JP2019220462A - 電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質膜の剥離を抑制可能な電気化学セルを提供する。【解決手段】電気化学セル10は、電解質膜4、カソード2、及びアノード3を備えている。カソード2は、電解質膜4の一方面に配置される。アノード3は、電解質膜4の他方面に配置される。電解質膜4は、第1領域41、第2領域42、及び第3領域43を有する。第1領域41は、カソード2及びアノード3の少なくとも一方が配置される。第2領域42は、第1領域41よりも外周縁部側に配置される。第2領域42は、シール部12を配置するための領域である。第3領域43は、第1領域41と第2領域42との間に配置される。電解質膜4は、第3領域43において、畝状に折り曲げられた少なくとも1つの折り曲げ部44を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、電気化学セルに関する。
アルカリ形燃料電池(AFC)、又は固体高分子形燃料電池(PEFC)などに用いられる電気化学セルは、膜状の電解質膜、カソード、及びアノードを有している。この電気化学セルは、アノードに燃料を供給するとともにカソードに空気などの酸化剤を供給することによって発電する。各電極に供給された燃料及び酸化剤が外部へ漏出しないよう、電解質膜の外周縁部をシール部が圧接して両側から挟んでいる(例えば、特許文献1)。
特開2010−140756号公報
上述したような電気化学セルにおいて、電解質膜と各電極との界面に生じる熱応力によって、電解質膜の剥離が生じるおそれがある。そこで、本発明は、電解質膜の剥離を抑制可能な電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明の第1側面に係る電気化学セルは、電解質膜と、カソードと、アノードと、を備えている。カソードは、電解質膜の一方面に配置される。アノードは、電解質膜の他方面に配置される。電解質膜は、第1領域、第2領域、及び第3領域を有する。第1領域は、カソード及びアノードの少なくとも一方が配置される。第2領域は、第1領域よりも外周縁部側に配置される。第2領域は、シール部を配置するための領域である。第3領域は、第1領域と第2領域との間に配置される。電解質膜は、第3領域において、畝状に折り曲げられた少なくとも1つの折り曲げ部を有する。
この構成によれば、電解質膜が、第3領域において折り曲げ部を有しているため、電解質膜に熱応力が生じた場合、その熱応力を折り曲げ部によって緩和することができる。この結果、電解質膜の剥離を抑制することができる。
好ましくは、折り曲げ部は、カソード及びアノードの外周縁部に沿って延びる。
好ましくは、折り曲げ部は、カソード及びアノードの外周縁部に沿って環状に延びる。
好ましくは、折り曲げ部は、連続的に延びる。
好ましくは、折り曲げ部は、断続的に延びる。
好ましくは、折り曲げ部は、複数列となって延びる複数の折り曲げ部を含む。
好ましくは、折り曲げ部は、第3領域の内周縁から外周縁に向かって延びる。
好ましくは、折り曲げ部は、放射状に延びる複数の折り曲げ部を含む。
好ましくは、折り曲げ部は、カソード及びアノードの少なくとも一方と接するように延びる。
好ましくは、電解質膜は、多孔質基材とイオン伝導体とを有する。多孔質基材は、三次元網目構造を有し、連続孔を形成する。イオン伝導体は、イオン伝導性を有し、連続孔内に配置される。
好ましくは、電解質膜は、多孔質基材の第1主面を覆う第1膜状部と、多孔質基材の第2主面を覆う第2膜状部と、をさらに有する。
好ましくは、イオン伝導体は、内部に閉気孔を有する。
好ましくは、閉気孔は、多孔質基材から離れている。
好ましくは、閉気孔は、多孔質基材に接している。
好ましくは、イオン伝導体は、閉気孔を含む複数の閉気孔を有する。
好ましくは、多孔質基材は、内部に細孔を有する。この細孔には、イオン伝導体が含浸されている。
本発明によれば、電解質膜の剥離を抑制可能な電気化学セルを提供することができる。
固体アルカリ形燃料電池の断面図。 電解質膜の平面図。 セパレータの記載が省略された固体アルカリ形燃料電池の拡大断面図。 燃料電池セルの拡大断面図。 変形例に係る、セパレータの記載が省略された固体アルカリ形燃料電池の平面図。 変形例に係る、セパレータの記載が省略された固体アルカリ形燃料電池の平面図。 変形例に係る、セパレータの記載が省略された固体アルカリ形燃料電池の平面図。 変形例に係る、セパレータの記載が省略された固体アルカリ形燃料電池の拡大断面図。 変形例に係る、セパレータの記載が省略された固体アルカリ形燃料電池の平面図。 変形例に係る、セパレータの記載が省略された固体アルカリ形燃料電池の平面図。 変形例に係る電解質膜の平面図。 変形例に係る電解質膜の図4に相当する図。
以下、本発明に係る電気化学セルの一例として、水酸化物イオンをキャリアとするアルカリ形燃料電池(AFC)の一種である固体アルカリ形燃料電池100の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(固体アルカリ形燃料電池100)
図1は、実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池100の構成を示す断面図である。固体アルカリ形燃料電池100は、燃料電池セル10と、複数のセパレータ11と、複数のシール部12とを備えている。なお、本実施形態では、固体アルカリ形燃料電池100は1つの燃料電池セル10を有しているが、実際に使用する際は、複数の燃料電池セル10がセパレータ11を介してスタックされていることが好ましい。
(セパレータ11)
セパレータ11は、燃料電池セル10を厚さ方向(z軸方向)の両側から挟むように配置されている。セパレータ11は、ガス流路111を有している。ガス流路111は、後述する燃料電池セル10のカソード2又はアノード3と対向している。
カソード2と対向するガス流路111には、酸素(O)を含む酸化剤が供給される。アノード3と対向するガス流路111には、水素原子(H)を含む燃料が供給される。
(シール部12)
シール部12は、セパレータ11と燃料電池セル10との間に配置されている。シール部12は、セパレータ11と燃料電池セル10との間の密着性を向上させて、燃料又は酸化剤が外部へ漏出することを防止する。シール部12は、環状であり、燃料電池セル10の電解質膜4の外周縁部に当接している。シール部12として、例えば、Oリング、ゴムシートなどを例示することができる。なお、シール部12は、セパレータ11と一体的に構成されていてもよい。
(燃料電池セル10)
燃料電池セル10は、カソード2、アノード3、及び電解質膜4を備える。燃料電池セル10は、下記の電気化学反応式に基づいて、比較的低温(例えば、50℃〜250℃)で発電する。ただし、下記の電気化学反応式では、燃料の一例としてメタノールが用いられている。
・カソード2: 3/2O+3HO+6e→6OH
・アノード3: CHOH+6OH→6e+CO+5H
・全体 : CHOH+3/2O→CO+2H
(カソード2)
カソード2は、電解質膜4の一方面に配置されている。カソード2は、一般的に空気極と呼ばれる陽極である。固体アルカリ形燃料電池100の発電中、カソード2には、上述したように、セパレータ11のガス流路111を介して酸素(O)を含む酸化剤が供給される。酸化剤としては、空気を用いるのが好ましく、空気は加湿されていることがより好ましい。カソード2は、内部に酸化剤を拡散可能な多孔質体である。カソード2の気孔率は特に制限されない。カソード2の厚みは特に制限されないが、例えば10〜200μmとすることができる。
カソード2は、AFCに使用される公知の空気極触媒を含むものであればよく、特に限定されない。カソード触媒の例としては、白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、鉄族元素(Fe、Co、Ni)等の第8〜10族元素(IUPAC形式での周期表において第8〜10族に属する元素)、Cu、Ag、Au等の第11族元素(IUPAC形式での周期表において第11族に属する元素)、ロジウムフタロシアニン、テトラフェニルポルフィリン、Coサレン、Niサレン(サレン=N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)、銀硝酸塩、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。カソード2における触媒の担持量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10mg/cm、より好ましくは、0.1〜5mg/cmである。カソード触媒はカーボンに担持させるのが好ましい。カソード2ないしそれを構成する触媒の好ましい例としては、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
カソード2の作製方法は特に限定されないが、例えば、カソード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を電解質膜4のカソード側の主面に塗布することにより形成することができる。
(アノード3)
アノード3は、電解質膜4の他方面に配置されている。アノード3は、一般的に燃料極と呼ばれる陰極である。固体アルカリ形燃料電池100の発電中、アノード3には、燃料供給手段15を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。アノード3は、内部に燃料を拡散可能な多孔質体である。アノード3の気孔率は特に制限されない。アノード3の厚みは特に制限されないが、例えば10〜500μmとすることができる。
アノード3は、一般的に燃料極と呼ばれる陰極である。固体アルカリ形燃料電池100の発電中、アノード3には、上述したようにセパレータ11のガス流路111を介して、水素原子(H)を含む燃料が供給される。
燃料は、アノード3において水酸化物イオン(OH)と反応可能な燃料化合物を含んでいればよく、液体燃料及び気体燃料のいずれの形態であってもよい。
燃料化合物としては、例えば、(i)ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、及びカルボンヒドラジド((NHNHCO)等のヒドラジン類、(ii)尿素(NHCONH)、(iii)アンモニア(NH)、(iv)イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール等の複素環類化合物、(v)ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)等のヒドロキシルアミン類、及びこれらの組合せが挙げられる。これらの燃料化合物のうち炭素を含まない化合物(すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、アンモニア、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン等)は、一酸化炭素による触媒被毒の問題が無いため特に好適である。
燃料化合物は、そのまま燃料として用いてもよいが、水及び/又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール等)に溶解させた溶液として用いてもよい。例えば、上記燃料化合物のうち、ヒドラジン、水化ヒドラジン、モノメチルヒドラジン及びジメチルヒドラジンは液体であるので、そのまま液体燃料として使用可能である。また、炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、カルボンヒドラジド、尿素、イミダゾール、及び3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び硫酸ヒドロキシルアミンは固体であるが水に可溶である。1,3,5−トリアジン及びヒドロキシルアミンは固体であるがアルコールに可溶である。アンモニアは気体であるが水に可溶である。このように、固体の燃料化合物は、水又はアルコールに溶解させて液体燃料として使用可能である。燃料化合物を水及び/又はアルコールに溶解させて用いる場合、溶液中の燃料化合物の濃度は、例えば1〜90重量%であり、好ましくは1〜30重量%である。
また、メタノール、エタノール等のアルコール類やエーテル類を含む炭化水素系液体燃料、メタン等の炭化水素系ガス、或いは純水素などは、そのまま燃料として用いることができる。特に、本実施形態に係る固体アルカリ形燃料電池100に用いられる燃料としては、メタノールが好適である。メタノールは、気体状態、液体状態、及び、気液混合状態のいずれであってもよい。
アノード3は、AFCに使用される公知のアノード触媒を含むものであればよく、特に限定されない。アノード触媒の例としては、Pt、Ni、Co、Fe、Ru、Sn、及びPd等の金属触媒が挙げられる。金属触媒は、カーボン等の担体に担持されるのが好ましいが、金属触媒の金属原子を中心金属とする有機金属錯体の形態としてもよく、この有機金属錯体を担体として担持されていてもよい。また、アノード触媒の表面には多孔質材料等で構成された拡散層を配置してもよい。アノード3及びそれを構成する触媒の好ましい例としては、ニッケル、コバルト、銀、白金担持カーボン(Pt/C)、パラジウム担持カーボン(Pd/C)、ロジウム担持カーボン(Rh/C)、ニッケル担持カーボン(Ni/C)、銅担持カーボン(Cu/C)、及び銀担持カーボン(Ag/C)が挙げられる。
アノード3の作製方法は特に限定されないが、例えば、アノード触媒及び所望により担体をバインダーと混合してペースト状にし、このペースト状混合物を電解質膜4のアノード側の主面に塗布することにより形成することができる。
(電解質膜4)
電解質膜4は、カソード2とアノード3との間に配置される。電解質膜4は、カソード2及びアノード3のそれぞれに接続される。電解質膜4の一方面にはカソード2が配置されており、多方面にはアノード3が配置されている。
図2は、電解質膜4の平面図である。なお、図2において、外側の二点鎖線は、電解質膜4にシール部12が配置された場合におけるシール部12の内周縁を示している。また、図2の内側の二点鎖線は、電解質膜4にカソード2又はアノード3が形成された場合におけるカソード2又はアノード3の外周縁を示している。また、図3は、固体アルカリ形燃料電池100の拡大断面図である。図3において、セパレータ11の記載を省略している。
図2及び図3に示すように、電解質膜4は、第1領域41、第2領域42、及び第3領域43を有している。なお、中央部から外周縁部に向かって、第1領域41、第3領域43、第2領域42の順に並んでいる。
第1領域41は、電解質膜4の中央部を構成している。第1領域41には、カソード2又はアノード3が配置される。
第2領域42は、第1領域41と間隔をあけて配置されており、第1領域41よりも外周縁部側に配置されている。第2領域42は、環状である。詳細には、第2領域42は、電解質膜4の外周縁部を構成している。第2領域42は、シール部12を配置するための領域である。
第3領域43は、第1領域41と第2領域42との間に配置される領域である。第3領域43は、カソード2、アノード3、及びシール部12が配置されていない領域である。
電解質膜4は、第3領域43において、折り曲げ部44を有している。折り曲げ部44は、畝状に折り曲げられている。詳細には、折り曲げ部44は、電解質膜4の一方面において凹んでおり、電解質膜4の多方面において突出している。なお、本実施形態では、折り曲げ部44は、アノード3側に突出するように折り曲げられている。
折り曲げ部44は、カソード2及びアノード3の外周縁部に沿って環状に延びている。この折り曲げ部44の幅wは、例えば、10〜2000μm程度とすることができる。また、折り曲げ部44の深さdは、例えば、1〜200μm程度とすることができる。なお、折り曲げ部44の幅wは、折り曲げ部44のうち突出している部分の幅とすることができる。また、折り曲げ部44の深さdは、折り曲げ部44のうち凹んでいる部分の深さとすることができる。折り曲げ分44の幅W及び深さdは、折り曲げ部44の任意の10箇所において図3のような折り曲げ部44が延びる方向と直交する断面写真を撮影し、その各断面写真に基づいて測定した数値の平均値とすることができる。この折り曲げ部44は、例えば、エンボス加工などによって形成することができる。
図4は、電解質膜4の断面を拡大して示す模式図である。電解質膜4は、多孔質基材5と、無機固体電解質体6とを有する。
多孔質基材5は、三次元網目構造を有する。「三次元網目構造」とは、基材の構成物質が立体的かつ網目状に繋がった構造である。多孔質基材5は、連続孔5aを形成する。連続孔5aは、立体的かつ網目状に孔が繋がることによって構成されており、多孔質基材5の外表面に露出している。連続孔5aには、無機固体電解質体6が含浸されている。
多孔質基材5は、高分子材料などによって構成することができる。このような高分子材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド、親水化したフッ素樹脂(四フッ素化樹脂:PTFE等)、セルロース、ナイロン、ポリエチレン及びこれらの任意の組合せが挙げられる。多孔質基材5をフレキシブル性の高分子材料で構成する場合には、気孔率を高めながら厚さを薄くしやすいため、水酸化物イオン伝導性を向上させることができる。高分子材料によって構成される多孔質基材5としては、リチウム電池用セパレータとして市販されているような微多孔膜を用いることができる。
多孔質基材5の厚さは特に制限されないが、例えば、200μm以下とすることができ、好ましくは100μm以下、より好ましくは75μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは25μm以下であり、5μm以下が最も好ましい。多孔質基材5の厚さの下限値は、用途に応じて適宜設定すればよいが、ある程度の堅さを確保するには1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。
多孔質基材5の断面における連続孔5aの平均内径は特に制限されないが、例えば、0.001〜1.5μmとすることができ、好ましくは0.001〜1.25μm、より好ましくは0.001〜1.0μm、さらに好ましくは0.001〜0.75μm、特に好ましくは0.001〜0.5μmである。これらの範囲内とすることによって、多孔質基材5に支持体としての強度を付与しつつ、無機固体電解質体6の緻密度を向上させることができる。連続孔5aの平均内径とは、多孔質基材5の断面を電子顕微鏡で観察した場合に、観察画像上で無作為に選出した20箇所における連続孔5aの円相当径を算術平均することによって得られる。連続孔5aの円相当径とは、観察画像において、連続孔5aの断面積と同じ面積を有する円の直径である。なお、電子顕微鏡の倍率は、連続孔5aの断面サイズに応じて適宜設定すればよい。
連続孔5aの体積率は特に制限されないが、例えば、10〜60%とすることができ、好ましくは15〜55%、より好ましくは20〜50%である。これらの範囲内とすることによって、多孔質基材5に支持体としての強度を確保しつつ、無機固体電解質体6の緻密度を向上させることができる。連続孔5aの体積率は、アルキメデス法により測定することができる。
また、図4では図示されていないが、多孔質基材5は、それ自体の内部に複数の細孔を有することが好ましい。複数の細孔は、多孔質基材5の内部において、互いに繋がっていてもよい。そして、各細孔は多孔質基材5の表面に開口する開気孔であって、各細孔には無機固体電解質体6が含浸していることがより好ましい。これによって、連続孔5a→多孔質基材5内の細孔→連続孔5aという短距離イオン伝導パスや、連続孔5a→多孔質基材5内の細孔→第2膜状部63、或いは、第1膜状部62→多孔質基材5内の細孔→第2膜状部63という長距離イオン伝導パスを形成することができる。その結果、複合部61内のイオン伝導可能領域が広がるため、電解質膜4全体としてのイオン伝導性を向上させることができる。
無機固体電解質体6は、水酸化物イオン伝導性を有する。固体アルカリ形燃料電池100の発電中、無機固体電解質体6は、カソード2側からアノード3側に水酸化物イオン(OH)を伝導させる。無機固体電解質体6の水酸化物イオン伝導率は特に制限されないが、0.1mS/cm以上が好ましく、より好ましくは0.5mS/cm以上、さらに好ましくは1.0mS/cm以上である。無機固体電解質体6の水酸化物イオン伝導率は、高いほど好ましく、その上限値は特に制限されないが、例えば10mS/cmである。
無機固体電解質体6は、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックス材料によって構成することができる。このようなセラミックス材料としては、層状複水酸化物(LDH:Layered Double Hydroxide)が好適である。
LDHは、M2+ 1−x3+ (OH)n−x/n・mHO(式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオンであり、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、xは0.1〜0.4、mは水のモル数を意味する任意の整数である)の一般式で示される基本組成を有する。M2+の例としてはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、及びZn2+が挙げられ、M3+の例としては、Al3+、Fe3+、Ti3+、Y3+、Ce3+、Mo3+、及びCr3+が挙げられ、An−の例としてはCO 2−及びOHが挙げられる。M2+及びM3+としては、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
LDHは、複数の水酸化物基本層と、これら複数の水酸化物基本層間に介在する中間層とから構成される。中間層は、陰イオン及びHOで構成される。水酸化物基本層は、例えば金属MがNi、Al、Tiの場合には、Ni、Al、Ti及びOH基を含む。以下、LDHの水酸化物基本層がNi、Al、Ti及びOH基を含む場合について説明する。
LDH中のNiはニッケルイオンの形態を採りうる。LDH中のニッケルイオンは典型的にはNi2+であると考えられるが、Ni3+等の他の価数もありうるため、特に限定されない。LDH中のAlはアルミニウムイオンの形態を採りうる。LDH中のアルミニウムイオンは典型的にはAl3+であると考えられるが、他の価数もありうるため、特に限定されない。LDH中のTiはチタンイオンの形態を採りうる。LDH中のチタンイオンは典型的にはTi4+であると考えられるが、Ti3+等の他の価数もありうるため、特に限定されない。水酸化物基本層は、Ni、Al、Ti及びOH基を主要構成要素として含むのが好ましいが、他の元素ないしイオンを含んでいてもよいし、不可避不純物を含んでいてもよい。不可避不純物は、製法上不可避的に混入されうる任意元素であり、例えば原料や基材に由来してLDH中に混入しうる。
LDHの中間層は、陰イオン及びHOで構成される。陰イオンは1価以上の陰イオン、好ましくは1価又は2価のイオンである。好ましくは、LDH中の陰イオンはOH及び/又はCO 2−を含む。
上記のとおり、Ni、Al及びTiの価数は必ずしも定かではないため、LDHを一般式で厳密に特定することは非実際的又は不可能である。仮に水酸化物基本層が主としてNi2+、Al3+、Ti4+及びOH基で構成されるものと想定した場合、LDHは、一般式:Ni2+ 1−x−yAl3+ Ti4+ (OH)n− (x+2y)/n・mHO(式中、An−はn価の陰イオン、nは1以上の整数、好ましくは1又は2であり、0<x<1、好ましくは0.01≦x≦0.5、0<y<1、好ましくは0.01≦y≦0.5、0<x+y<1、mは0以上、典型的には0を超える又は1以上の実数である)なる基本組成で表すことができる。もっとも、上記一般式はあくまで「基本組成」と解されるべきであり、Ni2+、Al3+、Ti4+等の元素がLDHの基本的特性を損なわない程度に他の元素又はイオン(同じ元素の他の価数の元素又はイオンや製法上不可避的に混入されうる元素又はイオンを含む)で置き換え可能なものとして解されるべきである。
無機固体電解質体6は、複合部61(イオン伝導体の一例)、第1膜状部62、及び第2膜状部63を有する。
複合部61は、第1膜状部62と第2膜状部63との間に配置される。複合部61は、多孔質基材5に充填されている。詳細には、複合部61は、多孔質基材5の連続孔5a内に配置される。複合部61は、多孔質基材5の連続孔5a内に含浸されており、多孔質基材5と一体化している。このように、無機固体電解質体6を多孔質基材5で支持することによって、無機固体電解質体6の強度を向上できるため、無機固体電解質体6を薄くすることができる。その結果、電解質膜4の低抵抗化を図ることができる。
本実施形態において、複合部61は、多孔質基材5の連続孔5aの略全域に広がる。ただし、無機固体電解質体6が第1膜状部62及び第2膜状部63の少なくとも一方を有さない場合、複合部61は、多孔質基材5の一部にのみ含浸されていてもよい。
ここで、複合部61は、その内部に形成された複数の閉気孔611を有する。このような閉気孔611が複合部61の内部に形成されるため、固体アルカリ形燃料電池100の作動中に複合部61の含水状況の変動に起因する電解質膜4の体積変化を緩和させることができる。これにより、電解質膜4とカソード2との界面、又は/及び電解質膜4とアノード3との界面に応力が発生することを抑制できる。その結果、カソード2又は/及びアノード3から電解質膜4が剥離したり、電解質膜4自体が変形したりすることを抑制できる。
さらに、閉気孔611が複合部61の内部に形成されることで、複合部61に柔軟性を付与することができるため、固体アルカリ形燃料電池100内の温度分布に起因して、カソード2と電解質膜4との界面、又は/及び、アノード3と電解質膜4との界面に熱応力が発生することを抑制できる。そのため、カソード2又は/及びアノード3から電解質膜4が剥離したり、或いは、電解質膜4自体が変形したりすることを抑制できる。
図4に示すように、閉気孔611は、多孔質基材5から離れている。すなわち、閉気孔611は、複合部61の内部に閉じこめられており、連続孔5aの内表面と直接的に接触しない。これによって、閉気孔611が多孔質基材5に直接接触する場合に比べて、電解質膜4に体積変化や変形が生じた場合に、多孔質基材5、複合部61及び閉気孔611の三者で作られる角部を起点として、複合部61が多孔質基材5から剥離することを抑制できる。
各閉気孔611の平均円相当径は特に制限されないが、例えば、0.001〜1.0μmとすることができる。各閉気孔611の平均円相当径は、0.001μm以上が好ましく、0.002μm以上がより好ましい。これによって、複合部61の柔軟性をより向上させることができる。また、各閉気孔611の平均円相当径は、1.0μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましい。これによって、カソード2に供給される酸化剤がアノード3側に透過したり、或いは、アノード3に供給される燃料がカソード2側に透過したりすることを抑制できる。
各閉気孔611の平均円相当径は、電解質膜4の断面を20,000〜1,500,000倍の電子顕微鏡で観察し、無作為に選出した20個の閉気孔611の円相当径を算術平均することによって得られる。閉気孔611の円相当径とは、電解質膜4の断面において、閉気孔611と同じ面積を有する円の直径である。ただし、0.001μm以下の円相当径を有する閉気孔611は、複合部61の柔軟性向上への寄与が極めて小さいため、各閉気孔611の平均円相当径を求める際には除外するものとする。
第1膜状部62は、複合部61のカソード2側に連なる。第1膜状部62は、膜状に形成される。第1膜状部62は、複合部61と一体的に形成される。第2膜状部63は、複合部61のアノード3側に連なる。第2膜状部63は、膜状に形成される。第2膜状部63は、複合部61と一体的に形成される。第1膜状部62及び第2膜状部63それぞれは、水酸化物イオン伝導性を有するセラミックス材料によって構成することができる。第1膜状部62及び第2膜状部63それぞれは、一様な平面状に形成されていてもよいし、縞状など所望の平面形状にパターン化されていてもよい。第1膜状部62及び第2膜状部63それぞれの厚さは特に制限されないが、例えば、10μm以下とすることができ、好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下である。
(無機固体電解質体6の製造方法)
無機固体電解質体6の作製方法は特に限定されないが、無機固体電解質体6をLDHで構成する場合であって、LDHの水酸化物基本層がNi、Al、Ti及びOH基を含むとき、以下の工程(1)〜(4)で作製することができる。
(1)多孔質基材5を用意する。
(2)多孔質基材5の全体にアルミナ及びチタニアの混合ゾルを含浸させて熱処理することでアルミナ・チタニア層を形成させる。後述するように、多孔質基材5の表面全体からLDHを成長させるには、多孔質基材5の表面全体にアルミナ・チタニア層を形成させることが重要となるため、アルミナ及びチタニアの混合ゾルを含浸させて熱処理することを複数回実施する。これにより、多孔質基材5の表面全体にアルミナ・チタニア層を形成することができる。
(3)ニッケルイオン(Ni2+)及び尿素を含む原料水溶液に多孔質基材5を浸漬させる。
(4)原料水溶液中で多孔質基材5を水熱処理して、LDHを多孔質基材5上及び多孔質基材5中に形成させることによって、複合部61、第1膜状部62、及び第2膜状部63を有する無機固体電解質体6を形成する。この際、水熱処理時間および溶液濃度を適宜調整することによって、気孔が閉塞する前に反応を停止することで複合部61内に閉気孔611を形成させることができる。LDHは多孔質基材5の表面に形成されたアルミナ・チタニア層を核として成長するため、多孔質基材5の表面全体にアルミナ・チタニア層を形成させた場合においては、多孔質基材5の表面全体からLDHが成長することになる。その結果として、閉気孔611を多孔質基材5から離すことができる。
(実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
変形例1
上記実施形態では、折り曲げ部44は連続的に環状に形成されているが、図5に示すように、折り曲げ部44は、断続的に環状に形成されていてもよい。
変形例2
上記実施形態では、折り曲げ部44は環状に延びているが、折り曲げ部44の形状は環状に限定されない。例えば、図6に示すように、折り曲げ部44は、直線状に延びていてもよい。この場合、折り曲げ部44は、カソード2及びアノード3の外周縁部に沿って延びていることが好ましい。また、図7に示すように、折り曲げ部44は、湾曲して延びていてもよい。このように湾曲している折り曲げ部44は、カソード2及びアノード3の角部に沿って延びていることが好ましい。
変形例3
図8及び図9に示すように、折り曲げ部44は、複数列となって延びている複数の折り曲げ部44を含んでいてもよい。各折り曲げ部44は、互いに沿って延びていることが好ましい。すなわち、各折り曲げ部44は、互いに実質的に平行に延びていることが好ましい。
変形例4
上記実施形態では、折り曲げ部44は第3領域43のみに配置されているが、折り曲げ部44の配置はこれに限定されない。例えば、折り曲げ部44は、第3領域43と第2領域42とに亘って形成されていてもよい。
変形例5
図10に示すように、折り曲げ部44は、カソード2及びアノード3の少なくとも一方と接するように延びていてもよい。すなわち、折り曲げ部44は、第1領域41と第2領域42との境界部を通っていてもよい。詳細には、折り曲げ部44は、矩形状のカソード2及びアノード3の少なくとも一方の角部を通るように延びている。
変形例6
図11に示すように、複数の折り曲げ部44が、第3領域43の内周縁から外周縁に向かって延びていてもよい。すなわち、複数の折り曲げ部44が放射状に延びていてもよい。なお、各折り曲げ部44の両端が第3領域43の内周縁及び外周縁と間隔をあけるように各折り曲げ部44は形成されているが、各折り曲げ部44の両端が第3領域43の内周縁及び外周縁の少なくとも一方と接触するように各折り曲げ部44が形成されていてもよい。また、環状に延びる折り曲げ部44と、放射状に延びる折り曲げ部44とが混在していてもよい。
変形例7
上記実施形態では、閉気孔611は、多孔質基材5から離れていたが、図12に示すように、閉気孔611は、多孔質基材5に接していてもよい。すなわち、閉気孔611は、連続孔5aの内表面と直接的に接触していてもよい。これによって、閉気孔611が多孔質基材5から離れている場合に比べて、閉気孔611の存在による多孔質基材5の拘束面積を低減できるため、多孔質基材5自体の柔軟性を向上させることができる。そのため、電解質膜4に体積変化や変形が生じた場合に、カソード2と電解質膜4との界面、又は/及び、アノード3と電解質膜4との界面に応力が発生することをより抑制できる。
変形例8
上記実施形態では、電解質膜4は、複数の閉気孔611を有することとしたが、閉気孔611を少なくとも1つ有していれば、閉気孔611を全く有していない場合に比べて、複合部61に柔軟性を付与することができるため、電解質膜4の剥離を抑制できる。
変形例9
上記実施形態では、閉気孔611の形状は断面が円形状に構成されていたが、閉気孔611の形状はこれに限定されない。例えば、閉気孔611は、断面が楕円形状となっていてもよいし、その他の形状であってもよい。
変形例10
上記実施形態では、多孔質基材5は、高分子材料によって構成されていたが、多孔質基材5の材質はこれに限定されない。例えば、多孔質基材5は、金属材料によっても構成することができる。多孔質基材5を構成する金属材料としては、ステンレス(Fe−Cr系合金、Fe−Ni−Cr系合金など)、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、又は、チタンなどを用いることができる。このような金属材料は、高分子材料に比べて熱伝導性が高いため、多孔質基材5の放熱効率を向上させることができるとともに、多孔質基材5内の温度分布を低減させることができる。
多孔質基材5は、例えば、多孔質金属材料(例えば、発砲金属材料)によって構成されるセル状又はモノリス状の構造物であってもよいし、細線金属材料によって構成されるメッシュ状の塊であってもよい。
多孔質基材5の表面には、絶縁膜が形成されていてもよい。絶縁膜は、Cr、Al、ZrO、MgO、MgAlなどによって構成することができる。多孔質基材5をステンレスによって構成する場合、ステンレスを酸化処理することにより、絶縁膜としてのCr膜を簡便に形成することができる。なお、第1及び第2膜状部62,63が、カソード2とアノード3との間に絶縁膜として機能するため、多孔質基材5の表面には、絶縁膜が形成されていなくてもよい。
変形例11
上記実施形態では、無機固体電解質体6は、複合部61、第1膜状部62、及び第2膜状部63を有することとしたが、少なくとも複合部61を有していればよい。すなわち、無機固体電解質体6は、第1膜状部62及び第2膜状部63の少なくとも一方を備えていなくてよい。
無機固体電解質体6が第1膜状部62を備えていない場合、複合部61は、多孔質基材5の連続孔5aの全体に含浸されていてもよいし、多孔質基材5の連続孔5aのうちカソード2側の領域にのみ含浸されていてもよい。多孔質基材5の連続孔5aのうちカソード2側の領域にのみ複合部61が含浸される場合、連続孔5aの空隙領域にはアノード3の少なくとも一部を配置すればよい。連続孔5aの空隙領域に配置されるアノード3は、連続孔5aに充填されていてもよいし、連続孔5aの内表面を覆うように膜状に形成されていてもよい。
無機固体電解質体6が第2膜状部63を備えていない場合、複合部61は、多孔質基材5の連続孔5aの全体に含浸されていてもよいし、多孔質基材5の連続孔5aのうちアノード3側の領域にのみ含浸されていてもよい。多孔質基材5の連続孔5aのうちアノード3側の領域にのみ複合部61が含浸される場合、連続孔5aの空隙領域にはカソード2の少なくとも一部を配置すればよい。連続孔5aの空隙領域に配置されるカソード2は、連続孔5aに充填されていてもよいし、連続孔5aの内表面を覆うように膜状に形成されていてもよい。
変形例12
上記実施形態では、本発明に係る燃料電池セルを固体アルカリ形燃料電池に適用した実施形態を説明したが、本発明に係る燃料電池セルが適用される対象は固体アルカリ形燃料電池に限定されず、例えば、固体高分子形燃料電池などの他の燃料電池にも適用することができる。
100 固体アルカリ形燃料電池
2 カソード
3 アノード
4 電解質膜
41 第1領域
42 第2領域
43 第3領域
44 折り曲げ部
5 多孔質基材
6 無機固体電解質体
61 複合部
62 第1膜状部
63 第2膜状部

Claims (16)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方面に配置されるカソードと、
    前記電解質膜の他方面に配置されるアノードと、
    を備え、
    前記電解質膜は、前記カソード及び前記アノードの少なくとも一方が配置される第1領域と、前記第1領域よりも外周縁部側に配置されてシール部を配置するための第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に配置される第3領域と、を有し、
    前記電解質膜は、前記第3領域において、畝状に折り曲げられた少なくとも1つの折り曲げ部を有する、
    電気化学セル。
  2. 前記折り曲げ部は、前記カソード及び前記アノードの外周縁部に沿って延びる、
    請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記折り曲げ部は、前記カソード及び前記アノードの外周縁部に沿って環状に延びる、
    請求項1又は2に記載の電気化学セル。
  4. 前記折り曲げ部は、連続的に延びる、
    請求項3に記載の電気化学セル。
  5. 前記折り曲げ部は、断続的に延びる、
    請求項3に記載の電気化学セル。
  6. 前記折り曲げ部は、複数列となって延びる複数の折り曲げ部を含む、
    請求項2から5のいずれかに記載の電気化学セル。
  7. 前記折り曲げ部は、前記第3領域の内周縁から外周縁に向かって延びる、
    請求項1に記載の電気化学セル。
  8. 前記折り曲げ部は、放射状に延びる複数の折り曲げ部を含む、
    請求項1に記載の電気化学セル。
  9. 前記折り曲げ部は、前記カソード及び前記アノードの少なくとも一方と接するように延びる、
    請求項1から8のいずれかに記載の電気化学セル。
  10. 前記電解質膜は、
    三次元網目構造を有し、連続孔を形成する多孔質基材と、
    イオン伝導性を有し、前記連続孔内に配置されるイオン伝導体と、
    を有する、
    請求項1から9のいずれかに記載の電気化学セル。
  11. 前記電解質膜は、前記多孔質基材の第1主面を覆う第1膜状部と、前記多孔質基材の第2主面を覆う第2膜状部と、をさらに有する、
    請求項10に記載の電気化学セル。
  12. 前記イオン伝導体は、内部に閉気孔を有する、
    請求項10又は11に記載の電気化学セル。
  13. 前記閉気孔は、前記多孔質基材から離れている、
    請求項12に記載の電気化学セル。
  14. 前記閉気孔は、前記多孔質基材に接している、
    請求項12に記載の電気化学セル。
  15. 前記イオン伝導体は、前記閉気孔を含む複数の閉気孔を有する、
    請求項12から14のいずれかに記載の電気化学セル。
  16. 前記多孔質基材は、内部に細孔を有し、
    前記細孔には、前記イオン伝導体が含浸されている、
    請求項10から15のいずれかに記載の電気化学セル。
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