=414nmにおけるモル吸光係数(M−1cm−1);0.06=ml表示の酵素サンプル容積;1000000はPmU/mlに変換する]
ホスホリパーゼA1
ホスホリパーゼA1(PLA1)活性は、16.5μMのジオレオイルホスファチジルコリン、16.5μMのジオレオイルホスファチジルグリセロール、および3.3μMの色素標識されたN−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(PED−A1)からなる脂質混合物(EnzChek ホスホリパーゼA1アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において取得される)を基質として使用して測定する。PED−A1は、PLA1に対して特異的であり、またsn−1位においてBODIPY(登録商標)FL色素標識されたアシル鎖とジニトロフェニルクエンチャー修飾頭部基を有する色素標識されたグリセロホスホエタノールアミンである。ホスホリパーゼA1、1ミリ単位(PA1mU)は、40℃およびpH7.4において、1分間に、PED−A1のsn−1位において置換された蛍光脂肪酸の1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験は、96ウェルマイクロプレート内で、1ウェル当たり100μlの総容積を使用して実施する。異なる脂質溶液を、250mMのトリス−HCl、0.7MのNaCl、および10mMのCaClを含有する反応バッファー、pH7.4中で調製した。サンプルおよびコントロールを、脂質混合物と共に、1:1(サンプル/コントロール、50μl、および脂質混合物、50μl)の比で混合する。酵素反応を、40℃で30分間実施する。較正曲線は、キット(Lecitase Ultra)に提供された、異なる濃度のホスホリパーゼA1を使用して作成する。蛍光測定は、480nmでの励起、および515nmでの発光により実施する。
活性は、PA1mU/ml=(((酵素の蛍光強度−ブランクの蛍光強度)−切片の値)/較正曲線のスロープ値)×サンプル希釈率×1000として表される。[1000はPA1mU/mlに変換する]
ホスホリパーゼA2
ホスホリパーゼA2(PLA2)活性は、16.5μMのジオレオイルホスファチジルコリン、16.5μMのジオレオイルホスファチジルグリセロール、および1.7μMの色素標識された1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン(Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2)からなる脂質混合物(EnzChekホスホリパーゼA2アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において取得される)を基質として使用して測定する。Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2基質は、PLA2に対して選択的であり、またPLA2酵素活性の高感度で迅速なリアルタイム連続監視を提供する。ホスホリパーゼA2、1ミリ単位(PA2mU)は、40℃およびpH8.9において、1分間に、Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2のsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験は、96ウェルマイクロプレート内で、1ウェル当たり100μlの総容積を使用して実施する。異なる脂質溶液を、250mMのトリス−HCl、500mMのNaCl、および5mMのCaClを含有する反応バッファー、pH8.9中で調製した。サンプルおよびコントロールを、脂質混合物と共に、1:1(サンプル/コントロール、50μl、および脂質混合物、50μl)の比で混合する。酵素反応は、40℃で10分間実施する。較正曲線は、キット提供のミツバチの毒液に由来する異なる濃度のホスホリパーゼA2を使用して作成する。蛍光測定は、480nmでの励起、および515nmでの発光により実施する。
活性は、PA2mU/ml=(((酵素の蛍光強度−ブランクの蛍光強度)−切片の値)/較正曲線のスロープ値)×サンプル希釈率×1000として表される。[1000=PA2mU/ml]
例2
酵素
下記の酵素を、下記の例で使用した。
− 配列番号1のアミノ酸配列を有するカエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素(PH2)。
− 配列番号2のアミノ酸配列を有するメイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素(PH3)。
− 配列番号3のアミノ酸配列を有するメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素(PH4)。
−Lipopan(登録商標)F(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)由来のリパーゼ;Novozymes社)(LIF)
−Lipopan(登録商標)Max(サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のリパーゼ;Novozymes社)(LIM)
−Cakezyme(登録商標)SMART(ブタ膵臓由来のリパーゼ;DSM)(CAK)
PH2、PH3、およびPH4酵素は、後でここに記載する対応する遺伝子のクローニングおよび発現により取得した。その他の酵素は、その各供給業者から取得した。
PH2、PH3、およびPH4遺伝子のクローニング
pelBリーダー配列および下記の標準的なプロトコールを使用して、pET22bプラスミド中に発現させるために、推定脂肪分解酵素遺伝子の同定された配列に基づき、酵素をコードするDNA配列を合成した。
PH2、PH3、およびPH4に対応するDNA配列を表Aに示し、それぞれ、配列番号4、配列番号5、および配列番号6に該当する(表Aを参照)。
完全合成したDNA断片を、pUC19誘導プラスミド中にサブクローン化した。このプラスミドを、大腸菌(E.coli)DH5α(登録商標)ウルトラコンピテント細胞を形質転換するのに使用した。Pure Yield Midiprep System(Promega社)を用いて作製した精製プラスミド調製物を該当する制限酵素を使用して消化し、脂肪分解酵素コーディング配列を含有するDNA断片を単離した。この断片を、pET22b(+)クローニングベクター(Novagen社)中にサブクローン化し、そして得られた組換えプラスミドを、大腸菌(E.coli)BL21(DE3)細胞(Agilent Technologies社)中に形質転換した。Pure Yield Midiprep System(Promega社)を用いて作製した精製プラスミド調製物を、ABI3700DNAシーケンサー(Applied Biosystems社)を使用して配列決定した。挿入された断片の配列決定を、ユニバーサルプライマーのT7プロモーターおよびT7ターミネーター、ならびに内部DNA配列に対応するプライマーを使用して実施した。得られた配列は、予想した配列と同一であった。
組換え株の培養およびPH2、PH3、およびPH4の生成
脂肪分解酵素遺伝子を担持する大腸菌(E.coli)BL21(DE3)細胞を5時間、事前培養(37℃)し、その15mlを10000gで1分間遠心分離し、そしてペレットを、2リットル振盪フラスコ内で、200μg/mlのアンピシリンを含有するTerrific broth(12g/lのBacto Tryptone(Difco社)、24g/lの酵母菌抽出物(Difco社)、4ml/lのグリセロール、12.54g/lのKHPO、2.31g/lのKHPO)、500ml中に再懸濁した。培養物を37℃および250rpmでインキュベートし、550nmにおける吸収が3〜4に達したら、1mMのイソプロピル−1−チオ−β−ガラクトピラノシドを用いて酵素の発現を誘発した。
PH2、PH3、およびPH4の回収
37℃で15時間インキュベーションした後、4℃、18000gで30分間遠心分離して細胞を採取し、10mMのNaClを含有する50mMのBICINE中に再懸濁し、予め冷却した細胞破砕装置(Panda 2K、Niro Soavi社、GEA Process Engineering Division)内、1500barsにおいて破壊し、そして40,000gで30分間遠心分離した。0.2%の硫酸プロタミン(Calbiochem社)を用いて処理し、そして40,000gで30分間遠心分離することにより、染色体DNAを未精製の細胞ライセートから除去した。25単位のベンゾナーゼ(Merck社、Darmstadt、ドイツ)を、次に溶液に添加した。
そのような処理の後、脂肪分解酵素調製物を、カットオフの範囲が0.05〜1μmのミリポアPODシステム上でのエンド濾過により清澄化し、次に5kDaのカットオフ値を有するクロスフロー濾過システム(Satocon−Sartorius社)上での限外濾過により濃縮した。濃縮した酵素溶液を、0.8〜0.22μmのエンド濾過(アブソリュートフィルター)を含む滅菌濾過システム上で濾過した。
リパーゼおよびホスホリパーゼの酵素活性を、例1のプロトコールを使用して決定した。結果を表1に示す。
試験の温度を除き、例1のホスホリパーゼアッセイ法を使用して、酵素活性を温度の関数として決定した。結果を表2に示す。
酵素の安定性を、酵素サンプルを50℃で30、60、および240分間、事前インキュベートした後、例1と同様にホスホリパーゼアッセイを実施することにより決定した。結果を表3に示す。
例3
スポンジケーキ
卵23.4%、小麦粉25.2%、デンプン7.5%、植物性脂肪2.1%、糖22.3%(単糖類、二糖類、ポリオール)、スキムミルク粉末1.9%、ベーキング粉末1.1%(重炭酸ナトリウムおよびSAPP(酸性ピロリン酸ナトリウム)またはピロリン酸ナトリウムアルミニウム(sodium aluminium pyrophosphate))、ケーキゲル(乳化剤)3.2%、および水を加えて100%とする代表的なホットケーキレシピーを使用してスポンジケーキを作った。
酵素を、乾燥成分に最初に添加した。液体成分(卵、水、グリセロール、・・・)を、次に混合物に添加した。すべての成分を、Hobartミキサー内にて、ハイスピードで5分間共に混合した。バッターを、1リットル当たり約300〜600グラムのバッター密度になるまでホイップした。900gのスポンジケーキバッターを、1回の試験につき4個調製し、そして180℃の温度で30分間焼き上げた。その後スポンジケーキを室温に冷却し、プラスチック袋内にパックした。
ケーキの容積を、ナタネ置換法により評価した。ケーキの高さを、キャリパスにより評価した。
ケーキのテクスチャー特性(硬度、粘着性、および弾力性)を、ベーキング後の1、14、および/または21日目に、TAXTplusデバイス(Stable Micro Systems社)を使用して、テクスチャープロファイル分析(TPA)により測定した。
製品の初期高さの50%を最大変形として、円筒形のプローブ(Φ=100mm)を用いて実施される円筒形クラムサンプル(Φ=45mm)の変形を、連続2回、変形スピード2mm/秒、および連続した変形間の待機時間3秒で実施する。力を時間の関数として記録する。
硬度は、第1の変形(第1のピークの高さ)を生じさせるのに必要なクラムに対するプローブの力として測定される。
粘着性を、第2の変形曲線下の面積(下方+上方)と、第1の変形曲線下の面積(下方+上方)の間の比(割合(%)で表される)として計算する。
結果は、本発明による酵素の使用は、ケーキの容積および高さに悪影響を及ぼすことなく柔軟性を改良することを示す。
ケーキテクスチャーパラメーターを、ケーキ専門家パネルを使用した官能分析を実施することによりさらに評価した。ケーキ専門家は、ケーキの新鮮度:柔軟性、湿り気、および粘着性を記載する異なるケーキテクスチャー特性について、すべて個別におよび独立的に記載およびスコア化する訓練を受けたケーキ消費者である。ケーキ専門家は、パラメーター毎に、1〜9のスコアを有するスケール付きのスコアカードを使用した。柔軟性の場合、スコア1は極めて硬質なケーキを表し、噛むのが困難であり、またスコア9は極めて柔軟なケーキを表し、ケーキクラムを噛むのに必要とされる力が非常に小さい。湿り気の場合、スコア1は極めて乾燥したケーキクラムを表し、またスコア9は極めて湿っぽいケーキを表す。粘着性の場合、スコア1は非常に脆いケーキを表し、またスコア9は、1つのピースに留まる非常に粘着性のケーキを表す。官能分析は較正され、また0.5の数値差は有意とみなされる。
官能評価の結果を表5に示す。
結果は、本発明による酵素の使用は、ケーキにテクスチャーパラメーターの改良をもたらすことを示す。
例4
クラスティロール
クラスティロール製造におけるホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素の効果。
クラスティロールを、表6のパン生地組成物を使用して調製した。
成分を、Eberhardt N24ミキサー中にて、低速で2分間、および高速で5分間混合した。最終パン生地温度、ならびに休止およびプルーフィング温度は、25℃であった。25℃で15分間休ませた後、パン生地を手作業により再加工し、そしてさらに10分間休ませた。その後、2kgのパン生地ピースを成形し、そして10分間プルーフィングした。2kgのパン生地ピースを分割し、そしてRotamatを使用して成形した。50grの丸まったパン生地ピースを得た。さらに5分間休ませた後、パン生地ピースをプレスにより裁断し、そして120分間、またはショック試験後120分間、35℃で行われる最終プルーフィング段階に供した。ショック試験をプルーフィング後のパン生地に以下の通り適用した:第2のプルーフィング後およびベーキング前に、パン生地を収納するトレーを10cmの高さから落下させる。パン生地ピースを、蒸気発生装置付きのMIWE Roll−Inオーブン(Michael Wenz−Arnstein社−ドイツ)中にて、230℃で焼き上げた。一般的に使用されるナタネ置換法(rapeseed displacement method)を使用して、6個のロールの容積を測定した。結果を表7に示す。
結果は、本発明による酵素の使用は、参照品と比較して、および市販の酵素と比較してより良好なパン生地許容度をもたらすことを示す。

Claims (14)

  1. 0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、および45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを含む改良剤組成物。
  2. ホスホリパーゼA1活性の場合、1ミリ単位(PA1mU)が、40℃およびpH7.4において、1分間に、N−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのsn−1位において置換された蛍光脂肪酸の1ナノモル(nmol)を加水分解する酵素の量として定義され、ならびにホスホリパーゼA2活性の場合、1ミリ単位(PA2mU)が、40℃およびpH8.9において、1分間に、1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンのsn−2位において置換された蛍光脂肪酸の1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義される、請求項1に記載の改良剤。
  3. 前記ホスホリパーゼが、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択される、請求項1または2に記載の改良剤。
  4. 前記ホスホリパーゼが、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%、好ましくは配列番号2および/または3と少なくとも85%、より好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の改良剤。
  5. 前記ホスホリパーゼが、50℃で60分間インキュベートした後、そのホスホリパーゼ活性の40%超、好ましくは50℃で60分間インキュベートした後、そのホスホリパーゼ活性の50%超を保持する、先行する請求項のいずれか1項に記載の改良剤。
  6. ホスホリパーゼのベーカリー用途での使用であって、前記ホスホリパーゼが、0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、および45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有する使用。
  7. 前記ホスホリパーゼが、配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%、好ましくは配列番号2および/または3と少なくとも85%、より好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項6に記載の使用。
  8. パンまたはパティセリー製品での請求項6または7に記載の使用。
  9. ケーキでの請求項6〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、および45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法。
  11. 前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜70000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜60000PmU/粉100kgの間の前記ホスホリパーゼを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示す、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記ベーキング製品が、改良された新鮮度を示す、請求項10または11に記載の方法。
  14. 0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは0.01〜25の範囲、より好ましくは0.01〜10の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜10の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有し、および45℃またはそれ超のホスホリパーゼ至適温度を有するホスホリパーゼを含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品。
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