JP2019509316A - ヒトライノウイルスの阻害剤としてのアルキニルヌクレオシド類似体 - Google Patents

ヒトライノウイルスの阻害剤としてのアルキニルヌクレオシド類似体 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)の化合物またはその塩、およびこれらの化合物の治療的使用を提供する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、およびこれらの化合物を治療的共薬剤とともに含む組成物、ならびに、ウイルス感染症、とりわけHRVの処置のために化合物および組成物を使用する方法をさらに提供する。

Description

本発明は、ヒトライノウイルス(HRV)複製を阻害し、HRVに感染した対象を処置するために有用である、化合物に関する。
ヒトライノウイルス(HRV)は、ピコルナウイルス科(picornavirus family)のエンテロウイルス属(enterovirus genus)におけるRNAウイルスであり、配列分析に基づき、3つの群、HRV−A、HRV−BおよびHRV−Cに分けられる。これらのウイルスは、多様な上部および下部気道感染症(RTI)を引き起こす。典型的には、上部RTIは、健常な対象においてはとりわけ重篤ではなく、風邪として現れるが、急性中耳炎および鼻副鼻腔炎等のより重篤な状態が導かれ得る。HRVによって引き起こされた下部RTIは、特に感受性集団においてより重篤になり得、例えば、COPD、喘息または嚢胞性線維症を持つ対象において、重篤な増悪を、ならびに、乳児、高齢者および免疫不全対象において、重篤な、時に致死的な肺炎を引き起こし得る。
HRVによって引き起こされた疾患を処置するための抗ウイルス治療剤の必要性にもかかわらず、米国には承認されたHRV抗ウイルス薬がない。Mello, et al., Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 58(3), 1546-55 (2014)。異なる作用機序を持つ種々の抗ウイルス剤、例えば、カプシド結合阻害剤(プレコナリル、ピロダビル)、3Cプロテアーゼ阻害剤(ルピントリビル)、およびヌクレオシド類似体(MK−0608、3Dポリメラーゼの阻害剤)、ならびにPI4K−IIIβ阻害剤(PIK93)が、HRVに対して試験されてきたが、臨床試験に合格したものはない。同文献。
抗ウイルス活性を有するヌクレオシド化合物は、当該技術分野において周知であり、例えば、AZTは、HIV感染症を処置するために使用される。これは、DNAを合成するためにHIVが必要とする酵素を阻害する逆転写酵素の阻害剤として作用し、したがって、HIV複製を阻害する。種々のヌクレオシド類似体がC型肝炎ウイルス(HCV)に対して活性を有することが示されている−例えば、Smith, et al., J. Med. Chem. 52(1), 219-23 (2009);国際公開第2012/040124号パンフレット;国際公開第2011/100131号パンフレット;および米国特許出願公開第2012/0070415号明細書を参照されたい。しかしながら、ヒトライノウイルス感染症を処置するために開発されたものはない。
HRVを処置することを複雑にしている要因の1つは、多数の異なる株であり、160を超える株のHRVが公知であり、HRVを処置する治療薬が一般的な株のほとんどに対して有効でない場合、患者がいずれの株を有するかを処置前に決定することが必要であろう。それは現在のほとんどの状況において実践的ではないため、種々のHRV株に対して広域スペクトル活性を持つ抗ウイルス薬がとりわけ有益となるであろう。
したがって、特にHRV感染症のより重篤な影響に対して感受性の集団において、HRV感染症を処置するために有用な抗ウイルス剤が、依然として必要である。本発明は、そのような抗ウイルス化合物およびこれらの化合物を含有する医薬組成物、ならびに、HRV感染症を有するまたはそのリスクがある対象の処置のために化合物および組成物を使用する方法を提供する。
本発明は、ヒトライノウイルス(HRV)複製を阻害する化合物を提供する。化合物は、非感染細胞へのHRVの広がりを低減させまたは予防し、したがって、HRV感染症の持続時間または重症度を低減させるために有用である。HRV感染症の程度、重症度または持続時間を低減させることによって、これらの化合物は、乳児および高齢者または免疫不全対象、ならびに喘息、COPDまたは嚢胞性線維症を有する対象等の感受性集団において、他の状態の増悪から保護する。化合物は、単離細胞または細胞培養におけるHRVの複製を阻害するためにも有用である。
一態様において、本発明は、本明細書においてさらに記述されている通りの式(I):
Figure 2019509316

の化合物を、これらの化合物を含む医薬組合せおよび組成物、ならびに、ある特定のウイルス感染症を処置するために、化合物、組合せおよび組成物を使用するための方法とともに提供する。
式(I)の化合物は、本明細書において提供されるデータによって実証される通り、HRV複製の阻害剤であり、HRVによって引き起こされた状態を処置するために有用である。その上、本明細書におけるデータによって実証される通り、式(I)の化合物は、広範囲のHRVの血清型に対して活性を有し、一般に使用される毒物学モデル試験においてほとんど活性を示さない。
別の態様において、本発明は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤と混合し、場合により2つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤と混合した、式(I)の化合物を含む、医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は、ヒトライノウイルスによって引き起こされる状態を処置するための方法であって、そのような処置を必要とする対象に、有効量の本明細書において記述されている通りの式(I)の化合物またはその任意の亜属もしくは種、あるいはそのような化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。対象は、哺乳動物であり得、好ましくはヒトである。典型的には、対象は、HRV感染症を有するとして診断されている。本明細書において記述されている化合物および方法によって処置可能な状態は、風邪およびライノウイルス感染症によって誘発される合併症または増悪を含む。
本発明は、本明細書において記述されている式(I)および式(I)の亜属の化合物およびそのすべての同位体富化バージョン(重水素置換を含む)、ならびにこれらの化合物の薬学的に許容される塩を含む。本発明の化合物は、式(I)(またはその下位式)の化合物の多形体ならびに式(I)の化合物の塩および溶媒和物も含む。
別段の明示的なまたは文脈による指示がない限り、下記の定義が当てはまる。
本明細書において使用される場合、用語「ハロゲン」(またはハロ)は、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特に、フッ素または塩素を指す。ハロゲンによって置換されているアルキル(ハロアルキル)等のハロゲン置換されている基および部分は、単、多または過ハロゲン化され得る。
本明細書において使用される場合、用語「ヘテロ原子」は、別段の定めがない限り、窒素(N)、酸素(O)または硫黄(S)原子、特に、窒素または酸素を指す。
本明細書において使用される場合、用語「アルキル」は、1〜6個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する、完全飽和分枝または非分枝炭化水素部分を指す。典型的には、アルキル基は、別段の特定がなければ、1〜6個の炭素原子を有する。アルキルの代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル等を含むがこれらに限定されない。置換アルキルは、非置換アルキル基上に存在する水素の数まで、1、2または3個の置換基等、水素の代わりに1個または複数の置換基を含有する、アルキル基である。アルキル基に好適な置換基は、別段の特定がなければ、ハロゲン、CN、オキソ(=O)、ヒドロキシ、C1〜4アルコキシ、置換または非置換C3〜6シクロアルキル、アミノ、(C1〜4アルキル)アミノ、ジ(C1〜4アルキル)アミノ、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルスルホニル、−C(=O)−C1〜4アルキル、COOH、COO(C1〜4アルキル)、−O(C=O)−C1〜4アルキル、−NHC(=O)C1〜4アルキルおよび−NHC(=O)OC1〜4アルキル基から選択される。
本明細書において使用される場合、用語「アルコキシ」は、アルキル−O−を指し、ここで、アルキルは、上記で定義した通りである。アルコキシの代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等を含むがこれらに限定されない。典型的には、アルコキシ基は、1〜6個の炭素、より一般的には1〜4個の炭素原子を有する。
「置換アルコキシ」は、アルコキシのアルキル部上に、1、2または3個等、1個または複数の置換基を含有する、アルコキシ基である。別段の特定がない限り、好適な置換基は、ヒドロキシルおよびアミノが、置換「アルキル−O」基の酸素に直接結合した炭素上には通常存在しないことを除き、アルキル基について上記に記載した置換基から選択される。
下記の列挙される実施形態は、本発明の一部の態様を代表するものである。各実施形態において特定されている特色を、他の特定されている特色と組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を提供してよいことが認識されるであろう。
1.式(I):
Figure 2019509316

[式中、
は、H、Me、Et、iPrまたはシクロプロピルであり、
は、H、ホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、−P(=X)(OR、−P(=X)(OR)(NR)または−P(=X)(NRであり、Rは、Hまたは−C(O)Rであるか、
または、RおよびRは、一緒になって、−P(=X)(OR)−もしくは−P(=X)(NR)−を形成し、
Xは、それぞれの出現において、独立して、OまたはSであり、
は、H、リストAから選択される1または2個の基で場合により置換されているフェニル、ならびに、ハロ、−OR、−OC(O)R、−OC(O)−OR、−−NR、−C(O)R、COORおよび−C(O)NRから選択される1または2個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルから選択され、
各Rは、独立して、H、−C(O)R、COOR、または、OH、アミノもしくはCOORで場合により置換されているC〜Cアルキルであり、
各Rは、H、リストAから選択される1または2個の基で場合により置換されているフェニル、およびリストBから選択される1または2個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルから独立して選択され、
各Rは、独立して、H、またはハロ、ヒドロキシ、CN、アミノ、C〜Cアルコキシ、−C(O)R、−OC(O)R、−C(O)−ORもしくは−OC(O)−ORから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキル基であり、
は、H;ハロ、ヒドロキシ、CN、アミノおよびC〜Cアルコキシから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキル、またはリストAから選択される1もしくは2個の基で場合により置換されているフェニルから選択され、
リストAは、ハロ、ヒドロキシ、−NO、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)−OR、−N(R、−C(O)R、COOR、−C(O)N(R、ならびに、ハロ、ヒドロキシ、CN、アミノおよびC〜Cアルコキシから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルであり、
リストBは、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)−OR、−N(R、−C(O)R、COORおよび−C(O)N(Rであり、
は、それぞれの出現において、H、ならびに、ハロ、ヒドロキシ、CN、アミノおよびC〜Cアルコキシから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルから独立して選択され、
同じ窒素原子に結合した2個のRは、場合により環化して、3〜7員ヘテロ環を形成することができ、これは、環員として追加のN、OまたはSを場合により含有し、オキソ、ハロ、−OH、アミノ、C〜Cアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルキルから選択される1または2個の基によって置換され得る]
の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
2.Rが、メチルである、実施形態1の化合物。
3.Rが、Hである、実施形態1または実施形態2の化合物。
4.Rが、ホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートである、実施形態1もしくは2の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
5.Rが、−P(=X)(ORである、実施形態1もしくは実施形態2の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
6.−CH−O−C(O)−Rおよび−CH−O−C(O)−ORから選択され、各Rが、独立して、C〜Cアルキルである、実施形態5の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
7.RおよびRが、一緒になって、−P(=O)(OR)−または−P(=O)−(NR)−を形成する、実施形態1もしくは2の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
8.Rが、Hである、実施形態1から7のいずれかの化合物。
9.
Figure 2019509316

[式中、Rは、H、ホスフェート、ジホスフェートまたはトリホスフェートである]
である実施形態1の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
10.式:
Figure 2019509316

のものである実施形態1もしくは2の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
11.式:
Figure 2019509316

のものである実施形態1の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
12.
Figure 2019509316

から選択される、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
13.実施形態1から12のいずれかの化合物または薬学的に許容されるその塩と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
14.治療有効量の実施形態1から12のいずれか1つによる化合物または薬学的に許容されるその塩と、1つまたは複数の治療的に活性な共薬剤(co-agent)とを含む、組合せ物。
15.HRV感染症を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の実施形態1〜12のいずれかの化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。
16.医薬として使用するための、実施形態1から12のいずれか1つによる化合物または薬学的に許容されるその塩。
17.ヒトライノウイルス感染症の処置において使用するための、実施形態1から12のいずれか1つによる化合物または薬学的に許容されるその塩。
18.ヒトライノウイルス感染症の処置用医薬の製造における、実施形態1から12のいずれか1つによる化合物または薬学的に許容されるその塩の使用。
式(I)の化合物は、この一般式:
Figure 2019509316

のヌクレオシドのある特定の誘導体およびプロドラッグを含む。
プロドラッグは、ヌクレオシドの活性形態にインビボで容易に変換される化合物、例えば、遊離ヌクレオシド、またはそのホスフェートもしくはトリホスフェートエステルである。好適なプロドラッグ部分およびそれらをヌクレオシド類似体に組み込む方法は、当該技術分野において公知であり、例証的な例が本明細書において提供される。式(I)の例示的なプロドラッグ化合物は、下記を含む:
Figure 2019509316
理論に縛られることなく、式(I)の化合物は、C−5トリホスフェート、例えば:
Figure 2019509316

への変換後に、それらの生物学的活性をインビボで提供すると考えられる。
本明細書において使用される場合、用語「光学異性体」または「立体異性体」は、本発明の所与の化合物について存在してよい種々の立体異性配置のいずれかを指し、幾何異性体を含む。置換基は、炭素原子のキラル中心で結合してよいことが理解される。用語「キラル」は、それらの鏡像パートナーに重ね合わせることができないという特性を有する分子を指し、一方、用語「アキラル」は、それらの鏡像パートナーに重ね合わせることができる分子を指す。本発明は、化合物のエナンチオマー、ジアステレオマーおよびラセミ体を含む。「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体の対である。エナンチオマーの対の1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが互いに鏡像ではない、立体異性体である。本発明の化合物の絶対立体化学は、化合物名におけるカーン・インゴルド・プレローグの「R−S」システムに従って特定され、ここで、絶対立体化学を示すための許容されている製図規約を使用して、構造を描き、単一の異性体を典型的に示す。別段の特定がない限り、特定のエナンチオマーとして描かれている化合物は、そのエナンチオマーを表し、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%エナンチオマー的に純粋である化合物を記述する。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル炭素における立体化学は、RまたはSのいずれかによって特定されてよい。その絶対配置が未知である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長でそれらが平面偏光を回転させる方向(右旋性または旋性)に応じて、(+)または(−)と指定され得る。本明細書において記述されているある特定の化合物は、1つまたは複数の不斉中心または軸を含有し、したがって、絶対立体化学の観点から(R)−または(S)−として定義されてよい、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性形態を生み出しうる。
出発材料および合成手順の選択に応じて、化合物は、考えられる異性体の1つの形態で、または、それらの混合物として、例えば、不斉炭素原子の数に応じて、純粋な光学異性体として、もしくはラセミ体およびジアステレオ異性体混合物等の異性体混合物として、存在し得る。本発明は、ラセミ混合物、ジアステレオマー混合物および光学的に純粋な形態を含む、すべてのそのような考えられる異性体を含むことになっている。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製されてよく、または従来の技術を使用して分割されてよい。化合物が二重結合を含有するならば、置換基は、特定がない限り、EまたはZ配置であってよい。化合物が二置換シクロアルキルを含有するならば、シクロアルキル置換基は、別段の特定がない限り、cis−またはtrans−配置を有してよい。すべての互変異性形態も含まれるように意図されている。
多くの事例において、本発明の化合物は、アミノおよび/もしくはカルボキシル基またはそれらと同様の基の存在のおかげで、酸および/または塩基塩を形成することができる。本明細書において使用される場合、用語「塩」(1つまたは複数)は、本発明の化合物の酸付加または塩基付加塩を指す。「塩」は、特に「薬学的に許容される塩」を含む。用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、典型的には、生物学的にまたは別様にも望ましくないものでない、塩を指す。
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸と形成することができ、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、樟脳スルホン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィリン酸塩、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グロクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩であり得る。追加の好適な塩のリストは、例えば、“Remington's Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)において、および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)において見出すことができる。
塩が由来し得る無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等を含む。
塩が由来し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸等を含む。
薬学的に許容される塩基付加塩は、無機または有機塩基と形成することができ、無機または有機対イオンを有することができる。
そのような塩基塩のための無機対イオンは、例えば、周期表のIからXII族からのアンモニウム塩および金属を含む。ある特定の実施形態において、対イオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、1〜4つのC1〜C4アルキル基を有するアルキルアンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛および銅から選択され、特に好適な塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を含む。
塩が由来し得る有機塩基は、例えば、第一級、第二級および第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等を含む。好適な有機アミンは、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンを含む。
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分から、従来の化学的方法によって合成することができる。概して、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態を、化学量論量の適切な塩基(水酸化、炭酸、重炭酸Na、Ca、MgまたはK等)と反応させることによって、または、これらの化合物の遊離塩基形態を、化学量論量の適切な酸と反応させることによって、調製することができる。そのような反応は、典型的には、水中もしくは有機溶媒中、または2つの混合物中で行われる。概して、実践可能な場合、エーテル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒質の使用が望ましい。
本明細書において記される任意の式は、非標識形態(すなわち、すべての原子が天然同位体存在度で存在し、同位体富化されていない化合物)、および化合物の同位体富化または標識形態を表すように意図されている。同位体富化または標識化合物は、化合物の少なくとも1個の原子が、天然の原子質量または原子質量分布とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置きかえられていることを除き、本明細書において記される式によって描写される構造を有する。本発明の富化または標識化合物に組み込むことができる同位体の例は、H、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、125I等、それぞれ、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体を含む。本発明は、本明細書において定義されている通りの種々の同位体標識化合物、例えば、Hおよび14C等の放射性同位体またはHおよび13C等の非放射性同位体が、これらの同位体についての天然存在度を有意に上回るレベルで存在するものを含む。これらの同位体標識化合物は、薬物または基質組織分布アッセイを含む陽電子放射断層撮影(PET)または単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)等の、代謝研究(14Cを用いる)、反応速度論研究(例えば、HまたはHを用いる)、検出または撮像技術において、あるいは患者の放射線処置において有用である。特に、18Fまたは標識化合物は、PETまたはSPECT研究に特に望ましい場合がある。式(I)の同位体標識化合物は、概して、当業者に公知である従来の技術によって、または付随する実施例および調製において記述されているものに類似するプロセスによって、以前用いられていた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して、調製することができる。
さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、HまたはD)による置換は、より優れた代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減または治療指数の改善を生じさせる場合がある。この文脈における重水素は、式(I)の化合物の置換基とみなされることが理解される。そのようなより重い同位体、具体的には重水素等の濃度は、同位体濃縮係数によって定義されてよい。用語「同位体濃縮係数」は、本明細書において使用される場合、特定同位体の同位体存在度と天然存在度との比を意味する。本発明の化合物における置換基が重水素と表示されていれば、そのような化合物は、各指定された重水素原子について、少なくとも3500(各指定された重水素原子において52.5%重水素組み込み)、少なくとも4000(60%重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5%重水素組み込み)、少なくとも5000(75%重水素組み込み)、少なくとも5500(82.5%重水素組み込み)、少なくとも6000(90%重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95%重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97%重水素組み込み)、少なくとも6600(99%重水素組み込み)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素組み込み)の同位体濃縮係数を有する。
本発明に従う薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体置換されていてよいもの、例えば、DO、d−アセトン、d−DMSO、および富化されていない溶媒との溶媒和物を含む。
水素結合のためのドナーおよび/またはアクセプターとして作用することができる基を含有する本発明の化合物、すなわち、式(I)の化合物は、好適な共結晶形成体と共結晶を形成することができる場合がある。これらの共結晶は、式(I)の化合物から、公知の共結晶形成手順によって調製されてよい。そのような手順は、結晶化条件下、溶液中で、式(I)の化合物を、共結晶形成体と、粉砕する、加熱する、共昇華させる、共融解させるまたは接触させること、およびそれにより形成された共結晶を単離することを含む。好適な共結晶形成体は、国際公開第2004/078163号パンフレットにおいて記述されているものを含む。それ故、本発明は、式(I)の化合物を含む共結晶をさらに提供する。
本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、当業者には公知であろう通り、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、染料等およびそれらの組合せを含む(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329を参照)。任意の従来の担体が活性原料と不適合である場合を除いて、治療用または医薬組成物におけるその使用が企図されている。
本発明の化合物の「治療有効量」という用語は、対象における所望の生物学的または医学的応答、例えば、酵素またはタンパク質活性の低減または阻害を引き出すであろう、あるいは、症状を寛解する、状態を緩和する、疾患進行を減速させるもしくは遅延させる、または疾患等を予防するであろう、本発明の化合物の量を指す。1つの非限定的な実施形態において、用語「治療有効量」は、対象に投与された場合に、HRVによって引き起こされた状態、障害または疾患を、少なくとも部分的に緩和する、阻害する、予防するおよび/もしくは寛解するため、あるいは、HRVタンパク質の活性を低減させるまたは阻害するため、あるいは、HRVの複製を低減させるまたは阻害するために有効である、本発明の化合物の量を指す。
別の非限定的な実施形態において、用語「治療有効量」は、細胞、または組織、または非細胞性生物学的材料、または媒質に投与された場合に、HRVの複製を少なくとも部分的に低減させるまたは阻害するために有効である、本発明の化合物の量を指す。
本明細書において使用される場合、用語「対象」は、動物を指す。典型的には、動物は、哺乳動物である。対象は、例えば、霊長類(例えば、ヒト、男性または女性)、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類等も指す。ある特定の実施形態において、対象は、霊長類である。具体的な実施形態において、対象は、ヒトである。
本明細書において使用される場合、用語「阻害する」、「阻害」または「阻害すること」は、生物学的活性またはプロセスのベースライン活性における、所与の状態、症状、または障害、または疾患、または有意な減少の、低減または抑制を指す。
本明細書において使用される場合、任意の疾患または障害を「治療する」、「治療すること」またはその「治療」という用語は、一実施形態において、疾患または障害を寛解すること(すなわち、疾患またはその臨床症状の少なくとも1つの発生を、減速させる、または阻止する、または低減させること)を指す。別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」または「治療」は、患者によって識別可能ではない場合があるものを含む少なくとも1つの身体的パラメーターを緩和するまたは寛解することを指す。さらに別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」または「治療」は、疾患または障害を、身体的に(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理的に(例えば、身体的パラメーターの安定化)のいずれか、または両方で変調することを指す。さらに別の実施形態において、「治療する」、「治療すること」または「治療」は、疾患または障害の発生または進行を、予防するまたは遅延させることを指す。
本明細書において使用される場合、対象は、そのような対象が、かかる処置から、生物学的に、医学的にまたはクオリティオブライフにおいて利益を得るであろう場合、そのような処置「を必要とする」。
本明細書において使用される場合、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」および本発明の文脈において(とりわけ請求の範囲の文脈において)使用される同様の用語は、本明細書において別段の指示がない限りまたは文脈上明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包括すると解釈されたい。
本明細書において記述されているすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限りまたは文脈上明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書において提供されるありとあらゆる例、または例示的な言葉(例えば、「等の」)の使用は、本発明をよりよく解明することが意図されているにすぎず、別様に特許請求されている本発明の範囲に限定を課すものではない。
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素等)は、名称または描写が1つの配置を特定しているのでない限り、ラセミまたはエナンチオマー的に富化された分量、例えば、(R)−、(S)−または(R,S)−配置で存在し得る。ある特定の実施形態において、各不斉原子は、(R)−または(S)−配置のいずれかの、少なくとも50%のエナンチオマー過剰率、少なくとも60%のエナンチオマー過剰率、少なくとも70%のエナンチオマー過剰率、少なくとも80%のエナンチオマー過剰率、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率、または少なくとも99%のエナンチオマー過剰率を有する、すなわち、光学活性化合物については、多くの場合、他のエナンチオマーを実質的に排除して1つのエナンチオマーを使用することが好ましく、したがって、単一のエナンチオマーとして描写、命名または記述されている化合物は、主にそのエナンチオマーからなり、10%以下、および好ましくは5%以下の逆のエナンチオマーが付随する。不飽和二重結合を持つ原子における置換基は、可能ならば、cis−(Z)−またはtrans−(E)−形態で存在してよい。
したがって、本明細書において使用される場合、本発明の化合物は、考えられる異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体またはそれらの混合物の1つ、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(光学対掌体)、ラセミ体またはそれらの混合物としての形態であり得る。「実質的に純粋な」または「他の異性体を実質的に含まない」は、本明細書において使用される場合、生成物が、好ましい異性体の量と比べて、重量で、10%未満、典型的には5%未満、好ましくは2%未満の他の異性体を含有することを意味する。
異性体の混合物は、構成要素の物理化学的差異に基づいて、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によって、純粋なまたは実質的に純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離することができる。そのような分離のための方法は、当該技術分野において、十分に確立されている。
必要な場合、最終生成物または中間体のラセミ体は、公知の方法によって、例えば、光学的に活性な酸または塩基を用いて取得されたそのジアステレオマー塩の分離、および光学的に活性な酸性または塩基性化合物を遊離させることによって、光学対掌体に分割することができる。特に、塩基性部分をこのように用いて、例えば、光学的に活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸と形成された塩の分別結晶化によって、本発明の化合物をそれらの光学対掌体に分割してよい。ラセミ生成物も、キラルクロマトグラフィー、例えばキラル吸着剤を使用する高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、分割することができる。
さらに、それらの塩を含む本発明の化合物は、それらの水和物の形態で取得することも、またはそれらの結晶化に使用される他の溶媒を含むこともできる。本発明の化合物は、本質的にまたは意図的に、薬学的に許容される溶媒(水を含む)と溶媒和物を形成してよく、したがって、本発明は、溶媒和および非溶媒和形態の両方を内包することが意図されている。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物(薬学的に許容されるその塩を含む)と、1つまたは複数の溶媒分子との、分子錯体を指す。そのような溶媒分子は、薬学分野において一般に使用され、レシピエントに無害であることが公知であるもの、例えば、水、エタノール等である。用語「水和物」は、溶媒分子が水である場合の錯体を指す。
その塩、水和物および溶媒和物を含む本発明の化合物は、本質的にまたは意図的に多形体を形成してよい。
別の態様において、本発明は、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、医薬組成物は、2つの薬学的に許容される担体、または2つを超える薬学的に許容される担体を含む。医薬組成物は、経口投与、非経口投与および経直腸投与等の特定の投与経路のために製剤化され得る。好ましい実施形態において、医薬組成物は、経口送達または吸入のいずれかのために設計される。加えて、本発明の医薬組成物は、固体形態(限定されないが、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐剤を含む)で、または液体形態(限定されないが、液剤、懸濁剤または乳剤を含む)で構成され得る。医薬組成物は、滅菌等の従来の製薬工程に供することができ、かつ/または、従来の不活性希釈剤、滑沢剤または緩衝剤、ならびに、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤等のアジュバントを含有することができる。
ある特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、経口送達のために製剤化される。典型的には、これらの医薬組成物は、活性原料を、これらの:
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはさらに、
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン;所望ならば、
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;ならびに/または
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤
から選択される1つまたは複数の賦形剤と一緒に含む、錠剤またはゼラチンカプセル剤である。
錠剤は、当該技術分野において公知の方法によって、場合によりフィルムコーティングまたは腸溶コーティングされてよい。
経口投与に好適な組成物は、有効量の本発明の化合物を、錠剤、トローチ剤、水性もしくは油性懸濁剤、分散性の散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤の形態で含む。経口使用が意図されている組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野において公知である任意の方法に従って調製され、そのような組成物は、薬学的に上品で口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1つまたは複数の剤を含有し得る。錠剤は、活性原料を、錠剤の製造に好適な、非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して含有してよい。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤;造粒および崩壊剤、例えば、コーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤は、コーティングされていないか、または消化管における崩壊および吸収を遅延させるための公知の技術によってコーティングされており、それにより、より長期間にわたって持続作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル等の時間遅延材料を用いることができる。経口使用のための製剤は、硬ゼラチンカプセル剤として提示することができ、ここで、活性原料は、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合され、または軟ゼラチンカプセル剤として提示することができ、ここで、活性原料は、水または油性媒質、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合される。
他の実施形態において、式(I)の化合物の医薬組成物は、注射または注入による等の非経口投与に好適である。これらの組成物のうちある特定のものは、等張水溶液または懸濁液を含む。前記組成物は、滅菌されていてよく、かつ/あるいは保存、安定化、湿潤または乳化剤、溶液プロモーター、浸透圧を調節するための塩および/もしくは緩衝剤等のアジュバントを含有してよい。加えて、それらは他の治療的に価値のある物質を含有していてもよい。前記組成物は、従来の混合、造粒またはコーティング方法に従ってそれぞれ調製され、活性原料の約0.1〜75%を含有、または約1〜50%を含有する。
経皮適用に好適な組成物は、有効量の本発明の化合物を好適な担体とともに含む。経皮送達に好適な担体は、宿主の皮膚の通過を補助するために、吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、支持部材と、化合物を場合により担体とともに含有するリザーバーと、場合により宿主の皮膚の化合物を制御された所定の速度で長時間にわたって送達するための速度制御障壁と、デバイスを皮膚に固定するための手段とを備える包帯の形態である。
例えば皮膚または目への局所適用に好適な組成物は、水溶液剤、懸濁剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、または例えばエアゾール剤等による送達のためのスプレー可能な製剤を含む。そのような局所送達システムは、特に、眼内適用に適切となる。そのようなものは、可溶化剤、安定剤、張性増強剤、緩衝剤および保存剤を含有してよい。
本明細書において使用される場合、局所適用は、吸入または鼻腔内適用にも関係してよい。本発明の化合物は、上部気道内に高頻度で局在している感染症を処置するために有効であり、したがって、吸入または鼻腔内方法を介してそれら自体を送達するのによく適している。本発明の化合物および組成物は、好都合なことに、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末の形態、または、加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、噴霧器もしくはネブライザーからのエアゾールスプレー提示物の形態で、好適な噴射剤を使用してもしくは使用せずに、送達されてよい。それらは、単独で、または、混合物、例えばラクトースとの乾式混和物、もしくは例えばリン脂質との混合成分粒子としてのいずれかで、投与されてよい。化合物を調製するおよび吸入を介して送達するための方法は、当該技術分野において公知である。
本発明の無水医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有原料および低水分または低湿度条件を使用して調製され得る。無水医薬組成物は、その無水性質が維持されるように調製され、保管されてよい。したがって、無水組成物は、好適な処方キットに含まれ得るような、水への曝露を防止することが公知である材料を使用して包装される。好適な包装の例は、密封ホイル、プラスチック、単位用量コンテナ(例えば、バイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックを含むがこれらに限定されない。
本発明は、活性原料としての本発明の化合物が分解する速度を低減させる1つまたは複数の剤を含む、医薬組成物および剤形をさらに提供する。そのような剤は、本明細書において「安定剤」と称され、アスコルビン酸等の抗酸化剤、pH緩衝液、または塩緩衝液等を含むがこれらに限定されない。
遊離形態または塩形態の式Iの化合物は、有益な薬理学的特性を呈し、例えば、それらは、次の節において提供される試験データによって示す通り、HRVの複製を阻害し、したがって、本明細書において記述されている通りの療法のために、研究用化学物質として、例えば、ライノウイルス感染症の影響を分析するためのツール化合物としての使用にも指示される。化合物およびそれらを含有する組成物は、したがって、そのような処置を必要とする患者において風邪を含むHRVによって引き起こされた感染症を処置するため、ならびに、喘息、COPD、嚢胞性線維症、およびライノウイルス感染症によって多くの場合増悪される他の状態の合併症の予防または抑制のために使用されてよい。
本明細書において記述されている化合物および組成物ならびに方法は、HRV感染症からの重篤な合併症を経験し得る患者においてとりわけ有用である。例えば、喘息、COPDまたは嚢胞性線維症に罹患している対象は、HRVに感染した場合に、重篤な合併症のリスクがあり得る。ライノウイルス感染症は、喘息増悪の一般的な誘発因子であり、多くの場合、中耳炎、副鼻腔炎、肺炎、ならびにCOPDおよび嚢胞性線維症の増悪等の他の呼吸器疾患に関与する。Q. J. Med. 94:1-3 (2001)。したがって、他の点では健常者にとって風邪が不都合な場合があり、必ずしも薬学的介入を当然としなくてよいが、喘息、COPDもしくは嚢胞性線維症等の状態を有する対象、または免疫不全もしくは免疫抑制対象、または肺炎のような二次気道感染症に対してとりわけ感受性の対象は、本明細書において記述されている化合物および方法による処置に特に好適であり、そのような処置は、増悪事象の可能性および/または重症度を低減させる。
したがって、さらなる実施形態として、本発明は、療法における、式(I)の化合物、または本明細書において記述されている通りの式(I)の範囲内の実施形態のいずれかの使用を提供する。特定の実施形態において、療法は、HRVの株によって引き起こされた疾患のためのものである。別の実施形態において、本発明の化合物は、喘息、COPDもしくは嚢胞性線維症等の状態を持つ対象、免疫不全もしくは免疫抑制対象、および肺炎のような重篤な二次気道感染症にとりわけ感受性の対象におけるライノウイルス感染症を処置するための、またはこれらの敏感な対象におけるHRV感染症の発生のリスクを低減させるための療法において有用である。
別の実施形態において、本発明は、HRV複製の阻害によって処置される疾患を処置する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、または本明細書において記述されている通りの式(I)の範囲内の実施形態のいずれかの投与を含む、方法を提供する。さらなる実施形態において、疾患は、前述の状態から選択される。方法は、典型的には、有効量の本明細書において記述されている通りの化合物またはそのような化合物を含む医薬組成物を、そのような処置を必要とする対象に投与することを含む。化合物は、本明細書において記述されているもの等の任意の好適な方法によって投与されてよく、投与は、治療医師によって選択される間隔で繰り返されてよい。一部の実施形態において、本発明の化合物または医薬組成物は、経口的に投与される。他の実施形態において、本発明の化合物または医薬組成物は、鼻内にまたは吸入によって投与される。
本発明のさらなる実施形態は、医薬の製造のための、式(I)の化合物、または本明細書において記述されているそのような化合物の実施形態のいずれかの使用を提供する。特定の実施形態において、医薬は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態の処置のためのものである。特定の実施形態において、疾患は、特に、喘息、COPDもしくは嚢胞性線維症等の状態を持つ対象、免疫不全もしくは免疫抑制対象、または肺炎のような二次気道感染症にとりわけ感受性の対象における、ライノウイルス感染症である。
本発明の医薬組成物または組合せ物は、約50〜70kgの対象について約1〜5000mgの活性原料、または約1〜2000mgもしくは約1〜500mgもしくは約1〜250mgもしくは約0.5〜100mgもしくは約1〜50mgの活性原料の、単位投薬量であり得る。1〜250mgまたは1〜50mg等のより低用量を、鼻腔内または吸入投与を含む局所投与方法に、および注射または注入に使用してよく、一方、より高用量、例えば、25〜2500mgまたは50〜5000mgを、経口投与に使用してよい。化合物、医薬組成物、またはそれらの組合せ物の治療有効投薬量は、対象の種、体重、年齢および個々の状態、ならびに処置されている障害もしくは疾患またはそれらの重症度にも依存する。通常の技量の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患を処置するまたはその進行を阻害するために必要な活性原料のそれぞれの有効量を容易に決定することができる。
上記で挙げた投薬特性は、有利なことに、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、またはそれらの単離された臓器、組織および標本を使用する、インビトロおよびインビボ試験を介して実証可能である。本発明の化合物は、溶液、例えば、水溶液の形態でインビトロにて、および腸内に、非経口的に、有利なことに静脈内にのうちいずれかで、例えば、懸濁液としてまたは水溶液中でインビボにて、適用することができる。インビトロでの投薬量は、約10−3モルから10−9モル濃度間の範囲であってよい。
本発明の化合物は、1つまたは複数の治療的共薬剤と同時に、またはその前もしくは後に、投与されてよい。本発明の化合物は、別個に、同じもしくは異なる投与経路によって、または同じ医薬組成物中で一緒に、共薬剤として、投与されてよい。
一実施形態において、本発明は、療法における同時、別個または順次使用のための、式(I)の化合物および少なくとも1つの他の治療的共薬剤を含む生成物を組合せ調製物として提供する。一実施形態において、療法は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態の処置である。組合せ調製物として提供される生成物は、式(I)の化合物および他の治療的共薬剤を同じ医薬組成物中に一緒に含む組成物、または、別個の形態、例えばキットの形態の、式(I)の化合物および他の治療的共薬剤を含む。
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物と、別の治療的共薬剤とを含む、医薬組成物を提供する。場合により、医薬組成物は、上述した通りの薬学的に許容される担体を含んでよい。
本明細書において記述されている化合物および組成物は、免疫調節薬、例えば、共刺激分子の活性化剤、または免疫阻害性分子の阻害剤、またはワクチンとして作用する1つまたは複数の治療剤と組み合わせて、使用または投与することができる。プログラム死1(PD−1)タンパク質は、T細胞調節因子の広範なCD28/CTLA4ファミリーの阻害性メンバーである(Okazaki et al. (2002) Curr Opin Immunol 14: 391779-82; Bennett et al. (2003) J. Immunol. 170:711-8)。PD−1は、活性化B細胞、T細胞および単球において発現される。PD−1は、TCRシグナルを負に調節する免疫阻害タンパク質であり(Ishida, Y. et al. (1992) EMBO J. 11:3887-3895; Blank, C. et al. (Epub 2006 Dec. 29) Immunol. Immunother. 56(5):739-745)、慢性感染症において上方制御される。PD−1とPD−L1との間の相互作用は、免疫チェックポイントとして作用することができ、これは、例えば、浸潤リンパ球の減少、T細胞受容体媒介増殖の減少、および/またはがん性もしくは感染細胞による免疫回避が導かれ得る(Dong et al. (2003) J. Mol. Med. 81:281-7; Blank et al. (2005) Cancer Immunol. Immunother. 54:307-314; Konishi et al. (2004) Clin. Cancer Res. 10:5094-100)。免疫抑制は、PD−1とPD−L1またはPD−L2との局所的相互作用を阻害することによって逆転させることができ、PD−1とPD−L2との相互作用も遮断されている場合、効果は相加的である(Iwai et al. (2002) Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 99:12293-7; Brown et al. (2003) J. Immunol. 170:1257-66)。免疫修飾は、免疫阻害タンパク質(例えば、PD−1)または阻害タンパク質を修飾する結合タンパク質(例えば、PD−L1、PD−L2)のいずれかと結合することによって、実現することができる。
一実施形態において、本発明の併用療法は、免疫チェックポイント分子の阻害性分子の阻害剤またはアンタゴニストである免疫調節薬を含む。別の実施形態において、免疫調節薬は、免疫阻害チェックポイント分子を自然に阻害するタンパク質と結合する。抗菌化合物と組み合わせて使用される場合、これらの免疫調節薬は、抗微生物応答を増強し、したがって、抗菌化合物単独による処置と比べて、効能を増強することができる。
用語「免疫チェックポイント」は、CD4およびCD8T細胞の細胞表面上の分子群を指す。これらの分子は、下方修飾するための「ブレーキ」として有効に役立つ、または適応免疫応答を阻害することができる。免疫チェックポイント分子は、プログラム死1(PD−1)、細胞毒性T−リンパ球抗原4(CTLA−4)、B7H1、B7H4、OX−40、CD137、CD40およびLAG3を含むがこれらに限定されず、これらは、免疫細胞を直接阻害する。本発明の方法において有用な免疫チェックポイント阻害剤として作用することができる免疫治療剤は、PD−L1、PD−L2、CTLA4、TIM3、LAG3、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4および/またはTGFRベータの阻害剤を含むがこれらに限定されない。阻害性分子の阻害は、DNA、RNAまたはタンパク質レベルでの阻害によって実施することができる。一部の実施形態において、阻害性核酸(例えば、dsRNA、siRNAまたはshRNA)を使用して、阻害性分子の発現を阻害することができる。他の実施形態において、阻害シグナルの阻害剤は、ポリペプチド、例えば可溶性リガンド、または、阻害性分子と結合する、抗体もしくはその抗原結合フラグメントである。
「と組み合わせて」は、療法または治療剤が同時に投与および/または一緒に送達するために製剤化されなくてはならないことを暗示するように意図されるものではないが、これらの送達方法は、本明細書において記述されている範囲内である。免疫調節薬は、1つまたは複数の本発明の化合物および場合により1つもしくは複数の追加の療法または治療剤と、同時に、その前に、またはその後に投与することができる。組み合わせた治療剤を、任意の順序で投与することができる。概して、各剤は、その剤について決定された用量でおよび/またはタイムスケジュールで投与されることになる。この組合せ物において利用される治療剤を、単一組成物で一緒に投与しても、または異なる組成物で別個に投与してもよいことがさらに理解されよう。概して、組み合わせて利用される治療剤のそれぞれは、それらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが予測される。一部の実施形態において、組み合わせて利用されるレベルは、個々に利用されるものよりも低くなる。
ある特定の実施形態において、本明細書において記述されている抗菌化合物は、PD−1、PD−L1および/またはPD−L2の阻害剤である1つまたは複数の免疫調節薬と組み合わせて投与される。各そのような阻害剤は、抗体、その抗原結合フラグメント、イムノアドヘシン、融合タンパク質、またはオリゴペプチドであってよい。そのような免疫調節薬の例は、当該技術分野において公知である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、MDX−1106、Merck3475またはCT−011から選択される抗PD−1抗体である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)と融合しているPD−L1もしくはPD−L2の細胞外またはPD−1結合部を含むイムノアドヘシン)である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、AMP−224等のPD−1阻害剤である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、抗PD−L1抗体等のPD−L1阻害剤である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、YW243.55.S70、MPDL3280A、MEDI−4736、MSB−0010718CまたはMDX−1105から選択される抗PD−L1結合アンタゴニストである。BMS−936559としても公知であるMDX−1105は、国際公開第2007/005874号パンフレットにおいて記述されている抗PD−L1抗体である。抗体YW243.55.S70は、国際公開第2010/077634号パンフレットにおいて記述されている抗PD−L1である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、ニボルマブ(CAS登録番号:946414−94−4)である。ニボルマブの代替名は、MDX−1106、MDX−1106−04、ONO−4538またはBMS−936558を含む。ニボルマブは、PD−1を特異的に遮断する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブ(クローン5C4)、およびPD−1と特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、米国特許第8,008,449号明細書、EP2161336および国際公開第2006/121168号パンフレットにおいて開示されている。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、抗PD−1抗体ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブ(ランブロリズマブ、MK−3475、MK03475、SCH−900475またはKEYTRUDA(R)とも称される;Merck)は、PD−1と結合するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。ペンブロリズマブおよび他のヒト化抗PD−1抗体は、Hamid, O. et al. (2013) New England Journal of Medicine 369 (2): 134-44、米国特許第8,354,509号明細書、国際公開第2009/114335号パンフレットおよび国際公開第2013/079174号パンフレットにおいて開示されている。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、ピディリズマブ(CT−011;Cure Tech)、PD1と結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピディリズマブおよび他のヒト化抗PD−1モノクローナル抗体は、国際公開第2009/101611号パンフレットにおいて開示されている。
本明細書で開示されている方法において使用するための免疫調節薬として有用な他の抗PD1抗体は、AMP514(Amplimmune)、ならびに、米国特許第8,609,089号明細書、米国特許第2010028330号明細書および/または米国特許出願公開第20120114649号明細書において開示されている抗PD1抗体を含む。一部の実施形態において、抗PD−L1抗体は、MSB0010718Cである。MSB0010718C(A09−246−2とも称される;Merck Serono)は、PD−L1と結合するモノクローナル抗体である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、MDPL3280A(Genentech/Roche)、PD−L1と結合するヒトFc最適化IgG1モノクローナル抗体である。MDPL3280A、およびPD−L1に対する他のヒトモノクローナル抗体は、米国特許第7,943,743号明細書および米国特許出願公開第20120039906号明細書において開示されている。本発明の方法のための免疫調節薬として有用な他の抗PD−L1結合剤は、YW243.55.S70(国際公開第2010/077634号パンフレットを参照)、MDX−1105(BMS−936559とも称される)、および国際公開第2007/005874号パンフレットにおいて開示されている抗PD−L1結合剤を含む。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、AMP−224(B7−DCIg;Amplimmune;例えば、国際公開第2010/027827号パンフレットおよび国際公開第2011/066342号パンフレットにおいて開示されている)であり、PD1とB7−H1との間の相互作用を遮断するPD−L2 Fc融合可溶性受容体である。
一部の実施形態において、免疫調節薬は、BMS−986016等の抗LAG−3抗体である。BMS−986016(BMS986016とも称される)は、LAG−3と結合するモノクローナル抗体である。BMS−986016および他のヒト化抗LAG−3抗体は、米国特許出願公開第2011/0150892号明細書、国際公開第2010/019570号パンフレットおよび国際公開第2014/008218号パンフレットにおいて開示されている。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示されている併用療法は、共刺激分子または阻害性分子の調節因子、例えば、共阻害リガンドまたは受容体を含む。
一実施形態において、共刺激分子の共刺激調節因子、例えば、アゴニストは、OX40、CD2、CD27、CDS、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、4−1BB(CD137)、GITR、CD30、CD40、BAFFR、HVEM、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7−H3またはCD83リガンドのアゴニスト(例えば、そのアゴニスト性抗体もしくは抗原結合フラグメント、または可溶性融合体)から選択される。
別の実施形態において、本明細書で開示されている併用療法は、共刺激分子である免疫調節薬、例えば、CD28、CD27、ICOSおよび/またはGITRの共刺激ドメインを含むポジティブシグナルに関連するアゴニストを含む。
例示的なGITRアゴニストは、例えば、米国特許第6,111,090号明細書、欧州特許第090505号明細書、米国特許第8,586,023号明細書、PCT公開番号国際公開第2010/003118号および同第2011/090754号パンフレットにおいて記述されているGITR融合タンパク質、または、例えば、米国特許第7,025,962号明細書、欧州特許第1947183号明細書、米国特許第7,812,135号明細書、米国特許第8,388,967号明細書、米国特許第8,591,886号明細書、欧州特許第1866339号明細書、PCT公開番号国際公開第2011/028683号パンフレット、PCT公開番号国際公開第2013/039954号パンフレット、PCT公開番号国際公開第2005/007190号パンフレット、PCT公開番号国際公開第2007/133822号パンフレット、PCT公開番号国際公開第2005/055808号パンフレット、PCT公開番号国際公開第99/40196号パンフレット、PCT公開番号国際公開第2001/03720号パンフレット、PCT公開番号国際公開第99/20758号パンフレット、PCT公開番号国際公開第2006/083289号パンフレット、PCT公開番号国際公開第2005/115451号パンフレット、米国特許第7,618,632号明細書およびPCT公開番号国際公開第2011/051726号パンフレットにおいて記述されている抗GITR抗体等の、GITR融合タンパク質および抗GITR抗体(例えば、二価抗GITR抗体)を含む。
一実施形態において、使用される免疫調節薬は、可溶性リガンド(例えば、CTLA−4−Ig)、あるいは、PD−L1、PD−L2もしくはCTLA4と結合する抗体または抗体フラグメントである。例えば、抗PD−1抗体分子は、抗CTLA−4抗体、例えば、イピリムマブと組み合わせて投与することができる。例示的な抗CTLA4抗体は、トレメリムマブ(以前はチシリムマブとして公知であった、Pfizerから入手可能なIgG2モノクローナル抗体、CP−675,206);およびイピリムマブ(CTLA−4抗体、MDX−010としても公知である、CAS番号477202−00−9)を含む。
一実施形態において、抗PD−1抗体分子は、本明細書において記述されている通りの本発明の化合物による処置後に投与される。
別の実施形態において、抗PD−1またはPD−L1抗体分子は、抗LAG−3抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合わせて投与される。別の実施形態において、抗PD−1またはPD−L1抗体分子は、抗TIM−3抗体またはその抗原結合フラグメントと組み合わせて投与される。さらに他の実施形態において、抗PD−1またはPD−L1抗体分子は、抗LAG−3抗体および抗TIM−3抗体またはそれらの抗原結合フラグメントと組み合わせて投与される。本明細書において挙げられている抗体の組合せは、別個に、例えば別個の抗体として投与することができ、または、例えば二重特異性もしくは三重特異性抗体分子として連結させることができる。一実施形態において、抗PD−1もしくはPD−L1抗体分子および抗TIM−3もしくは抗LAG−3抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、二重特異性抗体が投与される。ある特定の実施形態において、本明細書において挙げられている抗体の組合せは、がん、例えば、本明細書において記述されている通りのがん(例えば、固形腫瘍)を処置するために使用される。上記の組合せの効能は、当該技術分野において公知の動物モデルで試験することができる。例えば、抗PD−1および抗LAG−3の相乗効果を試験するための動物モデルは、例えば、Woo et al. (2012) Cancer Res. 72(4):917-27において記述されている。
併用療法において使用され得る例示的な免疫調節薬は、例えば、アフツズマブ(Roche(R)から入手可能);ペグフィルグラスチム(Neulasta(R));レナリドマイド(CC−5013、Revlimid(R));サリドマイド(Thalomid(R))、アクチミド(CC4047);およびサイトカイン、例えば、IL−21またはIRX−2(インターロイキン1、インターロイキン2およびインターフェロンγを含むヒトサイトカインの混合物、CAS 951209−71−5、IRX Therapeuticsから入手可能)を含むがこれらに限定されない。
本発明の抗菌化合物と組み合わせて使用され得るそのような免疫調節薬の例示的な用量は、約1〜10mg/kg、例えば、3mg/kgの抗PD−1抗体分子の用量、および約3mg/kgの抗CTLA−4抗体、例えば、イピリムマブの用量を含む。
本発明の抗菌化合物を免疫調節薬と組み合わせて使用する方法の実施形態の例は、これらを含む:
i.対象における細菌感染症を処置するための方法であって、対象に、本明細書において記述されている通りの式(I)の化合物および免疫調節薬を投与することを含む、方法。
ii.免疫調節薬が、共刺激分子の活性化剤または免疫チェックポイント分子の阻害剤である、実施形態iの方法。
iii.共刺激分子の活性化剤が、OX40、CD2、CD27、CDS、ICAM−1、LFA−1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、4−1BB(CD137)、GITR、CD30、CD40、BAFFR、HVEM、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7−H3およびCD83リガンドの1つまたは複数のアゴニストである、実施形態iおよびiiのいずれかの方法。
iv.免疫チェックポイント分子の阻害剤が、PD−1、PD−L1、PD−L2、CTLA4、TIM3、LAG3、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4およびTGFRベータから選択される、上記の実施形態i〜iiiのいずれかの方法。
v.免疫チェックポイント分子の阻害剤が、PD−1、PD−L1、LAG−3、TIM−3もしくはCTLA4の阻害剤、またはそれらの組合せから選択される、実施形態i〜iiiのいずれかの方法。
vi.免疫チェックポイント分子の阻害剤が、可溶性リガンド、または、免疫チェックポイント分子と結合する抗体もしくはその抗原結合フラグメントである、実施形態i〜vのいずれかの方法。
vii.抗体またはその抗原結合フラグメントが、IgG1またはIgG4(例えば、ヒトIgG1またはIgG4)由来である、実施形態i〜viのいずれかの方法。
viii.抗体またはその抗原結合フラグメントが、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞機能または補体機能の1つもしくは複数を増大または減少させるために変化する、例えば突然変異する、実施形態i〜viiのいずれかの方法。
ix.抗体分子が、PD−1またはPD−L1に対する第1の結合特異性およびTIM−3、LAG−3またはPD−L2に対する第2の結合特異性を有する、二重特異性または多重特異性抗体分子である、実施形態i〜viiiのいずれかの方法。
x.免疫調節薬が、ニボルマブ、ペンブロリズマブまたはピディリズマブから選択される抗PD−1抗体である、実施形態i〜ixのいずれかの方法。
xi.免疫調節薬が、YW243.55.S70、MPDL3280A、MEDI−4736、MSB−0010718CまたはMDX−1105から選択される抗PD−L1抗体である、実施形態i〜xのいずれかの方法。
xii.免疫調節薬が、抗LAG−3抗体分子である、実施形態i〜xのいずれかの方法。
xiii.抗LAG−3抗体分子が、BMS−986016である、実施形態xiiの方法。
xiv.免疫調節薬が、約1〜30mg/kg、例えば、約5〜25mg/kg、約10〜20mg/kg、約1〜5mg/kg、または約3mg/kgの用量で、例えば、1週間に1回から2、3または4週間毎に1回、注射によって(例えば、皮下にまたは静脈内に)投与される抗PD−1抗体分子である、実施形態i〜xのいずれかの方法。
xv.抗PD−1抗体分子が、約10〜20mg/kgまでの用量で、隔週で投与される、実施形態xivの方法。
xvi.抗PD−1抗体分子、例えば、ニボルマブが、約1mg/kg〜3mg/kgまで、例えば、約1mg/kg、2mg/kgまたは3mg/kgの用量で、2週間毎に、静脈内に投与される、実施形態xvの方法。
xvii.抗PD−1抗体分子、例えば、ニボルマブが、約2mg/kgの用量で、3週間間隔で、静脈内に投与される、実施形態xvの方法。
本発明の併用療法において、本発明の化合物および他の治療的共薬剤は、同じまたは異なる製造業者によって製造および/または製剤化されてよい。その上、本発明の化合物および他の治療薬を、(i)医師への併用製品の販売の前に(例えば、本発明の化合物および他の治療剤を含むキットの事例において);(ii)投与直前に医師自身によって(または医師の指導の下);(iii)患者自身で、例えば、本発明の化合物および他の治療剤の順次投与中に、まとめて併用療法としてよい。
したがって、本発明は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態を処置するための式(I)の化合物の使用を提供し、ここで、医薬は、別の治療剤との投与のために調製される。本発明は、疾患または状態を処置するための別の治療的共薬剤の使用も提供し、ここで、医薬は、式(I)の化合物とともに投与される。本発明の化合物と組み合わせて使用するための好適な共薬剤は、3A阻害剤、3Cプロテアーゼ阻害剤、ならびに、エンビロキシム、プレコナリルおよびルピントリビルを含むHRVに影響を及ぼすカプシド結合剤を含む。
本発明は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態を処置する方法において使用するための式(I)の化合物も提供し、ここで、式(I)の化合物は、別の治療剤との投与のために調製される。本発明は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態を処置する方法において使用するための別の治療的共薬剤も提供し、ここで、他の治療的共薬剤は、式(I)の化合物との投与のために調製される。本発明は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態を処置する方法において使用するための式(I)の化合物も提供し、ここで、式(I)の化合物は、別の治療的共薬剤とともに投与される。本発明は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態を処置する方法において使用するための別の治療的共薬剤も提供し、ここで、他の治療的共薬剤は、式(I)の化合物とともに投与される。
本発明は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態を処置するための式(I)の化合物の使用も提供し、ここで、患者は、先に(例えば、24時間以内に)別の治療剤で処置されている。本発明は、HRVによって引き起こされたまたは増悪された疾患もしくは状態を処置するための別の治療剤の使用も提供し、ここで、患者は、先に(例えば、24時間以内に)式(I)の化合物で処置されている。
一実施形態において、他の治療剤は、3A阻害剤、3Cプロテアーゼ阻害剤、ならびに、エンビロキシム、プレコナリルおよびルピントリビルを含むHRVに影響を及ぼすカプシド結合剤から選択される。
下記の実施例は、本発明を例証するように意図されており、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。温度は、セ氏度で記される。別段の言及がなければ、すべての蒸発は、減圧下で、典型的には約15mmHgから100mmHgの間(20〜133mbar)で実施される。最終生成物、中間体および出発材料の構造は、標準的な分析方法、例えば、微量分析および分光学的特徴、例えば、MS、IR、NMRによって確認される。使用される略語は、当該技術分野において慣例的なものである。
本発明の化合物を合成するために利用されるすべての出発材料、ビルディングブロック、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒および触媒は、市販されているか、または当業者に公知の有機合成方法によって生成され得るかのいずれかである(例えば、Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21を参照)。さらに、本発明の化合物は、下記の実施例を考慮し、当業者に公知の有機合成方法によって生成され得る。
[実施例1]
Figure 2019509316

実施例1は、下記の反応シーケンスによって作製した。
(3R,4R,5R)−4−((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)−5−(((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)メチル)−2−メトキシ−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成。
Figure 2019509316

0.5Mプロパ−1−イニルマグネシウムブロミド(144mL、0.072mol)を、THF(150mL)中の(4R,5R)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−2−メトキシジヒドロフラン−3(2H)−オン(CAS636581−82−3、11.5g、0.023mol)の溶液に、−78℃で30分間かけて添加した。反応混合物をゆっくりと室温に到達させ、4時間撹拌した。反応の完了後、これを0℃に冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチした。反応混合物をEtOAcで抽出し、有機層を、水、続いて、ブライン溶液で洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3R,4R,5R)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−2−メトキシ−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3−オール(6.12g、0.012mmol、収率48%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.83 (s, 3H), 3.40 (s, 1H), 3.49 (s, 3H), 3.70 (dd, J = 4.8, 2.0 Hz, 2H), 3.86 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 4.21 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 4.61 (ABq, J = 13.2 Hz, 2H), 4.70 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.89 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 7.18-7.24 (m, 2H), 7.35 (dd, J = 6.8, 2.0 Hz, 2H), 7.40 (dd, J = 8.0, 2.8 Hz, 2H).
(3R,4R,5R)−4−((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)−5−(((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2,3−ジオールの合成。
Figure 2019509316

水(11.6mL)中のトリフルオロ酢酸(164.25mL)を、(3R,4R,5R)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−2−メトキシ−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3−オール(50.0g、0.096mol)に0℃で添加した。反応混合物を55℃に4時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、続いて、トルエンと2回共蒸留した。得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3R,4R,5R)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−2,3−ジオール(40.10g、0.079mol、収率82%)を得た。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.86, 1.92 (s x 2, 3H), 3.44, 3.90 (brs x 2, 1H), 3.58-3.65 (m, 1H), 3.69-3.74 (m, 1H), 4.10-4.15 (m, 2H), 4.59 (ABq, J = 13.2 Hz, 2H), 4.75 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.95 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 5.10, 5.31 (s x 2, 1H), 7.22-7.25 (m, 2H), 7.33-7.40 (m, 4H).
(1R,3R,4R,5R)−4−((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)−3−(((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)メチル)−5−(プロパ−1−イン−1−イル)−2,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンの合成。
Figure 2019509316

CHCl(50mL)中の(3R,4R,5R)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−2,3−ジオール(1.0g、1.9mmol)の溶液に、EtN(0.9mL、0.0059mol)、続いて、DMAP(触媒)を室温で添加した。反応混合物を0℃に冷却し、次いで、p−TsCl(0.615g、2.9mol)を1ロットで添加した。生じた反応混合物を、室温で3時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物をCHClで希釈し、有機層を水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮して、(1R,3R,4R,5R)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−3−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−5−(プロパ−1−イニル)−2,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1.2g)を得た。この粗化合物を、次のステップに直接使用した。
(2R,3R,4R,5R)−2−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−4−((2,4−ジクロロ−ベンジル)オキシ)−5−(((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成。
Figure 2019509316

CHCN(10mL)中の4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.374g、2.4mol)の溶液に、NaH(60%懸濁液、0.176g、4.0mol)を0℃で添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。CHCN(10mL)中の(1R,3R,4R,5R)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−3−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−5−(プロパ−1−イニル)−2,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン(1.20g、2.4mol)を、反応混合物に添加した。得られた反応混合物を50℃に16時間加熱した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮し、氷冷水に注ぎ入れた。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2S,3R,4R,5R)−2−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3−オール(2ステップにわたって0.72g、1.12mmol、収率57%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.35 (s, 3H), 3.78 (dd, J = 11.2, 3.6 Hz, 1H), 3.92 (dd, J = 11.2, 2.4 Hz, 1H), 4.20 (dt, J = 8.4, 3.6 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.60 (ABq, J = 12.8 Hz, 2H), 4.75 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.94 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 6.36 (s, 1H), 6.56 (s, 1H), 6.65 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.42-7.48 (m, 3H), 7.54 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 12.8, 1.6 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.68 (s, 1H);LC−MS:m/z640.05(M+H)
(2R,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−4−((2,4−ジクロロ−ベンジル)オキシ)−5−(((2,4−ジクロロベンジル)オキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3−オールの合成。
Figure 2019509316

鋼製ボンベ内、液体NH(200mL)中の(2S,3R,4R,5R)−2−(4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3−オール(18.0g、0.028mol)の撹拌溶液に、生じた反応混合物を60℃で48時間撹拌した。反応の完了後、液体NHを減圧下で除去した。得られた粗製物を中性アルミナ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製し、CHCl中MeOHの5%勾配で溶離して、(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3−オール(12.1g、0.019mol、収率69%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.40 (s, 3H), 3.75 (dd, J = 11.2, 4.0 Hz, 1H), 3.87 (dd, J = 13.2, 2.4 Hz, 1H), 4.11-4.13 (m, 1H), 4.35 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.57 (ABq, J = 12.8 Hz, 2H), 4.77 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 6.36 (s, 1H), 6.50 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.96 (s, 2H), 7.27 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.39-7.47 (m, 3H), 7.56 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 5.6, 2.0 Hz, 2H), 8.06 (s, 1H);LC−MS:m/z621.13(M+H)
(2R,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオールの合成。
Figure 2019509316

−78℃のCHCl(1200mL)中の(2S,3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−5−((2,4−ジクロロベンジルオキシ)メチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3−オール(12.0g、19mmol)の撹拌溶液に、CHCl中1.0MBCl溶液(193mL、19mmol)を添加した。反応混合物を、−78℃で2時間、続いて、−20℃で6時間撹拌した。反応の完了後、反応物をCHCl(300mL)中のMeOH(200mL)により−30℃でクエンチし、混合物を30分間撹拌した。反応混合物をメタノール性NHにより−20℃で中和し、得られた沈殿物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(4.0g、13.1mmol、収率60%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.40 (s, 3H), 3.60-3.62 (m, 1H), 3.75-3.82 (m, 2H), 4.23 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 5.07 (br, 1H), 5.44 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.90 (s, 1H), 6.19 (s, 1H), 6.55 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.95 (s, 2H), 7.39 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H);LC−MS:m/z305.28(M+H)
((3aR,4R,6R,6aR)−6−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2,2−ジメチル−6a−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノールの合成
Figure 2019509316

アセトン中の(3R,4R,5R)−2−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(0.95g、3.1mmol)の撹拌溶液に、p−TsOH.HO(0.71g、3.7mmol)、続いて、2,2−ジメトキシプロパン(7.6mL、62.5mmol)を室温で添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を、飽和NaHCO水溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、((3aR,4R,6aR)−6−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2,2−ジメチル−6a−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール(0.79g、3.0mmol、収率73%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.45 (s, 3H), 1.56 (s, 3H), 1.58 (s, 3H), 3.64-3.69 (m, 2H), 4.05 (dd, J = 8.8, 4.4 Hz, 1H), 4.84 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.21 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 6.40 (s, 1H), 6.59 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.01 (s, 2H), 7.33 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H);LC−MS:m/z345.29(M+H)
N−(7−((3aR,4R,6R,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−3a−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドの合成
Figure 2019509316

ピリジン(2.0mL)中の((3aR,4R,6aR)−6−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2,2−ジメチル−6a−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)メタノール(0.20g、0.58mmol)の撹拌溶液に、TMSCl(0.23mL、1.8mmol)を室温で添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を10℃に冷却した後、塩化ベンゾイル(0.08mL、0.69mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を、飽和KHSO水溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。この粗材料をアンモニア水溶液で処理し、混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(7−((3aR,6R,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−3a−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(0.11g、0.25mmol、収率42%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.46 (s, 3H), 1.57 (s, 3H), 1.59 (s, 3H), 3.68-3.73 (m, 2H), 4.13 (dd, J = 9.6, 5.2 Hz, 1H), 4.89 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.21 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.70 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.55 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.65 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.69 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 8.63 (s, 1H), 11.13 (s, 1H);LC−MS:m/z449.52(M+H)
N−(7−((2R,3R,4R,5S)−3,4−ジヒドロキシ−5−(((2−ニトロフェニル)セラニル)メチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドの合成
Figure 2019509316

THF(25mL)中のN−(7−((3aR,6R,6aR)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチル−3a−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(1.60g、3.5mmol)の撹拌溶液に、1−ニトロ−2−セレノシアナトベンゼン(1.62g、7.1mol)、続いて、n−BuP(2.80mL、14mol)を室温で添加し、混合物を室温で6時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を、飽和NaHCO水溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。得られた生成物をトリフルオロ酢酸(18mL)および水(2mL)に溶解し、混合物を室温で4時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(7−((3R,4R,5S)−3,4−ジヒドロキシ−5−((2−ニトロフェニルセラニル)メチル)−3−(プロパ−1−イニル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(2.0g、3.38mmol、収率95%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.45 (s, 3H), 3.44-3.55 (m, 2H), 4.13-4.17 (m, 1H), 4.26-4.29 (m, 1H), 5.81 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 6.10 (s, 1H), 6.37 (s, 1H), 6.70 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.53-7.59 (m, 2H), 7.60-7.66 (m, 3H), 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 8.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.61 (s, 1H), 11.3 (s, 1H);LC−MS:m/z594.45(M+H)
N−(7−((3R,4S)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチレン−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドの合成。
Figure 2019509316

THF(15mL)中のN−(7−((3R,4R,5S)−3,4−ジヒドロキシ−5−(((2−ニトロフェニル)セラニル)メチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(1.31g、2.21mmol)の溶液に、30%H水溶液(1.4mL、13.9mmol)を添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に、EtN(1.9mL、13.9mmol)およびピリジン(5mL)を添加した。反応混合物を50℃で35時間撹拌した。溶媒のバルクを濃縮した後、残留物をEtOAcで希釈した。混合物を水およびブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(7−((3R,4S)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチレン−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(340mg、0.871mmol、収率39%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.75 (s, 3H), 4.25 (s, 1H), 4.42 (s, 1H), 4.92 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.91 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.31 (s, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.74 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.54-7.57 (m, 3H), 7.65 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.65 (s, 1H), 11.16 (s, 1H);LC−MS:m/z391.1(M+H)
N−(7−((3R,4S,5R)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミドの合成。
Figure 2019509316

0℃のCHCN(4mL)中のN−(7−((3R,4S)−3,4−ジヒドロキシ−5−メチレン−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(359mg、0.92mmol)の懸濁液に、トリエチルアミントリヒドロフルオリド(0.15mL、0.92mmol)、続いて、CHCN(4mL)中のN−ヨードスクシンイミド(259mg、1.15mmol)の溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を、0℃で45分間、および室温で40分間撹拌した。追加のトリエチルアミントリヒドロフルオリド(0.05mL、0.31mmol)およびCHCN(1mL)中のN−ヨードスクシンイミド(100mg、0.39mmol)の溶液を0℃で添加し、混合物を、0℃で20分間、および室温で30分間撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液およびNaの溶液に注ぎ入れた。得られた沈殿物を濾過によって収集し、EtOAcおよび水で洗浄し、乾燥させて、所望生成物を得た。濾液をEtOAcで抽出した。有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をEtOAc−シクロヘキサンで粉砕し、固体を濾過によって収集して、追加の生成物を得た。濾液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、追加の生成物とした。得られた生成物を合わせて、N−(7−((3R,4S,5R)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(434mg、0.809mmol、収率88%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.43 (s, 3H), 3.63 (dd, J = 11.6, 4.0 Hz, 1H), 3.79 (dd, J = 26.8, 11.6 Hz, 1H), 4.72 (dd, J = 18.4, 9.2 Hz, 1H), 6.01 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.25 (s, 1H), 6.61 (s, 1H), 6.73 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.55 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.62-7.67 (m, 2H), 8.07 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.65 (s, 1H), 11.16 (s, 1H);LC−MS:m/z537.1(M+H)
(2R,3S,4R)−5−(4−(N−ベンゾイルベンズアミド)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−フルオロ−2−(ヨードメチル)−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエートの合成。
Figure 2019509316

0℃のピリジン(4mL)中のN−(7−((3R,4S,5R)−5−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヨードメチル)−3−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)ベンズアミド(434mg、0.809mmol)の溶液に、塩化ベンゾイル(0.94mL、8.09mmol)を添加した。反応混合物を、0℃で5分間および室温で10時間撹拌した。EtOAcで希釈後、混合物を、KHSO水溶液(×2)、飽和NaHCO水溶液(×2)、水およびブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2R,3S,4R)−5−(4−(N−ベンゾイルベンズアミド)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−フルオロ−2−(ヨードメチル)−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(725mg、0.854mmol、収率100%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.38 (s, 3H), 3.89-3.94 (m, 2H), 6.62 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.46-7.64 (m, 9H), 7.70-7.75 (m, 2H), 7.82-7.86 (m, 4H), 7.92-7.95 (m, 2H), 8.00-8.04 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 8.69 (s, 1H);LC−MS:m/z849.5(M+H)
(2S,3S,4R,5R)−5−(4−ベンズアミド−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ベンゾイルオキシ)メチル)−2−フルオロ−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエートの合成。
Figure 2019509316

DMSO(8mL)中の(2R,3S,4R,5R)−5−(4−(N−ベンゾイルベンズアミド)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−フルオロ−2−(ヨードメチル)−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(725mg、0.854mmol)の溶液に、安息香酸ナトリウム(1.23g、8.54mmol)および15−クラウン−5(1.7mL、8.54mmol)を添加した。反応混合物を100℃で22時間撹拌した。追加の安息香酸ナトリウム(0.6g、4.16mmol)および15−クラウン−5(0.7mL、3.53mmol)を添加した。100℃で22時間撹拌した後、追加の安息香酸ナトリウム(0.6g、4.16mmol)および15−クラウン−5(0.7mL、3.53mmol)を添加した。100℃で7時間撹拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、セライトのパッドに通して濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(×2)および水で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2S,3S,4R)−5−(4−ベンズアミド−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ベンゾイルオキシ)メチル)−2−フルオロ−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(541mg、0.498mmol、収率58%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.46 (s, 3H), 4.90 (t, J = 11.6 Hz, 1H), 5.02 (dd, J = 18.0, 12.0 Hz, 1H), 5.75 (s, 1H), 6.79 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 15.2 Hz, 1H), 7.32-7.37 (m, 3H), 7.52-7.78 (m, 10H), 7.89 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 8.00 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.05 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.10 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 8.68 (s, 1H), 11.25 (s, 1H);LC−MS:m/z739.4(M+H)
(2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(実施例1)の合成。
Figure 2019509316

(2S,3S,4R,5R)−5−(4−ベンズアミド−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−((ベンゾイルオキシ)メチル)−2−フルオロ−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(541mg、0.732mmol)を、エタノール中33%メチルアミン溶液に溶解した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した後、溶媒のバルクを真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2S,3S,4R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール(183mg、0.568mmol、収率78%)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 1.39 (s, 3H), 3.56-3.62 (m, 2H), 4.51 (dd, J = 19.3, 6.8 Hz, 1H), 5.62 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 5.69 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 6.10 (s, 1H), 6.52 (s, 1H), 6.60 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 7.02 (s, 2H), 7.26 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H); 19F NMR (DMSO-d6, 376 MHz) δ-119.96;LC−MS:m/z323.3(M+H)
[実施例2]
((2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−フルオロ−3,4−ジヒドロキシ−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチルビス(((1−イソプロポキシカルボニル)オキシ)メチル)ホスフェート(実施例2)の合成。
Figure 2019509316

シンチレーションバイアル内、出発ホスホン酸(200mg、0.61mmol、((ヒドロキシホスホリル)ビス(オキシ))ビス(メチレン)ジイソプロピルジカーボネート)および実施例1のヌクレオシド(64mg、0.20mmol、(2S,3S,4R,5R)−5−(4−アミノ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル)−2−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−4−(プロパ−1−イン−1−イル)テトラヒドロフラン−3,4−ジオール)を、ピリジン(2mL)に懸濁した。1−メチルイミダゾール(247mg、3.0mmol)を添加し、混合物を30秒間超音波処理した。次いで、混合物を回転蒸発によって20分間蒸発させて、残留物とした。次いで、残留物をCHCN(2mL)に再懸濁し、30秒間超音波処理した。反応物に撹拌子を装着し、撹拌を開始した。次いで、BOP−Cl(280mg、1.1mmol、ビス(2−オキソオキサゾリジン−3−イル)ホスフィン酸クロリド)を固体として添加し、反応物を室温で3時間撹拌した。反応をLC/MSによってモニターした。反応が完了したとみなされたら、水(1mL)を添加して、クエンチした。反応物を10分間撹拌し、次いで、凍結し、凍結乾燥乾固した。残留物を分取HPLCによって精製して、所望生成物(60mg、0.076mmol、収率38%)を得た。1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 1.28 (d, J = 12 Hz, 12H), 1.47 (s, 3H), 4.34-4.42 (m, 2H), 4.66 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.86-4.93 (m, 2H), 5.62-5.69 (m, 4H), 6.63 (s, 1H), 6.95 (d, J = 4 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 4 Hz, 1H), 8.31 (s, 1H); 31P NMR (CD3OD, 162 MHz) δ -5.22;LC−MS:m/z635.2(M+H)
[実施例3]
Figure 2019509316

室温のP(=O)(OMe)(0.3mL)中の実施例1の化合物(9mg、0.028mmol)に、POCl(0.031mL、0.335mmol)を添加し、混合物を2分間撹拌した。Proton Sponge(R)(1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン:20.95mg、0.098mmol)を添加し、反応物を、室温で30分間(第1のバッチ)または2時間(第2のバッチ)にわたって撹拌し、次いで、1mLのDMFおよびBuN(0.106mL、0.447mmol)中のピロホスフェート(250mg、0.456mmol)の混合物を添加することによってクエンチした。反応物を15分間撹拌した。トリホスフェート変換の完了後、粗反応混合物を0.2N重炭酸トリエチルアンモニウム(TEAB)緩衝液(20mL)に添加し、10分間撹拌し、次いで、凍結乾燥して半固体とし、以下で記述する通りに精製した。反応を同じ規模で繰り返し、精製のために2つのバッチを合わせた。
精製:合わせた粗トリホスフェートを、トリホスフェート精製勾配を使用するPREPイオン交換クロマトグラフィーによって精製した(PREPイオン交換クロマトグラフィー、8mL/分の流量):100%水から出発し、30分で0%〜80%TEA重炭酸塩緩衝液(0.5N)/水、続いて、5分間80%TEA重炭酸塩緩衝液(0.5N)/水、次いで5分間100%水の勾配。所望のトリホスフェートが27分で広域ピークとして溶離された(3回の注射)。所望生成物画分を凍結乾燥し、次いで、100%TEA重炭酸塩緩衝液(0.2N)から出発する勾配、続いて、20分で0%〜30%までのアセトニトリル/TEA重炭酸塩緩衝液(0.2N)の勾配を使用するC18カラム(PREP C18逆相クロマトグラフィー、20mL/分の流量)による第2の精製のために、水に溶解した。所望生成物が11分前後で溶離した。第2のC18精製により得られた生成物は、ジホスフェートおよび過リン酸化(over-phosphorylated)不純物と思われるものを含有していたため、これを、第3のPREPイオン交換クロマトグラフィー、続いて、上記で言及した通りのC18カラムによる第4の精製によって再度精製して、001(実施例3:8.7mg、9.85μmol、15.79%収率)を得た。
1H NMR (400 MHz, 重水) 1H NMR (400 MHz, 重水) δ 8.14 (s, 1H), 7.42 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 4.75 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.30 (ddd, J = 11.4, 6.2, 2.7 Hz, 1H), 4.24 - 4.14 (m, 1H), 3.13 (q, J = 7.3 Hz, 18H), 1.29 (s, 3H), 1.21 (t, J = 7.3 Hz,29H). 31P: -9.42,-9.55, -12.07, -12.19, -22.78, -22.90, -23.02
H NMRに基づき、塩中のヌクレオシドトリホスフェート対EtNの比は、1/3.0である。式量は、865.801である。
生物学的アッセイおよびデータ
本発明による化合物の活性は、当該技術分野において公知の方法によって評価することができ、下記の方法を使用して、下記の表中のデータを生成した。
HRV細胞変性効果(CPE)アッセイ。化合物を、DMSO中、5mMから出発し、半対数ステップで連続希釈した。各希釈物のうち、0.5μLをアッセイプレートに移した。H1−HeLa細胞を、0.1%BSA(Gibco、15260)、1×ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(CellGro/Mediatech、Manassas、VA;30−002−CI)および1×非必須アミノ酸(CellGro;25−025−CI)を補充した45μLのDMEM中、アッセイ準備が整った化合物プレートに5000細胞/ウェルで三連の384ウェルプレートに添加し、33℃で6時間インキュベートした。対照ウェルは、DMSO単独(100%阻害)およびDMSOプラスウイルス(0%阻害)を含んでいた。33℃で6時間のインキュベーション後、5μLのヒトライノウイルスストックを、72時間以内に細胞の99%を有効に死滅させるMOIで添加した。次いで、プレートを33℃で72時間インキュベートした。CellTiter−Glo(R)ルミネッセンス細胞生存アッセイ(Promega、G7573)を製造業者のプロトコールに従って、およびPOLARstarオメガルミノメーター(BMG Labtech)を使用して、細胞生存を決定した。
HRVレプリコンアッセイ。このアッセイは、先に記述されたC群レプリコン(Mello et al, Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 2014)に基づき、P1領域を、ナノルシフェラーゼをコードするcDNA(Promega Corporation、Madiso、WI)で置きかえるという修正を加えたものであった。化合物を、DMSO中、5mMから出発し、半対数ステップで連続希釈した。各希釈物のうち、0.5μLをアッセイプレートに移した。H1−HeLa細胞をトリプシン処理し、氷冷OptiMem(R)Gibco、31985)で2回洗浄し、OptiMem(R)に1.5×10細胞/mLで再懸濁し、氷上に保管した。合計6×10細胞を、25ngのインビトロ転写RNAで電気穿孔(270V、950μF、∞抵抗)し、10分間氷上に静置させた。次いで、電気穿孔した細胞を、0.1%BSA(Gibco、15260)、1×ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(CellGro/Mediatech、Manassas、VA;30−002−CI)を補充したDMEMで、4×10細胞/mLの最終濃度に希釈した。次いで、50μLの細胞を化合物に添加し、次いで、33℃で72時間インキュベートした。次いで、48時間後に、NanoGlo(R)検出キットアッセイ(Promega、N1150)を製造業者のプロトコールに従って、およびPOLARstarオメガルミノメーター(BMG Labtech)を使用して、ルシフェラーゼシグナルを測定した。
MT4およびPC3細胞毒性アッセイ。化合物を、DMSO中、10mMから出発して、半対数ステップで連続希釈した。0.5μLの連続希釈した化合物を、アッセイプレート(Greinerカタログ番号781080)に移した。細胞を、10%FBS(NCS Lot OS−161071)、1×ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(CellGro/Mediatech、Manassas、VA;30−002−CI)を補充した50μLのRPMI1640培地中、アッセイ準備が整った化合物プレートに添加し、37℃で3または5日間インキュベートした。対照ウェルは、DMSO単独(100%阻害)を含んでいた。CellTiter−Glo(R)ルミネッセンス細胞生存アッセイ(Promega、G7573)を製造業者のプロトコールに従って、およびPOLARstarオメガルミノメーター(BMG Labtech)を使用して、細胞生存を決定した。
ヒトDNAポリメラーゼガンマアッセイ。
ヒトDNAポリメラーゼガンマ単一ヌクレオチド組み込みアッセイは、Clark et al. (Discovery of beta-D-20-deoxy-20-a-fluoro-40-a-cyano-5-aza-7,9-dideaza adenosine as a potent nucleoside inhibitor of respiratory syncytial virus with excellent selectivity over mitochondrial RNA and DNA polymerases. BMCL, 25: 2484-2487.)から適応させた。簡潔に述べると、200nMの組換えヒトDNAポリメラーゼガンマ(大サブユニット;POLG)および400nMの組換えヒトDNAポリメラーゼアクセサリーサブユニット(POLG2)を、氷上で2分間プレインキュベートした。RNAとの伸長複合体は、アッセイ緩衝液(50mMのトリス/HCl、pH8、10mMのMgCl、50mMのNaCl、1mMのDTT)中、室温(RT)で1.5分間、150nMのアニールしたDNAプライマー/鋳型二本鎖DNAの添加、続いて、100μMのヌクレオシドトリホスフェート基質または阻害剤との急速混合によって形成した。組換えPOLG(aa30−1239)およびPOLG2(aa26−485)タンパク質を大腸菌(E. coli)から精製し、5mMのトリスpH7.5、250mMのNaCl、10%グリセロール、0.005%NP40およびPOLG2(aa26−485)、ならびに50mMのトリスpH7.5、150mMのNaCl、1mMのTCEP、0.005%NP40、10%グリセロール中にそれぞれ保管した。任意の反応物に添加されるPOLRMTの体積は、常に全体積の10分の1以下であった。プライマー鋳型は、適切な34−mer DNA鋳型にアニールされて、A、C、GまたはUデオキシ−またはリボヌクレオチドの単一添加を可能にする、5’−FAM標識18−mer DNAオリゴヌクレオチドプライマー(5’−TTTTGTCTTTGTACTAGGAGGC−3’)からなった(Clark et al. 2012)。反応を室温で1分間続行させ、EDTA(50mM)の添加によってクエンチした。変性PAGEによって、生成物を基質から分割した。等体積のローディング緩衝液(95%ホルムアミド、18mMのEDTAおよび0.025%SDS、キシレンシアノール、ならびにブロモフェノールブルー;Ambion、USA)を、クエンチした反応混合物に添加し、65℃に5分間加熱した後、1×TBE(89mMのトリス塩基、89mMのホウ酸、2mMのEDTA)および7Mの尿素を含有する20%変性ポリアクリルアミドゲルにロードした。電気泳動を、1×TBE緩衝液中、600Vで実施した。ゲルを、蛍光検出モード下、タイフーンイメージャーで可視化し、Image Quant(商標)TLソフトウェア(GE Healthcare、Piscataway、NJ)で定量化した。DNAオリゴヌクレオチドは、Sigma Aldrich、USAから取り寄せた。
ヒトミトコンドリアRNAポリメラーゼアッセイ。ヒトミトコンドリアRNAポリメラーゼ(POLRMT)単一ヌクレオチド組み込みアッセイは、Arnold et al. (Sensitivity of mitochondrial transcription and resistance of RNA polymerase II dependent nuclear transcription to antiviral ribonucleosides. PloS Pathogen 8(11):e1003030.)から適応させた。簡潔に述べると、伸長複合体は、500nMのPOLRMTを、250nMのアニールしたDNA鋳型/RNA二本鎖プライマーとともに、アッセイ緩衝液(25mMのトリス−HCl、pH8、50mMのKCl、10mMのMgCl、1mMのジチオトレイトール、0.2U/μLのRNasin)中、室温(RT)で1.5分間インキュベートすること、続いて、500μMのヌクレオシドトリホスフェート基質または阻害剤との急速混合によって形成した。精製完全長POLRMT(Enzymax、USA)を、10mMのトリス−HCl(pH8.0)、1mMのDTT、100mMのNaClおよび20%グリセロール中で保管した。任意の反応物に添加されるPOLRMTの体積は、常に全体積の10分の1以下であった。プライマー鋳型は、適切な18−mer DNA鋳型にアニールされて、A、C、GまたはUリボヌクレオチドの単一添加を可能にする、5’−FAM標識8−mer RNAオリゴヌクレオチドプライマー(5’−UUUUGCCGCGCC−3’)からなった(Arnold et al. 2012)。反応を室温で5分間続行させ、EDTA(50mM)の添加によってクエンチした。変性PAGEによって、生成物を基質から分割した。等体積のローディング緩衝液(95%ホルムアミド、18mMのEDTAおよび0.025%SDS、キシレンシアノール、ならびにブロモフェノールブルー;Ambion、USA)を、クエンチした反応混合物に添加し、65℃に5分間加熱した後、1×TBE(89mMのトリス塩基、89mMのホウ酸、2mMのEDTA)および7Mの尿素を含有する23%変性ポリアクリルアミドゲルにロードした。電気泳動を、1×TBE緩衝液中、600Vで実施した。ゲルを、蛍光検出モード下、タイフーンイメージャーで可視化し、Image Quant TLソフトウェア(GE Healthcare、Piscataway、NJ)で定量化した。DNAおよびRNAオリゴヌクレオチドは、Sigma Aldrich、USAから取り寄せた。
HTSについてのDENVポリメラーゼデノボ開始および伸長アッセイ:
1)デノボ蛍光ベースのアルカリホスファターゼ結合ポリメラーゼアッセイ(デノボFAPA):簡潔に述べると、アッセイは、20μLの最終体積で、次の通りに順次行った:90%DMSOおよび10%水に溶解した0.25uLの化合物を、384ウェルハイベース中吸着黒色プレート中に押し付け、対照ウェルにはDMSO/水混合物のみを受けさせた。酵素アッセイ緩衝液中の5μLの200nM DENV4 RdRpタンパク質ストック溶液を、アッセイプレートに分注し、湿度制御インキュベーター内、25℃で15分間プレインキュベートした。酵素反応を開始するために、5μLの200nM DENV4 IVT RNA基質ならびに40μMのGTP、ATP、UTPおよび10μMのAtto−CTP基質をすべてのウェルに添加し、この時点で、プレートを、湿度制御インキュベーター内、25℃で2時間インキュベートした。RNAおよびNTP基質混合物を、酵素アッセイ緩衝液中で同様に調製した。最終的な反応条件は、100nMの酵素、100nMのRNA、20μMのNTPおよび5μMのATTO−CTPを含有していた。中立対照(高活性対照)は、100nMの酵素、100nMのRNA、20μMのNTPおよび5μMのATTO−CTPからなった。活性対照(低活性ベースライン対照)は、1×アッセイ緩衝液、100nMのRNA、20μMのNTPおよび5μMのATTO−CTPからなった。反応を終了させるために、20nMのCIP(仔牛小腸ホスファターゼ)を含有する10μLの停止溶液をすべてのウェルに分注し、プレートを25℃で1時間インキュベートした。CIPを希釈するための停止溶液を、AttoPhos(R)緩衝液(2.4MのDEA pH10、0.057mMのMgClおよび0.85mMのNaN)中、追加の20mMのMgClおよび160mMのNaClとともに調製し、4℃で保管した。Tecan Infinite(R)M6リーダーを、420nmの励起波長および560nmの発光波長、ならびに255フラッシュのゲイン:50を使用する、蛍光シグナル読み出しに使用した。
HepG2およびK562における細胞毒性(CC50アッセイ)
白色TCグレードグライナー384ウェルアッセイプレートに、90%DMSO/10%水中の0.5μLの化合物を押し付けた。HepG2細胞をトリプシン処理し、50mLのファルコンチューブ中に収集した。K562懸濁細胞を50mLのファルコンチューブ中に収集した。細胞を含有する両方のチューブを、卓上型遠心分離機内、1200rpmで5分間スピンさせた。上清を廃棄し、細胞ペレットを新鮮な培養培地(HepG2:DMEM:F12混合+10%FBS+1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよびK562:IMDM+10%FBS+1%ペニシリン−ストレプトマイシン)に再懸濁した。血球計算盤を使用して細胞をカウントし、細胞を希釈して、HepG2については50,000細胞/mL、K562については20,000細胞/mLの作業懸濁液とした。50μLの細胞懸濁液を、384アッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイプレートを、37℃、5%CO、90%湿度インキュベーターで72時間インキュベートした。次いで、アッセイプレートを25μLのPromegaのCell−Titer Glo(R)試薬で処理し、室温で10分間インキュベートした。プレートを、PolarStar−Omegaで、ルミネッセンス設定および3300のゲインを使用して読み出した。
上述したアッセイを使用して、本発明の化合物は、下記の表中にまとめられている通りの抗ウイルス効能を呈する。この4’−アジド−シチジンを対照として使用した:
Figure 2019509316
Figure 2019509316
Figure 2019509316
前述のデータは、式(I)のヌクレオシドが、多様なHRV血清型および他のウイルスに対する強力な活性を提供し、一方で、一般に使用される細胞毒性モデル(MT4、PC−3等)によって測定される通り、哺乳動物細胞に対する毒性について低い可能性、ヒトミトコンドリアポリメラーゼ組み込みアッセイ(DNAポリメラーゼγおよびRNAポリメラーゼ)によって測定される通り、ミトコンドリア毒性について低い可能性、およびCox/SDH比アッセイに基づき、低い細胞培養ミトコンドリア毒性を呈することを実証する。

Claims (18)

  1. 式(I):
    Figure 2019509316

    [式中、
    は、H、Me、Et、iPrまたはシクロプロピルであり、
    は、H、ホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、−P(=X)(OR、−P(=X)(OR)(NR)または−P(=X)(NRであり、Rは、Hまたは−C(O)Rであるか、
    または、RおよびRは、一緒になって、−P(=X)(OR)−もしくは−P(=X)(NR)−を形成し、
    Xは、それぞれの出現において、独立して、OまたはSであり、
    は、H、リストAから選択される1または2個の基で場合により置換されているフェニル、ならびに、ハロ、−OR、−OC(O)R、−OC(O)−OR、−NR、−C(O)R、COORおよび−C(O)NRから選択される1または2個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルから選択され、
    各Rは、独立して、H、−C(O)R、COOR、または、OH、アミノもしくはCOORで場合により置換されているC〜Cアルキルであり、
    各Rは、H、リストAから選択される1または2個の基で場合により置換されているフェニル、およびリストBから選択される1または2個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルから独立して選択され、
    各Rは、独立して、H、または、ハロ、ヒドロキシ、CN、アミノ、C〜Cアルコキシ、−C(O)R、−OC(O)R、−C(O)−ORもしくは−OC(O)−ORから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキル基であり、
    は、H、またはハロ、ヒドロキシ、CN、アミノおよびC〜Cアルコキシから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキル、またはリストAから選択される1もしくは2個の基で場合により置換されているフェニルから選択され、
    リストAは、ハロ、ヒドロキシ、−NO、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)−OR、−N(R、−C(O)R、COOR、−C(O)N(R、ならびに、ハロ、ヒドロキシ、CN、アミノおよびC〜Cアルコキシから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルであり、
    リストBは、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、CN、−OR、−OC(O)R、−OC(O)−OR、−N(R、−C(O)R、COORおよび−C(O)N(Rであり、
    は、それぞれの出現において、H、ならびに、ハロ、ヒドロキシ、CN、アミノおよびC〜Cアルコキシから選択される1〜3個の基で場合により置換されているC〜Cアルキルから独立して選択され、
    同じ窒素原子に結合した2個のRは、場合により環化して、3〜7員ヘテロ環を形成することができ、これは、環員として追加のN、OまたはSを場合により含有し、オキソ、ハロ、−OH、アミノ、C〜Cアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cハロアルキルから選択される1または2個の基によって置換され得る]
    の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  2. が、メチルである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、Hである、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. が、ホスフェート、ジホスフェートもしくはトリホスフェートである、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  5. が、−P(=X)(ORである、請求項1もしくは請求項2に記載の化合物、
    または薬学的に許容されるその塩。
  6. 各Rが、−CH−O−C(O)−Rおよび−CH−O−C(O)−ORから選択され、各Rが、独立して、C〜Cアルキルである、請求項5に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  7. およびRが、一緒になって、−P(=O)(OR)−または−P(=O)−(NR)−を形成する、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  8. が、Hである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  9. Figure 2019509316

    [式中、Rは、H、ホスフェート、ジホスフェートまたはトリホスフェートである]
    である、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  10. 式:
    Figure 2019509316

    のものである、請求項1もしくは2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  11. 式:
    Figure 2019509316

    のものである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  12. Figure 2019509316

    から選択される、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
  14. 治療有効量の請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と、1つまたは複数の治療的に活性な共薬剤とを含む、組合せ物。
  15. HRV感染症またはチクングニア感染症を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1〜12のいずれかに記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。
  16. 医薬として使用するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
  17. ヒトライノウイルス感染症の処置に使用するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
  18. ヒトライノウイルス感染症の処置のための医薬の製造における、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用。
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