JP2019503563A - 活性化可能な温度ヒューズ - Google Patents

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Abstract

活性化可能な温度ヒューズ(10)が、第1の電気的端子(1)および第2の電気的端子(2)と、記第1端子との第1の電気的接触状態にあり、かつ、前記第2端子との第2の電気的接触状態にある導電性ブリッジ素子(3)と、前記第1の接触が確立される第1の位置から、前記第1の接触が開放される第2の位置へと変位可能な、前記ブリッジ素子の少なくとも1つの部分(4)と、前記部分を前記第1の位置に保持し、かつ、所定の温度値にさらされるとすぐに前記部分を開放する感熱性部材(5)と、前記部分を前記第2の位置に向かって付勢する付勢部材(6)と、機械的に変位可能な活性化部材(7)と、を有しており、前記活性化部材(7)は、前記活性化部材の第1の位置では前記第1の位置にある前記部分の変位可能性を阻止し、前記活性化部材の第2の位置では前記部分の前記変位可能性を許容する。本発明はさらに、活性化可能な温度ヒューズを備えたプリント回路基板を製造する方法と、活性化可能な温度ヒューズを監視する方法と、活性化可能な温度ヒューズを備えた電子回路と、に関する。

Description

本明細書に記載された発明は、活性化可能な温度ヒューズに関する。別の態様のもとでは、本発明は、活性化可能な温度ヒューズを備えたプリント回路基板を製造する方法、活性化可能な温度ヒューズを監視する方法、および活性化可能な温度ヒューズを有した電子回路に関する。
温度ヒューズは、所定の熱過負荷状態が発生したときに電気回路を遮断する電気安全装置である。流れる電流によってトリガされる電流制限ヒューズと比較すると、温度ヒューズは、主に温度に反応する。いくつかの用途、例えば、自動車、暖房、または空調用途では、装置の温度が所定の限界を超過した場合に電流回路を遮断する保護装置が必要とされる。このようにして、例えば高出力半導体素子の故障後、それに続く損傷が防止される。温度スイッチとは対照的に、温度ヒューズは、温度が限界値を再び下回った後でも電流回路を遮断したままにする。典型的な温度限界は200℃である。この限界を超えると、プリント回路基板の基材の損傷、部品のはんだの破損、ひいては火災の発生の危険すらしばしば生じている。
電子デバイスを組み立てる一般的かつ極めて効率的な方法は、ピックアンドプレースロボットによって表面実装可能な部品をプリント回路基板上に配置するステップと、電気的接点を形成するためのリフローはんだ付けステップとを含む。リフローはんだ付けのために使用される一般的なはんだ付け温度は、240℃〜265℃の範囲で、30〜60秒間である(JEDEC基準)。したがって、240℃未満の限界温度を有する一般的な温度ヒューズは、リフローはんだ付けを含む組立工程の間は取り付けることができず、したがって過負荷反応後に温度ヒューズを単純にリセットすることはできない。この場合、手動で配置した後に特殊なはんだ付け手順が必要である。これは、製造において高価かつエラーを起こしやすい付加的なステップにつながる。
国際公開第2015/096853号(WO2015/096853A1)により、リフローはんだ付けすることができる、SMD(表面実装装置)における温度ヒューズの取付け形式が公知である。このヒューズは、温度と、このヒューズを流れる電流の組み合わせによりトリガされる。温度ヒューズには、リフローはんだ付け工程中は電流が流れないので、はんだ付け中はトリガされない。このヒューズの温度・電流特性曲線のため、このヒューズは全ての用途に適しているわけではない。
国際公開第2010/110877号(WO2010/110877A1)により、リフローはんだ付け可能な温度ヒューズが公知である。はんだ付け後にこのような温度ヒューズを活性化させなければならない。付加的な電気的接点を介して高電流が、補助ヒューズワイヤを通って送られ、このワイヤはこの活性化ステップで溶融する。この活性化ステップ以前は、補助ヒューズワイヤが温度ヒューズのトリガを阻止している。しかしながら、付加的な電気的接点は一定のスペースを占め、この活性化ステップのためだけに回路基板上に導体路を設けなければならない。電流源も利用可能でなければならない。
国際公開第2015/096853号 国際公開第2010/110877号
本発明の課題は、代替的な温度ヒューズを提供することである。
この課題は、請求項1記載の活性化可能な温度ヒューズにより達成される。
本発明に係る活性化可能な温度ヒューズは、第1の電気的端子および第2の電気的端子と、導電性ブリッジ素子とを有している。このブリッジ素子は、第1端子との第1の電気的接触を形成していて、かつ、第2端子との第2の電気的接触を形成している。このようにして、第1端子から第2端子への導電路が設けられている。
ブリッジ素子の少なくとも1つの部分は、第1の接触が確立される第1の位置から、第1の接触が開放される第2の位置へと変位可能である。ブリッジ素子の前記部分が第2の位置にあるときは、端子間の導電路が遮断されている。これは、温度の過負荷によりトリガされた後のヒューズの状態に対応する。
活性化可能な温度ヒューズはさらに、感熱性部材を有しており、この感熱性部材は、前記部分を第1の位置に保持し、かつ、所定の温度値にさらされるとすぐに前記部分を解放する。
活性化可能な温度ヒューズはさらに、付勢部材を有しており、この付勢部材は、前記部分を第2の位置に向かって、すなわち「トリガ」位置に向かって付勢する。
活性化可能な温度ヒューズはさらに、機械的に変位可能な活性化部材を有しており、この活性化部材は、活性化部材の第1の位置では第1の位置にある前記部分の変位可能性を阻止し、活性化部材の第2の位置では前記部分の変位可能性を許容する。
付勢部材は、ひとたび温度ヒューズがトリガされると、ブリッジ素子の部分を第2の位置へと変位させ、電流経路を遮断することを保証する。とは言え、このことは、この部分が、感熱性部材によって第1の位置に保持されておらず、かつ、この部分の変位可能性が活性化部材によって阻止されていない場合にのみ可能である。感熱性部材は、例えば、ブリッジ素子との係合接続を開放することによって、または冶金術により接合された接続部を溶融させることによって、ブリッジ素子の部分を解放することができる。
ブリッジ素子の部分の変位可能性の阻止は例えば、活性化部材と前記部分との間の直接の機械的接触により確立されてよく、または例えば、感熱性部材の変形や移動の阻止により、または付勢部材の付勢に対抗することにより、前記部分に間接的に作用することにより確立されてよい。
したがって、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズは、たとえ所定の温度値に達した、または所定の温度値を超過したとしても温度ヒューズがトリガされない不能状態または固定状態を有している。この状態では、トリガされることなくリフローはんだ付け工程に耐えることができる。この不能状態は、第1の位置にセットされた活性化部材により規定されている。温度ヒューズは、所定の温度値の超過により温度ヒューズがトリガされる可能状態または活性化された状態を有している。この可能状態は、第2の位置にある活性化部材により規定されている。
本発明に係る温度ヒューズは、リフローはんだ付けにより取り付けることができ、活性化させるのが容易であるという利点を有している。
本発明に係る活性化可能な温度ヒューズは、単に機械的に動かされる手段によって活性化された状態へと移すことができる。
不能状態にある本発明に係る活性化可能な温度ヒューズは、通常は温度ヒューズをトリガさせるほどの温度を要する工程に耐えることもできる。このような工程とは例えばリフローはんだ付けであってよい。
矛盾しない限りは、さらに記載される実施形態のいずれとも組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、温度ヒューズは、活性化部材の移動経路を画定するガイドエレメントを有している。このような移動経路は、並進運動、回転運動、ねじ運動のうちの少なくとも1つであってよい。このような実施形態の利点は、ヒューズの機械的な活性化が、例えばグリッパやねじドライバを使用することにより簡単に実施されることにある。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、温度ヒューズは、活性化部材の第2の位置から活性化部材の第1の位置への戻りを阻止するスナップ機構を有している。この実施形態によれば、以前に活性化された温度ヒューズが誤って不能化されることが阻止される。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、所定の温度値は、240℃までの範囲にあり、好適には150℃〜240℃の範囲にあり、両制限値が含まれている。150℃〜240℃の範囲にある所定の温度値は特に利用性が高い。この温度範囲は、例えば典型的にははんだ付け工程ではんだ付けされた構成部品のはんだ除去により、電子回路が破損する危険がある温度範囲以下に選択される。この実施形態による活性化可能な温度ヒューズは、不能状態では、早期にトリガされることなく通常のはんだ付け工程に耐え、活性化されるとすぐに保護装置として機能する。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、感熱性部材ははんだを有している。この実施形態では、ブリッジ素子の部分の解放は、はんだが溶融したときに生じる。融点が所定の温度値よりも低い、または所定の温度値にある適切なはんだを選択することによって、正確に規定されたトリガ温度に達することができる。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、感熱性部材はバイメタルストリップまたはバイメタルディスクを有している。バイメタルを使用して、温度に依存した確実な解放機構を構成することができる。特に、バイメタルディスクは、正確に規定された狭い温度範囲内で一定の屈曲状態から他の状態へと迅速に変位するように形成することができる。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、感熱性部材は形状記憶合金を有している。形状記憶合金により、その変態温度で形状を著しく変化させる機械的要素を作り出すことができる。これは、極めて信頼できる機械的解放機構を達成するために有利である。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、温度ヒューズは、第1の電気的端子および第2の電気的端子が配置されている底面を備えたハウジングを有している。第1の電気的端子および第2の電気的端子は、表面実装に適したはんだ接続部であってよい。表面実装によるデバイスの位置決めは極めて精密であるので、温度ヒューズの表面実装を可能にするこの実施形態は有利である。したがって、過熱したデバイスが、近くにある温度ヒューズの温度に与える影響は、良好に予測可能であり、再現性がある。ハウジングは例えば、リフロー工程に適した260℃の温度に対して耐性のあるプラスチック材料から成っている。ハウジングの典型的なサイズは、平面図で見て、例えば10mm×12mmであってよい。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、活性化部材はハウジングに組み込まれていて、特にハウジングと一体に設計されており、ハウジングの上面から、および/または、底面から、および/または、側面から操作可能である。このような実施形態では、温度ヒューズがプリント回路基板にはんだ付けされた後、温度ヒューズを機械的に活性化させるのがさらに容易である。底面側からの活性化部材の操作性を提供する実施形態は、温度ヒューズが配置されるべき領域に穴またはスリットを有するプリント回路基板と組み合わせて使用することができ、これによりプリント回路基板を貫通して活性化部材を操作可能である。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、活性化部材の位置を、ハウジングの上面から見ることができる。この実施形態では、活性化部材の位置により、人間が見ることができる方法で、または光学手段によって検出することができる方法で、活性化の状態が示される。この実施形態では、プリント上の全ての温度ヒューズが活性化されていることを迅速に確認することができる。この実施形態は、デジタル画像の取得およびその後の画像解析によって行われる自動視覚プロセスコントロールに特に適している。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、付勢部材は、圧縮された、または伸長された、または曲げられた、またはねじられた弾性部材である。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、付勢部材は、ブリッジ素子の弾性的な区分を有している。この実施形態では、ブリッジ素子の弾性的な区分が、ブリッジ素子の変位可能な部分と、ブリッジ素子のその他の部分との間に付勢力を提供する、または少なくとも提供に寄与する。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、付勢部材は、コイルばね、渦巻ばね、または板ばねの形状を有している。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、ブリッジ素子の部分の第2の位置では、第1の接触および第2の接触が開放されており、好適にはブリッジ素子は実質的に剛性のエレメントである。この実施形態により、単純な対称的な構造が可能である。第1端子および第2端子は、この場合、交換可能である。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、温度ヒューズは、5アンペアよりも高い、好適には30アンペアよりも高い、および、100アンペアまでの電流を通すようになっている。高電流用途に適したこの実施形態は、例えば、温度ヒューズにおける低電圧降下および低電力散逸につながる、大きな導電性断面を有するブリッジ素子を有することができる。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、第1の電気的端子と第2の電気的端子との間の導電路に電流制限ヒューズエレメントが配置されている。この実施形態により、温度ヒューズに電流制限機能が加えられる。この実施形態により、所定の温度値未満の温度に対して溶融ヒューズの特徴を有する活性化可能な温度ヒューズが提供される。所定の温度値に達していなくても、過剰な電流によりヒューズをトリガすることができる。この実施形態では、例えばブリッジ素子が電流制限ヒューズエレメントを有している。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、電流制限ヒューズエレメントは、導電路における狭隘部として、特に電気絶縁基板上の導電路における狭隘部として形成されている。この実施形態は、電流制限ヒューズエレメントを実現する極めてシンプルかつ安価な方法である。このような形式の電流制限ヒューズエレメントは、ブリッジ素子において実現されてもよい。導電路における狭隘部は、例えば、ワイヤにおける狭隘部として、または電気絶縁基板におけるプリント回路基板内の狭隘部として形成することができる。導電路の狭い区分を通る過電流は、この区分を溶融し、ヒューズの端子間の電気接続を遮断する。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、少なくともブリッジ素子は所定の抵抗温度係数を有する合金を含み、抵抗温度係数の絶対値は、室温で500ppm/K未満である。活性化可能な温度ヒューズを、この温度ヒューズを流れる電流を監視する方法において使用しようとするならば、この実施形態は特に利用価値が高い。この実施形態により、ヒューズの端子間の抵抗は、温度変化により大きく変化しない。典型的に、5000ppm/Kの程度の抵抗温度係数を有する銅のような、導電体として使用される通常の金属と比較すると、この実施形態により温度依存性は約1/10に減じられる。したがって、端子間で測定される電圧を、オームの法則を適用し、かつ、温度の影響を殆ど無視することにより、電流の指標として解釈することができる。室温で、|α|≦500ppm/Kの条件を満たす抵抗温度係数(TCR)αを有する可能性のある合金は、例えば:
75〜76%のCu、23%のNi、1〜2%のMnら成る合金(ISA−ZINとして公知である)、
89%のCu、9%のNi、2%のSnから成る合金(CW351Hとして公知である)、
85%のCu、15%のNi、0.3%のMnから成る合金(「Legierung 127」として公知である)、である。
これらの合金は、費用対効果が高く、電気技術的用途に適している。第1端子および第2端子は、この条件を満たす合金を有していてもよい。
銅と比較して温度依存性が1/100に減じられるような、室温で|α|≦50ppm/Kのより強い条件を満たす合金は、例えば:
60%のCu、40%のNiから成る合金(Constantanとして公知である)、
84%のCu、12%のMn、4%のNiから成る合金(Manganinとして公知である)または
84%のCu、13%のMn、3%のAlから成る合金(Isabellinとして公知である)、である。
極めて精密な測定のためには、室温で|α|≦3ppm/Kの条件を満たす、90.7%のCu、7%のMn、2.3%のSnから成る合金(ZERANIN 30として公知である)が市販されている。
温度ヒューズの極めて低い抵抗温度依存性を達成するためには、両端子を含む完全な電流伝導経路が、上記条件の1つを満たす合金から形成される。広い温度範囲で、特に室温と、温度ヒューズがトリガされる所定の温度値との間の全範囲で、上記条件の1つを満たす合金が選択されてよい。
矛盾しない限りは、上述した実施形態のいずれとも、また、さらに記載される実施形態のいずれとも、組み合わせることができる、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態では、活性化可能な温度ヒューズは、第1の電気的端子および第2の電気的端子に加えて付加的に、別の電気的端子を有している。この実施形態により例えば、温度ヒューズを通る電流伝導路に、第1の電気的端子と第2の電気的端子との間の中間点で電気的に接触することができる。付加的な端子は、温度ヒューズのハウジングにおける別の要素に対する、特にヒューズの状態を監視するために使用されるセンサエレメントに対する、電気的接触を提供することもできる。
本発明はさらに、請求項19に記載のプリント回路基板を製造する方法に関する。
本発明に係る、おそらく上記実施形態の1つ以上による、活性化可能な温度ヒューズを備えたプリント回路基板を製造する方法は、以下のステップ、すなわち、
プリント回路基板の導電性はんだパッドをはんだで被覆するステップと、
はんだで被覆された導電性はんだパッドに、温度ヒューズの第1の電気的端子および第2の電気的端子を配置するステップと、
温度ヒューズの活性化部材が活性化部材の第1の位置にあることを確認するステップと、
プリント回路基板を、はんだの融点を超える温度まで加熱するステップと、
プリント回路基板を、はんだの融点未満に冷却するステップと、
温度ヒューズの活性化部材を、活性化部材の第2の位置へと動かすステップと、を有している。
活性化部材の移動は、活性化部材に力またはトルクを加えることにより行われる。
本発明はさらに、請求項20に記載の電子回路に関する。
このような電子回路は、高出力半導体デバイスの電流伝導経路に直列接続された、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズを有している。
電子回路の実施形態では、活性化可能な温度ヒューズと高出力半導体デバイスとが共通のハウジング内に配置されている。この実施形態は、温度ヒューズの温度が、高出力半導体の温度に近いという利点を有している。さらに、実際の使用においては、高出力半導体デバイスの組み合わせがしばしば対になることがある。したがって、それらを1つの共通のハウジング内に予めパッケージングすることにより、より効率的な組立工程がもたらされる。
本発明はさらに、請求項22に記載の方法に関する。
この方法は、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズまたは本発明に係る電子回路の状態を監視する方法であって、前記状態は、トリガ状態、および/または、電流、および/または、温度を含んでおり、活性化可能な温度ヒューズの2つの電気的端子の間の電圧を測定する。
この方法は、活性化可能な温度ヒューズをセンサとして使用する。活性化可能な温度ヒューズの状態は、それぞれ、トリガされている、またはトリガされていないという事実により特徴付けられてもよい。前記状態は、温度ヒューズを流れる電流によって、または温度ヒューズの温度によって特徴付けられてもよい。電圧の測定は、第1の電気的端子と第2の電気的端子とを含む、ならびに手元の実施形態で付加的な端子が存在している場合には付加的な端子の1つまたは2つを含む、任意の2つの端子間で行われてよい。電圧の測定には、高い入力抵抗を有する電圧計を使用してよい。この方法での使用のためには、所定の抵抗の抵抗素子、所定の抵抗温度依存性の素子、または熱電対素子のような、特別に適合されたエレメントが、活性化可能な温度ヒューズに存在してもよい。
この方法の実施形態では、
第1の電気的端子と第2の電気的端子との間の電圧を測定し、
前記ステップで測定された電圧と、活性化可能な温度ヒューズの所定の抵抗値とから、活性化可能な温度ヒューズを流れる電流を求める。
この実施形態では、活性化可能な温度ヒューズが測定抵抗として使用される。例えば、温度ヒューズによる熱保護を必要とする高電力半導体デバイスを通る電流の監視は、付加的なシャント抵抗器等を必要とせずに、このような方法の実施形態により極めて簡単な形式で行うことができ、したがって、回路はコンパクトな設計となる。このような方法の実施形態による使用のために、活性化可能な温度ヒューズは、500μΩまたは1mΩの所定の抵抗を有するように設計することができる。このようにして、抵抗は、過剰な電力が散逸されない程度に十分低いが、ヒューズを流れる電流の精密な測定を可能にする程度に十分高い。所定の抵抗は、抵抗に対する電気的端子の寄与を含む。この方法の実施形態のために、その電流伝導経路において低い抵抗温度係数を有する合金を適用する活性化可能な温度ヒューズを使用することが特に有効である。これにより、抵抗の温度依存性による測定誤差が小さく抑えられている。
本発明に係る活性化可能な温度ヒューズは、例えば、自動車、暖房、または換気、および再生可能なエネルギ用途のような、高電力用途におけるトランジスタ保護のために使用することができる。多くの用途では、トランジスタはパルスモードで動作する。最大限可能な熱負荷は、パルス動作中は超過されない。しかしながら、故障した場合にはトランジスタがDC信号によって駆動され、またはトランジスタが損傷した場合には、標準的なヒューズをトリガする電流限界を下回るが、危険な高温までトランジスタを加熱するのに十分な高い電流が流れるかもしれない。特に、トランジスタのいわゆる抵抗性の故障は、このような状況につながる可能性がある。高温のトランジスタは、その周囲においてそれに続く損傷を引き起こす場合があり、または火災を発生させることさえある。それに続く損傷を阻止するために、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズを、高電力トランジスタの近くに、すなわち高電力トランジスタに熱的に連結して、配置することができ、高電力トランジスタを通る電流路に直列に接続することができる。限界温度が超過されると、温度ヒューズが、電流路を遮断し、さらなる加熱を阻止する。
次に、本発明を図面につきより詳しく説明する。
図1.a)乃至図1.d)は、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズを4つの異なる状態で概略的に示す図である。 図2.a)乃至図2.d)は、プリント回路基板上の活性化可能な温度ヒューズの実施形態を4つの異なる状態で示す断面図である。 図3.a)乃至図3.d)は、活性化可能な温度ヒューズの別の実施形態を4つの異なる状態で概略的に示す図である。 図4.a)は、活性化可能な温度ヒューズを備えた電子回路の斜視図であり、図4.b)は、グレイレベルにより示された表面温度と共に示す図4.a)の斜視図である。 図5.a)乃至図5.c)は、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態を示す3つの斜視図であり、図5.d)は、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態を示す断面図である。 図6.a)は、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態を、ハウジングを除去した状態で示す斜視図であり、図6.b)は、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態を示す斜視断面図である。 図7.a)乃至図7.c)は、活性化可能な温度ヒューズの状態を監視する方法に適用可能な3つの測定構造を示す回路図である。
図1には、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズが4つの異なる状態で概略的かつ簡略化されて示されている。
図1.a)は、不能状態にある活性化可能な温度ヒューズを示す。ヒューズの温度Tは、温度ヒューズの特徴である所定の温度値T未満である。Tは例えば200℃であってよい。電気的接続は、第1端子1から、導電性ブリッジ素子3を介して第2端子2へと確立される。ブリッジ素子の部分4は、第1端子1との電気的接触が確立される第1の位置にある。感熱性部材5は、ブリッジ素子の部分4を第1の位置に保持する。付勢部材6は、ここでは伸長したコイルばねとして象徴的に図示されており、部分4を、矢印で示す方向Bに付勢している。活性化部材7は、ブリッジ素子の部分4の変位可能性を阻止している。
図1.b)は、まだ不能状態にある活性化可能な温度ヒューズを示しているが、ヒューズの温度Tはいまや、所定の温度値Tを超えている。感熱性部材5は部分4を解放している。この解放は、破断線で示されている。しかしながら、活性化部材7が変位可能性を阻止しているので、部分4は第2の位置へと変位されていない。第1端子1および第2端子2は、リフローはんだ付け工程により、左および右に示された導線14,15に接続されるので、高温が発生する可能性がある。
図1.c)は、活性化された状態にあり、T未満の温度Tで操作されている活性化可能な温度ヒューズを示す。矢印で示された方向Aでの活性化動作の適用により、活性化部材は、活性化部材の第2の位置へと動かされている。感熱性部材5だけが、ブリッジ素子の部分4を第1の位置に保持している。
図1.d)は、活性化された状態にあり、Tを超える温度Tにある活性化可能な温度ヒューズを示す。感熱性部材5は部分4を解放している。部分4は、付勢部材6の付勢作用下で、第2の位置内へと変位されている。これにより、ブリッジ素子3の部分4と第1端子との間の電気的接点は、開放されている。この付勢部材はこの場合、圧縮されたコイルばねとして象徴的に示されている。
図2は、活性化可能な温度ヒューズの実施形態と、プリント回路基板の一部とを断面した断面図を示している。
図2.a)〜図2.c)には、活性化可能な温度ヒューズを備えたプリント回路基板の製造方法のステップが示されている。図2.d)には、同じ温度ヒューズがトリガされた後の状態で示されている。
図2.a)は、不能状態にある温度ヒューズの実施形態を示す。ヒューズの温度Tは、所定の温度値T未満である。第1端子1および第2端子2は、ベースプレート12の下方に配置されている。ブリッジ素子の変位可能な部分4は帽子の形状を有している。これは例えば、銅板を深絞りすることによって製造することができる。感熱性部材5は、ブリッジ素子が、第1端子1に通じる電気的接続部にはんだ付けされるはんだ付けポイントとして構成されている。別の感熱性部材5’は同様のはんだ付けポイントとして形成されていて、ブリッジ素子の部分4から第2端子2への電気的接続部を形成している。感熱性部材のために使用されるはんだの融点は、所定の温度値である温度Tである。圧縮されたコイルばねは、ブリッジ素子の帽子の形状内に位置し、ブリッジ素子の変位可能な部分4に上向きの付勢力を加える。ハウジング11は、温度ヒューズを取り囲んでいる。ハウジングは例えば、リフロー工程に適した260℃の温度に対して耐性のあるプラスチック材料から成っている。ハウジングの内側には、活性化部材の水平方向並進運動を可能にする活性化部材7のためのガイドエレメントが形成されている。活性化部材は第1の位置にあり、部分4の変位可能性を、この場合、上方への動きを阻止している。活性化部材は中央部分に貫通孔16を有している。活性化部材は、ハウジングの右側から突出している。これにより、温度ヒューズが不能状態にあることが外側から、特に上方から明瞭に見える。温度ヒューズは、プリント回路基板20の上に位置している。はんだパッド21,22ははんだ23によって覆われている。第1端子1および第2端子2はそれぞれ、はんだパッドの一方の上面に配置されている。
図2.b)は、まだ不能状態にある温度ヒューズの実施形態を示す。温度ヒューズは、はんだ23の融点を超える温度まで加熱されている。ヒューズの温度Tは、今や所定の温度値Tを超えている。感熱性部材5はこの温度で溶融し、部分4を定置に保持する能力を失っているが、部分4は活性化部材7によって阻止されているので動かない。
図2.c)は、T未満の温度Tへと冷却された後の温度ヒューズを示す。はんだパッド21,22と第1端子1および第2端子2との間のはんだ接続が形成されている。感熱性部材5は再度固化し、部分4を定置に保持する能力を回復する。方向Aでの活性化動作により、活性化部材は、活性化部材の第2の位置へと動かされている。活性化部材7の突出部をハウジング11内に押し込むことを含むこのような活性化動作は、ピックアンドプレース動作のためにも同様に使用されるグリッパを介して行うことができる。今や、活性化部材の穴16がブリッジ素子の部分4の上方に位置していて、部分4の上方への動きを可能にしている。感熱性部材5だけが、方向Bでの部分4への付勢に対して対抗している。温度ヒューズは活性化された状態にある。
図2.d)は、温度TがTを超えた後の、活性化された温度ヒューズを示す。感熱性部材を形成するはんだは溶融し、ブリッジ素子の部分4は第2の位置へと変位された。コイルばね6は、図2.c)と比較して膨張しており、部分4を第2の位置に保持している。ブリッジ素子と第1端子および第2端子との間の電気的接触は、したがって端子間の電気的接触は、遮断されている。
図3には、活性化可能な温度ヒューズの別の実施形態が4つの異なる状態で概略的かつ簡略化されて示されている。この実施形態では、ブリッジ素子の変位可能な部分4は、可動ブロック17の導電性区分として形成されており、可動ブロックは、この導電性区分から離れた部分は非導電性である。第1端子1および第2端子2のそれぞれに対する電気的接触は、摺動接点を介して確立される。この実施形態では、感熱性部材5はバイメタルストリップであり、可動ブロック17に係合接続している。
図3.a)は、温度T<Tのときの不能状態にある温度ヒューズを示す。バイメタルストリップはまっすぐであり、可動ブロック17との係合接続を確立し、部分4は第1の位置に保持されている。
図3.b)は、T>Tのときの不能状態にある温度ヒューズを示す。バイメタルストリップは上方に撓み、係合接続は解除される。活性化部材7は、この実施形態では圧縮されたコイルばねである付勢部材6の方向Bにおける付勢力に対抗している。
図3.c)は、温度T<Tのときの活性化された状態にある温度ヒューズを示す。方向Aでの力を加えることにより、活性化部材7は、ガイドエレメントとして機能する孔内へと押し込まれた。活性化部材7は今や第2の位置にあり、可動ブロック17の、およびこれと共に部分4の変位可能性が許容されている。スナップ機構13により、活性化部材が第2の位置から第1の位置へと戻るのが阻止されている。
図3.d)は、温度T>Tのときの活性化状態にある温度ヒューズを示す。感熱性部材5として働くバイメタルストリップが上方に撓んだため、係合接続は解除された。部分4は第2の位置にある。第1端子1と接続する摺動接点は、可動ブロック17の非導電性部分にしか接続していないので、第1端子1から第2端子2への電気的接続経路は遮断されている。
図4.a)は、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズを有した電子回路40を示す。温度ヒューズ10は、高出力半導体デバイス41に近接して取り付けられていて、半導体デバイスの電流伝導経路に直列に接続されている。温度ヒューズと半導体デバイスとは1つのプリント回路基板に取り付けられた面である。半導体デバイスは、例えば電界効果トランジスタ(FET)であってよい。温度ヒューズは、図2.a)〜図2.d)に示した形式のものである。温度ヒューズは、図2.c)に示された横断面図に対応する、活性化された状態で示されている。活性化部材は、この実施形態では活性化可能な温度ヒューズのハウジングの内部にある第2の位置にあるので、活性化部材は見えていない。破線により、温度ヒューズおよび高出力半導体デバイスの一般的にあり得るハウジング42が示されている。
図4.b)は、図4.a)の電子回路40を示す。表面温度が、温度値に対応するグレイレベルにより示されている。図示された温度分布は、温度ヒューズがトリガされない通常の操作状態において典型的なものである。
図5には、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態が4つの異なる視点で示されている。これら4つの視点の全てにおいて、温度ヒューズは不能状態にある。
図5.a)は、温度ヒューズの上方の視点から見た斜視図である。この実施形態は、矢印Aで示された方向で上側から付与される力により活性化される。ハウジング11に設けられた溝51は、移動の直線経路に沿って活性化部材7をガイドする。
図5.b)は、図5.a)と同じ温度ヒューズを図5.a)と同じ視点から見た斜視図であるが、ハウジング内側の部分を見せるためにハウジングは除去されている。ブリッジ素子4は、第1端子1と第2端子2との間の電気的接触を確立する。感熱性部材5,5’は、参照符で示された位置で、ブリッジ素子4と、第1端子1および第2端子2との間のインターフェースにおける薄いはんだ層として形成される。
図5.c)は、温度ヒューズの下方の視点から見た斜視図であり、第1端子1および第2端子2を直接見ることができる。破線Cは、図5.d)に示す断面の位置を示す。
図5.d)は、温度ヒューズの断面図である。温度ヒューズのこの断面は、第1端子1と第2端子2との間の真ん中に位置する平面に沿ったものである。活性化部材7の部分として形成された突起52は、ブリッジ素子4をその位置に保持する。この突起はさらに、スナップファスナと類似のスナップ機構を提供している。活性化部材7を第2の位置へと押し下げることができ、これにより機械的抵抗が克服され、これにより活性化部材7の僅かな変形が生じる。第2の位置にある活性化部材7により、ブリッジ素子の上方には、ブリッジ素子が付勢部材6により第1の位置から外へ動かされるのに十分なスペースがブリッジ素子のためにあるので、感熱性部材5,5’を成すはんだが溶融すると、ブリッジ素子4はそれ以上位置保持されない。付勢部材6はコイルばねとして形成されている。付勢部材は、上方に向けられた力をブリッジ素子4に加える。この力は、ブリッジ素子4を横切る突起52をスナップ固定するために必要な力よりも弱い。この実施形態による温度ヒューズの活性化のために、ばねのこの力よりも大きな力が、温度ヒューズの上面から活性化部材に対してかけられなければならない。活性化部材7は、上面から直接、操作可能であり、見える。
図6には、本発明に係る活性化可能な温度ヒューズの実施形態が2つの異なる視点で図6.a)および図6.b)に示されている。この実施形態では、ブリッジ素子は電流制限ヒューズエレメント61を有している。両図において、温度ヒューズは不能状態にある。
図6.a)は、内部の構成部品をより見易くするためにハウジングが除去されている活性化可能な温度ヒューズの斜視図である。ここに示された実施形態では、ブリッジ素子の部分4は、電気絶縁基板63として構成されていて、感熱性部材5,5’を介して第1の電気的端子1および第2の電気的端子2にはんだ付けされた導電路62を有している。導電路62における狭隘部が、電流制限ヒューズエレメント61を形成している。狭隘部の領域における断面が比較的小さいことにより、ヒューズの定格電流よりも高い電流が導電路を流れる場合、電流経路はここで溶融する。電流制限ヒューズエレメント61は、活性化される必要はない。活性化力が、Aの方向で活性化部材7へと加えられると、活性化部材7は、活性化部材7の第2の位置へと動くことができ、これにより、ブリッジ素子の部分4の上方への変位可能性が得られる。コイルばねの形状の付勢部材6は、上方に向かって作用する付勢力を部分4へとかける。
図6.b)は、一方の半部を切り取って示した、活性化可能な温度ヒューズの半部の斜視図である。図6.b)にはハウジング11が示されている。切断平面は、導電路において狭隘部によって電流制限ヒューズエレメント61が形成されている位置で、導電路62を断面している。導電路の薄い層は、電気絶縁基板63により支持されている。この図に示された活性化部材7の第1の位置では、活性化部材7に設けられた2つの突起52が、ブリッジ素子の部分4の、ハウジング11に対して相対的な変位可能性を阻止している。活性化部材が第2の位置へと移動するとき、ハウジングに設けられた溝51が活性化部材7をガイドする。活性化部材7は、上方の突起52が、部分4によって形成された障害物と、ハウジング11の隣接部分とを越えて押し込まれることができるように、ある程度まで変形可能である。ハウジング11は付勢部材6を位置保持する。
図7.a)〜図7.c)は、活性化可能な温度ヒューズ10と、温度ヒューズの状態を監視する方法において印加される電圧Vを測定するために使用される電圧計70とを含む測定構造の概略的な回路図を示す。
図7.a)は、電流が第1の電気的端子1内へと流れ、第2の電気的端子2から出ていく活性化可能な温度ヒューズ10を示す。トリガされると、活性化可能な温度ヒューズ10は電流Iを遮断する。電圧計70は、端子1と端子2との間の電圧Vを測定する。値Rを有することが既知である温度ヒューズの抵抗により、電流Iを、I=V/Rとして計算することができる。
図7.b)は、付加的な電気的端子71を備えた活性化可能な温度ヒューズ10を示す。電圧計70は、端子2と71との間の電圧を測定するように配置されている。このようにして、例えば、温度ヒューズ10の導電路に沿って形成された熱電対接点上の熱誘起電圧を測定することができる。この測定構造における別の可能性は、ブリッジ素子が端子2とまだ電気的に接触しているかどうか、すなわち温度ヒューズがトリガ状態にあるか否かを検出することである。
図7.c)は、2つの付加的な電気的端子71,72を備えた活性化可能な温度ヒューズ10を示す。電圧計70は、端子71と72との間の電圧を測定するように配置されている。この測定構造では、例えば、温度ヒューズの電流伝導経路の所定の区分にわたる電圧降下が可能である。
1 第1端子
2 第2端子
3 ブリッジ素子
4 ブリッジ素子の部分
5 感熱性部材
5’ 別の感熱性部材
6 付勢部材
7 活性化部材
10 活性化可能な温度ヒューズ
11 ハウジング
12 ベースプレート
13 スナップ機構
14,15 導線
16 (活性化部材に設けられた)穴
17 可動ブロック
20 プリント回路基板
21,22 はんだパッド
23 はんだ
40 活性化可能な温度ヒューズを備えた電子回路
41 高出力半導体デバイス
42 (10と41の)共通のハウジング
51 (ハウジングに設けられた)溝
52 突起
61 電流制限ヒューズエレメント
62 導電路
63 電気絶縁基板
70 電圧計
71,72 付加的な電気的端子
A 活性化動作の方向
B 付勢の方向
I 電流
T 温度
所定の温度値
V 電圧

Claims (23)

  1. 活性化可能な温度ヒューズ(10)であって、
    第1の電気的端子(1)および第2の電気的端子(2)と、
    前記第1端子との第1の電気的接触を形成し、かつ、前記第2端子との第2の電気的接触を形成する導電性ブリッジ素子(3)と、
    前記第1の接触が確立される第1の位置から、前記第1の接触が開放される第2の位置へと変位可能な、前記ブリッジ素子の少なくとも1つの部分(4)と、
    前記部分を前記第1の位置に保持し、かつ、所定の温度値にさらされるとすぐに前記部分を解放する感熱性部材(5)と、
    前記部分を前記第2の位置に向かって付勢する付勢部材(6)と、
    機械的に変位可能な活性化部材(7)と、
    を有しており、
    前記活性化部材(7)は、前記活性化部材の第1の位置では前記第1の位置にある前記部分の変位可能性を阻止し、前記活性化部材の第2の位置では前記部分の前記変位可能性を許容する、活性化可能な温度ヒューズ(10)。
  2. 前記活性化部材(7)の移動経路を画定するガイドエレメントを有しており、前記移動経路は、並進運動、回転運動、ねじ運動のうちの少なくとも1つである、請求項1記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  3. 前記活性化部材(7)が、前記活性化部材の前記第2の位置から前記活性化部材の前記第1の位置へと戻るのを阻止するスナップ機構(13)を有している、請求項1または2記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  4. 前記所定の温度値(T)は、240℃までの範囲にあり、好適には150℃〜240℃の範囲にあり、両制限値が含まれている、請求項1から3までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  5. 前記感熱性部材(5)は、はんだを有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  6. 前記感熱性部材(5)は、バイメタルストリップ、バイメタルディスク、形状記憶合金のうちの少なくとも1つを有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  7. 前記第1の電気的端子(1)および前記第2の電気的端子(2)が配置されている底面を備えたハウジング(11)を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  8. 前記活性化部材(7)は、前記ハウジング(11)に組み込まれていて、特に前記ハウジングと一体に設計されており、前記ハウジングの上面から、および/または、底面から、および/または、側面から操作可能である、請求項7記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  9. 前記活性化部材(7)の位置は、前記ハウジング(11)の上面から見える、請求項8記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  10. 前記付勢部材(6)は、圧縮された、または伸長された、または曲げられた、またはねじられた弾性部材である、請求項1から9までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  11. 前記付勢部材(6)は、前記ブリッジ素子(3)の弾性的な区分を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  12. 前記付勢部材(6)は、コイルばね、渦巻ばね、または板ばねの形状を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  13. 前記ブリッジ素子の前記部分(4)の第2の位置では、前記第1の接触および前記第2の接触が開放されており、好適には、前記ブリッジ素子は、実質的に剛性のエレメントである、請求項1から12までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  14. 前記温度ヒューズは、5アンペアよりも高い、好適には30アンペアよりも高い、および、100アンペアまでの電流を通すようになっている、請求項1から13までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  15. 前記第1の電気的端子と前記第2の電気的端子(2)との間の導電路(62)に電流制限ヒューズエレメント(61)が配置されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  16. 前記電流制限ヒューズエレメント(61)は、導電路(62)における狭隘部として、特に電気絶縁基板(63)上の導電路(62)における狭隘部として形成されている、請求項15記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  17. 少なくとも前記ブリッジ素子(3)は、所定の抵抗温度係数を有する合金を含み、前記抵抗温度係数の絶対値は、室温で500ppm/K未満である、請求項1から16のいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  18. 前記活性化可能な温度ヒューズは、前記第1の電気的端子(1)および前記第2の電気的端子(2)に加えて付加的に、別の電気的端子(71,72)を有している、請求項1から17までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ。
  19. 請求項1から18までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ(10)を備えたプリント回路基板(20)を製造する方法であって、以下のステップ、すなわち、
    前記プリント回路基板の導電性はんだパッド(21,22)をはんだ(23)で被覆するステップと、
    前記はんだ(23)で被覆された導電性はんだパッドに、前記温度ヒューズの第1の電気的端子(1)および第2の電気的端子(2)を配置するステップと、
    前記温度ヒューズの前記活性化部材(7)が前記活性化部材の前記第1の位置にあることを確認するステップと、
    前記プリント回路基板を、前記はんだの融点を超える温度まで加熱するステップと、
    前記プリント回路基板を、前記はんだの融点未満に冷却するステップと、
    前記温度ヒューズ(10)の前記活性化部材(7)を、前記活性化部材の前記第2の位置へと動かすステップと、
    を有している、
    プリント回路基板(20)を製造する方法。
  20. 高出力半導体デバイス(41)の電流伝導経路に直列接続された、請求項1から18までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ(10)を有している、電子回路(40)。
  21. 前記活性化可能な温度ヒューズ(10)と前記高出力半導体デバイス(41)とが共通のハウジング内に配置されている、請求項20記載の電子回路(40)。
  22. 請求項1から18までのいずれか1項記載の活性化可能な温度ヒューズ(10)または請求項20もしくは21記載の電子回路(40)の状態を監視する方法であって、前記状態は、トリガ状態、および/または、電流、および/または、温度を含んでおり、
    前記活性化可能な温度ヒューズの2つの電気的端子の間の電圧を測定する、状態を監視する方法。
  23. 前記第1の電気的端子(1)と前記第2の電気的端子(2)との間の電圧を測定し、
    前記電圧と、前記活性化可能な温度ヒューズの所定の抵抗値とから、前記活性化可能な温度ヒューズを流れる電流を求める、請求項22記載の方法。
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