JP2019507481A - リチウムイオン電池化成プロセス - Google Patents

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Abstract

アノード(12)、カソード(16)、電解質(22)、およびセパレータ(20)を含むリチウムイオン電池(10)のための化成プロセスを実行する方法であって、化成プロセスは、アノード(12)上への固体電解質界面(24)の堆積を改善するために電解質(22)に添加剤を添加する工程と、SEI(24)中の添加剤濃度を測定することによってSEI堆積完了時の電圧値であるSEI形成終了時電圧値を決定する工程と、電池(10)を第1の所定のレートにおいてSEI形成終了時電圧まで充電する工程と、次いで電池(10)を第2の充電レートにおいて満充電容量まで充電する工程であって、第2の充電レートは第1の充電レートよりも大きい、工程とを含む。

Description

本開示の分野
本開示はリチウムイオン電池に関し、より具体的には、リチウムイオン電池の初回充電(化成プロセス)方法の改良に関する。
本開示の背景
リチウムイオン電池は、放電中にはリチウムイオンが陰極から陽極へ、充電中には陽極から陰極へ移動する種々の型の蓄電池からなる群に属する。
リチウムイオン電池には多様な型がある。一般的にアノードは炭素を含み、カソードはリチウム化合物を含む。アノードとカソードとは細穿孔プラスチックシートなどの多孔質ポリマー製のセパレータによって隔てられており、イオンはこのセパレータを通過できる。アノード、カソード、およびセパレータは電解質中に浸漬されている。
リチウムイオン電池はそのカソード材料によって分類される。
リチウムイオン電池を組み立てた後、電池が使用に好適とされるために、リチウムイオン電池は、作業物質を活性化するために、正確に制御された充放電サイクルに少なくとも1回供されてもよい。この工程は化成プロセスとよばれる。この化成プロセスにより、電池が初回満充電状態となる。
化成プロセスにおいて、アノード上に固体電解質界面(solid electrolyte interface、SEI)が形成される。SEIの形成は、リチウムイオン電池の寿命にとって重要である。
リチウムイオン電池の初回充電、すなわち化成プロセスを行なう方法が提案されている。
典型的には、一定の充電レートにおいて電池が充電される。充電レートはCレートとも表され、これは、電池の1時間分の容量に等しい充電レートまたは放電レートを表す。SEIの形成は低いCレートで最も良好となることが見いだされているが、Cレートが低いと初回充電時間が長くなる。実際、C/5に等しいCレートで電池を満充電状態とするにはほぼ5時間かかるであろう。電池を低いCレートで電池満充電電圧まで充電することにより、この初回充電時に炭素製アノード上にSEIを形成させ、次いで満充電電圧のまま、電流値が閾値を下回るまで電池を保持する。次いで、電池を2時間休止させた後に低いCレートで、予め設定された電圧まで、すなわち放電終止電圧まで放電させる。この化成プロセスは少なくとも1サイクル実施されてもよい。
リチウムイオン電池の製造時間を短縮する目的で、いわゆる動的化成プロセスが提案されている。このプロセスは、アノード上におけるSEI層の形成終了(電圧閾値に対応)まで電池を低いCレートで充電し、次いで高いCレートで電池を満充電電圧まで充電するものである。たとえばUS2015/060290はこうした化成プロトコールを開示する。この化成プロトコールでは少なくとも、電池の満充電電圧までの充電を少なくとも2回実施し、電池の充電と放電との間に毎回電池を2時間ずつ休止させているため、この動的化成プロセスにかかる総時間は40時間を超える。また、US2015/060290においては、温度差を用いた方法によってアノード上へのSEI層形成終了時電圧値が測定されているため、測定値が近似値である。
また、SEI形成を改善してアノード安定性を高めるために、電解質中に添加剤が添加されている。
本開示の概要
現状では、化成プロセスにかかる時間を短縮しつつ、充放電サイクルを多数回実施しても良好な特性を有する電池を得ることが望まれている。
したがって、本開示の実施形態は、アノード、カソード、電解質、およびセパレータを有するリチウムイオン電池のための化成プロセスを実行する方法を提供する。上記方法は、
アノード上への固体電解質界面の堆積を改善するために電解質に添加剤を添加する工程と、
SEI中の添加剤濃度を測定することによってSEI堆積完了時の電圧値であるSEI形成終了時電圧値を決定する工程と、
電池を第1の所定のレートにおいてSEI形成終了時電圧まで充電する工程と、
次いで電池を第2の充電レートにおいて満充電容量まで充電する工程であって、第2の充電レートは第1の充電レートよりも大きい、工程とを含む。
このような方法を提供することにより、SEI形成終了時電圧値が正確に決定される。実際、SEI中の添加剤濃度を正確な方法で計測できるようになる。SEI形成終了時電圧値の決定は、化成プロセスを電池に適用する前になされる。
複数の電池が、第1の所定のレートにおいて充電される。個々の電池が所与の電圧まで充電され、アノードの一部の上に形成されたSEIの添加剤濃度が計測され、これによってSEI形成終了時電圧値が決定され得る。SEI形成終了時電圧値はこうして決定されるが、このSEI形成終了時電圧値を用いて、SEI形成終了時電圧値の決定に使用した複数の電池と同一の構成および同一の構成要素を有する複数の電池の初回充電を実施してもよい。
添加剤が添加された電解質を含む電池を第1の所定のレートにおいて充電することにより、良好な電気化学的特性を有するSEIがアノード上に形成される。
SEI形成が完了すると、電池が第2の所定のレートにおいて満充電容量まで充電される。第2の充電レートは第1の充電レートよりも大きい。これにより、化成プロセスにかかる時間が短縮される。
SEI形成終了時電圧値は、SEI中の添加剤濃度が一定になるときの電圧として決定されてもよい。
実際、充電時間を長くしたり充電電圧を大きくしたりしてもSEI中の添加剤濃度が増大しなければ、アノード上のSEI形成が完了したと結論づけることができる。
SEIの添加剤濃度はXPSによって計測されてもよい。
X線光電子分光法(XPS)は、試料表面の元素組成を計測できる定性定量分析技術である。XPSによればリチウムのような軽元素も検出可能であり、元素組成を1000分の1単位で計測できる。XPSのもうひとつの利点として、試料表面標本に追加処理を要さずに試料表面の化学的性質を分析できるという点がある。
第1の所定のレートは、2C以下であってもよく、好ましくは1C以下であってもよく、より好ましくは0.5C以下であってもよい。
第1の所定のレートにおいて、アノード上にSEIが形成され得る。この第1の所定のレートによれば、化成プロセス全体にかかる時間を大幅に延長することなく、良好な電気化学的特性を有するSEIを形成できる。
第2の所定のレートは、2C以上であってもよく、好ましくは3C以上であってもよく、より好ましくは4C以上であってもよい。
第2の所定のレートは第1の所定のレートよりも大きいため、第2の所定のレートを用いることにより、化成プロセスにかかる時間を短縮できる。実際、第2の所定のレートが第1の所定のレートよりも大きいため、第2の所定のレートでの場合の方が第1の所定のレートでの場合よりも、ピーク電圧値の終わりから満充電電圧に到達するまでの充電時間が短くなる。
電池が満充電容量まで充電される前に、第1の所定のレートにおいて電池のカットオフ電圧値まで電池が放電されてもよく、また、第1の所定のレートにおいてSEI形成終了時電圧値まで電池が再度充電される。
カットオフ電圧値とSEI形成終了時電圧値との間でサイクルを実施することによって、電池の容量保持性が改善され得る。
電解質中に提供される添加剤はシュウ酸塩、エチレンカーボネート、またはスルホンから選択されてもよい。
添加剤の分解電圧は、電解質の分解電圧より低くてもよい。
添加剤により、アノード上のSEI形成を改善することができ、また形成されるSEIの使用時特徴が、電解質のみから形成されるSEIの使用時特徴よりも優れ得る。その結果、リチウムイオン電池の寿命を改善でき、かつ電力を高めることができる。
第1の所定のレートは、添加剤との相関関係において選択されてもよい。
第1の所定のレートを添加剤との相関関係において選択することにより、電池性能がさらに良好となり得る。たとえば、電池の容量保持性が改善され得る。第1の所定のレートの選択は、電池の初回充電開始前に試験用電池について簡単な試験を実施することによってなされてもよい。特に、計測電圧に対する充電容量の一次導関数(dQ/dV)は、充電容量および電圧の計測値から計算されてもよい。一次導関数は少なくとも1つのピークを有し、その最大ピーク値電圧は、電池を所定のレートで充放電すると低下する。第1の所定のレートは、dQ/dV曲線の低下傾向との相関関係において選択されてもよい。
上述した要素および明細書中に記載される要素は、相反する記載がない限り組み合わせてもよい。
上述の概要および以下の詳細な説明はいずれも具体例であって、説明目的で記載するものであり、請求項記載の本開示を限定するものではないことが理解される。
添付の図面は、本明細書に援用され、本明細書の一部を構成している。本開示の実施形態を例示するものであり、かつ、本明細書の記載とともに本明細書の基本的な思想を説明するものである。
リチウムイオン電池を示す。 本開示の実施形態に係る例示的な方法を説明するブロック図である。 添加剤添加および添加剤未添加のSEIのXPSスペクトルであり、強度(単位は任意)を結合エネルギー(電子ボルト)との相関関係において表す。 SEI中の添加剤濃度(原子組成パーセント、atomic share percent)を電圧(ボルト)との相関関係において表すグラフである。
実施形態の説明
以下に、本開示の例示的な実施形態が詳細に参照される。これら実施形態の例が、添付の図面中に示される。全ての図面を通して、同一または類似の部品や部分には可能な限り同一の参照番号が用いられる。
図1は、リチウムイオン電池10の一例を示す概略図である。リチウムイオン電池10は、アノード集電体14上に固定されたアノード12とカソード集電体18上に固定されたカソード16とを備える。アノード12とカソード16とはセパレータ20によって隔てられており、アノード12、カソード16、およびセパレータ20は電解質22中に浸漬されている。
典型的には、アノード12は炭素質材料製、アノード集電体14は銅製、カソード16はリチウム層間化合物製、カソード集電体18はアルミニウム製である。電解質22中に存在するリチウムイオンは、電池10の放電中にはアノード12からカソード16へ、電池10の充電中にはカソード16からアノード12へ移動する。
アノード12上に固体電解質界面(SEI)24が形成される。SEI24の形成は電池の化成プロセス中に、すなわち電池の初回充電中に生じる。
SEI形成を改善するために、電解質22に添加剤が添加されてもよい。
実施形態によっては、電解質中に提供される添加剤はシュウ酸塩、エチレンカーボネート、またはスルホンから選択されてもよい。
シュウ酸塩の例としては、下記のものとリチウムとの塩を挙げることができる。
Figure 2019507481
(1)はジフルオロ(オキサレート)フォスフェートである。
(2)はジフルオロ(オキサラト)ボレートである。
(3)はビス(オキサラト)ボレートである。
(4)はテトラフルオロ(オキサラト)フォスフェートである。
(5)はトリス(オキサラト)フォスフェートである。
エチレンカーボネートの例として、以下を挙げることができる。
Figure 2019507481
(6)はビニレンカーボネートである。
(7)はフルオロエチレンカーボネートである。
(8)は(フルオロメチル)エチレンカーボネートである。
スルホンの例として、以下を挙げることができる。
Figure 2019507481
(9)はスルホランである。
(10)はエチルメチルスルホンである。
図2は、本開示の実施形態に係る例示的な方法を説明するブロック図である。
工程26において、SEI形成終了時電圧値VSEIが決定される。
工程28において、アノード12上へのSEI24の堆積を改善するために電池10中の電解質22に添加剤が添加される。
工程30において、電池10が第1の所定のレートCにおいて、工程26で決定されたSEI形成終了時電圧値VSEIまで充電される。
たとえば、電池10において、アノード12はグラファイト製、カソード16はLiNo1/3Co1/3Mn1/3製、セパレータ20はポリエチレンを含む薄膜製である。電解質22はエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、およびエチルメチルカーボネートの等体積比混合物である。電解質はさらに1mol/L(モル/リットル)のLiPFを含む。添加剤はリチウムジフルオロ(オキサレート)フォスフェートであり、電解質22に5重量%(重量パーセント)で添加される。
たとえば、第1の所定のレートCは0.3Cに等しくてもよい。この第1の所定のレートCによれば、化成プロセス全体にかかる時間を大幅に延長することなく、良好な電気化学的特性を有するSEI24を形成できる。
次いで、電池10が第2の所定のレートCにおいてSEI形成終了時電圧値VSEIから満充電容量まで充電される。
図2に示すように、電池10がSEI形成終了時電圧値VSEIまで充電された後、電池10が、第1の所定のレートC1においてSEI形成終了時電圧値VSEIからカットオフ電圧値Vcutまで放電されてもよい。
たとえば、カットオフ電圧値Vcutは3Vに等しくてもよい。
次いで、電池10が第1の所定のレートCにおいてSEI形成終了時電圧値VSEIまで充電される(工程30)。
この充放電サイクル、すなわち工程30および工程32は繰り返されてもよく、これによりSEI形成がより良好となる。
次いで、電池10が第2の所定のレートCにおいてSEI形成終了時電圧値VSEIから満充電容量まで充電される。
工程30および工程32を繰り返すことにより電池10の容量保持性が高くなり得るが、同時に化成プロセスにかかる時間が長くなり得る。
SEI形成終了時電圧値VSEIは、以下のように決定されてもよい。
同一の構成要素を有する所与の数の電池10が第1の所定のレートCにおいて異なる電圧まで充電された。第1の所定のレートCでの充電により到達した電池10の電圧を、表1中にまとめる。
Figure 2019507481
次いで、試料A〜Hのアノードがエチルメチルカーボネート溶液中に10分間浸漬され、乾燥された。試料A〜Hのアノードは、XPS分析に供せる状態となった。
XPS分析におけるX線の強度は1500eV(電子ボルト)であり、X線の径は200μm(マイクロメートル)であった。
図3に示すように、電解質22への添加剤の添加なしでアノード12上に形成されたSEI24のXPSスペクトル(破線)はピークを有さないが、電解質22へのリチウムジフルオロ(オキサレート)フォスフェート添加剤の添加ありでアノード12上に形成されたSEI24のXPSスペクトル(破線)は134.85eVにピークを有している。
このピークは添加剤に相当するものであり、したがって、このピークを用いてSEI24中のリチウムジフルオロ(オキサレート)フォスフェート濃度が計測される。
図4に示すように、電圧(ボルト)との相関関係におけるSEI中の添加剤濃度(%)は平衡となる。すなわち、SEI中の添加剤濃度は所与の電圧値を上回らない。この電圧値は、所与の電池についての所与の第1の所定のレートCにおけるSEI形成終了時電圧値VSEIである。この例において、SEI形成終了時電圧値VSEIは2.5V(ボルト)に等しい。
本開示の例示的な方法に係るアノード12上にSEI24が形成された電池10の性能を実証する目的で、同様の電池、すなわち同一の構成要素を有する電池について種々の化成プロセスが適用された。
上記種々の化成プロセスを表2中にまとめる。表には、表中に列記された化成プロセスにより得られる電池の化成プロセスにかかる時間と容量保持性とについても記載される。
Figure 2019507481
試料1が3Cにおいて満充電容量まで充電された。
試料3が0.3Cにおいて満充電容量まで充電された。
試料2が、当該例では0.3Cに等しい第1の所定のレートC1において、SEI形成終了時電圧値VSEIまで充電され、次いで、当該例では3Cに等しい第2の所定のレートCにおいて、SEI形成終了時電圧値VSEIから満充電容量まで充電された。
表2に示されるように、試料1は、化成プロセスにかかる時間は比較的短いが、容量保持性は比較的不良である。
試料2および3の容量保持性は上記よりも良好である。試料2および3は容量保持性はほぼ同じであるが、試料2の化成プロセスにかかる時間は試料3の化成プロセスにかかる時間の6分の1よりさらに短い。
したがって、SEI形成終了時電圧値VSEIを正確に決定しかつ異なる所定の充電レートを用いることにより容量保持性が良好で化成プロセスにかかる時間が比較的短い電池を製造可能である、ということが示される。
請求項を含む本記載全体にわたって、「含む」という用語は、特記しない限り、「少なくとも1つ含む」と同義であるとして理解される。また、本記載(請求項を含む)中に示される範囲はいずれも、特記しない限り、当該範囲の両端の値を含むものとして理解される。記載された要素についての特定の値は、当業者に公知である許容製造公差または工業界における許容公差の範囲内であるものとして理解され、また、「実質的に」および/または「ほぼ」および/または「一般的に」という用語が使用されている箇所では、これらの用語の意味が上記の許容公差の範囲内にあるものとして理解される。
本明細書中の開示は特定の実施形態を参照して記載されたものであるが、これらの実施形態は本開示の思想および用途についての例示を示すのみであることが理解される。
本明細書および実施例は具体例として提示されるのみであり、本開示の真の範囲は以下の請求項により示される。
本方法は単電池について記載される。ただし、本方法は複数の単電池を備える電池にも容易に適用可能である。
(1)はジフルオロビス(オキサラト)フォスフェートである。
(2)はジフルオロ(オキサラト)ボレートである。
たとえば、電池10において、アノード12はグラファイト製、カソード16はLiNo1/3Co1/3Mn1/3製、セパレータ20はポリエチレンを含む薄膜製である。電解質22はエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、およびエチルメチルカーボネートの等体積比混合物である。電解質はさらに1mol/L(モル/リットル)のLiPFを含む。添加剤はリチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェートであり、電解質22に5重量%(重量パーセント)で添加される。
図3に示すように、電解質22への添加剤の添加なしでアノード12上に形成されたSEI24のXPSスペクトル(破線)はピークを有さないが、電解質22へのリチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート添加剤の添加ありでアノード12上に形成されたSEI24のXPSスペクトル(線)は134.85eVにピークを有している。
このピークは添加剤に相当するものであり、したがって、このピークを用いてSEI24中のリチウムジフルオロビス(オキサラト)フォスフェート濃度が計測される。

Claims (8)

  1. アノード(12)、カソード(16)、電解質(22)、およびセパレータ(20)を含むリチウムイオン電池(10)のための化成プロセスを実行する方法であって、前記化成プロセスは、
    前記アノード(12)上への固体電解質界面(24)の堆積を改善するために前記電解質(22)に添加剤を添加する工程と、
    前記SEI(24)中の添加剤濃度を測定することによってSEI堆積完了時の電圧値であるSEI形成終了時電圧値(VSEI)を決定する工程と、
    前記電池(10)を第1の所定のレート(C)において前記SEI形成終了時電圧(VSEI)まで充電する工程と、
    次いで前記電池(10)を第2の充電レート(C)において満充電容量まで充電する工程であって、前記第2の充電レート(C)は前記第1の充電レート(C)よりも大きい、工程とを含む、方法。
  2. 前記SEI形成終了時電圧値(VSEI)は前記SEI(24)中の添加剤濃度が一定になるときの電圧として決定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記SEI(24)の添加剤濃度はXPSによって計測される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第1の充電レート(C)は2C以下、好ましくは1C以下、より好ましくは0.5C以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第2の充電レート(C)は2C以上、好ましくは3C以上、より好ましくは4C以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記電池(10)が満充電容量まで充電される前に、前記電池(10)が前記第1の所定のレート(C)において前記電池(10)のカットオフ電圧値(Vcut)まで放電され、前記電池(10)が前記第1の所定のレート(C)において前記SEI形成終了時電圧値(VSEI)まで再度充電される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記電解質(22)中に提供される添加剤はシュウ酸塩、エチレンカーボネート、またはスルホンから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記第1の所定のレート(C)は前記添加剤との相関関係において選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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東レリサーチセンター THE TRC NEWS, JPN6019036981, 2013, pages 21 - 23, ISSN: 0004121111 *

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