JP2019512558A - インキの製造方法、インキおよびその使用 - Google Patents

インキの製造方法、インキおよびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2019512558A
JP2019512558A JP2018541338A JP2018541338A JP2019512558A JP 2019512558 A JP2019512558 A JP 2019512558A JP 2018541338 A JP2018541338 A JP 2018541338A JP 2018541338 A JP2018541338 A JP 2018541338A JP 2019512558 A JP2019512558 A JP 2019512558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nanoparticles
ink
solvent
molecules
stabilizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2018541338A
Other languages
English (en)
Inventor
ヤクシェンコ・アレクセイ
ハーマッハー・シュテファニー
マイアー・ディルク
オッフェンホイザー・アンドレアス
Original Assignee
フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング filed Critical フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
Publication of JP2019512558A publication Critical patent/JP2019512558A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/52Electrically conductive inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/03Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder
    • C09D11/033Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder characterised by the solvent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/03Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder
    • C09D11/037Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder characterised by the pigment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/322Pigment inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/36Inkjet printing inks based on non-aqueous solvents

Abstract

本発明は、インキを製造する方法に関し、以下の工程を特徴とする:a) 0.1〜最大20nmの大きさを有するナノ粒子を提供する。b) 短鎖の分枝した有機安定剤分子は、カップリング反応によってナノ粒子の表面に結合される。c) 安定化したナノ粒子を、溶媒中に取り込み、分散させる。インキおよびその使用が開示さる。

Description

本発明は、インキの製造方法、インキおよびその使用に関する。
ナノ粒子、特にインキ用の顔料を、インキ中のナノ粒子の凝集および凝集を防止するために、表面改質により化学的に安定化させることは知られている。このような安定化は、金属ナノ粒子をベースとする機能性インキにも使用されている。
安定化されたナノ粒子は、例えば、ブラスト−シフリン(Brust−Schiffrin)合成により、二相系において塩化金(AuCl)から合成できる(Brust et al. Synthesis of Thiol−derivatised Gold Nanoparticles in a Two−phase Liquid−Liquid System. J. CHEM. SOC., CHEM. COMMUN., 1994. p. 801(非特許文献1)。このプロセスにより、約1〜3nmのサイズの安定化された金粒子が得られる。ドデカンチオールを安定剤分子として使用した。
米国特許第7 963 646 B2号明細書(特許文献1)からは、AuまたはAgナノ粒子から水性インキを製造することが知られている。安定剤分子として、水溶性ポリマー、特にカルボキシメチルセルロースが提案された。
米国特許第8227022号明細書(特許文献2)からは、特に、インキのための水性分散液中の金属塩を製造することが知られている。該方法は、金属塩の水溶性ポリマーによる前還元工程、およびその後の粒子の完全な化学的還元を有する。
国際公開第2001068596A1号パンフレット(特許文献3)からは、装飾目的のために安定化された金ナノ粒子を使用することが知られている。
欧州特許第1 818 123 B1号明細書(特許文献4)からは、同様に、安定化された金ナノ粒子を使用することが知られている。粒子はさらに官能化される。
ドイツ国特許出願公開第10 2012 021 222 A1号明細書(特許文献5)からは、いくつかのナノ粒子種をその後焼結することによってナノ多孔層を製造するインクジェット印刷方法が知られている。
インキ用のナノ粒子は、一般に、化学的に合成された溶媒および添加剤中に組み込まれる。これらは、一般に非常に毒性が強いため、いくつかの製造プロセスとの互換性がない。例えば、これらは食品包装に使用できない。
さらなる不利点としては、ナノ粒子の高い溶融温度またはこれに基づくインキの高い焼結温度である。
米国特許第7 963 646 B2号明細書 米国特許第8227022号明細書 国際公開第2001068596A1号パンフレット 欧州特許第1 818 123 B1号明細書 ドイツ国特許出願公開第10 2012 021 222 A1号明細書
Brust et al. Synthesis of Thiol−derivatised Gold Nanoparticles in a Two−phase Liquid−Liquid System. J. CHEM. SOC., CHEM. COMMUN., 1994. p. 801
本発明の課題は、可能な限り低い焼結温度を有する導電性または半導電性のインキ、ペーストまたはコーティング剤(Lack)の製造方法であって、その焼結温度は材料によって大きく異なるが、好ましくは200℃未満である該方法を提供することである。
本発明のさらなる課題は、好ましくは200℃未満の焼結温度を有する、低い焼結温度を有する対応するインキを提供することであり、これは従来技術の欠点を有さない。
上記の課題は、主請求項および従属請求項に記載の方法、インキおよび該インキの使用によって解決される。有利な実施形態は、それぞれに関連する特許請求の範囲から与えられる。
インキを製造する方法は、次の工程を特徴とする。
a) 0.1〜最大20nm、特に、0.5〜最大5nmの大きさのナノ粒子を提供する工程。ナノ粒子は、「ボトムアップ」法または「トップダウン」法のいずれかで調製することができる。
b) 短鎖分枝状の有機安定剤分子を、カップリング反応によってナノ粒子の表面に共有結合させる工程。安定剤分子として、一種または数種以上の分子を逐次的にまたは同時に使用できる。「短鎖」という語は、炭素原子数2〜30の骨格を有する安定剤分子を指す。
c) インキを製造するために、安定化されたナノ粒子を溶媒中に採り入れ、かつ、分散させる工程。
提供されたナノ粒子は、好ましくは、例えば、Au、Pt、Ag、Pd、Cu、Cr、Ni、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Zn、Y、Zr、Nb、Tc、Ru、Mo、Rh、W、Co、Cd、Hf、Ta、Re、Os、Al、Sn、In、Ga、Irのような金属または遷移金属、これらの酸化物及び塩、及び前述の二つまたは三つ以上の材料の合金、並びに例えば、これらの材料の二つまたは三つ以上からなる混合物のような非合金化された組み合わせ由来の核(コア)を含む。特に、純粋な金属をナノ粒子の材料として使用することができる。
有利には、工程a)で提供されたナノ粒子を、分岐した短鎖の有機分子と結合させてナノ粒子を安定化させ(工程b))、そしてその後、溶液中に分散させることによって導電性または半導電性インキに転換する(工程c))。
このようにして、従来技術のインキおよび安定化ナノ粒子の固有の欠点を回避することができる。従って、本発明による導電性半導体インク、コーティング及びペーストの利点は、次のとおりである。
1. 少なくとも230℃という市販の金インキ(日本のハリマ)の高い焼結温度と比較して、低い焼結温度。
2. 200℃未満の作業温度を有するポリマーフィルム上に印刷されたエレクトロニクス用基材への本発明の金インクの高い適合性。対照的に、従来技術の金ナノ粒子は>200℃の融点を有する。
3. 低製造コスト、特に、トップダウン合成によって製造されたナノ粒子の製造コストが低い。ブラスト−シフリンによる「ボトムアップ」合成の場合、対照的に、ナノ粒子は、大量の溶媒を用いた複雑な合成によって提供され、その結果廃棄物が生ずる。
4. 比較的低い純度のナノ材料、並びに汚染された原料およびいくつかの反応工程によるブラスト−シフリンによる「ボトムアップ」合成の場合のナノ材料とは対照的に、本発明によるナノ粒子の高い純度が提供される。
5. 最終的なインキおよびナノ材料の製造において、環境に有害な、または食品に適合しない溶媒および試薬が回避される。
本発明による方法は、特に、工程a)において、金属および遷移金属、それらの酸化物または塩および上記材料の二つまたは三つ以上の合金およびそれらの非合金化された組み合わせ(混合物)由来のナノ粒子を提供することができる。
本発明の一実施形態では、ナノ粒子は、
a1) ブラスト−シフリン合成および/または
a2) 乾式粉砕または溶媒による湿式粉砕する、
ことによって提供される。
工程a2)における溶媒は、安定化シェルの構築に必要な安定剤分子および/またはさらなる溶媒を既に含んでいることができる。これには大きな利点がある。つまり、本発明の範囲において、ナノ粒子の製造のためのブラスト−シフリンによる上述の「ボトムアップ」法では、不都合なことに、反応物の化学反応によって生じる多量の溶媒および廃棄物が生成されることが判明した。
それに対して、工程a2)において、本発明によれば、ナノ粒子の製造のための少なくともひとつの「トップダウン」法が有利に提案される。このために、排他的ではないが、Ni、Sc、Ti、V、Mn、Fe、Zn、Y、Zr、Nb、Tc、Ru、Mo、Rh、W、Co、Cd、Hf、Ta、Re、Os、Al、Sn、In、Ga、Irのような純粋なバルク金属、およびそれの酸化物および塩、および前述の材料の二つまたは三つ以上の合金、並びに、例えば、二つまたは三つ以上のこれらの材料からなる混合物のような非合金化された組合せからなる金属ナノ粒子を粉砕してインクに適したナノ粒子にし、そして安定化することができる。乾式および湿式粉砕プロセス並びにここに挙げたさらなる方法のいずれも、資源がブラスト−シフリン合成よりも穏やかで安価であるという利点を有する。
このために、工程b)によるカップリング反応は、工程a2)による湿式粉砕の間に、場合によってはさらなる溶媒中に溶解した安定剤分子をすでに添加することによって任意に実施することができる。このさらなる溶媒は、安定化シェルの構築における潤滑剤としておよび/または粉砕中の冷却剤としても利用される。
特に、トップダウンプロセスとしての湿式粉砕は、有利に時間とコストとを節約し、かつ、より純粋な製品をもたらす。それゆえ、これ以上のないこの方法により、安定化した純金属からなるナノ粒子を、工程a)および工程b)を同時に含む単一の工程で提供することが可能である。
このように、ナノ粒子は、小さくても大きくても、公知の「ボトムアップ(bottom−up)」法、例えば、ブラスト−シフリン合成、および/または「トップダウン」法をも用いた本発明の範囲内で合成できる。「トップダウン」法として、例えば、既知のレーザーアブレーションを液体中で、および/または湿式または乾式粉砕に使用することができる。
特に、いくつかの安定化されたナノ粒子は、このような方法のうちの少なくとも一つによって提供できる。
有利には、ミル、例えば、ボールミル(ボールミル)または遊星ミル(遊星ミル)の使用が提案されており、その場合、バルク材料、例えば、金が使用され、そして、ナノメートル範囲の粒子に粉砕される。そのようなミルの一つにおいて、材料は、例えば酸化ジルコニウム製の硬質ボールで細かく砕かれる。ミル内での粉砕プロセスにより、高速または高エネルギーが達成され、これにより、硬質ボールは材料をナノ粒子に微粉砕することができる。
粉砕プロセスは、一つの工程またはいくつかの工程を含むことができ、上述したように、乾式および/または湿潤式のいずれかを選択できる。例えば、より大きいボール(mmサイズ)を有する大きな金の顆粒を、最初に、乾式粉砕によって小さな微粒子に粉砕することができる。続いて、該粒子を、より小さいボール(μmサイズ)を用いた湿式粉砕プロセスによりナ粒子に粉砕する。粉砕プロセスの他の変法および順番は可能な限り同じである。
形成されたナノ粒子の安定化のために、湿式粉砕プロセスにおいて、潤滑剤または冷却剤としても利用される適切な安定剤分子および溶媒が用いられる。他の添加剤を使用することができる。
安定剤分子としては、上記のものまたは他のものを使用することができる。
本発明による方法の工程a)および/または工程b)が完了した後、任意に、特に有利には、このようにして粉砕ボールから製造された安定化ナノ粒子、および、未反応および/または、場合によっては、新たに発生し、かつ、場合によっては、望ましくない成分を精製および分離するために、少なくとも一回の洗浄工程を行うことができる。
少なくとも一回の粉砕工程では、安定かつ化学的に不活性な分子を安定剤分子として使用することが必要である。なぜなら、粉砕プロセス中の高エネルギーによって、化学的変化により安定性の低い分子が消滅する可能性があるからである。
工程b1)による第一の安定化シェルは、その後、さらなる工程b2)において、対抗する第二の安定化シェルと交換することができる。このために、SAM(English:Self−Assembled Monolayer(自己組織化単分子膜))−原理、例えば、いわゆる交換反応(「配位子交換」反応)を用いることができる。この目的のために、製造されたナノ粒子は、一種または二種以上の安定剤分子からなる所望の安定剤分子、および、上述の第二の安定剤分子を含有する溶液に移送される。これらは、所定時間後に、シェル内の元の安定剤分子は置き換わる。
これらの「新しい」安定剤分子は、好ましくは、より強い結合を有する、すなわち、「古い、最初の」ナノ粒子よりも高い結合エネルギーがナノ粒子にもたらされ、それにより、交換反応が完全に進行する。これは、本発明による粒子に「新しい、第二の」安定剤分子が共有結合する一方で、「古い、第一の」安定剤分子は共有結合していないということによって達成できる。
粉砕プロセスは、化学合成(「ボトムアップ」、例えば、ブラスト−シフリン合成)とは対照的に、さらなる利点を有する。
1. ナノ粒子が「ボトムアップ」合成で合成される出発材料/原料が、たいていの場合汚染されている金属塩(例えば、塩化金AuCl)と比較して、非常に純粋である(例えば、金99.999%)。本発明によれば、より純粋なナノ粒子が合成される。
2. 純粋な金属(例えば、金)は、金属塩、特に純度の高い金属塩に比べてはるかに安価である。したがって、本発明によるナノ粒子は、金属塩由来のナノ粒子よりも有利である。
3. 粉砕により、小さい体積の溶媒および多量の原料で、多量のナノ粒子を製造することができる。これにより、ナノ粒子製造の価格がさらに低下する。
4. より少ない量の溶媒が使用され、これは価格を低下させるだけでなく、有毒廃棄物の量も減少させる。
5. 溶媒と同時に、安定剤分子を添加して安定化シェルを構築することができる。
上記の意味において、工程a)および工程b)、および、場合によっては、工程c)を単一のアプローチにおいて遂行し、および、この方法で安定化されたナノ粒子を提供することが考えられ、場合によっては、工程b)の後に追加の洗浄工程を伴う。
これは、特に、工程c)においてこのような環境を損なわない溶剤が使用される場合、さらなるコスト削減および環境を損なわない(環境に優しい)ナノ粒子製造に役立つ。
工程b)のための安定剤分子としての分枝状有機分子の選択は、この方法にとって非常に重要性が高い。このために、安定剤分子は、C〜最大C30−部分を有するべきである。安定剤分子は、特に、2−メチル−1−ブタンチオールまたは3−メチル−2−ブタンチオールであるが、これに限定されるものではない。
これは、焼結中の圧力の後で安定剤分子を昇華させ、気相中にそれらを移動させることに有利に作用する。適切な安定剤分子は、特に、以下の化学基を有する分子である:アルキル−、アリール−、ベンジル−、脂環式、複素環式など。工程b)のための少なくとも一つの安定剤分子を使用して、それをナノ粒子の表面に共有結合させる。
したがって、工程c)によるインキ中のナノ粒子のその後の懸濁における重要な点は、工程b)による懸濁液中での安定化のやり方である。この安定化は、安定剤分子によって達成される。安定剤としては有機分子、特に、自己組織化単分子膜(SAM)、ポリマー、界面活性剤およびその他の材料を使用することができる。
これらの分子はナノ粒子の核(コア)に共有結合するべきである。安定剤分子は、ナノ粒子の核の周囲にシェルを形成する。安定化シェルは、本質的に、小さな(1〜20nm)ナノ粒子の特性、とりわけ、異なる溶媒におけるそれらの溶解度および焼結温度を決定することが知られていた。そのため、適正な安定化シェルの選択と設計が不可欠である。
工程b)におけるカップリング反応の終わりに、安定剤分子からなる単層が、安定化シェルとして、共有結合によってナノ粒子の周りに配置される。
安定化シェルの厚さは、ナノ粒子の半径のせいぜい0.1〜10倍に相当しているべきであり、そして、個々の安定剤分子の長さによって制限される。工程b)においていくつかの安定剤分子を使用する場合、その単層の厚さも最長の安定化剤の長さに対応する。工程b)によるカップリング反応および工程a)および/または工程b)によるプロセス中のナノ粒子のサイズは、例えば、画像形成法または光散乱法によって適切にチェックすることができる。
安定化シェルの厚さは、ナノ粒子半径の0.1〜10倍、すなわち約0.1〜10nm、より好ましくは0.5〜5nmであるべきである。いずれの場合にも、単層の安定化シェルの厚さは、個々の安定剤分子または最長の安定剤分子の長さによって制限される。
シェルは、例えば、ブラスト−シフリン法(「ボトムアップ」)による合成中に直接的に形成されるか、またはナノ粒子製造後に既に存在するナノ粒子の表面上に形成される。
本発明の特に有利な一実施形態では、ナノ粒子製造するための「トップダウン」プロセスの間に、同時に、湿式粉砕プロセスにおける粉砕の間にナノ粒子の核上にそれらを配置することができる。
シェルまたは安定剤分子としては、短鎖の、つまり、30個までの炭素原子(C30)を含む分子だけが使用されるべきである。分枝状の有機分子は、同様に、その場での「トップダウン」法における合成の間に、または合成後、ナノ粒子の核の上に配置することができる。
従来技術においては、一般に、安定剤として短い線状分子または非常に長いポリマーが使用されている。というのも、それらはナノ粒子の周囲に非常に高密度で空隙のないシェルを形成するからである。しかしながら、低い焼結温度を有する導電性及び半導電性のインキに使用するためには、特に、それが食品技術のための基材である場合には、安定剤分子として分岐状の分子を本発明により使用するのがより有利である。
したがって、本発明によるインキは、食品技術における外側包装の製造に特に適しているため、使用可能である。
本発明の範囲内で、分枝状の安定剤分子は、相互立体障害による、多数の空隙を有する比較的密ではないシェルを小さなナノ粒子の核の周りに形成することが知られている。これは、有利には、立体障害のために、線状の安定剤分子よりも面積当たりの安定剤分子の総数がより少ないという効果を有する。
この効果は、低い焼結温度を有するインキを提供するために本発明に従って使用される。これら二つの因子、つまり、密ではないパッケージングおよび小さいナノ粒子上の単位面積当たりの安定化剤分子の数は、ナノ粒子が少なくとも部分的に印刷された基材上で溶融する温度である焼結温度を意図的に低下させるのには初めて使用される。
これにより、基材上の個々の小さなナノ粒子間に橋渡し(融合、合体)が有利に形成され、これが連続層を形成する。
短い鎖長(C30以下)は、焼結温度が低いままであること、かつ、安定剤分子が、ナノ粒子の焼結温度またはそれ以下で昇華して気相に移行することを有利に保証する。完成した製品、特にプリント回路においては、安定剤分子は実のところ望ましくない。
少なくとも一種の安定剤分子がナノ粒子の核に共有的に結合することになる。安定剤分子Rは、とりわけ、アルキル残基、アリール残基、ベンジル残基、脂環式残基および/または複素環式残基からなることができる。これらは、飽和または不飽和、すなわち、炭素二重結合(sp-混成)または炭素モノボンド(sp-混成)のみであることができる。
分岐状の残基Rは特に有利である。頭部基、いわゆる安定剤分子Rのα位は、例えば、カルボキシル基、アルキル基、エステル基、チオエーテル基、エーテル基、アミン基、ヒドロキシアミン基、アミド基などから形成することができ、多種多様な溶解性を提供することができる溶媒を確実にする。
安定剤分子のシェルは、ナノ粒子(シェルを含まない)が特に小さい場合、すなわち、特に半径が最大で20nm、好ましくは最大で10nmである、特に好ましくは、最大9、8、7、6、5、4、3、2、1nmである場合に、ナノ粒子の焼結温度に大きく影響する。
より大きいナノ粒子の場合、ナノ粒子の直径または材料の固有の特性は、焼結温度に大きな影響を及ぼす。したがって、安定化シェルの厚さは、ナノ粒子の半径の0.1〜10倍、すなわち0.1〜10nm、最も好ましくは0.5〜5nmの厚さでなければならない。上述したように、単層の安定化シェルの厚さは、使用される個人または最も長い安定剤分子の長さによって制限される。
特に低い焼結温度を有するナノ粒子を得るために、特に最大で5、4、3、2、1nmの半径を有するナノ粒子を使用することが可能である。安定化シェルに上述の安定剤分子を使用することによって、特に低い融点または焼結温度を達成することができる。このような粒子は、同様に、「ボトムアップ」合成で合成することができ、および/または「トップダウン」法によって得ることができる。完成したインキに使用されるナノ粒子の種類の少なくとも一つは、この条件に従うことができる。
工程a)〜b)に従って、特に洗浄工程後、および、場合によっては、ろ過工程、および、場合によっては、乾燥工程後に、該方法によって製造された安定化されたナノ粒子は、工程c)によるインキのベースとなる溶剤中に再び取り込まれる。場合によっては、洗浄工程および/またはろ過工程および/または乾燥工程を伴う工程a)〜b)および、特に、工程a)〜c)のいずれも、本発明の課題を既に解決している。
例えば、インクジェットインキとして、安定化シェルを有する金属性インキまたは金属酸化物ベースのインキを加工するために、以下の工程が必要である:
1. 特にトップダウン法および/またはボトムアップ法により、安定化されたナノ粒子を製造する工程。
2. 工程c)のための溶媒または溶媒混合物を準備する工程。液相は、インキ中に30〜95%の質量割合を有する。
3. 工程b)の後に溶媒または溶媒混合物中に5〜70%の質量割合でナノ粒子を添加する工程。
4. 工程c)に従って懸濁液またはインキを製造するために、ナノ粒子を溶媒中に混合および分散させる工程。
任意に、懸濁液またはインキは、工程c)の前または後に、例えば、孔径0.8μmのフィルターでろ過することができる。
懸濁液またはインキに、工程c)の前または後にさらなる添加剤を添加することができる。本発明によるインキには、分散剤、結合剤、湿潤剤、接着剤等を添加することができる。
インクジェットインキのために、ナノ粒子の質量割合は、好ましくは5〜70%、特に、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39および40%に調節される。他の印刷法または堆積法のためのコーティング剤およびペーストは、より大きいかまたはより小さいかいずれかの重量割合を有することができる。
完成したインキが環境にやさしく、かつ、食品に適合する、例えば、溶媒および添加剤を有する場合、好ましくは表示義務のない成分の場合に有利である。
インキを調合する際に、工程c)のための天然の非毒性溶媒および添加剤を使用することが特に有利である。例えば、特にテルペン系の溶媒または添加剤を使用することができる。テルピネオール、リモネン、カルバクロール、リナロール、P−シメンなどのそのようなテルペン系の溶剤、並びにそれらの混合物、並びにそれらをベースとする添加剤、例えば、フランス国、DRTのデトロフェンなどの天然樹脂由来の接着添加剤のいずれも使用できる。
工程c)による溶媒および場合によっては、添加剤は、とりわけ、安定剤分子の末端基(ω)、すなわちオメガ基と化学的に非常に良好に適合していなければならず、溶媒は良好に混和可能であるべきであり、それにより、インキ中のナノ粒子のより高いナノ粒子濃度を達成することができる。それは、個々の溶媒および添加剤、ならびにいくつかの組み合わせのいずれにおいても使用することができる。溶媒または溶媒混合物は、200℃で最大30分以内に印刷した後に追加的に蒸発し、それにより、印刷された構造体も適切に焼結することができる。
本発明による方法および小さなナノ粒子の選択によって、低い焼結温度、200℃未満、または160℃未満、特に有利には120℃未満のナノ粒子を有するインキが提供される、という有利な効果が得られる。これは、安価なポリマー基材および紙基材上に印刷されたエレクトロニクスでの使用に特に適している。
本発明のインキは、例えば、Dimatix DMP 2700のようなインクジェットプリンターで印刷することができる。
したがって、好ましくは、インキは、金属および/または遷移金属由来のナノ粒子を有する。それらは、それらの酸化物または塩からなることもできる。
インキは、これらの材料の二つまたは三つ以上からなる組み合わせを含むことができる。そのような材料のいくつかは、いわゆるヤヌス粒子(合金)として、またはいくつかの材料の不均質な混合物として、単一の粒子種中に存在させることもできる。
このように、例えば、AuおよびAgからなる、および異なるサイズおよび/または形状の二種または三種以上のナノ粒子からなるような異なる材料からなる、上述の特性を有する二種または三種以上のナノ粒子を使用することができる。
一例として、二種類のナノ粒子を使用することができる。あるものは、例えば1nmの半径を有し、他のもの、例えば20nmの半径を有し、したがってそれらは少なくとも焼結温度において異なる。インキ中の比率は、例えば、10:1、すなわち、より小さい、ここでは1nmの大きさのナノ粒子10部、およびより大きい、ここでは20nmの大きさのナノ粒子1部と、異なることができる。
この場合、層の焼結温度は依然として、より小さい、ここでは1nmの金ナノ粒子の焼結温度に非常に近い。
このような混合物の利点は、より大きなナノ粒子が、より大きい粒子あたりの材料の重量を有することである。このようにして、より大きいナノ粒子によって、同じかまたはより低い粒子濃度(mol/L、M)で、同じかまたはより大きな重量濃度(重量%)を達成することができる。言い換えれば、より大きいナノ粒子の場合のより小さな表面対体積比によって、原子あたりの溶媒分子やナノ粒子が少なくて済む。より低い濃度の懸濁液は、通常、より安定(より長い貯蔵寿命)であり、かつ、感受性が低い(溶媒のより大きな選択性)。この効果は、インキ中の活性物質の高い充填量を可能にする。
粒子種AおよびBは、特に、金および/または白金からなるナノ粒子、または上述の他の材料の一つを使用することができる。
工程c)のために、少なくとも二つの粒子種AおよびBを溶媒中に使用することができ、この場合、融点SmAおよびSmBの差は、粒子Aおよび粒子Bの材料の異なる化学組成に起因する。例えば、金ナノ粒子および白金ナノ粒子を使用することができる。
工程c)のために、少なくとも二つの粒子種AおよびBを溶媒(溶媒混合物)中に使用することができ、この場合、融点SmAおよびSmBの差は、粒子Aおよび粒子Bの材料の異なる大きさに起因する。例えば、適切なサイズの二種の金ナノ粒子を使用することができる。
工程c)のために、少なくとも二つの粒子種AおよびBを溶媒(溶媒混合物)中に使用することができ、この場合、融点SmAおよびSmBの差は、粒子Aおよび粒子Bの材料の異なる形状に起因する。例えば、球形または棒状の金または白金ナノ粒子を使用することができる。
工程c)のために、インキのための溶媒中においてA:Bの重量比が1:1〜1,000,000:1重量/重量になるように、溶媒(混合物)中の少なくとも二つの粒子種AおよびBを使用することができる。例えば、より小さいAを1部、およびより大きなナノ粒子Bを10部使用することができる。
工程c)のために、溶媒(混合物)中で少なくとも二つの粒子種AおよびBを使用または選択することができ、ここで、融点SmAおよびSmBの差は少なくとも1Kである。
二種の安定化ナノ粒子の混合物によって、より大きなナノ粒子によって達成されるインキの重量比がより高くなる一方で、より小さなナノ粒子がより低い焼結温度を有するという利点をもたらす。
他のすべてのパラメータが一定のままである場合、より大きなナノ粒子を有するインキを使用する場合、印刷および焼結後、より均質で、より厚く、より多くの欠陥のない層が、より小さいナノ粒子を用いる場合よりも多くの材料で得られる。特に20nmより大きいナノ粒子は、焼結温度が急激に上昇するので、単独では使用すべきではない。
トップダウン法によるナノ材料およびインキの製造コストは、有利に低い。好都合にも、コストをさらに低減するために、大小両方のいずれのナノ粒子も、トップダウンプロセスによって製造される。
インキは、様々な印刷方法、特にインクジェット印刷(インクジェット)、エアロゾルジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷などによって基材上に配置し、焼結することができる。
本発明に関連して、本発明により安定化されたナノ粒子は、望ましい低い熱安定性を有することが判明している。特に、分岐したチオールまたはアミンで安定化されたナノ粒子は、ナノ粒子の核に対して弱い結合エネルギーを有する。これにより、焼結中に安定剤分子が表面から気相に移行し、ナノ粒子の核が基材上で焼結されるという効果が有利に得られる。安定剤分子として、一種または二種以上の分子を同時に使用することができる。いくつかの種類の安定剤分子の組み合わせにより、個々の分子の異なる利点、例えば、それらの溶解度および融点を組み合わせることが可能になる。これは、プリント回路の製造のためのインキの使用を特に有利に可能にする。
以下の材料が特に基材として使用される:例えば、ポリエチレン(PE、HDPE−高密度PE、LDPE−低密度PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(例えば、Kapton)、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ乳酸などの様々な天然および人工の部分的に生分解性のポリマー、コーティングされていない紙およびコーティングされた紙、ガラス、金属、セラミックス、ファブリックなどが挙げられる。厚さは、通常、1マイクロメートルから数百マイクロメートルの範囲である。数ミリメートルまたは数センチメートルを有することもできる。基材は、完全に平坦であっても、曲がっていても湾曲していてもよい。この方法は、製造されたインクの焼結温度または溶媒中に分散したナノ粒子の融点および安定化シェルにおける昇華エネルギーが、従来技術による非分岐状の安定化シェルを有するより大きい粒子と比較して比較的低いという利点をもたらす。従来技術では、(例えば、金または白金からなる)より高いバルク融点を有する材料については、そのようなナノ材料のインク中の焼結温度は、200℃をはるかに上回ることになる。このような高い温度は、安価なポリマー基材は通常200℃未満の温度にしか適していないので、通常、インキをそのような基材上に使用することができない。
個々のナノ粒子を一緒に溶融して、結合した均一な層を形成するために、「焼結温度」という語は、印刷されたインキが加熱される温度を指す。焼結温度は、インキを構成する個々のナノ粒子の融点以上でなければならない。しかしながら、焼結温度はまた、焼結中に基材を変形させないために、基材のガラス転移温度よりも低いか、またはその温度であることが好ましい。
それゆえ、インキは、特に基材上に印刷され、インキ組成物に応じて、200℃未満、場合により160℃未満、特に有利には120℃未満の低温で焼結することができる。
この場合、有利には、ポリマーまたは紙基材を印刷して焼結することができる。有利には、この場合、200℃未満の温度を設定することができる。
本発明によるインキで印刷され、200℃未満の温度で焼結された構造体は、特に、排他的ではないが、デバイスとしての電子デバイスに関する。したがって、本発明によるインキの使用は、特に食品産業における外装用の、200℃未満の作業温度を有する安価なポリマーまたは紙基材上に印刷されたエレクトロニクスを製造することにある。
導電性の場合、印刷された層は良好な導電率、すなわち、バルク材料に可能な限り近い導電率(例えば、10分の1小さい)を示すべきである。半導体の場合、半導体用インキから印刷された層は、電荷キャリア移動度、すなわち、バルク材料に可能な限り近い電荷キャリア移動度(例えば、10分の1小さい)の良好な比特性を示すべきである。
さらに、本発明は、本発明を限定することを意図するものではないが、例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。
第一の例:
「ボトムアップ」合成によって合成された直径2nmを有する金ナノ粒子および「トップダウン」で調製された、安定化シェルを有さない直径20nmのナノ粒子の二種類の混合物によるインキの製造。
両方の粒子種は、分岐した2−メチル−1−ブタンチオール分子からの安定化シェルを備えている。二種類のナノ粒子の混合物は、より大きなナノ粒子によってインキ中のより高い金重量割合を提供する一方で、より小さなナノ粒子はより低い焼結温度を有する。分枝したチオール分子からなるシェルは、特に、小さなナノ粒子の場合、特に低い焼結温度を有利に引き起こす。工程c)にいて、天然のテルペン系溶媒をインキに使用する。インキは、様々な目的のために、例えば、非酸化性の導体経路として、電気化学センサのための温度センサおよび電極として、導電性インキとして使用することができる。
このインクを調製するために、以下の工程が行われる:
1. 二種類のナノ粒子の製造:
a. 「ボトムアップ」 2nm直径の金ナノ粒子のブラスト−シフリン合成:
TOAB(テトラオクチルアンモニウムブロミド)2.8当量(3.744g、6.90mmol)をトルエン200mlに溶解し、そして、1Lフラスコに移した。第二のフラスコ内で、100mLの脱イオン水中に1当量(1g、2.43mmol)の四塩化金酸四水和物(HAuCl・4HO)を溶解し、その後、TOAB溶液中に移した。水相が透明で無色になり、上部のトルエン相が典型的な赤色を示すまで溶液を激しく撹拌する。こうして全ての金を有機相に移行させた。その後、3.0当量(0.877ml、0.744g、7.14mmol)の2−メチル−1−ブタンチオールを加え、溶液を15分間撹拌する。この間、有機相の色はわずかに黄色に変化し、その後は、透明かつ無色になる。その後、10.5当量(0.96g、25.38mmol)の水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を50mLの脱イオン水中に溶解して添加する。溶液の色は直ちに褐色−ワインレッドに変わる。溶液をさらに3時間撹拌する。その後、溶液を分液漏斗に移し、水相を除去する。有機相を最初に1M食塩水で洗浄し、次いで脱イオン水で洗浄する。有機相はロータリーエバポレーターで完全に除去される。これに100mLのエタノールを加える。添加後、安定化したナノ粒子は凝集し、セラミックフィルター上でエタノールで3回洗浄される。その後、それらを真空オーブン中で乾燥させ、粉末として貯蔵する(工程a)および工程b))。
b. 「トップダウン」 ボールミル中での20nmの金ナノ粒子の調製:
10gの金顆粒(直径1〜3mm)を秤量し、酸化ジルコニウム粉砕カップに入れる。このために、工程b)のための溶媒としてカルバクロール10mLおよび工程b)ための安定化剤分子として2−メチル−1−ブタンチオール20mLを同時に添加する。粉砕ボールとして、直径300μmの酸化ジルコニウムボール100gを使用する。混合物をボールミル(Fritsch製のPulverisette 7 Premium Line)中で回転数1100回転で数時間かけて20時間粉砕する。粉砕により生じる蒸気圧を低減できるように、休止は必要である。粉砕後、最初に、生成されたナノ粒子を粉砕ボールから分離する。このために、粗いフィルター(細孔は粉砕ボールの直径より小さくすべきである)上の混合物を、ナノ粒子が良好に溶解する溶媒、例えば、カルバクロール中で洗浄する。この工程において、ナノ粒子はフィルターを通過する。その後、ナノ粒子を、非常に高い空隙率(ISO 4793に従う空隙率P 1.6およびP 16)を有するセラミックフィルター上で、それらがそれほど溶解しない溶媒、例えば、エタノールで洗浄し、それにより、ナノ粒子が凝集してフィルター表面に留まる。その後、ナノ粒子を真空オーブン中で乾燥し、粉末として貯蔵する(工程a)および工程b))。カルバクロール(5g)およびリモネン(5g)の溶媒混合物を秤量し、工程c)に従って溶媒を調製するために互いに混合する。
1a(0.5g)および1b(2g)のナノ粒子を秤量し、混合し、そして工程c)のための溶媒に移す。
分散液を混合する。これには、ボルテックスミキサー、超音波装置、ボールミル、または高せん断力による同様の方法を使用することができる。
最後に、分散液を0.8μmのフィルターでろ過して、溶解していない大きな粒子を除去し、プリントヘッドノズルの閉塞を回避する。
この分散液/インキは、例えば、インクジェットプリンター(例えば、Dimatix DMP2700)で印刷することができる。印刷後の焼結温度は約120℃である。
第二の例:
1bによる一つのインキのみが製造され使用される。それ以外は、個々のステップは同一に保たれる。
安定化されたナノ粒子を以下のように提供することにより、原則的に本発明の課題を解決することが考えられる。
a) ナノ粒子は、0.1〜最大20nm、特に0.5〜最大5nmの大きさで提供される。
b) 短鎖の分岐した有機安定剤分子は、カップリング反応によってナノ粒子の表面に共有結合する。安定剤分子として、一種または二種以上の分子を同時に使用することができる。「短鎖」という語は、2〜30個の炭素原子の骨格を有する安定化分子を指す。
c) 任意に、安定化されたナノ粒子の洗浄工程および/または乾燥。

Claims (15)

  1. a) 0.1〜最大20nmの大きさのナノ粒子を提供する工程、
    b) 短鎖分枝状の有機安定剤分子を、カップリング反応によってナノ粒子の表面に結合させる工程、
    c) インキを製造するために、安定化されたナノ粒子を溶媒中に採り入れ、かつ、分散させる工程、
    を特徴とする、インキを製造する方法。
  2. 工程a)において、金属および/または遷移金属、それらの酸化物および/または塩からなるナノ粒子を提供することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)において純粋な金属のナノ粒子が提供されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程a)において、
    a1)ブラスト−シフリン合成、および/または、
    a2)乾式粉砕または溶媒を用いた湿式粉砕、
    によって、ナノ粒子が提供されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 工程a2)による湿式粉砕の間に、カップリング反応b)は、溶解した安定剤分子を添加することによって実施されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 工程b)のために、30個以下の炭素原子を有する分枝状の有機安定剤分子が選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 工程b)におけるカップリング反応の間に、ナノ粒子の表面上に安定剤分子の単層が配置され、その単層その厚さが、使用される最も長い安定剤分子の長さによって制限されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 工程a)およびb)が数回実施され、工程b)における少なくとも一回のカップリング反応の間に、安定剤分子がナノ粒子の表面に共有結合されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 工程b)の後に、安定化したナノ粒子を洗浄することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 工程b)および/またはc)のための溶媒としてテルペンが選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  11. 短鎖分枝状の有機安定剤分子がカップリング反応によって、0.1〜最大20nmの大きさを有するナノ粒子の表面に共有結合されている、該ナノ粒子を含むインキであって、安定化されたナノ粒子は、インキの製造のために溶媒に採り込まれ、かつ、分散されている、上記のインキ。
  12. 請求項1〜10のいずれか一つによって製造される、請求項11に記載のインキ。
  13. 基材上にインキ、特に、金インキを印刷し、印刷された基材を200℃未満で焼結することを特徴とする、請求項11または12に記載のインキの使用。
  14. ポリマー基材または紙基材が選択されることを特徴とする、請求項14に記載の使用。
  15. 請求項11または12のインキで印刷され、かつ、200℃未満で焼結された基材であって、特に食品包装用センサのための基材。
JP2018541338A 2016-03-09 2017-02-17 インキの製造方法、インキおよびその使用 Withdrawn JP2019512558A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102016002890.4A DE102016002890A1 (de) 2016-03-09 2016-03-09 Verfahren zur Herstellung einer Tinte, Tinte und deren Verwendung
DE102016002890.4 2016-03-09
PCT/DE2017/000038 WO2017152892A1 (de) 2016-03-09 2017-02-17 Verfahren zur herstellung einer tinte, tinte und deren verwendung

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019512558A true JP2019512558A (ja) 2019-05-16

Family

ID=58265737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018541338A Withdrawn JP2019512558A (ja) 2016-03-09 2017-02-17 インキの製造方法、インキおよびその使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10557051B2 (ja)
EP (1) EP3426735A1 (ja)
JP (1) JP2019512558A (ja)
KR (1) KR20180130489A (ja)
CN (1) CN108779354A (ja)
DE (1) DE102016002890A1 (ja)
WO (1) WO2017152892A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10694872B2 (en) 2018-09-19 2020-06-30 Sensormatic Electronics, LLC Point of sale artificial intelligence quality determination system

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11311941B2 (en) * 2019-04-01 2022-04-26 General Electric Company Fabrication of palladium-chromium alloy microparticles

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0006050D0 (en) 2000-03-14 2000-05-03 Johnson Matthey Plc Liquid gold compositions
CN1211164C (zh) * 2000-05-10 2005-07-20 斯凯伊药品加拿大公司 介质研磨
WO2003038002A1 (en) 2001-11-01 2003-05-08 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Ink-jet inks containing metal nanoparticles
WO2003049726A1 (en) * 2001-12-07 2003-06-19 Eden Research Plc Respiratory infection prevention and treatment with terpene-containing compositions
JP2003288812A (ja) * 2001-12-29 2003-10-10 Samsung Electronics Co Ltd 金属ナノ粒子クラスターインクおよびこれを用いた金属パターン形成方法
JP4642779B2 (ja) 2004-12-03 2011-03-02 独立行政法人科学技術振興機構 安定化無機ナノ粒子、安定化無機ナノ粒子群、安定化無機ナノ粒子の製造方法及び安定化無機ナノ粒子の利用方法
US8227022B2 (en) 2005-01-10 2012-07-24 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Method of forming aqueous-based dispersions of metal nanoparticles
US20060254387A1 (en) * 2005-05-10 2006-11-16 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Metal nano particle and method for manufacturing them and conductive ink
JP4434094B2 (ja) 2005-07-06 2010-03-17 ソニー株式会社 タグ情報生成装置、タグ情報生成方法及びプログラム
US20070144305A1 (en) * 2005-12-20 2007-06-28 Jablonski Gregory A Synthesis of Metallic Nanoparticle Dispersions
US7727901B2 (en) * 2007-05-03 2010-06-01 Innovalight, Inc. Preparation of group IV semiconductor nanoparticle materials and dispersions thereof
US20090181172A1 (en) 2007-10-15 2009-07-16 Nanoink, Inc. Lithography of nanoparticle based inks
CN102131602A (zh) * 2008-06-23 2011-07-20 耶路撒冷希伯来大学伊森姆研究发展有限公司 核-壳金属纳米粒子、其产生方法和包含所述核-壳金属纳米粒子的墨水组合物
US8017044B2 (en) * 2008-07-08 2011-09-13 Xerox Corporation Bimodal metal nanoparticle ink and applications therefor
US9005484B2 (en) * 2009-03-31 2015-04-14 Xerox Corporation Low polarity nano silver gels
US8324294B2 (en) * 2011-03-07 2012-12-04 Xerox Corporation Solvent-based inks comprising silver nanoparticles
US8586134B2 (en) * 2011-05-06 2013-11-19 Xerox Corporation Method of fabricating high-resolution features
CA2871778C (en) * 2012-05-03 2022-09-13 Kala Pharmaceuticals, Inc. Pharmaceutical nanoparticles showing improved mucosal transport
DE102012021222B4 (de) 2012-10-27 2015-02-05 Forschungszentrum Jülich GmbH Verfahren zur Herstellung einer nanoporösen Schicht auf einem Substrat

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10694872B2 (en) 2018-09-19 2020-06-30 Sensormatic Electronics, LLC Point of sale artificial intelligence quality determination system

Also Published As

Publication number Publication date
DE102016002890A1 (de) 2017-09-14
WO2017152892A1 (de) 2017-09-14
CN108779354A (zh) 2018-11-09
US20190040273A1 (en) 2019-02-07
US10557051B2 (en) 2020-02-11
KR20180130489A (ko) 2018-12-07
EP3426735A1 (de) 2019-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104080562B (zh) 银纳米粒子的制造方法及银纳米粒子以及银涂料组合物
Yamamoto et al. Size-controlled synthesis of monodispersed silver nanoparticles capped by long-chain alkyl carboxylates from silver carboxylate and tertiary amine
KR101004553B1 (ko) 미소 은 입자 함유 조성물, 그 제조방법, 미소 은 입자의 제조방법
JP2009535497A (ja) ナノ粒子、その製造方法、およびその用途
WO2006072959A1 (en) Aqueous-based dispersions of metal nanoparticles
EP2812139B1 (en) Nanoparticle paste formulations and methods for production and use thereof
JP2009197325A (ja) 金属ナノ粒子分散液及びその製造方法
US20190076921A1 (en) Coated silver particle and manufacturing method therefor, conductive composition, and conductor
WO2009031849A2 (en) Conductive ink compositions incorporating nano glass frit and nano metal for enhanced adhesion with glass and ceramic substrates used in displays
JP2006348345A (ja) 銀超微粒子の製造方法及び銀粉末、銀超微粒子分散液
JP5176060B2 (ja) 銀粒子分散液の製造法
JP2019512558A (ja) インキの製造方法、インキおよびその使用
KR20100110791A (ko) 극성 매체와의 친화성이 우수한 은 미분 및 은 잉크
JP5232016B2 (ja) 配線形成用材料
JP5705150B2 (ja) 金属微粒子分散液およびその製造方法
US11965867B2 (en) Sensing element for chemiresistor sensor and method of making same
KR20140068922A (ko) 전도성 물질 및 방법
KR101340356B1 (ko) 탄소나노튜브/금속 나노복합소재 및 이의 제조방법
TWI544498B (zh) 相變化墨液組成物及由此組成物所形成的傳導性圖案
JP2014029017A (ja) 金属微粒子組成物の製造方法
KR101285453B1 (ko) 저온소성용 금속 나노입자의 제조방법
JP2012219350A (ja) 分散安定な錫微粒子の製造方法およびそれを用いた錫インク
JP2009067837A (ja) 導電性接着材
TW201721657A (zh) 導電性糊劑之製造方法
IL184466A (en) Aqueous dispersion systems of nanoparticles of metal

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20180807

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200916

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20201124