JP2019220381A - 非水電解液電池 - Google Patents
非水電解液電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019220381A JP2019220381A JP2018117849A JP2018117849A JP2019220381A JP 2019220381 A JP2019220381 A JP 2019220381A JP 2018117849 A JP2018117849 A JP 2018117849A JP 2018117849 A JP2018117849 A JP 2018117849A JP 2019220381 A JP2019220381 A JP 2019220381A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- aqueous electrolyte
- negative electrode
- nonaqueous electrolyte
- electrolyte battery
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Cell Separators (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
【課題】高温で長時間保持された場合にも優れた信頼性を維持できる非水電解液電池の提供。【解決手段】負極2、正極1、セパレータ3および非水電解液を有し、前記負極2は、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成され、前記セパレータ3として、融点または熱分解温度が200℃以上である樹脂により構成された多孔質フィルムを有しており、前記非水電解液は、Si,Ge,Snのいずれかを有し、特定の置換基を有するリン酸化合物またはホウ酸化合物を含有していることを特徴とする非水電解液電池。【選択図】図1
Description
本発明は、高温貯蔵特性に優れた非水電解液電池に関するものである。
非水電解液電池は、高容量、高電圧などの特性を生かして、種々の用途に利用されている。そして、その適用分野の広がりと共に、非水電解液電池には、各種の特性向上が求められている。
特に、近年では電気自動車の実用化などに伴い、車載用の非水電解液電池(二次電池)の需要が伸びており、電気自動車のモーターの駆動電源への適用が主である一方で、それ以外への適用も進められている。例えば、現在、車両が事故などに遭遇した際に、それを関係各所へ通報するための緊急通報システムの開発が進行中であるが、その電源として、非水電解液電池(一次電池または二次電池)の適用が検討されている。
そのようなシステムは、実際に作動する機会が限られているものの、緊急時に確実に作動することが必要とされる。そのため、電源となる電池には、長期にわたって貯蔵しても、その特性を良好に維持できる信頼性が要求される。
また、車両の走行中にタイヤがパンクして重大事故につながるケースが散見されるようになったことに鑑み、車両走行中の安全性を確保するために、タイヤ空気圧監視システム〔Tire Pressure Monitoring System(TPMS)〕を装着した車両が普及しつつある。前記システムの電源として、非水電解液電池(一次電池)が利用されているが、高温多湿環境となるタイヤ内にシステムが設置されることから、その電源となる電池に対しても、長期間特性を維持することのできる信頼性が要求される。
更に、加熱滅菌などを必要とする医療用途や、150℃以上の高温環境が想定される宇宙用途など、電池の更なる高温耐性が要求される用途もあり、高温環境下で長時間耐え得るように、非水電解液電池の耐熱性を向上させる技術の検討が進められている。
そのような特性向上を図る技術の一つとして、非水電解液の改良が検討されており、電池の安全性を向上させるためや、電池の耐久性や耐電圧性能を向上させるために、特定構造のリン酸エステル化合物などを非水電解液に添加することが提案されている(特許文献1および2)。特許文献3には、融点が220℃以上の熱可塑性樹脂とポリオレフィンと相容化剤を含む樹脂組成物からなる微多孔膜が提案されている。また、特許文献4には、200℃における熱収縮率が10%未満である非水電解質電池用セパレータが提案されている。
しかしながら、車載用途などにおいては、高温環境下での耐久性のより一層の向上が要求されるようになってきており、電池構成の更なる改良が必要とされている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、高温環境下での使用が可能であり、高温で長時間保持された場合にも優れた信頼性を維持できる非水電解液電池を提供するものである。
本発明の非水電解液電池は、負極、正極、セパレータおよび非水電解液を備え、前記負極は、前記負極は、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成され、前記セパレータとして、融点または熱分解温度が200℃以上である樹脂により構成された多孔質フィルムを有しており、前記非水電解液は、下記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物を含有していることを特徴とするものである。
前記一般式(1)中、XはSi、GeまたはSnであり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数6〜10のアリール基を表し、水素原子の一部または全部がフッ素で置換されていてもよい。
本発明によれば、高温環境下での使用が可能であり、高温で長時間保持された場合にも優れた信頼性を維持できる非水電解液電池を提供することができる。
本発明の非水電解液電池は、負極、正極、セパレータおよび非水電解液を備え、前記負極は、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成され、前記セパレータとして、融点または熱分解温度が200℃以上である樹脂により構成された多孔質フィルムを有し、前記非水電解液は、前記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物を含有している。
前記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物は、炭素材料を負極活物質に使用した非水電解液電池において、非水電解液に添加されることで、その安全性を高める作用を有していることが知られている。
一方、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成され負極を用いた非水電解液電池において、前記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物を添加した非水電解液を使用した場合には、高温での貯蔵を経た後の電池の特性劣化を抑制することが可能となる。
非水電解液に前記リン酸化合物または前記ホウ酸化合物が添加されている場合、負極のLiまたはLi合金の表面に、薄くかつ良質な被膜を形成すると考えられる。従って、高温貯蔵での負極の劣化が抑制されると共に、形成される被膜が薄いため、その被膜による負荷特性の低下を抑制できることが可能となり、高温環境下での充放電において、ガス発生による電池の膨れなどの問題が生じ難く、また高温貯蔵後においても、負荷特性に優れた電池を構成することができるものと推測される。
一方、非水電解液電池において通常使用されているポリオレフィン製の微多孔フィルムを用いた場合には、例えば、100℃以上の厳しい温度環境下で充放電を行うと、樹脂の軟化などが原因で、充電時の電極の体積膨張による押圧にセパレータが耐えられなくなり、微短絡が生じる可能性が高くなる。また、150℃程度の温度に曝されると、短時間であっても微多孔フィルムが収縮し、やはり微短絡が生じる可能性が高くなる。
以上の観点から、本発明においては、セパレータとして、融点または熱分解温度が200℃以上である樹脂により構成された多孔質フィルムが用いられる。前記多孔質フィルムをセパレータとすることにより、前記添加剤(リン酸化合物およびホウ酸化合物)を有効に作用させながら、150℃などの高温環境下でも電池を使用する際の特性低下を防ぎ、電池の信頼性を高めることが可能となる。
本発明の非水電解液電池に係るセパレータは、前記の通り、融点または熱分解温度が200℃以上である樹脂により構成された多孔質フィルムである。
前記多孔質フィルムを構成する、融点または熱分解温度が200℃以上である樹脂としては、ポリエステル(全芳香族ポリエステルに代表される芳香族ポリエステル、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリアセタール、ポリアミド〔全芳香族ポリアミド(アラミド)に代表される芳香族ポリアミド、ナイロンなど〕、ポリエーテル(全芳香族ポリエーテルに代表される芳香族ポリエーテルなど)、ポリケトン(全芳香族ポリケトンに代表される芳香族ポリケトンなど)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリ(パラ−フェニレンベンゾビスチアゾール)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルアルコールなどを用いることができる。中でも、耐電解液性にも優れるなどの理由でアラミド、ポリイミドまたはポリフェニレンスルフィドが特に好ましい。
本発明でいう融点とは、JIS 7121(1999年)9.1(1)の方法に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)により測定した融解ピーク温度のことをいう。また、熱分解温度とは、TG-DTAにより測定した質量減少率が10%以上となったときの温度をいう。
一方、吸湿性が高い材料(例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロース、ポリビニルアルコールなど)により構成された多孔質フィルムをセパレータに使用する場合は、通常は、電池内に持ち込まれる水分量が多くなり、非水電解液との反応に伴うガス発生により、電池の膨れなどの問題を生じやすくなる。しかし、本発明においては、前記添加剤(リン酸化合物およびホウ酸化合物)が負極の表面に被膜を形成する反応に、電池内の水分が関与しており、良好な被膜の形成に一定量の水分が必要になると推測されるため、吸湿性が高い材料により構成された多孔質膜を用いることにより、却って前記添加剤の効果が生じやすくなるものと考えられる。
ただし、セパレータの吸湿量が多すぎる場合は逆効果となり、電池の高温耐久性を著しく損なう虞が生じるため、例えば100℃以上の温度で乾燥させ、含有水分量を調整した後に電池の組み立てに用いることが好ましい。
ポリオレフィン製の微多孔フィルムの場合は、100℃以上の温度で乾燥させようとすると、フィルムが収縮する虞があるが、前記耐熱性の高い樹脂により構成された多孔質フィルムを用いる場合には、比較的高温で短時間での乾燥処理が可能となり、含有水分量を調整しやすくなるので好ましい。
セパレータの厚みは、短絡の発生をより良好に抑制する観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。一方、セパレータを薄くして、内部抵抗の増大および体積エネルギー密度の低下を抑制したり、負荷特性を向上させたりする観点からは、セパレータの厚みは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
また、セパレータの空孔率(セパレータに使用する多孔質フィルムの空孔率)は、40〜70%であることが好ましい。
前記セパレータの平均細孔径は、セパレータ内のLiイオンの透過性を高めて、電池の高出力特性を向上させる観点から、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましい。また、セパレータのLiデンドライトの防止性を高めて、電池の微短絡の発生を抑える観点から、前記平均細孔径は、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。本明細書でいうセパレータの平均細孔径は、日本工業規格(JIS)K 3832に規定のバブルポイント法に基づいて測定される値であり、市販の貫通細孔分布測定装置などを用いて測定することができる。
セパレータの透気度(ガーレー値)は、負荷特性を高めるために、500sec/100mL以下であることが好ましく、300sec/100mL以下であることがより好ましい。一方、最大細孔径が大きくなりすぎることによる内部短絡を防ぐために、前記透気度は50sec/100mL以上であることが好ましく、100sec/100mL以上であることがより好ましい。
高温環境下におけるセパレータの信頼性をより高くする、またはセパレータの機械的強度を高めるなどの理由で、前記セパレータの片面あるいは両面に無機粒子を積層させてもよい。無機粒子としては例えば、酸化鉄、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、TiO2、BaTiO3、ZrO2などの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などの微粒子が挙げられる。ここで、前記無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。
非水電解液電池に係る非水電解液には、下記の非水系溶媒中に、リチウム塩を溶解させることで調製した溶液が使用できる。そして、非水電解液には、前記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物を含有させて使用する。
前記リン酸化合物は、リン酸が有する水素原子のうちの少なくとも1つが、前記一般式(1)で表される基で置換された構造を有している。
また、前記ホウ酸化合物は、ホウ酸が有する水素原子のうちの少なくとも1つが、前記一般式(1)で表される基で置換された構造を有している。
前記一般式(1)において、XはSi、GeまたはSnであるが、前記リン酸化合物としては、XがSiであるリン酸シリルエステルが好ましく用いられ、前記ホウ酸化合物としては、XがSiであるホウ酸シリルエステルが好ましく用いられる。
また、前記一般式(1)において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数6〜10のアリール基であるが、メチル基またはエチル基がより好ましい。また、R1、R2およびR3は、その水素原子の一部または全部がフッ素で置換されていてもよい。そして、前記一般式(1)で表される基としては、トリメチルシリル基が特に好ましい。
前記リン酸化合物においては、リン酸が有する水素原子のうちの1つのみが前記一般式(1)で表される基で置換されていてもよく、リン酸が有する水素原子のうちの2つが前記一般式(1)で表される基で置換されていてもよく、リン酸が有する水素原子の3つ全てが前記一般式(1)で表される基で置換されていてもよいが、リン酸が有する水素原子の3つ全てが前記一般式(1)で表される基で置換されていることが、より好ましい。
このような前記リン酸化合物としては、例えば、リン酸モノ(トリメチルシリル)、リン酸ジ(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸ジメチルトリメチルシリル、リン酸メチルビス(トリメチルシリル)、リン酸ジエチルトリメチルシリル、リン酸ジフェニル(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリエチルシリル)、リン酸トリス(ビニルジメチルシリル)、リン酸トリス(トリイソプロピルシリル)、リン酸トリス(ジメチルエチルシリル)、リン酸トリス(メチルジエチルシリル)、リン酸トリス(ブチルジメチルシリル)、リン酸トリス(ビニルジメチルシリル)、リン酸トリス(トリフェニルシリル)などを挙げることができ、リン酸モノ(トリメチルシリル)、リン酸ジ(トリメチルシリル)、リン酸トリス(トリメチルシリル)、リン酸ジメチルトリメチルシリル、リン酸メチルビス(トリメチルシリル)が好ましく、リン酸トリス(トリメチルシリル)が、特に好ましい。
また、前記ホウ酸化合物においては、ホウ酸が有する水素原子のうちの1つのみが前記一般式(1)で表される基で置換されていてもよく、ホウ酸が有する水素原子のうちの2つが前記一般式(1)で表される基で置換されていてもよく、ホウ酸が有する水素原子の3つ全てが前記一般式(1)で表される基で置換されていてもよいが、ホウ酸が有する水素原子の3つ全てが前記一般式(1)で表される基で置換されていることが、より好ましい。
このような前記ホウ酸化合物としては、例えば、ホウ酸モノ(トリメチルシリル)、ホウ酸ジ(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、ホウ酸ジメチルトリメチルシリル、ホウ酸メチルビス(トリメチルシリル)、ホウ酸ジエチルトリメチルシリル、ホウ酸ジフェニル(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリエチルシリル)、ホウ酸トリス(ビニルジメチルシリル)ホウ酸トリス(トリイソプロピルシリル)、ホウ酸トリス(ジメチルエチルシリル)、ホウ酸トリス(メチルジエチルシリル)、ホウ酸トリス(ブチルジメチルシリル)、ホウ酸トリス(ビニルジメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリフェニルシリル)などを挙げることができ、ホウ酸モノ(トリメチルシリル)、ホウ酸ジ(トリメチルシリル)、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)、ホウ酸ジメチルトリメチルシリル、ホウ酸メチルビス(トリメチルシリル)が好ましく、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)が、特に好ましい。
非水電解液中の、前記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物の添加量は、その使用による前記の効果をより良好に確保する観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることが特に好ましく、0.7質量%以上であることが最も好ましい。また、その量が多くなりすぎると、負極表面に形成され得る被膜の厚みが増大し、これにより抵抗が大きくなり負荷特性が低下する虞があることから、非水電解液中の、前記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物の添加量は、8質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが特に好ましく、3質量%以下であることが最も好ましい。
前記リン酸化合物と前記ホウ酸化合物とを共に含有する場合には、その添加量が前記範囲となるように調整すればよい。
非水電解液に係る溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(MEC)などの鎖状カーボネート;1,2−ジメトキシエタン、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、メトキシエトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ニトリル;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、前記の環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することが好ましい。
また、前記リン酸化合物および前記ホウ酸化合物の効果をより生じやすくさせ、更に低温での負荷特性をより向上させるために、プロピレンカーボネートを全溶媒中で10体積%以上含有させることが好ましく、20体積%以上含有させることがより好ましい。
非水電解液に係るリチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li2C2F4(SO3)2、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiCnF2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO2)2〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。中でも、高温度下での安定性に優れるという点で、LiBF4、LiCF3SO3、Li2C2F4(SO3)2、LiClO4、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3およびLiCF3CO2より選択される少なくとも1種のリチウム塩が特に好ましい。これらのリチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
更に、非水電解液には、必要に応じて、前記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物以外の添加剤を含有させることもできる。併用可能な添加剤としては、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどの環内に不飽和結合を持たないスルトン化合物;1,3−プロペンスルトンなどの環内に不飽和結合を有するスルトン化合物;無水マレイン酸、無水フタル酸などの酸無水物;スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリルなどのジニトリル;LiB(C2O4)2;などが挙げられる。
更に、非水電解液は、公知のポリマーなどのゲル化剤を用いてゲル状(ゲル状電解質)としてもよい。
非水電解液電池に係る負極には、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成されたものを使用する。
通常の非水電解液電池では負極集電体としてCu箔を使用する場合が多い。前記非水電解液電池を充電状態で放置すると自己放電するのが一般的である。特に高温環境下で放置すると自己放電がより進行してしまい、負極側の電位が高くなることでCu箔からCuイオンが溶出しやすくなる。溶出したCuイオンはその後充電された際に電極上などに析出し、セパレータを貫通して正極と導通し電池が発熱することや負極のLiイオンの受け入れ性を低下させサイクル特性を悪化させる問題があった。
一方、Cu箔の両面または片面にAl箔を積層した、Cu-Alクラッド材を負極として用いれば、Cu箔を用いた場合より、前記Cuイオンの溶出を抑制する傾向にあるが、Cu層が存在するために完全な抑制効果は得られず、未だ改善の余地があった。
本願発明の負極は、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成されるため、前記Cu箔、あるいはCu-Alクラッド材のように、Cuの層が存在しない。したがって、本発明の非水電解液電池は、高温環境下で著しく自己放電させてもCuが溶出することはない。
本願発明の負極は、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成させるための負極前駆体としてAl箔を使用する。本願発明でいうところのAl箔とは、純Al箔およびAl合金箔をも含む。特に、強度を向上させる、あるいは導電性をあげるなどの目的で、Fe、Cu、Mn、Si、Mgなどの金属が添加されたAl合金箔が採用される。ここで、添加金属して加えられるCuは、Cu箔やCuクラッド材のように独立した金属層状で存在するわけではないので、電解液に接触するCu量は極めて微量なので、電池が著しく自己放電した場合でもCuイオンが溶出して問題となることはない。
本願発明の負極は、Li箔あるいはLi合金箔と負極前駆体となるAl箔とを貼り合わせて電池内に導入し、非水電解液の共存下でLiとAlとを反応させてAl層と、Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成された負極を得ることができる。また、後述する正極活物質として、リチウム含有複合酸化物(Liイオンを吸蔵および放出可能なリチウム含有複合酸化物)を用いる場合、電池の組み立て後に、充電反応をさせることにより、正極が含有するLiイオンを負極側に移動させ、負極前駆体であるAl箔をLiと合金化させる工程を経て、Al層と、Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成された負極とすることができる。
あるいは、Li−Al合金の不可逆容量を調整するためなどの目的で、負極前駆体であるAl箔の表面にあらかじめLi箔を貼り合わせたものを用いて電池を組み立て、組み立て後の電池を充電して、正極が含有するLiイオンを負極側に移動させ、目的とする組成のLi−Al合金層を形成することも可能である。
上述したいずれの場合でも、本発明の負極は一定のAl層が必ず存在し、Al層が負極における集電体の役割も果たす。その場合、Li-Al合金層はAl箔の片面だけに形成されていてもよく、両面に形成されていても良い。
負極前駆体としてのAl箔の厚さは、30μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましく、150μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。前記Al箔の厚さが、上記範囲内であれば、充電後でLi−Al合金層が膨張した場合でも、十分な強度を保って集電を行うことができ、負極の容量を一定以上とすることができる。
また、負極前駆体としてのAl箔中のCu成分の量は、7質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、さらには0.4質量%が好ましい。この範囲であればCuイオン溶出防止効果をより確実に担保することができる。
また、負極前駆体として使用するAl箔には、電池の組み立て前に、常法に従って負極リード体を設けることができる。
非水電解液電池に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。正極活物質には、リチウム含有複合酸化物(Liイオンを吸蔵および放出可能なリチウム含有複合酸化物)や、リチウム含有複合酸化物以外の正極活物質を使用することができる。
正極活物質として使用されるリチウム含有複合酸化物としては、Li1+xM1O2(−0.1<x<0.1、M1:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有複合酸化物、LiMn2O4やその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiM2PO4(M2:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などが挙げられる。前記層状構造のリチウム含有複合酸化物としては、LiCoO2などのコバルト酸リチウムやLiNi1−aCoa−bAlbO2(0.1≦a≦0.3、0.01≦b≦0.2)などの他、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3O2、LiMn5/12Ni5/12Co1/6O2、LiNi3/5Mn1/5Co1/5O2など)などを例示することができる。
また、リチウム含有複合酸化物以外の正極活物質としては、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物や、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物を例示することができる。
正極活物質には、前記例示の化合物のうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、高容量で貯蔵安定性に優れていることから、リチウム含有複合酸化物を使用することが好ましく、コバルト酸リチウムを使用することがより好ましい。
正極合剤層に係る導電助剤には、例えば、アセチレンブラック;ケッチェンブラック;チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料の他、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;銅、ニッケルなどの金属粉末類;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などを用いることができる。
正極合剤層に係るバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
正極は、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤を、溶剤(NMPなどの有機溶剤や水)に分散させて正極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を調製し、この正極合剤含有組成物を集電体の片面または両面などに塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
また、前記正極合剤を用いて成形体を形成し、この成形体の片面の一部または全部を正極集電体と貼り合わせて正極としてもよい。正極合剤成形体と正極集電体との貼り合わせは、プレス処理などにより行うことができる。
正極の集電体としては、AlやAl合金などの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、Al箔が好適に用いられる。正極集電体の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質を80.0〜99.8質量%とし、導電助剤を0.1〜10質量%とし、バインダを0.1〜10質量%とすることが好ましい。また、正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、30〜300μmであることが好ましい。
正極の集電体には、常法に従って正極リード体を設けることができる。
非水電解液電池において、正極と負極(負極前駆体を含む)とは、例えば、セパレータを介して重ねて構成した電極体、前記電極体を更に渦巻状に巻回して形成された巻回電極体、または複数の正極と複数の負極とを交互に積層した積層電極体の形態で使用される。
前記巻回電極体の場合、Al層を含むクラッド材を用いた場合は、クラッド材自身が硬く、巻回内周側において折れてしまい、それがきっかけとなって短絡が発生することがある。一方、負極前駆体であるAl箔を組み立てた後にLiと合金化させる方法でAl層とAl層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成された負極とするときには、Al箔はやわらかく巻回しやすいため、また巻回内周側でも折れにくいため安全性が高い。
非水電解液電池は、例えば、電極体を外装体内に装填し、更に外装体内に非水電解液を注入して非水電解液中に電極体を浸漬させた後、外装体の開口部を封止することで製造される。
非水電解液電池の外装体には、スチール製やアルミニウム製、アルミニウム合金製の外装缶や、金属を蒸着したラミネートフィルムで構成される外装体などを用いることができる。
本発明の非水電解液電池を構成するにあたり、負極前駆体であるAl箔を組み立てた後にLiと合金化させる方法でAl層とAl層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成された負極とする場合には、組み立て後の電池に少なくとも1回の充電工程を有するか、または充電工程に加えて放電工程も有する化成処理を施すことが好ましい。
前記充電工程において、負極前駆体であるAl箔が、非水電解液中のLiイオンと電気化学的に反応してLi―Al合金層が形成されることで、負極前駆体が負極に変化する。
なお、前記化成処理においては、Li−Al合金が形成されるときにAl金属層が大きな体積膨張を生じるため、Li−Al合金層に多数のクラックを生じ、化成処理を行わない場合と比較して、高温貯蔵後の負荷特性をより向上させることができる。充電条件などの化成処理の条件は、必要とされる特性に応じて適宜設定することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05O2:97質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:1.5質量部と、バインダであるPVDF:1.5質量部とを、NMPに分散させたスラリーを調製し、これを厚さ12μmのAl箔の両面に塗布し、乾燥し、プレス処理を行うことにより、Al箔集電体の片面におよそ15mg/cm2の質量の正極合剤層を形成した。更に、正極合剤層のプレス処理を行うと共に、アルミニウム製のリード体を取り付けることにより、長さ940mm、幅43mmの帯状の正極を作製した。
<正極の作製>
正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05O2:97質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:1.5質量部と、バインダであるPVDF:1.5質量部とを、NMPに分散させたスラリーを調製し、これを厚さ12μmのAl箔の両面に塗布し、乾燥し、プレス処理を行うことにより、Al箔集電体の片面におよそ15mg/cm2の質量の正極合剤層を形成した。更に、正極合剤層のプレス処理を行うと共に、アルミニウム製のリード体を取り付けることにより、長さ940mm、幅43mmの帯状の正極を作製した。
<負極の作製>
厚さ100μmで、長さ950mm×幅44.5mmのAl箔(JIS規格に定められている1N30番)に、電池外部との導電接続のためのニッケル製のリード体を取り付けて負極前駆体とした。
厚さ100μmで、長さ950mm×幅44.5mmのAl箔(JIS規格に定められている1N30番)に、電池外部との導電接続のためのニッケル製のリード体を取り付けて負極前駆体とした。
<セパレータ>
熱分解温度が500℃以上であるポリイミド樹脂から構成される、厚み:23μm、ガーレー値:197/100ml、平均細孔径:0.2μm、空孔率が48%の多孔質フィルムをセパレータとして用いた。
熱分解温度が500℃以上であるポリイミド樹脂から構成される、厚み:23μm、ガーレー値:197/100ml、平均細孔径:0.2μm、空孔率が48%の多孔質フィルムをセパレータとして用いた。
<電池の組み立て>
前記正極と前記負極とを、前記ポリイミド多孔質フィルムを介して積層し、渦巻状に巻回した後、押しつぶして扁平状の電極体を形成した。
前記正極と前記負極とを、前記ポリイミド多孔質フィルムを介して積層し、渦巻状に巻回した後、押しつぶして扁平状の電極体を形成した。
また、プロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DEC)との体積比20:60:20の混合溶媒に、LiBF4を1.0mol/lの濃度で溶解させ、更にアジポニトリル:5質量%およびリン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP):2質量%を添加することにより、非水電解液を調製した。
前記電極体を、厚さ0.8mmのアルミニウム合金製の角形電池容器に挿入し、前記非水電解液を注入した後、電池容器を封止することにより、定格容量が1000mAhであり、図1および図2に示す構造で、103450サイズの角形非水電解液電池を組み立てた。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、図1はその部分断面図であって、正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の巻回電極体6として、角形(角筒形)の電池容器4に非水電解液と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の各層や非水電解液などは図示していない。
電池容器4はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この電池容器4は正極端子を兼ねている。正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状巻回電極体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、電池容器4の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口用蓋板9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋板9は電池容器4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池容器4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1の電池では、蓋板9に非水電解液注入口14が設けられており、この非水電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている。更に、蓋板9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋板9に直接溶接することによって電池容器4と蓋板9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、電池容器4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図1では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
(実施例2)
実施例1で使用した非水電解液中に含まれるリン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)のかわりに、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB)を加えた非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用した非水電解液中に含まれるリン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)のかわりに、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)(TMSB)を加えた非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(実施例3)
実施例1で使用したポリイミド多孔質フィルムのかわりに、熱分解温度が400℃以上であるアラミド樹脂から構成される、厚み:20μm、ガーレー値:150/100ml、平均細孔径:0.3μm、空孔率が48%の多孔質フィルムをセパレータとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用したポリイミド多孔質フィルムのかわりに、熱分解温度が400℃以上であるアラミド樹脂から構成される、厚み:20μm、ガーレー値:150/100ml、平均細孔径:0.3μm、空孔率が48%の多孔質フィルムをセパレータとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(実施例4)
実施例1で使用したポリイミド多孔質フィルムのかわりに、融点が280℃以上であるポリフェニレンスルフィド樹脂から構成される、厚み:20μm、ガーレー値:130/100ml、平均細孔径:0.35μm、空孔率が48%の多孔質フィルムをセパレータとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用したポリイミド多孔質フィルムのかわりに、融点が280℃以上であるポリフェニレンスルフィド樹脂から構成される、厚み:20μm、ガーレー値:130/100ml、平均細孔径:0.35μm、空孔率が48%の多孔質フィルムをセパレータとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(実施例5)
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)の添加量を8質量%とした非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)の添加量を8質量%とした非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(実施例6)
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)の添加量を0.1質量%とした非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)の添加量を0.1質量%とした非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(実施例7)
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)の添加量を10質量%とした非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)の添加量を10質量%とした非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(比較例1)
実施例1で使用したポリイミド多孔質フィルムのかわりに、融点が120℃であるポリエチレン樹脂から構成される、厚み:20μm、ガーレー値:271sec/100ml、空孔率が45%の多孔質フィルムをセパレータとして用いた以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用したポリイミド多孔質フィルムのかわりに、融点が120℃であるポリエチレン樹脂から構成される、厚み:20μm、ガーレー値:271sec/100ml、空孔率が45%の多孔質フィルムをセパレータとして用いた以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(比較例2)
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)を添加していない非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
実施例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)を添加していない非水電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(比較例3)
比較例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)を添加していない非水電解液を用いたこと以外は、比較例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
比較例1で使用した非水電解液において、リン酸トリス(トリメチルシリル)(TMSP)を添加していない非水電解液を用いたこと以外は、比較例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
(比較例4)
厚さ40μmのCu箔の両面に、それぞれ、厚さ30μmのAl箔を積層した950mm×44.5mmの大きさのクラッド材(積層金属箔)を負極の作製に用いた。前記クラッド材には、電池外部との導電接続のためのニッケル製のリード体を取り付けて負極(負極前駆体)とした。以下、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
厚さ40μmのCu箔の両面に、それぞれ、厚さ30μmのAl箔を積層した950mm×44.5mmの大きさのクラッド材(積層金属箔)を負極の作製に用いた。前記クラッド材には、電池外部との導電接続のためのニッケル製のリード体を取り付けて負極(負極前駆体)とした。以下、実施例1と同様にして角形非水電解液電池を組み立てた。
<電池の化成処理>
実施例および比較例の電池(各25個)に対して、0.2C(200mA)の定電流で、電圧が3.8Vになるまで定電流充電を行い、その後、3.8Vの定電圧で充電電流が0.01C(10mA)になるまで定電圧充電を行った。次に、充電後の各電池を定電流1C(1000mA)で2.0Vとなるまで放電を行った後、更に同様の充放電をもう1回行って、電池の化成処理を行った。
<溶出したCu濃度測定>
化成処理後の電池(各5個)に対し、正極と負極間に0.1Ωの抵抗を接続し、100℃で35日間放置した。放置後の各電池を、分解し、電池内の電解液を採集した。採集した電解液に対し、10倍量(体積比)の1N硝酸水溶液を加え、さらに電解液に対し100倍量(体積比)の純水を加え、十分に混合した。混合した液中のCu濃度を、原子吸光分光光度計(日立ZA-3000)にて測定した。
実施例および比較例の電池(各25個)に対して、0.2C(200mA)の定電流で、電圧が3.8Vになるまで定電流充電を行い、その後、3.8Vの定電圧で充電電流が0.01C(10mA)になるまで定電圧充電を行った。次に、充電後の各電池を定電流1C(1000mA)で2.0Vとなるまで放電を行った後、更に同様の充放電をもう1回行って、電池の化成処理を行った。
<溶出したCu濃度測定>
化成処理後の電池(各5個)に対し、正極と負極間に0.1Ωの抵抗を接続し、100℃で35日間放置した。放置後の各電池を、分解し、電池内の電解液を採集した。採集した電解液に対し、10倍量(体積比)の1N硝酸水溶液を加え、さらに電解液に対し100倍量(体積比)の純水を加え、十分に混合した。混合した液中のCu濃度を、原子吸光分光光度計(日立ZA-3000)にて測定した。
<電池膨れ割合の測定>
化成処理後の電池(各5個)に対し、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電を行い、充電状態とした電池を100℃の恒温槽に入れ7日間保持した。
化成処理後の電池(各5個)に対し、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電を行い、充電状態とした電池を100℃の恒温槽に入れ7日間保持した。
保持後の電池を恒温槽から取り出してすぐに電池の厚みを測定し、恒温槽中で保持する前の充電状態での厚み:tとの差:Δtを求め、その比:Δt/tを電池の膨れの割合(%)として評価した。
<高温充放電試験>
また、化成処理後の電池(各5個)を100℃の恒温槽に入れ、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電と、0.2C(200mA)の定電流で電池電圧が2.0Vに低下するまで放電させる定電流放電とからなる充放電サイクルを行った。そして、前記充放電サイクル中の電池電圧を測定し、電圧変化に異常が生じないかを確認して微短絡が認められる電池の個数を調べた。
また、化成処理後の電池(各5個)を100℃の恒温槽に入れ、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電と、0.2C(200mA)の定電流で電池電圧が2.0Vに低下するまで放電させる定電流放電とからなる充放電サイクルを行った。そして、前記充放電サイクル中の電池電圧を測定し、電圧変化に異常が生じないかを確認して微短絡が認められる電池の個数を調べた。
<昇温試験>
また、化成処理後の電池(各5個)に対し、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電を行い、充電状態とした電池を恒温槽に入れ、5℃/分の割合で150℃に達するまで温度を上昇させ、150℃で3時間保持した後、電池を取り出して室温まで放冷させた。そして、前記昇温開始から電池を取り出すまでの間の電池電圧を測定し、電圧変化に異常が生じないかを確認して微短絡が認められる電池の個数を調べた。
また、化成処理後の電池(各5個)に対し、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電を行い、充電状態とした電池を恒温槽に入れ、5℃/分の割合で150℃に達するまで温度を上昇させ、150℃で3時間保持した後、電池を取り出して室温まで放冷させた。そして、前記昇温開始から電池を取り出すまでの間の電池電圧を測定し、電圧変化に異常が生じないかを確認して微短絡が認められる電池の個数を調べた。
<高温貯蔵後の低温放電時間>
化成処理後の電池(各5個)について、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電をした。これら電池を、100℃で7日間貯蔵した後、−20℃の環境下で、1.5C(1500mA)の定電流で2.0Vとなるまで放電を行い、この時の放電時間の長さを測定した。
化成処理後の電池(各5個)について、0.2C(200mA)の定電流で3.8Vまで充電し、その後、3.8Vの定電圧で0.01C(10mA)に電流値が減少するまで充電を続ける定電流−定電圧充電をした。これら電池を、100℃で7日間貯蔵した後、−20℃の環境下で、1.5C(1500mA)の定電流で2.0Vとなるまで放電を行い、この時の放電時間の長さを測定した。
前記の各評価結果を表1に示す。評価結果は、5個の電池から得られた数値を平均したものである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、前記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、本発明は、これらの実施形態には限定されない。本発明の範囲は、前記の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれる。
本発明の非水電解液電池は、高温環境下での使用が可能であり、高温で長時間保持された場合にも優れた信頼性を維持できるものであることから、こうした特性を生かして、例えば車両緊急通報システムの電源用途のように、高温環境下に置かれた後にも良好に放電できることが求められる用途に好ましく適用することができる。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池容器
6 扁平状の巻回電極体
9 封口用蓋体
2 負極
3 セパレータ
4 電池容器
6 扁平状の巻回電極体
9 封口用蓋体
Claims (5)
- 負極、正極、セパレータおよび非水電解液を有する非水電解液電池であって、
前記負極は、Al層と、前記Al層の表面に形成されたLi−Al合金層とで構成され、
前記セパレータとして、融点または熱分解温度が200℃以上である樹脂により構成された多孔質フィルムを有しており、
前記非水電解液は、下記一般式(1)で表される基を分子内に有するリン酸化合物またはホウ酸化合物を含有していることを特徴とする非水電解液電池。
- 前記リン酸化合物またはホウ酸化合物の非水電解液中での含有量が、8質量%以下である請求項1に記載の非水電解液電池。
- 前記多孔質フィルムを構成する樹脂が、ポリイミド、アラミドまたはポリフェニレンスルフィドである請求項1または2に記載の非水電解液電池。
- 前記非水電解液は、プロピレンカーボネートを全溶媒中で10体積%以上含有する請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液電池。
- 前記非水電解液は、LiBF4、LiCF3SO3、Li2C2F4(SO3)2、LiClO4、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3およびLiCF3CO2より選択される少なくとも1種のリチウム塩を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解液電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018117849A JP2019220381A (ja) | 2018-06-21 | 2018-06-21 | 非水電解液電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018117849A JP2019220381A (ja) | 2018-06-21 | 2018-06-21 | 非水電解液電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019220381A true JP2019220381A (ja) | 2019-12-26 |
Family
ID=69096911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018117849A Pending JP2019220381A (ja) | 2018-06-21 | 2018-06-21 | 非水電解液電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019220381A (ja) |
-
2018
- 2018-06-21 JP JP2018117849A patent/JP2019220381A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6948601B2 (ja) | 二次電池 | |
US20180191022A1 (en) | Non-aqueous electrolyte battery and method for manufacturing same | |
JP6536563B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR20180014192A (ko) | 비수 전해질 이차 전지 | |
JPWO2011027530A1 (ja) | 非水溶媒、並びにそれを用いた非水電解液および非水系二次電池 | |
WO2017154592A1 (ja) | 非水電解液電池 | |
KR102264734B1 (ko) | 비수성 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차전지 | |
US10833364B2 (en) | Lithium-ion secondary battery | |
JP2007335352A (ja) | 非水電解質二次電池及び電池制御システム | |
JP6921739B2 (ja) | 非水電解液一次電池およびその製造方法 | |
CN107026281B (zh) | 锂离子二次电池 | |
CN110603682B (zh) | 非水性电解液和包含其的锂二次电池 | |
WO2018123085A1 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
WO2018116491A1 (ja) | 非水電解液二次電池およびその製造方法 | |
US20180159105A1 (en) | Lithium-ion battery | |
JP2018156803A (ja) | 非水系二次電池 | |
JP6796477B2 (ja) | 非水電解液電池の製造方法 | |
JP2019220380A (ja) | 非水電解液電池の製造方法 | |
JP7020818B2 (ja) | 非水系電解液及び非水系二次電池 | |
JP2019220381A (ja) | 非水電解液電池 | |
WO2019102883A1 (ja) | 非水電解質電池 | |
JP7112265B2 (ja) | 非水電解液二次電池およびその製造方法 | |
JP7366845B2 (ja) | 非水系電解液及び非水系二次電池 | |
WO2023119949A1 (ja) | 二次電池 | |
US12040480B2 (en) | Secondary battery |