JP2019514385A - 脂肪分解酵素を含有するベーキング製品のための組成物およびその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、定義されたホスホリパーゼA2活性に対するホスホリパーゼA1活性の比を有する脂肪分解酵素を併用する、ベーキング製品の特性を改良するための組成物および方法に関する。
Description
本発明は、1つ以上の脂肪分解酵素を含む、ベーカリー製品を改良するための新規組成物および方法に関する。
ベーキングでは、粉の脂質はパン生地またはバッター(batter)中のタンパク質およびデンプンと相互作用し、パン生地またはバッターの流体力学的特性、ならびにベーキング製品の品質に影響を及ぼすので、粉の質量の2%しか占めないにもかかわらず、重要な技術的役割を演ずる。脂質は、遊離脂質と結合脂質に分割可能であり、両画分は極性脂質または非極性脂質のいずれかを含有する。およそ、脂質の半分が極性であり、また非極性脂質に対する極性脂質の比はパンの容積と強い相関関係を有するので、製パンにおいて極めて重要である。極性脂質画分は、リゾホスホリピド、リン脂質、およびガラクトリピドから主に構成される。
指摘すべき重要事項として、脂質はパン生地またはバッター中の異なる場所に位置することが挙げられる。ほとんどの極性脂質はデンプン顆粒内部にある。遊離脂質の一部は、自発的に気水界面に移動し、一部はデンプン顆粒表面または内部にとどまる、またはグルテン分子に連結し、そして一部はデンプン糊化後にのみ利用可能である。
一般的に、脂質の主要な機能として、そのガスセル安定性およびグルテン強度増加に対する効果が挙げられる。また、特に、極性脂質は、デンプンのレトログラデーションを低下させる能力を有する。酵母菌発酵に起因する気泡を安定化させれば、より大容積のベーキング製品が実現する。グルテンネットワークを強度増加させれば、より良好なパン生地安定性が実現し、またパンの身の柔軟性およびテクスチャーが増強し、したがって保管寿命が延びる。しかし、脂質は粉中で微量であることに起因して、粉の天然リン脂質画分が、パン生地またはバッターの特性およびベーキング製品の品質に対して、有意な効果をそれ自体が与えるには十分でない。さらに、リン脂質分子の一部には、パン生地特性に対してプラスの効果を有さず、マイナスの効果さえも有するものが存在する。したがって、外因性リン脂質および/または乳化剤が、ベーキング製品の均一な品質および保管寿命安定性を保証するのに使用される。この問題に対処するための別の方法として、脂肪分解酵素(たとえば、ホスホリパーゼおよびリパーゼ等)の使用、ならびに対応するリゾ脂質を放出するトリグリセリド、リン脂質、およびガラクトリピドのインサイチュー改変の実施が挙げられる。リゾ脂質は、オリジナルの分子と比較して、それよりも良好な乳化特性を有し、またパンおよびケーキ製造プロセスにおける湿潤剤としてより機能的である。
さらに、優れた乳化特性を有するリゾ脂質がより多く放出されれば、パン生地またはバッターの流体力学的特性が改良されることとなる。特に、ケーキ製造では、そのような放出の改良は、フォームまたはスポンジケーキの水相内への空気取り込みが強化され、またレイヤーケーキバッター内のベーカリー脂肪の分散が改良される。
脂質はパン生地およびバッターの系内で均等に分布していないという事実から、脂質は必ずしもリパーゼおよびホスホリパーゼによる加水分解を受けることができない。異なる温度において、pH条件、イオン強度、および/または糖濃度を変化させることにより、このような脂質の利用能が改変される。そのような場合、このような異なる温度および条件において活性であり、また所望の特異性を有する酵素が必要となる。一方、基質が過剰に加水分解されると、ベーキング製品の品質特性に対してマイナスの効果を有する分子が生ずる。
いくつかのリパーゼおよび/またはホスホリパーゼが、ベーキング製品の調製におけるそのプラスの特性についてすでに記載されているが、その異なる特異性、その異なる加水分解生成物、その潜在的相乗作用、またはプロセス条件、または基質に起因して、その使用結果は極めて予測不能である。したがって、今日、ベーキング製品の特性、たとえばパン生地またはバッターの許容度、容積、および/または新鮮度等をさらに改良する組成物および方法に対する必要性がなおも存在する。
本発明者らは、ベーカリー用途、特に製パンにおいて脂肪分解酵素と特定のホスホリパーゼを組み合わせて使用すると、パン生地の許容度に対して相乗的効果を有することを見出した。
したがって、第1の側面では、本発明は、
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と、
を含む組成物に関する。
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と、
を含む組成物に関する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、好ましくはメイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、より好ましくはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および/または配列番号5のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、好ましくは配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、より好ましくは配列番号2および/または配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する、なおいっそうより好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有することを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、45℃に等しい、またはそれより高い温度で至適ホスホリパーゼ活性を有することにより特徴づけられることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、50℃で30分間インキュベートした後でも、そのホスホリパーゼ活性の50%超を保持することを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第2の酵素が、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、またはフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第2の酵素が、配列番号6および/もしくは配列番号7のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、またはNovozymes社のLipopan(登録商標)Max、もしくはAB enzymes社のVeron(登録商標)Hyperbake Tから選択されることを提供する。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ここに開示する組成物のベーカリー用途での使用に関する。
特別な態様では、ここに開示する組成物のパン改良剤(bread improver)での使用が提供される。
特別な態様では、ここに開示する組成物の、パンまたはパティセリー製品、好ましくはケーキ、パン、バゲット、またはロールでの使用が提供される。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ここに開示する組成物を含むパン改良剤に関する。
さらに、さらなる側面では、本発明は、
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を、ベーキング前にパン生地またはバッターに対して添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法に関する。
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を、ベーキング前にパン生地またはバッターに対して添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法に関する。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜50000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜30000PmU/粉100kgの間の前記第1の酵素と、10000〜100000LmU/粉100kgの間、好ましくは20000〜70000LmU/粉100kgの間の前記第2の酵素を含むことを提供する。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示すことを提供する。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記ベーキング製品が、改良された新鮮度を示すことを提供する。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ここに開示する組成物を含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品に関する。
本発明の製品、組成物、使用、および方法について記載する前に、記載された特定の製品、組成物、使用、および方法、および組み合わせは、もちろん変化しても良いので、本発明は、そのような製品、組成物、使用、および方法、または組み合わせに限定されないものと理解される。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、ここで使用される用語は限定の意味合いを有さないものとやはり理解される。
ここで使用する場合、単数形の「a」、「an」、および「the」には、文脈が別途明示しない限り、単数形および複数形の指示物の両方が含まれる。
用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」、および「から構成される(comprised of)」は、ここで使用する場合、「含むこと(including)」、「含む(includes)」、または「含有すること(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、また包括的または非制限的であり、そして列挙されていない追加のメンバー、要素、または方法の工程を除外しない。用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」、および「から構成される(comprised of)」は、ここで使用する場合、用語「から構成される(consisting of)」、「構成される(consists)」、および「から構成される(consists of)」を含むものと認識される。
終点による数値範囲の列挙には、各範囲内に包含されるすべての数字および端数、ならびに列挙した終点が含まれる。
用語「約(about)」または「約(approximately)」は、ここで使用する場合、測定可能な数値、たとえばパラメーター、量、時間的な期間等に言及するとき、所定の数値のおよびそれから±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下、およびなおもより好ましくは±0.1%以下の変動を、そのような変動が開示される発明の実施に適する限り含むように意図されている。修飾語「約(about)」または「約(approximately)」によって言及される値も、それ自体、具体的および好適に開示されるものと理解される。
用語「1つ以上の」または「少なくとも1つの」、たとえばメンバーの群の1つ以上のまたは少なくとも1つのメンバー(複数可)等が、さらなる事例によってそれ自体明白であるとき、該用語は、任意の1つの前記メンバー、または任意の2つもしくはそれ超の前記メンバー、たとえば任意の≧3、≧4、≧5、≧6、または≧7等の前記メンバー等、および最大すべての前記メンバーの参照を特に含む。
本明細書で引用されたすべての参考資料は、本明細書により参考としてそのまま組み込まれる。特に、ここで具体的に参照するすべての参考資料の教示は、参考として組み込まれる。
別途規定されなければ、本発明を開示する際に使用されるすべての用語は、技術的および科学的用語を含め、本発明が属する当業者により一般的に理解される意味と同一の意味を有する。本発明の教示をより深く理解されるように、さらなるガイダンスとして、用語の定義が含まれる。
下記の節において、本発明の異なる側面が、より詳細に定義される。そのように定義された各側面は、明確に反対の記載のない限り、任意のその他の1つの側面または複数の側面と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有利と示唆される任意の特性は、好ましいまたは有利と示唆される任意のその他の1つの特性または複数の特性と組み合わせてもよい。本明細書全体を通じて、「1つの態様」または「一態様」という場合、それは該態様と関連して記載される特定の特性、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて、慣用句「1つの態様では」または「一態様では」が様々な場所で現れても、それは必ずしも同一の態様をすべて指すものではないが、そうであってもよい。さらに、当業者にとって本開示から明白であるように、1つ以上の態様において、特定の特性、構造、または特徴を、任意の適する方式で組み合わせてもよい。さらに、ここに記載するいくつかの態様は、その他の態様に含まれるその他の特性ではないいくつかの特性を含むが、当業者により理解されるように、異なる態様の特性の組み合わせも、本発明の範囲内であるように意図されており、また異なる態様を形成する。たとえば、添付の特許請求の範囲では、任意の主張された態様は、任意の組み合わせで利用可能である。
ベーカリー用途での使用、および特にパン改良剤として、またはパン改良剤での使用に特に適する、ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が大きい第2の酵素と組み合わせた、ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さい第1の酵素を含む組成物が、ここに開示される。
本発明者らは、ここに開示するような特定の特性を有する2つまたはそれ超のリパーゼおよび/またはホスホリパーゼを含む組成物を使用すると、改良された特徴を有するベーキング製品の取得が可能になることを驚くべきことに見出した。特に、バッターおよび/またはパン生地の特性(たとえば、許容度)が顕著に改良される。また、ベーキング製品は、改良された容積および/または新鮮度を示すことも判明した。
ここで使用する場合、用語「リパーゼ」とは、酵素エントリーEC3.1.1.3により定義されるトリアシルグリセロールリパーゼまたはトリアシルグリセロールアシルヒドロラーゼを一般的に指す。リパーゼは、トリアシルグリセロールの加水分解を触媒して、遊離した脂肪酸、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、およびグリセロールをもたらす酵素として、ここでは定義される。ここで定義する組成物で使用されるリパーゼは、副次的酵素活性、たとえばホスホリパーゼ活性等を含んでもよい。本発明の文脈において、リパーゼ活性は、p−ニトロフェニルパルミテート(pNPP)を基質として使用し、およびここに記載する方法に基づき測定される。また、酵素活性は、当業者により公知のその他のリパーゼ活性アッセイ法を用いても測定可能である(レビュー用として、たとえばStoytcheva M.& al、2012,Current Analytical Chemistry, vol8,p.400を参照)。
特に、リパーゼ活性は、p−ニトロフェニルパルミテート(pNPP)を基質として使用して測定される。リパーゼによりp−ニトロフェニルパルミテートが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定される。リパーゼ、1ミリ単位(LmU)は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。リパーゼ活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
ここで使用する場合、用語「ホスホリパーゼ」とは、リン脂質を、脂肪酸とその他の親油性物質に、たとえば加水分解の部位に応じて、リゾホスホリピド、ジアシルグリセロール、コリンリン酸およびホスファチジン酸等に加水分解する酵素を一般的に指す。リン脂質分子内の標的とされる特定の結合に応じて、ホスホリパーゼは、異なるタイプ、たとえばA、B、C、およびD等に分類される。
本発明の文脈において、ホスホリパーゼ活性は、p−ニトロフェニルホスホリルコリンを基質として使用して測定され、該ホスホリパーゼ活性は、50℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルホスホリルコリンからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を、放出するのに必要とされる酵素の量として定義されるミリ単位(PmU)で表される。また、ホスホリパーゼ活性は、当業者により公知のその他のホスホリパーゼ活性アッセイ法、たとえばホスファチジルコリンの加水分解等によっても測定可能である。
特に、ホスホリパーゼ活性は、p−ニトロフェニルホスホリルコリン(pNPPC)を基質として使用して測定される。ホスホリパーゼによりp−ニトロフェニルホスホリルコリンが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定される。ホスホリパーゼ、1ミリ単位(PmU)は、50℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェノール、1nmolを放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。ホスホリパーゼ活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
ここで使用する場合、用語「ホスホリパーゼA」とは、リン脂質において1つ以上の結合の加水分解を触媒する脂肪分解酵素を指す。脂肪のアシル部分をグリセロール骨格と結びつけるエステル結合(複数可)を加水分解する、異なる2種類のホスホリパーゼA活性が区別され得る。酵素エントリーEC3.1.1.32により定義されるホスホリパーゼA1、および酵素エントリーEC3.1.1.4により定義されるホスホリパーゼA2は、1つの脂肪アシル基のジアシルグリセロホスホリピドからの脱アシル化を、sn−1およびsn−2位においてそれぞれ触媒して、リゾホスホリピドを生成する。
本発明の文脈において、ホスホリパーゼ活性は、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識されたN−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(ホスホリパーゼA1の場合)からなる脂質混合物、またはジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識された1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン(ホスホリパーゼA2の場合)からなる脂質混合物をそれぞれ基質として使用し、そしてここに記載する方法に基づき測定される。また、ホスホリパーゼ活性は、当業者により公知のその他のリパーゼ活性アッセイ法を用いて、たとえばホスホリパーゼA1活性をアッセイする場合、rac−1,2−S,O−ジデカノイル−3−ホスホコリン−1−メルカプト−2,3−プロパンジオール基質、およびホスホリパーゼA2活性をアッセイする場合、2−ヘキサデカノイルチオ−1−エチル−ホスホコリン基質を使用するなどして測定することも可能である。
特に、ホスホリパーゼA1(PLA1)活性は、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識されたN−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(PED−A1)からなる脂質混合物(たとえば、EnzChekホスホリパーゼA1アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において見出され得る)を基質として使用して測定される。PED−A1は、PLA1に対して特異的であり、またsn−1位において、BODIPY(登録商標)FL色素標識されたアシル鎖とジニトロフェニルクエンチャー修飾頭部基を有する色素標識されたグリセロホスホエタノールアミンである。ホスホリパーゼA1、1ミリ単位(PA1mU)は、40℃およびpH7.4において、1分間に、PED−A1のsn−1位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。ホスホリパーゼA1活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
特に、ホスホリパーゼA2(PLA2)活性は、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、および色素標識された1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン(Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2)からなる脂質混合物(たとえば、EnzChekホスホリパーゼA2アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において見出され得る)を基質として使用して測定される。Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2基質は、PLA2に対して選択的であり、またPLA2酵素活性の高感度で迅速なリアルタイム連続監視を提供する。ホスホリパーゼA2、1ミリ単位(PA2mU)は、40℃およびpH8.9において、1分間に、Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2のsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。ホスホリパーゼA2活性測定に関するより多くの詳細事項が、実施例に記載されている。
したがって、第1の側面では、本発明は、
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む組成物に関する。
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む組成物に関する。
特に、リパーゼ活性は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義されるミリ単位(LmU)で表され、ホスホリパーゼA1活性は、40℃およびpH7.4において、1分間に、N−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのsn−1位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されるミリ単位(PA1mU)で表され、およびホスホリパーゼA2活性は、40℃およびpH8.9において、1分間に、1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンのsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されるミリ単位(PA2mU)で表される。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、
0.01〜50の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
0.01〜50の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、
1〜50の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
1〜50の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、
2〜50の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
2〜50の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、
0.01〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
0.01〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、
1〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
1〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、
2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
15000〜50000の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む。
本発明者らは、ここに開示するような組成物の酵素は、ベーキング製品特性の改良において相乗的に作用することを見出した。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、45℃に等しい、またはそれより高い温度で至適ホスホリパーゼ活性を有することにより特徴づけられることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、好ましくはメイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、より好ましくはメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および/または配列番号5(表Aを参照)のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有し、好ましくは配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有し、より好ましくは配列番号2および/または配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有し、なおいっそうより好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有することを提供する。
とりわけ、前記第1の酵素は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および/または配列番号5に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有し、好ましくは配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有し、より好ましくは配列番号2および/または配列番号3と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有し、なおいっそうより好ましくは配列番号3と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する脂肪分解酵素である(表Aを参照)。
とりわけ、前記第1の酵素は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および/または配列番号5に対して100%の配列同一性を有し、好ましくは配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと100%の配列同一性を有し、より好ましくは配列番号2および/または配列番号3と100%の配列同一性を有し、なおいっそうより好ましくは配列番号3と100%の配列同一性を有する脂肪分解酵素である。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素であり、有利には配列番号1を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素であり、有利には配列番号2を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、メイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素であり、有利には配列番号3を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素であり、有利には配列番号4を有する酵素、またはその近縁バリアント、より好ましくはNagase社のNagase 10Pであることを提供する。特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素であり、有利には配列番号5を有する酵素、またはその近縁バリアントであり、より好ましくはDSM社のPanamore(登録商標)Goldenであることを提供する。
本発明の文脈において、ここで引用する「近縁バリアント」は、上記のようにベーキング製品(の品質)を改良し、および配列番号1〜5と有意な同一性を共有する酵素である。「有意な同一性」とは、本発明の文脈において、配列番号1〜5との、少なくとも85%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、好ましくは少なくとも91%、より好ましくは少なくとも92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%の同一性、または少なくとも99%の同一性さえも指す。
2つのアミノ酸配列の間、または2つのヌクレオチド配列の間の関連性は、パラメーター「同一性」により記載される。本目的において、2つのアミノ酸配列の間の同一性の程度は、好ましくはバージョン3.0.0またはそれ以降のEMBOSSパッケージのNeedleプログラムにおいて実施されるNeedleman−Wunschアルゴリズムを使用して、国際公開第2010/0142 697号の記載に従い決定される。使用される任意のパラメーターとして、ギャップ開始ペナルティ10、ギャップ伸長ペナルティ0.5、およびEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスが挙げられる。Needle標識された「最長同一性」(nobrief optionを使用して取得される)のアウトプットは、同一性の割合(%)として用いられ、また以下のように計算される:(同一残基×100)/(アライメントの長さ−アライメント内のギャップの合計数)。
特別な態様では、第1の酵素は、45℃に等しい、またはそれより高い温度で至適ホスホリパーゼ活性を有することにより特徴づけられる。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、50℃で30分間インキュベートした後、そのホスホリパーゼ活性の50%超を保持することを提供する。
活性は、ここに示すようにホスホリパーゼ活性を決定することにより測定される(p−ニトロフェニルホスホリルコリンを基質として使用する)。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第2の酵素が、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、またはフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択されることを提供する。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第2の酵素が、配列番号6および/もしくは配列番号7(表Aを参照)のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、またはNovozymes社のLipopan(登録商標)Max、もしくはAB enzymes社のVeron(登録商標)Hyperbake Tから選択されることを提供する。
とりわけ、前記第2の酵素は、配列番号6および/または配列番号7(表Aを参照)に対して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する脂肪分解酵素である。
とりわけ、前記第2の酵素は、配列番号6および/または配列番号7に対して100%の配列同一性を有する脂肪分解酵素である。
特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第2の酵素が、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素であり、有利には配列番号6を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。特別な態様では、ここに開示する組成物は、前記第1の酵素が、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素であり、有利には配列番号7を有する酵素、またはその近縁バリアントであることを提供する。
なおいっそうより好ましくは、第2の酵素は、Novozymes社のLipopan(登録商標)Max、またはAB enzymes社のVeron(登録商標)Hyperbake Tである。
なおも好ましい態様では、ここに提示する組成物は、配列番号1の、配列番号2の、配列番号3の、好ましくは配列番号2のまたは配列番号3の、なおいっそうより好ましくは配列番号3の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第1の酵素、ならびに5000〜60000の間、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500に等しいまたはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する第2の酵素を含む。
なおも好ましい態様では、ここに提示する組成物は、配列番号1の、配列番号2の、配列番号3の、好ましくは配列番号2のまたは配列番号3の、なおいっそうより好ましくは配列番号3の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第1の酵素、および配列番号6の、配列番号7の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第2の酵素、好ましくは配列番号6の配列を有する第2の酵素またはその近縁バリアントを含む。
より一層好ましい態様では、ここに開示する組成物は、配列番号1の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第1の酵素、ならびに5000〜60000の間、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500に等しいまたはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する第2の酵素、好ましくは配列番号6の、配列番号7の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第2の酵素、より好ましくは配列番号6の配列を有する第2の酵素またはその近縁バリアントを含む。
より一層好ましい態様では、本明細書に開示する組成物は、配列番号2の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第1の酵素、ならびに5000〜60000の間、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500に等しいまたはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する第2の酵素、好ましくは配列番号6の、配列番号7の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第2の酵素、より好ましくは配列番号6の配列を有する第2の酵素、またはその近縁バリアントを含む。
より一層好ましい態様では、ここに開示する組成物は、配列番号3の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第1の酵素、ならびに5000〜60000の間、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500に等しいまたはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する第2の酵素、好ましくは配列番号6の、配列番号7の、またはその近縁バリアントのアミノ酸配列を有する第2の酵素、より好ましくは配列番号6の配列を有する第2の酵素またはその近縁バリアントを含む。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ここに開示する組成物を含むパン改良剤に関する。
本発明の組成物は、有利には、パン改良剤またはパティセリー混合物もしくは事前混合物の一部であってもよい。「パン改良剤」(「パン生地コンディショナー」または「パン生地改良剤」または「改良剤」または「粉処理剤」とも呼ばれる)は、ベーキング製品のテクスチャー、容積、香り、および新鮮度を改良し、ならびにパン生地の機械加工性および安定性を改良するために、パン生地に一般的に添加される。一般的に、パン改良剤は、1つ以上の酵素(たとえばアミラーゼ(α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、生デンプン分解アミラーゼ(raw starch degrading amylase))、キシラナーゼ(ヘミセルラーゼ)、セルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リアーゼ、オキシダーゼ(ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、炭水化物オキシダーゼ、スルフルヒドリルオキシダーゼ)、リポオキシゲナーゼ、デヒドロゲナーゼ、ラッカーゼ、トランスグルタミナーゼ、アシルトランスフェラーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ等)、1つ以上の酸化剤または還元剤(たとえばアスコルビン酸、グルタチオン、システイン等)、1つ以上の乳化剤(たとえばジアセチル酒石酸モノグリセリドエステル(DATEM)、ステアロイル乳酸ナトリウム(SSL)、ステアロイル乳酸カルシウム(CSL)、グリセロールモノステアレート(GMS)、ラムノリピド、レシチン、スクロエステル、胆汁酸塩等)、1つ以上の脂肪性物質(たとえばマーガリン、バター、油、ショートニング等)、1つ以上のビタミン(たとえばパントテン酸およびビタミンE等)、1つ以上のガム、および/または1つ以上のファイバー原料(たとえばエンバクファイバー等)を含む、またはそれから構成される。ケーキ(パティセリー)混合物は、水、脂肪(油、バター、マーガリン)および卵を除き、ケーキレシピーのすべての成分を一般的に含む。ケーキ事前混合物は、一般的に粉および糖の全部または一部が除去されたケーキ混合物である。
特定の態様では、組成物は、上記のように、ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さい第1の酵素と、ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が大きい第2の酵素と、および酵素(複数可)、酸化剤(複数可)、還元剤(複数可)、乳化剤(複数可)、脂質(複数可)、ビタミン(複数可)、ファイバー(複数可)のリストから選択される少なくとも1つ、好ましくは2つの追加の成分とを含む。本発明者らは、組成物内に、アミラーゼ(α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、生デンプン分解アミラーゼ)、キシラナーゼ(へミセルラーゼ)、セルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リアーゼ、オキシダーゼ(ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、炭水化物オキシダーゼ、スルフルヒドリルオキシダーゼ)、リポオキシゲナーゼ、デヒドロゲナーゼ、ラッカーゼ、トランスグルタミナーゼ、アシルトランスフェラーゼ、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼの群から選択される1つ以上の酵素(複数可)を含むことが特に好都合であることを見出した。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ここに開示する組成物のベーカリー用途での使用に関する。本発明の文脈において、ベーカリー用途とは、パンおよびパティセリー製品の両方と関連する用途を指す。
ここに提示する組成物を使用すれば、望ましくないパン生地またはバッター成分、たとえば乳化剤等の使用を低下させることができ、または抑制することさえも可能となることを見出した。特別な態様では、ここに開示する組成物のパン改良剤での使用が提供される。
特別な態様では、ここに開示する組成物の、パンまたはパティセリー製品、好ましくはケーキ、パン、バゲット、またはロールでの使用が提供される。
ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さい第1の酵素、およびホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が大きい第2の酵素が調製法で使用される、ベーキング製品を調製する方法についてもここに開示される。
さらに、さらなる側面では、本発明は、
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは〜の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の間、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法に関する。
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは〜の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の間、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法に関する。
前記方法では、リパーゼ活性は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義されるミリ単位(LmU)で表され、ホスホリパーゼA1活性は、40℃およびpH7.4において、1分間に、N−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミンのsn−1位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されるミリ単位(PA1mU)で表され、ならびにホスホリパーゼA2活性は、40℃およびpH8.9において、1分間に、1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリンのsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を加水分解する酵素の量として定義されるミリ単位(PA2mU)で表され、ならびにホスホリパーゼ活性は、50℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルホスホリルコリンからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmol)/分放出するのに必要とされる酵素の量として定義されるミリ単位(PmU)で表される。
本発明の方法の特別な態様では、第1の酵素は、45℃に等しい、またはそれより高い温度で至適ホスホリパーゼ活性を有することにより特徴づけられる。
ここに開示する組成物は、ここに開示する方法で使用するのに特に適することを見出した。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜50000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜30000PmU/粉100kgの間の前記第1の酵素、および10000〜100000LmU/粉100kgの間、好ましくは20000〜70000LmU/粉100kgの間の前記第2の酵素を含むことを提供する。
ここに開示する方法は、バッターまたはパン生地の許容度の改良、および/またはベーキング製品特性、たとえば容積または新鮮度等の改良を有利に可能にする。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示すことを提供する。
本発明者らは、ベーカリー用途、および特にパン製品の調製において、脂肪分解酵素と特定のホスホリパーゼを組み合わせて使用すると、パン生地の許容度に対して相乗的効果を有することを見出した。
本文脈において、パン生地の許容度とは、ストレス状態に置かれた際、たとえばプルーフィング時間が延長された、またはプルーフィング期間中もしくはその後に機械的ショックを受けたなどの際に、その形状を維持し、およびベーキング後に、ストレス無負荷のパン生地またはバッターから得られるベーキング製品に匹敵する特性(たとえば、容積)を備えたベーキング製品を提供するパン生地またはバッター、好ましくはベーカリーパン生地の能力を指す。
特別な態様では、ここに開示する方法は、前記ベーキング製品が改良された新鮮度を示すことを提供する。
本文脈において、新鮮度とは、テクスチャーパラメーター、たとえば、柔軟性、湿り気、粘着性、粘り気、および弾力性等の組み合わせを指す。新鮮度の喪失は、老化と通常関連する。とりわけ、ベーキング製品の改良された新鮮度は、参照品と比較したとき、改良された柔軟性、および/または改良された湿り気、および/または改良されたショートバイト(short bite)に対応する。このようなパラメーターは、テクスチュロメーター等による物理的方法により、または専門的判定パネルを用いて実施される官能分析(sensorial analysis)により有利に測定されてもよい。
ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が小さい第1の酵素と、ホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比が大きい第2の酵素とを含むベーキング製品もここに開示される。
さらに、さらなる側面では、本発明は、ここに開示する組成物を含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品に関する。
本発明の文脈において、ベーキング製品は、当技術分野において公知のベーカリーまたはパティセリー製品、たとえばパン、ソフトロール、ベーグル、ドーナッツ、デニッシュペストリー、ハンバーガーロール、ピザ、ピタパン、チャバタ、スポンジケーキ、クリームケーキ、パウンドケーキ、マフィン、カップケーキ、蒸し菓子、ワッフル、ブラウニー、ケーキドーナッツ、酵母菌で膨らませたドーナッツ、バゲット、ロール、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイの皮、ラスク、およびその他のベーキング製品を含む群から選択される製品等である。より好ましくは、本発明は、パン、バゲット、およびロールを指す。
本発明のさらなる目的は、ベーキング製品を調製するための組成物、パン改良剤、パティセリー混合物、および/またはパティセリー事前混合物の使用に関する。
[実施例]
例1
酵素活性測定
リパーゼ:
リパーゼ活性は、p−ニトロフェニルパルミテート(pNPP)を基質として使用して測定する。リパーゼによりp−ニトロフェニルパルミテートが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定する。リパーゼ、1ミリ単位(LmU)は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験を実施するために、1mMのpNPP溶液(0.69Mのアセトンおよび0.0049MのトリトンX−100を含有する、0.05MのNa−リン酸バッファー、pH7.5に溶解)、120μlを、酵素サンプル、60μlと混合し、そして40℃で30分間インキュベートする。吸収は、96ウェルマイクロプレート内で、基質ブランクに対して414nmにおいて測定する。活性は、LmU/ml=(((酵素の吸収−ブランクの吸収)/30)×0.18)/(13380×0.06)×サンプル希釈率×1000000として表される。
[30=分表示の反応時間;0.18=ml表示の反応容積;13380=414nmにおけるモル吸光係数(M−1cm−1);0.06=ml表示の酵素サンプル容積;1000000はLmU/mlに変換する]
ホスホリパーゼ:
ホスホリパーゼ活性は、p−ニトロフェニルホスホリルコリン(pNPPC)を基質として使用して測定する。ホスホリパーゼによりp−ニトロフェニルホスホリルコリンが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定する。ホスホリパーゼ、1ミリ単位(PmU)は、50℃およびpH7.5において、1分間に、1nmolのp−ニトロフェノールを放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験を実施するために、0.02MのpNPPC溶液(0.69Mのアセトンおよび0.0049MのトリトンX−100を含有する、0.05MのNa−リン酸バッファー、pH7.5に溶解)、120μlを、酵素サンプル、60μlと混合し、そして50℃で30分間インキュベートする。その後、1MのNa2CO3、720μlを添加して反応を停止する。吸収は、96ウェルマイクロプレート内で、基質ブランクに対して414nmにおいて測定する。
例1
酵素活性測定
リパーゼ:
リパーゼ活性は、p−ニトロフェニルパルミテート(pNPP)を基質として使用して測定する。リパーゼによりp−ニトロフェニルパルミテートが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定する。リパーゼ、1ミリ単位(LmU)は、40℃およびpH7.5において、1分間に、p−ニトロフェニルパルミテートからp−ニトロフェノール、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験を実施するために、1mMのpNPP溶液(0.69Mのアセトンおよび0.0049MのトリトンX−100を含有する、0.05MのNa−リン酸バッファー、pH7.5に溶解)、120μlを、酵素サンプル、60μlと混合し、そして40℃で30分間インキュベートする。吸収は、96ウェルマイクロプレート内で、基質ブランクに対して414nmにおいて測定する。活性は、LmU/ml=(((酵素の吸収−ブランクの吸収)/30)×0.18)/(13380×0.06)×サンプル希釈率×1000000として表される。
[30=分表示の反応時間;0.18=ml表示の反応容積;13380=414nmにおけるモル吸光係数(M−1cm−1);0.06=ml表示の酵素サンプル容積;1000000はLmU/mlに変換する]
ホスホリパーゼ:
ホスホリパーゼ活性は、p−ニトロフェニルホスホリルコリン(pNPPC)を基質として使用して測定する。ホスホリパーゼによりp−ニトロフェニルホスホリルコリンが加水分解されて、黄色のp−ニトロフェノールが放出され、分光光度法により414nmにおいて測定する。ホスホリパーゼ、1ミリ単位(PmU)は、50℃およびpH7.5において、1分間に、1nmolのp−ニトロフェノールを放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験を実施するために、0.02MのpNPPC溶液(0.69Mのアセトンおよび0.0049MのトリトンX−100を含有する、0.05MのNa−リン酸バッファー、pH7.5に溶解)、120μlを、酵素サンプル、60μlと混合し、そして50℃で30分間インキュベートする。その後、1MのNa2CO3、720μlを添加して反応を停止する。吸収は、96ウェルマイクロプレート内で、基質ブランクに対して414nmにおいて測定する。
活性は、PmU/ml=(((酵素の吸収−ブランクの吸収)/30)×0.9)/(13380×0.06)×サンプル希釈率×1000000として表される。
[30=分表示の反応時間;0.9=ml表示の反応容積;13380=414nmにおけるモル吸光係数(M−1cm−1);0.06=ml表示の酵素サンプル容積;1000000はPmU/mlに変換する]
ホスホリパーゼA1:
ホスホリパーゼA1(PLA1)活性は、16.5μMのジオレオイルホスファチジルコリン、16.5μMのジオレオイルホスファチジルグリセロール、および3.3μMの色素標識されたN−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(PED−A1)からなる脂質混合物(EnzChek ホスホリパーゼA1アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において取得される)を基質として使用して測定する。PED−A1は、PLA1に対して特異的であり、またsn−1位においてBODIPY(登録商標)FL色素標識されたアシル鎖とジニトロフェニルクエンチャー修飾頭部基を有する色素標識されたグリセロホスホエタノールアミンである。ホスホリパーゼA1、1ミリ単位(PA1mU)は、40℃およびpH7.4において、1分間に、PED−A1のsn−1位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験は、96ウェルマイクロプレート内で、1ウェル当たり100μlの総容積を使用して実施する。異なる脂質溶液を、250mMのトリス−HCl、0.7MのNaCl、および10mMのCaCl2を含有する反応バッファー、pH7.4中で調製した。サンプルおよびコントロールを、脂質混合物と共に、1:1(サンプル/コントロール、50μl、および脂質混合物、50μl)の比で混合する。酵素反応を、40℃で30分間実施する。較正曲線は、キット(Lecitase Ultra)に提供された、異なる濃度のホスホリパーゼA1を使用して作成する。蛍光測定は、480nmでの励起、および515nmでの発光により実施する。
[30=分表示の反応時間;0.9=ml表示の反応容積;13380=414nmにおけるモル吸光係数(M−1cm−1);0.06=ml表示の酵素サンプル容積;1000000はPmU/mlに変換する]
ホスホリパーゼA1:
ホスホリパーゼA1(PLA1)活性は、16.5μMのジオレオイルホスファチジルコリン、16.5μMのジオレオイルホスファチジルグリセロール、および3.3μMの色素標識されたN−((6−(2,4−DNP)アミノ)ヘキサノイル)−1−(BODIPY(登録商標)FL C5)−2−ヘキシル−Sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(PED−A1)からなる脂質混合物(EnzChek ホスホリパーゼA1アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において取得される)を基質として使用して測定する。PED−A1は、PLA1に対して特異的であり、またsn−1位においてBODIPY(登録商標)FL色素標識されたアシル鎖とジニトロフェニルクエンチャー修飾頭部基を有する色素標識されたグリセロホスホエタノールアミンである。ホスホリパーゼA1、1ミリ単位(PA1mU)は、40℃およびpH7.4において、1分間に、PED−A1のsn−1位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験は、96ウェルマイクロプレート内で、1ウェル当たり100μlの総容積を使用して実施する。異なる脂質溶液を、250mMのトリス−HCl、0.7MのNaCl、および10mMのCaCl2を含有する反応バッファー、pH7.4中で調製した。サンプルおよびコントロールを、脂質混合物と共に、1:1(サンプル/コントロール、50μl、および脂質混合物、50μl)の比で混合する。酵素反応を、40℃で30分間実施する。較正曲線は、キット(Lecitase Ultra)に提供された、異なる濃度のホスホリパーゼA1を使用して作成する。蛍光測定は、480nmでの励起、および515nmでの発光により実施する。
活性は、PA1mU/ml=(((酵素の蛍光強度−ブランクの蛍光強度)−切片の値)/較正曲線のスロープ値)×サンプル希釈率×1000として表される。[1000はPA1mU/mlに変換する]
ホスホリパーゼA2:
ホスホリパーゼA2(PLA2)活性は、16.5μMのジオレオイルホスファチジルコリン、16.5μMのジオレオイルホスファチジルグリセロール、および1.7μMの色素標識された1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン(Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2)からなる脂質混合物(EnzChekホスホリパーゼA2アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において取得される)を基質として使用して測定する。Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2基質は、PLA2に対して選択的であり、またPLA2酵素活性の高感度で迅速なリアルタイム連続監視を提供する。ホスホリパーゼA2、1ミリ単位(PA2mU)は、40℃およびpH8.9において、1分間に、Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2のsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験は、96ウェルマイクロプレート内で、1ウェル当たり100μlの総容積を使用して実施する。異なる脂質溶液を、250mMのトリス−HCl、500mMのNaCl、および5mMのCaCl2を含有する反応バッファー、pH8.9中で調製した。サンプルおよびコントロールを、脂質混合物と共に、1:1(サンプル/コントロール、50μl、および脂質混合物、50μl)の比で混合する。酵素反応は、40℃で10分間実施する。較正曲線は、キット提供のミツバチの毒液に由来する異なる濃度のホスホリパーゼA2を使用して作成する。蛍光測定は、480nmでの励起、および515nmでの発光により実施する。
ホスホリパーゼA2:
ホスホリパーゼA2(PLA2)活性は、16.5μMのジオレオイルホスファチジルコリン、16.5μMのジオレオイルホスファチジルグリセロール、および1.7μMの色素標識された1−O−(6−BODIPY(登録商標)558/568−アミノヘキシル)−2−BODIPY(登録商標)FL C5−Sn−グリセロ−3−ホスホコリン(Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2)からなる脂質混合物(EnzChekホスホリパーゼA2アッセイキット−ThermoFisher Scientific社において取得される)を基質として使用して測定する。Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2基質は、PLA2に対して選択的であり、またPLA2酵素活性の高感度で迅速なリアルタイム連続監視を提供する。ホスホリパーゼA2、1ミリ単位(PA2mU)は、40℃およびpH8.9において、1分間に、Red/Green BODIPY(登録商標)PC−A2のsn−2位において置換された蛍光脂肪酸、1ナノモル(nmole)を放出するのに必要とされる酵素の量として定義される。試験は、96ウェルマイクロプレート内で、1ウェル当たり100μlの総容積を使用して実施する。異なる脂質溶液を、250mMのトリス−HCl、500mMのNaCl、および5mMのCaCl2を含有する反応バッファー、pH8.9中で調製した。サンプルおよびコントロールを、脂質混合物と共に、1:1(サンプル/コントロール、50μl、および脂質混合物、50μl)の比で混合する。酵素反応は、40℃で10分間実施する。較正曲線は、キット提供のミツバチの毒液に由来する異なる濃度のホスホリパーゼA2を使用して作成する。蛍光測定は、480nmでの励起、および515nmでの発光により実施する。
活性は、PA2mU/ml=(((酵素の蛍光強度−ブランクの蛍光強度)−切片の値)/較正曲線のスロープ値)×サンプル希釈率×1000として表される。[1000=PA2mU/ml]
例2
酵素
下記の酵素を、下記の例で使用した。
例2
酵素
下記の酵素を、下記の例で使用した。
− 配列番号1のアミノ酸配列を有するカエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素(PH2)。
− 配列番号2のアミノ酸配列を有するメイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素(PH3)。
− 配列番号3のアミノ酸配列を有するメイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素(PH4)。
− Lipopan(登録商標)Max(サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のリパーゼ;Novozymes社)(LIM)
− Nagase 10P(ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼA2;Nagase社)(NAG)
− Panamore(登録商標)Golden(フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のリパーゼ;DSM社)(PAN)
− Lecitase Ultra(サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のタンパク質工学により作出されたカルボキシエステルヒドロラーゼ;Novozymes社)(LEC)
− Bakezyme(登録商標)PH800BG(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)由来のリパーゼ;DSM社)(BAK)
− Veron(登録商標)Hyperbake−T(フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のリパーゼ;AB enzymes社)(HYP)
PH2、PH3、およびPH4酵素は、後でここに記載する対応する遺伝子のクローニングおよび発現により取得した。その他の酵素は、その各供給業者から取得した。
− Nagase 10P(ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼA2;Nagase社)(NAG)
− Panamore(登録商標)Golden(フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のリパーゼ;DSM社)(PAN)
− Lecitase Ultra(サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のタンパク質工学により作出されたカルボキシエステルヒドロラーゼ;Novozymes社)(LEC)
− Bakezyme(登録商標)PH800BG(フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)由来のリパーゼ;DSM社)(BAK)
− Veron(登録商標)Hyperbake−T(フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のリパーゼ;AB enzymes社)(HYP)
PH2、PH3、およびPH4酵素は、後でここに記載する対応する遺伝子のクローニングおよび発現により取得した。その他の酵素は、その各供給業者から取得した。
PH2、PH3、およびPH4遺伝子のクローニング
pelBリーダー配列および下記の標準的なプロトコールを使用して、pET22bプラスミド中に発現させるために、推定脂肪分解酵素遺伝子の同定された配列に基づき、酵素をコードするDNA配列を合成した。
pelBリーダー配列および下記の標準的なプロトコールを使用して、pET22bプラスミド中に発現させるために、推定脂肪分解酵素遺伝子の同定された配列に基づき、酵素をコードするDNA配列を合成した。
PH2、PH3、およびPH4に対応するDNA配列を表Aに示し、それぞれ、配列番号8、配列番号9、および配列番号10に該当する(表Aを参照)。
完全合成したDNA断片を、pUC19誘導プラスミド中にサブクローン化した。このプラスミドを、大腸菌(E.coli)DH5α(登録商標)ウルトラコンピテント細胞を形質転換するのに使用した。Pure Yield Midiprep System(Promega社)を用いて作製した精製プラスミド調製物を該当する制限酵素を使用して消化し、脂肪分解酵素コーディング配列を含有するDNA断片を単離した。この断片を、pET22b(+)クローニングベクター(Novagen社)中にサブクローン化し、そして得られた組換えプラスミドを、大腸菌(E.coli)BL21(DE3)細胞(Agilent Technologies社)中に形質転換した。Pure Yield Midiprep System(Promega社)を用いて作製した精製プラスミド調製物を、ABI3700DNAシーケンサー(Applied Biosystems社)を使用して配列決定した。挿入された断片の配列決定を、ユニバーサルプライマーのT7プロモーターおよびT7ターミネーター、ならびに内部DNA配列に対応するプライマーを使用して実施した。得られた配列は、予想した配列と同一であった。
組換え株の培養およびPH2、PH3、およびPH4の生成
脂肪分解酵素遺伝子を担持する大腸菌(E.coli)BL21(DE3)細胞を5時間、事前培養(37℃)し、その15mlを10000gで1分間遠心分離し、そしてペレットを、2リットル振盪フラスコ内で、200μg/mlのアンピシリンを含有するTerrific broth(12g/lのBacto Tryptone(Difco社)、24g/lの酵母菌抽出物(Difco社)、4ml/lのグリセロール、12.54g/lのK2HPO4、2.31g/lのKH2PO4)、500ml中に再懸濁した。培養物を37℃および250rpmでインキュベートし、550nmにおける吸収が3〜4に達したら、1mMのイソプロピル−1−チオ−β−ガラクトピラノシドを用いて酵素の発現を誘発した。
脂肪分解酵素遺伝子を担持する大腸菌(E.coli)BL21(DE3)細胞を5時間、事前培養(37℃)し、その15mlを10000gで1分間遠心分離し、そしてペレットを、2リットル振盪フラスコ内で、200μg/mlのアンピシリンを含有するTerrific broth(12g/lのBacto Tryptone(Difco社)、24g/lの酵母菌抽出物(Difco社)、4ml/lのグリセロール、12.54g/lのK2HPO4、2.31g/lのKH2PO4)、500ml中に再懸濁した。培養物を37℃および250rpmでインキュベートし、550nmにおける吸収が3〜4に達したら、1mMのイソプロピル−1−チオ−β−ガラクトピラノシドを用いて酵素の発現を誘発した。
PH2、PH3、およびPH4の回収
37℃で15時間インキュベーションした後、4℃、18000gで30分間遠心分離して細胞を採取し、10mMのNaClを含有する50mMのBICINE中に再懸濁し、予め冷却した細胞破砕装置(Panda 2K、Niro Soavi社、GEA Process Engineering Division)内、1500barsにおいて破壊し、そして40,000gで30分間遠心分離した。0.2%の硫酸プロタミン(Calbiochem社)を用いて処理し、そして40,000gで30分間遠心分離することにより、染色体DNAを未精製の細胞ライセートから除去した。25単位のベンゾナーゼ(Merck社、Darmstadt、ドイツ)を、次に溶液に添加した。そのような処理の後、脂肪分解酵素調製物を、カットオフの範囲が0.05〜1μmのミリポアPODシステム上でのエンド濾過により清澄化し、次に5kDaのカットオフ値を有するクロスフロー濾過システム(Satocon−Sartorius社)上での限外濾過により濃縮した。濃縮した酵素溶液を、0.8〜0.22μmのエンド濾過(アブソリュートフィルター)を含む滅菌濾過システム上で濾過した。
37℃で15時間インキュベーションした後、4℃、18000gで30分間遠心分離して細胞を採取し、10mMのNaClを含有する50mMのBICINE中に再懸濁し、予め冷却した細胞破砕装置(Panda 2K、Niro Soavi社、GEA Process Engineering Division)内、1500barsにおいて破壊し、そして40,000gで30分間遠心分離した。0.2%の硫酸プロタミン(Calbiochem社)を用いて処理し、そして40,000gで30分間遠心分離することにより、染色体DNAを未精製の細胞ライセートから除去した。25単位のベンゾナーゼ(Merck社、Darmstadt、ドイツ)を、次に溶液に添加した。そのような処理の後、脂肪分解酵素調製物を、カットオフの範囲が0.05〜1μmのミリポアPODシステム上でのエンド濾過により清澄化し、次に5kDaのカットオフ値を有するクロスフロー濾過システム(Satocon−Sartorius社)上での限外濾過により濃縮した。濃縮した酵素溶液を、0.8〜0.22μmのエンド濾過(アブソリュートフィルター)を含む滅菌濾過システム上で濾過した。
リパーゼおよびホスホリパーゼの酵素活性を、例1のプロトコールを使用して決定した。結果を表1に示す。
試験の温度を除き、例1のホスホリパーゼアッセイ法を使用して、酵素活性を温度の関数として決定した。結果を表2に示す。
酵素の安定性を、酵素サンプルを50℃で30、60、および240分間、事前インキュベートした後、例1と同様にホスホリパーゼアッセイを実施することにより決定した。結果を表3に示す。
例3
クラスティロール
脂肪分解酵素を組み合わせたときの効果を、クラスティロール製造において試験した。クラスティロールを、表4のパン生地組成物を使用して調製した。
クラスティロール
脂肪分解酵素を組み合わせたときの効果を、クラスティロール製造において試験した。クラスティロールを、表4のパン生地組成物を使用して調製した。
成分を、Eberhardt N24ミキサー中にて、低速で2分間、および高速で5分間混合した。最終パン生地温度、ならびに休止およびプルーフィング温度は、25℃であった。25℃で15分間休ませた後、パン生地を手作業により再加工し、そしてさらに10分間休ませた。その後、2kgのパン生地ピースを成形し、そして10分間プルーフィングした。2kgのパン生地ピースを分割し、そしてRotamatを使用して成形した。50grの丸まったパン生地ピースを得た。さらに5分間休ませた後、パン生地ピースをプレスにより裁断し、そしてパン生地ピースの50%を35℃で120分間行われる最終プルーフィング段階に供し、またパン生地ピースの50%をショック試験(パン生地を収納するトレーを、10cmの高さから棚上に落下させる)に供し、そして35℃で120分間行われる最終プルーフィング段階に供した。パン生地ピースを、蒸気発生装置付きのMIWE Roll−Inオーブン(Michael Wenz−Arnstein社−ドイツ)中にて、230℃で焼き上げた。一般的に使用されるナタネ置換法(rapeseed displacement method)を使用して、6個のロールの容積を測定した。
結果を表5に示す。
結果は、本発明による組成物の第1の酵素に対応する酵素1、および本発明による組成物の第2の酵素に対応する酵素2を使用すれば(「1+2」)、参照品(「無し」)よりも、または酵素を単独使用する場合(「1」もしくは「2」)よりも良好な容積の改良、および良好なパン生地許容度が得られることを示す。さらに、この効果は、酵素を組み合わせれば、酵素を個別に使用して得られる結果の合計(「1/2」)よりも高い結果が得られるので相乗的である。
例4
クラスティロール
脂肪分解酵素を組み合わせたときの効果をクラスティロール製造において試験した。
クラスティロール
脂肪分解酵素を組み合わせたときの効果をクラスティロール製造において試験した。
例3と同様に、クラスティロールを調製および評価した。酵素を、表6のスキームに基づき、パン生地に添加した。酵素用量は下記の通りであった:PH3 315PmU/パン生地;LIM 690LmU/パン生地;HYP 1200LmU/パン生地;LEC 1400LmU/パン生地。
結果は、本発明による組成物の第1の酵素に対応する酵素1(PH3)、および本発明による組成物の第2の酵素に対応する酵素2(LIMまたはHYP)を使用すれば、参照品よりも、または酵素を単独使用する場合よりも良好な容積の改良および良好なパン生地許容度が得られることを示す。
例5
ブタ膵臓リパーゼ
ブタ膵臓由来のホスホリパーゼA2(PPL;Sigma社から購入、ref.P6534−10MG)について、例1の酵素活性を決定した。
ブタ膵臓リパーゼ
ブタ膵臓由来のホスホリパーゼA2(PPL;Sigma社から購入、ref.P6534−10MG)について、例1の酵素活性を決定した。
精製された酵素のタンパク質含有量は、3.66mg/mlである。
例3と同様に、クラスティロールを調製および評価した。酵素用量はそれぞれ下記の通りであった:LIM:690LmU/パン生地;PH4:703PmU/パン生地;PPLa:0.44mg/パン生地;PPLb:1.76mg/パン生地。
結果を表8に示す。
この結果は、ブタ膵臓ホスホリパーゼA2はパン生地許容度に対して相乗的効果を有さないこと、および酵素の用量を増加しても効果を有さないことを示す。
例6
乳化剤の置き換え
ピコロス製造における乳化剤の置き換えについて、脂肪分解酵素を組み合わせたときの効果を試験した(オーバーナイト法)。ピコロスを、表9のパン生地組成物を使用して調製した。
乳化剤の置き換え
ピコロス製造における乳化剤の置き換えについて、脂肪分解酵素を組み合わせたときの効果を試験した(オーバーナイト法)。ピコロスを、表9のパン生地組成物を使用して調製した。
成分を、Eberhardt N24ミキサー中、低速で2分間、および高速で5分間混合した。最終パン生地温度、ならびに休止およびプルーフィング温度は、25℃であった。25℃で5分間休ませた後、パン生地を手作業により再加工し、そしてさらに5分間休ませた。その後、パン生地を分割し、そしてRotamatを使用して成形した。70grのパン生地ピースを得た。パン生地ピースを、Komaプルーフボックス中、約2℃、オーバーナイトで保管した。プルーフボックスの温度を6時間かけて25℃まで徐々に高めた。25℃および湿度95%で30分間、最終プルーフィングを行った後、パン生地ピースをナイフで1回裁断し、そして蒸気発生装置付きのMIWE Roll−Inオーブン(Michael Wenz−Arnstein社−ドイツ)中、230℃で18分間焼き上げた。一般的に使用されるナタネ置換法を使用して、6個のピコロスの容積を測定した。
結果を表10に示す。
結果は、本発明による酵素を組み合わせれば、パン生地レシピーにおいて、乳化剤の完全な置き換えが可能になることを示す。
結果は、本発明による酵素を組み合わせれば、パン生地レシピーにおいて、乳化剤の完全な置き換えが可能になることを示す。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の間、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む組成物。
[2]
前記第1の酵素が、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択される、[1]に記載の組成物。
[3]
前記第1の酵素が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および/または配列番号5のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、好ましくは配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、より好ましくは配列番号2および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、なおいっそうより好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記第1の酵素が、45℃に等しい、またはそれより高い温度で至適ホスホリパーゼ活性を有することにより特徴づけられる、先行するいずれか1態様に記載の組成物。
[5]
前記第2の酵素が、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、またはフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択される、先行するいずれか1態様に記載の組成物。
[6]
前記第2の酵素が、配列番号6および/もしくは配列番号7のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、またはNovozymes社のLipopan(登録商標)Max、もしくはAB enzymes社のVeron(登録商標)Hyperbake Tから選択される、先行するいずれか1態様に記載の組成物。
[7]
ベーカリー用途における、[1]〜[6]に記載の組成物の使用。
[8]
パン改良剤における[7]に記載の使用。
[9]
パンまたはパティセリー製品、好ましくはケーキ、パン、バゲット、またはロールにおける、[7]または[8]に記載の使用。
[10]
[1]〜[6]のいずれか1に記載の組成物を含むパン改良剤。
[11]
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法。
[12]
前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜50000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜30000PmU/粉100kgの間の前記第1の酵素、および10000〜100000LmU/粉100kgの間、好ましくは20000〜70000LmU/粉100kgの間の前記第2の酵素を含む、[11]に記載の方法。
[13]
前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示す、[11]または[12]に記載の方法。
[14]
前記ベーキング製品が、改良された新鮮度を示す、[11]または[12]に記載の方法。
[15]
[1]〜[6]のいずれか1に記載の組成物を含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の間、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む組成物。
[2]
前記第1の酵素が、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択される、[1]に記載の組成物。
[3]
前記第1の酵素が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および/または配列番号5のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、好ましくは配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、より好ましくは配列番号2および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、なおいっそうより好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記第1の酵素が、45℃に等しい、またはそれより高い温度で至適ホスホリパーゼ活性を有することにより特徴づけられる、先行するいずれか1態様に記載の組成物。
[5]
前記第2の酵素が、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、またはフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択される、先行するいずれか1態様に記載の組成物。
[6]
前記第2の酵素が、配列番号6および/もしくは配列番号7のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、またはNovozymes社のLipopan(登録商標)Max、もしくはAB enzymes社のVeron(登録商標)Hyperbake Tから選択される、先行するいずれか1態様に記載の組成物。
[7]
ベーカリー用途における、[1]〜[6]に記載の組成物の使用。
[8]
パン改良剤における[7]に記載の使用。
[9]
パンまたはパティセリー製品、好ましくはケーキ、パン、バゲット、またはロールにおける、[7]または[8]に記載の使用。
[10]
[1]〜[6]のいずれか1に記載の組成物を含むパン改良剤。
[11]
0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法。
[12]
前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜50000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜30000PmU/粉100kgの間の前記第1の酵素、および10000〜100000LmU/粉100kgの間、好ましくは20000〜70000LmU/粉100kgの間の前記第2の酵素を含む、[11]に記載の方法。
[13]
前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示す、[11]または[12]に記載の方法。
[14]
前記ベーキング製品が、改良された新鮮度を示す、[11]または[12]に記載の方法。
[15]
[1]〜[6]のいずれか1に記載の組成物を含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品。
Claims (15)
- 0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、より好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の間、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を含む組成物。 - 前記第1の酵素が、カエトミウム・サーモフィルム(Chaetomium thermophilum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・ルバー(Meiothermus ruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、メイオサーマス・シルバヌス(Meiothermus silvanus)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、ストレプトマイセス・バイオラセオルバー(Streptomyces violaceoruber)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、および/またはフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)由来のホスホリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択される、請求項1に記載の組成物。
- 前記第1の酵素が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、および/または配列番号5のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、好ましくは配列番号1、配列番号2、および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、より好ましくは配列番号2および/または配列番号3のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、なおいっそうより好ましくは配列番号3と少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記第1の酵素が、45℃に等しい、またはそれより高い温度で至適ホスホリパーゼ活性を有することにより特徴づけられる、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記第2の酵素が、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素、またはフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)由来のホスホリパーゼ活性およびリパーゼ活性を有する脂肪分解酵素から選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記第2の酵素が、配列番号6および/もしくは配列番号7のいずれかと少なくとも85%の配列同一性を有する、またはNovozymes社のLipopan(登録商標)Max、もしくはAB enzymes社のVeron(登録商標)Hyperbake Tから選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
- ベーカリー用途における、請求項1〜6に記載の組成物の使用。
- パン改良剤における請求項7に記載の使用。
- パンまたはパティセリー製品、好ましくはケーキ、パン、バゲット、またはロールにおける、請求項7または8に記載の使用。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を含むパン改良剤。
- 0.01〜100の範囲、好ましくは0.01〜80の範囲、より好ましくは0.01〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜50の範囲、なおいっそうより好ましくは0.01〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは1〜25の範囲、なおいっそうより好ましくは2〜25の範囲のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比を有する少なくとも1つの第1の酵素と、
5000〜60000の範囲、好ましくは10000〜50000の間、より好ましくは15000〜50000の間のホスホリパーゼA1活性/ホスホリパーゼA2活性の比、および500またはそれ超のホスホリパーゼA1活性/リパーゼ活性の比を有する少なくとも1つの第2の酵素と
を、ベーキング前にパン生地またはバッターに添加する工程を含む、ベーキング製品を調製する方法。 - 前記パン生地またはバッターが、5000〜100000PmU/粉100kgの間、好ましくは7000〜50000PmU/粉100kgの間、より好ましくは10000〜30000PmU/粉100kgの間の前記第1の酵素、および10000〜100000LmU/粉100kgの間、好ましくは20000〜70000LmU/粉100kgの間の前記第2の酵素を含む、請求項11に記載の方法。
- 前記パン生地またはバッターが、改良された許容度を示す、請求項11または12に記載の方法。
- 前記ベーキング製品が、改良された新鮮度を示す、請求項11または12に記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を含むパン生地またはバッターから調製されるベーキング製品。
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