JP2019501110A - 治療薬の持続放出用の胃内滞留システム及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、治療薬の持続的な胃内放出のための胃内滞留システム及びその使用方法に関する。
本出願は、2015年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/245,789号、2015年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/245,797号、2015年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/264,795号;2015年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/264,799号、2015年12月8日に出願された米国仮特許出願第62/264,806号、及び2016年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/402,947号の優先権を主張する。これらの特許出願の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
胃内滞留システムはまた、治療薬が数日から数週間又はより長期間にわたって胃内にとどまり、その間に薬剤又は他の物質がそのシステムから溶出して胃腸管に吸収される、送達システムである。そのようなシステムの例は、国際特許出願PCT/US2015/035423(WO2015/191920)に記載されている。胃内滞留システムは、最も簡便には、圧縮された形態のカプセルを介して患者に投与される。胃内でカプセルが溶解すると、システムは所望の滞留期間にわたって幽門括約筋中の通過に抵抗するサイズまで拡張する。胃内環境において長期間にわたって定常状態でシステムが治療薬を放出する必要があるために、システムの調製に対して特に厳しい要求が課される。
胃内滞留装置からの治療薬の安定した連続放出を得ることは困難な場合がある。例えば、特に親水性治療薬では、初期バースト相を制限することが重要である。親水性薬剤は水性胃内環境では、胃内滞留システムから急速に溶出される可能性がある。薬剤のバーストは患者によって吸収され、血漿レベルの突然の上昇をもたらす。バースト放出は、治療薬の好ましくない初期ピークレベルをもたらし、システムの残りの滞留時間中の、不充分な薬剤送達ももたらす。投与後の最初の期間の後(すなわち、バースト放出が起こる期間の後)、薬剤の予測可能な投与と適切な血漿レベルの維持のために、治療薬の安定した放出速度が望ましい。逆に、疎水性治療薬については。胃の水性環境において胃内滞留システムからの薬剤の顕著な放出を得ることは、問題となり得る。
本発明は、長期にわたる治療薬の放出のための胃内滞留システムを提供する。ゼロ次又は擬ゼロ次放出速度での一定期間にわたる漸進的な放出は、定常状態での治療薬の実質的に一定の血漿レベルを提供することができる。従って、治療薬の実質的に一定の血漿レベルは、定期的な投与によるピーク−谷の血漿レベルを上回る利点を提供することができ、例えば副作用を最小限に抑えながら治療効果を最大化することができる。
本発明の胃内滞留システムは、嚥下又は他の投与方法(例えば、栄養管又は胃管)のいずれかによって、患者の胃に投与するように設計されている。胃内滞留システムがいったん胃の中に配置されると、システムは所望の滞留時間(例えば3日、7日、2週間など)胃の中に維持され、従ってこれは、胃と小腸を分離する幽門弁の通過に対する抵抗を伴う。これは、抵抗の期間にわたって、又は抵抗の期間の少なくとも一部(「有効放出期間」)にわたって治療薬を放出させ、バースト放出が最小になる。システムは胃の中にとどまるが、食物又は他の胃内容物の正常な通過を妨害しない。システムは、所望の滞留時間の最後(すなわち、滞留期間の最後)に胃の外に出て行き、患者から容易に排除される。胃から小腸へのシステムの通過が早過ぎても、これは腸閉塞を引き起こすことはなく、再度容易に患者から排除される。
胃内滞留システムはカプセル又は他の容器に含有され、これは患者が飲み込むことができるか、又は飲み込むことができない患者のために他の方法(例えば、胃瘻管、栄養管、胃管、又は胃への他の投与経路)で胃に投与することができる。従って、胃内滞留システムは、飲み込むか又は投与するのに充分に小さい形態に圧縮されて、好ましくはカプセルなどの容器内に入れられる。従ってシステムは容器内で(折りたたみ、圧縮、又はシステムのサイズを縮小する他の方法によって)圧縮形態を有するように構成される。
カプセル又は他の容器がいったん患者の胃に入ると、カプセルは溶解して、圧縮された胃内滞留システムを放出する。放出されると、システムは、リング形状又は星形などの元の形状に戻る。圧縮されていないシステムの寸法は、システムが胃の中に滞留すべき期間、システムの幽門括約筋中の通過を防止する。
胃内滞留システムは、複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む。担体ポリマー−薬剤成分は、担体ポリマー及び治療薬(又はその塩)を含む。放出促進剤、可溶化剤、分散剤、及び安定剤もまた、担体ポリマー−薬剤成分に添加することができる。複数の担体ポリマー−薬剤成分は、1つ以上の結合ポリマー成分によって一緒に連結される。薬剤は、担体ポリマー−薬剤成分から患者の胃液中に、システムの有効放出期間又は所望の滞留時間(滞留期間)にわたって溶出される。治療薬の放出は、担体ポリマー−薬剤成分の適切な配合物により制御され、担体ポリマー−薬剤成分の配合物中の分散剤の使用、及び薬剤を担体ポリマー及び分散剤と混合する前に治療薬を粉砕して所望のサイズの粒子とすることが含まれる。
いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約30%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約25%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約20%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約15%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約10%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約30%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約25%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約20%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約15%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約5%が経過する前に、治療薬又はその塩の約10%以下を放出する。
いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、約6時間が経過する前に、治療薬又はその塩の約30%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、約6時間が経過する前に、治療薬又はその塩の約25%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、約6時間が経過する前に、治療薬又はその塩の約20%以下を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、約6時間が経過する前に、治療薬又はその塩の約15%以下を放出する。
いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約30〜70%以内に、治療薬又はその塩の約30〜70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約40〜60%以内に、治療薬又はその塩の約30〜70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約45〜55%以内に、治療薬又はその塩の約30〜70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約30〜70%以内に、治療薬又はその塩の約40〜60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約40〜60%以内に、治療薬又はその塩の約40〜60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約45〜55%以内に、治療薬又はその塩の約40〜60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約30〜70%以内に、治療薬又はその塩の約45〜55%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約40〜60%以内に、治療薬又はその塩の約45〜55%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約45〜55%以内に、治療薬又はその塩の約45〜55%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約30〜70%以内に、治療薬又はその塩の約30〜70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約40〜60%以内に、治療薬又はその塩の約30〜70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約45〜55%以内に、治療薬又はその塩の約30〜70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約30〜70%以内に、治療薬又はその塩の約40〜60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約40〜60%以内に、治療薬又はその塩の約40〜60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約45〜55%以内に、治療薬又はその塩の約40〜60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約30〜70%以内に、治療薬又はその塩の約45〜55%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約40〜60%以内に、治療薬又はその塩の約45〜55%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約45〜55%以内に、治療薬又はその塩の約45〜55%を放出する。
いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約70%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約70%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約80%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約80%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約80%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約90%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約80%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、滞留期間の約90%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約90%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約70%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約60%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約70%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約80%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約70%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約80%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約80%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約90%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約80%を放出する。いくつかの実施態様において、本発明の胃内滞留システムは、有効放出期間の約90%以上が経過後に、治療薬又はその塩の少なくとも約90%を放出する。
胃内滞留システムからの治療薬の放出速度は、システムが展開される環境の変化に影響を受け得る。ヒトの胃内環境は、摂食状態(食事後)と絶食状態(直近の食事後の長い時間)の変化に加えて、酒類(すなわち、エタノールを含む飲料)の消費によって変化し得る。任意の治療薬、特に疎水性治療薬(例えば、本明細書でより詳細に議論されているロスバスタチン)については、エタノールの消費が、胃内滞留システムからの治療薬の放出速度に劇的に影響を及ぼさないことが望ましい。
胃内滞留システムは、適切な時点で、すなわちシステムの有用な治療薬送達寿命に達した時点で、又はシステムの有用な治療薬送達寿命の適切な割合のところで、胃を通過して出ていく。これは、結合ポリマー成分とシステム寸法の適切な選択により行われる。胃内滞留システムは、そのままの非圧縮形態では幽門括約筋の通過に抵抗するように設計されている。すなわち胃内滞留システムは、そのままの形態では大きすぎて幽門括約筋を通過することができない。従って胃内滞留システムは、胃内の圧縮力によって一時的に再折りたたまれることにより早すぎる通過に対して抵抗性のはずである。胃内での早すぎる再折りたたみに抵抗するために、胃内滞留システムは、典型的には胃内に存在する力を受けたとき、その非圧縮形態又はほぼ非圧縮形態を維持するはずである。従っていくつかの実施態様において、構造体を折りたたむか又は圧縮するのに必要な力は、少なくとも約0.2ニュートン(N)、少なくとも約0.3N、少なくとも約0.4N、少なくとも約0.5N、少なくとも約0.75N、少なくとも約1N、少なくとも約1.5N、少なくとも約2N、少なくとも約2.5N、少なくとも約3N、少なくとも約4N、又は少なくとも約5Nである。いくつかの実施態様において、構造体を折りたたむか又は圧縮するのに必要な力は、約0.2N〜約5N、約0.3N〜約5N、約0.4N〜約5N、約0.5N〜約5N、約0.75N〜約5N、約1N〜約5N、約1.5N〜約5N、約2N〜約5N、約2.5N〜約5N、約3N〜約5N、又は約4N〜N〜約5Nである。
操作の所望モードでは、胃内滞留システムは、胃の中に滞留しているときはその完全な非圧縮形態を取っており、所望の滞留時間(滞留期間)後に分解されるまで、幽門を通過しない。胃内滞留システムが完全なまま通過して小腸に入ると、腸閉塞を引き起こす可能性がある。従って胃内滞留システムは、小腸内環境では48時間以内に、好ましくは24時間以内、より好ましくは1〜2時間以内に、1種以上の結合ポリマーの溶解により急速に分離するように設計されており、こうして腸閉塞の可能性を回避する。これは、腸溶性ポリマーを、システム中の結合ポリマーの1つ又は全てとして使用することによって容易に達成される。腸溶性ポリマーは、胃内の酸性pHレベルに対して比較的耐性であるが、十二指腸内の高いpHレベルでは急速に溶解する。安全要素としての腸溶性結合ポリマーの使用は、完全な胃内滞留システムの小腸への望ましくない通過を防止する。従って、腸溶性結合ポリマーの使用はまた、設計された滞留時間(滞留期間)の前に胃内滞留システムを除去する方法を提供する。システムを除去する場合は、患者は、重炭酸ナトリウムなどの弱いアルカリ性溶液を飲むか、又は水和水酸化マグネシウム(マグネシアの乳)又は炭酸カルシウムなどの酸などの中和調製物を飲むと、これは胃内のpHレベルを上昇させ腸溶性結合ポリマーの急速な分解を引き起こす。こうして胃内滞留システムは、分解され、患者から排除される。
「担体ポリマー」は、本発明において使用される薬剤などの治療薬との混合に適したポリマーである。
担体ポリマー−薬剤成分中の分散剤の使用は、多くの利点を提供する。担体ポリマー−薬剤成分からの治療薬の溶出速度は、上記した多くの要因、例えば担体ポリマー(それ自体が複数のポリマー成分及び非ポリマー成分を含むことができる)の組成及び特性;治療薬の物理的及び化学的特性;及び胃内の環境、による影響を受ける。治療薬、特に親水性薬剤のバースト放出を回避し、有効放出期間又は滞留期間にわたって治療薬の持続放出を維持することは、システムの重要な特性である。本発明による分散剤の使用は、放出速度のより良好な制御及びバースト放出の抑制を可能にする。バースト放出及び放出速度は、分散剤の濃度を変えることによって調整することができる。実施例9は、模擬胃液中のセチリジンのバースト放出に対する、異なる分散剤及び異なる賦形剤の影響を示す。
多くの治療薬は、胃に存在し得る活性酸素種に曝されると酸化的分解を受けやすい。従って、システムに含有される治療薬は、胃内でのシステムの長い滞留時間と、システムからの治療薬の長い放出期間のために、酸化されることがある。従って、薬剤を安定化して酸化的及び他の劣化を防止するために、システムには安定剤又は防腐剤を含むことが望ましい。
胃内滞留システムで使用される粒子サイズの制御は、治療薬の最適放出及びシステムの機械的安定性の両方にとって重要である。 治療薬の粒子サイズは、胃液がシステムの担体ポリマー−薬剤成分中に浸透するときに、溶解に利用可能な薬剤の表面積に影響を与える。また、システムの「アーム」(細長部材)は直径が比較的薄い(例えば、1ミリメートルから5ミリメートル)ため、以前は薬剤粒子により占められていたスペース内に空隙が残ると、アームの直径より数%過剰なサイズの治療薬の粒子の存在は、薬剤が装置から溶出する前及び溶出後に、より弱いアームを与える。このようなアームの弱体化は、所望の滞留時間が終了する前にシステムの早期破損及び通過を招くことがあるため、不利である。
粉砕添加剤
粒子サイジング
胃内滞留システムに、様々な幾何学的構成を使用することができる。このような構成の1つが図1に示されており、これは、非圧縮形態の環の形を取る。胃内滞留システム100は、担体ポリマー−薬剤成分102と、結合ポリマーを含む結合104とから構築される。システムは結合ポリマー接合部で折りたたまれるか、又は圧縮形態でカプセル中にパッケージングするために、ねじってらせんにされる。カプセルが胃に溶解すると、システム100は非圧縮形態の円形に展開され、幽門括約筋中の通過を防止する。この実施態様において、結合ポリマーはエラストマーとして働く。担体ポリマー−薬剤成分102及び結合104は一定の縮尺で描かれてはいない。「アーム」102及び結合104の寸法(例えば長さ又は直径)は、図に示されているものから変化し得る。
システムは、患者がシステムを飲み込むことを可能にする(又は、例えば栄養管又は胃管などの他の手段により、システムが胃に導入されることを可能にする)大きさの圧縮状態を取ることができなければならない、典型的にはシステムは、カプセルなどの容器によって圧縮された状態に保持される。胃の中に入ると、次にシステムは容器から放出され、非圧縮状態、すなわち拡張したコンフォメーションを取り、システムが幽門括約筋を通過することを防ぎ、こうして胃内のシステムの保持を可能にする。
担体ポリマー、結合ポリマー、及びエラストマーの個々のポリマーの選択は、システムの多くの特性、例えば治療薬溶出速度(担体ポリマーならびに他の要因に依存する)、システムの有効放出期間、滞留時間(滞留期間)(ポリマー、主に結合ポリマーの分解に依存する)、システムが小腸中に通過する場合のシステムの脱結合時間(本明細書に議論されるように、主に結合ポリマーの腸内分解速度に依存する)、及びその圧縮形態のシステムの寿命(主にエラストマーの特性に依存する)などに影響を与える。システムは消化管に投与されるため、システムの全ての成分は胃腸の環境と生体適合性でなければならない。
担体ポリマー−薬剤成分は、胃内環境において胃内滞留システムから溶出した治療薬を含む。治療薬は、担体ポリマー剤混合物に混合されて、担体ポリマー−薬剤混合物を形成する。この混合物は、システム中の担体ポリマー−薬剤成分として使用される所望の形、例えば図1、図2、及び図3に記載されるシステム用のロッド(円筒部材)に形成することができる。本発明での使用に適した代表的な担体ポリマーには、特に限定されるものではないが、親水性セルロース誘導体(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ナトリウム−カルボキシメチルセルロース)、酢酸フタル酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、Carbopol(登録商標)、酸性カルボキシポリマー、ポリカルボフィル、ポリ(エチレンオキシド)(ポリオックスWSR)、多糖類及びその誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、キトサン、アルギン酸塩、ペクチン、アカシア、トラガカント、グアーガム、ローカストビーンガム、ビニルピロリジンビニルアセテートコポリマー、デキストラン、天然ゴム、寒天、アガロース、アルギン酸ナトリウム、カラゲニン、フコイダン、ファーセレラン、ラミナラン、ヒプネア(hypnea)、ユーケウマ(eucheuma)、アラビアゴム、ガティゴム、カラヤゴム、アラビノグラクタン(arbinoglactan)、アミロペクチン、ゼラチン、ジェラン、ヒアルロン酸、プルラン、スクレログルカン、キサンタンゴム、キシログルカン、無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、アンモニオメタクリレートコポリマー(例えばオイドラギットRL又はオイドラギットRS)、ポリ(アクリル酸エチル−メタクリル酸メチル)(オイドラギットNE)、オイドラギットE(ジメチルアミノエチルメチルアクリレートと中性メタクリル酸エステルに基づくカチオン性コポリマー)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリラクトン、例えばポリ(カプロラクトン)、ポリ無水物、例えばポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン無水物]、ポリ(テレフタル酸無水物)、ポリペプチド、例えばポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリ(オルトエステル)、例えばDETOSUとジオール(例えばヘキサンジオール、デカンジオール)とのコポリマー、シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、及び米国特許第4,304,767号に記載され開示されたポリ(オルト)エステル、デンプン、特にα化デンプン、及びデンプン主体のポリマー、カルボマー、マルトデキストリン、アミロマルトデキストリン、デキストラン、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリウレタン、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシブチレート、並びにこれらのコポリマー、混合物、調合物、及び組み合わせが含まれる。ポリカプロラクトン(PCL)が好ましい担体ポリマーである。
治療薬の放出を調節するために、担体ポリマーに他の賦形剤を添加することができる。そのような賦形剤は、担体ポリマー−薬剤成分の約1%〜約50%、約1%〜約40%、約1%〜約30%、約1%〜約25%、約1%〜約20%、約1%〜約15%、約5%〜約10%、約5%、又は約10%の量で添加することができる。そのような賦形剤の例には、ポロキサマー407(コリフォールP407として入手可能, Sigma カタログ番号62035);プルロニックP407;オイドラギットEPO(Evonikから入手可能);ヒプロメロース(Sigmaから入手可能、カタログ番号H3785)、コリフォール RH40(Sigmaから入手できる、カタログ番号07076)、ポリビニルカプロラクタム、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、アクアプレン(Aquaprene)、例えば、アクアスプレン8020(ポリジオキサノン−ポリエチレングリコールポリマー)、及びソルプラス(Soluplus)(BASFから入手可能;ポリビニルカプロラクタム、ポリ酢酸ビニル、及びポリエチレングリコールのコポリマー)が含まれる。
ポリマーマトリックス中への治療薬の取り込みのための混合温度は典型的には、約80℃〜約120℃の範囲であるが、この範囲外の温度で最良に混合されるポリマーについては、より高い又はより低い温度を使用することができる。治療薬の遊離結晶を使用する場合、薬剤粒子又は結晶を融解するために約80℃〜約100℃の低い混合温度を使用することができる。特定の状況において、融解が薬剤をマトリックス中に添加することを助ける場合、及び治療薬が望ましくない形態に再結晶化しない場合は、混合中に治療薬結晶を融解することが許容される。
結合ポリマーを使用して、1種以上の担体ポリマー−薬剤成分を1種以上の担体ポリマー−薬剤成分に連結させ、1種以上の担体ポリマー−薬剤成分を1種以上のエラストマー成分に連結させ、又は1種以上のエラストマー成分を1種以上のエラストマー成分と連結させる。いくつかの実施態様において、腸溶性ポリマーは結合ポリマーとして使用される。いくつかの実施態様において、pH耐性の、すなわち腸溶性ポリマーよりもpHの変化に対して感受性が低い時間依存性ポリマーが、結合ポリマーとして使用される。いくつかの実施態様において、腸溶性ポリマーと、腸溶性ポリマーよりもpHの変化に対して感受性が低い時間依存性ポリマーの両方が、結合ポリマーとして使用される。腸溶性ポリマーは、胃で遭遇する条件などの酸性条件下では比較的不溶性であるが、小腸で遭遇するような弱い酸性から塩基性の条件では可溶性である。小腸の初期部分である十二指腸のpHは約5.4〜6.1の範囲であるため、約pH5以上で溶解する腸溶性ポリマーを結合ポリマーとして使用することができる。胃内滞留システムが未変性なまま幽門弁を通過すると、腸溶性結合ポリマーが溶解し、結合ポリマーに連結された成分が分解され、滞留システムの小腸及び大腸内の通過が可能になる。治療中に何らかの理由で胃内滞留システムを迅速に除去しなければならない場合、患者は弱塩基性水溶液(重炭酸塩溶液など)を飲んで、胃内滞留システムの即時脱結合を誘導することができる。
エラストマー(弾性ポリマー又は引張ポリマーとも呼ぶ)は、結合ポリマーとして使用することができ、胃内滞留システムが折りたたまれるか又は圧縮されることによって、圧縮化システムを含む容器又はカプセルを飲み込むことによる胃への投与に適した形態にすることを可能にする。胃の中でカプセルが溶解すると、胃内滞留システムは膨張して、システムが所望の時間、患者の幽門括約筋を通過することを妨げる形になる。すなわちエラストマーは、妥当な保存寿命の間、カプセル内で圧縮された形態で保存されることが可能であり、及び/又はカプセルから放出されると、その元の形状まで又はほぼ元の形状まで膨張する。1つの実施態様においてエラストマーは、例えば表3に列挙されるような腸溶性ポリマーである。別の実施態様において、システムで使用される結合ポリマーはエラストマーでもある。図1は、結合ポリマーがエラストマーでもある場合のシステムの例であり、例えばカプセルへのパッケージングのための結合ポリマーにより形成される接合部で、環状リングが折りたたまれる。
胃内滞留システムの星状又は星状のデザイン例は、アームが中央エラストマーに結合されている細長部材の形状の「アーム」として、担体ポリマー−薬剤成分を調製することにより組み立てることができる。アームが円筒形で調製される場合、それらは平坦近位端(円筒形の基部、第1基部)、遠位端部(円筒形の他の基部、第2基部)、及び円筒形の容積を囲むその間の湾曲した外表面を含む。アームはまた、三角プリズム、直角プリズム、又は他の形状に調製することができる。
従って、担体ポリマーと混合された治療薬の固体状態の性質は、胃内滞留システムからの治療薬の放出速度に影響を及ぼす。システムからの治療薬の放出速度は、下記の実施例3に記載されるように、システムを模擬胃液(SGF)に入れることにより測定することができる。システムからの治療薬の放出速度は、下記の実施例8Aに記載されるように実験動物へのシステムの投与により、又は以下の実施例8Bに記載されているようにヒト患者へのシステムの投与により、インビトロで測定することができる。
本発明の胃内滞留システムは、システムの投与後にAUCINFによって測定すると、治療薬剤の従来の経口配合物のバイオアベイラビリティと比較して、治療薬の高い生物学的利用能を提供する。すなわちシステムは、治療薬の実質的に一定の血漿レベルの維持を提供する。
FREL = 100×(AUCA×投与量B)/(AUCB×DoseA)
ここで、AUCAは配合物Aの曲線下の面積であり、AUCBは、配合物Bの曲線下の面積である。投与量Aは、使用された配合物Aの投与量であり、投与量Bは、使用された配合物Bの投与量である。治療薬の血漿濃度対時間のプロットの曲線下の面積は、同じ時点での配合物の相対的生物学的利用能を提供するために、通常各配合物の投与後の同じ時点(t)で測定される。AUCinfは、「無限大」の時間にわたって、すなわち最初の投与から始まって、治療薬の血漿レベルが無視できる量に低下して終了するまでの期間として、測定又は計算されるAUCを指す。
消化管又は経由して投与することができる治療薬は、本発明の胃内滞留システムで使用することができる。治療薬には、特に限定されるものではないが、薬剤、プロドラッグ、生物製材、及び病気やけがに対する有益な効果をもたらすために投与することができる任意の他の物質が含まれる。本発明の胃内滞留システムで使用することができる治療薬には、スタチン類、例えばロスバスタチン:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、例えばメロキシカム:選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、例えばエスシタロプラム及びシタロプラム;抗凝血剤、例えばクロピドグレル;プレドニゾンなどのステロイド;抗精神病薬、例えばアリピプラゾール及びリスペリドン:鎮痛剤、例えばブプレノルフィン;オピオイドアンタゴニスト、例えばナロキソン;抗喘息薬、例えばモンテルカスト;抗痴呆薬、例えばメマンチン;心臓配糖体、例えばジゴキシン;アルファブロッカー、例えばタムスロシン;コレステロール吸収阻害剤、例えばエゼチミブ;抗痛風治療、例えばコルヒチン;抗ヒスタミン剤,例えばロラタジン及びセチリジン:オピオイド、例えばロペラミド:プロトンポンプ阻害剤,例えばオメプラゾール;抗ウイルス剤、例えばエンテカビル;抗生物質、例えばドキシサイクリン、シプロフロキサシン、及びアジスロマイシン;抗マラリア剤、例えばレボチロキシン;薬剤乱用治療薬、例えばメタドン及びバレニクリン;避妊薬;覚醒剤、例えばカフェイン;及び栄養素、例えば葉酸、カルシウム、ヨウ素、鉄、亜鉛、チアミン、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンD、ビオチン、植物抽出物、植物ホルモン、及び他のビタミンやミネラルが含まれる。本発明の胃内滞留システム中の治療薬として使用できる生物製剤には、タンパク質、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、及びホルモンが含まれる。治療薬の代表的な部類としては、特に限定されるものではないが、鎮痛薬、抗鎮痛薬、抗炎症薬、解熱剤;抗うつ薬;抗てんかん薬;抗精神病薬;神経保護剤;抗増殖剤、例えば抗癌剤;抗ヒスタミン薬;抗片頭痛薬;ホルモン;プロスタグランジン;抗菌剤、例えば抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤;抗ムスカリン剤、抗不安薬;静菌剤;免疫抑制剤;鎮静剤;催眠薬;抗精神病薬;気管支拡張薬;抗喘息薬;心血管薬;麻酔薬;抗凝固剤;酵素阻害剤;ステロイド剤;ステロイド又は非ステロイド抗炎症剤;コルチコステロイド;ドーパミン作用薬;電解質;胃腸薬;筋弛緩剤;栄養剤;ビタミン、副交感神経;覚せい剤;食欲抑制薬;抗ナルコレプシー;抗マラリア薬、例えばキニーネ、ルメファントリン、クロロキン、アモジアキン、ピリメタミン、プログアニル、クロルプログアニル−ダプソン、スルホンアミド(例えばスルファドキシン及びスルファメトキシピリダミン)、メフロキン、アトバコン、プリマキン、ハロファントリン、ドキシサイクリン、クリンダマイシン、アルテミシニン、及びアルテミシニン誘導体(例えばアルテメテル、ジヒドロアルテミシンイン、アルテエーテル、及びアルテスネート)が含まれる。「治療薬」という用語は、塩、溶媒和物、多形体、及び前述の物質の共結晶を含む。特定の実施態様において治療薬は、セチリジン、ロスバスタチン、エスシタロプラム、シタロプラム、リスペリドン、オランザピン、ドネゼピル、及びイベルメクチンから成る群から選択される。別の実施態様において治療薬は、神経精神障害を治療するために使用される薬剤、例えば抗精神病薬、例えばメナンチンである。
治療薬は、本発明の胃内滞留システムでは、結晶形態で、又は非晶質形態で、又は結晶形態と非晶質形態の両方で使用することができる。すなわち胃内滞留システムに含まれる治療薬又は薬剤粒子は、結晶形態で、非晶質形態で、又は例えば結晶形態(単結晶形態、又は多結晶形態のいずれか)と非晶質形態の混合物で使用することができ、その結果、所望の放出速度又は所望の物理的若しくは化学的特性を提供する。
胃内滞留システムは、患者のコンプライアンスの困難さがある疾患及び障害の治療に使用するのに適しており、いくつかの実施態様において。胃内滞留システムは、薬剤療法に対して患者のコンプライアンスに問題がある疾患若しくは障害を治療するために使用される。そのような疾患及び障害には、記憶に影響を与える神経精神医学的疾患及び障害、痴呆及び他の疾患、アルツハイマー病、精神病、統合失調症、及びパラノイアが含まれる。従って、胃内滞留システムで使用できる治療薬には、特に限定されるものではないが、抗痴呆剤、抗アルツハイマー病薬、及び抗精神病薬が含まれる。
システムで使用できる親水性治療薬の例には、リスペリドン、セチリジン、メマンチン、及びオランザピンが含まれる。
システムで使用できる疎水性治療薬の例には、アリピプラゾール、イベルメクチン、ロスバスタチン、シタロプラム、及びエスシタロプラムが含まれる。
本明細書の実施例27は、ポリカプロラクトン(PCL)相と絶食模擬胃液(FasSGF)相の間(PPCL)と、オクタノールと水との間(POCT)の、異なる治療薬の分配係数を示す。そのような分配係数は、これらの治療薬を含む胃内滞留システムで使用される賦形剤及び分散剤を選択するためのガイドとして使用することができる。より高いPPCL(又はlogPPCL)は、PCLマトリックスの治療薬のより大きな親和性を示す。その結果、放出促進剤、可溶化剤、又は放出促進剤と可溶化剤の両方の量を増加させて、PCLマトリックスからの治療薬の放出を促進することができる。
薬剤の粒状化は、特に水に難溶性の疎水性薬剤の溶解性を高めるために使用することができる。薬剤は、ポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PEG−PPGコポリマー、PEG−PPGブロックコポリマー)、ポリエトキシ化ヒマシ油、及び界面活性剤などの可溶化剤の溶液を用いて粒状化することができる、いくつかの実施態様において、担体ポリマー−薬剤成分が、0.1N塩酸中で約1mg/mlで、0.5mg/ml、0.1mg/ml、又は0.05mg/mlより低い溶解度を有する治療薬を含む場合、治療薬は、担体ポリマーと混合する前に、1種以上の可溶化剤、例えば上記可溶化剤(例えばポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PEG−PPGコポリマー、PEG−PPGブロックコポリマー)、ポリエトキシルヒマシ油、及び界面活性剤)の1種を用いて粒状化される。いくつかの実施態様において、担体ポリマー−薬剤成分が、約10、約20、約30、約40、又は約50より大きいPPCLを有する治療薬を含む場合、治療薬は、担体ポリマーと混合する前に、1種以上の可溶化剤、例えば上記可溶化剤(例えばポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PEG−PPGコポリマー、PEG−PPGブロックコポリマー)、ポリエトキシルヒマシ油、及び界面活性剤)の1種を用いて粒状化される。
例えば約1mg/日以下、約0.5mg/日以下、又は約0.1mg/日以下の比較的低用量で使用される薬剤及び他の治療薬は、本発明の胃内滞留システムで使用するのに充分適している。胃内滞留システムで使用することができるそのような薬剤の例には、特に限定されるものではないが、レボチロキシン、低用量避妊薬、及びビタミン及び他の栄養素(例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、葉酸、ビタミンB12、ビオチン)が含まれる。
親水性薬剤であるセチリジンは、第2世代の抗ヒスタミン薬(sgAH)である。セチリジンは、商品名Zyrtec(登録商標)及び他の商品名で販売されている。セチリジンは、様々な剤形で入手可能である。典型的にはセチリジンは、1日1回、5mg又は10mgの用量で投与される。持続放出配合物はZyrtec D(登録商標)(これは、セチリジン塩酸塩とプソイドエフェドリン塩酸塩を組み合わせている)として入手可能である。しかし、持続放出は主にプソイドエフェドリン放出を指すため、この「持続放出」の組み合わせは、セチリジン利用単独よりも頻繁(12時間ごと)に投与される。
疎水性薬剤であるロスバスタチンは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素の選択的競合阻害剤である。ロスバスタチンはCRESTOR(登録商標)の有効成分である。HMG−CoA還元酵素は、HMG−CoAをコレステロールの前駆体であるメバロン酸に変換し、その作用機構の結果、ロスバスタチンは主に、血液中の脂質(例えば、コレステロール及び/又はトリグリセリド)の異常レベルにより特徴付けられる症状の治療に必要であるとされている。ロスバスタチンは、塩野義製薬株式会社により開発され、特に米国特許第RE37314号及び6,316,460号に記載されている。
胃内滞留システムの有効放出期間(又は有効放出時間)は、胃内滞留システムが胃内滞留システム中の治療薬の治療有効量を放出する時間として定義される。好ましい有効放出期間は1週間又は約1週間であり、別の好ましい有効放出期間は3日間又は約3日間である。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約24時間又は最大約24時間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約48時間又は最大約48時間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約72時間又は最大約72時間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約96時間又は最大約96時間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約5日間又は最大約5日間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約6日間又は最大約6日間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約7日間又は最大約7日間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約10日間又は最大約10日間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約14日間又は最大約14日間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約3週間又は最大約3週間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約4週間又は最大約4週間の有効放出期間を有する。1つの実施態様において胃内滞留システムは、約1ヶ月又は最大約1ヶ月の有効放出期間を有する。
システムは放射線不透過性であるため、必要に応じて腹部X線を介して配置することができる。いくつかの実施態様において、システムの構築に使用される1種以上の物質は、X線視覚化に対して充分に放射線不透過性である。他の実施態様において放射線不透過性物質は、システムの1つ以上の材料に添加されるか、又はシステムの1つ又は複数の物質上にコーティングされるか、又はシステムの小部分に添加される。適切な放射線不透過性物質の例は、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、及び三酸化ビスマスである。これらの物質は、担体ポリマーからの治療薬放出を又は他のシステムポリマーの所望の特性を改変することがないように、胃内滞留システムを構築するのに使用されるポリマーと混合しないことが好ましい。タングステンなどの金属を使用して、システム成分の小部分上に金属製のストライプ又は金属チップを使用することができる。
胃内滞留システムは、長期間にわたって治療薬の投与を必要とする症状を治療するために使用することができる。何ヶ月も、何年も、又は無期限に必要とされる長期投与について、週1回、2週間に1回、又は月に一回の胃内滞留システムの投与は、患者のコンプライアンスと利便性に実質的な利点を提供することができる。
従って、本発明の胃内滞留システムを用いて患者を治療するためのキットも、本明細書に提供される。キットは、例えば所望の総治療期間にわたって患者に定期的に投与するのに十分な数の胃内滞留システムを含むことができる。総処理時間(日数)が(T−total)であり、胃内滞留システムがが(E−days)の終結放出パラメータを有する場合、キットは、E−days毎に投与するために、[(T−total)÷(E−days)](整数に丸められる)に等しい数の胃内滞留システムを含有する。キットは、容器(容器はカプセルであってもよい)中に、例えば数個の胃内滞留システムを含み、場合により、投与処方、治療期間、及び胃内滞留システム及び/又は胃内滞留システム内に含まれる治療薬の使用に関する情報の印刷された説明書又はコンピュータ可読説明書を含むことができる。例えば患者に処方される総治療期間が1年であり、胃内滞留システムが1週間の有効放出期間を有する場合、キットは、週に1回同じ日(例えば、毎土曜日)に1つのカプセルを飲み込むための説明書とともに、52個のカプセル(1つのカプセルは、1つの胃内滞留システムを含む)を含むことができる。
本発明は、以下の実施態様によりさらに説明される。各実施態様の特徴は、適切で実用的な場合、他の実施態様のいずれかに適合し得る。
患者に投与するための胃内滞留システムであって、
実施態様1の胃内滞留システムであって、分散剤が、多孔性無機材料、極性無機材料、シリカ、親水性フュームドシリカ、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、疎水性コロイド状シリカ、ヒプロメロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、リン脂質、ステアリン酸ポリオキシエチレン、酢酸亜鉛、アルギン酸、レシチン、脂肪酸、ラウリル硫酸ナトリウム、非毒性の金属酸化物、及び酸化アルミニウムから成る群から選択される化合物を含む、上記システム。
分散剤がシリカを含む、実施態様1の胃内滞留システム。
治療薬又はその塩が、担体ポリマー中に分散された粒子からなる、実施態様1〜3のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬粒子の質量の少なくとも約80%が、直径約2ミクロン〜約50ミクロンである、実施態様4の胃内滞留システム。
前記治療薬又はその塩が親水性治療薬又はその塩であり、システムに含まれる前記親水性治療薬の約10%未満が、胃液に暴露されてから最初の約6時間以内に溶出する、実施態様1〜5のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその塩が親水性治療薬又はその塩であり、胃液に暴露されてから最初の約6時間以内に溶出する親水性治療薬の量が、分散剤の無いシステムから溶出する治療薬の量の約50%又はそれ以下である、実施態様1〜5のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分が、約1%〜約30%の親水性治療薬又はその塩、約0.5%〜約2.5%の分散剤、及び約67.5%〜約98.5%の担体ポリマーを含む。実施態様6又は実施態様7の胃内滞留システム、
疎水性治療薬が約0.5以下のlogPを有する、実施態様6〜8のいずれか1つの胃内滞留システム。この実施態様においてlogPは1−オクタノール/水系で測定される。
疎水性治療薬の水中の溶解度が少なくとも約1mg/mlである、実施態様6〜8のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその塩が疎水性治療薬又はその塩である、実施態様1〜5のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分が、約1%〜約30%の疎水性治療薬又はその塩、約0.5%〜約2.5%の分散剤、及び約67.5%〜約98.5%の担体ポリマーを含む、実施態様11の胃内滞留システム。
疎水性治療剤が約1より大きいlogPを有する、実施態様11又は実施態様12の胃内滞留システム。この実施形態において、logPは1−オクタノール/水系で測定される。
疎水性治療薬の水中の溶解度が約1mg/ml未満である、実施態様11又は実施態様12の胃内滞留システム。
担体ポリマーがポリカプロラクトンを含む、実施態様1〜14のいずれか1つの胃内滞留システム。
ポリカプロラクトンが、約45kDa〜約55kDaの数平均分子量範囲を有する形形ポリカプロラクトンを含む、実施態様15の胃内滞留システム。
ポリカプロラクトンが、数平均分子量(Mn)範囲が約60キロダルトン(kDa)〜約100kDa、75kDa〜85kDa、又は約80kDaである形形ポリカプロラクトンを含む、実施態様15の胃内滞留システム。
複数の担体ポリマー−薬剤成分が2つ以上の結合ポリマー成分により一緒に連結され、この2つ以上の結合ポリマー成分の少なくとも1つがエラストマーであり、この2つ以上の結合ポリマー成分の別の少なくとも1つが腸溶性ポリマーである、実施態様1〜16の胃内滞留システム。
各腸溶性ポリマーが、ポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、及びフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から独立して選択される、実施態様17の胃内滞留システム。
各腸溶性ポリマーが、ポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸コハク酸ヒプロメロース(HPMCAS)からなる群から独立して選択される、実施態様17の胃内滞留システム。
胃内滞留システムが胃内に約5日間〜約7日間維持される、実施態様1〜18のいずれか1つの胃内滞留システム。
実施態様1〜19のいずれか1つの胃内滞留システムの製造方法であって、
胃内滞留システムを圧縮し、システムを、経口投与又は胃管又は栄養管を介した投与に適した容器に挿入することをさらに含む、実施態様20の方法。
担体ポリマー−薬剤成分は、治療薬又はその塩を粉砕し、粉砕された治療薬又はその塩、分散剤、及び担体ポリマーを混合することによって形成される、実施態様20又は実施態様21の方法。
治療薬又はその塩は、シリカ、リン酸カルシウム、粉末セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、疎水性コロイド状シリカ、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、タルク、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及び界面活性剤から成る群から選択される化合物を用いて粉砕される、実施態様22の方法。
治療薬又はその塩は粒子を含み、前記粒子の質量の少なくとも約80%は直径約2ミクロン〜約50ミクロンを有する、実施態様22又は実施態様23の方法。
混合はホットメルト押出により行われる、実施態様22の方法。
細長部材である複数の少なくとも3つの担体ポリマー−薬剤成分を形成することは、少なくとも2つのセグメントから細長部材を形成することを含む、実施態様20〜25のいずれか1つの方法。
少なくとも2つのセグメントから細長部材を形成することは、セグメント間のカラー接合部を形成することを含む、実施態様26の方法。
可撓性結合ポリマー成分は、複数の少なくとも3つの分枝を有する星形である、実施態様20〜27のいずれか1つの方法。
細長部材を可撓性結合ポリマー成分に結合することは、細長部材を可撓性結合ポリマー成分に接着することを含む、実施態様20〜28のいずれか1つの方法。
細長部材を星形可撓性結合ポリマー成分に結合することは、細長部材と可撓性結合ポリマー成分の分岐との間にカラー接合部を形成することを含む、実施態様28の方法。
実施態様1〜19のいずれか1つの胃内滞留システムを患者に投与することを含む、患者に治療薬を投与する方法。
胃内滞留システムはD日間の胃内滞留期間を有し、所望の総治療期間にわたってD日毎に新しい胃内滞留システムが患者に投与される、実施態様31の方法。
胃内滞留期間は7日間である、実施態様32の方法。
患者に、
システムは、約30%〜約70%の治療薬又はその医薬的に許容し得る塩を、滞留期間の約40%〜60%の期間内に放出する。実施態様34の胃内滞留システム。
システムは、約70%を超える治療薬又はその医薬的に許容し得る塩を、滞留期間の約90%の期間内に放出する、実施態様34又は実施態様35の胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、0.1N塩酸、模擬胃液、絶食状態模擬胃液、摂食状態模擬胃液、動物の胃、ブタの胃、イヌの胃、及びヒトの胃から成る群から選択される水性環境で測定される、実施態様34〜36のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、0.1N塩酸中で測定される、実施態様34〜37のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、絶食状態模擬胃液中で測定される、実施態様34〜37のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、摂食状態模擬胃液中で測定される、実施態様34〜37のいずれか1つの胃内滞留システム。
実施態様34〜40のいずれか1つの胃内滞留システムであって、治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、40%エタノール/60%0.1N塩酸中では、0.1N塩酸中の同じ期間での放出に対して約40%以下であり、又は40%エタノール/60%模擬胃液中では、模擬胃液中の同じ期間での放出に対して約40%以下であり、又は40%エタノール/60%絶食状態模擬胃液中では、絶食状態模擬胃液中の同じ期間での放出に対して約40%以下であり、又は40%エタノール/60%摂食状態模擬胃液中では、摂食状態模擬胃液中の同じ期間での放出に対して約40%以下である、上記システム。
ii)治療薬又はその医薬的に許容し得る塩は、約10%〜約35%の担体ポリマー−薬剤成分を含有する、実施態様34〜41のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩は、ドキシサイクリン、ドネペジル、イベルメクチン、リスペリドン、セチリジン、及びロスバスタチンから成る群から選択される、実施態様34〜42のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は、iii)放出促進剤をさらに含む、実施態様34〜43のいずれか1つの胃内滞留システム。
放出促進剤は、約2%〜約30%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、実施態様34〜44のいずれか1つの胃内滞留システム。
放出促進剤は、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、ポリジオキサノン−ポリエチレングリコールポリマー、及びポリビニルピロリドンから成る群から選択される、実施態様34〜45のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は、iv)分散剤をさらに含む、実施態様34〜46のいずれか1つの胃内滞留システム。
分散剤は、約0.1%〜約4%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、実施態様34〜47のいずれか1つの胃内滞留システム。
分散剤は、多孔性無機材料、極性無機材料、非毒性金属酸化物、両親媒性有機分子、多糖、セルロース、セルロース誘導体、脂肪酸、界面活性剤、シリカ、親水性ヒュームドシリカ、疎水性コロイド状シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒプロメロース、リン脂質、ステアリン酸ポリオキシエチレン、酢酸亜鉛、アルギン酸、レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、及び酸化アルミニウムから成る群から選択される、実施態様34〜48のいずれか1つの胃内滞留システム。
分散剤はシリカを含む、実施態様34〜48のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は、v)可溶化剤をさらに含む、実施態様34〜50のいずれか1つの胃内滞留システム。
可溶化剤は、約1%〜約10%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、実施態様34〜51のいずれか1つの胃内滞留システム。
可溶化剤は、ポリアルキレンオキシド、ポリエトキシ化ヒマシ油、及び界面活性剤から成る群から選択される、実施態様34〜52のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は、vi)安定剤をさらに含む、実施態様34〜53のいずれか1つの胃内滞留システム。
安定剤は、約0.1%〜約2%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、実施態様34〜54のいずれか1つの胃内滞留システム。
安定剤は、抗酸化剤、トコフェロール、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、カロチン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、フマル酸、抗菌剤、緩衝物質、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、及び重炭酸ナトリウムから成る群から選択される抗酸化剤である、実施態様34〜55のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマーはポリラクトンを含む、実施態様34〜56のいずれか1つの胃内滞留システム。
ポリラクトンはポリカプロラクトンを含む、実施態様57の胃内滞留システム。
ポリカプロラクトンは、約60,000〜100,000の平均Mnを有する、実施態様58の胃内滞留システム。
ポリカプロラクトンは、約75,000〜85,000の平均Mnを有する、実施態様58の胃内滞留システム。
ポリカプロラクトンは、約80,000の平均Mnを有する、実施態様58の胃内滞留システム。
可溶化剤が存在する場合、可溶化剤は、約5%以下の担体ポリマー−薬剤成分を含み;可溶化剤、放出促進剤、分散剤、又は安定剤の1つ以上が存在する場合、存在する任意の可溶化剤、放出促進剤、分散剤、及び安定剤の総組合せ量は、約30%以下の担体ポリマー−薬剤成分を含む、実施態様34〜61のいずれか1つの胃内滞留システム。
i)ポリラクトンを含む、治療薬の長期放出配合物であって、ii)治療薬は、ドキシサイクリン、ドネペジル、イベルメクチン、リスペリドン、ロスバスタチン、セチリジン、又はその医薬的に許容し得る塩から成る群から選択される、上記配合物。
ポリラクトンはポリカプロラクトンを含む、実施態様63の配合物。
ポリカプロラクトンは、約60,000〜100,000の平均Mnを有する、実施態様63の配合物。
ポリカプロラクトンは、約75,000〜85,000の平均Mnを有する、実施態様63の配合物。
ポリカプロラクトンは、約80,000の平均Mnを有する、実施態様63の配合物。
iii)放出促進剤をさらに含む、実施態様63〜67のいずれか1つの配合物。
放出促進剤は、約2%〜30%の配合物を含む、実施態様68の配合物。
放出促進剤は、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、ポリジオキサノン−ポリエチレングリコールポリマー、及びポリビニルピロリドンから成る群から選択される、実施態様68又は実施態様69の配合物。
放出促進剤はポリビニルピロリドンを含み、ポリビニルピロリドンは約2%〜約8%の配合物を含む、実施態様68又は実施態様69の配合物。
放出促進剤はアクリル酸ポリマー又はアクリル酸コポリマーを含み、アクリル酸ポリマー又はアクリル酸コポリマーは約5%〜約30%の配合物を含む、実施態様68又は実施態様69の配合物。
アクリル酸ポリマー又はアクリル酸コポリマーは、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸トリメチルアンモニオエチルのコポリマーを、場合により約1:2:0.1、約1:2:0.2、又は約1:2:0.1〜約1:2:0.2のモル比で含むことができ;又はアクリル酸ポリマー又はアクリル酸コポリマーは、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル、及びメタクリル酸メチルのコポリマーを、場合により約2:1:1〜約1:1:1のモル比で含むことができる、実施態様70又は実施態様72の配合物。
iv)分散剤をさらに含む、実施態様63〜73のいずれか1つの配合物。
分散剤は約0.1%〜約4%の担配合物を含む、実施態様74の配合物。
分散剤は、多孔性無機材料、極性無機材料、非毒性金属酸化物、両親媒性有機分子、多糖、セルロース、セルロース誘導体、脂肪酸、界面活性剤、シリカ、親水性ヒュームドシリカ、疎水性コロイド状シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒプロメロース、リン脂質、ステアリン酸ポリオキシエチレン、酢酸亜鉛、アルギン酸、レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、及び酸化アルミニウムから成る群から選択される、実施態様74又は実施態様75の配合物。
分散剤はシリカを含む、実施態様74又は実施態様75の配合物。
シリカは親水性ヒュームドシリカを含む、実施態様77の配合物。
配合物は、v)可溶化剤をさらに含む、実施態様63〜78のいずれか1つの配合物。
可溶化剤は、約0.2%〜約10%の配合物を含む、実施態様79の配合物。
可溶化剤は、ポリアルキレンオキシド、ポリエトキシ化ヒマシ油、及び界面活性剤から成る群から選択される、実施態様79又は実施態様80の配合物。
可溶化剤は、ポリアルキレングリコールを含む、実施態様79〜81のいずれか1つの配合物。
可溶化剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、及びPEGとPPGのブロックコポリマーから成る群から選択される、実施態様79〜82のいずれか1つの配合物。
可溶化剤は、場合により式H−(OCH2CH2)X−(O−CH(CH3)CH2)Y−(OCH2CH2)Z−OH(ここで、x及びzは約101であり、yは約56である)の、PEGとPPGのブロックコポリマーである、実施態様79〜83のいずれか1つの配合物。
配合物は、vi)安定剤をさらに含む、実施態様63〜84のいずれか1つの配合物。
安定剤は、約0.1%〜約2%の配合物を含む、実施態様85の配合物。
安定剤は、抗酸化剤、トコフェロール、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、カロチン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、フマル酸、抗菌剤、緩衝物質、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、及び重炭酸ナトリウムから成る群から選択される1種以上の化合物を含む、実施態様85又は実施態様86の配合物。
安定剤はアルファトコフェロールを含む、実施態様85又は実施態様86の配合物。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩は、約15%〜約35%の配合物を含む、実施態様63〜88のいずれか1つの配合物。
可溶化剤が存在する場合、可溶化剤は、約5%以下の担体ポリマー−薬剤成分を含み;1つ以上の可溶化剤、放出促進剤、分散剤、又は安定剤が存在する場合、存在する任意の可溶化剤、放出促進剤、分散剤、及び安定剤の総組合せ量は、約30%以下の担体ポリマー−薬剤成分を含む、実施態様63〜89のいずれか1つの配合物。
治療薬はドキシサイクリン又はその医薬的に許容し得る塩である、実施態様63〜90のいずれか1つの配合物。
治療薬は、ドネペジル又はその医薬的に許容し得る塩である、実施態様63〜90のいずれか1つの配合物。
治療薬は、イベルメクチン又はその医薬的に許容し得る塩である、実施態様63〜90のいずれか1つの配合物。
治療薬は、リスペリドン又はその医薬的に許容し得る塩である、実施態様63〜90のいずれか1つの配合物。
治療薬は、ロスバスタチン又はその医薬的に許容し得る塩である、実施態様63〜90のいずれか1つの配合物。
治療薬は、セチリジン又はその医薬的に許容し得る塩である、実施態様63〜90のいずれか1つの配合物。
治療薬は、以下の基準のいずれか1つ、いずれか2つ、又はいずれか3つを満足する、実施態様63〜96のいずれか1つの配合物:
水性環境は、0.1N塩酸、模擬胃液、絶食状態模擬胃液、摂食状態模擬胃液、動物の胃、ブタの胃、イヌの胃、及びヒトの胃から成る群から選択される、実施態様97の胃内滞留システム。
水性環境0.1N塩酸はである、実施態様97の胃内滞留システム。
水性環境は絶食状態模擬胃液である、実施態様97の胃内滞留システム。
水性環境は摂食状態模擬胃液である、実施態様97の胃内滞留システム。
実施態様63〜96のいずれか1つの配合物を含む複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む、治療薬又はその医薬的に許容し得る塩を患者に投与するための、胃内滞留システムであって、
システムは、約30%〜約70%の治療薬又はその医薬的に許容し得る塩を、有効放出期間の約40%〜60%の期間内に放出する、実施態様102の胃内滞留システム。
システムは、約70%を超える治療薬又はその医薬的に許容し得る塩を、有効放出期間の約90%の期間内に放出する、実施態様102又は実施態様103の胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、0.1N塩酸、模擬胃液、絶食状態模擬胃液、摂食状態模擬胃液、動物の胃、ブタの胃、イヌの胃、及びヒトの胃から成る群から選択される水性環境で測定される、実施態様102〜104のいずれか1つの胃内滞留システム、
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、0.1N塩酸中で測定される、実施態様102〜104のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、絶食状態模擬胃液中で測定される、実施態様102〜104のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、摂食状態模擬胃液中で測定される、実施態様102〜104のいずれか1つの胃内滞留システム。
治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、40%エタノール/60%0.1N塩酸中では、0.1N塩酸中の同じ期間での放出に対して、約40%以下増加し、又は40%エタノール/60%模擬胃液中では、模擬胃液中の同じ期間での放出に対して約40%以下増加し、又は40%エタノール/60%絶食状態模擬胃液中では、絶食状態模擬胃液中の同じ期間での放出に対して約40%以下増加し、又は40%エタノール/60%摂食状態模擬胃液中では、摂食状態模擬胃液中の同じ期間での放出に対して約40%以下増加する、実施態様102〜108のいずれか1つの胃内滞留システム。
40%エタノール/60%0.1N塩酸中で約2時間後に、約20%未満の治療薬がシステムから放出される 実施態様102〜108のいずれか1つの胃内滞留システム。
実施態様63〜96のいずれか1つの配合物を含む材料から形成される細長部材。
実施態様111の少なくとも1つの細長部材を含む胃内滞留システム。
実施態様111の少なくとも1つの細長部材を含む、実施態様1〜19、34〜62、又は98〜101のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマーとセチリジン又はその塩とを含む複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む、患者の胃への投与のための胃内滞留システムであって、複数の担体ポリマー−薬剤成分は結合ポリマーにより一緒に連結され;胃内滞留システムは、容器内では経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した圧縮形態を有し;患者の胃の中で容器から放出されたときは非圧縮形態を有するように構成され;胃内滞留システムは、少なくとも約24時間胃内に保持され;及び。システムは、システムが胃内に保持される期間にわたって、治療有効量のセチリジンを放出する、上記システム。
セチリジンはセチリジン塩酸塩の形態である、実施態様114の胃内滞留システム。
セチリジンは非塩形態である、実施態様114の胃内滞留システム。
担体ポリマーはポリカプロラクトンである、実施態様114〜116のいずれか1つの胃内滞留システム。
結合ポリマーは腸溶性ポリマーである、実施態様114〜117のいずれか1つの胃内滞留システム。
結合ポリマーは、pH約5以上で溶解する腸溶性ポリマーである、実施態様118の胃内滞留システム。
腸溶性ポリマーはpH約5〜約7で溶解する、実施態様118の胃内滞留システム。
結合ポリマーはポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)である、実施態様114〜120のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは少なくとも約5日間胃内に保持される、実施態様114〜121のいずれか1つの胃内滞留システム。
システム中に存在するセチリジンの約5%未満は、胃内に約5日間保持された後に酸化される、実施態様114〜122のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは、1日に約5〜15mgのセチリジンを胃の中に放出する、実施態様114〜123のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムから放出されるセチリジンの生物学的利用能は、同じ量のセチリジンを含む即時放出形態により提供される生物学的利用能の少なくとも約50%であり、生物学的利用能は、血漿濃度−時間曲線下の面積(AUCinf)により測定される、実施態様114〜124のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは約40mg〜約120mgのセチリジンを含む、実施態様114〜125のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは、容器から放出された時に非圧縮形態を取る、実施態様114〜126のいずれか1つの胃内滞留システム。
容器はカプセルである、実施態様114〜127のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃内滞留システムは放射線不透過性物質をさらに含む、実施態様114〜128のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は抗酸化剤をさらに含む、実施態様114〜129のいずれか1つの胃内滞留システム。
実施態様114〜130のいずれか1つの胃内滞留システムを患者に投与することを含む、アレルギー反応を有する患者を治療する方法。
アレルギー反応はアレルギー性鼻炎である。実施態様131の方法。
アレルギー反応は皮膚炎である。実施態様131の方法。
アレルギー反応は急性蕁麻疹又は慢性蕁麻疹である。実施態様131の方法。
胃内滞留システムは週に1回患者に投与される。実施態様131〜134のいずれか1つの方法。
胃内滞留システムはD日間の胃内滞留期間を有し、所望の総治療期間にわたってD日毎に新しい胃内滞留システムが患者に投与される、実施態様131〜134のいずれか1つの方法。
I)担体ポリマー、ii)分散剤、及びiii)セチリジン又はその塩、を含む複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む、患者への投与のための胃内滞留システムであって、複数の担体ポリマー−薬剤成分は1種以上の結合ポリマー成分によって一緒に連結され、1種以上の結合ポリマー成分の少なくとも1種はエラストマーであり;胃内滞留システムは、容器内では経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した圧縮形態を有し;容器から患者の胃の中に放出されたときは、非圧縮形態を有するように構成され;胃内滞留システムは、少なくとも約24時間、胃内に維持され;そして、システムは、システムが胃内に維持される期間の少なくとも一部にわたって、治療有効量の薬剤を放出する、上記システム。
分散剤は、多孔性無機材料、極性無機材料、シリカ、親水性ヒュームドシリカ、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、疎水性コロイド状シリカ、ヒプロメロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、リン脂質、ステアリン酸ポリオキシエチレン、酢酸亜鉛、アルギン酸、レシチン、脂肪酸、ラウリル硫酸ナトリウム、非毒性金属酸化物、及び酸化アルミニウムから成る群から選択される、実施態様137の胃内滞留システム。
分散剤はシリカを含む、実施態様137の胃内滞留システム。
セチリジン又はその塩は、担体ポリマー中に分散された粒子からなる、実施態様137〜139のいずれか1つの胃内滞留システム。
セチリジン又はセチリジン塩粒子の少なくとも約80%は、直径約2ミクロン〜約50ミクロンである、実施態様140の胃内滞留システム。
システムに含まれるセチリジン又はその塩の約10%未満は、胃液への暴露の最初の約6時間以内に溶出する、実施態様137〜141のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃液への暴露の最初のほぼ6時間以内に溶出したセチリジン又はその塩の量は、分散剤の無いシステムから溶出したセチリジンの量の約50%以下である、実施態様137〜141のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分が、約1%〜約30%のセチリジン又はその塩、約0.5%〜約2.5%の分散剤、及び約67.5%〜約98.5%の担体ポリマーを含む、実施態様142又は実施態様143の胃内滞留システム。
担体ポリマーがポリカプロラクトンを含む、実施態様137〜144のいずれか1つの胃内滞留システム。
ポリカプロラクトンが、約45kDa〜約55kDaの数平均分子量範囲を有する形形ポリカプロラクトンを含む、実施態様145の胃内滞留システム。
複数の担体ポリマー−薬剤成分は2つ以上の結合ポリマー成分により一緒に連結され、この2つ以上の結合ポリマー成分の少なくとも1つがエラストマーであり、この2つ以上の結合ポリマー成分の別の少なくとも1つが腸溶性ポリマーである、実施態様137〜146の胃内滞留システム。
腸溶性ポリマーが、ポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、及びフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される、実施態様147の胃内滞留システム。
胃内滞留システムは約5日間〜約7日間胃内に保持される、実施態様136〜148のいずれか1つの胃内滞留システム。
セチリジン又はその塩を含む、患者の胃への投与のための胃内滞留システムであって、複数の担体ポリマー−薬剤成分は結合ポリマーにより一緒に連結され;胃内滞留システムは、容器内では経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した圧縮形態を有し;患者の胃の中で容器から放出されたときは非圧縮形態を有するように構成され;胃内滞留システムは、少なくとも約24時間胃の中に保持され;及び。システムは、システムが胃内に保持される期間にわたって、治療有効量のセチリジンを放出する、上記システム。
セチリジンはセチリジン塩酸塩の形態である、実施態様150の胃内滞留システム。
セチリジンは非塩形態である、実施態様150の胃内滞留システム。
担体ポリマーはポリカプロラクトンである、実施態様150〜152のいずれか1つの胃内滞留システム。
結合ポリマーは腸溶性ポリマーである、実施態様150〜153のいずれか1つの胃内滞留システム。
結合ポリマーは、pH約5以上で溶解する腸溶性ポリマーである、実施態様154の胃内滞留システム。
腸溶性ポリマーはpH約5〜約7で溶解する、実施態様154の胃内滞留システム。
結合ポリマーはポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)である、実施態様150〜156のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは少なくとも約5日間胃内に保持される、実施態様150〜157のいずれか1つの胃内滞留システム。
システム中に存在するセチリジンの約5%未満は、胃内に約5日間保持された後に酸化される、実施態様150〜158のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは、1日に約5〜15mgのセチリジンを胃の中に放出する、実施態様150〜159のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムから放出されるセチリジンの生物学的利用能は、同じ量のセチリジンを含む即時放出形態により提供される生物学的利用能の少なくとも約50%であり、生物学的利用能は、血漿濃度−時間曲線下の面積(AUCinf)により測定される、実施態様150〜160のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは約40mg〜約120mgのセチリジンを含む、実施態様150〜161のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは、容器から放出された時に非圧縮形態を取る、実施態様150〜162のいずれか1つの胃内滞留システム。
容器はカプセルである、実施態様150〜163のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃内滞留システムは放射線不透過性物質をさらに含む、実施態様150〜164のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は抗酸化剤をさらに含む、実施態様150〜165のいずれか1つの胃内滞留システム。
実施態様137〜166のいずれか1つの胃内滞留システムを患者に投与することを含む、アレルギー反応を有する患者を治療する方法。
アレルギー反応はアレルギー性鼻炎である。実施態様167の方法。
アレルギー反応は皮膚炎である。実施態様167の方法。
アレルギー反応は急性蕁麻疹又は慢性蕁麻疹である。実施態様167の方法。
胃内滞留システムは週に1回患者に投与される。実施態様167〜170のいずれか1つの方法。
胃内滞留システムはD日間の胃内滞留期間を有し、所望の総治療期間にわたってD日毎に新しい胃内滞留システムが患者に投与される、実施態様167〜170のいずれか1つの方法。
実施態様137〜166のいずれか1つの胃内滞留システムの製造方法であって、結合ポリマー成分を形成する工程と、近位端と遠位端とを含む細長部材である複数の少なくとも3つの担体ポリマー−薬剤成分を形成する工程と、細長部材を結合ポリマー成分に結合させる工程とを含む、上記方法。
胃内滞留システムを圧縮する工程と、経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した容器中にシステムを挿入する工程とをさらに含む、実施態様173の方法。
担体ポリマー−薬剤成分は、セチリジン又はその塩を粉砕し、粉砕されたセチリジン又はその塩、分散剤、及び担体ポリマーを混合することにより形成される、実施態様173又は実施態様174の方法。
混合はホットメルト押出により行われる、実施態様175の方法。
細長部材である複数の少なくとも3つの担体ポリマー−薬剤成分の形成は、少なくとも2つのセグメントからの細長部材の形成を含む、実施態様173〜176のいずれか1つの方法。
少なくとも2つのセグメントからの細長部材の形成は、セグメント間のカラー接合部の形成を含む、実施態様177の方法。
結合ポリマー成分は、複数の少なくとも3つの分枝を有する星形である、実施態様173〜178のいずれか1つの方法。
結合ポリマー成分への細長部材の結合は、結合ポリマー成分への細長部材の接着を含む、実施態様173〜179のいずれか1つの方法。
星形の結合ポリマー成分への細長部材の結合は、細長部材と結合ポリマー成分の分枝との間のカラー接合部の形成を含む、実施態様179の方法。
担体ポリマーとロスバスタチン又はその塩とを含む複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む、患者の胃への投与のための胃内滞留システムであって、複数の担体ポリマー−薬剤成分は結合ポリマーにより一緒に連結され;胃内滞留システムは、容器内では経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した圧縮形態を有し;患者の胃の中で容器から放出されたときは非圧縮形態を有するように構成され;胃内滞留システムは、少なくとも約24時間胃内に保持され;及び。システムは、システムが胃内に保持される期間にわたって、治療有効量のロスバスタチンを放出する、上記システム。
ロスバスタチンはロスバスタチンカルシウムの形態である、実施態様182の胃内滞留システム。
担体ポリマーはポリカプロラクトンである、実施態様182又は実施態様183の胃内滞留システム。
結合ポリマーは腸溶性ポリマーである、実施態様182〜185のいずれか1つの胃内滞留システム。
結合ポリマーはpH約5以上で溶解する腸溶性ポリマーである、実施態様185の胃内滞留システム。
腸溶性ポリマーはpH約5〜約7で溶解する、実施態様185の胃内滞留システム。
結合ポリマーはポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)である、実施態様182〜187のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは少なくとも約5日間胃内に保持される、実施態様182〜188のいずれか1つの胃内滞留システム。
システム中に存在するロスバスタチンの約5%未満は、胃内に約5日間保持された後に分解される、実施態様182〜189のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは、1日あたり約5〜40mgのロスバスタチンを胃の中に放出する。実施態様182〜190のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃内滞留システムによるLDLコレステロールの低下は、ほぼ同じ期間に投与されるほぼ等量のロスバスタチンの即時放出製剤によるLDLコレステロールの低下の約90%〜150%である、実施態様182〜191のいずれか1つの胃内滞留システム。
期間は約1週間である、実施態様192の胃内滞留システム。
システムは約25mg〜約300mgのロスバスタチンを含む、実施態様182〜193のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは容器から放出されると非圧縮形態を取る、実施態様182〜194のいずれか1つの胃内滞留システム。
容器はカプセルである、実施態様182〜195のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃内滞留システムは放射線不透過性物質をさらに含む、実施態様182〜196のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は緩衝物質をさらに含む、実施態様182〜197のいずれか1つの胃内滞留システム。
実施態様182〜198のいずれか1つの胃内滞留システムを患者に投与することを含む、高コレステロールレベル又は高トリグリセリドレベルを有する患者の治療方法。
胃内滞留システムは週に1回患者に投与される、実施態様199の方法。
胃内滞留システムはD日間の胃内滞留期間を有し、所望の総治療期間にわたってD日毎に新しい胃内滞留システムが患者に投与される、実施態様199の方法。
実施態様202
I)担体ポリマー、ii)分散剤、及びiii)ロスバスタチン又はその塩、を含む複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む、患者への投与のための胃内滞留システムであって、複数の担体ポリマー−薬剤成分は1種以上の結合ポリマー成分によって一緒に連結され、1種以上の結合ポリマー成分の少なくとも1種はエラストマーであり;胃内滞留システムは、容器内では経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した圧縮形態を有し;患者の胃の中で容器から放出されたときは、非圧縮形態を有するように構成され;胃内滞留システムは、少なくとも約24時間、胃内に維持され;そして、システムは、システムが胃内に保持される期間の少なくとも一部にわたって、治療有効量の薬剤を放出する、上記システム。
分散剤は、多孔性無機材料、極性無機材料、シリカ、親水性ヒュームドシリカ、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、疎水性コロイド状シリカ、ヒプロメロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、リン脂質、ステアリン酸ポリオキシエチレン、酢酸亜鉛、アルギン酸、レシチン、脂肪酸、ラウリル硫酸ナトリウム、非毒性金属酸化物、及び酸化アルミニウムから成る群から選択される化合物を含む、実施態様202の胃内滞留システム。
分散剤はシリカを含む、実施態様202の胃内滞留システム。
ロスバスタチン又はその塩は、担体ポリマー中に分散された粒子からなる、実施態様202〜204のいずれか1つの胃内滞留システム。
ロスバスタチン又はロスバスタチン塩粒子の少なくとも約80%は、直径約2ミクロン〜約50ミクロンである、実施態様205の胃内滞留システム。
システムに含まれるロスバスタチン又はその塩の約10%未満は、胃液への暴露の最初のほぼ6時間以内に溶出する、実施態様202〜206のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃液への暴露の最初のほぼ6時間以内にシステムから溶出したロスバスタチン又はその塩の量は、分散剤の無いシステムから溶出したロスバスタチンの量の約50%以下である、実施態様202〜207のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は、約1%〜約30%のロスバスタチン又はその塩、約0.5%〜約2.5%の分散剤、及び約67.5%〜約98.5%の担体ポリマーを含む、実施態様207又は実施態様208の胃内滞留システム。
担体ポリマーがポリカプロラクトンを含む、実施態様202〜209のいずれか1つの胃内滞留システム。
ポリカプロラクトンが、約45kDa〜約55kDaの数平均分子量範囲を有する形形ポリカプロラクトンを含む、実施態様210の胃内滞留システム。
複数の担体ポリマー−薬剤成分が2種以上の結合ポリマー成分により一緒に連結され、この2種以上の結合ポリマー成分の少なくとも1種がエラストマーであり、この2種以上の結合ポリマー成分の別の少なくとも1種が腸溶性ポリマーである、実施態様202〜221の胃内滞留システム。
腸溶性ポリマーが、ポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、及びフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される、実施態様212の胃内滞留システム。
胃内滞留システムは約5日間〜約7日間胃内に維持される、実施態様202〜213のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマーとロスバスタチン又はその塩を含む複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む、患者の胃への投与のための胃内滞留システムであって、複数の担体ポリマー−薬剤成分は結合ポリマーにより一緒に連結され;胃内滞留システムは、容器内では経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した圧縮形態を有し;患者の胃の中で容器から放出されたときは非圧縮形態を有するように構成され;胃内滞留システムは、少なくとも約24時間胃内に保持され;及び、システムは、システムが胃内に保持される期間にわたって、治療有効量のロスバスタチンを放出する、上記システム。
ロスバスタチンはロスバスタチンカルシウムの形態である、実施態様215の胃内滞留システム。
担体ポリマーはポリカプロラクトンを含む、実施態様215又は実施態様216の胃内滞留システム。
結合ポリマーは腸溶性ポリマーである、実施態様215〜217のいずれか1つの胃内滞留システム。
結合ポリマーは、pH約5以上で溶解する腸溶性ポリマーである、実施態様218の胃内滞留システム。
腸溶性ポリマーはpH約5〜約7で溶解する、実施態様218の胃内滞留システム。
結合ポリマーはポリ(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)である、実施態様215〜220のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは少なくとも約5日間胃内に保持される、実施態様215〜221のいずれか1つの胃内滞留システム。
システム中に存在するロスバスタチンの約5%未満は、胃内に約5日間保持された後に分解される、実施態様215〜222のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは、1日に約5〜40mgのロスバスタチンを胃の中に放出する、実施態様215〜223のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃内滞留システムによるLDLコレステロールの低下は、ほぼ同じ期間に投与されたほぼ等量のロスバスタチンの即時放出製剤によるLDLコレステロールの低下の約90%〜150%である、実施態様215〜224のいずれか1つの胃内滞留システム。
期間は約1週間である、実施態様225の胃内滞留システム。
システムは約25mg〜約300mgのロスバスタチンを含む、実施態様215〜226のいずれか1つの胃内滞留システム。
システムは、容器から放出されると非圧縮形態を取る、実施態様215〜227のいずれか1つの胃内滞留システム。
容器はカプセルである、実施態様215〜228のいずれか1つの胃内滞留システム。
胃内滞留システムは放射線不透過性物質をさらに含む、実施態様215〜229のいずれか1つの胃内滞留システム。
担体ポリマー−薬剤成分は緩衝物質をさらに含む、実施態様215〜230のいずれか1つの胃内滞留システム。
実施態様1〜30のいずれか1つの胃内滞留システムを患者に投与することを含む、高コレステロールレベル又は高トリグリセリドレベルを有する患者の治療方法。
胃内滞留システムは週に1回患者に投与される、実施態様232の方法。
胃内滞留システムはD日間の胃内滞留期間を有し、所望の総治療期間にわたってD日毎に新しい胃内滞留システムが患者に投与される、実施態様232の方法。
実施態様182〜231のいずれか1つの胃内滞留システムの製造方法であって、結合ポリマー成分を形成する工程と、近位端と遠位端とを含む細長部材である複数の少なくとも3つの担体ポリマー−薬剤成分を形成する工程と、細長部材を結合ポリマー成分に結合させる工程とを含む、上記方法。
胃内滞留システムを圧縮する工程と、経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した容器中にシステムを挿入する工程とをさらに含む、実施態様235の方法。
担体ポリマー−薬剤成分は、ロスバスタチン又はその塩を粉砕し、粉砕されたロスバスタチン又はその塩、分散剤、及び担体ポリマーを混合することにより形成される、実施態様235又は実施態様236の方法。
混合はホットメルト押出により行われる、実施態様237の方法。
細長部材である複数の少なくとも3つの担体ポリマー−薬剤成分の形成は、少なくとも2つのセグメントからの細長部材の形成を含む、実施態様235〜238のいずれか1つの方法。
少なくとも2つのセグメントからの細長部材の形成は、セグメント間のカラー接合部の形成を含む、実施態様239の方法。
結合ポリマー成分は、複数の少なくとも3つの分枝を有する星形である、実施態様235〜240のいずれか1つの方法。
結合ポリマー成分への細長部材の結合は、結合ポリマー成分への細長部材の接着を含む、実施態様235〜241のいずれか1つの方法。
星形の結合ポリマー成分への細長部材の結合は、細長部材と結合ポリマー成分の分枝との間のカラー接合部の形成を含む、実施態様241の方法。
配合物
セチリジン塩酸塩粉末を秤量し、ガラスバイアル中の親水性賦形剤ポリマーの乾燥粉末と混合した。ポリカプロラクトン(PCL)ビーズを添加し、バイアルを90℃のオーブン中で10〜20分間、又はPCLが完全に融解するまで加熱した。次にバイアルを90℃の乾式加熱ブロックに移し、ここで、スパテラを使用して成分を完全に混合した。次に混合物を所望の型に移し、これを90℃オーブンに20〜30分戻し、重力成形した。次に型をオーブンから取り出し、室温に冷却した。
液体クロマトグラフィー/質量分析
インビトロ放出実験に使用した培地中の薬剤濃度を、Agilent Eclipse XDB C18カラムを備えたAgilent 1100 シリーズHPLCを使用して、又はXevo QToF LC/MSを備えたWaters Acquity UPLCを使用して測定した。Agilentシステムで水中5%〜95%アセトニトリルの勾配で10分間か、又は水中40$アセトニトリルの均一溶媒法を使用して10分間、又はWaters Acuity C18カラムを備えたWatersシステムで5%〜95%(0.1%蟻酸を含むアセトニトリル):(0.1%蟻酸を含む水)の勾配を用いて3分間、試料を流した。セチリジン濃度の測定のための標準曲線は、UV吸光度トレースの組み込みによって作成した。このカラム溶出物を、さらなる分析のために質量分析計に供給することができる。
模擬胃液中のインビトロ放出
実施例1に記載のように、25%セチリジン、5〜20%の他の賦形剤、及び残りのPCLの配合物を調製した。配合物を棒状片に重力成形した。
インビトロでの異なる溶媒に対する放出変動の試験
配合物を上記のように調製し、200mgのディスクに成形する。ディスクを10mLのFaSSGFに浸し、乾式加熱ブロックで37℃に加熱し、約200rpmの速度で24時間撹拌する。24時間後、FaSSGFを除去し、10mlの温水(50℃)、40%エタノール、又は新鮮なFaSSgF(対照)をバイアルに加える。さらに1時間後、放出培地をサンプリングして、LCMS又はHPLCにより分析して、セチリジン濃度を測定し、対照配合物(これは10mLのFaSSGF中で37℃で1時間インキュベートされる)と比較して、1時間の枠内の総薬剤放出を計算する。
インビトロの異なる溶液と熱条件下での治療薬の安定性試験
セチリジンを、溶液中及びPCL配合物中の両方において、様々な強制分解条件に供した。50mgの配合物片(25%セチリジン、5%プルロニックP407、70%PCL)を、37℃で30%H2O2に浸漬した。指定された時点で、配合物を過酸化物溶液から取り出し、残りの薬剤を抽出し、HPLCにより分析した。図4は分析結果を示す。第1のトレース(A)は、ペルオキシドに暴露する前の配合物から抽出された未変性セチリジンを示す。第2のトレース(B)は、30%H2O2中で37℃で20時間溶解することによって分解された、ポリマー配合物のないセチリジンを示す。残りのトレースは、37℃で30%H2O2中で特定の時間(トレースC、4時間;トレースD、8時間;トレースE、20時間)後の、配合物から抽出されたセチリジンを示す。トレースCからEへのピークサイズの減少は、担体ポリマーマトリックスからの薬剤の溶出によるものである。トレースC、D、及びEは、PCL配合物中に残存するセチリジン(すなわち、時間内に溶出されなかった薬剤)を酸化分解に対して保護されたことを示す。
顕微鏡
EVOS蛍光顕微鏡を用いて試料を画像化する。塩酸セチリジン粉末、純粋なPCL、及び薬剤−ポリマー配合物を、明視野設定及び赤色蛍光タンパク質設定の両方を用いて画像化する。
脱結合時間のインビトロ推定
結合ポリマーの弱化及び溶解によって引き起こされるシステムの脱結合時間は、システムを模擬胃液(SGF)及び擬似腸液中に入れることによって推定することができる。模擬胃液(SGF)及び模擬腸液(SIF)は、URL biorelevant.com/fassif-fessif-fassgf-dissolution-media/fasted-fed-state-simulated-intestinal-gastric-fluid/how-to-makeで、SGF(実施例3参照)とSIFの製造業者の説明書に従って、Biorelevant.com FaSSIF, FeSSIF & FaSSGF粉末を使用して調製した。SIFの調製のための説明は以下の通りである:精製水約0.900L中にNaOHペレット0.420g、無水NaH2PO4 3.438g、及びNaCl 6.186gを溶解して、緩衝液を調製する。1N NaOH又は1N塩酸のいずれかを用いてpHを6.5に調整し、室温で精製水を用いて容量を1,000Lにする。2.240gのFaSSIF, FeSSIF & FaSSGF粉末を約0.5Lの緩衝液に加え、粉末が完全に溶解するまで混合物を攪拌する。室温で緩衝液を用いて容量を1,000リットルにする。SIFは2時間放置後、使用される。
胃内滞留システムのインビボ評価:ブタ
胃内滞留システムのインビボ試験を、ブタモデルで行うことができる。実験動物は、適用される法律及び施設のガイドラインに従って使用される。ヨークシャーブタは、ヒトと同様の胃及び腸の解剖学的構造を有し、胃腸管で使用されるシステムの評価に使用されている。体重45〜55kgのヨークシャーブタを鎮静させ、内視鏡下で食道経由でカプセルを胃に導入する。システム導入の数日前からシステム通過の数日後までの期間、ブタはモニターされる。ブタの食事と排泄パターンを記録する。X線及び/又は内視鏡画像を定期的に撮って、胃内滞留システムの位置及び状態を測定する。血液試料を定期的に採取して、胃内滞留システムにより送達される血漿レベルを測定する。
胃内滞留システムのインビボ評価:ヒト
胃内滞留システムのインビボ試験を、ヒト被験体において実施する。試験は、適用される法律及び施設のガイドラインに従って行われる。被験者はカプセルを飲み、システム導入の数日前からシステム通過の数日後までの期間モニターされる。被験者の消化機能と排泄パターンが記録される。X線及び/又は内視鏡画像を定期的に撮って、胃内滞留システムの位置及び状態を測定する。血液試料を定期的に採取して、胃内滞留システムにより送達される血漿レベルを測定する。
治療薬溶出速度に対する賦形剤の効果;セチリジンのバースト放出に対する分散剤の効果
担体ポリマー−薬剤配合物からのセチリジンの溶出速度に対する異なる賦形剤の効果を試験した。担体ポリマー−薬剤配合物は、図2又は図2Aに示されるようなシステムでの使用に適した三角プリズム(「星型アーム」)の形状であった。図3に記載されるように調製された模擬胃液に、星型アームを入れた。放出された薬剤の量をSGF中で3時間浸漬と、SGF中で6時間浸漬でアッセイした。
システムで使用されるエラストマーの調製
ポリカプロラクトン(PCL)ビーズ(Mn約80k, Sigma カタログ番号440744)を00elサイズの星状ポリジメチルシロキサン(PDMS)型に充填した。ビーズをオーブン中で90〜100℃で20〜30分間、又は完全に融解するまで融解させた。追加のポリマービーズを添加し、必要に応じて融解させて型を完全に充填した。一旦充填され完全に融解された後、型をオーブンから取り出し、テフロンシートで覆った。テフロンシートの上部に重りを載せ、成形した形の平らな上部表面を確認した。星形を室温で少なくとも1時間冷却させた。
ポリカプロラクトン(PCL)ジオール(3.2g、Mn約900:Sigmaカタログ番号189405)、PCLトリオール(1.2g、Mn約530;Sigmaカタログ番号200409)、及び線状PCL(Mn約14K、Sigmaカタログ番号440752;又はMn約45K、Sigmaカタログ番号704105;又はMn約55K、Scientific Polymer Productsカタログ番号1029;1.2g)を、磁気攪拌棒を備えた20mLのガラスバイアルに入れ、70℃に加熱した。混合物を、少なくとも2時間100〜150rpmの速度で穏やかに攪拌した。次に架橋剤(1.573mLのヘキサメチレンジイソシアネート、Sigmaカタログ番号52649)を添加し、混合物を70℃でさらに20〜40分撹拌した。次にプレポリマー混合物を真空下で2〜5分間脱気した。次にプレポリマーを、所望の型(上述したように、星型アームをあらかじめ80k PCLで充填した00elサイズの星型)に移した。次にプレポリマーを80k PCLアームの存在下で硬化させて、エラストマーのPCLアームへの強力なインターフェース接続を確保した。ポリマーを70℃で48時間硬化させた後、オーブンから取り出し、室温で少なくとも2日間放置した。次に80k PCLアームを、PCLと架橋エラストマーとのインターフェース部から0.5〜3mmの位置で切断した。これにより、その端部に薄い層のPCLで覆われたアームを有する弾性の中央の星形が生じた。PCLの薄い層は、例えば本実施例のセクションAで調製したものなどの、後の薬剤添加アーム(担体ポリマー−薬剤成分)への融解インターフェース接続を可能にする。
システムで使用される腸溶性エラストマーの調製
システムで使用するのに適した腸溶性エラストマーを、Zhang et al.,“A pH-responsive supramolecular polymer gel as an enteric elastomer for use in gastric devices,” Nature Materials 14(10):1065-71 (epub July 27, 2015)に記載されているように、ポリ(アクリロイル6−アミノカプロン酸)(PA6ACA)と(メタクリル酸−コ−アクリル酸エチル)(オイドラギット L100−55)から調製する。簡単に述べると、腸溶性エラストマーを、PA6ACAの溶液とL100−55ナトリウム塩をポリマー重量比1:0、1:1、及び1:2で、6M HCl溶液を添加して共沈することにより調製する。次にポリマーを超遠心分離によって圧縮し、システム用の所望の形状に切断する。
PCL配合物からのリスペリドンのバースト放出
薬剤ポリマー混合物の調製と成形。
1.5gの薬剤−ポリマー混合物を以下のように調製した:各配合物について、375mgの未処理のリスペリドン、またはボールミル粉砕し篩にかけたリスペリドンのいずれかを、20mLガラスバイアル中に秤量した。二酸化ケイ素(ヒュームドシリカ:CAB-O-SIL(登録商標)M-5P (CAS番号112945−52−5);0〜7.5mg(総配合物の0〜5%相当する)を薬剤粉末に加えた。薬剤粉末と二酸化ケイ素賦形剤を、スパテラで約1分間混合した。ポリカプロラクトン(PCL)ペレット(1.05g〜1.125g、Mn約45K、Sigmaカタログ番号704105;又はMn約55k、Scientific Polymer Productsカタログ番号1029(CAS番号24980−41−4))を、薬剤−シリカ混合物に添加し、バイアルを90℃の対流オーブン中に20〜30分間又はPCLが溶解するまで入れた。全ての薬剤粉末が融解ポリマー内に均一に分布するまで、各配合物を金属スパテラを用いて混合した。混合後、配合物を90℃で20〜30分間オーブンに戻した。次に配合物をオーブンから取り出し、薬剤−ポリマー混合物を所望の形状(00elサイズの星型)のPDMS型に充填した。充填した型をオーブン中で90℃で30分間加熱した。次にこれらをオーブンから取り出し、テフロンシートで覆い、平らな上面を得た。覆った型を1時間室温まで冷却した。
模擬胃液(FaSSGF)と擬似腸液(FaSSIF)を、製造業者の説明(biorelevant.com)に従って調製した。薬剤ポリマー配合物の成型星形を50mg片に切断した。各断片を、5mLの放出培地(FaSSGF又はFaSSIF)を有する15mLのファルコン(Falcon)遠心管に入れた。管のラックを37℃オービタルシェーカーに置き、180〜250rpmで所望の放出時間の間振盪した。放出培地の試料をHPLCで分析して、薬剤濃度を測定した。
イベルメクチン粉砕
イベルメクチンを1%シリカ有り及びシリカ無しでボールミル粉砕し、180ミクロンの篩に通した。薬剤−ポリマー混合物を、実施例12のように未粉砕イベルメクチン、粉砕イベルメクチン、又は1%シリカで粉砕したイベルメクチンのいずれかを用いて、調製した。図9は、得られた薬剤粒子の大きさ及び均一性を示す;図(A)は未処理のイベルメクチンを示し、図(B)は1時間粉砕したイベルメクチンを示し、図(C)は1%のSiO2を用いて1時間粉砕したイベルメクチンを示す。
光学顕微鏡によるイベルメクチン配合物の均一性の評価
実施例13の未処理イベルメクチンと粉砕イベルメクチンを使用して、イベルメクチンのポリカプロラクトン配合物を調製した。他の賦形剤とともに、配合中の薬剤に追加の二酸化ケイ素を加えた。最終配合物は、15%のイベルメクチン、0.5%の二酸化ケイ素、0.5%のアルファトコフェロール、0.5又は8.5%のポロキサマー407、及び残りのPCLからなっていた。(15%イベルメクチンは粉砕剤を含んだ;従って、イベルメクチンを1%シリカで粉砕し、15%粉砕イベルメクチンを配合物に加えたとき、粉砕イベルメクチンの1%はシリカであった。すなわち、0.5%二酸化ケイ素の添加により、配合物中のシリカの総量は0.65%となった(1%x15%は追加の0.15%のシリカを与えるため)。
リスペリドン粉砕
リスペリドン原薬を、未処理状態と、1%SiO2で粉砕後に分析した。図10のビュー(A)は未処理リスペリドンを示す;図10のビュー(B)は、1%のSiO2で粉砕したリスペリドンを2X倍率でしめし、ビュー(C)は、1%のSiO2で粉砕したリスペリドンを40X倍率でを示す。
光学顕微鏡によるリスペリドン配合物の均一性の評価
実施例15で粉砕したリスペリドンを含有する配合物を、実施例14のイベルメクチンの場合と同様の方法で調製した。図10のビュー(AA)は、未処理のリスペリドンを有する配合物を示す;図10のビュー(BB)は、1%のSiO2で粉砕したリスペリドンを有する配合物を2X倍率で示す;ビュー(CC)は、1%のSiO2で粉砕したリスペリドンを有する配合物を40X倍率で示す。
模擬胃液中のイベルメクチン放出
イベルメクチンを含有する薬剤添加PCLアームを調製した。イベルメクチン(IVM)の様々な形態及び配合物を使用した;未処理IVM(15%未粉砕の薬剤、0.5%SiO2、0.5%アルファトコフェロール、0.5%プルロニックP407、残りのPCL)、粉砕IVM(粉砕添加剤/流動促進剤無しで粉砕した15%薬剤、0.5%SiO2、0.5%アルファトコフェロール、0.5%プルロニックP407、残りのPCL)、SiO2で粉砕したIVM(1%SiO2で粉砕した15%薬剤、粉砕した薬剤のw/wとしてのSiO2の割合;総配合物重量をに添加された追加の0.5%SiO2w/w、0.5%アルファトコフェロール、0.5%プルロニックP407、残りのPCL)、IVM+P407(15%未粉砕薬剤、0.5%SiO2、0.5%アルファトコフェロール、8.5%プルロニックP407、残りのPCL)、P407を配合した粉砕IVM(粉砕添加剤/流動促進剤無しで粉砕した15%薬剤、0.5%のSiO2、0.5%アルファトコフェロール、8.5%プルロニックP407、残りのPCL)、及びSiO2で粉砕しP407を配合したIVM(1%のSiO2で粉砕した15%薬剤、粉砕薬剤のw/wとしてのSiO2の割合;総配合物重量に添加された追加の0.5%SiO2w/w、0.5%アルファトコフェロール、8.5%プルロニックP407、残りのPCL)。結果を図11に示す。SiO2を用いるイベルメクチンの粉砕は、SiO2無しで粉砕したイベルメクチンを使用するP407配合物よりも、P407配合物からのイベルメクチンの放出を増強し、配合物からの疎水性イベルメクチンの非常に遅い放出という所望の結果が得られた。
アームの機械的強度に及ぼす粉砕と分散剤の影響
4点曲げ曲げ試験(ASTM D790)を使用して、アームの強度を評価する。簡単に述べると、アームはアームの各端部の近くで支持される。支持体よりもアームの中央に近く配置された2つのロッドは力を加え、試料を屈曲させる。力及び変位が記録され、最大曲げ力が記録される。
ロスバスタチン配合物
ロスバスタチンカルシウム粉末を秤量し、ガラスバイアル中で親水性賦形剤ポリマーの乾燥粉末と混合した。ポリカプロラクトン(PCL)ビーズを添加し、90℃のオーブン中で10〜20分間又はPCLが完全に溶解するまで加熱した。次にバイアルを90℃の乾式加熱ブロックに移し、ここでスパテラを使用して成分を完全に混合した。次に混合物を所望の型に移し、これを重力成形のために90℃のオーブンに20〜30分間戻した。型をオーブンから取り出し、室温に冷却した。図19は、PCL中のロスバスタチン配合物がロスバスタチンのX線回折パターンを変化させないことを示す。これは、ポリマーを有する薬剤が薬剤の固体状態を変化させないことを示している。
ロスバスタチンの液体クロマトグラフィー/質量分析
薬剤濃度は、Xevo QToF LC/MSを備えたWaters Acquity UPLCを使用して測定した。試料を、Waters Acuity C18カラム上で、5%〜95%の0.1%ギ酸を含むアセトニトリル:0.1%ギ酸を含む水の勾配で3分間流した。薬剤は1.75分に溶出し、241nmで最大UV吸光度を示した。ロスバスタチン濃度の決定のための標準曲線は、241nmでのUV吸光度トレースの組み込みによって作成した。標準曲線は、試験した試料の範囲について線形であることが見出された(0.02mg/mL〜0.5mg/mLのロスバスタチン)。強制分解試験(安定性の方法を参照)は、このUPLC法が、未変性ロスバスタチンを、ロスバスタチンラクトンや他の分解物から区別できることを示した。
模擬胃液中のインビトロ放出
一般的方法:25%ロスバスタチン、5〜10%の他の賦形剤、及び残りのPCLの配合物を記載のように調製した。配合物を重力成形して、それぞれ約200mgの約10mmのディスクにした。
インビトロでの異なる溶媒に対する放出変動の試験
インビトロでの異なる溶液と熱条件下での薬剤の安定性試験
以下の表5に要約されるように、ロスバスタチンカルシウムを溶液(水又は有機溶媒)中及びポリカプロラクトン(PCL)配合物中の両方で、様々な強制分解条件に供した。
顕微鏡
EVOS蛍光顕微鏡を用いて試料を画像化した。ロスバスタチンカルシウム粉末、純粋なポリカプロラクトン(PCL)、及び薬剤−ポリマー配合物を、明視野設定及び赤色蛍光タンパク質設定の両方を用いて画像化した。図17A及び図17Bはロスバスタチン粉末の画像を示し、図18はPCL及び薬剤−PCL配合物の画像を示す。
インビトロでのエタノールに対する薬剤溶出速度に対する賦形剤の影響
担体ポリマー−薬剤配合物からのロスバスタチンの溶出速度に対する異なる賦形剤の影響を試験した。担体ポリマー−薬剤配合物は、図2又は図2Aに示されるようなシステムでの使用に適した三角プリズム(「星型アーム」)の形状であった。星型アームを、図21記載されるように調製された模擬胃液に入れたか、又は40%エタノール/60%SGFに入れた。放出された薬剤の量を、SGF又は40%エタノール/SGFに1時間浸漬してアッセイした。
ホットメルト押出による配合物の混合:手順
活性医薬成分(API)、ポリカプロラクトン(PCL)構造ポリマー、及び放出を制御し処理を容易にするための様々な賦形剤を組み合わせることにより、薬剤添加配合物を調製した。APIと賦形剤粉末を混合し、次にホットメルト押出(HME)によってポリマーペレットと混合した。いくつかの場合に、粉末化された賦形剤は、HMEの前に結合剤溶液を用いて粒状化された。粒状化手順は実施例33に記載されている。逆回転双スクリューを備えたThermo Fisher HAAKE MiniCTW押出機で、ホットメルト押出を行った。
PCL/SGF分配係数
構造ポリマー、ポリカプロラクトン(PCL)、及び絶食状態模擬胃液(FaSSGF)間の活性医薬成分(API)の分配は、PCL主体の配合物からのAPIの放出速度を予測するために重要である。APIのPCL−SGF分配係数を測定するために、1mLのFaSSGFと1mLの1:5のPCLジオール(MW530):酢酸エチルの混合物中に、APIの濃縮原液を加えた。試料をボルテックス混合し、10,000rpmで5分間遠心分離した。SGF相をHPLCで分析して薬剤濃度を測定した。PCL相をメタノールで希釈してから、HPLCで定量した。様々な水溶性及び親油性を有する異なる薬剤のPCL/SGF分配係数を表7に示す。
インビトロ放出試験:手順
インビトロ放出のために、約50mgの配合物アーム(三角形のダイから押出したか又は圧縮成形された)を切断し、15mlのファルコンチューブに入れた。各チューブに、絶食状態模擬胃液(FaSSGF)10mlを添加し、37℃、200rpmで維持されたオービタルシェーカーに入れた。試料を三重測定で7日間測定し、1mlの試料のアリコートを、約0.25、1、2、3、4、5、及び7日目に採取した。各サンプリング後に、浸漬条件を維持するために、残りの培地を廃棄し、新鮮な10mLのFaSSGFをファルコンチューブに添加した。チューブを37℃、200rpmのオービタルシェーカー内で戻した。試料アリコートを各時点でAPI定量のためにHPLCで分析した。
配合物中のPVP%に応じたFaSSGF中のドキシサイクリン(親水性)添加構造体のインビトロ放出
図26は、配合物中の異なる量のPVPを有するFaSSGF中の配合物アームからのドキシサイクリンのインビトロ放出を示す。ドキシサイクリンを1%シリカでボールミル粉砕し、75ミクロンの篩に通した。実施例26に記載のように配合物を調製し、実施例28で説明したように、インビトロ放出アッセイを行い、各時点でのAPIの定量についてHPLCによって分析した。ドキシサイクリン配合物は25%のAPI、0.5%シリカ、0.5%アルファトコフェロール、0.5% P407、特定量のポリビニルピロリドン(PVP)、及び残りの55k PCLを含む。ドキシサイクリンをPVPを含まない基本配合物(図26、基本)に配合した場合、7日後に薬剤の30%の完総放出があった。配合物中のPVPの量を2%に増加すると、総放出量は50%に増加した。基本配合物に加えてドキシサイクリンに5%PVPを配合すると、7日後の薬剤の総放出は約75%であり、3日目の放出の直線性は約55%であり、6時間目のバースト放出は15%であった。これらのデータは、配合物中のPVP量の増加に応答した完全な薬剤放出の増加を示す。
配合物中のP407の%に応答したFaSSGF中のドキシサイクリン(親水性)添加構造体のインビトロ放出
図27は、配合物中のP407の異なる量のPVPを有するFaSSGF中の配合物アームからのドキシサイクリンのインビトロ放出を示す。ドキシサイクリンを1%シリカでボールミル粉砕し、75ミクロンの篩に通した。実施例26に記載のように配合物を調製し、実施例28で説明したように、インビトロ放出アッセイを行い、各時点でのAPIの定量についてHPLCによって分析した。ドキシサイクリン配合物は25%のAPI、0.5%シリカ、0.5%アルファトコフェロール、特定量のP407、及び残りの55k PCLを含む。ドキシサイクリンに0.5%のP407を配合した場合、6時間後に約10%のバースト放出、3時間以内に約22%の薬剤放出、及び7時間後に約34%の完総放出があった(図27)。ドキシサイクリンに2%のP407を配合した場合、7時間後の完総放出は約40%に増加した。P407の量をさらに増加すると、薬剤の総放出量が増加し、3%、4%、及び5%のP407を含有する配合物は、7時間後に、それぞれ約43%、57%、及び65%の総放出を示した。ドキシサイクリンを基本配合物に加えて5% P407を配合すると、7日後の薬剤の総放出は約65%であり、3日後の線形放出は約48%であり、6時間後のバースト放出は15%であった。
FaSSGF中のドネペジル添加構造体のインビトロ放出
図28は、FaSSGF中の配合物アームからのドネペジルのインビトロ放出を示す。実施例26に記載されるように、未粉砕ドネペジルを使用して配合物を調製した。実施例28で説明したように、インビトロ放出アッセイを行い、各時点でのAPIの定量についてHPLCによって分析した。ドネペジル配合物は、20%ドネペジル、0.5%アルファトコフェロール、表8に列挙した特定の賦形剤、及び残りの80k PCLを含む。
API抽出による含有物均一性の分析
PCL主体の配合物中のAPI含量を測定するために、溶解及び沈殿により配合物から薬剤を抽出した。薬剤添加配合物(50mg)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、周囲温度で撹拌して透明な溶液を得た。メタノールをゆっくり加えて、最終容積10mlを得た。試料を15mLの遠心管に移し、800rpmで約5分間遠心分離して、沈殿したポリマーを上清から分離した。上清液をメタノールで希釈し、薬剤をHPLCで定量した。アリピプラゾールについては、API回収率は平均94.73%であった(表9)。
粒状化
薬剤と賦形剤との混合を助けるために、混合物の流動特性を増強するために、及び押出機中のバッチ混合を改善するために、粒状化を行った。粒状化は、5%コリフォールP407水溶液をバインダー溶液として使用することによって行った。この溶液を、薬剤と賦形剤とを含有する粉末混合物に滴下して加えた。湿った塊を18メッシュのハンドスクリーンに加え、顆粒を40℃に維持した熱風オーブン中で約15分間乾燥させた。得られた顆粒を、流動性と湿潤性について目視で観察し、周囲温度で乾燥剤で保存した。
熱溶着
実施例26と同様に押出と圧縮成形によって、薬剤添加配合物(20%メマンチン、25%オイドラギットRS、5%P407、0.5%シリカ、0.5%アルファトコフェロール)を調製し、80K PCLの三角ロッドに熱溶着させた。溶着温度とアラインメントを制御できるカスタム器具を使用して、溶着を実行した。溶着温度は93〜170℃まで変化させ、溶着部は室温又は8℃で24時間保存した(n=6試料/条件)。溶着強度は、600ミクロンの変位を有する4点曲げ試験を用いて解析した。各試料について最大曲げ力を記録し、並びに曲げアッセイ中に失敗した溶着の数も記録した。結果を表10に示す。
保存安定性をモニターするための薬剤配合物の固体状態の性状解析
フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、ラマン分光法、X線回折、及び示差走査熱量測定法などの性状解析法により、保存中の配合物の固体状態安定性を評価することができる。経時的に採取されたスペクトルを使用して、性能に影響を及ぼす組成又は構造の変化を検出することができる。
フーリエ変換赤外分光法によるメマンチンの固体状態の性状解析
メマンチンを1%シリカを用いてボールミル粉砕し、75ミクロンの篩に通した。20%メマンチン、9%オイドラギットE、0.5%シリカ、0.5%アルファトコフェロール、及び70%PCLを含有するメマンチン配合物を、実施例26に記載のように調製した。FTIRを、サーモフィッシャー連続フーリエ変換赤外線顕微鏡でATRモード(減衰全反射)で行った。配合物中の薬剤(図29、中央)を薬剤の無い配合物(9%オイドラギットE、0.5%シリカ、0.5%アルファトコフェロール、及び残りのPCL)(図29、上)及びメマンチン単独の配合物(図29、下)と比較した。メマンチンは、この方法を使用して、他の配合物成分から薬剤を区別するための強力なFTIR署名を欠いている。FTIRは、配合物の均一性についての限られた情報しか提供しない。X線回折(実施例36)及びラマン分光法(実施例37)を用いて、同じ配合物を試験した。
X線回折によるメマンチンの固体状態の性状解析
実施例36に記載されたメマンチンの同じ配合物を、Bruker D8一般領域検出器回折装置を透過モードで用いて、X線回折によって分析した。図30は、薬剤単独(上)、薬剤なしの配合物(中)、および配合物中の薬剤(下)のX線回折パターンを示す。メマンチンのユニークなピークが観察され、X線回折を製造および保存中の品質管理およびモニタリングに使用できることを示している。カーブフィッティングソフトウェアは、薬剤結晶化度のおおよその定量化のために、メマンチンピークの組み込みを可能にすることができる。X線回折は、配合物中でメマンチンの結晶性が維持されていることを確認する。
ラマン分光法によるメマンチンの固体状態の性状解析
実施例36に記載されたメマンチンの同じ配合物は、785nmの励起波長を使用するKaiser Optical Hololab 5000Rラマン顕微鏡を用いて、ラマン分光法によって分析した。図31は、メマンチン(上)、薬剤のないメマンチン配合物(中央)、及びメマンチンを含有する配合物(下)のラマンスペクトルを示す。メマンチンの特徴的なピークは、500〜700cm-1に存在し、メマンチン(上)及びメマンチン配合物(下)のスペクトルに見られ、結晶メマンチンの存在を確認している。薬剤のない配合物(中央)のスペクトルは、長期保存による変化を検出するために経時的にモニターすることができる配合物の指紋(fingerprint)を提供する、従ってラマン分光法は、メマンチンを他の配合物成分から区別することができ、製造及び保存中の配合物のモニタリングに使用することができる。
カプセル中メマンチン持続放出配合物に対する胃内滞留システムによって提供されるメマンチンのインビボ比較
毎日のNamenda XRと本発明の胃内滞留システムとの薬物動態を比較するために、イヌ(ハウンド)モデルで胃内滞留システムのインビボ試験を行った。Namenda XRは、カプセルで供給されるメマンチンの持続放出形態である。試験はタフツ大学カミングス獣医学校(Tufts University Cummings School of Veterinary Medicine)(North Grafton, Massachusetts, USA)で実施した。
ブタモデルにおけるLyndra−イベルメクチンのインビボ薬物動態
15%イベルメクチン、0.5%シリカ、0.5%アルファトコフェロール、2%P407、10%オイドラギットEPO、及び残りの80K PCLを含有するイベルメクチン配合物を、実施例26に記載のように、用手的混合と重力成形により調製した。2匹のヨークシャーブタ(35〜50kg)のそれぞれに、135mgのAPIを1回投与した(図33、被験体1及び被験体2)。システムを導入する数日前からシステム通過の数日後までの期間、動物をモニターした。 胃内滞留システムの位置および状態を調べるために、X線写真を定期的に採取する。剤形は3〜5日間、胃内に維持された。血液試料を0日目、1、2、3、6、7、8、10、13日目に採取して、胃内滞留システムにより送達される血漿レベルを測定する。血清薬剤濃度は図33に示される。剤形は8〜12日間胃内に維持された。
FaSSGF中のアリピプラゾール添加構造体のインビトロ放出
図34〜図45は、FaSSGF中の配合物アームからのアリピプラゾールのインビトロ放出を示す。アリピプラゾールは1%シリカでボールミル粉砕し、75ミクロンの篩に通した。
FaSSGF中のリスペリドン添加構造体のインビトロ放出
図46〜図52は、FaSSGF中の配合物アームからのリスペリドンのインビトロ放出を示す。配合物は実施例15及び実施例26に記載のyni調製し、表12に記載されている。インビトロ放出アッセイを行い、実施例28に記載のように各時点のAPI定量のためにHPLCにより分析した。リスペリドン配合物は、10%リスペリドン、0.5%シリカ、0.5%アルファトコフェロール、表12に特定される他の賦形剤、及び残りの80k PCLを含む。
FaSSGF中のメマンチン添加構造体のインビトロ放出
メマンチンと混合された担体ポリマー及び賦形剤の種々の配合物を試験した。メマンチンを1%シリカでボールミル粉砕し、75ミクロンの篩で篩分け、実施例26に記載したように、配合物を調製した。配合物は以下の成分を含有していた:20%メマンチン、0.5%二酸化ケイ素(CAB-O-SIL)、0.5のアルファトコフェロール、及び表13に列挙される追加の賦形剤;配合物の残りをポリカプロラクトン(MW 80,000)で作成した。実施例28に記載したように、インビトロ放出アッセイを実施し、各時点でAPI定量のためにHPLCにより分析した。
摂食状態対絶食状態のメマンチン放出
メマンチン配合物を、インビトロ放出プロフィールに及ぼす培地のpH及び組成の影響について評価した。図63は、絶食状態模擬胃液(FaSSGF)及び摂食状態模擬胃液(FeSSGF)中の配合物M1及びM3からの薬剤放出の比較を示す。配合物の試料を、絶食状態模擬胃液(FaSSGF、pH1.6)及び摂食状態模擬胃液(FeSSGF、pH5.0)培地中でインキュベートした。配合物を、37℃、200rpmで約7日間の放出試験に供した。FaSSGFでは、M1からの総薬剤放出は約60%であり、線形放出は約40%であり、バースト放出は約12%であった。同じ配合物は、FeSSGF中でより高い薬剤放出を示し、約70%の総放出(7日目ではなく6日目に試験した試料)、約55%の線形放出、及び約19%のバースト放出を有した。配合物M3は、FaSSGF及びFeSSGFにおいて同様の放出を示し、約20%の総放出を有した。
摂食状態対絶食状態のリスペリドン放出
インビトロ放出プロフィールに及ぼす培地のpHと組成の影響について、リスペラドン配合物を評価した。配合物の試料を、絶食状態模擬胃液(FaSSGF、pH1.6)及び摂食状態模擬胃液(FeSSGF、pH5.0)培地中でインキュベートした。配合物は37℃、200rpmで7日間の放出試験に供した。放出培地のpHは、リスペリドンなどのpH依存溶解性プロフィールを有する薬剤の放出に大きな影響を有し得る。ほとんどの配合物において、リスペリドンはFeSSGF(pH5)よりもFaSSGF(pH1.6)中でより速く放出される。しかし放出速度の差は、特定の配合物では最小限に抑えることができる。例えば、10%薬剤、0.5%二酸化ケイ素、0.5%アルファトコフェロール、及び9%アクアスプレンからなる配合物(配合物R6)中のリスペリドンは、FaSSGF及びFeSSGFにおいて同様の放出を示した(図65)、しかし44.5%ストラタプレン及び44.5%オイドラギットRSを含有する配合物(配合物R9)又は42%オイドラギットRS及び5%コリフォールP407を含有する配合物(配合物R13)は、絶食状態での放出と比較すると、摂食状態での放出で有意な低下をもたらした(図66)。
賦形剤の適合性
HME中のAPIの賦形剤適合性を比較するために、様々な配合物を薬剤安定性について分析した。すべての配合物を、二軸押出機で100℃で10分間処理した。処理後、実施例32に記載したように溶解及び沈殿により、配合物から薬剤を抽出した。API不純物をHPLCにより定量した。
API安定性対処理温度
ある範囲の処理温度に対するAPI安定性を評価した。薬剤添加配合物を、90℃〜180℃の範囲の温度で75rpmで10分間バッチ混合を行って、押出した。押出した試料を、目視により、及び薬剤抽出後にHPLCにより、分解について分析した。
配合物の押出性:ダイ膨張
薬剤−ポリマー配合物を所望の三角形形状に押出すために、ダイは、押出物がダイから出る際に膨潤する傾向を補償するように設計される。押し出された配合物の膨潤の性状解析は、三角形のダイの設計を助ける。ダイの膨潤は、円形ダイを通るフィラメントの押し出し、及びオリフィスの直径に対する押出物の直径の比較によって特徴付けられる。ダイの膨潤は温度とともに変化することが知られているため、ダイの膨潤は90〜180℃の温度範囲について特徴付けられた。アリピプラゾール配合物(20%アリピプラゾール、10%コリフォールP407、10%オイドラギットEPO、0.5%二酸化ケイ素、0.5%アルファトコフェロール、及び残りの80K PCL)について、ダイ膨張対温度の結果が表16に示される。ドキシサイクリン配合物(25%ドキシサイクリン水和物、10%コリフォールP407、0.5%二酸化ケイ素、0.5%アルファトコフェロール、及び残りの80K PCL)について、ダイ膨張対温度の結果が表17に示される。
安定性基準:時間依存性
時間に対するホットメルト押出中の薬剤の経時的安定性を評価するために、実施例47で議論した熱処理安定性試験に基づいて、100℃を時間依存性熱処理のために選択した。薬剤を含有する配合物を、100℃で5分〜30分の範囲の時間、75rpmでバッチ混合して押し出した、押出した試料を、目視的観察とAPI抽出及びHPLCによる分解物の存在により分析した。
APIの溶解度のpH依存性
放出に及ぼすpH変動の影響を予測するために、開発中の薬剤のpH依存性溶解度を評価することが重要である。溶解度の推定は、酸性から塩基性までの範囲のpHで行った。pH1.06、3.00、,4.65、6.50、及び8.00で周囲温度で薬剤の飽和溶液を調製し、周囲温度で一晩平衡化させ、HPLCにより溶液中の薬剤濃度を測定することにより、平衡溶解度を測定した。
溶解度上昇技術
アリピプラゾールは、水溶性が低く(約0.456g/ml)、典型的な配合物からの薬剤の低いインビトロ放出をもたらす。放出を改善するために、界面活性剤、細孔形成剤、粒状化技術を用いて、アリピプラゾールの溶解度を上昇させることを探った。
SGF中でのインキュベーション前後の配合物中のAPI安定性
FaSSGF中での7日間のインキュベーション後に配合物中に残っているAPIの安定性を分析した。実施例28に記載のように、放出アッセイを行った。放出アッセイ後、配合物の試料を抽出のために回収し、実施例32に記載の手順により分析した。インキュベーション前及びインキュベーション後に分析したアリピプラゾール配合物は、FaSSGF中の7日間のインキュベーション中に、薬剤の顕著な分解が起こらないことを示す(表21)。
押出性:配合物の融解粘度
配合物の融解粘度及び押出性は、配合組成に依存する。融解粘度は、可塑剤を配合物に添加することによって調整することができる。Hake MiniCTWマイクロコンパウンダー(スクリュー速度=75rpm)でのバッチ混合と押出しの間、融解粘度の尺度としてトルクがモニターされる。種々の配合物について平衡トルク測定値を表22に示す。一般に、配合物への可塑剤の添加は、処理トルクを大幅に低減させる。可塑剤添加なしの配合物は、典型的には、混合速度75rpmで0.8〜1.0Nmのトルクを示し、30%コリフォールP407を含有する配合物A22は、0.13Nmのトルクを有し、低融解粘度を反映している。
薬剤添加された配合物アームの曲げ強度
4点曲げ試験(ASTM D790)を使用して、実施例18に記載したようにアームの強度を評価する。簡単に説明すると、アームの各端部近くでアームを支持する。支持体よりもアームの中央に近く配置された2つのロッドが力を加え、試料を屈曲させる。力と変位が記録され、最大曲げ力が記録される。20%イベルメクチン薬剤添加アーム及び及び20%ドキシサイクリン薬剤添加アームの配合物を調製し、模擬胃液(FASSGF)中で0日、2日間、及び7日間のインキュベーション後に、この技術を用いて試験した。結果は表23に示される。
pH変動に対するイベルメクチンのインビトロ放出
イベルメクチン配合物を、インビトロ放出プロフィールに対する培地のpHと組成の影響について評価した。イベルメクチンを1%シリカ有り又は無しでボールミル粉砕し、180ミクロンの篩に通した。15%API、0.5%SiO2、0.5%アルファトコフェロール、2%P407、及び12%オイドラギットE、残りの80K PCLとともに有する配合物中で、実施例12に記載のように薬剤−ポリマー混合物を調製した。図68は、pH6.8とpH1.6における薬剤放出の比較を示す。この配合物は、pH6.8で3日後に約4.75%イベルメクチンの放出をもたらし、pH1.6ではわずかに低い放出をもたらす。
Claims (29)
- i)担体ポリマーと、
ii)治療薬又はその医薬的に許容し得る塩
とを含む、複数の担体ポリマー−薬剤成分を含む、患者に投与するための胃内滞留システムであって、
前記担体ポリマー−薬剤成分は1種以上の結合ポリマー成分によって一緒に連結され、前記1種以上の結合ポリマー成分の少なくとも1種はエラストマーであり;
前記胃内滞留システムは、容器内では経口投与又は栄養管を介して投与するのに適した圧縮形態を有し、容器から放出されたときは非圧縮形態を有するように構成され;
前記胃内滞留システムは、少なくとも約24時間〜約1ヶ月の滞留期間、胃内に保持され;
前記システムは、治療有効量の治療薬を有効放出期間にわたって放出し;そして
前記システムは、約6時間以内には、治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の約20%未満しか放出しない、上記システム。 - 前記システムは、約30%〜約70%の治療薬又はその医薬的に許容し得る塩を、有効放出期間の約40%〜60%の時間内に放出する、請求項1の胃内滞留システム。
- 前記システムは、約70%を超える治療薬又はその医薬的に許容し得る塩を、有効放出期間の約90%の時間内に放出する、請求項1又は請求項2の胃内滞留システム。
- 前記治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、0.1N塩酸、模擬胃液、絶食状態模擬胃液、摂食状態模擬胃液、動物の胃、ブタの胃、イヌの胃、及びヒトの胃から成る群から選択される水性環境で測定される、請求項1〜3のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は0.1N塩酸中で測定される、請求項1〜4のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、絶食状態模擬胃液中で測定される、請求項1〜4のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、摂食状態模擬胃液中で測定される、請求項1〜4のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 請求項1〜7のいずれか1項の胃内滞留システムであって、前記治療薬又はその医薬的に許容し得る塩の放出は、40%エタノール/60%0.1N塩酸中では、0.1N塩酸中の同じ時間での放出に対して約40%以下であり、又は40%エタノール/60%模擬胃液中では、模擬胃液中の同じ時間での放出に対して約40%以下であり、又は40%エタノール/60%絶食状態模擬胃液中では、絶食状態模擬胃液中の同じ時間での放出に対して約40%以下であり、又は40%エタノール/60%摂食状態模擬胃液中では、摂食状態模擬胃液中の同じ時間での放出に対して約40%以下である、上記胃内滞留システム。
- ii)治療薬又はその医薬的に許容し得る塩は、約10%〜約35%の担体ポリマー−薬剤成分を含有する、請求項1〜8のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記前記治療薬又はその医薬的に許容し得る塩は、ドキシサイクリン、ドネペジル、イベルメクチン、リスペリドン、セチリジン、及びロスバスタチンから成る群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記前記担体ポリマー−薬剤成分は、iii)放出促進剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記放出促進剤は、約2%〜約30%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、請求項1〜11のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記放出促進剤は、アクリル酸ポリマー、アクリル酸コポリマー、ポリジオキサノン−ポリエチレングリコールポリマー、及びポリビニルピロリドンから成る群から選択される 請求項1〜12のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記担体ポリマー−薬剤成分は、iv)分散剤をさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記分散剤は、約0.1%〜約4%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、請求項1〜14のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 請求項1〜15のいずれか1項の胃内滞留システムであって、分散剤は、多孔性無機材料、極性無機材料、非毒性金属酸化物、両親媒性有機分子、多糖、セルロース、セルロース誘導体、脂肪酸、界面活性剤、シリカ、親水性ヒュームドシリカ、疎水性コロイド状シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒプロメロース、リン脂質、ステアリン酸ポリオキシエチレン、酢酸亜鉛、アルギン酸、レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、及び酸化アルミニウムから成る群から選択される、上記システム。
- 前記分散剤はシリカをさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記担体ポリマー−薬剤成分は、v)可溶化剤さらに含む、請求項1〜17のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記可溶化剤は、約1%〜約10%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、請求項1〜18のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記可溶化剤は、ポリアルキレンオキシド、ポリエトキシ化ヒマシ油、及び界面活性剤から成る群から選択される、請求項1〜19のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記担体ポリマー−薬剤成分は、vi)安定剤をさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記安定剤は、約0.1%〜約2%の担体ポリマー−薬剤成分を含む、請求項1〜21のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 請求項1〜22のいずれか1項の胃内滞留システムであって、前記安定剤が、抗酸化剤、トコフェロール、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、カロチン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、フマル酸、抗菌剤、緩衝物質、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、及び重炭酸ナトリウムから成る群から選択される1種以上の化合物を含む、上記システム。
- 前記担体ポリマーはポリラクトンを含む、請求項1〜23のいずれか1項の胃内滞留システム。
- 前記ポリラクトンはポリカプロラクトンを含む、請求項24の胃内滞留システム。
- 前記ポリカプロラクトンは約60,000〜100,000の平均Mnを有する、請求項25の胃内滞留システム。
- 前記ポリカプロラクトンは、約75,000〜約85,000の平均Mnを有する、請求項25の配合物。
- 前記ポリカプロラクトンは約80,000の平均Mnを有する、請求項25の配合物。
- 請求項1〜28のいずれか1項の胃内滞留システムであって、
・可溶化剤が存在する場合、前記可溶化剤は、約5%以下の担体ポリマー−薬剤成分を含み;
・1個以上の可溶化剤、放出促進剤、分散剤、又は安定剤が存在する場合、存在する任意の可溶化剤、放出促進剤、分散剤、及び安定剤の総組合せ量は、約30%以下の担体ポリマー−薬剤成分を含む、上記システム。
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