JP2019504910A - 低ゲル含量の官能化エチレン系ポリマーを製造するための方法 - Google Patents

低ゲル含量の官能化エチレン系ポリマーを製造するための方法 Download PDF

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Abstract

官能化エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーを含む第1の組成物を、少なくとも以下の、(A)構造Iの少なくとも1つの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤であって、式中、R、R、R、R、R、及びRは各々独立して、水素またはヒドロカルビル基であり、任意選択的に、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)は、環構造を形成するが、但し、(i)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、(ii)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基である、炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤、(B)構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤以外の少なくとも1つのフリーラジカル開始剤(非C−Cフリーラジカル開始剤)、例えば過酸化物、及び(C)少なくとも1つの官能化剤、例えば無水マレイン酸、と反応させるステップを含む方法によって調製される。
【化1】

【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年1月28日に出願され、参照により本明細書に組み込まれる米国仮出願第62/288,017号の利益を主張する。
官能化エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマー、例えば、エチレンのホモポリマー、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高圧低密度ポリエチレン(LDPE)等、またはエチレンと1つ以上のC3−C20アルファ−オレフィンとのコポリマー、例えば、エチレンと、プロピレン、もしくは1−ブテン、もしくは1−ヘキセン、もしくは1−オクテンとのコポリマー等であり、エチレン系ポリマー骨格に結合された1つ以上の官能化剤、例えば無水マレイン酸(MAH)等を有する。市販されている官能化エチレン系ポリマーの一例は、AMPLIFY(商標)GR官能性ポリマーのファミリー、例えば無水マレイン酸(MAH)グラフト化ポリエチレン(MAH−g−ポリエチレン)である。
官能化エチレン系ポリマーの典型的な調製では、エチレン系ポリマーをグラフト条件下で官能化剤と接触させる。これらの条件は、典型的には、フリーラジカル開始剤、例えば過酸化物またはアゾ化合物の使用を含む。これらの材料は、典型的には、押出機等の反応容器中で高温において互いに接触する。有効ではあるが、この方法は、典型的には、フリーラジカル開始剤の早期活性化に起因する架橋の結果としてゲルを含有する官能化エチレン系ポリマーの最終生成物を製造する。理想的には、開始剤が活性化される前に、均質な反応塊を生成させるために、エチレン系ポリマー、官能化剤、及びフリーラジカル開始剤を互いに長時間混合するが、しばしば、開始剤の少なくともいくらかは、均一な反応塊が得られる前に押出機内で発生した剪断力に起因して、または開始剤活性化温度に達することに起因して活性化され、これにより、次に、官能化剤と反応するのとは対照的に、エチレン系ポリマーを架橋させる。官能化エチレン系ポリマー中のゲルの性質及び量によっては、そのポリマーはその意図した目的に適さない場合がある。
一実施形態では、本発明は、官能化エチレン系ポリマーを含む組成物を形成する方法であって、その方法は、エチレン系ポリマーを含む第1の組成物を、少なくとも以下の、
(A)構造Iの少なくとも1つの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤であって、
式中、R、R、R、R、R、及びRは各々独立して、水素またはヒドロカルビル基であり、
任意選択的に、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)が、環構造を形成するが、但し、
(i)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、
(ii)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基である、炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤、
(B)構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤以外の少なくとも1つのフリーラジカル開始剤(非C−Cフリーラジカル開始剤)、及び
(C)少なくとも1つの官能化剤、と反応させることを含む。
MAH−g−ポリエチレンを製造するために使用されるZSK−25押出機システムの概略レイアウトである。
上で考察したように、官能化エチレン系ポリマーを含む組成物を形成する方法を提供し、その方法は、エチレン系ポリマーを含む第1の組成物を、少なくとも以下の、
(A)構造Iの少なくとも1つの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤であって、
式中、R、R、R、R、R、及びRは各々独立して、水素またはヒドロカルビル基であり、任意選択的に、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)が、環構造を形成するが、但し、
(i)R及びRうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、さらに少なくとも2個の炭素原子の脂肪族ヒドロカルビル基であり、さらに少なくとも2個の炭素原子のアルキル基であり、
(ii)R及びRうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、さらに少なくとも2個の炭素原子の脂肪族ヒドロカルビル基であり、さらに少なくとも2個の炭素原子のアルキル基である、炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤、
(B)構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤以外の少なくとも1つのフリーラジカル開始剤(非C−Cフリーラジカル開始剤)、及び
(C)少なくとも1つの官能化剤、と反応させることを含む。
一実施形態では、少なくとも1つの非C−Cフリーラジカル開始剤は過酸化物である。一実施形態では、少なくとも1つの非C−Cフリーラジカル開始剤は、過酸化物であり、例えばSigma Aldrichから入手可能なLUPEROX(商標)101である。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、エチレン系ポリマーの1キログラム当たり≧0.001グラム(g/kg)の量で存在し、さらにエチレン系ポリマーの1キログラム当たり0.005グラム超、さらに1キログラム当たり0.008グラム超、さらに1キログラム当たり0.01グラム超の量で存在する。一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、エチレン系ポリマーの1キログラム当たり≦4.00グラム(g/kg)の量で存在し、さらにエチレン系ポリマーの1キログラム当たり≦3.00グラム、さらに1キログラム当たり≦2.00グラム、さらに1キログラム当たり≦1.00グラムの量で存在する。
一実施形態では、非C−Cフリーラジカル開始剤は、エチレン系ポリマーの1キログラム当たり0.001グラム(g/kg)以上の量で存在し、さらにエチレン系ポリマーの1キログラム当たり0.005グラム超、さらに1キログラム当たり0.008グラム超、さらに1キログラム当たり0.01グラム超の量で存在する。一実施形態では、非C−Cフリーラジカル開始剤は、エチレン系ポリマーの1キログラム当たり≦3.00グラム(g/kg)の量で存在し、さらにエチレン系ポリマーの1キログラム当たり≦2.00グラム、さらに1キログラム当たり≦1.00グラム、さらに1キログラム当たり≦0.50グラムの量で存在する。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤及び非C−Cフリーラジカル開始剤は、典型的には、本発明の方法において、C−C開始剤対非C−C開始剤の重量比の5.0〜1.0、より典型的には2.0〜1.0、よりさらに典型的には1.5〜1.0で存在する。
一実施形態では、成分(A)のC−Cフリーラジカル開始剤及び成分(B)の非C−Cフリーラジカル開始剤は、C−C開始剤対非C−C開始剤の重量比が3.0〜0.5、または2.5〜0.5、または2.2〜0.5、または2.1〜0.5で存在する。一実施形態では、成分(A)のC−Cフリーラジカル開始剤及び成分(B)の非C−Cフリーラジカル開始剤は、C−C開始剤対非C−C開始剤の重量比の3.0〜0.6、または2.5〜0.7、または2.2〜0.8、または2.1〜0.9で存在する。
一実施形態では、本発明の実施で使用されるフリーラジカル開始剤の総量、すなわち全てのC−Cフリーラジカル開始剤と全ての非C−Cフリーラジカル開始剤との合計量は、1キログラム当たり0.002グラム(g/kg)以上から4.0g/kg以下もしくは3.0g/kg以下までであり;または0.01g/kg以上から3g/kg以下まで;または0.05g/kg以上から0.2g/kg以下まで;または0.5g/kg以上から1.7g/kg以下までである。ここで、エチレン系ポリマー1kg当たりのフリーラジカル開始剤(複数可)のg数は第1の組成物との関連で考える。
一実施形態では、エチレン系ポリマー、C−Cフリーラジカル開始剤、非C−Cフリーラジカル開始剤、及び官能化剤を、反応容器中で、グラフト条件において、互いに接触させる。一実施形態では、反応容器は押出機である。一実施形態では、グラフト条件は、100〜300℃、または150〜250℃、または170〜230℃の範囲の温度を含む。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、DSC測定に基づいて、(≧)125℃以上、または≧130℃、または≧150℃、または≧180℃、または≧200℃、または≧250℃の分解温度を有する。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、DSC測定に基づいて、(≧)125℃以上、または≧130℃、または≧135℃、または≧140℃、または≧145℃、または≧150℃の分解温度を有する。一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、DSC測定に基づいて、(≦)230℃以下、または≦225℃、または≦220℃、または≦215℃、または≦210℃、または≦205℃の分解温度を有する。
一実施形態では、方法は、エチレン系ポリマーを少なくとも2つのC−Cフリーラジカル開始剤と接触させることを含む。
一実施形態では、構造Iに関して、R及びRはフェニルである。
一実施形態では、構造Iに関して、少なくとも1つのC−Cフリーラジカル開始剤は、3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサン及び3,4−ジプロピル−3,4−ジフェニルヘキサンからなる群から選択される。
一実施形態では、エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I、190℃/2.16kg)は、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前には、0.1〜1500g/10分、または0.5〜100、または0.5〜50g/10分、または1〜20g/10分、または3〜10g/10分である。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前には、0.860〜0.970g/cc、または0.860〜0.930g/cc、または0.860〜0.900g/cc、または0.865〜0.890g/ccの密度を有する。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触する前には、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によって測定された分子量分布1.5〜20、または1.5〜5.0、または1.7〜3.0、または1.8〜2.2を有する。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前は、エチレン−アルファ−オレフィンインターポリマーである。一実施形態では、エチレン−アルファ−オレフィンインターポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、(1)0.860〜0.970g/cc、または0.860〜0.930g/cc、または0.860〜0.900g/cc、または0.865〜0.890g/ccの密度、及び/または(2)0.1〜1500g/10分、または0.5〜100、または0.5〜50g/10分、または1〜20g/10分、または3〜10g/10分のメルトインデックス(I、190℃/2.16kg)を有する。一実施形態では、エチレン−アルファ−オレフィンインターポリマーのアルファ−オレフィン単位は、C3−C10アルファ−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンのうちの少なくとも1つから誘導される。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前は、エチレン−アルファ−オレフィンコポリマーである。一実施形態では、エチレン−アルファ−オレフィンコポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前は、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、(1)0.860〜0.970g/cc、または0.860〜0.930g/cc、または0.860〜0.900g/cc、または0.865〜0.890g/ccの密度、及び/または(2)0.1〜1500g/10分、または0.5〜100、または0.5〜50g/10分、または1〜20g/10分、または3〜10g/10分のメルトインデックス(I、190℃/2.16kg)を有する。一実施形態では、エチレン−アルファ−オレフィンコポリマーのアルファ−オレフィン単位は、C3−C10アルファ−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンのうちの少なくとも1つから誘導される。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前は、低密度ポリエチレン(LDPE)である。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、(A)及び(B)のフリーラジカル開始剤と(C)の官能化剤と接触させる前は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
一実施形態では、本発明は、前の実施形態のうちの2つ以上を組み合わせる方法である。
一実施形態では、本発明は、本発明の方法によって作られた官能化エチレン系ポリマーを含む組成物である。
一実施形態では、本発明は、(i)本発明の方法によって作られた官能化エチレン系ポリマーと、(ii)1つ以上の添加剤とを含む組成物である。
一実施形態では、本発明の方法によって作られた官能化エチレン系ポリマーは、0.1rad/sで190℃において、40未満、または30未満、または20未満、または15未満、または10未満の損失正接を有する。
一実施形態では、本発明の方法によって作られた官能化エチレン系ポリマーは、0.1rad/sにおける粘度対100rad/sにおける粘度の190℃における粘度比2.5超、または3.0超、または3.5超、または4.0超を有する。
一実施形態では、本発明の方法によって作られた官能化エチレン系ポリマーは、190℃及び2.16kgにおいて、5g/10分未満、または4g/10分未満、または3g/10分未満、または2g/10分未満のメルトインデックスを有する。
一実施形態では、本発明の方法によって作られた官能化エチレン系ポリマーは、(1)12未満、または10未満、または9未満、または8未満、または7未満のGI200(フィルム厚76±5ミクロン)、及び(2)官能化ポリマーの重量に基づいて、少なくとも0.2%、または少なくとも0.3%、または少なくとも0.4%、または少なくとも0.5%、または少なくとも0.6%、または少なくとも0.7%、または少なくとも0.8%のMAH重量%量の両方を有する。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン−アルファ−オレフィンインターポリマーである。一実施形態では、官能化エチレン−アルファ−オレフィンインターポリマーのアルファ−オレフィン単位は、C3−C10アルファ−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンから誘導される。一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン−アルファ−オレフィンコポリマーである。一実施形態では、官能化エチレン−アルファ−オレフィンコポリマーのアルファ−オレフィン単位は、C3−C10アルファ−オレフィンから誘導される。さらなる実施形態では、アルファ−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンから選択される。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化低密度ポリエチレンである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化線状低密度ポリエチレンである。
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。官能化エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
一実施形態では、本発明は、本発明の官能化エチレン系ポリマーを含む組成物である。
一実施形態では、本発明の「官能化エチレン系ポリマーを含む組成物」は1つ以上のオレフィン系ポリマーも含む。
本発明はまた、本明細書に記載の本発明の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品も提供する。さらなる実施形態では、物品は、フィルム、コーティング、または射出成形部品、さらにフィルムまたはコーティングである。本発明の物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
一実施形態では、「官能化エチレン系ポリマーを含む組成物」は、76±5ミクロンのフィルム厚でGI200試験法によって測定した場合、40以下、30以下、または20以下、または15以下、または12以下、または10以下のGI200ゲル含量を有する。一実施形態では、「官能化エチレン系ポリマーを含む組成物」は、76±5ミクロンのフィルム厚でGI200試験法によって測定した場合、12以下、または10以下、または8以下、または6以下、または5以下のGI200ゲル含量を有する。
一実施形態では、官能化は、無水物基を含む官能化剤から誘導される。さらなる実施形態では、官能化剤は無水マレイン酸である。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づいて、≧0.2重量%、さらに≧0.4重量%、さらに≧5重量%、さらに≧0.6重量%、さらに≧7重量%、さらに≧0.8重量%の官能化量を有する。さらなる実施形態では、官能化は、無水物基を含む官能化剤から誘導される。さらなる実施形態では、官能化剤は無水マレイン酸である。
一実施形態では、「官能化エチレン系ポリマーを含む組成物」は、76±5ミクロンのフィルム厚でGI200試験法によって測定した場合、40以下、30以下、または20以下、または15以下、または12以下、または10以下のGI200ゲル含量を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、官能化エチレン系ポリマーの重量に基づいて、≧0.2重量%、さらに≧0.4重量%、さらに≧0.5重量%、さらに≧0.6重量%、さらに≧0.7重量%、さらに≧0.8重量%の官能化量を有する。さらなる実施形態では、官能化は、無水物基を含む官能化剤から誘導される。さらなる実施形態では、官能化剤は無水マレイン酸である。
一実施形態では、「官能化エチレン系ポリマーを含む組成物」は、フィルム厚76±5ミクロンで「200ミクロンカテゴリ」すなわち150〜200ミクロンによって測定した場合、3500以下、または2000以下、または1500以下のゲル含量を有する。
一実施形態では、「官能化エチレン系ポリマーを含む組成物」は、フィルム厚76±5ミクロンで「400ミクロンカテゴリ」すなわち200〜400ミクロンによって測定した場合、2250以下、または2000以下、または1500以下のゲル含量を有する。
一実施形態では、「官能化エチレン系ポリマーを含む組成物」は、フィルム厚76±5ミクロンで「800ミクロンカテゴリ」すなわち400〜800ミクロンによって測定した場合、300以下、または275以下、または250以下のゲル含量を有する。
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
C−Cフリーラジカル開始剤
本発明の実施において使用される炭素−炭素(「C−C」)開始剤は、炭素及び水素のみを含み、構造Iを有し、
式中、R、R、R、R、R、及びRは各々独立して、水素またはヒドロカルビル基であり、任意選択的に、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)は環構造を形成し、但し、R及びRのうちの少なくとも1つ及びR及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、さらに少なくとも2個の炭素原子の脂肪族ヒドロカルビル基であり、さらに少なくとも2個の炭素原子のアルキル基である。
一実施形態では、R〜R基のうちの1つ以上は、脂肪族ヒドロカルビル基である。
一実施形態では、R〜R基のうちの1つ以上は、アルキルである。
一実施形態では、R〜R基のうちの1つ以上は、アリールである。
一実施形態では、R〜R基のうちの2つ以上は、アリールである。
一実施形態では、R及びRは、アリールであり、好ましくはフェニルである。
一実施形態では、R及びRはアリールであり、R及びRのうちの1つ及びR及びRのうちの1つは水素である。
一実施形態では、R及びRはアリールであり、R及びRのうちの1つ及びR及びRのうちの1つはC−C10であり、R及びRの一方及びR及びRの一方は水素である。
一実施形態では、R及びRのうちの少なくとも1つは、C2−C10アルキル基、またはC2−C8アルキル基、またはC2−C6アルキル基、またはC2−C4アルキル基、またはC2−C3アルキル基、またはC2アルキル基である。一実施形態では、R及びRの両方は各々独立して、C2−C10アルキル基、またはC2−C8アルキル基、またはC2−C6アルキル基、またはC2−C4アルキル基、またはC2−C3アルキル基、またはC2アルキル基である。
一実施形態では、R及びRのうちの少なくとも1つは、C2−C10アルキル基、またはC2−C8アルキル基、またはC2−C6アルキル基、またはC2−C4アルキル基、またはC2−C3アルキル基、またはC2アルキル基である。一実施形態では、R及びRの両方は各々独立して、C2−C10アルキル基、またはC2−C8アルキル基、またはC2−C6アルキル基、またはC2−C4アルキル基、またはC2−C3アルキル基、またはC2アルキル基である。
一実施形態では、R及びRは同じかまたは異なるアリール基である。さらなる実施形態では、R及びRは各々フェニル、例えば構造IIであり、R、R、R、及びRは各々上記の通りである。
一実施形態では、R〜R及びR〜Rは、同じかまたは異なるアルキル基、より好ましくは同じかまたは異なるC1−6アルキル基、さらにより好ましくは同じC1−4直鎖アルキル基である。代表的なC−C開始剤としては、以下の構造III〜VIII:3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造III):
及び3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造IV):
2,7−ジメチル−4,5ジエチル−4,5−ジフェニルオクタン(DBuDPH)(構造V):
3,4−ジベンジル−3,4−ジトリルヘキサン(DBnDTH)(構造VI):
3,4−ジエチル−3,4−ジ(ジメチルフェニル)ヘキサン(構造VII):
及び3,4−ジベンジル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造VIII):
が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、C−C開始剤は構造IIIのものである。一実施形態では、C−C開始剤は構造IVのものである。
他のC−C開始剤としては、構造1のものが挙げられ、それらは、WO2012/096962、WO2012/074812、US2010/0108357、EP1 944 327、USP5,268,440、USP6,967,229、及びUS2006/0047049等の刊行物に記載されている。C−C開始剤は、単独でまたは互いに組み合わせて使用することができる。一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、DSC測定に基づいて、(≧)125℃以上、または≧130℃、または≧135℃、または≧140℃、または≧145℃、または≧150℃の分解温度を有する。一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、DSC測定に基づいて、(≦)230℃以下、または≦225℃、または≦220℃、または≦215℃、または≦210℃、または≦205℃の分解温度を有する。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、(熱処理され、上記の(A)及び(B)等のフリーラジカル開始剤と接触している)エチレン系ポリマー1キログラム当たり0.001グラム(g/kg)以上の量で存在し、さらには0.005g/kg以上、さらには0.008g/kg以上、さらには0.01g/kg以上の量で存在する。本発明の実施において使用されるC−C開始剤の最大量に関する唯一の制限は、方法の経済性及び効率性の関数であるが、典型的には、本発明の実施において使用されるC−C開始剤の最大量は2g/kgを超えない。一実施形態では、2つ以上のC−Cフリーラジカル開始剤を互いに組み合わせて使用することができる。それらの実施形態では、C−C開始剤を、1つ以上の他のC−C開始剤と組み合わせて使用し、C−C開始剤のうちの1つのみが、R及びRのうちの少なくとも1つ並びにR及びRのうちの少なくとも1つを、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基として有していなければならない。係る実施形態では、構造IのC−C開始剤は、好ましくは、方法で使用されるC−C開始剤の総量の、少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは50重量%超、さらにより好ましくは少なくとも75重量%である。
C−Cフリーラジカル開始剤以外のフリーラジカル開始剤(非C−Cフリーラジカル開始剤)
C−Cフリーラジカル開始剤以外のフリーラジカル開始剤(すなわち、非C−Cフリーラジカル開始剤)としては、本発明のエチレン系ポリマーと反応するのに利用可能なフリーラジカルを生成する任意の化合物または化合物の混合物が挙げられる。これらの化合物としては、有機及び無機の過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、及び立体障害ヒドロキシルアミンエステルが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な有機過酸化物としては、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチル−クミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシンが挙げられる。一実施形態では、非C−Cフリーラジカル開始剤は、立体障害ヒドロキシルアミンエステル、例えばBASFから入手可能なCGX CR 946である。有機過酸化物開始剤に関する追加の教示は、Handbook of Polymer Foams and Technology,pp.198−204,D.Klempner and K.C.Frisch編,Hanser Publishers,Munich(1991)に記載されている。一実施形態では、2つ以上の非C−Cフリーラジカル開始剤を互いに組み合わせて使用することができる。
一実施形態では、非C−Cフリーラジカル開始剤は、(熱処理(例えば押出)され、上記の(A)及び(B)等のフリーラジカル開始剤と接触している)エチレン系ポリマー1キログラム当たり0.001グラム(g/kg)以上の量で存在し、さらには0.005g/kg以上、さらには0.008g/kg以上、さらには0.01g/kg以上の量で存在する。本発明の実施において使用される非C−C開始剤の最大量に関する唯一の制限は、方法の経済性及び効率性の関数であるが、典型的には、C−C開始剤の最大量は、(熱処理され、上記の(A)及び(B)等のフリーラジカル開始剤と接触している)エチレン系ポリマー1kg当たり1gを超えない。
一実施形態では、非C−C開始剤は、エチレン系ポリマーの重量に基づいて、10ppm、または25ppm、または50ppm、または100ppmから、500ppm、または1,000ppm、または5,000ppm、または10,000ppmで存在する。さらなる実施形態では、非C−C開始剤は、110℃〜180℃の1時間半減期分解温度を有する。
C−C及び非C−Cフリーラジカル開始剤の組み合わせ
C−Cフリーラジカル開始剤及び非C−Cフリーラジカル開始剤は、典型的には、本発明の方法において、C−C開始剤対非C−C開始剤の重量比が3.0〜0.5、より典型的には2.5〜0.8、よりさらに典型的には2.0〜1.0で存在する。
一実施形態では、本発明の実施において使用されるフリーラジカル開始剤の総量は、すなわち、全てのC−Cフリーラジカル開始剤と全ての非C−Cフリーラジカル開始剤との合計量は、(熱処理され、上記の(A)及び(B)等のフリーラジカル開始剤と接触している)エチレン系ポリマー1キログラム当たり0.002グラム(g/kg)以上の量で存在し、さらには0.01g/kg以上、さらには0.016g/kg以上、さらには0.02g/kg以上である。本発明の実施において使用される全てのC−Cフリーラジカル開始剤及び全ての非C−Cフリーラジカル開始剤の最大組み合わせ量に対する唯一の制限は、方法の経済性及び効率性の関数であるが、典型的には、本発明の実施において使用されるC−C及び非C−C開始剤の最大合計量は、エチレン系ポリマー1kg当たり、3.0g/kgを超えず、より典型的には2.5g/kgを超えず、さらにより典型的には2.2g/kgを超えない。
エチレン系ポリマー
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、ASTM D792に従って測定したときに0.855〜0.970g/cmの範囲、さらには0.865g/cm〜0.970g/cmの範囲の密度を有し、ASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って測定したときに0.1g/10分〜1500g/10分の範囲のメルトインデックスIを有する。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.865〜0.930g/cc、または0.865〜0.920g/cc、または0.865〜0.910g/cc、または0.865〜0.900g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.865〜0.895g/cc、または0.865〜0.890g/cc、または0.865〜0.885g/cc、または0.865〜0.880g/cc(1cc=1cm)の密度を有する。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.1〜100g/10分、または0.5〜50g/10分、または1.0〜20g/10分、または1.0〜10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、1.0〜100g/10分、または1.5〜50g/10分、または2.0〜40g/10分、または2.5〜30g/10分、または3.0〜20g/10分、または3.5〜15g/10分、または4.0〜10g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
エチレン系ポリマーは、エチレンのホモポリマーであることができ、または、エチレンと、炭素原子3〜20個、好ましくは炭素原子3〜12個、より好ましくは炭素原子3〜8個の1つ以上のアルファ−オレフィンの少量(ポリマーの重量に基づいて、50重量%未満、もしくは45重量%未満、もしくは40重量%未満、もしくは35重量%未満、もしくは30重量%未満、もしくは20重量%未満)とのインターポリマーもしくはコポリマー、任意選択的にジエン、または混合物であることができ、または係るホモポリマーとコポリマーとのブレンドであることができる。その混合物は、その場ブレンドまたは後反応器(または機械的)ブレンドのいずれかであり得る。例示的なアルファ−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテン、さらにはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテン、さらには1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテン、さらには1−ブテン及び1−オクテンが挙げられる。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレンと、炭素原子3〜20個、好ましくは炭素原子3〜12個、より好ましくは炭素原子3〜8個の1つ以上のアルファ−オレフィンの少量(ポリマー中の重合可能なモノマーの総モル数に基づいて、50モル%未満、もしくは45モル%未満、もしくは40モル%未満、もしくは35モル%未満、もしくは30モル%未満、もしくは20モル%未満)とのインターポリマーもしくはコポリマーであり、任意選択的には、ジエン、または係るホモポリマーとコポリマーとのブレンドである。その混合物は、その場ブレンドまたは後反応器(または機械的)ブレンドのいずれかであり得る。例示的なアルファ−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテン、さらにはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテン、さらには1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテン、さらには1−ブテン及び1−オクテンが挙げられる。
エチレン系ポリマーは均一または不均一であることができる。均質なエチレン系ポリマーは、典型的には、フリーラジカル開始剤及び官能化剤との接触前に、約1.5〜約3.5の多分散性(Mw/Mn)、本質的に均一なコモノマー分布、そして、示差走査熱量測定(DSC)により測定したときに、単一の比較的低い融点を有する。不均一エチレン系ポリマーは、典型的には、3.5を超える多分散性を有し、均一なコモノマー分布を欠いている。Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量であり、共に1モル当たりのグラム数(g/モル)で表される。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.855〜0.960g/cc、または0.860〜0.965g/ccの密度を有する。さらなる実施形態では、ポリマーは0.1〜25g/10分のIを有する。0.860〜0.965g/ccの全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマーの密度は、0.860、0.870、0.890、0.910、0.930、または0.950g/ccの下限から0.880、0.900、0.920、0.940、または0.965g/ccの上限まであり得る(1cc=1cm)。例えば、エチレン系ポリマーの密度は0.860〜0.965g/ccの範囲であってもよく、または代替的にエチレン系ポリマーの密度は0.900〜0.965g/ccの範囲であってもよく、あるいは代替的にエチレン系ポリマーの密度は0.860〜0.900g/ccの範囲であってもよく、あるいは代替的にエチレン系ポリマーの密度は0.885〜0.945g/ccの範囲であってもよい。0.1〜25g/10分のIの全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、エチレン系ポリマーのIは、0.1、1、5、10、15、または20g/10分の下限から0.5、3、8、13、18、21、または25g/10分の上限まであり得る。例えば、エチレン系ポリマーのIは0.1〜25g/10分の範囲であってもよく、または代替的にエチレン系ポリマーのIは7〜25g/10分の範囲であってもよく、あるいは代替的はエチレン系ポリマーのIは0.1〜10g/10分の範囲であってもよく、あるいは代替的にエチレン系ポリマーのIは5〜15g/10分の範囲であってもよい。特定の実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.865〜0.900g/ccの密度及び0.1〜20g/10分のIを有する。
エチレン系ポリマーは、例えば気相法、スラリー法、または溶液重合法を含む任意の許容可能な方法によって作ることができる。
エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。第1の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
官能化剤
本発明の実施において使用される官能化剤は、第1の組成物のエチレン系ポリマーに付着(結合)され得る、典型的には少なくとも1個のヘテロ原子を含有するラジカルグラフト可能な種である。これらの種としては、各々、少なくとも1個のヘテロ原子(例えばO及びN)を含有する不飽和分子が挙げられる。これらの種としては、無水マレイン酸、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジシクロヘキシル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジオクタデシル、N−フェニルマレイミド、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、 無水ブロモマレイン酸、無水クロロマレイン酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水アルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、フマル酸ジエチル、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、及びこれらの化合物のそれぞれのエステル、イミド、塩、及びディールス−アルダー付加物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、官能化剤は酸及び/または無水物基を含む。一実施形態では、官能化剤は無水物基を含む。
他のラジカルグラフト可能な種は、個々にポリマーに結合されてもよく、または長短のグラフトとしてポリマーに結合されてもよい。これらの種としては、メタクリル酸;アクリル酸;アクリル酸のディールス−アルダー付加物;メタクリレート、例えばメチル、エチル、ブチル、イソブチル、エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、ヒドロキシエチル、及びジメチルアミノエチル;アクリレート、例えばメチル、エチル、ブチル、イソブチル、エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、及びヒドロキシエチル;グリシジルメタクリレート、及び塩化ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の種のうちの少なくとも1つを含むラジカルグラフト可能な種の混合物を用いることができ、例示的な例としてはスチレン/無水マレイン酸及びスチレン/アクリロニトリルがある。
一実施形態では、本発明は無水マレイン酸−グラフト化エチレンインターポリマーを提供する。好ましくは、無水マレイン酸−グラフト化エチレンインターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマー(ベースポリマー)から形成される。
官能化エチレン系ポリマーを含む組成物
官能化エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、0.1g/10分以上、または0.5g/10分以上、または1.0g/10分以上のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、200g/10分以下、または100g/10分以下、または50g/10分以下、または20g/10分以下、または5g/10分以下のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、1.8〜3.0、または1.9〜2.8、または2.0〜2.5、または2.1〜2.3の分子量分布(Mw/Mn)を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、0.860〜0.900g/cc、または0.862〜0.890g/cc、または0.865〜0.880g/ccの密度を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.1rad/sec及び190℃において、2000〜6000Pa・sec、または2500〜5500Pa・sec、または3000〜5000Pa・sec、または3500〜4500Pa・secの粘度を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、レオロジー比(V0.1/V100、190℃、すなわち、V100は190℃における100rad/secでの粘度(単位Pa・sec)である)4.0〜10.0、または4.5〜9.5、または5.0〜9.0、または5.5〜9.0、または6.0〜8.5を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、3.0〜7.0、または3.5〜6.5、または4.0〜6.0、または4.0〜5.5の損失正接を有する。さらなる実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸官能化エチレン系ポリマーであり、さらに無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。
一実施形態では、官能化エチレン系ポリマーは無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーである。さらなる実施形態では、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーは、約1〜5、好ましくは約1〜4、より好ましくは約1〜3.5、または約1〜3の分子量分布を有するエチレン系インターポリマーから形成される。別の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーは、2,000cP〜50,000cP(350°F(177℃)において)の溶融粘度を有する。溶融粘度は、以下で考察するように、ブルックフィールド粘度計を用いて350°F(177℃)で測定する。
一実施形態では、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーは350°F(177℃)において、50,000cP未満、好ましくは40,000cP未満、より好ましくは30,000cP未満の溶融粘度を有する。別の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーは、約1〜5、好ましくは約1〜4、より好ましくは約1〜3.5、または約1〜3の分子量分布を有するエチレンインターポリマーから形成される。別の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーは、2,000cP〜50,000cP(350°F(177℃)において)の溶融粘度を有する。溶融粘度はブルックフィールド粘度計を用いて350°F(177℃)で測定する。別の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーは、1モル当たり4,000〜30,000グラム、好ましくは5,000〜25,000グラム、より好ましくは5,000〜15,000グラム(g/モル)の数平均分子量を有する。別の実施形態では、無水マレイン酸グラフト化エチレン系ポリマーは、8,000〜60,000g/モル、好ましくは10,000〜50,000g/モル、より好ましくは12,000〜30,000g/モルの重量平均分子量を有する。別の実施形態では、無水マレイン酸グラフ化エチレン系ポリマーは、0.855g/cm〜0.930g/cm、好ましくは0.860g/cm〜0.900g/cm、より好ましくは0.865g/cm〜0.895g/cmの密度を有する。好ましくは、無水マレイン酸−グラフト化エチレンインターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマー(ベースポリマー)から形成される。
一実施形態では、本発明の方法で使用される官能化剤の量、例えば無水マレイン酸の量は、反応性組成物の総重量に基づいて、0.5重量パーセント以上であり、官能化剤対開始剤の重量比は、10:1〜500:1、好ましく20:1〜400:1、より好ましくは30:1〜300:1である。別の実施形態では、官能化剤対開始剤の重量比は10:1〜50:1である。好ましくは、無水マレイン酸−グラフト化エチレンインターポリマーは、エチレン/α−オレフィンインターポリマー(ベースポリマー)から形成される。
別の実施形態では、本発明の方法で使用される官能化剤、例えば無水マレイン酸の量は、10重量パーセント(反応性組成物の重量に基づいて)以下、好ましくは5重量パーセント未満、より好ましくは0.5〜10重量パーセント、さらにより好ましくは0.5〜5重量パーセントである。
一実施形態では、エチレン系ポリマー鎖(例えばエチレン/α−オレフィンインターポリマー)上にグラフト化された官能化剤の量、例えば無水マレイン酸の量は、滴定分析、FTIR分析、または任意の他の適切な方法によって測定したときに、0.05重量パーセント(エチレン系ポリマーの重量に基づいて)を超える。さらなる実施形態では、この量は0.25重量パーセントを超え、なおさらなる実施形態では、この量は0.5重量パーセントを超える。好ましい実施形態では、0.1重量%〜5重量%の官能化剤がグラフト化される。好ましくは、官能化剤グラフト化エチレン系ポリマーは、無水マレイン酸と、エチレン/α−オレフィンインターポリマー(ベースポリマー)とから形成される。
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
官能化エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
酸化防止剤
官能化エチレン系ポリマーを含む組成物は、一次及び二次酸化防止剤を含むことができる。一次酸化防止剤は、最終製品を保護するために使用される酸化防止剤である。これらの酸化防止剤は、典型的にはフェノール系である。一実施形態では、組成物は、二次酸化防止剤、さらにホスフィット酸化防止剤、またはチオエステル酸化防止剤をさらに含む。二次酸化防止剤は、加工中にポリマーを保護するために使用される酸化防止剤である。これらの酸化防止剤は、典型的にはホスファイト及びチオエステルである。本発明の文脈において、一次酸化防止剤の例としては、限定するものではないが、IRGANOX 1010(ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、及びIRGANOX 1076(オクタデシル 3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)が挙げられ、両方ともBASFから入手可能である。本発明の文脈において、二次酸化防止剤の例としては、限定するものではないが、IRGAFOS168(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)及びIRGAFOS126(ホスファイト酸化防止剤)が挙げられ、両方ともにBASFから入手可能であり、またSONGNOX DLTDP及びDSTDP(チオエステル酸化防止剤)が挙げられ、双方ともVanderbilt Chemicalsから入手可能である。
一実施形態では、エチレン系ポリマーは一次酸化防止剤を含まない。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、50、または40、または30、または20、または10、または5、または3、または2、または1パーツ・パー・ミリオン(ppm)未満の一次酸化防止剤を含む。一実施形態では、エチレン系ポリマーは二次酸化防止剤を含む。一実施形態では、エチレン系ポリマーは一次及び二次酸化防止剤を含む。
官能化エチレン系ポリマーを含む組成物は、任意選択的に、ポリマー組成物の総重量に基づいて、500ppm〜2,000ppmの二次酸化防止剤を含むことができる。二次酸化防止剤は、熱分解及びフリーラジカルの生成に代わる効率的な手段によって、過酸化物を、熱安定性の非ラジカルで非反応性生成物に分解することにより、追加のフリーラジカルの形成を防止する。500〜2,000ppmの全ての個々の値及び部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書で開示され、例えば、二次酸化防止剤の量は、500、700、900、1100、1300、1500、1700、または1900ppmの下限値から600、800、1000、1200、1400、1600、1800、または2000ppmの上限値までの範囲であることができる。例えば、存在する場合、二次酸化防止剤は500〜2,000ppmの量で存在してもよく、あるいは代わりに二次酸化防止剤は1,250〜2,000ppmの量で存在してもよく、あるいは代わりに二次酸化防止剤は500〜1,250ppmの量で存在してもよく、または代わりに、二次酸化防止剤は750〜1,500ppmの量で存在してもよい。
製造物品
官能化エチレン系ポリマーを含む組成物は、とりわけ、様々な押出成型品を製造するために使用することができる。係る物品の例としては、フィルム、コーティング、ワイヤ及びケーブル被覆、シート、パイプ、自動車及び消費製品産業用のブロー成形及び射出成形部品等が挙げられる。適用分野の他の例は、化合物及びブレンド、接着剤、異形押出、押出被覆、及び熱可塑性粉末被覆である。
定義
別段断りがない場合、文脈から黙示的でない場合、または当技術分野で慣習的でない場合は、全ての部及びパーセントは重量に基づくものであり、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。米国特許実務のために、特に、定義の開示及び当技術分野における一般知識に関して、参照されるいずれの特許、特許出願、または特許公開の内容は、(本開示において具体的に提供されるいかなる定義とも矛盾しない程度で)それらの全体が参照により組み込まれる(またはその等価なUSバージョンもまた参照により組み込まれる)。
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」等の用語は、開示された成分、ステップ等に限定されず、むしろ他の未開示の成分、ステップ等を包含し得ることを意味する。対照的に、「本質的にからなる」という用語は、組成物、方法等の性能、実施可能性等に必須ではないものを除いて、任意の組成物、方法等、任意の他の成分、ステップ等を排除する。「からなる」という用語は、具体的に開示されていない任意の成分、ステップ等を、組成物、方法等から除外する。別段の記載がない限り、用語「または」は、開示されたメンバーを個別に、ならびに任意の組み合わせで指す。
本明細書で使用する用語「ポリマー」は、同じかまたは異なるタイプのモノマーか否かに関わらず、モノマーを重合させることによって調製されるポリマー化合物を意味する。したがって、一般用語ポリマーは、用語ホモポリマー(微量の不純物がそのポリマー構造中に取り込まれることがあるという理解の下で、ただ1つのタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すために使用される)、及び以下で定義される用語インターポリマーを包含する。微量の不純物(例えば触媒残留物)はポリマー中及び/またはポリマー内に取り込まれることがある。
本明細書で使用する用語「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。一般用語インターポリマーは、コポリマー(2つの異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すために使用される)、及び3つ以上の異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを含む。
本明細書で使用する用語「エチレン系ポリマー」とは、重合した形態で、(ポリマーの重量に基づいて)過半量のエチレンモノマーを含み、かつ任意選択的に1種以上のコモノマーを含むことができるポリマーを指す。
本明細書で使用する用語「エチレン系インターポリマー」は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)過半量のエチレンモノマーと、少なくとも1つのコモノマーとを含むインターポリマーを指す。
本明細書で使用する用語「エチレン系コポリマー」は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)過半量のエチレンモノマーと、2つのみのモノマータイプとして1つのコモノマーとを含むポリマーを指す。
本明細書で使用する用語「エチレン/α−オレフィンインターポリマー」は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)過半量のエチレンモノマーと、少なくとも1つのα−オレフィンとを含むインターポリマーを指す。
本明細書で使用する用語「エチレン/α−オレフィンコポリマー」は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)過半量のエチレンモノマーと、2つのみのモノマータイプとしてα−オレフィンとを含むコポリマーを指す。
本明細書で使用する「官能化エチレン系ポリマー」及び同様な用語は、少なくとも以下の、(i) 炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤、(ii)非−炭素−炭素(非C−C)フリーラジカル開始剤、及び(iii)官能化剤とのみ反応する。好ましい実施形態では、少量(ppm)の1つ以上の安定剤、例えば酸化防止剤(複数可)を含有することができるエチレン系ポリマーは、以下の:(i)炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤、(ii)非−炭素−炭素(非C−C)フリーラジカル開始剤、及び(iii)官能化剤とのみ反応する。
「ヒドロカルビル」、「炭化水素」及び同様な用語は、炭素原子及び水素原子からなるラジカルを指す。ヒドロカルビル基の非限定的な例としては、アルキル(直鎖、分岐または環状)、アリール(例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル、ビフェニル)、アラルキル(例えばベンジル)等が挙げられる。
当業で知られている「脂肪族炭化水素」、及び「脂肪族ヒドロカルビル」、及び同様の用語は、分岐もしくは非分岐、または環状、飽和もしくは不飽和、脂肪族(非芳香族)の炭化水素ラジカルを指す。適切な脂肪族ラジカルの非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−プロペニル(またはアリル)、ビニル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(または2−メチルプロピル)、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。一実施形態では、脂肪族基は1〜24個の炭素原子のアルキルラジカルである。「アリール」及び同様の用語は、芳香族ラジカルを指し、それは、単一の芳香族環であってもよく、あるいは、一緒に縮合されているか、共有結合されているか、またはメチレンもしくはエチレン部分等の共通の基に対して連結されている、複数の芳香族環であってもよい。芳香族環(複数可)の非限定的な例としては、特に、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ビフェニルが挙げられる。一実施形態では、アリールラジカルは典型的には6〜20個の炭素原子を含む。
試験法
密度はASTM D792に従って測定する。
メルトインデックスIはASTM D1238(2.16kg、190℃)に従って測定する。
分子量分布
クロマトグラフシステムは、内部IR5赤外線検出器(IR5)を備えたPolymerChar GPC−IR(Valencia,Spain)高温GPCクロマトグラフからなっていた。オートサンプラー・オーブン・コンパートメンを160℃に設定し、カラムコンパートメントを150℃に設定した。使用したカラムは、3つのAgilent「Mixed B」30cm 10ミクロンリニア混合床カラム及び10umプレカラムであった。使用したクロマトグラフィー溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有していた。溶媒源を窒素スパージした。使用した注入体積は200マイクロリットルであり、流速は1.0ミリリットル/分であった。
GPCカラムセットの較正は、580〜8,400,000の範囲の分子量を有する21の狭分子量分布ポリスチレン標準を用いて行い、その標準は個々の分子量の間が少なくとも10倍離れた6つの「カクテル」混合物として準備した。標準はAgilent Technologiesから購入した。ポリスチレン標準は、1,000,000以上の分子量の場合は溶媒50ミリリットル中に0.025グラムで、1,000,000未満の分子量の場合は溶媒50ミリリットル中に0.05グラムで調製した。ポリスチレン標準を、80℃において、30分間、穏やかに撹拌して溶解させた。ポリスチレン標準ピーク分子量を、以下の方程式1(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載されている)を使用してポリエチレン分子量に変換した。
ポリエチレン=A×(Mポリスチレン (方程式1)
式中、Mは分子量であり、Aは0.4315の値を有し、Bは1.0に等しい。
5次多項式を用いて、それぞれのポリエチレン当量較正点にフィッティングした。NIST標準NBS1475が52,000g/モル(Mw)において得られるように、Aをわずかに調整して(約0.415〜0.44)カラム分解能及びバンド広がり効果を補正した。
GPCカラムセットの総プレートカウントは、(「TCB(1,2,4−トリクロロベンゼン)50ミリリットル中に0.04g」で調製し、静かに撹拌しながら20分間溶解させたEICOSANEを用いて実施した。プレートカウント(方程式2)及びシンメトリー(方程式3)を、以下の方程式に従って、200マイクロリットルの注入に関して測定した。
式中、RVはミリリットル単位の保持容量であり、ピーク幅はミリリットル単位であり、ピーク最大はピークの最大高さであり、1/2高さはピーク最大の1/2の高さである。
式中、RVはミリリットル単位の保持容量であり、ピーク幅はミリリットル単位であり、ピーク最大はピークの最大位置であり、「1/10高さ」はピーク最大の1/10の高さであり、後部ピークとは、ピーク最大保持容量よりも後の保持容量におけるピーク端部を指し、前部ピークとは、ピーク最大保持容量よりも早い保持容量におけるピーク前部を指す。クロマトグラフシステムのプレートカウントは24,000を超え、シンメトリーは0.98〜1.22であるべきである。
サンプルは、PolymerChar「Instrument Control」 Softwareを用いて半自動的に調製し、そのサンプルを2mg/mlで重量標的化し、溶媒(200ppmのBHTを含有)をPolymerChar高温オートサンプラーを介して、予め窒素をスパージしたセプタムキャップバイアルに添加した。サンプルを「低速」振盪下で160℃において2時間溶解させた。
Mn(GPC)、Mw(GPC)、及びMz(GPC)は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウエア、等間隔の各データ収集ポイント(i)においてベースラインを差し引いたIRクロマトグラム、及び方程式1からポイント(i)に関する狭い標準較正曲線から得られたポリエチレン当量分子量を用いて、方程式4〜6に従って、PolymerChar GPC−IRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャンネル)を使用して得られたGPC結果に基づいて計算した。
経時的な偏差を監視するために、PolymerChar GPC−IRシステムで制御されたマイクロポンプを介して各サンプルに流量マーカー(デカン)を入れた。この流量マーカー(FM)は、サンプル内の各デカンピーク(RV(FMサンプル))のRVアライメント対狭い標準較正内のデカンピーク(RV(FM較正))のRVアライメントによって、各サンプルに関するポンプ流量(流量(公称))を線形補正するために、使用した。そのとき、デカンマーカーピークの経時的なあらゆる変化は、運転全体の流量(流量(有効))における線形シフトに関連していると仮定された。フローマーカーピークのRV測定の最高精度を容易に得るために、最小二乗フィッティングルーチンを用いて、フローマーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式にフィッティングする。次いで、二次方程式の一次導関数を使用して、真のピーク位置を求める。フローマーカーピークに基づいてシステムを較正した後、(狭い標準較正に関する)有効流量は方程式7として計算される。フローマーカーピークの処理は、PolymerChar GPCOne(商標)Softwareにより行った。許容可能な流量補正は、有効流量が公称流量の+/−2%以内のものである。
流量(有効)=流量(公称)*(RV(FM較正)/RV(FMサンプル))(方程式7)
動的機械分光法(DMS)
樹脂を、空気中で25,000ポンドの力で、350°F(177℃)で5分間、「3mm厚さ×1インチ」の円形プラークへと圧縮成形した。次いで、そのサンプルをプレスから取り出し、カウンターの上に置いて冷却した。温度一定の周波数掃引を、窒素パージ下で、25mm(直径)平行板を備えたTA Instrumentsの「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を使用して行った。サンプルを平行板の上に置き、190℃で5分間溶融させた。次いで、平行板を「2mm」のギャップまで閉じ、サンプルを切断し(「直径25mm」板プレートの周囲を越えてはみ出ている余分なサンプルを除去した)、次いで試験を開始した。その方法では、温度平衡させるために、さらに5分遅延させる。実験は、毎秒0.1〜100ラジアン(rad/s)の周波数範囲にわたって190℃で行った。歪み振幅は10%で一定であった。複素粘度η*、tan(δ)すなわち0.1rad/sでの損失正接、0.1rad/sでの粘度(V0.1)、100rad/sでの粘度(V100)、及び粘度比(V0.1/V100)を、データから計算した。
ゲル含量測定
ポリマー組成物を押出機に供給した。押出機OCS Optical Control Systems GmbH Wullener Feld 36,58454 Witten,Germanyから入手可能なModel OCS ME 19または同等品。パラメータ混合スクリューL/D 25/1コーティングクロム圧縮比3/1供給ゾーン10D遷移ゾーン3D計量ゾーン9D混合ゾーン3D。キャストフィルムダイ:OCS Optical Control Systems GmbHから入手可能なリボンダイ150×0.5mmまたは同等品。
エアーナイフ:OCS Optical Control Systems GmbHから入手可能な、冷却ロール上にフィルムをピン留めするためのOCSエアーナイフまたは同等品キャストフィルム冷却ロール及び巻取ユニット:OCS Optical Control Systems GmbHから入手可能なOCS Model CR−8または同等品。
ゲルカウンター(カメラ+コンピュータプロセッサ):OCS Optical Control Systems GmbHから入手可能な、照明ユニット、CCD検出器、及びゲルカウンターソフトウェア・バージョン5.0.4.6を備えた画像プロセッサからなるOCS FSA−100(「25ミクロンピクセル解像度」カメラ)線走査ゲルカウンター、または同等品。1つの分析では25のパーセルを検査し、ここでパーセルは、24.6cmのフィルム、すなわちフィルム厚76μmで0.324mと定義される。
ゲルカウント:ゲルカウントは、25のパーセル全てに関するゲルカメラによって検出されたゲルの総数であり、カウントされたゲルに関して、各ゲルは、測定された面積の円相当径に基づいて、以下のカテゴリーにさらに分類される。<100ミクロン、100〜150ミクロン(100〜150未満)、150〜200ミクロン(150〜200未満)、200〜400ミクロン(200〜400未満)、400〜800ミクロン(400〜800未満)、800〜1600ミクロン(800〜1600未満)、及び>1600ミクロン。各ゲルのサイズは、測定されたゲル面積に相当する面積を有する円の直径を計算することによって決定され、これはゲルの「円相当径」として知られている。
GI200は、最終GI200値について、「25のパーセルに関して直径が>200μmを有する全てのゲルの面積の合計を25で割ったもの」として定義される。上で考察したように、ゲルの直径は、相当面積を有する円の直径として決定される。
フーリエ変換赤外線(FTIR)によるMAHグラフトレベル
サンプル調製:加水分解MAHを再生するために、MAH−g−ポリエチレンペレットを、100kPaの真空で2時間、150℃の真空オーブン中で乾燥させた。その乾燥したサンプルを、190℃、40000ポンドの力で、加熱Carver油圧プレスを用いて30秒間プレスして、薄いフィルムとし、次いでそれを15℃に冷却されたプラテンの間で急冷した。
FTIR測定:FTIRスペクトルは、4cm−1の分解能で、400〜4000cm−1の範囲にわたる透過モードでThermo Nicolet Nexus 470ベンチを用いて収集した。この試験は、空気中128回のバックグラウンドスキャンと、128回のサンプルスキャンからなっていた。データ解析は、Thermo Macros Basic 8.0及びOMNICソフトウェアパッケージを用いて行った。各サンプルから3枚のフィルムを走査し、その平均を記録した。
g−MAHの重量%は、無水物のカルボニルの伸縮に対応している約1790cm−1におけるピークの高さと、2751cm−1における高さとの割合から、以下のように決定した。
C−Cフリーラジカル開始剤の分解温度に関する測定のためのDSC法
示差走査熱量測定(DSC)は、7〜10ミリグラム(mg)のサンプルサイズを用いて、窒素雰囲気下、0〜400℃で10℃のランプ速度で、TA instruments Q200熱量計で行った。
開始剤1時間半減期の測定
開始剤の1時間半減期分解温度を、モノクロロベンゼン中開始剤の希釈溶液の示差走査熱量測定−熱活性モニタリング(DSC−TAM)によって測定する。モノクロロベンゼン中ヒドロペルオキシドの分解に関する反応速度データを滴定で測定する。半減期はアレニウスの式で計算することができる:
=A・e−Ea/RT及びt1/2=ln2/k、式中、kはs−1での開始剤解離に関する速度定数であり、Aはs−1でのアレニウス頻度因子であり、EaはJ/モルでの開始剤解離に関する活性化エネルギーであり、Rは8.3142J/モルKであり、TはK(ケルビン)での温度であり、t1/2は秒(s)での半減期である。
酸化防止剤濃度の測定
ポリエチレン中のIRGAFOS(商標)168及び酸化IRGAFOS(商標)168の測定を、全溶解法(TDM)を使用して行う。この方法論は、25mlのo−キシレン中1gの固体を130℃で30分間溶解し、その後、冷却することにより沈殿させ、50mlのメタノールを添加することを含む。沈殿後、抽出物を、以下に要約される条件を使用する逆相液体クロマトグラフィーによる分析用に、シリンジフィルターを使用して、オートサンプラーバイアル中に濾過する。
カラム:Agilentの防護カラムキットを使用して、Zorbax、Eclipse XDB−C8、3.5μm粒子の4.6×50mmのカラムと連結されたZorbax Eclipse XDB−C8、5μm粒子の4.6×12.5mmの防護物、カラムオーブン:50℃、検出:210ナノメートル(nm)でのUV吸光度、勾配:溶媒A:50/50の水/アセトニトリル、及び溶媒B:アセトニトリル。
[表]
データ取得時間:8分、実行後時間:50/50のA/Bで2分、総実行時間:平衡時間を含みb10分、注入:10μL、及びデータシステム:Agilent EZChrom Elite。外部標準較正手順を使用して成分の濃度を計算する。以下の実施例は本発明を例示しているが、本発明の範囲を限定することを意図していない。
樹脂及び試薬
樹脂A(The Dow Chemical Companyから市販されているENGAGE 8200)は、5.0g/10分のメルトインデックス(190℃、2.16kg ASTM D−1238で)及び0.870g/cmの密度(ASTM D792)を有するエチレン/オクテンコポリマーである。樹脂Aは、二次酸化防止剤(100ppmの量)を含有する。
代表的なC−Cフリーラジカル開始剤の合成
第三級アルコールの代表的な調製:窒素を充填したグローブボックス内で、塩化エチルマグネシウム溶液(エーテル中3.0M、32.05mL、96.2ミリモル)をジャーの中に入れる。次いで、100mlのスパージし乾燥させたTHFをジャーに添加し、その後、THF(12.3ml、7.40ミリモル)中0.6MのLaCl−2(LiCl) を、マグネシウム溶液(マグネシウム試薬の選択によっては沈殿が形成する場合がある)に滴加する。添加が完了したら、室温(約23℃)で30分間撹拌する。反応槽を送風機で冷却すると同時に、撹拌しながらプロピオフェノン(9.9g、74.0ミリモル)を滴加する。1時間後、その混合物を窒素雰囲気から取り出し、氷浴で冷却し、冷NHCl水溶液を徐々に添加することにより反応を停止する。生成物をエーテルで抽出し、有機層を重炭酸ナトリウム水溶液、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させる。揮発性物質の除去後、C6D6中でのNMRを記録する。
ジフェニルエタン構造の代表的な調製:窒素を充填したグローブボックス内で、TiCl(5.75g、37.3ミリモル)をジャーに添加する。これに、70mlの無水1,2−ジメトキシエタンを添加する。反応槽を送風機で冷却しながら、THF中2.0Mの溶液として、水素化アルミニウムリチウム(6.2mL、12.4ミリモル)を20分にわたって徐々に添加する。熱及び気体発生を記録する。室温(約23℃)で20分間撹拌した後、3−フェニル−3−ペンタノール(2.03g、12.4ミリモル)を滴加する。添加後、その混合物を65℃に加熱する。3時間後、その混合物を窒素雰囲気から取り出し、氷浴で冷却し、冷NHCl水溶液を徐々に添加することにより反応を停止させる。生成物をエーテルで抽出し、有機層を重炭酸ナトリウム水溶液、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させる。揮発性物質の除去後、C6D6中でのNMRを記録する。
MAHグラフト化
樹脂Aへの無水マレイン酸のグラフト化は、Krupp Werner&Pfleiderer二軸共回転押出機システム(ZSK−25)で行った。図1は、そのシステムのレイアウトを示している。そのシステムは、12のバレル区画を有する押出機であって、そのうちの11は電気加熱及び水冷によって独立して制御される、押出機と、25mm二軸スクリューロス−イン−ウエイト式フィーダー(KTRON、モデルKCLQX3)と、MAH/MEK/(50/50混合ラジカル発生剤溶液を注入するための高性能液体クロマトグラフィー(HPLC) ポンプ(Alltech,model 627)と、反応していないMAH(無水マレイン酸)及び副生成物を除去するための真空システムと、Gala水中ペレタイザーと、から構成される。押出機の長さの直径に対する割合は48である。MAHグラフト化を開始する前に、押出機を樹脂Aで最低1時間パージして、材料の製造前にシステムを確実に清浄にした。各官能化反応の前に、最低1時間の追加のパージも行った。
全ての場合で、KTRONフィーダーは、窒素パージ下で、ポリマーパレットを押出機供給スロート(バレル1)に供給した。実験前に、無水マレイン酸を2−ブタノン(メチルエチルケトンまたはMEK)中に1:1の比率(質量基準)で溶かした。係る溶液のアリコートを秤量し、適切なラジカル発生剤を添加した。各アリコートに添加したラジカル発生剤の量は、実験計画で確立した配合に従った。HPLCポンプは、MAH/2−ブタノン/ラジカル発生剤溶液を、第5と第6バレル区画との間に注入した。バレル11の揮発性分除去口に接続された真空システム(3つのノックアウトポットからなる)は、未反応MAH、溶媒、及び反応の副生成物を除去した。真空システムは0.68バールの真空で作動した。さらに、危険な状態を防止するために、窒素流を連続的に真空システムに流入させた。最後に、得られたMAHグラフト化ポリマーを、押出機により、2穴ダイを介してGala LPU水中ペレタイザーの切断チャンバに入れた。切断速度は、所望のペレットサイズに応じて、2800〜3300rpmの範囲であった。また、ペレット化システムの水温は4.4℃であった。総供給速度(9.07kg/h)及びスクリュー速度(350rpm)は、全てのサンプルについて一定に保持した。押出機トルク負荷は78〜82%の範囲で変動した。表2には、押出機の温度プロファイル、ダイ圧力、成分の特定の供給量等のプロセス変数が要約されている。グラフト化で使用される装置のための一般条件及びモデルが表3に示されている。
無水マレイン酸溶液の調製
50/50の2−ブタノン(MEK)と無水マレイン酸との混合物を、大きな5Lガラスジャーにおいて、無水マレイン酸ブリケットを2−ブタノン中に電磁撹拌子で一晩溶解することによって調製した。より小さいアリコートをプラスチック容器(〜400g)に注ぎ出した。各フリーラジカル発生剤(C−Cラジカル及び非C−Cラジカル)の所望の濃度を添加して、表6に記録したそれぞれのフリーラジカル発生剤のレベルを生成させた。次いで、得られた混合物をALLTECHモデル627HPLCポンプを介して押出機のバレル5にポンプで注入した。原料を表4及び表5に示す。
その結果を表6に示す。CEは比較サンプルを指し、IEは本発明の実施例を指す。表6の全てのサンプルは、上で考察したMAHグラフト化手順を用いて製造した。第1の比較例CE1では、無水マレイン酸を添加しなかったが、樹脂Aは押出機に通した。CE2及びCE3では、無水マレイン酸グラフト化は、C−C開始剤の非存在下で行った。3つの本発明の実施例(IE1、IE2、IE3)では、無水マレイン酸を、CE2及びCE3と同じ仕方でグラフト化したが、異なるレベルの2つの別のC−C開始剤を添加した。観察できるように、CC開始剤の添加は、表6に記録されているように無水マレイン酸の全体的なグラフトレベルを向上させ(より高いMAHレベルがFTIRによって測定された)、同時に、それぞれ表7に記録されているように、ゲル形成量が低下し、またさらにメルトインデックスも低下した。これらのサンプルのDMSデータはまた、C−C開始剤を使用して形成されたサンプルについてより高い粘度比及びより低い損失正接を示す;これらの2つのレオロジー特性の各々は、改善されたMAHのグラフト化を示す(表8参照)。樹脂A(押出機を通過しないか、または熱履歴なし)であるCE4も含まれる。
表7に関して、ミクロン単位で記されているゲルに関する見出しは、測定された面積の円相当径に基づいて、カウントしたゲルを更に分類し、以下のカテゴリーに分けていることを示す見出しである。「100ミクロンの欄」は、<100ミクロンを指し、150ミクロンの欄は、100〜150ミクロンのゲルを指し、200ミクロンの欄は、150ミクロン〜200ミクロンのゲルを指し、400ミクロンの欄は、200〜400ミクロンのゲルを指し、800ミクロンの欄は、400〜800ミクロンのゲルを指し、1600ミクロンの欄は、800〜1600ミクロンのゲルを指し、>1600ミクロンの欄は、>1600ミクロンのゲルを指す。

Claims (10)

  1. 官能化エチレン系ポリマーを含む組成物を形成する方法であって、エチレン系ポリマーを含む第1の組成物を、少なくとも以下の、
    (A)構造Iの少なくとも1つの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤であって、
    式中、R、R、R、R、R、及びRは各々独立して、水素またはヒドロカルビル基であり、
    任意選択的に、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)が、環構造を形成するが、但し、
    (i)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、
    (ii)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基である、炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤、
    (B)前記構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤以外の少なくとも1つのフリーラジカル開始剤(非C−Cフリーラジカル開始剤)、及び
    (C)少なくとも1つの官能化剤、と反応させることを含む、方法。
  2. 前記第1の組成物が、二次酸化防止剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の組成物の前記エチレン系ポリマーが、エチレン/α−オレフィンコポリマーである、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記C−Cフリーラジカル開始剤が、構造IIのものであり、
    式中、R、R、R、及びRは各々独立して、水素またはヒドロカルビル基であり、
    任意選択的に、2つ以上のR基(R、R、R、及びR)が、環構造を形成するが、但し、(i)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基であり、(ii)R及びRのうちの少なくとも1つは、少なくとも2個の炭素原子のヒドロカルビル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記C−Cフリーラジカル開始剤が、構造III〜VIIIからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
    3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造III)、
    3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造IV)、
    2,7−ジメチル−4,5−ジエチル−4,5−ジフェニルオクタン(DBuDPH)(構造V)、
    3,4−ジベンジル−3,4−ジトリルヘキサン(DBnDTH)(構造VI)、
    3,4−ジエチル−3,4−ジ(ジメチルフェニル)ヘキサン(構造VII)、
    及び3,4−ジベンジル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造VIII)
  6. 前記C−Cフリーラジカル開始剤が、DSC測定に基づいて、(≧)125℃以上の分解温度を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記(B)の非C−Cフリーラジカル開始剤のうちの少なくとも1つが、以下の、無機もしくは有機過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、またはハロゲン化合物のうちの1つである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって作られた官能化エチレン系ポリマーを含む組成物。
  9. 前記組成物が、フィルム厚76±5ミクロンでGI200試験法によって測定したときに、12以下のGI200ゲル含量を有する、請求項8に記載の組成物。
  10. 請求項8または請求項9に記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品。
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